JP2003136922A - 重荷重用ラジアルタイヤ - Google Patents

重荷重用ラジアルタイヤ

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JP2003136922A
JP2003136922A JP2001342255A JP2001342255A JP2003136922A JP 2003136922 A JP2003136922 A JP 2003136922A JP 2001342255 A JP2001342255 A JP 2001342255A JP 2001342255 A JP2001342255 A JP 2001342255A JP 2003136922 A JP2003136922 A JP 2003136922A
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bead
tire
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carcass
core
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Akira Takehara
彰 竹原
Mitsuharu Koya
光晴 小矢
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビード部の耐久性を向上する。 【解決手段】 トロイド状のカーカス6とベルト層とを
具える。正規リムにJリム組みしかつ正規内圧を充填し
しかも無負荷である正規状態において、ビードベースラ
インBLとビード部4とが交わるヒール点P1からビー
ドトウ端Ptまでのタイヤ軸方向の長さであるビードベ
ース幅BLと、ビードコアの断面最大巾BWとの比(B
L/BW)を1.3〜1.6とする。ビードベースライ
ンBLからタイヤ半径方向外側に正規リムJのリム径D
の3.5%以上かつ6.0%以下のビード内方領域Aに
おいて、ビードベースラインBLからビード部4の外表
面上の点P2までのタイヤ半径方向の長さLyと、前記
外表面上の点P2と前記ヒール点P1とのタイヤ軸方向
の距離Lxとの比(Lx/Ly)で表されるビード倒れ
込み係数を0.55〜0.75とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビード底面でのク
ラック等を防止してビード部の耐久性を向上しうる重荷
重用ラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】図6に
示すように、トラック、バス等の重車両に用いられる重
荷重用ラジアルタイヤtは、ビードコアcの回りで折り
返されたカーカスプライd1からなるカーカスdを具え
ている。またカーカスプライd1の外側には、例えば補
強プライe1からなる補強コード層eが配され、ビード
部の曲げ剛性などを高めたものが一般的である。このよ
うな重荷重用ラジアルタイヤは、高荷重、高内圧で使用
されるため、走行に伴なって大きな負荷変形が繰り返し
作用するビード部に損傷が生じやすい。
【0003】ビード部の損傷の大部分は、カーカスプラ
イd1又は補強コードプライe1でのルース、ビード底
面fでのクラック(亀裂)等である。発明者らは、この
種の損傷が生じたタイヤを解体調査したところ、ビード
コアcのタイヤ半径方向内側の厚さW2と、ビードコア
のタイヤ軸方向内側部分の厚さW1とが大きく影響して
いることを突き止めた。そして、これらの各厚さは、主
としてビードベース幅とビードコアの断面最大巾との
比、及びビード部のタイヤ軸方向への倒れ込みの指標と
なるビード倒れ込み係数を一定範囲に限定することによ
り、最適化しうることを突き止め本発明を完成させるに
至った。
【0004】以上のように本発明は、ビード部の耐久性
を向上しうる重荷重用ラジアルタイヤを提供することを
目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1の発明は、トレッド部からサ
イドウォール部をへてビード部のビードコアに至るトロ
イド状のカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外
側かつトレッド部の内方に配されたベルト層とを具える
重荷重用ラジアルタイヤであって、正規リムにリム組み
しかつ正規内圧を充填ししかも無負荷である正規状態に
おいて、ビードベースラインとビード部とがヒール側で
交わるヒール点P1からビードトウ端Ptまでのタイヤ
軸方向長さであるビードベース幅BLと、前記ビードコ
アの断面最大巾BWとの比(BL/BW)が1.3〜
1.6であり、前記ビードベースラインからビード部の
外表面上の点P2までのタイヤ半径方向の長さLyと、
前記外表面上の点P2と前記ヒール点P1とのタイヤ軸
方向の距離Lxとの比(Lx/Ly)で表されるビード
倒れ込み係数が、前記ビードベースラインからタイヤ半
径方向外側に正規リムのリム径の3.5%以上かつ6.
0%以下のビード内方領域において0.55〜0.75
であることを特徴としている。
【0006】また本明細書において「正規リム」とは、
タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当
該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATM
Aであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、
或いはETRTOであれば "Measuring Rim"とする。ま
た、「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含
む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空
気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAで
あれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLDINFLATIO
N PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "I
NFLATION PRESSURE" とする。
【0007】また請求項2記載の発明は、前記ビード部
は、前記折返し部の外端のビードベースラインからの高
さがタイヤ断面高さの10〜35%であり、かつ前記カ
ーカスの外側にスチールコードからなる補強コード層が
設けられてなる請求項1記載の重荷重用ラジアルタイヤ
である。
【0008】また請求項3記載の発明は、前記ビード部
は、前記ビードコアのタイヤ軸方向の最も内側の端部か
らタイヤ内腔面までのカーカスプライを除いたビードコ
アの前記断面最大巾方向に沿った厚さが1.7〜6.0
mmであることを特徴とする請求項1又は2記載の重荷重
用ラジアルタイヤである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づき説明する。図1は、15°深底リムである正
規リムJと、この正規リムJにリム組しかつ正規内圧を
充填ししかも無負荷とした正規状態における重荷重用ラ
ジアルタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがあ
る。)1との組立体の断面図、図2はそのビード部の部
分拡大図であり、本例ではトラック、バスなどに使用さ
れるチューブレスタイプの重荷重用ラジアルタイヤを例
示している。図において、タイヤ1は、トレッド部2
と、その両端からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサ
イドウォール部3と、各サイドウオール部3の内方端に
位置するビード部4とを具える。又タイヤ1には、前記
ビード部4、4間を跨るトロイド状のカーカス6と、こ
のカーカス6の外側かつトレッド部2の内方に位置する
ベルト層7とが配される。
【0010】前記カーカス6は、前記トレッド部2から
サイドウオール部3をへてビード部4のビードコア5に
至る本体部6aと、この本体部6aに連なり前記ビード
コア5の廻りを本例ではタイヤ軸方向内側から外側に向
けて折り返される折返し部6bとを有する1枚のカーカ
スプライ6Aから構成されている。カーカスプライ6A
は、本例ではスチールコードからなるカーカスコードを
タイヤ赤道Cに対して70〜90°の角度範囲で傾けて
配列されている。なおカーカスコードには、必要により
ナイロン、レーヨン、ポリエステル、芳香族ポリアミド
等の有機繊維コードなども使用できる。
【0011】前記折返し部6bは、その外端6beのビ
ードベースラインBLからの高さh1が例えばタイヤ断
面高さHの10〜35%、より好ましくは15〜28%
程度に設定される。この折返し部の高さh1が小さすぎ
ると、ビード部4の曲げ剛性が不足し走行に伴う大きな
変形によってビード部の発熱、ゴム剥離等が生じやすく
なり、逆に前記高さが大きすぎても前記外端6beが屈
曲の大きなサイドウォール部3に接近しルース等が生じ
やすくなる。なお「ビードベースライン」とは、前記J
ATMA等の規格で定められるリム径を通るタイヤ軸方
向線とする。
【0012】前記ベルト層7は、本例では4枚のベルト
プライ7A〜7Cからなり、本例では、ベルトコードを
タイヤ赤道Cに対して、例えば60±10°程度の角度
で傾けた最も内のベルトプライ7Aと、タイヤ赤道Cに
対して30°以下の小角度で傾けたベルトプライ7B、
7C及び7Dとを、前記ベルトコードがプライ間で互い
に交差する箇所を1箇所以上設けて重ね合わせた4層構
造をなす。ベルトコードには、スチールコードが採用さ
れるが、必要によりレーヨン、ナイロン、芳香族ポリア
ミド等の有機繊維コードも用いうる。
【0013】又前記ビード部4には、前記本体部6aと
折返し部6bとの間を通って前記ビードコア5からタイ
ヤ半径方向外方に先細状にのびるビードエーペックスゴ
ム8が設けられる他、カーカス6の外側にスチールコー
ドからなる補強コード層9が配されている。
【0014】前記ビードコア5は、図2に拡大して示す
ように、断面略六角形状に形成したものを示す。このビ
ードコアは、例えばスチール製のワイヤを所定回数螺旋
巻きすることによりその外輪郭像が実質的に前記断面に
形成される。またビードコア5は、そのタイヤ半径方向
内側を向く内向き面5aがタイヤ軸方向線に対して10
〜17°、本例では約15°であって、リムJのリムシ
ートJ1の傾斜に実質的に平行となっている。なお、ビ
ードコア5には、スチールの他、芳香族ポリアミドのワ
イヤ素材なども採用しうる。
【0015】前記補強コード層9は、本実施形態では1
枚のスチールコードプライ9Aからなる。該スチールコ
ードプライ9Aは、ビードコア5のタイヤ半径方向内側
をビード底面4aに沿ってのびる基部9aに、前記折返
し部6bのタイヤ軸方向外側をタイヤ半径方向内外にの
びる外の立上げ部9bを一体に設けた断面略逆L字状の
ものが例示される。また本例の外の立上げ部9bは、前
記折返し部6bよりも小高さで終端しているものを示
す。スチールコードプライ9Aは、例えばタイヤ半径方
向に対して25〜65°程度の角度で傾けて配されてい
る。
【0016】図3には、タイヤ1のリム組み前のビード
部4を示す。本例のタイヤ1は、ビード底面4aが実質
的に直線状をなすとともに、タイヤ軸方向線Nに対して
略20〜30゜程度の角度θ1で傾斜している。またビ
ードコア5の内向き面5aは、タイヤ軸方向線Nに対し
て15〜25°程度の角度θ2で傾いている。そして、
前記角度θ1とθ2との差が8〜12°程度の角度βと
なる。前記角度θ1は、リムJのリムシート面J1の傾
斜角(本例では15゜)よりも大であるため、リム組み
時にはビード部4をビードコアを中心としてタイヤ軸方
向外側に回転させる向きの反力を生じさせる。またビー
ド底面4aを実質的に直線状で形成することにより、リ
ム組み時にビードトウ端Ptに局部的に大きな圧縮応力
が作用することを防止でき、ビードトウ端Pt付近のゴ
ムが欠損するいわゆる「トウ欠け」といったビード損傷
を防止するのに役立つ。
【0017】本発明のタイヤ1は、図2に示すように、
正規状態において、ビードベースラインBLとビード部
4とがヒール側で交わるヒール点P1からビードトウ端
Ptまでのタイヤ軸方向の長さであるビードベース幅B
Lと、前記ビードコア5の断面最大巾BWとの比(BL
/BW)が1.3〜1.6に設定される。
【0018】発明者らは、この比(BL/BW)を種々
変化させて実験を行った。図4には、横軸に前記比(B
L/BW)、縦軸にビード耐久性をとったグラフを示し
ている。タイヤサイズは255/70R22.5で実験
を行っており、ビード耐久性能は正規荷重の1.5倍の
荷重を負荷してドラム耐久試験の結果である。この図か
ら明らかなように、前記比(BL/BW)が1.3を下
回る場合及び1.6を超える場合には、いずれも耐久性
が急激に悪化する。
【0019】前記比(BL/BW)が1.3未満のタイ
ヤでは、ビードベース幅BLがビードコアの断面最大巾
BWに相対して小さくなり、ビードコア5のタイヤ軸方
向の最も内側の端部5iからタイヤ内腔面iまでのカー
カスプライ6Aを除いたビードコアの前記断面最大巾方
向に沿った厚さW1が薄くなる傾向がある。そして、こ
のようにビードコア5のタイヤ軸方向内側の前記厚さW
1が小になると、カーカスプライ6Aなどの接着力が不
足しこの部分を起点としてカーカスプライ6A等のルー
スが生じやすくなると考えられる。
【0020】他方、前記比(BL/BW)が1.6を超
えるタイヤでは、ビードベース幅BLをビードコアの断
面最大巾BWに相対して大きく確保しうるが、ビードコ
ア周囲のゴムのボリュームが増す。このようなタイヤで
は加硫中にビードコア付近のゴム流れが大きくなり、ビ
ードコア5がヒール点P1側へ位置ずれし易い。そし
て、ビードコア5のヒール側の内側のコア下ゲージW2
(図6に示す)を小とする傾向がある。
【0021】これに対して、本発明では、上述のように
比(BL/BW)を1.3〜1.6、より好ましくは
1.4〜1.5、さらに好ましくは1.46〜1.49
という適切な範囲に限定することによってビードコア5
のタイヤ軸方向位置を安定化を図りしかもビードコア5
のタイヤ軸方向内側の前記厚さW1の過度の薄肉化を防
止するのに有効となる。特に好ましくは、前記正規状態
において、前記厚さW1を1.7〜6.0mm、より好ま
しくは2.5〜5.5mmとするのが望ましい。
【0022】また本発明のタイヤ1は、ビードベースラ
インBLからタイヤ半径方向外側に正規リムのリム径D
の3.5%以上かつ6.0%以下のビード内方領域Aに
おいて、ビードベースラインBLからビード部4の外表
面上の点P2までのタイヤ半径方向の長さLyと、前記
外表面上の点P2と前記ヒール点P1とのタイヤ軸方向
の距離Lxとの比(Lx/Ly)で表されるビード倒れ
込み係数を0.55〜0.75に限定する。
【0023】発明者らは、損傷が生じたタイヤを解体し
て種々調査したところ、ビードコアのタイヤ半径方向内
側のゴム厚さがタイヤ周方向でばらついていること、そ
してこのゴム厚さが薄いところを中心としてビード底面
に達する亀裂が生じていることが判った。このようなビ
ードコア5のタイヤ半径方向内側のゴム厚さのバラツキ
は、主として、加硫中に生タイヤのビード部を支持する
ビードリングに対してビード部の入り具合が不安定にな
っていることが原因と考えられる。
【0024】さらに、種々の実験の結果、前記ビード倒
れ込み係数が過大であると、ビード部がタイヤ軸方向外
側に倒れ込む(寝る)傾向が大となることが判明した。
このようなタイヤ1は、タイヤの内圧充填形状に近づく
ため耐久性には有利となるが、ビードコアの位置がヒー
ル側に位置し易い傾向がある。この理由は、加硫中、タ
イヤ内腔面側を押圧するブラダーがビード部に関しては
トウ側から半径方向外方に徐々に作用するため、圧力の
作用するタイムラグが影響していると考えられる。
【0025】逆に、前記ビード倒れ込み係数が過小であ
ると、ビード部が立ってくる傾向が大となる。そして、
このようなタイヤ1は、上記とは逆にビードコアの位置
を安定させうるが、その反面、内圧充填形状との差が大
きくなるため耐久性には不利となる。
【0026】また前記ビード内方領域Aは、ビードベー
スラインBLからタイヤ半径方向外側に正規リムのリム
径Dの3.5%以上かつ6.0%以下の領域として定め
られる。規格により深底リムのリムフランジJ2のビー
ドベースラインBLからの高さは約13mmで一定であ
り、この高さは17.5インチから22.5インチのリ
ム径に対して約2.2〜3.0%となる。従って、規格
全サイズについて、リムフランジに拘束されることなく
ビード部の変形可能領域の下限値として、ビードベース
ラインBLからリム径の3.5%以上を定める。
【0027】またビード内方領域の上限値として、ビー
ドベースラインBLからリム径の6%を設定したのは、
この部分の形状を規制することが耐久性能の向上に有利
となるためである。
【0028】また前記比(Lx/Ly)が0.55〜
0.75は、前記ビード内方領域Aの全範囲で満たされ
る必要がある。即ち、タイヤ半径方向の長さLyをリム
径の3.5%〜6.0%まで連続的に変化させたときの
各位置での前記比(Lx/Ly)が0.55〜0.75
を充足することが必要である。これにより、ビード部4
の倒れ込み度合いを最適化し、ビードコア5の位置の安
定化をなし、特にビード底面でのクラックの発生などを
効果的に抑制してビード部の耐久性を向上しうる。
【0029】特に好ましくは、コア下ゲージW2を1.
8mm以上とすることが望ましい。なおコア下ケージW2
は、図2に示す補強コード層9の内面からビード底面4
aまでの最も薄い部分の厚さとする。前記コア下ゲージ
が、1.8mm未満になると、ビード底面でのクラックが
生じやすくなるため好ましくない。より好ましくはコア
下ゲージを2.0mm以上、さらに好ましくは2.3〜
3.0mmとするのが望ましい。
【0030】図5には、本発明の他の実施形態を示して
いる。本例では補強コード層9の形状が前記実施形態と
異なっており、他の部分については実質的に同一の構成
を具えている。本例の補強コード層9は、1枚のスチー
ルコードプライ9Aからなり、ビードコア5のタイヤ半
径方向内側をのびる基部9aと、前記折返し部6bのタ
イヤ軸方向外側をタイヤ半径方向内外にのびる外の立上
げ部9bと、前記本体部6aのタイヤ軸方向内側をタイ
ヤ半径方向内外にのびる内の立上げ部9bとを一体に具
える断面略U字状のものが例示される。外の立上げ部9
bは、前記折返し部6bよりも小高さで終端しているも
のを示す。
【0031】このような形態においては、内の立上げ部
9ceにおいてルース等の損傷が生じ易いため、該外端
9ceからタイヤ内腔面iまでの厚さW3を1.3mm以
上、より好ましくは3.0〜6.0mmとすることが望ま
しい。
【0032】
【実施例】表1の仕様に基づき重荷重用ラジアルタイヤ
を試作するとともに、各種のテストを行って本発明の効
果を確認した。なお各部の寸法値は、正規状態におい
て、タイヤ、リム組立体をCTスキャンで撮影して求め
た。テスト方法は次の通りである。
【0033】1)リム組み性 機械組み、レバーによる手組みをそれぞれ行い、組み易
さを基準として○、×で評価した。
【0034】2)ビードトウ部のゴムのしみ出し ビードトウ部において、ゴムのしみ出しの有無を目視に
より観察した。しみ出しがあるものはトウ欠けが生じ易
く好ましくない。
【0035】3)ビード耐久性 テストタイヤを正規リムに装着しかつ正規内圧を加え、
速度20km/h、規格荷重の235%の縦荷重でドラム
上を走行させ、損傷するまでの走行時間を測定するとと
もに、比較例1、比較例3の走行時間をそれぞれ100
とする指数で表示した。数値が大きいほど良好である。
テストの結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】テストの結果、実施例のものは、比較例に
比べて耐久性を向上していることが確認でき、またリム
組み性、エアイン性能についても良好である。
【0038】
【発明の効果】上述したように、本発明の重荷重用ラジ
アルタイヤは、ビードベース幅BLとビードコアの断面
最大巾BWとの比(BL/BW)、及びビード部のタイ
ヤ軸方向への倒れ込みの指標となるビード倒れ込み係数
を一定範囲に限定することにより、プライルース、ビー
ド底面でのクラックを抑制しビード部の耐久性を向上し
うる。
【0039】また、請求項2記載の発明では、前記ビー
ド部は、前記折返し部の外端のビードベースラインから
の高さがタイヤ断面高さの10〜35%であり、かつ前
記カーカスの外側にスチールコードからなる補強コード
層が設けたときには、カーカスプライのハイターンナッ
プ構造と補強コード層とでビード部の曲げ剛性を効果的
に高めることができさらにビード部の耐久性を向上しう
る。
【0040】また請求項3記載の発明のように、ビード
コアのタイヤ軸方向の最も内側の端部からタイヤ内腔面
までのカーカスプライを除いたビードコアの前記断面最
大巾方向に沿った厚さを一定範囲に限定したときには、
カーカスプライとゴムとの間の剥離を効果的に抑制しう
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の重荷重用ラジアルタイヤの正規状
態の断面図である。
【図2】そのビード部の拡大図である。
【図3】そのリム組み前のビード部の拡大図である。
【図4】比(BL/BW)とビード耐久性との関係を示
すグラフである。
【図5】他の実施形態の重荷重用ラジアルタイヤの正規
状態の断面図である。
【図6】従来の重荷重用ラジアルタイヤのビード部の断
面図である。
【符号の説明】
2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 6A カーカスプライ 6a カーカスプライの本体部 6b カーカスプライの折返し部 7 ベルト層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部をへてビ
    ード部のビードコアに至るトロイド状のカーカスと、こ
    のカーカスのタイヤ半径方向外側かつトレッド部の内方
    に配されたベルト層とを具える重荷重用ラジアルタイヤ
    であって、 正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填ししかも無負
    荷である正規状態において、ビードベースラインとビー
    ド部とがヒール側で交わるヒール点P1からビードトウ
    端Ptまでのタイヤ軸方向長さであるビードベース幅B
    Lと、前記ビードコアの断面最大巾BWとの比(BL/
    BW)が1.3〜1.6であり、 前記ビードベースラインからビード部の外表面上の点P
    2までのタイヤ半径方向の長さLyと、前記外表面上の
    点P2と前記ヒール点P1とのタイヤ軸方向の距離Lx
    との比(Lx/Ly)で表されるビード倒れ込み係数
    が、前記ビードベースラインからタイヤ半径方向外側に
    正規リムのリム径の3.5%以上かつ6.0%以下のビ
    ード内方領域において0.55〜0.75であることを
    特徴とする重荷重用ラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】前記カーカスは、ビードコアの回りでタイ
    ヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部を有し、
    かつこの折返し部の外端のビードベースラインからの高
    さがタイヤ断面高さの10〜35%であり、 しかもビード部の前記カーカスの外側にスチールコード
    からなる補強コード層が設けられてなる請求項1記載の
    重荷重用ラジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】前記ビード部は、前記ビードコアのタイヤ
    軸方向の最も内側の端部からタイヤ内腔面までのカーカ
    スプライを除いたビードコアの前記断面最大巾方向に沿
    う厚さが1.7〜6.0mmであることを特徴とする請求
    項1又は2記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
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