JP4926488B2 - 染毛用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、アミノ酸誘導体としてL−テアニンを配合した染毛用組成物に関する。
一般に、染毛用組成物として、染料である酸化染料を用いて毛髪を染色する永久染毛剤が知られている。また、染料として酸性染料等の直接染料を用いて毛髪を染色する半永久染毛料が知られている。さらに、着色剤としてカーボンブラック等の顔料を使用して毛髪を一時的に着色する一時染毛料が知られている。従来より、特許文献1に記載されるように染料による染毛力を向上させるために、グリシン、アラニン等の中性アミノ酸、システイン、メチオニン等の硫黄を含有するアミノ酸を配合した酸化染毛剤組成物が知られている。
特開2004−203746号公報
ところが、グリシン、アラニン等のアミノ酸による染毛力の向上効果は未だ不十分であるという問題があった。また、硫黄を含有するアミノ酸について染毛効果を向上させるために配合量を多くすると臭気が強くなるという問題があった。
本発明は、本発明者らの鋭意研究の結果、アミノ酸誘導体としてL−テアニンを一時染毛料、直接染料を使用する半永久染毛料及び酸化染料を使用する永久染毛剤に配合することにより着色性又は染毛力が向上することを見出したことによりなされたものである。その目的とするところは、着色性又は染毛力を向上させることができる染毛用組成物を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の染毛用組成物は、(A)染料及び(B)着色剤から選ばれる少なくとも一種の成分と(C)L−テアニン(但し、茶抽出物としての含有を除く)を含有する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の染毛用組成物において、前記(C)L−テアニンを0.01〜15質量%含有する。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の染毛用組成物において、前記(A)染料は酸化染料である。
請求項4記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の染毛用組成物において、前記(A)染料は直接染料である。
請求項5記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の染毛用組成物において、前記(B)着色剤は顔料である。
本発明によれば、染毛用組成物において着色性又は染毛力を向上させることができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の染毛用組成物を永久染毛剤である酸化染毛剤組成物に具体化した第1の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の酸化染毛剤組成物は、例えば、第1剤としての酸化染毛剤第1剤(以下、染毛第1剤という。)と第2剤としての酸化染毛剤第2剤(以下、染毛第2剤という。)とから構成されている。染毛第1剤には、(A)成分である染料として酸化染料、(C)成分としてL−テアニン、及びアルカリ剤等が配合される。染毛第2剤には、酸化剤が配合される。染毛第1剤と染毛第2剤が、使用の際に混合調製されることにより、混合物としての染毛混合物を得られ、該染毛混合物が毛髪に塗布されることにより、毛髪を染色することができる。
<染毛第1剤>
(A)成分である染料としての酸化染料は、染毛第2剤に配合される酸化剤による酸化重合によって発色可能な化合物を示し、具体的には、主要中間体及びカプラーに分類される。ここで、酸化染料が酸化重合することによって生成する化合物を多核化合物といい、多核化合物の具体例としては単一種の酸化染料による単独重合体及び複数種の酸化染料による共重合体である。毛髪はこれらの多核化合物によって染色される。
主要中間体としては、フェニレンジアミン類とその塩類、アミノフェノール類とその塩類、ジアミノピリジン類とその塩類等が挙げられる。塩類としては塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等が挙げられる。これらの主要中間体は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。具体的には、p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルアミン、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−メチルアミノフェノール、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、o−クロル−p−フェニレンジアミン、4−アミノ−m−クレゾール、2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソール、2,4−ジアミノフェノール及びそれらの塩類等が挙げられる。
カプラーとしては、レゾルシン、ピロガロール、カテコール、m−アミノフェノール、m−フェニレンジアミン、o−アミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、1,2,4−ベンゼントリオール、トルエン−3,4−ジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、ハイドロキノン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノ−o−クレゾール、ジフェニルアミン、p−メチルアミノフェノール、フロログルシン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、1−メトキシ−2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール、それらの塩類等が挙げられる。これらのカプラーは単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
この酸化染料は、様々な色調に変化させることができることから、主要中間体から選ばれる少なくとも一種及びカプラーから選ばれる少なくとも一種から構成されることが好ましい。
染毛混合物中における酸化染料の含有量は、好ましくは0.02〜25質量%、より好ましくは0.2〜15質量%である。この含有量が0.02質量%未満であると、十分な染色性が得られないおそれがある。一方、25質量%を超えて配合しても、染色性は向上せず経済的ではない。
染毛混合物中における主要中間体の含有量は、好ましくは0.01〜15質量%、より好ましくは0.1〜10質量%である。この含有量が0.01質量%未満であると、十分な染色性が得られないおそれがある。一方、15質量%を超えて配合しても、染色性は向上せず経済的ではない。
染毛混合物中におけるカプラーの含有量は、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。この含有量が0.01質量%未満であると、十分な染色性が得られないおそれがある。一方、10質量%を超えて配合しても、染色性は向上せず経済的ではない。
その他、「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社)に収載された酸化染料及び酸化染料以外の染料として直接染料等を適宜、配合することもできる。
(C)成分であるL−テアニンは、(A)成分としての酸化染料の染色性を向上させるために配合される。(C)L−テアニンはL−グルタミン酸の誘導体であって、アミノ酸の一種である。この(C)L−テアニンは、茶葉、特に玉露に多く含まれる成分であり、緑茶の旨味成分として知られている。(C)L−テアニンは茶葉から常法によって抽出して得られる他、化学的な合成によっても得ることができる。また、市販品を入手することにより適用してもよい。酸化染毛剤組成物には、そうした天然由来及び合成由来のいずれの(C)L−テアニンも使用することができる。
酸化染毛剤組成物中における(C)L−テアニンの含有量は、0.01〜15質量%、好ましくは0.02〜12質量%、より好ましくは0.03〜10質量%である。この含有量が0.01質量%未満であると、染色性向上効果を十分に発揮することができないおそれがある。一方、15質量%を超えて配合しても、それ以上の染色性向上効果は得られない。
アルカリ剤は、毛髪を膨潤させることにより、毛髪に対する酸化剤の浸透性を向上させ、染色性を向上させるために配合される。アルカリ剤としては、アンモニア、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールから選ばれる1種又は2種以上が用いられる。
アルカリの配合量は、染毛混合物のpHが8〜12の範囲となる量に設定することが好ましい。染毛混合物のpHが8未満では、酸化剤の作用を十分に促進することができない場合がある。一方、pHが12を超えると、染毛混合物を毛髪に施したとき毛髪に損傷等の不具合が発生しやすい。
この染毛第1剤には、その他の成分として、水、油性成分、多価アルコール、界面活性剤等を配合することができる。水は各成分の溶媒又は分散媒として適量配合される。
油性成分は、毛髪にうるおい感を付与するという観点から、配合されることが好ましい。油性成分としては、油脂、ロウ類、高級アルコール、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル類、シリコーン類、炭化水素等が挙げられる。
油脂としては、オリーブ油、ローズヒップ油、ツバキ油、シア脂、マカデミアナッツ油、アーモンド油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アボカド油、カロット油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油等が挙げられる。ロウ類としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等が挙げられる。
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ラノリンアルコール等が挙げられる。高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
アルキルグリセリルエーテルとしては、バチルアルコール(モノステアリルグリセリルエーテル)、キミルアルコール(モノセチルグリセリルエーテル)、セラキルアルコール(モノオレイルグリセリルエーテル)、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
エステル類としては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、脂肪酸(C10−30)(コレステリル/ラノステリル)、乳酸ラウリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ラノリン誘導体等が挙げられる。
シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性ポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン等が挙げられる。
炭化水素としては、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、スクワラン、ポリブテン、パラフィン、ポリエチレン末、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。これらの油性成分は単独で配合してもよく、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
多価アルコールとしては、グリコール類、グリセリン類等が挙げられる。グリコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。グリセリン類としては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等が挙げられる。
界面活性剤は、乳化剤又は可溶化剤として酸化染毛剤組成物の安定性を保持するために配合される。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、エーテル型非イオン性界面活性剤、エステル型非イオン性界面活性剤等が挙げられる。エーテル型非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレン(以下、POEという。)セチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEオレイルエーテル、POEラウリルエーテル、POEオクチルドデシルエーテル、POEヘキシルデシルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEオクチルフェニルエーテル等が挙げられる。
エステル型非イオン性界面活性剤の具体例としては、モノオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノラウリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリン、テトラオレイン酸POEソルビット、ヘキサステアリン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット、POEソルビットミツロウ、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸エステル塩、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩、N−ラウロイルグルタミン酸塩類、N−ラウロイルメチル−β−アラニン塩類等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
さらに、その他の成分としてソルビトール、マルトース等の糖類、アラビアガム、カラヤガム、トラガントガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、セルロース誘導体、架橋ポリアクリル酸、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム等の水溶性高分子化合物、パラベン等の防腐剤、EDTA−2Na等のキレート剤、フェナセチン、8−ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、タンニン酸等の安定剤、リン酸、クエン酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸等のpH調整剤、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、香料、紫外線吸収剤等が挙げられる。また「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社)に収載されるものから選ばれる少なくとも一種を配合してもよい。この染毛第1剤の剤型は、水溶液、分散液、乳化液等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等特に限定されない。
<染毛第2剤>
この染毛第2剤には酸化剤が含有される。また、この染毛第2剤にはその他の成分として酸化染毛剤の染毛第2剤に通常用いられる成分が含有される。
酸化剤は、(A)酸化染料を酸化重合させるとともに、毛髪に含まれるメラニンを脱色させるために配合される。酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物等が挙げられる。これらの酸化剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これらの酸化剤の中でも、メラニンの脱色力に優れることから、好ましくは過酸化水素である。
染毛混合物中における酸化剤の含有量は、好ましくは0.1〜10.0質量%、より好ましくは0.5〜8.0質量%である。この含有量が0.1質量%未満であると、メラニンを十分に脱色することができないおそれがあり、また(A)酸化染料が十分に酸化発色することができない。一方、10.0質量%を超えて配合すると、毛髪に損傷等の不具合が発生するおそれがある。
この染毛第2剤には、上記染毛第1剤に記載のその他の成分を適宜配合することができる。また、酸化剤として過酸化水素を配合した場合、過酸化水素の分解を抑制するために、安定化剤を配合することが好ましい。安定化剤の具体例としては、尿素、フェナセチン、スズ酸ナトリウム、エチレングリコールフェニルエーテル、8−オキシキノリン、リン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸及びその塩、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。また「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社)に収載されるものから選ばれる少なくとも一種を配合してもよい。
この染毛第2剤の剤型は、水溶液、分散液、乳化液等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等特に限定されない。
<染毛混合物>
酸化染毛剤組成物を使用する際に、上記の染毛第1剤及び染毛第2剤を所定の割合で混合調製することによって染毛混合物を得ることができる。この染毛混合物の剤型は、液状、クリーム状、ゲル状、フォーム状等特に限定されない。
第1の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)第1の実施形態では、(A)染料として酸化染料が配合される酸化染毛剤組成物において(C)L−テアニンを配合した。したがって、酸化染料による染色性を向上させることができる。
(2)また、(A)染料である酸化染料により染色された毛髪の退色防止効果を向上させることができる。
なお、上記第1の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、(C)L−テアニンは染毛第1剤に配合した。しかしながら、(C)L−テアニンは染毛第1剤及び染毛第2剤のいずれに配合してもよい。
・上記実施形態において、酸化染毛剤組成物を染毛第1剤及び染毛第2剤として構成し、使用直前に混合する構成とした。しかしながら、さらに染毛第1剤及び染毛第2剤を構成する各成分を分離して3剤式以上に構成してもよい。例えば、(A)酸化染料及び(C)L−テアニンを配合する染毛第1剤、アルカリ剤を配合する染毛第2剤及び酸化剤を配合する染毛第3剤からなる酸化染毛剤組成物が挙げられる。かかる構成において、(A)酸化染料及び(C)L−テアニンをアルカリ剤が配合される染毛第2剤とは別に構成したことにより、(A)酸化染料及び(C)L−テアニンの保存安定性を高めることができる。また、酸化染毛剤組成物を構成する各成分を使用直前にすべて混合して作成する1剤式として構成してもよい。
(第2の実施形態)
以下、本発明の染毛用組成物を半永久染毛料組成物に具体化した第2の実施形態について詳細に説明する。
半永久染毛料組成物は、(A)成分である染料としての直接染料及び(C)L−テアニンの他、好ましくは、酸、芳香族アルコール、水溶性高分子、溶剤等が配合される。
(A)成分である染料としての直接染料は、毛髪を染色するために配合される。この直接染料は、反応性がなく、それ自体で発色可能なものを示す。直接染料の具体例としては、ニトロ染料、酸性染料、塩基性染料(カチオン染料)、分散染料等が挙げられる。
ニトロ染料としては、染毛力に優れることから好ましくは4−ニトロ−o−フェニレンジアミン、2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、ピクラミン酸、ピクリン酸、及びそれらの塩、HC Blue No.2、HC Blue No.5、HC Blue No.6、HC Blue No.9、HC Blue No.10、HC Blue No.11、HC Blue No.12、HC Blue No.13、HC Orenge No.1、HC Orenge No.2、HC Orenge No.3、HC Red No.1、HC Red No.3、HC Red No.7、HC Red No.10、HC Red No.11、HC Red No.13、HC Red No.14、HC Violet No.1、HC Violet No.2、HC Yellow No.2、HC Yellow No.4、HC Yellow No.5、HC Yellow No.6、HC Yellow No.9、HC Yellow No.10、HC Yellow No.11、HC Yellow No.12、HC Yellow No.13、HC Yellow No.14、HC Yellow No.15等が挙げられる。
酸性染料としては、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、赤色201号、赤色227号、赤色230号の(1)、赤色230号の(2)、赤色231号、赤色232号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色406号、黄色407号、だいだい色205号、だいだい色207号、だいだい色402号、緑色3号、緑色204号、緑色205号、緑色401号、緑色402号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色202号、青色203号、青色205号、かっ色201号、黒色401号等が挙げられる。
塩基性染料としては、Basic Blue 3、Basic Blue 6、Basic Blue 7、Basic Blue 9、Basic Blue 26、Basic Blue 41、Basic Blue 47、Basic Blue 99、Basic Brown 4、Basic Brown 16、Basic Brown 17、Basic Green 1、Basic Green 4、Basic Orange 1、Basic Orange 2、Basic Orange 31、Basic Red 1、Basic Red 2、Basic Red 22、Basic Red 46、Basic Red 51、Basic Red 76、Basic Red 118、Basic Violet 1、Basic Violet 3、Basic Violet 4、Basic Violet 10、Basic Violet 11:1、Basic Violet 14、Basic Violet 16、Basic Yellow 11、Basic Yellow 28、Basic Yellow 57、Basic Yellow 87等が挙げられる。
分散染料としては、Disperse Black 9、Disperse Blue 1、Disperse Blue 3、Disperse Blue 7、Disperse Brown 4、Disperse Orange 3、Disperse Red 11、Disperse Red 15、Disperse Red 17、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、Disperse Violet 15等が挙げられる。
その他の直接染料としては、1−アミノ−4−メチルアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、及びそれらの塩、HC Blue No.4、HC Blue No.7、HC Blue No.8、HC Blue No.14、HC Brown No.1、HC Brown No.2、HC Green No.1、HC Orenge No.5、HC Red No.8、HC Red No.9、HC Yellow No.7、HC Yellow No.8、並びに「医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令」(昭和41年告示、厚生省)により定められた直接染料が挙げられる。これらの直接染料は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
直接染料の含有量は、好ましくは0.05〜2質量%、より好ましくは0.2〜1質量%である。直接染料の含有量が0.05質量%未満であると、十分な染毛力が得られないおそれがある。一方、2質量%を超えて配合すると、直接染料の分散性が低下して、沈殿が生じるおそれがある。
酸は、pH調整剤として染毛力及び染色堅牢性を向上させるために配合されることが好ましい。酸の具体例としては、無機酸及び有機酸が挙げられる。無機酸としては塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、リン酸等が挙げられる。有機酸としてはレブリン酸、乳酸、グリコール酸、クエン酸等が挙げられる。
芳香族アルコールは直接染料等の有効成分の毛髪への浸透性を向上させるために配合されることが好ましい。芳香族アルコールの具体例としては、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、フェノキシエタノール等が挙げられる。芳香族アルコールの含有量は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜10質量%である。芳香族アルコールの含有量が0.1質量%未満であると、有効成分の毛髪への浸透を促進することができないおそれがある。一方、10質量%を超えて配合してもそれ以上の浸透促進効果は得られにくい。
半永久染毛料組成物には、増粘性及び安定性の観点から、水溶性高分子を含有させることが好ましい。水溶性高分子は、例えばアラビアガム、カラギーナン、ガラクタン、グアーガム、クインスシードガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、デキストラン、ヒアルロン酸、カードラン、サクシノグルカン、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン等の天然系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カチオン化セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン、可溶性デンプン等のデンプン系高分子、酢酸ビニル−ビニルピロリドン等のビニルピロリドン系重合体、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体、ポリアクリルアミド、アクリルアミド・アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、アクリル酸アンモニウム・アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、アクリル酸ナトリウム・アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、ポリ塩化ジメチルジアリルアンモニウム、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸−メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、高重合ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン等の合成高分子が挙げられる。これらの水溶性高分子は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
溶剤としては、水の他、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等の低級アルコールを配合することが好ましい。これらの低級アルコールは単独で配合してもよく、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これらの中で溶解性、乾燥性の観点からエタノールが好ましい。
半永久染毛料組成物に配合可能なその他の成分としては、第1の実施形態の酸化染毛剤組成物において例示した油性成分、多価アルコール、界面活性剤、防腐剤等のその他の成分が挙げられる。半永久染毛料組成物の剤型は、水溶液状、分散液状、乳化液状等の液状、乳化物状、ゲル状、フォーム状、クリーム状、粉末状等特に限定されない。フォーム状等の剤型とする場合は、染毛剤に液化石油ガス(LPG)等の噴射剤を含有させてもよい。
第2の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)第2の実施形態では、(A)染料として直接染料が使用される半永久染毛料組成物において(C)L−テアニンを配合した。したがって、直接染料による染色性を向上させることができる。
(2)また、(A)染料として直接染料により染色された毛髪の退色防止効果を向上させることができる。
なお、上記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・上記実施形態において、(A)成分としての直接染料を用いた染毛方法は特に限定されず、一回の塗布染色作業により染毛してもよく、また、繰り返しの塗布染色作業により染毛してもよい。
(第3の実施形態)
以下、本発明の染毛用組成物を一時染毛料組成物に具体化した第3の実施形態について詳細に説明する。
一時染毛料組成物は、(B)成分である着色剤及び(C)L−テアニンの他、好ましくは樹脂、溶媒等が配合される。一時染毛料組成物は、酸化染料が配合される永久染毛剤、直接染料が配合される半永久染毛料と異なり、(B)着色剤である顔料等が毛髪表面に付着・被覆することにより着色する。
(B)成分である着色剤は、無機顔料、有機顔料、染料樹脂固溶体、昼光蛍光顔料及び天然顔料等の顔料が使用される。これらの顔料は、単独種類で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。無機顔料としては、酸化亜鉛、酸化チタン、ベンガラ、酸化クロム、酸化コバルト、黒酸化鉄、黄酸化鉄、水酸化クロム、水酸化アルミニウム、紺青、硫酸バリウム、含水珪酸塩、無水珪酸、珪酸アルミニウム、タルク、カオリン、カルミン、雲母、炭酸マグネシウム、ベントナイト、群青、マンガンバイオレット、カーボンブラック、アルミニウム、銅、金、雲母チタン等が挙げられる。有機顔料としては、赤色202、203、204、205、206、207、208、219、220、221、228、404、405の各号、だいだい色203、204、401の各号、黄色205、401の各号、青色404号等が挙げられる。天然顔料としては、クレー等の鉱物顔料、マダーレーキやコチニールレーキ等の天然染料レーキ、アゾ顔料、フタロシアニン顔料等が挙げられる。
(B)着色剤の含有量は、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%である。(B)着色剤の含有量が0.1質量%未満であると、着色効果が不十分となる。一方、15質量%を超えて配合すると顔料の分散性が低下するおそれがある。
一時染毛料組成物には、好ましくはカチオン性樹脂、両性樹脂、アニオン性樹脂及び非イオン性樹脂等の樹脂を配合することができる。具体的には、ポリビニルピロリドン系高分子化合物、酢酸ビニルエーテル系高分子化合物、酸性ポリ酢酸ビニル系高分子化合物、酸性アクリル系高分子化合物、塩基性アクリル系高分子化合物、両性アクリル系高分子化合物等を挙げることができる。樹脂は、0.1〜15質量%、好ましくは0.5〜10質量%配合することができる。
溶媒は、水、有機溶媒を使用することができる。有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、酢酸メチル等を挙げることができる。
一時染毛料組成物に配合可能なその他の成分としては、第1及び第2の実施形態において例示した油性成分、多価アルコール、界面活性剤、防腐剤等のその他の成分が挙げられる。一時染毛料組成物の剤型は、水溶液状、分散液状、乳化液状等の液状、乳化物状、ゲル状、フォーム状、クリーム状、粉末状等特に限定されない。
第3の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)第3の実施形態では、(B)着色剤が使用される一時染毛料組成物において(C)L−テアニンを配合した。したがって、(B)着色剤による着色性を向上させることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1、比較例1,2)酸化染毛剤組成物
表1に示される各成分を混合して実施例1及び比較例1,2の染毛第1剤及び染毛第2剤を調整した。続いて、実施例1及び比較例1,2における染毛第1剤と染毛第2剤を1:1の質量比で混合調製し、各染毛混合物を得た。得られた染毛混合物を白髪混じりの黒色人毛毛束(以下、単に毛束という。)に刷毛を用いて塗布し、室温にて30分間放置した。次に、毛束に付着した染毛混合物を水で洗い流した後、シャンプーを2回、リンスを1回施した。タオルで水分を拭き取り、ドライヤーにて乾燥したものを酸化染毛処理毛束とした。酸化染毛処理毛束について、染毛力向上効果及び退色防止効果の評価を行った。それらの評価結果を表1に示す。なお、表1における各成分の配合を示す数値の単位は質量%である。
<染毛力向上効果>
アミノ酸が配合されない比較例1で処理したヒト黒毛束を対照として、パネラーが目視にて評価した。染毛力が向上している:○、比較例1と同等である:△、染毛力が低下している:×としてヘアカラーの染毛力向上効果の評価結果とした。
<退色防止効果>
酸化染毛処理毛束について、1日1回シャンプーによる洗髪処理を14日間施した後の退色の程度をパネラーが目視にて評価した。シャンプー前と比較して、ほとんど退色していない:◎、退色が少ない:○、退色が認められる:△、かなり退色している:×として退色防止効果の評価結果とした。
Figure 0004926488
表1に示されるように、(A)酸化染料に(C)L−テアニンが配合される実施例1においては、染毛力向上効果及び退色防止効果が優れることが確認される。一方、比較例2の(C)L−テアニンの代わりにグリシンを使用した場合、比較例1と比較して染毛力向上効果及び退色防止効果は優れないことが確認される。
(実施例2、比較例3,4)半永久染毛料組成物
表2に示される各成分を混合して実施例2、比較例3,4の各酸性染毛料組成物(半永久染毛料組成物)を調整した。得られた各酸性染毛料組成物を毛束に刷毛を用いて塗布し、45℃で10分間放置した後、さらに室温で10分間放置した。次に、毛束に付着した酸性染毛料組成物を水で洗い流した後、シャンプーを2回、リンスを1回施した。タオルで水分を拭き取り、ドライヤーにて乾燥したものを酸性染毛処理毛束とした。酸性染毛処理毛束について、染毛力向上効果及び退色防止効果の評価を行った。それらの評価結果を表2に示す。なお、表2における各成分の配合を示す数値の単位は質量%である。
<染毛力向上効果>
アミノ酸が配合されない比較例3で処理したヒト黒毛束を対照として、パネラーが目視にて評価した。染毛力が向上している:○、比較例3と同等である:△、染毛力が低下している:×としてヘアカラーの染毛力向上効果の評価結果とした。
<退色防止効果>
酸性染毛処理毛束について、1日放置後に毛束を50℃の1%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液に15分間浸漬した後、毛束を十分に洗浄し、風乾させることにより洗浄処理を施した。洗浄処理後の毛束について、退色の程度をパネラーが目視にて評価した。退色前と比較して、ほとんど退色していない:◎、退色が少ない:○、退色が認められる:△、かなり退色している:×として退色防止効果の評価結果とした。
Figure 0004926488
表2に示されるように、(A)酸性染料に(C)L−テアニンが配合される実施例2においては、染毛力向上効果及び退色防止効果が優れることが確認される。一方、比較例4の(C)L−テアニンの代わりにグリシンを使用した場合、染毛力向上効果及び退色防止効果は比較例3と比較して優れないことが確認される。
(実施例3、比較例5,6)徐染性の酸性染毛料組成物
表3に示される各成分を混合して実施例3、比較例5,6の徐染性の各酸性染毛料組成物を調整した。得られた徐染性の各酸性染毛料組成物を毛束に刷毛を用いて塗布し、45℃で15分間放置した後、水で洗い流し、シャンプーを2回、2.0質量%リン酸溶液によるリンス処理を1回、水洗処理を施した。かかる一連の染毛操作を全3回繰り返すことにより徐染性の酸性染毛処理毛束とした。かかる徐染性の酸性染毛処理毛束について、染毛力向上効果及び退色防止効果の評価を行った。それらの評価結果を表3に示す。なお、表3における各成分の配合を示す数値の単位は質量%である。
<染毛力向上効果>
アミノ酸が配合されない比較例5で処理したヒト黒毛束を対照として、パネラーが目視にて評価した。染毛力が向上している:○、比較例5と同等である:△、染毛力が低下している:×としてヘアカラーの染毛力向上効果の評価結果とした。
<退色防止効果>
徐染性の酸性染毛処理毛束について、1日放置後に毛束を50℃の1%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液に15分間浸漬した後、毛束を十分に洗浄し、風乾させることにより洗浄処理を施した。洗浄処理後の毛束について、退色の程度をパネラーが目視にて評価した。退色前と比較して、ほとんど退色していない:◎、退色が少ない:○、退色が認められる:△、かなり退色している:×として退色防止効果の評価結果とした。
Figure 0004926488
表3に示されるように、徐染性の酸性染毛料組成物について(A)酸性染料に(C)L−テアニンが配合される実施例3においては、染毛力向上効果及び退色防止効果が優れることが確認される。一方、比較例6の(C)L−テアニンの代わりにグリシンを使用した場合、染毛力向上効果及び退色防止効果は比較例5と比較して優れないことが確認される。
(実施例4、比較例7,8)一時染毛料組成物
表4に示される各成分を混合して実施例4、比較例7,8の各一時着色剤(一時染毛料組成物)を調整した。得られた一時着色剤を毛束に刷毛を用いて塗布し、乾燥させることにより一時着色処理毛束とした。かかる一時着色処理毛束について、着色性向上効果の評価を行った。それらの評価結果を表4に示す。なお、表4における各成分の配合を示す数値の単位は質量%である。
<着色性向上効果>
アミノ酸が配合されない比較例7で処理した毛束を対照として、パネラーが目視にて評価した。着色性が向上している:○、比較例7と同等である:△、着色性が低下している:×としてヘアカラーの着色性向上効果の評価結果とした。
Figure 0004926488
表4に示されるように、一時着色剤について(B)カーボンブラックに(C)L−テアニンが配合される実施例4においては、着色性向上効果が優れることが確認される。一方、比較例8の(C)L−テアニンの代わりにグリシンを使用した場合、着色性向上効果は比較例7と比較して優れないことが確認される。

Claims (5)

  1. (A)染料及び(B)着色剤から選ばれる少なくとも一種の成分と(C)L−テアニン(但し、茶抽出物としての含有を除く)を含有する染毛用組成物。
  2. 前記(C)L−テアニンを0.01〜15質量%含有する請求項1記載の染毛用組成物。
  3. 前記(A)染料は酸化染料である請求項1又は請求項2記載の染毛用組成物。
  4. 前記(A)染料は直接染料である請求項1又は請求項2記載の染毛用組成物。
  5. 前記(B)着色剤は顔料である請求項1又は請求項2記載の染毛用組成物。
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