JP2007197326A - 毛髪処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】第一鉄イオンを用いた染毛処理又は脱色処理方法において、染色力又は脱色力を向上させることができる毛髪処理方法を提供する。
【解決手段】第一鉄イオン化合物、並びに還元剤及びキレート剤から選ばれる少なくとも一種を含有する毛髪処理第1剤によって毛髪が処理される工程、次に還元剤及びキレート剤から選ばれる少なくとも一種を含有する毛髪処理第2剤によって毛髪が洗浄される工程、次に(F)過酸化物を含有する染毛剤組成物により染毛処理又は(F)過酸化物を含有する脱色剤組成物により脱色処理が施される工程からなる毛髪処理方法。
【選択図】なし
【解決手段】第一鉄イオン化合物、並びに還元剤及びキレート剤から選ばれる少なくとも一種を含有する毛髪処理第1剤によって毛髪が処理される工程、次に還元剤及びキレート剤から選ばれる少なくとも一種を含有する毛髪処理第2剤によって毛髪が洗浄される工程、次に(F)過酸化物を含有する染毛剤組成物により染毛処理又は(F)過酸化物を含有する脱色剤組成物により脱色処理が施される工程からなる毛髪処理方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、毛髪処理方法に関し、さらに詳しくは染毛処理又は脱色処理前の毛髪に適用される毛髪処理方法に関する。
一般に、染毛剤組成物として酸化染料、アンモニア等を含有する染色キャリア物質と過酸化水素等の過酸化物から構成される染毛剤組成物、及びアンモニア等のアルカリ剤と過酸化水素等の過酸化物から構成される脱色剤組成物が知られている。かかる染毛剤組成物又は脱色剤組成物中の過酸化物(例えば、過酸化水素)は、アルカリ条件下において、毛髪中に浸透してメラニンを脱色させるために配合される。従来より、アルカリ処理に伴う毛髪の損傷を抑制しながら過酸化水素によるメラニンの脱色を促進させるために特許文献1に記載される毛髪処理剤が知られている。かかる毛髪処理剤はpHが3〜6であり、過酸化水素によるメラニン脱色作用を促進させるために第一鉄イオン及びキレート化合物が配合される。かかる毛髪処理剤を毛髪に対し所定時間適用し、温水で濯いだ後に染毛又は脱色処理が施される。
特公平6−69941号公報
ところが、かかる毛髪処理方法は染毛力又は脱色力が強アルカリ条件下において行なわれる処理方法と比較して十分でないという問題があった。
本発明は、本発明者らの鋭意研究の結果、従来の第一鉄イオンを用いた処理方法における染色性又は脱色性の低下が、前処理工程において第一鉄イオンの酸化によって生じた第二鉄イオンが不可逆的に毛髪タンパク質に結合し、それが染色又は脱色処理工程において過酸化物を消費してしまうことにより生ずることを見出したことによりなされた。その目的とするところは、第一鉄イオンを用いた染毛処理又は脱色処理方法において、染色力又は脱色力を向上させることができる毛髪処理方法を提供することにある。
本発明は、本発明者らの鋭意研究の結果、従来の第一鉄イオンを用いた処理方法における染色性又は脱色性の低下が、前処理工程において第一鉄イオンの酸化によって生じた第二鉄イオンが不可逆的に毛髪タンパク質に結合し、それが染色又は脱色処理工程において過酸化物を消費してしまうことにより生ずることを見出したことによりなされた。その目的とするところは、第一鉄イオンを用いた染毛処理又は脱色処理方法において、染色力又は脱色力を向上させることができる毛髪処理方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の毛髪処理方法は、(A)第一鉄イオン化合物、並びに(B)還元剤及び(C)キレート剤から選ばれる少なくとも一種を含有する毛髪処理第1剤によって毛髪が処理される工程、次に(D)還元剤及び(E)キレート剤から選ばれる少なくとも一種を含有する毛髪処理第2剤によって毛髪が洗浄される工程、次に(F)過酸化物を含有する染毛剤組成物により染毛処理又は(F)過酸化物を含有する脱色剤組成物により脱色処理が施される工程からなる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の毛髪処理方法において、前記(A)第一鉄イオン化合物は0.01〜10質量%含有する。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の毛髪処理方法において、前記毛髪処理第1剤は(B)還元剤及び(C)キレート剤を含有する。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の毛髪処理方法において、前記毛髪処理第1剤は(B)還元剤及び(C)キレート剤を含有する。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項記載の毛髪処理方法において、前記毛髪処理第2剤は少なくとも(E)キレート剤を含有する。
本発明によれば、第一鉄イオンを用いた染毛処理又は脱色処理方法において、染色力又は脱色力を向上させることができる。
以下、本発明の毛髪処理方法を具体化した一実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の毛髪処理方法は、まず(A)第一鉄イオン化合物、並びに(B)還元剤及び(C)キレート剤から選ばれる少なくとも一種を含有する毛髪処理第1剤によって毛髪が処理される第1の工程が適用される。次に(D)還元剤及び(E)キレート剤から選ばれる少なくとも一種を含有する毛髪処理第2剤によって毛髪が洗浄される第2の工程が適用される。次に(F)過酸化物を含有する染毛剤組成物により染毛処理される第3の工程又は(F)過酸化物を含有する脱色剤組成物により脱色処理される第3の工程が適用される。
本実施形態の毛髪処理方法は、まず(A)第一鉄イオン化合物、並びに(B)還元剤及び(C)キレート剤から選ばれる少なくとも一種を含有する毛髪処理第1剤によって毛髪が処理される第1の工程が適用される。次に(D)還元剤及び(E)キレート剤から選ばれる少なくとも一種を含有する毛髪処理第2剤によって毛髪が洗浄される第2の工程が適用される。次に(F)過酸化物を含有する染毛剤組成物により染毛処理される第3の工程又は(F)過酸化物を含有する脱色剤組成物により脱色処理される第3の工程が適用される。
第1の工程において使用される毛髪処理第1剤は、(A)第一鉄イオン化合物、並びに(B)還元剤及び(C)キレート剤から選ばれる少なくとも一種が配合される。(A)第一鉄イオン化合物から生じる第一鉄イオンは毛髪中においてメラニン色素に選択的に結合される。そして、メラニンに選択的に結合した第一鉄イオンは、染毛剤組成物又は脱色剤組成物中に配合される(F)過酸化物によるメラニンの酸化脱色反応を触媒的に促進させる。第一鉄イオンによる(F)過酸化物の酸化促進反応はメラニン色素の近くで行なわれるため毛髪中のケラチン等のタンパク質成分が受ける損傷を低下させることができる。(A)第一鉄イオン化合物は毛髪処理第1剤中において第一鉄イオンを生成する化合物であれば特に限定されず、好ましくは第一鉄塩が配合される。第一鉄塩としては、硫酸第一鉄、酢酸第一鉄、塩化第一鉄、シュウ酸第一鉄、硝酸第一鉄、リン酸第一鉄、乳酸第一鉄等が挙げられる。これらの第一鉄イオン化合物は、単独で配合してもよく、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
(A)第一鉄イオン化合物の毛髪処理第1剤中における配合量は、0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。この含有量が0.01質量%未満であると、過酸化物によるメラニン脱色作用を促進させることができない。一方、この含有量が10質量%を超えて配合されると、メラニン以外の場所に吸着する第一鉄イオンの量が増加し、毛髪が損傷を受けるおそれがある。
(B)還元剤は、(A)第一鉄イオン化合物から生じる二価の鉄イオンが三価の鉄イオンに酸化されることを防止するために配合される。(B)還元剤としては、アスコルビン酸類、チオグリコール酸類、システイン類、メルカプト化合物、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩等が挙げられる。
アスコルビン酸類としては、アスコルビン酸、エリソルビン酸、これらの塩及び誘導体が挙げられる。アスコルビン酸塩及びエリソルビン酸塩の具体例としては、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸アンモニウム、アスコルビン酸モノエタノールアミン、アスコルビン酸ジエタノールアミン、エリソルビン酸ナトリウム等が挙げられる。アスコルビン酸誘導体及びエリソルビン酸誘導体の具体例としては、アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム、エリソルビン酸硫酸エステル二ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル、ミリスチン酸アスコルビル、ラウリン酸アスコルビル、酢酸アスコルビル、プロピオン酸アスコルビル、酒石酸アスコルビル、クエン酸アスコルビル、コハク酸アスコルビル、安息香酸アスコルビル、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム、アスコルビルエチル、アスコルビン酸アラントイン、アスコルビン酸キトサン、アスコルビン酸メチルシラノール、テトラデシルヘキシルアスコルビル、アミノプロピルアスコルビルフォスフェート、アスコルビン酸ポリペプタイド、アスコルビルグルコシド、アスコルビルメチルシラノールペクチネート等が挙げられる。
チオグリコール酸類としては、チオグリコール酸、チオグリコール酸塩及びチオグリコール酸のエステルが挙げられる。チオグリコール酸塩としては、チオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸ナトリウム等が挙げられる。チオグリコール酸のエステルとしては、グリセリンチオグリコレート等が挙げられる。
システイン類としては、システイン、システイン塩酸塩、N−アセチル−L−システイン等が挙げられる。
メルカプト化合物としては、チオグリセロール、チオ乳酸、チオリンゴ酸、システアミン等が挙げられる。亜硫酸塩としては、亜硫酸、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。亜硫酸水素塩としては、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。チオ硫酸塩としては、チオ硫酸、チオ硫酸ナトリウム等が挙げられる。これらの還元剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
メルカプト化合物としては、チオグリセロール、チオ乳酸、チオリンゴ酸、システアミン等が挙げられる。亜硫酸塩としては、亜硫酸、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。亜硫酸水素塩としては、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。チオ硫酸塩としては、チオ硫酸、チオ硫酸ナトリウム等が挙げられる。これらの還元剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
(B)還元剤の毛髪処理第1剤中における配合量は、0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。この含有量が0.01質量%未満であると、第一鉄イオンの酸化を十分に防止することができない。一方、この含有量が20質量%を超えて配合されてもそれ以上の酸化防止効果は得られない。
(C)キレート剤は、第一鉄イオンの酸化を防止するとともに安定に染毛処理第1剤中に配合するために添加される。(C)キレート剤としては、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、グリセリン酸、グルコン酸、グルクロン酸、クエン酸、アラニン、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸及びそれらの塩、クエン酸ナトリウム、酒石酸、フェチン酸、ポリリン酸ナトリウム並びにメタリン酸ナトリウム等が挙げられる。これらのキレート剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
(C)キレート剤の毛髪処理第1剤中における配合量は、0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。この含有量が0.01質量%未満であると、第一鉄イオンの酸化を十分に防止することができない。一方、この含有量が20質量%を超えて配合されてもそれ以上の酸化防止効果は得られない。(F)過酸化物による染毛処理又は脱色処理における染色性又は脱色性を向上させるために、毛髪処理第1剤において(B)還元剤及び(C)キレート剤の両方を含有することが好ましい。
毛髪処理第1剤には、その他の成分として、油性成分、多価アルコール、界面活性剤、pH調整剤等を配合することができる。
油性成分は、毛髪にうるおい感を付与するという観点から、配合されることが好ましい。油性成分としては、油脂、ロウ類、高級アルコール、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル類、シリコーン類、炭化水素等が挙げられる。
油性成分は、毛髪にうるおい感を付与するという観点から、配合されることが好ましい。油性成分としては、油脂、ロウ類、高級アルコール、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル類、シリコーン類、炭化水素等が挙げられる。
油脂としては、オリーブ油、ローズヒップ油、ツバキ油、シア脂、マカデミアナッツ油、アーモンド油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アボカド油、カロット油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油等が挙げられる。ロウ類としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等が挙げられる。
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ラノリンアルコール等が挙げられる。高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
アルキルグリセリルエーテルとしては、バチルアルコール(モノステアリルグリセリルエーテル)、キミルアルコール(モノセチルグリセリルエーテル)、セラキルアルコール(モノオレイルグリセリルエーテル)、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
エステル類としては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、脂肪酸(C10−30)(コレステリル/ラノステリル)、乳酸ラウリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ラノリン誘導体等が挙げられる。
シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性ポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン等が挙げられる。
炭化水素としては、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、スクワラン、ポリブテン、パラフィン、ポリエチレン末、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。これらの油性成分は単独で配合してもよく、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
多価アルコールとしては、グリコール類、グリセリン類等が挙げられる。グリコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。グリセリン類としては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等が挙げられる。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレン(以下、POEという)アルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪族アルカノールアミド類等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレン(以下、POEという)アルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪族アルカノールアミド類等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のPOEアルキル硫酸塩、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸エステル塩、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩、N−ラウロイルグルタミン酸塩類、N−ラウロイルメチル−β−アラニン塩類等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
pH調整剤としては、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、クエン酸、乳酸等の酸、アンモニア、アルカノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリが挙げられる。毛髪処理第1剤のpHは毛髪の損傷を抑えるためにpH2〜9の酸性から弱アルカリ性に調節されることが好ましい。
その他、毛髪処理第1剤には、上記各成分の溶媒又は分散媒として水が配合され、各成分の濃度が調整される。
更に、その他の成分としてはカルボキシビニルポリマー等のアニオン性ポリマー、カチオン化セルロース誘導体、カチオン化グアーガム、4級化ポリビニルピロリドン誘導体、ジアリル第4級化アンモニウム塩重合物誘導体等のカチオン性誘導体等のカチオン性ポリマー、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリル酸共重合体等の両性ポリマー等の水溶性ポリマー、メチルパラベン、フェノキシエタノール等の防腐剤、セラミド類、ビタミン類、PPT類、香料等を配合することができる。
更に、その他の成分としてはカルボキシビニルポリマー等のアニオン性ポリマー、カチオン化セルロース誘導体、カチオン化グアーガム、4級化ポリビニルピロリドン誘導体、ジアリル第4級化アンモニウム塩重合物誘導体等のカチオン性誘導体等のカチオン性ポリマー、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリル酸共重合体等の両性ポリマー等の水溶性ポリマー、メチルパラベン、フェノキシエタノール等の防腐剤、セラミド類、ビタミン類、PPT類、香料等を配合することができる。
毛髪処理第1剤は、液状、ミスト状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等の形状にすることが可能である。毛髪処理第1剤が毛髪に適用された後、第2の工程において毛髪処理第2剤により毛髪が洗浄処理される。次に、毛髪処理第2剤について説明する。
毛髪処理第2剤は、(D)還元剤及び(E)キレート剤から選ばれる少なくとも一種が配合される。毛髪処理第2剤を用いた洗浄処理により、毛髪中のメラニン色素に結合しなかった過剰の第一鉄イオンが洗い流される。毛髪処理第2剤に配合される(D)還元剤及び(E)キレート剤から選ばれる少なくとも一種は、毛髪の洗浄処理工程においてメラニン色素に結合しなかった過剰の第一鉄イオンが第二鉄イオンに酸化されることを防止するために配合される。第二鉄イオンはケラチン等の毛髪タンパク質に不可逆的に結合するとともに、(F)過酸化物による酸化反応を触媒的に促進する作用を有する。毛髪処理第2剤による第2の工程により、(F)過酸化物の消費が抑制されるとともに毛髪の損傷が防止される。(D)還元剤及び(E)キレート剤として、上述した毛髪処理第1剤に配合される(B)還元剤及び(C)キレート剤がそれぞれ適用され得る。また、過剰の第一鉄イオンの洗い流し効果を向上させるために(E)キレート剤を毛髪処理第2剤において必須成分として配合することが好ましい。
(D)還元剤の毛髪処理第2剤中における配合量は、0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。この含有量が0.01質量%未満であると、第一鉄イオンの酸化を十分に防止することができない。一方、この含有量が20質量%を超えて配合されてもそれ以上の酸化防止効果は得られない。
(E)キレート剤の毛髪処理第2剤中における配合量は、0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。この含有量が0.01質量%未満であると、第一鉄イオンの酸化を十分に防止することができない。一方、この含有量が20質量%を超えて配合されてもそれ以上の酸化防止効果は得られない。
毛髪処理第2剤のpHは毛髪の損傷を抑えるためにpH調整剤によりpH2〜9の酸性から弱アルカリ性に調節されることが好ましい。pH調整剤としては、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、クエン酸、乳酸等の酸、アンモニア、アルカノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリが挙げられる。
毛髪処理第2剤はメラニン色素に結合されない過剰の第一鉄イオン化合物を洗い流すためにさらに水が配合されることが好ましい。毛髪処理第2剤の形状は毛髪を洗い流すために洗い流しが容易な粘度の低い液状が好ましい。さらに、その他の成分として、毛髪処理第1剤に配合されるその他の成分が適宜配合される。
毛髪処理第2剤により洗浄処理された後に、(F)過酸化物が含有される染毛剤組成物又は脱色剤組成物が適用される。次に、本実施形態で適用される染毛剤組成物について説明する。
染毛剤組成物は、染毛剤第1剤(以下、染毛第1剤という)及び染毛剤第2剤(以下、染毛第2剤という)とよりなる。染毛第1剤には、酸化染料が配合されるとともに、染色性を向上させるためにアルカリ剤が配合されることが好ましい。染毛第2剤は(F)過酸化物等が含有される。染毛第1剤と染毛第2剤が、使用の際に混合処理されることにより、混合物としての染毛混合物を得ることができる。この染毛混合物が毛髪に塗布されることにより、毛髪を染色することができる。
<染毛第1剤>
酸化染料は、染毛第2剤に配合される(F)過酸化物による酸化重合によって発色可能な化合物を示し、具体的には、主要中間体及びカプラーに分類される。
酸化染料は、染毛第2剤に配合される(F)過酸化物による酸化重合によって発色可能な化合物を示し、具体的には、主要中間体及びカプラーに分類される。
酸化染料は、(F)過酸化物による酸化重合によって発色可能な化合物を示し、具体的には、主要中間体及びカプラーに分類される。ここで、酸化染料が酸化重合することによって生成する化合物を多核化合物といい、多核化合物の具体例としては単一種の酸化染料による単独重合体及び複数種の酸化染料による共重合体である。毛髪はこれらの多核化合物によって染色される。
主要中間体としては、フェニレンジアミン類とその塩類、アミノフェノール類とその塩類、ジアミノピリジン類とその塩類等が挙げられる。塩類としては塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等が挙げられる。これらの主要中間体は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。具体的には、p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルアミン、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−メチルアミノフェノール、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、2−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、o−クロル−p−フェニレンジアミン、4−アミノ−m−クレゾール、2−アミノ−4−ヒドロキシエチルアミノアニソール、2,4−ジアミノフェノール及びそれらの塩類等が挙げられる。
カプラーとしては、レゾルシン、ピロガロール、カテコール、m−アミノフェノール、m−フェニレンジアミン、o−アミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、1,2,4−ベンゼントリオール、トルエン−3,4−ジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、ハイドロキノン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノ−o−クレゾール、ジフェニルアミン、p−メチルアミノフェノール、フロログルシン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、1−メトキシ−2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール、それらの塩類等が挙げられる。これらのカプラーは単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
この酸化染料は、様々な色調に変化させることができることから、主要中間体から選ばれる少なくとも一種及びカプラーから選ばれる少なくとも一種から構成されることが好ましい。
染毛混合物中における酸化染料の含有量は、好ましくは0.02〜25質量%、より好ましくは0.2〜15質量%である。この含有量が0.02質量%未満であると、十分な染色性が得られないおそれがある。一方、25質量%を超えて配合しても、染色性は向上せず経済的ではない。
染毛混合物中における主要中間体の含有量は、好ましくは0.01〜15質量%、より好ましくは0.1〜10質量%である。この含有量が0.01質量%未満であると、十分な染色性が得られないおそれがある。一方、15質量%を超えて配合しても、染色性は向上せず経済的ではない。
染毛混合物中におけるカプラーの含有量は、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。この含有量が0.01質量%未満であると、十分な染色性が得られないおそれがある。一方、10質量%を超えて配合しても、染色性は向上せず経済的ではない。
その他、「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社)に収載された酸化染料及び酸化染料以外の染料として直接染料等を適宜、配合することもできる。
アルカリ剤は、毛髪を膨潤させることにより、毛髪に対する(F)過酸化物の浸透性を向上させ、染色性を向上させるために配合される。アルカリ剤としては、アンモニア、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールから選ばれる1種又は2種以上が用いられる。
アルカリ剤は、毛髪を膨潤させることにより、毛髪に対する(F)過酸化物の浸透性を向上させ、染色性を向上させるために配合される。アルカリ剤としては、アンモニア、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールから選ばれる1種又は2種以上が用いられる。
この染毛第1剤には、上記毛髪処理第1剤に記載の油性成分、界面活性剤等のその他の成分を適宜配合することができる。この染毛第1剤の剤型は、水溶液、分散液、乳化液等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等特に限定されない。
<染毛第2剤>
この染毛第2剤には(F)過酸化物が含有される。また、この染毛第2剤にはその他の成分として酸化染毛剤の染毛第2剤に通常用いられる成分が含有される。
この染毛第2剤には(F)過酸化物が含有される。また、この染毛第2剤にはその他の成分として酸化染毛剤の染毛第2剤に通常用いられる成分が含有される。
(F)過酸化物は、毛髪に含まれるメラニン色素を脱色すると共に、染毛第1剤に配合される酸化染料を酸化して発色させるために配合される。(F)過酸化物によるメラニン色素の脱色はメラニン色素に選択的に結合される第一鉄イオンにより触媒される。(F)過酸化物としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラニン、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物、過硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物等が挙げられる。これらの過酸化物の中でも、過酸化水素が第一鉄イオンによる酸化促進効果の向上の点で好ましい。これらの過酸化物は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。その配合量は、染毛第2剤全量を100質量%として、好ましくは0.1〜15.0質量%である。
この染毛第2剤には、上記染毛第1剤に記載のその他の成分を適宜配合することができる。また、(F)過酸化物として過酸化水素を配合した場合、過酸化水素の分解を抑制するために、安定化剤を配合することが好ましい。安定化剤の具体例としては、尿素、フェナセチン、スズ酸ナトリウム、エチレングリコールフェニルエーテル、8−オキシキノリン、リン酸等が挙げられる。
この染毛第2剤の剤型は、水溶液、分散液、乳化液等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等特に限定されない。
<染毛混合物>
染毛剤組成物を使用する際に、上記の染毛第1剤及び染毛第2剤を所定の割合で混合調製することによって染毛混合物を得ることができる。この染毛混合物の剤型は、液状、クリーム状、ゲル状、フォーム状等特に限定されない。
<染毛混合物>
染毛剤組成物を使用する際に、上記の染毛第1剤及び染毛第2剤を所定の割合で混合調製することによって染毛混合物を得ることができる。この染毛混合物の剤型は、液状、クリーム状、ゲル状、フォーム状等特に限定されない。
染毛混合物のpHは2〜12に設定されることが好ましい。メラニン色素に特異的に結合している第一鉄イオン化合物の触媒的作用により酸性又は中性下でも染色処理を行うことが可能である。染色性を向上させるためにアルカリ条件下に設定されることが好ましい。染毛混合物のpHは染毛第1剤又は染毛第2剤のpHを予め調節設定しても染毛混合物作成後に調節設定してもいずれでもよい。pH調整剤としては、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、クエン酸、乳酸等の酸、アンモニア、アルカノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリが挙げられる。
次に、脱色剤組成物について説明する。
<脱色剤組成物>
脱色剤組成物は、例えば脱色剤第1剤(以下、脱色第1剤という)及び脱色剤第2剤(以下、脱色第2剤という)とよりなる。脱色第1剤には、脱色性を向上させるためにアルカリ剤が配合されることが好ましい。脱色第2剤は(F)過酸化物等が含有される。脱色第1剤と脱色第2剤が、使用の際に混合処理されることにより、混合物としての脱色混合物を得ることができる。この脱色混合物が毛髪に塗布されることにより、毛髪を脱色することができる。
<脱色剤組成物>
脱色剤組成物は、例えば脱色剤第1剤(以下、脱色第1剤という)及び脱色剤第2剤(以下、脱色第2剤という)とよりなる。脱色第1剤には、脱色性を向上させるためにアルカリ剤が配合されることが好ましい。脱色第2剤は(F)過酸化物等が含有される。脱色第1剤と脱色第2剤が、使用の際に混合処理されることにより、混合物としての脱色混合物を得ることができる。この脱色混合物が毛髪に塗布されることにより、毛髪を脱色することができる。
<脱色第1剤>
アルカリ剤は、毛髪を膨潤させることにより、毛髪に対する(F)過酸化物の浸透性を向上させ、脱色性を向上させるために配合される。アルカリ剤としては、上記染毛第1剤において適用されるアルカリ剤を選択することができる。この脱色第1剤には、上記毛髪処理第1剤に記載の油性成分、界面活性剤等のその他の成分を適宜配合することができる。この脱色第1剤の剤型は、水溶液、分散液、乳化液等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等特に限定されない。
アルカリ剤は、毛髪を膨潤させることにより、毛髪に対する(F)過酸化物の浸透性を向上させ、脱色性を向上させるために配合される。アルカリ剤としては、上記染毛第1剤において適用されるアルカリ剤を選択することができる。この脱色第1剤には、上記毛髪処理第1剤に記載の油性成分、界面活性剤等のその他の成分を適宜配合することができる。この脱色第1剤の剤型は、水溶液、分散液、乳化液等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等特に限定されない。
<脱色第2剤>
脱色第2剤は、(F)過酸化物等が配合される。(F)過酸化物は毛髪に含まれるメラニン色素を脱色するために配合される。(F)過酸化物による脱色作用は毛髪処理第1剤による処理により選択的にメラニン色素に結合している第一鉄イオンにより触媒的に促進される。具体的(F)過酸化物としては、上記染毛第2剤において適用される過酸化物を選択することができる。その配合量は、脱色第2剤全量を100質量%として、好ましくは0.1〜15.0質量%である。また、(F)過酸化物として過酸化水素を配合した場合、過酸化水素の分解を抑制するために、安定化剤を配合することが好ましい。安定化剤の具体例としては、尿素、フェナセチン、スズ酸ナトリウム、エチレングリコールフェニルエーテル、8−オキシキノリン、リン酸等が挙げられる。
脱色第2剤は、(F)過酸化物等が配合される。(F)過酸化物は毛髪に含まれるメラニン色素を脱色するために配合される。(F)過酸化物による脱色作用は毛髪処理第1剤による処理により選択的にメラニン色素に結合している第一鉄イオンにより触媒的に促進される。具体的(F)過酸化物としては、上記染毛第2剤において適用される過酸化物を選択することができる。その配合量は、脱色第2剤全量を100質量%として、好ましくは0.1〜15.0質量%である。また、(F)過酸化物として過酸化水素を配合した場合、過酸化水素の分解を抑制するために、安定化剤を配合することが好ましい。安定化剤の具体例としては、尿素、フェナセチン、スズ酸ナトリウム、エチレングリコールフェニルエーテル、8−オキシキノリン、リン酸等が挙げられる。
脱色第2剤にはその他の成分として上記染毛第1剤に配合されるその他の成分が適宜配合される。この脱色第1剤の剤型は、水溶液、分散液、乳化液等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等特に限定されない。
<脱色混合物>
脱色剤組成物を使用する際に、上記の脱色第1剤及び脱色第2剤を所定の割合で混合調製することによって脱色混合物を得ることができる。この脱色混合物の剤型は、液状、クリーム状、ゲル状、フォーム状等特に限定されない。
脱色剤組成物を使用する際に、上記の脱色第1剤及び脱色第2剤を所定の割合で混合調製することによって脱色混合物を得ることができる。この脱色混合物の剤型は、液状、クリーム状、ゲル状、フォーム状等特に限定されない。
脱色混合物のpHは2〜12に設定されることが好ましい。メラニン色素の脱色反応はメラニン色素に特異的に結合している第一鉄イオン化合物の触媒的作用により酸性又は中性下でも脱色処理を行うことが可能である。脱色性を向上させるためにアルカリ条件下に設定されることが好ましい。脱色混合物のpHは脱色第1剤又は脱色第2剤のpHを予め調節設定しても脱色混合物作成後に調節設定してもいずれでもよい。脱色混合物のpHはpH調整剤である塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、クエン酸、乳酸等の酸、アンモニア、アルカノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリにより調整される。
次に、上記のように構成された本実施形態の毛髪処理方法の作用を説明する。
まず、上記毛髪処理第1剤が毛髪に塗布されることにより第1の工程が施される。それにより、毛髪処理第1剤中に含有される(A)第一鉄イオン化合物から生じる第一鉄イオンがメラニン色素に特異的に結合される。次に、第2の工程において上記毛髪処理第2剤を用いて毛髪の濯ぎ処理が行なわれる。ここで、メラニン色素に結合していない過剰の第一鉄イオンが洗い流される。その際、毛髪処理第2剤中に含まれる(D)還元剤及び(E)キレート剤から選ばれる少なくとも一種により第一鉄イオンの第二鉄イオンへの酸化が抑制されるとともに第二鉄イオンのケラチン等の毛髪タンパク質への付着が防止される。次に、上記染毛混合物又は脱色混合物が櫛、刷毛等を用いて毛髪に塗布されることにより染毛処理又は脱色処理が施される。染毛混合物又は脱色混合物中に配合される(F)過酸化物により第一鉄イオンが触媒となりメラニン色素が酸化脱色される。染毛混合物中に含まれる酸化染料は(F)過酸化物及び第一鉄イオンの触媒的な酸化作用により重合発色される。
まず、上記毛髪処理第1剤が毛髪に塗布されることにより第1の工程が施される。それにより、毛髪処理第1剤中に含有される(A)第一鉄イオン化合物から生じる第一鉄イオンがメラニン色素に特異的に結合される。次に、第2の工程において上記毛髪処理第2剤を用いて毛髪の濯ぎ処理が行なわれる。ここで、メラニン色素に結合していない過剰の第一鉄イオンが洗い流される。その際、毛髪処理第2剤中に含まれる(D)還元剤及び(E)キレート剤から選ばれる少なくとも一種により第一鉄イオンの第二鉄イオンへの酸化が抑制されるとともに第二鉄イオンのケラチン等の毛髪タンパク質への付着が防止される。次に、上記染毛混合物又は脱色混合物が櫛、刷毛等を用いて毛髪に塗布されることにより染毛処理又は脱色処理が施される。染毛混合物又は脱色混合物中に配合される(F)過酸化物により第一鉄イオンが触媒となりメラニン色素が酸化脱色される。染毛混合物中に含まれる酸化染料は(F)過酸化物及び第一鉄イオンの触媒的な酸化作用により重合発色される。
以上の本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)本実施形態の毛髪処理方法は、(A)第一鉄イオン化合物を用いた染毛処理又は脱色処理において、過剰の第一鉄イオン化合物の洗浄処理を(D)還元剤及び(E)キレート剤から選ばれる少なくとも一種が含有される毛髪処理第2剤により行なった。したがって、洗浄処理工程において、第一鉄イオンの第二鉄イオンへの酸化反応、及び該第二鉄イオンのケラチン等の毛髪タンパク質への結合が防止される。
(1)本実施形態の毛髪処理方法は、(A)第一鉄イオン化合物を用いた染毛処理又は脱色処理において、過剰の第一鉄イオン化合物の洗浄処理を(D)還元剤及び(E)キレート剤から選ばれる少なくとも一種が含有される毛髪処理第2剤により行なった。したがって、洗浄処理工程において、第一鉄イオンの第二鉄イオンへの酸化反応、及び該第二鉄イオンのケラチン等の毛髪タンパク質への結合が防止される。
それにより、(F)過酸化物による染毛又は脱色処理工程において、残存する第一鉄イオン及び毛髪に結合する第二鉄イオンによる(F)過酸化物の消費を抑制することができるため、染色力又は脱色力を向上させることができる。
(2)(F)過酸化物による酸化反応は第一鉄イオンのみならず第二鉄イオンによっても触媒されるため、毛髪タンパク質に第二鉄イオンが結合されると毛髪が過酸化物の酸化反応によって損傷を受ける。本実施形態では毛髪処理第1剤及び毛髪処理第2剤において還元剤及びキレート剤から選ばれる少なくとも一種を配合したことにより、第一鉄イオンの酸化及び第二鉄イオンの毛髪タンパク質への結合を防止する。それにより、毛髪の損傷を低減させることができる。
(3)また、毛髪の損傷を抑えながら第一鉄イオンによるメラニン色素の脱色を効果的に行なうことができるため、より効率的な染毛力と明度の向上を達成することができる。
(4)本実施形態において、脱色剤又は染毛剤に配合される(F)過酸化物として過酸化水素を適用した。したがって、第一鉄イオンによる酸化促進効果に優れるとともに、入手が容易である。
(4)本実施形態において、脱色剤又は染毛剤に配合される(F)過酸化物として過酸化水素を適用した。したがって、第一鉄イオンによる酸化促進効果に優れるとともに、入手が容易である。
(5)本実施形態において、染色処理又は脱色処理を酸性から中性付近で行なった場合、アンモニア水、アルカノールアミン等を使用するアルカリ性条件下で行なう脱色又は染毛処理に比べ、毛髪の損傷を低減させることができる。
尚、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・上記実施形態において、毛髪処理第2剤による毛髪の洗浄を粘度の低い液体を用いて濯ぎ処理により行なった。しかしながら、かかる構成に限定されず、毛髪処理第2剤をゲル状、フォーム状、クリーム状、ミスト状(霧状)で毛髪に適用し、その後タオルによる拭き取り作業を繰り返すことによって毛髪処理第1剤を取り除いてもよい。
・上記実施形態において、毛髪処理第2剤による毛髪の洗浄を粘度の低い液体を用いて濯ぎ処理により行なった。しかしながら、かかる構成に限定されず、毛髪処理第2剤をゲル状、フォーム状、クリーム状、ミスト状(霧状)で毛髪に適用し、その後タオルによる拭き取り作業を繰り返すことによって毛髪処理第1剤を取り除いてもよい。
・上記実施形態において、毛髪処理第1剤による第1の処理、毛髪処理第2剤による第2の処理、及び脱色又は染毛処理から構成される一連の処理工程を繰り返すことによって、徐々に所望の色を得るように毛髪を処理してもよい。
・上記実施形態において、毛髪処理第1剤に配合される(B)還元剤及び(C)キレート剤と毛髪処理第2剤に配合される(D)還元剤及び(E)キレート剤の種類及び配合量は同一であっても異なっていてもよい。
・上記実施形態において、染毛剤組成物を染毛第1剤及び染毛第2剤として構成し、使用直前に混合する構成とした。しかしながら、さらに染毛第1剤及び染毛第2剤を構成する各成分を分離して3剤式以上に構成してもよい。また、染毛剤組成物を構成する各成分を使用直前にすべて混合して作成する1剤式として構成してもよい。
・上記実施形態において、脱色剤組成物を脱色第1剤及び脱色第2剤として構成し、使用直前に混合する構成とした。しかしながら、さらに脱色第1剤及び脱色第2剤を構成する各成分を分離して3剤式以上に構成してもよい。また、脱色剤組成物を構成する各成分を使用直前にすべて混合して作成する1剤式として構成してもよい。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明する。
表1に示す配合によって各実施例及び比較例の毛髪処理第1剤及び毛髪処理第2剤を調製した。まず、毛髪処理第1剤をヒト黒毛束(以下、毛束とする)に塗布した。毛髪処理第1剤が塗布された毛束を10分間放置した後、毛髪処理第2剤にて濯ぎ処理を施すことによって毛髪処理を完了した。この毛髪処理後の毛束について、脱色処理を施した。表2に示す各成分を混合して、脱色第1剤及び脱色第2剤を得た。脱色第1剤及び脱色第2剤と1:1の質量比で混合調製し、脱色混合物を得た。得られた脱色混合物を毛髪処理後の毛束に刷毛を用いて塗布し、室温にて30分間放置した。次に、毛束に付着した脱色混合物を水で洗い流した後、シャンプーを2回、リンスを1回施した。タオルで水分を拭き取り、ドライヤーにて乾燥したものを脱色処理毛束とした。脱色処理毛束について、明度の評価を行なった。それらの評価結果を表1に示す。なお、表1,2における各成分の配合を示す数値の単位は質量%である。
表1に示す配合によって各実施例及び比較例の毛髪処理第1剤及び毛髪処理第2剤を調製した。まず、毛髪処理第1剤をヒト黒毛束(以下、毛束とする)に塗布した。毛髪処理第1剤が塗布された毛束を10分間放置した後、毛髪処理第2剤にて濯ぎ処理を施すことによって毛髪処理を完了した。この毛髪処理後の毛束について、脱色処理を施した。表2に示す各成分を混合して、脱色第1剤及び脱色第2剤を得た。脱色第1剤及び脱色第2剤と1:1の質量比で混合調製し、脱色混合物を得た。得られた脱色混合物を毛髪処理後の毛束に刷毛を用いて塗布し、室温にて30分間放置した。次に、毛束に付着した脱色混合物を水で洗い流した後、シャンプーを2回、リンスを1回施した。タオルで水分を拭き取り、ドライヤーにて乾燥したものを脱色処理毛束とした。脱色処理毛束について、明度の評価を行なった。それらの評価結果を表1に示す。なお、表1,2における各成分の配合を示す数値の単位は質量%である。
<明度>
脱色処理が施された毛束のL*値を分光測色計(ミノルタ株式会社製、型番:CM−508d)を用いて測定した。脱色処理後のL*値から脱色処理前のL*値を差し引いた値であるΔL*値によって明度の評価を行った。なお、このL*は、L*a*b*表色系(JIS Z 8729−1994に記載)のL*であって、ΔL*値が大きいほど脱色性に優れることを意味する。
脱色処理が施された毛束のL*値を分光測色計(ミノルタ株式会社製、型番:CM−508d)を用いて測定した。脱色処理後のL*値から脱色処理前のL*値を差し引いた値であるΔL*値によって明度の評価を行った。なお、このL*は、L*a*b*表色系(JIS Z 8729−1994に記載)のL*であって、ΔL*値が大きいほど脱色性に優れることを意味する。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a)前記(F)過酸化物は過酸化水素である毛髪処理方法。この(a)に記載の発明によれば、第一鉄イオンによる酸化促進効果に優れるとともに、入手が容易である。
(a)前記(F)過酸化物は過酸化水素である毛髪処理方法。この(a)に記載の発明によれば、第一鉄イオンによる酸化促進効果に優れるとともに、入手が容易である。
Claims (4)
- (A)第一鉄イオン化合物、並びに(B)還元剤及び(C)キレート剤から選ばれる少なくとも一種を含有する毛髪処理第1剤によって毛髪が処理される工程、次に(D)還元剤及び(E)キレート剤から選ばれる少なくとも一種を含有する毛髪処理第2剤によって毛髪が洗浄される工程、次に(F)過酸化物を含有する染毛剤組成物により染毛処理又は(F)過酸化物を含有する脱色剤組成物により脱色処理が施される工程からなる毛髪処理方法。
- 前記(A)第一鉄イオン化合物は0.01〜10質量%含有する請求項1記載の毛髪処理方法。
- 前記毛髪処理第1剤は(B)還元剤及び(C)キレート剤を含有する請求項1又は請求項2記載の毛髪処理方法。
- 前記毛髪処理第2剤は少なくとも(E)キレート剤を含有する請求項1から請求項3のいずれか一項記載の毛髪処理方法。
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