JP2008004375A - 導電性発現方法および導電性部材 - Google Patents

導電性発現方法および導電性部材 Download PDF

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Abstract

【課題】金属超微粒子を利用して導電性を発現させる方法に関し、詳しくは従来必要であった焼成工程を必要とせずに高い導電性を得る事ができる導電性発現方法および導電性部材を提供することにある。
【解決手段】水及び/または有機溶媒中に金属コロイドとして分散されている金属超微粒子と、イオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物とを作用させ、基材上にて導電性を得る事を特徴とする導電性発現方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属超微粒子を利用して導電性を発現させる方法に関し、詳しくは従来必要であった焼成工程を必要とせずに高い導電性を得る事ができる導電性発現方法および導電性部材を提供するものである。
導電性部材はブラウン管の電磁遮蔽、建材、自動車の赤外線遮蔽、電子機器や携帯電話の静電気帯電防止材、曇りガラスの熱線、回路基板やICカードの配線、樹脂に導電性を付与するためのコーティング、スルーホール、回路自体等の広い分野において用いられている。
特に、半導体デバイス、液晶表示デバイス、プラズマディスプレイ表示デバイス等の製造プロセスにおいては、電極や配線等を形成するため、導電性の金属薄膜を形成する場合がある。これらの製造プロセスにおいて、金属薄膜は、一般に真空蒸着、スパッタリング、CVD法などの薄膜形成方法により形成される。このような薄膜形成方法は、一般に減圧雰囲気下で行われるため、真空チャンバーなどの反応容器内に基板等を設置して行う必要がある。従って、金属薄膜形成の対象物が大きくなると、そのような大きな対象物を収納できる真空チャンバーが必要となり、その製造が困難になるという問題があった。
また、フレキシブル基板の作製において、コンタクトホールやビアホールなどの凹部への導電性部材の形成には、例えば1μm程度の銀粒子を樹脂に混練した銀ペーストが使用される場合もあるが、銀粒子同士の接触により導電性が確保されるため、導電性が低いという問題があった。
特開平3−281783号公報(特許文献1)には、金属超微粒子を分散させたペーストを塗布し、塗布後これを900℃程度の温度で焼成することにより金属薄膜を形成する方法が開示されている。このような方法によれば、ペーストの塗布により金属薄膜を形成することができるので、大面積の金属薄膜を形成したり、複雑な表面形状の基材の上に金属薄膜を形成するのに適している。
また、特開2001−35255号公報(特許文献2)には、半導体基板上に銀配線を形成する際の乾燥・焼成工程で蒸発するような有機溶媒と、粒径0.01μm以下の銀含有超微粒子とを混合し、該超微粒子の表面が該有機溶媒で覆われて個々に独立して分散しており、粘度が室温で50mPa・s以下であることを特徴とする銀超微粒子独立分散液が開示されており、300℃の温度で焼成し銀の薄膜とすることで、きわめて高い導電性を得ている。
しかしながら、これらの金属超微粒子が液体中に分散されている金属コロイド溶液は、減圧雰囲気下で金属を蒸発させて製造されており、単分散性が高く、例えばインクジェット方式等のノズルタイプのパターン形成装置に好適であるが、導電性を得るためには、少なくとも200℃の温度が必要であり、使用できる基材はガラス、ポリイミド、セラミックなどの耐熱性基材に限定されていた。
一方、硝酸銀水溶液等を保護コロイドと呼ばれる分散剤の存在下で還元剤により還元し、分散剤に被覆された金属超微粒子を作製する方法が知られている。
例えば、American Journal of Science,Vol.37,P476−491,1889,M Carey Lea.(非特許文献1)には、金属塩の水溶液に、分散剤としてクエン酸またはその塩を加え、第一鉄イオン等の還元剤を添加した後、脱塩、濃縮することによって、金属コロイド溶液を得る方法が報告されている。また、Experiments in Colloid Chemistry,1940,p.19,Hauser,E.A.and lynn,J.E.(非特許文献2)には、デキストリンを分散剤兼還元剤に用いた金属コロイド溶液を得る方法が報告されている。しかしながら、焼成をおこなっても分散剤が揮散しにくい為、得られる導電性は低いものであった。
また、良好な導電性を示す水溶液中で還元された金属超微粒子として、例えば、特開2002−338050号公報(特許文献3)には、(チオ)フェノール誘導体の多量体を用いて製造され、温和な条件での焼成により導電性皮膜を得ることができる金属コロイド溶液及びその製造方法が開示されているが、100℃未満での焼成では高い抵抗値しか示さない金属コロイド溶液であった。特開2005−081501号公報(特許文献4)には、低温焼成によって実用的な導電率を達成できる、安定した金属超微粒子及びその製造方法が開示されており、140〜220℃での焼成により、充分実用的な導電率を達成する事が出来るとあるが、やはり、焼成行程が必要であった。
これらの金属コロイド溶液に含まれる金属超微粒子は、一般に分散剤により被覆されているため、乾燥工程により水等の分散媒が蒸発した状態では、該金属超微粒子同士の相互接続が形成されておらず、導電性を示さない、あるいは示したとしても非常に低いものであり、導電性部材として使用するための良好な導電性を得る為には、該分散剤を分解・揮散させ、該金属超微粒子同士の融着による相互接続を形成するために焼成工程が必要であり、そのためのエネルギーが必要であるばかりでなく、耐熱性の点から使用できる基材も限定されるものであった。
加熱を必要としないあるいは低温での加熱により導電性を発現させるために、基材側への工夫もなされており、例えば特開2004−127851号公報(特許文献5)では金属コロイドを乾燥することにより形成される導電性被膜を積層形成してなる導電性被膜複合体において、少なくとも多孔質の無機フィラーを含有する受像層を用いる事を特徴とする導電性被膜複合体が開示されており、また特開2005−32458号公報(特許文献6)では、金属コロイド溶液を乾燥することにより形成される導電性被膜を積層形成してなる導電性被膜複合体において、水溶性樹脂もしくは親水性樹脂からなり、JIS B 0601による十点平均表面粗さRzが3μm以下である中間層が介され、体積抵抗率が10×10-5Ω・cm以下であることを特徴とする導電性被膜複合体が開示されている。
特開平3−281783号公報 特開2001−35255号公報 American Journal of Science,Vol.37,P476−491,1889,M Carey Lea. Experiments in Colloid Chemistry,1940,p.19,Hauser,E.A.and lynn,J.E. 特開2002−338050号公報 特開2005−081501号公報 特開2004−127851号公報 特開2005−32458号公報
本発明の目的は、金属超微粒子を利用して導電性を発現させる方法において、従来必要であった焼成工程を必要とせずに高い導電性を得る事ができる導電性発現方法及び導電性部材を提供するものである。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
1.水及び/または有機溶媒中に金属コロイドとして分散されている金属超微粒子と、イオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物とを作用させ、基材上にて導電性を得る事を特徴とする導電性発現方法。
2.該金属超微粒子が、主に銀からなる事を特徴とする上記1記載の導電性発現方法。
3.該基材上に、無機微粒子と無機微粒子に対し80質量%以下のバインダーからなる多孔質層を有する事を特徴とする上記1あるいは2記載の導電性発現方法。
4.上記1から3いずれかに記載された導電性発現方法により導電性を発現させた導電性部材。
本発明によれば、従来必要であった焼成工程を必要とせずに、高い導電性を得ることが可能となり、導電性部材を得ることが出来る。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明者は、水及び/または有機溶媒中に金属コロイドとして分散されている金属超微粒子と、イオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物とを作用させ、従来必要であった焼成工程を設けることなく、高い導電性が発現することを見いだし本発明に至った。
本発明における導電性部材とは、例えば微細配線、アンテナ、電磁波シールド、アドレス電極などの導電性パターン、バンプ等の端子、複数層からなるプリント配線基板における配線パターンおよび配線層間のコンタクトホールやビアホール、電池電極、電子部品の電極等をあげることが出来るが、これに限定されるものではない。また、導電性に関しては、本発明の導電性発現方法により得られた導電性部材に、更に無電解メッキや電解メッキを行い、増強する事も任意に行うことが出来る。
本発明においては、イオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物を用い、導電性を発現させる。金属コロイド溶液に含まれている分散媒を揮散させた状態では、含まれている多数の金属超微粒子は分散剤により隔たった状態になっているか、あるいは相互にごく僅かな接触を持つだけであり、導電性は無いか非常に低い。イオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物を用いると、該金属超微粒子の成長とそれに伴う相互接続の形成と推測される現象が観察され導電性が発現する。この金属超微粒子の成長は、粒径において数倍から数十倍に達し、更に導電性が良好な場合には明確な粒子は観察されず僅かな隙間を持つバルク金属様にまで達する。この導電性の発現は、数秒で高い導電性を示す場合もあれば、極めてゆっくりと例えば数十日をかけて高い導電性を示す場合もある。
本発明における、金属コロイド溶液とは、一般的に平均一次粒径が200nm以下の金属超微粒子が水及び/または有機溶媒からなる分散媒中に分散されている分散液を示す。金属コロイド溶液中に含まれる好ましい金属超微粒子の含有量は、金属コロイド溶液全体の質量に対して1質量%から95質量%であり、より好ましくは、3質量%から90質量%である。
金属超微粒子の分散媒は水及び/または有機溶媒からなり、水のみ、水と有機溶媒の混合物、有機溶媒のみの構成を挙げることが出来る。用いられる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、t−ブチルアルコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、テルピネオール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール等のケトン類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、セロソルブアセテート、ブトキシカルビトールアセテート等のグリコールエーテルエステル類、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン等のアミド類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、トリデカン、テトラデカン、トリメチルペンタン等のの長鎖アルカン類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の環状アルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ドデシルベンゼン等の芳香族炭化水素類等を挙げることが出来る。有機溶媒は、それぞれ1種単独で使用できる他、2種以上を混合使用することもできる。また、石油蒸留物、例えばミネラルスピリットとして知られる150℃〜190℃の留分(芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素の混合体)も用いる事が出来る。好ましい例として、例えばインクジェット方式に適した分散媒としては、水とグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、2−ピロリドンの混合物や、テトラデカン、ミネラルスピリットの単独使用等を挙げる事が出来る。スピンコート方式に適した分散媒としては、アセトン、トルエン等を挙げる事が出来、スクリーン印刷方式に適した分散媒としては、テルピネオール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン等を挙げることが出来、また、後述する下塗層を膨潤または溶解する有機溶剤を併用することも好ましい態様の一つとして挙げることが出来る。
金属超微粒子は、不活性ガス中で金属を蒸発させガスとの衝突により冷却・凝縮し回収するガス中蒸発法、真空中で金属を蒸発させ有機溶剤と共に回収する金属蒸気合成法、レーザー照射のエネルギーにより液中で蒸発・凝縮し回収するレーザーアブレーション法、水溶液中で溶液中金属イオンを還元し生成・回収する化学的還元法、有機金属化合部の熱分解による方法、金属塩化物の気相中での還元によるよる方法、酸化物の水素中還元法等、公知の種々の方法により製造された物を好ましく用いることが出来る。
金属超微粒子の粒径は、コロイド溶液の安定性の面から200nm以下である事が好ましく、100nm以下である事がより好ましく、更に50nm以下である事がより好ましい。ここで粒径とは、透過電子顕微鏡(TEM)あるいは走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したときの金属超微粒子の平均粒径を言う。
本発明における金属超微粒子は、高い導電性、価格、生産性、扱いやすさ等の点から、主に銀からなることが好ましい。また、金属コロイド溶液中に含まれる全金属超微粒子の50質量%以上が銀であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上である。銀以外に含まれる好ましい金属としては、金、銅、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、ニッケル、ビスマスを挙げることが出来、特に銀特有のマイグレーション抑制の為には、金、銅、白金、パラジウムが好ましい。銀以外の金属を含有せしめる方法としては、例えば特開2000−090737号公報に開示されているが如く銀超微粒子中にパラジウムを含んでいても良く、特開2001−35255号公報に開示されているが如く別々に作製された銀超微粒子とパラジウム超微粒子の混合でも良い。また、Cima NanoTech社の銀ナノ粒子インクの如く、銅を含む金属コロイドを例示することも出来る。
金属超微粒子は安定な金属コロイド溶液を形成するために、分散剤で被覆されている事が好ましい。例えば、American Journal of Science,Vol.37,P476−491,1889,M Carey Lea.に記載される方法においてはクエン酸が分散剤となっており、Experiments in Colloid Chemistry,1940,p.19,Hauser,E.A.and lynn,J.E.に記載される方法においてはデキストリンが分散剤となっている。他に、リンゴ酸二ナトリウム、酒石酸二ナトリウム、グリコール酸ナトリウム等の各種イオン性化合物;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物等の各種界面活性剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、カラギーナン、アラビアゴム、アルブミン、ポリエチレンイミン、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース類等の水溶性高分子類、脂肪酸やアミン等を持つ各種有機金属化合物類等を用いる事が出来る。これら分散剤の含有量は、金属コロイド溶液中に含まれている金属超微粒子の含有質量に対し、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
金属コロイド溶液には増粘剤、帯電防止剤、UV吸収剤、可塑剤、高分子バインダー等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよく、例えば、UV硬化樹脂成分を含ませることにより、UV印刷あるいはUVインクジェット方式によるパターン形成に適した特性(UV硬化特性)をもたせることも出来る。
本発明において、金属コロイド溶液は、低粘度の溶液状態から高粘度のペースト状態まで任意の形態に調整される。具体的には、導電性部材を形成する装置に適した粘度、表面張力、金属超微粒子の大きさ・含有率等が調整される。例えば、グラビア印刷、インクジェット方式を用いる場合には、粘度を1〜100mPa・sの範囲に調整することが好ましく、凸版印刷やスクリーン印刷を用いる場合には、10〜500Pa・sの範囲に調整することが好ましい。
高粘度のペースト状態に調整する場合には、金属超微粒子の濃度を高くするだけでは所望の粘度を得ることは困難であるため、高分子バインダーとして、例えばセルロース樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂等を含むことが好ましい。
本発明に用いられる金属コロイド溶液には、公知あるいは市販の金属超微粒子が含まれるコロイド、インクあるいはペーストを広く用いることも出来る。
本発明に用いる、イオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物において、ハロゲンとはフッ素、塩素、臭素、沃素、アスタチンを示し、好ましくは、塩素、臭素、沃素であり、特に好ましくは、塩素、臭素である。
イオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物の態様として、ハロゲン化水素、無機塩類、無機高分子ハロゲン化物、有機高分子ハロゲン化物を挙げることが出来る。
ハロゲン化水素として、塩酸、臭化水素酸等を挙げることが出来る。
無機塩類として、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、ジルコニウム塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等を挙げることが出来る。例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化カルシウム、臭化アンモニウム、沃化ナトリウム、沃化カリウム等を好ましい態様として挙げることが出来る。
無機高分子ハロゲン化物としては、例えば、塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいるポリ水酸化アルミニウムを挙げることが出来、カウンターイオンとしてハロゲンを持つものを用いる。これは、多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)として、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上市されており、各種グレードの物を容易に入手できる。なお重合度は任意である。
有機高分子ハロゲン化物としては、カウンターイオンにハロゲンを持つ、カチオン性の高分子化合物を広く用いる事が出来る。なお組成、重合度は任意である。例えば、カチオン性ポリビニルアルコール、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化硫黄共重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−ジアリルアミン塩酸塩誘導体共重合物、ジアリルアミン塩酸塩−二酸化硫黄共重合物、ジアリルメチルアミン塩酸塩重合物、ポリアリルアミン塩酸塩等のジアリルアミン系重合物やアリルアミン系重合物の塩酸塩類、アンモニウム塩類、ポリアミン系重合物、アリル系重合物、アルキルアミン系重合物、ジメチルアミンエピクロルヒドリン重縮合物、ポリアミドエピクロルヒドリン重合物等を挙げることが出来る。
以上に挙げた化合物を、1種または2種以上組み合わせて用いる事が出来る。使用の簡便さからは、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウムが好ましい。
イオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物の添加量は、使用する金属コロイド溶液に含まれる金属超微粒子の種類や粒径、基材の種類、添加方法、導電性発現の速度、目標とする導電性等について、適宜調整されるが、例えば、多孔質基材上にあらかじめ含有させておく場合には、含まれるハロゲンのモル数が、金属超微粒子のモル数に対し、0.1モル%〜500モル%程度であることが好ましく、より好ましくは1モル%〜200モル%であり、特に好ましくは5モル%〜100モル%である。
導電性部材を形成する基材としては、ポリエチレン・ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル・塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、トリアセテート、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート・ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、セロファン、ナイロン、スチレン系樹脂、ABS樹脂等の各種樹脂類、石英ガラス、無アルカリガラス、結晶化透明ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、サファイア等の各種ガラス、AIN、Al23、SiC、SiN、MgO、BeO、ZrO2、Y23、ThO2、CaO、GGG(ガドリウム・ガリウム・ガーネット)、単結晶シリコン、多結晶シリコン等の無機材料、紙、各種金属等を挙げることができ、必要に応じそれらを併用してもよい。用途に応じてこれらの材料から適宜選択して、フィルム状等の可撓性基材、または剛性のある基材とすることができる。なお、前記基材の形状は円盤状、カード状、シート状などいずれの形状であってもよい。また、例えば電子部品のリード線やバンプなどの電気的端子部分等であってもよく、積層コンデンサやタンタルコンデンサ、薄膜抵抗の接合部分、TFT電極、太陽電池の集電電極、有機FETのゲート電極等、導電性が必要とされる部分すべてが本発明の基材となり得る。また用途に応じこれら基材を適宜組み合わせる事が出来、例えば、銅箔とポリイミドを積層したフレキシブルプリント基板材料や、紙とポリオレフィン樹脂を積層したポリオレフィン樹脂被覆紙を用いる事が出来る。また、例えばアルミナ粉とバインダーの混合物スラリーをキャスティングして製造される基板用のグリーンシートや、チタン酸バリウム粉とバインダーの混合物スラリーをキャスティングして製造される積層セラミックコンデンサー用のグリーンシート等も好ましく用いる事が出来る。
基材と本発明による導電性部材の間に高い導電性が要求されない場合は、基材と導電性部材間の接着力の向上を目的として、下塗層が形成されていてもよい。下塗層は一般的に絶縁性であるため、基材と導電性部材との導電性を低下させる。下塗層の材料としては、例えば、ゼラチン、カラギーナン、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、各種ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールポリビニルピロリドン、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、アルコール可溶性ナイロン、Nーメチロールアクリルアミド、ポリ塩化ビニリデン、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の高分子物質、熱硬化性または光・電子線硬化樹脂、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、ゲルマニウム系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、イミダゾールシラン系カップリング剤などの表面改質剤等が挙げられ、これらを1種または2種以上組み合わせて用いる事が出来る。
下塗層に上記ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、カラギーナン、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース等の水溶性樹脂を用いる場合には、耐水性を向上させる目的で適当な硬膜剤を用い、硬膜することも好ましい。硬膜剤としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、N−メチロール化合物、イソシアナート類、アジリジン化合物類、カルボジイミド系化合物類、エポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いる事が出来る。
イオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物が、金属超微粒子に作用する段階において導電性部材を形成する金属超微粒子の密度は高い方が好ましく、また金属コロイド溶液の濡れ広がりを抑制し微細な導電性部材の形成を容易とするために、金属コロイド溶液中の分散媒を吸収する機能を下塗層に持たせることもより好ましい態様の一つである。例えば金属コロイド溶液の分散媒に水が用いられる場合には、下塗層にゼラチン、カラギーナン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース等、各種水溶性樹脂と、耐水性を付与するための硬膜剤を適宜1種類以上を組み合わせて用いることが出来る。また、金属コロイド溶液の分散媒に有機溶媒が用いられている場合には、下塗層に、セルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、アクリルエステル樹脂、非晶質ポリエステル樹脂等を用いる事が出来る。下塗層の好ましい層厚(乾燥時)は、一般に0.01〜50μmが好ましく、1〜40μmがより好ましく、5〜30μmが特に好ましい。
また、上記樹脂の膨潤あるいは溶解により金属コロイド溶液中の分散媒を吸収する他に、多孔質層の微細空隙による毛細管現象を用いて吸収させることは、更に好ましい。一般的に、樹脂の膨潤による場合よりも多孔質層の方が分散媒の吸収速度が速く、分散媒の種類を問わない傾向にあるため、より好ましい。
多孔質層による下塗層は、微粒子と樹脂バインダーからなり、用いられる微粒子としては、公知の微粒子を広く用いる事が出来る。例えば軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、ジルコニア、セリウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、非晶質合成シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、アルミナ水和物、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化マグネシウム等の無機微粒子、アクリルあるいはメタクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、スチレン/ブタジエン系樹脂、ポリスチレン/アクリル系樹脂、ポリスチレン/イソプレン系樹脂、メチルメタクリレート/ブチルメタクリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂、尿素樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂等の少なくとも1種以上の樹脂からなる真球状あるいは不定型の無孔質あるいは多孔質の有機微粒子等をあげることが出来る。無論、上記した無機微粒子の1種以上と有機微粒子の1種以上を混合して用いることもできる。
また、上記の微粒子の中では、平均二次粒子径を500nm以下とした非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物等の無機微粒子や、平均粒径が200nm以下の有機微粒子を好ましく用いる事が出来る。特にこれらの無機微粒子を用いた場合には、空隙率の高い多孔質層を形成することが可能であり、空隙率が高い為に屈折率が低くなり、表面反射率を低減する事が出来る。例えばJIS−Z−8741に規定される光沢度数値が25(標準ガラスと比較し1/4の反射率であることを示す)以下とすることは容易である。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、及びその他に大別することができる。湿式法シリカは、更に製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソーシリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシールとして、水澤化学工業(株)からミズカシルとして市販されている。ゲル法シリカは珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子どうしを結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、東ソーシリカ(株)からニップゲルとして、グレースジャパン(株)からサイロイド、サイロジェットとして、水澤化学工業(株)からミズカシルとして市販さている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学工業(株)からスノーテックスとして市販されている。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されている。
本発明に用いられる気相法シリカの平均一次粒子径は30nm以下が好ましく、より高い透明性が必要な場合には、15nm以下が好ましい。更に好ましくは平均一次粒子径が3〜15nmでかつBET法による比表面積が200m2/g以上(好ましくは250〜500m2/g)のものを用いることである。なお、本発明でいう平均一次粒子径とは、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径として平均粒子径を求めたものであり、本発明でいうBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて表面積が得られる。
気相法シリカの分散にあたっては、公知の種々の方法を用いる事が出来、例えば特開2002−144701号公報に記載されているが如くアルカリ性化合物の存在下で分散する方法、分散剤を一切使用せず機械的剪断力のみを用いて分散する方法、あるいはカチオン性化合物の存在下で分散する等、いずれも好ましく行う事が出来る。
また、シランカップリング剤存在下での分散も好ましく行う事が出来る。特に、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム基を有するシランカップリング剤を好ましく用いる事が出来る。
分散された気相法シリカの平均二次粒子径は500nm以下、好ましくは10〜300nm、更に好ましくは20〜200nmである。分散方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと水を主体とする分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。なお、本発明でいう平均二次粒子径とは、透過型電子顕微鏡による写真撮影で求めることが出来るが、簡易的にはレーザー散乱式の粒度分布計(例えば、堀場製作所製、LA910)を用いて、個数メジアン径として測定することが出来る。
本発明では、平均二次粒子径500nm以下に粉砕した湿式法シリカも好ましく使用できる。ここで用いられる湿式法シリカとしては沈降法シリカあるいはゲル法シリカが好ましく、特に沈降法シリカが好ましい。本発明に用いられる湿式法シリカ粒子としては、平均一次粒子径50nm以下、好ましくは3〜40nmであり、かつ平均凝集粒子径が5〜50μmである湿式法シリカ粒子が好ましい。
粉砕方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用され、この際、分散液の初期粘度上昇が抑制され、高濃度分散が可能となり、粉砕・分散効率が上昇してより微粒子に粉砕することができることから、平均凝集粒子径5μm以上の沈降法シリカを使用することが好ましい。高濃度分散液を使用することによって、生産性も向上する。
湿式法シリカの分散にあたっては、公知の種々の方法を用いる事が出来、例えば特開2005−1117号公報に記載されているが如くアルカリ性化合物の存在下で分散する方法、分散剤を一切使用せず機械的剪断力のみを用いて分散する方法、あるいはカチオン性化合物の存在下で分散する方法、シランカップリング剤を用いる方法等、いずれも好ましく用いることが出来る。
分散された湿式法シリカの平均二次粒子径500nm以下、好ましくは10〜300nm、透明性の観点から更に好ましくは20〜200nmである。分散方法としては、水を主体とする分散媒中にシリカ粒子とカチオン性化合物を混合し、のこぎり歯状ブレード型分散機、プロペラ羽根型分散機、またはローターステーター型分散機等の分散装置の少なくとも1つを用いて予備分散液を得る。必要であれば水分散媒中に適度の低沸点溶剤等を添加してもよい。シリカ予備分散液の固形分濃度は高い方が好ましいが、あまり高濃度になると分散不可能となるため、好ましい範囲としては15〜40質量%、より好ましくは20〜35質量%である。次に、シリカ予備分散液をより強い剪断力を持つ機械的手段にかけてシリカ粒子を粉砕し、平均二次粒子径が500nm以下の湿式法シリカ微粒子分散液が得られる。機械的手段としては公知の方法が採用でき、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機及び薄膜旋回型分散機等を使用することができる。
上記気相法シリカ及び湿式法シリカの分散に使用するカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーを好ましく使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号、同昭59−33176号、同昭59−33177号、同昭59−155088号、同昭60−11389号、同昭60−49990号、同昭60−83882号、同昭60−109894号、同昭62−198493号、同昭63−49478号、同昭63−115780号、同昭63−280681号、同平1−40371号、同平6−234268号、同平7−125411号、同平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性および分散液粘度の面で、これらのカチオン性ポリマーの質量平均分子量は2,000〜10万程度が好ましく、特に2,000〜3万程度が好ましい。
本発明に使用するアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で平均二次粒子径を500nm以下、好ましくは20〜300nm程度まで粉砕することが好ましい。
本発明のアルミナ水和物はAl23・nH2O(n=1〜3)の構成式で表される。nが1の場合がベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1より大きく3未満の場合が擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表す。アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。アルミナ水和物の平均二次粒子径は500nm以下、好ましくは20〜300nmである事が好ましい。
本発明に用いられる上記のアルミナ、及びアルミナ水和物は、酢酸、乳酸、ぎ酸、硝酸等の公知の分散剤によって分散された分散液の形態から使用される。
本発明において、多孔質層による下塗層を構成する無機微粒子とともに用いられる樹脂バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、酸性ゼラチン、大豆蛋白、シリル変性ポリビニルアルコールなど;無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体、アクリル酸およびメタクリル酸の重合体または共重合体などのアクリル系重合体ラテックス;エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス;あるいはこれらの各種重合体のカルボキシル基などの官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂系などの水性接着剤;ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂などの合成樹脂系接着剤等を単独であるいは混合して用いることができる。この他、公知の天然、あるいは合成樹脂バインダーを単独であるいは混合して用いることは特に限定されない。
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。平均重合度200〜5000のものが好ましい。
これら無機微粒子あるいは有機微粒子に対する樹脂バインダーの含有量は特に限定されないが、無機微粒子を用い多孔質層を形成するためには、樹脂バインダーの含有量は、無機微粒子に対しては3〜80質量%の範囲が好ましく、より好ましくは5〜60質量%の範囲であり、特に好ましくは10〜40質量%の範囲である。有機微粒子においては、有機微粒子同士の結着により多孔質層を形成する事も可能であるため、樹脂バインダーの含有量についての下限は無く、0〜80質量%の範囲が好ましく、より好ましくは0〜60質量%の範囲であり、特に好ましくは0〜40質量%の範囲である。
本発明は、多孔質層による下塗層を構成する上記樹脂バインダーと共に必要に応じ硬膜剤を用いることもできる。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ホウ砂、ホウ酸、ホウ酸塩類の如き無機架橋剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。硬膜剤の使用量は特に限定されないが、樹脂バインダーに対して、50質量%以下が好ましく、より好ましくは40質量%以下であり、特に好ましくは30質量%以下である。
親水性バインダーとしてケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したポリビニルアルコールを用いる場合には、ホウ砂、ホウ酸、ホウ酸塩類が好ましく、ホウ酸が特に好ましく、使用量はポリビニルアルコールに対し、40質量%以下が好ましく、より好ましくは30質量%以下であり、特に好ましくは20質量%以下である。
また、多孔質層による下塗層を構成する親水性のバインダーとしてケト基を有する樹脂バインダーを用いる事も出来る。ケト基を有する樹脂バインダーは、ケト基を有するモノマーと他のモノマーを共重合する方法等によって合成することができる。ケト基を有するモノマーの具体例としては、アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリレート、アセトアセトキシエチルメタクレート、4−ビニルアセトアセトアニリド、アセトアセチルアリルアミド等が挙げられる。また、ポリマー反応でケト基を導入してもよく、例えばヒドロキシ基やアミノ基とジケテンとの反応等によってアセトアセチル基を導入することができる。ケト基を有する樹脂バインダーの具体例としては、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性セルロース誘導体、アセトアセチル変性澱粉、ジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール、特開平10−157283号公報に記載の樹脂バインダー等が挙げられる。本発明では、特にケト基を有する変性ポリビニルアルコールが好ましい。ケト基を有する変性ポリビニルアルコールとしては、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
アセトアセチル変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールとジケテンの反応等の公知の方法によって製造することができる。アセトアセチル化度は0.1〜20モル%が好ましく、更に1〜15モル%が好ましい。ケン化度は80モル%以上が好ましく、更に85モル%以上が好ましい。重合度としては、500〜5000のものが好ましく、特に2000〜4500のものが更に好ましい。
ジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコールは、ジアセトンアクリルアミド−酢酸ビニル共重合体をケン化する等公知の方法によって製造することができる。ジアセトンアクリルアミド単位の含有量としては、0.1〜15モル%の範囲が好ましく、更に0.5〜10モル%の範囲が好ましい。ケン化度としては85モル%以上、重合度としては500〜5000のものが好ましい。
本発明において、多孔質層による下塗層に含有されるケト基を有する樹脂バインダーは、その架橋剤で架橋される事が好ましい。かかる架橋剤としてはポリヒドラジド化合物、及び多価金属塩が好ましい。ポリヒドラジド化合物の中でも特にジヒドラジド化合物が好ましく、更にアジピン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジドが好ましい。多価金属塩としては、特にジルコニウム塩が好ましく、更に、オキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウムが好ましい。
本発明において、多孔質層による下塗層に含まれる樹脂バインダーとして、紫外線あるいは電子線で硬化する樹脂を用いることも好ましい。特に、多孔質層を基材上に部分的に形成する場合には、塗布直後に紫外線あるいは電子線を照射することにより、多孔質層を固定化出来るため好ましい。
本発明で用いられる紫外線硬化樹脂として、エチレン性不飽和結合を有する化合物が挙げられるが、具体的には以下の化合物が挙げられる。
(1)脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族の多価アルコール及びポリアルキレングリコールのポリ(メタ)アクリレート
(2)脂肪族、脂環族、芳香族、芳香脂肪族の多価アルコールにアルキレンオキサイドを付加させた多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート
(3)ポリエステルポリ(メタ)アクリレート
(4)ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート
(5)エポキシポリ(メタ)アクリレート
(6)ポリアミドポリ(メタ)アクリレート
(7)ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸エステル
(8)(メタ)アクリロイルオキシ基を側鎖、または末端に有するビニル系またはジエン系化合物
(9)単官能(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイル化合物
(10)エチレン性不飽和結合を有するシアノ化合物
(11)エチレン性不飽和結合を有するモノあるいはポリカルボン酸、およびそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩など
(12)エチレン性不飽和(メタ)アクリルアミドまたはアルキル置換(メタ)アクリルアミドおよびその多量体
(13)ビニルラクタムおよびポリビニルラクタム化合物
(14)エチレン性不飽和結合を有するポリエーテルおよびそのエステル
(15)エチレン性不飽和結合を有するアルコールのエステル
(16)エチレン性不飽和結合を有するポリアルコールおよびそのエステル
(17)スチレン、ジビニルベンゼンなど1個以上のエチレン性不飽和結合を有する芳香族化合物
(18)(メタ)アクリロイルオキシ基を側鎖、または末端に有するポリオルガノシロキサン系化合物
(19)エチレン性不飽和結合を有するシリコーン化合物
(20)上記(1)〜(19)記載の化合物の多量体あるいはオリゴエステル(メタ)アクリレート変性物
これらの樹脂は、単独で使用できるし、他の樹脂と混合して使うことができる。また、無溶剤で塗布することもできるし、溶媒で希釈して塗布することもできるし、エマルジョン状態で塗布、乾燥、硬化して用いることもできる。なかでも前記(4)で示したウレタンアクリレート系樹脂は比較的分子量が大きいことで乾燥収縮が小さく、基材の反り等を発生させるおそれが少ないことから本発明においては好適である。
本発明では、水中で分散・粉砕された無機微粒子との親和性を得るため、水溶性の紫外線硬化樹脂を用いることが好ましい。近年では、作業環境への配慮から無溶剤の水系タイプが各メーカーから上市されている。例えば、荒川化学工業(株)からビームセットシリーズが、新中村化学工業(株)からNKオリゴシリーズ等が市販されている。
本発明において使用される光重合開始剤としては、ジおよびトリクロロアセトフェノンのようなアセトフェノン類、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類、アゾ化合物、各種銀塩等があり、光重合開始剤の使用量は、紫外線硬化樹脂に対して、固形分で通常0.1〜10%の範囲である。また、光重合開始剤にハイドロキノンのような貯蔵安定剤が使用される場合もある。
また、電子線の照射によっても紫外線硬化樹脂を硬化することもできる。電子線加速器としては、例えば、エレクトロカーテンシステム、スキャンニングタイプ、ダブルスキャンニングタイプ等の何れでも良く、あるいは近年実用化されている、例えば3μm程度のシリコン箔を窓に用いて、比較的低エネルギー例えば加速電圧100KV以下の電子線を低損失で取り出せる超小型の電子線照射装置、例えばアメリカンインターナショナルテクノロジー社からMin−EBとして市販されている装置を用いる事も、多孔質層形成部分以外に電子線によるダメージを与えないという観点から非常に好ましく使用できる。
これら、紫外線あるいは電子線で硬化する樹脂バインダーの含有量は、微粒子に対して5〜80質量%の範囲が好ましく、特に10〜60質量%の範囲が好ましい。
多孔質層の層厚(乾燥時)は、一般に1〜100μmが好ましく、5〜70μmがより好ましく、10〜50μmが特に好ましい。
下塗層には必要に応じ、防腐剤、界面活性剤、着色染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、粘度安定剤、pH調節剤などを添加することもできる。
下塗層は、2層以上から構成されていてもよく、この場合、それらの下塗層の構成はお互いに同じであっても異なっていても良く、例えば樹脂による下塗層の下(より基材側)に、多孔質層による下塗層が形成されていてもよい。
下塗層は、1種類以上の上記材料を適当な溶媒に溶解または分散させて塗布液を調製し、該塗布液をカーテン方式、エクストルージョン方式、スロットダイ方式、グラビアロール方式、スプレー方式、エアナイフ方式、ブレードコーティング方式、ロッドバーコーティング方式、スピンコート方式等による塗布、凸版印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット方式等によるパターンの形成等、公知の各種塗布方法を利用して、基材表面の全面、あるいは必要とされる部位への選択的な塗布を行い、形成することができる。
本発明に用いるイオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物を下塗層に含有させることも本発明の好ましい様態の1つである。イオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物を用い下塗層の塗布液に配合しても良く、下塗層を形成した後、ディップ法等による浸漬や上記各種塗布装置による塗布を行っても良い。
また、基材と導電性部材の接着性を改善するために、基材に直接コロナ処理、プラズマ処理などを行っていても良く、前記下塗層を形成した後にこれらの処理を行っても良い。
本発明による導電性発現方法を利用した導電性部材を形成する装置としては、例えばディスペンサーによる凹部への充填・凸部の形成・パターンの形成、サーマルあるいはピエゾ、マイクロポンプ、静電気などにより液滴を飛翔させる機構を持つインクジェット方式による凹部への充填・凸部の形成・パターンの形成、凸版印刷、フレキソ印刷、平版印刷、凹版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷によるパターンの形成、グラビアロール方式、スロットダイ方式、スピンコート方式等による塗層の形成、間欠塗工ダイコーター等による部分的な塗層形成など、公知の様々な方法により、所望の形状に塗布される。また、所望の厚みになるように塗布は複数回に分けて行うことも出来る。
金属超微粒子にイオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物を作用をさせる行程として例えば以下の様な方法を示すことが出来る。
1.基材上に、イオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物そのもの、あるいはこれが含まれている層を事前に全面あるいは必要な部位に形成しておき、その上に金属コロイド溶液を用い所望の形状を作製する方法。
2.基材上に金属コロイド溶液を用い所望の形状を作製した後、その上にイオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物を含む溶液を(例えばインクジェット方式やディスペンサー方式などにより)塗布あるいは浸漬する方法。
3.基材上に金属コロイド溶液を用い所望の形状を作製した後、イオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物を溶解または分散させた溶液が霧状に存在する環境下に放置する方法。
4.基材上に金属コロイド溶液と、イオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物を含む溶液を直前に混合し、所望の形状を作製する方法。
5.水を含まない無極性有機溶媒中に、金属超微粒子とイオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物とを共に分散し、所望の形状を作製し、有機溶媒を揮散あるいは吸収させる方法。
1から5の方法により形成された部材の導電性を高めるために、さらに水分を供給することも好ましい。水分の供給には、例えばインクジェット方式による水滴の付与やスプレーノズルにより霧状水の噴霧を行う方法もあるが、湿度による方法も好ましく用いることが出来る。
例えば、基材温度を周囲温度よりも下げることにより、基材表面に水分を多く存在させることが出来る。結露させてもよいが、結露させない程度であることがより好ましい。基材表面の温度コントロールは行わず、単純に周辺雰囲気の湿度を高くしても良い。この場合、温度は10℃から80℃が好ましく、重量絶対湿度Hとして0.01kg/kgD.A.以上あることが好ましい。
導電性部材を形成した後、イオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物を洗浄により除去することも好ましい。また、導電性部材を封止する樹脂成分(例えば前述の下塗層に用いる成分)を含んだ塗液を導電性部材が形成されている基材の全面あるいは必要な部分に(例えばインクジェット方式やディスペンサー方式などにより)塗布を行い、作製された導電性部材を保護することも好しく行う事が出来る。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。なお、部及び%は、質量部及び質量%を示す。
《実施例1》
<水系銀コロイド液1の作製>
デキストリン3.5gをイオン交換水31.5gに溶解した水溶液と、硝酸銀8.5gをイオン交換水41.5gに溶解した水溶液とを混ぜ合わせ、攪拌しながら2規定の水酸化ナトリウム水溶液38gを1分かけゆっくりと滴下した。1時間後、攪拌を停止し、12時間放置した。その後、デカンテーションを行い、得られた沈殿物25gにイオン交換水25gを加え、再分散を行った後、遠心分離を行い、固形沈殿物を得た。この固形沈殿物に7gのイオン交換水を添加し、固形分38%、比重1.4の銀コロイド液を得た。
得られた銀コロイド液に濃硝酸を加え、硝酸銀にした後、沃化カリウム水溶液を用いて滴定を行い、銀濃度を求めた。求められた銀濃度は32%であり、固形分38%との差分に相当する6%は銀以外の分散剤等の含有量に相当する。また電子顕微鏡にて観察した結果、銀超微粒子の粒径は約20nmであった。
<水系銀コロイド液2の作製>
硫酸第一鉄七水和物43gをイオン交換水100gに溶解した水溶液と、クエン酸ナトリウム二水和物66gをイオン交換水100gに溶解した水溶液を混合し、5規定の水酸化ナトリウム水溶液でpHを6に調整した。攪拌を行いながら、硝酸銀11gをイオン交換水100gに溶解した水溶液を徐々に添加し、クエン酸鉄を保護コロイドとして持つ銀超微粒子を含む金属コロイド水溶液を得た。この金属コロイド水溶液を一晩放置し、デカンテーションを行った後、1規定の硝酸アンモニウム水溶液を300g添加し、デカンテーションを3回実施し、過剰の塩類を除去した後、遠心分離を行い、固形沈殿物を得た。この固形沈殿物に5gのイオン交換水を添加し、固形分55%、比重1.7の銀コロイド液を得た。
得られた銀コロイド液に濃硝酸を加え、硝酸銀にした後、沃化カリウム水溶液を用いて滴定を行い、銀濃度を求めた。求められた銀濃度は45%であり、固形分55%との差分に相当する10%は銀以外の分散剤等の含有量に相当する。また電子顕微鏡にて観察した結果、銀超微粒子の粒径は約10nmであった。
<水系銀コロイド液3の作製>
硫酸第一鉄七水和物43gをイオン交換水100gに溶解した水溶液と、クエン酸ナトリウム二水和物66gをイオン交換水100gに溶解した水溶液を混合し、5規定の水酸化ナトリウム水溶液でpHを6に調整した。攪拌を行いながら、硝酸銀10.5gと硝酸パラジウム0.68gをイオン交換水100gに溶解した水溶液を徐々に添加し、クエン酸鉄を保護コロイドとして持つ銀パラジウム超微粒子を含む金属コロイド水溶液を得た。この金属コロイド水溶液を一晩放置し、デカンテーションを行った後、1規定の硝酸アンモニウム水溶液を300g添加し、デカンテーションを3回実施し、過剰の塩類を除去した後、遠心分離を行い、固形沈殿物を得た。この固形沈殿物に5gのイオン交換水を添加し、固形分52%、比重1.6の銀コロイド液を得た。
得られた銀コロイド液に濃硝酸を加え、硝酸銀にした後、沃化カリウム水溶液を用いて滴定を行い、銀濃度を求めた。求められた銀濃度は41%であった。更に、蛍光X線分析装置(理学電機工業株式会社製RIX1000)を用いパラジウムの濃度を測定すると2%の結果を得た。双方を合計すると43%であり、固形分52%との差分に相当する9%は銀、パラジウム以外の分散剤等の含有量に相当する。また電子顕微鏡にて観察した結果、銀パラジウム超微粒子の粒径は約10nmであった。
<基材1の作製>
カウンターイオンに塩素イオンを持つポリアミン樹脂として、ポリフィックス601(昭和高分子株式会社製)を用い、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)上に乾燥膜厚が2μmとなるように、塗布・乾燥した。
<基材2の作製>
カウンターイオンに塩素イオンを持つジアリルジメチルアンモニウムクロライド−重合物として、PAS−H−1L(日東紡製)を用い、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)上に乾燥膜厚が2μmとなるように、塗布・乾燥した。
<基材3の作製>
カウンターイオンに塩素イオンを持つ、ポリアリルアミン系ポリマーとして、PAA−HCL−3L(日東紡製)を用い、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)上に乾燥膜厚が2μmとなるように、塗布・乾燥した。
<基材4の作製>
カウンターイオンに水酸基を持つポリアリルアミン系ポリマーとして、PAA−10C(日東紡製)を用い、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)上に乾燥膜厚が2μmとなるように、塗布・乾燥した。
<基材5の作製>
ポリビニルアルコールPVA405(クラレ株式会社製)10gをイオン交換水90gに溶解した。これにカウンターイオンに塩素イオンを持つポリ水酸化アルミニウムとしてピュラケムWT(株式会社理研グリーン製)を4g添加した後、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)上に乾燥膜厚が5μmとなるように、塗布・乾燥した。
<基材6の作製>
ポリビニルアルコールPVA405(クラレ株式会社製)10gをイオン交換水90gに溶解した。これに塩化ナトリウムを2g添加した後、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)上に乾燥膜厚が5μmとなるように、塗布・乾燥した。
<基材7の作製>
ポリビニルアルコールPVA405(クラレ株式会社製)10gをイオン交換水90gに溶解した。これに臭化ナトリウムを2g添加した後、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)上に乾燥膜厚が5μmとなるように、塗布・乾燥した。
<基材8の作製>
ポリビニルアルコールPVA405(クラレ株式会社製)10gをイオン交換水90gに溶解した。これに塩化アンモニウムを2g添加した後、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)上に乾燥膜厚が5μmとなるように、塗布・乾燥した。
<基材9の作製>
ポリビニルアルコールPVA405(クラレ株式会社製)10gをイオン交換水90gに溶解し、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)上に乾燥膜厚が5μmとなるように、塗布・乾燥した。
<基材10の作製>
ポリビニルアルコールPVA405(クラレ株式会社製)10gをイオン交換水90gに溶解し、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)上に乾燥膜厚が15μmとなるように、塗布・乾燥した。
<基材11の作製>
ポリビニルアルコールPVA−117(クラレ株式会社製)10gをイオン交換水90gに溶解し、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)上に乾燥膜厚が15μmとなるように、塗布・乾燥した。
<塩化ナトリウム塗液1の作製>
純水を用い塩化ナトリウムの5%水溶液を作製し、これに0.1%のアルキレングリコール系ノニオン性界面活性剤を加え、塩化ナトリウム塗液1とした。
<基材12の作製>
基材10上に塩化ナトリウム塗液1を#6のワイヤーバーを用いて塗布を行った。塗布された塩化ナトリウム量は、0.6g/m2であった。
<基材13の作製>
アルカリ処理ゼラチン(新田ゼラチン株式会社製)3g、ポリビニルピロリドンPVP−K90(ISP社製)4g、硬膜剤としてエポキシ系架橋剤デナコールEX−521(ナガセケムテックス株式会社製)0.3gをイオン交換水90gに溶解し、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)上に乾燥膜厚が15μmとなるように、塗布・乾燥した。
<基材14の作製>
基材13上に塩化ナトリウム塗液1を#6のワイヤーバーを用いて塗布を行った。塗布された塩化ナトリウム量は、0.6g/m2であった。
<基材15の作製>
水に沈降法シリカ(吸油量200ml/100g、平均一次粒径16nm、平均二次粒径9μm)を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液を作製した。次に得られた予備分散物をビーズミル(0.3mmφジルコニアビーズ使用)で処理して、固形分濃度30質量%の無機微粒子分散液1を得た。分散されたシリカの平均二次粒子径は250nmであった。
上記無機微粒子分散液1と他の薬品を50℃で混合して下記組成の多孔質層形成塗液1を作製した。
<多孔質層形成塗液1>
無機微粒子分散液1 (シリカ固形分として) 100g
ポリビニルアルコール 16g
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ホウ酸 3g
ノニオン性界面活性剤 0.3g
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
固形分濃度は12%になるように水で調整した。
多孔質層形成塗液1を、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)上に無機微粒子として平米あたり20gとなるように、塗布・乾燥した。
<基材16の作製>
多孔質層形成塗液1にカウンターイオンに塩素イオンを持つポリアミン樹脂として、ポリフィックス601(昭和高分子株式会社製)を固形分換算で4g添加し、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社 製)上に無機微粒子として平米あたり20gとなるように、塗布・乾燥した。
<基材17の作製>
基材15上に塩化ナトリウム塗液1を#6のワイヤーバーを用いて塗布を行った。塗布された塩化ナトリウム量は、0.7g/m2であった。
<基材18の作製>
水に無機微粒子として気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、比表面積300m2/g)を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液を作製した。次に得られた予備分散物をビーズミル(0.3mmφジルコニアビーズ使用)で処理して、固形分濃度10質量%の無機微粒子分散液2を得た。平均二次粒子径は120nmであった。
上記無機微粒子分散液2を用い下記組成の多孔質層形成塗液2を作製した。
<多孔質層形成塗液2>
無機微粒子分散液2 (シリカ固形分として)100g
ポリビニルアルコール 25g
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ホウ酸 4g
ノニオン性界面活性剤 0.3g
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
固形分濃度は8%になるように水で調整した。
多孔質層形成塗液2を易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)上に無機微粒子として平米あたり20gとなるように、塗布・乾燥した。
<基材19の作製>
基材18上に、共有結合により分子内にハロゲンを持つ化合物として、ムコクロル酸をエタノールに5%溶解し、これを#6のワイヤーバーを用いて塗布を行った。塗布されたムコクロル酸量は、0.6g/m2であった。
<基材20の作製>
基材18上に、共有結合により分子内にハロゲンを持つ化合物として、5−クロロベンゾトリアゾールをエタノールに5%溶解し、これを#6のワイヤーバーを用いて塗布を行った。塗布された5−クロロベンゾトリアゾール量は、0.6g/m2であった。
<基材21の作製>
多孔質層形成塗液2にカウンターイオンに塩素イオンを持つポリ水酸化アルミニウムとして、ピュラケムWT(株式会社理研グリーン製)を4g添加し、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)上に無機微粒子として平米あたり20gとなるように、塗布・乾燥した。
<基材22の作製>
基材18上に塩化ナトリウム塗液1を#6のワイヤーバーを用いて塗布を行った。塗布された塩化ナトリウム量は、0.7g/m2であった。
<基材23の作製>
水に、カウンターイオンに塩素イオンを持つジアリルジメチルアンモニウムクロライド−重合物として、シャロールDC902P(第一工業製薬株式会社製)8部と、無機微粒子として気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、比表面積300m2/g)100部を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液を作製した。次に得られた予備分散物を高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度20質量%の無機微粒子分散液3を製造した。平均二次粒子径は130nmであった。
上記無機微粒子分散液3を用い下記組成の多孔質層形成塗液3を作製した。
<多孔質層形成塗液3>
無機微粒子分散液3 (シリカ固形分として)100g
ポリビニルアルコール 25g
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ホウ酸 4g
ノニオン性界面活性剤 0.3g
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
固形分濃度は13%になるように水で調整した。
多孔質層形成塗液3を易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)上に無機微粒子として平米あたり10gとなるように、塗布・乾燥した。
<基材24の作製>
多孔質層形成塗液3を易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)上に無機微粒子として平米あたり20gとなるように、塗布・乾燥した。
<基材25の作製>
上記無機微粒子分散液3を用い下記組成の多孔質層形成塗液4を作製した。多孔質層形成塗液4を下層、下記組成の架橋剤含有塗布液1を上層にしてスライドビード塗布装置にて易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)上に無機微粒子として平米あたり35g、アジピン酸ジヒドラジドとして平米あたり0.8gとなるように、同時重層塗布・乾燥を行った。
<多孔質層形成塗液4>
無機微粒子分散液3 (シリカ固形分として)1000g
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール 230g
(アセトアセチル化度3%、ケン化度98%、平均重合度2350)
ノニオン性界面活性剤 3g
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
固形分濃度が12%になるように水で調整した。
<架橋剤含有塗布液1>
アジピン酸ジヒドラジド 1000g
ノニオン性界面活性剤 20g
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
水にて全量を20000gとした。
<基材26の作製>
上記無機微粒子分散液3を用い下記組成の多孔質層形成塗液5を作製した。
<多孔質層形成塗液5>
無機微粒子分散液3 (シリカ固形分として)100g
ウレタンアクリレート系樹脂 60g
(新中村化学工業(株)製NKオリゴUA−7100)
光重合開始剤 1g
(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン)
固形分濃度が40%になるように水で調整した。
多孔質層形成塗液5を易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社 製)上に無機微粒子として平米あたり20gとなるように塗布し、照射エネルギー80W/cmの紫外線ランプ下を9m/分の搬送速度で通して硬化させ、乾燥した。
<基材27の作製>
下記多孔質形成塗液6を用い、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社 製)上に無機微粒子として平米あたり20gとなるように、塗布・乾燥した。多孔質形成塗液6に用いた湿式シリカは所謂ゲル法シリカと言われるタイプであり、平均一次粒子径は100nm以下だが、一次粒子は強固に相互決着しており、平均二次粒径が6μmとなっている。無機微粒子分散液1の様にビーズミルを用いた破砕分散処理を行わず、単純な混合を行っているため、多孔質層形成塗液6中における平均二次粒径は6μmであった。
<多孔質層形成塗液6>
湿式シリカ 100g
(水澤化学工業(株)製ミズカシルP78A、平均二次粒径6μm)
ポリビニルアルコール 50g
(ケン化度98%、平均重合度1700)
ノニオン性界面活性剤 0.3g
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
固形分濃度が15%になるように水で調整した。
<基材28の作製>
基材27上に塩化ナトリウム塗液1を#6のワイヤーバーを用いて塗布を行った。塗布された塩化ナトリウム量は、0.7g/m2であった。
<基材29の作製>
水に硝酸(2.5部)とアルミナ水和物(平均一次粒子径15nm)を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機を用いて、固形分濃度30質量%の無機微粒子分散液4を得た。平均二次粒子径は160nmであった。
上記無機微粒子分散液4を用い、下記組成の多孔質層形成塗液7を作製した。
<多孔質層形成塗液7>
無機微粒子分散液4 (アルミナ水和物固形分として)100g
ポリビニルアルコール 12g
(ケン化度88%、平均重合度3500)
ホウ酸 0.5g
ノニオン性界面活性剤 0.3g
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
固形分濃度が16%になるように水で調整した。
多孔質層形成塗液7を易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)上に無機微粒子として平米あたり20gとなるように、塗布・乾燥した。
<基材30の作製>
基材29上に塩化ナトリウム塗液1を#6のワイヤーバーを用いて塗布を行った。塗布された塩化ナトリウム量は、0.7g/m2であった。
<基材31の作製>
下記多孔質形成塗液8を用い、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)上に有機微粒子として平米あたり20gとなるように、塗布・乾燥した。多孔質形成塗液8に用いた有機微粒子は、ガラス転移点が75℃であるため、塗液作製、塗布、乾燥は温度が30℃を超えない様にし、多孔質層形成を阻害しない様にした。
<多孔質層形成塗液8>
スチレン−アクリル樹脂 100g
(平均一次粒子径70nm、ガラス転移温度75℃、最低造膜温度80℃、濃度30質量%)
ポリビニルアルコール 8g
(ケン化度98%、平均重合度1700)
ノニオン性界面活性剤 0.3g
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
固形分濃度が25%になるように水で調整した。
<基材32の作製>
基材31上に塩化ナトリウム塗液1を#6のワイヤーバーを用いて塗布を行った。塗布された塩化ナトリウム量は、0.7g/m2であった。
<導電性部材の形成1>
基材1から32に各種金属コロイド溶液を用い、#6のワイヤーバーを用いて塗布を行った後、基材上に形成された金属薄膜を基材ごと80mm×50mmに裁断し、これを導電性部材とした。使用した金属コロイド溶液は、金属コロイド1として前記水系銀コロイド液1、金属コロイド2として前記水系銀コロイド液2、金属コロイド3として前記水系銀コロイド液3、金属コロイド4として水系銀ナノインク・住友電気工業株式会社製AGIN−W4A(銀超微粒子の粒径約15nm)、金属コロイド5として水系銀・銅複合ナノインク・CimaNanoTech製IJ241−4(銀100部に対し2部の銅を含有した金属超微粒子を有する。粒径約50nm)、金属コロイド6として有機溶剤系銀ナノインク・アルバックマテリアル株式会社製AG1TeH(銀超微粒子の粒径約10nm)を用いた。金属コロイドの塗布は15℃27%Rh(重量絶対湿度H=0.0029kg/kgD.A.)で行った。水系の金属コロイド1から5は、15℃27%の環境下で乾燥させ、有機溶剤系の金属コロイド6で作製したパターンについては、含まれている高沸点溶媒(n−テトラデカン)をある程度揮散させるため、100℃(相対湿度1%Rh以下)にて乾燥を行った。
得られた各導電性部材について以下の評価を行い、その結果を表1に示した。
<導電性>
各導電性部材について、蛍光X線分析装置(理学電機工業株式会社製RIX1000)を用い、平米あたりの銀量を測定した。23℃50%Rh環境下にて、各導電性部材のシート抵抗値を測定器(株式会社ダイアインスツルメンツ製ロレスターGP)を用いて測定した。各種金属薄膜について、得られた平米あたりの銀量より、理論的なシート抵抗値を算出し、実際に測定されたシート抵抗値との比較を行った。理論的なシート抵抗値算出について例示すると、例えば金属コロイド1を基材24に塗布したサンプルにおいて、蛍光X線分析装置にて測定された平米あたりの銀量は4.7gであり、計算される厚みは比重の10.5で除して4.48×10-5cmとなる。シート抵抗値は銀の体積抵抗値1.59×10-6Ω・cmをこの厚みで除して得られ、その値は0.0355Ω/□と算出される。金属コロイド3および金属コロイド5については、パラジウムあるいは銅が含まれているが2%程度と微量であるため、本評価においては蛍光X線分析装置で測定された銀量のみにて、シート抵抗値を算出した。
この理論的なシート抵抗値に対し、以下の基準に従って評価した。
○:理論的なシート抵抗値の10倍未満
△:理論的なシート抵抗値の10倍以上10000倍未満
×:理論的なシート抵抗値の10000倍以上
−:導電性なし
例えば、金属コロイド1を基材24に塗布したサンプルにおいて、測定されたシート抵抗値が、0.355Ω未満であれば○、0.355Ω以上355Ω未満であれば△、355Ω以上であれば×、オーバーレンジ表示となり測定不能であれば−の評価となる。
Figure 2008004375
表1の結果から明らかなように、本発明の基材は還元剤にデキストリンを用いた金属コロイド1で良好な導電性を示す。金属コロイド5は粒径が50nm以上と大きいためか、抵抗値が高いものであり、さらに金属コロイド6は導電性を示さなかった。下塗層の厚みが厚いほど良好な導電性を示し、特に多孔質層を形成してある場合に良好な導電性を示す。基材3と4の比較よりカチオン性のポリマーであっても、塩素イオンを持たないポリマーでは導電性が発現しないことが判る。イオン結合により分子内にハロゲンを持つ化合物を基材中に持たない比較例および、共有結合により分子内にハロゲンを持つ化合物を基材中に持つ比較例(基材19および基材20)では、全く導電性を示さない。
《実施例2》
実施例1の導電性部材を50℃80%Rh(重量絶対湿度H=0.067kg/kgD.A.)の高湿条件下にて1時間放置した。その後23℃50%Rh条件下でシート抵抗値を実施例1と同様に測定した結果を表2に示す。
Figure 2008004375
表2の結果から明らかなように、本発明の基材において高湿条件下に放置することにより導電性が大きく向上する。イオン結合により分子内にハロゲンを持つ化合物を基材中に持たない比較例および、共有結合により分子内にハロゲンを持つ化合物を基材中に持つ比較例(基材19および基材20)では、全く導電性を示さない。
《実施例3》
金属コロイド6を用い、易接着処理がなされた厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製)上に、ディスペンサーを用い、長さ1cmの直線を描画した。100℃(相対湿度1%Rh以下)で乾燥させた後、描画された直線パターンの形状を(株)東京精密Surfcom1400A型を用い測定すると、平均厚み4μm、幅1mmであった。この直線パターンを以下の抵抗値評価方法に従い、抵抗値を測定したがオーバーレンジを表示し、導電性は観察されなかった。
直線パターンを以下の処理液1に30分間浸漬した後に以下の抵抗値評価方法に従い、抵抗値を測定した。更に50℃80%Rh条件下に12時間放置した後、再度抵抗値を測定した。
<処理液1> 5%塩化ナトリウム水溶液
同様に以下の処理液2から3にて同様の測定を行った。
<処理液2> 5%臭化ナトリウム水溶液
<処理液3> 5%シャロールDC902P(第一工業製薬株式会社製)水溶液
抵抗値の評価方法を以下に示す。
<抵抗値>
23℃50%Rh環境下にて、直線パターン両端間の抵抗値をテスター(三和電気計器株式会社製PC500型)で測定した。
Figure 2008004375
表3から明らかなように、処理液に浸漬していない未処理品においては、導電性を示さない。本発明の処理液1から3にて処理した直線パターンは高い導電性を示し、特に高湿条件下に放置したサンプルは極めて低い抵抗値を示すことが判る。
《実施例4》
下記の配合により金属コロイド4を希釈して作製した銀インク1を、市販の顔料インクを用いたインクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、StylusC82)のシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各カートリッジの顔料インクの代わりに充填した。
<銀インク1>
金属コロイド4 50cm3
イオン交換水 60cm3
実施例1で作製した基材15および17上に、80mm×50mmサイズの黒のみで構成されたパターンを印字した。印字設定は、用紙設定をGlossy Photo Paperとし、Best Photoモードに設定した。印字は、23℃50%Rhの環境で行った。
印字直後のシート抵抗値を実施例1と同様に測定し、さらに50℃80%Rh環境下に2分放置後、1時間放置後に各々シート抵抗値を測定した。その結果を表4に示す。蛍光X線分析装置にて測定された印字部分における平米あたりの銀量は2.02gであり、実施例1と同様に理論的なシート抵抗値を算出すると、0.083Ω/□となった。
Figure 2008004375
表4から明らかな様に、本発明である基材17を用いると、銀量から計算される理論的なシート抵抗値に対し、印字直後で7倍、50℃80%Rh環境下に2分放置すると3倍、50℃80%Rh環境下に1時間放置すると約2倍の極めて低い抵抗値まで低下する。ハロゲンを含まない基材15では導電性は一切示さない。同じ金属コロイド4を用いた実施例1の基材17では、銀量から計算される理論的なシート抵抗値の12倍の抵抗値を示したため、評価結果は△となったが、本試験では7倍とより低い抵抗値となっている。これは、銀インク1を作製する際に、金属コロイド4を希釈しているため、銀インク1が基材17上で乾燥するまでの時間が長くなり、そのため導電性部材形成後に水分を作用させた場合と同様な効果が生じていると考えられる。

Claims (4)

  1. 水及び/または有機溶媒中に金属コロイドとして分散されている金属超微粒子と、イオン結合により分子内にハロゲンを有する化合物とを作用させ、基材上にて導電性を得る事を特徴とする導電性発現方法。
  2. 該金属超微粒子が、主に銀からなる事を特徴とする請求項1記載の導電性発現方法。
  3. 該基材上に、無機微粒子と無機微粒子に対し80質量%以下のバインダーからなる多孔質層を有する事を特徴とする請求項1あるいは2記載の導電性発現方法。
  4. 請求項1から3いずれかに記載された導電性発現方法により導電性を発現させた導電性部材。
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