JP3984930B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、毛髪の脱色・脱染に使用される毛髪脱色・脱染剤及び毛髪の染色に使用される染毛剤等の毛髪化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の毛髪化粧料としては、第1剤にはアンモニア、モノエタノールアミン、界面活性剤、高級アルコール、油性成分、水等が含有され、第2剤には酸化剤が含有された脱色剤組成物及び染毛剤組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の脱色剤組成物及び染毛剤組成物は、モノエタノールアミンを配合するとともにアンモニアの配合量を削減し、アンモニアに起因する刺激臭を低減させている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−363049号公報(請求項1、請求項2等)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
最近の毛髪化粧料では、使用時における不快感を抑制するために刺激臭を一層低減することが要望されている。しかしながら、上記特許文献1に記載の脱色剤組成物及び染毛剤組成物では、そのような要望に対して、刺激臭の低減効果が不十分であるという問題があった。
【0005】
一方、アンモニアを配合しなければ、アンモニアを要因とする刺激臭は解消される。しかしながら、アンモニアを配合しなかった場合、アンモニアを配合した場合と比較して、仕上り後の毛髪の明度が不十分となるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、刺激臭を一層低減することができるとともに毛髪の明度を向上させることができる毛髪化粧料及び毛髪の明度を向上させることができる毛髪化粧料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の毛髪化粧料では、 使用時に酸化剤を含有する酸化剤組成物と混合される毛髪化粧料であって、下記の(A)〜(F)の各成分を含有するとともに前記(A)、(B)及び(D)の各成分について下記式(1)で示される重量比Xが5〜40であるものである。
(A)炭素数5〜18の分岐状脂肪酸と炭素数8〜16の高級アルコールとからなるエステル。
(B)分岐状炭化水素、及び炭素数14〜30の高級アルコールから選ばれる少なくとも一種。
(C)炭素数16〜25のアルキル基又は炭素数16〜25のアルケニル基を有するエーテル型非イオン性界面活性剤。
(D)カチオン性界面活性剤。
(E)水。
(F)揮発性アルカリ剤。
X=((A)成分の重量+(B)成分の重量)/(D)成分の重量・・・(1)
【0008】
請求項2に記載の発明の毛髪化粧料では、使用時に酸化剤を含有する酸化剤組成物と混合される毛髪化粧料であって、下記の(A)〜(E)及び(G)の各成分を含有するとともに前記(A)、(B)及び(D)の各成分について下記式(1)で示される重量比Xが5〜40であるものである。
(A)炭素数5〜18の分岐状脂肪酸と炭素数8〜16の高級アルコールとからなるエステル。
(B)分岐状炭化水素、及び炭素数が14〜30の高級アルコールから選ばれる少なくとも一種。
(C)炭素数16〜25のアルキル基又は炭素数16〜25のアルケニル基を有するエーテル型非イオン性界面活性剤。
(D)カチオン性界面活性剤。
(E)水。
(G)不揮発性アルカリ剤。
X=((A)成分の重量+(B)成分の重量)/(D)成分の重量・・・(1)
【0009】
請求項3に記載の発明の毛髪化粧料では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記酸化剤組成物との混合物の粘度が3000〜30000ミリパスカル秒(mPa・s)であることを特徴とする。
【0011】
請求項に記載の発明の毛髪化粧料では、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の発明において、水中油滴型(O/W型)乳化物であることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明を2剤式の毛髪脱色剤に適用した第1の実施形態について詳細に説明する。
【0013】
2剤式の毛髪脱色剤は、毛髪化粧料としての脱色第1剤と、酸化剤組成物としての脱色第2剤とから構成されている。脱色第1剤には、(A)〜(F)の各成分が含有されている。(A)成分は分岐状脂肪酸、分岐状脂肪酸の塩、及び分岐状脂肪酸と高級アルコールとからなるエステルから選ばれる少なくとも一種である。(B)成分は分岐状炭化水素、及び炭素数14〜30の高級アルコールから選ばれる少なくとも一種である。(C)成分は炭素数16〜25のアルキル基又は炭素数16〜25のアルケニル基を有するエーテル型非イオン性界面活性剤である。(D)成分はカチオン性界面活性剤、(E)成分は水、及び(F)成分は揮発性アルカリ剤である。また、脱色第2剤には酸化剤が含有されている。これらの脱色第1剤及び脱色第2剤は、使用時に混合されることにより、混合物としての脱色混合物が得られる。この脱色混合物が毛髪に塗布されることによって、毛髪は脱色される。
[脱色第1剤]
(A)分岐状脂肪酸、分岐状脂肪酸の塩、及び分岐状脂肪酸と高級アルコールとからなるエステルから選ばれる少なくとも一種は、(B)〜(E)の各成分とともに乳化物を形成することにより、刺激臭を一層低減するとともに毛髪の明度を向上するために配合される。分岐状脂肪酸は、脂肪酸の炭素鎖が分岐状をなすものであって、その具体例としては、イソステアリン酸、イソノナン酸、イソオクタン酸、ネオペンタン酸、ネオデカン酸等が挙げられる。分岐状脂肪酸の塩は、上記の分岐状脂肪酸のカリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられ、具体例としてはイソステアリン酸ナトリウム、イソステアリン酸アンモニウム、イソオクタン酸カリウム等が挙げられる。分岐状脂肪酸と高級アルコールとからなるエステルは、上記の分岐状脂肪酸と、セチルアルコール、イソセチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール等の高級アルコールとからなるエステルであって、具体的にはイソオクタン酸セチル、イソステアリン酸イソセチル、イソノナン酸2−エチルエキシル等が挙げられる。これらの(A)成分は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これらの(A)成分の中でも、刺激臭をより一層低減することができるとともに毛髪の明度をより向上することができることから、少なくとも分岐状脂肪酸と高級アルコールとからなるエステルを含有させることが好ましい。
【0014】
脱色第1剤中における(A)成分の含有量は、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.2〜8重量%、さらに好ましくは0.5〜6重量%である。この含有量が0.1重量%未満であると、刺激臭の低減効果及び明度の向上効果を十分に得ることが困難となるおそれがある。一方、10重量%を超えて配合しても、それ以上の効果を得ることが困難となり、不経済となるおそれがある。
【0015】
(B)分岐状炭化水素、及び炭素数が14〜30の高級アルコールから選ばれる少なくとも一種は、(A)及び(C)〜(E)の各成分とともに乳化物を形成することにより、刺激臭を一層低減するとともに毛髪の明度を向上するために配合される。分岐状炭化水素は、炭化水素の炭素鎖が分岐状をなす炭化水素を主成分とするものである。ここでいう主成分とは、50重量%以上であることをいうが、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上である。分岐状炭化水素の具体例としては、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、α−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。炭素数が14〜30の高級アルコールとしては、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、ベヘニルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ラノリンアルコール、2−オクチデカノール、2−ヘキシルデカノール、デシルテトラデカノール、アラキルアルコール等が挙げられる。これらの高級アルコールの炭素数が14未満又は30を超える場合、安定した乳化物が得られず、刺激臭を一層低減することができない。これらの(B)成分は単独で配合してもよく、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これらの(B)成分の中でも、脱色混合物の粘度を毛髪の塗布に適した範囲に設定し易いことから、分岐状炭化水素及び炭素数が14〜30の高級アルコールを併用することが好ましい。
【0016】
脱色第1剤中における(B)成分の含有量は、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.2〜18重量%、さらに好ましくは0.2〜16重量%である。この含有量が0.1重量%未満であると、刺激臭の低減効果及び明度の向上効果を十分に得ることが困難となるおそれがある。一方、20重量%を超えて配合しても、それ以上の効果は期待できなく、不経済となるおそれがある。
【0017】
(C)炭素数16〜25のアルキル基又は炭素数16〜25のアルケニル基を有するエーテル型非イオン性界面活性剤は、(A)、(B)、(D)及び(E)の各成分とともに乳化物を形成することにより、刺激臭を一層低減するとともに毛髪に明度を向上するために配合される。アルキル基の炭素数又はアルケニル基の炭素数が16未満又は25を超える場合、安定した乳化物が得られず、刺激臭を一層低減することができない。(C)成分の具体例としては、POE(2)セチルエーテル、POE(2)ステアリルエーテル、POE(5)ベヘニルエーテル、POE(2)オレイルエーテル、POE(20)POP(4)セチルエーテル、POE(30)セチルエーテル、POE(20)ステアリルエーテル、POE(20)ベヘニルエーテル、POE(30)ベヘニルエーテル、POE(7)セチルエーテル、POE(10)ベヘニルエーテル、POE(10)オレイルエーテル、POE(20)オレイルエーテル、POE(50)オレイルエーテル等が挙げられる。なお、POEはポリオキシエチレン及びPOPはポリオキシプロピレンを示し、POE及びPOPに付随する数値はそれぞれの付加モル数を示す。これらの(C)成分は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0018】
脱色第1剤中における(C)成分の含有量は、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜8重量%、さらに好ましくは0.3〜6重量%である。この含有量が0.01重量%未満であると、刺激臭の低減効果及び明度の向上効果を十分に得ることが困難となるおそれがある。一方、10重量%を超えて配合しても、それ以上の効果は期待できなく、不経済となるおそれがある。
【0019】
(D)カチオン性界面活性剤は、毛髪の感触を良好にするとともに乳化を補助するために配合される。(D)成分の具体例としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム等の第四級アンモニウム塩、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン等のサッカリン塩が挙げられる。これらの(D)成分は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これらの(D)成分の中でも、乳化の補助及び毛髪の感触に対する効果がバランスよく得られることから、少なくとも第四級アンモニウム塩を含有させることが好ましい。
【0020】
脱色第1剤中における(D)成分の含有量は、好ましくは0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜9重量%、さらに好ましくは0.5〜8重量%、最も好ましくは1.0〜7重量%である。この含有量が0.05重量%未満であると、毛髪の感触を良好にすることが困難となるおそれがある。一方、10重量%を超えて配合すると、乳化安定性及び毛髪の感触に対してそれ以上の効果が得られにくいだけでなく、それらが悪化するおそれがある。
【0021】
(E)水は、(A)〜(D)の各成分とともに乳化物を形成することにより、刺激臭を一層低減するとともに明度を向上するために配合される。脱色第1剤中における(E)成分の含有量は、好ましくは45〜90重量%、より好ましくは60〜85重量%、さらに好ましくは65〜80重量%である。この含有量が45〜90重量%であると、水中油滴型(O/W型)乳化物を形成させ易く、乳化安定性を向上させることができ、刺激臭をより一層低減することができる。この含有量が45重量%未満であると、O/W型乳化物を形成させることが困難となるおそれがある。一方、90重量%を超えて配合すると、他の成分の含有量を十分に確保することができなくなるおそれがある。
【0022】
(F)揮発性アルカリ剤は、毛髪を膨潤させるとともに酸化剤の作用を促進させ、毛髪に明度を付与するために配合される。この(F)成分は常温で揮発性を有するものであって、その具体例としてはアンモニア等が挙げられる。脱色第1剤中における(F)成分の含有量は、好ましくは0.1〜3.5重量%、より好ましくは0.3〜3重量%、さらに好ましくは0.5〜2重量%である。この含有量が0.1重量%未満であると、酸化剤の作用を十分に促進することができないおそれがある。一方、3.5重量%を超えて配合しても、本発明を具体化することによる刺激臭低減効果は得られるが、(F)成分自体の刺激臭が強すぎるため、製品として不十分となるおそれがある。
【0023】
脱色第1剤中における(A)、(B)及び(D)の各成分について、下記式(1)で示される重量比Xは、好ましくは5〜40、より好ましくは6〜35、さらに好ましくは7〜30である。
X=((A)成分の重量+(B)成分の重量)/(D)成分の重量・・・(1)
この重量比が5未満であると、(D)成分によって酸化剤の作用が阻害され、良好な明度が得られないおそれがある。一方、40を超えると、(D)成分の作用が(A)及び(B)の各成分に阻害され、良好な感触が得られないおそれがある。この重量比Xが5〜40であると、酸化剤及び(D)成分の作用を十分に発揮させることができ、毛髪の明度及び毛髪の感触のいずれも向上させることができる。また、脱色第1剤において重量比Xを5〜40、かつ(D)成分の含有量を0.5〜8重量%にすることにより、毛髪の明度及び毛髪の感触をさらに向上させることができる。
【0024】
脱色第1剤には、その他の成分として不揮発性アルカリ剤、油性成分、(C)及び(D)成分以外の界面活性剤、pH調整剤等を含有させることが可能である。
【0025】
不揮発性アルカリ剤は、(F)成分の作用を補助するために配合することが好ましい。不揮発性アルカリ剤の配合によって、脱色第1剤中における(F)成分の含有量を削減することができるため、刺激臭をより一層低減することができる。不揮発性アルカリ剤の具体例としては、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等)、有機アミン類(2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、グアニジン等)、無機アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、塩基性アミノ酸(アルギニン、リジン等)、塩基性アミノ酸の塩等が挙げられる。これらの不揮発性アルカリ剤は、単独で配合してもよく、複数を組み合わせて配合してもよい。これらの不揮発性アルカリ剤の中でも、酸化剤の作用を一層促進することができることから、アルカノールアミンを含有させることが好ましい。
【0026】
脱色第1剤中における不揮発性アルカリ剤の含有量は、好ましくは0.1〜3重量%、より好ましくは0.2〜2.8重量%、さらに好ましくは0.3〜2.5重量%である。この含有量が0.1重量%未満であると、(F)成分の作用を十分に補助することができないおそれがある。一方、3重量%を超えて配合すると、毛髪に損傷が生じ易くなるおそれがある。
【0027】
油性成分の具体例としては、炭化水素、油脂、ロウ類、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル類、シリコーン類等が挙げられる。炭化水素としては、上記(B)成分である分岐状炭化水素以外の流動パラフィン、オゾケライト、セレシン、パラフィン、ポリエチレン末、ワセリン等が挙げられる。油脂としては、オリーブ油等の各種植物性油脂、牛脂等の各種動物性油脂等が挙げられる。ロウ類としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等が挙げられる。高級脂肪酸としては、上記の(A)成分である分岐状脂肪酸以外のラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。アルキルグリセリルエーテルとしては、バチルアルコール(モノステアリルグリセリルエーテル)、キミルアルコール(モノセチルグリセリルエーテル)、セラキルアルコール(モノオレイルグリセリルエーテル)、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。エステル類として、上記の(A)成分である分岐状脂肪酸と高級アルコールとからなるエステル以外のアジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル等が挙げられる。シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン等が挙げられる。
【0028】
(C)及び(D)成分以外の界面活性剤としては、(C)成分以外の非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
pH調整剤は、アルカリ性である脱色第1剤のpHを調整するために配合される。pH調整剤の具体例としては、無機酸、有機酸、それらの塩等が挙げられる。無機酸としては、リン酸、硫酸、塩酸等、有機酸としてはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ピロリン酸、グルコン酸、グルクロン酸、アスコルビン酸、安息香酸等が挙げられる。無機酸及び有機酸の塩としては、上記の無機酸及び有機酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる他、炭酸アンモニウム等の炭酸塩が挙げられる。
【0029】
さらに、脱色第1剤に配合可能なその他の成分として、プロピレングリコール等の多価アルコール、加水分解ケラチン、カチオン化ポリマー、パーフルオロポリエーテル等の毛髪柔軟剤、粘度調整剤、保湿剤、帯電防止剤、酸化防止剤、防腐剤、金属封鎖剤、溶剤、色素、香料等が挙げられる。
【0030】
この脱色第1剤の剤型は、油中水滴型乳化物又はO/W型乳化物であるが、優れた乳化安定性が得られ、脱色混合物の刺激臭をより一層低減することができるとともに毛髪の明度をより向上させることができることから、O/W型乳化物であることが好ましい。
[脱色第2剤]
酸化剤は、毛髪に含まれるメラニンを脱色するために配合される。酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物等が挙げられる。これらの酸化剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これらの酸化剤の中でも、毛髪の脱色力に優れることから過酸化水素が好ましい。
【0031】
脱色第2剤中における酸化剤の含有量は、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.2〜8重量%、さらに好ましくは0.6〜6重量%である。この含有量が0.01重量%未満であると、酸化剤の作用を発揮させることが困難となり、メラニンを十分に脱色することができないおそれがある。一方、10重量%を超えて配合すると、毛髪に損傷等の不具合が発生するおそれがある。
【0032】
脱色第2剤に含有されるその他の成分としては、水、各種界面活性剤、油性成分、pH調整剤、金属封鎖剤等、脱色第2剤に通常配合される成分が挙げられる。
【0033】
水は、酸化剤等の溶媒又は分散媒として脱色第2剤を水溶液、分散液又は乳化物を形成するために配合される。脱色第2剤中における水の含有量は、好ましくは50〜98重量%、より好ましくは70〜95重量%である。この含有量が50重量%未満であると、水溶液、分散液又は乳化物を安定して形成することが困難となるおそれがある。一方、98重量%を超えて配合すると、脱色第2剤の均一性及び安定性を確保しにくくなる。
【0034】
この脱色第2剤の剤型としては、水溶液状、分散液状、乳化物状、ゲル状、フォーム状、クリーム状等が挙げられる。
[脱色混合物]
脱色混合物は、脱色第1剤及び脱色第2剤を所定の割合で混合調製することによって得られる。脱色第1剤と脱色第2剤との混合割合(=脱色第1剤の重量:脱色第2剤の重量)は、好ましくは1:0.5〜1:5、より好ましくは1:0.75〜1:3、さらに好ましくは1:0.8〜1:2である。この混合割合よりも脱色第1剤が多くなると、脱色第1剤中に含有する成分と脱色第2剤中に含有する成分との均一性が低下するおそれがある。一方、この混合割合よりも脱色第2剤が多い場合でも、本発明を具体化することによる刺激臭低減効果は得られるが、脱色第1剤中に含有される各成分の配合量を高める必要があり、脱色第1剤中における各成分の含有量を好ましい範囲に設定することが困難となるおそれがある。
【0035】
脱色混合物の粘度は、好ましくは3000〜30000ミリパスカル秒(mPa・s)、より好ましくは3500〜28000ミリパスカル秒、さらに好ましくは4000〜26000ミリパスカル秒である。この粘度が3000ミリパスカル秒未満であると、脱色混合物が毛髪になじみにくく、優れた明度を得ることが困難となるおそれがある。一方、30000ミリパスカル秒を超えると、毛髪に(B)成分等が過剰に残留し易く、毛髪がべたつく等、脱色処理後の毛髪の感触が悪化するおそれがある。また、脱色混合物の粘度を上記の範囲に設定することにより、脱色混合物に含有する(A)〜(E)成分による乳化構造がさらに安定して維持され、脱色混合物の刺激臭をより一層低減することができる。この粘度の値はB型粘度計を使用し、ローターNo.4、回転数12rpm、25℃、1分間の条件で測定した値を示す。
【0036】
さて、毛髪化粧料としての脱色第1剤を調製するには、(A)〜(F)の各成分及びその他の成分を攪拌混合する。このとき、脱色第1剤中には、(A)〜(E)の各成分が含有され、これらの成分により安定した乳化物が形成されている。そして、この乳化物には(F)成分が安定して取り込まれている。また、脱色第2剤は、酸化剤及びその他の成分を攪拌混合することにより調製される。
【0037】
次に、脱色第1剤及び脱色第2剤を使用するには、脱色第1剤及び脱色第2剤を所定の混合割合で混合することによって脱色混合物を調製する。このとき、(A)〜(E)の各成分が形成する乳化物の乳化構造は、混合調製時や混合調製後の脱色混合物中において、安定して維持される。従って、その乳化物に取り込まれている(F)成分の揮発性は抑制されている。
【0038】
続いて、毛髪に脱色処理を施すには、脱色混合物の必要量をコーム(櫛)又は刷毛に付着させ、毛髪に塗布する。このとき、(F)成分は(A)〜(E)の各成分が形成する乳化物に安定して取り込まれているため、脱色処理時における(F)成分の揮発性は抑制されている。
【0039】
以上詳述した第1の実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
・ 第1の実施形態の毛髪化粧料においては、脱色第1剤には(A)〜(F)の各成分が含有され、脱色第2剤と混合して使用されるようになっている。このように構成した場合、脱色混合物中では(F)成分は(A)〜(E)の各成分が形成する乳化物に安定して取り込まれ、その乳化構造は安定して維持される。従って、(F)成分の揮発性が抑制され、混合調製時から脱色処理時にかけて、脱色混合物の刺激臭を一層低減することができる。また、脱色第1剤における(A)〜(E)の各成分が形成する乳化物の安定性は優れるため、脱色第2剤が液状、クリーム状等の剤型であっても、その剤型に依存せずに脱色混合物の刺激臭を一層低減することができる。
【0040】
・ 第1の実施形態の毛髪化粧料においては、脱色混合物の粘度は3000〜30000ミリパスカル秒であることが好ましい。このように構成した場合、毛髪の感触及び毛髪の明度を向上させることができる。また、粘度をこの範囲にすることにより、(A)〜(E)の各成分が形成する乳化物がさらに安定して維持され、混合調製時から脱色処理時にかけて、脱色混合物の刺激臭をより一層低減することができる。
【0041】
・ 第1の実施形態の毛髪化粧料においては、(A)、(B)及び(D)の各成分における上記式(1)で示される重量比Xが5〜40であることが好ましい。このように構成した場合、酸化剤の作用が十分に発揮されるとともに(D)成分の作用が十分に発揮される。従って、毛髪の明度及び毛髪の感触を向上させることができる。
【0042】
・ 第1の実施形態の毛髪化粧料においては、脱色第1剤はO/W型乳化物であることが好ましい。このように構成した場合、乳化安定性に優れる脱色第1剤が得られ、脱色混合物中においてその乳化構造がさらに安定して保持される。従って、脱色混合物の刺激臭をより一層低減することができるとともに毛髪の明度をより向上させることができる。
【0043】
・ 従来の毛髪化粧料では、脱色処理後の毛髪の感触を向上させるために、脱色第1剤に(D)成分を含有させることが試みられている。ところが、(F)成分の存在下において(D)成分を含有させると、(F)成分を要因とする刺激臭が生じ易くなるという問題があった。そのため、刺激臭を少しでも低減させるには、(D)成分の含有量を削減する必要があった。(D)成分の含有量を削減することにより刺激臭は若干低減されるが、その刺激臭低減効果は十分ではなく、加えて、毛髪の感触が十分に得られなくなるという問題があった。第1の実施形態の毛髪化粧料においては、(F)成分を要因とする刺激臭は(A)〜(E)の各成分による刺激臭低減効果に加えて、(D)成分による毛髪の感触を向上する効果を得ることができる。さらに、第1の実施形態においては、脱色第1剤中における上記式(1)で示される重量比Xが5〜40、かつ(D)成分の含有量が0.5〜8重量%であることが好ましい。このように構成した場合、刺激臭をより一層抑制することができることに加え、毛髪の明度及び毛髪の感触をさらに向上させることができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を2剤式の毛髪脱色剤に適用した第2の実施形態について第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0044】
脱色第1剤には、第1の実施形態における(A)〜(E)の各成分及び(G)不揮発性アルカリ剤の各成分が含有されている。脱色第2剤は第1の実施形態の脱色第2剤と同じものが使用される。
【0045】
(G)不揮発性アルカリ剤は、毛髪を膨潤させるとともに酸化剤の作用を促進させ、毛髪に明度を付与するために配合される。(G)成分の具体例としては、上記第1の実施形態における脱色第1剤に記載の不揮発性アルカリ剤が挙げられる。これらの(G)成分は、単独で配合してもよく、複数を組み合わせて配合してもよい。これらの(G)成分の中でも、酸化剤の作用を一層促進することができることから、アルカノールアミンを含有させることが好ましい。
【0046】
脱色第1剤中における(G)成分の含有量は、好ましくは2〜10重量%、より好ましくは3〜8重量%、さらに好ましくは3〜7重量%である。この含有量が2重量%未満では、酸化剤の作用を十分に促進することが困難となるおそれがある。一方、10重量%を超えて配合すると、毛髪に損傷が生じ易くなるおそれがある。
【0047】
さて、この脱色第1剤中では(A)〜(E)の各成分により安定した乳化物が形成され、この乳化物には(G)成分が安定して取り込まれている。脱色第1剤及び脱色第2剤を所定の混合割合で混合することによって、(A)〜(E)の各成分が形成する乳化物は安定して維持されるため、脱色混合物中におけるその乳化物の分散性が向上される。そのため、脱色混合物が毛髪に塗布されると、その乳化物は毛髪の表面になじみ易くなり、毛髪の表面における乳化物の均一性を高めることができる。それに伴って、毛髪の表面における(G)成分の均一性が高まり、毛髪がより均一に膨潤されるとともに酸化剤の作用がより均一に促進されると考えられる。従って、第2の実施形態における毛髪化粧料によれば、毛髪の明度を向上することができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明を2剤式の染毛剤に適用した第3の実施形態について第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0048】
2剤式の染毛剤は、毛髪化粧料としての染毛第1剤及び酸化剤組成物としての染毛第2剤から構成されている。染毛第1剤には、第1の実施形態に記載の(A)〜(F)成分に加えて、染料が含有される。
【0049】
染料の具体例としては、酸化染料中間体、直接染料、レゾルシン、ピロガロール、カテコール、メタアミノフェノール、メタフェニレンジアミン、2,4−ジアミノフェノール、1,2,4−ベンゼントリオール、トルエン−3,4−ジアミン、トルエン−2,4−ジアミン、ハイドロキノン、α−ナフトール、2,6−ジアミノピリジン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、5−アミノオルトクレゾール、パラメチルアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、5−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルフェノール及びそれらの塩等が挙げられる。
【0050】
酸化染料中間体は、酸化剤により酸化されることによって毛髪を染色するものである。酸化染料中間体の具体例としては、フェニレンジアミン類(但し、メタフェニレンジアミンを除く。)、アミノフェノール類(但し、メタアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール及びパラメチルアミノフェノールを除く。)、トルイレンジアミン類(但し、トルエン−3,4−ジアミン及びトルエン−2,4−ジアミンを除く。)、ジフェニルアミン類、ジアミノフェニルアミン類、N−フェニルフェニレンジアミン類、ジアミノピリジン類(但し、2,6−ジアミノピリジンを除く)、それらの塩類等が挙げられる。塩類としては塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等が挙げられる。直接染料の具体例としては、「医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令」(昭和41年告示、厚生省)により定められた直接染料等が挙げられる。これらの染料は単独で配合してもよく、複数を組み合わせて配合してもよい。
【0051】
酸化染料中間体の中でも、染毛力が強いことからパラフェニレンジアミン、パラトルイレンジアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−パラフェニレンジアミン、N−フェニル−パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2−クロロパラフェニレンジアミン、N,N−ジメチルパラフェニレンジアミン、パラアミノフェノール、オルトアミノフェノール、2,6−ジクロロパラフェニレンジアミン、パラアミノフェニルスルファミン酸及びそれらの塩類から選ばれる少なくとも一種が好ましい。
【0052】
染毛第1剤中における染料の含有量は、好ましくは0.01〜15.0重量%である。この含有量が0.01重量%未満では十分な染毛力は得られにくい。一方、15.0重量%を超えて配合してもそれ以上の染毛力は得られにくい。
【0053】
第3の実施形態における毛髪化粧料によれば、第1の実施形態における毛髪化粧料と同様の効果を得ることができる。
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
【0054】
・ 前記第2の実施形態における脱色第1剤に染料を配合することにより、第2の実施形態の毛髪脱色剤を染毛剤として使用してもよい。
・ 前記第1の実施形態及び第2の実施形態における脱色第1剤及び脱色第2剤に、固体状のアルカリ剤を含有する脱色第3剤を加え、各剤を混合して使用するように構成してもよい。固体状のアルカリ剤としてはケイ酸塩(ナトリウム、カリウム、マグネシウム等)、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、酸化マグネシウム等が挙げられる。
【0055】
・ 前記第1の実施形態及び第2の実施形態における毛髪脱色剤を、染色された毛髪を脱染することを目的とする毛髪脱染剤として使用してもよい。
・ 前記第1の実施形態及び第2の実施形態における脱色第1剤にチオグリコール酸等の還元剤を含有させ、二浴式パーマネントウェーブ剤又は二浴式縮毛矯正剤として使用してもよい。
【0056】
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1) さらに、不揮発性アルカリ剤を含有する請求項1に記載の毛髪化粧料。この場合、刺激臭をより一層低減することができる。
【0057】
(2) 前記(D)成分の含有量が0.5〜8重量%である毛髪化粧料。この場合、毛髪の感触をさらに向上させることができる。
【0058】
(3) 毛髪の脱色又は毛髪の脱染に使用される毛髪化粧料。
(4) さらに染料を含有し、毛髪の染色に使用される毛髪化粧料。
【0059】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(2剤式毛髪脱色剤)
表1に示す配合によって毛髪化粧料としての脱色第1剤及び酸化剤組成物としての脱色第2剤を調製した。これらの脱色第1剤はO/W型乳化物であることが確認された。また、表2に示す配合によって従来の脱色第1剤及び脱色第2剤を調製した。各例の脱色第1剤のうち、上記(A)、(B)及び(D)の各成分を含有する脱色第1剤について、上記式(1)からXの値を算出した。Xの算出値を表1及び表2に示す。なお、表1及び表2における各成分の配合量を示す数値の単位は重量%である。
【0060】
【表1】
Figure 0003984930
【0061】
【表2】
Figure 0003984930
各例における脱色第1剤及び脱色第2剤を組み合わせて、1:1の重量割合で混合することにより脱色混合物を得た。各例の脱色混合物のうち、脱色第1剤に(F)成分が配合されていた脱色混合物について、下記の方法に従ってアンモニア揮発度を測定した。また、調製直後における各例の脱色混合物の粘度をB型粘度計にて、ローターNo.4、回転数12rpm、25℃、1分間の条件で測定した。さらに、各例の脱色混合物を黒色の人毛毛束に塗布して30分間放置後、水洗することにより人毛毛束に脱色処理を施した。脱色処理が施された人毛毛束について以下に示す明度及び感触の評価を行った。これらの結果を表3及び表4に示す。
<アンモニア揮発度>
調製直後の脱色混合物10gを開口部12cm2、容積3000cm3の容器に密閉して1分間放置後、容器内に揮発したアンモニアガス濃度α(ppm)を北川式ガス検知管にて測定した。この測定は温度25℃及び相対湿度25%の恒温恒湿室にて行った。測定したアンモニアガス濃度α(ppm)及び脱色混合物中における(F)揮発性アルカリ剤の含有量β(重量%)から下記式(2)によりアンモニア揮発度γを求め、この値から刺激臭の評価を行った。
γ=α/(100×β)・・・(2)
<明度>
10名のパネラーが人毛毛束の明度を目視にて観察し、優れる(5点)、良好(4点)、可(3点)、やや不良(2点)及び不良(1点)の5段階で採点した。各パネラーの採点結果について平均値を算出し、平均値が4.6点以上を「優れる:5」、3.6点以上4.5点以下を「良好:4」、2.6点以上3.5点以下を「可:3」、1.6点以上2.5点以下を「やや不良:2」及び1点以上1.5点以下を「不良:1」とし、評価結果とした。
<感触>
10名のパネラーが人毛毛束を手で触ったときの感触について、優れる(4点)、良好(3点)、やや不良(2点)及び不良(1点)の4段階で採点した。各パネラーの採点結果について平均値を算出し、平均値が3.6点以上を「優れる:◎」、2.6点以上3.5点以下を「良好:○」、1.6点以上2.5点以下を「やや不良:△」及び1点以上1.5点以下を「不良:×」とし、評価結果とした。
【0062】
【表3】
Figure 0003984930
【0063】
【表4】
Figure 0003984930
表3の結果から明らかなように、実施例1、4、5及び7では脱色第1剤に(A)〜(E)の各成分が含有されているため、(F)成分を要因とするアンモニア揮発度が1.1以下の低い値を示している。また、実施例1では(D)成分の含有量が0.5重量%以上、Xの算出値が5〜40、かつ粘度が3000〜30000mPa・sであるため、明度及び感触のいずれも優れる結果となっている。
【0064】
参考例2ではXの算出値が5未満であるため、明度について参考例2よりも実施例1の方が優れている。参考例3ではXの算出値が40を超えるため、感触について参考例3よりも実施例1の方が優れている。実施例4では粘度が3000mPa・s未満であるため、明度について実施例4よりも実施例1の方が優れている。実施例5では粘度が30000mPa・sを超えるため、感触について実施例5よりも実施例1の方が優れている。参考例6ではXの算出値が5未満、かつ粘度が3000mPa・s未満であるため、明度について参考例6よりも実施例1の方が優れている。実施例7では(D)成分の含有量が1.0重量%未満であるため、感触について実施例7よりも実施例1の方が優れている。
【0065】
これに対し、比較例1〜4では(A)〜(D)の各成分のうち、いずれか一種の成分が含有されていないため、表4に示すアンモニア揮発度が2.0以上の値を示している。このように、実施例1、4、5及び7のアンモニア揮発度は、比較例1〜4のアンモニア揮発度の40%以上低減され、実施例1、4、5及び7では優れた刺激臭低減効果が得られていることがわかる。
【0066】
また、実施例8及び9では(A)〜(E)の各成分が含有されているため、表3に示す明度及び感触について十分な結果が得られている。これに対し、比較例5〜8では、(A)〜(D)の各成分のうち、いずれか一種の成分が含有されていないため、表4に示す明度について十分な結果が得られていない。
【0067】
さらに、実施例11では(A)〜(E)の各成分が含有されているため、表3に示すアンモニア揮発度が1.0以下の低い値を示すとともに、明度について良好な結果が得られている。これに対し、比較例9及び比較例10は、(F)及び(G)の各成分を併用した従来の脱色第1剤であり、アンモニア揮発度が2.0以上であるとともに、明度がやや不良又は不良の結果となっている。このように、実施例11では、比較例9及び比較例10と比較すると、優れた刺激臭低減効果が得られるとともに明度が向上されることがわかる。
(2剤式染毛剤)
表5に示す配合によって毛髪化粧料としての染毛第1剤及び酸化剤組成物としての染毛第2剤を調製した。これらの染毛第1剤はO/W型乳化物であることが確認された。また、表6に示す配合によって従来の染毛第1剤及び染毛第2剤を調製した。各例の染毛第1剤のうち、上記(A)、(B)及び(D)の各成分を含有する染毛第1剤について、上記式(1)からXの値を算出した。Xの算出値を表5及び表6に示す。なお、表5及び表6における各成分の配合量を示す数値の単位は重量%である。
【0068】
【表5】
Figure 0003984930
【0069】
【表6】
Figure 0003984930
各例における染毛第1剤及び染毛第2剤を組み合わせて、1:1の重量割合で混合することにより染毛混合物を得た。各例の染毛混合物のうち、染毛第1剤に(F)成分が配合されていた染毛混合物について、上記脱色混合物と同じ方法でアンモニア揮発度を測定した。また、調製直後における各例の染毛混合物の濃度を上記脱色混合物と同じ方法で測定した。さらに各例の染毛混合物を白髪混じりの人毛毛束に塗布して30分間放置後、水洗することにより人毛毛束に染毛処理を施した。染毛処理が施された人毛毛束について、上記2剤式毛髪脱色剤と同じ方法で明度及び感触の評価を行った。これらの結果を表7及び表8に示す。
【0070】
【表7】
Figure 0003984930
【0071】
【表8】
Figure 0003984930
表7及び表8の結果から明らかなように、実施例12、15、16、18及び22のアンモニア揮発度は比較例11〜14、比較例19及び比較例20よりも低い値を示している。実施例12、15、16、18及び22では、上記2剤式毛髪脱色剤の結果と同様に優れた刺激臭低減効果が得られることがわかる。また、実施例19及び20では、比較例15〜18と比較すると、上記2剤式毛髪脱色剤の結果と同様に明度及び感触について十分な結果が得られていることがわかる。
(定義)
・ 本明細書中における「刺激臭の低減効果」の程度は、(F)成分を含有する従来の毛髪化粧料と同一量の(F)成分を配合した場合に(F)成分を要因とする刺激臭を低減する効果が高いことを意味する。
【0072】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1及び請求項に記載の毛髪化粧料によれば、刺激臭を一層低減することができるとともに毛髪の明度を向上させることができる。また、毛髪の感触を向上させることができる。
【0073】
請求項2及び請求項に記載の毛髪化粧料によれば、毛髪の明度を向上させることができる。
請求項3に記載の毛髪化粧料によれば、毛髪の感触及び毛髪の明度を向上させることができる。

Claims (4)

  1. 使用時に酸化剤を含有する酸化剤組成物と混合される毛髪化粧料であって、下記の(A)〜(F)の各成分を含有するとともに前記(A)、(B)及び(D)の各成分について下記式(1)で示される重量比Xが5〜40であることを特徴とする毛髪化粧料。
    (A)炭素数5〜18の分岐状脂肪酸と炭素数8〜16の高級アルコールとからなるエステル。
    (B)分岐状炭化水素、及び炭素数14〜30の高級アルコールから選ばれる少なくとも一種。
    (C)炭素数16〜25のアルキル基又は炭素数16〜25のアルケニル基を有するエーテル型非イオン性界面活性剤。
    (D)カチオン性界面活性剤。
    (E)水。
    (F)揮発性アルカリ剤。
    X=((A)成分の重量+(B)成分の重量)/(D)成分の重量・・・(1)
  2. 使用時に酸化剤を含有する酸化剤組成物と混合される毛髪化粧料であって、下記の(A)〜(E)及び(G)の各成分を含有するとともに前記(A)、(B)及び(D)の各成分について下記式(1)で示される重量比Xが5〜40であることを特徴とする毛髪化粧料。
    (A)炭素数5〜18の分岐状脂肪酸と炭素数8〜16の高級アルコールとからなるエステル。
    (B)分岐状炭化水素、及び炭素数が14〜30の高級アルコールから選ばれる少なくとも一種。
    (C)炭素数16〜25のアルキル基又は炭素数16〜25のアルケニル基を有するエーテル型非イオン性界面活性剤。
    (D)カチオン性界面活性剤。
    (E)水。
    (G)不揮発性アルカリ剤。
    X=((A)成分の重量+(B)成分の重量)/(D)成分の重量・・・(1)
  3. 前記酸化剤組成物との混合物の粘度が3000〜30000ミリパスカル秒(mPa・s)である請求項1又は請求項2に記載の毛髪化粧料。
  4. 水中油滴型(O/W型)乳化物である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の毛髪化粧料。
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