JP2000186942A - エ―ジェントメンタルモデル作成装置、及びエ―ジェント装置 - Google Patents

エ―ジェントメンタルモデル作成装置、及びエ―ジェント装置

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JP2000186942A
JP2000186942A JP37659498A JP37659498A JP2000186942A JP 2000186942 A JP2000186942 A JP 2000186942A JP 37659498 A JP37659498 A JP 37659498A JP 37659498 A JP37659498 A JP 37659498A JP 2000186942 A JP2000186942 A JP 2000186942A
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agent
mental model
vehicle
driver
situation
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JP37659498A
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English (en)
Inventor
Tomoki Kubota
智氣 窪田
Koji Hori
孝二 堀
Manabu Matsuda
松田  学
Kazuhide Adachi
和英 足立
Koji Mukai
康二 向井
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Equos Research Co Ltd
Original Assignee
Equos Research Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 統一性及び連続性のある行為を行い会話等の
コミュニケーション可能なエージェントを、車両内に出
現させるエージェント装置を提供する。 【解決手段】 擬人化されたエージェントを出現させる
際、エージェントが運転者との対応等から決定された心
理状態を備えるようにし、心理状態に即した行為を行わ
せる。心理状態は、友好、元気等の各パラメータについ
て0〜9の指数で表したエージェントメンタルモデル2
95で表現される。各パラメータの指数は、メンタルモ
デル変更条件データ296に格納される運転者の応答等
の条件によって決定する。エージェントはエージェント
メンタルモデル295と車両の状況の判断と学習の結果
から、運転者や車両に対して様々な行為(行動と音声)
をする。従って、エージェントの対応は、運転者とのや
りとり等で変化し決定されたエージェントメンタルモデ
ルに基づく統一性、連続性を有するものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エージェントメン
タルモデル作成装置、及びエージェント装置に係り、車
両内の状況等から車両内等に出現させるエージェントの
心理状態を表すエージェントメンタルモデルを作成する
エージェントメンタルモデル作成装置、及び、エージェ
ントメンタルモデルに基づいて統一性及び連続性のある
行為を行い会話等のコミュニケーションが可能なエージ
ェントを、車両内等に出現させるエージェント装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来車両内においては、運転者による走
行環境を向上させるようにしたものとして、ラジオやカ
セットテーププレーヤが搭載されている。また、車両に
搭載したアマチュア無線機や携帯電話等の無線通信機器
を使用して、車両外の知人等との会話を楽しむことで、
走行環境を向上させるようにした車両もある。
【0003】上述のような従来の車両におけるラジオ等
では運転者に対して一方向の情報提示にすぎず、双方向
の会話等をすることができなかった。一方、携帯電話等
による場合には会話をすることができるが、コール待
ち、ダイヤル等によって通話相手を捜さなければならな
かった。たとえ、通話相手が見つかったとしても、車両
の状況といった運転者の一方的な都合にあわせた、適切
な会話をしてくれるわけではなかった。また、上述のよ
うに、従来の車両には、車両の状態・運転者の状態等に
応じて行為を行う、擬人化されたエージェントが存在し
ないため、車両が愛着のわかないただの乗り物としての
道具でしか役割を持たない場合もあった。
【0004】なお、運転者に対する情報の伝達を、人間
の表情や動作などにより行うようにした技術が特開平9
−102098号公報において提示されている。しか
し、この公報に記載された技術は、過去の運転者の応答
等の履歴や性別、年齢等のユーザ情報などに基づいて表
示が変わるわけではなく、同一の状況が生じた場合には
常に同一の表示がされるものである。すなわち、限られ
たセンサ出力に対して常に同一の表示を行うものであ
り、視認性が向上された従来の計器類の範疇に入るべき
ものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この様な問題点に対し
ては、車両や運転者の状況等に基づいたエージェントの
行為により種々の情報を伝達し、且つ運転者とのコミュ
ニケーションをはかることが考えられる。エージェント
の行為は、車両の状況のみでなく運転者の状況、過去の
これらの状況等にも基づいたものとすることにより、よ
り運転者に適切な対応が可能となる。また、運転者に適
合した対応に加えてエージェントを擬人化することによ
り、運転者にとって、車両が一層愛着の湧く人間的なも
のとして感じられる。しかし、エージェントの行為を決
定する要素はその行為によって異なるものとなるため、
例えば、1つの行為が運転者に対してフランクなもので
あるのに、次の行為は事務的になるなど、同一性や連続
性のないものとなるおそれがある。そしてこのような統
一性や連続性の欠如は、運転者に対して戸惑いを引き起
こすとともに、エージェントに対する愛着が妨げられ、
エージェントのコミュニケーション機能や擬人化したこ
とによる効果が低下するおそれもある。
【0006】上述のような課題を解決するために、本発
明は、車両内の状況等から車両内等に出現させるエージ
ェントの心理状態を表すエージェントメンタルモデルを
作成するエージェントメンタルモデル作成装置を提供す
ることを第1の目的とする。更に、本発明は、上記エー
ジェントメンタルモデル作成装置により作成されたエー
ジェントメンタルモデルに基づいて統一性及び連続性の
ある行為を行い会話等のコミュニケーションが可能なエ
ージェントを、車両内等に出現させるエージェント装置
を提供することを第2の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した発明
では、車両内に出現し車両の状態に応じて運転者とのコ
ミュニケーション行為を行う擬人化されたエージェント
の心理状態を表すエージェントメンタルモデルを記憶す
るメンタルモデル記憶手段と、車両の各種状況を判断す
る状況判断手段と、前記状況判断手段により判断された
所定の状況に基づいて、前記メンタルモデル記憶手段に
記憶される前記エージェントメンタルモデルを変化させ
るメンタルモデル変化手段とをエージェントメンタルモ
デル作成装置に具備させて前記第1の目的を達成する。
【0008】エージェントメンタルモデルは、擬人化さ
れたエージェントの仮想の心理状態であってエージェン
トが車両内等において行う行為に影響を与え得ると考え
られる心理要素を含むものである。エージェントメンタ
ルモデルは、この心理要素をパラメータとし当該心理要
素の大きさをパラメータの指数として、パラメータとそ
の指数との対応として表現することができる。前記状況
判断手段が判断する車両の状況としては、車両自体の状
況、同乗者の有無、対向車等を含む車両の状況、運転者
の応答や反応等を含むことができる。従って、前記状況
判断手段は、車両の現在位置を検出する現在位置現在検
出手段を含め、車両各部の状況を検出する車載センサを
含め、又は、車両外部の環境を検出するセンサを含める
ようにしてもよい。運転者に操作されるスイッチの入力
時間及び場所を検出する操作検出手段を含めるようにし
てもよい。更に、エージェントにより実行された行為に
対応した運転者の操作があったか否かを判別する判別手
段を含め、又は、エージェントにより実行された行為に
対する運転者の応答や反応を所定の複数種類の区分のう
ちのいずれに該当するかを検出する区分手段を含めるよ
うにしてもよい。
【0009】前記メンタルモデル変化手段は、車両の状
況によってエージェントの仮想の心理状態が変化するも
のとして、前記状況判断手段により判断された所定の状
況に基づいて、前記メンタルモデル記憶手段に記憶され
る前記エージェントメンタルモデルを変化させる。
【0010】請求項2に記載した発明では、請求項1に
記載したエージェントメンタルモデル作成装置におい
て、前記メンタルモデル記憶手段は、前記エージェント
メンタルモデルを表す複数のパラメータ及び該パラメー
タそれぞれの指数を対応させて記憶し、前記メンタルモ
デル変化手段は、前記パラメータの指数を増減させる。
【0011】請求項3に記載した発明では、請求項1に
または請求項2に記載したエージェントメンタルモデル
作成装置において、前記状況判断手段により判断される
所定の状況が、運転者とのコミュニケーション結果を含
むことにより前記第1の目的を達成する。
【0012】請求項4に記載した発明では、車両の状況
に応じて運転者とのコミュニケーション行為を行う擬人
化されたエージェントを車両内に出現させるエージェン
ト出現手段と、前記エージェントの心理状態を表すエー
ジェントメンタルモデルを記憶するメンタルモデル記憶
手段と、車両の各種状況を判断する状況判断手段と、前
記状況判断手段により判断された状況に基づいて、前記
メンタルモデル記憶手段に記憶される前記エージェント
メンタルモデルを変化させるメンタルモデル変化手段
と、前記状況判断手段により判断された状況及び前記メ
ンタルモデル記憶手段に記憶される前記エージェントメ
ンタルモデルに基づいて、前記エージェントの行為を決
定する行為決定手段と、この行為決定手段で決定された
行為を、前記エージェント出現手段が出現させる前記エ
ージェントに行わせるエージェント制御手段とをエージ
ェント装置に具備させて前記第2の目的を達成する。
【0013】前記エージェント出現手段は、画像表示装
置と、該画像表示装置に特定のエージェントを画像表示
させるエージェント表示手段とを含むようにしてもよ
い。この場合、エージェント表示手段は、複数のエージ
ェントの中から選択されたエージェントを表示するよう
にしてもよい。また、エージェント出現手段は、音声出
力装置と、該音声出力装置にエージェントの音声を出力
させるエージェント音声出力手段を含むようにてもよ
い。この場合、エージェント音声出力手段は、複数のエ
ージェントの中から選択されたエージェントの音声を出
力するようにしてもよい。
【0014】前記行為決定手段は、前記状況判断手段に
より判断された車両の状況とメンタルモデル取得手段に
より取得されたエージェントメンタルモデルとに応じて
エージェントの行為を決定する。この行為は、車両の状
況が同じ場合であっても、エージェントメンタルモデル
によって異なるものとなる場合がある。また、車両の状
況が異なってエージェントの行為の内容が全く異なる場
合でも、エージェントメンタルモデルが同じであれば、
行為の表現(話し方や動作等)に共通するものが含ま
れ、エージェントの行為に統一性があるようになる。
【0015】前記エージェント制御手段は、前記行為決
定手段で決定された行為を、前記エージェント出現手段
を介してエージェントに行わせる。従って、前記エージ
ェント出現手段が画像表示装置とエージェント表示手段
とを含む場合、エージェント表示手段を制御して、画像
表示手段に行為決定手段で決定された行動を行うエージ
ェントを表示させるものとすることができる。また、前
記エージェント出現手段が音声出力装置とエージェント
音声出力手段とを含む場合、エージェント音声出力手段
を制御して、音声出力装置にエージェントの行為決定手
段で決定された音声を出力させるものとすることができ
る。
【0016】請求項5に記載した発明では、請求項4に
記載したエージェント装置において、前記状況判断手段
により判断された所定の状況を記憶することで学習する
学習手段を備え、前記行為決定手段は、前記学習手段に
よる学習結果を含めて前記エージェントの行為を決定す
ることにより前記第2の目的を達成する。前記学習手段
は、前記状況手段が同一の状況を検出する回数により予
め定められた学習結果を出力するようにしてもよい。ま
た、所定の時間間隔毎に学習結果を出力したり、車両の
走行開始時に学習結果を出力するようにしてもよい。
【0017】請求項6に記載した発明では、請求項4ま
たは請求項5に記載したエージェント装置において、記
行為決定手段は、前記エージェントの行為として、前記
メンタルモデル取得手段により取得された前記エージェ
ントメンタルモデルに応じて、異なる行動と発声を決定
することにより前記第2の目的を達成する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエージェント装置
における好適な実施の形態について、図1から図17を
参照して詳細に説明する。 (1)実施形態の概要 本実施形態のエージェント装置では、擬人化されたエー
ジェントを画像(平面的画像、ホログラフィ等の立体的
画像等)により車両内に出現させる。その際、出現させ
るエージェントが所定の心理状態下にあるようにする。
この心理状態は、友好、元気等、複数のパラメータそれ
ぞれについて0〜9の指数で表したエージェントメンタ
ルモデルで表現される。エージェントメンタルモデル
は、内部に具備されたエージェントメンタルモデル作成
装置によって取得される。即ち、エージェントメンタル
モデル作成装置は、車両状況(車両自体の状況、運転者
の応答や反応、同乗者の有無、対向車等を含む車両の状
況)の判断と学習をし、各時点での車両状況から、記憶
された各パラメータの指数を変化させる。パラメータの
指数は、例えば、運転者からのねぎらいの言葉が認識さ
れた場合には友好の指数が1上昇する等、段階的に変化
する。そして、エージェントメンタルモデル、車両自
体、運転者、同乗者、対向車等を含む車両の状況の判断
と学習(状況の学習だけでなく運転者の応答や反応等も
含む)をし、各時点での車両状況とそれまでの学習結果
に基づいて、エージェントが運転者や車両に対して様々
なバリエーションをもった対応(行為=行動と音声)を
する。エージェントメンタルモデルは、エージェントの
行為のうち、運転者に対する全ての行為や音声を決定す
るための条件となっている。従って、エージェントの運
転者に対する対応は、今まで蓄積された運転者とのやり
とり等で変化し決定されたエージェントメンタルモデル
に基づく統一性、連続性を有するものとなり、より人間
的なものとなる。また、このようなエージェントの行為
の統一性、連続性が、運転者にとってはエージェントの
個性として感じられ、この点からも、エージェントの対
応がより人間的なものとなる。尚、エージェントメンタ
ルモデルの各パラメータは、初期設定においては、指数
は全て中間値の5となっている。そして、運転者は、自
分とのやりとり等から決定されたエージェントメンタル
モデルを有するエージェントと車両内で人間的につき合
う(コミュニケーションする)ことが可能となり、車両
内での環境が快適なものとなる。ここで、本実施形態に
おいて擬人化されたエージェントとは、特定の人間、生
物、漫画のキャラクター等との同一性があり、その同一
性のある生物が、同一性・連続性を保つようなある傾向
の出力(動作、音声による応答)を行うものである。ま
た、同一性・連続性は特有の個性を持つ人格としても表
現可能で、電子機器内の一種の疑似生命体としても捉え
ることができる。車両内に出現させる本実施形態のエー
ジェントは、人間と同様に判断し、心理状態を有する疑
似人格化(仮想人格化)された主体である。従って、エ
ージェントの対応は、同一の車両状況であっても、エー
ジェントの心理状態に応じて異なる一方、様々な対応に
ついて統一性のあるものとなる。また、運転者の対応等
の積み重ねによって心理状態は変化していく。例えば、
エージェントの行為に対してねぎらいの言葉がかかれ
ば、エージェントの心理状態は友好度が増加し、親しみ
のある気軽な口調になったり、CDをかけるか等のお薦
めが多くなるのに対して、エージェントの行為に対して
罵声がかかれば、エージェントの心理状態は友好度が減
少し、事務的な口調になっていき、窓を開けましょう
か、CDをかけましょうか等の積極的に提案する等の行
為は少なくなる。
【0019】(2)実施形態の詳細 図1は、本実施形態におけるエージェント装置の構成を
示すブロック図である。本実施形態では、コミュニケー
ション機能全体を制御する全体処理部1を備えている。
この全体処理部は、設定した目的地までの経路を探索し
て音声や画像表示により案内するナビゲーション処理部
10、エージェント処理部11、ナビゲーション処理部
10とエージェント処理部11に対するI/F部12、
エージェント画像や地図画像等の画像出力や入力画像を
処理する画像処理部13、エージェント音声や経路案内
音声等の音声出力や入力される音声を制御する音声制御
部14、及び車両や運転者に関する各種状況の検出デー
タを処理する状況情報処理部15を有している。エージ
ェント処理部11は、車両自体の状況や運転者による応
対等の車両の状況を学習し、現在の車両の状況と合わせ
て車両内に出現させるエージェントの心理状態を表すエ
ージェントメンタルモデルを作成するとともに記憶し、
このエージェントメンタルモデルに応じて、エージェン
トの行為を制御するようになっている。
【0020】ナビゲーション処理部10とエージェント
処理部11は、データ処理及び各部の動作の制御を行う
CPU(中央処理装置)と、このCPUにデータバスや
制御バス等のバスラインで接続されたROM、RAM、
タイマ等を備えている。両処理部10、11はネットワ
ーク接続されており、互いの処理データを取得すること
ができるようになっている。ROMはCPUで制御を行
うための各種データやプログラムが予め格納されたリー
ドオンリーメモリであり、RAMはCPUがワーキング
メモリとして使用するランダムアクセスメモリである。
【0021】本実施形態のナビゲーション処理部10と
エージェント処理部11は、CPUがROMに格納され
た各種プログラムを読み込んで各種処理を実行するよう
になっている。なお、CPUは、記録媒体駆動装置23
にセットされた外部の記録媒体からコンピュータプログ
ラムを読み込んで、エージェント記憶装置29やナビゲ
ーションデータ記憶装置、図示しないハードディスク等
のその他の記憶装置に格納(インストール)し、この記
憶装置から必要なプログラム等をRAMに読み込んで
(ロードして)実行するようにしてもよい。また、必要
なプログラム等を記録媒体駆動装置23からRAMに直
接読み込んで実行するようにしてもよい。
【0022】ナビゲーション処理部10には、現在位置
検出装置21とナビゲーションデータ記憶装置30が接
続され、エージェント処理部11にはエージェントデー
タ記憶装置29が接続され、I/F部12には入力装置
22、記憶媒体駆動装置23、及び通信制御装置24が
接続され、画像処理部13には表示装置27及び撮像装
置28が接続され、音声制御部14には音声処理装置2
5及びマイク26が接続され、状況情報処理部15には
状況センサ部40が接続されている。
【0023】現在位置検出装置21は、車両の絶対位置
(緯度、経度による)を検出するためのものであり、人
工衛星を利用して車両の位置を測定するGPS(Global
Positioning System)受信装置211と、方位センサ2
12と、舵角センサ213と、距離センサ214と、路
上に配置されたビーコンからの位置情報を受信するビー
コン受信装置215等が使用される。GPS受信装置2
11とビーコン受信装置215は単独で位置測定が可能
であるが、GPS受信装置211やビーコン受信装置2
15による受信が不可能な場所では、方位センサ212
と距離センサ214の双方を用いた推測航法によって現
在位置を検出するようになっている。方位センサ212
は、例えば、地磁気を検出して車両の方位を求める地磁
気センサ、車両の回転角速度を検出しその角速度を積分
して車両の方位を求めるガスレートジャイロや光ファイ
バジャイロ等のジャイロ、左右の車輪センサを配置しそ
の出力パルス差(移動距離の差)により車両の旋回を検
出することで方位の変位量を算出するようにした車輪セ
ンサ、等が使用される。舵角センサ213は、ステアリ
ングの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転抵
抗ボリューム等を用いてステアリングの角度αを検出す
る。距離センサ214は、例えば、車輪の回転数を検出
して計数し、または加速度を検出して2回積分するもの
等の各種の方法が使用される。
【0024】入力装置22は、車両の状況としてのユー
ザに関する情報(年齢、性別、趣味、性格など)を入力
するためのものである。なお、これらユーザに関する情
報は、入力装置22からユーザが入力する場合に限ら
ず、例えば、プロ野球が好きか否か、好きな球団名等に
関する各種問い合わせをエージェントがユーザに行い、
ユーザの回答内容から取得するようにしてもよい。入力
装置22は、本実施形態によるエージェントのその他全
ての問い合わせ等に対して運転者が応答するための1つ
の手段でもある。入力装置22は、ナビゲーション処理
における走行開始時の現在地(出発地点)や目的地(到
達地点)、情報提供局へ渋滞情報等の情報の請求を発信
したい車両の所定の走行環境(発信条件)、車内で使用
される携帯電話のタイプ(型式)などを入力するための
ものでもある。入力装置22には、タッチパネル(スイ
ッチとして機能)、キーボード、マウス、ライトペン、
ジョイスティック、赤外線等によるリモコン、音声認識
装置などの各種の装置が使用可能である。また、赤外線
等を利用したリモコンと、リモコンから送信される各種
信号を受信する受信部を備えてもよい。リモコンには、
画面上に表示されたカーソルの移動操作等を行うジョイ
スティックの他、メニュー指定キー(ボタン)、テンキ
ー等の各種キーが配置される。
【0025】記録媒体駆動装置23は、ナビゲーション
処理部10やエージェント処理部11が各種処理を行う
ためのコンピュータプログラムを外部の記録媒体から読
み込むのに使用される駆動装置である。記録媒体に記録
されているコンピュータプログラムには、各種のプログ
ラムやデータ等が含まれる。ここで、記録媒体とは、コ
ンピュータプログラムが記録される記録媒体をいい、具
体的には、フロッピーディスク、ハードディスク、磁気
テープ等の磁気記録媒体、メモリチップやICカード等
の半導体記録媒体、CD−ROMやMO、PD(相変化
書換型光ディスク)等の光学的に情報が読み取られる記
録媒体、紙カードや紙テープ、文字認識装置を使用して
プログラムを読み込むための印刷物等の用紙(および、
紙に相当する機能を持った媒体)を用いた記録媒体、そ
の他各種方法でコンピュータプログラムが記録される記
録媒体が含まれる。
【0026】記録媒体駆動装置23は、これらの各種記
録媒体からコンピュータプログラムを読み込む他に、記
録媒体がフロッピーディスクやICカード等のように書
き込み可能な記録媒体である場合には、ナビゲーション
処理部10やエージェント処理部11のRAMや記憶装
置29、30のデータ等をその記録媒体に書き込むこと
が可能である。例えば、ICカードにエージェント機能
に関する学習内容(学習項目データ、応答データ)やユ
ーザ情報、後述するエージェントメンタルモデル等のデ
ータを記憶させ、他の車両を運転する場合でもこれらを
記憶させたICカードからデータを読み出させて使用す
ることで、自分の過去の応対の状況に応じて学習された
同一心理状態のエージェントとコミュニケーションする
ことが可能になる。これにより、車両毎のエージェント
ではなく、運転者毎に固有な、心理状態や学習内容のエ
ージェントを車両内に出現させることが可能になる。
【0027】通信制御装置24は、各種無線通信機器か
らなる携帯電話が接続されるようになっている。通信制
御装置24は、電話回線による通話の他、道路の混雑状
況や交通規制等の交通情報に関するデータなどを提供す
る情報提供局との通信や、車内での通信カラオケのため
に使用するカラオケデータを提供する情報提供局との通
信を行うことができるようになっている。また、通信制
御装置24を介して、エージェント機能に関する学習デ
ータや、エージェントの心理状態を決定する際に使用す
るエージェントメンタルモデルの各パラメータの指数等
を送受信することも可能である。
【0028】音声出力装置25は、車内に配置された複
数のスピーカで構成され、音声制御部14で制御された
音声、例えば、音声による経路案内を行う場合の案内音
声や、エージェントの行動や心理状態に合わせた音声や
音が出力されるようになっている。この音声出力装置2
5は、オーディオ用のスピーカと兼用するようにしても
よい。なお、音声制御部14は、運転者のチューニング
指示の入力に応じて、音声出力装置25から出力する音
声の音色やアクセント等を制御することが可能である。
マイク26は、音声制御部14における音声認識の対象
となる音声、例えば、ナビゲーション処理における目的
地等の入力音声や、エージェントとの運転者の会話(応
答等)等を入出力する音声入力手段として機能する。こ
のマイク26は、通信カラオケ等のカラオケを行う際の
マイクと兼用するようにしてもよく、また、運転者の音
声を的確に収集するために指向性のある専用のマイクを
使用するようにしてもよい。尚、音声出力装置25とマ
イク26とでハンズフリーユニットを形成させて、携帯
電話を介さずに、電話通信における通話を行えるように
してもよい。
【0029】表示装置27には、ナビゲーション処理部
10の処理による経路案内用の道路地図や各種画像情報
が表示されたり、エージェント処理部11によるエージ
ェントの各種行動(動画)が表示されたりするようにな
っている。また、撮像装置28で撮像された車両内外の
画像も画像処理部13で処理された後に表示されるよう
になっている。表示装置27は、液晶表示装置、CRT
等の各種表示装置が使用される。なお、この表示装置2
7は、例えばタッチパネル等の、前記入力装置22とし
ての機能を兼ね備えたものとすることができる。
【0030】撮像装置28は、画像を撮像するためのC
CD(電荷結合素子)を備えたカメラで構成されてお
り、運転者を撮像する車内カメラの他、車両前方、後
方、右側方、左側方を撮像する各車外カメラが配置され
ている。撮像装置28の各カメラにより撮像された画像
は、画像処理部13に供給され、画像認識等の処理が行
われ、各認識結果をエージェント処理部11によるプロ
グラム番号の決定やエージェントメンタルモデルの各パ
ラメータ指数の取得にも使用するようになっている。
【0031】エージェントデータ記憶装置29は、本実
施形態によるエージェント機能を実現するために必要な
各種データ(プログラムを含む)が格納される記憶装置
である。このエージェントデータ記憶装置29には、例
えば、フロッピーディスク、ハードディスク、CD−R
OM、光ディスク、磁気テープ、ICカード、光カード
等の各種記録媒体と、その駆動装置が使用される。この
場合、例えば、学習項目データ292、応答データ29
3、エージェントメンタルモデル295を持ち運びが容
易なICカードやフロッピーディスクで構成し、その他
のデータをハードディスクで構成するというように、複
数種類の異なる記録媒体と駆動装置で構成し、駆動装置
としてそれらの駆動装置を用いるようにしてもよい。
【0032】エージェントデータ記憶装置29には、エ
ージェントプログラム290、プログラム選択テーブル
291、学習項目データ292、応答データ293、図
4に例示したエージェントの容姿や行動を画像表示する
ための画像データ294、エージェントメンタルモデル
295、メンタルモデル変更条件データ296、その他
のエージェントによる処理に必要な各種のデータが格納
されている。
【0033】学習項目データ292及び応答データ29
3は、運転者の運転操作や応答によってエージェントが
学習した結果を格納するデータである。従って、学習項
目データ292と応答データ293は、各運転者毎にそ
のデータが格納・更新(学習)されるようになってい
る。画像データ294に格納される容姿としては、人間
(男性、女性)的な容姿である必要はなく、例えば、ひ
よこや犬、猫、カエル、ネズミ等の動物自体の容姿や人
間的に図案化(イラスト化)した動物の容姿であっても
よく、更にロボット的な容姿や、特定のキャラクタの容
姿等であってもよい。またエージェントの年齢としても
一定である必要がなく、エージェントの学習機能とし
て、最初は子供の容姿とし、時間の経過と共に成長して
いき容姿が変化していく(大人の容姿に変化し、更に老
人の容姿に変化していく)ようにしてもよい。画像デー
タ294には、これらの各種エージェントの容姿の画像
が格納されており、運転者の好みによって入力装置22
等から選択することができるようになっている。
【0034】エージェントプログラム290には、エー
ジェント機能を実現するためのエージェント処理プログ
ラムや、エージェントと運転者とがコミュニケーション
する場合の細かな行動を表示装置27に画像表示すると
共にその行動に対応した会話を音声出力装置25から出
力するためのコミュニケーションプログラムがプログラ
ム番号順に格納されている。このエージェントプログラ
ム290には、各プログラム番号の音声に対して複数種
類の音声データが格納されており、運転者は前記エージ
ェントの容姿の選択と併せて音声を入力装置22等から
選択することができるようになっている。エージェント
の音声としては、男性の音声、女性の音声、子供の音
声、機械的な音声、動物的な音声、特定の声優や俳優の
音声、特定のキャラクタの音声等があり、これらの中か
ら適宜運転者が選択する。なお、この音声と前記容姿の
選択は、適時変更することが可能である。
【0035】プログラム選択テーブル291は、エージ
ェントプログラム290に格納されているコミュニケー
ションプログラムを選択するためのテーブルである。図
2はプログラム選択テーブル291を表したものであ
り、図3はプログラム選択テーブル291で選択される
各プログラム番号に対応した、エージェントの行為(行
動と発声)内容を表したものである。この図2、図3で
示されているプログラム番号は、エージェントプログラ
ム290に格納されている各コミュニケーションプログ
ラムの番号と一致している。
【0036】図4は、図2、図3のプログラム番号00
001により表示装置27に表示されるエージェントの
「かしこまってお辞儀」行動についての数画面を表した
ものである。この図4に示されるように、エージェント
Eは、口元を引き締めると共に手を膝に当てながら、お
辞儀をすることでかしこまったお辞儀であることが表現
されている。
【0037】このプログラム番号00001の「かしこ
まってお辞儀」は、図2のプログラム選択テーブル29
1に示されるように、通算駆動回数が10回以下であ
り、エンジンの冷却水温が適温であり、且つエージェン
トメンタルモデルの「安心」の指数が3〜9である等の
条件が満たされている場合に起動される。他の条件が同
じであって、エージェントメンタルモデルの「安心」の
指数が0〜2のときには、プログラム番号00002番
が選択され、エージェントは、一度びくついてからかし
こまってお辞儀をし、音声もおどおどした調子になり、
エージェントの心理状態において安心の度合いが低いこ
とが表現される。
【0038】また、プログラム番号00001が選択さ
れる場合と他の条件が同じであって、エンジンの冷却水
温度が低い場合には、プログラム番号00003の「眠
そうにかしこまってお辞儀」が選択される。眠そうな表
現としては、瞼が下がった表情にしたり、あくびや伸び
をした後に所定の行動(お辞儀等)をしたり、最初に目
をこすったり、動きや発声を通常よりもゆっくりさせた
りすることで表すことができる。これらの眠そうな表現
は、常に同一にするのではなく、行動回数等を学習する
ことで適宜表現を変更する。例えば、3回に1回は目を
こすり(行動A)、10回に1回はあくびをするように
し(行動B)、それ以外では瞼が下がった表情(行動
C)にする。これらの変化は、行動Aや行動Bの付加プ
ログラムを行動Cの基本プログラムに組み合わせること
で実現される。そして、どの行動を組み合わせるかにつ
いては、基本となる行動Cのプログラム実行回数を学習
項目として計数しておき、回数に応じて付加プログラム
を組み合わせるようにする。更に、エージェントメンタ
ルモデルに応じて、例えば、友好の指数が0〜2の場合
にはあくびをせず(行動Bのプログラムが付加されな
い)、3〜6の場合にはあくびの時に口に手を当てる
(行動Bに代えて行動B’のプログラムが付加される)
等、エージェントの行為が変化する。
【0039】図2に表示された各項目は、各プログラム
番号を選択するための選択条件を表したもので、状態セ
ンサ40により検出される車両や運転者の各種状況から
決定される項目(時間、起動場所、冷却水温、シフトポ
ジション位置、アクセル開度等)、学習項目データ29
2や応答データ293に格納されている学習内容から決
定される項目(今日のIG ON回数、前回終了時から
の経過時間、通算起動回数等)、及びエージェントメン
タルモデル295の各パラメータ(元気、友好、従順、
安心、モラル)がある。プログラム選択テーブル291
中で、これら全項目を満足するプログラムは必ず一義的
に決定するようになっている。なお、テーブル中で
「○」印は、そのプログラム番号が選択されるために満
たす必要がある項目を示し、無印はそのプログラム番号
が選択されるために満たしてはいけない項目を示し、
「−」印はそのプログラムの選択には考慮されない項目
を示している。また、プログラム選択テーブル291中
のコミュニケーションプログラムは全て、エージェント
メンタルモデル295の各パラメータのうちの1つ以上
が考慮されるようになっている。従って、エージェント
の運転者に対する行為は全て、エージェントの心理状態
を反映したものとなっている。
【0040】図1における、学習項目データ292と応
答データ293とは共にエージェントの学習により格
納、更新されるデータである。図5は学習項目データ2
92の内容を概念的に示す説明図であり、図6は、応答
データ293の内容を概念的に示す説明図である。学習
項目データ292には、図5に示されるように、プログ
ラム選択テーブル291(図2)の選択条件を決定する
通算起動回数、前回終了日時、今日のイグニッションO
N回数、前5回の給油時残量等が格納され、選択条件に
より選択されたプログラムを起動するか否か(お休みす
るか否か)を決定するためのお休み回数/日時、デフォ
ルト値、その他のデータが格納される。
【0041】通算起動回数には、イグニッションを起動
した通算回数が格納され、イグニッションがONされる
毎にカウントアップされる。前回終了日時には、イグニ
ッションをOFFにする毎にその日時が格納される。今
日のイグニッションON回数には、その日におけるイグ
ニッションONの回数と、1日の終了時間が格納され
る。イグニッションがONされる毎にカウントアップさ
れるが、1日が終了するとデータが”0”に初期化され
る。1日の終了時間はデフォルト値として24:00が
格納されている。この時間はユーザ(運転者)の生活パ
ターンによって変更することが可能である。時間が変更
された場合には、変更後の時間が格納される。
【0042】前5回の給油残量には、燃料(ガソリン)
を給油する直前に検出された燃料の残量が格納され、新
たに給油される毎に各データが左側にシフトされ(最も
古い最左のデータが削除される)今回給油直前の残量が
一番右側に格納される。このデータは、後述する燃料検
出センサ415の検出値G1が、全5回分の給油残量の
平均値G2以下(G1≦G2)になった場合に、エージ
ェントEが表示装置27に現れて給油を促す行動が表示
装置27に表示され、「おなかが減ったなあ!ガソリン
がほしいな!」等の音声が音声出力装置25から出力さ
れる。
【0043】お休み回数/日時には、該当するコミュニ
ケーションプログラムが選択されたとしても実行せずに
お休みした回数等が各プログラム番号毎に格納される。
このお休み回数/日時は、例えば後述するエアコンの停
止を提案するエージェントの行為(プログラム番号00
123)のように、学習項目としてお休み項目が設定さ
れているエージェント行為について格納される。エージ
ェントの提案や会話に対する運転者の応答が、拒否(拒
絶)であった場合や無視(又は無応答)であった場合、
コミュニケーションプログラムに応じて選択的に「お休
み」が設定される。
【0044】デフォルト値には、時間、回数、温度、車
速、日時等の各項目に対する初期設定値が格納されてお
り、前記した1日の終了時間のように学習項目の中で変
更された値を初期値に戻す場合に使用される。学習項目
データ292に格納されるその他のデータとしては、例
えば、運転者やその関係者の誕生日(これはユーザ入力
項目である)、祭日とその言われ、クリスマス、バレン
タインデー、ホワイトデー等のイベント日などが格納さ
れる。各イベント日に応じた特別メニューのコミュニケ
ーションプログラムも用意されており、例えば、クリス
マスイブにはサンタクロースに変装したエージェントが
現れる。
【0045】図6の応答データ293には、エージェン
トの行為に対するユーザの応答の履歴が、ユーザ応答を
学習項目とする各コミュニケーションプログラム番号毎
に格納される。ユーザ応答データは、図6(A)のコミ
ュニケーションプログラム番号00123、00125
のように最新の応答日時と応答内容が所定回分(プログ
ラム番号00123は2回分)格納されるものと、プロ
グラム番号00124のように最新の応答内容のみが1
回分格納される(従って応答がある毎に更新される。)
ものと、最新の応答内容のみが所定回分格納されるもの
と、最新の日時と応答内容が一回分格納されるものと、
最新の日時だけが1回分または所定回分格納されるもの
等がある。図6(A)中に表示された記号A、B、Cは
応答内容を表すもので、同図(B)に示すように、記号
Aが無視された場合、記号Bが拒絶された場合、記号C
が受容された場合を表す。運転者の応答内容について
は、マイク26から入力される運転者の音声に対する音
声認識の結果や、入力装置22による入力結果から判断
される。
【0046】図7は、エージェントメンタルモデル29
5の一例を表したグラフである。エージェントメンタル
モデル295は、運転者毎に格納されており、エージェ
ントの心理状態を表している。図7のグラフに示される
ように、エージェントの心理状態は、元気、友好、従
順、安心、及びモラルの各パラメータで表される。各パ
ラメータは、その度合いが0〜9の整数である指数で表
され、指数が大きくなる程その度合いが大きいようにな
っている。例えば、心理状態のうちの元気は、指数が0
であれば全く元気が無く、9であれば最も元気な状態と
なっている。そして、指数が大きいほど各行動の動作や
声が大きくなり、話し方や言葉使いも元気になってい
く。また、指数が8及び9の場合には、エージェントE
が走りながら画面に登場する。尚、初期設定において
は、全てのパラメータの指数は中間値の5に設定されて
いる。
【0047】図8は、メンタルモデル変更条件データ2
96の内容を概念的に表した図である。メンタルモデル
変更条件データ296には、エージェントメンタルモデ
ル295の各パラメータの指数を増減する条件と、変化
するパラメータ及びその変化の度合いとの対応、リセッ
トの有無が格納されており、このテーブルに従って、エ
ージェントメンタルモデル295の各パラメータの指数
が増減されるようになっている。この図8に示されるよ
うに、エージェントメンタルモデルの各パラメータの指
数は、イグニッション時刻や車速等の車両状態、運転者
からの応答の有無やその内容、等の車両の状況により、
個別に増減されるようになっている。例えば、運転者か
らマイク26に入力された音声が音声認識装置の辞書に
予め登録されたねぎらいの言葉であった場合には、「友
好」パラメータの指数が1増加される。また、リセット
が有りとなっている条件については、イグニッションO
FF時に、増加分が減少され、減少分が増加され、その
条件に基づいてなされた指数の増減が相殺されるように
なっている。
【0048】図9は、ナビゲーションデータ記憶装置3
0(図1)に格納されるデータファイルの内容を表した
ものである。図9に示されるように、ナビゲーションデ
ータ記憶装置30には経路案内等で使用される各種デー
タファイルとして、通信地域データファイル301、描
画地図データファイル302、交差点データファイル3
03、ノードデータファイル304、道路データファイ
ル305、探索データファイル306、写真データファ
イル307が格納されるようになっている。このナビゲ
ーションデータ記憶装置4は、例えば、フロッピーディ
スク、ハードディスク、CD−ROM、光ディスク、磁
気テープ、ICカード、光カード等の各種記録媒体と、
その駆動装置が使用される。なお、ナビゲーションデー
タ記憶装置4は、複数種類の異なる記録媒体と駆動装置
で構成するようにしてもよい。例えば、検索データファ
イル46を読み書き可能な記録媒体(例えば、フラッシ
ュメモリ等)で、その他のファイルをCD−ROMで構
成し、駆動装置としてそれらの駆動装置を用いるように
する。
【0049】通信地域データファイル301には、通信
制御装置24に接続され又は無接続で車内において使用
される携帯電話が、車内から通信できる地域を表示装置
5に表示したり、その通信できる地域を経路探索の際に
使用するための通信地域データが、携帯電話のタイプ別
に格納されている。この携帯電話のタイプ別の各通信地
域データには、検索しやすいように番号が付されて管理
され、その通信可能な地域は、閉曲線で囲まれる内側に
より表現できるので、その閉曲線を短い線分に分割して
その屈曲点の位置データによって特定する。なお、通信
地域データは、通信可能地を大小各種の四角形エリアに
分割し、対角関係にある2点の座標データによりデータ
化するようにしてもよい。通信地域データファイル30
1に格納される内容は、携帯電話の使用可能な地域の拡
大や縮小に伴って、更新できるのが望ましく、このため
に、携帯電話と通信制御装置24を使用することによ
り、情報提供局との間で通信を行って、通信地域データ
ファイル301の内容を最新のデータと更新できるよう
に構成されている。なお、通信地域データファイル30
1をフロッピーディスク、ICカード等で構成し、最新
のデータと書き換えを行うようにしても良い。描画地図
データファイル302には、表示装置27に描画される
描画地図データが格納されている。この描画地図データ
は、階層化された地図、例えば最上位層から日本、関東
地方、東京、神田といった階層ごとの地図データが格納
されている。各階層の地図データは、それぞれ地図コー
ドが付されている。
【0050】交差点データファイル303には、各交差
点を特定する交差点番号、交差点名、交差点の座標(緯
度と経度)、その交差点が始点や終点になっている道路
の番号、および信号の有無などが交差点データとして格
納されている。ノードデータファイル304には、各道
路における各地点の座標を指定する緯度、経度などの情
報からなるノードデータが格納されている。すなわち、
このノードデータは、道路上の一地点に関するデータで
あり、ノード間を接続するものをアークと呼ぶと、複数
のノード列のそれぞれの間をアークで接続することによ
って道路が表現される。道路データファイル305に
は、各道路を特定する道路番号、始点や終点となる交差
点番号、同じ始点や終点を持つ道路の番号、道路の太
さ、進入禁止等の禁止情報、後述の写真データの写真番
号などが格納されている。交差点データファイル30
3、ノードデータファイル304、道路データファイル
305にそれぞれ格納された交差点データ、ノードデー
タ、道路データからなる道路網データは、経路探索に使
用される。
【0051】探索データファイル306には、経路探索
により生成された経路を構成する交差点列データ、ノー
ド列データなどが格納されている。交差点列データは、
交差点名、交差点番号、その交差点の特徴的風景を写し
た写真番号、曲がり角、距離等の情報からなる。また、
ノード列データは、そのノードの位置を表す東経、北緯
などの情報からなる。写真データファイル307には、
各交差点や直進中に見える特徴的な風景等を撮影した写
真が、その写真番号と対応してディジタル、アナログ、
またはネガフィルムの形式で格納されている。
【0052】図10は、状況センサ部40を構成する各
種センサを表したものである。図10に示すように状況
センサ部40は、イグニッションセンサ401、車速セ
ンサ402、アクセルセンサ403、ブレーキセンサ4
04、サイドブレーキ検出センサ405、シフト位置検
出センサ406、ウィンカー検出センサ407、ワイパ
ー検出センサ408、ライト検出センサ409、シート
ベルト検出センサ410、ドア開閉検出センサ411、
同乗者検出センサ412、室内温度検出センサ413、
室外温度検出センサ414、燃料検出センサ415、水
温検出センサ416、ABS検出センサ417、エアコ
ンセンサ418、体重センサ419、前車間距離センサ
420、後車間距離センサ421、体温センサ422、
心拍数センサ423、発汗センサ424、脳波センサ4
25、アイトレーサー426、赤外線センサ427、そ
の他のセンサ(タイヤの空気圧低下検出センサ、ベルト
類のゆるみ検出センサ、窓の開閉状態センサ、クラクシ
ョンセンサ、室内湿度センサ、室外湿度センサ、油温検
出センサ、油圧検出センサ等)428等の車両状況や運
転者状況、車内状況等を検出する各種センサを備えてい
る。これら各種センサは、それぞれのセンシング目的に
応じた所定の位置に配置されている。なお、これらの各
センサは独立したセンサとして存在しない場合には、他
のセンサ検出信号から間接的にセンシングする場合を含
む。例えば、タイヤの空気圧低下検出センサは、車輪速
センサの信号の変動により間接的に空気圧の低下を検出
する。
【0053】イグニッションセンサ401は、イグニッ
ションのONとOFFを検出する。車速センサ402
は、例えば、スピードメータケーブルの回転角速度又は
回転数を検出して車速を算出するもの等、従来より公知
の車速センサを特に制限なく用いることができる。アク
セルセンサ403は、アクセルペダルの踏み込み量を検
出する。ブレーキセンサ404は、ブレーキの踏み込み
量を検出したり、踏み込み力や踏む込む速度等から急ブ
レーキがかけられたか否かを検出する。サイドブレーキ
検出センサ405は、サイドブレーキがかけられている
か否かを検出する。シフト位置検出センサ406は、シ
フトレバー位置を検出する。ウィンカー検出センサ40
7は、ウィンカの点滅させている方向を検出する。ワイ
パー検出センサ408は、ワイパーの駆動状態(速度
等)を検出する。ライト検出センサ409は、ヘッドラ
ンプ、テールランプ、フォグランプ、ルームランプ等の
各ランプの点灯状態を検出する。シートベルト検出セン
サ410は、運転者、及び同乗者(補助席、後部座席)
がシートベルトを着用しているか否かを検出する。着用
していない場合には適宜(嫌われない程度に)エージェ
ントが現れ、警告、注意、コメント等(学習により程度
を変更する)を行う。
【0054】ドア開閉検出センサ411は、ドアの開閉
状態を検出し、いわゆる半ドアの場合には、エージェン
トがその旨を知らせる。ドア開閉検出センサ411は、
運転席ドア、助手席ドア、後部運転席側ドア、後部助手
席側ドア等の、車種に応じた各ドア毎の開閉を検出でき
るようになっている。同乗者検出センサ412は、助手
席や後部座席に同乗者が乗っているか否かを検出するセ
ンサで、撮像装置28で撮像された車内の画像から検出
し、または、補助席等に配置された圧力センサや、体重
計により検出する。室内温度検出センサ413は室内の
気温を検出し、室外温度検出センサ414は車両外の気
温を検出する。燃料検出センサ415は、ガソリン、軽
油等の燃料の残量を検出する。給油時直前における過去
5回分の検出値が学習項目データ292に格納され、そ
の平均値になった場合にエージェントが給油時期である
ことを知らせる。
【0055】水温検出センサ416は、冷却水の温度を
検出する。イグニッションON直後において、この検出
温度が低い場合には、エージェントが眠そうな行為をす
る場合が多い。逆に水温が高すぎる場合にはオーバーヒ
ートする前に、エージェントが「だるそう」な行動と共
にその旨を知らせる。ABS検出センサ417は、急ブ
レーキによるタイヤのロックを防止し操縦性と車両安定
性を確保するABSが作動したか否かを検出する。エア
コンセンサ418は、エアコンの操作状態を検出する。
例えば、エアコンのON・OFF、設定温度、風量等が
検出される。体重センサ419は、運転者の体重を検出
するセンサである。この体重から、または、体重と撮像
装置28の画像から運転者を特定し、その運転者との関
係で学習したエージェントを出現させるようにする。す
なわち、特定した運転者に対してエージェントが学習し
た、学習項目データ292と応答データ293を使用す
ることで、その運転者専用のエージェントを出現させる
ようにする。そしてこのエージェントはその運転者に対
応した心理状態(エージェントメンタルモデル)となっ
ている。前車間距離センサ420は車両前方の他車両や
障害物との距離を検出し、後車間距離センサ421は後
方の他車両や障害物との距離を検出する。
【0056】体温センサ422、心拍数センサ423、
発汗センサ424は、それぞれ運転者の体温、心拍数、
発汗状態を検出するセンサで、例えば、ハンドル表面に
各センサを配置し運転者の手の状態から検出する。また
は、体温センサ422として、赤外線検出素子を使用し
たサーモグラフィーにより運転者の各部の温度分布を検
出するようにしても良い。脳波センサ425は、運転者
の脳波を検出するセンサで、例えばα波やβ波等を検出
して運転者の覚醒状態等を調べる。アイトレーサー42
6は、ユーザの視線の動きを検出し、通常運転中、車外
の目的物を捜している、車内目的物をさがしている、覚
醒状態等を判断する。赤外線センサ427は、ユーザの
手の動きや顔の動きを検出する。
【0057】次に、以上のように構成された本実施形態
の動作について説明する。図11は本実施形態のエージ
ェントによる処理のメイン動作を表したフローチャート
である。エージェント処理部11は、イグニッションが
ONされたことがイグニッションセンサ401で検出さ
れると、まず最初に初期設定を行う(ステップ11)。
初期設定としては、RAMのクリア、各処理用のワーク
エリアをRAMに設定、プログラム選択テーブル291
(図2)のRAMへのロード等の処理が行われる。な
お、本実施形態のエージェント処理では、その処理の開
始をイグニッションONとしたが、例えばドア開閉検出
センサ411によりいずれかのドアの開閉が検出された
場合に処理を開始するようにしてもよい。
【0058】次に、エージェント処理部11は、運転者
の特定を行う(ステップ12)。すなわち、エージェン
ト処理部11は、運転者から先に挨拶がかけられたとき
にはその声を分析して運転者を特定したり、撮像した画
像を分析することで運転者を特定したり、体重センサ4
19で検出した体重から運転者を特定したり、設定され
たシート位置やルームミラーの角度から運転者を特定し
たりする。なお、特定した運転者については、後述のエ
ージェントの処理とは別個に、「○○さんですか?」等
の問い合わせをする特別のコミュニケーションプログラ
ムが起動され、運転者の確認が行われる。
【0059】運転者が特定されると、次にエージェント
処理部11は、現在の状況を把握する(ステップ1
3)。すなわち、エージェント処理部11は、状況情報
処理部15に状況センサ部40の各センサから供給され
る検出値や、撮像装置28で撮像した画像の処理結果
や、現在位置検出装置21で検出した車両の現在位置等
のデータを取得して、RAMの所定エリアに格納し、格
納したデータから現在状況の把握を行う。例えば、水温
検出センサ416で検出された冷却水の温度がt1であ
る場合、エージェント処理部11は、この温度t1をR
AMに格納すると共に、t1が所定の閾値t2以下であ
れば、車両の現在の状態として冷却水温(図2参照)は
低い状態であると把握する。現在の状況としては、他に
マイク26からの入力に基づいて音声認識した運転者の
要求、例えば、「○○○番に電話をしてくれ。」や「こ
の辺のレストランを表示してくれ。」や「CDをかけて
くれ。」等の要求も現在の状況として把握される。この
場合、認識した音声に含まれるワード「CD」「かけ
て」等がプログラム選択テーブル291(図2)の選択
条件(横軸項目)になる。さらにエージェント処理部1
1は、現在状況として、エージェントデータ記憶装置2
9の学習項目データ292と応答データ293をチェッ
クすることで、エージェントがこれまでに学習してきた
状態(学習データ)を把握する。また、エージェントデ
ータ記憶装置29のエージェントメンタルモデル295
をチェックし、各パラメータの指数を把握する。
【0060】エージェント処理部11は、現在の状況を
把握すると、図11により後で詳述するように、把握し
た状況に応じたエージェントの処理を行う(ステップ1
4)。ここでのエージェントの処理としては、エージェ
ントによる判断、行為(行動+発声)、制御、学習、検
査等の各種処理が含まれるが、把握した現在の状況によ
っては何も動作しない場合も含まれる。
【0061】次に、エージェント処理部11は、メイン
動作の処理を終了するか否かを判断し(ステップ1
5)、終了でない場合には(ステップ15;N)、ステ
ップ13に戻って処理を繰り返す。一方を終了する場
合、すなわち、イグニッションがOFFされたことがイ
グニッションセンサ401で検出され(ステップ1
3)、室内灯の消灯等の終了処理(ステップ14)が完
了した後(ステップ15;Y)、メイン処理の動作を終
了する。
【0062】図12は、把握した状況に応じたエージェ
ントの処理動作を表したフローチャートである。エージ
ェント処理部11は、把握済みの現在の状況(起動回
数、現在の天気、時間、メンタルモデルの各パラメータ
の指数等)から、図2に示したプログラム選択テーブル
291に基づいて、現在の状態で起動可能なコミュニケ
ーションプログラム(の番号)があるか否かを判断する
(ステップ21)。そして、該当プログラムが無ければ
(ステップ21;N)、メインルーチンにリターンす
る。一方、起動可能なコミュニケーションプログラムが
ある場合(ステップ21;Y)、そのプログラム番号を
決定する。そして、決定したプログラム番号に対する運
転者の応答履歴を応答データ293から確認し、当該プ
ログラム番号のコミュニケーションプログラムの起動
を、お休みすべき状態か否かを確認する(ステップ2
2)。
【0063】お休み状態ではない場合(ステップ22;
N)、エージェント処理部11は、決定したプログラム
番号に対応するコミュニケーションプログラムを起動す
ることで、図4に示された各エージェントの行為(行動
と音声)に従った画像を表示装置27に表示すると共
に、音声出力装置25から音声出力する(ステップ2
3)。これによって、現在の車両や運転者等の状況から
だけでなく、過去の状況や応答に対する学習結果を反映
させたコミュニケーションをエージェントとの間で行う
ことが可能になる。エージェントの行為は、エージェン
トメンタルモデルに反映されたものとなっている。
【0064】そしてエージェント処理部11は、コミュ
ニケーションプログラムの起動によるエージェント行為
に対する運転者の応答を、マイク26からの入力に基づ
く音声認識結果や、入力装置22からの入力結果から取
得する(ステップ24)。次にエージェント処理部11
は、ステップ16で起動したコミュニケーションプログ
ラムが制御対象プログラムか否かを判断する(ステップ
25)。ここで制御対象プログラムか否かは各プログラ
ム毎に規定されており、例として、「ラジオの電源を入
れましょうか?」や、お昼時にお腹が鳴る音を検出した
場合に「食堂の案内をしましょうか?」といったよう
に、エージェントが処理可能な行為(電源ON、飲食店
案内等)の提案をする場合のコミュニケーションプログ
ラム等が制御対象プログラムとして規定されている。
【0065】制御対象プログラムでない場合(ステップ
25;N)にはステップ27に移行し、制御対象プログ
ラムである場合(ステップ25;Y)、ステップ24で
取得した運転者の応答に応じた制御を行う(ステップ2
6)。例えば、上記ラジオの電源を入れる提案コミュニ
ケーションに対して、「入れて」「OK」「はい」等の
提案を受容する応答が認識された場合であれば、エージ
ェント処理部11は応答に応じた制御として、エージェ
ントに返事をする行為(行動と音声)をさせると共にラ
ジオの電源をONにする。
【0066】そして、エージェント処理部11は、今回
のコミュニケーションプログラムに関するデータを蓄積
することで、エージェントに学習をさせ(ステップ2
7)、メインルーチンにリターンする。データの蓄積と
しては、例えば、コミュニケーションプログラムの起動
がお休みである場合には(ステップ22;Y)、学習項
目データ292の該当プログラム番号の回数欄をカウン
トアップさせる。ただし、学習項目データ292のお休
み回数/日時欄に格納されている回数をKa回とし、当
該プログラム番号に対する前回までの応答データ293
の履歴から決まるお休み回数をKb回とした場合、Ka
=Kb−1であれば、今回のお休みで規定回数休んだこ
とになる。そこで、学習項目データ292及び応答デー
タ293の当該プログラム番号欄の(該当する位置に格
納されている)データをクリアする。その他の場合(ス
テップ25;Nの場合、ステップ26の後)には、把握
済みの現在状況(ステップ13)の中に学習項目があれ
ば学習項目データ292の値を更新し、応答内容を履歴
として格納すべきプログラム番号であればステップ17
で取得した応答内容を応答データ293(図6)に格納
する。この応答の履歴も各プログラム番号毎に規定され
た所定回数分のデータが既に格納されている場合には、
最も古いデータを廃棄して新しいデータを格納する。ま
た、ステップ24により取得した応答内容等にメンタル
モデル変更条件データ296中の条件に該当するものが
有った場合には、このメンタルモデル変更条件データ2
96に従ってエージェントメンタルモデルのパラメータ
の指数を増減し、新しいエージェントメンタルモデルを
エージェントデータ記憶装置29の当該格納部に格納し
直す。
【0067】次に、以上説明したエージェント処理によ
るエージェントの具体的な行為における、エージェント
メンタルモデルの違いによる行為の違いの例について説
明する。図13及び図14は、イグニッションON後に
おける具体的なエージェント処理の内容を表したもの
で、図13はエージェントメンタルモデル295の「元
気」の指数が7の場合、図14はエージェントメンタル
モデル295の「元気」の指数が2の場合である。ま
ず、図13に示すエージェントメンタルモデル295の
「元気」の指数が7の場合について説明する。この図1
3(a)に示すように、エージェント処理部11は、現
在の状況として、イグニッションセンサ401で検出さ
れた状態が「ON」、時刻が午前8時21分、等の状況
がステップ13において把握済みであるものとする。ま
た、学習項目データ292と応答データ293について
チェックした学習データとしては、今日のイグニッショ
ンON回数が「1回目」、通算起動回数が「30回」、
エージェントメンタルモデル295の元気が「7」、友
好が「8」、安心が「5」であるとチェック済みである
ものとする。
【0068】以上の把握状態においてエージェント処理
部11は、プログラム選択テーブル291から対応する
コミュニケーションプログラムを選択する。すなわち、
プログラム番号00100のコミュニケーションプログ
ラムが選択される(ステップ21;Y)。お休み対象で
無いことを確認(ステップ22;N)したうえで、当該
番号のコミュニケーションプログラムを起動し(ステッ
プ23)、図3に対応するエージェント行為(行動と発
声)が、図13(b)に示すように、行われる。すなわ
ち、表示装置27にはエージェントが元気に登場し、音
声出力装置25からは「おはよう。」といった大きな音
声が出力される。
【0069】そして運転者から「おはよう」等の応答が
あった場合にはこれを取得し認識する(ステップ2
4)。プログラム番号00100は制御対象プログラム
ではないので(ステップ25;N)、ステップ26をと
ばし、エージェントの学習として図13(c)に示すよ
うに、学習項目データ292の今日のイグニッションO
N回数を1回から2回に変更すると共に、通算起動回数
を30回から31回に変更する。また、運転者からの応
答等に図8のメンタルモデル変更条件データ296に該
当するものが有った場合には、このデータ応じてエージ
ェントメンタルモデル295のパラメータの指数を増減
し、再格納する(ステップ27)。例えば、運転者から
「おはよう」と挨拶が返された場合には、エージェント
の問いかけに対する応答が有ったとして、友好及び従順
の各指数を1増加させる。なお、指数が0であった場合
には、これ以上は指数は減らすことなくそのまま書き換
えず、また、指数が9であった場合にこれ以上増加する
ことなくそのまま書き換えることなく保存する。その後
メインルーチンにリターンする。
【0070】図14に示すようにエージェントメンタル
モデル295の「元気」の指数が7であり他の車両の状
況は図13と同様の場合には、エージェント処理部11
は、プログラム選択テーブル291から、プログラム番
号00102のコミュニケーションプログラムを選択し
(ステップ21;Y)、お休み対象で無いことを確認
(ステップ22;N)したうえで、当該番号のコミュニ
ケーションプログラムを起動し(ステップ23)、図3
に対応するエージェント行為(行動と発声)が、図14
(b)に示すように、行われる。すなわち、表示装置2
7にはエージェントが疲れた様子で登場し、音声出力装
置25からは「おはよう。」といった小さな音声が出力
される。以降図13の場合と同様に応答の取得(ステッ
プ24)やデータの蓄積(ステップ27)を行い、メイ
ンルーチンにリターンする。
【0071】図15は、エージェントメンタルモデル以
外の車両の状況が図13及び図14と同じ場合の、エー
ジェントの行為を、エージェントメンタルモデル295
のパラメータの指数に対応させて示すものである。この
図15に示すように、エージェントが朝の挨拶をする場
合、エージェントメンタルモデル295の従順及びモラ
ルのパラメータによる行為の違いはないが、元気の指数
が7〜9の場合には言動が元気よく、0〜2の場合には
疲れており、友好の指数が7〜9の場合には言葉が「お
はよう」であるのに対し友好の指数が0〜6の場合には
「おはようございます」と儀礼的になっており、安心の
指数が0〜2の場合には言動がおどおどとびくついて不
安気になっている。
【0072】続いて、車両走行中のエージェント処理に
おけるエージェントの具体的な行為の、エージェントメ
ンタルモデルによる違いの例について説明する。図16
は、車両走行中における具体的なエージェント処理の内
容の例を表したもので、エージェントメンタルモデル2
95の「元気」の指数が7の場合である。
【0073】この図16(a)に示すように、エージェ
ント処理部11は、現在状況として、エアコンセンサ4
18で検出された状態が「ON」、室内温度検出センサ
413と室外温度検出センサ414で検出された室温T
1と室外温T2を取得する。また、各プログラム番号の
応答データ293をチェックすることで、プログラム番
号00xxxに対する前2回の運転者応答がC(受容)
なので、閾値T3、T4の値としてデフォルト値(T3
=2度、T4=24度)が学習項目データ292から読
み出される。この閾値T3とT4とから、室温と室外温
の関係、(T1−T2)≦T3が「Yes」、室外温T
2と閾値T4との関係T2≦T4が「Yes」、等の状
況が最終的に把握される。更に、エージェントメンタル
モデル295から元気のパラメータの指数が「7」、友
好が「5」、安心が「5」であるとチェック済みである
ものとする。(図16(a))。
【0074】以上の処理から、エージェント処理部11
は、プログラム選択テーブル291からプログラム番号
00xxxのコミュニケーションプログラムを選択し
(ステップ21)、お休み対象で無いことを確認(ステ
ップ22;N)したうえで、当該番号のコミュニケーシ
ョンプログラムを起動する(ステップ23)。
【0075】そして、プログラム番号00xxxのコミ
ュニケーションプログラムの起動により、図16(b)
に示すように、表示装置27にはエージェントEの画像
が複数表示(または動画が表示)されると共に、音声出
力装置25からはエージェントEの「外は涼しくなりま
したよ。外気を入れてみませんか?」といった音声が出
力される。
【0076】続いて、エージェント処理部11は、運転
者の応答を取得する(ステップ24)。そして、プログ
ラム番号00xxxは制御対象プログラムなので(ステ
ップ25;Y)、受容であれば応答に応じた制御として
エアコンの電源をOFFにすると共に、運転席側と助手
席側の窓を1/2だけ開ける制御を行う(ステップ2
6)。
【0077】応答に応じた制御の後、エージェント処理
部11は、図16(c)に示すように、運転者の応答が
無視であればA、拒絶であればB、受容であればCを、
応答日時と共にプログラム番号00xxxに対応する応
答データ293に格納する。この場合、前々回の応答デ
ータが削除され、前回の応答と今回の応答が応答データ
293の格納内容になる。格納した応答内容が無視Aで
あれば、次回の閾値T3、T4は1度ずつ下げた値(T
3−1=1度、T4−1=23度)が使用され、1回休
むことになる。格納した応答内容が拒絶Bであれば、次
回の閾値T3、T4は1度ずつ下げた値(T3−1=1
度、T4−1=23度)が使用され、5回休むことにな
る。なお、1回休む場合の閾値としては下げた後の温度
T3=T3−1、T4=T4−1が使用される。格納し
た応答内容が受容Cであれば、前回使用した閾値T3、
T4と同一の値が使用される。
【0078】また、エージェント処理部11は、運転者
からの応答等に図8のメンタルモデル変更条件データ2
96に該当するものが有った場合には、このデータ応じ
てエージェントメンタルモデル295のパラメータの指
数を増減し、再格納する(ステップ27)。例えば、運
転者から「そうだね、お願い。」との返事があった場合
には、友好及び従順の各指数を1増加させる。更に「あ
りがとう。」との感謝の言葉が有った場合には、音声認
識辞書中のねぎらいの言葉に該当するため更に友好の指
数を1増加させる。その後メインルーチンにリターンす
る。
【0079】図17は、エージェントメンタルモデル以
外の車両の状況が図16と同じ場合の、エージェントの
行為を、エージェントメンタルモデル295のパラメー
タの指数に対応させて示すものである。この図17に示
すように、エージェントが窓を開ける提案をする場合、
エージェントメンタルモデル295の従順及びモラルの
パラメータによる行為の違いはないが、元気の指数が7
〜9の場合には言動が元気よく、0〜2の場合には疲れ
ており、また友好の指数が3〜6の場合には敬語を使い
儀礼的になっており、さらに友好の指数が0〜2の場合
には外が涼しくなったことのみを伝えて窓開けの提案は
行わないようになっている。また、安心の指数が0〜2
の場合には言動がおどおどとびくついて不安気になって
おり、元気、友好、安心それぞれの指数ともに0〜2の
場合には、何も言動しない(図2に示すプログラム選択
テーブル291に、該当するエージェントプログラムが
無い)ようになっている。
【0080】以上説明したように本実施形態によると、
擬人化されたエージェントの心理状態を表すエージェン
トメンタルモデル295を、運転者毎に各運転者のエー
ジェントに対する対応等から決定し、エージェントにそ
の心理状態に応じた行為を行わせることができる。すな
わち、車両内に出現するエージェントの行為が運転者や
状況(時間帯や天候)に対応して、友好的になったり不
安気になる等と変化し、より人間的なエージェントシス
テムになる。そして、これらの運転者とのやりとりや車
両の状況に対応した心理状態のエージェントがコミュニ
ケーションをとるので、エージェントに対して親しみを
感じ、その車両に対する愛着を増すことができる。
【0081】本実施形態によると、エージェントメンタ
ルモデル295が、エージェントの全てのコミュニケー
ションプログラムの決定要素となっているので、エージ
ェントの行為が、朝の挨拶と窓を空ける提案等、異なる
種類の行動及び音声どうしについても、運転者に対して
友好的か否か、元気か否か等共通した傾向を有するのも
のとなる。従って、エージェントの行為は、1つの行為
においては友好的なものの言い方をした後、すぐ次には
事務的になる等の不自然さが解消され、統一性や連続性
のあるものとなり、より人間的なエージェントシステム
となる。
【0082】本実施形態によると、エージェントの行為
がエージェントメンタルモデルに295に対応した心理
状態に基づいた統一性や連続性を有しているため、運転
者にとってエージェントが個性を有しているように感じ
られ、より人間的なエージェントシステムとなる。そし
て、運転者は、エージェントに対して親しみを感じ、そ
の車両に対する愛着を増すことができる。
【0083】本実施形態によると、エージェントによる
行為が、各制御行為毎の過去の学習・応答データの他、
制御行為毎ではなく車両全体の状況(運転者との対応等
を含む)から取得された行為時点のエージェントメンタ
ルモデルからも、判断され決定されるので、変化しにく
い運転者の好み等と、変化する現況との両方に適したエ
ージェント行為を選択実行させることができる。
【0084】本実施形態によると、メンタルモデル変更
条件データ296による指数の変化が、例えば、早朝に
イグニッションONされて元気のパラメータが1つ減少
した(人間的にいえば眠い)状態は次のイグニッション
ONが早朝や深夜でなければリセットされて1つ増加す
る(人間的に言えば元気が回復する)等、条件によって
イグニッションOFF時にリセットされるようになって
おり、エージェントメンタルモデル295が、長期的な
変化と短期的な変化の両方で変化し、より人間的に適切
に変化するようになっている。
【0085】本実施形態によると、エージェントの行為
は、エージェントメンタルモデル295と車両の状況
(運転者の状況も含む)に加えて、学習された過去の状
況等にも基づいている(学習手段)ので、この点からも
より運転者に適切な対応が可能となる。
【0086】尚、本発明は上述の実施形態に限定される
ものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて
適宜変更可能である。例えば、図18に示すように、表
示装置27にエージェントメンタルモデルMを表示して
もよい(メンタルモデル表示手段)。この場合、メンタ
ルモデルMは、図18に示すようなグラフ以外に、「リ
サはとても安心しています。」等の具体的な言葉での指
数表示のない表示や、「安心度:8」というように指数
を含む言葉での表示等としてもよい。また、音声により
出力してもよい(メンタルモデル音声出力手段)。更
に、各パラメータの指数が変動した時に、例えば「返事
をしてもらえなくてリサは友好の気持ちが少し減りまし
た。」等と、変動した旨やその理由を文字表示や音声出
力したり、他の補助的なエージェント(ヘルプエージェ
ント)を出現させて説明させてもよい(変化理由説明手
段)。
【0087】複数のエージェントを選択して出現可能と
しているときに、各エージェントに対応してメンタルモ
デル変更条件データ296を格納し、エージェント毎に
指数の変化の大きさが異なるようにしてもよい。例え
ば、驚きやすい臆病なエージェント(不安のパラメータ
が一度に2ずつ増加する)と、おっとりとしているエー
ジェント(不安のパラメータの上がる条件が少ない)
等、各エージェントによって、状況に対する受け止め方
の異なるいわゆる個性を有するものとすることもでき
る。この場合、運転者が、指数の変化のし方を選択した
り指定したりできるようにして(変化条件入力手段)、
運転者の所望する個性を有するエージェントを出現可能
としてもよい。
【0088】上述の実施形態においては、エージェント
メンタルモデル295は、エージェントの行為のうち運
転者に対する対応(表示装置27に表示されるエージェ
ントの表情や態度、音声出力装置25から出力されるエ
ージェントの音声)についてのみ述べられているが、種
々の装置の制御についてもエージェントメンタルモデル
に即したものとすることができる。例えば、「従順」の
指数が小さい場合に、車両の温度が所定以上でない状態
ではエアコンのスイッチ入力を運転者から命令されても
従わない等である。
【0089】上述の実施形態においては、エージェント
メンタルモデル295の各パラメータは、初期設定にお
いては指数が全て中間値の5となっているが、これに限
られるものではなく、複数のエージェントから選択して
出現させることのできる場合に、各エージェント毎に異
なる初期設定としておいたり、1つのエージェントにお
いてもパラメータ毎に異なる指数の初期設定としておく
こともできる。この場合、初期設定時に指数を運転者等
が入力できるようにしてもよい(初期値入力手段)。
【0090】エージェントメンタルモデルの各パラメー
タは10段階に表現されているが、これに限られるもの
ではなく、例えば「不安」の有無等のように各パラメー
タの心理状態が有るか無いかの2段階とすることもでき
る。しかし、各パラメータの行為に連続性を持たせるた
めには、各パラメータを0〜99段階等なるべく多段階
に表現し、これらの各段階に応じて行為を変化させるこ
とが好ましい。また、上述の実施形態のエージェントの
行為については、例えばプログラム番号00100から
の朝の挨拶(図2)においてはエージェントメンタルモ
デルのうち「元気」は0〜9の指数が3段階に分けられ
て行為が決定され、「友好」及び「安心」は2段階に分
けられて行為が決定されているが、これに限られるもの
ではなく、0〜9の全てにおいて1つ1つ異なる行為が
決定されるようになっていてもよい。また、朝の挨拶の
行為と窓開けを薦める行為とで異なる数の段階に分けら
れていてもよいし、同じ3段階等であっても、一方は8
〜9、2〜7、0〜1に区切られる行為と5〜9、2〜
4、0〜1に区切られて異なる行為が決定されるように
なっていてもよい。
【0091】上述の実施形態においてはエージェントモ
デルは「元気」、「友好」、「従順」、「安心」、及び
「モラル」の5つのパラメータで表されているが、これ
に限られるものではなく、「怒り」や「悲しみ」等の他
のパラメータを含んでいたり、他のパラメータのみで表
されていてもよい。また上述の5つのパラメータのうち
のいずれか1〜4個のみ、またはこれらと他のパラメー
タとで表されていてもよい。エージェントモデルを表す
パラメータの数も1つ以上であればよい。
【0092】上述の実施形態においては全てのコミュニ
ケーションプログラムの選択において、エージェントメ
ンタルモデルのパラメータのうちのいずれか1つ以上が
選択の要素となっているが、エージェントメンタルモデ
ルが必ずしも全てのプログラムの選択の要素となってい
る必要はなく、エージェントメンタルモデルに無関係に
決定されるコミュニケーションプログラムがあってもよ
い。但し、なるべく多くのプログラムについてエージェ
ントメンタルモデル295のデータが選択の条件要素と
なっている方が、エージェントの行為の統一性及び連続
性の点では好ましい。
【0093】上述の実施形態においては、メンタルモデ
ル変更条件データ296に含まれる条件のうち所定のも
のについてはイグニッションON以降のパラメータの指
数の増減がイグニッションOFF時に取り消され、エー
ジェントメンタルモデル295に車両走行毎の短期的な
変化があるようになっている。このような指数の増減の
取り消しは、イグニッションOFF毎でなくてもよく、
数時間毎や一日毎等に行うようにしてもよい。また、他
の条件によってリセットされるようになっていてもよ
い。例えば、経路案内の目的地が田舎に設定されて元気
が増加した場合に、車両が目的地として設定されていた
田舎に到着しここから出発した時にリセットされるよう
にする等である。
【0094】上述の実施形態においては、エージェント
メンタルモデル295はメンタルモデル変化条件データ
296に該当する条件が検出されるとすぐに書き換えら
れるようになっているがこれに限られるものではなく、
全ての条件に対して、または所定の条件に対して、検出
された条件と、その回数またはこれによる指数の増減値
と等の履歴を記憶しておき(検出条件記憶手段)、イグ
ニッションOFF時毎や数日毎等にこの検出条件記憶手
段に記憶される指数の増減に従ってエージェントメンタ
ルモデル295を書き換えるようにしてもよい。この場
合、エージェントメンタルモデル295の変化は、各パ
ラメータについての増減が所定期間ごとにまとめられ、
差し引きして相殺されなかった分だけの変化となる。エ
ージェントメンタルモデル295の書き換えは、各パラ
メータそれぞれによって異なる期間毎としてもよい。
【0095】検出された条件の検出日時等の、エージェ
ントメンタルモデルの各パラメータの指数を増減するた
めのデータ(検出条件データ)の履歴を記憶しておく検
出条件データ記憶手段を備えることもできる。図19
は、このような検出データ記憶手段に記憶されるデータ
を概念的に表した図である。この図19に示されるよう
に、検出条件データ記憶手段に記憶される検出条件デー
タ297としては、例えば、所定の条件が検出された日
時等が挙げられる。このデータを記憶しておくことによ
り、所定の条件による指数の増減があった場合にその条
件が検出されてから一定の時間が経過したときに、前記
条件による指数の増減が戻るようにすることができる。
これによりエージェントの行為は、例えば怒られた記憶
が薄れる如く、一層人間的なものとして捉えられるよう
になる。例えば、エージェントに対して拒否する内容の
音声が認識されて元気の指数が2減少し、この時点から
2日経過すると減少した分の元気の指数2が増加して元
の値に戻る等である。この場合、一度に指数が戻るので
はなく、1日経過する毎に指数が1ずつ戻る等、数回に
分けて指数が戻るようにしてもよい。また、単に2日経
過した場合に指数を増加または減少分戻すのではなく、
エージェントを拒否する内容の音声を発した運転者が一
定期間(例えば2日間)この車両を運転しなかった場合
(イグニッションオンしなかった場合)等、時間経過以
外の車両の状況を加えてまたは時間経過以外の車両の状
況のみを条件として、指数の増加分または減少分を戻す
ようにしてもよい。また、所定の条件が検出された日時
を過去複数回分記憶しておき、例えばこの2週間に3回
以上ねぎらいの言葉を認識している場合には友好の指数
を1増加させる等、所定期間内に応答等の一定の条件が
所定回数満たされた場合に指数を増減するようにするこ
とができる。更に、上述のような検出条件データ297
のデータとしては、検出日時以外にも、例えば、エージ
ェントからの問いかけに対して応答が認識されるまでの
時間等を含んでもよい。この場合、問いかけから応答ま
での時間(応答反応時間)を所定の数だけ記憶して古い
ものから更新して書き換えるようにして、その平均時間
(応答反応時間平均)が所定の値以下になった場合に友
好の指数を増加させる等とすることができる。このよう
に、検出データ記憶手段を備えることにより、複数のデ
ータから平均や中間値等を取得しエージェントメンタル
モデルをより総合的、長期的な判断によってなだらかに
変化させ、一層、統一性及び連続性のある行為を行わせ
るようにすることが可能となる。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1から請求
項3に記載のエージェントメンタルモデル作成装置によ
れば、車両内等に出現させるエージェントの心理状態を
決定するメンタルモデル作成することができる。
【0097】請求項4から請求項6に記載のエージェン
ト装置によれば、メンタルモデルに基づいた個性を有
し、統一性及び連続性のある行為を行うエージェントを
車両内等に出現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるコミュニケーショ
ン機能を実現するための構成を示すブロック図である。
【図2】同上、実施形態におるプログラム選択テーブル
の内容を概念的にあらわした説明図である。
【図3】同上、実施形態において、各プログラム番号に
対応するエージェントの行為(行動と音声)を表した説
明図である。
【図4】同上、実施形態におけるプログラム番号000
01の起動により表示装置に表示されるエージェントの
「かしこまってお辞儀」行動についての数画面を表した
説明図である。
【図5】同上、実施形態における学習項目データの内容
を概念的に表した説明図である。
【図6】同上、実施形態における応答データの内容を概
念的に表した説明図である。
【図7】同上、実施形態におけるエージェントメンタル
モデルの内容を概念的に表した説明図である。
【図8】同上、実施形態におけるメンタルモデル変更条
件データの内容を概念的に表した説明図である。
【図9】同上、実施形態におけるナビゲーションデータ
記憶装置に格納されるデータファイルの内容を概念的に
表した説明図である。
【図10】同上、実施形態における状況センサ部を構成
する各種センサを表した説明図である。
【図11】同上、実施形態においてエージェントによる
メイン動作を表したフローチャートである。
【図12】同上、実施形態によるエージェント処理の動
作を表したフローチャートである。
【図13】同上、実施形態によるイグニッションON後
における具体的なエージェント処理の内容を表した説明
図である。
【図14】同上、実施形態によるイグニッションON後
における具体的なエージェント処理の内容を表した説明
図である。
【図15】同上、実施形態によるイグニッションON後
における具体的なエージェントの行為の、エージェント
メンタルモデルのパラメータの指数による違いを説明す
る説明図である。
【図16】同上、実施形態による車両走行中における具
体的なエージェント処理の内容を表した説明図である。
【図17】同上、実施形態による車両走行中における具
体的なエージェントの行為の、エージェントメンタルモ
デルのパラメータの指数による違いを説明する説明図で
ある。
【図18】本発明の他の実施形態においてエージェント
メンタルモデルを表示した表示装置を示す図である。
【図19】本発明の他の実施形態において具備される検
出条件データ記憶手段に記憶される検出条件データの内
容を概念的に表す図である。
【符号の説明】
1 全体処理部 10 ナビゲーション処理部 11 エージェント処理部 12 I/F部 13 画像処理部 14 音声制御部 15 状況情報処理部 21 現在位置検出装置 22 入力装置 23 記憶媒体駆動装置 24 通信制御装置 25 音声出力装置 26 マイク 27 表示装置 28 撮像装置 29 エージェントデータ記憶装置 30 ナビゲーションデータ記憶装置 40 状況センサ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 学 東京都千代田区外神田2丁目19番12号 株 式会社エクォス・リサーチ内 (72)発明者 足立 和英 東京都千代田区外神田2丁目19番12号 株 式会社エクォス・リサーチ内 (72)発明者 向井 康二 東京都千代田区外神田2丁目19番12号 株 式会社エクォス・リサーチ内 Fターム(参考) 2F029 AA02 AB01 AB05 AB07 AB09 AC01 AC02 AC04 AC18 5H180 AA01 BB05 BB12 BB13 CC04 FF05 FF25 FF27 FF33 9A001 BZ03 HH05 HZ19 HZ32 JZ77

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両内に出現し車両の状況に応じて運転
    者とのコミュニケーション行為を行う擬人化されたエー
    ジェントの心理状態を表すエージェントメンタルモデル
    を記憶するメンタルモデル記憶手段と、 車両の各種状況を判断する状況判断手段と、 前記状況判断手段により判断された状況に基づいて、前
    記メンタルモデル記憶手段に記憶される前記エージェン
    トメンタルモデルを変化させるメンタルモデル変化手段
    とを具備することを特徴とするエージェントメンタルモ
    デル作成装置。
  2. 【請求項2】 前記メンタルモデル記憶手段は、前記エ
    ージェントメンタルモデルを表す複数のパラメータ及び
    該パラメータそれぞれの指数を対応させて記憶し、 前記メンタルモデル変化手段は、前記パラメータの指数
    を増減させることを特徴とする請求項1に記載のエージ
    ェントメンタルモデル作成装置。
  3. 【請求項3】 前記状況判断手段により判断される状況
    が、運転者とのコミュニケーション結果を含むことを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載のエージェント
    メンタルモデル作成装置。
  4. 【請求項4】 車両の状況に応じて運転者とのコミュニ
    ケーション行為を行う擬人化されたエージェントを車両
    内に出現させるエージェント出現手段と、 前記エージェントの心理状態を表すエージェントメンタ
    ルモデルを記憶するメンタルモデル記憶手段と、 車両の各種状況を判断する状況判断手段と、 前記状況判断手段により判断された状況に基づいて、前
    記メンタルモデル記憶手段に記憶される前記エージェン
    トメンタルモデルを変化させるメンタルモデル変化手段
    と、 前記状況判断手段により判断された状況及び前記メンタ
    ルモデル記憶手段に記憶される前記エージェントメンタ
    ルモデルに基づいて、前記エージェントの行為を決定す
    る行為決定手段と、 この行為決定手段で決定された行為を、前記エージェン
    ト出現手段が出現させる前記エージェントに行わせるエ
    ージェント制御手段と、を具備することを特徴とするエ
    ージェント装置。
  5. 【請求項5】 前記状況判断手段により判断された所定
    の状況を記憶することで学習する学習手段を備え、 前記行為決定手段は、前記学習手段による学習結果を含
    めて前記エージェントの行為を決定することを特徴とす
    る請求項4に記載のエージェント装置。
  6. 【請求項6】 前記行為決定手段は、前記エージェント
    の行為として、前記メンタルモデル取得手段により取得
    された前記エージェントメンタルモデルに応じて、異な
    る行動と発声を決定することを特徴とする請求項4また
    は請求項5に記載のエージェント装置。
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