JP2009161491A - 染毛用第2剤組成物および酸化型染毛剤 - Google Patents

染毛用第2剤組成物および酸化型染毛剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 染毛用第1剤組成物と混合し易く、かつ流動性にも優れ、しかも、白髪であっても良好に染色し得る酸化型染毛剤を構成可能な染毛用第2剤組成物と、前記染毛用第2剤組成物により構成される酸化型染毛剤を提供する。
【解決手段】 酸化染料が配合された染毛用第1剤組成物と共に酸化型染毛剤を構成し、使用に際して前記染毛用第1剤組成物と混合される染毛用第2剤組成物であって、少なくとも、(A)両性界面活性剤、(B)エステル型非イオン性界面活性剤、(C)油性成分、および(D)過酸化水素が配合されており、pHが2〜5であることを特徴とする染毛用第2剤組成物と、前記染毛用第1剤組成物および前記染毛用第2剤組成物によって構成される酸化型染毛剤により、前記課題を解決する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、酸化染料が配合された染毛用第1剤組成物と共に酸化型染毛剤を構成し、使用に際して前記染毛用第1剤組成物と混合される染毛用第2剤組成物、および前記染毛用第1剤組成物と前記染毛用第2剤組成物とから構成される酸化型染毛剤に関するものである。
酸化型染毛剤は、酸化染料(色素)を含有する第1剤と、過酸化水素などの酸化剤を含有する第2剤とからなり、これら第1剤と第2剤を混合して毛髪に塗布などすることで使用される。このような酸化型染毛剤により毛髪が染色されるメカニズムとは、酸化剤が毛髪のメラニン色素を分解することで脱色(ブリーチ)し、同時に酸化染料が毛髪内で酸化重合することで発色して染まるといったものである。
通常、染毛用第1剤は、染料を安定に分散させるために粘度が高く設定される。その一方で、酸化剤(過酸化水素)を含む染毛用第2剤は、粘度を低く設定することで、過酸化水素の分解物、すなわち酸素を、系外に放出して剤の膨張を防ぐ。また、染毛用第2剤の粘度を低く設定することは、染毛用第2剤を容器から絞り出しやすくするといった意味もある。
このような粘度の異なる染毛用第1剤と染毛用第2剤とを、質量比で例えば1:1〜1:3の割合でカップの中で混合する場合、均一に混合することは非常に難しかった。しかも、不均一な状態のまま毛髪に塗布すれば染まりムラを生じるために両者が十分に混ざり合うまで攪拌しなければならず、その間にカップの中で酸化重合が進むので、その後毛髪に塗布したとしても染色性が悪くなるといった問題も生じていた。他方、染毛用第1剤と染毛用第2剤とを混ざり易くするために、膨張が起きない程度にまで染毛用第2剤の粘度を高めると、流動性が悪くなり、染毛用第2剤が容器の内壁に付着して全量を出し切ることができないといった問題があった。
染毛用第1剤と染毛用第2剤との粘度の違いに起因する混合し難さを改善する技術として、例えば、特許文献1には、酸化剤を含有する液状またはエマルジョン状の染毛用第2剤に、例えばポリキシエチレン(10)ポリオキシプロピレン(7)ブチルエーテルなどの非イオン系重合物を含有させて、高粘性のクリーム状染毛用第1剤との混合を容易にした染色剤が提案されている。
しかしながら、特許文献1の技術では、染毛用第2剤単体での容器からの取り出し易さについては、十分な検討がなされていない。
特開平7−118131号公報
前記のように、酸化型染毛剤を構成するための染毛用第2剤には、染毛用第1剤との混合のし易さと容器からの取り出し易さ、という相反する特性の両立が求められている。
また、最近では、酸化型染毛剤を白髪染めに利用することが多くなっている。しかし、白髪は、黒色などの有色の毛髪と異なり、酸化型染毛剤による染色効果が出にくいという問題があり、このような面での酸化型染毛剤の改良の要請もある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、染毛用第1剤組成物と混合し易く、かつ流動性にも優れ、しかも、白髪であっても良好に染色し得る酸化型染毛剤を構成可能な染毛用第2剤組成物と、前記染毛用第2剤組成物により構成される酸化型染毛剤とを提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の染毛用第2剤組成物は、酸化染料が配合された染毛用第1剤組成物と共に酸化型染毛剤を構成し、使用に際して前記染毛用第1剤組成物と混合される染毛用第2剤組成物であって、少なくとも、(A)両性界面活性剤、(B)エステル型非イオン性界面活性剤、(C)油性成分、および(D)過酸化水素が配合されており、pHが2〜5であることを特徴とするものである。
また、本発明の酸化型染毛剤は、酸化染料が配合された染毛用第1剤組成物と、本発明の染毛用第2剤組成物とから構成されたものであることを特徴とするものである。
白髪は脂質などの油性成分が多いことから、通常の有色の毛髪よりも疎水性が高く、染料成分が毛髪内部に浸透し難いために、有色の毛髪よりも酸化型染毛剤による染色が困難であると考えられる。
本発明の染毛用第2剤組成物は、前記(A)から(D)の各成分が配合されており、これにより構成される本発明の酸化型染毛剤は、白髪の内部にも染料成分が浸透しやすいと考えられる。そのため、本発明の染毛用第2剤組成物により構成される本発明の酸化型染毛剤は、通常の有色の毛髪のみならず、白髪についても良好に染色することができる。
しかも、本発明の染毛用第2剤組成物では、前記(A)〜(D)の各成分が配合されることで、流動性を高めて容器からの取り出しを容易としつつ、高粘性の染毛用第1剤組成物との混合も容易にしている。
本発明によれば、染毛用第1剤組成物との混合が容易で、かつ流動性が高く、容器からの取り出しも容易で、しかも、白髪であっても良好に染色し得る酸化型染毛剤を構成可能な染毛用第2剤組成物を提供できる。また、本発明の染毛用第2剤組成物は、特に乳化物の形態とした場合に、その乳化状態の経時安定性が優れている。更に、染毛用第2剤組成物が乳化物の場合、その乳化状態が損なわれることで染毛用第2剤組成物の粘度が変化するようになるが、前記の通り、本発明の染毛用第2剤組成物は、乳化物とした場合に、その乳化状態の経時安定性が優れていることから、粘度の変動も生じ難く、粘度の経時安定性も優れている。更に、本発明によれば、白髪であっても良好に染色し得る酸化型染毛剤を提供できる。
本発明の染毛用第2剤組成物における(A)成分である両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。アミノ酸型両性界面活性剤の具体例としては、例えば、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N’−カルボキシエチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N’−カルボキシエトキシエチル−N’−カルボキシエチルエチレンジアミン二ナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N’−カルボキシメトキシエチル−N’−カルボキシメチルエチレンジアミン二ナトリウム、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウムなどのグリシン型両性界面活性剤;ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウムなどのアミノプロピオン酸型両性界面活性剤;などが挙げられる。また、ベタイン型両性界面活性剤の具体例としては、例えば、ヤシ油アルキルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルベタインナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインなどのアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤;ラウリルヒドロキシスルホベタインなどのスルホベタイン型両性界面活性剤;などが挙げられる。これらの各両性界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、pHが2〜5の酸性状態において、染毛用第2剤組成物の粘度の経時安定性をより高めることができることから、アミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤がより好ましく、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインが更に好ましい。
染毛用第2剤組成物における両性界面活性剤の配合量は、粘度の経時安定性をより高めて、染毛用第1剤組成物との均一混合をより容易にする観点から、0.1質量%以上であることが好ましい。また、両性界面活性剤の配合量が多すぎると、染毛用第2剤組成物の粘度が低下しすぎて、その操作性が低下することがあるため、染毛用第2剤組成物における両性界面活性剤の配合量は、5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。
染毛用第2剤組成物の(B)成分であるエステル型非イオン性界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられ、これらを1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、ミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリルなどが挙げられる。ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、ジオレイン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸テトラグリセリル、モノオレイン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、モノステアリン酸ヘキサグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、トリステアリン酸ヘキサグリセリル、ペンタオレイン酸ヘキサグリセリル、ポリリシノレン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノリノール酸デカグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル、トリステアリン酸デカグリセリル、トリオレイン酸デカグリセリルなどが挙げられる。
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタンなどが挙げられる。エチレングリコール脂肪酸エステルとしては、例えば、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ステアリン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコールなどが挙げられる。プロピレングリコール脂肪酸エステルとしては、例えば、モノステアリン酸プロピレングリコールなどが挙げられる。ショ糖脂肪酸エステルとしては、例えば、ショ糖ベヘン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル、ショ糖オレイン酸エステルなどが挙げられる。
前記例示の各エステル型非イオン性界面活性剤の中でも、染毛用第2剤組成物を用いて構成される酸化型染毛剤の白髪に対する染まりをより向上させ得る点で、エチレングリコール脂肪酸エステルがより好ましい。
染毛用第2剤組成物における(B)成分であるエステル型非イオン性界面活性剤の配合量は、染毛用第2剤組成物の粘度の経時安定性をより高め、また、酸化型染毛剤の白髪に対する染まりをより向上させる観点から、0.05質量%以上であることが好ましく、酸化型染毛剤の白髪に対する染まりの更なる向上を図るには、0.1質量%以上であることがより好ましい。なお、染毛用第2剤組成物におけるエステル型非イオン性界面活性剤の量が多すぎると、染毛用第2剤組成物の粘度が増大して操作性が低下する虞があるため、その配合量は、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。
染毛用第2剤組成物の(C)成分である油性成分としては、植物油、動物油、ロウ、石油系炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、シリコーンが挙げられ、これらを1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。油性成分の種類の選択に当たっては、酸化型染毛剤による処理後の毛髪に求められる感触などを考慮すればよいが、高級アルコール、シリコーンおよびエステルが特に好ましく使用される。なお、本明細書でいう「高級脂肪酸」とは、炭素数が12〜22の脂肪酸を意味し、「高級アルコールとは、炭素数が10〜22のアルコールを意味している。
植物油としては、例えば、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーム油、ヒマシ油、グレープシード油、ヤシ油、硬化油などが挙げられる。動物油としては、例えば、エミュー油、馬油、ミンク油などが挙げられる。ロウとしては、例えば、ホホバ油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、ラノリン、セラックなどが挙げられる。
石油系炭化水素としては、例えば、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、パラフィン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸などが挙げられる。高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノールが挙げられる。
エステルとしては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸イソステアリル、オレイン酸オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸ヘキシル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、コハク酸ジオクチル、イソステアリン酸フィトステリル、ラノリン脂肪酸コレステリルなどが挙げられる。シリコーンとしては、例えば、ジメチルシリコーン、環状シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、メチルフェニルシリコーンなどが挙げられる。
染毛用第2剤組成物における(C)成分である油性成分の配合量は、使用する油性成分の種類や、酸化型染毛剤による処理後の毛髪に求められる感触に応じて適宜調節すればよいが、これらの油性成分による効果(酸化型染毛剤による処理後の毛髪の感触向上効果)をより良好に確保したり、染毛用第2剤組成物の粘度の経時安定性をより高めたりする観点からは、2質量%以上であることが好ましい。また、染毛用第2剤組成物における油性成分の量が多すぎると、酸化型染毛剤による処理後の毛髪にべたつきが生じたり、染毛用第2剤組成物の粘度の経時安定性が却って低下したりする虞があるため、その配合量は、10質量%以下であることが好ましい。
染毛用第2剤組成物の(D)成分である過酸化水素は、酸化剤として機能するものである。染毛用第2剤組成物における過酸化水素の配合量は、毛髪の脱色や染色をより良好に達成する観点から、0.3質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。なお、過酸化水素の配合量が多すぎると、頭皮への刺激が強くなることがあるため、染毛用第2剤組成物における過酸化水素の配合量は、12質量%以下であることが好ましく、6質量%以下であることがより好ましい。
染毛用第2剤組成物は乳化物であることが好ましく、主たる分散媒として水を使用する。なお、染毛用第2剤組成物の構成成分の一部は、水に溶解していてもよい。染毛用第2剤組成物における水の配合量は、例えば、20〜80質量%とすることが好ましい。
なお、染毛用第2剤組成物が乳化物である場合、(A)成分である両性界面活性剤や(B)成分であるエステル型非イオン性界面活性剤が乳化剤として作用するが、これらのHLB値が低く、乳化力が不十分な場合などには、必要に応じて他の界面活性剤を更に配合してもよい。(A)成分および(B)成分以外の界面活性剤としては、(B)成分以外の非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤が挙げられ、これらの中から、求められる乳化力や、酸化型染毛剤による処理後の毛髪に求められる感触、染毛用第2剤組成物を構成するその他の成分との組み合わせなどを考慮して適宜選択すればよい。中でも、乳化力がより強く、乳化状態の安定性をより高め得ることから、エーテル型非イオン性界面活性剤が特に好ましく使用できる。
エーテル型非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテルなどが挙げられ、酸化エチレンの付加モル数(オキシエチレンユニットの付加モル数)に応じて、HLBの値が異なる。そのため、前記の各エーテル型非イオン性界面活性剤は、これに求められる機能(乳化力や毛髪の感触向上作用)などに応じて、好適な酸化エチレンの付加モル数のものを選択すればよい。
染毛用第2剤組成物におけるエーテル型非イオン性界面活性剤の配合量は、染毛用第2剤組成物のその他の成分の組み合わせなどにより変動するが、例えば、その使用による効果をより良好に確保する観点からは、0.1質量%以上であることが好ましい。また、染毛用第2剤組成物におけるエーテル型非イオン性界面活性剤の量が多すぎると、染毛用第2剤組成物の粘度が増大して操作性が低下する虞があるため、その配合量は、5質量%以下であることが好ましい。
染毛用第2剤組成物には、前記の各成分以外にも、化粧料に通常配合されている各種成分を配合することができる。このような成分としては、例えば、水溶性高分子、植物・海藻エキス、アミノ酸およびその誘導体、タンパク質およびその誘導体、ビタミン剤、紫外線防御剤、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤などが挙げられる。
また、(D)過酸化水素の安定化を目的として、安定剤を配合することも好ましい。安定剤としては、例えば、フェナセチン、スズ酸ナトリウム、エチレングリコールフェニルエーテル、8−オキシキノリン、リン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸およびその塩、ジブチルヒドロキシトルエン、安息香酸またはその塩、サリチル酸またはその塩、フェノキシエタノールなどが挙げられる。
染毛用第2剤組成物のpHは、低すぎると毛髪および皮膚へのダメージが大きくなることから、2以上であり、2.5以上であることが好ましい。また、染毛用第2剤組成物のpHが高すぎると過酸化水素の安定性が悪くなることから、そのpHは、5以下であり、3.5以下であることが好ましい。染毛用第2剤組成物のpHは、必要があれば、各種pH調整剤を配合して調整すればよい。染毛用第2剤組成物に配合可能なpH調整剤としては、例えば、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸などの酸;クエン酸Na、リン酸2Naなどの塩類;アンモニア水、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ剤;が挙げられる。
染毛用第2剤組成物の粘度は、染毛用第1剤組成物との混合をより容易にする観点から、2,000mPa・s以上であることが好ましく、3,000mPa・s以上であることがより好ましい。また、染毛用第2剤組成物の容器からの取り出しをより容易とし、更には、過酸化水素の分解物である酸素を抜け易くする観点から、染毛用第2剤組成物の粘度は、8,000mPa・s以下であることが好ましく、7,000mPa・s以下であることがより好ましい。染毛用第2剤組成物の粘度は、例えば、(A)成分、(B)成分および(C)成分の配合量を調整することで調節できる。
なお、本明細書でいう染毛用第2剤組成物の粘度は、25℃の恒温槽中に1時間放置した後に、B型粘度計(東機産業株式会社製「VISCOMETER VT−20」)を用い、3号ローター、12rpmで1分後に測定した値である。
染毛用第2剤組成物の、容器から出した時の形態は特に制限されず、例えばクリーム状、半透明ジェル状、透明ジェル状、泡状などの各種形態とすることができる。
本発明の染毛用第2剤組成物と組み合わせて酸化型染毛剤を構成するための染毛用第1剤組成物については特に制限はなく、従来公知の酸化型染毛剤に係る染毛用第1剤組成物、すなわち、酸化染料が配合された染毛用第1剤組成物が使用できる。
染毛用第1剤組成物に使用可能な酸化染料には、単独での重合により発色する染料中間体、またはカップラーと組み合わせた上で重合により発色する染料中間体と前記カップラーとの組み合わせが挙げられる。染料中間体としては、従来公知の染毛用第1剤組成物に使用されているものであれば特に制限はなく、例えば、p−フェニレンジアミン、トルエン−2,5−ジアミン、トルエン−3,4−ジアミン、o−アミノフェノール、p−アミノフェノール、p−メチルアミノフェノールなどが挙げられる。
また、必要に応じて染料中間体と組み合わせられるカップラーとしては、例えば、塩酸2,4−ジアミノフェノキシエタノール、m−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノピリジン、5−アミノオルトクレゾール、m−アミノフェノール、α−ナフトール、ヒドロキノン、レゾルシン、カテコールなどが一般に使用される。
染毛用第1剤組成物における酸化染料の配合量は、毛髪をより良好に染色できるようにする観点から、0.01質量%以上であることが好ましい。また、染毛用第1剤組成物における酸化染料の配合量が多すぎると、過剰の染料などが毛髪表面に多く付着して、日常生活での色落ちが多くなったり、衣服などを汚染させる虞があることから、その配合量は、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。
染毛用第1剤組成物には、アルカリ剤を配合することが好ましい。染毛用第1剤組成物に使用可能なアルカリ剤としては、従来公知の染毛用第1剤組成物に使用されているものであれば特に制限はなく、例えば、アンモニア水、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。
染毛用第1剤組成物におけるアルカリ剤の配合量は、染毛用第2剤組成物と混合して酸化型染毛剤としたときに染毛用第2剤組成物に係る酸化剤を十分に活性化させ、その染色力をより高める観点から、0.01質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。また、染毛用第1剤組成物におけるアルカリ剤の量が多すぎると、皮膚に対する刺激が強くなる虞があることから、その配合量は、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。
染毛用第1剤組成物も乳化物であることが好ましく、主たる分散媒として水を使用する。なお、染毛用第1剤組成物の構成成分の一部は、水に溶解していてもよい。染毛用第1剤組成物における水の配合量は、例えば、20〜80質量%とすることが好ましい。
また、染毛用第1剤組成物にも、酸化型染毛剤としての機能を損なわない範囲で、必要に応じて、通常の化粧料に配合されている各種添加剤を配合することができる。また、染毛用第1剤組成物にも、染毛用第2剤組成物の(A)成分である両性界面活性剤や、(B)成分であるエステル型非イオン性界面活性剤を配合することで、白髪への染まりを向上させることができる。染毛用第1剤組成物に使用可能な両性界面活性剤およびエステル型非イオン性界面活性剤としては、それぞれ、染毛用第2剤組成物に使用可能なものとして上で例示した各種材料が挙げられる。
染毛用第1剤組成物は、通常pH6〜11に調整される。染毛用第1剤組成物のpHは、必要があれば、pH調整剤を染毛用第1剤組成物に配合して調整すればよい。pH調整剤としては、染毛用第2剤組成物用のpH調整剤として上で例示した各種酸類や塩類が挙げられる。なお、染毛用第1剤組成物のpHを高pH側に調節する場合には、アルカリ剤の添加量を多くすればよい。
染毛用第1剤組成物の粘度は、例えば、500〜100000mPa・sであることが好ましい。このような粘度を有する染毛用第1剤組成物であれば、本発明の染毛用第2剤組成物と、より良好に混合することができる。混合後の粘度は毛髪への塗布のしやすさや、毛髪(特に白髪)に対する塗布性を良好にする点から10000〜60000mPa・sであることが好ましい。
なお、本明細書でいう染毛用第1剤組成物の粘度は、25℃の恒温槽中に1時間放置した後に、B型粘度計(東機産業株式会社製「VISCOMETER VT−20」)を用い、4号ローター、6rpmで1分後に測定した値である。
染毛用第1剤組成物の形態も、染毛用第2剤組成物と同様に特に制限はなく、例えばクリーム状、半透明ジェル状、透明ジェル状、泡状などの各種形態とすることができる。
本発明の酸化型染毛剤は、それぞれ別個にパッケージなどされた本発明の染毛用第2剤組成物と、染毛用第1剤組成物とで構成され、染毛処理に際して、染毛用第1剤組成物と染毛用第2剤組成物とを混合して使用される。すなわち、本発明の酸化型染毛剤を用いた染毛処理は、例えば、染毛用第1剤組成物と染毛用第2剤組成物とを混合した後に毛髪に塗布し、過酸化水素により酸化染料(染料中間体または染料中間体とカップラーとの組み合わせ)を酸化することによって発色させ、その状態でしばらく放置し、その後、すすぎを行い、乾燥すればよい。
染毛用第1剤組成物と染毛用第2剤組成物との混合比としては、希望する明るさや色味によって調節すればよいが、例えば、質量比で、1:1〜1:3程度とすることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではない。なお、後記の表1および表2では染毛用第2剤組成物全体で100%となるように、また表3では染毛用第1剤組成物全体で100%となるように、それぞれ各成分の配合量を%で示すが、その%はいずれも質量%であり、また、これらの表中ではその%の表示を省略し、配合量を表す数値のみで表示する。
実施例1〜7および比較例1〜4
実施例1〜7および比較例1〜4の染毛用第2剤組成物を、表1および表2に示す組成で各1kg調製した。染毛用第2剤組成物の調製は、過酸化水素を除く全ての成分を攪拌しながら混合し、全ての成分が精製水に溶解・分散した時点で過酸化水素を添加することにより行った。そして、実施例1〜7および比較例1〜4の染毛用第2剤組成物と、表3に示す組成で調製した染毛用第1剤組成物とを組み合わせて、実施例1〜7および比較例1〜4の酸化型染毛剤とした。
Figure 2009161491
Figure 2009161491
なお、表1および表2において、精製水の欄の「計100とする」とは、染毛用第2剤組成物を構成する精製水以外の各成分の合計量に、精製水の量を加えて100%となるようにしたことを意味している。また、「POE」はポリオキシエチレンの意味であり、その後の括弧内の数値は、酸化エチレンの付加モル数を意味している(後記の表3においても同じである。)。更に、「セトステアリルアルコール」は、セタノールとステアリルアルコールの混合物である。
また、染毛用第2剤組成物の調製に用いた原材料は、以下の通りである。
(1)ラウリン酸アミドプロピルベタイン:川研ファインケミカル株式会社製「ソフダゾリンLPB(商品名)」。
(2)2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン[後記一般式(1)で表されるもの]:川研ファインケミカル株式会社製「ソフダゾリンCH(商品名)」(固形分濃度30%の水分散液)。
(3)モノステアリン酸エチレングリコール:日光ケミカルズ株式会社製「NIKKOL MYS−1EX(商品名)」。
(4)モノステアリン酸グリセリル:日光ケミカルズ株式会社製「NIKKOL MGS−ASE(商品名)」。
(5)ラノリン脂肪酸コレステリル:日本精化株式会社製「YOFCO CLE−S(商品名)」。
(6)パルミチン酸2−エチルヘキシル:日光ケミカルズ株式会社製「NIKKOL 10P(商品名)」。
(7)ジメチコン:東レ・ダウコーニング株式会社製「SH200 C Fluid 1,000cs(商品名)」。
(8)POE(7)オレイルエーテル:日光ケミカルズ株式会社製「NIKKOL BO−7V(商品名)」。
(9)キレスビットD(商品名):中部キレスト社製(ヒドロキシエタンジホスホン酸を37%含有)。
Figure 2009161491
Figure 2009161491
なお、表3において、精製水の欄の「計100とする」とは、染毛用第1剤組成物を構成する精製水以外の各成分の合計量に、精製水の量を加えて100%となるようにしたことを意味している。
実施例1〜7および比較例1〜4の染毛用第2剤組成物および酸化型染毛剤について、下記の各評価を行った。
<粘度の経時安定性>
実施例1〜7および比較例1〜4の染毛用第2剤組成物について、調製直後の粘度を前記測定法により測定し、更に、各染毛用第2剤組成物を、45℃・1か月、および45℃・3か月の各条件で貯蔵し、貯蔵後の粘度を前記測定法により測定した。
<容器からの出し易さ、染毛用第1剤組成物との混合のし易さ、および白髪に対する染まりの評価>
実施例1〜7または比較例1〜4の染毛用第2剤組成物を、染毛用第2剤組成物用の既製容器[ミルボン社製のプロマティスレフィナ第2剤用容器(1L)]に8分目まで入れた。次の、この容器から染毛用第2剤組成物を80g搾り出し、染毛用第1剤組成物80gと均一になるまで混合する作業を、専門のパネラー5名により行った。
その後、前記の各混合物を、それぞれ白髪1gで形成した毛束に塗布し、30℃で30分間放置して染毛処理を施した後、毛束を水洗し、水洗後の毛束を市販のシャンプーを用いて1回洗浄し、洗浄した毛束に市販のヘアトリートメントを塗布し、すすいだ後に乾燥した。
前記専門のパネラーにより、(1)染毛用第2剤組成物の容器からの出し易さ、(2)染毛用第1剤組成物との混合のし易さ、(3)白髪に対する染まり、について官能評価を行った。評価は、それぞれ、5点:非常に良い、4点:良い、3点:普通、2点:悪い、1点:非常に悪い、の評価基準で行い、各パネラーの点数を合計して、以下の基準によってランク付けをした。◎および○の評価のものが合格である。
◎:点数の合計が20点以上、
○:点数の合計が15点以上20点未満、
△:点数の合計が10点以上15点未満、
×:点数の合計が10点未満。
また、前記染毛処理後の各毛束のL値(明度値)を、色差計(ミノルタ社製彩色差計「CM−3500d」)で測定した。この色差測定では、L値が小さいほど濃く染まっていることを示している。
前記の粘度測定結果、官能評価結果およびL値の測定結果を、表4に示す。
Figure 2009161491
実施例1〜7の染毛用第2剤組成物は、容器からの出し易さ、および染毛用第1剤組成物との混合のし易さが良好である。また、実施例1〜7の染毛用第2剤組成物は、粘度の経時安定性が良好である。そのため、例えば、染毛用第2剤組成物の調製時に、容器から出し易く、かつ染毛用第1剤組成物との混合がし易いように粘度を調整していれば、その後の貯蔵において、粘度の変動によって容器から出しにくくなったり、染毛用第1剤組成物と混合しにくくなったりする問題の発生を抑えることができる。
更に、実施例1〜7の染毛用第2剤組成物を用いて構成した酸化型染毛剤(すなわち、実施例1〜7の酸化型染毛剤)により処理した毛束は、L値が小さく、染まり具合の官能評価結果もよい。よって、実施例1〜7の染毛用第2剤組成物によれば、白髪であっても良好に染色し得る酸化型染毛剤を構成できる。
これに対し、比較例1〜4の染毛用第2剤組成物は、容器からの出し易さ、および染毛用第1剤組成物との混合のし易さが劣っており、また、粘度の経時安定性も劣っている。更に、比較例1〜4の染毛用第2剤組成物を用いて構成した酸化型染毛剤により処理した毛束は、実施例1〜7の染毛用第2剤組成物を用いて構成した酸化型染毛剤(実施例1〜7の酸化型染毛剤)により処理した毛束に比べて、L値が大きく、染まり具合の官能評価結果も劣っている。

Claims (4)

  1. 酸化染料が配合された染毛用第1剤組成物と共に酸化型染毛剤を構成し、使用に際して前記染毛用第1剤組成物と混合される染毛用第2剤組成物であって、少なくとも、
    (A)両性界面活性剤、
    (B)エステル型非イオン性界面活性剤、
    (C)油性成分、および
    (D)過酸化水素
    が配合されており、pHが2〜5であることを特徴とする染毛用第2剤組成物。
  2. (C)油性成分が、高級アルコールまたはエステルである請求項1に記載の染毛用第2剤組成物。
  3. エーテル型非イオン性界面活性剤を更に配合したものである請求項1または2に記載の染毛用第2剤組成物。
  4. 酸化染料が配合された染毛用第1剤組成物と、請求項1〜3のいずれかに記載の染毛用第2剤組成物とから構成されたものであることを特徴とする酸化型染毛剤。
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