JP2008037367A - 重荷重用タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ビード部内のエアー入り不良を抑制しながら、リム着脱時におけるビードトウ部分でのチェーファゴムの剥離損傷を抑制する。
【解決手段】ビード部4に、ビードコア5の半径方向内側を通ってカーカス6の折返し部6bに沿う底片部9Aと、この底片部9Aに連なり前記折返し部6bのタイヤ軸方向外側面に沿って半径方向外側にのびる外片部9Bとからなり、かつスチールコードを用いたビード補強層9を設ける。リムずれ防止用のチェーファゴム12は、ゴム硬度Hs1が70〜85の硬質のゴムからなり、かつビード底面4Sで露出するベース部12Aと、このベース部12Aに連なりタイヤ外面側を半径方向外側にのびる外の立上げ部12Bと、タイヤ内腔面側を半径方向外側にのびしかも前記インナーライナ10の半径方向内方部を被覆する内の立上げ部12Cとを有する。前記内の立上げ部12Cの半径方向外端のビードベースラインBLからの半径方向高さHpを、リムのフランジ高さHfの0.4〜2.2倍とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、ビード部内のエアー入り不良を抑制しながら、リム着脱時におけるビードトウ部分でのチェーファゴムの剥離損傷を抑制しうる重荷重用タイヤに関する。
高荷重、高内圧下といった過酷な条件で使用されるトラック・バス用などの重荷重用タイヤでは、ビード部に大きな繰り返し変形が作用するため、このビード部に損傷が集中しやすい傾向がある。そこで、従来においては、図3に示すように、ビード部aに、ビードコアbの廻りをカーカスcを介してU字に包み込むスチールコードプライからなるビード補強層dを設け、ビード部aを補強している。
なお図中の符号eは、リムずれ防止用のチェーファゴムであり、ビード底面で露出するベース部e1のタイヤ内腔面側には、ビードトウ部分から半径方向外側にのびる内の立上げ部e2を小高さで立ち上げている。この内の立上げ部e2は、空気不透過性ゴムからなるインナーライナfの半径方向内方部を被覆保護し、リム着脱時に、このインナーライナfがリムフランジと擦れて損傷するのを防止する。
特開2001−10312号公報
しかし従来のビード構造では、前記ビード補強層dが、曲げ剛性の大きいスチールコードプライで形成されているため、U字状に曲げられたビード補強層dに曲げ戻り力が強く発生する。そのため、生タイヤ形成時、ビード補強層dのうちのタイヤ軸方向内側の内片部d1が、カーカスcから離間し、この部分にエアー入り不良を発生させるという問題がある。なおビード補強層dのうちの外片部d2は、ゴム厚さが大なチェーファゴムeの外の立上げ部e3で覆われて拘束されるため、薄いインナーライナfで覆われる内片部d1に離間が発生する。
このような状況に鑑み、本発明者が研究した結果、前記内片部d1を削除してビード補強層dをL字状とすることにより曲げ戻り力を減じることができ、前記エアー入り不良を抑制しうることを見出し得た。しかし本発明者のさらなる研究の結果、前記内片部d1を削除した場合、リム着脱時にビードトウ部分atがリムフランジに引っ掛かった際のビードトウ部分atの変形が大きくなる。その結果、リム着脱時、前記チェーファゴムeの内の立上げ部e2が、接着性の悪いインナーライナfから捲れて剥離しやすくなるという新たな問題が生じることが判明した。この剥離は、チェーファゴムが走行とともに硬質化することでより顕著となる。
そこで本発明は、ビード補強層の内片部を削除するとともに、チェーファゴムにおける内の立上げ部を従来よりも高く形成することを基本として、ビード部内のエアー入り不良を抑制しながら、リム着脱時におけるビードトウ部分でのチェーファゴムのインナーライナからの剥離損傷を抑制しうる重荷重用タイヤを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至る本体部に、前記ビードコアの廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返す折返し部を一連に設けたカーカスと、空気不透過性ゴムからなりかつタイヤ内腔面に配されるインナーライナと、リムずれ防止用のチェーファゴムとを具える重荷重用タイヤであって、
前記ビード部に、前記ビードコアの半径方向内側を通って前記折返し部に沿う底片部と、この底片部に連なり前記折返し部のタイヤ軸方向外側面に沿って半径方向外側にのびる外片部とからなり、かつスチールコードを用いたビード補強層を設け、
かつ前記チェーファゴムは、ゴム硬度Hs1が70〜85の硬質のゴムからなり、前記底片部の半径方向内側に位置しかつビード底面で露出するベース部と、このベース部に連なりビードヒール部分からタイヤ外面側を半径方向外側にのびる外の立上げ部と、前記ベースに連なりビードトウ部分からタイヤ内腔面側を半径方向外側にのびしかも前記インナーライナの半径方向内方部を被覆する内の立上げ部とを有するとともに、
前記内の立上げ部の半径方向外端のビードベースラインからの半径方向高さHpを、リムのフランジ高さHfの0.4〜2.2倍としたことを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記ビード補強層は、前記底片部のタイヤ軸方向内端とビードトウ端との間のタイヤ軸方向の距離Lsを、3〜10mmの範囲としたことを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記チェーファゴムは、前記外の立上げ部の半径方向外方部分が、サイドウォール部の外面をなすサイドウォールゴムの半径方向内方部分とは、このサイドウォールゴムのタイヤ軸方向外側で隣接するとともに、該サイドウォールゴムのゴム硬度Hs2を50〜60としたことを特徴としている。
なお本明細書では、特に断りがない限り、タイヤの各部の寸法等は、非リム組状態において、タイヤサイズで規定されるリム巾に合わせてビード部を保持したときに特定される値とする。又前記「ビードベースライン」とは、タイヤが基づく規格で定められるリム径位置を通るタイヤ軸方向線として定義される。又ゴム硬度Hsは、JIS−K6253に基づきデュロメータータイプAにより測定したデュロメータA硬さである。
本発明は叙上の如く、ビード補強層を底片部と外片部とで形成し、従来の内片部を削除したL字状としている。従って、ビード補強層の曲げ戻り力を減じ、ビード部内のエアー入り不良を抑制しうる。又チェーファゴムにおいて、内の立上げ部の半径方向高さを、リムのフランジ高さHfの0.4〜2.2倍と、従来よりも高く設定している。これにより、インナーライナとの接着面積自体を高めるとともに、内の立上げ部の外端とリムフランジとの擦れを防ぎ、リム着脱時における内の立上げ部の剥離損傷を防止することが可能となる。
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は本発明の重荷重用タイヤを示す断面図、図2はそのビード部を拡大して示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の重荷重用タイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、空気不透過性ゴムからなりかつタイヤ内腔面に配されるインナーライナ10と、硬質のゴムからなりかつビード部4に配されるリムずれ防止用のチェーファゴム12とを具える。
前記カーカス6は、ビードコア5、5間を跨る本体部6aの両端に、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折返す折返し部6bを設けた1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。このカーカスプライ6Aは、カーカスコードをタイヤ周方向に対して例えば70〜90°の角度で配列したいわゆるラジアル構造をなし、カーカスコードとしてナイロン、レーヨン、ポリエステル、芳香族ポリアミド等の有機繊維コード、或いはスチールコードが好適に使用される。
又前記カーカス6の本体部6aの外側かつトレッド部2の内部には、ベルトコードとしてスチールコードを用いた2枚以上のベルトプライからなるベルト層7が配される。このベルト層7として、本例では、ベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば60±10°程度の角度で配列した最内のベルトプライ7Aと、タイヤ周方向に対して30°以下の小角度で配列したベルトプライ7B、7C、7Dとの4層構造をなすものを例示している。なおベルト層7は、ベルトコードがプライ間で互いに交差する箇所を1箇所以上設けることによりベルト剛性を高め、トレッド部2のほぼ全巾を強固に補強する。
又前記カーカス6の本体部6aと折返し部6bとの間には、ビードコア5から半径方向外方に向かってのびる断面略三角形状のビードエーペックスゴム8が配されるとともに、ビード部4には、前記折返し部6bを覆う断面略L字のビード補強層9が設けられる。なお前記ビードコア5は、例えばスチール製のビードワイヤを巻回してなるリング状をなし、本例では、断面横長の偏平六角形状のものを例示するとともに、その半径方向内面がビード底面4Sに沿ってのびることにより、リムとの嵌合力を広範囲に亘って高めている。
前記ビードエーペックスゴム8は、タイヤ半径方向外方に向かってタイヤ軸方向内側に傾く斜面S1を有する断面小三角形状をなす半径方向内側のエーペックス部8aと、前記斜面S1からタイヤ半径方向外方にのびる半径方向外側のエーペックス部8bとからなる2層構造をなす。内側のエーペックス部8aは、ゴム硬度Hsが80〜95の硬質のゴムからなり、又外側のエーペックス部8bは、ゴム硬度を50〜70とした軟質のゴムから形成される。そして、この内側のエーペックス部8aのビードベースラインBLからの半径方向高さHaをビードエーペックスゴム8の全高さH0の40〜60%の範囲とすることで、乗り心地性と操縦安定性とを高次で両立させている。又タイヤ変形時、カーカス6の折返し部6b外端に作用する圧縮応力を、軟質の外側のエーペックス部8bが緩和し損傷を抑制する。
前記ビード補強層9は、スチールコードである補強コードをタイヤ周方向に対して例えば15〜60゜の角度で配列したスチールコードプライからなり、前記ビードエーペックスゴム8と協働してビード部4を補強し、ビード耐久性及び操縦安定性を向上させる。このビード補強層9は、図2に示すように、前記ビードコア5の半径方向内側を通って前記カーカス折返し部6bに沿う底片部9Aと、この底片部9Aに連なり前記カーカス折返し部6bのタイヤ軸方向外側面に沿って半径方向外側にのびる外片部9Bとからなる略L字状に形成される。そしてビード補強層9では、リム組み時、前記底片部9Aがビードコア5とリムシートRs(図1に示す)との間に挟まれることにより、リムRとの嵌合力が高く確保される。そのために本例では、前記底片部9Aが、ビードコア5の半径方向内面と略平行な直線状をなす好ましい場合を例示している。又ビード補強層9では、前記底片部9Aがビードコア下で途切れた断面L字状をなすため、ビード補強層9の曲げ戻り力を減じることができ、タイヤ形成時のエアー入り不良を防止することができる。
ここで前記外片部9BのビードベースラインBLからの半径方向高さh1は、前記カーカス折返し部6bの半径方向高さh2よりも小、かつ15〜40mmの範囲が好ましい。この範囲を上回ると、タイヤ変形時、外片部9Bの外端に作用する圧縮応力が大となり、この外端を起点とした損傷が起こりやすくなる。又前記範囲を下回ると、ビード補強層9による補強効果が不充分なものとなる。又前記高さh1、h2の差h2−h1を5mm以上、さらには8mm以上確保するのが、応力集中を緩和させる上で好ましい。
次に、前記カーカス6の本体部6aの内側には、タイヤ内腔面の略全体を形成するインナーライナ10が、第2のインスレーションゴム層11を介して配される。
前記インナーライナ10は、例えばゴム成分100質量部中に、ブチルゴム(又はその誘導体)を80質量部以上配合させたブチル系ゴムなどの空気不透過性ゴムからなり、1.0〜2.0mmのゴム厚さを有してビード部4、4間を連続してのびる。なおブチル系ゴムでは、ブチルゴム(又はその誘導体)以外の残部ゴムとして、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)等のジエン系ゴムを用いることができ、またブチルゴムの誘導体としては、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム等のハロゲン化ブチルゴムが挙げられる。なお前記空気不透過性ゴムとして、前記ブチルゴム(又はその誘導体)に代えて、イソブチレン・パラメチルスチレン共重合体のハロゲン化物を用いることもできる。
このインナーライナ10では、その半径方向内方部がビードベースラインBLよりも半径方向内側で終端している。これにより、タイヤ内腔内の充填空気に含まれる水分等がビード部4内に浸入するのを抑制する。
又前記第2のインスレーションゴム層11は、前記インナーライナ10とカーカス6との間に介在することにより、両者間の接着力を高めて層間剥離を防ぐとともに、加硫成形時のゴム流れに起因するインナーライナ10とカーカスコードとの接触を抑制する。そのために、この第2のインスレーションゴム層11では、接着性に優れることが重要であり、本例では、例えばゴム成分100質量部中に、天然ゴム(NR)を70質量部以上配合させたNR系ゴムを採用している。なお残部ゴムとして、イソプレンゴム(IR)或いはブタジエンゴム(BR)が好適に使用しうる。
この第2のインスレーションゴム層11は、前記インナーライナ10の全長に亘って該インナーライナ10に接して半径方向内外に延在するとともに、その半径方向内端は、前記ビード補強層9における底片部9Aのタイヤ軸方向内端に連なる略直線状の下面11Sで終端している。この下面11Sは、本例では、前記ビードコア5の半径方向内面とほぼ平行をなす。
次に、前記チェーファゴム12は、前記底片部9Aの半径方向内側に位置しかつビード底面4Sで露出するベース部12Aと、このベース部12Aに連なりビードヒール部分Bhからタイヤ外面側を半径方向外側にのびる外の立上げ部12Bと、前記ベース部12Aに連なりビードトウ部分Btからタイヤ内腔面側を半径方向外側に先細状にのびる内の立上げ部12Cとを有する。
前記外の立上げ部12Bは、少なくともリムフランジと接触するフランジ接触領域でタイヤ外面に露出し、ビード底面4Sの全面で露出する前記ベース部12Aと協働して、走行時のリムずれを防止する。
又前記内の立上げ部12Cは、前記インナーライナ10の半径方向内方部を被覆し、リム着脱時、インナーライナ10の半径方向内方部がリムフランジと直接擦れて損傷するのを防止する。ここで、チェーファゴム12は、ゴム欠け、圧縮によるゴムの潰れ(へたり)、摩耗損傷などを防止するため、ゴム硬度Hsが70〜90の範囲の硬質のゴムで形成される。このとき、ゴム成分として、ゴム成分100質量部中に、天然ゴム(NR)を20〜60質量部、及びブタジエンゴム(BR)を80〜40質量部を配合したブレンドゴムが、耐磨耗性、反発弾性、耐老化性等の観点から好適に採用しうる。
しかしながら、前記ビード補強層9の底片部9Aがビードコア下で途切れる場合には、ビードトウ部分Btの剛性が減じるため、リム着脱時に、ビードトウ部分BtがリムフランジRfに引っ掛かった際、ビードトウ部分Btの変形が大きくなる。そのため、チェーファゴム12の内の立上げ部12Cが、接着性の悪いインナーライナ10から捲れて剥離しやすくなるという問題が生じる。
そこで本実施形態の重荷重用タイヤ1では、前記内の立上げ部12Cの半径方向外端のビードベースラインBLからの半径方向高さHpを、リムフランジ高さHfの0.4〜2.2倍の範囲に高めている。これにより、内の立上げ部12Cとインナーライナ10との接着面積を増大させるとともに、内の立上げ部12Cの外端位置を高くして、この外端でのリムフランジとの擦れを減じ前記剥離損傷を防止することが可能となる。前記高さHpとリムフランジ高さHfとの比Hp/Hfが0.4未満では、剥離抑制効果が不充分となる。逆に2.2を超えるとチェーファゴム12のエッジがたわみの大きい領域となるためチェーファゴム12の剥離が発生するという問題がある。従って、前記比Hp/Hfの下限値は0.5以上、さらには0.7以上が好ましく、又上限値は1.8以下、さらには1.5以下が好ましい。
又前記ビード補強層9の底片部9Aがビードコア下で途切れる場合には、前記インナーライナ10がビードベースラインBLを半径方向内側に越えて下方に延在するとはいえ、タイヤ内腔内の充填空気に含まれる水分等が、前記底片部9Aのタイヤ軸方向内端から浸入して、補強コードの腐食やコードルース等の損傷を招く恐れも生じる。そこで本例では、前記底片部9Aのタイヤ軸方向内端とビードトウ端との間のタイヤ軸方向の距離Lsを、3〜10mmの範囲に規制している。3mm未満では、補強コードの腐食損傷などが充分抑制できない。逆に10mmを越えると、水分等がカーカス6に浸入しカーカスコードの腐食損傷を招く恐れが生じ、又リムRとの嵌合力を減じる傾向も招く。
又前記ビード補強層9の底片部9Aがビードコア下で途切れる場合、U字状の従来的ビード補強層に比してビード剛性が低くなる。そのため、カーカス折返し部6b、及びビード補強層9における底片部9Aの各外端に作用する応力が高まり、損傷を招く傾向がある。
そこで本例では、サイドウォール部3の外面をなすサイドウォールゴム3Gを、ゴム硬度Hsが50〜60の軟質のゴムとするとともに、前記外の立上げ部12Bの半径方向外方部分12Beを、前記サイドウォールゴム3Gの半径方向内方部分3Geのタイヤ軸方向外側で隣接させている。即ち、従来とは逆に、境界面S2のタイヤ軸方向内側に、サイドウォールゴム3Gの前記内方部分3Geを、又境界面S2のタイヤ軸方向外側に、チェーファゴム12の前記外方部分12Beを配置している。便宜上、この構造をチェーファゴム・オーバー・サイドウォールゴム(COS)と呼び、従来的な構造をサイドウォールゴム・オーバー・チェーファゴム(SOC)と呼ぶ。このCOS構造では、前記境界面S2の半径方向内端点を、前記ビード補強層9の外片部9B上に位置させている。従って、前記カーカス折返し部6b及び外片部9Bの各外端を、それぞれ軟質のサイドウォールゴム3Gで覆うことができ、各外端に作用する応力を緩和し、損傷を抑えることが可能となる。
特に本例では、前記サイドウォールゴム3Gとカーカス折返し部6bとの間に、この前記カーカス折返し部6bの外端を越えてのびる外の緩衝ゴム23、及び前記カーカス折返し部6bと外側のエーペックス部8bとの間に、前記カーカス折返し部6bの外端を越えてのびる内の緩衝ゴム24を配している。この緩衝ゴム23、24は、前記サイドウォールゴム3G及び外側のエーペックス部8bよりも軟質のゴムからなり、カーカス折返し部6bの外端を被覆保護してその損傷を防止している。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1のタイヤ構造をなすタイヤサイズ10R22.5の重荷重用タイヤを、表1の仕様で試作するとともに、各試供タイヤのビード耐久性、リム着脱時のチェーファゴムの剥離性、タイヤ形成時のビード部でのエアー入り不良の発生率を測定し、互いに比較した。なお各試供タイヤにおいて、タイヤ断面高さは223mm、リムのフランジ高さHfは12.7mm、チェーファゴムのゴム硬度は75、サイドウォールゴムのゴム硬度は53で、それぞれ実質的に同一である。
(1)ビード耐久性:
ドラム試験機を用い、リム(22.5×7.50)、内圧(725kPa)、縦荷重(47.4kN:規格荷重の2倍)の条件下で、ドラム上を速度20km/hで走行させ、ビード部に損傷が発生するまでの走行時間を測定した。評価は、比較例1の走行時間を100とした指数で表示した。数値が大きい程良好である。
(2)リム着脱時のチェーファゴムの剥離性:
リム(22.5×7.50)、内圧(725kPa)、縦荷重(23.7kN)の条件下で、ドラム上を速度80km/hで1.5万km走行させた後のタイヤに対して、油圧式タイヤチエンジャーを用いてリム外しテストを行い、ビードトウ部分におけるチェーファゴムの捲れの有無を検査した。
(3)エアー入り不良:
タイヤ形成時にビード部でエアー入り不良が発生した発生率を、比較例1を100とした指数で表示した。数値が小さいほど不良が少なく良好である。
Figure 2008037367
本発明の一実施例のタイヤの断面図である。 そのビード部を拡大して示す断面図である。 従来のビード構造を拡大して示す断面図である。
符号の説明
2 トレッド部
3 サイドウォール部
3G サイドウォールゴム
4 ビード部
4S ビード底面
5 ビードコア
6 カーカス
6a 本体部
6b 折返し部
9 ビード補強層
9A 底片部
9B 外片部
10 インナーライナ
12 チェーファゴム
12A ベース部
12B 外の立上げ部
12C 内の立上げ部
Bh ビードヒール部分
Bt ビードトウ部分
BL ビードベースライン

Claims (3)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至る本体部に、前記ビードコアの廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返す折返し部を一連に設けたカーカスと、空気不透過性ゴムからなりかつタイヤ内腔面に配されるインナーライナと、リムずれ防止用のチェーファゴムとを具える重荷重用タイヤであって、
    前記ビード部に、前記ビードコアの半径方向内側を通って前記折返し部に沿う底片部と、この底片部に連なり前記折返し部のタイヤ軸方向外側面に沿って半径方向外側にのびる外片部とからなり、かつスチールコードを用いたビード補強層を設け、
    かつ前記チェーファゴムは、ゴム硬度Hs1が70〜85の硬質のゴムからなり、前記底片部の半径方向内側に位置しかつビード底面で露出するベース部と、このベース部に連なりビードヒール部分からタイヤ外面側を半径方向外側にのびる外の立上げ部と、前記ベースに連なりビードトウ部分からタイヤ内腔面側を半径方向外側にのびしかも前記インナーライナの半径方向内方部を被覆する内の立上げ部とを有するとともに、
    前記内の立上げ部の半径方向外端のビードベースラインからの半径方向高さHpを、リムのフランジ高さHfの0.4〜2.2倍としたことを特徴とする重荷重用タイヤ。
  2. 前記ビード補強層は、前記底片部のタイヤ軸方向内端とビードトウ端との間のタイヤ軸方向の距離Lsを、3〜10mmの範囲としたことを特徴とする請求項記載の重荷重用タイヤ。
  3. 前記チェーファゴムは、前記外の立上げ部の半径方向外方部分が、サイドウォール部の外面をなすサイドウォールゴムの半径方向内方部分とは、このサイドウォールゴムのタイヤ軸方向外側で隣接するとともに、該サイドウォールゴムのゴム硬度Hs2を50〜60としたことを特徴とする請求項1又は2記載の重荷重用タイヤ。
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