JP2008056634A - 毛髪脱染剤組成物 - Google Patents
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【解決手段】毛髪脱染剤組成物において、第1剤と第2剤とが使用時に混合調製される毛髪脱染剤組成物であって、第1剤と第2剤には下記に示す成分が含有されている。
第1剤:(A)水、(B)水溶性高分子化合物、(C)キレート剤及び(D)溶剤
第2剤:(E)アスコルビン酸類
【選択図】なし
Description
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、十分な脱染性及び粘度の長期安定性を得ることができる毛髪脱染剤組成物を提供することにある。
第1剤:(A)水、(B)水溶性高分子化合物、(C)キレート剤及び(D)溶剤
第2剤:(E)アスコルビン酸類
請求項2記載の発明は、請求項1記載の毛髪脱染剤組成物であって、使用時のpHが2.0〜5.0であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の毛髪脱染剤組成物であって、前記(D)溶剤が、ベンジルアルコールであることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3の何れか1項記載の毛髪脱染剤組成物であって、前記(B)水溶性高分子化合物が、微生物系水溶性高分子化合物、セルロース系水溶性高分子化合物及びビニル系水溶性高分子化合物から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4の何れか1項記載の毛髪脱染剤組成物であって、前記(B)成分が、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース及びカルボキシビニルポリマーから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5の何れか1項記載の毛髪脱染剤組成物であって、前記(B)成分が、キサンタンガム及びカルボキシメチルセルロースであることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の毛髪脱染剤組成物であって、前記カルボキシメチルセルロースのエーテル化度が1.8〜3.0であることを特徴とする。
本実施形態の毛髪脱染剤組成物は、(A)水、(B)水溶性高分子化合物、(C)キレート剤及び(D)溶剤を含有する毛髪脱染剤第1剤と、(E)アスコルビン酸類を含有する毛髪脱染剤第2剤とから構成されている。使用時に、前記毛髪脱染剤第1剤(以降、脱染第1剤という。)と前記毛髪脱染剤第2剤(以降、脱染第2剤という。)を混合して、毛髪脱染剤混合物(以降、脱染混合物という。)が得られる。前記脱染混合物を酸化染毛剤で染色された毛髪に適用することにより、かかる毛髪を脱染することができる。
本実施形態における第1剤には、(A)水、(B)水溶性高分子化合物、(C)キレート剤及び(D)溶剤が含有される。
脱染第1剤に含まれる(A)水の含有量は、30〜98質量%が好ましく、50〜95質量%がより好ましく、70〜95質量%が最も好ましい。
(C)成分の具体例としては、EDTA及びその塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸及びその塩、クエン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの(C)成分は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
これらの中でも、脱染第1剤の粘度の長期安定性向上の観点より、EDTA−2Na、ヒドロキシエタンジホスホン酸が好ましい。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、へキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテルとしては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、シンナミルアルコール、フェニルプロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、α−メチルベンジルアルコール、ジメチルベンジルカルビノール、ベンジルオキシエタノール、フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノール、p−アニシルアルコール等が挙げられる。これらの(D)成分は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
これらの(D)成分の中でも、有効成分の浸透性の高いベンジルアルコールが好ましい。
油性成分は、毛髪にうるおい感を付与させるために配合される。油性成分としては、油脂、ロウ類、高級アルコール、高級脂肪酸、エステル類、シリコーン類、炭化水素等が挙げられる。
本実施形態に使用される(E)アスコルビン酸類は、酸化染料の酸化重合により生成した毛髪を染色している多核化合物を還元分解(解重合)するための還元剤として含有されている。
前記(E)成分の具体例としては、アスコルビン酸、その塩及び誘導体が挙げられる。アスコルビン酸塩の具体例としては、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸アンモニウム、アスコルビン酸モノエタノールアミン、アスコルビン酸ジエタノールアミン等が挙げられる。アスコルビン酸誘導体の具体例としては、アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル、ミリスチン酸アスコルビル、ラウリン酸アスコルビル、酢酸アスコルビル、プロピオン酸アスコルビル、酒石酸アスコルビル、クエン酸アスコルビル、コハク酸アスコルビル、安息香酸アスコルビル、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム、アスコルビルエチル、アスコルビン酸アラントイン、アスコルビン酸キトサン、アスコルビン酸メチルシラノール、テトラデシルヘキシルアスコルビル、アミノプロピルアスコルビルフォスフェート、アスコルビン酸ポリペプタイド、アスコルビルグルコシド、アスコルビルメチルシラノールペクチネート等が挙げられる。
また、(E)成分として、市販の製品を使用してもよい。その市販品の具体例としては、商品名アスコルビン酸(細粒)(ロシュ社製)、アスコルビン酸(結晶)(ロシュ社製)、アスコルビン酸(微粉末)(ロシュ社製)、アスコルビン酸(超微粉末)(ロシュ社製)が挙げられる。これらの中でも、混合性向上の観点から、アスコルビン酸(結晶)(ロシュ社製)が好ましい。
脱染混合物は、脱染第1剤及び脱染第2剤を所定の割合で混合調製することによって得られる。脱染第1剤と脱染第2剤との混合割合(=脱染第1剤の質量:脱染第2剤の質量)は、好ましくは3:1〜50:1、より好ましくは5:1〜20:1である。
脱染混合物の剤型は、水溶液状、分散液状、乳化液状等の液状又はゲル状である。
(A)〜(D)の各成分を含有する脱染第1剤及び(E)成分を含有する脱染第2剤はそれぞれ別の容器に充填され、使用時まで保存される。このとき、脱染第2剤は粉末状又は顆粒状等の固体状組成物である。したがって、(E)成分が溶媒に溶解され、溶液として保存された場合と比較して、(E)成分の保存安定性を十分に得ることができる。
使用時には、まずアプリケーター内に収容保存された脱染第1剤に、密封保存された脱染第2剤を投入し混合調製することにより、脱染混合物が得られる。そして、前記脱染混合物は、混合の際に用いたアプリケーターをそのまま使って毛髪に適用される。脱染第1剤を収容保存するアプリケーターとしては、ノズル式のアプリケーターなどが挙げられる。尚、前記アプリケーターとは、脱染第1剤を収容し、脱染第2剤と混合するための容器体と、脱染混合物を毛髪に塗布するノズル等の塗布具とが一体化されたものをいう。
次に、前記脱染混合物を前記ノズル式アプリケーター等を用いて、酸化染毛剤により染毛処理が施された毛髪に塗布する。
ここで、毛髪を染色している多核化合物は、(E)成分の還元作用によって解重合される。このとき、該多核化合物が解重合されると、その発色が失われることによって容易に無色化される。
その後、前記脱染混合物を洗い流し、風乾させる。
(1)本実施形態の毛髪脱染剤組成物においては、第1剤中に(B)水溶性高分子化合物を含有している。これにより、脱染第1剤に粘度を生じさせることができる。
・上記実施形態においては、毛髪脱染剤組成物を構成する各成分を含有する2剤式として構成した。しかしながら、各成分を分離して複数剤式に構成し、使用直前にそれらを混合するよう構成してもよい。
・毛髪への塗布方法は、特に限定されずコーム又は刷毛を用いた塗布方法、手櫛による塗布方法、コーム一体型のアプリケーターによる塗布方法、スプレー(噴霧)による塗布方法等を使用することができる。
(実施例1〜10、比較例1〜6)毛髪脱染剤組成物
下記に示す酸化染毛剤の第1剤と第2剤とを1:1で混合し、ミディアムブラウン毛の人毛に適用後20分間放置し、洗い流して乾燥して、染毛処理毛束とした。
<酸化染毛剤>
(第1剤) 質量%
p−フェニレンジアミン 0.5
5−アミノオルトクレゾール 0.5
28%アンモニア水 1.5
アスコルビン酸 1.5
ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム 1.0
ラウリル硫酸ナトリウム 2.0
ステアリルアルコール 10.0
ポリオキシエチレン(30)ステアリルエーテル 10.0
EDTA−2Na 1.0
精製水 残 量
(第2剤)
過酸化水素(35質量%水溶液) 5.7
スズ酸ナトリウム 0.1
セタノール 2.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.5
精製水 残 量
各実施例及び比較例の脱染第1剤と脱染第2剤の混合調製時において、前記脱染第1剤に前記脱染第2剤を投入してから、10回穏やかに振った後の状態をパネラーが目視にて混合度合いを評価することにより、均一によく混合できている:◎、ほぼ均一に混合できている:○、やや混合しにくく粉末が残る:△、混合しにくく塊状態が残った:×とし、粉末の混合性の評価結果とした。
各実施例及び比較例の脱染第1剤と脱染第2剤を混合調製した脱染混合物において、毛髪に塗布する際の状態をパネラーが目視にて毛髪からの垂れ落ち度合いを評価することにより、全く垂れ落ちがない:◎、垂れ落ちがほとんどない:○、やや垂れ落ちがある:△、垂れ落ちが多い:×とし、粉末の混合性の評価結果とした。
各実施例及び比較例の脱染第1剤において、調製直後の粘度をVISCOMETER TV−10粘度計(東機産業株式会社製)を用いて、25℃、回転速度:12rpm、3号ローター(粘度5000mPa・sまで)、4号ローター(粘度5000mPa・s以上)使用の条件下にて測定した。また、前記脱染第1剤を40℃で6ヶ月間保存した後、同様に粘度を測定した。40℃で6ヶ月経過後の粘度変化を評価することにより、全く粘度変化がない:5、粘度変化がごく僅か:4、粘度変化がほとんどない:3、やや粘度変化がある:2、粘度変化が大きい:1の5段階評価とし、粘度長期安定性の評価結果とした。
上記染毛処理前の毛束(未処理毛束)において、分光測色計(ミノルタ株式会社製、型番:CM−508d)でL*a*b*値(L0、a0及びb0)を測定した。上記のようにして得た酸化染毛処理毛束において、同様にL*a*b*値(L1、a1及びb1)を測定した。かかる酸化染毛処理毛束を脱染処理した後、脱染処理毛束において、同様にL*a*b*値(L2、a2及びb2)を測定した。上記の染毛処理毛束と脱染処理毛束のL*a*b*値を対比させて下記の(1)式によって脱染度合い(ΔEi)を算出した。
ΔEi={(Li−L0)2+(ai−a0)2+(bi−b0)2}1/2…(1)
Li:染毛又は脱染処理毛束のL*値
ai:染毛又は脱染処理毛束のa*値
bi:染毛又は脱染処理毛束のb*値
L0:未処理毛束のL*値
a0:未処理毛束のa*値
b0:未処理毛束のb*値
次に、ΔE1及びΔE2から下記の(2)式によって脱染性(D1)(%)を算出した。算出した数値が大きいほど脱染性が優れることを示す。
D1=(1−ΔE2/ΔE1)×100…(2)
前記脱染第1剤と脱染第2剤を40℃で6ヶ月間保存した後、前記2つの剤を混合調製した脱染混合物について、脱染性の評価同様に長期保存後の脱染度合い(D2)を測定した。その後、長期保存前脱染処理毛束と長期保存後脱染処理毛束のΔE値を対比させて下記の(3)式によって脱染変化度合い(ΔD)を算出した。算出した数値が小さいほど長期脱染性が優れることを示す。
ΔD=D1−D2…(3)
D1:長期保存前の脱染性値
D2:長期保存後の脱染性値
前記ΔD値において、値が3以下:◎、3〜7:○、7〜15:△、15以上:×として長期脱染性の評価結果とした。
各実施例、比較例の脱染第1剤と脱染第2剤を混合調製した脱染混合物を、それぞれ0.5mLずつ2.5cm角のリント布に均一に浸し、健常人である被検者10名の前額部に15分間貼付した。そしてその間、皮膚刺激の度合いを被験者に対する問診により評価した。その評価は、全く又はほとんど刺激を感じない:◎、僅かに刺激を感じる:○、やや刺激を感じる:△、はっきりと刺激を感じる:×とした。被験者10名の各評価のうち、最も人数の多かった評価を代表的な評価結果とした。
Claims (7)
- 第1剤と第2剤とが使用時に混合調製される毛髪脱染剤組成物であって、第1剤と第2剤には下記に示す成分が含有されていることを特徴とする毛髪脱染剤組成物。
第1剤:(A)水、(B)水溶性高分子化合物、(C)キレート剤及び(D)溶剤
第2剤:(E)アスコルビン酸類 - 使用時のpHが2.0〜5.0であることを特徴とする請求項1記載の毛髪脱染剤組成物。
- 前記(D)溶剤が、ベンジルアルコールであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の毛髪脱染剤組成物。
- 前記(B)水溶性高分子化合物が、微生物系水溶性高分子化合物、セルロース系水溶性高分子化合物及びビニル系水溶性高分子化合物から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項記載の毛髪脱染剤組成物。
- 前記(B)成分が、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース及びカルボキシビニルポリマーから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項記載の毛髪脱染剤組成物。
- 前記(B)成分が、キサンタンガム及びカルボキシメチルセルロースであることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項記載の毛髪脱染剤組成物。
- 前記カルボキシメチルセルロースのエーテル化度が1.8〜3.0であることを特徴とする請求項6記載の毛髪脱染剤組成物。
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