JP2008050399A - 4−メチル−1−ペンテン系重合体セグメントからなる重合体、フィルムまたはシート - Google Patents

4−メチル−1−ペンテン系重合体セグメントからなる重合体、フィルムまたはシート Download PDF

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英之 金子
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純治 斎藤
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真吾 松尾
Tomoaki Matsuki
智昭 松木
Norio Kashiwa
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Abstract

【課題】透明性に優れたフィルムおよびシートの提供。
【解決手段】4−メチル−1−ペンテン系重合体セグメント(A)50〜99.9重量%と、重合体セグメント(B)0.1〜50重量%とを含み、下記要件(1)〜(3)を同時に満たすことを特徴とする重合体(C)。(1)重合体セグメント(A)が、単独重合体の残基、あるいは炭素数2から20個のα−オレフィンとのランダム共重合体の残基で、4−メチル−1−ペンテンの含有率が80重量%以上である。(2)重合体セグメント(B)が、ラジカル重合性単量体から選ばれる1種以上のモノマーの単独重合体または共重合体の残基である。(3)重合体(C)中の重合体セグメント(B)の重量分率(X)と、重合体(C)の室温クロロホルム不溶成分中の重合体セグメント(B)の重量分率(Y)との間に下記式(1)で示される関係式が成り立つ。 (Y)/(X)≧0.5 ・・・(1)
【選択図】なし

Description

本発明は、4−メチル−1−ペンテン系重合体セグメントと、ラジカル重合性単量体をラジカル重合して得られる重合体セグメントとを含む重合体、およびそれを用いて得られるフィルムまたはシートに関する。
4−メチル−1−ペンテン系重合体は高融点、良好な離型性、高い透明性などの特長を活かして離型フィルムなどに使用されている。しかし、印刷性、塗装性、接着性、耐衝撃性、親水性、刺激応答性および他の極性を有するポリマーとの相容性などの高機能性を付与するという観点ではその高い化学的安定性が妨げとなっている。この欠点を補い、高機能性を付与する方法として、例えば4−メチル−1−ペンテン系重合体に他の極性樹脂をブレンドする方法などが一般的に広く用いられている。
しかし、4−メチル−1−ペンテン系重合体は大部分の極性樹脂との相容性が不充分であり、これらの2成分を単にブレンドしたものでは極性樹脂の分散粒径が大きくなる傾向があるため、このようなブレンド物を成形して得られたフィルムやシートでは元来4−メチル−1−ペンテン系重合体自体の特徴である高い透明性が大きく損なわれてしまうという欠点がある。
極性樹脂との相容性を改良し、その分散粒径を小さくするためには、4−メチル−1−ペンテン系重合体と極性樹脂とを化学結合させた、いわゆるブロック共重合体やグラフト共重合体の利用が考えられる。そのような共重合体の合成方法について、例えばWO98/02472号公報には、アルキルホウ素含有ポリオレフィンを利用し、ホウ素含有基を過酸化物に変換してメチルメタクリレートなどの極性モノマーをラジカル重合する方法が開示されている。
また、本出願人らによる特開2004−131620号公報によれば、α−オレフィンと極性モノマーとの共重合により得られたポリオレフィン中の極性基を、ラジカル重合開始剤に変換してメチルメタクリレートなどの極性モノマーをラジカル重合する方法が開示されている。
本発明者らはこのような従来技術のもと検討した結果、4−メチル−1−ペンテン系重合体セグメントと、ラジカル重合性単量体をラジカル重合して得られる重合体セグメントとを含む特定の重合体が、上記のような問題を解決しうることを見出した。

WO98/02472号公報 特開2004−131620号公報
本発明は、4−メチル−1−ペンテン系重合体セグメントと、ラジカル重合性単量体をラジカル重合して得られる重合体セグメントとを含む重合体からなる、透明性に優れたフィルムおよびシートを提供することを目的とする。
本発明者は、該課題を解決すべく鋭意検討を進めた結果、4−メチル−1−ペンテン系重合体セグメント(A)50〜99.9重量%と、ラジカル重合性単量体をラジカル重合して得られる重合体セグメント(B)0.1〜50重量%とを含み、下記要件(1)〜(3)を同時に満たすことを特徴とする重合体(C)を用いて得られるフィルムまたはシートが上記課題を解決しうることを見出し、本発明に至った。
・ 4−メチル−1−ペンテン系重合体セグメント(A)が、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体の残基、あるいは炭素数2から20個のα−オレフィンと4−メチル−1−ペンテンのランダム共重合体の残基で、4−メチル−1−ペンテンの含有率が80重量%以上である。
・ 重合体セグメント(B)が、ラジカル重合性単量体から選ばれる1種以上のモノマーの単独重合体または共重合体の残基である。
・ 重合体(C)中の重合体セグメント(B)の重量分率(X)と、重合体(C)の室温クロロホルム不溶成分中の重合体セグメント(B)の重量分率(Y)との間に下記式(1)で示される関係式が成り立つ。

(Y)/(X)≧0.5 ・・・(1)
本発明の重合体を用いて得られるフィルムまたはシートは、透明性に優れる。
以下、本発明の重合体について具体的に説明する。
本発明に係る重合体は、4−メチル−1−ペンテン系重合体セグメント(A)50〜99.9重量%と、ラジカル重合性単量体をラジカル重合して得られる重合体セグメント(B)0.1〜50重量%とを含み、下記要件(1)〜(3)を同時に満たすことを特徴とする重合体(C)からなることを特徴とする。
(1)4−メチル−1−ペンテン系重合体セグメント(A)が、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体の残基、あるいは炭素数2から20個のα−オレフィンと4−メチル−1−ペンテンのランダム共重合体の残基で、4−メチル−1−ペンテンの含有率が80重量%以上である。
(2)重合体セグメント(B)が、ラジカル重合性単量体から選ばれる1種以上のモノマーの単独重合体または共重合体の残基である。
(3)重合体(C)中の重合体セグメント(B)の重量分率(X)と、重合体(C)の室温クロロホルム不溶成分中の重合体セグメント(B)の重量分率(Y)との間に下記式(1)で示される関係式が成り立つ。
(Y)/(X)≧0.5 ・・・(1)
本発明で用いる4−メチル−1−ペンテン系重合体セグメント(A)は、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体の残基もしくは、4−メチル−1−ペンテン と他のα−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタデセン等の炭素数2ないし20のα−オレフィンとの共重合体の残基で、4−メチル−1−ペンテンを80重量%以上の量を含む4−メチル−1−ペンテンを主体とした重合体の残基である。好ましい共重合成分は、1−デセン、1−ドデカン、1−テトラデカン、1−ヘキサデカン、1−オクタデカンあるいは1−エイコセンである。これらのα−オレフィンの二種類以上の混合物も使用可能である。
本発明で用いる4−メチル−1−ペンテン系重合体のメルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準じ荷重:5.0Kg、温度:260℃の条件で測定したメルトフローレート(MFR)が、0.1ないし500g/10分の範囲にあることが好ましい。さらに1.0ないし200g/10分の範囲にあることが特に好ましい。
本発明で用いられるラジカル重合性単量体をラジカル重合して得られる重合体セグメント(B)は、ラジカル重合性単量体から選ばれる1種以上のモノマーの単独重合体または共重合体の残基である。ラジカル重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸およびその誘導体、スチレンおよびその誘導体、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミドおよびその誘導体、マレイン酸およびその誘導体、マレイミドおよびその誘導体、およびビニルエステル類などが挙げられ、具体的には、(メタ)アクリル酸およびその塩類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、(メタ)アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸およびその塩などのスチレン系化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル化合物類、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有ビニル化合物類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル化合物類、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル類、フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル類、マレイミド、N−アルキル置換マレイミド類などが挙げられる。重合体セグメント(B)としては、これらのラジカル重合性単量体を単独で、あるいは2種以上使用してラジカル重合して得られた重合体の残基であれば特に制限はないが、好ましくはスチレンの単独重合体の残基またはスチレンとその他のラジカル重合性単量体との共重合体の残基である。
本発明の重合体(C)中に含まれる上記4−メチル−1−ペンテン系重合体セグメント(A)の含量は、通常50〜99.9重量%の範囲内であり、好ましくは55〜99.9重量%、より好ましくは60〜99.9重量%である。一方、本発明の重合体(C)中に含まれる上記ラジカル重合性単量体をラジカル重合して得られる重合体セグメント(B)の含量は、通常0.1〜50重量%の範囲内であり、好ましくは0.1〜45重量%、より好ましくは0.1〜40重量%である。上記重合体セグメント(A)の含量が50重量%以下であると、4−メチル−1−ペンテン系重合体の特徴である透明性や耐熱性、剛性が損なわれる可能性があるため好ましくない。
本発明の重合体(C)においては、該重合体(C)中の重合体セグメント(B)の重量分率(X)と、重合体(C)の室温クロロホルム不溶成分中の重合体セグメント(B)の重量分率(Y)との間に下記式(1)で示される関係式が成り立つ。
(Y)/(X)≧0.5 ・・・(1)
重合体(C)中の重合体セグメント(B)の重量分率(X)および、重合体(C)の室温クロロホルム不溶成分中の重合体セグメント(B)の重量分率(Y)は、例えばプロトンNMRやIR、元素分析などを用いて算出することができる。例えば重合体セグメント(A)が4−メチル−1−ペンテンの単独重合体の残基であり、重合体セグメント(B)がポリスチレンの残基である重合体(C)の場合、溶媒として1,1,2,2−テトラクロロエタン−d2を用いて120℃でプロトンNMR測定を行うと、ケミカルシフト0.4〜2.0ppmの範囲に4−メチル−1−ペンテンユニットに由来するシグナルおよびスチレンユニット中のビニル基に由来するシグナル、ケミカルシフト6.3〜7.2ppmの範囲にスチレンユニット中の芳香環に由来するシグナルがそれぞれ検出され、これらのシグナルの積分値から各ユニットの重量分率が算出できる。このうち、スチレンユニットの重量分率がすなわち重合体(C)中に含まれる重合体セグメント(B)の重量分率と見なすことができる。なお、上記ケミカルシフトの値は、溶媒に用いた1,1,2,2−テトラクロロエタン−d2のシグナルを5.95ppmとした時の値である。
本発明の重合体(C)において、この比((Y)/(X))は0.5以上であり、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.7以上である。(Y)/(X)が0.5以上であると、重合体(C)中に含まれる重合体セグメント(B)のうち、重合体セグメント(A)と共有結合しているものの割合が高く、重合体セグメント(B)の分散性が良好となり、結果として重合体(C)を用いて得られるシートまたはフィルムの透明性が良好となる。一方、(Y)/(X)が0.5未満であると、重合体セグメント(A)と共有結合していない遊離の重合体セグメント(B)の割合が高くなるため、透明性が損なわれると共に、機械強度なども悪化する傾向にあり好ましくない。
室温クロロホルム不溶成分は以下のようにして測定する。5gの重合体(C)を100mLのキシレン還流下で溶解させる。1Lのクロロホルムを撹拌している中に上記重合体(C)のキシレン溶液を注ぐ。ポリマーが析出し、スラリー状となった溶液をろ過し、濾物と濾液とに分別する。濾物がクロロホルム不溶成分となる。
本発明の重合体(C)としては、上記要件(1)〜(3)を満たすものであれば特に制限はないが、セグメント(A)とセグメント(B)とが共有結合した構造を有することが好ましい。これらのセグメントの結合形態としては、例えば両セグメントが直鎖状に結合したリニアブロック型や、一方のセグメントを主鎖としてもう一方のセグメントが側鎖となり枝状に結合したグラフト型、複数の同種セグメント間をもう一方のセグメントが橋掛けした架橋型などが挙げられる。これらの結合形態のうち、好ましくはリニアブロック型とグラフト型であり、より具体的にはセグメント(A)の片端あるいは両端にセグメント(B)が結合したリニアブロック型やセグメント(A)を主鎖、セグメント(B)を側鎖とするグラフト型が好ましい。グラフト型の場合、側鎖の本数に特に制限はないが、通常、主鎖1本あたり平均0.1〜10本の範囲であり、好ましくは0.5〜5本の範囲である。側鎖の平均本数が少なすぎると、セグメント(A)のみで構成されるポリマー鎖が多すぎてセグメント(B)の性質が充分に反映されず、側鎖の平均本数が多すぎると、主鎖であるセグメント(A)の結晶性が阻害されるため、セグメント(A)の特徴の一つである耐熱性が大きく損なわれる恐れがある。
以下、本発明の重合体(C)の製造方法について詳述する。本発明のオレフィン系重合体は、例えば、以下の(工程1)(工程2)を順次実施することにより製造される。
(工程1)4−メチル−1−ペンテン系重合体とハロゲン化剤との反応によりハロゲン変性重合体を製造する工程。
(工程2)上記(工程1)で製造されたハロゲン変性重合体をマクロ開始剤として、ラジカル重合性単量体から選ばれる1種以上のモノマーを原子移動ラジカル重合する工程。
(工程1)は、4−メチル−1−ペンテン系重合体とハロゲン化剤との反応によりハロゲン変性重合体を製造する工程である。
本工程で用いられる4−メチル−1−ペンテン系重合体としては、例えば上記の4−メチル−1−ペンテン系重合体セグメント(A)の項で示したものと同様の重合体が挙げられる。また、4−メチル−1−ペンテン系重合体を不飽和カルボン酸またはその誘導体により変性した変性4−メチル−1−ペンテン系重合体を用いることもできる。不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、具体的には、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸エステル、マレイン酸ハライド、マレイン酸アミド、マレイン酸イミドなどが挙げられる。4−メチル−1−ペンテン系重合体を不飽和カルボン酸またはその誘導体により変性する方法としては、例えば、有機過酸化物などのラジカル発生剤の存在下、あるいは紫外線や放射線の存在下に不飽和カルボン酸またはその誘導体を4−メチル−1−ペンテン系重合体と反応させる方法などが挙げられる。
本発明に用いられる4−メチル−1−ペンテン系重合体を製造する条件や方法については特に制限はないが、例えばチーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒、ポストメタロセン触媒などのような公知の遷移金属触媒を用いた配位アニオン重合などの方法を用いることができる。また、上記方法で製造したポリオレフィンを熱やラジカルで分解したものを用いることもできる。
本工程で用いられるハロゲン化剤としては、4−メチル−1−ペンテン系重合体をハロゲン化してハロゲン変性ポリオレフィンを製造できるものであれば特に制限はないが、具体的には、塩素、臭素、ヨウ素、三塩化リン、三臭化リン、三ヨウ化リン、五塩化リン、五臭化リン、五ヨウ化リン、塩化チオニル、塩化スルフリル、臭化チオニル、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ブロモカプロラクタム、N−ブロモフタルイミド、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、N−クロログルタルイミド、N−ブロモグルタルイミド、N,N‘−ジブロモイソシアヌル酸、N−ブロモアセトアミド、N−ブロモカルバミド酸エステル、ジオキサンジブロミド、フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド、ピリジニウムヒドロブロミドペルブロミド、ピロリドンヒドロトリブロミド、次亜塩素酸t−ブチル、次亜臭素酸t−ブチル、塩化銅(II)、臭化銅(II)、塩化鉄(III)、塩化オキサリル、IBrなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは塩素、臭素、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ブロモカプロラクタム、N−ブロモフタルイミド、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、N−クロログルタルイミド、N−ブロモグルタルイミド、N,N‘−ジブロモイソシアヌル酸であり、より好ましくは臭素および、N−ブロモスクシンイミド、N−ブロモカプロラクタム、N−ブロモフタルイミド、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、N−ブロモグルタルイミド、N,N‘−ジブロモイソシアヌル酸などのN−Br結合を有する化合物である。
4−メチル−1−ペンテン系重合体とハロゲン化剤との反応は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、例えば窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスが挙げられる。また、本発明の反応には、必要に応じて溶媒を使用することができる。溶媒としては反応を阻害しないものであれば何れでも使用することができるが、例えば、具体例として、ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナンおよびデカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよびデカヒドロナフタレンのような脂環族炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素およびテトラクロロエチレン、テトラクロロエタン等の塩素化炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノールおよびtert-ブタノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸エチルおよびジメチルフタレート等のエステル系溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ-n-アミルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキシアニソールのようなエーテル系溶媒等をあげることができる。好ましくは、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナンおよびデカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよびデカヒドロナフタレンのような脂環族炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素およびテトラクロロエチレン、テトラクロロエタン等の塩素化炭化水素系溶媒が挙げられる。これらの溶媒は、単独でもまたは2種以上を混合して使用してもよい。また、これらの溶媒の使用によって、反応液が均一相となることが好ましいが、不均一な複数の相となっても構わない。
ハロゲン化剤との反応においては、反応を促進するために必要に応じてラジカル開始剤を添加することもできる。ラジカル開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビス-2-アミジノプロパン塩酸塩、アゾビスイソ酪酸ジメチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩または4,4’-アゾビス-4-シアノ吉草酸等のアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル、2,4-ジクロル過酸化ベンゾイル、過酸化ジ-tert-ブチル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジイソプロピルジカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、tert-ブチルヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、p-メンタンヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカルボナート、tert-ブチルペルオキシラウレート、ジ-tert-ブチルペルオキシフタレート、ジベンジルオキシドまたは2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジヒドロペルオキシド等の過酸化物系開始剤、または過酸化ベンゾイル-N,N-ジメチルアニリンまたはペルオキソ二硫酸−亜硫酸水素ナトリウム等のレドックス系開始剤等が挙げられる。これらのうち、アゾ系開始剤または過酸化物系開始剤が好ましく、更に好ましくは、過酸化ベンゾイル、過酸化ジ-tert-ブチル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジイソプロピルジカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、tert-ブチルヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸ジメチルである。これらのラジカル開始剤は、単独でもまたは2種以上を同時にまたは順次に使用することもできる。
また、4−メチル−1−ペンテン系重合体とハロゲン化剤とを反応させる方法については、従来公知の種々の方法が採用できる。例えば、4−メチル−1−ペンテン系重合体を溶媒に懸濁させ、あるいは溶解させて、通常−80℃〜250℃の温度、好ましくは室温以上溶媒の沸点以下の温度で、ハロゲン化剤と必要に応じてラジカル開始剤などを添加混合して反応させる方法、あるいは4−メチル−1−ペンテン系重合体をその融点以上、例えば、180〜300℃の温度で溶融混練下にハロゲン化剤と必要に応じてラジカル開始剤とを接触させる方法などが挙げられる。
本工程により得られるハロゲン変性重合体のハロゲン含有率は、0.01〜70重量%、好ましくは0.02〜50重量%、さらに好ましくは0.05〜30重量%である。本発明では、このようなハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素から選ばれ、これらの組み合わせであってもよい。ハロゲン変性重合体中に存在するハロゲン原子含有量は、例えば元素分析やイオンクロマトグラフィーなどの方法により測定することができる。
(工程2)は、上記(工程1)で製造されたハロゲン変性重合体をマクロ開始剤として、ラジカル重合性単量体から選ばれる1種以上のモノマーを原子移動ラジカル重合する工程である。なお、本発明のマクロ開始剤とは、原子移動ラジカル重合の開始能を有する重合体であり、分子鎖中に原子移動ラジカル重合の開始点となりうる部位を有する重合体を表す。
本発明における原子移動ラジカル重合とは、リビングラジカル重合の一つであり、有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属を中心金属とする金属錯体を触媒としてラジカル重合性単量体をラジカル重合する方法である。具体的には、例えば、Matyjaszewskiら、Chem. Rev., 101, 2921 (2001)、WO96/30421号公報、WO97/18247号公報、WO98/01480号公報、WO98/40415号公報、WO00/156795号公報、あるいは澤本ら、Chem. Rev., 101, 3689 (2001)、特開平8−41117号公報、特開平9−208616号公報、特開2000−264914号公報、特開2001−316410号公報、特開2002−80523号公報、特開2004−307872号公報などが挙げられる。用いられる開始剤としては、例えば有機ハロゲン化物やハロゲン化スルホニル化合物が挙げられるが、特に炭素−炭素二重結合または炭素−酸素二重結合のα位に存在する炭素−ハロゲン結合、あるいは一つの炭素原子上に複数のハロゲンが付加した構造が開始剤構造として好適である。本発明のハロゲン変性重合体においては、炭素−炭素二重結合のα位に存在する炭素−ハロゲン結合、あるいは一つの炭素原子上に複数のハロゲンが付加した構造を開始剤構造として利用することができる。
本工程において、ハロゲン変性重合体をマクロ開始剤として使用することによる重合体(C)の製造方法は、基本的には上記ハロゲン変性重合体の存在下、遷移金属を中心金属とする金属錯体を触媒としてラジカル重合性単量体を原子移動ラジカル重合させるものである。
重合触媒として用いられる遷移金属錯体としては特に限定されないが、好ましくは周期律表第7族、8族、9族、10族、または11族元素を中心金属とする金属錯体である。更に好ましいものとして、0価の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄又は2価のニッケルの錯体が挙げられる。なかでも、銅の錯体が好ましい。1価の銅化合物を具体的に例示するならば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等である。銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために2,2′−ビピリジル若しくはその誘導体、1,10−フェナントロリン若しくはその誘導体、又はテトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン若しくはヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン等のポリアミン等が配位子として添加される。また、2価の塩化ルテニウムのトリストリフェニルホスフィン錯体(RuCl(PPh)も触媒として好適である。ルテニウム化合物を触媒として用いる場合は、活性化剤としてアルミニウムアルコキシド類が添加される。更に、2価の鉄のビストリフェニルホスフィン錯体(FeCl(PPh)、2価のニッケルのビストリフェニルホスフィン錯体(NiCl(PPh)、及び、2価のニッケルのビストリブチルホスフィン錯体(NiBr(PBu)も、触媒として好適である。
本工程で用いられるラジカル重合性単量体としては、上記重合体セグメント(B)の項で示したものと同様のものが用いられる。
本工程において、重合方法は特に限定されず、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、塊状・懸濁重合などを適用することができる。本工程のラジカル重合において使用できる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば何れでも使用することができるが、例えば、具体例として、ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナンおよびデカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよびデカヒドロナフタレンのような脂環族炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素およびテトラクロルエチレン等の塩素化炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノールおよびtert-ブタノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸エチルおよびジメチルフタレート等のエステル系溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ-n-アミルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキシアニソールのようなエーテル系溶媒等をあげることができる。また、水を溶媒として、懸濁重合、乳化重合することもできる。これらの溶媒は、単独でもまたは2種以上を混合して使用してもよい。また、これらの溶媒の使用によって、反応液が均一相となることが好ましいが、不均一な複数の相となっても構わない。
反応温度はラジカル重合反応が進行する温度であれば何れでも構わず、所望する重合体の重合度、使用するラジカル重合開始剤および溶媒の種類や量によって一様ではないが、通常、−100℃〜250℃である。好ましくは−50℃〜180℃であり、更に好ましくは0℃〜160℃である。反応は場合によって減圧、常圧または加圧の何れでも実施できる。上記重合反応は、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
上記の方法により生成した重合体(C)は、重合に用いた溶媒や未反応のモノマーの留去あるいは貧溶媒による再沈殿などの公知の方法を用いることにより単離される。更に、得られたポリマーをソックスレー抽出装置を用い、アセトンやTHFなどの極性溶媒で処理することで、副生したホモラジカル重合体を除去することが可能である。
上記(工程1)(工程2)を実施することにより、本発明の重合体(C)が製造される。
本発明に係る重合体(C)を用いて得られるフィルムまたはシートは例えば押出成形により成形することができ、具体的には単軸スクリュー押出機、混練押出機、ラム押出機、ギヤ押出機などを用いて、溶融した重合体(C)をTダイなどから押出すことによりシートまたはフィルムなどに成形することができる。得られたフィルムおよびシートは延伸してもよい。
シートの厚さは特に限定されないが、好ましくは0.3〜5mmの範囲である。フィルムの厚さは特に限定されないが、好ましくは10〜300μmの範囲である。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお本実施例中の各物性の測定は以下のように行った。
(i)プロトンNMR測定
測定装置:日本電子製GSX−270型核磁気共鳴装置
試料管:5mmφ
測定溶媒:1,1,2,2−テトラクロロエタン−d4
測定温度:120℃
測定回数:256回
各ピークのケミカルシフトは、1,1,2,2−テトラクロロエタン−d4のプロトンを5.95ppmとして決定した。
(ii)ハロゲン含量
試料を酸素フラスコ燃焼法にて分解処理し、イオンクロマトグラフ(DIONEX DX−500)にて定量した。
(1)ハロゲン変性4−メチル−1−ペンテン系重合体の製造
充分に窒素置換した内容積2Lのガラス製反応器に、4−メチル−1−ペンテン系重合体(TPX;三井化学製DX845)75gおよびクロロベンゼン1.5Lを入れ、120℃で2時間加熱攪拌した。その後、N−ブロモスクシンイミド1.13gを加えて100℃で2時間反応を行った。反応液を1.5Lのアセトン中に注ぎ、析出したポリマーを減圧乾燥して74gの白色粉末状変性TPXを得た。得られたポリマー中に含まれる臭素原子の含有量は、イオンクロマトグラフィー分析から0.25wt%であった。
(2)TPX−ポリスチレン(PS)共重合体の製造
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、上記(1)で得たハロゲン変性TPX15gとスチレン(St)200mLを入れて25℃で撹拌した。このスラリーに、臭化銅(I)0.26g、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)0.75mLを加え、80℃で4時間重合を行った。反応液をメタノール1.5L中に注ぎ、析出したポリマーを減圧乾燥して15.0gの固体状ポリマーを得た。得られたポリマー中のTPX/PS組成比は、プロトンNMR分析より98.1/1.9(wt%)であった。得られたポリマーを温度270℃に設定した熱プレス機にて圧力100kg/cm2、時間5分の条件でプレス成形し、その後温度20℃に設定したプレス機にて急速に冷却することにより、厚さ100μmのプレスシートを得た。得られたプレスシートのヘイズは2.27%であり、透明性は良好であった。また、得られたポリマー5gを200mLの2口フラスコにいれ、100mLのキシレン還流下で完全に溶解させた後、1Lのクロロホルム中に注ぎ、析出したポリマーをろ過、減圧乾燥して4.98gの固体状ポリマーを回収した。回収したポリマー中のTPX/PS組成比は、プロトンNMR分析より98.3/1.7(wt%)であった。したがって、(Y)/(X)比は、0.89と算出された。結果を表1に示す。
TPX−ポリ(メタクリル酸メチル/スチレン)(MS)共重合体の製造
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、上記[実施例1](1)で得たハロゲン変性TPX15gとトルエン157mL、メタクリル酸メチル(MMA)38.5mL、St4.6mLを入れて25℃で撹拌した。このスラリーに、臭化銅(I)0.13g、PMDETA0.38mLを加え、80℃で1時間重合を行った。反応液をメタノール1.5L中に注ぎ、析出したポリマーを減圧乾燥して15.1gの固体状ポリマーを得た。得られたポリマー中のTPX/MS組成比は、プロトンNMR分析より97.1/2.9(wt%)であった。得られたポリマーについて[実施例1](2)と同様にプレスシートを作成し、ヘイズを測定した。また、得られたポリマーから[実施例1](2)と同様の操作によりクロロホルム不溶成分を回収し、プロトンNMRより組成を算出した。これらの結果を表1に示す。
TPX−MS共重合体の製造
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、上記[実施例1](1)で得たハロゲン変性TPX15gとトルエン214mL、メタクリル酸メチル(MMA)77.0mL、St9.2mLを入れて25℃で撹拌した。このスラリーに、臭化銅(I)0.26g、PMDETA0.75mLを加え、80℃で1時間重合を行った。反応液をメタノール1.5L中に注ぎ、析出したポリマーを減圧乾燥して16.6gの固体状ポリマーを得た。得られたポリマー中のTPX/MS組成比は、プロトンNMR分析より95.2/4.8(wt%)であった。得られたポリマーについて[実施例1](2)と同様にプレスシートを作成し、ヘイズを測定した。また、得られたポリマーから[実施例1](2)と同様の操作によりクロロホルム不溶成分を回収し、プロトンNMRより組成を算出した。これらの結果を表1に示す。
[比較例1]
充分に窒素置換した内容積100mLのシュレンク管に、TPX(三井化学製DX845)4.9gとポリスチレン(日本ポリスチレン製G430)0.1g、キシレン70mLを入れて130℃で6時間加熱撹拌した。得られた溶液をメタノール400mL中に注ぎ、析出したポリマーを減圧乾燥して4.8gの固体状ポリマーを得た。得られたポリマーについて[実施例1](2)と同様にプレスシートを作成し、ヘイズを測定した。また、得られたポリマーから実施例1(2)と同様の操作によりクロロホルム不溶成分を回収し、プロトンNMRより組成を算出した。これらの結果を表1に示す。
透明性に優れるフィルムまたはシートが提供される。

Claims (5)

  1. 4−メチル−1−ペンテン系重合体セグメント(A)50〜99.9重量%と、ラジカル重合性単量体をラジカル重合して得られる重合体セグメント(B)0.1〜50重量%とを含み、下記要件(1)〜(3)を同時に満たすことを特徴とする重合体(C)。
    (1)4−メチル−1−ペンテン系重合体セグメント(A)が、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体の残基、あるいは炭素数2から20個のα−オレフィンと4−メチル−1−ペンテンのランダム共重合体の残基で、4−メチル−1−ペンテンの含有率が80重量%以上である。
    (2)重合体セグメント(B)が、ラジカル重合性単量体から選ばれる1種以上のモノマーの単独重合体または共重合体の残基である。
    (3)重合体(C)中の重合体セグメント(B)の重量分率(X)と、重合体(C)の室温クロロホルム不溶成分中の重合体セグメント(B)の重量分率(Y)との間に下記式(1)で示される関係式が成り立つ。
    (Y)/(X)≧0.5 ・・・(1)
  2. 上記ラジカル重合性単量体が、(メタ)アクリル酸およびその誘導体、スチレンおよびその誘導体、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミドおよびその誘導体、マレイン酸およびその誘導体、マレイミドおよびその誘導体、およびビニルエステル類から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の重合体(C)。
  3. 上記4−メチル−1−ペンテン系重合体セグメント(A)が、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、あるいは、これらのα−オレフィンの二種類以上の混合物と4−メチル−1−ペンテンのランダム共重合体の残基であることを特徴とする請求項1に記載の重合体(C)。
  4. 上記重合体セグメント(B)が、スチレンの単独重合体の残基、またはスチレンとその他のラジカル重合性単量体との共重合体の残基であることを特徴とする請求項1に記載の重合体(C)。
  5. 上記重合体(C)を用いて得られるフィルムまたはシート。
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