JP4527593B2 - 毛髪処理剤 - Google Patents

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本発明は、毛髪処理剤に係り、詳しくは還元剤による脱染後の染毛処理における染色性の低下を抑制することができる毛髪処理剤に関する。
一般に、染毛剤組成物として酸化染料、アンモニア等を含有する染色キャリア物質と過酸化水素等の酸化剤から構成される染毛剤組成物が知られている。従来より、特許文献1に記載されるような染毛剤組成物に含まれる酸化染料の酸化重合により生成した多核化合物の発色により染毛処理された毛髪に対して還元剤としてのアスコルビン酸類の還元作用により脱染(無色化)する脱染剤が知られている。
特表2000−504348号公報
ところが、脱染剤を適用し毛髪を脱染した後、再びその脱染された毛髪に対し酸化染料を用いて染毛処理を施す場合、最初の染毛処理と比較して染色性が低下するという問題があった。
本発明は、本発明者らの鋭意研究の結果、染色性の低下が脱染剤に配合される還元剤としてのアスコルビン酸類によるものであることを見出したことによりなされたものである。その目的とするところは、還元剤としてのアスコルビン酸類による脱染後の染毛処理において、染毛剤の染色性の低下を抑制することができる毛髪処理剤を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、酸化染料の酸化重合により生成した多核化合物の発色により染色された毛髪に対し、アスコルビン酸類の還元作用により脱染するための脱染剤が適用された後に適用される毛髪処理剤において、アスコルビン酸オキシダーゼを含有し、酸化染料が含有される染毛剤の前処理剤として使用されることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、酸化染料の酸化重合により生成した多核化合物の発色により染色された毛髪に対し、アスコルビン酸類の還元作用により脱染するための脱染剤が適用された後に適用される毛髪処理剤において、アスコルビン酸オキシダーゼを含有する、ニンジン、きゅうり、カリフラワー、春菊、カボチャ、キャベツ、バナナ、リンゴ、ズッキーニ、レタス、ほうれん草、ジャガイモ及びゴーヤから選ばれる少なくとも一種の抽出液を含有し、酸化染料が含有される染毛剤の前処理剤として使用されることを要旨とする。
本発明によれば、還元剤としてのアスコルビン酸類による脱染後の染毛処理において、染毛剤の染色性の低下を抑制することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を毛髪処理剤として具体化した第1の実施形態について詳細に説明する。
第1の実施形態の毛髪処理剤は、アスコルビン酸オキシダーゼを含有する。本発明におけるアスコルビン酸オキシダーゼは、アスコルビナーゼとも呼ばれ、銅原子を酵素中に有する銅タンパク質である。アスコルビン酸オキシダーゼは、L−アスコルビン酸を分子状酸素によりデヒドロアスコルビン酸に酸化する反応を触媒する酵素である。アスコルビン酸オキシダーゼは、例えば次のような反応を触媒する。
L−アスコルビン酸+1/2O → デヒドロアスコルビン酸+H
アスコルビン酸オキシダーゼは、国際生化学連合(I.U.B)の分類においてEC 1.10.3.3に分類される。アスコルビン酸オキシダーゼは、オタネニンジン等のニンジン、キュウリ、カリフラワー、春菊、カボチャ、キャベツ、バナナ、リンゴ、ズッキーニ、レタス、ほうれん草、ジャガイモ及びゴーヤ等の植物体内中に存在する。また、アスコルビン酸オキシダーゼは、ミロセシウム(Myrothecium)属、アエロバクター(Aerobacter)属を初めとしてアスペルギルス(Aspergillus)属、ペニシリウム(Penicilium)属、アクレモニウム(Acremonium)属、ボルテラ(Volutella)属、トリコデルマ(Trichoderma)属の微生物の生体内に存在することが知られている。
アスコルビン酸オキシダーゼは、上記生体内から精製したものを毛髪処理剤中に配合してもよいし、水、又は1,3−ブチレングリコール(BG)及びグリセリン等の有機溶媒で抽出された抽出液を配合してもよい。また、生物体からの搾取液をアスコルビン酸オキシダーゼ含有抽出液としてもよい。また、アスコルビン酸オキシダーゼタンパク質をコードする遺伝子を使用して遺伝子工学技術を用い大腸菌等において生合成したものを使用してもよい。これらの中から単独で配合してもよく、二種以上を組み合わせて配合してもよい。また、これらのアスコルビン酸オキシダーゼの中でも、安全性の観点から植物体由来のものを使用するのが好ましい。また、安全性、入手容易性等の観点からニンジン抽出液及び/又はキュウリ抽出液が特に好ましい。
アスコルビン酸オキシダーゼはアスコルビン酸以外のアスコルビン酸類似体に対して広く基質特異性を有するものも知られ、アスコルビン酸オキシダーゼが反応する基質はアスコルビン酸のみならずアスコルビン酸塩及びそれらの誘導体も挙げられる。アスコルビン酸塩の具体例としては、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸アンモニウム、アスコルビン酸モノエタノールアミン、アスコルビン酸ジエタノールアミン等が挙げられる。アスコルビン酸誘導体の具体例としては、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル、ミリスチン酸アスコルビル、ラウリン酸アスコルビル、酢酸アスコルビル、プロピオン酸アスコルビル、酒石酸アスコルビル、クエン酸アスコルビル、コハク酸アスコルビル、安息香酸アスコルビル、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム、アスコルビルエチル、アスコルビン酸アラントイン、アスコルビン酸キトサン、アスコルビン酸メチルシラノール、テトラデシルヘキシルアスコルビル、アミノプロピルアスコルビルフォスフェート、アスコルビン酸ポリペプタイド、アスコルビルグルコシド、アスコルビルメチルシラノールペクチネート等が挙げられる。
本発明において用いられるアスコルビン酸オキシダーゼの毛髪処理剤への配合量としては、脱染剤中に配合される還元剤(反応基質)の種類、処理時間、酵素の力価にもよるので一概には特定できないが、毛髪への適用時の毛髪処理剤に対し0.00005〜50重量%、好ましくは0.0005〜20重量%配合される。0.00005重量%未満では十分に染毛剤の染色性の低下を抑制することができず、また50重量%を超えて配合しても添加量の増加に見合った効果の上昇が見られない。
毛髪処理剤には、その他の成分として、油性成分、炭化水素、界面活性剤、pH調整剤等を配合することができる。
油性成分は、毛髪にうるおい感を付与するという観点から、配合されることが好ましい。油性成分としては、多価アルコール、油脂、ロウ類、高級アルコール、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル類、シリコーン類等が挙げられる。
多価アルコールとしては、グリコール類、グリセリン類等が挙げられる。グリコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。グリセリン類としては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等が挙げられる。
油脂としては、オリーブ油、ローズヒップ油、ツバキ油、シア脂、マカデミアナッツ油、アーモンド油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アボカド油、カロット油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油等が挙げられる。ロウ類としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等が挙げられる。
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ラノリンアルコール等が挙げられる。高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
アルキルグリセリルエーテルとしては、バチルアルコール(モノステアリルグリセリルエーテル)、キミルアルコール(モノセチルグリセリルエーテル)、セラキルアルコール(モノオレイルグリセリルエーテル)、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
エステル類としては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、脂肪酸(C10−30)(コレステリル/ラノステリル)、乳酸ラウリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ラノリン誘導体等が挙げられる。これらの油性成分は単独で配合してもよく、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、脂肪酸変性ポリシロキサン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン等が挙げられる。
炭化水素としては、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、スクワラン、ポリブテン、パラフィン、ポリエチレン末、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレン(以下、POEという)アルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪族アルカノールアミド類等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のPOEアルキル硫酸塩、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸エステル塩、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩、N−ラウロイルグルタミン酸塩類、N−ラウロイルメチル−β−アラニン塩類等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、2−ウンデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
pH調整剤としては、クエン酸、乳酸、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。その他、毛髪処理剤には、上記各成分の溶媒又は分散媒として水が配合され、各成分の濃度が調整される。毛髪処理剤のpHは、アスコルビン酸オキシダーゼの酵素活性の至適pHに調節されることが好ましい。アスコルビン酸オキシダーゼの至適pHは起源により違いはあるが3〜9であることが好ましい。なお、毛髪処理剤を染毛前処理剤として使用する場合には、染毛処理においてアルカリ処理を伴うためpHは高めの方が好ましい。
更に、その他の成分としてはカルボキシビニルポリマー等のアニオン性ポリマー、カチオン化セルロース誘導体、カチオン化グアーガム、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体等のカチオン化ポリマー、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリル酸共重合体等の両性ポリマー等の水溶性ポリマー、メチルパラベン、フェノキシエタノール等の防腐剤、セラミド類、ビタミン類、PPT類、キレート剤、香料等を配合することができる。
毛髪処理剤は、液状、ミスト状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等の剤型にすることが可能である。この毛髪処理剤は、シャンプー、リンス、トリートメント、整髪剤等のヘアケア剤に適用してもよい。この毛髪処理剤は、毛髪に適用した後に水や温水で洗い流して使用してもよく、毛髪に付着した同組成物を水や温水で洗い流さないで使用してもよい。
本願発明の毛髪処理剤は酸化染料の酸化重合により生成した多核化合物の発色により染色された毛髪に対し、アスコルビン酸類の還元作用により脱染するための脱染剤が適用された後に適用される。
次に、脱染剤について説明する。本実施形態における脱染剤は脱染剤第1剤(以下、脱染第1剤という。)と脱染剤第2剤(以下、脱染第2剤という。)とから構成されている。脱染第1剤には、水等が含有される。この脱染第1剤は液状、ゲル状又はクリーム状の組成物である。一方、脱染第2剤には、還元剤としてのアスコルビン酸類が含有される。この脱染第2剤は固体状の組成物である。脱染第1剤と脱染第2剤が、使用の際に混合調製されることにより、脱染第2剤に含有するアスコルビン酸類が脱染第1剤に溶解した脱染混合物を得ることができる。
<脱染第1剤>
脱染第1剤には、水の他に、水溶性高分子化合物、界面活性剤、油性成分等の染毛第1剤に記載のその他の成分を適宜配合することができる。
水は、染毛第2剤に含有されるアスコルビン酸類の可溶化剤として配合される。水溶性高分子化合物は、脱染剤に適度な粘度を与える増粘剤として配合される。油性成分は安定した乳化状態を形成させるために配合される。界面活性剤は脱染第1剤の安定性を向上させるために配合される。
<脱染第2剤>
脱染第2剤には、還元剤としてのアスコルビン酸類の他に、フマル酸、分散剤等を配合することができる。
アスコルビン酸類は、毛髪を染色している酸化染料の酸化重合により生成した多核化合物を還元するために配合される。アスコルビン酸類は、その還元作用によって重合割合の低い多核化合物を解重合又は非共鳴化させ、多核化合物を容易に解重合又は非共鳴化させることができる。アスコルビン酸類としては、上記アスコルビン酸オキシダーゼによって酸化される基質として列挙した化合物が挙げられる。これらのアスコルビン酸類は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これらのアスコルビン酸類の中でも、重合割合の低い多核化合物を解重合又は非共鳴化させる作用に優れ、アスコルビン酸オキシダーゼの最適基質であるアスコルビン酸又はその塩が好ましい。また、還元剤としてアスコルビン酸類を配合した場合、脱染第2剤及び脱染混合物における臭気を低減することができるとともに、脱染処理後の毛髪における毛髪損傷度を低減させることもできる。
フマル酸は、重合割合の低い多核化合物の解重合又は非共鳴化によって生成する成分の再酸化を抑制し、毛髪の再着色を抑制するために配合される。
分散剤は、アスコルビン酸類等が凝集して塊状態を形成することを抑制し、脱染第1剤と脱染第2剤の混合調製の際、脱染第1剤中における脱染第2剤の分散性を向上させるために配合される。分散剤の具体例としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸金属塩、タルク、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストリン等が挙げられる。
<脱染混合物>
脱染剤を使用する際に、脱染第1剤と脱染第2剤を所定の割合で混合調製することによってアスコルビン酸類が水に溶解した脱染混合物を得ることができる。
次に、上記のように構成された毛髪処理剤の作用を説明する。
まず、酸化染料の酸化重合により生成した多核化合物の発色により染色された毛髪に対し、上記脱染混合物を刷毛、櫛等の塗布具を用い塗布する。ここで、毛髪を染色している多核化合物は、アスコルビン酸類の還元作用によって解重合(分解)又は非共鳴化される。酸化染料が配合される染毛剤は、酸化染料が酸化剤により酸化重合される際、脱染剤により脱染され易い重合割合の低い多核化合物が生成されるように重合抑制剤を配合することが好ましい。本願発明の毛髪処理剤は酸化染料の酸化重合により生成した多核化合物の発色により染色された毛髪に対し、アスコルビン酸類の還元作用により脱染するための脱染剤が適用された後の毛髪に適用される。本願発明の毛髪処理剤は刷毛、櫛等の塗布具により毛髪に塗布される。ここで、毛髪に残留する脱染剤由来のアスコルビン酸類は毛髪処理剤中に配合されるアスコルビン酸オキシダーゼにより還元力のないデヒドロアスコルビン酸類に酸化される。
以上の第1の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)第1の実施形態では、酸化染料の酸化重合により生成した多核化合物の発色により染色された毛髪に対し、アスコルビン酸類の還元作用により脱染するための脱染混合物が適用された後の毛髪に適用される毛髪処理剤において、アスコルビン酸オキシダーゼを配合した。アスコルビン酸オキシダーゼにより脱染剤由来のアスコルビン酸類は還元力のないデヒドロアスコルビン酸類に酸化される。それにより、その後に行われる酸化染料を用いた染毛処理において、毛髪に残留するアスコルビン酸類が酸化染料の酸化重合反応を阻害するおそれがなく、染色性の低下を抑制することができる。
(2)第1の実施形態では、アスコルビン酸オキシダーゼは好ましくは植物体由来のものである。植物体由来のアスコルビン酸オキシダーゼを使用することにより毛髪処理剤の安全性を高めることができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の毛髪処理剤を染毛処理剤に具体化した第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態における染毛処理剤は、染毛剤第1剤(以下、染毛第1剤という)染毛剤第2剤(以下、染毛第2剤という)とよりなる。染毛第1剤には、酸化染料、アルカリ剤等が含有される。染毛第2剤は酸化剤等が含有される。アスコルビン酸オキシダーゼは染毛第1剤及び染毛第2剤のいずれに配合してもよい。また、染毛第1剤及び染毛第2剤が混合された混合液にアスコルビン酸オキシダーゼを配合するよう構成してもよい。アスコルビン酸オキシダーゼの含有量は、毛髪への適用時の混合液中において0.00005〜50重量%、好ましくは0.0005〜20重量%配合される。
<染毛第1剤>
酸化染料は、染毛第2剤に配合される酸化剤による酸化重合によって発色可能な化合物を示し、具体的には、主要中間体及びカプラーに分類される。ここで、酸化染料が酸化重合することによって生成する化合物を多核化合物といい、多核化合物の具体例としては単一種の酸化染料による単独重合体及び複数種の酸化染料による共重合体である。毛髪はこれらの多核化合物によって染色される。
主要中間体の具体例としては、フェニレンジアミン類(但し、m−フェニレンジアミンを除く。)、アミノフェノール類(但し、m−アミノフェノール及び2,4−ジアミノフェノールを除く。)、トルイレンジアミン類、ジフェニルアミン類、ジアミノフェニルアミン類、N−フェニルフェニレンジアミン類、ジアミノピリジン類、それらの塩類等が挙げられる。塩類としては塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等が挙げられる。主要中間体の中でも、染毛力が強いことからp−フェニレンジアミン、p−トルイレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルアミン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、p−アミノフェノール、oーアミノフェノール、2,6−ジクロロパラフェニレンジアミン、p−アミノフェニルスルファミン酸及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも一種が好ましい。これらの主要中間体は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
カプラーとしては、レゾルシン、ピロガロール、カテコール、m−アミノフェノール、m−フェニレンジアミン、o−アミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、1,2,4−ベンゼントリオール、トルエン−3,4−ジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、ハイドロキノン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノ−o−クレゾール、ジフェニルアミン、p−メチルアミノフェノール、フロログルシン、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、1−メトキシ−2−アミノ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール、それらの塩類等が挙げられる。これらのカプラーは単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
この酸化染料は、様々な色調に変化させることができることから、主要中間体から選ばれる少なくとも一種及びカプラーから選ばれる少なくとも一種から構成されることが好ましい。
染毛混合物中における酸化染料の含有量は、好ましくは0.02〜25重量%、より好ましくは0.2〜15重量%である。この含有量が0.02重量%未満であると、十分な染色性が得られないおそれがある。一方、25重量%を超えて配合しても、染色性は向上せず経済的ではない。
染毛混合物中における主要中間体の含有量は、好ましくは0.01〜15重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。この含有量が0.01重量%未満であると、十分な染色性が得られないおそれがある。一方、15重量%を超えて配合しても、染色性は向上せず経済的ではない。
染毛混合物中におけるカプラーの含有量は、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。この含有量が0.01重量%未満であると、十分な染色性が得られないおそれがある。一方、10重量%を超えて配合しても、染色性は向上せず経済的ではない。
その他、「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社)に収載された酸化染料及び酸化染料以外の染料として直接染料等を適宜、配合することもできる。
アルカリ剤は、染毛第2剤に配合される酸化剤の作用を促進するとともに、毛髪を膨潤させることにより毛髪に対する染料の浸透性を向上させ、染色性を向上させるために配合される。アルカリ剤の具体例としては、アンモニア、アルカノールアミン、アンモニウム塩、有機アミン類(2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、グアニジン等)、無機アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、塩基性アミノ酸(アルギニン、リジン等)及びそれらの塩等が挙げられる。
これらのアルカリ剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。このアルカリ剤の配合量は、染毛第1剤のpHが8〜9の範囲となる量に設定することが好ましい。染毛第1剤のpHが8未満では、染毛第1剤を染毛第2剤と混合したときに過酸化水素の作用を十分に促進することができない場合がある。一方、pHが9を超えると、アスコルビン酸オキシダーゼの活性を阻害するおそれがある。
この染毛第1剤には、その他の成分として水、界面活性剤、油性成分等が配合される。
水は各成分の溶媒又は分散媒として適量配合される。
界面活性剤は、乳化剤又は可溶化剤として染毛第1剤の安定性を保持するために配合される。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
さらに、その他の成分としてラウリン酸、ミリスチン酸、リノレン酸等の脂肪酸、ソルビトール、マルトース等の糖類、多価アルコール、バチルアルコール、キミルアルコール等のアルキルグリセリルエーテル、アラビアガム、カラヤガム、トラガントガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、セルロース誘導体、架橋ポリアクリル酸、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジウム等の水溶性高分子化合物、パラベン等の防腐剤、EDTA−2Na等のキレート剤、フェナセチン、8−ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、タンニン酸等の安定剤、リン酸、クエン酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸等のpH調整剤、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、香料、紫外線吸収剤等が挙げられる。また「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社)に収載されるものから選ばれる少なくとも一種を配合してもよい。
この染毛第1剤の剤型は、水溶液、分散液、乳化液等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等特に限定されない。
<染毛第2剤>
この染毛第2剤には酸化剤が含有される。また、この染毛第2剤にはその他の成分として酸化染毛剤の染毛第2剤に通常用いられる成分が含有される。
酸化剤は、毛髪に含まれるメラニンを脱色すると共に、染毛第1剤に配合される酸化染料を酸化して発色させるために配合される。酸化剤は、臭素酸カリウム、臭素酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムおよび過酸化水素等が挙げられる。その配合量は、染毛第2剤全量を100重量%として、好ましくは0.1〜15.0重量%である。
この染毛第2剤には、上記染毛第1剤に記載のその他の成分を適宜配合することができる。また、酸化剤として過酸化水素を配合した場合、過酸化水素の分解を抑制するために、安定化剤を配合することが好ましい。安定化剤の具体例としては、尿素、フェナセチン、スズ酸ナトリウム、エチレングリコールフェニルエーテル、8−オキシキノリン、リン酸等が挙げられる。
この染毛第2剤の剤型は、水溶液、分散液、乳化液等の液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等特に限定されない。
<染毛混合物>
酸化染毛剤を使用する際に、上記の染毛第1剤及び染毛第2剤を所定の割合で混合調製することによって染毛混合物を得ることができる。この染毛混合物の剤型は、液状、クリーム状、ゲル状、フォーム状等特に限定されない。
次に、上記のように構成された染毛処理剤の作用を説明する。
まず、酸化染料の酸化重合により生成した多核化合物の発色により染色された毛髪に対し、上述した脱染混合物を刷毛、櫛等の塗布具を用い塗布する。ここで、毛髪を染色している多核化合物は、アスコルビン酸類の還元作用によって解重合(分解)又は非共鳴化される。
本願発明の染毛処理剤は酸化染料の酸化重合により生成した多核化合物の発色により染色された毛髪に対し、アスコルビン酸類の還元作用により脱染するための脱染剤が適用された後の毛髪に適用される。本願発明の染毛混合物は刷毛、櫛等の塗布具により毛髪に塗布される。ここで、毛髪に残留する脱染剤由来のアスコルビン酸類は染毛混合物中のアスコルビン酸オキシダーゼにより還元力のないデヒドロアスコルビン酸類に酸化される。それと同時に、酸化染料がアルカリ剤及び酸化剤の作用により酸化重合されることにより毛髪が染色される。
以上の第2の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)第2の実施形態では、アスコルビン酸オキシダーゼを染毛処理剤に配合した。したがって、アスコルビン酸オキシダーゼにより脱染剤由来のアスコルビン酸類は還元力のないデヒドロアスコルビン酸類に酸化される。それにより、毛髪に残留するアスコルビン酸類が染毛処理における酸化染料の酸化重合反応を阻害するおそれがなく、染色性の低下を抑制することができる。
(2)第2の実施形態では、アスコルビン酸オキシダーゼを酸化染料が含有される染毛処理剤に配合した。したがって、染毛処理と残留アスコルビン酸類の酸化処理反応を同時に行うことができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明する。
(実施例1〜8及び比較例1,2、毛髪処理剤)
カラヤガム1.5重量%、カルボキシメチルセルロース1.5重量%、プロピレングリコール1.0重量%、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル1.0重量%及び精製水残量を含有する脱染剤第1剤とアスコルビン酸90.0重量%、フマル酸5.0重量%及びステアリン酸マグネシウム5.0重量%を含有する脱染剤第2剤を1:1の重量比で混合調製し、脱染剤混合物を得た。得られた脱染剤混合物を白髪毛及びライトブラウン毛の人毛毛束のそれぞれの毛束に刷毛を用いて塗布し、室温にて30分間放置した。その後、それぞれの毛束に付着した染毛混合物を水で洗い流した後、シャンプーを2回、リンスを1回施し、温風で乾燥した。
次に、表1に示す各成分を混合して、各実施例及び比較例の毛髪処理剤を得た。アスコルビン酸オキシダーゼを含有する植物抽出液として、ホーモフルーツキューカンバーDeo(香栄興業株式会社製)、キューカンバー抽出液BG(丸善製薬株式会社)、ホーモフルーツキャロットN(香栄興業株式会社製)、ニンジン抽出液BG(香栄興業株式会社製)を使用した。ホーモフルーツキューカンバーDeoはホーモフルーツキューカンバーの搾取液を溶媒で希釈しアスコルビン酸オキシダーゼ含有抽出液としたものである。キューカンバー抽出液BGは溶媒として1,3−ブチレングリコールを用い可溶成分をアスコルビン酸オキシダーゼ含有抽出液としたものである。ホーモフルーツキャロットNはホーモフルーツキャロット搾取液を溶媒で希釈しアスコルビン酸オキシダーゼ含有抽出液としたものである。ニンジン抽出液BGは溶媒として1,3−ブチレングリコールを用い可溶成分をアスコルビン酸オキシダーゼ含有抽出液としたものである。得られた毛髪処理剤を脱染剤処理後の白髪毛及びライトブラウン毛の人毛毛束に刷毛を用いて塗布し、室温にて30分間放置した。次に、ぞれぞれの毛束に付着した染毛混合物を水で洗い流した後、温風で乾燥した。
次に、下記に示される各成分を混合した染毛第1剤及び染毛第2剤を1:1の重量比で混合し、その混合物を毛髪処理剤による処理後の白髪毛及びライトブラウン毛の人毛毛束に塗布した後、40分間放置した。その後、それぞれの毛束に付着した染毛混合物を水で洗い流した後、シャンプーを2回、リンスを1回施し、温風で乾燥した。
<酸化染毛剤>
(第1剤) 重量%
セトステアリルアルコール・・・・・・・・・15.0
ポリオキシエチレンオレイルエーテル・・・・10.0
シクロメチコン・・・・・・・・・・・・・・・0.5
ジメチコン・・・・・・・・・・・・・・・・・0.5
グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・10.0
ポリクオタニウム−51・・・・・・・・・・・1.0
ラノリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.0
強アンモニア水(28%)・・・・・・・・・・8.0
メチルパラベン・・・・・・・・・・・・・・・0.2
ラウリル硫酸塩・・・・・・・・・・・・・・・2.0
チオグリコール酸・・・・・・・・・・・・・・0.5
EDTA・・・・・・・・・・・・・・・・・・1.0
オルトアミノフェノール・・・・・・・・・・・0.1
メタアミノフェノール・・・・・・・・・・・・0.05
パラアミノフェノール・・・・・・・・・・・・0.3
5−アミノオルトクレゾール・・・・・・・・・0.6
パラフェニレンジアミン・・・・・・・・・・・0.1
精製水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残 量
(第2剤)
過酸化水素(35%)・・・・・・・・・・・17.0
精製水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・残 量
これらの脱染処理、毛髪処理剤による処理及び染色処理が施された白髪毛及びライトブラウン毛の人毛毛束について、染色性を評価した。なお、表1における各成分の配合を示す数値の単位は重量%である。
<染色性>
各実施例及び比較例の毛束について、分光測色計(ミノルタ株式会社製、型番:CM−508d)を用いて、L*a*b*表色系(CIE1976)における値を測定した。色差(ΔE)は下記式から算出される染色処理前の毛束を基準とした染まり具合を表す数値であり、数値が大きいほど、染毛力が高いことを示している。それらの評価結果を表1に示す。また、白髪毛及びライトブラウン毛の人毛毛束のそれぞれについて、アスコルビン酸オキシダーゼ含有抽出液を添加しない場合(比較例1,2)のΔEの値を100とした場合の換算値も表1に示す。
△E=[(△L)2+(△a)2+(△b)21/2
Figure 0004527593
表1の結果から、染色前にアスコルビン酸オキシダーゼを含有する毛髪処理剤で処理した実施例1〜8においては、アスコルビン酸オキシダーゼを含有しない毛髪処理剤で処理した比較例1,2より染色性が優れていることが確認された。
参考例9〜16及び比較例3,4、染毛処理剤)
実施例1において使用した脱染剤混合物を白髪毛及びライトブラウン毛の人毛毛束に刷毛を用いて塗布し、室温にて30分間放置した。その後、それぞれの毛束に付着した染毛混合物を水で洗い流した後、シャンプーを2回、リンスを1回施し、温風で乾燥した。
次に、表2に示す各成分を混合して、各参考例及び比較例の染毛第1剤及び染毛第2剤からなる染毛処理剤を得た。アスコルビン酸オキシダーゼを含有する植物抽出液として、ホーモフルーツキューカンバーDeo(香栄興業株式会社製)、キューカンバー抽出液BG(丸善製薬株式会社)、ホーモフルーツキャロットN(香栄興業株式会社製)、ニンジン抽出液BG(香栄興業株式会社製)を使用した。
染毛第1剤及び染毛第2剤を1:1の重量比で混合し、その混合物を脱染後の白髪毛及びライトブラウン毛の人毛毛束に塗布した後、40分間放置した。その後、それぞれの毛束に付着した染毛混合物を水で洗い流した後、シャンプーを2回、リンスを1回施し、温風で乾燥した。これらの脱染処理、毛髪処理剤による処理及び染色処理が施された白髪毛及びライトブラウン毛の人毛毛束について、染色性を評価した。それらの評価結果を表2に示す。また、白髪毛及びライトブラウン毛の人毛毛束のそれぞれについて、アスコルビン酸オキシダーゼ含有抽出液を添加しない場合(比較例3,4)のΔEの値を100とした場合の換算値も表2に示す。なお、表2における各成分の配合を示す数値の単位は重量%である。
Figure 0004527593
表2の結果から、アスコルビン酸オキシダーゼを含有する染毛処理剤で処理した参考例9〜16においては、アスコルビン酸オキシダーゼを含有しない染毛処理剤で処理した比較例3,4より染色性が優れていることが確認された。
(実施例17〜20、比較例5,6、濃度依存性試験)
表3に示される各成分を混合した毛髪処理剤を使用した以外は、実施例1と同様の方法により白髪毛及びライトブラウン毛の人毛毛束を処理した。アスコルビン酸オキシダーゼ(ナガセ生化学工業株式会社製)の配合量を増やした場合における染色性を評価した。それらの評価結果を表3に示す。また、白髪毛及びライトブラウン毛の人毛毛束のそれぞれについて、アスコルビン酸オキシダーゼを添加しない場合(比較例5,6)のΔEの値を100とした場合の換算値も表3に示す。なお、表3における各成分の配合を示す数値の単位は重量%である。
Figure 0004527593
表3の結果から、アスコルビン酸オキシダーゼを配合する量を上昇させる染色性も同時に上昇することが示される。
(比較例7〜12)
表4に示される各成分を混合した毛髪処理剤を使用した以外は、実施例1と同様の方法により白髪毛及びライトブラウン毛の人毛毛束を処理した。アスコルビン酸オキシダーゼを含有しない植物抽出液としてゴボウ抽出液(ファルコレックス株式会社製)及び大豆抽出液(香栄興業株式会社製)を使用した。これらの脱染処理、毛髪処理剤による処理及び染色処理が施された白髪毛及びライトブラウン毛の人毛毛束のそれぞれについて、染色性を評価した。それらの評価結果を表4に示す。また、白髪毛及びライトブラウン毛の人毛毛束のそれぞれについて、植物抽出液を添加しない場合(比較例7,10)のΔEの値を100とした場合の換算値も表4に示す。なお、表4における各成分の配合を示す数値の単位は重量%である。
Figure 0004527593
表4の結果から、アスコルビン酸オキシダーゼを含有しない植物抽出液を使用した場合には、染色性は何ら上昇しないことが示される。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、脱染剤を脱染第1剤及び脱染第2剤として構成し、使用直前に混合する構成とした。この他に、アスコルビン酸類、水等の脱染剤を構成する成分をすべて配合した溶液から構成される1剤型の脱染剤としてもよい。また、粉末状等の固体状のアスコルビン酸類を脱染剤とし、この脱染剤を使用者が水に溶解させて毛髪に適用するように構成してもよい。また、脱染第1剤及び脱染第2剤を構成する成分を任意に分割し、3剤式以上に構成してもよい。
・上記実施形態において、アスコルビン酸オキシダーゼの生物体内からの抽出法は特に限定されない。例えば、水、又は1,3−ブチレングリコール及びグリセリン等の有機溶媒中に生物体を加え粉砕後、濾紙等を用い可溶成分のみを取り出した粗抽出液をアスコルビン酸オキシダーゼ含有抽出液としてもよい。
・第1の実施形態において、毛髪処理剤は、酸化染料が含有される染毛剤の前処理剤として適用してもよい。かかる場合、染毛処理を施すときにのみ毛髪処理剤を適用すればよい。
・第2の実施形態において、染毛処理剤を染毛第1剤及び染毛第2剤として構成し、使用直前に混合する構成とした。しかしながら、さらに染毛第1剤及び染毛第2剤を構成する各成分を分離して3剤式以上に構成してもよい。例えば、酸化染料とアスコルビン酸オキシダーゼを配合する染毛第1剤、アルカリ剤を配合する染毛第2剤及び酸化剤を配合する染毛第3剤からなる染毛処理剤が挙げられる。かかる構成において、酸化染料とアスコルビン酸オキシダーゼをアルカリ剤が配合される染毛第2剤とは別に構成したことにより、酸化染料とアスコルビン酸オキシダーゼの保存安定性を高めることができる。また、染毛処理剤を構成する各成分を使用直前にすべて混合して作成する1剤式として構成してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a)前記脱染剤に配合されるアスコルビン酸類はアスコルビン酸である前記毛髪処理剤。従って、この(a)に記載の発明によれば、アスコルビン酸は重合割合の低い多核化合物を解重合又は非共鳴化させる作用に優れるとともに、毛髪処理剤に配合されるアスコルビン酸オキシダーゼの最適基質であるため、残留するアスコルビン酸が効率よく酸化処理される。

Claims (2)

  1. 酸化染料の酸化重合により生成した多核化合物の発色により染色された毛髪に対し、アスコルビン酸類の還元作用により脱染するための脱染剤が適用された後に適用される毛髪処理剤において、
    アスコルビン酸オキシダーゼを含有し、酸化染料が含有される染毛剤の前処理剤として使用される毛髪処理剤。
  2. 酸化染料の酸化重合により生成した多核化合物の発色により染色された毛髪に対し、アスコルビン酸類の還元作用により脱染するための脱染剤が適用された後に適用される毛髪処理剤において、
    アスコルビン酸オキシダーゼを含有する、ニンジン、きゅうり、カリフラワー、春菊、カボチャ、キャベツ、バナナ、リンゴ、ズッキーニ、レタス、ほうれん草、ジャガイモ及びゴーヤから選ばれる少なくとも一種の抽出液を含有し、酸化染料が含有される染毛剤の前処理剤として使用される毛髪処理剤。
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