JP4744167B2 - 染毛剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、毛髪を脱色あるいは染色するための染毛剤組成物に関わり、更に詳細には染毛時の皮膚刺激を気にすることなく、簡便でかつ優れた脱色、染毛効果を有する染毛剤組成物に関する。
染毛剤は、広義には毛髪等を明るくする「脱色剤」と、毛髪等を染色する「染毛剤」がある。本明細書においては、上記両者を含めて「染毛剤組成物」と称する。
染毛剤組成物には、第1剤にアルカリや酸化染料を、第2剤に酸化剤をそれぞれ必須成分として含有する2剤型、これらに過硫酸塩を含有する酸化助剤を加える3剤型、更に2剤型もしくは3剤型に添加剤を加えるタイプのものが、従来から知られている。これらはいずれも使用時に混合して用いる。
これら染毛剤組成物において、アルカリ剤は重要な作用を有している。すなわち、アルカリ剤は系をアルカリ性にすることによって毛髪を柔軟、膨潤させて脱色や染毛をしやすくする他、第1剤と第2剤を混合した際に、第2剤の有効成分である過酸化水素のような酸化物をアルカリ性にすることによって分解させ、発生する酸素によって毛髪中のメラニン色素を分解し、毛髪を脱色する作用を有する。また、酸化染毛剤においては、発生した酸素が酸化染料を毛髪中に酸化定着させる基礎的な作用も有している。
染毛剤組成物において、第1剤に通常用いられるアルカリ剤としてはアンモニアとその塩類などの揮発性の高い有機アミンや、モノエタノールアミン、アミノメチルプロパノール等の不揮発性有機アミンがある。また、第2剤に用いられる酸化剤としては過酸化水素が、酸化助剤に用いられる成分としては過硫酸塩類が一般的である。しかし、これらは一次刺激性接触皮膚炎を起こすことで知られている。特にハイブリーチと呼ばれる3剤型の脱色剤や明るいタイプの酸化染毛剤にはこれらの成分が多く配合されており、その刺激については深刻なものであった。
これらを解消する目的で、ヘアカラーの前処理剤がある。これはほとんどがローション様の形態をとり、その主成分はミネラルオイル(流動パラフィン)で、ヘアカラーの前に頭皮に塗布するものである。これは皮膚をオイルで覆い、ヘアカラーが頭皮に付着することを防ぐ効果がある半面、前処理の手間や毛髪に付着すると染まりが悪くなるという欠点もあった。また、手間を解消する目的で主成分であるミネラルオイルを第1剤や第2剤に直接配合しても、その効果は皆無であった。
一方、従来よりある種の植物抽出物に抗炎症・刺激緩和効果があることが知られている。例えば、「毛髪処理」によって生じる不快感、刺激感及び掻痒感を防止するために、サンショウ抽出物を用いることが提案されている(特許文献1)。しかしながらこの方法でさえ、前処理剤に加えた場合は処理の手間があるなど、毛髪処理剤に直接加えた場合には効果がはっきりしないなどの問題があった。
特表2003-530332号公報
本発明の目的は、染毛時の皮膚刺激を気にすることなく使用できる、簡便で、且つ優れた脱色・染毛効果が得られる染毛剤組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、サンショウ抽出物と抗炎症・刺激緩和効果がある他の植物抽出物を併用することにより、それぞれを単独で使用する場合に比べて、染毛時の皮膚刺激を劇的に減らす効果があることを見出した。また、これらの成分を染毛剤混合液中に含有させると、前処理剤に配合するよりも、より高い皮膚刺激の低減効果が得られることを見出した。本発明者は、かかる知見に基づき、さらに研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、次に示す染毛剤組成物を提供する。
項1.(A)サンショウ抽出物及び(B)抗炎症・刺激緩和効果がある植物抽出物を含有する染毛剤組成物。
項2.(B)抗炎症・刺激緩和効果がある植物抽出物が、アルニカ抽出物、アロエ抽出物、オトギリソウ抽出物、カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、シソ抽出物、セイヨウサンザシ抽出物、チャボトケソウ抽出物、月見草抽出物、及びティーツリー抽出物からなる群より選ばれる少なくとも1種である項1に記載の染毛剤組成物。
項3.(A)サンショウ抽出物及び(B)抗炎症・刺激緩和効果がある植物抽出物の含有割合が重量比で100:1〜1:100の範囲である項1又は2に記載の染毛剤組成物。
項4.(A)サンショウ抽出物及び(B)抗炎症・刺激緩和効果がある植物抽出物の配合量が、染毛剤組成物の全重量に対し0.001〜10重量%である項1〜3のいずれかに記載の染毛剤組成物。
項5.アルカリ剤を含有する第1剤、酸化剤を含有する第2剤、及び必要に応じ添加剤を含む染毛剤組成物であって、(A)サンショウ抽出物と(B)抗炎症・刺激緩和効果がある植物抽出物とが少なくともいずれかの剤に含まれている項1〜4のいずれかに記載の染毛剤組成物。
項6.アルカリ剤を含有する第1剤、酸化剤を含有する第2剤、酸化助剤を含有する第3剤、及び必要に応じ添加剤を含む染毛剤組成物であって、(A)サンショウ抽出物と(B)抗炎症・刺激緩和効果がある植物抽出物とが少なくともいずれかの剤に含まれている項1〜4のいずれかに記載の染毛剤組成物。
以下、本発明を詳述する。
I.染毛剤組成物
本発明の染毛剤組成物は、(A)サンショウ抽出物及び(B)抗炎症・刺激緩和効果がある植物抽出物を含有している。
本発明の染毛剤組成物は、アルカリ剤及び必要に応じ酸化染料を含有する第1剤、酸化剤を含有する第2剤を含み、さらにこれに加えて酸化助剤を含有する第3剤や添加剤を含んでいてもよい。これら2剤型のものは使用時に第1剤と第2剤とを混合して、3剤型のものは使用時に第1剤、第2剤及び第3剤とを混合して、添加剤を含むものは使用時に2剤型又は3剤型に更に添加剤を混合して用いる。
本発明の染毛剤組成物の各剤は、剤型を特に限定することなく、公知の剤型、例えば、液状、クリーム状、粉末状、無水クリーム状等を任意に選択できる。
(A)サンショウ抽出物
本発明の必須成分であるサンショウ抽出物は、ミカン科サンショウ属に含まれるサンショウ(Zanthoxylum piperitum De Candoll)又はその他同属植物(Rutaceae)の成熟した果皮やその粉末をエタノール溶液にて抽出して得られる抽出物、もしくはそれを更にエタノールを留去して濃縮したものである。このサンショウ抽出物には、例えば、特表2002-520289号公報のような、超臨界条件の二酸化炭素で抽出して得られる抽出物や組成物も含まれる。
(B)抗炎症・刺激緩和効果がある植物抽出物
本発明の染毛剤組成物においては、(A)サンショウ抽出物と併用する(B)成分として、抗炎症・刺激緩和効果があるいずれかの植物抽出物が用いられる。効果及び安全面から、アルニカ抽出物、アロエ抽出物、オトギリソウ抽出物、カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、シソ抽出物、セイヨウサンザシ抽出物、チャボトケソウ抽出物、月見草抽出物、ティーツリー抽出物などが好適である。これらの植物抽出物は単独でも良いし、2種以上を併用してもよい。
以下に、本発明で用いられる(B)成分の植物抽出物を説明する。
アルニカ抽出物とはアルニカArnica montana Linne(Compositae)の花を原料に製造され、アロエ抽出物とはアロエAloe ferox Miller 又はこれとAloe africana Miller又はAloe spicata Bakerとの雑種(Liliaceae)の葉を原料に製造され、オトギリソウ抽出物とはオトギリソウHypericum erectum Thumb.又はコゴメバオトギリソウHypericum perforatum L.の花又は全草を原料に製造され、カミツレ抽出物とはカミツレMatricaria chamomilla L.の花を原料に製造され、カンゾウ抽出物とはカンゾウGlycyrrhiza glabra Linne var. glandulifera Regal et Herder、 Glycyrrhiza uralensis Fisher(Legminosae)又はその他同属植物の根及び根茎を原料に製造され、シソ抽出物とはシソPerilla frutescens Britton var. acuta Kudo又はその他近縁植物(Labiatae)の葉及び枝先を原料に製造され、セイヨウサンザシ抽出物とはセイヨウサンザシCrataegus oxyacantha Linne(Rosaceae)の花、葉又は果実を原料に製造され、チャボトケソウ抽出物とはチャボトケソウPassiflora incatnata L.の葉を原料に製造され、月見草抽出物とはツキミソウOenothera tetraptera CAV. Oenothera hookeri Torr & Gray 又はその他の同属植物(Onagraceae)の種子を原料に製造され、ティーツリー抽出物とはティーツリーMelaleuca alternifoliaの葉を原料に製造される。これらは、それぞれ水、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジエチレングリコールエチルエーテルあるいはこれらの混液で抽出された液状、もしくはこれらを濃縮した半固形状、固形状、粉末状の抽出物やそれぞれの原料を乾燥し粉末状にした物、それぞれの原料から得られる油脂状の物であり、通常、市販の化粧品原料となっているものが、入手の容易さ、有効成分の安定性から好ましい。
本発明において、(A)サンショウ抽出物及び(B)抗炎症・刺激緩和効果がある植物抽出物の含有割合は、重量比で100:1〜1:100の範囲にあることが好ましい。この割合が上記範囲を逸脱すると相乗効果が十分に発揮されず、本発明の目的が達せられない場合がある。
また、(A)サンショウ抽出物及び(B)抗炎症・刺激緩和効果がある植物抽出物の配合量は、広い範囲から選択できるが、一般には、(A)サンショウ抽出物及び(B)抗炎症・刺激緩和効果がある植物抽出物の配合量が、染毛剤組成物の全重量に対し0.001〜10重量%となるようにすればよい。
具体的には、(A)及び(B)の両方を、第1剤、第2剤、第3剤(酸化助剤)又は添加剤のいずれかに、又は(A)及び(B)を別々にそれぞれの剤に配合するのが好適である。(A)及び(B)の配合量が0.001重量%より少ないと目的とする効果が得られない場合があり、10重量%を超えるとベース自体の性状(色やにおい)に悪影響を及ぼす場合がある。効果及び経済性を考慮して0.01〜5重量%がより好ましい。
(A)サンショウ抽出物及び(B)抗炎症・刺激緩和効果がある植物抽出物は、両方を第1剤、第2剤、第3剤(酸化助剤)、添加剤のいずれかに配合してもよいし(A)及び(B)を別々にそれぞれの剤に配合してもよいため、また、それぞれの剤は混合することにより通常1/2〜1/20程度に希釈されるため、(A)及び(B)の配合量は、染毛剤組成物の全重量中の配合量として記載している。
なお、染毛剤組成物の全重量とは、用時調整される前の各剤の合計重量を意味する。例えば、2剤型の場合は第1剤と第2剤をあわせた重量を、3剤型の場合は第1剤と第2剤と第3剤を混合したときの重量を、2剤型もしくは3剤型に添加剤を加えるタイプの場合はそれぞれの剤の合計量に更に添加剤を混合したときの重量を意味する。
本発明の染毛剤組成物の第1剤、第2剤、酸化助剤、添加剤は必要に応じて以下の成分等を配合してもよい。以下、これら成分について説明する。
第1剤
第1剤の組成物としては、各種形態のものが使用でき、液状、クリーム状を問わない。
本発明の第1剤には、アルカリ剤を含有する。本発明におけるアルカリ剤としては、特に限定されることなく公知のものを広く使用してもよい。
具体的には、例えば、アンモニア、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(AMPD)、テトラキス(2−ヒドロキシイソプロピル)エチレンジアミン(TE)、モノイソプロパノールアミン(MIPA)などのアミン系アルカリ剤が挙げられる。また、アンモニア等のアミン系アルカリ剤の代わりに、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ剤も使用可能である。これらアルカリ剤を、1種又は2種以上配合してもよい。
本発明において、該アルカリ剤の配合量は、染毛剤組成物の第1剤の全重量に対して0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜17重量%、さらに好ましくは0.5〜15重量%である。0.1重量%より少ないと十分な脱色・染毛効果が得られず、20重量%を超えると毛髪に対してのダメージが大きくなる。
本発明の染毛剤組成物の第1剤には、必要に応じて以下の成分等を配合してもよい。以下、これら成分について説明する。
本発明の第1剤には、ジアルキルシクロヘキサンを含んでいてもよい。具体的には、1,3−ジオクチルシクロヘキサンが挙げられ、より具体的には1,3−ビス(2−エチルヘキシル)シクロヘキサンである。この化合物は、分子量308.59の公知化合物であり公知の方法によって製造できる。本発明においては、市販のものを使用することもできる。市販されているジオクチルシクロヘキサンの例示としては、例えば、商品名:CETIOL S(コグニス ジャパン(株))等が挙げられる。
ジアルキルシクロヘキサン(特に、ジオクチルシクロヘキサン)を含む場合、その配合量は、染毛剤組成物の第1剤の全重量に対して0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%であればよい。このジアルキルシクロヘキサンをアルカリ剤と併用することにより、脱色や染毛効果を低減することなく、アルカリ剤の配合量を大きく減らすことが可能となる。
第1剤には、さらに高級アルコール及び/又は界面活性剤を加えてもよい。これにより、脱色又は染毛において、安定性、操作性(例えば毛髪への塗布のしやすさ、垂れ落ちない、混合操作の容易さ等)、染色性、堅牢性の点で優れた効果が得られる。その配合量は、染毛剤組成物の第1剤の全重量に対して、高級アルコール及び/又は界面活性剤の純分に換算して合計で1〜40重量%である。1重量%より少ないと十分な安定性、操作性、染色性、堅牢性が得られず、40重量%を超えても増加分の向上が認められない。効果及び経済性を考慮すると、3〜30重量%の範囲が好ましい。
ここで、本発明に用いられる高級アルコールとしては、炭素数8〜24のアルコールが挙げられ、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、セトステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール等が挙げられる。これらの中でも特にセタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、ヘキシルデカノールが安定性の面から好ましい。
また、本発明に用いられる界面活性剤としては、特に限定されることなく、公知のものを広く使用できる。具体的には非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤等が挙げられる。より具体的には、以下の通りで少なくとも1種以上加えると効果的である。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンイソセチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、N−アシル−L−グルタミン酸ジエタノールアミン、N−アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、イセチオン酸ナトリウム、ウンデシレノイルアミドエチルスルホコハク酸二ナトリウム、オクチルフェノキシジエトキシエチルスルホン酸ナトリウム、オレオイルザルコシン、オレオイルメチルタウリンナトリウム、カルボキシ化ポリオキシエチレントリデシルエーテル、L−グルタミン酸トリエタノールアミン硬化牛脂脂肪酸アミド、L−グルタミン酸ナトリウム硬化牛脂脂肪酸アミド、L−グルタミン酸ナトリウムヤシ油脂肪酸アミド、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウム、ジウンデシレノイルアミドエチルスルホコハク酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、ステアロイル−L−グルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウロイルエタノールアミドエステル二ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、セチル硫酸ジエタノールアミン、セチル硫酸ナトリウム、セトステアリル硫酸ナトリウム、デキストラン硫酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、トリデシル硫酸トリエタノールアミン、N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン、ポリオキシエチレンウンデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンペンタデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ジエタノールアミン、ミリスチル硫酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム、ミリストイルメチルアミノ酢酸ナトリウム、ミリストイルメチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸カリウム、ヤシ油脂肪酸・牛脂脂肪酸−L−グルタミン酸ナトリウムアミド、N−ヤシ油脂肪酸−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸−L−グルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシン、ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンカリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸エタノールアミンラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウロイル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン、ラウロイルサルコシンカリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルβ−アラニンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ウンデシノイル−カルボキシルメトキシエチルカルボキシメチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ウンデシル−N−ヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、ステアリルジメチルベタインナトリウム、ステアリルベタイン、ビス(ステアリル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリン)クロル酢酸錯体、ヤシ油アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ヤシ油アルキルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、ヤシ油脂肪酸−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムジナトリウムラウリル硫酸、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸トリエタノールアミン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化オクタデシルアンモニウム、塩化オクチルジヒドロキシエチルメチルアンモニウム、塩化ジアルキル(12〜15)ジメチルアンモニウム、塩化ジアルキル(14〜18)ジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジ(ポリオキシエチレン)オレイルメチルアンモニウム、塩化ステアリルジヒドロキシエチルベタインナトリウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ポリオキシエチレン(1)ポリオキシプロピレン(25)ジエチルメチルアンモニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化メチルベンゼトニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルピリジニウム、臭化アルキルイソキノリニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン等が挙げられる。
第1剤は水を含有していてもよく、通常精製水が用いられる。水の配合量としては、各成分を所定量配合した場合の残部であり、その配合量は、好ましくは第1剤全重量に対して、10〜95重量%程度である。ただし、本発明の染毛剤組成物が染毛剤の場合は、通常酸化染料や酸化防止剤を含むため、水の配合量は、好ましくは10〜80重量%程度となる。
本発明の染毛剤組成物が染毛剤の場合には、通常第1剤に、酸化染料を含有している。酸化染料としては、特に限定することなく、公知のものを広く使用できる。より具体的には、次のものを例示することができる。5−アミノオルトクレゾール、硫酸5−アミノオルトクレゾール、2−アミノ−4−ニトロフェノール、2−アミノ−5−ニトロフェノール、1−アミノ−4−メチルアミノアントラキノン、3,3’−イミノジフェノール、塩酸2,4−ジアミノフェノール、塩酸トルエン−2,5−ジアミン、塩酸ニトロパラフェニレンジアミン、塩酸パラフェニレンジアミン、塩酸N−フェニルパラフェニレンジアミン、塩酸メタフェニレンジアミン、オルトアミノフェノール、カテコール、酢酸N−フェニルパラフェニレンジアミン、1,4−ジアミノアントラキノン、2,6−ジアミノピリジン、硫酸2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、ジフェニルアミン、トルエン−2,5−ジアミン、トルエン−3,4−ジアミン、α−ナフトール、ニトロパラフェニレンジアミン、パラアミノフェニルスルファミン酸、パラアミノフェノール、パラニトロオルトフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、パラメチルアミノフェノール、ピクラミン酸、ピクラミン酸ナトリウム、ピクリン酸、2−ヒドロキシ−5−ニトロ−2’,4’−ジアミノアゾベンゼン−5−スルホン酸ナトリウム、ヒドロキノン、ピロガロール、N−フェニルパラフェニレンジアミン、フロログルシン、ヘマテイン、没食子酸、メタアミノフェノール、メタフェニレンジアミン、硫酸2−アミノ−5−ニトロフェノール、硫酸オルトアミノフェノール、硫酸オルトクロルパラフェニレンジアミン、硫酸4,4’−ジアミノジフェニルアミン、硫酸トルエン−2,5−ジアミン、硫酸ニトロパラフェニレンジアミン、硫酸パラアミノフェノール、硫酸パラニトロオルトフェニレンジアミン、硫酸パラニトロメタフェニレンジアミン、硫酸パラフェニレンジアミン、硫酸パラメチルアミノフェノール、硫酸メタアミノフェノール、硫酸メタフェニレンジアミン等。
上記染料を、単独で或いは2種以上を混合して用いてもよい。酸化染料の配合量としては、酸化染料の種類、希望の染着の程度等によって、適宜選択され、任意の量で配合することができるが、第1剤全重量に対して、上記酸化染料の少なくとも1種を、0.01〜20重量%、好ましくは、0.02〜12重量%配合するのがよい。
第1剤には、金属封鎖剤を配合してもよい。染毛剤組成物中に、金属イオンが存在すると、染毛剤第1剤中に含まれる酸化染料の発色を速めたり、染毛剤組成物中に含まれる一部の界面活性剤と不溶性物質をつくるので、これを防止するために金属封鎖剤を配合することができる。
金属封鎖剤としては、特に限定することなく、公知のものを広く使用できる。具体的には、例えば、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウムなど挙げられる。これら金属封鎖剤を、1種又は2種以上配合することができる。
金属封鎖剤の配合量としては、第1剤全重量に対して、上記金属封鎖剤の少なくとも1種を、0.01〜12重量%、好ましくは、0.02〜5重量%配合するのがよい。
第1剤には、油剤を配合することもできる。油剤としては、特に限定されることなく、従来から染毛剤組成物に使用されている公知のものを広く使用できる。具体的には、例えば、オリーブ油、ゴマ油、ヒマシ油、ヤシ油、ホホバ油、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、ワセリン、オレイン酸、ミリスチン酸イソプロピルなどが挙げられる。また、高重合メチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン、メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、メチルフェニルポリシロキサンやアミノ変性シリコーン等も使用できる。
上記油剤を1種又は2種以上配合することができ、油剤の配合量としては、通常配合されている配合量であれば、特に限定されないが、第1剤全重量に対して、0.1〜35重量%、好ましくは、0.2〜20重量%になるよう配合されるのが好ましい。
第1剤には、酸化防止剤を配合してもよい。本発明の染毛剤組成物が染毛剤の場合には、使用する前に酸化染料が酸化され、無用に発色することを抑える目的で、酸化防止剤を配合することができる。
酸化防止剤としては、特に限定することなく、公知のものを広く使用できる。具体的には、例えば、チオグリコール酸、チオグリコール酸カルシウム、チオグリコール酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸アンモニウム、没食子酸プロピル、トコフェロール、L−システイン、ホモシステイン、N−アセチル−L−システインなどが挙げられる。これら酸化防止剤を、1種又は2種以上配合することができる。
酸化防止剤の配合量としては、第1剤全重量に対して、上記酸化防止剤の少なくとも1種を、0.01〜10重量%、好ましくは、0.02〜5重量%配合するのがよい。
第1剤には、pH調整剤を配合してもよい。
アルカリ性にするためのpH調整剤としては、特に限定されることなく公知のものを広く使用でき、例えば、ハロゲン化アンモニウム(例えば、塩化アンモニウム)、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウムや乳酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、グリコール酸アンモニウム等のアンモニウム塩が、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸塩やそれらの水付加物等が、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの炭酸水素塩やそれらの水付加物等が挙げられる。なお、炭酸アンモニウムや炭酸水素アンモニウムは、アンモニウム塩であると同時に炭酸塩もしくは炭酸水素塩でもある。
酸性にするためのpH調整剤としては、特に限定することなく、公知のものを広く使用でき、例えば、リン酸、クエン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸、シュウ酸、ピロリドンカルボン酸などが挙げられる。これらpH調整剤は必要であれば1種又は2種以上配合してもよい。
pH調整剤の配合量としては、第1剤全重量に対して、上記pH調整剤の少なくとも1種以上を必要に応じて、0.01〜10重量%、好ましくは、0.02〜5重量%配合するのがよい。
本発明の染毛剤組成物がブリーチ剤の場合、第1剤の典型的な組成は、第1剤全重量に対して、アルカリ剤を0.1〜20重量%(好ましくは0.2〜17重量%)、ジオクチルシクロヘキサンを0.1〜20重量%(好ましくは、0.5〜15重量%)、高級アルコール及び/又は界面活性剤を純分に換算して1〜40重量%(好ましくは3〜30重量%)、水を10〜95重量%、金属封鎖剤を0.01〜12重量%(好ましくは0.02〜5重量%)、油剤を0.1〜35重量%(好ましくは0.2〜20重量%)、必要であればpH調整剤を0.01〜10重量%(好ましくは0.02〜5重量%)含むものである。また、上記第1剤には、(A)サンショウ抽出物及び(B)抗炎症・刺激緩和効果がある植物抽出物を含んでいるのが好ましく、この場合、第1剤中における(A)及び(B)の配合量は、(A)及び(B)を0.01〜10重量%(好ましくは、0.05〜7重量%)である。
本発明の染毛剤組成物が染毛剤の場合、第1剤の典型的な組成は、第1剤全重量に対して、アルカリ剤を0.1〜20重量%(好ましくは0.2〜17重量%)、ジオクチルシクロヘキサンを0.1〜20重量%(好ましくは、0.5〜15重量%)、高級アルコール及び/又は界面活性剤を純分に換算して1〜40重量%(好ましくは3〜30重量%)、水を10〜80重量%、酸化染料を0.01〜20重量%(好ましくは、0.02〜12重量%)、金属封鎖剤を0.01〜12重量%(好ましくは0.02〜5重量%)、油剤を0.1〜35重量%(好ましくは0.2〜20重量%)、酸化防止剤を0.01〜10重量%(好ましくは0.02〜5重量%)、必要であればpH調整剤を0.01〜10重量%(好ましくは0.02〜5重量%)含むものである。また、上記第1剤には、(A)サンショウ抽出物及び(B)抗炎症・刺激緩和効果がある植物抽出物を含んでいるのが好ましく、この場合、第1剤中における(A)及び(B)の配合量は、(A)及び(B)を0.01〜10重量%(好ましくは、0.05〜7重量%)である。
上記の第1剤のいずれの典型例においても(A)サンショウ抽出物及び(B)抗炎症・刺激緩和効果がある植物抽出物を含むものが好ましい。
このほか、公知の毛髪保護剤、着香料、プロピレングリコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール等の溶解剤、高分子化合物、色素、紫外線吸収剤、安定剤、浸透剤、湿潤剤、養毛剤なども染毛剤組成物の性能を損なわない程度に適宜加えてもよい。
第2剤
第2剤の組成物としては、各種形態のものが使用でき、液状、クリーム状を問わない。更に、本発明の第1剤と使用時に混合する第2剤としては、特に限定されることなく、公知のものを広く使用できる。具体的には、酸化剤を含んでおり、更に必要に応じて、以下の成分等を配合しても良い。以下、これら成分について説明する。
第2剤に含まれる酸化剤としては、特に限定することなく、公知のものを広く使用できる。具体的には、例えば、過酸化水素や水と接触して酸素を遊離するような過酸化物等が挙げられる。
より具体的には、過酸化水素(通常、10〜35重量%水溶液として使用される。)、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸アンモニウム、過ホウ酸カリウム、過炭酸ナトリウム、臭素酸ナトリウム(これらは、水溶液又は原料のままで配合される。)等が挙げられる。上記酸化剤を、1種又は2種以上混合して用いても良い。
酸化剤の配合量としては、染毛剤においては酸化染料をすべて酸化できる量であれば、また、ブリーチ剤においては脱色するのに十分な酸素が発生する量であれば特に限定されないが、第2剤中全重量に対して、酸化剤を0.01〜40重量%程度、好ましくは、0.1〜30重量%程度配合するのがよい。
第2剤は水を含有していてもよく、通常精製水を配合する。水の配合量としては、各成分を所定量配合した場合の残部であり、その配合量は、好ましくは第2剤全重量に対して、10〜95重量%程度である。
第2剤中に酸化剤の安定化剤を配合することもできる。該安定化剤としては、特に限定されることなく、従来から染毛剤組成物に使用されている公知のものを広く使用できる。より具体的には、リン酸、ピロリン酸、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、アセトアニリド、スズ酸ナトリウム等が挙げられる。
上記の安定化剤を、1種或いは2種以上配合することができる。上記の安定化剤の配合量としては、酸化剤が安定化される量であれば特に限定されることなく広い範囲から選択できる。一般には、第2剤全重量に対して、0.00005〜0.5重量%、好ましくは、0.0001〜0.1重量%の量で配合するのがよい。
第2剤中には、湿潤、保湿、柔軟作用を与えるためや、第2剤を増粘させる目的で油剤を配合することもできる。油剤としては、特に限定されることなく、従来から染毛剤組成物に使用されている公知のものを広く使用できる。より具体的には、ベヘニルアルコール、セタノール等の高級アルコール、アボガド油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油等の油脂、流動パラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソセチル、乳酸ミリスチル等のエステル類等が挙げられる。また、高重合メチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン、メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、メチルフェニルポリシロキサンやアミノ変性シリコーン等も使用できる。
上記の油剤は、1種単独で或いは2種以上混合して配合することができ、その配合量としては、添加目的を達成するに足る量であれば限定されることなく広い範囲から選択できる。一般には、第2剤全重量に対して、0.1〜35重量%、好ましくは、0.2〜20重量%の量で配合するのがよい。
第2剤中には、湿潤、柔軟、加脂、乳化する目的で界面活性剤を配合することもできる。界面活性剤としては、特に限定されることなく、公知のものを広く使用できる。具体的には、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤などが挙げられる。より具体的には、上記第1剤の成分中で記載したものが使用できる。
上記の界面活性剤は、1種単独で又は2種以上混合して配合することができる。該界面活性剤の配合量としては、添加目的を達成するに足る量であれば限定されることなく任意の量を使用できる。一般には、第2剤全重量に対して、60重量%程度までではあるが、0.5〜50重量%、好ましくは、1〜40重量%の量で配合することができる。
第2剤中にはまた、染毛剤組成物中に、金属イオンが存在すると、染毛剤第1剤中に含まれる酸化染料の発色を速めたり、染毛剤組成物中に含まれる一部の界面活性剤と不溶性物質をつくるので、これを防止するために金属封鎖剤を配合することができる。
金属封鎖剤としては、特に限定することなく、公知のものを広く使用できる。具体的には、例えば、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウムなどが挙げられる。これら金属封鎖剤を、1種又は2種以上配合することができる。
金属封鎖剤の配合量としては、第2剤全重量に対して、上記金属封鎖剤の少なくとも1種を、0.01〜1重量%、好ましくは、0.05〜0.5重量%配合するのがよい。
本発明の染毛剤組成物において、第2剤の典型的な組成は、第2剤全重量に対して、酸化剤を0.01〜40重量%程度、好ましくは、0.1〜30重量%、水を10〜95重量%程度、必要に応じて、酸化剤の安定化剤を0.00005〜0.5重量%、好ましくは、0.0001〜0.1重量%、油剤を0.1〜35重量%、好ましくは、0.2〜20重量%、界面活性剤を0.5〜50重量%、好ましくは、1〜40重量%、金属封鎖剤を0.01〜1重量%、好ましくは、0.05〜0.5重量%を含むものである。
また、上記第2剤には、(A)サンショウ抽出物及び(B)抗炎症・刺激緩和効果がある植物抽出物を含んでいてもよい。この場合、第2剤中における(A)及び(B)の配合量は、(A)及び(B)を0.01〜10重量%(好ましくは、0.05〜7重量%)であればよい。
このほか、本発明では、必要に応じて、公知の毛髪保護剤、着香料、色素、紫外線吸収剤、安定剤、浸透剤、湿潤剤、養毛剤なども、第2剤の性能を損なわない範囲に適宜加えてもよい。
第3剤
酸化助剤を含む第3剤を用いる場合、本発明の染毛剤組成物は通常ブリーチ剤として用いられる。この酸化助剤は、第1剤、第2剤及び第3剤を混合する際に、第2剤に含まれる酸化剤の分解を促進し、発生する酸素による毛髪中のメラニンの分解をより強める役割を果たす。
第3剤の組成物としては、各種形態のものが使用でき、粉末状、無水クリーム状を問わない。更に、本発明の第1剤、第2剤と使用時に混合する第3剤としては、特に限定されることなく、公知のものを広く使用できる。具体的には、酸化助剤を含んでおり、更に必要に応じて、アルカリ剤やその他の添加剤等を配合しても良い。以下、これら成分について説明する。
第3剤に含まれる酸化助剤としては、特に限定することなく、公知のものを広く使用できる。具体的には、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの過流酸塩が挙げられる。これら酸化助剤を、1種又は2種以上配合することができる。
酸化助剤の配合量としては、第3剤全重量に対して、上記酸化助剤の少なくとも1種又は2種以上を、10〜90重量%、好ましくは、20〜85重量%配合するのがよい。
第3剤にはアルカリ剤を配合することもできる。該アルカリ剤としては特に限定することなく、公知のものを広く使用できる。具体的には、例えば、ケイ酸塩(ナトリウム、カリウム、マグネシウム等)、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、酸化マグネシウム等が挙げられる。これらの中でも酸化剤の作用を促進する効果が高いことからケイ酸塩が好ましく、メタケイ酸ナトリウムが特に好ましい。アルカリ剤の配合量としては、第3剤全重量に対して、上記アルカリ剤の少なくとも1種又は2種以上を、1〜50重量%、好ましくは5〜45重量%配合するのがよい。
その他の添加成分として、油性成分を配合することが出来る。油性成分は、アルカリ剤、過硫酸塩等の粉末状の成分の飛散を防止するために配合される。油性成分の具体例としては、炭化水素、油脂、ロウ類、高級アルコール、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル類、シリコーン類等が挙げられる。これら油性成分を必要に応じて1種又は2種以上を配合することができる。
油性成分の配合量としては、第3剤全重量に対して、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上必要に応じて配合するのがよい。
このほか、本発明では、必要に応じて、公知の毛髪保護剤、着香料、色素、金属封鎖剤、安定剤、高分子化合物、増粘剤なども、第3剤の性能を損なわない範囲で適宜加えてもよい。
また、第3剤には、(A)サンショウ抽出物及び(B)抗炎症・刺激緩和効果がある植物抽出物を含んでいてもよい。この場合、液状抽出物よりも粉末状の方がより好ましい。第3剤中における(A)及び(B)の配合量は、(A)及び(B)を0.01〜10重量%(好ましくは、0.05〜7重量%)であればよい。
添加剤
本発明の添加剤は、主として毛髪保護の強化や、香りやエキス剤を配合して染毛中の時間をより快適に過ごす等のために用いられる。添加剤の組成物としては、各種形態のものが使用でき、液状、クリーム状、粉末状を問わない。更に、本発明の第1剤、第2剤(必要に応じて第3剤)と使用時に混合する添加剤としては、特に限定されることなく、公知のものを広く使用できる。
例えば、アミノ酸、たんぱく質及びこれらの加水分解物、アロマオイルなどが挙げられる。
このほか、本発明では、必要に応じて、公知の毛髪保護剤、着香料、色素、金属封鎖剤、安定剤、高分子化合物、水なども、添加剤の性能を損なわない範囲で適宜加えてもよい。
また、添加剤には、(A)サンショウ抽出物及び(B)抗炎症・刺激緩和効果がある植物抽出物を含んでいてもよい。この場合、添加剤中における(A)及び(B)の配合量は、(A)及び(B)を0.01〜10重量%(好ましくは、0.05〜7重量%)であればよい。
II.染毛剤組成物の製法及び染毛方法
本発明の染毛剤組成物における第1剤及び第2剤(及び必要に応じ第3剤、添加剤)は、公知の方法、例えば、各剤共に、全成分を配合し混合するか、必要に応じて、一部の成分を配合し加温後攪拌混合し、その後冷却して残りの成分を加え混合することによって製造することができる。こうして得られた第1剤及び第2剤(及び必要に応じ第3剤、添加剤)を、公知の方法、例えば、使用直前に混合することによって、染毛剤組成物として使用することができる。
本発明の染毛剤組成物が2剤型の場合は、脱色剤又は酸化染毛剤のいずれの形態であってもよく、第2剤の配合量は、第1剤の重量100重量部に対し、通常、100〜200重量部程度であればよく、好ましくは両者は等重量であればよい。更に添加剤を含む場合、第1剤の重量100重量部に対し、通常1〜20重量部程度であればよい。
本発明の染毛剤組成物が3剤型の場合は、通常脱色剤として用いられ、第2剤の配合量は、第1剤の重量100重量部に対し、通常、100〜500重量部程度であればよく、第3剤の配合量は、第1剤の重量100重量部に対し、通常、10〜200重量部程度であればよい。更に添加剤を含む場合、第1剤の重量100重量部に対し、通常1〜20重量部程度であればよい。
本発明の染毛剤組成物は、常法に従って染毛あるいは脱色処理することができ、染毛あるいは脱色時間は、酸化染料の種類、量、希望の染着あるいは脱色の程度によって、適宜選択されるが、通常40分程度までである。
本発明の染毛剤組成物は、染毛剤混合液中に(A)サンショウ抽出物及び(B)抗炎症・刺激緩和効果がある植物抽出物を併用することにより、その相乗効果で従来の脱色剤、染毛剤の皮膚刺激を減らすことができる。そのため、染毛時の皮膚刺激を気にすることなく使用できる。また、染毛剤組成物の混合液に配合することにより、前処理の必要もないため簡便である。また、アルカリ剤を多く含む明るい脱色剤や染毛剤も、皮膚刺激を気にすることなく使用できるため、脱色、染毛効果にも優れている。
以下、本発明について実施例を用いて説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例において、配合量は重量%で示す。
評価方法については、下記に示した方法によって各項目の評価を行なった。
前処理の有無
前処理剤として前腕内側の所定の場所へ適量塗布する。
○:前処理がなく、簡便である。
×:前処理があり、手間である。
1.皮膚刺激(紅斑)
第1剤及び第2剤(及び必要に応じ第3剤、添加剤)をそれぞれ所定の配合量加えて混合し、前腕内側の所定の場所へ適量塗布する。塗布後30分放置し、水洗した後、皮膚の状態を観察する。
◎:赤みは感じられない。
○:赤みはほとんど感じられない。
△:やや赤くなっている。
×:かなり赤くなっている。
2.染毛効果
第1剤と第2剤(及び必要に応じ第3剤、添加剤)をそれぞれ所定の配合量加えて混合し、混合物8gを得る。この混合物を、黒毛束(人毛)4gに塗布する。30℃で30分放置し、水洗、シャンプー後、熱風で乾燥した後の状態を観察する。また、前処理剤を用いる場合は混合液を塗布する前に、前処理剤を毛髪に塗布する。
◎:目標の色や明るさに均一に染まっている。
○:目標の色や明るさにほぼ均一に染まっている。
△:染まっている部分とそうでない部分があり、ムラになっている。
×:染まりが悪い。
3.性状
(A)サンショウ抽出物及び(B)抗炎症・刺激緩和効果がある植物抽出物を配合した剤の性状を観察する。
○:均一な状態であり、無着色、かつ臭いがほとんどない。
△:分離している、着色している、或いは植物抽出物独特の特異な臭いがする。
×:分離している、着色している、かつ植物抽出物独特の特異な臭いがする。
下記に本実施例で使用される略号の意味を示す。
EDTA・2Na:エデト酸二ナトリウム
TGAA:チオグリコール酸アンモニウム
試験例1
下記表に記載の各成分及び割合の第1剤、第2剤、及び必要に応じ第3剤(酸化助剤)、添加剤を常法に従って調整した。
即ち、第1剤についてはpH調整剤である各種アルカリ剤(アンモニア水又はモノエタノールアミン)以外の各成分を混合して75℃で加熱溶解させ、攪拌しながら冷却し、ついで45℃付近でアルカリ剤を配合して混合し、室温まで冷却した。
第2剤については、過酸化水素水、リン酸を除く成分を配合し、75℃で加熱溶解させ、攪拌しながら室温まで冷却し、過酸化水素水、リン酸を混合して調整した。
第3剤(酸化助剤)については、各成分を乳鉢に加え、乳棒で攪拌しながら均一な粉末に調整した。
添加剤については、室温で各成分を配合し、均一に溶解して調整した。
各実施例及び比較例の評価結果を、表1〜5に示す。
Figure 0004744167
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表1〜表5より、本染毛剤組成物は従来の脱色剤、染毛剤の皮膚刺激を減らすことができ、簡便で、かつ染毛効果に優れ、更には安全性にも優れるものであることが明らかになった。よって、本染毛剤組成物を用いることにより、皮膚刺激を気にすることなく、染毛することができることが明らかになった。

Claims (4)

  1. アンモニアを含有する第1剤、酸化剤を含有する第2剤、及び必要に応じ添加剤を含む染毛剤組成物であって、(A)サンショウ抽出物と(B)オトギリソウ抽出物とが、少なくともいずれかの剤に含まれている染毛剤組成物。
  2. アンモニアを含有する第1剤、酸化剤を含有する第2剤、酸化助剤を含有する第3剤、及び必要に応じ添加剤を含む染毛剤組成物であって、(A)サンショウ抽出物と(B)オトギリソウ抽出物とが、少なくともいずれかの剤に含まれている染毛剤組成物。
  3. (A)サンショウ抽出物及び(B)オトギリソウ抽出物の含有割合が重量比で100:1〜1:100の範囲である請求項1又は2に記載の染毛剤組成物。
  4. (A)サンショウ抽出物及び(B)オトギリソウ抽出物の配合量が、染毛剤組成物の全重量に対し0.001〜10重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の染毛剤組成物。
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