JP3532360B2 - 耐熱性樹脂の製造方法 - Google Patents
耐熱性樹脂の製造方法Info
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Description
原料を用いて得られる、優れた耐熱性と外観を有する着
色の少ない耐熱性樹脂の製造方法に関する。
クリル樹脂は耐候性および光学的性質に優れ、また機械
的性質、熱的性質および成形加工性においても比較的バ
ランスのとれた性質を有しているので、これらの性質を
生かして自動車部品、電気機器部品、銘板、看板、照明
用カバー、装飾用品、雑貨用品など多くの分野で用いら
れている。しかし、耐熱性については必ずしも十分では
なく、高温での形状安定性が要求される分野ではその使
用が制限されていることから、その耐熱性の向上が強く
求められている。
については、既に多くの提案がなされており、例えばメ
タクリル酸メチルとN−アリールマレイン酸イミドとを
共重合させる方法(特公昭43−9753号公報)、メ
タクリル酸メチル、α−メチルスチレンおよび無水マレ
イン酸の共重合体とメタクリル酸メチル共重合体とをブ
レンドする方法(特開昭59−122536号公報)な
どを挙げることができる。
あって着色が低減されたメタクリル樹脂を提供する方法
として、メタクリル酸メチルとN−シクロヘキシルマレ
イミドとを特定範囲で共重合させる方法(特開昭62−
156115号公報、特開昭62−177009号公
報)、メタクリル酸メチルとN−シクロヘキシルマレイ
ミドなどとを共重合させ、得られる共重合体中に残留す
る原料単量体を低減させる方法(特開昭62−1126
12号公報)などが知られている。
ルとN−シクロヘキシルマレイミドとを共重合させるこ
とによりメタクリル樹脂の耐熱性、透明性および着色性
の改善はある程度解決される。
脂を得るためには、樹脂中のN−シクロヘキシルマレイ
ミド単位を増加させる必要があるものの、N−シクロヘ
キシルマレイミド単位を増加させると得られるメタクリ
ル樹脂は着色(黄変)しやすくなるという問題が生じ
る。
キシルマレイミドを出発原料の一つとするN−シクロヘ
キシルマレイミド系樹脂一般に認められるところであ
る。しかし、樹脂製品の用途によっては着色の低減が強
く求められることから、着色が低減された(本発明にお
いては、これを「低着色性」という)N−シクロヘキシ
ルマレイミド系の耐熱性樹脂の開発が望まれていた。
熱性樹脂、特に透明性等の外観および耐熱性に優れ、さ
らに低着色性となるN−シクロヘキシルマレイミド系の
耐熱性樹脂の製造を可能とする耐熱性樹脂製造用の原料
を提供することを目的とする。
耐熱性樹脂、特に透明性等の外観および耐熱性に優れ、
さらに低着色性の、N−シクロヘキシルマレイミド系耐
熱性樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
ヘキシルマレイミド系の耐熱性樹脂の着色について検討
したところ、出発原料としてのN−シクロヘキシルマレ
イミド中に存在する不純物であるシクロヘキシルアミノ
無水コハク酸が着色原因物質であることを究明し、この
知見に基づいて本発明を完成するに至った。
料は、N−シクロヘキシルマレイミドを主成分とし、シ
クロヘキシルアミノ無水コハク酸含量が0.001〜1
重量%(対N−シクロヘキシルマレイミド)の範囲とな
るように調整することを特徴としている。
上記原料およびこれと共重合可能な少なくとも1種の単
量体を共重合して得られるものであることを特徴として
おり、上記の耐熱性樹脂における黄色度(YI)が2以
下、または15重量%クロロホルム溶液での黄色度(Y
Isol.)が3以下、好ましくは2以下であることを
特徴としている。
は、N−シクロヘキシルマレイミドを主成分とし、シク
ロヘキシルアミノ無水コハク酸含量が0.001〜1重
量%(対N−シクロヘキシルマレイミド)であるもので
ある。
質であり、その製造法もよく知られている。具体的に
は、例えば無水マレイン酸とシクロヘキシルアミンとを
反応させて得られるN−シクロヘキシルマレインアミド
酸を閉環することにより容易に得られる。
ロヘキシルマレイミド中に不純物としてシクロヘキシル
アミノ無水コハク酸が含まれていることはいままで知ら
れておらず、しかもこのシクロヘキシルアミノ無水コハ
ク酸がN−シクロヘキシルマレイミド系の耐熱性樹脂の
着色原因物質であることは本発明者らによって初めて見
出されたものである。このシクロヘキシルアミノ無水コ
ハク酸は下記の構造式を有するものであり、N−シクロ
ヘキシルマレイミドの製造過程で副生するものと考えら
れる。
シクロヘキシルマレイミドを主成分とし、シクロヘキシ
ルアミノ無水コハク酸含量(対N−シクロヘキシルマレ
イミド、以下同じ)を0.001〜1重量%、より好ま
しくは0.001〜0.5重量%の範囲に調整してなる
ものである。
1重量%を超えると、得られるN−シクロヘキシルマレ
イミド系の耐熱性樹脂は着色する(比較例1、2参
照)。一方、シクロヘキシルアミノ無水コハク酸含量を
0.001重量%より少なくしても、それに見合う更な
る着色の低減は認められず、シクロヘキシルアミノ無水
コハク酸を除去する蒸留などの操作に伴うコストを考慮
するとシクロヘキシルアミノ無水コハク酸含量は最低
0.001重量%とすれば十分である。
0.001〜1重量%の原料は、反応終了後の粗製のN
−シクロヘキシルマレイミドを主成分とする原料を蒸
留、アセトンなどの溶媒を用いた再結晶などの方法や、
それらの操作を繰り返すことにより容易に得られる。
コハク酸含量は次の方法により測定した。シクロヘキシルアミノ無水コハク酸含量 後記実施例の項に記載の方法にしたがって島津製作所製
高速クロマトグラフィー(LC−10A)を用いて測定
した。
ス転移温度が120℃以上で、かつ、下記の方法により
測定した黄色度(YI)が2以下、または溶液での黄色
度(YIsol.)が、3以下、好ましくは2以下、さ
らに好ましくは1以下のものである。
る、本発明の耐熱性樹脂からなる厚み3.0mmの重合
体板、および後記実施例3に記載の方法に準じて得られ
る本発明の耐熱性樹脂からなる厚み3.0mmの共重合
体成型品について、色差計(日本電色工業製Σ80)を
用い、JIS−K−7103にしたがって黄色度(Y
I)を測定した。
られる本発明の耐熱性樹脂からなる共重合体ペレットの
15重量%クロロホルム溶液を調製し、そのクロロホル
ム溶液を厚さ10mmのガラスセルにて、JIS−K−
7103にしたがい、透過光を用いて三刺激値をそれぞ
れ測定し、それら三刺激値から、溶液での黄色度(YI
sol.)を測定した。
いるN−シクロヘキシルマレイミドを主成分とする原料
と共重合可能な単量体としては、メタクリル酸エステル
類、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシルお
よびメタクリル酸イソボニル;アクリル酸エステル類、
例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピルおよびアクリル酸ブチル;芳香族ビニル化合
物、例えばスチレンおよびα−メチルスチレンなどを挙
げることができる。これらのうち、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸メチル、スチレン、α−メチルスチレン
などが特にその優れた反応性および耐熱性に優れた樹脂
が得られるという点において好適に用いられる。
前記原料と上記共重合可能な単量体との二元系共重合体
であり、その代表例としては上記原料−メタクリル酸メ
チル共重合体、上記原料−メタクリル酸シクロヘキシル
共重合体、上記原料−メタクリル酸イソボニル共重合体
などを挙げることができる。
に特段の制限はなく、従来公知の方法にしたがって行う
ことができる。例えば、上記原料とメタクリル酸メチル
とを共重合する場合、上記原料5〜50重量部とメタク
リル酸メチル95〜50重量部(合計100重量部)と
を常法によりラジカル重合開始剤を用いてラジカル重合
させればよい。
は上記原料、メタクリル酸エステル(特にメタクリル酸
メチル)および前記の共重合可能な単量体のなかから選
ばれた少なくとも1種の単量体を共重合させて得られる
三元または多元系共重合体があげられる。
ル酸メチル−α−メチルスチレン共重合体、上記原料−
メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、上記原料−メ
タクリル酸メチル−アクリル酸メチル共重合体などを挙
げることができる。
は、前記二元系共重合体と同様に、その方法に特段の制
限はなく、従来公知の方法にしたがって行うことができ
る。例えば、上記原料−メタクリル酸メチル−スチレン
共重合体の場合、上記原料5〜50重量部およびメタク
リル酸メチル95〜50重量部、ならびにこれら合計1
00重量部に対し30重量部以下のスチレンを常法によ
りラジカル重合開始剤を用いてラジカル重合させればよ
い。
いるラジカル重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、
ラウリルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート、過硫酸塩、過酸化水素、
アゾビスイソブチロニトリルなどが用いられる。ラジカ
ル共重合反応は、通常、40〜150℃の範囲の温度で
4〜24時間程度行う。また、ラジカル共重合反応は溶
液重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合またはこれらを
適宜組み合わせて行うことができる。
の低着色性となる耐熱性樹脂は、その使用目的に応じて
種々の添加剤、例えば紫外線吸収剤および安定剤に代表
される公知の添加剤を配合して熱可塑性樹脂組成物とし
て用いることができる。また、他の合成樹脂、例えばポ
リメタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸メチル−スチ
レン樹脂などとブレンドして使用することもできる。
する。なお、以下の記載における部および%はそれぞれ
重量部および重量%を意味する。本発明の耐熱性樹脂製
造用の原料は、N−シクロヘキシルマレイミドを主成分
とし、シクロヘキシルアミノ無水コハク酸が0.001
〜1%(対N−シクロヘキシルマレイミド)であるもの
である。
構造の同定およびその定量は次の方法によって行った。
A)を用いN−シクロヘキシルマレイミド中の化合物を
分取し、分取された液をさらに30℃で真空乾燥を行っ
た。得られた固形分をクロロホルム:ヘキサン=1:1
の混合溶媒で再結晶を行った後、乾燥した。次いで、得
られた固形分を赤外分光光度計(日本バイオラット製F
TS−7/SPC−3200)、超電導フーリェ変換核
磁気共鳴装置(バリアン製VXR−300S)、ガスク
ロマトグラフ質量分析計(日本電子製JMS−AX50
5WA)および融点測定器(ビッヒ製501K)を用い
て測定した。スペクトル値および分析値は次のとおりで
あった。
s,2930s,1695vs,1390s,1195
s,1120s,735m,590m1 H−NMR(300MHz,DMSO−d6 ):δ
(ppm)=6.05(1H,J=6.0Hz,d),
4.40(1H,m),3.80(1H,m),2.9
5(1H,J=18,J=7.2,dd),2.40
(1H,J=18,J=5,dd),2.00(2H,
J=12.7,g),1.80(2H,J=15,
d),1.6(3H,m),1.20(3H,m)13 C−NMR(300MHz,DMSO−d6 ):δ
(ppm)=178.13(1C),174.8(1
C),65.8(1C),50.4(1C),37.6
(1C),28.6(1C),28.3(1C),2
5.4(2C),24.9(1C) GC−MS=197+ 融点=155.5〜156.5℃定量 高速液体クロマトグラフィー(島津製作所製LC−10
A)を用いて、シクロヘキシルアミノ無水コハク酸の検
量線を作成した後、N−シクロヘキシルマレイミド中の
シクロヘキシルアミノ無水コハク酸の含量を下記条件下
に測定した。
6mmΦ×25cm) 移動相:0.005モル/リットルのリン酸2水素カリ
ウム水溶液とメタノール との1:0.818(重量比)の混合溶液 カラム温度:45℃ 流量:0.8ml/min 検出器:日立製作所6.55A、UV220nm サンプル調整:50mlメスフラスコにサンプル0.4
gを精秤し、移動相で溶解秤量した後、20μl注入し
て分析した。
却管、滴下ロートおよび攪拌機を備えたフラスコに無水
マレイン酸と無水マレイン酸の単位重量当り5重量倍の
オルソキシレンを仕込み、56℃で溶解せしめて無水マ
レイン酸の均一なオルソキシレン溶液を調製した。次い
で、この無水マレイン酸溶液に、無水マレイン酸に対し
モル比で当量のシクロヘキシルアミンとこれと等重量の
オルソキシレンを含む溶液を同温度で攪拌下、0.5時
間で全量滴下してN−シクロヘキシルマレインアミド酸
のオルソキシレンのスラリー液を合成した。
ロヘキシルアミンと同重量のオルソリン酸、重合禁止剤
としてN−シクロヘキシルマレインアミド酸に対し20
0ppmのジブチルジチオカルバミン酸銅を加え、加熱
して攪拌下140℃に保ち、反応により生成する水をオ
ルソキシレンとともに反応系外に留去せしめながら7時
間反応させた。反応終了後140℃で反応液から下層に
分離した酸触媒層を分離除去した。
等重量の水を加えて30分間攪拌水洗し水層を分離した
後、有機層から10mmHgの減圧下オルソキシレンを
除去し、さらに5mmHgの減圧下、内温130〜15
0℃で単蒸留することにより白色のN−シクロヘキシル
マレイミドを主成分とする原料を得た。
キシルアミノ無水コハク酸の含量を測定したところ2.
5%であった。なお、本発明にかかる下記の実施例、お
よび比較例で用いたN−シクロヘキシルマレイミドを主
成分とする原料中のシクロヘキシルアミノ無水コハク酸
含量は蒸留および再結晶による精製度合を変化させるこ
とにより調整した。
ハク酸を0.9%含むN−シクロヘキシルマレイミドか
らなる原料20部とメタクリル酸メチル80部とを混合
し、200mmHgの減圧下10分間脱気を行った単量
体混合物に対し、重合開始剤としてラウリルパーオキサ
イドを0.4部溶解させ、下記のキャスト重合により成
形した。
ス板(240×180×5mm)に軟質塩化ビニールチ
ューブ(7×4mm)で双方のガラス板の間隔が4mm
になるように固定した枠に静かに注入し、水浴中にて5
5℃で20時間加熱した後、厚み3.0mmの透明な重
合体板を得た。
について色差計(日本電色工業製Σ80)を用い、JI
S−K−7103にしたがって黄色度(YI)を透過光
で測定したところ0.8であった。また、熱分析装置
(リガク製DSC−8230/TAS−100)を用
い、JIS−K−7121にしたがってガラス転移温度
を測定したところ137℃であった。
ハク酸を0.01%含むN−シクロヘキシルマレイミド
からなる原料20部とメタクリル酸メチル80部とを混
合し、200mmHgの減圧下10分間脱気を行った単
量体混合物に対し、重合開始剤としてラウリルパーオキ
サイドを0.4部溶解させ、実施例1と同様の条件でキ
ャスト重合を行い厚み3.0mmの透明な重合体板を得
た。この重合体板について実施例1と同様にして黄色度
(YI)およびガラス転移温度を測定したところ、それ
ぞれ、0.8および137℃であった。
シルアミノ無水コハク酸含量が1%以下のN−シクロヘ
キシルマレイミドからなる原料を用いて得られるN−シ
クロヘキシルマレイミド−メタクリル酸メチル共重合体
は、透明であり、また黄色度(YI)が1以下であって
低着色性であり、さらにガラス転移温度が120℃以上
であって耐熱性に優れていることが分かる。
ハク酸を1.8%含むN−シクロヘキシルマレイミドか
らなる比較原料20部とメタクリル酸メチル80部とを
混合し、200mmHgの減圧下10分間脱気を行った
単量体混合物に対し、重合開始剤としてラウリルパーオ
キサイドを0.4部溶解させ、実施例1と同様の条件で
キャスト重合を行い厚み3.0mmの透明な重合体板を
得た。この重合体板について実施例1と同様にして黄色
度(YI)およびガラス転移温度を測定したところ、そ
れぞれ、2.4および138℃であった。
ハク酸を2.5%含むN−シクロヘキシルマレイミドか
らなる比較原料20部とメタクリル酸メチル80部とを
混合し、200mmHgの減圧下10分間脱気を行った
単量体混合物に対し、重合開始剤としてラウリルパーオ
キサイドを0.4部溶解させ、実施例1と同様の条件で
キャスト重合を行い厚み3.0mmの透明な重合体板を
得た。この重合体板について実施例1と同様にして黄色
度(YI)およびガラス転移温度を測定したところ、そ
れぞれ、4.0および137℃であった。
シルアミノ無水コハク酸含量が1%を超えるN−シクロ
ヘキシルマレイミドからなる比較原料を用いて得られる
N−シクロヘキシルマレイミド−メタクリル酸メチル共
重合体は透明であり、また耐熱性に優れてはいるが、著
しく着色(黄変)していることが分かる。
分間脱気を行ったメタクリル酸メチル100部に対し、
重合開始剤としてラウリルパーオキサイドを0.4部溶
解させ、実施例1と同様の条件でキャスト重合を行い厚
み3.0mmの透明な重合体板を得た。この重合体板に
ついて実施例1と同様に黄色度(YI)およびガラス転
移温度を測定したところ、それぞれ、0.8および11
4℃であった。
マレイミドを使用することなくメタクリル酸メチルを単
独で重合して得られるメタクリル酸メチル重合体は透明
であり、また低着色性ではあるが、ガラス転移温度が1
14℃であって耐熱性が劣っていることが分かる。
下槽、第3滴下槽をそれぞれ有し、内容量20リットル
の攪拌機つきのステンレス製重合槽に、メタクリル酸メ
チル15.75部、シクロヘキシルアミノ無水コハク酸
を0.01%含むN−シクロヘキシルマレイミドからな
る原料6.25部、トルエン25部、安定化剤としての
ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕0.0025部を仕込んだ。
スチレン6部、トルエン10部の第1混合溶液を第1滴
下槽に仕込み、あらかじめ窒素ガスでバブリングして溶
存酸素を上記第1混合溶液槽から除去した。またシクロ
ヘキシルアミノ無水コハク酸を0.01%含むN−シク
ロヘキシルマレイミドからなる原料6.25部、トルエ
ン10部の第2混合溶液を第2滴下槽に仕込み、あらか
じめ窒素ガスでバブリングして溶存酸素を上記第2混合
溶液から除去した。さらにtert−ブチルパーオキシ
イソプロピルカーボネート0.108部とトルエン5部
の第3混合溶液を第3滴下槽に仕込み、あらかじめ窒素
ガスでバブリングして溶存酸素を上記第3混合溶液から
除去した。
拌しながら、上記溶液に対し窒素ガスで10分間バブリ
ングして、窒素ガス置換により上記溶液から溶存酸素を
除去した後、窒素ガス雰囲気下で上記溶液の昇温を開始
し、110℃に達した時点で重合開始剤としてtert
−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートを0.0
2部上記溶液に加えた。
および第3混合溶液を、3.5時間かけて第1滴下槽、
第2滴下槽および第3滴下槽よりそれぞれ重合槽内の上
記溶液に滴下し、重合温度110℃の還流下で重合反応
を7時間行った。その後、前述の安定化剤をさらに0.
0475部上記重合槽内の溶液に添加した。
シリンダー温度240℃にコントロールしたベント付き
30mm2軸押し出し機に供給し、ベント口より真空脱
揮し、出てきたストランドをペレット化して、本発明の
耐熱性樹脂としての共重合ペレット(1)を得た。この
共重合ペレット(1)の溶液での黄色度(YIso
l.)は0.8であった。
リンダー温度250〜260℃、金型温度100℃、射
出圧950kg/cm2 にてコントロールした射出成型
機を用いて成型し、厚み3mmの透明な成型品を得た。
黄色度(YI)およびガラス転移温度を測定したとこ
ろ、それぞれ、1.6および136℃であった。
ノ無水コハク酸含量が1%以下のN−シクロヘキシルマ
レイミドからなる原料を用いて得られるN−シクロヘキ
シルマレイミド−メタクリル酸メチル共重合体は、成型
品の黄色度(YI)は1.6となって低着色性であり、
また、ガラス転移温度は120℃以上あって耐熱性に優
れていることが分かる。
シルアミノ無水コハク酸を0.01%含むN−シクロヘ
キシルマレイミドからなる原料に代えて、シクロヘキシ
ルアミノ無水コハク酸1.8%含むN−シクロヘキシル
マレイミドからなる比較原料を用いた他は、実施例3と
同様に操作して、比較共重合体ペレット(1)を得た。
この比較共重合体ペレット(1)の溶液での黄色度(Y
Isol.)は4.1であった。
を実施例3と同様にして成型し、厚み3mmの透明な成
型品を得た。この成型品について実施例1と同様にして
黄色度(YI)およびガラス転移温度を測定したとこ
ろ、それぞれ、6.4および136℃であった。
ノ無水コハク酸含量が1%を超えるN−シクロヘキシル
マレイミドからなる比較原料を用いて得られるN−シク
ロヘキシルマレイミド−メタクリル酸メチル共重合体は
透明で耐熱性に優れてはいるが、著しく着色(黄変)し
ていることが分かる。
−シクロヘキシルマレイミドを主成分とし、シクロヘキ
シルアミノ無水コハク酸含量が0.001〜1重量%
(対N−シクロヘキシルマレイミド)の範囲となるよう
に調整するという構成である。本発明の耐熱性樹脂の製
造方法は、上記原料と、その原料と共重合可能な少なく
とも1種の単量体を共重合するものである。
のN−シクロヘキシルマレイミド単位を含んでいるた
め、耐熱性に関しては、ガラス転移温度が120℃以上
のN−シクロヘキシルマレイミド系樹脂が得られ、耐熱
性に優れている。
より得られた上記耐熱性樹脂は、シクロヘキシルアミノ
無水コハク酸含量が0.001〜1重量%のN−シクロ
ヘキシルマレイミドからなる原料を用いて得られるので
低着色性であり、着色に関しては、黄色度(YI)が2
以下の、または15重量%クロロホルム溶液での黄色度
(YIsol.)が3以下、好ましくは2以下のものが
得られる。また、耐熱性の高い、具体的には上記ガラス
転移温度が120℃以上の樹脂を得るために、N−シク
ロヘキシルマレイミド単位の割合を高めても、得られた
耐熱性樹脂の着色を低減することができ、透明性に優れ
たものにできる。
ルマレイミドを主成分とし、シクロヘキシルアミノ無水
コハク酸量を0.001〜1重量%(対N−シクロヘキ
シルマレイミド)の範囲内とすることによって、上記原
料から得られる耐熱性樹脂の着色を低減することができ
るという効果を奏する。
たことにより、透明性および耐熱性に優れ、さらに低着
色性のため、自動車部品、電気機器部品、銘板、看板、
照明用カバー、装飾用品、雑貨品などの多くの分野で好
適に用いられるという効果を奏する。
Claims (2)
- 【請求項1】N−シクロヘキシルマレイミドを主成分と
する原料のシクロヘキシルアミノ無水コハク酸含量が
0.001〜1重量%(対N−シクロヘキシルマレイミ
ド)の範囲となるように調整し、この原料およびこれと
共重合可能な少なくとも1種の単量体を共重合すること
を特徴とする耐熱性樹脂の製造方法。 - 【請求項2】上記耐熱性樹脂の、黄色度(YI)が2以
下、または15重量%クロロホルム溶液での黄色度(Y
Isol.)が3以下であることを特徴とする請求項1
記載の耐熱性樹脂の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25190296A JP3532360B2 (ja) | 1995-09-27 | 1996-09-24 | 耐熱性樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24927795 | 1995-09-27 | ||
JP7-249277 | 1995-09-27 | ||
JP25190296A JP3532360B2 (ja) | 1995-09-27 | 1996-09-24 | 耐熱性樹脂の製造方法 |
Publications (2)
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