JP4077669B2 - 毛髪化粧料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化染毛剤又は毛髪脱色剤として毛髪に適用される毛髪化粧料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の毛髪化粧料組成物は、アルカリ剤及び酸化染料中間体等の染料を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤とを混合することにより調製されて、酸化染毛剤として使用されている。また、第1剤の酸化染料中間体等の染料を除き、酸化剤を含有する第2剤と混合することにより調製されたものは、毛髪脱色剤として使用されている。これらの酸化染毛剤及び毛髪脱色剤は液状あるいはクリーム状のものが広く使用されている。
【0003】
液状タイプとしては、ミセル型可溶化物の第1剤と、水中油型(以下、O/W型という。)乳化物又は水溶液の第2剤とを混合して、ミセル型のゲル状可溶化物を形成するものが一般的である。一方、クリーム状タイプとしては、O/W型乳化物を形成するものが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の毛髪化粧料組成物において、液状タイプはクリーム状タイプに比べて毛髪になじみにくいため染毛力・脱色力が弱いという問題があった。一方、クリーム状タイプが形成するO/W型乳化物は、元々熱力学的に不安定な系であるため、高温での分離、経時の粘度変化等が発生し、保存安定性が十分に得られないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、十分な染毛力・脱色力を得ることができるとともに、十分な保存安定性を得ることができる毛髪化粧料組成物を提供することにある。その他の目的とするところは、簡便に製造することができる毛髪化粧料組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の毛髪化粧料組成物では、(A)アルカノールアミン、(B)油性成分、(C)界面活性剤、(D)水と水溶性溶媒の少なくとも一方及び(E)染料を含有する第1剤と、酸化剤及び水を含有する第2剤を用時に混合調製して酸化染毛剤として用いられる毛髪化粧料組成物であって、前記第1剤には、前記油性成分が60〜70重量%含有されるとともに、前記(C)界面活性剤として、親水性−疎水性バランス(HLB)が10〜15の非イオン性界面活性剤を配合することにより、前記第1剤を油中水型可溶化物又は油中水溶性溶媒型可溶化物として構成し、第1剤と第2剤とを混合することにより水中油型乳化物となるものである。
【0007】
請求項2に記載の発明の毛髪化粧料組成物では、(A)アルカノールアミン、(B)油性成分、(C)界面活性剤及び(D)水と水溶性溶媒の少なくとも一方を含有する第1剤と、酸化剤及び水を含有する第2剤を用時に混合調製して毛髪脱色剤として用いられる毛髪化粧料組成物であって、前記第1剤には、前記油性成分が60〜70重量%含有されるとともに、前記(C)界面活性剤として、親水性−疎水性バランス(HLB)が10〜15の非イオン性界面活性剤を配合することにより、前記第1剤を油中水型可溶化物又は油中水溶性溶媒型可溶化物として構成し、第1剤と第2剤とを混合することにより水中油型乳化物となるものである。
【0008】
請求項3に記載の発明の毛髪化粧料組成物では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第2剤は水溶液であるものである。
請求項4に記載の発明の毛髪化粧料組成物では、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記第2剤には、さらに増粘剤が含有されているものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の毛髪化粧料組成物を2剤式の酸化染毛剤(以下、単に酸化染毛剤という。)に適用した第1の実施形態について詳細に説明する。
【0010】
第1の実施形態における酸化染毛剤は、(A)アルカノールアミン、(B)油性成分、(C)界面活性剤、(D)水と水溶性溶媒の少なくとも一方及び(E)染料を含有する第1剤と、酸化剤及び水を含有する第2剤とから構成されるものである。そして、第1剤は油中水型(以下、W/O型という。)可溶化物又は油中水溶性溶媒型可溶化物を形成するとともに、第1剤と第2剤とを混合することによって、O/W型乳化物を形成するものである。この酸化染毛剤の第1剤と第2剤は用時に混合調製され、毛髪の染色に使用することができる。
<第1剤>
本実施形態における第1剤には、(A)アルカノールアミン、(B)油性成分、(C)界面活性剤、(D)水と水溶性溶媒の少なくとも一方及び(E)染料が含有される。この第1剤は、W/O型可溶化物又は油中水溶性溶媒型可溶化物を形成するものである。この第1剤の剤型は液状、クリーム状、ゲル状、フォーム状等特に限定されない。
【0011】
(A)アルカノールアミンは、酸化剤の作用を促進することによって毛髪に明度を付与するとともに、染料の溶解剤として含有される。アルカノールアミンの具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。これらの中でも、毛髪に明度を付与する効果が高いことから、モノエタノールアミンが好ましい。第1剤中におけるアルカノールアミンの含有量は、好ましくは2.0〜10.0重量%であり、より好ましくは4.0〜8.0重量%である。この含有量が2.0重量%未満であると、酸化剤の作用を十分に促進することができないおそれがあるとともに、染料を十分に溶解することができないおそれがある。一方、10.0重量%を超えて配合すると、染毛処理後の毛髪にゴワつきやきしみが生じやすくなる。
【0012】
(B)油性成分は、W/O型可溶化物の基剤及び毛髪のコンディショニング剤として配合される。油性成分としては、炭化水素、油脂、ロウ類、高級アルコール、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル類、シリコーン類等が挙げられる。
【0013】
炭化水素としては、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワラン、ポリブテン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、オゾケライト、セレシン、パラフィン、ポリエチレン粉末、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
【0014】
油脂としては、オリーブ油、ツバキ油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アルモンド油、アボカド油、カロット油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油等が挙げられる。
【0015】
ロウ類としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等が挙げられる。
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ラノリンアルコール等が挙げられる。
【0016】
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
【0017】
アルキルグリセリルエーテルとしては、バチルアルコール(モノステアリルグリセリルエーテル)、キミルアルコール(モノセチルグリセリルエーテル)、セラキルアルコール(モノオレイルグリセリルエーテル)、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
【0018】
エステル類としては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸2−エチルへキシル、乳酸ラウリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ラノリン誘導体等が挙げられる。
【0019】
シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン等が挙げられる。
【0020】
これらの油性成分の中でも、調製の容易さや低温時の安定性の点から、流動パラフィン、イソステアリルアルコール等の常温で液状の油性成分を用いることが好ましい。油性成分の含有量は、好ましくは50〜90重量%、より好ましくは50〜70重量%、最も好ましくは60〜70重量%である。油性成分の含有量が50重量%未満であると、W/O型可溶化物を安定して形成できないおそれがある。一方、90重量%を超えて配合すると、十分な染毛力が得られないおそれがある。
【0021】
(C)界面活性剤は、染料等を可溶化するために配合される。界面活性剤の具体例としては、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
【0022】
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレン(以下、POEという。)アルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレン(以下、POPという。)アルキルエーテル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。POEアルキルエーテル類の具体例としては、POEラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル等が挙げられる。
【0023】
カチオン性界面活性剤の具体例としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン等が挙げられる。
【0024】
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩等が挙げられる。
【0025】
両性界面活性剤の具体例としては、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
【0026】
これらの界面活性剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
これらの界面活性剤の中でも、低温安定性と染料溶解性の点から、第1剤中には少なくとも非イオン性界面活性剤を含有させることが好ましい。さらに、非イオン性界面活性剤の中でも、親水性−疎水性バランス(以下、HLBという。)が10〜15のものが特に好ましい。このHLBが10未満であると、染料の溶解量が低下するとともに、第2剤と混合するとW/O型乳化物となって染毛後の毛髪の感触が悪くなるおそれがある。一方、HLBが15を超えると、低温安定性が低下するおそれがある。第1剤中における界面活性剤の含有量は、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは20〜30重量%である。界面活性剤の含有量が1重量%未満であると、アルカノールアミン、染料等を十分に可溶化できないおそれがある。一方、50重量%を超えて配合すると、染色性が低下するおそれがある。
【0027】
(D)水と水溶性溶媒の少なくとも一方は、染料や水溶性の塩等を溶解するために含有される。水溶性溶媒は、アルカノールアミン以外の水と相溶可能なものを示し、具体的には低級1価アルコール、芳香族アルコール、多価アルコール(分子量60〜2000)、ケトン類、アルデヒド類、エーテル類、アミン類、低級脂肪酸類、酢酸メトキシグリコール、乳酸メチル、乳酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、フルフリルアルコール等が挙げられる。
【0028】
低級1価アルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等、芳香族アルコールとしてはベンジルアルコール等が挙げられる。多価アルコールとしてはグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、2,5−ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。ケトン類としてはアセトン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール等、アルデヒド類としてはホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。エーテル類としては、エチレンオキサイド、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル(モノイソプロピルエーテル)、ジメチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチレングリコールモノメチルエーテル、ジメチレングリコールモノブチルエーテル、ジメチレングリコールジエチルエーテル、エトキシトリグリコール、モノプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。アミン類としてはn−ブチルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、エチルアミン、ピリジン、シクロヘキシルアミン等、低級脂肪酸類としてはギ酸、酢酸、酪酸、乳酸等が挙げられる。これらの水又は水溶性溶媒は、単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。第1剤中における水と水溶性溶媒の合計の含有量は、0.01〜10.0重量%であり、好ましくは0.1〜7.0重量%である。この含有量が0.01重量%未満であると、染料を溶解できないおそれがある。一方、10.0重量%を超えて配合すると、W/O型可溶化物又は油中水溶性溶媒型可溶化物を形成しにくくなるおそれがある。
【0029】
(E)染料は、毛髪を染色するために配合される。染料としては酸化染料中間体等が挙げられる。酸化染料中間体は、酸化剤により酸化されることによって毛髪を染色することができる。酸化染料中間体としては、例えば、フェニレンジアミン類、アミノフェノール類、トルエンジアミン類、アミノニトロフェノール類、ジフェニルアミン類、ジアミノフェニルアミン類、N−フェニルフェニレンジアミン類、ジアミノピリジン類及びそれらの塩類(塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等)等が挙げられる。これらの中でも、染毛力に優れることからp−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、p−アミノフェノール、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、p−アミノフェニルスルファミン酸及びそれらの塩類が好ましい。これらの酸化染料中間体は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0030】
第1剤中における酸化染料中間体の含有量は、好ましくは0.01〜15重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。この含有量が0.01重量%未満であると、十分な染毛効果が得られないおそれがある。一方、15重量%を超えて配合しても染毛効果の向上率は低くなり、不経済となるおそれがある。0.1〜10重量%の範囲に設定した場合には、染毛効果と経済的な効果の両方をバランスよく発揮することができる。
【0031】
第1剤中には、染毛効果を向上させるために酸化染料中間体以外の染料としてカプラーを含有させてもよい。カプラーの具体例としては、レゾルシン、ピロガロール、カテコール、m−アミノフェノール、m−フェニレンジアミン、o−アミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、1,2,4−ベンゼントリオール、トルエン−3,4−ジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、ハイドロキノン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノ−o−クレゾール、ジフェニルアミン、p−メチルアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール及びそれらの塩等が挙げられる。その他のカプラーとして、「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行,薬事日報社)に収載されたものも適宜、用いることができる。これらのカプラーは単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0032】
第1剤中におけるカプラーの含有量は、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。この含有量が0.01重量%未満であると、染毛効果を十分に向上できないおそれがある。一方、10重量%を超えて配合しても染毛効果の向上率は低くなり、不経済となるおそれがある。0.1〜5重量%の範囲に設定した場合には、染毛効果と経済的な効果の両方をバランスよく発揮することができる。
【0033】
さらに、第1剤中には、染毛効果をさらに向上させるために酸化染料中間体及びカプラー以外の染料として直接染料を含有させてもよい。
第1剤中における直接染料の含有量は、好ましくは0.001〜10重量%、より好ましくは0.01〜5重量%である。この含有量が0.001重量%未満であると、染毛効果を十分に向上できないおそれがある。一方、10重量%を超えて配合しても染毛効果の向上率は低くなり、不経済となるおそれがある。0.01〜5重量%の範囲に設定した場合には、染毛効果と経済的な効果の両方をバランスよく発揮することができる。
【0034】
第1剤には、酸化剤の作用を促進することによって、より十分な明度及び染毛力を得るためにアンモニア及びアンモニウム塩を含有させてもよい。アンモニウム塩の具体例としては、ハロゲン化アンモニウム、無機系アンモニウム塩、有機系アンモニウム塩等が挙げられる。ハロゲン化アンモニウムとしては塩化アンモニウム等、無機系アンモニウム塩としては炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム等、有機系アンモニウム塩としては乳酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、グリコール酸アンモニウム等が挙げられる。
【0035】
第1剤には、その他の添加成分としてアルカリ剤、アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム等の還元剤、ソルビトール、マルトース等の糖類、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、セルロース誘導体、架橋ポリアクリル酸等の天然又は合成の高分子、パラベン等の防腐剤、EDTA−Na等のキレート剤、フェナセチン、8−ヒドロキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸、尿酸、タンニン酸等の安定剤、リン酸、クエン酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸等のpH調整剤、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、特開2000−344629号公報等に記載されている香料、紫外線吸収剤等が挙げられる。また「医薬部外品原料規格」(1991年6月発行、薬事日報社)に収載されるものから選ばれる少なくとも一種を配合してもよい。
【0036】
アルカリ剤は、アルカノールアミン、アンモニア及びアンモニウム塩以外のものを意味し、酸化剤の作用を促進することによって、毛髪に明度を付与するために含有される。アルカリ剤の具体例としては、有機アミン類(2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、グアニジン等)、無機アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、塩基性アミノ酸(アルギニン、リジン等)及びそれらの塩等が挙げられる。これらのアルカリ剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。アルカリ剤の含有量は、第1剤のpHを8〜12とする量に設定するのが好ましい。
【0037】
第1剤がW/O型可溶化物又は油中水溶性溶媒型可溶化物を形成すると、染料等の水溶性の成分はアルカノールアミン、水、水溶性溶媒等から形成される水性相中に含有され、この水性相は、水性相と連続相を形成する油相中に逆ミセルの状態で可溶化している。
<第2剤>
本実施形態における第2剤には、酸化剤及び水が含有される。また、この第2剤には増粘剤が含有されることが好ましい。この第2剤は水溶液を形成し、この第2剤は、第1剤を混合することによりO/W型乳化物を形成するものである。この第2剤の剤型は液状、クリーム状、ゲル状、フォーム状等特に限定されない。
【0038】
酸化剤は、毛髪に含まれるメラニンを脱色するとともに、第1剤中の染料を酸化するために含有されている。酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、過硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物等が挙げられる。これらの酸化剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これらの中でも毛髪の脱色力と染料の酸化力に優れることから過酸化水素が好ましい。
【0039】
第2剤中における酸化剤の含有量は、好ましくは0.5〜10重量%、特に好ましくは1.0〜8.0重量%である。酸化剤の含有量が0.5重量%未満であると、十分な酸化作用が得られないおそれがある。一方、10重量%を超えて配合すると、頭皮への刺激が強くなる等、使用時に不快感を与えるおそれがある。酸化剤の含有量が0.5〜10重量%であると、十分な酸化作用を確保しながら頭皮に対する刺激性を抑えることができ、特に1.0〜8.0重量%であればその効果を一層高めることができる。
【0040】
水は、水溶液を形成するために含有される。また、水は第2剤を第1剤と混合したとき、O/W型乳化物を形成するために含有される。第2剤中における水の含有量は、好ましくは50〜99.5重量%、特に好ましくは50〜99重量%である。この含有量が50重量%未満であると、第1剤と第2剤とを混合したときに、O/W型乳化物を形成しにくくなるおそれがある。一方、99.5重量%を超えて配合すると酸化剤等の他の成分を有効量配合できなくなるおそれがある。
【0041】
第2剤中には、第1剤と第2剤を混合して得られる混合物に適度な粘度を与えて、混合物を毛髪に塗布する際、毛髪からの垂れ落ちを抑制するために増粘剤が含有されることが好ましい。増粘剤の具体例としては、天然高分子、半合成高分子、合成高分子、無機物系高分子等が挙げられる。
【0042】
天然高分子としてはグアーガム、ローカストビーンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、トラガカントガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等が挙げられる。
【0043】
半合成高分子としてはメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カチオン化セルロース、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸塩等が挙げられる。
【0044】
合成高分子としてはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニル重合体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体、アクリル酸/アクリル酸アルキル共重合体等が挙げられる。また、合成高分子としては(a)イタコン酸とポリオキシエチレンアルキルエーテルとの半エステル、又はメタクリル酸とポリオキシエチレンアルキルエーテルとのエステルと、(b)アクリル酸、メタクリル酸及びそれらのアルキルエステルから選ばれる少なくとも一つの単量体と、からなる共重合体(以下、(a)/(b)共重合体という)が挙げられる。
【0045】
無機物系高分子としてはベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等が挙げられる。
これらの増粘剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。第2剤中における増粘剤の含有量は、好ましくは0.1〜20重量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。この含有量が0.1重量%未満であると、毛髪からの垂れ落ちを十分に抑制することができないおそれがある。一方、20重量%を超えると、第1剤と第2剤の混合時の粘度が高くなりすぎて操作性が悪くなるおそれがある。
【0046】
酸化剤、水、増粘剤を含有する第2剤は、水溶液を形成する。また、この第2剤中にさらに上記第1剤の油性成分及び界面活性剤を含有させることによって、O/W型乳化物を形成することもできる。第1の実施形態の第2剤は、簡便に製造できるとともに、保存安定性に優れることから水溶液であることが好ましい。
【0047】
第1の実施形態の第2剤には、その他の成分として、上記第1剤に配合されうる成分の中から選ばれる少なくとも一種を配合してもよい。
<混合物>
上記の第1剤及び第2剤を所定の割合で混合することによって酸化染毛剤の混合物とすることができる。この酸化染毛剤の混合物は、O/W型乳化物を形成するものである。この混合物の剤型は、液状、クリーム状、ゲル状、フォーム状等特に限定されない。
【0048】
さて、酸化染毛剤の第1剤を調製するには、アルカノールアミン、油性成分、界面活性剤、水と水溶性溶媒の少なくとも一方、染料等を攪拌混合する。このとき、油性成分からなる油相中では、界面活性剤が逆ミセルを形成することができる。これらの逆ミセル中にアルカノールアミン、水、水溶性溶媒等からなる水性相が取り込まれることによって油相中に水性相が可溶化し、第1剤はW/O型可溶化物を形成する。この第1剤は可溶化物であるため、第1剤を調製する際には乳化工程を必要とせず、乳化安定性を考慮する必要がない。従って、第1剤を簡便に製造することができる。また、第1剤中に含有される染料は、水性相に溶解するため、逆ミセル中に取り込ませることができる。
【0049】
次に、酸化染毛剤の第2剤を調製するには、酸化剤、水、増粘剤等を攪拌混合する。調製された第1剤及び第2剤は、それぞれ別の容器に充填され、用時まで保管される。このとき、第1剤は、W/O型可溶化物を形成している。このW/O型可溶化物は、乳化物に比べて熱力学的に安定しているため、第1剤の保存安定性を十分に得ることができる。
【0050】
次に、酸化染毛剤を使用する場合には、第1剤と第2剤を混合して混合物を調製する。この混合物の必要量をコーム(櫛)又は刷毛につけて毛髪に塗布される。このとき、混合物はO/W型乳化物を形成している。このO/W型乳化物は可溶化物と比べて毛髪になじみやすく、混合物の有効成分を毛髪に十分に作用させることができる。従って、十分な染毛力を得ることができる。また、油性成分によって十分なコンディショニング効果を得ることができる。さらに、第2剤には増粘剤が含有されている。従って、混合物を増粘することができ、混合物を毛髪に塗布する際、混合物の垂れ落ちを抑制することができる。
【0051】
以上詳述した第1の実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
・第1の実施形態の毛髪化粧料組成物においては、第1剤はアルカノールアミン、油性成分、界面活性剤、水と水溶性溶媒の少なくとも一方及び染料を含有し、第1剤はW/O型可溶化物を形成している。従って、乳化物より熱力学的な安定性が得られ、第1剤の保存安定性を十分に得ることができる。また、第1剤を製造する際には乳化物のように乳化工程を必要とせず、乳化安定性を考慮する必要がない。従って、毛髪化粧料組成物を簡便に製造することができる。さらに、混合物はO/W型乳化物を形成している。従って、混合物の有効成分を毛髪に十分に作用させることができ、十分な染毛力を得ることができる。
【0052】
・第1の実施形態の毛髪化粧料組成物においては、第2剤は水溶液である。この構成によると、第2剤を製造する際には乳化物のように乳化工程を必要とせず、乳化安定性を考慮する必要がない。従って、毛髪化粧料組成物をより簡便に製造することができる。
【0053】
・第1の実施形態の毛髪化粧料組成物においては、第2剤中には増粘剤が含有されている。この構成によると、混合物を増粘することができ、混合物を毛髪に塗布する際、混合物の垂れ落ちを抑制することができる。
【0054】
・第1の実施形態の毛髪化粧料組成物においては、第1剤中には油性成分が含有されるとともに、混合物はO/W型乳化物を形成している。従って、油性成分を毛髪に十分に作用させることができ、十分なコンディショニング効果を得ることができる。
【0055】
・第1の実施形態の毛髪化粧料組成物においては、第1剤中はW/O型可溶化物を形成している。そして、W/O型可溶化物の逆ミセル中には、水性相が取り込まれ、これらの水性相中に染料を溶解することができる。従って、第1剤中に含有される染料は空気による酸化を受けにくく、低温時における結晶の析出も起こりにくくなる。よって、第1剤が用時まで保管される際、染料の保存安定性を著しく向上させることができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の毛髪化粧料組成物を2剤式の毛髪脱色剤(以下、単に毛髪脱色剤という。)に適用した第2の実施形態について前記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0056】
第2の実施形態の毛髪脱色剤は用時に混合調製され、毛髪の脱色に使用することができる。
<第1剤>
本実施形態における第1剤は、前記第1の実施形態における第1剤から酸化染料中間体等の(E)染料を除いたものが用いられる。
<第2剤>
本実施形態における第2剤には、前記第1の実施形態における第2剤と同じものが用いられる。
<混合物>
第1剤と第2剤は、前記第1の実施形態と同様に混合調製して混合物として使用される。
【0057】
第2の実施形態における毛髪脱色剤によると、混合物の有効成分を毛髪に十分に作用させることができ、十分な脱色力を得ることができる。
【0058】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜4及び比較例1〜3、酸化染毛剤)
表1に示すように、酸化染毛剤として第1剤及び第2剤を攪拌調製した。また、各例の第2剤はリン酸を添加してpH3に調整した。なお、表1における数値は重量%を示し、POEに付随するカッコ内の数値はエチレンオキシドの平均付加モル数を示す。第1剤及び第2剤の性状は、外観によって乳化物又は可溶化物と判別するとともに、電気伝導法によってエマルション及びミセルの型について判別した。第1剤及び第2剤の性状を表1に示す。
【0059】
【表1】
実施例1〜4の第1剤は、W/O型可溶化物を形成することができるため、乳化工程を必要とせず、簡便に調製することができた。また、実施例1、3及び4の第2剤は、水溶液を形成することができるため、簡便に調製することができた。さらに、実施例1〜4では第1剤中には界面活性剤のうち、非イオン性界面活性剤であるPOE(7)ラウリルエーテルが含有されている。POE(7)ラウリルエーテルのHLBは11であり、HLBが10〜15の範囲に含まれるものである。従って、第1剤は十分な低温安定性を得ることができた。
【0060】
次に、表1の各例の第1剤について下記(1)の項目の評価を行った。続いて、各例の第1剤及び第2剤を重量比において1:1の割合で混合することによって混合物を得た。これらの混合物について下記(2)〜(5)の項目の評価を行った。これらの評価結果を表2に示す。
(1)第1剤の保存安定性
第1剤をガラス瓶に入れ、40℃で1ヶ月間保存した後、分離や着色の有無を調べ、分離・着色ともになし(○)、やや分離あり(△)及び分離・着色ともにあり(×)の3段階で評価した。
(2)混合物の性状
混合物の性状を第1剤及び第2剤の性状を判別した方法と同じ方法で判別した。
(3)染色性
毛束に混合物を塗布することによって染毛処理を施した。染毛処理を施した毛束を目視にて観察し、染色性について優(◎)、良(○)、やや不良(△)及び不良(×)の4段階で評価した。
(4)明度
染毛処理を施した毛束を目視にて観察し、明度について優れた明度(◎)、良好な明度(○)、明度がやや不十分(△)及び明度が不十分(×)の4段階で評価した。
(5)コンディショニング性
染毛処理を施した毛束を手で触れたときの感触を、優(◎)、良(○)、やや不良(△)、不良(×)の4段階で評価した。
【0061】
【表2】
表1及び表2の結果から明らかなように、実施例1〜4では第1剤はW/O型可溶化物を形成し、混合物はO/W型乳化物を形成するため、第1剤の保存安定性、染色性、明度及びコンディショニング性について優れた結果であった。また、実施例1〜4では、第1剤中にHLBが11であるPOE(7)ラウリルエーテルが含有されているため、混合物を容易にO/W型乳化物とすることができた。実施例3では、第2剤中に増粘剤のうち前記(a)/(b)共重合体としてアクリル酸アルキル/イタコン酸ステアレス−20共重合体が含有されている。従って、混合物に適度な粘度を与えることができ、毛束に染毛処理を施す際、混合物の垂れ落ちを抑制することができた。
【0062】
これらに対し、比較例1及び比較例2は従来の液状タイプの酸化染毛剤と同様の組成であって、第1剤はO/W型可溶化物を形成しているため、第1剤の保存安定性は良好であるが、染色性、明度及びコンディショニング性がやや不良であった。比較例3は従来のクリーム状タイプの酸化染毛剤と同様の組成であって、染色性、明度及びコンディショニング性は良好であるが、第1剤がO/W型乳化物を形成しているため、第1剤の保存安定性がやや劣るものであった。
(実施例5〜8及び比較例4〜6、毛髪脱色剤)
表3に示すように、毛髪脱色剤として第1剤及び第2剤を攪拌調製した。また、各例の第2剤はリン酸を添加してpH3に調整した。なお、表3における数値は重量%を示し、POEに付随するカッコ内の数値はエチレンオキシドの平均付加モル数を示す。第1剤及び第2剤の性状の判別については上記酸化染毛剤と同様の方法を用いた。
【0063】
【表3】
表3の各例の第1剤について、下記の(6)の項目の評価を行った。続いて、各例の第1剤及び第2剤を重量比において1:1の割合で混合することによって混合物を得た。これらの混合物について下記(7)〜(9)の評価を行った。これらの評価結果を表4に示す。
(6)第1剤の保存安定性
第1剤をガラス瓶に入れ、40℃で1ヶ月間保存した後、分離の有無を調べ、分離なし(○)、やや分離あり(△)及び分離あり(×)の3段階で評価した。
(7)混合物の性状
上記酸化染毛剤の(2)と同じ方法で判別した。
(8)明度
毛束に混合物を塗布することによって脱色処理を施した。脱色処理を施した毛束を目視にて観察し、上記酸化染毛剤の(4)と同じ基準で評価した。
(9)コンディショニング性
脱色処理を施した毛束を手で触れたときの感触を、上記酸化染毛剤の(5)と同じ基準で評価した。
【0064】
【表4】
表4の結果から明らかなように、実施例5〜8では第1剤はW/O型可溶化物を形成し、混合物はO/W型乳化物を形成するため、第1剤の保存安定性、明度及びコンディショニング性について優れた結果が得られた。
【0065】
これらに対し、比較例4及び比較例5は従来の液状タイプの毛髪脱色剤と同様の組成であって、第1剤はO/W型可溶化物を形成しているため、第1剤の保存安定性は良好であるが、明度及びコンディショニング性がやや不良であった。比較例6は従来のクリーム状タイプの毛髪脱色剤と同様の組成であって、明度及びコンディショニング性は良好であるが、第1剤がO/W型乳化物を形成しているため、第1剤の保存安定性がやや劣るものであった。
【0066】
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記第2の実施形態においては、毛髪化粧料組成物を2剤式の毛髪脱色剤に適用している。しかし、前記第2の実施形態の第1剤及び第2剤に、さらにアルカリ剤、過硫酸塩、油性成分、界面活性剤等を含有する粉末状又はクリーム状の第3剤を加えて、毛髪化粧料組成物を3剤式の毛髪脱色剤に適用してもよい。
【0067】
・ 前記第2の実施形態における2剤式の毛髪脱色剤及び上記の3剤式の毛髪脱色剤を染毛剤等で染められた髪を元の色に戻すための毛髪脱染剤として使用してもよい。
【0071】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の毛髪化粧料組成物によれば、十分な染毛力を得ることができるとともに、十分な保存安定性を得ることができる。また、簡便に製造することができる。
【0072】
請求項2に記載の発明の毛髪化粧料組成物によれば、十分な脱色力を得ることができるとともに、十分な保存安定性を得ることができる。また、簡便に製造することができる。
【0073】
請求項3に記載の発明の毛髪化粧料組成物によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、より簡便に製造することができる。
請求項4に記載の発明の毛髪化粧料組成物によれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、混合物を毛髪に塗布する際、混合物の垂れ落ちを抑制することができる。
Claims (4)
- (A)アルカノールアミン、(B)油性成分、(C)界面活性剤、(D)水と水溶性溶媒の少なくとも一方及び(E)染料を含有する第1剤と、酸化剤及び水を含有する第2剤を用時に混合調製して酸化染毛剤として用いられる毛髪化粧料組成物であって、前記第1剤には、前記油性成分が60〜70重量%含有されるとともに、前記(C)界面活性剤として、親水性−疎水性バランス(HLB)が10〜15の非イオン性界面活性剤を配合することにより、前記第1剤を油中水型可溶化物又は油中水溶性溶媒型可溶化物として構成し、第1剤と第2剤とを混合することにより水中油型乳化物となることを特徴とする毛髪化粧料組成物。
- (A)アルカノールアミン、(B)油性成分、(C)界面活性剤及び(D)水と水溶性溶媒の少なくとも一方を含有する第1剤と、酸化剤及び水を含有する第2剤を用時に混合調製して毛髪脱色剤として用いられる毛髪化粧料組成物であって、前記第1剤には、前記油性成分が60〜70重量%含有されるとともに、前記(C)界面活性剤として、親水性−疎水性バランス(HLB)が10〜15の非イオン性界面活性剤を配合することにより、前記第1剤を油中水型可溶化物又は油中水溶性溶媒型可溶化物として構成し、第1剤と第2剤とを混合することにより水中油型乳化物となることを特徴とする毛髪化粧料組成物。
- 前記第2剤は水溶液であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の毛髪化粧料組成物。
- 前記第2剤には、さらに増粘剤が含有されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物。
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