JP2008058110A - 力覚センサ用チップおよび力覚センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の歪み抵抗素子の特性の均一性を向上させることが可能な力覚センサ用チップを提供する。
【解決手段】力覚センサ用チップ2は、減衰装置を介して外力が印加される作用部21と、作用部21を支持する支持部22と、作用部21と支持部22とを連結し、印加された外力に応じてたわむ連結部23と、を備えた半導体基板20と、連結部23に設けられ、連結部23のたわみに基づいて印加された外力を検出する歪み抵抗素子S1,S2,S3,S4,S5,S6,S7,S8と、を備え、歪み抵抗素子S1,S2,S3,S4,S5,S6,S7,S8は、それらの長手方向がすべて同一方向に向けて設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、力覚センサ用チップおよび力覚センサに関し、特に複数の歪み抵抗素子を用いて印加された外力を検出する力覚センサ用チップおよび力覚センサに関する。
従来、産業用ロボット等において、動作中に加えられる外力に対して適切かつ柔軟に対応できる制御を行なうため、加えられた外力の大きさや方向を正確に検知する多軸力覚センサが採用されている。
多軸力覚センサは、例えば、加えられた外力による微小な歪み(圧縮、引張り)で抵抗値が変化する歪み抵抗素子(ピエゾ抵抗素子)の性質を利用したものが知られている(例えば、特許文献1,2)。
これらの多軸力覚センサは、半導体製造プロセスによって半導体基板上に製作される力覚センサ用チップと、この力覚センサ用チップを固定して収容する金属部材で構成された減衰装置と、を備えている。
具体的には、力覚センサ用チップは、加えられた外力が伝達される作用部の周囲に複数の歪み抵抗素子を適宜配置して、外力による歪み抵抗素子の抵抗値の変化を電気信号として検出することで、外力の大きさや方向を検知する。一方、加えられた外力をそのまま歪み抵抗素子に伝達すると、外力が大きすぎる場合には力覚センサ用チップの破損を招くおそれがある。このため、多様な外力に適切に対応するために、減衰装置を設けて、加えられた外力を適切な大きさに減衰して力覚センサ用チップに伝達している。
特開2003−207405号公報 特開2003−254843号公報
従来の力覚センサ用チップでは、複数の歪み抵抗素子は、半導体基板上に、それぞれ直交する二つの方向のいずれかに向けて設けられているものが多い。一方、半導体基板は、その表面が結晶方位面となるように製造されるが、製造上、その表面と結晶方位面との間に若干の傾きが生じてしまう。このような半導体基板上に複数の歪み抵抗素子を直交させて設けると、歪み抵抗素子の方向によってピエゾ抵抗係数(ミラー係数)等の物性値が異なってしまい、歪み抵抗素子の特性が不均一となる。このような力覚センサ用チップを多軸力覚センサに適用すると、歪み抵抗素子の特性の不均一により、検出値の不均一さを補正する必要が生じ、信号処理が複雑になってしまう。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、複数の歪み抵抗素子の特性の均一性を向上させることが可能な力覚センサ用チップおよび力覚センサを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、減衰装置を介して外力が印加される作用部と、当該作用部を支持する支持部と、前記作用部と前記支持部とを連結し、印加された前記外力に応じてたわむ連結部と、を備えたベース部材と、前記連結部に設けられ、当該連結部のたわみに基づいて印加された前記外力を検出する複数の歪み抵抗素子と、
を備えた力覚センサ用チップであって、前記複数の歪み抵抗素子は、それらの長手方向がすべて同一方向に向けて設けられていることを特徴とする。
かかる構成によると、ベース部材の表面と結晶方位面との間に傾きがある場合であっても、複数の歪み抵抗素子の方向がすべて同一方向に向いているので、複数の歪み抵抗素子のピエゾ抵抗係数(ミラー係数)等の物性値を同一とすることができ、歪み抵抗素子の特性の均一性を向上させることができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の力覚センサ用チップであって、表面が(100)の結晶方位を有するシリコン基板から形成されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の力覚センサ用チップであって、前記複数の歪み抵抗素子はn型半導体からなり、それらの長手方向がすべて<100>方向に向けて設けられていることを特徴とする。
かかる構成によると、複数の歪み抵抗素子の検出値を大きくすることができる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の力覚センサ用チップであって、前記複数の歪み抵抗素子はp型半導体からなり、それらの長手方向がすべて<110>方向に向けて設けられていることを特徴とする。
かかる構成によると、複数の歪み抵抗素子の検出値を大きくすることができる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の力覚センサ用チップであって、前記ベース部材は、表面が(110)の結晶方位を有するシリコン基板から形成されていることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の力覚センサ用チップであって、前記複数の歪み抵抗素子はn型半導体からなり、それらの長手方向がすべて<100>方向に向けて設けられていることを特徴とする。
かかる構成によると、複数の歪み抵抗素子の検出値を大きくすることができる。
また、請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の力覚センサ用チップであって、前記複数の歪み抵抗素子はp型半導体からなり、それらの長手方向がすべて<110>方向に向けて設けられていることを特徴とする。
かかる構成によると、複数の歪み抵抗素子の検出値を大きくすることができる。
また、請求項8に記載の発明は、請求項5に記載の力覚センサ用チップであって、前記複数の歪み抵抗素子はp型半導体からなり、それらの長手方向がすべて<111>方向に向けて設けられていることを特徴とする。
かかる構成によると、複数の歪み抵抗素子の検出値を大きくすることができる。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の力覚センサ用チップであって、前記ベース部材は、表面が(111)の結晶方位を有するシリコン基板から形成されていることを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の力覚センサ用チップであって、前記複数の歪み抵抗素子はp型半導体からなり、それらの長手方向がすべて<110>方向に向けて設けられていることを特徴とする。
かかる構成によると、複数の歪み抵抗素子の検出値を大きくすることができる。
また、請求項11に記載の発明は、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の力覚センサ用チップであって、前記複数の歪み抵抗素子は、8個の歪み抵抗素子であることを特徴とする。
かかる構成によると、出力特性が向上し、信号処理に要する計算量も低減する。
また、請求項12に記載の発明は、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の力覚センサ用チップであって、前記複数の歪み抵抗素子の温度変化に伴う抵抗変化を補償するための温度補償用抵抗素子をさらに備えていることを特徴とする。
かかる構成によると、力覚センサ用チップの温度補償を確実に行うことができる。
また、請求項13に記載の発明である力覚センサは、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の力覚センサ用チップと、前記支持部および前記作用部と連結されており、入力された外力を減衰して前記作用部に印加する減衰装置と、を備えていることを特徴とする。
かかる構成によると、力覚センサに印加される力を減衰することができるので、力覚センサ用チップの破損を抑制することができる。
本発明によれば、複数の歪み抵抗素子の特性の均一性を向上させることができる。
まず、本発明の実施形態に係る力覚センサの全体構成について、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る力覚センサの概略構成を説明するための斜視図であり、(a)は外観を示す斜視図、(b)は断面をとって内部構造を示した斜視図である。図2は、外力が減衰されて力覚センサ用チップに伝達される様子を模式的に示した断面斜視図である。図3は、力覚センサ用チップの詳細を説明するための要部を示す平面図である。
なお、図面上において、説明の便宜上、歪みの程度、接合部の様子等は誇張して表わす場合がある。
本発明に係る力覚センサ1は、図1に示すように、外観において入力部30が突出した円盤状の形状に構成され(図1(a)参照)、伝達された外力Fの6軸成分を検出する力覚センサ用チップ2と(図1(b)参照)、力覚センサ用チップ2を固定するとともに外力Fを減衰して力覚センサ用チップ2に伝達する減衰装置3と、を備えている。
ここで、本発明に係る力覚センサ1は、外力Fを6軸成分の力およびモーメントに分けて検出できる6軸の力覚センサ1を例として説明する。具体的には、力の成分は、直交するX軸、Y軸、Z軸方向について、それぞれFx,Fy,Fzとする。そして、モーメントの成分は、X軸、Y軸、Z軸回りについて、それぞれMx,My,Mzとする。
なお、本実施形態においては、6軸の力覚センサ1を例として説明するが、本発明は特に力覚センサの形状や検出軸力数、外力の大きさ等に制限されるものではなく、例えば、Fx,Fy,Fzを検出する3軸の力覚センサにも適用可能である。
力覚センサ用チップ2は、平面視で略正方形の形状に構成され(図3を併せて参照)、減衰装置を介して外力F(減衰された外力F1(図示せず))が伝達される作用部21と、作用部21を支持する支持部22と、作用部21と支持部22とを連結し、印加された外力F1に応じてたわむ連結部23と、を備えている。
減衰装置3は、外観が偏平な円盤状の形状に構成され、外力Fが入力される入力部30と、入力部30に加えられた外力Fを減衰して力覚センサ用チップ2の作用部21に伝達する伝達部31と、力覚センサ用チップ2を固定する固定部32と、固定部32と入力部30とを連結している円板部34と、を備えている。そして、円板部34には、平面視で円弧状の長穴形状に形成された緩衝穴33が設けられている。
このように、本実施形態では、減衰装置3において、力覚センサ用チップ2の固定部32と外力Fが伝達される伝達部31とが力覚センサ用チップ2の同じ側(本図上の上側)で接合されている。かかる構成により、全体として薄型化を図ることができる。
また、固定部32と入力部30とを連結する円板部34を設けたことで、入力部30に加えられた外力Fは、図2に示すように、主として固定部32で受け止められて外部へ伝達される。一方、円板部34に緩衝穴33を設けたことで、入力部30が外力Fの作用する方向に変形し、外力Fは減衰されてその一部が入力部30から伝達部31へと伝えられる。このようにして、外力Fの大きさに応じて作用部21に伝達される力F1を適宜調整することで、多様な外力Fに対して適切に対応することができる。例えば、力覚センサ用チップ2の作用部21に印加される力F1が外力Fの1/10まで減衰されるように構成すれば、チップ体力の10倍までの外力検出が可能となる。
ここで、力覚センサ用チップ2と減衰装置3とは、ガラス薄膜10を介して陽極接合により接合されている。
接合部11は、力覚センサ用チップ2の作用部21と減衰装置3の伝達部31との接合部であり、接合部12は、力覚センサ用チップ2の支持部22と減衰装置3における固定部32との接合部である。
なお、本実施形態においては、減衰装置3側のガラス薄膜10は、取り付け部32bの下面の全面に形成されているが、これに限定されるものではなく、少なくとも力覚センサ用チップ2と接合される接合部11,12に形成されていれば足りる。また、接合部11,12における接合処理は陽極接合に限定されず、周知のエポキシ系接着剤を使用した接着等他の方法を用いて接合部11,12を接合してもよい。
図3に示すように、歪み抵抗素子S1〜S8は、連結部23上の所定位置に配置されており、8個の温度補償用抵抗素子24は、それぞれ対応する歪み抵抗素子S1〜S8の近傍であって、支持部22上または連結部23上に配置されている。歪み抵抗素子S1〜S8および温度補償用抵抗素子24と、信号電極パッド25およびGND電極パッドとの間は、後記するような配線で接続されている。
力覚センサ用チップ2には、18個の信号電極パッド25が設けられているが、16個の信号電極パッド25が8個の歪み抵抗素子S1〜S8および8個の温度補償用抵抗素子24にそれぞれ対応しており、1個の信号電極パッド25がモニタ用抵抗素子24aに対応しており、1個の信号電極パッド25は予備用である。
半導体基板20(半導体基板20が、特許請求の範囲における「ベース部材」の一例である。)には、貫通孔A〜Dが形成されており、これらの貫通孔A〜Dにより、半導体基板20における作用部21、支持部22および連結部23の機能が実現されている。すなわち、印加された力F1が作用部21を支持部22に対して相対移動させるような力として働くので、支持部22における貫通孔A〜Dに挟まれた部位、特に橋梁部23a1,23a2,23a4,23b1,23b2,23b4に圧縮力・引張力が作用する。歪み抵抗素子S1〜S8は、連結部23上であって、印加された力F1に起因する歪みの影響が顕著に生じる位置に配置されており、各位置における歪み(圧縮力・引張力)を検出する。また、8個の温度補償用素子24は、それぞれ対応する歪み抵抗素子S1〜S8の近傍であって、印加された力F1による歪みの影響を受けない位置に配置されている。貫通孔A〜D、歪み抵抗素子S1〜S8および温度補償用抵抗素子24については、後に詳述する。
続いて、前記のように構成された本発明の実施形態に係る力覚センサ1の製造方法について、主として図4を参照しながら説明する。図4は本発明の実施形態に係る力覚センサの製造方法を説明するための図であり、(a)はガラス薄膜を成膜する様子を示す概念図であり、(b)は陽極接合の様子を示す断面図である。
力覚センサ1の製造工程には、力覚センサ用チップ2を製作する工程と、減衰装置3を製作する工程と、力覚センサ用チップ2と減衰装置3を陽極接合する工程と、が含まれている。
力覚センサ用チップ2を製作する工程は、半導体基板(ウェハ)上に活性層を形成して各抵抗素子(歪み抵抗素子S、温度補償用抵抗素子24等)を配置する工程と(図3参照)、コンタクトホール(不図示)を形成する工程と、配線や各電極の領域25,26(図3参照)および貫通孔A〜D(図3参照)を形成する工程と、ウェハから半導体チップを切り出す工程と、を含んでいる。
半導体基板上に各抵抗素子を形成する工程では、半導体基板(ウェハ)に、歪み抵抗素子S、温度補償用抵抗素子24、およびモニタ用抵抗素子24a(図3参照)を所定の位置に形成する。例えば、n型(100)シリコンである半導体基板に、フォトリソグラフィーにより形成した抵抗素子を形成するためのレジストパターンをマスクとして、P型不純物であるボロンをイオン注入する。
減衰装置3を製作する工程は、一例として、ステンレス鋼材から機械加工ないし放電加工等によって製作し、固定部32および伝達部31の下面には、一例として、蒸着法により、ガラス薄膜10を成膜する工程を含んでいる。
減衰装置3と力覚センサ用チップ2とを接合する工程では、減衰装置3に周知の蒸着法等により成膜されたガラス薄膜10と力覚センサ用チップ2とを陽極接合により接合する。
半導体基板20と金属(例えば、ステンレス鋼)とでは熱膨張係数が大きく異なる。したがって、半導体基板20をベースにした力覚センサ用チップ2と金属からなる減衰装置3とを直接接合すると、接合部位において熱膨張係数の差による剥がれ等の損傷が生じるおそれがある。そこで、本実施形態では、半導体基板20と金属との中間の熱膨張係数を有するガラス薄膜10を介した接合が用いられている。この結果、接合部11,12における接合が強化され、絶縁性も確保される。かかる絶縁性の確保により、力覚センサ用チップ2から減衰装置3へのリーク電流が防止される。
本実施形態においては、バルクのガラス板ではなく、蒸着法またはスパッタリング法により、減衰装置3にガラス薄膜10を成膜(例えば、厚さ0.05〜20μm)し、このガラス薄膜10を利用して、力覚センサ用チップ2側を陽極接合することで、減衰装置3とガラス薄膜10との間に陽極接合による逆電圧が発生しても、減衰装置3とガラス薄膜10との間に形成されたガラス薄膜10の接合面が破壊されたり、接合強度が低下したりすることがなく、接合強度を維持することができる。
また、蒸着法またはスパッタリング法によりガラス薄膜10を成膜(例えば、厚さ0.05〜20μm)することで、バルクのガラス板よりも、はるかに薄くガラス層を形成することができる。このため、外力によるガラス層のたわみを最小限に低減することができるので、ガラス層のたわみを無視することも可能となる。したがって、ガラス層のたわみを考慮して力覚センサ用チップの出力に対して複雑な補正をする必要がなく、簡易なデータ処理で正確な検出が可能となる。
なお、ガラス薄膜10の絶縁機能や接合機能の観点からは、ガラス薄膜10は厚めに設けた方が望ましく、力覚センサ機能や熱膨張係数差の緩衝機能の観点からは、ガラス薄膜10は薄めに設けた方が望ましい。そこで、様々な計測データ等を考慮した上で絶縁機能や確実な接合機能、力覚センサ機能および熱膨張差の緩衝機能等の諸機能を同時に実現するように、ガラス薄膜10の厚みの適正値として0.05〜20μmを決定した。
さらに、バルクのガラスを準備する必要がなく、切削加工等の機械加工を行なう必要がないので、部品点数を削減してコストを低減するとともに、マイクロクラックの発生を防止して、耐荷重性および耐久性、信頼性を向上させることができる。
続いて、力覚センサ用チップ2の詳細な構成について、図3を参照しながら説明する。
力覚センサ用チップ2において、作用部21は、力覚センサ用チップ2の中央に設けられ、減衰装置3の伝達部31がガラス薄膜10を介して接合されている(図1(b)を併せて参照)。
連結部23は、図3に示すように、作用部21と支持部22とを連結する領域である。また、細長いスリット状の貫通孔A〜Dが所定の箇所に配置されている。連結部23には、一端が支持部22に結合されたY軸方向に延びる橋梁部23a1,23a2と、両端が橋梁部23a1,23a2の他端に結合されたX軸方向に延びる梁状の弾性部23a3と、一端が弾性部23a3の中央付近にT字型に結合されたY軸方向に延びる橋梁部23a4と、が設けられている。また、連結部23には、橋梁部23a1,23a2、弾性部23a3及び橋梁部23a4に対向して、一端が支持部22に結合されたY軸方向に延びる橋梁部23b1,23b2と、両端が橋梁部23b1,23b2の他端に結合されたX軸方向に延びる梁状の弾性部23b3と、一端が弾性部23b3の中央付近にT字型に結合されたY軸方向に延びる橋梁部23b4と、が設けられている。橋梁部23a1,23a2にはそれぞれ歪み抵抗素子S1,S2が配置されており、橋梁部23a4には歪み抵抗素子S3,S4が幅方向に並べて配置されている。また、橋梁部23b1,23b2にはそれぞれ歪み抵抗素子S5,S6が配置されており、橋梁部23b4には歪み抵抗素子S7,S8が幅方向に並べて配置されている。橋梁部23a4,23b4は、作用部21の中心を通りY軸方向に延びる直線上に設けられており、歪み抵抗素子S3,S4および歪み抵抗素子S7,S8は、前記直線を挟むように配置されている。そして、歪み抵抗素子S1〜S8および貫通孔A〜Dに対して所定の位置に、温度による歪み抵抗素子S1〜S8の歪みを補正する温度補償用抵抗素子24と、温度補償用抵抗素子24が正常に機能しているかどうかを監視するためのモニタ用抵抗素子24aと、が配置されている。
支持部22は、力覚センサ用チップ2の周縁部に位置し、連結部23に形成された直線状の貫通孔A〜Dのさらに外側の部分であって、その全部または一部が減衰装置3の固定部32とガラス薄膜10を介して接合されている(図1(b)参照)。
歪み抵抗素子S1〜S8は、図3に示すように、半導体基板20の表面(上層部)に形成された長方形の形状の活性層(拡散層)であり、図示は省略するが、その長手方向に外力が作用して変形すると抵抗が変化するように構成されている。
歪み抵抗素子S1〜S8は、連結部23に設けられ、連結部23のたわみに基づいて印加された外力を検出する素子であり、その長手方向がY軸方向に向けて平行に配列されている。
貫通孔A〜Dは、橋梁部23a1,23a2、弾性部23a3及び橋梁部23a4並びに橋梁部23b1,23b2、弾性部23b3及び橋梁部23b4を区画するように形成されている。
橋梁部23a1は貫通孔A,Cにより区画され、橋梁部23a2は貫通孔A,Dにより区画され、弾性部23a3は貫通孔A,C,Dにより区画され、橋梁部23a4は貫通孔C,Dにより区画されている。また、橋梁部23b1は貫通孔B,Cにより区画され、橋梁部23b2は貫通孔B,Dにより区画され、弾性部23b3は貫通孔B,C,Dにより区画され、橋梁部23b4は貫通孔C,Dにより区画されている。また、貫通孔A,B,C,Dは、橋梁部23a1,23a2,23a3,23b1,23b2,23b3に隣接して支持部に対する自由端(ヒンジ)を構成するように形成されている。このような貫通孔A〜Dによって、印加された外力F(図1参照)に応じた歪みが、歪み抵抗素子S1〜S8の配置位置において最も顕著に発生し、かつ、温度補償用抵抗素子24及びモニタ用抵抗素子24aの配置位置においては発生しないようになっている。
このように、貫通孔A〜Dを設けることで、貫通孔A〜Dに接する縁部は自由にストレスがなく移動することができるため、作用部21に外力F(図1参照)が作用しても、外力Fによる引張力や圧縮力が作用しない自由端となっている。これに対して、橋梁部23a1,23a2,23a4,23b1,23b2,23b4、特に、歪み抵抗素子S1〜S8の配置位置においては、引張力や圧縮力が所定の方向に作用する。なお、貫通孔A〜Dの形状は図示したものに限定されない。
温度補償用抵抗素子24は、歪み抵抗素子S1〜S8と同じ抵抗素子であって、それぞれ8個の歪み抵抗素子S1〜S8に対応させて、半導体基板20上の所定の位置に8個が配置されている。
かかる構成によると、対称性の優れた力覚センサ用チップ2を実現することができる。この結果、出力特性が向上し、信号処理に要する計算量も低減する。
温度補償用抵抗素子24は、温度補償対象である歪み抵抗素子S1〜S8と温度条件が同じであって、印加される外力Fによる歪みの影響を受けない位置に配置されている。すなわち、温度補償用抵抗素子24のそれぞれは、対応する歪み抵抗素子S1〜S8の近傍であって、自由端となっている貫通孔A〜Dの内側周縁部の近くに配置されている。
このように、力覚センサ用チップ2は、温度補償用抵抗素子24を温度条件のみにより抵抗値が変化する位置に配置することで、歪み抵抗素子S1〜S8の抵抗値の変化から温度変化による抵抗値の変化をキャンセルして、周囲温度の影響を受けない状態で、抵抗値を検出するように構成されている。
具体的には、温度補償用抵抗素子24と歪み抵抗素子S1〜S8のいずれかとでブリッジ回路を構成し、歪み抵抗素子S1〜S8のいずれかの温度変化および外力F(図1)による抵抗値の変化と、温度補償用抵抗素子24の抵抗値の変化とを比較することで、歪み抵抗素子S1〜S8における外力Fによる抵抗値の変化のみを取り出して検出している。
ここで、各歪み抵抗素子S1〜S8と、各歪み抵抗素子S1〜S8に対応するそれぞれの温度補償用抵抗素子24との電気的接続関係について、図5を参照しながら説明する。図5の(a)は本発明に係る力覚センサ用チップにおける歪み抵抗素子と温度補償用抵抗素子との電気的接続関係を説明するためのハーフブリッジ回路を示す電気回路図であり、(b)は本発明に係る力覚センサ用チップに外付け抵抗を付加したフルブリッジ回路を示す電気回路図である。通常、フルブリッジ回路を力覚センサ用チップ2内に構成するのが一般的であるが、ハーフブリッジ回路に外付け抵抗を付加して全体としてフルブリッジ回路を構成することもできる。本実施形態は、このような構成を採用したものである。
図5(a)(b)には、歪み抵抗素子S1とその近傍に設けられた温度補償用抵抗素子24とを含む回路が記載されているが、歪み抵抗素子S2〜S8とそれらの近傍に設けられた温度補償用抵抗素子ともそれぞれ同様の回路を構成している。
本発明に係る力覚センサ用チップ2(図3参照)における歪み抵抗素子S1〜S8と、その歪み抵抗素子S1〜S8に対応して温度補償を行なう温度補償用抵抗素子24は、図5(a)に示すように、ブリッジ回路の下半分に対応するハーフブリッジ回路HBを構成している。
具体的には、ハーフブリッジ回路HBは、歪み抵抗素子S1〜S8と温度補償用抵抗素子24の一端側(本図上の下側)が相互に連結されて、GND電極パッド26(図3参照)を介してGNDアース電位に接続されている。そして、歪み抵抗素子S1〜S8と温度補償用抵抗素子24の他端側(本図上の上側)は、それぞれ信号電極パッド25,25に接続されている。
ハーフブリッジ回路HBに対して、ブリッジ回路の上半分側を接続することでフルブリッジ回路を構成して、歪み抵抗素子S1〜S8における温度変化の影響をキャンセルした抵抗値を取り出すことができる。
具体的には、フルブリッジ回路は、図5(b)に示すように、歪み抵抗素子S1〜S8および温度補償用抵抗素子24の他端側(本図上の上側)に接続された信号電極パッド25,25にそれぞれ外付け抵抗R1,R2の一端側を接続して、外付け抵抗R1,R2の他端側は相互に連結して電源電圧Vに接続されて構成されている。
このようなフルブリッジ回路を構成して、歪み抵抗素子S1〜S8側の信号電極パッド25と、温度補償用抵抗素子24側の信号電極パッド25との間の出力信号を検出することで、歪み抵抗素子S1〜S8の抵抗値の変化から温度変化による抵抗値の変化をキャンセルして、歪み抵抗素子S1〜S8における外力F(図1参照)による抵抗値の変化のみを取り出して検出している。
なお、ハーフブリッジ回路HBの実装例を図6に示す。図6には、歪み抵抗素子S5,S7を含むハーフブリッジ回路HBが示されているが、他の歪み抵抗素子S1〜S4,S6,S8についても同様にハーフブリッジ回路HBを組むことができる。
続いて、本発明の実施形態に係る力覚センサ1の動作について説明する。
本発明の実施形態に係る力覚センサ1に種々の軸成分を含んだ外力Fが入力されると、予め設計された割合で外力Fが減衰されて減衰後の力が力覚センサ用チップ2に伝達される。種々の軸成分の外力Fが入力された場合の減衰装置3の挙動について、図7を参照しながら説明する。図7は、外力が加えられた場合の減衰装置の挙動を示す斜視図である。
例えば、X軸方向の外力Fxが入力部30に入力された場合には、図7(a)に示すように、入力部30が極めて微小ながらX軸方向に移動する。同様にして、Z軸方向の外力Fzが入力された場合には、図7(b)に示すように、入力部30がZ軸方向に移動する。そして、Y軸回りのモーメントMyが入力された場合には、図7(c)に示すように、入力部30がY軸回りに回転し、Z軸回りのモーメントMzが入力された場合には、図7(d)に示すように、入力部30がZ軸回りに回転する。なお、他の軸成分についても同様であるので、その説明は省略する。
図8〜図11を参照しながら、外力F(Fx,Fz,My,Mz)が印加された際の力覚センサ用チップ2に生じる歪みの状態について説明する。
図8は、X軸方向の外力Fxが作用部に伝達された場合の歪み抵抗素子の変形の様子を説明するための模式図であり、(a)は平面図であり、(b)は歪み抵抗素子の変形の様子を示す平面図である。
図8(a)に示すように、外力Fxの印加により作用部32がX方向に移動しようとし、これに伴って橋梁部23a1,23a2,23a4,23b1,23b2,23b4においてたわみが顕著に生じる。このとき、図8(b)に示すように、たわみの外側の歪み抵抗素子S4,S8には引張力が作用し、抵抗値が増加する。一方、たわみの内側の歪み抵抗素子S3,S7には圧縮力が作用し、抵抗値が減少する。同様に、たわみの外側の歪み抵抗素子S1,S6には引張力が作用し、抵抗値が増加する。一方、たわみの内側の歪み抵抗素子S2,S5には圧縮力が作用し、抵抗値が減少する。
図9は、Z軸方向の外力Fzが作用部に伝達された場合の歪み抵抗素子の変形の様子を説明するための模式図であり、(a)は平面図であり、(b)は歪み抵抗素子の変形の様子を示す断面図である。
図9(b)に示すように、外力Fzの印加により作用部21がZ方向に移動しようとし、これに伴って橋梁部23a1,23a2,23a4,23b1,23b2,23b4においてたわみが顕著に生じる。このとき、歪み抵抗素子S1,S2,S5,S6は、半導体基板20の表面(上層部)に形成されているから、歪み抵抗素子S1,S2,S5,S6には引張力が作用し、抵抗値が増加する。同様に、歪み抵抗素子S3,S4,S7,S8には引張力が作用し、抵抗値が増加する。
図10は、Y軸回りのモーメントMyが作用する場合の歪み抵抗素子の変形の様子を説明するための模式図であり、(a)は平面図であり、(b)は歪み抵抗素子の変形の様子を示す断面図である。
図10(b)に示すように、外力Myの印加により橋梁部23a1,23a2,23a4,23b1,23b2,23b4には、それぞれモーメントMyによるたわみが生じ、歪み抵抗素子S2,S3,S6,S7には引張力が作用し、抵抗値が増加する。また、歪み抵抗素子S1,S4,S5,S8には圧縮力が作用し、抵抗値が減少する。
図11は、Z軸回りのモーメントMzが作用する場合の歪み抵抗素子の変形の様子を説明するための模式図であり、(a)は平面図であり、(b)は歪み抵抗素子の変形の様子を示す平面図である。
図10(b)に示すように、外力Mzの印加により各橋梁部23a1,23a2,23a4,23b1,23b2,23b4には、それぞれモーメントMyによるたわみが生じ、たわみの外側に配置された歪み抵抗素子S2,S3,S6,S8には引張力が作用し、抵抗値が増加する。一方、たわみの内側に配置された歪み抵抗素子S1,S4,S5,S7には圧縮力が作用し、抵抗値が減少する。
以上、代表的な4つの軸力を例として、概念的に簡略化して外力Fに含まれる各成分(力またはモーメント)と歪み抵抗素子S1〜S8に作用する力との関係を説明した。そして、歪み抵抗素子S1〜S8に圧縮力または引張力が作用すると抵抗値が減少または増加するため、この抵抗値の変化率(抵抗変化率)をブリッジ回路(図5)により検出している。
この抵抗変化率に基づいて、6軸の力覚センサ1から最終的に出力される信号は、各単一の成分(Fx,Fy,Fz,Mx,My,Mz)に対応する演算抵抗変化率Sig1〜Sig6である。
すなわち、演算抵抗変化率Sig1〜Sig6は、できるだけ他軸干渉の影響を排除して、それぞれ外力に含まれる各成分(Fx,Fy,Fz,Mx,My,Mz)に対応させて、抵抗変化率から以下のように定められる。
Sig1
=(R’S1−R’S2−R’S3+R’S4−R’S5+R’S6−R’S7+R’S8)/8
Sig2
=(R’S1+R’S2+R’S3+R’S4−R’S5−R’S6−R’S7−R’S8)/8
Sig3
=(R’S1+R’S2−R’S3−R’S4+R’S5+R’S6−R’S7−R’S8)/8
Sig4
=(R’S1+R’S2−R’S3−R’S4−R’S5−R’S6+R’S7+R’S8)/8
Sig5
=(R’S1−R’S2−R’S3+R’S4+R’S5−R’S6−R’S7+R’S8)/8
Sig6
=(R’S1−R’S2−R’S3+R’S4+R’S5−R’S6+R’S7−R’S8)/8
ここで、抵抗変化率は、例えば、R’S1のように表すが、これは歪み抵抗素子S1の抵抗変化率を示すものである。なお、R’S1〜R’S8は、各歪み抵抗素子S1〜S8の温度補償後の抵抗変化率を表す。
6軸成分(Fx,Fy,Fz,Mx,My,Mz)と演算抵抗変化率Sig1〜Sig6との関係について説明する。力覚センサ1の出力信号である演算抵抗変化率Sig1〜Sig6に基づいて印加外力Fの各成分を算出するためには、予め、単一成分の軸力を力覚センサ用チップ2に印加して、このときの出力信号Sig1〜Sig6を求めておく。これによって、6軸成分(Fx,Fy,Fz,Mx,My,Mz)と演算抵抗変化率Sig1〜Sig6との関係が把握される。
なお、この点については、本出願人による先の出願に係る特開2003−207405号公報(図13等)や特開2006−125873号公報に開示された技術と同様の考え方に基づいて演算が実行される。
以上のような実験により、演算抵抗変化率Sig1〜Sig6は、他軸干渉の影響をできるだけ排除して、6軸成分(Fx,Fy,Fz,Mx,My,Mz)の一次式で表すことができる。この一次式(行列式)から逆行列を求めることで、6軸成分(Fx,Fy,Fz,Mx,My,Mz)を演算抵抗変化率Sig1〜Sig6の一次式で表すことができる。このようにして、6軸成分(Fx,Fy,Fz,Mx,My,Mz)は、演算抵抗変化率Sig1〜Sig6から求めることができる(詳細については、特開2003−207405号公報の段落0070参照)。
本実施形態に係る力覚センサ用チップ2は、歪み抵抗素子S1〜S8の長手方向がすべて同一方向に向けて設けられている。このようにすることで、製造上、半導体基板20の表面と結晶方位面との間に若干の傾きが生じていても、歪み抵抗素子S1〜S8の特性の均一性を向上させることができる。したがって、検出値の不均一さを補正する必要がなく、信号処理が簡略化される。
ここで、半導体基板20の種類と歪み抵抗素子S1〜S8の長手方向の向きとの関係について説明する。
表1は、半導体基板の材料と伝導型と歪み方向によるゲージ率との関係を示す。
Figure 2008058110
表1に示すように、半導体基板20の材料がGe、Siのいずれであるか、伝導型がn型、p型のいずれであるか、基板面における歪み方向が<100>、<110>、<111>のいずれであるか、によってゲージ率が大きく異なる。
ここで、本発明の力覚センサ1の半導体基板20をSiから作成する場合には、ゲージ率が大きい値を示す方向と歪み抵抗素子S1〜S8の長手方向とを一致させることが望ましい。
表2及び表3は、歪み抵抗素子の伝導型と長手方向の向きとの関係、及びSi基板の表面の結晶方位の好ましい例を示す。
Figure 2008058110
Figure 2008058110
表2及び表3に示す組み合わせを選択することにより、ゲージ率が大きい方向と歪み抵抗素子S1〜S8の長手方向を一致させるようになるので、歪み抵抗素子S1〜S8の検出値を大きくすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更して実施することが可能である。
例えば、本実施形態においては、ガラス薄膜10を蒸着法またはスパッタリング法で形成しているが、これに限定されるものではなく、イオンプレーティング(IP)法や気相成長法(CVD)等の他の成膜技術を適用することもできる。ガラス薄膜を成膜する技術は、多種多様であり絶えず進歩しているが、力覚センサに求められる感度、耐久性等の性能やコスト、生産量等を考慮して適宜選択される。
本実施形態においては、減衰装置3にガラス薄膜10を成膜し、ガラス薄膜10を介して減衰装置3と力覚センサ用チップ2とを接合しているが、これに限定されるものではなく、力覚センサ用チップ2側にガラス薄膜10を成膜し、このガラス薄膜10を介して力覚センサ用チップ2と減衰装置3とを陽極接合するようにしてもよい。また、チップに最初からガラス薄膜を成膜しておき、その後、チップと減衰装置とを陽極接合してもよい。
具体的には、力覚センサ用チップ2側に負電圧をかけ、減衰装置3側に正電圧をかけて、力覚センサ用チップ2に成膜されたガラス薄膜10と減衰装置3とを陽極接合により接合する。
なお、力覚センサ用チップ2側にガラス薄膜を形成する場合においても、減衰装置3に形成する場合と同様に、蒸着法やスパッタリング法、その他の薄膜形成手法により、適宜ガラス薄膜を成膜することができる。
また、ガラス薄膜10に代えてガラス板を用いても良い。
本実施形態においては、力覚センサ用チップ2において、中央部に作用部21を設け、作用部21の外側に連結部23および支持部22を設けているが、これに限定されるものではなく、中央部に支持部22を設け、その外側に連結部23を設け、さらにその外側に作用部21を設ける構成とすることもできる。要するに、連結部23は、作用部21に隣接する位置で連結部23に配置された歪み抵抗素子Sで作用部21に伝達された外力Fを検出でき、支持部22で連結部23および作用部21を支持できるような構成であればよい。
また、本実施形態においては、力覚センサ用チップ2を略正方形としているが、これに限定されるものではなく、矩形としてもよいし、円形としてもよい。また、減衰装置3も立方体や直方体の形状とすることもできる。本発明は、力覚センサ用チップ2の形状や減衰装置3の形状、およびこれらの組合せに関して、多様な形態を採用することができる。
また、歪み抵抗素子S1〜S8や温度補償用抵抗素子24の配置場所は、本実施形態と異なる位置であってもよい。
本発明の実施形態に係る力覚センサの概略構成を説明するための斜視図であり、(a)は外観を示す斜視図、(b)は断面をとって内部構造を示した斜視図である。 外力が減衰されて力覚センサ用チップに伝達される様子を模式的に示した断面斜視図である。 本発明の実施形態に係る力覚センサ用チップの詳細を説明するための要部を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る力覚センサの製造方法を説明するための図であり、(a)はガラス薄膜を成膜する構成を示す概念図であり、(b)は陽極接合の様子を示す断面図であり、(c)は減衰装置を組み立てる様子を示す断面図である。 (a)は本発明に係る力覚センサ用チップにおける歪み抵抗素子と温度補償用抵抗素子との電気的接続関係を説明するためのハーフブリッジ回路を示す電気回路図であり、(b)は本発明に係る力覚センサ用チップに外付け抵抗を付加したフルブリッジ回路を示す電気回路図である。 ハーフブリッジ回路の実装例を示す図である。 外力が加えられた場合の減衰装置の挙動を示す斜視図である。 X軸方向の外力Fxが作用部に伝達された場合の歪み抵抗素子の変形の様子を説明するための模式図であり、(a)は平面図であり、(b)は歪み抵抗素子の変形の様子を示す平面図である。 Z軸方向の外力Fzが作用部に伝達された場合の歪み抵抗素子の変形の様子を説明するための模式図であり、(a)は平面図であり、(b)は歪み抵抗素子の変形の様子を示す断面図である。 Y軸回りのモーメントMyが作用する場合の歪み抵抗素子の変形の様子を説明するための模式図であり、(a)は平面図であり、(b)は歪み抵抗素子の変形の様子を示す断面図である。 Z軸回りのモーメントMzが作用する場合の歪み抵抗素子の変形の様子を説明するための模式図であり、(a)は平面図であり、(b)は歪み抵抗素子の変形の様子を示す平面図である。
符号の説明
1 力覚センサ
2 力覚センサ用チップ
3 減衰装置
10 ガラス薄膜
11,12 接合部
21 作用部
22 支持部
23 連結部
30 入力部
31 伝達部
32 固定部
33 緩衝穴
S1〜S8 歪み抵抗素子

Claims (13)

  1. 減衰装置を介して外力が印加される作用部と、当該作用部を支持する支持部と、前記作用部と前記支持部とを連結し、印加された前記外力に応じてたわむ連結部と、を備えたベース部材と、
    前記連結部に設けられ、当該連結部のたわみに基づいて印加された前記外力を検出する複数の歪み抵抗素子と、
    を備えた力覚センサ用チップであって、
    前記複数の歪み抵抗素子は、それらの長手方向がすべて同一方向に向けて設けられていることを特徴とする力覚センサ用チップ。
  2. 前記ベース部材は、表面が(100)の結晶方位を有するシリコン基板から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の力覚センサ用チップ。
  3. 前記複数の歪み抵抗素子はn型半導体からなり、それらの長手方向がすべて<100>方向に向けて設けられていることを特徴とする請求項2に記載の力覚センサ用チップ。
  4. 前記複数の歪み抵抗素子はp型半導体からなり、それらの長手方向がすべて<110>方向に向けて設けられていることを特徴とする請求項2に記載の力覚センサ用チップ。
  5. 前記ベース部材は、表面が(110)の結晶方位を有するシリコン基板から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の力覚センサ用チップ。
  6. 前記複数の歪み抵抗素子はn型半導体からなり、それらの長手方向がすべて<100>方向に向けて設けられていることを特徴とする請求項5に記載の力覚センサ用チップ。
  7. 前記複数の歪み抵抗素子はp型半導体からなり、それらの長手方向がすべて<110>方向に向けて設けられていることを特徴とする請求項5に記載の力覚センサ用チップ。
  8. 前記複数の歪み抵抗素子はp型半導体からなり、それらの長手方向がすべて<111>方向に向けて設けられていることを特徴とする請求項5に記載の力覚センサ用チップ。
  9. 前記ベース部材は、表面が(111)の結晶方位を有するシリコン基板から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の力覚センサ用チップ。
  10. 前記複数の歪み抵抗素子はp型半導体からなり、それらの長手方向がすべて<110>方向に向けて設けられていることを特徴とする請求項9に記載の力覚センサ用チップ。
  11. 前記複数の歪み抵抗素子は、8個の歪み抵抗素子であることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の力覚センサ用チップ。
  12. 前記複数の歪み抵抗素子の温度変化に伴う抵抗変化を補償するための温度補償用抵抗素子をさらに備えていることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の力覚センサ用チップ。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の力覚センサ用チップと、
    前記支持部および前記作用部と連結されており、入力された外力を減衰して前記作用部に印加する減衰装置と、
    を備えていることを特徴とする力覚センサ。
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