JP4080443B2 - 染毛剤組成物 - Google Patents
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所定の粘度を有する染毛剤を調製するために、従来、第1剤中に主に非イオン性界面活性剤を多量に配合し、水を多量に配合した第2剤と混合することにより増粘・ゲル化する機構が採用されている。
請求項3に記載の発明のゲル状染毛剤組成物では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記(B)成分として、(B−1)HLBが9以下の非イオン性両親媒性化合物及び(B−2)HLBが10以上の非イオン性両親媒性化合物とを含有することを特徴とする。
(A)リン酸エステル系化合物は、安定なゲルを形成すると共に、毛髪につやを付与し、毛髪の感触を良好にするために配合される。(A)成分の具体例としては、ラウリルリン酸、セチルリン酸、ポリオキシエチレン(以下、POEと略す)ラウリルエーテルリン酸、POEオレイルエーテルリン酸、POEセチルエーテルリン酸、POEステアリルエーテルリン酸、POEアルキルエーテルリン酸、POEアルキルフェニルエーテルリン酸、及びその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩)等が挙げられる。
(B−1)HLBが9以下の非イオン性両親媒性化合物の具体例としては、POE(3)ラウリルエーテル(HLB6)、POE(2)セチルエーテル(HLB8)、POE(2)ステアリルエーテル(HLB8)、POE(4)ステアリルエーテル(HLB8)、POE(5)ベヘニルエーテル(HLB7)、POE(5)イソステアリルエーテル(HLB7)、POE(2)オレイルエーテル(HLB7.5)、POE(5)POP(4)セチルエーテル(HLB8.7)、POE(12)POP(6)デシルテトラデシルエーテル(HLB8.5)、モノステアリン酸プロピレングリコール(HLB3.5)、モノステアリン酸グリセリル(HLB4)、モノオレイン酸テトラグリセリル(HLB6)、モノパルミチン酸ソルビタン(HLB6.7)、テトラオレイン酸POE(6)ソルビット(HLB8.5)、POE(6)ソルビットミツロウ(HLB7.5)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(4E.O.)(HLB6.5)、POE(5)硬化ヒマシ油(HLB6)、POE(7.5)硬化ヒマシ油(HLB6)等が挙げられる。なお、POP及びE.O.はそれぞれポリオキシプロピレン及びエチレンオキサイドを示し、POE、POP及びE.O.に付随する数値はそれぞれの付加モル数を示す。これらの(B−1)成分は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
(B−2)HLBが10以上の非イオン性両親媒性化合物の具体例としては、POE(9)ラウリルエーテル(HLB14.5)、POE(10)ラウリルエーテル(HLB14.5)、POE(21)ラウリルエーテル(HLB19)、POE(7)セチルエーテル(HLB11.5)、POE(10)セチルエーテル(HLB13.5)、POE(15)セチルエーテル(HLB15.5)、POE(30)セチルエーテル(HLB19.5)、POE(20)ステアリルエーテル(HLB18)、POE(10)オレイルエーテル(HLB14.5)、POE(20)オレイルエーテル(HLB17)、POE(50)オレイルエーテル(HLB18)、POE(10)ベヘニルエーテル(HLB10)、POE(20)ベヘニルエーテル(HLB16.5)、POE(30)ベヘニルエーテル(HLB18)、POE(10)オクチルドデシルエーテル(HLB10)、POE(10)POP(4)セチルエーテル(HLB10.5)、POE(20)POP(4)セチルエーテル(HLB16.5)、POE(20)POP(8)セチルエーテル(HLB12.5)、モノラウリン酸デカグリセリル(HLB15.5)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(25E.O.)(HLB15)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40E.O.)(HLB17.5)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(45E.O.)(HLB18)、モノヤシ油脂肪酸POE(20)ソルビタン(HLB16.9)、モノラウリン酸POE(6)ソルビット(HLB15.5)、POE(40)ラノリンアルコール(HLB17)、POE(30)フィトステロール(HLB18)、POE(25)モノステアレート(HLB15)、POE(80)硬化ヒマシ油(HLB15)等が挙げられる。これらの(B−2)成分は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
酸化染料は、酸化剤による酸化重合によって発色可能な化合物を示す。この酸化染料は、主要中間体及びカプラーに分類され、第1剤には少なくとも主要中間体が含有される。
アルカリ剤の具体例としては、アンモニア、アルカノールアミン、アンモニウム塩、有機アミン類(2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、グアニジン等)、無機アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、塩基性アミノ酸(アルギニン、リジン等)及びそれらの塩等が挙げられる。アルカノールアミンの具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。アンモニウム塩の具体例としては、ハロゲン化アンモニウム、無機系アンモニウム塩、有機系アンモニウム塩等が挙げられる。ハロゲン化アンモニウムとしては塩化アンモニウム等、無機系アンモニウム塩としては炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム等、有機系アンモニウム塩としては乳酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、グリコール酸アンモニウム等が挙げられる。
(A)及び(B)成分以外の界面活性剤としてはカチオン性界面活性剤、(A)成分以外のアニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
pH調整剤の具体例としては、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸等が挙げられる。
油性成分は、第1剤の安定性を向上させることが可能である。油性成分としては、油脂類、ロウ類、炭化水素類、エステル類、シリコーン類等が挙げられる。
第2剤には酸化剤が含有される。酸化剤は、酸化染料を酸化重合させて発色させるために配合される。酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物等が挙げられる。これらの酸化剤は単独で配合してもよく、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これらの酸化剤の中でも、メラニンの脱色力に優れることから、好ましくは過酸化水素である。
混合物は、第1剤及び第2剤を所定の割合で混合調製することによって得られる。第1剤と第2剤との混合割合は、好ましくは質量比で第1剤:第2剤=1:0.5〜1:5である。この混合割合よりも第1剤が多くなるか又は第2剤が多くなると第1剤中及び第2剤中における各成分の含有量を設定しにくくなるおそれがある。
混合物が塗布された毛髪は、一定時間放置されることにより染色される。一定時間放置後の毛髪には、プレーンリンス(水、温水等による毛髪のすすぎ)が施され、毛髪の染毛処理が仕上げられる。
・本実施形態のゲル状染毛剤組成物においては、第1剤中には(A)成分が含有されている。従って、安定なゲルを形成することができる。また、第1剤中には(B)〜(D)成分が含有されている。従って、第1剤の粘度安定性を向上させることができる。更に、(A)〜(C)成分の相乗作用によって毛髪に良好なつやを付与することができると共に、毛髪の感触を良好にすることができる。更に、複数回に分けて使用する場合、保存中に着色が起こらず半透明〜透明の美麗な外観を保つことができる。
・本実施形態のゲル状染毛剤組成物においては、更に(E)成分が含有されることが好ましい。このように構成した場合、毛髪により良好なつやを付与することができる。
・本実施形態のゲル状染毛剤組成物においては、第1剤と第2剤が混合調製された混合物のpHは、7.5〜9.4の範囲であることが好ましい。このように構成した場合、毛髪の損傷を防止し、均染性を向上させることができる。
・本実施形態のゲル状染毛剤組成物においては、第1剤と第2剤が混合調製された混合物の粘度は500〜8000mPa・sであることが好ましい。このように構成した場合、伸びがよく塗布しやすく、垂れ落ちを防止することができる。
表1及び表2に示す配合によって染毛剤組成物としての第1剤を調製した。また、表1及び表2に示す配合によって酸化剤組成物としての第2剤を調製した。なお、表1及び表2における各成分の配合量を示す数値の単位は質量%である。
各例における第1剤を25℃の恒温槽に入れ、3ヶ月保存した。3ヶ月保存後の第1剤の粘度をB型粘度計にて、ローターNo.4、回転数12rpm、25℃、1分間の条件で測定した。調製直後の第1剤を同条件で測定した粘度及び3ヶ月保存後の第1剤の粘度から粘度比率(=調製直後の粘度/3ヶ月保存後の粘度)を算出した。この粘度比率が0.80以上1.20未満(非常に優れる:5)、粘度比率が0.60以上0.80未満又は1.2以上2.0未満(優れる:4)、粘度比率が0.40以上0.60未満又は2.0以上4.0未満(良好:3)、粘度比率が0.20以上0.40未満又は4.0以上6.0未満(やや悪い:2)及び粘度比率が0.20未満又は6.0以上(悪い:1)の5段階で評価した。
第1剤と第2剤を1:1の質量比でアプリケータ内に入れ、10名のパネラーにより20回振盪して混合し、混合のし易さ及び混合状態について、10名のパネラーが外観を目視にて確認し、非常に混合しやすく均一になる(5点)、混合しやすくほぼ均一になる(4点)、混合しやすいがやや不均一な部分がある(3点)、混合しにくく不均一になる(2点)、非常に混合しにくく不均一になる(1点)の5段階で採点した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が4.6点以上を「非常に優れる:5」、3.6点以上4.5点以下を「優れる:4]、2.6点以上3.5点以下を「良好:3」、1.6点以上2.5点以下を「やや悪い:2」、1点以上1.5点以下を「悪い:1」とし、評価結果とした。
非常に伸びがよくて塗布しやすい(4点)、伸びがよくて塗布しやすい(3点)、やや伸びが悪く塗布しにくい(2点)、伸びが悪く塗布しにくい(1点)の4段階で採点した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が3.6点以上を「優れる:4」、2.6点以上3.5点以下を「良好:3」、1.6点以上2.5点以下を「やや悪い:2」、1点以上1.5点以下を「悪い:1」とし、評価結果とした。
垂れ落ちがない(3点)、やや垂れ落ちがある(2点)、垂れ落ちがある(1点)の3段階で採点した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が2.6点以上を「良好:3」、1.6点以上2.5点以下を「やや悪い:2」、1点以上1.5点以下を「悪い:1」とし、評価結果とした。
非常につやがある(4点)、ややつやがある(3点)、ややつやがない(2点)、つやがない(1点)の4段階で評価した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が3.6点以上を「優れる:4」、2.6点以上3.5点以下を「良好:3」、1.6点以上2.5点以下を「やや悪い:2」、1点以上1.5点以下を「悪い:1」とし、評価結果とした。
非常に良い(4点)、良い(3点)、やや悪い(2点)、悪い(1点)の4段階で評価した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が3.6点以上を「優れる:4」、2.6点以上3.5点以下を「良好:3」、1.6点以上2.5点以下を「やや悪い:2」、1点以上1.5点以下を「悪い:1」とし、評価結果とした。
均一によく染まる(4点)、ほぼ均一に染まる(3点)、ややムラがある(2点)、ムラがある(1点)の4段階で評価した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が3.6点以上を「優れる:4」、2.6点以上3.5点以下を「良好:3」、1.6点以上2.5点以下を「やや悪い:2」、1点以上1.5点以下を「悪い:1」とし、評価結果とした。
各例における第1剤を透明ガラス容器に入れ、常温(20℃)にて1週間保存した。保存後の第1剤の外観を目視にて確認し、空気に触れる表面のみやや着色(○)、内部までやや着色がある(△)、内部までかなり着色がある(×)の3段階で評価した。
(1)(C)成分がオレイン酸であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のゲル状染毛剤組成物。このように構成した場合、ゲルを安定化させる効果をより向上させることができる。
(2)前記混合物の粘度は500〜8000mPa・sである請求項1から請求項4及び上記(1)のいずれか一項に記載のゲル状染毛剤組成物。このように構成した場合、伸びがよく塗布しやすく、垂れ落ちを防止することができる。
・本明細書中において、混合物の「pH」の値は、第1剤及び混合物のそれぞれ10質量%水溶液を調製して、その水溶液を25℃にて測定した値である。
・本明細書中におけるHLB(親水性−親油性バランス)は、Griffinの式から算出されるものを示す。
Claims (4)
- 酸化染料、アルカリ剤及び水を含有し、使用時に酸化剤と混合して用いるゲル状染毛剤組成物であって、(A)リン酸エステル系化合物、(B)非イオン性両親媒性化合物、(C)高級脂肪酸、及び(D)炭素数12〜14の高級アルコールを含有することを特徴とするゲル状染毛剤組成物。
- 更に、(E)多価アルコールを含有することを特徴とする請求項1に記載のゲル状染毛剤組成物。
- 前記(B)成分として、(B−1)HLBが9以下の非イオン性両親媒性化合物及び(B−2)HLBが10以上の非イオン性両親媒性化合物とを含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のゲル状染毛剤組成物。
- 使用時のpHが7.5〜9.4であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のゲル状染毛剤組成物。
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