JP5005276B2 - 多剤式毛髪処理剤及びその使用方法 - Google Patents

多剤式毛髪処理剤及びその使用方法 Download PDF

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Description

本発明は多剤式毛髪処理剤に関し、詳しくはポリウレタン類等を配合する毛髪処理第1剤、特定のカチオン性物質を配合する毛髪処理第2剤を毛髪に塗布することにより、感触又は色持ち等の向上を図った多剤式毛髪処理剤及びその使用方法に関する。
一般に、シャンプー、リンス、トリートメント等の毛髪処理剤において、毛髪の柔軟性や櫛どおり向上させるために界面活性剤や油性成分が配合されている。しかしながら、かかる界面活性剤等は配合量が多くなるとべたつき等の毛髪の感触低下が生ずるという問題があった。従来より、特許文献1に記載される毛髪化粧料が知られている。特許文献1に記載される毛髪化粧料は、ポリウレタンからなる高分子ラテックスを配合し、毛髪の感触の低下を抑制している。
ところで一般に、毛髪は、染毛、パーマ、ウェーブ、脱色、ドライヤーの熱、紫外線等により日常ダメージを受けている。例えば染毛処理として、酸化染料を含有する永久染毛剤として使用される酸化染毛料組成物、さらに酸性染料を含有する半永久染毛料として使用される酸性染毛剤組成物が知られている。前記永久染毛剤としての酸化染毛料組成物は、アルカリ剤の働きで酸化染料を毛髪のキューティクル内部に浸透させ、酸化剤でメラニン色素の分解と染料の発色を同時に行わせる。一方、半永久染毛料としての酸性染毛剤組成物はコルテックスのごく浅い部分に染料をイオン結合させて発色させる。その酸化染毛料組成物や酸性染毛剤組成物は、毛髪での発色後、残った染料等をぬるま湯で洗い流してから、シャンプーやリンス等によって残った染料等を完全に除去し、毛髪を整える。染毛処理後の毛髪は、化学処理によるダメージを受けているため、シャンプーやリンス処理のみならず、トリートメント処理等の毛髪の感触向上の観点から様々なヘアケアが要求されている。
特開昭62−63508号公報
ところが、ポリウレタンが配合される毛髪化粧料をトリートメント剤として、化学処理等により損傷した毛髪に適用した場合、感触の低下を効果的に抑えることができないという問題点が存在する。また、染毛処理した毛髪に対して適用した場合、色持ちの低下及び経時的な変色等が生ずるといった問題が存在する。
本発明は、本発明者らの鋭意研究の結果、ポリウレタン類、特定のシリコーン類を含有した毛髪処理第1剤、及び特定のカチオン性物質を含有した毛髪処理第2剤を組み合わせて毛髪に適用することにより、損傷した毛髪の感触が良好になるとともに、染毛した毛髪の色持ちが良好になることを見出したことによりなされたものである。その目的とするところは、損傷毛の感触を良好にすることができるとともに染毛処理後の毛髪の色持ちを良好にすることができる多剤式毛髪処理剤及びその使用方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の毛髪処理剤は、(A)ポリウレタン類としてポリウレタン−2、ポリウレタン−4、及びポリウレタン−14から選ばれる少なくとも1種を0.01〜20質量%、並びに(B)ポリエーテル変性シリコーンを0.01〜10質量%配合する毛髪処理第1剤と、0.01〜10質量%の(C)カチオン性界面活性剤、0.01〜10質量%の(D)カチオン性高分子及び0.01〜5.0質量%の(E)有機酸の群から選ばれる少なくとも一種を配合する毛髪処理第2剤、からなることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1記載の多剤式毛髪処理剤の使用方法において、酸化染料を用いた染毛処理又は直接染料を用いた染毛処理を施す工程、次に前記毛髪処理第1剤を毛髪に塗布する工程、次に前記毛髪処理第2剤を毛髪に塗布する工程からなることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項記載の多剤式毛髪処理剤の使用方法において、前記毛髪処理第2剤は、前記毛髪処理第1剤が毛髪に塗布された後、毛髪から洗い流されることなく塗布されることを特徴とする。
損傷毛の感触を良好にすることができるとともに染毛処理後の毛髪の色持ちを良好にすることができる多剤式毛髪処理剤及びその使用方法を提供することができる。
以下、本発明の多剤式毛髪処理剤及びその使用方法を具体化した一実施形態を詳細に説明する。
本発明の多剤式毛髪処理剤は、(A)ポリウレタン類及び(B)ポリエーテル変性シリコーンを配合する毛髪処理第1剤と、カチオン性物質として(C)カチオン性界面活性剤、(D)カチオン性高分子及び(E)有機酸の群から選ばれる少なくとも一種の成分を配合する毛髪処理第2剤からなる。上記各成分が配合される毛髪処理第1剤及び毛髪処理第2剤を順に毛髪に塗布することにより、毛髪をケアすることができる。
(A)ポリウレタン類は、多剤式毛髪処理剤において、カチオン性物質である(C)成分、(D)成分又は(E)成分との相乗効果により、損傷毛の感触向上に寄与する。また、(B)ポリエーテル変性シリコーンや、カチオン性物質である(C)成分、(D)成分又は(E)成分との相乗効果により、さらなる損傷毛の感触向上及び毛髪の色持ちの向上等に寄与する。
本実施形態において使用される(A)ポリウレタン類は、具体的にはポリウレタン−2、ポリウレタン−4、ポリウレタン−14等が挙げられる。この成分は市販成分を使用してもよく、具体的にはそれぞれ商品名Avalure UR405(ノベオン社製)、Avalure UR445(ノベオン社製)、DynamX(ナショナルスターチ社製)を挙げることができる。上記具体的成分の中でより好ましくは、ポリウレタン−14である。この(A)ポリウレタン類は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。その配合量は、0.01〜20質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。(A)ポリウレタン類の配合量が0.01質量%未満であると、本願発明の効果が十分得られない。一方、20質量%を超えて配合しても増加分の効果の向上は見られず、製造コストの向上につながるので好ましくない。
(B)ポリエーテル変性シリコーンは、多剤式毛髪処理剤において、(A)ポリウレタン類、及びカチオン性物質である(C)成分、(D)成分又は(E)成分との相乗効果により、主として染色された毛髪の色持ちの向上等に寄与する。
本実施形態において使用されるポリエーテル変性シリコーンは、下記一般式(1)〜(3)に示すものが挙げられる。尚、下記一般式(1)〜(3)において、式中のRはR−O−(CO)a−(CO)−Aを示し、Aは水素原子又は炭素数1〜12の炭化水素基を示す。R及びRは炭素数2〜4の2価の炭化水素基、mは1〜1000の整数及びnは1〜100の整数を示す。a及びbは0〜50の整数を示し、a+b≧1である。
具体的には、PEG−11メチルエーテルジメチコン、PEG/PPG−20/6ジメチコン、PEG−12ジメチコン、PEG−10メチルエーテルジメチコン、PEG17ジメチコン等が挙げられる。この成分は市販成分を使用しても良く、具体的にはそれぞれ商品名シリコーンKF6011(信越シリコーン社製)、ABIL B88183(Goldschmidt社製)、シリコーンSH3771M(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)、シリコーンSS−2801(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)、Silsoft895(GE東芝シリコーン社製)を挙げることができる。この(B)ポリエーテル変性シリコーンは単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。その配合量は、0.01〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜5質量%である。(B)ポリエーテル変性シリコーンの配合量が0.01質量%未満であると、特に染色された毛髪の色持ち向上効果が十分得られない。一方、10質量%を超えて配合しても、それ以上の改善効果が得られにくいとともに、毛髪がべたつくおそれがある。
また、さらなる毛髪の感触及び色持ちの向上等の観点より、(A)ポリウレタン類の全質量に対して、(B)ポリエーテル変性シリコーンの質量比(B/A)が、0.01〜5.0の範囲に規定することが好ましい。より好ましくは0.05〜3.0の範囲である。さらに好ましくは0.1〜2.0の範囲である。
カチオン性物質である(C)成分、(D)成分及び(E)成分は、多剤式毛髪処理剤において、(A)ポリウレタン類との相乗効果により、損傷毛の感触向上に寄与する。また(A)成分の他、(B)ポリエーテル変性シリコーンとの相乗効果により、さらなる損傷毛の感触向上及び毛髪の色持ちの向上等に寄与する。本実施形態において使用されるカチオン性物質は、(C)カチオン性界面活性剤、(D)カチオン性高分子及び(E)有機酸が挙げられる。本実施形態の毛髪処理第2剤において、(C)カチオン性界面活性剤、(D)カチオン性高分子及び(E)有機酸のうちの少なくとも一種の成分がカチオン性物質として配合される。
具体的に(C)カチオン性界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ベヘントリモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。この(C)カチオン性界面活性剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。カチオン性界面活性剤の配合量は0.01〜10重量%であり、好ましくは0.05〜8重量%である。0.01重量%よりも少ないと本願発明の効果が十分得られず、10重量%を超えて配合しても、それ以上の効果は得られない。
(D)カチオン性高分子としては、カチオン化セルロース誘導体、カチオン化グアーガム、4級化ポリビニルピロリドン誘導体、ジアリル第4級化アンモニウム塩重合物誘導体等に代表されるカチオン性誘導体が挙げられる。具体的には、塩化o−[ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシセルロース、塩化o−[ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]タラガム、塩化o−[ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]グアーガム、塩化o−[ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ローカストビーンガム、塩化o−[ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]フェヌグリークガム、アモジメチコン、アミノエチルアミノプロピルメチコン・ジメチコン共重合体、ビス(C13−15アルコキシ)PGアモジメチコン、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド共重合体、ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体のカチオン化物、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド・アクリル酸共重合体等が挙げられる。この(D)カチオン性高分子は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。(D)カチオン性高分子の配合量は0.01〜10重量%であり、好ましくは0.05〜8重量%である。0.01重量%よりも少ないと本願発明の効果が十分得られず、10重量%を超えて配合してもそれ以上の効果は得られない。
(E)有機酸としては、クエン酸、酢酸、グリコール酸、ギ酸、レブリン酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、リンゴ酸、L−グルタミン酸、L−アスパラギン酸、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。その塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。この(E)有機酸は単独で配合してもよく、二種以上を組み合わせて配合してもよい。(E)有機酸の配合量は0.01〜5.0重量%であり、好ましくは0.05〜2.0重量%である。0.01重量%よりも少ないと本願発明の効果が十分得られず、5.0重量%を超えて配合してもそれ以上の効果は得られない。
これらのカチオン性物質の中で、(D)カチオン性高分子が変色防止という観点で好ましい。
この多剤式毛髪処理剤には、本願発明の効果を損なわない範囲においてその他の成分として、溶媒、油性成分、多価アルコール、カチオン性界面活性剤以外の界面活性剤等を配合することができる。
溶媒は、水の他、メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール等が挙げられる。
油性成分は、毛髪にうるおい感を付与するという観点から、配合されることが好ましい。油性成分としては、油脂、ロウ類、高級アルコール、高級脂肪酸、エステル類、ポリエーテル変性シリコーン以外のシリコーン類、炭化水素等が挙げられる。
油脂としては、オリーブ油、ローズヒップ油、ツバキ油、シア脂、マカデミアナッツ油、アーモンド油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アボカド油、カロット油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油等が挙げられる。ロウ類としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等が挙げられる。
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ラノリンアルコール等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
エステル類としては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、脂肪酸(C10−30)(コレステリル/ラノステリル)、乳酸ラウリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ラノリン誘導体等が挙げられる。
シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、脂肪酸変性ポリシロキサン、アルコール変性シリコーン、グリセリン変性シリコーン、脂肪族アルコール変性ポリシロキサン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン等が挙げられる。
炭化水素としては、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、スクワラン、ポリブテン、パラフィン、ポリエチレン末、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。これらの油性成分は単独で配合してもよく、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。
界面活性剤は、乳化剤又は可溶化剤として多剤式毛髪処理剤の安定性を保持するために配合される。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、エーテル型非イオン性界面活性剤、エステル型非イオン性界面活性剤等が挙げられる。エーテル型非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレン(以下、POEという。)セチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEオレイルエーテル、POEラウリルエーテル、POEオクチルドデシルエーテル、POEヘキシルデシルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEオクチルフェニルエーテル等が挙げられる。
エステル型非イオン性界面活性剤の具体例としては、モノオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノラウリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリン、テトラオレイン酸POEソルビット、ヘキサステアリン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット、POEソルビットミツロウ、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸エステル塩、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩、N−ラウロイルグルタミン酸塩類、N−ラウロイルメチル−β−アラニン塩類等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
さらに、その他の成分としてソルビトール、マルトース等の糖類、アラビアガム、カラヤガム、トラガントガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、セルロース誘導体、架橋ポリアクリル酸等の水溶性高分子化合物、パラベン等の防腐剤、EDTA−2Na等のキレート剤、フェナセチン、8−ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、タンニン酸等の安定剤、リン酸、硫酸、塩酸等のpH調整剤、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、香料、紫外線吸収剤等が挙げられる。また「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社)に収載されるものから選ばれる少なくとも一種を配合してもよい。本実施形態の多剤式毛髪処理剤は、毛髪に塗布することにより多剤式毛髪処理剤として好適に使用することができる。
また、本発明の多剤式毛髪処理剤を適用する毛髪は、好適には染毛、ウェーブ、紫外線等により損傷を受けた毛髪に適用される。さらに好適には、染毛処理された毛髪に適用される。この染毛処理としては酸化染料及びアルカリ剤等が配合される酸化染毛剤による染毛処理と、直接染料等が配合される半永久染毛料による染毛処理が挙げられる。
酸化染毛剤による染毛処理は、酸化染料等が配合される染毛第1剤と、酸化剤等が配合される染毛第2剤が混合された染毛混合物が毛髪に塗布されることによって施される。酸化染料は、染毛第2剤に配合される酸化剤による酸化重合によって発色可能な化合物を示し、具体的には、主要中間体及びカプラーに分類される。ここで、酸化染料が酸化重合することによって生成する化合物を多核化合物といい、多核化合物の具体例としては単一種の酸化染料による単独重合体及び複数種の酸化染料による共重合体である。毛髪はこれらの多核化合物によって染色される。
主要中間体としては、フェニレンジアミン類とその塩類、アミノフェノール類とその塩類、ジアミノピリジン類とその塩類等が挙げられる。塩類としては塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等が挙げられる。これらの主要中間体は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。具体的には、p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルアミン、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−メチルアミノフェノール、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、o−クロル−p−フェニレンジアミン、4−アミノ−m−クレゾール、2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソール、2,4−ジアミノフェノール及びそれらの塩類等が挙げられる。
カプラーとしては、レゾルシン、ピロガロール、カテコール、m−アミノフェノール、m−フェニレンジアミン、o−アミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、1,2,4−ベンゼントリオール、トルエン−3,4−ジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、ハイドロキノン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノ−o−クレゾール、ジフェニルアミン、p−メチルアミノフェノール、フロログルシン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、1−メトキシ−2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール、それらの塩類等が挙げられる。これらのカプラーは単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
この酸化染料は、様々な色調に変化させることができることから、主要中間体から選ばれる少なくとも一種及びカプラーから選ばれる少なくとも一種から構成されることが好ましい。
染毛混合物中における酸化染料の含有量は、好ましくは0.02〜25質量%、より好ましくは0.2〜15質量%である。この含有量が0.02質量%未満であると、十分な染色性が得られないおそれがある。一方、25質量%を超えて配合しても、染色性は向上せず経済的ではない。
染毛混合物中における主要中間体の含有量は、好ましくは0.01〜15質量%、より好ましくは0.1〜10質量%である。この含有量が0.01質量%未満であると、十分な染色性が得られないおそれがある。一方、15質量%を超えて配合しても、染色性は向上せず経済的ではない。
染毛混合物中におけるカプラーの含有量は、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。この含有量が0.01質量%未満であると、十分な染色性が得られないおそれがある。一方、10質量%を超えて配合しても、染色性は向上せず経済的ではない。
その他、「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社)に収載された酸化染料及び酸化染料以外の染料として直接染料等を適宜、配合することもできる。
アルカリ剤は、毛髪を膨潤させることにより、毛髪に対する酸化剤の浸透性を向上させ、染色性を向上させるために配合される。アルカリ剤としては、アンモニア、トリエタノールアミン等が挙げられる。
酸化染毛剤に配合可能なその他の成分としては、上記実施形態の多剤式毛髪処理剤において例示した溶媒、油性成分、多価アルコール、界面活性剤、防腐剤等のその他の成分が挙げられる。
染毛第2剤には酸化剤が含有される。また、この染毛第2剤にはその他の成分として酸化染毛剤の染毛第2剤に通常用いられる成分が含有される。酸化剤は、酸化染料を酸化重合させるとともに、毛髪に含まれるメラニンを脱色させるために配合される。酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物等が挙げられる。染毛混合物中における酸化剤の含有量は、好ましくは0.1〜10.0質量%、より好ましくは0.5〜8.0質量%である。
この染毛第2剤には、上記染毛第1剤に記載のその他の成分を適宜配合することができる。また、酸化剤として過酸化水素を配合した場合、過酸化水素の分解を抑制するために、尿素及びフェナセチン等の安定化剤を配合することが好ましい。
半永久染毛剤による染毛処理は、直接染料を配合した染毛剤を毛髪に塗布することにより施される。直接染料は、反応性がなく、それ自体で発色可能であり、毛髪は直接染料自体が付着することで発色する。
直接染料の具体例としては、ニトロ染料、酸性染料、塩基性染料(カチオン染料)、分散染料等が挙げられる。
ニトロ染料としては、染毛力に優れることから好ましくは4−ニトロ−o−フェニレンジアミン、2−ニトロ−p−フェニレンジアミン、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、ピクラミン酸、ピクリン酸、及びそれらの塩、HC Blue No.2、HC Blue No.5、HC Blue No.6、HC Blue No.9、HC Blue No.10、HC Blue No.11、HC Blue No.12、HC Blue No.13、HC Orenge No.1、HC Orenge No.2、HC Orenge No.3、HC Red No.1、HC Red No.3、HC Red No.7、HC Red No.10、HC Red No.11、HC Red No.13、HC Red No.14、HC Violet No.1、HC Violet No.2、HC Yellow No.2、HC Yellow No.4、HC Yellow No.5、HC Yellow No.6、HC Yellow No.9、HC Yellow No.10、HC Yellow No.11、HC Yellow No.12、HC Yellow No.13、HC Yellow No.14、HC Yellow No.15等が挙げられる。これらのニトロ染料は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
酸性染料としては、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、赤色201号、赤色227号、赤色230号の(1)、赤色230号の(2)、赤色231号、赤色232号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、黄色4号、黄色5号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色406号、黄色407号、だいだい色205号、だいだい色207号、だいだい色402号、緑色3号、緑色204号、緑色205号、緑色401号、緑色402号、紫色401号、青色1号、青色2号、青色202号、青色203号、青色205号、かっ色201号、黒色401号等が挙げられる。これらの酸性染料は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
塩基性染料としては、Basic Blue 3、Basic Blue 6、Basic Blue 7、Basic Blue 9、Basic Blue 26、Basic Blue 41、Basic Blue 47、Basic Blue 99、Basic Brown 4、Basic Brown 16、Basic Brown 17、Basic Green 1、Basic Green 4、Basic Orange 1、Basic Orange 2、Basic Orange 31、Basic Red 1、Basic Red 2、Basic Red 22、Basic Red 46、Basic Red 51、Basic Red 76、Basic Red 118、Basic Violet 1、Basic Violet 3、Basic Violet 4、Basic Violet 10、Basic Violet 11:1、Basic Violet 14、Basic Violet 16、Basic Yellow 11、Basic Yellow 28、Basic Yellow 57、Basic Yellow 87等が挙げられる。これらの塩基性染料は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
分散染料としては、Disperse Black 9、Disperse Blue 1、Disperse Blue 3、Disperse Blue 7、Disperse Brown 4、Disperse Orange 3、Disperse Red 11、Disperse Red 15、Disperse Red 17、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、Disperse Violet 15等が挙げられる。これらの分散染料は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
その他の直接染料としては、1−アミノ−4−メチルアントラキノン、1,4−ジアミノアントラキノン、及びそれらの塩、HC Blue No.4、HC Blue No.7、HC Blue No.8、HC Blue No.14、HC Brown No.1、HC Brown No.2、HC Green No.1、HC Orenge No.5、HC Red No.8、HC Red No.9、HC Yellow No.7、HC Yellow No.8、並びに「医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令」(昭和41年告示、厚生省)により定められた直接染料が挙げられる。これらの直接染料は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
直接染料の含有量は、好ましくは0.05〜2質量%、より好ましくは0.2〜1質量%である。直接染料の含有量が0.05質量%未満であると、十分な染毛力が得られないおそれがある。一方、2質量%を超えて配合すると、直接染料の分散性が低下して、沈殿が生じるおそれがある。
半永久染毛剤に配合可能なその他の成分としては、上記実施形態の多剤式毛髪処理剤において例示した低級アルコール等の溶媒、pH調製剤として酸、油性成分、多価アルコール、界面活性剤、防腐剤等が挙げられる。さらに、その他の成分としてベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、フェノキシエタノール等の芳香族アルコールが挙げられる。
次に、本実施形態の多剤式毛髪処理剤の使用方法について説明する。
本実施形態の多剤式毛髪処理剤の使用方法は、まず前記酸化染毛剤による染毛処理又は前記半永久染毛料による染毛処理を施す工程、次に染毛処理を施した毛髪に対して前記毛髪処理第1剤を施す工程、次に前記毛髪処理第1剤を施した毛髪に前記毛髪処理第2剤を施す工程を備えている。前記酸化染毛剤による染毛処理を施す工程は、酸化染料が配合される染毛第1剤と、酸化剤が配合される染毛第2剤を混合して調製した染毛混合物を毛髪に塗布して発色させる工程である。また、半永久染毛料による染毛処理を施す工程は、直接染料が配合される染毛剤を毛髪に塗布して発色させる工程である。前記毛髪処理第1剤は毛髪に塗布された後、洗い流され、毛髪は風乾される。次に、前記毛髪処理第1剤を施した毛髪に前記毛髪処理第2剤が塗布される。その後、毛髪処理第2剤は洗い流され、毛髪は風乾される。本発明の多剤式毛髪処理剤の使用方法において、好ましくは前記毛髪処理第1剤を塗布した後に、前記毛髪処理第1剤を洗い流さずに前記毛髪処理第2剤を塗布する。毛髪処理第1剤を洗い流さずに毛髪処理第2剤を塗布することによって、染色した毛髪の変色防止効果をさらに向上させることができる。
本実施形態の多剤式毛髪処理剤によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、多剤式毛髪処理剤において(A)ポリウレタン類を配合した。したがって、(B)ポリエーテル変性シリコーン及びカチオン性物質である(C)成分、(D)成分又は(E)成分との相乗効果により、毛髪の感触及び染色された毛髪の色持ちを向上させることができる。また、染色された毛髪の変色防止効果及び弾力性も向上させることができる。
(2)本実施形態では、多剤式毛髪処理剤において、シリコーン類として(B)ポリエーテル変性シリコーンを配合した。したがって、(A)ポリウレタン類及びカチオン性物質である(C)成分、(D)成分又は(E)成分との相乗効果により、毛髪の感触及び染色された毛髪の色持ちを向上させることができる。また、染色された毛髪の変色防止効果及び弾力性も向上させることができる。
(3)本実施形態では、多剤式毛髪処理剤において、カチオン性物質として(C)カチオン性界面活性剤、(D)カチオン性高分子及び(E)有機酸の群から選ばれる少なくとも一種を配合した。したがって、(A)ポリウレタン類との相乗効果により、毛髪の感触及び染色された毛髪の色持ちを向上させることができる。また、染色された毛髪の変色防止効果及び弾力性も向上させることができる。さらに、(A)成分の他、(B)ポリエーテル変性シリコーンとの相乗効果により、さらなる毛髪の感触及び染色された毛髪の色持ちの向上をさせることができる。また、前記カチオン性物質の中でも、(D)カチオン性高分子を配合することによって、染色された毛髪の変色防止効果をさらに向上させることができる。
(4)本実施形態では、多剤式毛髪処理剤の使用方法において、(A)成分及び(B)成分が配合される前記毛髪処理第1剤を毛髪に塗布し、次にカチオン性物質が配合される前記毛髪処理第2剤を塗布した。したがって、毛髪の感触及び染色された毛髪の色持ちを向上させることができる。また、染色された毛髪の変色防止効果及び弾力性も向上させることができる。また、前記毛髪処理第2剤は、前記毛髪処理第1剤が毛髪に塗布された後、毛髪から洗い流されることなく塗布されることによって、さらに変色防止効果を向上させることができる。
(5)本実施形態では、多剤式毛髪処理剤において、(A)ポリウレタン類の全質量に対して、(B)ポリエーテル変性シリコーンの質量比(B/A)が、0.01〜5となるよう配合した。したがって、さらに毛髪の感触及び染色された毛髪の色持ちを向上させることができる。また、さらに染色された毛髪の変色防止効果及び弾力性も向上させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
・上記実施形態の多剤式毛髪処理剤の剤型は、水溶液、分散液、乳化液、ゲル状、フォーム状、クリーム状等特に限定されない。毛髪への塗布方法は、特に限定されずコーム又は刷毛を用いた塗布方法、手櫛による塗布方法、スプレー(噴霧)による塗布方法等を使用することができる。
・上記実施形態において、多剤式毛髪処理剤の第1剤は、前記(A)及び(B)の成分を全て配合する1剤式として構成した。しかしながら、各成分を分離して複数剤式に構成し、使用直前にそれらを混合するよう構成してもよい。
・上記実施形態において、多剤式毛髪処理剤の第1剤をシャンプー、第2剤をトリートメントとして使用する形態としても良い。
・上記実施形態において、毛髪処理第1剤及び毛髪処理第2剤から構成される多剤式毛髪処理剤を損傷した毛髪に適用した。しかしながら、健康な毛髪及び健康な染毛に適用してもよい。かかる構成により、ダメージを予防する効果が期待されるとともに、染色された毛髪に対しては、色持ちの向上効果が期待される。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜30、比較例1〜21)多剤式毛髪処理剤
下記に示す酸化染毛剤の第1剤と第2剤とを1:1で混合し、ヒト黒毛束に適用後20分間放置し、洗い流して乾燥して、染色処理毛束とした。
<酸化染毛剤>
(第1剤)
p−フェニレンジアミン 0.2質量%
レゾルシン 1.0質量%
p−アミノフェノール 0.5質量%
2,6−ジアミノピリジン 0.2質量%
セチルアルコール 5.0質量%
ポリエチレングリコール 5.0質量%
ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 8.0質量%
ドデシル硫酸ナトリウム 1.2質量%
強アンモニア水 5.0質量%
アスコルビン酸 0.5質量%
精製水 残量
(第2剤)
過酸化水素(35質量%水溶液) 17.0質量%
精製水 残量
表1〜3に示される各成分を混合して実施例1〜30、比較例1〜21の多剤式毛髪処理剤を調製した。この多剤式毛髪処理剤第1剤を染毛処理毛束に塗布し、多剤式毛髪処理剤第2剤を塗布し、洗い流した後、乾燥した。かかる処理毛束について、色持ち、変色、処理後毛髪の弾力及び感触について評価を行った。それらの評価結果を表1〜3に示す。なお、表1〜3における各成分の配合を示す数値の単位は質量%である。
<色持ち>
各実施例及び比較例の処理毛束について、乾燥した毛束に50℃でラウリル硫酸ナトリウム1%水溶液に15分間浸漬したあと、毛束を十分に洗浄し、乾燥させることにより洗浄処理を施した。洗浄処理後の毛束について、分光測色計(ミノルタ株式会社製、型番:CM−508d)でL*値(L1)を測定した。ここでは、毛髪処理剤として精製水を使用した場合の毛髪(未処理の毛髪)のL*値(L)と対比させて下記の(1)式によって色持ち度合い(ΔL)を算出した。算出した数値が小さいほど色持ちが優れることを示す。
ΔL=|L1−L|…(1)
<変色>
各実施例及び比較例の処理毛束について、乾燥した毛束に50℃でラウリル硫酸ナトリウム1%水溶液に15分間浸漬したあと、毛束を十分に洗浄し、乾燥させることにより洗浄処理を施した。洗浄処理後の毛束について、分光測色計(ミノルタ株式会社製、型番:CM−508d)でL***値(L1、a1及びb1)を測定した。ここでも、毛髪処理剤として精製水を使用した場合の毛髪(未処理の毛髪)のL***値(L、a及びb)と対比させて下記の(2)式によって変色度合い(ΔE)を算出した。算出した数値が小さいほど色持ちが優れることを示す。
ΔE={(L−L2+(a−a2+(b−b21/2…(2)
:処理毛束のL*
:処理毛束のa*
:処理毛束のb*
:未処理毛束のL*
:未処理毛束のa*
:未処理毛束のb*
<処理後毛髪の弾力>
各実施例及び比較例の処理毛束について、パネラーが手で触れることにより、弾力が非常に優れるものを10、弾力が非常に不足しているものを1とし、10段階で評価することにより、弾力の評価結果とした。
<処理後毛髪の感触>
各実施例及び比較例の処理毛束について、パネラーが手で触れることにより、感触が非常に優れるものを10、感触が非常に悪いものを1とし、10段階で評価することにより、感触の評価結果とした。
(実施例31〜35、比較例22〜28)シャンプー、トリートメント
実施例1〜30、比較例1〜21と同様に酸化染毛剤により染色処理をし、染色処理毛束を用意した。
多剤式毛髪処理剤の第1剤として表4に示される各成分を混合して実施例31〜35、比較例22〜28の各シャンプーを調製した。このシャンプーを染毛処理毛束に塗布し、洗い流した後、多剤式毛髪処理剤の第2剤として(C)カチオン性界面活性剤である塩化ベヘントリモニウムが配合される市販トリートメント(プロマスターカラーケアTr;ホーユー社製)を塗布し、洗い流した後、乾燥した。かかる処理毛束について、色持ち、変色、処理後毛髪の弾力及び感触について評価を行った。それらの評価結果を表4に示す。なお、表4における各成分の配合を示す数値の単位は質量%である。評価方法については、実施例1〜30と同様に行った。
表1の実施例1〜7に示されるように、有効成分である(A)〜(E)成分が配合される場合、各評価項目において良好な結果が得られることが示された。また、表3の実施例18〜25にも示されているように、カチオン性物質の中でも(D)カチオン性高分子を配合することによって、さらに変色防止効果を向上することができる。
一方、表1の比較例1〜3に示されるように、(A)ポリウレタン類を配合しない場合、毛髪の感触、色持ち、変色防止及び弾力性が低下することが確認された。ポリウレタン類は高分子であるため、その特長を活かして(C)成分等のカチオン性物質との相乗的な作用によって毛髪に皮膜を形成していることが思料される。したがって、傷みのない健康な毛髪に特有なハリコシ感を与えつつ、染色後の退色防止効果が極めて高く、染毛処理後に起こる独特のきしんだ感触を抑える。そして、不快な感触を与えることがないという効果を出しているものと思料される。表1の比較例4〜6に示されるように、(B)ポリエーテル変性シリコーンを配合しない場合、弾力付与効果は高いものの、毛髪の感触、色持ち及び変色防止効果は低下することが確認された。表1の比較例7で示されるように、カチオン性物質である(C)成分等を配合しない場合、毛髪の感触、色持ち、変色防止及び弾力性が低下することが確認された。これは(A)ポリウレタン類が皮膜として毛髪に固着される作用を付与する物質が配合されていないため、ポリウレタン皮膜の形成が十分でなく、所望の効果が得られないものと思料される。
表2に示されるように、(B)ポリエーテル変性シリコーンを他のシリコーン類であるジメチコンで置き換えた場合、比較例12〜17で示されるように、毛髪の感触及び染色した毛髪の色持ちとともに変色防止効果が低下することが確認された。
表3の比較例18に示されるように、(C)成分を他の界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウムで置き換えた場合、毛髪の感触及び染色した毛髪の色持ちとともに変色防止効果や弾力性が低下することが確認された。また、(D)成分を他の水溶性高分子であるヒドロキシエチルセルロース等に置き換えた場合、比較例19〜21に示されるように、毛髪の感触及び染色した毛髪の色持ちとともに変色防止効果や弾力性が低下することが確認された。
また、表1の比較例10〜11に示されるように、同じ適用成分であっても、単に有効成分を1剤式として毛髪に適用した場合には、毛髪の感触及び染色した毛髪の色持ちとともに変色防止効果や弾力性が実施例と比較して低下することが確認された。
表4に示されるように、毛髪処理第1剤をシャンプー、毛髪処理第2剤を(C)成分が配合された市販のトリートメントとして使用した場合には、毛髪処理第2剤(トリートメント)を塗布する前に洗い流す形態となる。表4の実施例31〜35に示されるように、毛髪処理第2剤の塗布前に洗い流す形態であっても、毛髪の感触及び染色された毛髪の色持ちを向上させることができる。また、染色された毛髪の変色防止効果及び弾力性も向上させることができる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a)前記多剤式毛髪処理剤は、(A)ポリウレタン類の全質量に対して、(B)ポリエーテル変性シリコーンの質量比(B/A)が、0.01〜5となるよう配合したことを特徴とする多剤式毛髪処理剤。したがって、この(a)の発明によれば、毛髪の感触及び染色された毛髪の色持ちをさらに向上させることができる。また、染色された毛髪の変色防止効果及び弾力性もさらに向上させることができる。

Claims (3)

  1. (A)ポリウレタン類としてポリウレタン−2、ポリウレタン−4、及びポリウレタン−14から選ばれる少なくとも1種を0.01〜20質量%、並びに(B)ポリエーテル変性シリコーンを0.01〜10質量%配合する毛髪処理第1剤と、
    0.01〜10質量%の(C)カチオン性界面活性剤、0.01〜10質量%の(D)カチオン性高分子及び0.01〜5.0質量%の(E)有機酸の群から選ばれる少なくとも一種を配合する毛髪処理第2剤、
    からなる多剤式毛髪処理剤。
  2. 請求項1記載の多剤式毛髪処理剤の使用方法において、
    酸化染料を用いた染毛処理又は直接染料を用いた染毛処理を施す工程、次に前記毛髪処理第1剤を毛髪に塗布する工程、次に前記毛髪処理第2剤を毛髪に塗布する工程からなる多剤式毛髪処理剤の使用方法。
  3. 前記毛髪処理第2剤は、前記毛髪処理第1剤が毛髪に塗布された後、毛髪から洗い流されることなく塗布される請求項記載の多剤式毛髪処理剤の使用方法。
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