JPH05310853A - 耐熱性アクリル樹脂の製造方法 - Google Patents
耐熱性アクリル樹脂の製造方法Info
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- JPH05310853A JPH05310853A JP11917992A JP11917992A JPH05310853A JP H05310853 A JPH05310853 A JP H05310853A JP 11917992 A JP11917992 A JP 11917992A JP 11917992 A JP11917992 A JP 11917992A JP H05310853 A JPH05310853 A JP H05310853A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F220/00—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride ester, amide, imide or nitrile thereof
- C08F220/02—Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms; Derivatives thereof
- C08F220/10—Esters
- C08F220/12—Esters of monohydric alcohols or phenols
- C08F220/14—Methyl esters, e.g. methyl (meth)acrylate
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- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 実用的な耐熱性に優れ、しかも黄帯色の少な
い耐熱性アクリル樹脂の製造方法に関する。 【構成】 一般式R−CH2 OH(Rはフェニル基であ
って置換基を有していても良い。)のアルコール及びラ
ジカル重合開始剤の存在下、97.5〜70重量部のメ
チルメタクリレート、2.5〜30重量部のN−置換マ
レイミド及び0〜30重量部の芳香族ビニル化合物から
成る混合物を重合し、耐熱性アクリル樹脂を製造する方
法に関する。得られた樹脂は無色透明で耐候性に優れ、
機械的性質、熱的性質及び成形加工性において比較的バ
ランスのとれた性能を有している。
い耐熱性アクリル樹脂の製造方法に関する。 【構成】 一般式R−CH2 OH(Rはフェニル基であ
って置換基を有していても良い。)のアルコール及びラ
ジカル重合開始剤の存在下、97.5〜70重量部のメ
チルメタクリレート、2.5〜30重量部のN−置換マ
レイミド及び0〜30重量部の芳香族ビニル化合物から
成る混合物を重合し、耐熱性アクリル樹脂を製造する方
法に関する。得られた樹脂は無色透明で耐候性に優れ、
機械的性質、熱的性質及び成形加工性において比較的バ
ランスのとれた性能を有している。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、実用的な耐熱性に優
れ、かつ黄帯色の少ない耐熱性アクリル樹脂の製造方法
に関するものである。また、本発明によって得られる耐
熱アクリル樹脂は、加熱による着色も少なく、熱成形に
も好ましいものである。
れ、かつ黄帯色の少ない耐熱性アクリル樹脂の製造方法
に関するものである。また、本発明によって得られる耐
熱アクリル樹脂は、加熱による着色も少なく、熱成形に
も好ましいものである。
【0002】
【従来の技術】メタクリル酸メチルを主成分とするアク
リル樹脂は光学的性質として無色透明であり、また耐候
性にも優れ、機械的性質、熱的性質ならびに成形加工性
などにおいても比較的バランスのとれた性能を有してい
るため、これらの特性をいかして、看板、照明カバー、
銘板、自動車用部品、電気機器部品、装飾用分野あるい
は雑貨品など、多くの分野で広く使用されている。しか
しながら、一面では熱変形温度が100℃前後とその温
度が低く、耐熱性が充分でないためにその用途が制約さ
れ、この用途を拡大するための耐熱性の向上に対する要
求が極めて強い。
リル樹脂は光学的性質として無色透明であり、また耐候
性にも優れ、機械的性質、熱的性質ならびに成形加工性
などにおいても比較的バランスのとれた性能を有してい
るため、これらの特性をいかして、看板、照明カバー、
銘板、自動車用部品、電気機器部品、装飾用分野あるい
は雑貨品など、多くの分野で広く使用されている。しか
しながら、一面では熱変形温度が100℃前後とその温
度が低く、耐熱性が充分でないためにその用途が制約さ
れ、この用途を拡大するための耐熱性の向上に対する要
求が極めて強い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アクリル樹脂の耐熱性
を改善させる方法については、既に多くの提案がなされ
ている。例えば、メタクリル酸メチル、α−メチルスチ
レンおよび無水マレイン酸を共重合させる方法(特公昭
49−10156号公報)、メタクリル酸メチル、スチ
レンおよび無水マレイン酸を共重合させる方法(特公昭
56−43242号公報)、メタクリル酸メチル、α−
メチルスチレン、スチレンおよび無水マレイン酸を共重
合させる方法(特開昭56−81322号公報)が提案
されている。しかしながらこれらの無水マレイン酸を共
重合する方法は、重合直後の耐熱性は改善されるもの
の、無水マレイン酸を共重合していない普通のアクリル
樹脂に比べて高い吸水性を持ち、吸水に伴う耐熱性の低
下が大きく実用的な耐熱性能が不十分である。
を改善させる方法については、既に多くの提案がなされ
ている。例えば、メタクリル酸メチル、α−メチルスチ
レンおよび無水マレイン酸を共重合させる方法(特公昭
49−10156号公報)、メタクリル酸メチル、スチ
レンおよび無水マレイン酸を共重合させる方法(特公昭
56−43242号公報)、メタクリル酸メチル、α−
メチルスチレン、スチレンおよび無水マレイン酸を共重
合させる方法(特開昭56−81322号公報)が提案
されている。しかしながらこれらの無水マレイン酸を共
重合する方法は、重合直後の耐熱性は改善されるもの
の、無水マレイン酸を共重合していない普通のアクリル
樹脂に比べて高い吸水性を持ち、吸水に伴う耐熱性の低
下が大きく実用的な耐熱性能が不十分である。
【0004】一方、メタクリル酸メチルおよびN−アリ
ールマレイン酸イミドを共重合させる方法(特公昭43
−9753号公報)が提案されている。マレイミド系モ
ノマーを共重合したアクリル樹脂は、無水マレイン酸を
共重合したアクリル樹脂とは異なり、吸水に伴う耐熱性
の低下が小さく実用的な耐熱性能が得られる。しかしな
がらマレイミド系共重合成分を増加するにつれて黄帯色
が生じ、アクリル樹脂の持つ無色透明性が失われるため
用途が限られることがある。
ールマレイン酸イミドを共重合させる方法(特公昭43
−9753号公報)が提案されている。マレイミド系モ
ノマーを共重合したアクリル樹脂は、無水マレイン酸を
共重合したアクリル樹脂とは異なり、吸水に伴う耐熱性
の低下が小さく実用的な耐熱性能が得られる。しかしな
がらマレイミド系共重合成分を増加するにつれて黄帯色
が生じ、アクリル樹脂の持つ無色透明性が失われるため
用途が限られることがある。
【0005】この黄帯色の解決策としてα−メチルスチ
レン、スチレン等を共重合する方法(特公昭43−97
53号公報)が提案されているが、充分ではない。ま
た、メチルメタクリレートとN−アルキル置換マレイミ
ドとの共重合ポリマーを低級アルキルアルコールで洗浄
する方法(特開昭61−252211号公報)が提案さ
れているが、工程が増えるため工場生産には問題が多
い。
レン、スチレン等を共重合する方法(特公昭43−97
53号公報)が提案されているが、充分ではない。ま
た、メチルメタクリレートとN−アルキル置換マレイミ
ドとの共重合ポリマーを低級アルキルアルコールで洗浄
する方法(特開昭61−252211号公報)が提案さ
れているが、工程が増えるため工場生産には問題が多
い。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はマレイミドモノ
マーの共重合された耐熱性アクリル樹脂の製造方法にお
いて、重合時に特定のアルコールを添加する事により、
実用耐熱性に優れると共に黄帯色の少ない耐熱性アクリ
ル樹脂を生産できる製造方法に関するものである。
マーの共重合された耐熱性アクリル樹脂の製造方法にお
いて、重合時に特定のアルコールを添加する事により、
実用耐熱性に優れると共に黄帯色の少ない耐熱性アクリ
ル樹脂を生産できる製造方法に関するものである。
【0007】すなわち本発明はメチルメタクリレートま
たはその部分重合物97.5〜70重量部、N−置換マ
レイミド2.5〜30重量部、芳香族ビニル化合物0〜
30重量部からなる混合物を、一般式、R−CH2 OH
(Rはフェニル基であって置換基を有していてもよ
い。)で表されるアルコール及びラジカル重合開始剤の
存在下に重合することを特徴とする耐熱性アクリル樹脂
の製造方法に関する。
たはその部分重合物97.5〜70重量部、N−置換マ
レイミド2.5〜30重量部、芳香族ビニル化合物0〜
30重量部からなる混合物を、一般式、R−CH2 OH
(Rはフェニル基であって置換基を有していてもよ
い。)で表されるアルコール及びラジカル重合開始剤の
存在下に重合することを特徴とする耐熱性アクリル樹脂
の製造方法に関する。
【0008】N−置換マレイミドは、耐熱性向上のため
に必須な成分であり、炭素数1〜5のアルキル基である
N−アルキルマレイミド、N−シクロアルキルマレイミ
ド及び次の一般式、
に必須な成分であり、炭素数1〜5のアルキル基である
N−アルキルマレイミド、N−シクロアルキルマレイミ
ド及び次の一般式、
【化1】 (ただしR1,R2,R3は水素原子、炭素数1〜4の
アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を示す。)で
表される化合物とから選ばれる少なくとも1種が使用で
きる。
アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を示す。)で
表される化合物とから選ばれる少なくとも1種が使用で
きる。
【0009】しかしながら本発明の効果を充分に発揮す
るためには、モノマー自体に色が着いていない方がよ
く、例えばN−シクロヘキシルマレイミドは白色粉末の
外観を呈しており、メチルメタクリレートに溶解したと
き無色透明に近いため、本発明に最も適したモノマーの
ひとつである。
るためには、モノマー自体に色が着いていない方がよ
く、例えばN−シクロヘキシルマレイミドは白色粉末の
外観を呈しており、メチルメタクリレートに溶解したと
き無色透明に近いため、本発明に最も適したモノマーの
ひとつである。
【0010】本発明で用いられるN−置換マレイミドは
2.5〜30重量%の範囲であり、2.5重量%未満で
は実質的に耐熱性の向上が認められず、30重量%をこ
えると共重合性が低下し未反応モノマーが多く、耐熱性
向上の効果も頭打ち、あるいは低下の傾向となり、光学
特性や機械的性質も低下するため望ましくない。
2.5〜30重量%の範囲であり、2.5重量%未満で
は実質的に耐熱性の向上が認められず、30重量%をこ
えると共重合性が低下し未反応モノマーが多く、耐熱性
向上の効果も頭打ち、あるいは低下の傾向となり、光学
特性や機械的性質も低下するため望ましくない。
【0011】N−置換マレイミドの共重合性を向上させ
る目的で、芳香族ビニル化合物をさらに共重合させる方
法は既に知られている。本発明に用いる芳香族ビニル化
合物の代表例としては、スチレン、o−,m−,p−メ
チルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、2,4−ジ
メチルスチレン、p−t−ブチルスチエン、α−メチル
スチレン、α−エチルスチレン、α−メチル−p−メチ
ルスチレン等のモノビニリデン芳香族炭化水素、o−,
m−,p−クロロスチレン、2,4ジブロモスチレン、
2−メチル−4−クロロスチレンなどのアルハロモノビ
ニリデン芳香族炭化水素等が挙げられる。特にスチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンから選ばれた
少なくとも1種が好ましい。
る目的で、芳香族ビニル化合物をさらに共重合させる方
法は既に知られている。本発明に用いる芳香族ビニル化
合物の代表例としては、スチレン、o−,m−,p−メ
チルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、2,4−ジ
メチルスチレン、p−t−ブチルスチエン、α−メチル
スチレン、α−エチルスチレン、α−メチル−p−メチ
ルスチレン等のモノビニリデン芳香族炭化水素、o−,
m−,p−クロロスチレン、2,4ジブロモスチレン、
2−メチル−4−クロロスチレンなどのアルハロモノビ
ニリデン芳香族炭化水素等が挙げられる。特にスチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンから選ばれた
少なくとも1種が好ましい。
【0012】本発明において、一般式R−CH2 OH
(Rはフェニル基であって置換基を有しても良い。)で
表される特定のアルコールを使用することにより、樹脂
の無色透明性を示す指標のひとつであるYI値(yel
lo−wness index)の極めて低い樹脂が得
られる。
(Rはフェニル基であって置換基を有しても良い。)で
表される特定のアルコールを使用することにより、樹脂
の無色透明性を示す指標のひとつであるYI値(yel
lo−wness index)の極めて低い樹脂が得
られる。
【0013】該アルコールの添加量としては、メチルメ
タクリレートまたはその部分重合物、N−置換マレイミ
ド、芳香族ビニル化合物からなる混合物100重量部当
たり、0.01〜1.0重量部であり、好ましくは0.
03〜0.05重量部である。このようなアルコールと
しては、ベンジルアルコール、アニスアルコール、o−
アニスアルコール、p−キシレンα,α′ジオール、2
−メチルベンジルアルコール、3−メチルベンジルアル
コール、4−メチルベンジルアルコール等がある。
タクリレートまたはその部分重合物、N−置換マレイミ
ド、芳香族ビニル化合物からなる混合物100重量部当
たり、0.01〜1.0重量部であり、好ましくは0.
03〜0.05重量部である。このようなアルコールと
しては、ベンジルアルコール、アニスアルコール、o−
アニスアルコール、p−キシレンα,α′ジオール、2
−メチルベンジルアルコール、3−メチルベンジルアル
コール、4−メチルベンジルアルコール等がある。
【0014】該アルコールによってYI値が低減される
理由は定かでないが、おそらく共重合の際に生成される
不純物(波長400nmから450nm付近の吸収を伴う)
を抑制する作用があるのではないかと推察している。こ
の作用がメタノールやエタノールといったいわば脂肪族
一価アルコールやジエチレングリコールのような脂肪族
二価アルコールには認められず、また本発明に用いたア
ルコールと構造的に似ていると考えられる脂環族アルコ
ールにさえもこの効果が乏しく、このことは極めて意外
なことである。
理由は定かでないが、おそらく共重合の際に生成される
不純物(波長400nmから450nm付近の吸収を伴う)
を抑制する作用があるのではないかと推察している。こ
の作用がメタノールやエタノールといったいわば脂肪族
一価アルコールやジエチレングリコールのような脂肪族
二価アルコールには認められず、また本発明に用いたア
ルコールと構造的に似ていると考えられる脂環族アルコ
ールにさえもこの効果が乏しく、このことは極めて意外
なことである。
【0015】また本発明に用いられるラジカル重合開始
剤としては、一般にメチルメタクリレートの重合に使用
されるラジカル重合開始剤が使用できる。例えば有機過
酸化物系開始剤として、ラウロイルパーオキサイド、ベ
ンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレ
ート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブ
チルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチ
ルパーオキシイソブチレート、ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネイト、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシ
ジカーボネイト等がある。また、アゾビス系開始剤とし
ては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチ
ル−2,2′−アゾビスイソブチレート、2,2′−ア
ゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾ
ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−
アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニト
リル)等がある。
剤としては、一般にメチルメタクリレートの重合に使用
されるラジカル重合開始剤が使用できる。例えば有機過
酸化物系開始剤として、ラウロイルパーオキサイド、ベ
ンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレ
ート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブ
チルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチ
ルパーオキシイソブチレート、ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネイト、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシ
ジカーボネイト等がある。また、アゾビス系開始剤とし
ては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチ
ル−2,2′−アゾビスイソブチレート、2,2′−ア
ゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾ
ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−
アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニト
リル)等がある。
【0016】本発明の重合方法は塊状重合が好ましく、
特に注型重合が好ましい。すなわちメチルメタクリレー
トあるいはその部分重合体とN−置換マレイミドとの混
合物に、ラジカル重合開始剤及び特定のアルコールを混
合し、無機ガラス板、金属板等と軟質の塩化ビニル製の
ガスケットで構成された鋳型内に注型して重合させる。
特に注型重合が好ましい。すなわちメチルメタクリレー
トあるいはその部分重合体とN−置換マレイミドとの混
合物に、ラジカル重合開始剤及び特定のアルコールを混
合し、無機ガラス板、金属板等と軟質の塩化ビニル製の
ガスケットで構成された鋳型内に注型して重合させる。
【0017】重合温度は50〜150℃であり、重合温
度を変えて多段階で重合することもできる。本発明の効
果を充分に発揮するためには、重合速度は重合発熱によ
る発泡が生じない程度に早くしたほうが好ましく、15
0分以内に重合発熱ピークを迎えるように重合温度、ラ
ジカル重合開始剤の種類および量を選ぶのが好ましい。
度を変えて多段階で重合することもできる。本発明の効
果を充分に発揮するためには、重合速度は重合発熱によ
る発泡が生じない程度に早くしたほうが好ましく、15
0分以内に重合発熱ピークを迎えるように重合温度、ラ
ジカル重合開始剤の種類および量を選ぶのが好ましい。
【0018】芳香族ビニル化合物を使用する場合は、メ
チルメタクリレート、N−置換マレイミド、芳香族ビニ
ル化合物の混合物はすべてモノマーの状態で注型する
か、もしくは特定アルコールの存在下で該3種モノマー
を予備重合したシロップの状態で注型するのが好まし
い。これはポリメチルメタクリレートと他の共重合ポリ
マーとの相分離に起因すると考えられる透明性の悪化を
防ぐためである。予備重合時に特定アルコールを添加し
ておくと、注型重合時に特定アルコールを必ずしも添加
する必要はない。
チルメタクリレート、N−置換マレイミド、芳香族ビニ
ル化合物の混合物はすべてモノマーの状態で注型する
か、もしくは特定アルコールの存在下で該3種モノマー
を予備重合したシロップの状態で注型するのが好まし
い。これはポリメチルメタクリレートと他の共重合ポリ
マーとの相分離に起因すると考えられる透明性の悪化を
防ぐためである。予備重合時に特定アルコールを添加し
ておくと、注型重合時に特定アルコールを必ずしも添加
する必要はない。
【0019】注型用混合物には、通常用いられる連鎖移
動剤としてのメルカプタン類、紫外線吸収剤、安定剤、
離型剤等も必要に応じて混合することができる。また、
耐溶剤性、耐熱性等を高める目的で架橋剤を使用するこ
ともできる。架橋剤として使用できる化合物としては、
不飽和結合を分子中に2個以上有する多官能アクリレー
トまたはメタクリレートである。
動剤としてのメルカプタン類、紫外線吸収剤、安定剤、
離型剤等も必要に応じて混合することができる。また、
耐溶剤性、耐熱性等を高める目的で架橋剤を使用するこ
ともできる。架橋剤として使用できる化合物としては、
不飽和結合を分子中に2個以上有する多官能アクリレー
トまたはメタクリレートである。
【0020】具体例として、1,6−ヘキサンジオール
ジアクリレート(またはジメタクリレート)、ネオペン
チルグリコールジアクリレート(またはジメタクリレー
ト)、トリプロピレングリコールジアクリレート(また
はジメタクリレート)、トリメチロールプロパントリア
クリレート(またはジメタクリレート)、テトラメチロ
ールプロパントリアクリレート(またはジメタクリレー
ト)等がある。
ジアクリレート(またはジメタクリレート)、ネオペン
チルグリコールジアクリレート(またはジメタクリレー
ト)、トリプロピレングリコールジアクリレート(また
はジメタクリレート)、トリメチロールプロパントリア
クリレート(またはジメタクリレート)、テトラメチロ
ールプロパントリアクリレート(またはジメタクリレー
ト)等がある。
【0021】
【実施例】次に示す実施例等によって得られた耐熱アク
リル樹脂は、次のような事項について下記のように評価
した。 1、 熱変形温度 ASTM D648 2、 YI値 JIS K 7103 透過法 3、 厚み YI値の測定部中央をマイクロメ
ーターにて測定
リル樹脂は、次のような事項について下記のように評価
した。 1、 熱変形温度 ASTM D648 2、 YI値 JIS K 7103 透過法 3、 厚み YI値の測定部中央をマイクロメ
ーターにて測定
【0022】実施例1 メチルメタクリレート80重量%、N−シクロヘキシル
マレイミド20重量%、ベンジルアルコール0.5重量
%、さらに開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)を0.03重量%、離型剤と
してジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩0.0
1重量%を加え攪拌溶解したのち脱気し、あらかじめ所
望の厚みとなるように設定された無機強化ガラスとスペ
ーサーで構成された注型用セルに注入し、このセルを6
5℃の温水に180分浸漬した。次に125℃の空気浴
に120分滞在させて重合を関節させることにより、
3.21mm厚みのシート状樹脂組成物を得た。
マレイミド20重量%、ベンジルアルコール0.5重量
%、さらに開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)を0.03重量%、離型剤と
してジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩0.0
1重量%を加え攪拌溶解したのち脱気し、あらかじめ所
望の厚みとなるように設定された無機強化ガラスとスペ
ーサーで構成された注型用セルに注入し、このセルを6
5℃の温水に180分浸漬した。次に125℃の空気浴
に120分滞在させて重合を関節させることにより、
3.21mm厚みのシート状樹脂組成物を得た。
【0023】このシート状樹脂組成物のYI値を測定し
たところ1.2であり、さらに160℃の空気浴で30
分加熱した後のYI値も1.3と極めて低い数値を示し
た。また熱変形温度は119℃で、一般のアクリル樹脂
よりも極めて高い数値を示した。
たところ1.2であり、さらに160℃の空気浴で30
分加熱した後のYI値も1.3と極めて低い数値を示し
た。また熱変形温度は119℃で、一般のアクリル樹脂
よりも極めて高い数値を示した。
【0024】比較例1 実施例1において、ベンジルアルコールを使用しない以
外は全く同様の操作を繰り返して、やはり3.29mm厚
みのシート状樹脂組成物を得た。このシート状樹脂組成
物の熱変形温度は120℃であったが、YI値を測定し
たところ2.0と高く、さらに160℃の空気浴で30
分加熱した後のYI値は2.2であり、黄帯色の強い外
観を呈するものであった。
外は全く同様の操作を繰り返して、やはり3.29mm厚
みのシート状樹脂組成物を得た。このシート状樹脂組成
物の熱変形温度は120℃であったが、YI値を測定し
たところ2.0と高く、さらに160℃の空気浴で30
分加熱した後のYI値は2.2であり、黄帯色の強い外
観を呈するものであった。
【0025】実施例2〜7、比較例2〜5 実施例1において、添加アルコールの種類及び量を変え
注型重合を同様にして行った。この結果を実施例1、比
較例1と共に第1表に示す。
注型重合を同様にして行った。この結果を実施例1、比
較例1と共に第1表に示す。
【0026】
【表1】
【0027】実施例8、比較例6,7,8 実施例1において、添加アルコールの種類を変え、さら
に厚みが約2mmになるように注型重合を同様にして行っ
た。この結果を第2表に示す。
に厚みが約2mmになるように注型重合を同様にして行っ
た。この結果を第2表に示す。
【表2】
【0028】実施例9,10、比較例9,10 メチルメタクリレート、N−シクロヘキシルマレイミ
ド、スチレン、ベンジルアルコールの重量比を変え、さ
らに開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)を0.06重量%、離型剤としてジ
オクチルスルホサクシネートナトリウム塩0.01重量
%を加え攪拌溶解したのち脱気し、あらかじめ所望の厚
みとなるように設定された無機強化ガラスとスペーサー
で構成された注型用セルに注入し、このセルを65℃の
温水に240分浸漬した。次に125℃の空気浴に12
0分滞在させて重合を完結させることにより、約3mm厚
みのシート状樹脂組成物を得た。この結果を第3表に示
す。
ド、スチレン、ベンジルアルコールの重量比を変え、さ
らに開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)を0.06重量%、離型剤としてジ
オクチルスルホサクシネートナトリウム塩0.01重量
%を加え攪拌溶解したのち脱気し、あらかじめ所望の厚
みとなるように設定された無機強化ガラスとスペーサー
で構成された注型用セルに注入し、このセルを65℃の
温水に240分浸漬した。次に125℃の空気浴に12
0分滞在させて重合を完結させることにより、約3mm厚
みのシート状樹脂組成物を得た。この結果を第3表に示
す。
【0029】
【表3】
【0030】
【発明の効果】本発明による耐熱アクリル樹脂は、従来
のN−置換マレイミド共重合による耐熱アクリル樹脂よ
りも黄帯色が少なく、また加熱成形後の黄帯色も少ない
という極めて光学特性の良いものである。本発明により
N−置換マレイミド共重合による耐熱アクリル樹脂の用
途範囲が広がり、特に光ディスク等の光学材料や、家電
機器等の銘板、あるいは車両内装用材料として優れた性
能を与えることができる。
のN−置換マレイミド共重合による耐熱アクリル樹脂よ
りも黄帯色が少なく、また加熱成形後の黄帯色も少ない
という極めて光学特性の良いものである。本発明により
N−置換マレイミド共重合による耐熱アクリル樹脂の用
途範囲が広がり、特に光ディスク等の光学材料や、家電
機器等の銘板、あるいは車両内装用材料として優れた性
能を与えることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 212:06) 7211−4J
Claims (1)
- 【請求項1】 メチルメタクリレートまたはその部分重
合物97.5〜70重量部、N−置換マレイミド2.5
〜30重量部、芳香族ビニル化合物0〜30重量部から
なる混合物を、一般式R−CH2 OH(Rはフェニル基
であって置換基を有していても良い。)で表されるアル
コール及びラジカル重合開始剤の存在下に重合すること
を特徴とするアクリル樹脂の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11917992A JPH05310853A (ja) | 1992-05-12 | 1992-05-12 | 耐熱性アクリル樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11917992A JPH05310853A (ja) | 1992-05-12 | 1992-05-12 | 耐熱性アクリル樹脂の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05310853A true JPH05310853A (ja) | 1993-11-22 |
Family
ID=14754867
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11917992A Pending JPH05310853A (ja) | 1992-05-12 | 1992-05-12 | 耐熱性アクリル樹脂の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05310853A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0794201A1 (en) * | 1995-09-27 | 1997-09-10 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Raw material for the production of heat-resistant resin, heat-resistant resin and process for the production of the resin |
US10800875B2 (en) | 2018-03-27 | 2020-10-13 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Methacrylic resin and production method, molded article, and optical or automotive component of same |
-
1992
- 1992-05-12 JP JP11917992A patent/JPH05310853A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0794201A1 (en) * | 1995-09-27 | 1997-09-10 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Raw material for the production of heat-resistant resin, heat-resistant resin and process for the production of the resin |
US5998556A (en) * | 1995-09-27 | 1999-12-07 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Raw material used for producing heat-resistant resins, heat-resistant resins, and process for producing heat-resistant resins |
EP0794201A4 (en) * | 1995-09-27 | 2001-01-24 | Nippon Catalytic Chem Ind | RAW MATERIAL FOR THE PRODUCTION OF A HEAT RESISTANT RESIN, HEAT RESISTANT RESIN AND PROCESS FOR PRODUCING THE SAME |
US10800875B2 (en) | 2018-03-27 | 2020-10-13 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Methacrylic resin and production method, molded article, and optical or automotive component of same |
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