JP4819616B2 - オレフィン系重合体 - Google Patents
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(1)エチレンに由来するユニット(α)の含量が0〜89重量%、CH2=CH−R(Rは炭素原子数1〜20の炭化水素基)で示されるα−オレフィンに由来するユニット(β)の含量が1〜90重量%であり、かつユニット(α)と(β)の合計含量が10〜90重量%の範囲である。
(2)芳香族ビニル化合物に由来するユニット(γ)の含量が1〜90重量%、不飽和カルボン酸およびその誘導体から選ばれる1種類以上のラジカル重合性単量体に由来するユニット(λ)の含量が0〜89重量%であり、かつユニット(γ)と(λ)の合計含量が10〜90重量%の範囲である。
(3)プロトンNMRスペクトルにおいて、ケミカルシフト0.40〜0.95ppmのピーク面積(X)と4.70〜5.15ppmのピーク面積(Y)の比((Y)/(X))が0.00001以上である。
(4)酸触媒または塩基触媒の存在下アルコール処理を行った時に、処理前のオレフィン系重合体の重量(P)と処理後のオレフィン系重合体の室温下でのクロロホルム不溶成分の重量(Q)、処理前のオレフィン系重合体中のユニット(α)と(β)とを合計した重量分率(R)との間に下記式(1)で示される関係が成り立つ。
本発明に係るオレフィン系重合体は、下記要件(1)〜(4)を同時に満たすことを特徴とする。
(1)エチレンに由来するユニット(α)の含量が0〜89重量%、CH2=CH−R(Rは炭素原子数1〜20の炭化水素基)で示されるα−オレフィンに由来するユニット(β)の含量が1〜90重量%であり、かつユニット(α)と(β)の合計含量が10〜90重量%の範囲である。
(2)芳香族ビニル化合物に由来するユニット(γ)の含量が1〜90重量%、不飽和カルボン酸およびその誘導体から選ばれる1種類以上のラジカル重合性単量体に由来するユニット(λ)の含量が0〜89重量%であり、かつユニット(γ)と(λ)の合計含量が10〜90重量%の範囲である。
(3)プロトンNMRスペクトルにおいて、ケミカルシフト0.40〜0.95ppmのピーク面積(X)と4.70〜5.15ppmのピーク面積(Y)の比((Y)/(X))が0.00001以上である。
(4)酸触媒または塩基触媒の存在下アルコール処理を行った時に、処理前のオレフィン系重合体の重量(P)と処理後のオレフィン系重合体の室温下でのクロロホルム不溶成分の重量(Q)、処理前のオレフィン系重合体中のユニット(α)と(β)とを合計した重量分率(R)との間に下記式(1)で示される関係が成り立つ。
(Q)/(P)−0.5(R)>0.5 ・・・(1)
本発明において用いられるアルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、1−ドデカノール、1−テトラデカノール、ステアリルアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールなどの1価のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1、6−へキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの2価のアルコール類、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコール類などが挙げられる。
(工程1)ポリオレフィンとハロゲン化剤との反応によりハロゲン変性ポリオレフィンを製造する工程。
(工程2)上記(工程1)で製造されたハロゲン変性ポリオレフィンをマクロ開始剤として、ラジカル重合性単量体から選ばれる1種以上のモノマーを原子移動ラジカル重合する工程。
(工程1)は、ポリオレフィンとハロゲン化剤との反応によりハロゲン変性ポリオレフィンを製造する工程である。
(イ)CH2=CH−CxH2x+1(xは0または正の整数)で示されるα−オレフィン化合物の単独重合体または共重合体。
(ロ)CH2=CH−CxH2x+1(xは0または正の整数)で示されるα−オレフィン化合物と芳香環を有するモノオレフィン化合物との共重合体。
(ハ)CH2=CH−CxH2x+1(xは0または正の整数)で示されるα−オレフィン化合物と下記一般式(2)で表される環状モノオレフィン化合物との共重合体。
(ニ)CH2=CH−CxH2x+1(xは0または正の整数)で示されるα−オレフィン化合物と不飽和カルボン酸またはその誘導体とのランダム共重合体。
(ホ)前記(イ)〜(ニ)で表される重合体を不飽和カルボン酸またはその誘導体により、変性したポリオレフィン。
上記一般式(2)において、R1〜R18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子または基を表す。
本発明で用いられるCH2=CH−CxH2x+1(xは0または正の整数)で示されるα−オレフィン化合物の単独重合体または共重合体(イ)において、CH2=CH−CxH2x+1(xは0または正の整数)で示されるα−オレフィン化合物としては、具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどの炭素数が4〜20の直鎖状または分岐状のα−オレフィンが挙げられる。これらの例示オレフィン類の中では、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンから選ばれる少なくても1種以上のオレフィンを使用することが好ましい。
本発明で用いられるCH2=CH−CxH2x+1(xは0または正の整数)で示されるα−オレフィン化合物と芳香環を有するモノオレフィン化合物との共重合体(ロ)において、CH2=CH−CxH2x+1(xは0または正の整数)で示されるα−オレフィン化合物としては、上記(イ)の項で記載したものと同様のα−オレフィン化合物が挙げられ、芳香環を有するモノオレフィン化合物としては、具体的には、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等のスチレン系化合物やビニルピリジンなどが挙げられる。本発明で用いられるCH2=CH−CxH2x+1(xは0または正の整数)で示されるα−オレフィン化合物と芳香環を有するモノオレフィン化合物との共重合体(ロ)としては、上記のα−オレフィン化合物と芳香環を有するモノオレフィン化合物とを共重合して得られるものであれば特に制限はない。
本発明で用いられるCH2=CH−CxH2x+1(xは0または正の整数)で示されるα−オレフィン化合物と上記一般式(2)で表される環状モノオレフィン化合物との共重合体(ハ)において、CH2=CH−CxH2x+1(xは0または正の整数)で示されるα−オレフィン化合物としては、上記(イ)の項で記載したものと同様のα−オレフィン化合物が挙げられ、上記環状モノオレフィン化合物から誘導される構成単位は、下記一般式(3)で示される。
本発明で用いられるCH2=CH-CxH2x+1(xは0または正の整数)で示されるα−オレフィン化合物と不飽和カルボン酸またはその誘導体とのランダム共重合体(ニ)において、CH2=CH-CxH2x+1(xは0または正の整数)で示されるα−オレフィン化合物としては、上記(イ)の項で記載したものと同様のα−オレフィン化合物が挙げられ、不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、例えば、不飽和モノカルボン酸およびその誘導体や不飽和ジカルボン酸およびその誘導体、ビニルエステル類が挙げられ、具体的には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ハライド、(メタ)アクリル酸アミド、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸エステル、マレイン酸ハライド、マレイン酸アミド、マレイン酸イミド、酢酸ビニルや酪酸ビニルなどの脂肪族ビニルエステル類などが挙げられる。本発明で用いられるCH2=CH-CxH2x+1(xは0または正の整数)で示されるα−オレフィン化合物と不飽和カルボン酸またはその誘導体とのランダム共重合体(ニ)としては、上記のα−オレフィン化合物と不飽和カルボン酸またはその誘導体とのランダム共重合体であれば特に制限はないが、前記α−オレフィン化合物を50モル%以上含有するものが好ましい。
本発明で用いられる、前記(イ)〜(ニ)で表される重合体を不飽和カルボン酸またはその誘導体により変性した変性ポリオレフィン(ホ)において、不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、具体的には、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸エステル、マレイン酸ハライド、マレイン酸アミド、マレイン酸イミドなどが挙げられる。前記(イ)〜(ニ)で表される重合体を不飽和カルボン酸またはその誘導体により変性する方法としては、例えば、有機過酸化物などのラジカル発生剤の存在下、あるいは紫外線や放射線の存在下に不飽和カルボン酸またはその誘導体を前記(イ)〜(ニ)で表される重合体と反応させる方法などが挙げられる。
本工程により得られるハロゲン変性ポリオレフィンのハロゲン含有率は、0.01〜70重量%、好ましくは0.02〜50重量%、さらに好ましくは0.05〜30重量%である。本発明では、このようなハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素から選ばれ、これらの組み合わせであってもよい。ハロゲン変性ポリオレフィン中に存在するハロゲン原子含有量は、例えば元素分析やイオンクロマトグラフィーなどの方法により測定することができる。
上記(工程1)(工程2)を実施することにより、本発明のオレフィン系重合体が製造される。
本発明に係るオレフィン系重合体は種々の用途に使用でき、例えば以下の用途に使用できる。
(1)フィルムおよびシート 本発明に係るオレフィン系重合体からなるフィルムおよびシートは、柔軟性、透明性、粘着性、防曇性、耐熱性、分離性のいずれかに優れている。
(2)本発明に係るオレフィン系重合体からなる層を少なくとも1層含む積層体 例えば農業用フィルム、ラップ用フィルム、シュリンク用フィルム、プロテクト用フィルム、血漿成分分離膜、水選択透過気化膜などの分離膜例、イオン交換膜、バッテリーセパレータ、光学分割膜などの選択分離膜など。
(3)マイクロカプセル、PTP包装、ケミカルバルブ、ドラッグデリバリーシステム。
ゴム用改質剤として用いると、耐候性、耐熱性、接着性、耐油性などの改質効果がある。ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン・プロピレン系ゴム(EPM、EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルゴム(ACM、ANM等)、エピクロロヒドリンゴム(CO、ECO等)、シリコーンゴム(Q)、フッ素系ゴム(FKM等)等の架橋型ゴム;スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、エステル系、アミド系、塩化ビニル系等の熱可塑型ゴムが挙げられる。
セメント用改質剤として用いると、成形性、強度などの改質効果がある。セメントとしては、石灰、石こう、マグネシアセメント等の気硬性セメント、ローマンセメント、天然セメント、ポルトランドセメント、アルミナセメント、高硫酸塩スラグセメント等の水硬性セメント、耐酸セメント、耐火セメント、水ガラスセメント、歯科用セメント等の特殊セメント等がある。
(6)建材・土木用材料 例えば、床材、床タイル、床シート、遮音シート、断熱パネル、防振材、化粧シート、巾木、アスファルト改質材、ガスケット・シーリング材、ルーフィングシ−ト、止水シート等の建材・土木用樹脂および建材・土木用成形体など。
(7)自動車内外装材およびガソリンタンク 本発明に係る多分岐型ポリマーからなる自動車内外装材、ガソリンタンクは剛性、耐衝撃性、耐油性、耐熱性に優れる。
(10)塗料ベース 本発明に係るオレフィン系重合体を含む溶剤分散体は、溶剤に対する分散安定性に優れ、金属や極性樹脂とポリオレフィンを接着する際に良好な接着性を示す。
(11)医療・衛生用材料不織布、不織布積層体、エレクトレット、医療用チューブ、医療用容器、輸液バッグ、プレフィルシリンジ、注射器などの医療用品、医療用材料、人工臓器、人工筋肉、濾過膜、食品衛生・健康用品;レトルトバッグ、鮮度保持フィルムなど。
(13)フィラー改質剤 本発明に係るオレフィン系重合体は、フィラー分散性改良材と分散性の改良されたフィラーを調製するための添加剤などの用途に好適に用いることができる。
(14)相溶化剤 本発明に係るオレフィン系重合体は、相溶化剤として用いることができる。本発明に係るオレフィン系重合体を用いると、ポリオレフィンと、極性基を含有する熱可塑性樹脂とを任意の割合で混合することができる。本発明に係るオレフィン系重合体は、ポリオレフィンセグメントと極性ポリマーセグメントとを有しているので元来非相溶であった成分を混和させることができ、オレフィン系重合体を用いない場合に比べて破断点伸びを著しく向上させることができる。
(i)分子量および分子量分布の測定
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を使用して以下の条件で測定した。
測定装置:Waters社製 allianceGPC2000
解析装置:Waters社製Empowerプロフェッショナル
カラム:TSKgel GMH6HT×2+TSKgel GMH6HTL×2
カラム温度:140℃
移動相:o−ジクロロベンゼン(ODCB)
検出器:示差屈折率計
流速:1mL/min
試料濃度:30mg/20mL−ODCB
注入量:500μL
カラム較正:単分散ポリスチレン(東ソー社製)
測定装置:日本電子製JNMGSX−400型核磁気共鳴装置
試料管:5mmφ
測定溶媒:o−ジクロロベンゼン−d4あるいは1,1,2,2−テトラクロロエタン−d2
測定温度:120℃
測定幅:8000Hz
パルス幅:7.7μs(45°)
パルス間隔:6.0s
測定回数:〜8000回
各ピークのケミカルシフトは、o−ジクロロベンゼン−d4の高磁場側プロトンを6.90ppm、または1,1,2,2−テトラクロロエタン−d2のプロトンを5.95ppmとして決定した。
試料を酸素フラスコ燃焼法にて分解処理し、イオンクロマトグラフ(DIONEX DX−500)にて定量した。
C,H,N原子:パーキンエルマー2400II元素分析装置にて測定を行った。
O原子:エレメンタール社製Vario ELIII分析装置にて測定を行った。
充分に窒素置換した内容積2Lのガラス製反応器に、アイソタクチックポリプロピレン(iPP;Mw=128000)75gおよびクロロベンゼン1.5Lを入れ、120℃で2時間加熱攪拌した。その後、N−ブロモスクシンイミド1.7gを加えて100℃で2時間反応を行った。反応液を1.5Lのアセトン中に注ぎ、析出したポリマーを減圧乾燥して74gの白色粉末状変性iPPを得た。得られたポリマー中に含まれる臭素原子の含有量は、イオンクロマトグラフィー分析から0.43wt%であった。
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、上記(1)で得たハロゲン変性iPP15gとスチレン(St)160mL、アクリロニトリル(AN)40mLを入れて25℃で撹拌した。このスラリーに、臭化銅(I)0.19g、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)0.55mLを加え、80℃で6時間重合を行った。反応液をメタノール1.5L中に注ぎ、析出したポリマーを減圧乾燥して21.0gの固体状ポリマーを得た。得られたポリマー中のプロピレン/St/AN組成比は、プロトンNMR分析より69/20/11(wt%)であった。得られたポリマーの元素分析値から、炭素原子の重量分率(A)と窒素原子の重量分率(B)との比((B)/(A))は0.032と算出された。また、ケミカルシフト0.40〜0.95ppmのピーク面積(X)と4.70〜5.15ppmのピーク面積(Y)の比((Y)/(X))は、0.00054であった(図1参照)。得られたポリマーを温度200℃に設定した熱プレス機にて圧力100kg/cm2、時間5分の条件でプレス成型し、その後温度20℃に設定したプレス機にて急速に冷却することにより、厚さ0.5mm、幅および長さ15mmのプレスシートを得た。得られたプレスシートを透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察したところ、PPマトリックス中にASの島相が直径約20〜30nmの大きさで球状に微分散していた。
充分に窒素置換した50mLシュレンク管に、上記(2)で得たiPP−AS共重合体1.0gおよびクロロベンゼン20mL、n−ブタノール12mL、濃硫酸0.5mLを入れ、80℃で9時間加熱攪拌した。反応液を400mLのメタノール中に注ぎ、析出した固体状ポリマーをろ過により回収した。得られた固体状ポリマーを室温下クロロホルム200mL中に入れ、1時間撹拌後再びろ過し、フィルター上のポリマーを80℃で減圧乾燥して固体状ポリマー0.92gを回収した。回収したポリマー中のiPP/AS組成比は、プロトンNMR分析から74/26(wt%)であった。結果を表1に示す。
充分に窒素置換した100mLシュレンク管に、上記(2)で得たiPP−AS共重合体2.0gおよびクロロベンゼン60mL、メタノール20mL、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(28%)6mLを入れ、80℃で9時間加熱攪拌した。反応液を400mLのメタノール中に注ぎ、析出した固体状ポリマーをろ過により回収した。得られた固体状ポリマーを室温下クロロホルム200mL中に入れ、1時間撹拌後再びろ過し、フィルター上のポリマーを80℃で減圧乾燥して固体状ポリマー1.91gを回収した。結果を表1に示す。
市販のPP−AS共重合体(日本油脂製モディパーA3400)のプロトンNMR分析を行ったところ、PP/AS組成比は69/31(wt%)であった。得られたポリマーの元素分析値から、炭素原子の重量分率(A)と窒素原子の重量分率(B)との比((B)/(A))は0.041と算出された。また、ケミカルシフト4.70〜5.15ppmの領域にピークは検出されなかった。上記実施例1(2)と同様の条件で得たプレスシートをTEM観察したところ、PPマトリックス中にASの島相が直径数μmの大きさで不均一に点在していた。得られた共重合体を上記実施例1(3)および(4)と同様の条件でアルコール処理を行った結果を表1に示す。
Claims (4)
- 下記の(工程1)と(工程2)とを順次実施して、
下記要件(1)〜(4)を同時に満たすオレフィン系重合体を製造する、
オレフィン系重合体の製造方法。
(工程1)CH2=CH−CXH2X+1(Xは0または1〜20の正の整数)で示されるα−オレフィン化合物の単独重合体または共重合体であるポリオレフィンとハロゲン化剤との反応によりハロゲン変性ポリオレフィンを製造する工程。
(工程2)上記(工程1)で製造されたハロゲン変性ポリオレフィンをマクロ開始剤として、ラジカル重合性単量体から選ばれる1種以上のモノマーを原子移動ラジカル重合する工程。
(1)エチレンに由来するユニット(α)の含量が0〜89重量%、CH2=CH−R(Rは炭素原子数1〜20の炭化水素基)で示されるα−オレフィンに由来するユニット(β)の含量が1〜90重量%であり、かつユニット(α)と(β)の合計含量が10〜90重量%の範囲である。
(2)芳香族ビニル化合物に由来するユニット(γ)の含量が1〜90重量%、不飽和カルボン酸およびその誘導体から選ばれる1種類以上のラジカル重合性単量体に由来するユニット(λ)の含量が0〜89重量%であり、かつユニット(γ)と(λ)の合計含量が10〜90重量%の範囲である。
(3)プロトンNMRスペクトルにおいて、ケミカルシフト0.40〜0.95ppmのピーク面積(X)と4.70〜5.15ppmのピーク面積(Y)の比((Y)/(X))が0.00001以上である。
(4)酸触媒または塩基触媒の存在下アルコール処理を行った時に、処理前のオレフィン系重合体の重量(P)と処理後のオレフィン系重合体の室温下でのクロロホルム不溶成分の重量(Q)、処理前のオレフィン系重合体中のユニット(α)と(β)とを合計した重量分率(R)との間に下記式(1)で示される関係が成り立つ。
(Q)/(P)−0.5(R)>0.5 ・・・(1) - 上記不飽和カルボン酸およびその誘導体が、(メタ)アクリル酸およびその塩、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル置換(メタ)アクリルアミド類、カルボン酸ビニルエステル類、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル類、フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル類、マレイミド、N−アルキル置換マレイミド類から選ばれることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン系重合体の製造方法。
- 上記CH2=CH−Rで示されるα−オレフィンが、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンから選ばれることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のオレフィン系重合体の製造方法。
- 上記芳香族ビニル化合物が、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸およびその塩であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のオレフィン系重合体の製造方法。
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