JPH11232939A - 透明導電体の製造方法およびそれを用いた透明導電性フイルム - Google Patents

透明導電体の製造方法およびそれを用いた透明導電性フイルム

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JPH11232939A
JPH11232939A JP2892198A JP2892198A JPH11232939A JP H11232939 A JPH11232939 A JP H11232939A JP 2892198 A JP2892198 A JP 2892198A JP 2892198 A JP2892198 A JP 2892198A JP H11232939 A JPH11232939 A JP H11232939A
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JP
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group
photoresist
conductive material
hydrophilic
transparent
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JP2892198A
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English (en)
Inventor
Yoshio Sakakibara
義夫 榊原
Yukio Shinagawa
幸雄 品川
Yasuo Kuraki
康雄 椋木
Taku Nakamura
卓 中村
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低温(200℃以下)で透明導電性体を任意のパタ
ーンで簡便に形成する方法を提供する。 【解決手段】透明基体上に、親水性または疎水性のフォ
トレジストのパターンを形成し、フォトレジストが親水
性のときは導電性素材を含む親水性液体を、フォトレジ
ストが疎水性のときは導電性素材を含む疎水性液体を用
い、フォトレジスト上に優先的に導電性素材を付与する
ことを特徴とする透明導電体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明導電体の製造方
法およびそれを用いた透明導電性フイルムに関する。特
に、簡便に透明導電体が得られる製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示素子、エレクトロルミネ
ッセンス素子などの表示素子類の電極や、CRT などの電
磁波シールド材料として可視光に対して透明な導電性材
料が使用されている。このような透明導電性材料として
は例えば酸化錫/酸化アンチモン系(ATO) や、酸化イン
ジウム/酸化錫系(ITO) などが知られている。これらの
金属酸化物はガラスやセラミック基板上に皮膜を形成
し、透明導電膜を与える。このような透明導電膜の形成
方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング
法、CVD 法、及び塗工法などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記方法において真空
蒸着法、スパッタリング法、CVD 法はその膜形成方法が
複雑でかつ、高価であるため、コストおよび生産面にお
いて問題がある。また、塗工法としてゾルゲル法が種々
提案されているがこれらの方法はまだ性能上不十分な点
が多い。一方、上記金属酸化物を任意のパターンで付与
する場合、いわゆるフォトリソグラフィーや印刷などの
手段が用いられることがあるが、前者は金属酸化物のエ
ッチングに強酸を用いなくてはならないなどという安全
衛生上の問題があり、また、後者は印刷精度の点から微
細パターンには不適であるという問題がある。
【0004】さらにより高い導電性を必要とするとき、
いわゆる銀ペーストを用いたり、電磁波シールド用には
繊維に金属メッキを施したメッシュ状の織物が用いられ
ることがあるが、前者は500℃以上の高温熱処理が必要
で、通常の樹脂フイルム支持体には不適であるし、また
後者は工程が特殊かつ複雑であったり、任意のパターン
が得られないという問題がある。従って、本発明の目的
は、低温(200℃以下)で透明導電性素材を任意のパター
ンで簡便に付与する方法を提供することである。また、
その方法を用いて透明導電性フィルムを提供することで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。 透明基体上に、親水性または疎水性のフォトレジスト
のパターンを形成し、フォトレジストが親水性のときは
導電性素材を含む親水性液体を、フォトレジストが疎水
性のときは導電性素材を含む疎水性液体を用い、フォト
レジスト上に優先的に導電性素材を付与することを特徴
とする透明導電体の製造方法。 上記導電性素材を付与したときの透過濃度の増加がフ
ォトレジスト上で1以上であり、フォトレジストの存在
しない部分で0.2以下であることを特徴とする前記
に記載の透明導電体の製造方法。 上記パターンが格子状であることを特徴とする前記
またはに記載の透明導電体の製造方法。
【0006】上記導電性素材が下記一般式(I)で表
される金属含有化合物を加熱して得られるものであるこ
とを特徴とする前記乃至に記載の透明導電体の製造
方法。 一般式(I) (R・(C≡C)n )k-(L)-(A)m (上記一般式(I)において、A はポリオキシエーテル
基、ポリアミノエーテル基、またはポリチオエーテル基
を表す。R は金属元素を表す。L は炭素―炭素三重結合
とA とを連結する化学結合もしくは(k+m) 価の基を表
す。k およびn は、それぞれ1 以上の整数である。また
m は0 以上の整数である。)
【0007】上記導電性素材が下記一般式(II)で表
される金属含有化合物を周期律表8族もしくは1B 族元
素の存在下に加熱して得られるものであることを特徴と
する前記乃至に記載の透明導電体の製造方法。 一般式(II) (R・(C≡C)n)k-(L)-(A)m (上記一般式(II)において、A はポリオキシエーテル
基、ポリアミノエーテル基、またはポリチオエーテル基
を表す。R は金属元素、水素原子、カルボキシル基また
はその塩、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、または
複素環基を表す。L は炭素―炭素三重結合とA とを連結
する化学結合もしくは(k+m) 価の基を表す。k およびn
は、それぞれ1 以上の整数である。またm は0 以上の整
数である。)
【0008】透明フィルム上に、親水性または疎水性
のフォトレジストのパターンを形成し、フォトレジスト
が親水性のときは親水性導電性素材を、フォトレジスト
が疎水性のときは疎水性の導電性素材を用い、フォトレ
ジスト上に優先的に導電性素材を付与して形成された透
明導電体であって、フォトレジストが存在しない部分も
導電性素材が存在し、その濃度が0.2以下である透明
導電性フィルム。
【0009】
【発明の実施の形態】次に発明の実施の形態を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。本発明において使用される
透明基体は実質的に透明なものであれば何でも良いが、
以下のような透明合成樹脂フイルムが用いられる。例え
ば、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹
脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、
ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ
アクリロニトリル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、フッ
素樹脂、シリコーン樹脂、セルロース系樹脂、ポリスル
ホン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ノルボルネ
ン樹脂などの熱可塑性樹脂、または熱硬化性樹脂、もし
くは光硬化性樹脂などである。具体的にはポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリアクリロニトリル、ポリアリレート、ポリ塩化
ビニル、セルローストリアセテート、セルロースジアセ
テート、ポリエーテルスルホン、ポリメチル(メタ)ア
クリレート、などが用いられる。これらの樹脂フイルム
の厚みは10μm 〜500 μm が好ましく、50μm 〜200 μ
m がさらに好ましい。
【0010】また、上記透明基体上にはフォトレジスト
がパターニングして付与される。フォトレジストとして
はいわゆるポジ型またはネガ型フォトレジストポリマー
が用いられる。これらのフォトレジストポリマーを上記
透明支持体上に均一に塗布し、乾燥した後フォトマスク
を介して紫外光を露光し、不要部をエッチングするとい
う通常のフォトエッチングを行い、パターニングする。
この場合、ポジレジストにはポジマスク、ネガレジスト
にはネガマスクを介して露光し、ポジ像が得られるのが
好ましい。親水性フォトレジストとは露光/現像後の水
の表面接触角で75度未満のもの、疎水性フォトレジス
トは水の接触角75度以上のものとする。フォトレジス
トの例はたとえば橋本貴夫著「図解フォトファブリケー
ション」(総合電子出版社)にあげられている。親水性
フォトレジストの例としてはキノンジアジド/ノボラッ
ク系などがあり、疎水性フォトレジストとしては環化ゴ
ム系などがある。厚みは0.01μm 〜10μm が好ましく、
0.1 μm 〜2 μm がさらに好ましい。またフォトレジス
トとしてドライフイルム状のものも使用できる。フォト
レジストポリマーと透明支持体の間にポリマー膜を塗設
しても良い。このポリマー膜は透明なポリマー膜なら何
でも良く、いわゆる下引き層などの、上記基体と易接着
性を示すポリマー膜でもよい。また、好ましくはフォト
レジストと極性の異なるポリマー膜がよい。例えばフォ
トレジストが親水性の場合、疎水性のポリマー膜が好ま
しい。上記ポリマー膜の厚みは0.001 μm 〜10μm が好
ましく、0.01μm 〜2 μm がさらに好ましい。
【0011】次に、付与する導電性素材について説明す
る。本発明に用いる導電性素材は導電性を有する物質で
あっても、加熱等の処理によって導電性を発揮する物質
であってもよい。導電性素材として、例えば特公平7−
53777に挙げられている化合物が用いられる。即
ち、下記一般式(I)で表される化合物であるが、加熱
することによって導電性を発揮する化合物が得られる。 一般式(I) (R・(C≡C)n)k-(L)-(A)m (上記一般式(I)において、A はポリオキシエーテル
基、ポリアミノエーテル基、またはポリチオエーテル基
を表す。R は金属元素を表す。L は炭素―炭素三重結合
とA とを連結する化学結合もしくは(k+m) 価の基を表
す。k およびn は、それぞれ1 以上の整数である。また
m は0 以上の整数である。)
【0012】また、下記一般式(II)で表される金属含
有化合物を周期律表8族もしくは1B 族元素の存在下に
加熱しても導電性を発揮する化合物が得られる。 一般式(II) (R・(C≡C)n)k-(L)-(A)m (上記一般式(II)において、A はポリオキシエーテル
基、ポリアミノエーテル基、またはポリチオエーテル基
を表す。R は金属元素、水素原子、カルボキシル基また
はその塩、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、または
複素環基を表す。L は炭素―炭素三重結合とA とを連結
する化学結合もしくは(k+m) 価の基を表す。k およびn
は、それぞれ1 以上の整数である。またm は0 以上の整
数である。)
【0013】一般式(I)および(II)について更に説
明する。一般式(I)、(II)における金属元素として
は水素を除く1A族(アルカリ金属)、1B族(銅
族)、2A族(アルカリ土類金属)、2B族(亜鉛
族)、ホウ素を除く3B族、炭素とケイ素を除く4B
族、8族(鉄族および白金族)、3A族、4A族、5A
族、6A族および7A族に属する元素とアンチモン、ビ
スマス、ポロニウムが含まれる。また一般式(II)で表
わされる化合物を用いるときに存在させる周期律表8族
元素としては、例えばニッケル、ルテニウム、ロジウ
ム、パラジウム、白金等が挙げられ、また1B族元素と
しては、銅、銀、金が挙げられる。なかでも一般式
(I)、(II)におけるRは銀原子であることが好まし
く、この場合銀原子と炭素−炭素三重結合との間の結合
はσ結合であってもπ結合であってもよい。特にπ結合
である場合は後に詳述するように銀鏡膜の形成が可能と
なる。
【0014】一般式(I)、(II)においてLは炭素−
炭素三重結合とAを連結する化学結合もしくは(K+m) 価
の基、例えば各々置換されていてもよいアルキレン基、
アリーレン基、アラルキレン基、ビニレン基、シクロア
ルキレン基、グルタロイル基、フタロイル基、ヒドラゾ
基、ウレイレン基、チオ基、カルボニル基、オキシ基、
イミノ基、スルフィニル基、スルホニル基、チオカルボ
ニル基、オキザリル基、アゾ基などを表わし、これらの
2種以上の組合せであってもよい。
【0015】また、AおよびLは、それぞれ、さらに、
水酸基、アミノ基、メルカプト基、スルフィノ基もしく
はその塩、スルホ基もしくはその塩、カルボキシル基も
しくはその塩、または重合性の基で置換されていてもよ
い。重合性の基としては、例えば、グリシジル基、ビニ
ル基、イソシアナート基等が挙げられる。
【0016】また、一般式(II)におけるRとしてのア
ルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニ
ル基、アリール基、アラルキル基および複素環基はそれ
ぞれ置換されていてもよい。k、nは1以上の整数であ
るが、kは1〜4、nは1〜2であることが好ましい。
またmは0以上の整数であるが、1〜3であることが好
ましい。上述のように、一般式(I)または(II)で表
わされる化合物は、その分子中に、ポリオキシエーテル
基、ポリアミノエーテル基およびポリチオエーテル基の
うち少なくとも一つを含むものである。特に、ポリオキ
シエーテル基を含むことが好ましい。このような基を有
するアセチレン化合物を用いることにより、この化合物
それ自体で、また「金属元素との混合物」として、有機
溶媒に対して高い溶解性を示すので、均一な膜や繊維の
形態をした金属含有重合体を容易に得ることができる。
以下に好ましい具体的モノマーを挙げるが、これらに限
定されるものではない。また本発明においては、金属塩
モノマーであってもよい。
【0017】
【化1】
【0018】これらのモノマーであるアセチレン化合物
は一般に次のようにして合成することができる。すなわ
ち、炭素−炭素三重結合を有する化合物、例えばプロピ
オール酸、臭化プロパギル、プロパギルアルコール等と
その他の必要な官能基を有する化合物、例えばテトラエ
チレングリコールモノエチルエーテル、マレイン酸無水
物、ブタンサルトン、エピクロルヒドリン、アクリル酸
クロリド等を縮合すれば良い。
【0019】以下に合成法の一例を挙げる。 例示化合物(1)の合成 テトラエチレングリコールモノエチルエーテル107
g、臭化プロパギル107g、無水炭酸カリウム300
gの混合物を水浴上で20時間加熱攪拌する。冷却後、
不溶物を冷却濾過し、その濾液を減圧蒸留する。収量1
20g、無色透明液体、沸点115℃/3mmHg また、Rとして金属元素を有するものは(H-(C≡C)l )
k -(L)-(A)m で示されるアセチレン化合物と、対応する
上記元素の金属塩とを公知の方法で反応させることによ
って容易に得ることができる。例えば、本発明において
好ましく用いられるRとして銀を有するものは、水、メ
タノールなど適当な溶媒中で硝酸銀、酢酸銀もしくは四
フッ化ホウ素酸銀と上記のモノマーであるアセチレン化
合物とを混合することより得ることができる。またその
銀塩はσ錯体、π錯体またはその混合物でもよい。この
ような銀塩をはじめとする金属塩は、NMRスペクトル
およびIRスペクトルにより同定することができる。
【0020】一般式(II)で表わされる化合物を用いる
場合に存在させる「周期律表8族もしくは1B族元素」
は、金属塩や金属錯体として用いる。このような金属塩
としては、硝酸銀、酢酸銀、四フッ化ホウ素酸銀、塩化
パラジウム、塩化第1銅、塩化白金などが好ましい。ま
たこれらの金属錯体としては、ジ−μ−クロロビス(η
−2−メチルアリル)ジパラジウム(II)錯体、テトラ
キス(トリフェニルホスフィン)パラジウム錯体、ジ−
μ−クロロテトラカルボニルジロジウム(I)錯体、
1,4,7,10,13−ペンタオキシシクロドデカン
・ナトリウムテトラクロルパナジナイト、ジシクロペン
タジエン−金(I)クロリドなどが挙げられる。モノマ
ーと金属塩ないし金属錯体との存在比はモル比で1:
0.5〜1:4、好ましくは1:1〜1:2とすればよ
い。このように、本発明においては、モノマーを用いて
金属含有重合体を形成してもよく、また、これらの化合
物のダイマー、トリマー、オリゴマー等を用いてもよ
い。さらには、2種以上のモノマーを用いてもよい。
【0021】上記一般式(I)、一般式(II)を用いる
とき、溶媒としては溶解するものなら何でもよいが、溶
媒として水、メタノールのようなアルコール類の親水性
溶剤の他、アセトン、メチルエチルケトンのようなケト
ン類、クロロホルム、塩化メチレンのようなハロゲン化
合物、酢酸エチルのようなエステル類、ジメチルアセト
アミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロ
リドンのようなアミド類、アセトニトリルのようなニト
リル類などの疎水性溶剤が用いられる。上記導電性素材
は上記溶剤中に必ずしも溶解されていなくてよく、分散
されていてもよい。これらの溶液中または分散液中の固
形分濃度は0.1〜80%、好ましくは20〜70%で
ある。また、塗布後の加熱温度は80〜200℃が好ま
しい。支持体の耐熱性にもよるが、温度が高い方が導電
性には有利であり、温度が低い方が支持体の変形の影響
がない。
【0022】本発明の導電性素材を含む親水性液体また
は疎水性液体とは、主として上記親水性溶剤または疎水
性溶剤を用いた溶液または分散液で分類することができ
るが、前述の親水性フォトレジストに親和性のある液体
は親水性液体として、また疎水性フォトレジストに親和
性のある液体を疎水性液体として分類することもでき
る。親水性溶剤および疎水性溶剤の用語は化学常識的に
使われているが厳密な区分はない。そのため、本発明の
作用からフォトレジストに親和性があれば発明を発現す
ることができるので親和性の有無によって液体が親水性
であるか疎水性であるかを区分すればよい。なお、導電
性素材は、前述する素材および後述する素材も含めて、
前記濃度で用いることが好ましい。
【0023】導電性素材として他に導電性を有する酸化
物の微粒子を用いても良い。例えば導電性を有する酸化
物半導体として、In2O3,SnO2,ZnO,CdO,TiO2,CdIn2O4,In
2O3-ZnO などが用いられるが、特に透明性がよいものと
して、錫をドープした酸化インジウム(ITO) 、Sbをドー
プしたSnO2、AlをドープしたZnO などが一般に広く用い
られている。ドープされる元素の量は1〜15wt% が好ま
しい。これらの酸化物の他に導電性素材として、TiN や
ZrN 、HfN などの窒化物、LaB6などのホウ化物、MgIn
O4,CaGa4などのスピネル化合物などがある。これらの導
電性素材は微粒子として用いられるのが好ましい。微粒
子のサイズとしては1nm 〜数100 μm であるが、透明性
からは数10nm以下が好ましい。また形状は球状の他、針
状、層状などなんでも良いが球状が好ましい。
【0024】導電性素材としてまた、金属のコロイド溶
液を用いても良い。金属の種類としてはAu,Ag,Pd,Pt,R
h,Ru,Ir,Os などのいわゆる貴金属が好ましい。これら
の金属微粒子が凝集、沈殿などせず溶液中に分散してお
り、コロイドの粒径はものによって異なるが、おおよそ
10〜200A くらいである。コロイドの安定性付与の
ため界面活性剤や保護コロイドを微量添加しても良い。
金属コロイドの合成法としては種々報告されているが金
属塩溶液を水素化ホウ素ナトリウムやヒドラジンなどの
還元剤で還元して金属にする方法が一般的である。その
他導電性素材として銀や銅などの金属ペーストなども使
用できる。これらの導電性素材は基体のレジスト上に選
択的に吸着、または膨潤するものと思われる。
【0025】本発明の透明導電性フイルムは種々の透明
導電膜に使用できるが、CRT やプラズマディスプレイな
どのフラットパネルディスプレイにつける電磁波シール
ドフィルターとして用いるのが好ましい。電磁波シール
ド用フイルムとして用いるとき、導電性を付与してなお
かつ透明性を高くするためにはフォトレジストおよびそ
の上に設置する導電性素材を格子状にパターニングして
付与することが好ましい。このときの格子線幅としては
20〜100μm 、開口部スペーシングとして50〜6
00μm 程度が好ましい。線幅が太く、かつスペーシン
グが小さいほど電磁波シールド効果は高いが透明性は低
下するし、逆に線幅が細く、かつスペーシングが大きい
ほど電磁波シールド効果は低いが透明性は良化する。な
お、本発明において格子状とは、縦と横の直線から構成
される規則正しい格子縞である必要はなく、曲線で構成
されていてもよい。すなわち、フォトレジストが存在し
ない部分が点状に得られればよい。
【0026】上記導電性素材を付与するとき導電性素材
はフォトレジスト上に優先的に付与されるが、フォトレ
ジストの存在しない部分にもわずかに付与することが導
電性を高めるために好ましい。導電性素材を付与したと
きの透過濃度の増加はフォトレジスト上の部分では通常
1以上が好ましい。フォトレジストが存在しない部分で
は0.2以下、好ましくは0.001〜0.1である。
フォトレジストが存在しない部分は濃度が低ければ導電
性素材が均一に存在していなくてもよい。顕微鏡観察に
よりその存在が確認できる程度でも、全く存在しない場
合よりは好ましい。
【0027】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0028】実施例1 厚さ90μm のポリエチレンナフタレート支持体の片面
上に富士ハント社製のポジ型レジスト液FH2130を
2000rpm にてスピンコートした後250 μピッチ、線幅50
μの格子パターンのフォトマスクを介して水銀ランプに
て紫外線光を10mJ/cm2露光した後、0.1 規定のNaOH水溶
液にて現像し、フォトレジストのポジ型格子パターン付
きフィルムを得た。残ったレジストの水に対する接触角
は61度であり、親水性フォトレジストであった。
【0029】上記フィルムに下記組成の親水性液体を#
5のバーでバーコート塗布を行い、170 ℃で3分間熱処
理したところ、上記格子パターン上に銀含有重合体が析
出した。 化合物例(1) 280g AgNO3 粉末 220g 水 50g この格子パターンフィルムのエッジ部でレジストが全面
的に残って上記銀含有重合体が連続的に析出している部
分の表面導電性を4探針法にて測定したところ、1Ω/
□を示した。またその部分の透過濃度の増加は3.6、
格子のスペーシング部の透過濃度の増加は0.01であ
った。
【0030】実施例2 実施例1における化合物例(1)の代わりに化合物例
(8)を用い、導電性素材液の熱処理温度を160℃と
した以外は同様にして実験をおこなったところ、導電性
1.1Ω/□、レジスト部分、およびスペーシング部分
の透過濃度の増加はそれぞれ、3.4、0.01であっ
た。
【0031】実施例3 実施例1で得たサンプルをアドバンテスト社製シールド
評価機を用いて電磁波シールド効果を測定したところ、
周波数100MHz にて41dB のシールド効果を得た。
【0032】
【発明の効果】以上により本発明によれば、従来のよう
に高温(200℃を越える)ではなく低温(200℃以下) で透
明導電性素材を任意のパターンで簡便に付与する方法が
提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 卓 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基体上に、親水性または疎水性のフ
    ォトレジストのパターンを形成し、フォトレジストが親
    水性のときは導電性素材を含む親水性液体を、フォトレ
    ジストが疎水性のときは導電性素材を含む疎水性液体を
    用い、フォトレジスト上に優先的に導電性素材を付与す
    ることを特徴とする透明導電体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記導電性素材を付与したときの透過濃
    度の増加がフォトレジスト上で1以上であり、フォトレ
    ジストの存在しない部分で0.2以下であることを特徴
    とする請求項1に記載の透明導電体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記パターンが格子状であることを特徴
    とする請求項1または2に記載の透明導電体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 上記導電性素材が下記一般式(I)で表
    される金属含有化合物を加熱して得られるものであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3に記載の透明導電体の製
    造方法。 一般式(I) (R・(C≡C)n )k-(L)-(A)m (上記一般式(I)において、Aはポリオキシエーテル
    基、ポリアミノエーテル基、またはポリチオエーテル基
    を表す。R は金属元素を表す。L は炭素―炭素三重結合
    とA とを連結する化学結合もしくは(k+m) 価の基を表
    す。k およびn は、それぞれ1以上の整数である。また
    m は0以上の整数である。)
  5. 【請求項5】 上記導電性素材が下記一般式(II)で表
    される金属含有化合物を周期律表8族もしくは1B族元
    素の存在下に加熱して得られるものであることを特徴と
    する請求項1乃至3に記載の透明導電体の製造方法。 一般式(II) (R・(C≡C)n )k-(L)-(A)m (上記一般式(II)において、A はポリオキシエーテル
    基、ポリアミノエーテル基、またはポリチオエーテル基
    を表す。R は金属元素、水素原子、カルボキシル基また
    はその塩、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
    基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、または
    複素環基を表す。L は炭素―炭素三重結合とA とを連結
    する化学結合もしくは(k+m) 価の基を表す。k およびn
    は、それぞれ1以上の整数である。またm は0 以上の整
    数である。)
  6. 【請求項6】 透明フィルム上に、親水性または疎水性
    のフォトレジストのパターンを形成し、フォトレジスト
    が親水性のときは親水性導電性素材を含む親水性液体
    を、フォトレジストが疎水性のときは疎水性の導電性素
    材を含む疎水性液体を用い、フォトレジスト上に優先的
    に導電性素材を付与して形成された透明導電体であっ
    て、フォトレジストが存在しない部分も導電性素材が存
    在し、その濃度が0.2以下である透明導電性フィル
    ム。
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