JP4680566B2 - 多軸力センサチップとこれを用いた多軸力センサ - Google Patents

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Description

本発明は、多軸力センサチップとこれを用いた多軸力センサに関し、特に、半導体製造プロセス技術を利用して基板上に形成される複数の歪み抵抗素子を有し、ロボット等の力覚センサとして利用される6軸力センサ等に好適な多軸力センサチップとこれを用いた多軸力センサに関するものである。
工作機械やロボット等の自動作業機械では、その作業動作上で、作業対象物に対して力を加えたり、外界から力の作用を受けたりする。この場合、自動作業機械では、自身に加わる外部からの力やモーメントを検出し、当該力やモーメントに対応した制御を行うことが要求される。力やモーメントに対応する制御を高精度で行うためには、外部から加わる力とモーメントを正確に検出することが必要となる。
そこで従来から、各種の力覚センサが提案されている。通常、力覚センサは、検出方式の観点で大別すると、弾性式力覚センサと平衡式力覚センサがある。弾性式力覚センサは外力に比例した変形量に基づき力を測定する。平衡式力覚センサは既知の力との釣り合わせによって力を測定する。
また力覚センサは、原理的な構造として、外力に応じて弾性変形する起歪体の部分に複数の歪み抵抗素子を設けた構造を有するものが知られている。力覚センサの起歪体に外力が加わると、起歪体の変形度合い(応力)に応じた電気信号が複数の歪み抵抗素子から出力される。これらの電気信号に基づいて起歪体に加わった2成分以上の力等を検出することができる。力覚センサで生じる応力の測定は、上記電気信号に基づいて算出される。
力覚センサの一種として6軸力センサが知られている。6軸力センサは上記弾性式力センサの一種であって、起歪体部分に複数の歪み抵抗素子を備えている。6軸力センサは、外力を、直交座標系の3軸(X軸、Y軸、Z軸)の各軸方向の応力成分(力:Fx,Fy,Fz)と、各軸方向のトルク成分(モーメント:Mx,My,Mz)に分け、6軸成分として検出するものである。
6軸力センサの第1の従来例として特許文献1に開示される「多分力ロードセル」を挙げる。この文献は6軸力センサを開示している。この6軸力センサは、三次元構造の起歪体に複数の歪みゲージを貼付した構成を有している。歪みゲージを起歪体に貼付する構造では、小型化が制限され、製作再現性が悪く、製品間にバラツキが生じ、さらに繰返し衝撃のストレスおよび熱ストレス等に起因して貼付層が剥がれる等の問題が生じる。
6軸力センサの第2の従来例として、さらに特許文献2に開示される「二成分以上の力検出装置」を挙げる。この文献に開示された6軸力センサでは、半導体製造プロセスを利用して半導体基板の上に複数の歪み抵抗素子を作り、起歪体部分に歪みゲージ要素を一体的に組み付ける構成としている。
上記第2の従来の6軸力センサは、直交する3軸の各々について力またはモーメントを検出しようとするとき、基板全体が等方的に歪むという特性を構造的に有しており、さらに基板上における複数の歪み抵抗素子の配置が不適切であり、起歪体部分に加わる外力の各成分を精度よく分離できないという不具合を有していた。6軸力センサにおいて、例えばFxの軸応力成分のみが生じるように外力が加えられたときに、Fx以外の本来的に0になる他の成分に関して応力が発生する出力が生じると、正確な力検出ができず、問題である。
一般的に多軸力センサにおいて、起歪体に加わる外力の各成分(力およびモーメント)を精度よく分離できないという問題は「他軸干渉」の問題として知られている。他軸干渉の問題は、多軸力センサの実用化の観点で無視することができない問題である。
上記の他軸干渉の問題を解決する技術として、本発明者らは新しい構成を有する6軸力センサを提案した(特許文献3)。この6軸力センサは、半導体製造プロセスを利用して半導体基板上の起歪体の部分に複数の歪み抵抗素子を所定の配置パターンで一体的に組み付けている。当該6軸力センサは、ほぼ正方形の平面形状を有する板状の半導体基板から成り、周囲部分の支持部と、中央部分に位置する平面形状がほぼ正方形の作用部と、正方形の作用部の4つの辺の各々と支持部の対応部分との間を連結する連結部とから構成されている。歪み抵抗素子は、正方形作用部の各辺と連結部との間の境界部に設けられる。この6軸力センサによれば、起歪体の部分の形態を改良し、複数の歪み抵抗素子の配置パターンを最適化して「他軸干渉」の問題を解決している。
特公昭63−61609号公報 特許第2746298号公報 特開2003−207405号公報
特許文献3に記載された6軸力センサでは、上記歪み抵抗素子は本来的に温度依存特性を有しているので、半導体基板上に温度補償用の抵抗素子が設けられている。温度補償用抵抗素子は、室温のときの抵抗値と現抵抗値との抵抗比を算出するために使用される。算出された抵抗比と周囲温度とに基づいて、歪み抵抗素子の抵抗値の補償を行うことで周囲温度の影響を低減させ、より高精度な応力検出を可能にしている。
上記の温度補償用抵抗素子は半導体基板における周囲部分の支持部に設けられている。温度補償用の抵抗素子は、複数の歪み抵抗素子から離れた位置に設けられるため、伝熱量や熱膨張量などの基板および配線部分等による熱の影響が、歪み抵抗素子の配置領域と、温度補償用抵抗素子の配置領域では異なるという状況を生じていた。また支持部にある金属材料や接着剤からの応力も影響していた。その結果、温度補償用抵抗素子による温度補償値が必ずしも歪み抵抗素子の出力補正を行うのに最適な値とはならないという問題が生じた。
他方、温度条件を同じようにするため、温度補償用抵抗素子を歪み抵抗素子に接近させて配置すると、温度補償用抵抗素子も応力で歪んで抵抗変化を起こすので、温度補償の用をなさないという問題が生じる。
本発明の目的は、上記の問題に鑑み、歪み抵抗素子と同等の熱影響を受ける位置であって、かつ応力の影響を受けない位置に温度補償用抵抗素子を設けることができ、さらに高精度な応力検出を行うことができる多軸力センサチップを提供することにある。
本発明の他の目的は、応力の影響を受けない温度補償用抵抗素子を利用して高精度な応力検出を行える多軸力センサチップを利用して構成される多軸力センサを提供することにある。
本発明に係る多軸力センサチップと多軸力センサは、上記目的を達成するために、次のように構成される。
第1の多軸力センサチップ(請求項1に対応)は、外力作用領域部と非変形領域部を有する作用部と、この作用部を支持する支持部と、前記作用部と前記支持部を連結する連結部とを備える半導体基板からなるベース部材と、前記連結部の変形発生部に設けられる歪み抵抗素子と、前記作用部の前記非変形領域部上に設けられる温度補償用抵抗素子と、を備え、前記ベース部材は、スリット状の孔により前記作用部、前記支持部、および前記連結部からなる複数の領域に機能的に分離され、前記ベース部材は、その中央部に前記作用部の前記外力作用領域部を備え、該外力作用領域部の周囲の領域に前記作用部の非変形領域部を備え、前記非変形領域部は、前記連結部と前記作用部との間を前記スリット状の孔により分離することで前記作用部の外縁部から自由端として形成されている。
上記の多軸力センサチップは、応力検出用の歪み抵抗素子の温度補償を行うための温度補償用抵抗素子を、外力を受ける作用部の非変形領域部に設けることにより、外力に起因して生じる応力の影響を受けずかつ温度の影響のみでその抵抗値が変化するようになり、その結果、各歪み抵抗素子の温度補償を高い精度で行い、高精度の応力検出を行うことが可能となる。
の本発明に係る多軸力センサチップ(請求項に対応)は、上記構成において、好ましくは、温度補償用抵抗素子は、非変形領域部で、連結部の変形発生部と同等の温度条件を有する箇所に設けられることで特徴づけられる。この構成によれば、温度補償用抵抗素子は、温度補償をしようとする歪み抵抗素子と同じ温度条件のみでその抵抗値を変化するので、精度の高い温度補償を行うことが可能となる。
の本発明に係る多軸力センサチップ(請求項に対応)は、上記構成において、好ましくは、作用部は正方形に類似した平面形状を有し、歪み抵抗素子と温度補償用抵抗素子から成る抵抗素子群は4組設けられ、これらの4組の抵抗素子群の各々は作用部の4つの辺部の各々に対応して配置されることで特徴づけられる。歪み抵抗素子の素子群は正方形の半導体基板の上で点対称な位置に配置され、これによりノイズのキャンセルや計算負荷を低減することができる。
の本発明に係る多軸力センサチップ(請求項に対応)は、上記構成において、好ましくは、4組の歪み抵抗素子は、作用部の中心を基準にして点対称の位置関係であって、かつ中心から実質的に同一の距離に設けられていることを特徴とする。
の本発明に係る多軸力センサ用チップ(請求項に対応)は、上記構成において、好ましくは、歪み抵抗素子と温度補償用抵抗素子から成る4組の抵抗素子群は、作用部の中心を基準にして点対称の位置関係であって、かつ中心から実質的に同一の距離に設けられていることを特徴とする。
上記の各構成によれば、各抵抗素子群の各歪み抵抗素子から検出される応力成分の信号に基づいて後段の信号処理部で印加外力等を演算するとき、行列式の演算を簡易に行うことができる。
の本発明に係る多軸力センサチップ(請求項に対応)は、上記構成において、好ましくは、各組の抵抗素子群は、少なくとも2つの同一の歪み抵抗素子と、この歪み抵抗素子の個数に対応して設けられた温度補償用抵抗素子とから成ることを特徴とする。この構成によれば、すべての歪み抵抗素子に対して温度補償を行うことが可能となり、高い精度の応力検出、外力測定を行うことが可能となる。
の本発明に係る多軸力センサチップ(請求項に対応)は、上記構成において、好ましくは、各組の抵抗素子群は、同一の3つの歪み抵抗素子と、同一の3つの温度補償用抵抗素子とから成ることで特徴づけられる。この構成によれば、上述の多分力ロードセルの方法よりも、小型化を図りつつ、簡易は製造や演算および高精度の応力検出が可能となる。
の本発明に係る多軸力センサチップ(請求項に対応)は、上記構成において、好ましくは、温度補償用抵抗素子は、ベース部材の中心線に対して45°の傾きで配置されることを特徴とする。この構成によれば、半導体基板とピエゾ抵抗素子の結晶方位を考慮して、温度補償用抵抗素子のピエゾ係数を著しく低くし、応力感度を低下させることができる。
の本発明に係る多軸力センサチップ(請求項に対応)は、上記構成において、好ましくは、歪み抵抗素子とこれに対応する温度補償用抵抗素子とはブリッジ回路の半回路または全回路を形成するように接続されることで特徴づけられる。歪み抵抗素子とこれの温度補償を行う温度補償用抵抗素子はブリッジ回路を組むことで温度補償を成す電気回路を構成し、かつ多軸力センサ用チップではセンサチップ内に設けられる電気回路で既にブリッジ回路の半回路を形成するようにしたため、外付けの測定用電気回路の構成を簡単にすることが可能となる。ブリッジ回路の全回路を形成した場合は、さらに外付け構成を簡単にすることができる。
10の本発明に係る多軸力センサチップ(請求項10に対応)は、上記構成において、好ましくは、ブリッジ回路が出力する、歪み抵抗素子からの出力信号と温度補償用抵抗素子からの出力信号との差信号を増幅する差動増幅部をさらに有することで特徴づけられる。
11の本発明に係る多軸力センサチップ(請求項11に対応)は、上記構成において、好ましくは、前記作用部の外縁部に位置する前記非変形領域部の端は第1の孔(K,L,N,M)によって自由端として形成されていることを特徴とする。
12の本発明に係る多軸力センサチップ(請求項12に対応)は、上記構成において、好ましくは、前記温度補償用抵抗素子は、前記作用部から離間する方向に自由端として形成される非変形領域部の第1の孔(K,L,N,M)によって包囲されていることを特徴とする。
13の本発明に係る多軸力センサチップ(請求項13に対応)は、上記構成において、好ましくは、前記連結部は前記第一の孔及びチップの縁部に平行するように形成される第2の孔(A,B,C,D)により橋梁部(5Aa,5Ba,5Ca,5Da)と弾性部(5Ab,5Bb,5Cb,5Db)とを形成することを特徴とする。
第14の本発明に係る多軸力センサチップ(請求項14に対応)は、上記構成において、好ましくは、前記ベース部材は、その中央部に作用部の外力作用領域部を備え、外力作用領域部の周囲の領域に、作用部の非変形領域部と連結部の変形発生部を設けたことを特徴とする。
本発明に係る多軸力センサ(請求項1に対応)は、上記の第1〜第1のいずれかの多軸力センサチップと、支持部を支持することにより、多軸力センサチップを支持する支持台座と、外力が入力される入力軸と、円筒形または直方体形状からなる外郭を有し、外郭の側面に孔が設けられ外力を減衰させる減衰機構と、外力を作用部の外力作用領域部に印加させる伝達部と、を備え、多軸力センサチップは減衰機構の内部に配置されるように構成される。
上記の多軸力センサによれば、前述した高精度の応力検出性能を有する多軸力センサチップを用いてセンサ装置を構成したため、高い検出性能を有する多軸力センサを実現することができる。またチップおよび減衰機構をそれぞれ構成する部材間に発生する残留応力が低減するため、センサの出力再現性が向上し、より高精度な応力検出を行うことができる。
他の本発明に係る多軸力センサ(請求項1に対応)は、上記構成において、好ましくは、減衰機構は、その中心軸の周りに回転対称の形状を有することを特徴とする。センサチップと減衰機構との間には組合せの相性があるため、減衰機構は、センサチップの回転対称性に見合った回転対称性を持つように構成することが望ましい。
本発明によれば次の効果を奏する。第1に、本発明に係る多軸力センサチップによれば、温度補償用抵抗素子を作用部の非変形領域部に設けるようにしたため、温度補償用抵抗素子を連結部の起歪部に接近させながら外力に起因する応力で変形せず、かつ半導体基板や配線からの熱の影響(温度状態)を歪み抵抗素子と同等に受け、温度補償を行うことにより歪み抵抗素子は応力のみに応じて検出値を出力することができる。これによって本発明の多軸力センサチップでは高精度の応力検出を行うことができる。第2に、本発明に係る多軸力センサによれば、精度の高い温度補償を行って高精度の応力検出性能を有する多軸力センサチップを用いてセンサ装置を構成したため、高い応力検出性能を有する多軸力センサを実現することができる。
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
図1〜図4を参照して本発明に係る多軸力センサチップ(または多軸力センサ用チップ)の代表的な実施形態を説明する。この実施形態では多軸力センチップとして6軸力センサチップの例を説明する。なお本発明に係る多軸力センサチップは6軸力センサチップには限定されない。図1は6軸力センサチップの一面を示す平面図を示し、図2は、6軸力センサチップで配線パターンを省略して歪み抵抗素子と電極パッドと孔のみを示した図1と同様な平面図を示し、図3は正方形の6軸力センサチップの1つの辺の周辺部の拡大図を示し、図4は1組の抵抗素子群およびその周辺部の構造の拡大図を示す。
図1と図2において、本実施形態に係る6軸力センサチップ1は、平面形状が好ましくは正方形の半導体基板を利用して形成されている。この正方形の半導体基板の一辺の長さは例えば5.5mmである。基板は半導体基板には限定されない。6軸力センサチップ1は、半導体基板に基づく板状の形状を有する。
6軸力センサチップ1は、基板上に半導体デバイスを形成する場合、好ましくは、一方の表面に半導体製造プロセス技術(フォトリソグラフィ等のエッチング処理、レジストパターン、イオン注入、P−CVD、スパッタリング、RIE等の成膜処理)を適用して、正方形の半導体基板の平面形状や所要の孔の形成等それ自体に加工を施すと共に、半導体基板の一方の表面の所定領域に成膜処理を行って製作される。
以上のごとく本実施形態に係る6軸力センサチップ1は、半導体センサデバイスとして形成されている。
6軸力センサチップ1において、6軸力センサとして6軸成分を検出する機能部分は、半導体基板2の一方の表面にイオン注入された活性層(または熱拡散層)より成る12個の歪み抵抗素子(またはピエゾ抵抗素子。以下において「抵抗素子」と記し、歪み抵抗素子を意味するものとする。)Sxa1〜Sxa3,Sxb1〜Sxb3,Sya1〜Sya3,Syb1〜Syb3によって形成される。総計12個の抵抗素子は、3個ずつの組(Sxa1,Sxa2,Sxa3),(Sxb1,Sxb2,Sxb3),(Sya1,Sya2,Sya3),(Syb1,Syb2,Syb3)で、後述される逆T字(またはT字)形状の4つの連結部5A〜5Dの各々における作用部4との境界縁近傍に沿って配置されている。
さらに6軸力センサチップ1には、12個の抵抗素子Sxa1〜Sxa3,Sxb1〜Sxb3,Sya1〜Sya3,Syb1〜Syb3のそれぞれに対応して、個別に、活性層(熱拡散層)より成る温度補償用抵抗素子11が形成されている。また1個のダミー抵抗素子12と、これに対応する温度補償用抵抗素子11も形成される。温度補償用抵抗素子11は総数で13個形成されている。これらの温度補償用抵抗素子11とダミー抵抗素子12は、作用部4における4ヶ所の非変形領域部に配置されている。なおダミー抵抗素子12は本発明の構成の上で必須のものではない。本実施形態で、ダミー抵抗素子12は、4つのダミー抵抗素子12を設けてこれらにより図示しないブリッジ回路を形成し、応力が生じていないときのゼロ出力状態が常に確認できるようにモニタ用素子として用いられる。
図1〜図4に明確に示されるように、半導体基板2は、板材の厚み方向に貫通して形成された孔A,B,C,D,K,L,M,Nを有している。6軸力センサチップ1は、孔A,B,C,D,K,L,M,Nにより複数の領域に機能的に分離されている。
孔A,B,C,D,K,L,M,Nのいずれも相対的に狭い幅を有するスリット状の形状を有している。孔A,B,C,Dはほぼ直線状スリットの形状を有し、孔K,L,M,NはL字に類似したスリット形状を有している。
6軸力センサチップ1を形成する半導体基板2は、中央部に位置する正方形に類似する平面形状を有した作用部4と、この作用部4を囲むような位置にあるほぼ正方形リング形状の支持部3と、作用部4と支持部3の間に位置して四辺の各部分に対応して両者を連結する逆T字形状の4つの連結部5A,5B,5C,5Dとから構成されている。作用部4は孔K,L,M,Nによって形成される。逆T字形状の4つの連結部5A,5B,5C,5Dは、孔A,B,C,Dと孔K,L,M,Nとの間に形成される。
なお、連結部上において歪み抵抗素子が配置される場所は、必ずしも連結部で最も応力が生じる場所とは限らない。歪み抵抗素子はその形成プロセスや配線ルート等、他の様々な要件をも考慮して、最適位置に配置される。
上記の形態を有する半導体基板2に関して、周囲の支持部3は、例えば6軸力センサのユニットに組み付けられるとき、下面から支持台座で支持される部分である。また作用部4は、外部から連結ロッド等を介して外力や荷重等(以下「外力」と記す)が伝達されるとき、当該外力の作用を直接に受ける部分である。作用部4は、通常、その中央部で外力を受けるように構成される。また連結部5A,5B,5C,5Dは、作用部4が外力を受けて変形や位置の変化を生じたとき、これに連動して変形や位置変化を顕著に生じ、固定部、作用部、連結部等の中で最も応力が生じる部分(起歪部)である。
上記作用部4は、外力が印加または入力される中央部(外力作用領域部)4Aと、中央部4Aの周囲に位置する4隅に相当する4つの角部4Bとから形成される。破線で示した円4Cは、後述するごとく、外力等を伝達する連結ロッドが接続される連結領域である。円4Cの直径は例えば1.6mmである。作用部4における4つの角部4Bの外縁部は、孔K,L,N,Mによって自由端として形成されている。従って4つの角部4Bの自由端近傍の領域は、中央部4Aに外力が加わったときでも、その部分自体に変形を生じない非変形領域部となっている。
作用部4では、その中央部4Aが、外力が印加または入力される部分である。その周囲の4つの連結部5A〜5Dは、図2に示すごとく、それぞれ、ほぼT字梁となっており、橋梁部5Aaおよび弾性部5Ab、橋梁部5Baおよび弾性部5Bb、橋梁部5Caおよび弾性部5Cb、橋梁部5Daおよび弾性部5Dbを備えている。連結部5A〜5Dの弾性部5Ab,5Bb,5Cb,5Dbは、それぞれ、孔A,B,C,Dの内側領域において、支持部3に対して、その長手方向における両端部で接続されている。連結部5A〜5Dの橋梁部5Aa,5Ba,5Ca,5Daは、それぞれ、長手方向における一方の端部(内側端部)が、作用部4の一辺に相当する部分に接続され、また、他方の端部(外側端部)が対応する弾性部に接続されている。橋梁部と弾性部からなる連結部、連結部と作用部との間の接続部分、連結部と支持部との間の接続部分は、半導体基板2として一体的に形成されている。
橋梁部5Aa,5Ba,5Ca,5Daと、弾性部5Ab,5Bb,5Cb,5Dbおよび作用部4との各接続部は、作用部4に印加される外力による応力を分散させ、印加される外力に対する強度を持たせるため、円弧状に加工、好ましくはR加工されている。なお孔A〜D,K〜Nの形状は本実施形態のものに限定されない。12個の歪み抵抗素子Sxa1〜Sxa3,Sxb1〜Sxb3,Sya1〜Sya3,Syb1〜Syb3の部分が最も歪みが顕著に生じ、かつ、温度補償用抵抗素子11の位置で歪みが生ぜず、温度条件が12個の歪み抵抗素子と同等になるように、6軸力センサチップ1のサイズ、歪み抵抗素子の数、検出可能な応力範囲等を考慮して孔A〜D,K〜Nは形成される。例えば、孔K〜Nの端部の直線長(橋梁部5Aa〜5Daから各温度補償用素子に伸びている孔の部分)を図1や図2に示したものよりも長くしてもよい。
図1と図2に示した構造例では、半導体基板2において、貫通状態で形成される孔A,B,C,D,K,L,M,Nによって連結部5A〜5DがほぼT字状(T字型ビーム)に形成されているが、所要の弾性機能が満足されるのであれば、Y字状等にすることもでき、形状を問わない。
図2等において、例えば抵抗素子Sya1,Sya2,Sya3等は、連結部5Aにおいて、作 用部4と橋梁部5Aaとの接続部近傍に形成されている。すなわち連結部5Aの表面において、作用部4に印加される外力に対応して応力が生じ、それにより歪みが最も顕著に発生する部分(起歪部)に配置するように形成されている。さらに抵抗素子Sya1,Sya2,Sya3は、橋梁部5Aaの幅方向に並び、かつそれらの長手方向が橋梁部5Aaの長軸方向に対して等間隔で平行となるように形成されている。中央の抵抗素子Sya2,Sxa2,Syb2,Sxb2は、各橋梁部の長手方向中心線上に配置されている。
他の抵抗素子Syb1〜Syb3、抵抗素子Sxa1〜Sxa3、抵抗素子Sxb1〜Sxb3についても、上述した抵抗素子Sya1〜Sya3と同様に、それぞれ、作用部4および橋梁部5Caの接続部近傍、作用部4および橋梁部5Baの接続部近傍、作用部4および橋梁部5Daの接続部近傍に配置するよう形成されている。
半導体基板2の周縁には、各辺に沿って所要の幅にてほぼ正方形リング状のGND(接地(GROUND))配線13が形成されている。GND配線13には2個のGND電極パッド14が接続されている。さらにこのGND配線13には、後述するごとくガードリングとして機能するより細幅の複数の他のGND配線15が接続される。半導体基板2では、さらに、対向する一対の辺のそれぞれに沿って総計で26個の信号電極パッド16が形成されている。辺ごとに13個の信号電極パッド16が並べて設けられている。また残りの2個の電極パッド17は追加用の電極パッドである。追加用の電極パッド17は、外部のGND電位またはバイアス電位に接続することで、半導体基板面内の電位を均一にするために設けられている。なお追加用の電極パッド17は2個に限定されず、3個以上設けてもよい。なお図1に示す正方形リング状のGND配線13は一例に過ぎず、一定電位にするものであれば、その機能を果たす。
特に図3および図4に示されるごとく、連結部5Cと作用部4との間の接続部の近傍に、橋梁部5Caの長手方向の活性層からなる抵抗素子Syb1〜Syb3が形成されている。抵抗素子Syb1〜Syb3の位置関係では、抵抗素子Syb2が橋梁部5Caのほぼ中央(作用部4の 中心線)に配置されており、その両側に位置する抵抗素子Syb1,Syb3は橋梁部5Caで抵抗素子Syb2を中央にして好ましくは対称的な位置で配置されている。
抵抗素子Syb1〜Syb3は、対応する各活性層を形成することにより配置される。各抵抗素子は、その一端がGND(接地(GROUND))配線15に接続され、その他端が信号配線18に接続されている。
前述したGND配線15は、抵抗素子Syb1,Syb2,Syb3の各々から引き出された信 号配線18との間に配置するように形成されると共に、抵抗素子Syb1,Syb2,Syb3の 各々の活性層を囲むように形成されている。従って、各抵抗素子および各信号配線18を、GND配線15によって分離することで、各抵抗素子からの電流を検出する場合に、GND配線15が交流ノイズや環境中の高周波ノイズによる外乱を防止する。この意味でGND配線15は「ガードリング配線」と呼ばれる。GND配線15に基づく当該分離構造は、他の抵抗素子およびその信号配線からのクロストークノイズ等をシールドするため、各抵抗素子のピエゾ効果による抵抗変化の電流測定のS/N比を向上させることができる。なお、図3および図4では、抵抗素子Syb1,Syb2,Syb3を個別に囲むガードリング を示したが、抵抗素子Syb1,Syb2,Syb3をまとめて囲む構成としてもよい。この場合 でも、交流ノイズや環境中の高周波ノイズによる外乱を防止することができる。
図1において、前述のごとく複数のGND配線15の各々は支持部3の表面領域に形成されたGND配線13へ接続される。このGND配線13に接続されたGND電極パッド14には、図示しない外部電源からGND電位が印加される。
配線パターン10(図1に示す)を形成する複数の信号配線18(図3に示す)の各々は、支持部3の外周領域の表面に形成された、対応する信号電極パッド16に接続されている。複数の信号電極パッド16は、各抵抗素子の抵抗値を測定するのに用いられる電極パッドであり、後述される外部の測定用電気回路または外力解析装置等に接続されている。これらの測定用電気回路または外力解析装置等に基づき、後述されるごとく、電流−電圧特性から各抵抗素子の抵抗値が測定され、外力に応じた各抵抗素子の抵抗変化率が求められる。抵抗素子Sxa1〜Sxa3,Sxb1〜Sxb3,Sya1〜Sya3,Syb1〜Syb3の各々に関して出力される抵抗値は、対応する温度補償用抵抗素子11の出力に基づき、温度補償が行われたものとなっている。
6軸力センサチップ1において、12個の抵抗素子Sxa1〜Sxa3,Sxb1〜Sxb3,Sya1〜Sya3,Syb1〜Syb3のそれぞれに対応して個別に設けられた12個の上記温度補償用抵抗素子11は、非変形領域である4ヶ所の角部4Bの周縁部に配置される。抵抗素子と温度補償用抵抗素子11とは一対一の対応関係で関係付けられている。12個の上記温度補償用抵抗素子11のそれぞれは、対応する抵抗素子に対して温度条件がほぼ等しい状態にあり、かつ作用部4が外力を受けても変形状態が生じない角部4Bの周縁部の表面に形成される。各温度補償用抵抗素子11と対応する歪み抵抗素子との接続関係については、後で図6を参照して説明される。外力の影響を受けない温度補償用抵抗素子11の抵抗変化に基づいて、外力測定用抵抗素子の抵抗変化の測定結果を常に補正することにより、周囲温度に影響されない力およびモーメントの測定を行うようにしている。
また2個のダミー抵抗素子12は連結部5Bの橋梁部5Baの図2中上側に位置する角部4Bに設けられる。ダミー抵抗素子12は、温度補償が正常に行われていることを常時確認できるようにするためのモニタ用素子である。
図5Aと図5Bに、各歪み抵抗素子、温度補償用抵抗素子11およびダミー抵抗素子12の各抵抗素子の平面図と要部断面図をそれぞれ示す。図5Aの平面図では、抵抗素子21とアルミ配線23との接続に係る位置関係のみが平面図として示されている。図5Bは図5AにおけるA−A線断面図である。
抵抗素子21は半導体基板2の作用部4等の所定箇所の表面に活性層として形成されている。抵抗素子21は、その平面形状として長方形形状を有し、両端が配線接続部22を経由してアルミ配線23に接続されている。抵抗素子21とアルミ配線23との間には絶縁層24が設けられ、配線接続部22以外の部分は絶縁されている。図5Aおよび図5Bに示した例では、上側のアルミ配線23は例えば信号配線であり、下側のアルミ配線23は例えばGND配線である。配線接続部22には略正方形のコンタクトウィンドウ22aが形成されている。これは、活性層とアルミ配線を電気的に接続(オートミックコンタクト)させるために設けられている。
ここで6軸力センサチップ1の製造方法の一例を概説する。例えばn型(100)シリコンである半導体基板に対して、フォトリソグラフィにより形成した抵抗素子形成用のレジストパターンをマスクとして用いて、p型不純物であるボロンをイオン注入する。半導体基板2の表面に形成される抵抗素子は、歪み抵抗素子Sya1〜Sya3,Syb1〜Syb3,Sxa1〜Sxa3,Sxb1〜Sxb3、温度補償用抵抗素子11、ダミー抵抗素子12である。
その後、上記レジストパターンを除去し、p−CVD(プラズマ化学的気相成長法)により酸化シリコン膜を層間絶縁膜として成長させる。その後、半導体基板2を加熱することにより、注入したボロンの活性化処理を行い、上記のごとき活性層を形成する。
その後、コンタクトホールを形成するためのレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとし、コンタクトホールの形成部の層間絶縁膜をBHF(バッファド弗酸)により除去する。そして上記レジストパターンを除去し、AlまたはAl−Si(アルミニウムとシリコンとの合金)を半導体基板2の表面全体にスパッタリングし、オーミック接合形成のための熱処理を行う。これにより、各種電極と半導体基板2とのコンタクト、および活性層のコンタクトが形成される。
その後、フォトリソグラフィにより、GND配線や信号配線等、各電極の領域を形成するためのレジストパターンを形成し、ウェットエッチングにより不要な金属部分を除去して各配線および電極のパターンニングを行う。さらに上記レジストパターンを除去し、p−CVDによりSiN膜(窒化シリコン膜)をパッシベーション膜として形成する。その後、レジストパターンを用いて、RIE(リアクティブ・イオン・エッチング)により上記レジストパターンの開口部をエッチング処理で除去して半導体基板2に孔A,B,C,D,K,L,M,Nを形成し、その後ダイシングしてセンサチップ分割(ウェハからの各センサチップ1の切出し)を行う。なお、ダイシングによるセンサチップの分割を、RIEによるエッチング処理で代用する場合もある。
次に、図6に基づいて各温度補償用抵抗素子11と対応する歪み抵抗素子との電気的な接続関係を説明する。図6では、上記抵抗素子Sxa1〜Sxa3,Sxb1〜Sxb3,Sya1〜Sya3,Syb1〜Syb3の一例として抵抗素子25を示している。抵抗素子25は、発生する歪みに応じてその抵抗値が変化するので、可変抵抗素子として描かれている。温度補償用抵抗素子11と抵抗素子25はブリッジ回路の半回路(ハーフブリッジ)を成す結線構造で構成されている。温度補償用抵抗素子11と抵抗素子25との接続点はGND配線15によってGND配線13に接続される。また抵抗素子25の他端は信号配線18で信号電極パッド16に接続され、温度補償用抵抗素子11の他端は信号配線18を介して信号電極パッド16に接続されている。なお図6で示した破線26は、GND配線に基づく前述したガードリング配線を示している。
温度補償用抵抗素子11と抵抗素子25に関する図6に示した上記結線構造は、前述した抵抗素子Sxa1〜Sxa3,Sxb1〜Sxb3,Sya1〜Sya3,Syb1〜Syb3のそれぞれに適用される。
図7は、一例として、連結部5Cの橋梁部5Caに形成された3つの抵抗素子Syb1〜Syb3に関する結線構造を示した電気回路である。抵抗素子Syb1〜Syb3のそれぞれと対応する温度補償用抵抗素子11とはブリッジ回路の下側半回路を形成する。抵抗素子Syb1〜 Syb3のそれぞれと対応する温度補償用抵抗素子11との中間点はGND配線15を介し てGND配線13に接続されている。また抵抗素子Syb1〜Syb3の他の端子(上側端子)と、温度補償用抵抗素子11の他の端子(上側端子)とは、前述した信号電極パッド16に対応している。
図7において、ブリッジ回路の下半分の上側端子(16)よりも下側の範囲Aは6軸力センサチップ1内の電気回路部分を意味しており、当該上側端子(16)よりも上側の範囲Bは6軸力センサチップ1外の電気回路部分を意味している。従って、上側端子すなわち信号電極パッド16のそれぞれに外部の電気回路が接続される。
図8に、外部の電気回路を接続したブリッジ回路全体の一例を示す。このブリッジ回路27は、一例としての抵抗素子Syb1と、温度補償用抵抗素子11と、2つの外部抵抗素 子28,29とで構成されている。30は電源配線で、例えば+5Vの電源電圧が印加されている。ブリッジ回路27における端子27aと端子27bの端子間から出力される信号Sigdが検出信号として用いられる。すなわちブリッジ回路27の端子27aと端子27bとの差分出力Sigdが検出信号となる。差分信号Sigdは、ブリッジ回路27によって温度成分がキャンセルされたものとなっている。すなわち、ブリッジ回路27によって取り出される抵抗素子Syb1で検出される歪みによる信号は、温度補償用抵抗素子11に よって温度補償されたものである。
作用部4に外力等が印加されて抵抗素子Syb1で外力等による歪みに係る信号を発生さ せる場合において、温度変化の影響を受けるとき、当該温度変化は温度補償用抵抗素子11にも抵抗素子Syb1と同位相で影響を与えるので、ブリッジ回路の同位相ノイズキャン セル作用に基づいて、取り除かれることになる。
なお図7では、参考のため、一例として想像線でダミー抵抗素子12と温度補償用抵抗素子11から成るブリッジハーフ回路31も示されている。ダミー抵抗素子12に関する電気回路も基本的に抵抗素子Syb1〜Syb3等と同等の回路構成を有している。
また図8に示したブリッジ回路27において、抵抗素子28,29を外部抵抗素子ではなく、6軸力センサチップ1内に含まれる内部の抵抗素子として構成することも可能である。この場合には、6軸力センサチップ1内に含まれるブリッジ回路27は全回路として構成されることになる。
前述のごとく6軸力センサチップ1は、外力が印加される作用部4と、外部に固定される支持部3と、作用部4の周囲に配置される4つの連結部5A,5B,5C,5Dとから構成される。連結部5A,5B,5C,5Dは、それぞれ、支持部3に接続される弾性部5Ab,5Bb,5Cb,5Dbと、作用部4に接続される橋梁部5Aa,5Ba,5Ca,5Daとから成る。
6軸力センサチップ1では、作用部4に印加される外力によって橋梁部5Aa,5Ba,5Ca,5Daに形成された抵抗素子Sxa1〜Sxa3,Sxb1〜Sxb3,Sya1〜Sya3,Syb1〜Syb3の各々の箇所に歪みが発生する場合、弾性部5Ab,5Bb,5Cb,5Dbが、作用部4と各橋梁部5Aa,5Ba,5Ca,5Daとの間にかかる力の関係に基づき上記外力に起因する半導体基板2の全体での歪みの発生を防止する。このため、6軸力センサチップ1によれば、特定の方向の力またはモーメントに対する選択的な歪みを各抵抗素子に発生させることができ、作用部4に加えられる外力を力およびモーメントの各成分に分離できる。
例えば図1に示すごとく、6軸力センサチップ1の作用部4の中心点でX軸、Y軸、Z軸から成る3次元直交座標系32を定義すると、当該直交座標系の3軸(X軸、Y軸、Z軸)に関して、X軸方向の力Fx、Y軸方向の力Fy、Z軸方向の力Fz、X軸に対して回転方向に与えられるモーメントMx、Y軸に対して回転方向に与えられるモーメントMy、Z軸に対して回転方向に与えられるモーメントMzがそれぞれ定義される。上記構造の半導体基板2で形成される6軸力センサチップ1によれば、作用部4に加えられる外力に起因して変形が生じたとしても、当該外力を、力Fx,Fy,FzとモーメントMx,My,Mzの各成分に分離でき、他軸干渉の影響を低下させることができる。
ここで6軸力センサチップ1に加わる力とモーメントの各成分を検出するセンサ特性を説明する。前述した6軸成分(軸力)、すなわちFx[N],Fy[N],Fz[N],Mx[N・cm],My[N・cm],Mz[N・cm]が単体の6軸力センサチップ1に印加された場合に、これらの6軸成分と6軸力センサチップ1に基づく検出信号との関係は次の通りである。
実際の6軸力センサは、上記の6軸力センサチップ1と、6軸力センサチップ1の12個の歪み抵抗素子のそれぞれから得られる抵抗変化率に係る信号を演算する外部の測定機器とから構成される。外部の測定機器の演算を経て6軸力センサから最終的に出力される信号(演算抵抗変化率)は6つの信号Sig1,Sig2,Sig3,Sig4,Sig5,Sig6である。6軸力センサチップ1における12個の抵抗素子Sxa1〜Sxa3,Sya1〜Sya3,Sxb1〜Sxb3,Syb1〜Syb3のそれぞれから得られる抵抗変化率の値、すなわち図8で説明した上記の信号Sigdの信号変化率を、R'Sxa1,R'Sxa2,R'Sxa3,R'Sya1,R'Sya2,R'Sya3,R'Sxb1,R'Sxb2,R'Sxb3,R'Syb1,R'Syb2,R'Syb3と表現すると、上記の6つの信号Sig1〜Sig6は下記の式(1)〜(6)に基づいて決められる。
Sig1=((R'Sya1-R'Sya3)+(R'Syb3-R'Syb1))/4 …(1)
Sig2=((R'Sxa3-R'Sxa1)+(R'Sxb1-R'Sxb3))/4 …(2)
Sig3=(R'Sxa2+R'Sya2+R'Sxb2+R'Syb2)/4 …(3)
Sig4=(R'Sya2-R'Syb2)/2 …(4)
Sig5=(R'Sxb2-R'Sxa2)/2 …(5)
Sig6=((R'Sxa3-R'Sxa1)+(R'Sya3-R'Sya1)+(R'Sxb3-R'Sxb1)
+(R'Syb3-R'Syb1))/8 …(6)
12個の抵抗素子での各々の抵抗変化率の変化の量に基づいて上記式(1)〜(6)に従って決まる6軸力センサの6つの出力信号Sig1〜Sig6と、6軸力センサチップ1に印加される6つの軸力Fx,Fy,Fz,Mx,My,Mzとは、特定成分の軸力に対する6軸力センサの出力信号を求めて両者の関係を実験的に求めると、特定の行列テーブルで関係付けられる(本出願人が先に出願した特願2002−5334の図13に示される行列テーブル)。この行列テーブルでは、行列の非対角成分が「0」または対角成分に比較して小さな数値となるように抵抗素子が選択されて用いられている。すなわち、上記式(1)〜(6)は、各軸の力またはモーメントを測定するとき、他軸干渉を防止するため、特定軸以外の力またはモーメントでの抵抗変化率が各々打ち消しあうように、抵抗素子を選択し、演算抵抗変化率の演算を行うように構成されている。
6軸力センサで得られた上記の6つの出力信号Sig1〜Sig6に対して、上記の行列テーブルで与えられる行列を掛けることにより、6つの軸力Fx,Fy,Fz,Mx,My,Mzを求めることができる。
上記において、6軸力センサで得られる6つの出力信号Sig1〜Sig6を算出するために用いられる、12個の抵抗素子Sxa1〜Sxa3,Sya1〜Sya3,Sxb1〜Sxb3,Syb1〜 Syb3の抵抗変化率の値、R'Sxa1,R'Sxa2,R'Sxa3,R'Sya1,R'Sya2,R'Sya3,R'Sxb1,R'Sxb2,R'Sxb3,R'Syb1,R'Syb2,R'Syb3は、図8で説明したように、既に温度補償が行 われた信号Sigdを用いて算出されている。
次に、図9と図10を参照して、6軸力センサチップ1に設けられた12個の抵抗素子Sxa1〜Sxa3,Sya1〜Sya3,Sxb1〜Sxb3,Syb1〜Syb3のそれぞれに関するブリッジ回路27から出力される各抵抗素子の検出信号Sigdの信号処理プロセスの一例を説明する。図9は、前述したブリッジ回路27と外部の測定機器の電気回路とから成る6軸センサの信号処理回路の全体を示す。図10は、この信号処理回路を機能ブロックで表現した回路図である。
なお、ブリッジ回路27からの検出信号Sidは電圧値として出力されるものである。ここで、図1に示したチップ1は、図9のブリッジ回路27の部分までを含んでいるが、図9および図10に示す他の信号処理回路をチップ1の内部に集積化してもよい。
図9で、ブリッジ回路27は、上側端子が電源配線30に接続されかつ下側端子がGND配線13に接続されると共に、左右の出力側端子は、オペアンプで構成される差動増幅回路41の入力部に接続される。ブリッジ回路27の一方の出力端子27aから出力される信号Sigdaは歪み抵抗素子25(例えばSyb1)に関係する歪み信号であり、他方の 出力端子27bから出力される信号Sigdbは温度補償用抵抗素子11に関係する信号である。差動増幅回路41は、信号Sigdaと信号Sigdbの差をとることで温度補償された検出信号Sigdを入力し、かつこの検出信号を増幅する。差動増幅回路41の出力信号(検出信号Sigdを増幅した電圧信号)は、ノイズ除去用ローパスフィルタ42および整合用インピーダンス変換回路43を経由して、A/Dコンバータ44に入力され、ここでディジタル値に変換される。ディジタル値に変換された検出値(温度補償された検出信号Sigdに対応)は、演算処理を行うCPU45に入力される。
以上の電気回路の構成を機能ブロック図で示すと、図10のようになる。減算器51で歪み抵抗素子25に係る信号Sigdaと温度補償用抵抗素子11に係る信号Sigdbとの差が求められ、検出信号Sigdが出力される。減算器51から出力される信号Sigdは温度補償された信号となっている。減算器51の出力信号Sigdは増幅部52で増幅される。減算器51と増幅部52の各機能は上記差動増幅回路41によって実現される。増幅部52の出力信号はフィルタ部53でノイズが除去され、その後A/D変換部54でディジタル値に変換される。その後で、演算部55に入力されて所要の演算が行われ、出力部56から出力される。上記において、フィルタ部53は上記ローパスフィルタ43によって、A/D変換部54はA/Dコンバータ44によって、演算部55および出力部56はCPU45によって、それぞれ実現される。
次に、図11と図12を参照して、前述した6軸力センサチップ1を利用して構成される6軸力センサの一例を説明する。図11は6軸力センサの外観図、図12は6軸力センサの縦断面図である。
6軸力センサ61は、台座62と、円筒形の減衰機構63と、6軸力センサチップ1とから構成される。台座62は、例えばステンレス材(SUS)で作られた支持台部分を形成している。台座62の上部には、上面中央部にセンサチップ支持部62aが設けられ、上面周縁部には減衰機構支持部62bが設けられている。センサチップ支持部62aにはガラス台座64を介して6軸力センサチップ1が取り付けられている。65は接続を行うための接合層または接着剤層である。また減衰機構支持部62bには、接合部66を介して減衰機構63が取り付けられている。減衰機構63は、外力や荷重を受け、当該外力を連結ロッド67を介して6軸力センサチップ1に伝達するとき、6軸力センサチップ1に伝達される当該外力を弱くする緩衝機構である。減衰機構63の構造および形状の一例は、図11の外観図に示す通りである。減衰機構63で受けた外力を6軸力センサチップ1に伝達する連結ロッド67は、図11に示すごとく、上部を減衰機構63に接合部68で接続され、下端を6軸力センサチップ1の作用部4の連結領域4Cに絶縁性を有する接合部69で接続されている。
上記の構造を有する6軸センサ61によれば、減衰機構63で受けた外力は、弱められた状態で6軸力センサチップ1の作用部4に印加される。6軸力センサチップ1は、適切な大きさに制限された外力を印加されるので、破壊されることなく外力を検出することができる。また6軸力センサチップ1を支持する部分にガラス台座64を使用することで、チップおよび減衰機構をそれぞれ構成する部材間に発生する残留応力が低減するため、外力検出性能の再現性が向上し、より高精度の検出を行うことができる。
また減衰機構の形状としては、例えば図11に示した上下方向の中心軸C1を中心に回転対称に形成された、本出願人が先に出願した特開2003−254843の図11や図17等に図示されている形状に準じた直方体形状を有する減衰機構であってもよい。
次に図13を参照して、温度補償抵抗素子11およびダミー抵抗素子12の配置例の他の実施形態を説明する。この実施形態では、すべての温度補償用抵抗素子11とダミー抵抗素子12のそれぞれは、図13で一点鎖線で示された中心線C2に対して、好ましくは45°の傾斜角度で傾斜し、かつ、作用部4の中心方向に向いた状態で配置されている。図13のような歪み抵抗素子や温度補償用抵抗素子の配置は、半導体基板2の結晶方位を考慮して決定されている。すなわち、シリコンウェハの表面は<100>の結晶方位を有するため、π係数(ピエゾ係数)が効果的に使われて温度補償用抵抗素子11の歪み感度に比して歪み抵抗素子の歪み感度が顕著に高くなるように、図13に示すごとく歪み抵抗素子Sxa1,・・・の長辺と温度補償用抵抗素子11の長辺が45°傾くようにした。これは、一例として歪み抵抗素子Sxa1,・・・の長辺が<110>方向、温度補償用抵抗素子11の長辺が<100>方向となる方向である。
なお図13では、温度補償用抵抗素子11が作用部4の中心を向いた配置とされているが、温度補償用抵抗素子11の向きを図13で示した向きとは90°異なる向きとしてもよい。
図13に示した配置によれば、各温度補償用抵抗素子11のピエゾ係数が最も低くなり、かつ応力感度が低くなり、その結果、応力ノイズの影響をさらに低減させることが可能となって、より高い測定精度の6軸力センサチップ1が実現される。
なお本実施形態では、各橋梁部に歪み抵抗素子がそれぞれ3個ずつ配置された例(全部で12チャンネル)を示したが、本発明は、このような配置に限定されず、2個以上であればよい。例えば、各橋梁部に歪み抵抗素子がそれぞれ2個ずつ配置された場合(全部で8チャンネル)には、図1および図2において歪み抵抗素子Sxa2,Sxb2,Sya2,Syb2がなくなり、それに対応させて温度補償用抵抗素子の数も減じたような配置となる。このような配置でも、同様な検出機能を有する6軸力センサを実現することができる。
さらにガードリング配線は、図1〜図4に示したものに限定されない。ノイズのシールド効果や半導体基板と配線部の熱膨張率差に基づくセンサ精度の低下などを考慮して様々な変形例を採用することができる。
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎず、また数値および各構成の組成(材質)については例示にすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
例えば、前述したガードリング配線を省略することができる。また各種の配線を細配線とすることができる。この細配線化によって、配線膜の応力低減の効果を得ることができる。
本発明は、外力や荷重が加わった時に温度補償が正確に行われ高精度の応力検出を行える6軸力センサチップ等を用いることで高精度応力検出に利用される。
本発明に係る多軸力センサ用チップの代表例である6軸力センサチップを示す平面図である。 図1で配線パターンのみを省略して示した6軸力センサチップの平面図である。 本実施形態に係る6軸力センサチップの部分拡大平面図である。 図3に示した本実施形態に係る6軸力センサチップの要部の部分拡大平面図である。 抵抗素子とアルミ配線の接続関係を示した平面図である。 抵抗素子およびアルミ配線とその周辺の構造とを示した図5AにおけるA−A線断面図である。 1つの歪み抵抗素子に係る電気結線を示す電気回路図である。 ブリッジ回路の半回路を示す電気回路図である。 ブリッジ回路の全体回路を示す電気回路図である。 ブリッジ回路を含む信号処理回路の全体を示す電気回路図である。 図9で示した信号処理回路を機能ブロックで示したブロック回路図である。 本発明に係る多軸力センサの実施形態として6軸力センサを示す外観図である。 図11で示した6軸力センサの縦断面図である。 温度補償抵抗素子およびダミー抵抗素子の配置例の他の実施形態を示す図2と同様な6軸力センサチップの平面図である。
符号の説明
1 6軸力センサチップ
2 半導体基板
3 支持部
4 作用部
4A 中央部(外力作用領域部)
4B 角部(非変形領域部)
10 配線パターン
11 温度補償用抵抗素子
12 ダミー抵抗素子
13 GND配線
15 GND配線
16 信号電極パッド
18 信号配線
25 歪み抵抗素子
27 ブリッジ回路
61 6軸力センサ
62 台座
63 減衰機構
64 ガラス台座
A〜D 孔
K〜N 孔
Sxa1〜Sxa3 歪み抵抗素子
Sya1〜Sya3 歪み抵抗素子
Sxb1〜Sxb3 歪み抵抗素子
Syb1〜Syb3 歪み抵抗素子

Claims (15)

  1. 外力作用領域部と非変形領域部を有する作用部と、この作用部を支持する支持部と、前記作用部と前記支持部を連結する連結部とを備える半導体基板からなるベース部材と、
    前記連結部の変形発生部に設けられる歪み抵抗素子と、
    前記作用部の前記非変形領域部上に設けられる温度補償用抵抗素子と、
    を備え、
    前記ベース部材は、スリット状の第1の及び第2の孔により前記作用部、前記支持部、および前記連結部からなる複数の領域に機能的に分離され、前記ベース部材は、その中央部に前記作用部の前記外力作用領域部を備え、該外力作用領域部の周囲の領域に前記作用部の非変形領域部を備え、前記非変形領域部は、前記連結部と前記作用部との間を前記スリット状の前記第1の孔により分離することで前記作用部の外縁部自由端として形成されたことを特徴とする多軸力センサチップ。
  2. 前記温度補償用抵抗素子は、前記非変形領域部で、前記連結部の前記変形発生部と同等の温度条件を有する箇所に設けられることを特徴とする請求項1記載の多軸力センサチップ。
  3. 前記作用部は正方形に類似した平面形状を有し、前記歪み抵抗素子と前記温度補償用抵抗素子から成る抵抗素子群は4組設けられ、これらの4組の抵抗素子群の各々は前記作用部の4つの辺部の各々に対応して配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多軸力センサチップ。
  4. 前記4組の歪み抵抗素子は、前記作用部の中心を基準にして点対称の位置関係であって、かつ前記中心から実質的に同一の距離に設けられていることを特徴とする請求項3記載の多軸力センサチップ。
  5. 前記歪み抵抗素子と前記温度補償用抵抗素子から成る前記4組の抵抗素子群は、前記作用部の中心を基準にして点対称の位置関係であって、かつ前記中心から実質的に同一の距離に設けられていることを特徴とする請求項3記載の多軸力センサチップ。
  6. 各組の前記抵抗素子群は、同一の少なくとも2つの前記歪み抵抗素子と、この歪み抵抗素子の個数対応して設けられた前記温度補償用抵抗素子とから成ることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の多軸力センサチップ。
  7. 各組の前記抵抗素子群は、同一の3つの前記歪み抵抗素子と、同一の3つの前記温度補償用抵抗素子とから成ることを特徴とする請求項6記載の多軸力センサチップ。
  8. 前記温度補償用抵抗素子は、ベース部材の中心線に対して45°の傾きで配置されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の多軸力センサチップ。
  9. 前記歪み抵抗素子とこれに対応する前記温度補償用抵抗素子とはブリッジ回路の半回路または全回路を形成するように接続されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の多軸力センサチップ。
  10. 前記ブリッジ回路が出力する、前記歪み抵抗素子からの出力信号と前記温度補償用抵抗素子からの出力信号との差信号を増幅する差動増幅部をさらに有する請求項9記載の多軸力センサチップ。
  11. 前記作用部の外縁部に位置する前記非変形領域部の端が、前記第1の孔(K,L,N,M)によって自由端として形成されていることを特徴とする請求項1記載の多軸力センサチップ。
  12. 前記温度補償用抵抗素子は、前記作用部から離間する方向に自由端として形成される前記非変形領域部の前記第1の孔(K,L,N,M)によって包囲されていることを特徴とする請求項1記載の多軸力センサチップ。
  13. 前記連結部は前記第1の孔およびチップの縁部に平行するように形成される前記第2の孔(A,B,C,D)により橋梁部(5Aa,5Ba,5Ca,5Da)と弾性部(5Ab,5Bb,5Cb,5Db)とに機能的に分離されていることを特徴とする請求項1記載の多軸力センサチップ。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載された多軸力センサチップと、
    前記支持部を支持することにより、前記多軸力センサチップを支持する支持台座と、
    外力が入力される入力軸と、
    円筒形または直方体形状からなる外郭を有し、前記外郭の側面に孔が設けられ外力を減衰させる減衰機構と、
    外力を前記作用部の前記外力作用領域部に印加させる伝達手段と、
    を備え、
    前記多軸力センサチップは前記減衰機構の内部に配置されていることを特徴とする多軸力センサ。
  15. 前記減衰機構は、その中心軸の周りに回転対称の形状を有することを特徴とする請求項14記載の多軸力センサ。
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