JP2010179781A - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性を損ねることなく転がり抵抗を低減する。
【解決手段】重荷重用タイヤであって、ビード部4に、第1補強コード層9と、その軸方向内側に配されかつ半径方向内、外にのびるスチール又はアラミドコードからなる第2補強コード層10とが配される。第2補強コード層10は、内側エーペックス8aの外端8atよりも半径方向外側の外端10aと、ビードコア5の最外点Pよりも内側の内端10bとを有する。前記外端8atから前記外端10aまでの半径方向長さLu、内側エーペックス8aの外端8atから第1補強コード層9の第1の端部9e1までの半径方向長さLc、第1補強コード層9の第1の端部9e1からビードコア5の最外点Pまでの半径方向長さLd1及びビードコアの最外点Pから第2補強コード層10の内端10bまでの半径方向長さLd2において、比(Lu/Lc)及び(Ld2/Ld1)が0.8〜1.2である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、耐久性を損ねることなく転がり抵抗を低減しうる重荷重用空気入りタイヤに関する。
近年、地球環境資源の保護という観点より、空気入りタイヤの転がり抵抗を小さくすることが望まれている。特に燃料消費量が多いトラック・バス用等の重荷重用空気入りタイヤについては、このような傾向が強い。
一般に、走行中の空気入りタイヤは、ゴム部分が変形・解放を繰り返すときに生じるヒステリシスロスが主な転がり抵抗の原因である。ヒステリシスロスは、熱エネルギーとなってタイヤを発熱させる。走行中、重荷重用空気入りタイヤのビード部が著しく高温になることから、ビード部でより多くのヒステリシスロスが生じていることは明らかである。従って、ヒステリシスロス、ひいては転がり抵抗を低減するためには、ビード部の変形を小さく抑制することが有効である。
重荷重用空気入りタイヤの走行中の変形を調べると、ビード部は、接地時にリムのフランジ側へ倒れ込むように変形する。このため、ビード部のタイヤ軸方向外側域には主として圧縮応力が、また、タイヤ軸方向内側域には主として引張応力がそれぞれ作用する。このような変形を抑制するためには、ビード部の引張応力が作用する領域に、引張剛性に優れた補強材を配置することが望ましいものである。
ビード部に補強材を配置した先行技術としては、次のものが知られている。
特開平7−232521号公報
しかしながら、引張強度の高い補強材を、ビード部のタイヤ軸方向内側域に配置すると、補強材のタイヤ半径方向の外端及び内端を適切に位置させないと、転がり抵抗は低減させ得るものの、上記各端部に歪が集中し、ビード部の耐久性が著しく低下するという問題がある。
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、ビード部の耐久性を損ねることなく転がり抵抗を低減しうる重荷重用空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明は、一対のビード部にそれぞれ配されたビードコア間をトロイド状に跨ってのびるスチールコードからなるカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部内部に配されたベルト層とを具えた重荷重用空気入りタイヤであって、前記カーカスは、ビードコア間を跨ってのびる本体部と、前記ビードコアの周りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部とを有する1枚のカーカスプライからなり、前記本体部と折返し部との間には、前記ビードコアからテーパ状にのびるビードエーペックスゴムが配され、該ビードエーペックスゴムは、タイヤ半径方向内側に配されかつ内側エーペックスと、そのタイヤ半径方向外側に配されかつ内側エーペックスよりも軟質のゴムからなる外側エーペックスとからなり、しかも 前記ビード部には、前記内側エーペックスのタイヤ半径方向外端と前記ビードコアのタイヤ半径方向最外点との間の第1の端部から前記カーカスプライの本体部のタイヤ軸方向内側をタイヤ半径方向内側にのびかつビードコアのタイヤ半径方向内側を通って前記折返し部に沿ってタイヤ半径方向外側にのびるスチールコードからなる第1補強コード層と、この第1補強コード層のタイヤ軸方向内側に配されかつタイヤ半径方向内、外にのびるスチールコード又はアラミドコードからなる第2補強コード層とが配され、前記第2補強コード層は、前記内側エーペックスの外端よりもタイヤ半径方向外側に位置する外端と、前記ビードコアの前記最外点よりも内側に位置する内端とを有し、しかも内側エーペックスの外端から第2補強コード層の外端までのタイヤ半径方向の長さLu、内側エーペックスの外端から第1補強コード層の第1の端部までのタイヤ半径方向の長さLc、第1補強コード層の第1の端部からビードコアの最外点までのタイヤ半径方向の長さLd1及びビードコアの最外点から第2補強コード層の内端までのタイヤ半径方向の長さLd2において、比(Lu/Lc)が0.8〜1.2であり、かつ、比(Ld2/Ld1)が0.8〜1.2であることを特徴とする。
また請求項2記載の発明では、前記カーカスのタイヤ内腔側に、空気非透過性に優れたインナーライナーが配されるとともに、前記第2補強コード層は、前記インナーライナーのタイヤ軸方向内側面に配される請求項1記載の重荷重用空気入りタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記カーカスのタイヤ内腔側に、空気非透過性に優れたインナーライナーが配されるとともに、前記第2補強コード層は、前記インナーライナーと前記カーカスプライの本体部との間に配される請求項1記載の重荷重用空気入りタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記比(Lu/Lc)が1.0〜1.2である請求項1乃至3のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤである。
本明細書において、上記タイヤの各部の寸法等は、特に断りがない限り、タイヤを正規リムにリム組みして正規内圧を充填ししかも無負荷とした正規状態での値とする。
また、前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば"標準リム"、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。
また前記「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば"最高空気圧"、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" を意味する。
本発明の重荷重用空気入りタイヤは、ビード部に、特定位置に設けられた第1の端部からカーカスプライの本体部のタイヤ軸方向内側をタイヤ半径方向内側にのびかつビードコアのタイヤ半径方向内側を通って前記折返し部に沿ってタイヤ半径方向外側にのびるスチールコードからなる第1補強コード層と、この第1補強コード層のタイヤ軸方向内側に配されかつタイヤ半径方向内、外にのびるスチールコード又はアラミドコードからなる第2補強コード層とが設けられる。とりわけ、第2補強コード層は、タイヤ走行中に引張応力が生じる変形領域に設けられるので、タイヤ走行中のビード部の変形が抑制され、ひいては転がり抵抗が小さくなる。また、第2補強コード層の内端及び外端の位置を、ビードエーペックスゴムやビードコアといった剛性部材の位置と関連付けて規制しているので、ビード部の耐久性の悪化をも防止できる。つまり、本発明の重荷重用空気入りタイヤは、耐久性を損ねることなく転がり抵抗を低減しうる。
本発明の一実施形態を示す重荷重用空気入りタイヤの正規状態の断面図である。 そのビード部の拡大図である。 図2の部分拡大図である。 本発明の他の実施形態を示す重荷重用空気入りタイヤの正規状態の断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態の重荷重用空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)1の正規状態の断面図である。
前記タイヤ1は、チューブレス用の15°テーパーのリムJに装着される例えばトラック又はバス用のチューブレスタイヤであって、トレッド部2と、その両端部からタイヤ半径方向内側にのびる一対のサイドウォール部3と、各サイドウォール部3のタイヤ半径方向内方端に設けられかつビードコア5が埋設されたビード部4とを具える。
また、タイヤ1は、一対のビード部4にそれぞれ配されたビードコア5、5間をトロイド状に跨ってのびるスチールコードからなるカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部内部に配されたベルト層7とを具える。なお、カーカス6のタイヤ内腔i側には、空気非透過性に優れたブチル系のゴムからなるインナーライナー12が配されている。
図2に拡大して示されるように、前記ビードコア5は、例えばスチールワイヤを多段多列に巻回してなるリング状であって、本実施形態では断面横長の偏平六角形状に形成される。また、このビードコア5は、タイヤ半径方向の内面がリムJのリムシートJ1と略平行に傾けられている。これにより、リムJとの嵌合力を広範囲に亘って高め得る。なおビードコア5の断面形状としては、必要に応じて、正六角形、矩形状又は円形状も採用できる。
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ周方向に対して80〜90°の角度で配列した1枚のカーカスプライ6Aから形成される。高荷重を支持するべく、カーカスコードには、スチールコードが採用される。
前記カーカスプライ6Aは、ビードコア5、5間を跨ってのびる本体部6aと、この本体部6aに連なりかつビードコア5の周りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを有する。なお、カーカスコードとビードコア5とが接触してカーカスコードに損傷が発生するのを防止するために、前記ビードコア5の周りには、ラッピングゴム17が配されるのが望ましい。
ビードベースラインBLから前記折返し部6bの外端6beまでのタイヤ半径方向高さHcは、任意に定めうるが、好ましくはプライ最大幅高さHmの25%以上、より好ましくは27%以上が望ましく、また、好ましくは40%以下、より好ましくは35%以下が好ましい。ここで、前記ビードベースラインBLは、リムJのリム径位置を通るタイヤ軸方向線を意味する。また、プライ最大幅高さHmとは、ビードベースラインBLから、カーカスプライ6Aの本体部6aがタイヤ軸方向外方に最も張り出す最大幅位置Mまでのタイヤ半径方向高さである。
前記高さHcがプライ最大幅高さHmの25%未満の場合、ビード部4の曲げ剛性が著しく低下し、ひいては走行時のビード部4の変形量が大きくなるおそれがある。逆に、前記高さHcがプライ最大幅高さHmの40%を超える場合、折返し部6bの外端6beが屈曲の激しい最大幅位置Mに近づくため、前記外端6beで損傷が生じやすくなる。
前記ベルト層7は、少なくとも3枚以上、本実施形態では4枚のスチールコードのベルトプライ7Aないし7Dを重ねて形成される。具体的に述べると、ベルト層7は、スチールコードをタイヤ周方向に対して例えば60±15°の角度で配列した半径方向最内側の第1のベルトプライ7Aと、スチールコードをタイヤ周方向に対して例えば10〜35°の小角度で配列した第2〜4のベルトプライ7B〜7Dとから構成される。
また、図2及び図3に示されるように、カーカスプライ6Aの本体部6aと折返し部6bとの間には、断面略テーパ状に形成されたビードエーペックスゴム8が配される。
該ビードエーペックスゴム8は、内面がビードコア5に接続されかつタイヤ半径方向内側に配された内側エーペックス8aと、そのタイヤ半径方向外側に配されかつ内側エーペックス8aよりも軟質のゴムからなる外側エーペックス8bとから構成される。
本実施形態において、前記内側エーペックス8aのタイヤ軸方向の外側面8sは、タイヤ軸方向内側に凸となる円弧状の輪郭曲線を有する。この内側エーペックス8aの外側面8s、カーカスプライ6Aの本体部6a及び折返し部6bが囲む領域に、外側エーペックス8bの内側部分が配される。なお、本実施形態では、外側エーペックス8bのゴムボリュームは、内側エーペックス8aに比べて大きい。
前記内側エーペックス8aには、例えば、ゴム硬度が75度以上、より好ましくは80度以上であり、かつ、好ましくは98度以下、より好ましくは94度以下の硬質のゴム組成物が採用される。
他方、外側エーペックス8bには、例えば、ゴム硬度が50度以上、より好ましくは53度以上であり、かつ、好ましくは62度以下、より好ましくは56度以下の軟質のゴム組成物が採用される。
最も好ましくは、これら内側エーペックス8aと外側エーペックス8bとの硬度差が25〜40度、より好ましくは30〜36度に設定される。なお、ゴム硬さは、JIS−K6253に基づくデュロメータータイプAによる硬さである。
このようなビードエーペックスゴム8は、硬質の内側エーペックス8aによって、ビード部の基本的な曲げ剛性を高め、変形量を抑える。また、軟質の外側エーペックス8bが、折返し部6bの外端6beと隣接し、該外端6beに歪が集中するのを緩和する。これは、カーカスコードの剥離を長期に亘って抑制し、耐久性を高めるのに役立つ。
ビードベースラインBLから前記内側エーペックス8aのタイヤ半径方向の外端8atまでの高さHaは、折返し部6bの高さHcよりも大きく設定される(Ha>Hc)。好ましくは、前記高さHaは、タイヤ最大幅高さHmの30%以上、より好ましくは33%以上が望ましく、また、好ましくは43%以下、より好ましくは40%以下が望ましい。これにより、ビード部4の屈曲時、折返し部6bの外端6beに生じる歪が緩和され、耐久性が向上する。
また、外側エーペックス8bのタイヤ半径方向の外端8btのビードベースラインBLからの高さHdは、折返し部6bの高さHc及び内側エーペックス8aの高さhaよりも大であるが、好ましくはタイヤ最大幅高さHmの80%以上、より好ましくは85%以上が望ましく、また、好ましくは95%以下、より好ましくは92%以下が望ましい。
さらに、ビード部4には、第1補強コード層9と、第2補強コード層10とが設けられる。
前記第1補強コード層9は、スチールコードを並列した層からなり、図2及び図3に示されているように、カーカスプライ6Aの本体部6aのタイヤ軸方向の内側面に沿ってのびる内片9aと、この内片9aに連なりビードコア5のタイヤ半径方向内側をのびる中片9bと、この中片9bに連なりかつ折返し部6bのタイヤ軸方向の外側面に沿ってタイヤ半径方向外側に立上がる外片9cとを有して略U字状にのびている。
また、第1補強コード層9の内片9aは、タイヤ半径方向において、内側エーペックス8aの外端8atと、ビードコア5のタイヤ半径方向の最外点Pとの間に第1の端部9e1を有する。同様に、第1補強コード層9の外片9cも、タイヤ半径方向において、内側エーペックス8aの外端8atと、ビードコア5の前記最外点Pとの間に第2の端部9e2を有する。
このような第1補強コード層9は、剛性の高いスチールコードからなることにより、ビード部のタイヤ軸方向の内、外への変形量を抑え、転がり抵抗を低減させるのに役立つ。この作用をより確実に発揮させるために、タイヤ周方向に対する第1補強コード層9のスチールコードの角度は、好ましくは10度以上、より好ましくは24度以上が望ましく、また、好ましくは35度以下、より好ましくは30度以下が望ましい。
また、本実施形態において、第1補強コード層9の各端部9e1、9e2の高さHri、Hroは、実質的に等しく形成されている。また、上述の補強効果を発揮するためには、前記高さHri、Hroは、少なくともリムJのフランジ高さHfよりも大きく設定される必要がある。さらに、前記高さHri又はHroが小さいと、内片9a又は外片9cによるビード部4の曲げ剛性向上効果が十分に期待できないおそれがある。このような観点より、前記各高さHri、Hroは、好ましくはプライ最大幅高さHmの16〜30%の範囲で定められるのが望ましい。
前記第2補強コード層10は、図3に示されるように、第1補強コード層9のタイヤ軸方向内側に配されかつタイヤ半径方向内、外にのびるスチールコード又はアラミドコード(以下、これらを総称して「補強コード11」という。)の層からなる。本実施形態において、前記第2補強コード層10は、補強コード11を並列したコード配列体をトッピングゴムtで被覆したプライが、前記インナーライナー12のタイヤ軸方向内側面12iに添着されることで作られている。
また、第2補強コード層10は、内側エーペックス8aの外端8atよりもタイヤ半径方向外側に位置する外端10aと、ビードコア5の前記最外点Pよりもタイヤ半径方向内側に位置する内端10bとを有する。この第2補強コード層10の外端10aから内端10bまでの領域は、負荷走行時に大きな引張応力が作用する領域である。従って、このような領域に引張剛性に優れた第2補強コード層10を配置することにより、走行中のビード部4のリムフランジ側に倒れ込む大きな変形を確実に抑制し、ひいては転がり抵抗を効果的に低減させることができる。
さらに、本発明では、図3に示されるように、内側エーペックス8aの外端8atから第2補強コード層10の外端10aまでのタイヤ半径方向の長さをLu、内側エーペックス8aの外端8atから第1補強コード層9の内片の第1の端部9e1までのタイヤ半径方向の長さをLc、第1補強コード層9の前記端部9e1からビードコア5の最外点Pまでのタイヤ半径方向の長さをLd1、及び、ビードコア5の最外点Pから第2補強コード層10の内端10bまでのタイヤ半径方向の長さをLd2とするとき、比(Lu/Lc)が0.8〜1.2であり、かつ、比(Ld2/Ld1)が0.8〜1.2であることを特徴事項の一つとしている。
発明者らは、第2補強コード層10の外端10a及び内端10bの位置を種々異ならせて耐久性と転がり抵抗とについて評価を行ったところ、詳細には後述の実施例で明らかにするが、次のような関係があることを知見した。
先ず、ビード部4の第1補強コード層9の第1の端部9e1よりもタイヤ半径方向外側の領域では、第2補強コード層10は、内側エーペックス8aの外端8atを中心として、その内、外をほぼ等距離のタイヤ半径方向長さを有するものが最も優れた耐久性を発揮することが判明した。より具体的には、比(Lu/Lc)が0.8〜1.2であること、とりわけ1.0〜1.2であるのが好ましいものとなる。
即ち、前記比(Lu/Lc)が0.8を下回ると、ビード部4のタイヤ軸方向内側域において、内側エーペックス8aの外側の補強効果が低下し、ひいては転がり抵抗の低減を有意に実現することができない。また、第2補強コード層10の外端10aが内側エーペックス8aの外端8atに近接し、その部分を起点とした損傷が生じやすくなって耐久性が悪化する。逆に、前記比(Lu/Lc)が1.2を超える場合、第2補強コード層10の外端10aを中心とした局部的な曲げが生じやすくなる他、前記外端10aが屈曲歪の大きい最大幅位置Mに近づき、外端10aに損傷が生じやすくなる。
また、ビード部4の第1補強コード層9の第1の端部9e1よりもタイヤ半径方向内側の領域では、第2補強コード層10は、ビードコア5の最外点Pを中心として、そのタイヤ半径方向内、外をほぼ等距離のタイヤ半径方向長さを有すものが最も優れた耐久性を発揮することが判明した。具体的には、比(Ld2/Ld1)が0.8〜1.2であること、とりわけ1.0〜1.2であるのが望ましい。
前記比(Ld2/Ld1)が0.8を下回ると、第2補強コード層10とビードコア5や第1補強コード層9との重なり量が小さくなり、ビード部4のタイヤ軸方向内側域への補強効果が低下し、ひいては転がり抵抗の低減を有意に実現することができない。逆に、前記比(Ld2/Ld1)が1.2を超えても補強効果は頭打ちとなり、逆にビードトウに過度に接近して内端10bでの剥離が生じやすくなる。
また、耐久性を向上させるために、本実施形態のように、ビードエーペックスゴム8のタイヤ軸方向外側には、接着性に優れた天然ゴムを主体とする第1インスレーションゴム14を介してクリンチゴム4G配置されるのが良い。なお、符号3Gは、サイドウォールゴムである。同様に、カーカスプライ6Aの本体部6aとインナーライナー12との間や、第1補強コード層9の内片9aとインナーライナー12との間には、それぞれ接着性に優れた天然ゴムを主体とする第2インスレーションゴム15を介在させるのが望ましい。これらにより、コードとクリンチゴム4G、又はコードとインナーライナー12とが直接接触するのを防止し、ゴムとの剥離が効果的に抑制される。
なお、本発明は、種々の態様に変更して実施できる。例えば、図4に示されるように、第2補強コード層10は、インナーライナー12とカーカスプライ6Aの本体部6aとの間に配されても良い。この態様では、図3の態様に比べてさらに耐久性を向上することができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1、図4の構造をなすサイズ11R22.5のタイヤを下表に基づき試作するとともに、それらについて耐久性及び転がり抵抗がテストされた。共通仕様は、次の通りである。
[カーカス]
プライ枚数:1
コード構成:スチール、3/0.20+7/0.23
コード角度:90度(対タイヤ赤道)
プライ最大幅高さHm:135mm
折返し部の高さ:Ha:35mm
[ベルト層]
プライ枚数:4
コード構成:スチール、1×5/0.38
コード角度:+51度/+19度/−19度R/−19度L(対タイヤ赤道)
[第1コード補強層]
プライ枚数:1
コード構成:スチール、1×9/0.20+W
コード角度:25度(対タイヤ周方向)
コードエンズ:32本/5cm
第1の端部の高さHri:30mm
第2の端部の高さHro:22mm
[ビードエーペックスゴム]
内側エーペックスのゴム硬度:90度
内側エーペックスの高さHa:40mm
外側エーペックスのゴム硬度:58度
外側エーペックスの高さHd:70mm
ビードコアの最外点の高さHb:13mm
また、実施例については、第2補強コード層について、次の2種類がテストされた。
[第2補強コード層A]
プライ枚数:1
スチールコード:0.17×3×3
コードエンズ:32本/5cm
コード角度:25度(対タイヤ周方向)
[第2補強コード層B]
プライ枚数:1
アラミドコード:1670dtex/2
コードエンズ:50本/5cm
コード角度:25度(対タイヤ周方向)
また、従来例1は、第2補強コード層がないもの、従来例2及び3は、アラミド短繊維(繊維径25μm、平均繊維長5mm)を30PHR配合したゴムシートを実施例1、実施例10の第2補強コード層と同じ領域に設けたものとした。
さらに、テストでは、第2補強コード層の外端及び内端のみを変化させて、性能が調べられた。テスト方法は、次の通りである。
<耐久性>
ドラム試験機を用いて下記の条件で走行させ、ビード部に損傷が発生するまでの走行時間が測定された。評価は、従来例1を100とする指数であり、数値が大きいほど耐久性に優れていることを示す。
リム:7.50×22.5
内圧:700kPa
荷重:27.25kN×3
速度:30km/h
<転がり抵抗>
転がり抵抗試験機を用い、荷重21.52kN(リム及び内圧は上記と同じ)で転がり抵抗が測定された。評価は、従来例1および2を100とする指数であり、数値が小さいほど転がり抵抗が小さく良好である。
テストの結果は下表の通りである。
Figure 2010179781
テストの結果、実施例のタイヤは、比較例に比べて、耐久性を損ねることなく転がり抵抗を有意に向上させていることが確認できた。なお、他のタイヤサイズについても同様のテストが行われたが、本実施例と同様の結果が得られた。
本発明は、トラックやバス等の重荷重用空気入りタイヤに利用することができる。
1 重荷重用空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
6A カーカスプライ
6a 本体部
6b 折返し部
7 ベルト層
8 ビードエーペックスゴム
8a 内側エーペックス
8b 外側エーペックス
9 第1補強コード層
9a 内片
9b 中片
9c 外片
9e1 第1の端部
9e2 第2の端部
10 第2補強コード層
10a 第2補強コード層の外端
10b 第2補強コード層の内端
BL ビードベースライン

Claims (4)

  1. 一対のビード部にそれぞれ配されたビードコア間をトロイド状に跨ってのびるスチールコードからなるカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部内部に配されたベルト層とを具えた重荷重用空気入りタイヤであって、
    前記カーカスは、ビードコア間を跨ってのびる本体部と、前記ビードコアの周りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部とを有する1枚のカーカスプライからなり、
    前記本体部と折返し部との間には、前記ビードコアからテーパ状にのびるビードエーペックスゴムが配され、
    該ビードエーペックスゴムは、タイヤ半径方向内側に配されかつ内側エーペックスと、そのタイヤ半径方向外側に配されかつ内側エーペックスよりも軟質のゴムからなる外側エーペックスとからなり、
    しかも 前記ビード部には、
    前記内側エーペックスのタイヤ半径方向外端と前記ビードコアのタイヤ半径方向最外点との間の第1の端部から前記カーカスプライの本体部のタイヤ軸方向内側をタイヤ半径方向内側にのびかつビードコアのタイヤ半径方向内側を通って前記折返し部に沿ってタイヤ半径方向外側にのびるスチールコードからなる第1補強コード層と、
    この第1補強コード層のタイヤ軸方向内側に配されかつタイヤ半径方向内、外にのびるスチールコード又はアラミドコードからなる第2補強コード層とが配され、
    前記第2補強コード層は、前記内側エーペックスの外端よりもタイヤ半径方向外側に位置する外端と、前記ビードコアの前記最外点よりも内側に位置する内端とを有し、
    しかも内側エーペックスの外端から第2補強コード層の外端までのタイヤ半径方向の長さLu、
    内側エーペックスの外端から第1補強コード層の第1の端部までのタイヤ半径方向の長さLc、
    第1補強コード層の第1の端部からビードコアの最外点までのタイヤ半径方向の長さLd1及び
    ビードコアの最外点から第2補強コード層の内端までのタイヤ半径方向の長さLd2において、
    比(Lu/Lc)が0.8〜1.2であり、かつ、比(Ld2/Ld1)が0.8〜1.2であることを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
  2. 前記カーカスのタイヤ内腔側に、空気非透過性に優れたインナーライナーが配されるとともに、
    前記第2補強コード層は、前記インナーライナーのタイヤ軸方向内側面に配される請求項1記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  3. 前記カーカスのタイヤ内腔側に、空気非透過性に優れたインナーライナーが配されるとともに、
    前記第2補強コード層は、前記インナーライナーと前記カーカスプライの本体部との間に配される請求項1記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  4. 前記比(Lu/Lc)が1.0〜1.2である請求項1乃至3のいずれかに記載の重荷重用空気入りタイヤ。
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