JP3410676B2 - 重荷重用ラジアルタイヤ - Google Patents

重荷重用ラジアルタイヤ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビード部の耐久性
を向上しうる重荷重用ラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】例えばトラック、バス用の重荷重用ラジ
アルタイヤは、通常、図4に示すようなビード部aの構
造を具えている。該ビード部aは、ビードコアdの周り
をタイヤ軸方向内側から外側に向けて折り返した1枚の
カーカスプライbからなるカーカスcと、断面略U字状
をなし、このカーカスcを前記ビードコアdの周りで包
むように配されたコード補強層eなどを具えている。こ
のような重荷重用タイヤは、高内圧、高荷重の下で使用
されるため、前記カーカスプライbには、通常スチール
コードが採用される。
【0003】ところが重荷重用タイヤには、走行中の大
きな負荷荷重、横力等が作用することにより、該ビード
部aが、タイヤ軸方向外方にせり出すように変形し、こ
の際にビード部aの曲げニュートラルラインnより外側
に位置するカーカスプライbの折返し部b1には、大き
な圧縮力が繰り返し作用してしまう。この結果、カーカ
スプライbの折返し部b1では、例えばゴムとの接着力
が低いスチールコードの切断端などが周囲のゴムと少し
づつ剥離し、このような剥離が起点となってカーカスプ
ライbの折返し部b1全体がゴムから剥離するルース、
セパレーションなどの損傷が発生しやすいものである。
またビードエーペックスゴムfの外端では、ビード部の
曲げ剛性の変化が急激となり易いため、カーカスプライ
bのこの部分にも歪が集中してカーカスコードのルース
やコード折れなども生じやすいものであった。
【0004】従来、このような損傷に対しては、硬質の
ビードエーペックスfのゴム量を増加することや、前記
コード補強層eの枚数を増加するなどにより、ビード部
aの曲げ剛性を高めることが主体的に行われてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような対策では、ビード部aのゴム量の増加に起因し
て、走行中の歪による発熱が大きく、特にビードエーペ
ックスゴムfのゴム量を増したときには、前記発熱の増
大に加えて、折返し部b1及び各コード補強層eが前記
ニュトラルラインnからさらに軸方向外側に離れ易くな
るために、作用する圧縮応力が逆に上昇するときもあ
り、ビード部aの耐久性の向上を十分に期待しうるもの
ではない。
【0006】そこで本件出願人は、例えば特許第278
1542号公報などにより、例えば図5に示すようなビ
ード部aを具える重荷重用ラジアルタイヤを提案してい
る。この提案では、ビード部aにおいて、ビードコアd
の周りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返したカーカ
スプライbを具えており、ビードコアd間を跨る本体部
b2において、ビードエーペックスゴムfと隣接する隣
接領域xを実質的に直線で形成することを特徴事項の一
つとしている。このような重荷重用ラジアルタイヤで
は、荷重が負荷された際にカーカスcが外側へせり出す
のを効果的に抑制し、ビード部aの変形量を低減してそ
の耐久性を高めている。
【0007】本発明者らは、さらに種々の実験を試みた
ところ、カーカスプライbのビードエーペックスゴムf
と隣接する隣接領域の形状をさらに適切に規制すること
などにより、重荷重用ラジアルタイヤについてより一層
ビード部の耐久性を向上しうることを見出し本発明を完
成させるに至った。以上のように、本発明は、ビード部
におけるカーカスプライのプロファイルなどを改善する
ことを基本として、ビード部の耐久性をさらに向上しう
る重荷重用ラジアルタイヤを提供することを目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部か
らサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至る
本体部に前記ビードコアでタイヤ軸方向内側から外側に
折り返す折返し部を一体に設け、かつスチールのカーカ
スコードをタイヤ赤道に対して70〜90°の角度で傾
けて配列したカーカスプライを有するカーカスを具えた
重荷重用ラジアルタイヤであって、前記ビード部は、ビ
ードコアからタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビー
ドエーペックスゴムを具えるとともに、タイヤを正規リ
ムにリム組みしかつ正規内圧を充填した正規状態のタイ
ヤ子午線断面において、前記本体部は、該本体部が前記
ビードエーペックスゴムに隣接する本体部の隣接領域
に、タイヤ軸方向外側に凸で湾曲しかつ曲率半径Raが
90〜200mmの実質的な円弧で形成された本体部外湾
曲域を有し、かつ前記折返し部は、該折返し部が前記ビ
ードエーペックスゴムに隣接する折返し部の隣接領域
に、タイヤ軸方向内側に凸で湾曲しかつ曲率半径Rbが
15〜35mmの実質的な円弧で形成される折返し部内湾
曲域を有し、しかも前記本体部と折返し部とは、前記本
体部外湾曲域と折返し部内湾曲域とがタイヤ半径方向外
方で互いに近接しかつ近接した状態で連続して折返し部
終端までのびる近接域を具えることを特徴としている。
【0009】本発明では、このような構成が一体となっ
て、カーカスプライの折返し部などで生じがちであった
セパレーションを長期に亘って抑制できビード部の耐久
性を向上させる。
【0010】また前記近接域は、例えば該近接域に沿っ
た長さが35〜70mmであることが望ましい。また近接
域は、該近接域の前記本体部のカーカスコードと前記折
返し部のカーカスコードとの間のコード間距離tが該カ
ーカスコードの直径Dの0.15〜4.5倍であること
が望ましい。
【0011】なお本明細書において用いる定義は次の通
りである。先ず「正規リム」とは、タイヤが基づいてい
る規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に
定めるリムであり、例えばJATMAであれば正規リ
ム、TRAであれば "Design Rim" 、 或いはETRT
Oであれば "Measuring Rim"である。また、「正規内
圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系に
おいて、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、
JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TI
RE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURE
S" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION P
RESSURE" とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の一形態を図面
に基づき説明する。図1は、重荷重用ラジアルタイヤ
(以下、単に「タイヤ」ということがある。)1が、正
規リムJにリム組されかつ正規内圧を充填した無負荷の
正規状態でのタイヤ子午線断面を示し、図2にはそのビ
ード部の部分拡大図を示している。
【0013】図において、タイヤ1は、トレッド部2
と、その両端からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサ
イドウォール部3と、各サイドウォール部3の内方端に
位置するビード部4とを有し、前記各ビード部4に埋設
されたビードコア5間をトロイド状で跨るカーカス6
と、このカーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の
内方に配されたベルト層7とを具えている。また本実施
形態のタイヤ1は、チューブレスタイプであって、正規
リムJが15゜深底リムであるものを示している。
【0014】前記カーカス6は、トレッド部2からサイ
ドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至る
本体部6aと、この本体部6aに連なりかつ前記ビード
コア5の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返した
折返し部6bとを具える1枚のカーカスプライ6Aで形
成される。またカーカスプライ6Aは、スチールのカー
カスコード6c(図3に示す)をタイヤ赤道Cに対して
75〜90度の角度で傾けて配列したラジアル構造のコ
ード配列体をトッピングゴムで被覆することにより形成
され、このような1枚のスチールコードカーカスプライ
は、タイヤの軽量化と高剛性化を両立させる。
【0015】また、前記カーカスプライ6Aの本体部6
aと折返し部6bとの間には、ビードコア5のタイヤ半
径方向の外面からからタイヤ半径方向外向きにのびるビ
ードエーペックスゴム9が満たされている。前記ビード
コア5は、例えば実質的に非伸張性のワイヤを多段、多
列にかつ渦巻き状に巻き重ねた環状体をなし、本例では
その横断面は、横方向を長寸とした偏平六角形状をなす
ものを例示しており、その底辺5aが、例えばタイヤ軸
方向線に対して略15゜の角度を有してリムシート面J
1(図1に示す)と同方向に傾いている。これによりビ
ード部4は、広範囲に亘って正規リムJとの嵌合力が得
られリム外れ等が抑制される。
【0016】前記ビードエーペックスゴム9は、例えば
JISA硬度が例えば50〜99゜、より好ましくは6
0〜99゜の比較的硬質のゴム材から形成される。この
ビードエーペックスゴム9は、1種のゴム材から形成さ
れるものの他、柔、剛2種のゴム材料を組み合わせて形
成することもできる。また前記ビードエーペックスゴム
9のビードベースラインBLからの高さであるビードエ
ーペックス高さhaは、例えばタイヤ断面高さHの0.
05〜0.3倍、より好ましくは0.07〜0.15倍
の小高さであることが望ましい。
【0017】このビードエーペックス高さhaが、タイ
ヤ断面高さHの0.05倍未満になると、タイヤ製造が
困難になるとともに、ビード部4の曲げ剛性が相対的に
低下する傾向があるが、逆にビードエーペックス高さh
aがタイヤ断面高さHの0.3倍を超えると、そのゴム
量などが増すために発熱性に不利となって発熱耐久性を
低下させる傾向がある。
【0018】前記ベルト層7は、本例では、カーカス6
側からトレッド面2Sに向かって順に配される第1、第
2、第3、第4のベルトプライ7A〜7Dの4枚から構
成されている。例えば第1のベルトプライ7Aは、ベル
トコードをタイヤ赤道Cに対して60〜70度程度の角
度で配列されるとともに、第2、第3、第4のベルトプ
ライ7B〜7Dは10〜25度程度の小角度でベルトコ
ードが配列されたプライである。なお本例では第2、第
3のベルトプライ7B、7C間でタイヤ赤道Cに対する
コードの傾斜方向が相違しており、これによってベルト
コードが三角形状で交わるトラス構造をなすことによ
り、ベルト層7の剛性を高め、強いタガ効果を有してト
レッド部2を補強しうる。なお各ベルトプライのコード
角度、枚数などは必要に応じて種々変更しうるのは言う
までもない。
【0019】そして本実施形態のタイヤ1は、正規リム
Jにリム組みしかつ正規内圧を充填した正規状態のタイ
ヤ子午線断面(図1、図2)において、前記カーカスプ
ライ6Aの本体部6aは、該本体部6aが前記ビードエ
ーペックスゴム9に隣接する本体部の隣接領域Xに、タ
イヤ軸方向外側に凸で湾曲しかつ曲率半径Raが90〜
200mmの実質的な円弧Caで形成された本体部外湾曲
部10を有している。なお、図2の点線は、従来の本体
部の輪郭線を示している。また、カーカスプライの折返
し部6bは、該折返し部6bが前記ビードエーペックス
ゴム9に隣接する折返し部の隣接領域Zに、タイヤ軸方
向内側に凸で湾曲しかつ曲率半径Rbが15〜35mmの
実質的な円弧Cbで形成された折返し部内湾曲域11を
有している。またビードエーペックスゴムは、これらの
本体部外湾曲部10、折返し部内湾曲域11に沿ったタ
イヤ軸方向の内面9i、外面9oを具えているものであ
る。
【0020】このようにカーカスプライ6Aの本体部6
a、折返し部6bのビードエーペックスゴム9との隣接
領域X、Zにおいて、その曲率半径Ra、Rbをともに
適切な範囲に限定することにより、荷重負荷による歪が
カーカスプライ6Aの前記各隣接領域X、Zの特定箇所
に集中することがなく、ビードエーペックスゴム9の高
さ方向に亘って全体にかつ均一に分散させることができ
る。このようにビード部4において歪を分散させること
によって、カーカスプライ6Aの折返し部6bでのセパ
レーション、ルースなどの損傷を長期に亘って抑制で
き、ビード部4の耐久性をより一層向上しうる。
【0021】ここで、前記本体部外湾曲域10の曲率半
径Raが、90mm未満の場合には、本体部外湾曲部10
の曲率が過度に大きくなり、カーカスプライ9Aの該本
体部外湾曲域10付近に歪が集中しやすくなる不具合が
あり、逆に200mmを超える場合にも本体部外湾曲域1
0の曲率が著しく小さくなって歪の分散化を促進し得な
い。同様に、前記折返し部内湾曲域11の曲率半径Rb
が、15mm未満になると、この折返し部内湾曲部11の
曲率が過度に大きくなって、この部分での歪の集中が生
じ折返し部6bのセパレーションなどを誘発しやすくな
り、逆に35mmを超えると該折返し部内湾曲域11の曲
率が過度に小さくなってビードエーペックスゴム9の外
端などで歪が集中しやすくなる。
【0022】このような観点より、前記本体部外湾曲域
10の曲率半径Raは、好ましくは100〜190mm、
より好ましくは150〜180mmとするのが好ましく、
また折返し部内湾曲部11の曲率半径Rbは、好ましく
は15〜30mm、より好ましくは15〜20mmとするの
が望ましい。また、曲率半径Ra、Rbの比(Ra/R
b)は、例えば3.3〜12.7、さらに好ましくは
7.5〜12.0程度が望ましい。
【0023】また本実施形態のタイヤ1は、このような
本体部外湾曲域10、折返し部内湾曲域11により、ビ
ードエーペックスゴム9のタイヤ軸方向の内面9i、外
面9oがいずれも、各湾曲域10、11に沿って抉られ
た凹円弧状をなすため、該ビードエーペックスゴム9の
ゴム量が従来に比して大巾に低減し、発熱の過度の上昇
を効果的に抑制しうるとともに、ビードエーペックスゴ
ム9のタイヤ半径方向の剛性変化が非常に滑らかなもの
となり、ビード部4の歪の効果的な分散を図るのに役立
つ。
【0024】このような、本体部外湾曲域10の曲率半
径Ra、折返し部内湾曲域11の曲率半径Rbは、カー
カスプライ6Aのカーカスコードの中心線より実質的に
特定される。例えば前記曲率半径Ra、Rbは、正規状
態のタイヤのビード部4をCTスキャン等により撮像し
てカーカスプライのカーカスコード中心線を求めること
ができる。なお、各本体部の隣接領域X、折返し部の隣
接領域Zのカーカスプライの中心線が完全な円でない場
合には、該中心線との偏差の和が最小となる基準円弧を
定め、その曲率半径により特定することが可能である。
【0025】さらに本実施形態では、前記カーカスプラ
イ6Aの本体部6aと折返し部6bとは、前記本体部外
湾曲域10と折返し部内湾曲域11とがタイヤ半径方向
外方で互いに近接しており、かつ両者が近接した状態で
連続して折返し部6bの終端6tまでのびる近接域Yを
具えている。このため、折返し部6bを従来に比してタ
イヤ軸方向内側、すなわちビード部の曲げニュートラル
ラインよりもタイヤ軸方向内側に位置させることが可能
となり、該折返し部6bに大きな圧縮荷重が作用するの
を効果的に抑制できる。このような構成は、本例の如
く、ビードコア5の廻りなどに配されていた従来のコー
ド補強層を不要とするのに役立つ。
【0026】また近接域Yは、該近接域Yに沿った長さ
Lが、例えば35〜70mmであるのがビード部4の曲げ
剛性と耐久性をバランス良く高めうる点で好ましい。な
お近接域Yの長さが、35mm未満では、ビード部4の曲
げ剛性が相対的に低下する傾向があり、逆に70mmを超
えると、曲げ剛性は向上するものの折返し部6bの外端
6tがサイドウォール部3の屈曲の激しい箇所に位置す
る傾向があり、折返し部6bの外端6tでのルースなど
を生じやすくなる。
【0027】また前記近接域Yは、例えば図1のA−A
断面である図3に示すごとく、該近接域Yの前記本体部
6aのカーカスコード6cと折返し部6bのカーカスコ
ード6cとの間のコード間距離tが、例えば該カーカス
コードの直径Dの0.15〜4.5倍程度であるのが好
ましい。このように、近接域Yにおいて、本体部6aと
折返し部6bのカーカスコード6cのコード間距離tを
規制することによって、カーカスコード6c、6c間に
作用するせん断力を効果的に緩和することが可能とな
り、より一層ビード部4の耐久性を向上させることが可
能になる。
【0028】なお前記コード間距離tが、前記カーカス
コードの直径Dの0.15倍未満であると、カーカスコ
ード6c、6c間に生じるせん断力の緩和効果が不十分
となり、また時にカーカスコード6c同士が部分的に接
触するおそれがありコードルースなどの原因にもなりか
ねない。またコード間距離tが、カーカスコードの直径
Dの4.5倍を超えると、折返し部6bがビード部4の
曲げニュートラルラインの外側に位置しやすくなり、圧
縮荷重の作用を受けやすくなるため好ましくない。この
ような観点より、前記近接域での本体部6aのカーカス
コード6cと折返し部6bのカーカスコード6cとの間
のコード間距離tは、カーカスコード径Dの好ましくは
2.0〜4.2倍、より好ましくは2.8〜4.0倍と
するのが望ましい。
【0029】なお前記カーカスプライの本体部6aと折
返し部6bのカーカスコード間には、本例ではカーカス
プライのトッピングゴムと略等しい硬度のクッションゴ
ム層12を別途設けたものを例示しているが、これに限
定されることなく、例えばカーカスプライ6Aのトッピ
ングゴムであっても構わない。
【0030】本実施形態の本体部6aは、本体部の隣接
領域Xをタイヤ半径方向の外側に前記曲率半径Raから
なる円弧Caで形成された円弧部分13を具えている。
本例では、ビードベースラインBLからの高さhcが、
タイヤ断面高さHの0.15〜0.35倍として形成さ
れたものが例示される。このような円弧部分13を、本
体部6aの隣接域Xの外側にも形成しておくことによ
り、より広範囲で歪の分散を図りうる点で好ましい。な
お前記円弧部分13のタイヤ半径方向外方には、タイヤ
軸方向内側に凸となる円弧部分14を形成することがで
きる。
【0031】また、本体部6aはこのような輪郭以外に
も、例えば前記本体部外湾曲部10のタイヤ半径方向外
側に、タイヤ軸方向外側に凸となる円弧が連続して形成
されるものでも良く、また本体部6aは、本体部外湾曲
域10の外端にタイヤ軸方向内側に凸となる円弧を連ね
ても良いなど、本発明は種々の態様にて実施しうる。
【0032】
【実施例】タイヤサイズが11R22.5 14PR
(チューブレスタイヤ)でありかつ図1に示す構成を有
する重荷重用ラジアルタイヤについて、表1による仕様
によって試作するとともに、各供試タイヤについてビー
ド耐久テストを行いそれぞれの性能を比較した。ビード
耐久性テストは、タイヤを正規リム(22.5×8.2
5)、内圧(8.00kgf/cm2 )、荷重(9000kg
f)の条件の基で回転ドラム試験機上を速度20km/h
で走行させ、ビード部が損傷するまでの時間を測定し
た。なお規格上、350時間以上が合格である。テスト
の結果を表1に示すが、実施例のタイヤは、ビード部の
耐久性を大幅に向上していることが確認できた。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の重荷重用
ラジアルタイヤは、タイヤ重量などを増加させることな
く、ビード部での歪の分散を図り、ビード部の耐久性を
より一層向上しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すタイヤ右半分の断面図
である。
【図2】そのビード部を拡大して示す断面図である。
【図3】図1のA−A部分断面図である。
【図4】従来タイヤのビード部の構造を例示する断面図
である。
【図5】従来タイヤのビード部の構造を例示する断面図
である。
【符号の説明】
2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 6A カーカスプライ 6a カーカスプライの本体部 6b カーカスプライの折返し部 7 ベルト層 9 ビードエーペックスゴム 10 本体部外湾曲域 11 折返し部内湾曲域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 15/00,15/06,9/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部をへてビ
    ード部のビードコアに至る本体部に前記ビードコアでタ
    イヤ軸方向内側から外側に折り返す折返し部を一体に設
    け、かつスチールのカーカスコードをタイヤ赤道に対し
    て70〜90°の角度で傾けて配列したカーカスプライ
    を有するカーカスを具えた重荷重用ラジアルタイヤであ
    って、 前記ビード部は、ビードコアからタイヤ半径方向外側に
    先細状でのびるビードエーペックスゴムを具えるととも
    に、 タイヤを正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した
    正規状態のタイヤ子午線断面において、 前記本体部は、該本体部が前記ビードエーペックスゴム
    に隣接する本体部の隣接領域に、タイヤ軸方向外側に凸
    で湾曲しかつ曲率半径Raが90〜200mmの実質的な
    円弧で形成された本体部外湾曲域を有し、 かつ前記折返し部は、該折返し部が前記ビードエーペッ
    クスゴムに隣接する折返し部の隣接領域に、タイヤ軸方
    向内側に凸で湾曲しかつ曲率半径Rbが15〜35mmの
    実質的な円弧で形成される折返し部内湾曲域を有し、 しかも前記本体部と折返し部とは、前記本体部外湾曲域
    と折返し部内湾曲域とがタイヤ半径方向外方で互いに近
    接しかつ近接した状態で連続して折返し部終端までのび
    る近接域を具えることを特徴とする重荷重用ラジアルタ
    イヤ。
  2. 【請求項2】前記近接域は、該近接域に沿った長さが3
    5〜70mmである請求項1記載の重荷重用ラジアルタイ
    ヤ。
  3. 【請求項3】前記近接域は、前記本体部のカーカスコー
    ドと前記折返し部のカーカスコードとの間のコード間距
    離tが該カーカスコードの直径Dの0.15〜4.5倍
    である請求項1又は2記載の重荷重用ラジアルタイヤ。
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