上記本発明の構成によると、第一車両の仕様を特定するための第一車両仕様特定情報と、第二車両の仕様を特定するための第二車両仕様特定情報との内容比較結果から、双方の仕様差異をユーザーに認知させる仕様差異認知支援処理が実行されるので、ユーザーは、第一車両の仕様と第二車両の仕様の違いを容易に認知することができる。これにより、ユーザーは、他車両との違いに戸惑うことなく、その違いを意識して運転することができる。
また、上記構成において、第一車両を基準車両として定めることができる。この場合、仕様差異認知支援手段は、ユーザーが第二車両を使用する際に、第一車両との仕様差異を該ユーザーに認知させるための仕様差異認知支援処理を実行するものとすることができる。この構成によると、基準車両(第一車両)をユーザーがいつも乗車ないし運転する車両として定めておけば、それとは異なる他の車両(第二車両)を乗車ないし運転する際に、ユーザーは両車両の仕様の違いを認識することができる。これにより、今回の車両といつもの車両との違いを把握して乗車ないし運転することができ、例えば、今回の車両にいつもの車両には無い機能がある場合には、その機能を有効利用することが可能となるし、いつもの車両にはあった機能が今回の車両に無い場合には、その機能が無いことを考慮した適切な乗り方をすることができる。
第一車両仕様特定情報取得手段は、第一車両自身に設けられた第一車両仕様特定情報源を情報配信元として第一車両仕様特定情報を取得するものとできる。また、第二車両仕様特定情報取得手段は、第二車両自身に設けられた第二車両仕様特定情報源を情報配信元として第二車両仕様特定情報を取得するものとできる。この構成によると、各車両の車両仕様特定情報が各車両自身に必ず保存され、各車両において、少なくとも自車両の車両仕様特定情報を確実に取得可能となっている。
この場合、第一車両に、取得された第一車両仕様特定情報を情報中継手段に送信する第一車両仕様特定情報送信手段を設け、該情報中継手段側に、第一車両仕様特定情報を受信する第一車両仕様特定情報受信手段を設け、さらに、情報中継手段側に、受信した第一車両仕様特定情報を基準車両仕様特定情報として第一車両仕様特定情報記憶部(基準車両仕様特定情報記憶部)に記憶する第一車両仕様特定情報記憶手段を設けることができる。そして、この場合の仕様比較手段は、情報中継手段の第一車両仕様特定情報記憶部から第一車両仕様特定情報を取得し、これを該第二車両に搭載された第二車両仕様特定情報取得手段が取得する第二車両仕様特定情報と内容比較するものとできる。これにより、例えば、基準車両(第一車両)をユーザーがいつも乗車ないし運転する車両として定めておけば、その基準車両の仕様特定情報が情報中継手段に記憶されるので、いつもの基準車両とは異なる他の車両(第二車両)を運転する際には、基準車両が直接存在していなくとも情報中継手段を介して基準車両の仕様特定情報(第一車両仕様特定情報)を取得することが可能となる。
情報中継手段は、ユーザーが携帯する無線情報端末とすることができる。この構成によると、第一車両の第一車両仕様特定情報送信手段により第一車両仕様特定情報を無線送信することができる一方で、無線送信された該第一車両仕様特定情報は、無線情報端末の第一車両仕様特定情報受信手段により無線受信することができる。これにより、無線情報端末による第一車両からの第一車両仕様特定情報の取得を、無線通信により容易に行なうことができる。また、無線情報端末はユーザーが所持できるので、ユーザーは、自身の基準車両の仕様特定情報(第一車両仕様特定情報)を常に持ち歩くことができる。さらに、無線情報端末による第一車両からの第一車両仕様特定情報の取得を第一車両接近時(例えばエンジン始動制御時や車両乗車検知時)に行なうようにすれば、より確実に第一車両仕様特定情報を取得できる。
このとき、仕様比較手段を無線情報端末に設けることができるし、仕様差異認知支援手段を無線情報端末に設けることもできる。このように、本発明におけるこれら主要機能を無線情報端末に集約して設けることで、車両側の処理負担を軽減できる。
他方、情報中継手段は、第一車両仕様特定情報送信手段と無線通信網を介して接続されるホスト装置とすることができる。この構成によると、第一車両の第一車両仕様特定情報送信手段により第一車両仕様特定情報を無線送信することができる一方で、無線送信された該第一車両仕様特定情報は、ホスト装置の第一車両仕様特定情報受信手段により無線受信することができる。これにより、ホスト装置による第一車両からの第一車両仕様特定情報の取得を、無線通信により容易に行なうことができる。また、固定的に位置するホスト装置を当該無線通信対象とすることで、安定的な通信が可能となり、第一車両仕様特定情報を確実に取得し易くなる。
このとき、第二車両に、該第二車両を使用するユーザーを認証するユーザー認証手段を設けることができる。この場合の第一車両仕様特定情報取得手段は、該認証が受理された場合にのみ、ホスト装置から第一車両仕様特定情報を取得するようにできる。この構成によると、第二車両において認証されたユーザーのみが、ホスト装置から第一車両仕様特定情報を取得できるので、他人の第一車両仕様特定情報をホスト装置から取得できないようになっている。また、自身の基準車両である第一車両仕様特定情報(基準車両仕様特定情報)をホスト装置の第一車両仕様特定情報記憶部(基準車両仕様特定情報記憶部)に記憶(登録)したユーザーのみがユーザー認証により認証受理されるよう定める一方で、第二車両を使用するユーザーが認証された場合に、当該ユーザーが該第二車両を基準車両と定めているか否かを判定する基準車両判定手段を設け、該第二車両が基準車両でない場合に、認証された該ユーザーの基準車両仕様特定情報(第一車両仕様特定情報)を第一車両仕様特定情報記憶部から取得するように構成することもできる。これにより、第二車両を使用するユーザーが当該車両を基準車両としない場合にのみ、仕様差異認知支援処理が実行されるようになる。
また、仕様比較手段を第二車両に設けることができるし、仕様差異認知支援手段を第二車両に設けることもできる。このように、本発明におけるこれら主要機能を車両側に集約して設けることができる。
ところで、仕様差異認知支援手段は、仕様比較の結果を音声、画像又はそれらの組み合わせにより報知する仕様比較結果報知手段を有して構成できる。これにより、ユーザーは仕様比較の結果をより確実に認識することができる。
仕様差異認知支援手段は、仕様比較手段から第一車両と第二車両との仕様差分を取得するものとできる。そして、この場合の仕様比較結果報知手段は該仕様差分の存在を報知するものとできる。これにより、ユーザーは第一車両と第二車両との間に仕様差分があることを認識できるので、例えば、ユーザーがいつも乗車ないし運転する基準車両(第一車両)と、該基準車両とは異なる他の車両(第二車両)との間で仕様に違いがあることを認識でき、それを意識した運転を行うことができる。
仕様比較手段は、第一車両と第二車両との駆動、制動及び走行に係る仕様比較を行なうものとできる。例えば、仕様比較手段は、第一車両と第二車両とのブレーキ又はステアリングの操作特性を仕様比較の対象とするものとできるし、また、第一車両と第二車両との制動方式、駆動方式及びタイヤ種別の少なくともいずれかを仕様比較の対象とするものともできる。これにより、ユーザーは、いつも乗車ないし運転する基準車両(第一車両)と、該基準車両とは異なる他の車両(第二車両)との間で、駆動、制動及び走行に係る仕様に違いがあることを前もって認識することができ、その違いを意識して運転に望むことができる。
なお、仕様差異認知支援手段は、仕様比較の結果を反映したアドバイス情報を作成するアドバイス情報作成手段を有し、仕様比較結果報知手段が該アドバイス情報を出力するように構成できる。これにより、仕様の違いに対するアドバイス情報が出力されることで、その仕様の違いに対し適切に対処することができる。
このアドバイス情報作成手段は、天候情報及び道路情報の少なくともいずれかを含む車両走行条件情報を取得する車両走行条件情報取得手段を有し、該車両走行条件情報を参照してアドバイス情報を作成するものとできる。これにより、車両走行条件情報に応じた適切なアドバイス情報を出力できる。例えば、降雪時に、タイヤ種(スタッドレスタイヤ、ノーマルタイヤ等)や駆動方式(FR、FF、フルタイム4WD等)が基準車両とは異なる車両を運転する場合において、適切なアドバイスを出力することができる。
また、仕様比較手段は、第一車両と第二車両との車体仕様比較を行なうものとできる。例えば、仕様比較手段は、車高、車幅、車長、最小回転半径及び死角の少なくといずれかを車体仕様比較の対象とすることができる。そして、この場合の仕様差異認知支援手段は、第一車両と第二車両との車体仕様の差を対比して示す車体対比画像を作成する車体対比画像作成手段を有し、仕様比較結果報知手段は該車体対比画像を出力するものとできる。これにより、ユーザーは、いつも乗車ないし運転する基準車両(第一車両)と、該基準車両とは異なる他の車両(第二車両)との間で、車体仕様に違いがあることを前もって認識することができ、その違いを意識して運転に望むことができる。
仕様比較手段は、第一車両と第二車両との安全装備比較を行なうものとできる。例えば、仕様比較手段は、ナイトビジョン機能、オートクルーズ機能、ABS機能、エアバッグ機能、スタビリティコントロール機能、バックモニタ機能、及びソナー機能の少なくといずれかを安全装備比較の対象とすることができる。そして、この場合の仕様比較結果報知手段は、第一車両と第二車両とのうち、ユーザーがこれから使用しようとしている一方の車両には搭載されず、他方の車両には搭載されている安全装備、ないし一方の車両には搭載はされていても他方の車両に搭載されているものより機能的に劣る安全装備が存在する場合に該安全装備の存在を報知するものとできる。これにより、ユーザーは、いつも乗車ないし運転する基準車両(第一車両)と、該基準車両とは異なる他の車両(第二車両)との間で、安全装備の仕様に違いがあることを前もって認識することができ、その違いを意識して運転に望むことができる。
仕様比較手段は、第一車両と第二車両との燃料関連の仕様比較を行なうものとできる。これにより、ユーザーは、いつも乗車ないし運転する基準車両(第一車両)と、該基準車両とは異なる他の車両(第二車両)との間で、燃料関連の仕様に違いがあることを前もって認識することができ、その違いを意識して運転に望むことができる。
例えば、仕様比較手段は、第一車両と第二車両との給油口位置の差を、燃料関連の仕様比較の対象とすることができる。そして、この場合、第一車両と第二車両との給油口位置の差を対比して示す車体対比画像を作成する車体対比画像作成手段を有し、仕様比較結果報知手段が該車体対比画像を出力するように構成できる。これにより、ユーザーは、いつも乗車ないし運転する基準車両(第一車両)と、該基準車両とは異なる他の車両(第二車両)との間で、給油口位置に違いがあることを前もって認識することができ、その違いを意識して給油に望むことができる。また、給油口位置の違いは、第一車両と第二車両との対比画像にて表示されるので、その違いを確実かつ容易に把握することができる。
また、仕様比較手段は、第一車両と第二車両との燃料種別を、燃料関連の仕様比較の対象とすることができる。これにより、ユーザーは、いつも乗車ないし運転する基準車両(第一車両)と、該基準車両とは異なる他の車両(第二車両)との間で、燃料種別(例えばハイオクとレギュラー等)に違いがあることを前もって認識することができ、その違いを意識して給油に望むことができる。
また、仕様比較手段は、第一車両と第二車両との燃費又は航続可能距離を、燃料関連の仕様比較の対象とすることができる。これにより、ユーザーは、いつも乗車ないし運転する基準車両(第一車両)と、該基準車両とは異なる他の車両(第二車両)との間で、燃費又は航続可能距離に違いがあることを前もって認識することができ、その違いを意識して運転に望むことができる。具体的に言えば、仕様比較結果報知手段は、車両に搭載された燃料残量メータの指示値が予め定められた燃料残量値に到達したときの航続可能距離が、第一車両と第二車両とのうち、ユーザーがこれから使用しようとしている一方の車両において、他方の車両における対応する航続可能距離よりも減少する場合に、その旨を報知するようにできる。これにより、いつも乗車ないし運転する基準車両(第一車両)から該基準車両とは異なる他の車両(第二車両)に乗り換えた際のガス欠を防止できる。
仕様比較手段は、第一車両と第二車両との車内に設けられた機能操作部の仕様比較を行なうものとできる。例えば、仕様比較手段は、第一車両と第二車両との機能操作部の配置位置に係る比較を行なうものとできる。これにより、ユーザーは、いつも乗車ないし運転する基準車両(第一車両)と、該基準車両とは異なる他の車両(第二車両)との間で、機能操作部の仕様に違いがあることを前もって認識することができ、その違いを意識して機能操作部を操作することができる。そして、この場合の仕様差異認知支援手段は、第一車両と第二車両とのうち、ユーザーがこれから使用しようとしている一方の車両において、他方の車両とは配置位置の異なる機能操作部、又は一方の車両には搭載されておらず他方の車両には搭載されている機能操作部が存在する場合に、当該機能操作部の配置位置又は配置の有無を示す機能操作部レイアウト画像を作成する機能操作部レイアウト画像作成手段を有し、仕様比較結果報知手段は該機能操作部レイアウト画像を出力するように構成できる。これにより、機能操作部レイアウト画像から機能操作部の違いと、その違いを有する機能操作部の具体的な位置とを確実かつ容易に把握することができる。
仕様比較手段は、第一車両と第二車両との加入保険仕様の比較を行なうものとできる。これにより、ユーザーは、いつも乗車ないし運転する基準車両(第一車両)と、該基準車両とは異なる他の車両(第二車両)との間で、加入保険仕様に違いがあることを前もって認識することができ、その違いを意識して運転に望むことができる。
そして、この場合の仕様比較結果報知手段は、第一車両と第二車両とのうち、ユーザーがこれから使用しようとしている一方の車両においては適用除外となり、他方の車両において適用対象となる保険内容が存在する場合に、当該保険内容を報知するものとできる。これから運転する車両において保険が適用除外となる場合は、保険がかかってないまま運転することとなるのでリスクが大きく、前もってこれが報知されることは非常に有効である。
また、加入保険仕様の情報が、保険適用対象となるユーザー条件の情報を含むものであり、かつ、第二車両には、該第二車両のユーザーを特定するユーザー特定手段が設けられ手いる場合において、仕様比較結果報知手段は、第一車両と第二車両とのうち、ユーザーがこれから使用しようとしている一方の車両において、特定されたユーザーが保険適用対象となるユーザー条件に適合せず保険適用除外となる場合に、その旨を報知するものとできる。加入保険においては、保険適用対象が家族に限定されていたり、保険適用対象に年齢条件がある場合があり、保険がかかっていても保険適用対象から除外されている場合がある。これから運転する車両において保険が適用対象外となる場合、保険がかかってないまま運転することとなるのでリスクが大きく、前もってこれが報知されることは非常に有効である。
ところで、第一車両及び第二車両の少なくともいずれかに、該第二車両へのユーザーの乗車を検知する乗車検知手段と、ユーザーの乗車が検知されることを条件として、仕様差異の情報を一覧表示する仕様差異情報一覧表示手段とを設けることができる。この構成によると、ユーザーが車両の仕様差異情報を必要とする車両乗車時において、当該情報が一覧表示される。これにより、適切なタイミングで仕様差異情報を報知できるとともに、これを一覧表示することでその内容をユーザーに確実に認識させることができる。
第一車両仕様特定情報は、第一車両に搭載された機能内容を示す第一側機能リスト情報を含み、第二車両仕様特定情報は、第二車両に搭載された機能内容を示す第二側機能リスト情報を含み、さらに、仕様比較手段は、第一側機能リスト情報と第二側機能リスト情報とに基づいて第一車両と第二車両との機能比較を行なうものとすることができる。そして、この場合の仕様差異認知支援手段は、機能比較の結果に基づいて第一車両と第二車両との機能差分を取得し、ユーザーによる機能差分認知を支援するための機能差分認知支援処理を実行するものとできる。これにより、第一車両(基準車両)及び第二車両の両車両の機能差分をユーザーに認知させることができる。
この場合、第一車両を基準車両として定め、仕様差異認知支援手段は、ユーザーが第二車両を使用する際に、第一車両との仕様差異を該ユーザーに認知させるための仕様差異認知支援処理を実行するものとできる。そして、この仕様差異認知支援手段は、内容比較結果に基づいて第二車両側のみに搭載されている第二側固有機能の有無を特定する第二固有機能特定手段を備えるとともに、該第二側固有機能がある場合には、該第二側固有機能に係る情報を報知する第二側固有機能報知処理を仕様差異認知支援処理として実行するものとできる。これにより、この構成によると、日頃乗らない第二車両にのみ搭載されている第二側固有機能の存在を、ユーザーにより積極的に認識させることが可能となる。また、この第二側固有機能の存在とともに該第二側固有機能に係る情報として、該第二側固有機能の内容紹介や使用方法の説明等を行うことも可能となる。
また、第二車両において、第二側固有機能の使用機会に適合した使用適合状態が予め定めておくことができる。そして、この場合の仕様差異認知支援手段は、使用適合状態の到来に基づいて第二側固有機能報知処理を実行するものとできる。第二側固有機能の存在を、例えば車両搭乗時等にのみ報知するだけでは、その機能を実際に使用するタイミングが到来した時には既に忘れている可能性がある。上記構成によると、第二側固有機能に係る情報が報知を、ユーザーがその機能を最も必要とする機能の使用適合状態(例えば使用タイミング又は使用推奨タイミング)において行うことができるから、ユーザーは第二側固有機能を使用し易くなる。
この第二側固有機能は、ユーザー操作をトリガーとして動作起動する第一種機能と、ユーザー操作とは無関係に自動起動する第二種機能とを有し、第二車両側には、第一種機能の使用適合状態の到来に基づいて、ユーザー操作を促がす操作案内報知処理を実行する操作案内報知手段と、ユーザー操作があった場合に、対応する第一種機能を実行する第一種機能実行手段とを設けることができる。第二側固有機能の中には、ユーザーにとって便利な機能もあれば、日頃使い慣れていないためにあえて使用しようとは思わないような機能もある。上記構成によれば、第二側固有機能のうちの運転に際して使用してもしなくてもよいような第一種機能に関して、少なくともその機能の存在や該機能に係る情報の報知を行った上で、該機能の使用にはユーザー操作が必要である旨が報知される。これにより、ユーザーの意思でその第一種機能実行の選択が可能となる。
また、第二車両側には、第二側固有機能報知処理が実行された後に、対応する第二種機能を自動実行する第二種機能実行手段を設けることができる。この構成によると、第二種機能に関しては、該機能の存在や該機能に係る情報の報知を行った上で自動実行されるから、ユーザーによる選択操作の煩わしさがなく、かつ、運転者には該機能の実行開始が確実に報知されるから運転者は該機能を意識してスムーズに運転操作を行うことができる。
また、第二車両側には、第一種機能を実行するためのユーザー操作の操作実績情報を操作実績記憶部に記憶する操作実績記憶手段と、第一種機能に対する操作案内報知処理の実行前に、操作実績情報に基づいて当該操作案内報知処理を実行するか否かを判定する操作案内報知実行判定手段と、を設けることができる。そして、この場合の操作案内報知手段は、操作案内報知処理を実行すると判定された場合には、対応する操作案内報知処理を実行するとともに、第一種機能実行手段はユーザー操作に基づいて第一種機能を実行し、操作案内報知処理を実行しないと判定された場合には、対応する第一種機能の実行後に、操作案内報知手段による案内報知処理を実行することなく、第一種機能実行手段が第一種機能を自動実行するものとできる。この構成によると、実行にユーザー操作が必要とされる第一種機能を、該ユーザー操作の過去の履歴からユーザーの嗜好を判断し、当該第一種機能を、自動実行される第二種機能のように実行することが可能となる。
なお、第一種機能として、ナイトビジョン機能及びオートクルーズ機能のうち少なくとも一方を含むことができる。ナイトビジョン機能やオートクルーズ機能等の運転支援機能等は、車両の運転に必須とされるものではないため、これら機能を第一種機能と定め、ユーザーの選択操作に応じて使用するか否かを判断可能とすることは有効である。
また、第二種機能として、ABS機能、スタビリティコントロール機能、バックモニタ機能、及びソナー機能のいずれか1以上を含むことができる。ABS機能やスタビリティコントロール機能等のユーザーによる選択不可機能や、バックモニタ機能やソナー機能等の機能が実行されても特にユーザーが気に入らない様な機能であれば、実行時に特にユーザーによる選択操作を要求する必要は無い。従って、自動起動されるように予め設定しておくことで、ユーザーによる操作の煩雑さを解消できる。
一方、第一車両を基準車両として定め、仕様差異認知支援手段は、ユーザーが第二車両を使用する際に、第一車両との仕様差異を該ユーザーに認知させるための仕様差異認知支援処理を実行するものとできる。そして、この場合の仕様差異認知支援手段は、内容比較結果に基づいて、第一車両側のみに搭載されている第一側固有機能の有無を特定する第一固有機能特定手段を備えるとともに、該第一側固有機能がある場合には、該第一側固有機能に係る情報を報知する第一側固有機能報知処理を機能差分認知支援処理として実行することができる。この構成によると、頻繁に使用する第一車両には搭載されているがこれから運転しようとする第二車両には搭載されていない第一側固有機能の存在を、ユーザーに対しより積極的に認識させることが可能となる。また、この第一側固有機能の存在とともに第一側固有機能に係る情報として、該第一側固有機能の内容紹介や使用方法の説明等を行うことも可能となる。
この第一側固有機能報知処理は、第二車両の始動制御時に実行されるものとできる。この構成によると、日頃乗り慣れていない第二車両を運転する場合に、日頃乗り慣れた第一車両には搭載されている機能が存在していないことを運転前に運転者に認識させることができるので、当該機能を使用したいと思った時にその機能が存在していないことに気付き戸惑うような状況が生じ難い。
なお、第二側機能リスト情報には、該第二車両に搭載された機能の少なくとも一部の機能に対応し、かつ当該第二車両に非搭載の対応相当機能を示す対応相当機能情報が含まれており、第二車両側又は情報端末側には、第一固有機能特定手段により第一固有機能が特定された場合に、特定された当該第一固有機能に一致する代替機能の存在を、対応同等機能情報に基づいて特定する代替機能特定手段と、特定された代替機能を報知する代替機能報知処理を行う代替機能報知手段が設けられてなるものとできる。具体的には、第二車両にバックモニタ機能が搭載されており、第二側機能リスト情報に、当該バックモニタ機能の対応相当機能としてソナー機能を示す対応相当機能情報が含まれ、第二車両においてバックモニタ機能の代替機能としてソナー機能を利用できる構成とすることができる。この構成によると、日頃乗り慣れた第一車両には搭載されている機能がこれから運転しようとする第二車両に存在していない場合に、その機能の代替機能を運転者が認識し、該代替機能を適切に使用することができる。なお、対応相当機能とは、ある機能に対応する機能であり、実行したときの効果が同等又は少なくとも部分的に達成される機能のことをいうものとする。
上記構成によると、第一車両の搭載機能を示す第一側機能リスト情報を情報端末に記憶し、これを第二車両へ持ち込むことで、情報端末の第一側機能リスト情報と第二車両の搭載機能を示す第二側機能リスト情報とが比較され、双方の車両の機能差分、例えば第一車両に存在するが第二車両には存在しない第一車両側固有の機能や、逆に第一車両には存在しなかったが第二車両には存在する第二車両側固有の機能等をユーザーに認知させることができる。これにより、日頃第一車両を乗り慣れているユーザーが、乗り慣れていない第二車両を運転する場合に、第一車両には無かったより有効な機能の積極的な使用を促がすことができるし、逆に第二車両には不足している機能がある場合には、その不足機能を予め認識させることができるから、第二車両の運転をよりスムーズに行うことが可能となる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
(第一実施形態)
図1、図2、図3は、本発明の第一実施形態に係る車両用通信システム(車両用ユーザー支援装置)の電気的ブロック図の概略を示す図である。図1、図2、図3に示す車両用ユーザー支援装置1は、可搬型の情報端末(無線情報端末:以下、携帯機)10と、携帯機10と無線通信可能に構成された車両100又は車両200とで構成される。本実施形態において、車両100は、携帯機10を所有するユーザーが日頃乗り慣れた車両(以下、メイン車両)であり、車両200は、ユーザーが日頃乗りなれない車両(以下、サブ車両)である。本発明は、携帯機(情報中継手段)10を持ったユーザーがサブ車両200を運転する際に、日頃乗り慣れたメイン車両100との機能差分を認識可能とするものである。
メイン車両(第一車両)100は、車両搭載機器120、130と、他にも複数の機器機能を備えており、これら機器120、130、・・・はシリアル通信バス150を介して機器管理用ECU110に接続されている。具体的には、オートワイパー(雨量センサが単位時間当たりに検出する雨量に基づいてワイパーが駆動する機能)、オートライト(照度センサが検出する照度(光量)に基づいてヘッドライトを点灯する機能)、エアコン、ナビゲーション装置、ラジオ、ドアロック、空気清浄機、ナイトビジョン、オートクルーズ、ABS(Antilock Brake System)、スタビリティコントロール、及びバックモニタ等であり、機器管理用ECU110によって制御が可能な機器である。なお、これらの車両搭載機器には、その機能に応じて、センサ、操作装置、アクチュエータが接続されている。上記の車両搭載機器120、130の場合は、センサ120a、130a、操作装置120b、130b、アクチュエータ120c、130cが接続されている。これらのセンサによって検出される信号、及び、操作装置が操作されたこと(又は操作装置の操作位置)を示す信号は、シリアル通信バス150を介して、車両搭載機器120、130、・・・等の機器、及び機器管理用ECU110に供給可能となっている。
機器管理用ECU110は、これら車両登載機器の管理制御及び実行制御を司る制御装置であり、図1に示すように、CPU101、ワークメモリ102aを備えるRAM102、各種プログラムを記憶するROM103、バスライン104、入出力部(図中では「I/O」と表示)105、不揮発性メモリである外部メモリ106(例えばEPROM等の不揮発性メモリで構成される)、他のECU等と接続されるシリアル通信バス150に接続される通信インターフェース(図中では「I/F」と表示)107を備えて構成される。入出力部105には、操作スイッチ群111、音声出力部112、表示装置113、及び各種センサ114、115、116、117が接続されている。また、通信インターフェース107及びシリアル通信バス150を介して、図示されないエンジンECUとも接続されており、車両のキー操作に伴い該エンジンECUからイグニッション及びアクセサリーのON/OFF信号を受信することが可能とされている。
操作スイッチ群111は、車両内部に設けられたメカニカルのスイッチや、表示装置113と一体になったタッチスイッチ、リモコン端末のスイッチ等の複数の操作部からなる。タッチスイッチは、表示装置113の画面上に縦横に微細に配置された赤外線センサより構成されており、例えば指やタッチペン等でその赤外線を遮断すると、その遮断した位置が2次元座標値(X、Y)として検出される。また、マウスやカーソル等のポインティングデバイスを用いてもよい。これら操作スイッチ群111により、各種搭載機器120、130、・・・に対し種々の指示を入力することが可能である。また、マイク及び音声認識ユニットを用いて種々の指示を入力することも可能である。これは、マイクから入力された音声信号を、音声認識ユニットにおいて周知の隠れマルコフモデル等の音声認識技術により処理を行ない、その結果に応じた操作コマンドに変換して行う。
なお、この操作スイッチ群111には、後述する機能実行学習プログラム103yにより実行される問いかけに対し、ユーザーがYES/NO指示を与えるためのYES/NO指示ボタン111YNも含まれている。YES/NO指示ボタン111YNは、YESボタン111Y及びNOボタン111Nによる一組のプッシュ式ボタンとして構成され、車幅灯の点灯と連動して、或いは、車幅灯が点灯しており、且つ、問い合わせのためのメッセージが音声出力部112から出力されている期間及びその後所定時間は、点灯するようになっている。この一組の指示ボタン111YNは、運転者の操作しやすい位置、例えばハンドル上等に設置されている。
表示装置113は、周知のカラー液晶表示器で構成され、ドット・マトリックスLCD(Liquid Crystal Display)、及びLCD表示制御を行うための図示しないドライバ回路を含んで構成されている。ドライバ回路は、例えば、画素毎にトランジスタを付けて目的の画素を確実に点灯させたり消したりすることができるアクティブマトリックス駆動方式が用いられ、ECU110から送られる表示指令及び表示画面データに基づいて表示を行う。表示装置113としては、他に有機EL(ElectroLuminescence:電界発光)表示器、プラズマ表示器を用いてもよい。なお、ナビゲーション装置が設けられている場合には、そのナビゲーション装置に備えられたディスプレイが表示装置113として機能してもよい。
音声出力部112は、アンプやスピーカから構成された音声出力装置である。音声出力部112は周知の音声合成回路を備えて構成されており、ROM103又は外部メモリ106に記憶されているデジタル音声データ(図示なし)が音声合成回路においてアナログ音声に変換されたものが送出される。なお、音声合成の方法には、音声波形をそのままあるいは符号化して蓄積しておき必要に応じて繋ぎ合わせる録音編集方式、文字入力情報からそれに対応する音声を合成するテキスト合成方式等がある。
また、機器管理用ECU110のROM103には、車両搭載機器120、130、・・・のそれぞれの機能実行に係る制御処理を実行する主プログラム103xと、それら機能実行を開始するトリガー付与及びその機能実行に係る操作の履歴情報(学習データ)を外部メモリ106に記憶するための機能実行学習プログラム103yとが記憶される。この主プログラム103xは、CPU101により実行されることで、第一側機能リスト取得手段、第一車両搭載機能情報送信手段として機能する。また、機能実行学習プログラム103yは、CPU101により実行されることでメイン車両(第一車両)の機能を実行する第一側機能実行手段、操作実績記憶手段として機能する。
外部メモリ106は、例えば、EEPROM等の書き換え可能な記憶媒体であり、車両搭載機器120、130、・・・等の機器別(又は、ナビゲーション装置のように複数の機能を備えている場合には機能別(制御別))、及び、ユーザー別に、問いかけ条件及び自動実行条件を学習データとして学習データ記憶部106aに記憶している。また、メイン車両100の車両搭載機器120、130、・・・等の機器の機能リスト情報を、メイン車両機能リスト記憶部(第一側機能リスト記憶部)106bに記憶している。
問いかけ条件とは、車両搭載機器120、130、・・・等の制御を実行するか否かを音声出力部112を介してユーザーに問いかける問いかけ制御を実行するかどうかを決定する条件である。また、自動実行条件とは、その車両搭載機器120、130、・・・等を自動的に(問いかけ出力制御なしに)制御するかどうかを決定する条件である。上記問いかけ条件及び自動実行条件は、予め定められ少なくとも一つの制御実行判断情報(例えば、車両搭載機器120、130、・・・あるいは機器管理用ECU110に接続されたセンサの検出値等)に対して条件(問いかけ条件又は自動実行条件)を満たす範囲が設定されたものである。
また、機器管理用ECU110は、シリアル通信バス150を介し、無線通信によるデータの送受信を行う送受信機160が接続されおり、携帯機10と通信可能とされている。この送受信機160は、外部メモリ16に記憶されている学習データ(問いかけ条件及び自動実行条件(制御実行判断情報))を、無線通信により出力する無線通信手段として機能するものである。なお、送受信機160は無線通信機ではなくデータを有線通信により出力可能な有線通信機であってもよい。例えば、機器管理用ECU110に入出力ポートしてのUSBポート95を接続して、外部メモリ16に記憶されているデータの送信及び携帯機10からのデータの受信を行ってもよい。
携帯機10は、図2に示すように、CPU11、ワークメモリ12aを備えるRAM12、各種プログラムを記憶する不揮発性メモリであるフラッシュROM13、バスライン14、入出力部(図中では「I/O」と表示)15、送受信機18と接続されるインターフェース(図中では「I/F」と表示)17を備えて構成される。入出力部105には、携帯機10の電源をOFFする操作部として電源スイッチ19が接続されている。
フラッシュROM13には、メイン車両100の車両搭載機器の機能内容を示す機能リスト情報を記憶するメイン車両機能データ記憶部(第一側機能リスト記憶部)13aと、同じくメイン車両の学習データ(問いかけ条件、自動実行条件(制御実行判断情報))を機器別(又は機能別(制御別))、及びユーザー別に記憶する学習データ記憶部13bと、送受信機18を介し車両との間で機能リスト情報や学習データの送受信を行う機能リスト及び学習データ送受信プログラム13cとが記憶されている。この学習データ送受信プログラム13cは、CPU11により実行されることで、第一側機能リスト受信手段、第一側機能リスト記憶手段として機能する。
本発明では、ユーザーがこの携帯機10を持ってサブ車両を運転する際に、メイン車両100との機能差分を認識することが可能となっている。本発明が適用されたサブ車両200は、図3に示すように、メイン車両100にも搭載されていた車両搭載機器(共通機器)220の他、メイン車両には搭載されていない車両搭載機器(第二側固有機器)240と、他にも複数の機器機能を備えており、これら機器がシリアル通信バス250を介して機器管理用ECU210と接続して構成されている。
なお、サブ車両200の車両搭載機器としては、オートワイパー、オートライト、エアコン、ナビゲーション装置、ラジオ、ドアロック、空気清浄機、ナイトビジョン、オートクルーズ、スタビリティコントロール、及びソナー等が搭載されており、これらの機能は機器管理用ECU210によって制御される。
このサブ車両200の機器管理用ECU210は、メイン車両100の機器管理用ECU110と同様の構成を有し、CPU201、RAM202、ROM203、バスライン204、入出力部205、外部メモリ206(不揮発性メモリ)、通信インターフェース207を備えて構成され、入出力部105には、操作スイッチ群211、音声出力部212、表示装置213、及び各種センサ214、215、216、217が接続されている。また、機器管理用ECU210は、機器管理用ECU110と同様、通信インターフェース207を介しシリアル通信バス250と接続されており、車両搭載機器220、240、・・・の各種機器、携帯機10との無線通信を可能とする送受信機260、及びその他車両用ECU(エンジンECU等)と通信可能に接続されている。
ただし、ROM203には、携帯機10に記憶されたメイン車両の機能リスト情報を取得し、取得したメイン車両の機能リスト情報とサブ車両200自身の車両搭載機器の機能内容を示す機能リスト情報とを比較して、その機能差分をユーザーに認識させた上でサブ車両200の各機能を実行する機能差分対応制御プログラム203aと、具体的に機能差分の算出及びユーザーへの報知を行う機能差分報知プログラム203bと、該機能実行を実際に実行する機能実行プログラム203cとが記憶される。
この機能差分対応制御プログラム203aは、CPU201により実行されることで機能比較手段(仕様比較手段)として機能する。また、機能差分報知プログラム203bは、CPU201により実行されることで差分認知支援手段(差分存在報知処理を行う差分存在報知手段、第二固有機能特定手段、第二側固有機能報知処理を行う第二側固有機能報知手段、第一固有機能特定手段、第一側固有機能報知処理を行う第一側固有機能報知手段)、後述する操作案内報知処理を実行する操作案内報知手段、代替機能特定手段、代替機能報知手段として機能する。また、機能実行プログラム203cは、CPU201により実行されることで、第二側機能実行手段(後述するサブ車両側固有機能(第二側固有機能)のうちの第一種機能を実行する第一種機能実行手段、後述するサブ車両側固有機能(第二側固有機能)のうちの第二種機能を実行する第二種機能実行手段)、操作案内報知実行判定手段)として機能する。
また、外部メモリ206には、携帯機10から受信する他車両の学習データ(問いかけ条件、自動実行条件(制御実行判断情報))を記憶する学習データ記憶部(操作実績記憶部)206aと、サブ車両200自身の車両搭載機器220、240、・・・等の機器の機能リスト情報を記憶するサブ車両機能リスト記憶部(第二側機能リスト記憶部)206bと、携帯機10から受信する他車両(メイン車両)の機能リスト情報を記憶するメイン車両機能リスト記憶部(第一側機能リスト記憶部)206cとが設けられる。また、この外部メモリ206には、サブ車両の機能リスト情報に含まれる機能毎に、後述する問いかけ内容データ及び報知内容データ(デジタル音声データ)が対応付けて記憶され、さらに、それら機能毎に、後述する代替機能情報(対応相当機能情報)が対応付けて記憶されている。つまり、この外部メモリ206は、問いかけ内容データ記憶部、報知内容データ記憶部、対応相当機能記憶部(代替機能記憶部)としても機能している。
このように構成される本発明の車両用通信システム1では、携帯機10を所持するユーザーがメイン車両100から下車するときに、該メイン車両100の最新の学習データが携帯機10に記憶され、さらに、この携帯機10を所持して当該ユーザーがサブ車両200に乗車したときに、携帯機10が記憶するメイン車両100の機能リスト情報及び学習データをサブ車両200が取得して、メイン車両100との機能差分をユーザーに報知する。そして、取得した学習データに基づいて、対応する第二車両200の機能を実行する。
メイン車両100から携帯機10への学習データ送信処理、及び携帯機10の学習データ受信処理は、メイン車両100側のCPU101が主プログラム103xを実行し、携帯機10側のCPU11が機能リスト及び学習データ送受信プログラム13cを実行することで行われる。以下、これらのプログラム103a及び13cについて、図4のフローチャートを用いてその処理の流れを説明する。
メイン車両100側の主プログラム103xは、車両の始動制御に基づいて起動する。なお、車両の始動制御とは、車両のエンジン始動制御時(イグニッションあるいはアクセサリーをONとするキー操作時等)あるいはその前提条件となる認証時(イモビライザー等によるID認証時や、運転席の着座センサ(図示なし)からの信号により運転者の着座状態が検出された時等)等を含むものである。本実施形態においては、エンジン始動に係るキー操作により、アクセサリーがONに操作されたことに基づいて起動するものとする。また、携帯機10側の機能リスト及び学習データ送受信プログラム13cは、携帯機10の電源スイッチ19がONに操作されたことに基づいて起動する。
メイン車両100側の主プログラム103xは、S101にて、運転者のユーザー認識を行う。具体的には、外部メモリ106に登録済みのユーザー名を表示装置113に表示して、表示したユーザー名から該当するユーザー名の選択を求めるメッセージを音声出力部112から出力し、操作スイッチ群111の予め定められた操作部の操作により該当ユーザー名が選択されることで識別される。この外部メモリ106と、表示装置113と、操作スイッチ群111と、表示装置113と、機器管理用ECU110とにより運転者識別手段が構成されている。なお、上記実施形態とは異なり、運転者の画像を撮像して画像認識から運転者を識別したり、運転者の発した音声から運転者を識別したりする等、公知の他の生体識別手段を運転者識別手段として用いることもできる。
続いて、S102に進み、メイン車両100の搭載機器120、130、・・・の機能を実行する。具体的には、機能実行学習プログラム103yを実行することで行われる。以下、機能実行学習プログラム103yの流れを、図5を用いて説明する。
機能実行学習プログラム103yは、車両搭載機器120、130、・・・毎に個別に実行されるものであり、まず、S121にて、制御実行判断情報を取得する。この制御実行判断情報は、前述のように車両搭載機器120、130、・・・の各機器又は各機能別に予め設定されているので、このS10では、シリアル通信バス150によって接続されている車両搭載機器120、130、・・・にとって必要な種類の制御実行判断情報を取得する。
S122では、車両搭載機器120、130、・・・の制御を希望している可能性があるか否かを判断する。この判断は、具体的には、上記S121で取得した制御実行判断情報が、ユーザー別及び車両搭載機器別に記憶された問いかけ条件及び自動実行条件のいずれか一方を満たすか否かを判断するものである。自動実行条件が成立するときは、ユーザーに問いかけるまでもなく、車両搭載機器を制御すべき場合であり、また、問いかけ条件が成立するときは、ユーザーが車両搭載機器の制御を希望する可能性があるからである。
なお、ワイパーやヘッドライトのように、一度制御すると、その後、再制御しない限り、オン状態が継続する機器の場合には、現在のオン状態も含めてこのS122の判断を行う。例えば、ワイパーに対する自動実行条件が成立していても、すでにワイパーが動いている場合には、制御する必要がないため、S20の判断は否定される。
このS122の判断が肯定判断である場合には、S123において、問いかけ条件が成立しているか、或いは、自動実行条件が成立しているかをさらに判断する。なお、このS123では、問いかけ条件が成立しているか或いは、自動実行条件が成立しているかのいずれか一方を判断するようになっており、問いかけ条件及び自動実行条件は、このS123において判断が可能なように、互いに重複しないように設定される。
自動実行条件が成立している場合には、上記S123の判断がNOとなり、S124において、ワイパーを駆動させる等の所定の制御を実行する。なお、このS124では、例えば、エアコンのモード変更(冷房からドライ又はその逆等)、ドアロック、ヘッドライトの角度変更、空気清浄機の作動等、運転者にとってその制御が行われたことが分からない、又は、分かりにくい制御として予め設定された制御である場合には、制御を実行したことを音声出力部112から通知する。このようにすることにより、運転者は、制御が行われたことを確実に知ることができるので、その制御を望まない場合には、操作し直すことが可能となる。
一方、前述のS123の判断が肯定された場合、すなわち、問いかけ条件が成立した場合には、S125において、問いかけ禁止条件が成立するか否かをさらに判断する。この問いかけ禁止条件は、運転者が運転操作に集中すべき条件として予め設定されたものである。上記問いかけ禁止条件としては、(1)操舵角が連続的な操舵操作を要する角度として設定されている所定角度以上であること(すなわち、車両が曲がっている状態であること)、(2)加速度が急加速であることを意味する所定加速度以上であること(例えばスロットル開度によって判断する)、(3)ヨーレートが所定値以上であること(前述の(1)と同等の判断を行うものである)、(4)GPS等によって検出される車両位置が交差点内であること、(5)ブレーキが操作されていること、等がある。
問いかけ禁止条件が成立した場合には、本ルーチンを終了する。一方、問いかけ禁止条件が成立せず、上記S125の判断が否定された場合には、S126において、所定の問いかけメッセージを音声出力部112から出力する。上記問いかけメッセージは、車両搭載機器120、130、・・・の種類に応じて設定されており、且つ、肯定及び否定のいずれか一方の指示を求める内容(例えば、車両搭載機器がワイパーである場合には「ワイパーを動かしますか」)となっている。なお、前述のS121乃至S123、及びS125、S126が問いかけ出力制御である。
上記S126を実行したら、S127において、問いかけが肯定されたか否かを判断する。この判断は、S126の実行後、予め定められた所定時間内にYESボタン111Y(図1)が押されたか否かを判断するものである。
所定時間内にYESボタン111Yが押された場合にはS127の判断が肯定されて、S128において、問いかけ内容に対応する制御を実行する。続くS129では、上記S128又は前述のS124において制御を実行した機器を、それらS128又はS124を実行してから比較的短い予め定められた所定時間内に搭乗者が再操作したか否かを判断する。
上記S129の判断が肯定された場合、すなわち、本プログラム103yにより実行した制御内容が運転者の操作によって変更された場合には、S130において問いかけ条件及び自動実行条件を学習する。
まず、S130では、前述のS121において取得した制御実行判断情報が予め区分された複数範囲においてどの範囲に含まれるかを決定する。なお、車両搭載機器120、130、・・・に対する制御実行判断情報が複数種類ある場合には、まず、種類毎にS121で取得した制御実行判断情報がどの範囲に属するかを決定するが、複数種類毎に決定した範囲の全てが同じ範囲である場合を同一範囲とする。
そして、S124を経由したS130の実行の場合(すなわち、問いかけをすることなく制御を実行した場合)であれば、決定した範囲が問いかけ条件に含まれるように、問いかけ条件を広げるとともに自動実行条件を狭める。このようにすることにより、次回からは、同一条件では、制御が自動的に実行されずに、問いかけメッセージが出力されるようになるので、不必要な制御が実行されてしまうことにより運転者に不快感を与えてしまうことが防止できる。
一方、S128を経由したS130の実行の場合には、制御の内容が運転者の意図した内容ではなかったと考えられるので、決定した範囲において行う制御として設定されている制御内容を再操作後の制御内容に変更する。
上記S129の判断が否定された場合、すなわち、再操作がなかった場合にも問いかけ条件及び自動実行条件を学習するが、学習内容がS130とは異なる。まず、S131においてもS130と同様に、前述のS121において取得した制御実行判断情報が予め区分された複数範囲においてどの範囲に含まれるかを決定する。そして、決定した範囲の総和値(初期値は0)に対して加算値+1を加える。その結果、総和値が所定の正側条件変更値以上となった場合には、制御実行判断情報が同一範囲である状態において、問いかけに対して運転者が多数回肯定の応答をしたことを意味し、この条件(制御実行判断情報の同一範囲)では、運転者は確実に制御実行を望んでいると考えられる。そこで、総和値が上記正側条件変更値以上となった場合には、上記範囲が自動実行条件に含まれるように問いかけ条件を狭くする一方、自動実行条件を広くする。
前述のS127において、所定時間内にNOボタン111Nが押された場合、又は、所定時間内にYESボタン111YもNOボタン111Nも押されなかった場合には、そのS127の判断が否定される。
S127の判断が否定された場合にも、S132において学習が行われる。このS132においても、まず、S130、S131と同様に、前述のS10において取得した制御実行判断情報が予め区分された複数範囲においてどの範囲に含まれるかを決定する。そして、決定した範囲の総和値(初期値は0)に対してS131の加算値(すなわち+1)よりも大きな数値(例えば3)を減算する。このように、加算値よりも減算値を大きな数値とすることにより、自動実行条件は広がりにくくなる(同時に、問いかけ条件は狭くなりにくくなる)。しかし、自動実行条件において広がった範囲が、運転者が制御を希望している条件である確率は高くなるので、不必要なときに自動的に車両搭載機器120、130、・・・の制御が実行されてしまう確率が低下する。
また、上記減算の結果、総和値が所定の負側条件変更値以下となった場合には、制御実行判断情報が同一範囲である状態において、問いかけに対して運転者が多数回否定の応答をしたことを意味し、この条件(制御実行判断情報の同一範囲)では、運転者は確実に制御実行を望んでいないと考えられる。そこで、総和値が上記負側条件変更値以上となった場合には、上記範囲が問いかけ条件に含まれないように(当然、自動実行条件にも含まれないように)問いかけ条件を狭くする。
前述のS122の判断が否定された場合、すなわち、S121で取得した制御実行判断情報が問いかけ条件も自動実行条件も満たさない場合には、S130において、車両搭載機器120、130、・・・が手動操作されたか否かを判断する。この判断が否定された場合には本ルーチンを終了するが、肯定された場合には、S134において学習を実行する。
このS134においても、まず、S130、S131、S132と同様に、前述のS121において取得した制御実行判断情報が予め区分された複数範囲においてどの範囲に含まれるかを決定する。そして、決定した範囲が問いかけ条件に含まれるように、問いかけ条件を広げる。
S130、S131、S132、及びS134が終了すると、S135にて、学習した結果を現ユーザーに対応付けた形で外部メモリ106の学習データ記憶部106に記憶(更新)する。
図5に示すルーチンは、前述のように、繰り返し実行するようになっているので、S126における問いかけに対する運転者の応答結果を、S131、S132で繰り返し学習することになる。その結果、次第に問いかけ条件が狭く、自動実行条件が広くなっていく。従って、次第に、問いかけの頻度が低下していくので、運転者が問いかけによって不快感を覚えることが少なくなっていき、しかも、必要なときに自動的に車両搭載機器の制御が実行される確率は向上していく。
また、上記S131、S132の学習のみでは、当初、問いかけ条件に含まれていない条件は、S131、S132の学習を繰り返しても自動実行条件となることはないが、問いかけをしていないのに手動操作がされた場合には、S134において、問いかけ条件を広げるように学習をするようになっている。そして、S134において広がった部分についても、S131、S132において学習を繰り返すうちに、自動実行条件に含まれるようになる可能性がある。従って、当初の問いかけ条件をそれほど厳密に設定しなくても、学習によって漸次、自動実行条件を広くしていくことができる。
また、S131及びS132における学習においては、加算値よりも減算値が大きくされていることによって、自動実行条件が広がりにくくなっており、その結果、運転者が望まない制御が実行されてしまうことが抑制される。それだけではなく、さらに、実行した制御が再操作によって変更又は取り消された場合には、S130においてその内容を学習するようになっているので、運転者の望まない制御が実行されることが一層少なくなる。
この機能実行学習プログラム103yによれば、問いかけ条件を満たす場合には、車両搭載機器120、130、・・・の制御を実行する前に、運転者に対してその車両搭載機器の制御を実行するか否かを問いかけるので、不必要なときに自動的に車両搭載機器120、130、・・・の制御を実行してしまう確率を低減でき、且つ、その問いかけは、問いかけ条件を満たす場合のみなので、運転者が不快感を覚える確率を低減させることができる。しかも、自動実行条件を満たす場合には、その問いかけを実行することなく自動的に車両搭載機器120、130、・・・の制御を実行するので、必要なときに自動的に制御を実行する確率は維持できる。
図4の主プログラム103xに戻る。S102で実行される上記で述べたメイン車両100側の機能実行学習プログラム103xは、比較的短い時間に設定された所定の繰り返し周期毎に繰り返し実行されるものであり、車両の停止制御時まで繰り返される。なお、車両の停止制御時とは、車両のエンジン停止制御時(イグニッションあるいはアクセサリーをOFFとするキー操作時等)あるいはそれを前提条件とする操作又は処理時(運転席の着座センサ(図示なし)からの信号により運転者の非着座状態が検出された時等)等を含むものである。本実施形態においては、S103にて、エンジン停止に係るキー操作により、アクセサリーがOFFに操作されたことに基づいて終了するものとする。
アクセサリーOFFとされるとS104に進み、携帯機10の検出を行う。具体的には、携帯機10に対し、S101において認識されたユーザーのユーザー識別情報と当該車両100を特定するための車両識別情報とを送信し、これに対する予め定められた応答データの返信の有無により検出する。検出されるとS105にて、外部メモリ106の学習データ記憶部106aに記憶されている学習データを携帯機10に送信する。
なお、このとき、メイン車両100が自身の最新の機能リスト情報を取得し、これを学習データとともに携帯機10に送信してもよい。具体的には、機器管理用ECU110からシリアル通信バス150上に接続された各種車両搭載機器(あるいはその機能)の接続状態及び起動状態を確認するための確認信号を送出し、それに対する応答信号により最新の機能リストを作成し、これを携帯機10に送信することで行う。この場合、外部メモリ106のメイン車両機能リスト記憶部106bは不要とすることができる。
一方、携帯機10側では、S11においてユーザー識別情報と車両識別情報とを受信し、S12では、受信した車両識別情報の特定する車両が、同じく受信したユーザー識別情報の特定するユーザーのメイン車両であるか否かを判定する。メイン車両であれば、車両100側から送信される学習データを受信する受信待機状態となり、S15において送信されてくる学習データを受信する。受信したデータは、S16にて、ユーザーIDと対応付けた形でフラッシュROM13の学習データ記憶部13bに上書きして更新する。このプログラム13cは、携帯機10の電源スイッチ19のOFF操作により終了する。なお、メイン車両側の主プログラム103xのS105にて、携帯機10のメイン車両機能リストが送信された場合には、S15にてこれも受信し、S16にて受信したメイン車両機能リストによりメイン車両機能リスト記憶部13aに記憶されたデータを上書きして更新する。
そして、メイン車両100側では、携帯機10への学習データ(及び機能リスト情報)の送信が終わると、このプログラム103xを終了する。また、S104にて携帯機10が検出されなかった場合は、学習データを送信することなく、このプログラム103xを終了する。
このように、メイン車両側の学習データは、運転者の車両下車時には携帯機10側に記憶されており、運転者は最新の学習データを所持することが可能となる。
次に、携帯機10からサブ車両200へのメイン車両100の機能リスト情報及び学習データの送信処理、これらデータのサブ車両側での受信処理、及びメイン車両100とサブ車両200の機能差分をサブ車両200側で報知する機能差分報知処理の実行について説明する。これらの処理は、サブ車両200側のCPU201が機能差分対応制御プログラム203aを実行し、携帯機10側のCPU11が機能リスト及び学習データ送受信プログラム13cを実行することで行われる。以下、これらのプログラム203a及び13cについて、図6のフローチャートを用いてその処理の流れを説明する。
サブ車両200側の機能差分対応制御プログラム203aは、メイン車両100の主プログラム103xと同様、車両の始動制御に基づいて起動する。本実施形態においては、主プログラム103xと同様、エンジン始動に係るキー操作によりアクセサリーがONに操作されたことに基づいて起動するものとする。また、携帯機10側の機能リスト及び学習データ送受信プログラム13cは、携帯機10の電源スイッチ19がONに操作されたことに基づいて起動する。
サブ車両200側の機能差分対応制御プログラム203aは、S201にて、運転者のユーザー認識を行う。具体的には、メイン車両100の主プログラム103xにおけるS101と同様の処理である。この外部メモリ206と、表示装置23と、操作スイッチ群221と、表示装置23と、機器管理用ECU210とにより運転者識別手段が構成されている。なお、上記実施形態とは異なり、運転者の画像を撮像して画像認識から運転者を識別したり、運転者の発した音声から運転者を識別したりする等、公知の他の生体識別手段を運転者識別手段として用いることができることも、上記主プログラム103xと同様である。
続いて、S202に進み、携帯機10の検出を行う。これも、メイン車両100の主プログラム103xにおけるS104と同様の処理であり、携帯機10に対し、S201において認識されたユーザーのユーザー識別情報と当該車両200を特定するための車両識別情報とを送信し、これに対する予め定められた応答データの返信の有無により検出する。検出されるとS203にて、S201で認識したユーザーが日頃使用しているメイン車両(本実施形態では車両100)の機能リスト情報と、該ユーザー及びそのメイン車両に対応する学習データとを携帯機10に送信させるための送信要求を、携帯機10に送信する。
このとき、携帯機10側では、S11にて、ユーザー識別情報と車両識別情報とを受信し、S12では、受信した車両識別情報の特定する車両が、同じく受信したユーザー識別情報により特定されるユーザーのメイン車両であるか否かを判定する。メイン車両でなければ、S13にて、上記S203にてサブ車両200側から送信される送信要求の受信の有無を判定し、送信要求を受信した場合には、S14にて要求された機能リスト情報と学習データとを送信する。携帯機10側のプログラム13cは、電源スイッチ19のOFF操作により終了する。
そして、サブ車両200側では、S204にて、携帯機10から送信されたメイン車両100の機能リスト情報と学習データとを受信する。受信したメイン車両100の学習データは学習データ記憶部206aに、受信したメイン車両100の機能リスト情報はメイン車両機能リスト記憶部206cに記憶される。
続いてS205では、サブ車両200の車両搭載機器220、240、・・・の各機器の機能内容を示す機能リスト情報を取得する。サブ車両200の機能リスト情報の取得は、外部メモリ206のサブ車両機能データ記憶部206bに記憶された機能リスト情報を読み出すことで行う。なお、サブ車両200の機能リスト情報の取得は、機器管理用ECU210からシリアル通信バス250上に、各種車両搭載機器(あるいはその機能)の接続状態及び起動状態を確認するための確認信号を送出し、それに対する応答信号により最新の機能リストを作成することで取得してもよい。この場合、外部メモリ206のサブ車両機能リスト記憶部206bは不要とできる。
S206では、S204で取得したメイン車両100の機能リスト情報とS205で取得したサブ車両200の機能リスト情報とを比較して、機能差分情報を生成する。具体的には、サブ車両200の機能リスト情報としてリストアップされた各機能と一致する機能を、メイン車両100の機能リスト情報としてリストアップされた各機能の中から選択し、一致しなかった機能をサブ車両側固有機能(新機能:第二側固有機能)としてRAM202の予め定められた記憶領域に記憶し、さらに、メイン車両100の機能リスト情報としてリストアップされた各機能の中において上記一致に該当しなかったメイン車両側固有機能を(不足機能:第一側固有機能)としてRAM202の予め定められた記憶領域に記憶する。これらサブ車両側固有機能及びメイン車両側固有機能が機能差分情報である。
続いて、S207では、機能差分情報の報知処理を行う。具体的には、機能差分報知プログラム203bを実行することで行われる。以下、機能差分報知プログラム203bの流れを、図7を用いて説明する。
まず、S211にて、メイン車両側固有機能(不足機能)の有無を判定する。メイン車両側固有機能が無い場合には、S214に進む。メイン車両側固有機能がある場合には、S212にて、メイン車両側固有機能と同様の効果を有する代替機能又はメイン車両側固有機能の少なくとも一部の効果が達成される代替機能の有無を検出する。具体的には、サブ車両200側の機能リスト情報に、該サブ車両200に搭載された機能の少なくとも一部の機能に対応し、かつサブ車両200に非搭載の代替機能(対応相当機能)を示す代替機能情報(対応相当機能情報)が含まれており、この代替機能情報に基づいてメイン車両側固有機能(不足機能)の代替機能を検出する。代替機能がある場合にはS215に進み、無い場合にはS213にて、メイン車両側固有機能(不足機能)の存在と、その存在に係る警告情報を音声報知する。例えば、「この車にはABSがついていません。速度は控えめに。」等の内容で、音声出力部112から音声報知される。こうしたメイン車両側固有機能に関する報知内容データは、サブ車両200の機能リスト情報に含まれる機能毎に対応付けられて記憶されているから、対応する報知内容データを読み出すことで実行される。
S214では、サブ車両側固有機能(新機能:第二側固有機能)の有無を判定する。サブ車両側固有機能が無い場合には、本プログラム203bを終了して図7のS208に進む。サブ車両側固有機能がある場合にはS215に進む。
S215では、S212及びS214にて検出されたサブ車両側固有機能又は代替機能の存在及びこれら機能に係る情報を、ユーザー(運転者)による運転操作前に報知する初期報知を行うか否かを、これら機能毎に判定する。具体的には、サブ車両200の機能リスト情報に含まれる個々の機能に、初期報知を行うか、もしくは機能実行前に報知する実行前報知を行うかを定める報知タイミング情報が対応付けて記憶されているから、検出されたサブ車両側固有機能又は代替機能のそれぞれの報知タイミング情報をサブ車両200の機能リスト情報から取得することで判定する。検出されたサブ車両側固有機能又は代替機能に初期報知を行う機能が存在しなかった場合は本プログラム203bを終了して図7のS208に進み、初期報知を行う機能が存在する場合にはS216に進み、それら機能の初期報知を開始する。
S216では、初期報知を行うと設定されたサブ車両側固有機能又は代替機能の存在及びこれら機能に係る情報を報知する。サブ車両側固有機能又は代替機能に係る情報とは、サブ車両側固有機能又は代替機能の機能内容の紹介及びこれら機能の使用方法の説明である。例えば、「この車には、暗い所での前方視認性を高めるナイトビジョン画像を表示することができます。使用する場合には、○○を操作してください。」、「この車にはバックモニタはついていませんが、ソナー(クリアランスソナーとバックソナー等)がついています。ソナー音に注意して運転してください。」等の内容で、音声出力部112から音声報知される。こうしたサブ車両側固有機能及び代替機能に関する報知内容データは、サブ車両200の機能リスト情報に含まれる機能毎に対応付けられて記憶されているから、対応する報知内容データを読み出すことで行うことができる。初期報知を終了すると、本プログラム203bを終了する。
図6に戻る。S207にて、上記のようなサブ車両200側の機能差分報知プログラム203bが終了すると、S208に進み、上述したメイン車両100側での機能実行学習プログラム103yと同様の、図8に示す機能実行(学習)プログラム203cを実行し、サブ車両に搭載された各種機能を実行する(図5のS121〜135と図8のS231〜245が順に対応している)。なお、上述したメイン車両100側の機能実行学習プログラム103yでは、S130、S131、S132、及びS134において、指示ボタン211YN(YESボタン211YとNOボタン211N)の操作による学習処理が行われ、S135にてその学習結果の記憶(更新)が実行されていたが、サブ車両側の機能実行(学習)プログラム203cにおいては、必ずしもこれらのステップ(S230〜S235)は不要である。
S208の機能実行(学習)プログラム203cが終了すると、S209に進み、アクセサリーのOFF操作の有無を検出する。OFF操作が検出されるまでS208を繰り返し、OFF操作が検出された場合には本プログラム203aを終了する。
以上、本発明の車両通信システムによれば、日頃第一車両を乗り慣れているユーザーが、乗り慣れていない第二車両を運転する場合に、第一車両には無かったより有効な新機能(サブ車両側固有機能)の積極的な使用を促がすことができるし、逆に第二車両には不足している機能がある場合には、その不足機能(メイン車両側固有機能)を予め認識させることができるから、第二車両の運転をよりスムーズに行うことが可能となる。また、不足機能の報知はユーザーの車両始動時に行われるから運転前に不足機能を認識することが可能となっており、さらに、不足機能に対する代替機能の報知も実行されるから代替機能を有効に利用することも可能となっている。
なお、第一車両には無かったより有効な新機能(サブ車両側固有機能)の報知は、車両始動制御時のみではなく、該新機能の使用機会に適合した車両の使用適合状態の到来に基づいて、新機能(サブ車両側固有機能)の存在を含む、該新機能に係る情報の報知を実行することもできる。
また、新機能(サブ車両側固有機能)を、ユーザー操作をトリガーとして動作起動する第一種機能(例えば、オートワイパー、オートライト、エアコン、ナビゲーション装置、ラジオ、ドアロック、空気清浄機、ナイトビジョン、及びオートクルーズ等)と、ユーザー操作とは無関係に自動起動する第二種機能(例えば、ABS、スタビリティコントロール、バックモニタ、及びソナー等)とに分類して、上記の第一種機能の使用適合状態の到来に基づいて、上記の新機能(サブ車両側固有機能)に係る情報とともに、該第一種機能の実行のためのユーザー操作を促がす操作案内報知を実行してもよい。また、第二種機能は、上記の新機能(サブ車両側固有機能)に係る情報の報知処理が実行された後に自動実行されるようにすることができる。
そして、この第一種機能に係る情報の報知機能を、メイン車両100側の機能実行学習プログラム103y、及びサブ車両200側の機能実行(学習)プログラム203cにより実行されるものとすることができる。この場合、制御実行判断情報は第一種機能の有無であり、S206の機能差分情報取得処理により得られる。
問いかけ条件は、各第一種機能を使用するタイミングの到来の判定に使用する車両の使用適合状態に関する情報である。この使用適合状態は、これら機能毎に第二車両の外部メモリ206に予め記憶しておく。問いかけ内容としては、例えば「第一種機能が存在します。この機能の説明と使用方法を聞きますか?」等のような内容で音声出力部112から音声報知されるものとすることができる。問いかけ内容のデジタル音声データ(問いかけ内容データ)は、機能毎に対応付けて外部メモリ206に記憶しておく。
自動実行条件は、初期設定ではありとする。そして、プログラム203cにおける学習により、自動実行条件がなしとなる。つまり、第一種機能を実行するためのユーザー操作の操作実績情報が学習データとして記憶され、該第一種機能に対する問いかけ(操作案内報知処理)の実行前に、学習データに基づいてその問いかけを実行するか否かを判定し、問いかけを実行すると判定された場合には、第一種機能の存在報知とともに問いかけを実行し、ユーザー操作に基づいて第一種機能が実行される。問いかけを実行しないと判定された場合には、第一種機能の存在報知の後に、問いかけを実行することなく第一種機能が自動実行される。
なお、指示ボタン111YN(211YN)を一つの肯定ボタン111Y(211Y)のみで構成することができる。この場合、予め定められた時間内にYESボタン111Y(211Y)が押されなかった場合に、上記実施形態のNOボタン111N(211N)が押された場合と同様の否定判定を行うものとする。
また、上述の実施形態のS134(及び244)における学習は、S121(及びS231)において取得した制御実行判断情報が含まれるように問いかけ条件を拡張するものであったが、その制御実行判断情報方向が含まれるまで問いかけ条件を拡張しなくても、問いかけ条件の境界値をその制御実行判断情報方向に所定値拡張するものであってもよい。
S130(及び240)における学習も同様に、取得した制御実行判断情報方向が含まれるまで問いかけ条件を拡張しなくても、問いかけ条件の境界値をその制御実行判断情報方向に所定値拡張するものであってもよい。
また、上述の実施形態では、問いかけに対して指示ボタン111YN(YESボタン111Y及びNOボタン111N、又はYESボタン111Yのみ)で応答するようになっていたが、音声によって応答するようになっていてもよい。これは指示ボタン211YNも同様である。
また、上述の実施形態では、問いかけ内容及び報知内容を音声出力部112から音声報知させていたが、音声出力部112からの出力に代えて、或いは、それに加えて、表示装置113に問いかけ内容及び報知内容を出力してもよい。
また、上述の実施形態のS127(及びS237)では、予め定められた時間内にYESボタン111Y(211Y)及びNOボタン111N(211N)のいずれも押されなかった場合には、NOボタン111N(211N)が押された場合と同様に、問いかけが否定されたと判断することができるが、逆に、所定時間内にYESボタン111Y(211Y)及びNOボタン111N(211N)のいずれも押されなかった場合に、問いかけが肯定されたと判断するようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、サブ車両200側に、上述した差分認知支援手段(差分存在報知手段、第二固有機能特定手段、第二側固有機能報知手段、第一固有機能特定手段、第一側固有機能報知手段)、操作案内報知手段が設けられていたが、携帯機10側に音声出力部を設け、これら手段を実現してもよい。つまり、問いかけや各種報知処理を携帯機10側で行ってもよい。
また、これら手段をメイン車両100とサブ車両200との双方に設けるようにしてもよい。つまり、これら手段を実現する各種プログラムをメイン車両100とサブ車両200とに搭載するようにし、ユーザーがこれら車両を運転する際に、まず、車両始動制御時に搭乗したユーザーを認証し、当該車両が認証されたユーザーのメイン車両であるか否かを判定して、メイン車両であれば主プログラム103xを、メイン車両でなければ機能差分対応制御プログラム203aを実行するよう構成してもよい。
(第二実施形態)
図11、図12、図13は、本発明の第二実施形態に係る車両用ユーザー支援装置の電気的ブロック図の概略を示す図である。なお、上記第一実施形態に係る車両用ユーザー支援装置と同様の部分については、同一の符号を付することにて説明を省略する。図11、図12、図13に示す車両用ユーザー支援装置1´は、情報センタ(情報中継手段)20と、情報センタ20と無線通信網を介して無線通信可能に構成された車両100及び車両200とで構成される。なお、本実施形態においても上記第一実施形態と同様に、車両100は、あるユーザーが日頃乗り慣れている車両(メイン車両)として予め定められた基準車両であり、車両200は、当該ユーザーが日頃乗りなれない、上記基準車両100とは異なる車両(サブ車両)である。この車両用ユーザー支援装置1´によれば、ユーザーがサブ車両200に乗車する際に、上記第一実施形態における携帯機10を所持せずとも、日頃乗り慣れたメイン車両100との仕様差異を認識可能とするものである。
メイン車両(第一車両:基準車両)100は、上記第一実施形態と比べて、送受信機160の通信対象に情報センタ20が含まれる点、機器管理用ECU110のROM103及び外部メモリ106の記憶内容が異なる点、同じく機器管理用ECU110の機器管理用ECU110の入出力部105に個人識別装置118及び乗車検知装置119が接続されている点、及びシリアル通信バス150にメータ表示装置180及びナビゲーション装置190が接続されている点において相違する。
なお、本実施形態におけるメイン車両100の車両搭載機器としては、オートワイパー、オートライト、エアコン、ナビゲーション装置、ラジオ、ドアロック、空気清浄機、ナイトビジョン、オートクルーズ、ABS(Antilock Brake System)、エアバッグ(運転席及び助手席の双方)、スタビリティコントロール、及びバックモニタ等と、さらに上記ナビゲーション装置190とがあり、これらは機器管理用ECU110によって制御される。
ナビゲーション装置190は、周知の地磁気センサ・ジャイロスコープ・距離センサ・車速センサ・GPS受信機等を備えてなる自車両位置検出器、経路案内実行のためのナビゲーションプログラムや地図データ等及びその他各種データ等を記憶するデータ記憶装置(HDD)、表示装置、音声出力部、入力操作部、及び制御回路等を備える周知の構成を有するものである。なお、本実施形態においては、図11の音声出力部112がナビゲーション装置190の音声出力部に兼用され、同じく図11の表示装置113がナビゲーション装置190の表示装置に兼用され、さらに、図11の操作スイッチ群111の一部にナビゲーション装置190の入力操作部が兼用されている。
このような構成を有するナビゲーション装置190では、制御回路のCPUによりナビプログラムが起動されると、表示装置113上にメニュー画面(図示せず)が表示される。そして、ユーザーによる入力操作部111の操作(例えばタッチパネルの操作,リモコン端末の操作、あるいはマイクからの音声入力等)によって、そのメニュー画面から経路案内処理が選択されると、例えば次のような処理を実施する。即ち、まず、ユーザーは目的地を探索して設定する。目的地が設定されると、自車両位置検出器により車両100の現在位置が求められ、該現在位置を出発地として目的地までの最適な案内経路を求める処理が行われる。無論、出発地を現在位置以外の地点とすることもできる。そして、表示装置113上の道路地図に案内経路を重ねて表示しつつ音声出力部112から音声による経路案内を出力する形で、ユーザーに適切な経路を案内する。
個人識別装置118は、該個人識別装置118の搭載車両100を使用するユーザー(本実施形態においては運転者)から個人識別情報を取得して、危機管理用ECU110に送信するものであり、当該ユーザーを認証するためのユーザー認証手段の一部として機能する。本実施形態においては、指紋によるユーザー識別を行なう識別装置が採用されている。なお、個人識別装置118は、指紋ではなく運転者の発する音声や、他の生体識別情報を用いる生体識別装置であってもよいし、運転者の画像を撮像して画像認識から運転者を識別する画像識別装置であってもよい。
なお、本実施形態におけるユーザー認証手段は、上述の個人識別装置118を個人識別情報取得手段として備える一方で、その他にも、車両100側に設けられ、取得した個人識別情報を情報センタ20側に送信する個人識別情報送信手段(後述するプログラム313x及び313zの実行に伴い機能する)と、情報センタ20側に設けられ、該個人識別情報を受信する個人識別情報受信手段(後述するプログラム25x、25y、25zの実行に伴い機能する)と、情報センタ20側に設けられ、受信した個人識別情報に基づいて認証処理を実行する個人認証手段(同じく後述するプログラム25x、25y、25zの実行に伴い機能する)と、を備えて構成されている。
乗車検知装置119は、ユーザー(本実施形態においては運転者)の乗車状態を検出するものであり、乗車検知手段として機能する。本実施形態においては、運転者の着座状態を検出する着座センサが採用されている。なお、乗車検知手段として上記個人識別装置118を用いてもよい。
機器管理用ECU110のROM103には、車両100を識別するための車両種識別情報を記憶する車両種識別情報記憶部313aが設けられている。本実施形態においては、車両種識別情報として車両100の車体番号が記憶されている。なお、車両種識別情報は、車両100を識別可能な他の識別情報であってもよいし、複数の識別情報により車両100を識別するものであってもよい。
また、ROM103には、車両搭載機器120、130、・・・のそれぞれの機能実行に係る制御処理を実行する主プログラム313xが記憶されている。さらに、ROM103には、主プログラム313xのサブプログラムとして、車両100が乗車したユーザーの基準車両である場合に実行され、それら車両搭載機器120、130、・・・の機能実行を開始するトリガー付与及びその機能実行に係る操作の履歴情報を外部メモリ106に記憶するための機能実行学習プログラム313yと、車両100が乗車したユーザーの基準車両でない場合に実行され、車両100が当該ユーザーの基準車両の仕様に差異がある場合にこれをユーザーに認識させる仕様差分対応制御プログラム313zとが記憶されている。
なお、機能実行学習プログラム313yがCPU101により実行されることで、操作実績記憶手段として機能する。また、仕様差分対応制御プログラム313zがCPU101により実行されることで、第一車両仕様特定情報取得手段、第二車両仕様特定情報取得手段、仕様比較手段、ユーザー認証手段、及び仕様差異認知支援手段として機能する。
外部メモリ106は、上記実施形態と同様、EEPROM等の書き換え可能な記憶媒体である。この外部メモリ106には、自車両100の車両搭載機器120、130、・・・等の機器別(又は、ナビゲーション装置190のように複数の機能を備えている場合には機能別(制御別))、及び、ユーザー別に、問いかけ条件及び自動実行条件を学習データとして記憶する自車両学習データ記憶部(自車両操作実績記憶部)616aと、情報センタ20から受信する、自車両100とは異なる他の車両(例えば車両200)の学習データを記憶する他車両学習データ記憶部(他車両操作実績記憶部)616bとが設けられている。
また、外部メモリ106には、図9及び図10に示すような自車両100の仕様内容を示す自車両仕様リスト情報(第一車両仕様特定情報)を記憶する自車両仕様リスト記憶部616cが設けられる一方で、情報センタ20から受信する、同じく図9及び図10に示すような自車両100とは異なる他の車両(例えば車両200等)の仕様内容を示す他車両仕様リスト情報(第二車両仕様特定情報)を記憶する他車両仕様リスト記憶部616dが設けられている。
また、外部メモリ106には、デジタル音声データ及び画像表示用データとして、自車両100の仕様リスト情報に含まれる各機能に対応付けた形で、上記第一実施形態と同様の問いかけ内容データを記憶する問いかけ関連情報記憶部616eが設けられている。なお、問いかけ関連情報記憶部616eには、問いかけ内容データの他にも、自車両100の仕様リスト情報に含まれる各機能に対応付ける形で、制御実行判断情報、問いかけ条件、及び自動実行条件を記憶している。問いかけ条件とは、自車両100の仕様リスト情報に含まれる各機能(各制御)を実行するか否かを音声ないし画面表示によりユーザーに問いかける問いかけ制御を実行するかどうかを決定する条件である。また、自動実行条件とは、自車両100の仕様リスト情報に含まれる各機能(各制御)を自動的に(問いかけ出力制御なしに)実行するかどうかを決定する条件である。上記問いかけ条件および自動実行条件は、予め定められ少なくとも一つの制御実行判断情報に対して条件(問いかけ条件または自動実行条件)を満たす範囲が設定されたものである。制御実行判断情報は、自車両100の仕様リスト情報に含まれる各機能(各制御)の実行を希望している可能性があるか否かを判断する情報である。例えば、自車両100が備える機能であるオートワイパーの制御実行判断情報は、自車両100の入出力部105に接続するセンサ114〜117のいずれかに含まれる雨量センサの検出値(雨量)やナビゲーション装置190が無線受信する天候情報であり、同じくオートライトの制御実行判断情報は、自車両100の入出力部105に接続するセンサ114〜117のいずれかに含まれる照度センサの検出値(光量)である。このように、制御実行判断情報は各機能に対応して設けられている。
また、外部メモリ106には、自車両100の仕様リスト情報に含まれる各仕様に対応付けた形で、各仕様の代替仕様情報(対応相当仕様情報)を記憶する代替仕様記憶部(図11の代替機能記憶部)616fが設けられている。なお、本実施形態における代替仕様情報は、図9に示すように、自車両仕様リスト情報に組み込まれた形で自車両仕様リスト記憶部616cに記憶されている。つまり、本実施形態においては、代替仕様リスト記憶部616fは自車両仕様リスト記憶部616cの一部領域とされている。なお、代替できる仕様は車両機能に関するもののみであるから、「代替仕様」は「代替機能」と称することができる。
また、外部メモリ106には、デジタル音声データ及び画像表示用データとして、図14に示すように、車両の仕様リスト情報に含まれる各仕様に対応付けた形で報知内容データを記憶する報知内容データ記憶部616gが設けられている。本実施形態における報知内容データとしては、新仕様報知データ、不足仕様報知データ、及び代替仕様報知データが含まれる。新仕様報知データは、車両100を使用するユーザーの基準車両(例えば車両200)の仕様リスト情報と当該車両100の仕様リスト情報とに基づく仕様差分情報を取得した結果、該ユーザーの基準車両には無い新仕様(第二側固有機能)がある場合に、その新仕様の存在を報知するためのデータである。不足仕様報知データは、同じく車両100を使用するユーザーの基準車両(例えば車両200)の仕様リスト情報と当該車両100の仕様リスト情報とに基づく仕様差分情報を取得した結果、該ユーザーの基準車両にはあるが当該車両100には無い不足仕様(第一側固有機能)がある場合に、その不足仕様の存在を報知するためのデータである。また、代替仕様報知データは、ユーザーが車両100を使用する際して上記不足仕様があった時に、前述の代替機能記憶部616fに記憶されている代替仕様情報を参照した結果、当該不足仕様の代替仕様が車両100にあると判定された場合に、その代替仕様の存在を報知する内容の代替仕様報知データと、が含まれる。
さらに、外部メモリ106には、後述するさらに、外部メモリ106には、個人識別装置118が取得した個人識別情報を記憶する個人識別情報記憶部616hが設けられている。
情報センタ20は、図12に示すように、CPU21、RAM22、ROM23、バスライン24、送受信機28と接続されるインターフェース(図中では「I/F」と表示)27、ハードディスクドライブ(図中では「HDD」と表示:以下、HDDという)25、入出力部(図示なし)等を備えるサーバー(ホスト装置)として構成されている。
HDD25には、既に登録処理がなされたユーザーの登録情報(登録ユーザー情報)を記憶する登録ユーザー情報記憶部(第一車両仕様特定情報記憶部(基準車両仕様特定情報記憶部))25aが設けられている。登録ユーザー情報は、既に登録がなされた各ユーザー(具体的に言えは登録時に割り振られたユーザーID)に対応付けた形で、メイン車両情報、該ユーザーの前回使用車両情報、該ユーザーの個人識別情報のマスター情報(図中の個人識別用マスター情報)、及び該ユーザーのメイン車両特定情報が記憶されている。メイン車両情報は、各ユーザーのメイン車両の仕様リスト情報(基準車両仕様特定情報)及び学習データであり、本実施形態においては学習データでも含まれている。前回使用車両情報は、各ユーザーの前回使用した車両の仕様リスト情報である。個人識別情報のマスター情報は、車両側から受信するユーザーの個人識別情報に対し認証処理を行なう際に認証OKを与えるための判断基準となる情報である。また、メイン車両特定情報は、車両側から受信する車両識別情報に対応するメイン車両情報を特定するための判断基準となる情報である。
また、HDD25には、様々な車両の仕様に対する前述の報知内容データを記憶した報知内容データマスター記憶部25bが設けられている。つまり、車両側に記憶される報知内容データは、必要に応じて当該報知内容データマスター記憶部25bからダウンロードされたものである。
また、HDD25には、車両側から受信する個人識別情報と車両種識別情報とに基づいて、受信した車両種識別情報により識別される車両が、同じく受信した個人識別情報により識別される登録ユーザーの基準車両であるか否かを特定する車両種特定プログラム25xと、同じく車両側から受信するメイン車両情報により、対応する登録ユーザーのメイン車両情報を更新するメイン車両情報更新プログラム25yと、車両側からの要求に基づいてメイン車両情報を送信するメイン車両情報送信プログラム25zとを記憶している。
ところで、本実施形態においても、ユーザーが自身のメイン車両(基準車両)100とは異なるサブ車両200を運転する際には、メイン車両100との機能の差分を認識可能である。さらに、本実施形態においては、該機能の差分を含めた車両100の仕様の差分をも認識可能となっている。本実施形態におけるサブ車両200は、図13に示すように、メイン車両100に搭載されていた車両搭載機器(共通機能)220の他、メイン車両には搭載されていない車両搭載機器(第二側固有機能)240と、他にも複数の機器機能を備えており、これら機器がシリアル通信バス250を介して機器管理用ECU210と接続して構成されている。
なお、本実施形態におけるサブ車両200の車両搭載機能(車両搭載機器)としては、オートワイパー、オートライト、エアコン、ナビゲーション装置、ラジオ、ドアロック、空気清浄機、ナイトビジョン、オートクルーズ、エアバッグ(運転席のみ)、及びスタビリティコントロール等があり、これらの機能は機器管理用ECU210によって制御される。
このサブ車両(第二車両)200は、機器管理用ECU210の制御対象となる車両搭載機能(車両搭載機器)が異なるものの、その構成及び機器管理用ECU210に記憶されている各プログラム323x、323y、323zの内容はメイン車両100に記憶されている各プログラム313x、313y、313zと同様であり、同じく機器管理用ECU210に記憶されている各データ(各情報)も、その種別は互いに同様である。ただし、機器管理用ECU210に記憶されている各データ(各情報)は、同じ種別のデータであってもサブ車両200に対応した内容のデータ(情報)であり、メイン車両100のデータ(情報)とは異なる。
このように構成される本実施形態の車両用ユーザー支援装置1´では、ユーザーが自身のメイン車両100に乗車したときには、下車に伴い当該メイン車両100の最新のメイン車両情報が情報センタ(サーバー)20に記憶される。一方で、当該ユーザーがサブ車両200に乗車したときには、情報センタ(サーバー)20が記憶する当該ユーザーのメイン車両情報をサブ車両200が取得して、メイン車両100との仕様差分がユーザーに適宜報知される。
メイン車両100とサブ車両200との仕様差分の報知、及びユーザーが搭乗する車両100(又は200)の各機能の実行は、ユーザーが搭乗した車両100(又は200)のCPU101(又は201)が主プログラム313x(又は323x)を実行する形でなされる。以下、車両100がメイン車両(基準車両)として情報センタ20に登録されているユーザーが、車両200に搭乗した場合に、当該車両200にて実行される主プログラム323xを、図15に示すフローチャートを用いて説明する。なお、車両100の主プログラム313xも、車両200の主プログラム323xと同じ内容である。
主プログラム323xは、乗車検知装置119によりユーザーの乗車が検知されることを条件とし、車両の始動制御に基づいて起動する。なお、車両の始動制御とは、上記第一実施形態にて説明したとおりである。本実施形態においても、主プログラム323xは、エンジン始動に係るキー操作により、アクセサリーがONに操作されたことに基づいて起動するものとする。他方、情報センタ20では、車両種特定プログラム25x、メイン車両情報更新プログラム25y、及びメイン車両情報送信処理25zが繰り返し実行されている。
主プログラム323xが実行されると、まずS301にて、個人識別情報の取得待ち状態する。本実施形態においては、車両200の個人識別装置218として、指紋による運転者識別を行なう識別装置を備えているので、車室内の所定位置に設けられた指紋センサ(例えばハンドルやシフトレバー等)に対し、運転者の指が触れることで、該指紋センサから個人識別情報として指紋データを取得する。取得した個人識別情報は個人識別情報記憶部626hに一時的に記憶される。S302にて、個人識別情報記憶部626hに個人識別情報を取得したと判定されると、S303にて、個人識別情報記憶部626hに記憶された個人識別情報とともに車両種識別情報記憶部323aに記憶されている車両種識別情報を読み出して、それらを送受信機18により情報センタ20に無線送信する。そして、S304にて、無線送信した個人識別情報に対する情報センタ20側でのユーザー認証の結果の受信待機状態となり、続くS305にてユーザー認証の結果を受信したと判定されるとS306に進む。
このとき、情報センタ20では車両種特定プログラム25xが実行中であり、個人識別情報及び車両種識別情報の受信待機状態となっている(S21)。個人識別情報及び車両種識別情報を無線受信すると(S22)、ユーザー認証処理を開始する(S23)。ここでは、登録ユーザー情報25aに記憶されている各マスター情報(図12の個人識別用マスター情報)と、無線受信した個人識別情報とを照合していく。照合の結果、無線受信した個人識別情報と一致するマスター情報がある場合には認証OK(認証受理)と判定し、無線受信した個人識別情報と一致するマスター情報がない場合には認証NG(認証棄却)と判定する。ユーザー認証後には、そのユーザー認証結果を車両200側に送信する(S24)。
さらに、ユーザー認証(S23)において認証OKと判定された場合には(S25)、認証されたユーザーに対し車両200がメイン車両であるかサブ車両であるかを特定する車両種特定処理を行なう(S26)。具体的には、認証OKとされた個人識別情報に対応するユーザーの、登録ユーザー情報として登録されているメイン車両特定情報が、S22にて該個人識別情報とともに車両200側から無線受信した車両種識別情報と一致するか否かを判定する。一致すればメイン車両、一致しなければサブ車両として判定される。そして、この車両判定結果を車両200側に無線送信して(S27)、車両種特定プログラム25xを終了する。なお、上記ユーザー認証処理(S23)により認証NGと判定された場合には(S25)、そのまま車両種特定プログラム25xを終了する。
S306に戻る。S306では、ユーザー認証の結果が、認証OKであるか認証NGであるかを判定する。認証NGの場合(S303の無線送信処理後、所定時間経過してもユーザー認証の結果が無線受信できない場合も含む)はS318に進み、問いかけ・学習及び仕様差分の報知を伴わない通常の機能実行処理を車両200の停止制御時まで繰り返し実行する。本実施形態においては、S319にて、エンジン停止に係るキー操作によりアクセサリーがOFFに操作されるまで繰り返し実行し、アクセサリーがOFFに操作されるとS317に進む。
他方、S306における判定結果が認証OKである場合はS307に進み、車両種判定の結果の受信待機状態となる。続くS308にて車両種特定の結果を受信したと判定されるとS309に進む。S309では、車両種特定の結果に基づき車両200がメイン車両(基準車両)であるかサブ車両であるかを特定する。車両200がメイン車両と特定された場合はS310に進み、車両200がサブ車両と特定された場合にはS315に進む。
仮に、S309にて、車両200がメイン車両と判定された場合、S310では、図5に示す機能実行学習プログラム203yと同内容の機能実行学習プログラム323yを実行する形で、車両200の各機能(各制御)を実行する。なお、機能実行学習プログラム323yは、自車両学習データ記憶部626aに記憶されている学習データを参照する形で用いて実行される。これにより、必要に応じて問いかけが実行される形で各車両搭載機能が実行されるとともに、それら機能実行を開始するトリガー付与及びその機能実行に係る操作の履歴情報が学習データとして自車両学習データ記憶部626aに記憶(更新)される。この機能実行学習プログラム323yは、所定の繰り返し周期毎に繰り返し実行されるものであり、S311にて、エンジン停止に係るキー操作によりアクセサリーがOFFに操作されたことに基づいて終了する。
そして、S312では、機能実行学習プログラム313yの実行に伴い更新された最新の学習データを自車両学習データ記憶部626aから読み出すとともに自車両仕様リスト情報を自車両仕様リスト記憶部626cから読み出す。そして、読み出した学習データ及び自車両仕様リスト情報をメイン車両情報として、これをS301で取得して個人識別情報記憶部626hに記憶した個人識別情報とともに情報センター20に無線送信する。続くS313では、S312にて無線送信した個人識別情報に対する情報センタ20側でのユーザー認証の結果の受信待機状態となり、続くS314にてユーザー認証の結果を受信したと判定されるとS315に進む。
このとき、情報センタ20ではメイン車両情報更新プログラム25cが実行中であり、個人識別情報及び学習データを含むメイン車両情報の受信待機状態となっている(S31)。個人識別情報及びメイン車両情報を無線受信すると(S32)、受信した個人識別情報に基づいて、前述のS22と同様のユーザー認証処理を開始する(S33)。ユーザー認証後には、そのユーザー認証結果を車両200側に送信する(S34)。そして、認証OKと判定された場合には(S35)、認証されたユーザーに対応付けた形で記憶されているメイン車両情報を、S31にて受信したメイン車両情報により上書きする形で更新する(S36)。他方、ユーザー認証処理(S33)により認証NGと判定された場合には(S35)、そのままメイン車両情報更新プログラム25cを終了する。
S315に戻る。S315では、ユーザー認証の結果が、認証OKであるか認証NGであるかを判定する。認証NGの場合(S312の無線送信処理後、所定時間経過してもユーザー認証の結果が無線受信できない場合も含む)は、エラーログに学習データ送信エラーを記憶してS317に進む。他方、認証OKの場合は、そのままS317に進む。なお、S315の認証NG判定に伴いS312の再実行を所定回数を限度に繰り返し行なうようにしてもよい。
S317では、個人識別情報記憶部626h、他車両が句集データ記憶部626b、及び他車両使用リスト情報記憶部626dに記憶された個人識別情報と、他車両データ(他車両学習データ及び他車両使用リスト情報)を消去して、主プログラム323xを終了する。
他方、S309にて車両200がサブ車両と判定された場合は、S320にて、仕様差分対応制御プログラム313zを実行する。これにより、ユーザーが今回搭乗したサブ車両200といつも使用しているメイン車両100との仕様及び機能の差分を報知する。そして、場合によっては、それら仕様及び機能の差分に対応するアドバイス情報も報知する。S320が終了すると上述したS317に進む。以下、S320にて実行される仕様差分及び機能差分対応制御プログラム313zについて、図16に示すフローチャートを用いて説明する。
まずS401にて、前述のS301にて取得した個人識別情報とともに、情報センタ20に対しその個人識別情報により認証されるユーザーに対応するメイン車両情報(仕様リスト情報及び学習データ)を自車両200に無線送信させる要求(メイン車両情報送信要求)を情報センタ20に無線送信する。そして、S402にて、無線送信した個人識別情報に対する情報センタ20側でのユーザー認証の結果の受信待機状態となり、続くS403にてユーザー認証の結果を無線受信したと判定されるとS404に進む。
このとき、情報センタ20ではメイン車両情報送信プログラム25zが実行中であり、個人識別情報及び車両種識別情報の受信待機状態となっている(S41)。個人識別情報及び車両種識別情報を無線受信すると(S42)、前述のS22と同様のユーザー認証処理を開始する(S43)。ユーザー認証後には、そのユーザー認証結果を車両200側に無線送信する(S44)。そして、認証OKと判定された場合には(S45)、認証されたユーザーに対応付けて記憶されているメイン車両情報(仕様リスト情報及び学習データ)を、HDD25の登録ユーザー情報記憶部25aから読み出し、これを車両200に無線送信する(S46)。他方、ユーザー認証処理(S43)により認証NGと判定された場合には(S45)、そのままメイン車両情報送信プログラム25zを終了する。
S404に戻る。S404では、ユーザー認証の結果が、認証OKであるか認証NGであるかを判定する。認証NGの場合(S401の無線送信処理後、所定時間経過してもユーザー認証の結果が無線受信できない場合も含む)はS412に進み、使用差分報知及び問いかけを伴わない通常の機能実行処理を行なう。本実施形態においては、S412は、S413にて、エンジン停止に係るキー操作によりアクセサリーがOFFに操作されるまで繰り返し実行され、アクセサリーがOFFに操作されると、図15の主プログラム323xに戻る。なお、S404における認証NG判定に伴いS401の再実行を所定回数を限度に繰り返し行なうようにしてもよい。
他方、S404における判定結果が認証OKである場合はS405に進み、S401にて要求したメイン車両情報の受信待機状態となる。続くS406にて、メイン車両情報を受信したと判定されるとS407に進む。なお、受信したメイン車両情報に含まれる仕様リスト情報は他車両仕様リスト記憶部626dに記憶され、同じく学習データは他車両学習データ記憶部626bにそれぞれ記憶される。なお、S406にて、メイン車両情報を所定時間経過しても無線受信できない場合もS409に進み、通常の機能実行処理を行ない、主プログラム313xに戻る。
S407では、車両200を使用するユーザーのメイン車両の仕様リスト情報と、自車両仕様リスト記憶部626cに記憶された自車両200の仕様リスト情報とをそれぞれ比較して、仕様差分情報を生成する。具体的には、まず、自車両仕様リスト記憶部626c及び他車両仕様リスト記憶部626dから自車両仕様リスト情報及びメイン車両の仕様リスト情報を読み出し、それら双方を比較する。そして、自車両200の仕様リスト情報としてリストアップされた各仕様と一致する仕様を、メイン車両の仕様リスト情報としてリストアップされた各仕様の中から選択し、一致しなかった仕様を新仕様(第二側固有仕様)としてRAM202の予め定められた仕様差分記憶領域(仕様差分情報記憶部)202bに記憶し、さらに、メイン車両100の仕様リスト情報としてリストアップされた各仕様の中において上記一致に該当しなかった不足仕様を(第一側固有仕様)としてRAM202の予め定められた仕様差分記憶領域(仕様差分情報記憶部)202bに記憶する。これら新仕様及び不足仕様が仕様差分情報であり、本実施形態においては、図17に示すような仕様差分リスト情報としてRAM202に記憶される。
続いて、S408では、仕様差分報知プログラム(仕様差異認知支援処理、仕様比較結果報知手段、アドバイス情報作成手段、車体対比画像作成手段)323wを実行する。ただし、仕様差分報知プログラム323wは、エンジン始動制御に伴い報知する仕様差分初期報知プログラムと、各仕様に対して定められる報知条件が満足されたタイミングにて報知する仕様差分条件報知プログラムとが存在する。本実施形態においては、車両200とメイン車両100との仕様差分のうち初期報知対象に定められたものに関して、図18に示す仕様差分初期報知プログラムにより報知した上で、他の仕様差分については図19に示す仕様差分条件報知プログラムにより報知するように構成されている。なお、全仕様差分を仕様差分初期報知プログラムにより前もって報知した上で報知し、必要なものに関してのみ仕様差分条件報知プログラムにより報知してもよい。
まず、仕様差分初期報知プログラムについて、図18に示すフローチャートを用いて説明する。まず、S501にて、車両の搭載機能に係る仕様であって車両200に不足する不足仕様(メイン車両側固有機能:以下、不足機能という)の有無を判定する。不足機能が無い場合にはS505に進む。不足機能がある場合にはS502に進む。
S502では、不足機能と同様の効果を有する代替機能又は不足機能の少なくとも一部の効果が達成される代替機能の有無を検出する。具体的には、図17に示す仕様差分情報に列挙される仕様に対し、対応する代替機能情報(対応相当機能情報)があるか否かを、自車両仕様リスト記憶部626cに記憶された自車両200の仕様リスト情報及び他車両仕様リスト記憶部626dに記憶されたユーザーのメイン車両100の仕様リスト情報に基づいて判定する形で代替機能(対応相当機能)を検出する。代替機能がある場合にはS504に進み、代替機能が無い場合にはS503に進む。
S503では、差分情報として不足機能の存在を報知するとともに、該不足機能の存在に係る差分情報及び対応するアドバイス情報を報知する。なお、差分情報及びアドバイス情報の報知は、報知内容データ記憶部626gに記憶された報知内容データリスト情報(図14)から、対応する報知内容データを読み出し、これを用いる形で、音声出力及び画面表示のいずれか又は双方により行なう。ただし、当該不足機能に対応する報知内容データが報知内容データリスト情報に無い場合には、情報センタ20に対し対応する報知内容データの送信要求を行ない、これにより受信した報知内容データに基づいて差分情報及びアドバイス情報を音声出力及び画面表示により報知する。なお、このとき受信した報知内容データは、報知内容データ記憶部626gに記憶されている報知内容データリスト情報に追加する形で記憶する。S503が終了するとS505に進む。
S504では、差分情報として不足機能の存在を報知するとともに、該不足機能の代替機能を報知する。なお、差分情報の報知は、報知内容データ記憶部625gに記憶された報知内容データリスト情報(図14)から、対応する報知内容データを読み出し、そのうちの差分情報を用いる形で、音声出力及び画面表示のいずれか又は双方により行なう。他方、代替機能の報知は、差分情報の報知に続く形で、「ただし、この車両には(代替機能)がありますので、こちらをご利用下さい。」といった代替機能名のみを当てはめる形の定型文により報知する。なお、当該定型文ないし代替機能名に関する報知内容データは、報知内容データリスト情報に含まれる各機能に対応付けて別途記憶されているものとする。さらに、報知内容データリスト情報に含まれる各機能に対応付けて代替機能の使用説明や注意事項等をアドバイス情報を記憶しておき、このアドバイス情報を該定型文報知に続く形で追加報知してもよい。S504が終了するとS505に進む。
S505では、車両の搭載機能に係る仕様であってメイン車両100には無く車両200にある新仕様(サブ車両側固有機能:以下、新機能という)の有無を判定する。新機能が無い場合にはS507に進み、新機能がある場合にはS506に進む。
一方、S506では、差分情報として新機能の存在を報知するとともに、該新機能の存在に係る差分情報及び対応するアドバイス情報を報知する。なお、差分情報及びアドバイス情報の報知は、報知内容データ記憶部626gに記憶された報知内容データリスト情報(図14)から、対応する報知内容データを読み出し、これを用いる形で、音声出力及び画面表示のいずれか又は双方により行なう。ただし、当該新機能に対応する報知内容データが報知内容データリスト情報に無い場合には、情報センタ20に対し対応する報知内容データの送信要求を行ない、これにより受信した報知内容データに基づいて差分情報及びアドバイス情報を音声出力及び画面表示により報知する。なお、このとき受信した報知内容データは、報知内容データ記憶部626gに記憶されている報知内容データリスト情報に追加する形で記憶する。S506が終了するとS507に進む。
なお、車両の搭載機能に係る仕様には、車両の安全装備、防犯装備、走行支援装備等が含まれる。そして当該仕様の差分を報知する場合には、図28に示すように、それら差分を有する全仕様(全機能)を同一画面内にて一覧表示することでより分かり易い表示となる。特に、不足機能と新機能とが対比される形で表示されると分かり易い。
S507では、上記機能に係る仕様を除く他の仕様に関して仕様差分がある場合に、初期報知する対象の有無を判定する。具体的には、図17に示す仕様差分リスト情報に含まれる、上記機能に係る仕様を除く他の仕様が、図14に示す報知内容データリスト情報の報知条件にて初期報知(図中の初期)と定められているか否かに基づいて判定する。初期報知対象が無い場合にはこの仕様差分初期報知プログラムを終了する。初期報知対象がある場合にはS508に進む。
S508では、S507にて初期報知対象と判定された、差分を有する仕様を抽出して、個別に仕様差分報知を行なう。つまり、上記機能に係る仕様を除く他の仕様であって、図14の報知内容データリスト情報にて初期報知対象と定められている仕様については、それぞれ独自の個別差分報知プログラムを有しており、これに基づいて実行される。
例えば、車両の加入保険に係る仕様(加入保険仕様)については、図20に示すような個別差分報知プログラムにより仕様差分が報知される。まず、S511にて、個人識別情報記憶部626hに記憶されている運転者の個人識別情報による運転者認証処理がなされる。本実施形態においては、情報センタ20にて認証処理を行なう。具体的にいえば、情報センタ20では、運転者個人情報送信プログラムが実行されており、車両200が情報センタ20に個人識別情報記憶部626hに記憶されている個人識別情報及び運転者個人情報送信要求を無線送信すると、それらの受信待機状態にあった情報センタ20では、まず、受信した個人識別情報に基づいて上記運転者認証処理を行ない、その運転者認証結果を車両に返信する。さらに、情報センタ20では、認証OKの場合に限り当該運転者認証処理により認証された運転者の運転者個人情報を、要求のあった車両に返信する。車両側では、その運転者個人情報をS512にて無線受信する。
S513及びS514では、S511で認証されたユーザーのメイン車両(基準車両)任意保険契約情報と、の当該車両の任意保険契約情報とを取得し、S515にて、その差分情報を取得する。このとき、任意保険契約情報は、自車両仕様リスト記憶部626c及び他車両仕様リスト記憶部626dに記憶されているそれぞれの仕様リスト情報から取得することもできるが、契約項目毎のより詳細な差分報知を行なう場合は、より詳細な保険契約情報を情報センタ20に記憶しておいて、運転者認証処理を伴う形で情報センタ20から無線受信してもよい。この場合、S525では、S513及びS514にて取得したそれぞれの詳細な任意保険契約情報を項目別に比較して、不一致項目を抽出した不一致項目抽出リスト情報を作成する。なお、その作成に際しては、保険契約項目毎の差分の大きさから不一致レベルを算出して、これを各保険契約項目に対応付ける形で不一致項目抽出リスト情報を作成するものとする。
続くS516〜S525では、不一致項目抽出リスト情報としてリストアップされた保険契約項目を、それぞれの不一致レベルに応じた報知内容にて順次報知する。そして、不一致レベルが所定レベルを上回る場合においては、不一致内容に応じた対応案を提示してもよい。
具体的には、S516にて、不一致項目抽出リスト情報からリストアップされた保険契約項目を選択して、選択した保険契約項目の不一致レベル(図中の報知レベル)を判定する。本実施形態においては、不一致レベルの大きいレベル1から順に三段階に定められている。
不一致レベルが最大のレベル1では、S518及びS519にて、アラーム音を出力した後、音声出力部212からの音声出力により保険契約項目に不一致(加入保険に係る使用差分)があることを報知するとともに、表示装置213の画面表示により保険契約項目不一致内容(加入保険に係る使用差分の内容)の報知を行なう。例えば、音声出力により「家族限定特約がいつもの車両とは異なります。」と案内した上で、表示装置213に図21のような保険契約項目不一致内容を表示する画面、場合によっては確認まで行なわせる画面を表示することができる。さらに、その表示装置213の画面に表示において、該不一致内容に応じた対応案を提示する。対応案としては、例えば、新たな保険契約を行なうWebページを表示するためのタッチスイッチを表示して、表示後のWebページから新たな保険契約を行なうようにしてもよい。
不一致レベルがレベル2の場合は、S520及びS521にて、音声出力部212からの音声出力と表示装置213の画面表示により保険契約項目不一致内容(加入保険に係る使用差分の内容)の報知を行なう。不一致レベルが最小のレベル1の場合は、S522〜S524にて、音声出力部212からの音声出力により保険契約項目に不一致があることのみを報知(加入保険に係る使用差分報知)して、表示装置213の画面表示による保険契約項目不一致内容(加入保険に係る使用差分の内容)の報知はユーザーの選択に応じて行なうようにする。
なお、保険契約項目に不一致があることの報知(加入保険に係る使用差分報知)は音声出力に限らず、図22のように、加入保険に係る使用差分の存在を報知するためのシンボルマークを、例えば運転者の目に付き易いメータ表示装置280にて点灯表示ないし画像表示してもよい。
不一致項目抽出リスト情報の全項目に対し報知が完了した場合には、この個別差分報知プログラムを終了する。
また、車両の駆動、制動及び走行に係る仕様に関する個別差分報知プログラムが実行された場合には、例えば表示装置213に、図26に示すような画面を表示して、車両200と運転者のメイン車両(基準車両)とのブレーキ又はステアリングの操作特性に係る仕様差分を報知してもよい。さらには、アドバイス情報を報知してもよいし、画面表示のみならず音声報知を行なってもよい。
また、車両の駆動、制動及び走行に係る仕様に関する個別差分報知プログラムが実行された場合には、例えば表示装置213に、図27に示すような画面を表示して、運転者が使用する車両200とその運転者のメイン車両(基準車両)との制動方式、駆動方式及びタイヤ種別の少なくともいずれかに係る仕様差分を報知してもよい。さらには、図27に示すようにアドバイス情報を報知してもよい。なお、画面表示のみならず音声報知を行なってもよい。
また、この場合、アドバイス情報として、天候情報又は道路情報を報知してもよい。具体的に言えば、ナビゲーション装置(車両走行条件情報取得手段)を利用して天候情報及び道路情報のいずれか又は双方を含む車両走行条件情報を取得して、これらをアドバイス情報として表示してもよい。図27の場合は、現在の天候情報及び車両の目的地が表示されている。なお、運転者が使用する車両200とその運転者のメイン車両(基準車両)との制動方式、駆動方式及びタイヤ種別の少なくともいずれかに係る仕様差分の報知は、こうした車両走行条件情報を報知条件とする形で、その報知条件を満足した場合に行なうようにしてもよい。
また、車両の制動及び走行に係る仕様のうち、制動方式、駆動方式及びタイヤ種別の少なくともいずれかに係る仕様差分については、例えば図28に示すように、車両の搭載機能(安全装備等)に係る仕様の差分と同時に表示装置213に表示してもよい。
また、車両の車体仕様に関する個別差分報知プログラムが実行された場合には、車高、車幅、車長、最低地上高、最小回転半径及び死角の少なくといずれかの差を報知することができる。
例えば表示装置213に、図29A及び図29Bに示すような画面を表示して、車両200と運転者のメイン車両(基準車両)とにおける、車高、車幅、車長、最低地上高、最小回転半径及び死角の差を表示することができる。図29A及び図29Bにおいては、車両200と運転者のメイン車両(基準車両)との車体仕様の差を対比して示す車体対比画像が、当該個別差分報知プログラムにより作成・表示されるので、車体仕様の差分をより明確に把握することができる。なお、車体仕様の差分は、車体対比画像を車両200と運転者のメイン車両(基準車両)とを重ね表示した重ね表示画像とすることで、より把握し易くなるし、さらには対比する双方の車体の表示色や表示線種を変えることで一層把握し易くなる。
また、車両の燃料関連の仕様に関する個別差分報知プログラムが実行された場合には、燃料種別、燃費、航続可能距離及び給油口位置の差の少なくといずれかの差を報知することができる。例えば図29Bに示すように、表示装置213に、車体仕様の差分を表示する車体対比画像に給油口位置の表示を加える形で表示することができる。また、図24に示すように、表示装置213に、燃料種別の差分とともに給油口位置の差分を同時表示する形で報知することもできる。また、燃費及び航続可能距離の差分を報知する場合には、図25に示すように、運転者の最も視認し易い位置にあるメータ表示装置280に表示することができる。
また、車内に設けられた機能操作部の仕様に関する実行された場合には、ユーザーがこれから使用しようとしている車両と、当該ユーザーのメイン車両(基準車両)とは機能操作部の配置位置の異なる場合、又は、ユーザーがこれから使用しようとしている車両には搭載されておらず、当該ユーザーのメイン車両(基準車両)には搭載されている機能操作部が存在する場合、又は、ユーザーがこれから使用しようとしている車両には搭載され当該ユーザーのメイン車両(基準車両)には搭載されていない機能操作部が存在する場合のいずれかにおいて、図30に示すように、それら車両機能操作部の配置位置又は配置の有無を示す機能操作部レイアウト画像が作成・出力することができる。なお、当該個別差分報知プログラムがCPU201により実行されることで、機能操作部レイアウト画像作成手段が機能する。当該機能操作部レイアウト画像の表示には、アドバイス情報の表示を付加してもよいし、画面表示のみならず音声報知を行なってもよい。
図16に戻る。S408にて仕様差分報知プログラム323wに含まれる仕様差分初期報知プログラムの実行が終了すると、続いてS409にて、同じく仕様差分報知プログラム323wに含まれ、各仕様に対して定められる報知条件が満足されたタイミングにて報知する仕様差分条件報知プログラムが実行される。仕様差分条件報知プログラムは、図19に示すように、S601にて、仕様差分報知実行判断情報を取得する。この仕様差分報知実行判断情報は、車両の各仕様別に予め設定されているので、このS601では、図16のS407で取得した仕様差分情報に含まれる各仕様の実行に必要な種類の仕様差分報知実行判断情報を取得する。
S602では、取得した仕様差分報知実行判断情報に基づいて、仕様差分を報知すべき差分報知タイミングであるか否かを判断する。この判断は、具体的には、上記S601で取得した仕様差分報知実行判断情報が、図14に示す報知内容データリストの報知条件を満たすか否かを判断するものである。報知内容データリストの報知条件を満たすときはS603に進み、報知内容データリストの差分情報に基づいて、対応仕様の差分報知を行なうとともに、さらにはアドバイス情報を報知する。
例えば、車両の燃料関連の仕様、特に給油口位置及び燃料種別に関する仕様差分条件報知プログラムであれば、図23のような処理とすることも可能である。なお、この場合、仕様差分報知実行判断情報はナビゲーション装置290が取得している自車両位置及び車速情報であり、報知条件は該自車両200の現在位置がガソリンスタンドであり、かつ自車両200が停車状態にあることである。まず、S611にて仕様差分報知実行判断情報を取得して、差分報知タイミングであるか否かを判断する。ここでは、自車両がガソリンスタンドにて停車状態にあるか否かを判断する。差分報知タイミングである場合にはS612に進み、他車両仕様リスト記憶部626dから自車両200を使用するユーザーのメイン車両の仕様リスト情報を取得し、さらに、自車両仕様リスト記憶部626cから自車両200の仕様リスト情報を取得する。そして、S613にて、取得した双方の仕様リスト情報を比較する。具体的には、双方の仕様リスト情報に含まれる給油口位置とガソリン種別を比較する。
S614では、まず、自車両200と、当該自車両200を使用するユーザーのメイン車両とでガソリン種別が同じであるか否かを判定する。同じあると判定された場合は、S615に進み給油口位置が同じであるかを判定し、給油口位置が異なる場合に限りS616にて給油口位置の違いを報知して、この仕様差分条件報知プログラムを終了する。他方、S614にて、自車両200と、当該自車両200を使用するユーザーのメイン車両とでガソリン種別が異なると判定された場合は、S617に進み給油口位置が同じであるかを判定し、給油口位置が同じである場合はガソリン種別の違いを報知し、他方、給油口位置が異なる場合は給油口位置とガソリン種別の奏法が異なることを報知して、S616にて給油口位置の違いを報知して、この仕様差分条件報知プログラムを終了する。
図16に戻る。続くS410では、S409にて報知した仕様差分が車両の機能に係る使用の差分報知であった場合に、必要に応じてその機能を実行する。本実施形態においては、S409及びS410は、エンジン停止に係るキー操作によりアクセサリーがOFFに操作されるまで繰り返し実行され、アクセサリーがOFFに操作されると、図15の主プログラム323xに戻る。図15において、S320が終了するとS317に進む。S317の処理は既に述べたとおりである。なお、本実施形態において、S410における機能実行は、S405で受信したメイン車両情報に含まれる学習データを用いて、問いかけを伴う図5のような機能実行処理により行われる。ただし、S410における機能実行は学習データを用いない問いかけを伴わない機能実行処理であってもよい。この場合、図16のS46にて情報センタ20から送信され、かつS405にて自車両200が受信するメイン車両情報をメイン車両の仕様リスト情報のみとし、学習データを含まなくともよい。
なお、本実施形態において、第一車両と第二車両とのうち、ユーザーがこれから使用しようとしている一方の車両には搭載されず、他方の車両には搭載されている安全装備、防犯装備、及び走行支援装置、及び、一方の車両には搭載はされていても他方の車両に搭載されているものより機能的に劣る安全装備、防犯装備、及び走行支援装置の少なくともいずれかが存在する場合にその存在を報知するように構成してもよい。
また、本実施形態において、第二車両を使用するユーザーのメイン車両の仕様リスト情報(第一車両仕様特定情報)は、該メイン車両(第一車両:基準車両)自身に設けられた自車両仕様リスト記憶部(第一車両仕様特定情報源)616cを情報配信元とし、情報センタ20を経由して車両200が取得するように構成されている。具体的には、メイン車両(第一車両:基準車両)の実行する主プログラム313xのS312において仕様リスト情報が情報センタ20に無線送信され、情報センタ20では該仕様リスト情報を無線受信してHDD25に記憶・更新しており、一方、車両200は、自身において実行される仕様差分対応制御プログラム323zのS405にて、情報センタ20のHDD25に記憶・更新されている該仕様リスト情報を取得(無線受信)し、これを車両200の自車両仕様リスト記憶部626cから取得した(読み出した)自車両仕様リスト情報(第二車両仕様特定情報)と内容比較するようになっている。この場合、操作スイッチ群111,211に仕様リスト情報の変更内容を入力する仕様リスト情報変更入力部(仕様リスト情報変更手段)を設けて、自車両仕様リスト記憶部616c,626cに記憶されている仕様リスト情報を変更可能にしてもよい。これにより、車両に新たな仕様が設定されたり、仕様が削除された場合に、当該仕様リスト情報変更入力部から仕様の変更を行なうことが可能となる。さらに、変更された仕様リスト情報により、情報センタ20のHDD25に記憶されている仕様リスト情報が更新されるので、情報センタ20には最新のメイン車両の仕様リスト情報が記憶されるようになる。
ところで、本実施形態においては、情報センタ20のHDD25に記憶されているメイン車両の仕様リスト情報の蓄積を、車両側からの受信により行っているが、メイン車両の仕様リスト情報を、外部記憶手段である情報センタ20のHDD25に予め記憶しておくようにしてもよい。この場合、図31に示すように、メイン車両情報更新プログラム25cを学習データ更新プログラムとして実行する。具体的には、メイン車両情報として学習データのみを受信(S31´、S32´)し、更新(S36´)する学習データ更新プログラムとし、さらに、車両側の主プログラム313x、323xについても、情報センタ20のメイン車両情報を更新するために学習データのみを送信(S312´)するように構成する。
また、本実施形態においては、各車両200,200に自身の仕様リスト情報を記憶する仕様リスト記憶部616c、626cを設けているが、これを、情報センタ20から送信されてくる自身の仕様リスト情報を記憶する形で使用するものとしてもよい。つまり、車両に仕様リスト情報を常に記憶させておかずに、情報センタ20にて登録ユーザーの車両の仕様リスト情報を一括管理するように構成してもよい。
また、本実施形態においては、仕様差分情報の取得を車両側にて行っているが、これを情報センタ20にて行い、その結果を車両側に無線送信するように構成してもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
例えば、メイン車両をいつも乗りなれた基準車両とするのではなく前回乗車した車両と定めてもよい。この場合、情報センタ20よりメイン車両情報に替わって前回使用車両情報の送受信を行う形で、上記実施形態の処理を行なえばよい。