JP5828996B2 - 毛髪化粧料組成物 - Google Patents
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以下、本発明に係る毛髪化粧料組成物を毛髪脱色剤に具体化した第1実施形態について詳細に説明する。本実施形態に係る毛髪脱色剤は、第1剤と第2剤とから構成される2剤式の毛髪化粧料である。
第1剤は、(A)炭酸系のアンモニウム塩及び(B)リン酸塩を含有し、pHが8.5〜9.5に調整される。
第2剤は、酸化剤を含有する。酸化剤は、毛髪に含まれるメラニンを脱色する。酸化剤としては、例えば過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、及びピロリン酸塩の過酸化水素付加物が挙げられる。第2剤中における酸化剤の含有量は、好ましくは0.1〜15.0質量%であり、より好ましくは2.0〜9.0質量%であり、最も好ましくは3.0〜6.0質量%である。酸化剤の含有量が0.1質量%未満では、メラニンを十分に脱色することができない場合がある。酸化剤の含有量が15.0質量%を超えると、毛髪に損傷等の不具合が発生するおそれがある。
(1)本実施形態に係る毛髪脱色剤は、(A)炭酸系のアンモニウム塩及び(B)リン酸塩を含有し、pHが8.5〜9.5である第1剤、並びに酸化剤を含有する第2剤とから構成される。したがって、炭酸系のアンモニウム塩を含有する第1剤の保存安定性を向上させることができる。また、脱色処理後の毛髪の明度を向上させることができる。
・前記実施形態の毛髪脱色剤は第1剤において、本発明の目的及び効果を阻害しない範囲内において、アルカリ剤、例えばアンモニア、アルカノールアミン、有機アミン類、無機アルカリ、塩基性アミノ酸、及びそれらの塩が含有されてもよい。
以下、本発明に係る毛髪化粧料組成物を染毛剤に具体化した第2実施形態について説明する。本実施形態に係る染毛剤は、第1剤と第2剤とから構成される2剤式の毛髪化粧料である。
酸化染料は、第2剤に含有される酸化剤による酸化重合に起因して発色可能な化合物であり、染料中間体及びカプラーに分類される。酸化染料は少なくとも染料中間体を含んでいる。
第1剤及び第2剤の剤型は特に限定されず、具体例として、例えば液状、ゲル状、フォーム状、及びクリーム状が挙げられる。液状としては、例えば水溶液、分散液、及び乳化液が挙げられる。染毛剤の使用時には、第1剤及び第2剤を混合することにより混合物が調製される。次いで、必要量の混合物がコーム(櫛)又は刷毛に付着されて毛髪に塗布される。
(1)本実施形態に係る染毛剤は、(A)炭酸系のアンモニウム塩及び(B)リン酸塩を含有し、pHが8.5〜9.5である第1剤、並びに酸化剤を含有する第2剤とから構成される。したがって、炭酸系のアンモニウム塩を含有する第1剤の保存安定性を向上させることができる。また、染色処理後の毛髪の明度を向上させることができるため、より鮮やかに染色することができる。
表1〜5に示す各成分を含有する、毛髪脱色剤の第1剤及び第2剤を調製した。表1〜5における各成分を示す欄中の数値は当該欄の成分の含有量を示し、その単位は質量%である。そして、第1剤と第2剤とを1:1の質量比で混合して毛髪脱色剤を調製した。尚、表4に示す毛髪脱色剤の第1剤は、第1剤95質量%及びLPG5質量%からなるエアゾールタイプとして調製した。得られた毛髪脱色剤を、黒毛の人毛毛束(以下、単に毛束という。)に刷毛を用いて塗布し、室温(25℃)にて30分間放置した。次に、毛束に付着した毛髪脱色剤を水で洗い流した後、毛束にシャンプーを2回、及びリンスを1回施した。続いて、毛束を温風で乾燥した後、一日間放置した。脱色処理が施された毛束について、下記に示す方法に従い明度の評価を行った。また、脱色処理前の各実施例及び比較例の毛髪脱色剤の第1剤について下記に示す方法に従い保存安定性の評価を行った。
脱色処理前の各実施例及び比較例の毛髪脱色剤の第1剤について、ガラス瓶に入れ、50℃の恒温漕中で1ヶ月間保存した後に毛髪脱色剤の第1剤の分離状態を目視にて評価することにより溶解状態の保持効果が良いか否かを判断した。分離がほとんど認められないものを評価5、分離があまり認められないものを評価4、分離が僅かに認められるもの評価3、分離がやや認められるもの評価2、分離がかなり認められるものを評価1とした。結果を表1〜4に示す。
10名のパネラーが毛髪脱色剤処理後の人毛毛束の明度を標準光源下で目視にて観察し、優れる(5点)、良好(4点)、可(3点)、やや不良(2点)及び不良(1点)の5段階で採点した。各パネラーの採点結果について平均値を算出し、平均値が4.6点以上を「優れる:5」、3.6点以上4.6点未満を「良好:4」、2.6点以上3.6点未満を「可:3」、1.6点以上2.6点未満を「やや不良:2」及び1点以上1.6点未満を「不良:1」とし、評価結果とした。結果を表1〜4に示す。
(a)炭酸系のアンモニウム塩を含有する溶液にリン酸塩を配合し、pHが8.5〜9.5に調整することを特徴とする炭酸系のアンモニウム塩含有溶液の安定化方法。
Claims (4)
- (A)炭酸系のアンモニウム塩として炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、及びカルバミン酸アンモニウムから選ばれる少なくとも一種、並びに(B)リン酸塩としてリン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三アンモニウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、及びリン酸水素アンモニウムナトリウムから選ばれる少なくとも一種を含有し、pHが8.5〜9.5である第1剤と、酸化剤を含有する第2剤とから構成され、染毛剤又は毛髪脱色剤として用いられる毛髪化粧料組成物。
- 前記第1剤中における(A)炭酸系のアンモニウム塩の含有量は、2.5〜16質量%であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪化粧料組成物。
- 前記第1剤中における(B)リン酸塩の含有量は、リン酸塩無水物に換算した場合0.2〜2.5質量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の毛髪化粧料組成物。
- 前記第1剤中における(B)リン酸塩のリン酸塩無水物に換算した場合の含有量に対する(A)炭酸系のアンモニウム塩の含有量の質量比が1〜7.5であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の毛髪化粧料組成物。
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