JP2008043981A - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】凝固収縮の大きいC含有量0.08〜0.14質量%の包晶域の鋼種の鋳造、又はNb、Vのような特殊元素を含有する鋼種の鋳造、あるいは高速鋳造化を行う場合に、懸念される凝固シェルの異常、特に鋳型のコーナー部周辺の凝固遅れに伴うブレークアウトを未然に防止し、高効率かつ高生産性を実現できる鋼の連続鋳造方法を提供する。
【解決手段】連続鋳造用鋳型10へ供給された溶鋼を凝固させながら、連続鋳造用鋳型10の下方へ引き抜き鋳片を製造する鋼の連続鋳造方法において、連続鋳造用鋳型10の溶鋼との接触面から板内部へ1mm以上20mm以下の範囲内には、内径が0.2mm以上6mm以下の金属製管材11で保護され、金属製管材11の断面空隙率を40%以上99.7%以下にし、しかも連続鋳造用鋳型10の温度変化による光の波長変化を検出可能な検知部15を備える光ファイバーセンサー12が配置され、これで温度変化を測定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼の連続鋳造方法に係り、更に詳細には、高速で連続鋳造を行う場合に懸念される鋳型内凝固シェルの異常を的確に捉え、多大な生産障害となる鋳型直下での溶鋼漏れトラブルを未然に防止して、高効率かつ高生産性を実現できる鋼の連続鋳造方法に関する。
一般に、鋼の連続鋳造では、連続鋳造用鋳型(以下、単に鋳型ともいう)内に注入された溶鋼を冷却し、凝固シェルを形成させながら製造される鋳片を、鋳型から引き抜いている。この鋳型から引き抜かれた鋳片は、更に二次冷却帯で冷却され、連続鋳造機の末端に至るまでに完全に凝固される。
このような連続鋳造においては、鋳型内で形成される凝固シェルの成長の安定化が極めて重要であり、これが製品の品質及び生産性に最も影響を及ぼしている。特に近年、製品の生産性向上に向けて、連続鋳造の高速化が進められているが、この高速化に伴って、鋳型内で形成される凝固シェルの厚みが従来よりも薄くなり、凝固シェルの成長が不安定になり易くなっている。
このように、凝固シェルの成長が不安定な場合、凝固シェルが破れ、未凝固の溶鋼が流出するブレークアウト(以下、BOともいう)が発生し、例えば、鋳造操業の中断又は長時間の休止、更には設備損傷のような事故を招く恐れがある。
そこで、このBOを防止することが重要な課題であった。
この問題を解決するべくBOを予知する方法として、例えば、特許文献1〜3には、鋳型を構成する銅板に複数の熱電対を埋設し、これら熱電対の温度変化、隣接した熱電対の温度変化、又はそのパターンを検出して、予め特定した温度変化又はパターンになった場合に、BOが発生すると予知する方法が提案されている。
また、特許文献4には、小径の熱電対を銅板の表面近くまで複数埋設し、上記と同様熱電対の温度変化を検出し、パウダーの潤滑状態を判定し、BOの発生を予知し予防する方法が提案されている。
このように、鋳型の温度分布を測定する手段としては、熱電対のようにスポット温度を測定できる検出端を、銅板に多数埋め込む方法が一般的である。
更に、特許文献5には、熱電対の代替として、ラマン散乱型の光ファイバー式温度センサーを用いる方法が提案されている。
特開昭60−44163号公報 特開昭60−61151号公報 特開2001−162358号公報 特開平11−90599号公報 特開平9−47855号公報
しかしながら、前記従来の方法には未だ解決すべき以下のような問題があった。
引用文献1〜4の方法では、BOの検知能を向上させるために、銅板に多数の熱電対を埋設する必要がある。このため、例えば、熱電対を埋設する作業、又はこれを保守点検する作業に多くの労力が必要となり、また、コストも高騰化し、作業性も劣るという問題を有している。
また、この従来技術では、鋳型に凝固シェルが焼付き拘束されて略V字状等に破断し、鋳型内で溶鋼が流出するような、比較的広い範囲で鋳型の温度変化が検出される拘束性のBOについては予知可能である。しかし、凝固収縮の大きいC含有量0.08〜0.14質量%の包晶域の鋼種の鋳造、又はNb、Vのような特殊元素を含有する鋼種の鋳造、あるいは高速鋳造時の鋳型コーナー近傍の凝固遅れに伴うBOについては、上記した拘束性のBOのように、凝固シェルがV字状に破断する現象が小さい。このため、温度異常を間隔の広がった熱電対で検知することは極めて難しく、また仮に検知できたとしても、その検知するタイミングが遅れ、対応が間に合わないという問題が発生する。
更に、連続鋳造の高速化に伴い、タンディッシュから鋳型内に溶鋼を注入するために使用している浸漬ノズルからの吐出流速が増大し、吐出流が鋳型の短片部材に衝突するため、図12(A)に示すように、例えば、鋳型のコーナー部周辺に形成される凝固シェルが再溶解して凝固遅れが発生する。
これにより、鋳型のコーナー部近傍に形成される凝固シェルの厚みに大きな不均一が生じるため、凝固収縮により凝固シェルの厚みが薄いコーナー部に割れが発生したり、またコーナーブリード(即ち、溶鋼の染み出し)が発生し易くなる。そして、これが更に拡大すると、図12(B)に示すように、鋳型の下方でコーナー割れが生じて、鋳型内の未凝固状態の溶鋼が一気に流出するBOに至る。
このような、コーナー割れとコーナーブリードの発生は、鋳型のコーナー部で発生するため、温度センサーを鋳型のコーナー部へ埋設する必要がある。
しかし、通常、鋳型のコーナー部は、凝固シェルの収縮によって、エアーギャップが発生し易いため、温度のばらつきが大きく安定しない(温度変動が激しい)。従って、このような現象の温度異常を、通常の拘束性のBOの検知方法と同様の方法で判定しようとした場合、凝固シェルが破断し溶鋼が鋳型と凝固シェルとの間で流出したかどうかの判定ができない。
また、凝固シェルの破断が無いにも関わらず、鋳型が温度変動(上昇)してBOと誤認するような検知が多発するという問題が発生する。
このため、この部分を避けて鋳型に熱電対が埋設されている。
また、熱電対のコーナー部への埋設は、銅板の冷却構造上からも難しく、表面温度への影響、即ち鋳型内の凝固へ及ぼす影響が発生し易いことからも、コーナー部への取付けを避けることが一般的である。
そのため、一般的には、コーナー割れ起因によるBOの対策として、例えば、鋳型の短片部材の銅板のテーパーを大きくし、コーナー部の凝固遅れを抑制する手段を用いたり、またタンディッシュ内の溶鋼温度が高い場合は、鋳造速度を低下させて、短片部材側で形成される凝固シェルの再溶解現象を抑制するような操業での対応が実施されているのが実情である。
なお、特許文献5の方法では、測定したい場所をスポットで測温することは困難であり、所定長さの平均温度でしか評価できないため、鋳型からの熱の応答遅れ又は鋳型の温度上昇を見逃し易く、BOの発生を抑制することは極めて困難である。また、BOの検知精度を向上させるために、光ファイバーセンサーを銅板の表面近くに埋設すると、150℃程度で光ファイバーセンサーの周囲に被覆された樹脂からHガスが発生し、光ファイバーセンサーを劣化させるという問題が発生する。通常、銅板の表面温度は、高速鋳造時に400℃程度まで上昇するため、光ファイバーセンサーが熱で損傷し、センサーとして機能できなくなる。そのため、鋳片の生産を中断し、鋳型交換を行うためのロス時間が必要となり、更に光ファイバーセンサーを交換しメンテナンスするために鋳型の解体作業を行わなければならず、膨大なメンテナンス費用が必要になるという問題が発生する。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、例えば、凝固収縮の大きいC含有量0.08〜0.14質量%の包晶域の鋼種の鋳造、又はNb、Vのような特殊元素を含有する鋼種の鋳造、あるいは高速鋳造化を行う場合に、懸念される凝固シェルの異常、特に鋳型のコーナー部周辺の凝固遅れに伴うブレークアウトを未然に防止し、高効率かつ高生産性を実現できる鋼の連続鋳造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る鋼の連続鋳造方法は、連続鋳造用鋳型へ供給された溶鋼を凝固させながら、該連続鋳造用鋳型の下方へ引き抜き鋳片を製造する鋼の連続鋳造方法において、
前記連続鋳造用鋳型の前記溶鋼との接触面から板内部へ1mm以上20mm以下の範囲内には、内径が0.2mm以上6mm以下の金属製管材で保護され、該金属製管材の断面空隙率を40%以上99.7%以下にする光ファイバーセンサーが配置され、しかも前記光ファイバーセンサーが前記連続鋳造用鋳型の温度変化による光の波長変化を検出可能な検知部を備えるセンサーであり、前記光ファイバーセンサーで前記連続鋳造用鋳型の温度変化を測定する。
本発明に係る鋼の連続鋳造方法において、前記検知部は、前記光ファイバーセンサーの長さ方向に間隔を有して複数設けられていることが好ましい。
本発明に係る鋼の連続鋳造方法において、前記金属製管材は、前記鋳片の引き抜き方向に沿って配置され、しかも該金属製管材には前記光ファイバーセンサーが複数挿入され、該各光ファイバーセンサーの前記検知部が前記鋳片の引き抜き方向の異なる位置にそれぞれ配置されていることが好ましい。
本発明に係る鋼の連続鋳造方法において、前記金属製管材は、前記鋳片の引き抜き方向に沿って配置され、しかも該金属製管材には前記光ファイバーセンサーが複数挿入され、該各光ファイバーセンサーの前記検知部の少なくとも2個が前記鋳片の引き抜き方向の同一位置に配置されていることが好ましい。
本発明に係る鋼の連続鋳造方法において、前記連続鋳造用鋳型は、間隔を有して対向配置され、しかも該間隔を可変可能な一対の短片部材と、該各短片部材を幅方向両側から挟み込んだ状態で対向配置される一対の長片部材とを有し、前記光ファイバーセンサーは、前記短片部材の幅をLとした場合、該短片部材の端から0.02L以上0.2L以下の範囲内に配置されていることが好ましい。
本発明に係る鋼の連続鋳造方法において、前記連続鋳造用鋳型には、前記光ファイバーセンサーと熱電対を含む2種類以上の温度測定用センサーが設置されていることが好ましい。
請求項1〜6記載の鋼の連続鋳造方法は、金属製管材で保護された光ファイバーセンサーを、連続鋳造用鋳型の溶鋼との接触面側から所定の範囲内の板内部に配置するので、光ファイバーセンサーの損傷を抑制すると共に、凝固過程にある鋳片からの熱応答性を良好にできる。
また、金属製管材の大きさを規定することで、金属製管材内への光ファイバーセンサーの挿入時における作業性を良好にできると共に、金属製管材を配置する連続鋳造用鋳型の変形及び冷却性能への影響を少なくできる。
そして、光ファイバーセンサーが挿入された金属製管材の空隙率を規定することで、凝固過程にある鋳片の熱応答性を良好にできると共に、鋳型や金属製管材の熱膨張による光ファイバーセンサーへの歪の影響を少なくできる。
この光ファイバーセンサーは、光の波長変化を検出するセンサーであるので、他の光ファイバーセンサーと比較して、熱電対のようなスポット測温(例えば、10mm範囲内の測温)が容易であり、鋳型からの熱の応答性を向上でき、連続鋳造用鋳型の温度変動を容易に捉えることができる。また、測定したい箇所へ検知部を配置することで、任意の位置で温度測定と歪測定が可能となる。
これにより、例えば、凝固収縮の大きい鋼種の鋳造、又は特殊元素を含有する鋼種の鋳造、あるいは高速鋳造化を行う場合に、懸念される凝固シェルの異常、特にコーナー部周辺の凝固遅れに伴うブレークアウトを未然に防止し、高効率かつ高生産性を実現できる。
請求項2記載の鋼の連続鋳造方法は、検知部が、光ファイバーセンサーに複数設けられているので、連続鋳造用鋳型の複数箇所の温度測定を容易にでき、温度変動の検出精度を向上できる。
請求項3記載の鋼の連続鋳造方法は、各光ファイバーセンサーの検知部が、鋳片の引き抜き方向の異なる位置にそれぞれ配置されているので、連続鋳造用鋳型の温度変動の検出精度を更に向上できる。
請求項4記載の鋼の連続鋳造方法は、各光ファイバーセンサーの検知部の少なくとも2個が、鋳片の引き抜き方向の同一位置に配置されているので、例えば、検知部の1個が損傷した場合においても、他の検知部により検出できる。
請求項5記載の鋼の連続鋳造方法は、光ファイバーセンサーを、短片部材の所定位置に配置するので、短片部材のコーナー部周辺の凝固シェルに発生した異常を確実に検知できる。
請求項6記載の鋼の連続鋳造方法は、鋳型に、光ファイバーセンサーと熱電対を含む2種類以上の温度測定用センサーが設置されているので、各温度測定用センサーの特性に応じた使い分けを行うことで、より安定した操業が可能になる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る鋼の連続鋳造方法に使用する連続鋳造用鋳型の説明図、図2(A)はFBGセンサーの設置位置を示す鋳型の部分平面図、(B)はFBGセンサーの設置位置とコーナー部凝固シェル異常検知指数との関係を示す説明図、図3(A)、(B)はそれぞれFBGセンサーの斜視断面図、側断面図、図4はFBGセンサーの熱応答性を検討した実験装置の説明図、図5(A)、(B)はそれぞれFBGセンサーの応答時間と金属管内の空隙率との関係を示す説明図、図6はFBGセンサーの温度測定誤差と金属管内の空隙率との関係を示す説明図、図7(A)〜(C)はそれぞれ金属管内に配置された複数のFBGセンサーのグレーティング部の配置の説明図、図8はFBGセンサーによる温度測定システムの説明図、図9はFBGセンサーが設置された鋳型の部分斜視図、図10(A)〜(C)はそれぞれFBGセンサーの設置位置を示す説明図である。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る鋼の連続鋳造方法は、連続鋳造用鋳型(以下、単に鋳型ともいう)10へ供給された溶鋼を凝固させながら、鋳型10の下方へ引き抜き鋳片を製造する方法であり、金属製管材(以下、単に金属管ともいう)11で保護された光ファイバーセンサーの一例である光ファイバーグレーティングセンサー(以下、単にFBGセンサーともいう)12を鋳型10に配置して、鋳型10の温度変化を測定する方法である。以下、詳しく説明する。
鋳型10は、間隔を有して対向配置され、しかもこの間隔を製造する鋳片の大きさに応じて可変可能な一対の短片部材(短辺部材ともいう)の一例である短片銅板13(以下、単に銅板ともいう)と、各短片銅板13を幅方向両側から挟み込んだ状態で対向配置される一対の長片部材(長辺部材ともいう)の一例である長片銅板14(以下、単に銅板ともいう)とを有している。
それぞれ溶鋼との接触面(表面)側に配置される短片銅板13と長片銅板14の裏面側にはそれぞれバックプレート(図示しない)が配置されており、銅板の裏面側に多数形成された溝状水路へ冷却水を流すことで、短片銅板13と長片銅板14を冷却している。
なお、鋳型は、上記構成のものに限定されるものではなく、例えば、一対の短片部材の間隔が固定されたものでもよく、また、上下方向に貫通した開口部を備えるものでもよい。
上記したように、各銅板は一般的に水冷されているが、高速鋳造中の銅板の表面温度は、350℃以上450℃以下程度まで上昇する。一方、従来使用されている温度測定用センサーである熱電対は、耐熱性に劣るため、銅板の表層部への設置ができない。
また、熱電対は、銅板を固定しているバックフレームを貫通して埋設されるため、銅板をメンテナンス(例えば、改削)するときに、一旦、熱電対を銅板から取外し、銅板の熱電対取付け孔先端にある熱電対の溶接跡をきれいに削る必要がある。
このため、熱電対は、通常銅板の溶鋼との接触面から銅板内部へ10mm以上15mm以下程度の場所に埋設されており、熱応答性が3〜5秒程度遅いという問題があった。
これに対し、本実施の方法では、FBGセンサー12を金属管11で保護して鋳型10に埋設することで、500℃でもFBGセンサー12が損傷しないため、銅板表層部への設置も可能であり、安定した温度測定と歪測定が可能になる。従って、FBGセンサー12を設置する位置を、熱応答性を遅延させない深さ、即ち鋳型10の溶鋼との接触面から銅板内部(厚み方向)へ1mm以上20mm以下の範囲内、好ましくは、下限を3mm、更には5mm、上限を17mm、更には15mmとする。
このFBGセンサー12は、鋳型10のコーナー部に相当する短片銅板13の幅方向両端部に、鋳片の引き抜き方向(鋳片の鋳造方向)に沿って上下方向に設置している。ここで、FBGセンサーは、銅板の表面からその深さ方向(厚み方向)に渡って複数箇所設置してもよく、また、長片部材の銅板に設置してもよい。
FBGセンサー12は、短片銅板13の幅をLとした場合、短片銅板13の端から0.02L以上0.2L以下(0.02×L以上0.2×L以下)の範囲内に配置している。
短片銅板のコーナー部周辺の凝固シェルの異常を検知するためには、短片銅板の幅に対するFBGセンサーの埋設位置が極めて重要である。このため、本発明者らは、長期間に渡る実機試験によって、図2(A)、(B)に示すように、FBGセンサーの埋設位置Xを、短片銅板の幅方向端から0.02L以上0.2L以下の範囲内にすることで、凝固シェルの異常を的確に検出することが可能となることを確認した。なお、図2(B)の縦軸のコーナー部凝固シェル異常検知指数とは、コーナー部周辺の割れ又は溶鋼の表面への染み出しを実際に検知した回数を指数化したものである。
FBGセンサーの埋設位置Xが、短片銅板の幅方向の端から0.02L未満の場合、銅板端部への孔又は溝加工が難しくなるため、長片銅板との突合せ面に孔が露出したり、またFBGセンサーを挿入している金属管が露出し易くなる。従って、鋳型の長時間の使用の際に、鋳造中の潤滑剤として使用しているパウダーの侵入による腐食又は鋳型準備時の清掃等で、例えば水の浸入の問題が発生する。更に、鋳片のコーナー部の凝固シェルの収縮による温度変動の影響を受け易いという問題もあり、図2(B)に示すように、コーナー部凝固シェル異常検知指数が低くなる。
一方、FBGセンサーの埋設位置Xが、短片銅板の幅方向の端から0.2Lを超える場合、鋳片のコーナー部での凝固シェルの異常時に、銅板の温度上昇が伝播しにくく、また熱応答性も大幅に低下するため、コーナー部凝固シェル異常検知指数が低くなる。
以上のことから、FBGセンサーの埋設位置を、0.02L以上0.2L以下の範囲内としたが、好ましくは、下限を0.05L、上限を0.15L、更には0.10Lとする。
光ファイバーセンサーとして散乱光を活用したものは、熱電対のようなスポット測温が難しく、通常1m平均温度での測定が一般的であり、連続鋳造用鋳型の銅板の温度変動を的確に捉えることは難しい。特に、高速鋳造の際に鋳型内の凝固シェルの異常を検出するためには、最低でも2秒以内に各測定箇所の温度判定が必要であるが、測定したいポイントが増加するほど、平均化処理又は測定箇所の切り替えに時間を要するので、極めて難しいという問題がある。
通常、鋳型内の溶鋼湯面レベルから鋳型下端までの鋳型長さは、約800mm程度である。なお、拘束性のBOを予知するための最も下端の熱電対埋設位置は、鋳型下端から上方へ350mm程度の位置に設けられている。従って、この下端位置の熱電対が凝固シェルの異常を検知してから、その凝固シェルが鋳型下端に到達する時間は、鋳造速度2.0m/分の場合、10秒(=350mm/33mm/秒)程度である。
このため、異常を検知してからブレークアウト(以下、BOともいう)を防止するには、鋳造速度を緊急に減速し、凝固シェルの増大による凝固シェル破断部の修復を行う必要があるため、各温度測定箇所の熱応答性は極めて重要である。
この問題に対し、本実施の形態では、図3(A)、(B)に示すように、光ファイバーセンサーとして、鋳型の温度変化による光の波長変化を検出可能なグレーティング部(検知部の一例)15を備える光ファイバーグレーティングセンサー12を使用している。
FBGセンサー12は、純度の高い石英で構成されたクラッド16(外径が例えば125μm程度)と、その中央部に設けられGe(ゲルマニウム)をドープした石英で構成されたコア17(外径が例えば10〜50μm程度)と、クラッド16の周囲を覆って機械的な補強と耐水性を確保するための例えば、ポリイミド樹脂製又は紫外線硬化樹脂製の樹脂部材18(外径が例えば155〜900μm程度)とで構成されている。
図3(B)に示すように、グレーティング部15は、幅が例えば約10mm程度の結晶化されたものであり、FBGセンサー12の長さ(繊維)方向途中位置、即ちクラッド16とコア17の途中位置に設けられている。なお、グレーティング部15は、FBGセンサー12の長さ方向に1箇所設けられているが、FBGセンサー12の長さ方向に間隔を有して複数設けてもよい。
このグレーティング部15を、銅板の温度を測定したい位置に合わせて設置することで、グレーティング部15を中心として10mm範囲内でのスポット測温が可能となり、鋳型10からの熱の応答性も向上する。また、測定したい箇所へグレーティング部15を配置することで、任意に温度測定と歪測定が可能となる。
上記したように、クラッド16の周囲には、耐熱温度が150〜200℃程度の樹脂部材18が被覆されているため、FBGセンサー12を高温状況下でそのまま使用すると、樹脂部材18中のHガスが、クラッド16とコア17を劣化させるというFBGセンサー12の最大の問題が発生することになる。そこで、樹脂部材18で被覆されたFBGセンサー12を予め炉の中に入れ、樹脂部材18を例えば100〜200℃程度で焼く加熱処理を施し、炉中で発生する樹脂部材18中のHガスを炉中で吹き飛ばす。そして、この加熱処理されたFBGセンサー12を、金属管11の中に挿入することで、銅板の温度が500℃まで上昇しても、長期的に安定した温度測定と歪測定が可能であるという知見を得た。
その結果、FBGセンサー12の最大の課題であった耐熱性を大幅に改善することが可能となり、鋳造中に約300〜500℃まで上昇する銅板でも、センサーとして使用できる。
FBGセンサー12を保護する金属管11は、Cu、Cu合金(例えば、Cr−Zr−Cu合金)、ステンレス、又は鉄で構成され、その内径は、0.2mm以上6mm以下である。
ここで、内径が0.2mm未満の場合、内径が小さくなり過ぎるため、金属管の中にFBGセンサーを入れることが難しくなり、例えば、製造工程が複雑化したり、また作業時間がかかるため、生産性が大幅に低下するという問題が発生する。
一方、内径が6mmを超える場合、金属管が大きくなり過ぎるため、金属管の影響で鋳型の表面温度の均一性が悪くなり、凝固の不均一が発生して、鋳片の表面割れが発生する。特に、金属管を鋳型のコーナー部へ設置する場合には、鋳型コーナー部の温度が上昇して鋳型コーナー部が変形し、短片銅板のコーナー部が熱変形を繰り返す結果、短片銅板と長片銅板との突合せ面に隙間が形成される。この隙間が大きくなると、隙間への地金差しが発生するため、鋳造時に形成される凝固シェルを引きちぎり、ブレークアウトが発生するという問題も発生する。
以上のことから、金属管の内径を、0.2mm以上6mm以下としたが、下限を0.5mm、更には1mmとすることが好ましく、上限を5mm、更には3mmとすることが好ましい。
このように、金属管の外径は極めて小さく、その中にFBGセンサーを複数本挿入できるため、熱電対のように埋設場所が制限される恐れがない。
また、埋設方法についても、従来使用している熱電対のように、バックプレートを介することなく銅板単体に埋設することが可能であり、メンテナンス性も格段に向上し、大幅なコスト改善が可能となる。
なお、FBGセンサーを金属管に挿入するに際しては、金属管とFBGセンサーとの間に形成される空隙が、温度変化に対する応答性と金属管の熱膨張によるFBGセンサーへの歪に影響を及ぼす。そこで、直径0.25mmの紫外線硬化樹脂被覆の素線と、直径0.155mmのポリイミド樹脂被覆の素線とをFBGセンサー12aとし、また外径が8mmから0.4mm、内径が6mmから0.2mmの様々な銅管19を金属製管材として、銅管19にFBGセンサー12aを挿入し、温度変化に対する応答性を調査した結果について説明する。
なお、試験は、図4に示すように、銅管19の外表面と銅管19内にFBGセンサー12aをそれぞれ取付け、80℃の温水20に浸漬して、銅管19の外表面で検知した時間に対する銅管19内で検知した時間の遅れを10m秒毎に測定した。この遅れ時間、即ち応答時間は、0.5℃以上の差が生じた(上昇した)時間である。
FBGセンサー12aとして使用した紫外線硬化樹脂被覆の素線とポリイミド樹脂被覆の素線の結果を、図5(A)、(B)にそれぞれ示す。なお、図5(A)、(B)の横軸は、銅管19内の断面空隙率ΔSであり、以下の式で求めた。
ΔS={(KS−FS)/KS}×100
ΔS:銅管内の断面空隙率(%)
KS:銅管内の断面積(mm
FS:FBGセンサーの断面積(mm
前記したように、鋳型における制御用測温速度として、最大1秒程度しか許容されないことを考慮すると、図5(A)、(B)から明らかなように、空隙率が99.7%以下であれば、応答時間1秒以内の条件を満足することが分かる。
一方、空隙率は、小さいほうが応答性が改善されることは予想できるが、FBGセンサーは、銅管の熱膨張による歪の影響を避けるために、銅管と分離している必要があるので、実用上は僅かな間隙が必要である。この隙間がないと、銅管の熱膨張を検知してしまい、温度測定が不能となる。
また、熱電対とFBGセンサーとを使用し、空隙率の影響について調査した結果を、図6に示す。なお、図6の縦軸に示す温度測定誤差は、熱電対とFBGセンサーで同じ位置を測定したときの熱電対とFBGセンサーの測定温度の差であるため、この温度測定誤差が小さいほど、FBGセンサーによる測定精度が良好であることになる。
図6に示すように、銅管の空隙率が40%以上99.7%以下のときに、温度測定誤差が小さくなり、熱電対とFBGセンサーの測定温度の差がほとんどなく良好である結果が得られた。
以上のことから、金属管の断面空隙率を40%以上99.7%以下としたが、好ましくは、下限を75%とし、上限を99.5%、更には90%とする。
ここで、上記した条件を満足しながら、金属管に複数本のFBGセンサー12を挿入する方法としては、図7(A)〜(C)に示す方法がある。
図7(A)は、各FBGセンサー12に、1箇所のグレーティング部15が設けられたものを使用したときの説明図である。
図7(A)に示すように、金属管には、複数のFBGセンサー12が挿入され、各グレーティング部15は異なる位置にそれぞれ配置されている。なお、金属管は、鋳片の引き抜き方向に沿って配置されているので、各グレーティング部15は、鋳片の引き抜き方向の異なる位置にそれぞれ配置され、鋳片の引き抜き方向に渡って一定間隔で測定できる。
図7(B)に示すように、金属管には、複数のFBGセンサー12が挿入され、各FBGセンサー12には、1箇所のグレーティング部15が設けられ、各グレーティング部15の少なくとも2個(ここでは、2個)が、同一の測温位置に配置されている。なお、金属管は、鋳片の引き抜き方向に沿って配置されているので、対となる2個のグレーティング部15は、鋳片の引き抜き方向の同一位置の測温ができる。
例えば、断線又は測定不良のような損傷が発生した場合、従来使用していた熱電対では、損傷箇所の温度測定が不可能となっていた。しかし、この場合、同一箇所の温度を2本のFBGセンサー12で測定しているので、仮に1本が不良になっても、もう1本のFBGセンサー12が温度測定を行いバックアップすることが可能である。
また、図7(C)は、複数の光ファイバーグレーティングセンサー21のそれぞれに、周波数(波長)の異なる複数のグレーティング部(検知部の一例)22〜27が、その長さ方向に間隔を有して設けられたときの説明図である。これにより、多点測定を容易に実施できる。
ここで、FBGセンサー12による温度測定システム30について説明する。
図8に示すように、温度測定システム30は、複数の金属管11入りFBGセンサー12と、各FBGセンサー12が接続された光チャンネルセレクタ31と、この光チャンネルセレクタ31が光通信ケーブル32を介して接続されたFBGアナライザ33と、光チャンネルセレクタ31とFBGアナライザ33が電気通信ケーブル34を介して接続されたコンピュータ35とを有している。
このように構成することで、FBGアナライザ33から発光される広帯域のレーザ光は、一本の光通信ケーブル32を通して、光チャンネルセレクタ31に導入される。そして、FBGセンサー12のグレーティング部15にて、温度変化に比例して周波数シフトを生じた特定の波長のレーザ光のみが反射され、光チャンネルセレクタ31と光通信ケーブル32を介して、FBGアナライザ33に戻ってくる。
このFBGアナライザ33では、この後方反射光を分波して波長を測定し、測定された波長データを電気通信ケーブル34を介してコンピュータ35に伝送し、所定の温度換算処理を行って温度データとする。
そして、コンピュータ35に特定のプログラムを実行させることにより、FBGアナライザ33と光チャンネルセレクタ31へのコマンド、測定データに対する経時的処理と所定の閾値に対する警報出力が可能になる。ここで、コンピュータ35でのデータ処理時間と、FBGアナライザ33の処理時間と、光チャンネルセレクタ31の切り替え時間及び通信時間の合計時間が、1秒以内であることが肝要であり、各機器の稼動条件及びデータ処理の条件を適切に設計する必要がある。なお、比較的長時間を必要とする光チャンネルセレクタの適用は、測定点数を増減することによって、適時判断すべきである。
温度測定システムは、上記した構成に限定されるものではなく、例えば、光ファイバーグレーティングセンサーからの後方反射光の切り替え装置、又は温度に変換する装置を有するものを使用することもできる。
図9、図10(A)に示す鋳型10aには、金属管11で保護したFBGセンサー12と熱電対36とで構成した温度測定用センサーが設置されている。ここで、FBGセンサー12と熱電対36を含む2種類以上の温度測定用センサーを設置することもでき、このFBGセンサー12と熱電対36以外のセンサーとしては、例えば、白金測温抵抗体とサーミスタがある。
金属管11で保護されたFBGセンサー12は、V字状に破断しにくい鋳片のコーナー部の異常を検知可能な位置に設置する。また、熱電対36は、V字状に凝固シェルが破断する拘束性のBOを検知するため、例えば、100mm以上500mm以下のピッチで埋設する。これにより、メンテナンス性の向上とコスト低減を図ることができる。
このように構成することで、拘束性のBOとコーナー異常(例えば、コーナーブリード又はコーナー部の縦割れによるBO)を独立に判定でき、誤ったBOの判定を行われることを防止でき、正確で早期にBOの予知が可能となるため、安定した操業が可能となる。
また、鋳型のコーナー部のエアーギャップによる温度変動に対しても、エアーギャップの少ない位置に埋設した熱電対36とFBGセンサー12の温度を用いて、コーナー部の温度測定値と比較することで、エアーギャップによる温度変動を把握することが可能となる。
更に、拘束性のBOの予知に対しては熱電対36を使用し、鋳型のコーナー部周辺の異常に対してはFBGセンサー12を活用することで、現象の異なる異常を異なる温度測定手段によって検出することができ、判定処理時間の短縮や判定ソフトの構築が、安価でかつメンテナンス性も良好なシステムを構築することができる。
なお、FBGセンサー12は、図10(B)に示すように、銅板の端部に2箇所(複数)設置してもよい。なお、熱電対を使用しない場合は、図10(C)に示すように、図10(A)に示す熱電対の配置位置にFBGセンサー12を配置してもよい。
以上に示した構成の鋳型の中に、タンディッシュから浸漬ノズルを介して溶鋼を注入し、溶鋼を水冷されている鋳型の銅板によって冷却して、凝固シェルを形成させながら鋳片を引き抜いていく。
この鋳造に際しては、鋳型内のコーナー部周辺に形成される凝固シェルの凝固遅れ等により、鋳片に割れが発生して溶鋼が漏れた場合、FBGセンサーの後方反射光の強度が変化する。このとき、温度が他の定常部よりも上昇し、予め設定している閾値を超えたと判断された場合、警報が発せられ、鋳造速度を0.5m/分以下まで急激に低下させ、この鋳造速度を一定時間保持するような自動減速処理が行われる。
これにより、開孔した割れ部の凝固が促進され、凝固シェルが修復される。ここで、異常検知後、自動減速処理ではなく、オペレータによる操作によって調整してもよい。
このように、鋳型内での凝固シェルの異常を正確に検知することで、BOを未然に防止することができる。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
短片部材(銅板)の種類を変更した3種類の鋳型を使用し、厚みが250mm、幅が1200mmで、C含有量が0.10質量%、Nb含有量が0.03質量%である鋼の鋳造鋳片5000トンを、鋳造速度1.7m/分で製造した。
図11(A)に示す鋳型Aは、温度センサーを全く設置していない銅板aを組み込んだ鋳型であり、鋳型Bは、金属管で保護されたFBGセンサーを、幅Lの銅板の端から0.25Lの位置に設置した銅板bを組み込んだ鋳型であり、鋳型Cは、金属管で保護されたFBGセンサーを、幅Lの銅板の端から0.08Lの位置に設置した銅板cを組み込んだ鋳型Cである。
図11(A)には、BO発生指数と生産休止ロス時間指数(生産ロス発生指数)を示しており、BO発生指数は鋳型Aの場合を1.0とし、生産ロス発生指数は鋳型Aの場合を0.8とし、鋳型Bと鋳型CのBO発生指数と生産ロス発生指数を、それぞれ示している。
図11(A)に示すように、金属管で保護されたFBGセンサーを設置した鋳型Bを使用することにより、温度センサーを全く設置していない鋳型Aと比較して、BO発生指数と生産ロス発生指数を低減できた。特に、FBGセンサーを銅板の端から0.08Lの位置に設置した鋳型Cを使用することで、BO発生指数がほとんど皆無となり、生産休止ロス時間指数も大幅に改善した。
また、図11(B)には、鋳片の生産性指数を示した。ここで、従来例は鋳型Aを使用した場合の結果であり、実施例は鋳型Cを使用した場合の結果である。
図11(B)から明らかなように、実施例では、従来例と比較して4倍以上の生産性指数を達成できることを確認できた。
以上のことから、本願発明により、凝固シェルの異常、特に鋳型のコーナー部周辺の凝固遅れに伴うブレークアウトを未然に防止し、高効率かつ高生産性を実現できることを確認できた。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の鋼の連続鋳造方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
本発明の一実施の形態に係る鋼の連続鋳造方法に使用する連続鋳造用鋳型の説明図である。 (A)はFBGセンサーの設置位置を示す鋳型の部分平面図、(B)はFBGセンサーの設置位置とコーナー部凝固シェル異常検知指数との関係を示す説明図である。 (A)、(B)はそれぞれFBGセンサーの斜視断面図、側断面図である。 FBGセンサーの熱応答性を検討した実験装置の説明図である。 (A)、(B)はそれぞれFBGセンサーの応答時間と金属管内の空隙率との関係を示す説明図である。 FBGセンサーの温度測定誤差と金属管内の空隙率との関係を示す説明図である。 (A)〜(C)はそれぞれ金属管内に配置された複数のFBGセンサーのグレーティング部の配置の説明図である。 FBGセンサーによる温度測定システムの説明図である。 FBGセンサーが設置された鋳型の部分斜視図である。 (A)〜(C)はそれぞれFBGセンサーの設置位置を示す説明図である。 (A)は鋳型の種類ごとのBO発生指数と生産ロス発生指数の説明図、(B)は実施例に係る鋳片の生産性指数を示す説明図である。 (A)、(B)はそれぞれ従来例に係る鋼の連続鋳造方法を行っている連続鋳造用鋳型の部分平面図、製造される鋳片の斜視図である。
符号の説明
10、10a:連続鋳造用鋳型、11:金属製管材、12、12a:光ファイバーグレーティングセンサー(光ファイバーセンサー)、13:短片銅板(短片部材)、14:長片銅板(長片部材)、15:グレーティング部(検知部)、16:クラッド、17:コア、18:樹脂部材、19:銅管、20:温水、21:光ファイバーグレーティングセンサー、22〜27:グレーティング部(検知部)、30:温度測定システム、31:光チャンネルセレクタ、32:光通信ケーブル、33:FBGアナライザ、34:電気通信ケーブル、35:コンピュータ、36:熱電対

Claims (6)

  1. 連続鋳造用鋳型へ供給された溶鋼を凝固させながら、該連続鋳造用鋳型の下方へ引き抜き鋳片を製造する鋼の連続鋳造方法において、
    前記連続鋳造用鋳型の前記溶鋼との接触面から板内部へ1mm以上20mm以下の範囲内には、内径が0.2mm以上6mm以下の金属製管材で保護され、該金属製管材の断面空隙率を40%以上99.7%以下にする光ファイバーセンサーが配置され、しかも前記光ファイバーセンサーが前記連続鋳造用鋳型の温度変化による光の波長変化を検出可能な検知部を備えるセンサーであり、前記光ファイバーセンサーで前記連続鋳造用鋳型の温度変化を測定することを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
  2. 請求項1記載の鋼の連続鋳造方法において、前記検知部は、前記光ファイバーセンサーの長さ方向に間隔を有して複数設けられていることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の鋼の連続鋳造方法において、前記金属製管材は、前記鋳片の引き抜き方向に沿って配置され、しかも該金属製管材には前記光ファイバーセンサーが複数挿入され、該各光ファイバーセンサーの前記検知部が前記鋳片の引き抜き方向の異なる位置にそれぞれ配置されていることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
  4. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の鋼の連続鋳造方法において、前記金属製管材は、前記鋳片の引き抜き方向に沿って配置され、しかも該金属製管材には前記光ファイバーセンサーが複数挿入され、該各光ファイバーセンサーの前記検知部の少なくとも2個が前記鋳片の引き抜き方向の同一位置に配置されていることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の鋼の連続鋳造方法において、前記連続鋳造用鋳型は、間隔を有して対向配置され、しかも該間隔を可変可能な一対の短片部材と、該各短片部材を幅方向両側から挟み込んだ状態で対向配置される一対の長片部材とを有し、前記光ファイバーセンサーは、前記短片部材の幅をLとした場合、該短片部材の端から0.02L以上0.2L以下の範囲内に配置されていることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の鋼の連続鋳造方法において、前記連続鋳造用鋳型には、前記光ファイバーセンサーと熱電対を含む2種類以上の温度測定用センサーが設置されていることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
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