JPH08208447A - ケラチン物質のパーマネントリシェイプ方法 - Google Patents

ケラチン物質のパーマネントリシェイプ方法

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JPH08208447A
JPH08208447A JP7306199A JP30619995A JPH08208447A JP H08208447 A JPH08208447 A JP H08208447A JP 7306199 A JP7306199 A JP 7306199A JP 30619995 A JP30619995 A JP 30619995A JP H08208447 A JPH08208447 A JP H08208447A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒトの髪などのケラチン物質のパーマネント
リシェイプ方法に関し、パーマネントウェーブがかかっ
た髪にも均一な染色を与えることができ、不快なにおい
を減少させたケラチン物質のパーマネントリシェイプ方
法を提供する。 【解決手段】 還元段階と酸化段階を実施し、還元段階
は処理するケラチン物質上に少なくとも一のチオールを
含む還元組成物を適用することによって行い、ケラチン
性物質には還元段階の前及び/または段階中に、少なく
とも一のマンガン塩を浸透させることとし、還元段階中
または段階後及び酸化段階前に、ケラチン物質を、酸化
染色段階においてマンガン塩を中和する少なくとも一の
薬剤で処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にヒトの髪等の
ケラチン繊維のようなケラチン物質の新規な処理方法に
関し、特にパーマネントウェーブをかけた髪の形態での
これら繊維のパーマネントリシェイプ(パーマネント再
形成)を得る目的のためのものであって、特に上記の方
法はヘアーサロン、ビューティーサロン、美容サロン等
において業務用に使用することが可能である。
【0002】
【従来の技術】髪のパーマネントリシェイプを得るため
の最も一般的な技術としては、第1段階において、還元
剤を含む組成物を用いてケラチン(シスチン)のジスル
フィドブリッジ−S−S−を開裂し(還元段階)、好ま
しくはこのように処理した髪を洗い流した後に上記ジス
ルフィドブリッジを再形成し、第2段階において、予め
張力を与えておいた(カーラーなどによる)髪に酸化組
成物を適用して(酸化段階、定着段階としても知られ
る)、最終的に髪に望ましい形状を与えることが知られ
ている。したがってこの技術によると、髪にウェーブを
つけるか、ストレートにするか、髪からカールを取り除
くことが、区別なく可能である。上述のような化学処理
によりセットした髪の新たな形状は、著しく長持ちし、
特に水もしくはシャンプーを用いる洗浄の作用に耐え、
このことはヘアーセット等の一時的なリシェイプのため
の単純な標準的技術と対照をなしている。
【0003】パーマネントウェーブ実施の第1段階を実
行するために用いる還元組成物は、一般的に還元剤とし
て、亜硫酸塩類、亜硫酸水素塩類もしくはチオール類を
含む。上記還元剤の中でも、システイン及びその様々な
誘導体、システアミン及びその誘導体、チオ乳酸、チオ
グリコール酸及び特にその、モノチオグリコール酸グリ
セリル等のエステル、及びチオグリセリオールを挙げる
ことができる。
【0004】上記の定着段階を行うために、通常、実際
は過酸化水素水溶液もしくは臭素酸アルカリ金属をベー
スとする組成物を使用する。
【0005】当該技術においては、マンガン塩の存在下
で髪のパーマネントリシェイプのための工程を実施する
ことが知られている。
【0006】米国特許US-A-2,540,980に
は、パーマネントリシェイプ工程中にマンガン塩で髪を
処理することが記載されている。マンガン塩は、酸化触
媒として大気中の酸素と作用する。この方法によれば、
過酸化水素水溶液型の定着剤の使用を要する定着段階を
不要とすることができる。上記の処理は、還元組成物の
適用前にマンガン塩で髪を前処理すること、もしくはマ
ンガン塩を含む還元組成物を適用することのいずれかに
よってなる。
【0007】仏国特許FR-A-1,505,992に
は、引き続いてヘアーセットを受ける髪の前処理が記載
され、上記の方法はパーマネントウェーブと類似である
が、髪に機械的なリシェイプを与えることがない(カー
ラーあるいはローラーを用いない)化学プロセスからな
る。このように髪に行うヘアーセットは、より優れた品
質で、より優れた保持性のものである。上記方法の定着
段階は、過酸化水素水溶液のような酸化剤なしで、マン
ガン塩を還元組成物に加えることによって行ってもよ
い;これらの効果としては、大気中の酸素の存在下、酸
化に触媒作用を与える。この文献の実施例4及び6によ
れば、マンガン塩を含む触媒ローションは、ケラチンを
中和するために還元段階に続く洗い流し工程の後で適用
してもよい;このようなローションを適用することによ
って、還元段階中に使用されるメルカプタンを起源とす
るにおいは、どれも除くことが可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】出願人は、髪にマンガ
ン塩が存在すると、残留程度の存在であっても、髪のも
つ、適切に染色される能力に関して問題をきたすことを
観察している。したがって、このように処理された髪に
適用される酸化染料では、マンガン塩の供給なしにパー
マネントウェーブをかけた髪に得られるものとは染色結
果が異なる:その色合いが異なる。したがって、ヘアー
スタイリストは処置をしていない髪で通常得られる結果
を出すことができない。このことはまた、元々パーマネ
ントウェーブがかかっている一方で長く伸びてもいる頭
髪に染色を実施する際には、必ず問題を伴う:パーマネ
ントウェーブがかかった髪と、新たに伸びてきたパーマ
ネントウェーブがかかっていない髪との間に異なる比色
が観察される。
【0009】本発明の目的は、上記の問題を解消し、マ
ンガン塩の使用により予めパーマネントウェーブをかけ
てある髪に適用した場合に、均一な比色を得ることを可
能にする処理方法を提案することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】こうしてこの問題につい
て相当な研究が行われた後、出願人は、パーマネントリ
シェイプ工程の酸化段階前にマンガン塩の活量を中和す
る薬剤を使用すれば、パーマネントウェーブ実施の間に
髪にマンガン塩を適用すること自体に関連する様々な短
所をうまく解消できることを見いだした。
【0011】したがって本発明の主題は、特に髪などの
ケラチン物質のパーマネントリシェイプのための新規な
処理方法であって、還元段階及び酸化段階からなり、上
記還元段階は処理するケラチン物質上に少なくとも一の
チオールを含む還元組成物を適用することによって行わ
れ、ケラチン物質には還元段階前、及び/または段階中
に、少なくとも一のマンガン塩を浸透させることとし、
還元段階中または段階後及び酸化段階前に、ケラチン物
質を、少なくとも一の、酸化染色段階においてマンガン
塩の作用を中和する薬剤の存在下で処理することを特徴
とする方法である。
【0012】本発明による方法は、パーマネントウェー
ブ実施の還元段階の間、マンガン塩の消臭効果を維持す
ることができるという利点を有するものである。
【0013】以下の説明は本質的に髪の処理という特定
の場合に焦点を合わせているが、本発明の方法は、特に
睫毛、口髭、体毛、羊毛等のように、あらゆるケラチン
物質全般に適用できることが注目される。
【0014】本発明によれば、ケラチン物質には、還元
段階の前もしくは間に少なくとも一のマンガン塩を浸透
させる。上記浸透は、いくつかの方法をとってよい。マ
ンガン塩は、還元組成物中に存在するか、もしくは同時
に適用されるとよい。
【0015】別の変形としては、少なくとも一のマンガ
ン塩を含む、いわゆる“プレローション(prelotio
n)”組成物が、還元組成物の適用の前にケラチン物質
に適用されるが、同様に、還元組成物が少なくとも一の
マンガン塩を含んでいてもよい。上記のプレローション
が適用された頭髪は、好ましくは10秒間〜30分間、
より好ましくは1〜5分間置くのがよい。
【0016】本発明の範疇で用いることのできるマンガ
ン塩は、2以上のマンガン酸化価数を有する。マンガン
の例としては、マンガン(III)、マンガン(IV)、マ
ンガン(V)及びマンガン(VII)を挙げることができ
る。
【0017】用いられるマンガン塩の中でも、例えば、
ジ酢酸マンガン、ジ塩化マンガン及びその水和物、硫酸
マンガン、炭酸マンガン、炭酸二水素マンガン、マンガ
ン=アセチルアセトナート、三酢酸マンガン及びその水
和物、四塩化マンガンのような、二酢酸マンガン及びそ
の水和物を特に挙げることができる。
【0018】マンガン塩が還元組成物中に存在する場合
は、この塩の含有量は、マンガン当量で表して還元組成
物100g中に0.4〜20mg、好ましくは0.8〜1
0mgである。
【0019】上記プレローションは、洗い流すタイプの
ものであるとよく、すなわち上記のプレローションを適
用し、任意でそのまま置いた後、このように処理したケ
ラチン物質を洗い流し、還元組成物を適用する。
【0020】上記プレローションはまた、残るタイプの
ものでもよく、すなわち上記のプレローションを適用
し、任意でそのまま置いた後、ケラチン物質は洗い流さ
ないまま還元組成物を適用する。
【0021】洗い流すタイプのプレローションである場
合、マンガン塩の濃度は、マンガン当量で表して、上記
プレローション100g中、一般に0.8〜80mg、好
ましくは1.6〜64mgである。
【0022】残るタイプのプレローションである場合、
マンガン塩の濃度は、マンガン当量で表して、上記プレ
ローション100g中、一般に0.6〜40mg、好まし
くは1.2〜32mgである。
【0023】本発明によれば、還元組成物中のチオール
含有量は、一般に組成物全重量の1〜20重量%であ
る。上記還元組成物のpHは、5〜10である。
【0024】上記のマンガン塩の活量を中和する発現剤
は、特に、酸化染色の工程においてマンガン塩の活量を
抑制することのできる成分を示し、このようなあらゆる
成分を包含するものと理解される。
【0025】本発明により用いられる、マンガン塩の活
性を中和する薬剤としては、アニオン性官能基及びアミ
ン性官能基を含む錯化剤、及びゼオライトを特に挙げる
ことができる。
【0026】錯化剤という用語は、マンガン塩をキレー
トすることのできる化合物を表す。
【0027】上記アニオン性官能基は、カルボン酸、リ
ン酸及びスルホン酸であるとよい。
【0028】カルボン酸官能性を有する錯化剤として
は、エチレンジアミン四酢酸及び、ジエチレントリアミ
ン五酢酸の五ナトリウム塩を挙げることができる。
【0029】リン酸官能性を有する錯化剤としては、特
に、Monsant社より“DEQUEST 2041”の名
で市販のエチレンジアミン四(メチレンホスホン)酸、
並びにその五ナトリウム塩(“DEQUEST 204
6”)、ヘキサメチレンジアミン四(メチレンホスホ
ン)酸(“DEQUEST 2051”)、並びにその
六カリウム塩(“DEQUEST 2054”)、ジエ
チレントリアミン=五(メチレン-ホスホン)酸(“DE
QUEST 2060S”)、並びにその七ナトリウム
塩(“DEQUEST 2066”)、及び1-ヒドロ
キシエチリデン-1,1-二リン酸(“DEQUEST
2010”)等のアルキレンジアミノ-ポリ(メチレン
ホスホン)酸及びその塩を、特に挙げることができる。
【0030】ゼオライトという用語は、あらゆる結晶性
アルカリ金属ケイ酸塩を表し、天然起源のもしくは合成
のアルミノケイ酸ナトリウムが好ましい。
【0031】本発明によれば、マンガン塩の活性を中和
する薬剤は、いわば、還元段階の間もしくは後に、及び
酸化段階の前等の、本方法の様々な段階にて組成物形態
で適用することができる。
【0032】還元段階の後にマンガン塩の活性を中和す
る薬剤を適用する場合、これは還元組成物を洗い流す前
もしくは後に適用してよい。この場合、マンガン塩の活
性を中和する薬剤は、錯化剤であって、この薬剤は適用
される組成物中に、これを含む組成物全重量に対して
0.01〜5重量%の濃度で存在する。該組成物は、髪
にこの組成物が浸透するまで、いわば、例えば15秒〜
15分の間そのままおく。該組成物のpHは一般に3〜1
1、好ましくは5〜9である。
【0033】マンガン塩の活性を中和する薬剤が還元段
階の間に適用される場合は、この薬剤は還元組成物中に
存在する。この場合は、上記中和剤の濃度はマンガン塩
の消臭効果を失うことのないように制御されることが好
ましい:上記中和剤が錯化剤である場合は、この中和剤
は還元組成物中に、錯化剤中のマンガン原子一つあたり
の配位子含有量が1以上5以下、好ましくは2以上4以
下であるとよい。
【0034】アニオン性官能基及びアミン性官能基を担
持する錯化剤の、マンガン塩の活性に対する作用を強化
するために、錯化剤を(ポリ)カルボン酸類のようなア
ミノ官能基を含まない他の錯化剤と混合してもよく、こ
のようなものとしてはクエン酸及び炭酸を挙げることが
できる。
【0035】本発明に用いられる組成物は、互いに独立
で、濃厚化してもされなくてもよいがローションの形
態、クリーム、ゲル及び他のあらゆる適当な形態であっ
てよい。これらは特に髪への適用のために知られている
補助剤を含むものであってよい。
【0036】本発明による方法において、少なくとも一
のマンガン塩を含む還元組成物を用いるとすれば、チオ
ールを含む第1の区画及びマンガン塩を含む第2の区
画、他の原料は完全にもしくは部分的にチオールを含む
区画及び/又はマンガン塩を含む区画中に分散している
ような、多区画装置もしくは“キット”の形態に包装さ
れるのが好ましい。上記の2区画は使用の際に互いに混
合する。空気を遮断して混合物を含有する単一の包装を
使用することもまた可能である(空気を低体積に抑え
る、空気取り入れのない包装、エアロゾル形態での包
装)。
【0037】本発明による方法の酸化段階は、酸化組成
物の適用により、もしくは任意で大気中の酸素を反応さ
せることによって行うとよい。
【0038】上記酸化組成物は従来用いられてきたタイ
プであって、酸化剤として過酸化水素水溶液、アルカリ
金属臭素酸塩、ペルソルトを含むものである。上記過酸
化水素水溶液の濃度は1〜20、好ましくは1〜10体
積であって、アルカリ金属臭素酸塩の濃度は該酸化組成
物全重量に対して2〜12重量%であって、同じくペル
ソルトは0.1〜15重量%である。上記酸化組成物の
pHは、通常、2〜10である。この酸化は、すぐに行っ
ても遅らせてもよい。
【0039】本発明の別の主題は、チオール、マンガン
塩及びマンガン塩の活性を中和する薬剤を含む組成物で
ある。
【0040】マンガン塩の活性を中和する薬剤は、上述
のアニオン性官能基及びアミン性官能基を含む錯化剤、
及びゼオライトを含む錯化剤より選択される。
【0041】特に、中和剤がアニオン性及びアミン性官
能基を含む錯化剤である場合は、錯化剤中のマンガン原
子一つあたりの配位子の含有量が1以上5以下、好まし
くは2以上4以下であるような割合で存在する。
【0042】本発明の別の主題は、この組成物の、をケ
ラチン物質のパーマネントリシェイプ方法における還元
剤としての使用である。
【0043】本発明を詳説する具体的な実施例をここに
与える。
【0044】
【実施例】
(実施例A)下記の特性を有する5種の還元組成物を調
製した。
【0045】 《還元組成物No.1》(比較例): - チオグリコール酸 9.2g - 炭酸ナトリウム 1 g - モノエタノールアミン pH 8.5とする量 - Goldschmidt社より“TEGOBETAINE HS”の名で市販の、 ココイルアミドプロピルベタイン/ モノラウリル酸グリセリル 混合物(25/5)、 活性物質(AM)30%の濃度にて 0.3g AM - 脱イオン水 100gとする量
【0046】この組成物を、10gのブタンと共にエア
ロゾル缶に導入した。
【0047】 《還元組成物No.2》(比較例): - チオグリコール酸 9.2g - 炭酸ナトリウム 1 g - モノエタノールアミン pH 8.5とする量 - 酢酸マンガン四水和物 0.01g(22μg per g) - Goldschmidt社より“TEGOBETAINE HS”の名で市販の、 ココイルアミドプロピルベタイン/ モノラウリル酸グリセリル 混合物(25/5)、 活性物質30%の濃度にて 0.3g AM - 脱イオン水 100gとする量
【0048】マンガン塩を、最後に加えた。
【0049】この組成物を、10gのブタンと共にエア
ロゾル缶に導入した。
【0050】 《還元組成物No.3》(本発明の実施例): - チオグリコール酸 9.2g - 炭酸ナトリウム 1g - モノエタノールアミン pH 8.5とする量 - 酢酸マンガン四水和物 0.01g(22μg per g) - Goldschmidt社より“TEGOBETAINE HS”の名で市販の ココイルアミドプロピルベタイン/ モノラウリル酸グリセリル 混合物(25/5)、 活性物質30%の濃度にて 0.3g AM - ジエチレントリアミン五酢酸三水和物、 活性物質40%を含むもの 0.04g(マンガン原子 一つにつき配位子3.3) - 脱イオン水 100gとする量
【0051】マンガン塩を、最後に加えた。
【0052】この組成物を、10gのブタンと共にエア
ロゾル缶に導入した。
【0053】 《還元組成物No.4》(比較例): - チオグリコール酸 9.2g - 炭酸ナトリウム 1g - モノエタノールアミン pH 8.5とする量 - 酢酸マンガン四水和物 0.01g(22μg per g) - Goldschmidt社より“TEGOBETAINE HS”の名で市販の ココイルアミドプロピルベタイン/ モノラウリル酸グリセリル 混合物(25/5)、 活性物質30%の濃度にて 0.3g AM - o-フェナントロリン一水和物 0.012g(マンガン原子 一つにつき配位子3.3) - 脱イオン水 100gとする量 o-フェナントロリンは、アミン官能性を有する錯化剤
である。
【0054】マンガン塩を、最後に加えた。
【0055】この組成物を、10gのブタンと共にエア
ロゾル缶に導入した。
【0056】 《還元組成物No.5》(比較例): - チオグリコール酸 9.2g - 炭酸ナトリウム 1g - モノエタノールアミン pH 8.5とする量 - 酢酸マンガン四水和物 0.01g(22μg per g) - Goldschmidt社より“TEGOBETAINE HS”の名で市販の ココイルアミドプロピルベタイン/ モノラウリル酸グリセリル 混合物(25/5)、 活性物質30%の濃度にて 0.3g AM - ジエチレントリアミン五酢酸三水和物、 活性物質40%を含むもの 0.10g(マンガン原子 一つにつき配位子8) - 脱イオン水 全体を100gとする量
【0057】マンガン塩を、最後に加えた。
【0058】この組成物を、10gのブタンと共にエア
ロゾル缶に導入した。
【0059】パーマネントの実施は、70%の白髪を含
む欧州人の白髪混じりの髪15gから成るかつらにおい
て、以下の方法によって各還元組成物を用いて行われ
た:上記組成物を濡らして巻いた髪(ローラーの直径:
9nm)に適用し、頭髪の上部にプラスチックのフードを
配置し、そのまま15分間おいた。この後フードを取り
除き、かつらによって放出されるにおいを12人からな
る検査団により評価した。次に髪を洗い流し、下記の特
性を有する酸化組成物を適用した。 - 過酸化水素水溶液 8Vとする量 - クエン酸 pH 3 とする量 - 脱塩水 全体を100gとする量
【0060】上記組成物を10分間おいて反応させ、ロ
ーラーを除去して髪を水で洗い流し、最後に乾燥させ
た。
【0061】かつらより放出されるにおいは0〜5に評
価され、非常に不快なにおいである場合に0とし、5は
においが感知されないことを表す。
【0062】下記のような結果が得られた。
【0063】
【表1】
【0064】下記の特性を有する染料組成物を各かつら
No.1〜4に適用した。 染料組成物: - パラ-フェニレンジアミン 0.4g - パラ-アミノフェノール 0.24g - 1-メチル-2-ヒドロキシ-4-β- ヒドロキシエチルアミノベンゼン 1.2g - エチレンオキシド9molでポリオキシエチレン化した ノニルフェノール 3g - オレイルアルコール 18g - エチルアルコール 9g - ベンジルアルコール 11g - エチレンジアミン四酢酸 0.2g - 22°ホ゛ーメのアンモニア水溶液 12.9g - モノエタノールアミン 6.5g - 50%の活性物質を含む乳酸アンモニウム 0.8g - 1-フェニル-3-メチル-5-ピラゾロン 0.15g - 脱塩水 全体を100gとする量
【0065】使用に際して、この組成物を重量比で20
体積の過酸化水素水溶液と混合した。
【0066】上記染料組成物を30分間おいて作用させ
た後、シャンプーを用いて洗い、乾燥させた。
【0067】各かつらに得られた色合いを、髪のL、a
及びbの三原色座標を測定することによって評価した
(Minolta社製 “CHROMA METER 2002” 比色計)。
【0068】下記のような結果が得られた。
【0069】
【表2】
【0070】かつら2に錯化剤を含まない組成物を使用
したところ、かつら1に得られた比色に対して変化が起
きたことが観察される:パラメーターa及びbの減少が
異なる色合いをもたらしている。正にこのことが、マン
ガン塩を還元段階において使用することによって髪より
放出されるにおいを減少させることが可能になるが(評
価3.4に等しい)、染色結果に関して問題があること
を示している。
【0071】アニオン性官能基及びアミン性官能基を含
む錯化剤の存在下で還元段階を行う場合、配位子/マン
ガン比率が5未満であること(実施例3)に応じて髪よ
り放出されるにおいが減少し、パーマネント実施後に染
色を行う場合には色の変化もまた減少したことが観察さ
れる(パラメーターa及びbの値がかつら2のものより
も高い)。最後に、配位子/マンガン比率が5より大で
ある、アニオン性官能基及びアミン性官能基を含む錯化
剤を用いたとすると(実施例5)、髪より放出されるに
おいに関しては何の効果も見られず(評価1.5に等し
い)、消臭効果はないことが観察される。
【0072】したがって、かつら2だけがもっとも優れ
た消臭及び染色結果を示した。
【0073】(実施例B)2つのかつら(No.6及び
No.7)において、還元組成物 No.1及びNo.
3をそれぞれ用いて、下記の特性を有するいわゆるセミ
パーマネントローション(semi-permanent lotion)
を、髪より放出されるにおいを評価した後、還元組成物
を洗い流す前にかつらNo.7に適用したこと以外は、
実施例Aのように操作を行った。
【0074】 セミパーマネントローション: - ジエチレントリアミン五酢酸三水和物、 40%の活性物質を含む水溶液として 2g - 塩酸 pH 5.5とする量 - 脱塩水 全体を100gとする量
【0075】以下の結果が得られた。
【0076】
【表3】
【0077】嗅覚試験の結果は、かつらNo.2ではフ
ードを取り除いた際にほとんどにおいがないことを示
す。さらにまた、かつらNo.2は、通常のマンガン塩
を用いずに実施されるパーマネントウェーブの後に得ら
れるものに匹敵する染色効果を有する。
【0078】(実施例C)かつらNo.8において、還
元組成物No.2を用いて実施例Bのように操作を行っ
た。
【0079】かつらNo.9において、還元組成物N
o.2を用い、酸化組成物を洗い流す前に実施例Bのセ
ミパーマネントローションを適用したこと以外は、実施
例Aのように操作を行った。
【0080】以下の結果が得られた。
【0081】
【表4】
【0082】嗅覚試験の結果は、かつらNo.8及びN
o.9ではフードを取り除いた際にほとんどにおいがな
いことを示す。パーマネントウェーブ実施後に染色が行
われる場合は、かつらNo.9には大きな色の変化が見
られ(かつらNo.9のパラメーターa及びbは、かつ
らNo.1のものよりも小さい)、その一方でNo.8
は変化しない(かつらNo.8のパラメーターa及びb
は、かつらNo.1のものに近い)。したがって、定着
段階後にアニオン性官能基及びアミン性官能基を含む錯
化剤をもつローションを適用しても、染色結果に関する
問題を解決することは不可能であるが、一方同様のロー
ションを定着段階の後に行えばこの問題は解決される。

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還元段階と酸化段階とを具備するケラチ
    ン物質のパーマネントリシェイプ方法であって、還元段
    階は処理するケラチン物質上に少なくとも一のチオール
    を含む還元組成物を適用することによって行われ、ケラ
    チン物質には還元段階の前及び/または段階中に、少な
    くとも一のマンガン塩を浸透させる方法において、還元
    段階中または段階後及び酸化段階前に、ケラチン物質
    を、酸化染色段階においてマンガン塩の作用を中和する
    少なくとも一の薬剤と接触させることを特徴とする方
    法。
  2. 【請求項2】 上記のマンガン塩の作用を中和する薬剤
    が、アニオン性官能基及びアミン性官能基を含む錯化剤
    より選択されることを特徴とする請求項1に記載のケラ
    チン物質のパーマネントリシェイプ方法。
  3. 【請求項3】 還元組成物が上記の錯化剤を含む場合
    に、該錯化剤が、還元組成物中に、錯化剤中のマンガン
    原子一つあたりの配位子の含有量が1以上で5以下の濃
    度で存在することを特徴とする請求項2に記載のケラチ
    ン物質のパーマネントリシェイプ方法。
  4. 【請求項4】 上記のアニオン性官能基が、カルボン
    酸、リン酸及びスルホン酸官能基より選択されることを
    特徴とする請求項2または3に記載のケラチン物質のパ
    ーマネントリシェイプ方法。
  5. 【請求項5】 上記錯化剤が、エチレンジアミン四酢酸
    と、ジエチレントリアミン五酢酸の五ナトリウム塩とか
    ら選択されることを特徴とする請求項1から4のいずれ
    か1項に記載のケラチン物質のパーマネントリシェイプ
    方法。
  6. 【請求項6】 上記錯化剤が、エチレンジアミンテトラ
    (メチレンホスホン)酸、ヘキサメチレンジアミン四
    (メチレンホスホン)酸、ジエチレントリアミン五(メ
    チレンホスホン)酸及びこれらの塩より選択されるアル
    キレンジアミノポリ(メチレンホスホン)酸であること
    を特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載のケ
    ラチン物質のパーマネントリシェイプ方法。
  7. 【請求項7】 上記のマンガン塩の作用を中和する薬剤
    が、ゼオライト類より選択されることを特徴とする請求
    項1に記載のケラチン物質のパーマネントリシェイプ方
    法。
  8. 【請求項8】 上記のマンガン塩の作用を中和する薬剤
    が、上記の還元組成物が洗い流される前もしくは後に、
    組成物の形態で適用されることを特徴とする請求項1か
    ら2及び4から7のいずれか1項に記載のケラチン物質
    のパーマネントリシェイプ方法。
  9. 【請求項9】 上記の中和剤が、アニオン性官能基及び
    アミン性官能基を含む錯化剤より選択され、該組成物全
    重量に対して0.01〜5重量%の濃度にて存在するこ
    とを特徴とする請求項8に記載のケラチン物質のパーマ
    ネントリシェイプ方法。
  10. 【請求項10】 マンガン塩の作用を中和する薬剤を含
    む上記の組成物を、15秒から15分の間作用させるこ
    とを特徴とする請求項8又は9に記載のケラチン物質の
    パーマネントリシェイプ方法。
  11. 【請求項11】 マンガン塩の作用を中和する薬剤を含
    む上記の組成物が、3から11のpHを有することを特徴
    とする請求項8から10のいずれか1項に記載のケラチ
    ン物質のパーマネントリシェイプ方法。
  12. 【請求項12】 上記の組成物のpHが、5から9である
    ことを特徴とする請求項11に記載のケラチン物質のパ
    ーマネントリシェイプ方法。
  13. 【請求項13】 還元組成物が、少なくとも一のマンガ
    ン塩の作用を中和する薬剤を含むことを特徴とする請求
    項1から10のいずれか1項に記載のケラチン物質のパ
    ーマネントリシェイプ方法。
  14. 【請求項14】 錯化剤中の配位子の含有数が、マンガ
    ン原子一つあたり2以上4以下であることを特徴とする
    請求項3に記載のケラチン物質のパーマネントリシェイ
    プ方法。
  15. 【請求項15】 上記還元組成物及び/又はマンガン塩
    を含む組成物及び/又はマンガン塩の作用を中和する薬
    剤を含む組成物が、少なくとも一の化粧品補助剤を含む
    ことを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記
    載のケラチン物質のパーマネントリシェイプ方法。
  16. 【請求項16】 上記ケラチン物質が髪よりなることを
    特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載のケ
    ラチン物質のパーマネントリシェイプ方法。
  17. 【請求項17】 チオール、マンガン塩、及び酸化染色
    の工程中にマンガン塩の作用を中和する薬剤を含むこと
    を特徴とする組成物。
  18. 【請求項18】 上記のマンガン塩の作用を中和する薬
    剤が、アニオン性官能基及びアミン性官能基を含む錯化
    剤より選択され、この薬剤が、錯化剤中のマンガン原子
    一つあたりの配位子の含有数が1以上で5以下の濃度で
    存在することを特徴とする請求項17に記載の組成物。
  19. 【請求項19】 上記のアニオン性官能基が、カルボン
    酸、リン酸及びスルホン酸官能基より選択されることを
    特徴とする請求項18に記載の組成物。
  20. 【請求項20】 上記錯化剤が、エチレンジアミン四酢
    酸と、ジエチレントリアミン五酢酸の五ナトリウム塩と
    から選択されることを特徴とする請求項18または19
    に記載の組成物。
  21. 【請求項21】 上記錯化剤が、エチレンジアミン四
    (メチレンホスホン)酸、ヘキサメチレンジアミン四
    (メチレンホスホン)酸、ジエチレントリアミン五(メ
    チレンホスホン)酸及びこれらの塩より選択されるアル
    キレンジアミノポリ(メチレンホスホン)酸であること
    を特徴とする請求項18または19に記載の組成物。
  22. 【請求項22】 上記のマンガン塩の作用を中和する薬
    剤が、ゼオライト類より選択されることを特徴とする請
    求項17に記載の組成物。
  23. 【請求項23】 ケラチン物質のパーマネントリシェイ
    プ方法のための還元組成物としての、請求項17から2
    2のいずれか1項に記載の組成物の使用。
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