JP2008054558A - 嗜好食品の製造方法。 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は嗜好食品の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、魚肉板状体とチーズとを含んでなる嗜好食品の製造方法であって、複数の乾燥させた魚肉板状体と、加熱乳化させたチーズとを用意し、前記複数の乾燥魚肉板状体の間に前記チーズを挟持し、第1次切断をして第1積層体を形成し、第1積層体を加熱乾燥し、水分含有量を10%以上18%以下とし、第2次切断をして第1積層体より細長い第2積層体を形成し、第2積層体を焙焼乾燥及び/又は熱風乾燥させて水分含有量を5%以下としてなることを含んでなる製造方法を開示する。
【選択図】なし

Description

従来、魚肉シートに食品(例えばチーズ等)を挟持してなる嗜好食品及びその製造方法が開発されている。例えば、本出願人は、特許2709313号(特許文献1)において、乾燥鱈シートにチーズを挟持することを特徴とした嗜好食品の製造方法を提案している。現在、この方法及び改良方法にて生産された製品は「チーズ鱈(登録商標)」の名称にて販売され、ロングランヒット商品として消費者の間に認識され定着されるに至っている。
一方、今日、健康志向、多様性、差別化及び個別化等の様々な要望を有する消費者の動向に合わせた様々な製品が提案されている。例えば、特開平6−105674号(特許文献2)では、「チーズ鱈」をマイクロ波で水分含有率を10%以下とし、カリッとした歯ざわりを実現するスナック調の嗜好品が提案されている。また、特開2001−211863号(特許文献3)では、魚肉擂り身をシート状に延伸し、加熱した後に、このシートの一方の面にチーズを載せて加熱焙焼させた後に、短冊状に裁断した珍味食品が提案されている。確かに、これら従来の製造方法は、本出願人が先に製品化したチーズが半生状態の「チーズ鱈」を乾燥させたものではあるが、本発明者等が求めるサクサク感、パリパリ感のあるものとは全く異なるものであった。
また、従来、香ばしい風味の乾燥チーズスナックが提案されている。例えば、特開平4−320644号(特許文献4)では、プロセスチーズをマイクロ波加熱処理した乾燥チーズが提案されている。しかしながら、この製造方法で得られるチーズスナックは、本発明者等が求めるサクサク感、パリパリ感のあるものとは全く異なるものであった。
特許2709313号 特開平6−105674号 特開2001−211863号 特開平4−320644号
本発明者等は、本発明時において、原料を板状体に形成し、二次乾燥を施すことにより、サクサク感、パリパリ感があり、口当たり及び歯触りのよい嗜好食品が得られるとの知見を得た。本発明はかかる知見に基づいてなされたものである。従って、本発明は、乾燥魚肉板状体とチーズとを含んでなる嗜好食品の製造方法であって、
複数の乾燥させた魚肉板状体と、加熱乳化させたチーズとを用意し、
前記複数の乾燥魚肉板状体の間に前記チーズを挟持し、第1次切断をして第1積層体を形成し、
第1積層体を加熱乾燥し、水分含有量を10%以上18%以下とし、第2次切断をして第1積層体より細長い第2積層体を形成し、
第2の積層体を焙焼乾燥及び/又は熱風乾燥させて水分含有量を5%以下としてなることを含んでなるものである。
また、本発明の別の態様は、チーズからなる嗜好食品の製造方法であって、
チーズを用意し、必要に応じて該チーズを加熱乳化して成形し、
前記チーズを第1次切断し、
第1次切断した前記チーズを加熱乾燥し、水分含有量を10%以上18%以下とし、第2次切断をして第1次切断より細長い形状とし、
焙焼乾燥及び/又は熱風乾燥させて水分含有量を5%以下としてなることを含んでなるものである。
本発明による製造方法により生産された嗜好食品は、従来製品と比較して、サクサク感、パリパリ感を有することから、従来の魚肉乾燥シートに挟持した嗜好製品(珍味等)、チーズスナック(お菓子等)に慣れ親しんだ消費者には別の食感、嗜好を有する製品を提供し、かつ、そのスナック性(お菓子)により、子供からお年寄りまで簡単に食することができる製品を提供することができる。
本発明の第一の態様(乾燥魚肉板状体とチーズとを含んでなる嗜好食品の製造方法)
1.原料の用意
乾燥魚肉板状体
本発明にあっては、乾燥魚肉板状体は、チーズを挟持するため、複数用意する必要がある。魚肉板状体は、製品化されたものを使用しても良いが、一般に、魚肉と必要に応じて調味料を混練し乾燥(必要に応じて焙焼)して製品化したものを使用してもよい。より具体的には、魚肉を解体洗浄し、ミンチ化したものに、食塩、澱粉等を加えて混錬し、混錬した物を成型器に導入し、所望の厚さ及び幅に成形し、次に、加熱器において加熱焙焼して乾燥魚肉板状体を得ることができる。本発明にあっては、魚肉板状体を製造する場合、別のラインにおいて製造することが好ましい。乾燥魚肉板状体はロール体に巻き取り、後記する挟持工程に搬入されるように設置されてなるものが好ましい。
原料である魚は、脊椎動物魚綱に属する動物であって、硬骨魚類、軟骨魚類に大別される全てのものが含まれ、河川、湖沼、海等の淡水域、汽水域、海水域等のいずれに生息するものが含まれる。魚は、天然、養殖、畜養のいずれのものも使用することが可能である。また、本発明にあっては、生または冷凍された魚を使用することができるが、冷凍魚がコスト、生産の持続性等の面から好ましい。本発明において使用される魚は、いわゆる白身魚、赤身魚等が挙げられ、好ましくは白身魚であり、例えば、鱈、真鯛、黒鯛、黄鯛、ヒラメ、カレイ、タチウオ、ツボダイ等であり、より好ましくは鱈が挙げられる。
調味料、加熱方法、成型器等については従来のものであってよく、例えば、特許2709313号に開示された内容のものが好ましく、これらの開示内容は本明細書の一部をなす。
任意成分
乾燥魚肉板状体は、その成形過程において、又は、成形後において、任意成分を付与することができる。これにより、需用者の嗜好にさらに合致させた嗜好食品を提供することができる。任意成分は食品衛生法に適合したものが好ましく、その具体例としては、調味料(砂糖、塩、醤油等)、香辛料(胡椒、乾燥ニンニクパウダー)、着色剤、発色剤、香料、乳化剤、保存料、酸化防止剤、結着剤等が挙げられる。
チーズ
複数の乾燥魚肉板状体の間に挟持されるチーズを用意する。チーズは、固形、液体、半固体、粉体、流動体を問わないが、魚肉板状体の間に挟持する際には、流動体であることが好ましい。また、チーズはそのまま複数の魚肉板状体の間に挟持されてもよいが好ましくは、乳化状態(流動体)に調製して使用することが好ましい。具体的には、原料である固形のチーズを粉砕し、攪拌しながら、加熱し(約60℃〜90℃、好ましくは80℃前後)、水等を入れて乳化状態(流動体)にしたものを使用することが好ましい。このような調製を行ったチーズを使用することにより、生産容易性と低コストを実現することができる。原料となるチーズは、ナチュラルチーズ(非熟成又は熟成のいずれであってもよい)、プロセスチーズのいずれでもあって良いが、安定供給、品質管理及び加工容易性等の見地からプロセスチーズが好ましい。
任意成分
チーズは、その調製過程において、又は、成形後において、任意成分を付与することができる。任意成分の内容は、乾燥魚肉板状体で説明したのと同様であってよい。
2.挟持工程/第1次切断
複数の乾燥魚肉板状体の間に前記チーズを挟持する方法としては、例えば、一のロール体から導入された一の魚肉板状体の上に、流動体化したチーズが供給器から供給され塗布され、次に、他のロール体から導入された他の魚肉板状体がその塗布面の上に載せられて、そのままベルトコンベヤーで移動され、圧延ローラー等でしっかりと挟持される方法が挙げられる。圧延ローラーの圧力、圧延時間等は、ベルトコンベヤーの速度を考慮し、所望の積層体が形成されるように適宜定めることができる。
本発明にあっては、次工程の加熱乾燥を迅速、且つ容易に行うために、第1次切断を行う。第1次切断されて形成される第1の積層体の横、縦の長さは適宜定めてよい。第1次切断は様々な切断機を使用することができ、好ましくはギロチンカッターが使用される。
3.加熱乾燥/第2次切断
第1の積層体は加熱乾燥が施される。生産工程を短時間とし、且つ、この加熱乾燥が予備的乾燥となり、最終製品である嗜好食品にサクサク感、パリパリ感を付与するのではないかと考えられる。加熱乾燥の具体例としては、(熱)風乾燥、減圧乾燥、赤外線乾燥、高周波乾燥、またはこれらの混合方法が用いられるが、本発明においては、(熱)風乾燥が好ましくは利用される。
加熱乾燥する時間、温度等は第1の積層体の重量、形、性状等によって適宜定めることができる。例えば、第1の積層体に対して、50℃以上60℃以下程度の温度において加熱乾燥することが好ましい。この加熱乾燥により、第1の積層体は、その全体の質量に対して、水分含有量が10質量%以上18重量%以下程度に調整されてなる事が好ましい。水分含有量が上記範囲内にあることにより、固くなく十分な膨化を得ることができ、又、チーズの溶解を有効に抑制することができるからである。
本発明にあっては、最終製品である嗜好食品の形状を予め定める為に、第2次切断を行う。第2次切断されて形成される第2の積層体の横、縦の長さは適宜定めてよいが、次工程の乾燥を考慮して定めることが好ましい。第2次切断は第1次切断で使用する切断機と同様であってよい。
4.焙焼乾燥及び/又は熱風乾燥
第2の積層体は焙焼乾燥及び/又は熱風乾燥される。乾燥する時間、温度等は第2の積層体の重量、形、性状等によって適宜定めることができる。例えば、第2の積層体に対して、180℃以上230℃以下程度の温度において乾燥することが好ましい。この乾燥により、その全体の質量に対して、水分含有量が5重量%以下程度に調整された嗜好食品を得ることができる。この結果、従来製品と比較して、サクサク感、パリパリ感を有するものとすることができる。
嗜好食品
本発明による嗜好食品は、チーズを複数の乾燥魚肉板状体との間に挟持した積層体を加熱乾燥させて水分含有量を10質量%以上18質量%以下とし、及びこの加熱乾燥させた積層体を焙焼乾燥及び/又は熱風乾燥させて水分含有量を5質量%以下とされてなるものとして市場に提供される。本発明による嗜好食品は、その完成の時において、任意成分を付与することができる。任意成分の内容は、乾燥魚肉板状体で説明したのと同様であってよい。
本発明の第二の態様(チーズからなる嗜好食品の製造方法)
本発明の第二の態様は、本発明の第一の態様において、魚肉乾燥板状体の用意と、乾燥魚肉板状体の間にチーズを挟持する工程を除いたものと同様の工程を含んでなるものである。従って、第1次切断、加熱乾燥、第2次切断、焙焼乾燥及び/又は熱風乾燥の各工程は本発明の第一の態様と同様であってよい。
1.原料(チーズ)
原料であるチーズは第1の態様と同様であってよい。但し、ある程度水分含有量が低いチーズを使用する場合、加熱、乳化という工程を経ることなく、第1次切断をおこなってよい。ある程度水分含有量が高いチーズを使用する場合、必要に応じて加熱、乳化し成形するという工程を施すことが好ましい。加熱、乳化は第1の態様と同様であってよいが、成形は、次工程を考慮して、板状体とされてなることが好ましい。チーズは、その調製過程において、又は、成形後において、任意成分を付与することができる。任意成分の内容は、乾燥魚肉板状体で説明したのと同様であってよい。
嗜好食品
本発明による嗜好食品は、チーズを加熱乾燥させて水分含有量を10質量%以上18質量%以下とし、及びこの加熱乾燥させた積層体を焙焼乾燥及び/又は熱風乾燥させて水分含有量を5質量%以下とされてなるものとして市場に提供される。本発明による嗜好食品は、その完成の時において、任意成分を付与することができる。任意成分の内容は、乾燥魚肉板状体で説明したのと同様であってよい。
本願発明の内容を、下記実施例で詳細に説明するが、本願発明はこれら実施例によって限定して解釈されるものではない。
実施例
1.原料調製
乾燥魚肉板状体は、鱈等のすり身に澱粉、食塩、調味料等を加え、混練したのち圧延成形機により、厚さ約5mmで長尺のシートに成形加工した。この長尺のシートを温風乾燥機により温度30〜40℃の温風を付与して水分含有率約17.5%前後に乾燥させ厚さ約1mmとしてから、巻き取りロールに巻き取った(乾燥魚肉板状体)。同様の方法により、別の巻き取りロールを用意した。一方、チーズは、熟度の異なる複数種類のナチュラルチーズを粉砕して混合した後、釜等に入れ攪拌しながら加熱して乳化させ、温度80〜90℃において流動性と貼着性を有する溶解状態のプロセスチーズを用意した。
2.挟持工程/第一次切断
一定方向に原料等を移送する装置と、先の巻き取りロールをそれぞれ備えた上側ロール及び下側ロールと、先の溶解状態のチーズを供給する機械と、チーズ厚調整板と、圧延ローラーとを備えた食品製造機を使用し、下側ロールから引き出された乾燥魚肉板状体をベルトコンベア上に展開させ、80℃〜90℃に溶解させたプロセスチーズをチーズ供給機から乾燥魚肉板状体上に付与し、チーズ厚調整板によって厚みを4mmに調整した。その後、プロセスチーズの表面が乾燥せず貼着性を有する間に、上側ロールから引き出された別の乾燥魚肉板状体を重ねてさらに移動させ、圧着ローラーによって上下両側の乾燥魚肉板状体の間にプロセスチーズを確実に貼着させた。プロセスチーズを上下の乾燥魚肉板状体に挟持した積層体を常温まで冷却し、幅75mmになるようギロチンカッターで第1次切断をした。
3.加熱乾燥/第二次切断
次いで、第1次切断した積層体を、乾燥用乾燥網上に広げ、乾燥機を使用し、55℃、12時間温風乾燥を行った。この加熱乾燥により、積層体は、その全体の質量に対して、水分含有量が13〜14%になるよう調製した。積層体を幅3.0〜3.5mmのスティック状になるようギロチンカッターで第2次切断をした。
4.焙焼乾燥
第2次切断した積層体をネットコンベア上で200℃、2分20秒の条件下で焙焼乾燥を行い、次に、冷却コンベアで移送し冷却した。この焙焼乾燥及び冷却工程により、その全体の質量に対して、水分含有量が2〜3%になるよう調製された嗜好食品が得られた。
比較例
特開平6−105674号に開示された実施例に基づいて、嗜好食品を製造した。
評価試験
20歳から60歳の男女50人に、実施例と比較例の嗜好食品についての官能評価試験を行った所、食感(サクサク感、パリパリ感)、色味、食味の全てにおいて、実施例は比較例よりも優れていた。

Claims (2)

  1. 魚肉板状体とチーズとを含んでなる嗜好食品の製造方法であって、
    複数の乾燥させた魚肉板状体と、加熱乳化させたチーズとを用意し、
    前記複数の乾燥魚肉板状体の間に前記チーズを挟持し、第1次切断をして第1積層体を形成し、
    第1積層体を加熱乾燥し、水分含有量を10%以上18%以下とし、第2次切断をして第1積層体より細長い第2積層体を形成し、
    第2積層体を焙焼乾燥及び/又は熱風乾燥させて水分含有量を5%以下としてなることを含んでなる、製造方法。
  2. チーズからなる嗜好食品の製造方法であって、
    チーズを用意し、必要に応じて該チーズを加熱乳化して成形し、
    前記チーズを第1次切断し、
    第1次切断した前記チーズを加熱乾燥し、水分含有量を10%以上18%以下とし、第2次切断をして第1次切断より細長い形状とし、
    焙焼乾燥及び/又は熱風乾燥させて水分含有量を5%以下としてなることを含んでなる、製造方法。
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