JP5766905B2 - 過酸化水素含有組成物 - Google Patents

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本発明は、過酸化水素含有組成物に関し、さらに詳しくは、毛髪染色剤、毛髪脱色・脱染剤等における酸化剤含有組成物として好適に用いられる過酸化水素含有組成物に関するものである。
従来より、毛髪を染色する方法として、酸化染料を用いる方法が知られている。酸化染料を用いる場合、酸化染料を発色させるなどの目的で、併せて酸化剤が用いられる。また、毛髪を脱色する、あるいは染色した毛髪を脱染する場合にも、酸化剤が用いられる。この種の酸化剤としては、過酸化水素が知られている。
毛髪を染色する場合において、過酸化水素は、使用時に酸化染料と混合されるが、使用前には酸化染料とは別の容器に保存される。また、毛髪を脱色・脱染する場合においては、必要に応じてアルカリ剤を併用することがあるが、過酸化水素は、使用時にアルカリ剤と混合され、使用前にはアルカリ剤とは別の容器に保存される。
ここで、過酸化水素を含有する組成物においては、使用前の保存状態で、分解されないように過酸化水素を安定化することが課題の一つになっている。そのため、通常は、過酸化水素含有組成物のpHを低く保つ方法が採られている。また、例えば特許文献1には、過酸化水素含有組成物中にフェノキシエタノールを配合することにより、過酸化水素の安定化を図る方法が提案されている。
特開2003−335614号公報
ところで、毛髪の染色等を行なう場合においては、仕上がりを良くするなどの目的で、通常、油性成分、界面活性剤などの種々の添加成分が用いられている。添加成分の一部は、使用前において、過酸化水素含有組成物中に配合されている。
そして、その配合される添加成分の種類によっては、過酸化水素が安定して存在できないことがあることが判明した。特に、過酸化水素含有組成物中に界面活性剤、とりわけ両性界面活性剤が配合されると、使用前の保存状態で、過酸化水素を顕著に不安定にすることが判明した。
本発明が解決しようとする課題は、界面活性剤を含む場合においても過酸化水素の安定性に優れる過酸化水素含有組成物を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る過酸化水素含有組成物は、下記(A)成分〜(D)成分を含有することを要旨とするものである。
(A)過酸化水素
(B)界面活性剤
(C)フェノキシエタノール
(D)安息香酸および安息香酸塩から選択される少なくとも1種
本発明に係る過酸化水素含有組成物においては、(D)成分の含有量は0.01〜1質量%の範囲内であることが望ましい。また、(D)成分に対する(C)成分の質量比は0.2〜2.5の範囲内であることが望ましい。そして、(B)成分は両性界面活性剤を含むことが望ましい。
本発明に係る過酸化水素含有組成物によれば、使用前の保存状態における過酸化水素の安定性に優れる。毛髪染色剤、毛髪脱色・脱染剤等における酸化剤含有組成物として用いる場合に配合される添加成分の存在下でも過酸化水素は安定して存在できる。特に、添加成分として界面活性剤、とりわけ両性界面活性剤を含む場合でも、過酸化水素は安定して存在できる。
次に、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明に係る過酸化水素含有組成物(以下、本組成物ということがある)は、(A)過酸化水素、(B)界面活性剤、(C)フェノキシエタノール、(D)安息香酸および安息香酸塩から選択される少なくとも1種、を含有するものである。
(A)成分の過酸化水素は、酸化剤として毛髪に含まれるメラニンを脱色するために用いる。(A)成分の含有量としては、好ましくは0.1〜15.0質量%の範囲内、より好ましくは2.0〜9.0質量%の範囲内、さらに好ましくは3.0〜6.0質量%の範囲内である。(A)成分の含有量が0.1質量%未満では、メラニンを脱色する効果が低下しやすい。また、毛髪染色用に用いられるときには酸化染料と混合されるが、この酸化染料を酸化する効果が低下しやすい。一方、(A)成分の含有量が15.0質量%を超えると、毛髪を傷めやすい。
(B)成分の界面活性剤は、本組成物を乳化したり、本組成物の均一性や安定性を保持するなどの目的で用いる。界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを挙げることができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウムなどを挙げることができる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、セチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウムなどを挙げることができる。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル、ステアリン酸グリセリルなどを挙げることができる。両性界面活性剤としては、例えば、ココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン(ラウリン酸アミドプロピルベタイン)、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウリルベタイン(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインなどを挙げることができる。(B)成分の界面活性剤は、これらのうちの1種であっても良いし、これらのうちの2種以上の組み合わせであっても良い。
(B)成分の含有量としては、0.1〜10.0質量%の範囲内であることが好ましい。(B)成分の含有量が0.1質量%未満では、本組成物の均一性や安定性を保持する効果が低下しやすい。一方、(B)成分の含有量が10.0質量%を超えると、毛髪がべたつき、感触が低下するおそれがある。
(C)成分のフェノキシエタノールは、後述する(D)成分の安息香酸などとともに、過酸化水素の分解を抑制して過酸化水素の安定化を図るために用いる。(C)成分の含有量としては、好ましくは0.05〜1.0質量%の範囲内、より好ましくは0.15〜1.0質量%の範囲内、さらに好ましくは0.15〜0.8質量%の範囲内である。(C)成分の含有量が0.05質量%未満では、過酸化水素の安定性が低下しやすい。一方、(C)成分の含有量が1.0質量%を超えると、(C)成分に起因する臭気が強くなる。
(D)成分は、(C)成分のフェノキシエタノールとともに、過酸化水素の分解を抑制して過酸化水素の安定化を図るために用いる。(D)成分は、安息香酸および安息香酸塩から選択される少なくとも1種である。安息香酸塩の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩などを挙げることができる。(D)成分は、これらのうちの1種であっても良いし、これらのうちの2種以上の組み合わせであっても良い。
(D)成分の含有量としては、好ましくは0.01〜1.0質量%の範囲内、より好ましくは0.1〜1.0質量%の範囲内、さらに好ましくは0.15〜1.0質量%の範囲内である。(D)成分の含有量が0.01質量%未満では、過酸化水素の安定性が低下しやすい。一方、(D)成分の含有量が1.0質量%を超えると、アルカリ度が上昇して頭皮の刺激に繋がったり、(D)成分自体の溶解性の低下が生じるおそれがある。
本組成物においては、(C)成分と(D)成分とをともに用いることにより、過酸化水素を安定化する効果を向上できる。この際、(D)成分に対する(C)成分の質量比(C/D比)は、0.2〜2.5の範囲内であることが好ましい。より好ましくは0.2〜1.0の範囲内である。C/D比が0.2未満では、過酸化水素を安定化する効果が低下しやすい。また、C/D比が2.5を超えても、過酸化水素を安定化する効果が低下しやすい。
本組成物においては、必要に応じて、上記(A)成分〜(D)成分の他に、水や、水を除く他の成分が含有されていても良い。他の成分としては、例えば、多価アルコール、キレート剤などを挙げることができる。
多価アルコールは、(C)成分の溶解性を向上させる、毛髪に保湿性を付与する、などの目的で用いられる。多価アルコールとしては、グリコール類、グリセリン類などを挙げることができる。より具体的には、グリコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどを挙げることができる。また、グリセリン類としては、例えば、グリセリン、ジグリセリンなどを挙げることができる。より好ましくは、溶解性向上の理由から、ジプロピレングリコールである。多価アルコールの含有量としては、好ましくは0.1〜5質量%の範囲内である。
キレート剤としては、エデト酸(EDTA、エチレンジアミン四酢酸)、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、ジエチレントリアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸三ナトリウム、ヒドロキシエタンジホスホン酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウムなどを挙げることができる。
これらのキレート剤は、主に組成物中の金属イオンを除去するために用いられ、キレート剤とその塩の配合量を調整することにより、pH調整を行うことができる。キレート剤は、これらのうちの1種であっても良いし、これらのうちの2種以上の組み合わせであっても良い。キレート剤の含有量としては、好ましくは0.01〜1質量%の範囲内である。キレート剤の含有量が上記範囲内にあると、組成物のpHを低く保ちやすい。これによっても、過酸化水素の分解を抑える効果がある。また、組成物のpHを低く保つことにより、防腐剤の添加が必要なくなる。
また、多価アルコール、キレート剤以外の他の成分としては、例えば、油性成分、水溶性高分子化合物、pH調整剤、粘度調整剤、保湿剤、帯電防止剤、毛髪柔軟剤、酸化防止剤、金属封鎖剤、賦形剤、色素、香料などを挙げることができる。これらは、適宜配合することができる。
油性成分は、主に、毛髪にうるおい感を付与する。油性成分としては、例えば、高級アルコール、油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル類、シリコーンなどを挙げることができる。油性成分は、これらのうちの1種であっても良いし、これらのうちの2種以上の組み合わせであっても良い。
高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール(セタノール)、2−ヘキシルデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、2−オクチルドデカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、デシルテトラデカノールなどを挙げることができる。
油脂としては、例えば、オリーブ油、ツバキ油、シア脂、アーモンド油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ブドウ種子油、アボカド油、マカダミアナッツ油、ヒマシ油、ヤシ油、月見草油などを挙げることができる。
ロウとしては、例えば、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油などを挙げることができる。
炭化水素としては、例えば、パラフィン、オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、ミネラルオイル、スクワラン、ポリブテン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリンなどを挙げることができる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸などを挙げることができる。
アルキルグリセリルエーテルとしては、例えば、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、及びイソステアリルグリセリルエーテルなどを挙げることができる。
エステル類としては、例えば、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸2−エチルへキシル、リシノール酸オクチルドデシル、10〜30の炭素数を有する脂肪酸コレステリル/ラノステリル、乳酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジオクチル、2−エチルヘキサン酸セチルなどを挙げることができる。
シリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、末端水酸基変性ジメチルポリシロキサン、650〜10,000の平均重合度を有する高重合シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーンなどを挙げることができる。
pH調整剤としては、例えば、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸第一アンモニウム、リン酸第二アンモニウム、クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ピロリン酸、グルコン酸、グルクロン酸、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、塩基性アミノ酸などを挙げることができる。
酸化防止剤としては、例えば、アスコルビン酸、亜硫酸塩などを挙げることができる。分散剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウムなどを挙げることができる。ポリペプチドとしては、例えば、コラーゲン、ケラチン、エラスチン、フィブロイン、コンキオリン、大豆タンパク及びカゼインなどのタンパク質を、酸、アルカリ又はプロテアーゼを用いて加水分解した加水分解物、並びに4級化したカチオン変性タンパク質などを挙げることができる。ポリペプチドは、主に毛髪を保護する。
本組成物においては、キレート剤、pH調整剤を配合するなどにより、pHを低く保つことが好ましい。好ましいpHの範囲としては、3〜5の範囲内である。本組成物のpHが3未満では、頭皮への刺激が生じるおそれがある。一方、本組成物のpHが5を超えると、過酸化水素の分解が起こりやすくなる。
本組成物は、毛髪染色剤の酸化剤組成物として用いることができる。また、本組成物は、毛髪脱色・脱染剤の酸化剤組成物として用いることができる。
過酸化水素を酸化剤とする毛髪染色剤は、通常、2剤式の製剤として構成される。本組成物は、2剤式の製剤における、いわゆる第2剤として用いることができる。なお、毛髪染色剤の第1剤は、染料、アルカリ剤、他の成分を含有するものから構成される。
第1剤における染料としては、酸化染料、直接染料などを挙げることができる。 酸化染料は、酸化剤(過酸化水素)による酸化重合によって発色可能な化合物である。酸化染料は、主要中間体およびカプラーに分類される。
主要中間体としては、例えば、パラフェニレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−パラフェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、パラアミノフェノール等の化合物、およびこれらの化合物の塩類などを挙げることができる。塩類としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩などを挙げることができる。
カプラーとしては、例えば、レゾルシン、ピロガロール、カテコール、メタアミノフェノール、メタフェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノール、1,2,4−ベンゼントリオール、トルエン−3,4−ジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、ハイドロキノン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノオルトクレゾール、パラメチルアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸プロピル、五倍子、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール、およびこれらの化合物の塩類などを挙げることができる。塩類としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩などを挙げることができる。
染料は、これらのうちの1種であっても良いし、これらのうちの2種以上の組み合わせであっても良い。染料の配合量は、特に限定されるものではないが、使用時において、好ましくは0.1〜10質量%の範囲内、より好ましくは0.5〜7質量%の範囲内である。
第1剤におけるアルカリ剤としては、例えば、アンモニア、硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等のアンモニウム塩、アルカノールアミンなどを挙げることができる。アルカリ剤は、主に酸化剤の作用を促進する。これにより、毛髪に明度を付与する。アルカリ剤は、これらのうちの1種であっても良いし、これらのうちの2種以上の組み合わせであっても良い。
アルカリ剤の配合量は、染色性に優れるなどの観点から、第1剤のpHが8〜12の範囲内となる量に設定することが好ましい。第1剤のpHが8未満では、酸化剤の酸化作用を十分に促進できにくい。一方、第1剤のpHが12を超えると、毛髪を傷めやすい。
第1剤における他の成分としては、例えば、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、ノニオン性ポリマー、キレート剤、賦形剤、界面活性剤、油性成分、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、分散剤、ポリペプチド、ビタミン類、香料、帯電防止剤、毛髪柔軟剤、色素、紫外線吸収剤、増粘剤などを挙げることができる。
カチオン性ポリマーとしては、例えば、塩化ジメチルジアリルアンモニウムポリマー、塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリルアミド共重合体などを挙げることができる。カチオン性ポリマーは、これらのうちの1種であっても良いし、これらのうちの2種以上の組み合わせであっても良い。
アニオン性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガムなどを挙げることができる。アニオン性ポリマーは、これらのうちの1種であっても良いし、これらのうちの2種以上の組み合わせであっても良い。
ノニオン性ポリマーとしては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどを挙げることができる。ノニオン性ポリマーは、これらのうちの1種であっても良いし、これらのうちの2種以上の組み合わせであっても良い。
賦形剤としては、例えば、硫酸ナトリウム、結晶性セルロース、デキストリン、デンプン、乳糖、白糖などを挙げることができる。賦形剤は、これらのうちの1種であっても良いし、これらのうちの2種以上の組み合わせであっても良い。防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステルなどを挙げることができる。分散剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウムなどを挙げることができる。ポリペプチドとしては、例えば、コラーゲン、ケラチン、エラスチン、フィブロイン、コンキオリン、大豆タンパク及びカゼインなどのタンパク質を、酸、アルカリ又はプロテアーゼを用いて加水分解した加水分解物、並びに4級化したカチオン変性タンパク質などを挙げることができる。ポリペプチドは、主に毛髪を保護する。
過酸化水素を酸化剤とする脱色・脱染剤には、1〜3剤式の製剤として構成されるものがある。本組成物は、1剤式の製剤として用いることができる。また、本組成物は、2剤式の製剤の第2剤として用いることができる。さらに、本組成物は、3剤式の製剤の第2剤として用いることができる。
2剤式の脱色・脱染剤において、第1剤としては、上記毛髪染色剤の第1剤から染料を除いたものを挙げることができる。また、上記毛髪染色剤の第1剤において例示したアルカリ剤以外のアルカリ剤、例えば、ケイ酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩など)、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどを含有し、染料を含有しないものから構成されていても良い。この際、アルカリ剤の含有量としては、使用時において、5〜20質量%の範囲内であることが好ましい。アルカリ剤の含有量が5質量%未満では、脱色力・脱染力が低下しやすい。一方、アルカリ剤の含有量が20質量%を超えると、第2剤との混合時に発熱しやすくなることがある。
2剤式の脱色・脱染剤の第1剤においては、上記アルカリ剤に加えて、過硫酸塩を含有していても良い。過硫酸塩は、酸化助剤として脱色力・脱染力の向上に寄与する。過硫酸塩としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどを挙げることができる。この第1剤中における過硫酸塩の含有量としては、30〜90質量%の範囲内であることが好ましい。過硫酸塩の含有量が30質量%未満では、脱色力・脱染力が低下しやすい。一方、過硫酸塩の含有量が90質量%を超えても、これ以上の脱色力・脱染力の向上効果が得られにくい。また、混合時に強く発熱するおそれがある。
3剤式の脱色・脱染剤において、第1剤としては、上記毛髪染色剤の第1剤から染料を除いたものを挙げることができる。また、3剤式の脱色・脱染剤において、第3剤としては、上記2剤式の脱色・脱染剤において例示した、上記毛髪染色剤の第1剤において例示したアルカリ剤以外のアルカリ剤および過硫酸塩を含有するものなどを挙げることができる。
本組成物の剤型は、水溶液状、水性分散液状、水性乳化液状などの液状、ゲル状、クリーム状、フォーム状など、特に限定されるものではない。また、上記毛髪染色剤や上記毛髪脱色・脱染剤における第1剤や第3剤の剤型は、粉末状、液状、ゲル状、クリーム状、フォーム状など、特に限定されるものではない。さらに、本組成物と第1剤、あるいは、本組成物と第1剤および第3剤とを混合して得られる毛髪染色剤、毛髪脱色・脱染剤の剤型は、ゲル状、クリーム状、フォーム状など、特に限定されるものではない。
本組成物を調製するには、(A)成分〜(D)成分および必要に応じて加える水、他の成分を攪拌混合する方法を採用できる。また、本組成物を含む毛髪染色剤、毛髪脱色・脱染剤を調製するには、調製した本組成物を用いる、第1剤と第2剤とを混合する、あるいは、第1剤〜第3剤を混合する方法を採用できる。
本組成物、毛髪染色剤や毛髪脱色・脱染剤における第1剤や第3剤、毛髪染色剤、毛髪脱色・脱染剤を液状、ゲル状、あるいは、クリーム状の剤型にするには、攪拌混合する方法を採用できる。また、これらをフォーム状の剤型にするには、噴射剤とともに所定の密閉容器内に入れた後吐出する、あるいは、攪拌混合する際に振とうする方法を採用できる。
本組成物を用いた毛髪染色剤や毛髪脱色・脱染剤を使用する場合には、必要量を櫛または刷毛につけて毛髪に塗布する方法を採用できる。これにより、毛髪の染色処理を行なう。次いで、塗布した状態で一定時間維持した後、染色処理された毛髪を水などで洗浄する。その後、洗浄した毛髪を乾燥させる。
以上の構成の本組成物によれば、使用前の保存状態における過酸化水素の安定性に優れる。毛髪染色剤、毛髪脱色・脱染剤等における酸化剤含有組成物として用いる場合に配合される添加成分の存在下でも過酸化水素は安定して存在できる。
特に、添加成分として界面活性剤、とりわけ両性界面活性剤を含む場合には、使用前の保存状態で、過酸化水素を顕著に不安定にすることが判明した。このような界面活性剤、とりわけ両性界面活性剤を含む場合でも、本組成物によれば、過酸化水素は安定して存在できる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
(過酸化水素含有組成物の調製)
表1、表2に記載の各成分を配合することにより、過酸化水素含有組成物を調製した。調製した過酸化水素含有組成物について、下記の方法に従って、過酸化水素の安定性および臭気について評価を行なった。なお、表1、表2に記載の各成分の配合量の単位は質量%である。
(過酸化水素の安定性)
調製した過酸化水素含有組成物を45℃の恒温槽にて1ヶ月間保存した後、残存する過酸化水素の量を酸化還元滴定法によって定量し、過酸化水素の残存率を算出した。評価基準は以下の通りである。評価結果は表1、表2に示した。
評価5:過酸化水素の残存率が99%以上
評価4:過酸化水素の残存率が98%以上99%未満
評価3:過酸化水素の残存率が97%以上98%未満
評価2:過酸化水素の残存率が96%以上97%未満
評価1:過酸化水素の残存率が96%未満
(臭気について)
調製した過酸化水素含有組成物の臭気を評価した。評価基準は以下の通りである。評価結果は表1、表2に示した。
評価3: フェノキシエタノールの原料臭が全くない。
評価2: フェノキシエタノールの原料臭がほとんどない。
評価1: フェノキシエタノールの原料臭が目立つ。
Figure 0005766905
Figure 0005766905
表1に示すように、比較例1〜5の過酸化水素含有組成物は、界面活性剤を含む系において、フェノキシエタノールおよび安息香酸(塩)の少なくともいずれか一方を含んでいない。比較例1〜5について、保存時における過酸化水素の安定性を見ると、安定性に劣っていることが分かる。このうち、比較例1〜2、4〜5の過酸化水素含有組成物は、界面活性剤として両性の界面活性剤を含んでいる。これらのものは、特に、保存時における過酸化水素の安定性に劣っている。
これに対し、実施例1〜19の過酸化水素含有組成物は、界面活性剤を含む系において、フェノキシエタノールおよび安息香酸(塩)のいずれも含んでおり、保存時における過酸化水素の安定性に優れていることが確認できた。そして、実施例1〜2と比較例1〜2とを比べれば、実施例は過酸化水素の安定性が向上していることが分かる。また、実施例5と比較例4とを比べれば、実施例は過酸化水素の安定性が向上していることが分かる。さらに、実施例8と比較例4〜5とを比べれば、実施例は過酸化水素の安定性が向上していることが分かる。そして、界面活性剤として両性の界面活性剤を含んでいる場合(実施例1、比較例1〜2など)で比較すれば、両性界面活性剤を含んでいる場合に特に過酸化水素の安定性の向上効果が高いことが分かる。
そして、実施例同士を比べれば次のことが分かる。すなわち、実施例9、13とそれ以外の実施例を比べれば、(D)成分に対する(C)成分の質量比(C/D比)が0.2〜2.5の範囲内であれば、より一層、過酸化水素の安定性に優れることが分かる。また、実施例9、10とそれ以外の実施例を比べれば、(D)成分の量が0.1質量%以上であれば、より一層、過酸化水素の安定性に優れ、(D)成分の量が0.15質量%以上であれば、特に、過酸化水素の安定性に優れることが分かる。また、実施例13、14とそれ以外の実施例を比べれば、(C)成分の量が0.1質量%以上であれば、より一層、過酸化水素の安定性に優れ、(C)成分の量が0.15質量%以上であれば、特に、過酸化水素の安定性に優れることが分かる。なお、実施例19とそれ以外の実施例を比べれば、(C)成分の配合量を0.15〜0.8質量%の範囲にすれば、フェノキシエタノールの臭気を抑えつつ、過酸化水素の安定性を図ることができることが分かる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。

Claims (3)

  1. 下記(A)成分〜(D)成分及びキレート剤を含有し、
    前記(C)成分の含有量が0.15〜1.0質量%の範囲内であり、
    前記(D)成分の含有量が0.1〜1.0質量%の範囲内であることを特徴とする過酸化水素含有組成物。
    (A)過酸化水素
    (B)界面活性剤
    (C)フェノキシエタノール
    (D)安息香酸および安息香酸塩から選択される少なくとも1種
  2. 前記(D)成分に対する前記(C)成分の質量比は、0.2〜2.5の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の過酸化水素含有組成物。
  3. 前記(B)成分は、両性界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の過酸化水素含有組成物。
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