JP2011207968A - アルコール性水酸基を有する可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びその製造方法 - Google Patents

アルコール性水酸基を有する可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低色分散、高光線透過率等の優れた光学特性を有し、光学レンズ・プリズム材料に求められる種々の特性バランスに優れ、湿熱条件のような厳しい実使用条件でも、屈折率の分岐を生じることなく、高度の光学特性を維持した共重合体とその製造方法を提供する。
【解決手段】脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(a)、アルコール性水酸基を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(b)、2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)と、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)を含む成分を共重合して得られる共重合体であって、側鎖に2官能(メタ)アクリル酸エステル由来の反応性の(メタ)アクリレート基を有し、末端に2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン由来の構造単位を有する可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、低色分散、高光線透過率といった優れた光学特性、耐熱性、及び、加工性を有し、加えて湿熱条件のような厳しい実使用条件下での光学特性、低吸水性と無機材料との密着性が改善された脂環式構造及びアルコール性水酸基を有する可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体とその製造方法に関する。
反応活性のある不飽和結合を有する単量体の多くは、不飽和結合が開裂して、連鎖反応を起こす触媒と適切な反応条件を選択することにより多量体を生成することができる。一般に不飽和結合を有する単量体の種類は極めて多岐にわたることから、得られる樹脂の種類の豊富さも著しい。しかし、一般に高分子化合物と称する分子量10,000以上の高分子量体を得ることができる単量体の種類は比較的少ない。例えば、エチレン、置換エチレン、プロピレン、置換プロピレン、スチレン、アルキルスチレン、アルコキシスチレン、ノルボルネン、各種アクリルエステル、ブタジエン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、イソプレン、マレイン酸無水物、マレイミド、フマル酸エステル、アリル化合物等を代表的な単量体として挙げることができる。これらの単量体を単独で又はこれらを共重合させることにより多種多様な樹脂が合成されている。
これらの樹脂の用途は主に、比較的安価な民生機器の分野に限られており、光・電子材料分野に於いて高度の耐熱性、寸法安定性や微細加工性が要求される先端技術分野への適用は殆どない。その理由としては、通常上記のモノマーから合成されるポリマーは熱可塑性であり、また、力学的特性を満足させるためにかなりの高分子量体とする必要があるため、耐熱性や微細加工性といった先端技術分野で要求される特性が犠牲となっているということが挙げられる。
この様なビニル系の熱可塑性ポリマーの欠点を解決する方法として、特許文献1〜3には、(メタ)アクリロイル基またはビニルエーテル基をペンダントに持つ重合体が開示されている。例えば、特許文献1には、アクリル酸2−ビニロキシエチル(VEA)などの異種重合性単量体をカチオン重合させて得られた(メタ)アクリロイル基ペンダント型重合体および光重合開始剤からなる感光性組成物が開示されている。また、特許文献2には、(メタ)アクリロイル基ペンダント型重合体と、光反応性の不飽和カルボキシル基を有する化合物と、光重合開始剤とからなる感光性組成物が開示されている。さらに、特許文献3には、アクリル酸2−ビニロキシエチル(VEA)などの異種重合性単量体を、それ自体カチオン重合に不活性な光反応性の不飽和基を有するカルボン酸エステル溶媒化合物中で、カチオン重合触媒を使用して、単独重合または共重合させることにより、重合体溶液を得る製造法が開示されている。
しかし、これらの特許文献で開示されている異種重合性単量体を使用した技術に従って製造される反応性の重合体を使用した場合、先進の光学レンズ・プリズム用途分野で求められる低吸水性、成形性、耐熱性、高透明性といった特性バランスを兼ね備え、加えて湿熱条件のような厳しい実使用条件下での光学特性、と無機材料との密着性が改善された重合体は得られていなかった。
一方、特許文献4にはモノビニル芳香族化合物及び2官能(メタ)アクリル酸エステルを共重合して得られ、側鎖に2官能(メタ)アクリル酸エステル由来の反応性の(メタ)アクリレート基を含有する構造単位を有する可溶性多官能ビニル芳香族共重合体が開示されている。しかし、当該特許文献で開示されている技術によって得られる可溶性多官能ビニル芳香族共重合体は高温での熱履歴に対しても優れた耐熱分解性を有し、側鎖に反応性の(メタ)アクリレート基を持ち、加工性に優れ、溶剤可溶性を兼ね備えているものの、低色分散用途の光学レンズには使用することはできないという実使用上の制約のある上に、無機材料との密着性が改善されていない材料であった。
さらに、特許文献5にはメタクリル酸メチル(MMA)系シロップにおいて、構成成分として炭素数4〜8の直鎖状脂肪族2価アルコールのジ(メタ)アクリレートを1〜25重量%含有することを特徴とする組成物が開示されている。そして、当該特許文献に開示されているMMA系シロップ組成物の製造は、MMA、或いはMMA及びそれと共重合し得るビニル共重合体、連鎖移動剤を重合開始剤の存在下で、不活性ガス(例えばN2ガス)雰囲気中、常温または加熱重合して行うことが開示されている。そして、当該公開特許公報において、連鎖移動剤として具体的に例示されているのは、ラウリルメルカプタン、チオグリコール酸オクチルエステル、チオクレゾール、チオナフトール、ベンジルメルカプタン等のイオウ化合物のみであり、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)については、具体的には開示されていなかった。ましてや、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン由来の末端基と脂環式構造を有する脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(a)由来の構造単位とが共存することによって、相乗的に、湿熱時の屈折率分岐の発生を抑制し得ることは示唆すらされていなかった。しかも、当該特許文献に於いて開示されている技術によって得られる組成物は、湿熱条件のような厳しい実使用条件下での、無機材料との密着性が改善されたものではなかった。
また、特許文献6にはビニル系単量体とジ(メタ)アクリレート化合物からなる重合性組成物が開示されており、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)の使用も開示されてはいるが、その使用量は通常の連鎖移動剤としてコンマ数%程度の使用であり、生成物も架橋ゲル化したもので溶剤可溶性を示さないものであった。
さらに、特許文献7には、1)エポキシ基含有(メタ)アクリレート、2)水酸基含有(メタ)アクリレート、3)(メタ)アクリル酸、4)芳香族基含有(メタ)アクリレートからなる構成単位を含む自己硬化性共重合体と有機溶媒とを含むカラーフィルター用熱硬化性樹脂組成物が開示されている。そして、当該特許文献に於いて開示されている技術によって得られる自己硬化性共重合体は、重合段階において、望ましい分子量の範囲を達成するために、メルカプトプロピオン酸、メルカプトプロピオン酸エステル、チオグリコール、チオグリセリン、ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマーなどの公知の分子量調節剤を使用することができることが開示されている。しかしながら、当該特許文献で開示された技術では、重合時にビニル基を複数有する2官能以上のビニル化合物が添加されていないために、ポリマー鎖に1個以下の分子量調節剤由来の末端基しか導入することができず、末端基由来の機能付与が十分に出来ないという欠点があった。さらに、当該特許公報に於いて、開示されている技術によって得られる自己硬化性共重合体はエポキシ樹脂との樹脂組成物において、熱硬化性樹脂組成物を形成するものの、アクリレート樹脂との間には、硬化反応が起きないために、配合した樹脂組成物の強度、耐熱性の低下を引き起こすという欠点もあった。
従って、低色分散、高光線透過率といった優れた光学特性を有し、低吸水性、成形性、耐熱性といった特性バランスを備え、加えて湿熱条件のような厳しい実使用条件下での光学特性と無機材料との密着性が改善された可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体はこれまでに存在しなかった。
特公昭49−13212号公報 特公昭51−34433号公報 特公昭54−27394号公報 特開2008−247978号公報 特開昭57−167340号公報 特開2002−121228号公報 特開2009−1770公報
本発明は、低色分散、高光線透過率といった優れた光学特性を有し、側鎖に硬化性に優れた反応性(メタ)アクリレート基を持ち、低吸水性、加工性、耐熱性といった先進技術分野に於いて、光学レンズ・プリズム材料に求められる種々の特性バランスに優れ、加えて湿熱条件のような厳しい実使用条件下での光学特性と無機材料との密着性が改善された可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体と当該共重合体を高効率に製造する製造方法を提供することを目的とする。
本発明は脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(a)、アルコール性水酸基を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(b)、2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)と、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)を含む成分を共重合して得られる共重合体であって、側鎖に2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)由来の反応性の(メタ)アクリレート基(c1)を有し、末端に2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)由来の構造単位を有する共重合体であり、重量平均分子量が2000〜20000であり、更にトルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジクロロエタン又はクロロホルムに可溶である可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体である。
本発明の可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)由来の構造単位の導入量が、下記式(1)で表わされるモル分率Mdとして、0.02〜0.35であることを満足することが好ましい。
d=(d)/[(a)+(b)+(c)+(d)] (1)
また、2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)由来の反応性の(メタ)アクリレート基(c1)の導入量が、下記式(2)で表わされる(c1)のモル分率Mc1として、0.05〜0.5であることを満足することが好ましい。
c1=(c1)/[(a)+(b)+(c)] (2)
式(1)、(2)において、(a)、(b)、(c)、(d)及び(c1)は、脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(a)に由来する構造単位、アルコール性水酸基を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(b)に由来する構造単位、2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)に由来する構造単位、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)に由来する構造単位、及び側鎖に2官能(メタ)アクリレート基を含有する構造単位のモル数を示す。
上記単官能(メタ)アクリル酸エステル(a)が、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレ−ト、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレ−ト、ジシクロペンタニルアクリレ−ト、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレ−ト、及びジシクロペンタニルメタクリレートからなる群から選ばれる一種以上の単官能(メタ)アクリル酸エステルであり、アルコール性水酸基を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(b)が、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及び部分的にエトキシ化された2−トビロキシメタクリレートからなる群から選ばれる一種以上のアルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)が、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、及びジメチロールトリシクロデカンジアクリレートからなる群から選ばれる一種以上の2官能(メタ)アクリル酸エステルであることを満足することが好ましい。
また、本発明は2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)を2官能(メタ)アクリル酸エステル(b)100重量部に対して、10〜500重量部存在させ、脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(a)を2〜55モル%、アルコール性水酸基を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(b)を2〜50モル%及び2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)を96〜10モル%を含有してなる単量体成分を、50〜200℃の温度で重合させることを特徴とする可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体の製造方法である。
本発明により、低色分散、高光線透過率といった優れた光学特性を有し、側鎖に光硬化性に優れた反応性(メタ)アクリレート基を持ち、低吸水性、加工性、耐熱性といった先進技術分野に於いて、光学レンズ・プリズム材料に求められる種々の特性バランスに優れ、加えて湿熱条件のような厳しい実使用条件下での光学特性と無機材料との密着性が改善された溶剤可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体を高効率に製造することができる。本発明の可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体を硬化させることにより、光学レンズ・プリズム材料として優れる樹脂となる。
以下、本発明の可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びその製造方法について詳しく説明する。この可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体は脂環式構造及び水酸基を有する。以下、この可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体を共重合体と略称することがある。
本発明の共重合体は脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(a)、アルコール性水酸基を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(b)及び2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)を含む単量体と、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)を存在させ、共重合して得られる共重合体であって、側鎖に2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)由来の反応性の(メタ)アクリレート基を有し、更に、末端に2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)由来の構造単位を有する可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体である。ここで、可溶性とはトルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジクロロエタン又はクロロホルムに可溶であることを意味する。可溶性の試験は後記する条件でなされる。
共重合体は、単官能(メタ)アクリル酸エステル及び2官能(メタ)アクリル酸エステルを共重合して得られるものであるので、分岐構造又は架橋構造を有するが、かかる構造の存在量は可溶性を示す程度に制限される。したがって、2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)由来の未反応の(メタ)アクリル基(c1)を含有する構造単位を側鎖に有する共重合体となっている。この未反応の(メタ)アクリル基はペンダント(メタ)アクリル基ともいい、これは重合性を示すため、更なる重合処理により重合し、溶剤不溶の樹脂硬化物を与えることができる。
また、共重合体は、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)に由来する構造単位を末端に有する。共重合体の末端に、この構造単位を導入することによって、離型性などの成形加工性が向上した硬化物が得られるようになる。
共重合体は、脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(a)に由来する構造単位、アルコール性水酸基を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(b)に由来する単位、2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)に由来する構造単位、及び2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)に由来する構造単位を有する。ここで、2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)に由来する構造単位には、2つの(メタ)アクリル酸エステル基に含まれる重合性二重結合(ビニル基という)の両方が、重合に関与して分岐構造又は架橋構造を形成する構造単位(c2)と、1つのビニル基だけが重合に関与し、他のビニル基は反応せずに残る未反応の(メタ)アクリル基を含有する構造単位(c1)がある。2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)は、連鎖移動剤として作用して分子量の増大を防止し、共重合体の末端に存在する。
共重合体への2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)の導入量としては、上記式(1)で表わされるモル分率Mdとして、0.02〜0.35、好ましくは0.03〜0.30、特に好ましくは0.05〜0.15である。
ここで、(a)、(b)、(c)及び(d)は、脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(a)由来する構造単位、アルコール性水酸基を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(b)に由来する単位、2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)に由来する構造単位、及び2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)に由来する構造単位のモル数(又はモル分率)を示す。共重合体の末端に2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)由来の構造単位を上記範囲に導入することによって、離型性及び低吸水性を向上させることができる。
2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)は、共重合体を分岐又は架橋させると共に、ペンダントビニル基を生じさせ、この共重合体に硬化性を与え、硬化時に耐熱性を発現させるための架橋成分として重要な役割を果たす。
2官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジメタクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等の2官能(メタ)アクリル酸エステルを用いることができるが、これらに制限されるものではない。
2官能(メタ)アクリル酸エステルの好適な具体例としては、コスト、重合制御の容易さ及び得られたポリマーの耐熱性の点でシクロヘキサンジメタノールジアクリレート、またはジメチロールトリシクロデカンジアクリレートが好ましく用いられる。
共重合体は、側鎖に2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)由来の反応性の(メタ)アクリレート基を含有する構造単位(c1)を有するが、上記式(2)で表わされる構造単位(c1)のモル分率Mc1が、0.05〜0.5であることがよく、好ましくは0.1〜0.3である。
ここで、式中の(c1)は、(メタ)アクリレート基を含有する構造単位(c1)のモル数を示す。上記モル分率を満足することによって、光や熱での硬化性に富み、硬化後の耐熱性及び機械的特性に優れた成形品を得ることができる。
脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(a)は、共重合体の溶剤可溶性、低吸水性、耐熱性、光学特性及び加工性を改善するために重要である。このような脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレ−ト、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレ−ト、ジシクロペンタニルアクリレ−ト、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレ−ト、ジシクロペンタニルメタクリレートからなる群から選ばれる一種以上の脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができるが、これらに制限されるものではない。これら成分から誘導される構造単位が脂環式構造を有する共重合体中に導入されることによって、重合体のゲル化を防ぎ、溶媒への溶解性を高めることができるばかりではなく、共重合体の低色分散性などの光学特性、低吸水性、耐熱性を改善することができる。
好適な具体例としては、コスト、ゲル化防止及び得られたポリマーの成形加工性の点でイソボルニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレ−ト、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレ−ト、ジシクロペンタニルアクリレ−ト、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレ−ト、ジシクロペンタニルメタクリレートからなる群から選ばれる一種以上の脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができる。
アルコール性水酸基を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(b)は、共重合体の湿熱条件のような厳しい実使用条件下での無機材料との密着性を改善するために重要である。このようなアルコール性水酸基を有する単官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及び部分的にエトキシ化された2−ヒドロキシメタクリレート等が挙げられるが、好ましくは2−ヒドロキシエチルメタクリレートである。これらアルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。
アルコール性水酸基を含有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(b)は共重合体中の(a)成分、(b)成分及び(c)成分のモル分率とアルコール性水酸基を含有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(c)由来の構造単位のモル分率Mbとして、式(3)で計算されるMbが0.05以上、0.60以下であることがよく、好ましくは0.1〜0.3である。
b=(b)/[(a)+(b)+(c)] (3)
式中の(a)、(b)及び(c)は、式(1)と同じ意味である。
上記モル分率を満足することによって、湿熱条件のような厳しい実使用条件下での光学特性、と無機材料との密着性を改善できるバランスの良好な共重合体を得ることができる。
2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(c)は、連鎖移動剤として機能し、共重合体の分子量を制御する。本発明の共重合体の分子量は重量平均分子量Mwとして、2000〜20000の範囲であり、好ましくは3000〜10000の範囲である。比較的低分子量の共重合体を使用することにより樹脂組成物又は硬化物の成形性及び離型性を高める。
さらに、共重合体の溶剤可溶性及び加工性を改善する目的で(e)成分として、脂環式構造及び水酸基を持たない単官能の(メタ)アクリル酸エステルを添加することが可能である。このような(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート等が挙げられるが、好ましくは、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレートである。これら(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、単独で用いてもよく2種類以上を併用してもよいが、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、n−ブチルアクリレートからなる群から選ばれる一種以上の(メタ)アクリル酸エステルであることが最も好ましい。
また、これらのその他の単量体成分(e)に由来する構造単位は、単量体成分(a)由来の構造単位、単量体成分(b)由来の構造単位及び単量体成分(c)由来の構造単位の総量に対して30モル%未満の範囲内とすることがよい。
本発明の可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(a)、アルコール性水酸基を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(b)、2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)と、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)を含む成分を共重合して得られる共重合体であるので、それぞれに由来する構造単位を有する。全構造単位を100モルとした場合、それぞれに由来する構造単位のモル数を(a)、(b)、(c)及び(d)とするとき、(a)、(b)〜(d)は次の範囲であることがよい。(a)は10〜55モル、(b)は10〜45モル、(c)は10〜50モル、好ましくは15〜40モル、(d)は2〜35モル、好ましくは5〜20モル。
また、2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)に由来する構造単位には、反応性の(メタ)アクリレート基(c1)があるが、この(メタ)アクリレート基を含む構造単位のモル数(c1)は、全構造単位を100モルとした場合、5〜35モル、好ましくは10〜25モルとすることがよい。また、(c1)は、(c)の1/4〜3/4の範囲がよい。(c)又は(c1)が少なすぎると硬化物の耐熱性が不足し、多すぎると成形加工性が低下し、成形物の強度が著しく低下する。
本発明の可溶性多官能芳香族(メタ)アクリル酸エステル共重合体の製造方法では、脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(a)、アルコール性水酸基を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(b)、2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)及び2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)を含む単量体を使用し、これらの単量体に由来する構造単位のモル数又はモル分率が上記範囲となるように使用量が決められる。ここで、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)は、連鎖移動剤としても公知の化合物であるが、本発明ではその使用量を連鎖移動剤としての使用量より多量とするので、単量体成分の一部となる。2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)の使用量は、本発明の可溶性多官能芳香族(メタ)アクリル酸エステル共重合体中に含まれる2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)由来の構造単位のモル分率が0.02〜0.35の範囲となるように調整されるが、これは反応性が低く未反応で残るので、理論量より多く使用することがよい。そのため、単量体100モルに対し、2〜60モルの範囲で使用されるが、好ましくは10〜50モルの範囲である。
本発明の可溶性多官能芳香族(メタ)アクリル酸エステル共重合体の製造方法では、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)を2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)100重量部に対して、10〜500重量部存在させ、脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(a)を2〜55モル%、アルコール性水酸基を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(b)を2〜35モル%及び2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)を96〜10モル%を含有してなる単量体成分を、50〜200℃の温度で重合させる。
2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)が連鎖移動剤としても機能するという観点からは、この使用量は、架橋反応の制限、ペンダント(メタ)アクリレート基の生成、分子量分布の制御という点から、2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)100重量部に対して、10〜500重量部の範囲内であることが好ましく、20〜100重量部の範囲内であることがさらに望ましい。50〜80重量部の範囲内であることが最も好ましい。
脂環式構造を有するモノ(メタ)アクリル酸エステル芳香族化合物(a)の使用量は、脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(a)、アルコール性水酸基を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(b)、及び2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)の合計100モルに対し、2〜55モル、好ましくは10〜40モルである。2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)の使用量は、96〜10モル、好ましくは20〜50モル%である。アルコール性水酸基を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(b)の使用量は、2〜50モル%、好ましくは10〜40モル%である。
本発明の製造方法では、熱開始反応による開始反応速度が小さい場合には、ラジカル重合開始剤を添加することもできる。この場合、本発明で用いられるラジカル重合開始剤としては、例えばシクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール類;クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類;デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;ビス(tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート類;tert−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエステル類等の有機過酸化物系重合開始剤並びに2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、アゾクメン2、2’−アゾビスメチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアゾ系重合開始剤を挙げることができる。これらのラジカル重合開始剤の使用量は、特に限定されるものではないが、通常、単量体成分の合計量100重量部に基いて、0.01〜25重量部であることが好ましく、0.05〜20重量部の範囲内であることがさらに望ましい。0.1〜15重量部の範囲内であることが最も好ましい。
また、重合反応は、基本的に溶剤を使用しない塊状重合で行うことができるが、生成する可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル芳香族共重合体を溶解する1種以上の有機溶媒中で行うこともできる。有機溶媒としてはラジカル重合を本質的に阻害しない化合物であって、本発明の連鎖移動剤、開始剤、単量体及び多官能(メタ)アクリル酸エステル芳香族共重合体を溶解して、均一溶液を形成するものであれば、特に制約なく使用することができる。
有機溶媒として使用可能なものとしては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン等の芳香族炭化水素;エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の直鎖式脂肪族炭化水素類;2−メチルプロパン、2−メチルブタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,2,5−トリメチルヘキサン等の分岐式脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素類;石油留分を水添精製したパラフィン油等を挙げることができる。この中で、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、2−メチルプロパン、2−メチルブタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン及びエチルシクロヘキサンが好ましい。重合性、溶解性のバランスと入手の容易さの観点からトルエン、キシレン、メチルシクロヘキサン及びエチルシクロヘキサンが更に好ましい。
これらの有機溶媒としての化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて使用される。溶剤の使用量に特に制限はない。
本発明の製造方法では、重合は50〜200℃の温度範囲で行う。50℃未満で重合反応を行うと、重合速度が低くなるので、工業的実施の観点から好ましくなく、また200℃を超えると、反応の選択性が低下するため、反応の制御が難しく、架橋による不溶性のゲルの生成が起こりやすくなるので好ましくない。
重合反応停止後、共重合体を回収する方法は特に限定されず、例えば、加熱減圧脱揮法、スチームストリッピング法、貧溶媒での析出などの通常用いられる方法を用いればよい。
本発明の可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体、又は本発明の製造方法で得られる可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、成形材、シート又はフィルムに加工することができる。これを加熱等により硬化させることにより硬化物が得られる。可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体、それを成形材、シート又はフィルムに加工した成形品、又はこれらを硬化させた硬化樹脂又は成形品は、低色分散、低誘電率、低吸水率、高耐熱性等の特性を満足できる光学用材料又は半導体関連材料、更には、塗料、感光性材料、接着剤、汚水処理剤、重金属捕集剤、イオン交換樹脂、帯電防止剤、酸化防止剤、防曇剤、防錆剤、防染剤、医用材料、凝集剤、固体燃料用バインダー、導電処理剤等への適用が可能である。更に光学用部品としては、CD用ピックアップレンズ、DVD用ピックアップレンズ、Fax用レンズ、LBP用レンズ、オリゴンミラー、プリズム等が挙げられる。
本発明の可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、トルエン、キシレン、THF、ジクロロエタン、ジクロロメタン及びクロロホルムから選ばれる溶媒の少なくとも1つに可溶である。好ましくは、上記溶媒の全部に可溶である。ここで、可溶とは、室温(25℃)において、100mlの溶媒に1g以上、好ましくは10g以上が溶解することをいう。そして、溶解後において、ゲルの生成が認められないことが望ましい。
次に実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらにより制限されるものではない。なお、各例中の部はいずれも重量部である。また、実施例中の軟化温度等の測定は以下に示す方法により試料調製及び測定を行った。
1)ポリマーの分子量及び分子量分布
可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体の分子量及び分子量分布測定はGPC(東ソー製、HLC−8120GPC)を使用し、溶媒:テトラヒドロフラン(THF)、流量:1.0ml/min、カラム温度:40℃で行った。共重合体の分子量は単分散ポリスチレンによる検量線を用い、ポリスチレン換算分子量として測定を行った。
2)ポリマーの構造
日本電子製JNM−LA600型核磁気共鳴分光装置を用い、13C−NMR及び1H−NMR分析により決定した。溶媒としてクロロホルム−d1を使用し、テトラメチルシランの共鳴線を内部標準として使用した。
3)ガラス転移温度(Tg)及び軟化温度測定の試料調製及び測定
可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体溶液をガラス基板に乾燥後の厚さが、20μmになるように均一に塗布した後、ホットプレートを用いて、90℃で30分間加熱し、乾燥させた。得られたガラス基板上の樹脂膜はガラス基板と共に、TMA(熱機械分析装置)測定装置にセットし、窒素気流下、昇温速度10℃/分で220℃まで昇温し、更に、220℃で20分間加熱処理することにより樹脂を硬化した。ガラス基板を室温まで放冷した後、TMA測定装置中の試料に分析用プローブを接触させ、窒素気流下、昇温速度10℃/分で30℃から360℃までスキャンさせることにより測定を行い、接線法により軟化温度を求めた。サンプルの耐熱性により、プローブが樹脂膜を貫通せず、膜厚よりも小さなプローブ侵入量を示さない場合には、軟化温度の他に、プローブが侵入した温度と膜厚に対する侵入量を百分率で表示した。
4)熱重量減少量及び耐熱変色性の測定
可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体の熱分解温度及び耐熱変色性の測定は、試料をTGA(熱天秤)測定装置にセットし、窒素気流下、昇温速度10℃/分で30℃から320℃までスキャンさせることにより測定を行い、300℃に於ける重量減少量を求めると共に、測定後の試料の変色量を目視にて確認し、◎:熱変色無し、○:淡黄色、△:茶色、×:黒色に分類することにより耐熱変色性の評価を行った。
5)吸水率の測定
60℃で24時間真空乾燥したテストサンプル(硬化シート)の重さをWoとし、それを±0.1mgまで測定可能な秤で秤量し、温度:85℃、相対湿度:85%の恒温恒湿槽内で1週間、加湿を行った。加湿後、テストサンプルについた水気をふき取り、サンプルを±0.1mgまで測定可能な秤で秤量し、Wとした。下記の式(3)で吸水率を算出した。同じテストサンプルを3つ準備し、同様に試験を行った。
Wo/W×100=吸水率 (3)
6)耐溶剤性の測定
可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体の耐溶剤性の測定は、200℃一時間真空プレス成形を行った試料板をトルエンに室温で10分間浸漬し、浸漬後の試料の変化を目視にて確認し、○:変化無し、△:膨潤、×:変形・膨れ有りに分類することにより耐溶剤性の評価を行った。
7)屈折率の測定
合成した可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体をトルエンに溶解し、それに、開始剤としてパーブチルOを、可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体100重量部に対して、1.0重量部添加した。この重合体溶液からキャストシートを作成し、このキャストシートを破砕して、ペレット化し、プレス金型に充填し、170℃で1時間、プレス成形機にて硬化させた。得られた硬化した平行平板をテストピースとして、KPR−200(島津カルニュー社製)にてd線(587.6nm)の屈折率を測定した。測定タイミングは、成形直後、85℃×85RHの湿熱条件の高温高湿器に1週間投入後とした。
8)密着性試験
共重合体を溶剤(メチルエチルケトン)で希釈したワニスをガラス基板上に塗布し、80℃で5分間乾燥させた後、イナートオーブン中にて、窒素気流下で、200℃、1時間硬化を行った。次に、共重合体の硬化した塗膜の乗ったガラス基板を、JIS K 5400に従い、塗膜の表面に1mm間隔で縦、横11本の切れ目を入れて100個の碁盤目を作った。セロハンテープをその表面に密着させた後、一気に剥がした時に剥離せず残存したマス目の個数を数えた。
実施例1
ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート3.2モル(926.5ml)、イソボルニルメタクリレート8.0モル(1814.1ml)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート4.8モル(645.5ml)、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン14.8モル(1145.9ml)、トルエン2400mlを10.0Lの反応器内に投入し、90℃で240mmolの過酸化ベンゾイルを添加し、6時間反応させた。重合反応を冷却により停止させた後、室温で反応混合液を大量のヘキサンに投入し、重合体を析出させた。得られた重合体をヘキサンで洗浄し、濾別、乾燥、秤量して、共重合体A1392.6g(収率:40.5wt%)を得た。
得られた共重合体AのMwは8950、Mnは3470、Mw/Mnは2.58であった。13C−NMR、1H−NMR分析及び元素分析を行うことにより、共重合体Aは、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート由来の構造単位を合計18.2モル%、イソボルニルメタクリレート由来の構造単位を合計51.1モル%、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート由来の構造単位を30.7モル%含有していた。また、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン由来の構造の末端基は、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、イソボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート及び、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの総量に対し、8.3モル%存在していた。
共重合体Aはトルエン、キシレン、THF、ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルムに可溶であり、ゲルの生成は認められなかった。また、共重合体Aのキャストフィルムは曇りのない透明なフィルムであった。
共重合体Aを各種測定条件により硬化シートとした。硬化シートを切り出して得た試料について、光学特性、吸水率、熱重量減少量、耐熱変色性及び耐溶剤性の測定を実施した。
その結果、線膨張係数:91ppm/℃、吸水率:0.98%、耐溶剤性:○であった。
また、TMA測定の結果、軟化温度は300℃以上であった。TGA測定の結果、300℃に於ける重量減少量は1.8wt%、耐熱変色性は◎であった。
さらに、共重合体Aの屈折率測定を行ったところ、硬化後の屈折率(589nm):1.520、湿熱試験後の屈折率(589nm):1.514であった。
さらに、密着性試験にて残存したマス目の個数を数えたところ、100個のマス目が欠けることなく基板上に残っていることが確認された。
実施例2〜13及び比較例1〜6
各種の2官能アクリレート類、単官能(メタ)アクリレート類を使用して表1に示す原料組成で実施例1と同様にして重合した。
反応に使用した原料の使用量を表1に、共重合体及びその硬化物の試験結果を表2に示す。特に断らない限り、その他の反応条件及び測定条件は実施例1と同じである。表1において、原料使用量はモル及び重量(g)で表すが、記載の形式はモル/gとした。
表で使用した略号を以下に示す。
DMTCD:ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート (c)
BDDA:1,4−ブタンジオールジアクリレート (c)
HOP:2−ヒドロキシプロピルメタクリレート (b)
HO:2−ヒドロキシエチルメタクリレート (b)
CD570:エトキシレーティッド2−ヒドロキシエチルメタクリレート (b)
IBOMA:イソボルニルメタクリレート (a)
DCPM:ジシクロペンタニルメタクリレート (a)
DCPA:ジシクロペンタニルアクリレート (a)
αMSD:2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン (d)
DDME:n−ドデシルメルカプタン
MMA:メチルメタクリレート
Figure 2011207968
Figure 2011207968

Claims (7)

  1. 脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(a)、アルコール性水酸基を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(b)、2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)と、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)を含む成分を共重合して得られる共重合体であって、側鎖に2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)由来の反応性の(メタ)アクリレート基(c1)を有し、末端に2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)由来の構造単位を有する共重合体であり、重量平均分子量が2000〜20000であり、更にトルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジクロロエタン又はクロロホルムに可溶である可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体。
  2. 2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)由来の構造単位の導入量が、下記式(1)で表わされるモル分率Mdとして、0.02〜0.35であることを特徴とする請求項1に記載の可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体。
    d=(d)/[(a)+(b)+(c)+(d)] (1)
    ここで、(a)、(b)、(c)及び(d)は、脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(a)に由来する構造単位、アルコール性水酸基を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(b)に由来する構造単位、2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)に由来する構造単位、及び2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)に由来する構造単位のモル数を示す。
  3. 2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)由来の反応性の(メタ)アクリレート基(c1)の導入量が、下記式(2)で表わされるモル分率Mc1として、0.05〜0.5であることを特徴とする請求項1または2に記載の可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体。
    c1=(c1)/[(a)+(b)+(c)] (2)
    ここで、式中の(c1)は、側鎖に2官能(メタ)アクリレート基(c1)を含有する構造単位のモル数を示す。
  4. 前記脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(a)が、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレ−ト、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレ−ト、ジシクロペンタニルアクリレ−ト、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレ−ト、及びジシクロペンタニルメタクリレートからなる群から選ばれる一種以上の単官能(メタ)アクリル酸エステルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体。
  5. 前記アルコール性水酸基を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(b)が、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及び部分的にエトキシ化された2−トビロキシメタクリレートからなる群から選ばれる一種以上のアルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体。
  6. 前記2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)が、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、及びジメチロールトリシクロデカンジアクリレートからなる群から選ばれる一種以上の2官能(メタ)アクリル酸エステルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体。
  7. 2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(d)を2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)100重量部に対して、10〜500重量部存在させ、脂環式構造を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(a)を2〜55モル%、アルコール性水酸基を有する単官能(メタ)アクリル酸エステル(b)を2〜50モル%及び2官能(メタ)アクリル酸エステル(c)を96〜10モル%を含有してなる単量体成分を、50〜200℃の温度で重合させることを特徴とする請求項1記載の可溶性多官能(メタ)アクリル酸エステル共重合体の製造方法。
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