JP4441939B2 - 目的地設定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、目的地設定装置に係り、詳細には、少ない手間で容易に車両の状況に即した目的地の設定が可能な目的地設定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、運転者からの入力により条件を取得し、この条件に基づいて車両を制御する車両制御装置が提案されている。例えば、運転者から目的地を取得し、この目的地から経路を探索してその経路に基づく車両制御を行う等である。
しかしこれらの場合には、運転者が車両による走行を開始する前に目的地等の条件の設定をキーボードや音声入力等によって毎回行う必要があり、運転者が煩わしさを感じる場合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、このような車両制御装置においては、運転者による入力が容易となるように、前回入力された条件を記録しておき、次の条件入力時にこの条件をあらかじめ設定可能に表示しておく技術がある。しかし、様々な状況によって入力される条件はかわる可能性が多く、入力が容易とならないばかりか、設定をいったん取り消して新たに設定しなおす等、かえって手間がかかってしまう場合も多い。
そのため、従来より、目的地の入力については、入力された目的地と、その目的地を設定した時刻及び出発地との対応を記録しておき、目的地を設定する際には、過去にその時刻と出発地に最も多く入力された目的地をあらかじめ設定可能に表示しておく技術が提案されている(特開平9−134496号公報)。この従来技術では、あらかじめ表示される条件(目的地)が、時刻及び出発地との相関性から類推されて設定の可能性が大きくなっている。
しかし、目的地は、時刻や出発地等の走行パターンの他、例えば天候等、走行パターンとして記録されているデータ以外の要因にも左右され、まだ目的地の的確な予測がなされない可能性がある。また、表示される候補が1つであり、表示された条件を取り消して新たな入力設定を行う場合も多い可能性がある。
また、近年では、所定の経路に基づいた車両制御以外にも、様々な車両制御が行われるようになっており、目的地入力以外の種々の条件についても入力操作の省略化や簡易化が要請されている。
【0004】
そこで、本発明は、少ない手間で容易に車両の状況に即した目的地の設定が可能な目的地設定装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、条件項目によって階層化された目的地データを記憶する目的地記憶手段と、車両の状況を判別する状況判別手段と、前記目的地記憶手段の各階層に対応した条件項目が複数表示される表示手段と、この表示手段の表示から条件項目を選択する選択手段と、前記選択手段において選択された目的地と、前記選択された目的地の上位の各階層の条件項目で当該目的地を最終的に選択するために実際に選択された条件項目の頻度を、前記状況判別手段により判別された車両の状況と対応させて記憶する目的地設定データ記憶手段と、前記状況判別手段で判別された車両の状況に対して、前記選択手段から選択される条件項目の指向を、前記目的地設定データ記憶手段の記憶内容から取得する指向取得手段と、この指向取得手段により取得された条件項目の指向から条件項目の順位を決定し、決定した順に条件項目を前記表示手段に表示させる表示順序制御手段と、を備え、前記表示順序制御手段は、前記状況判別手段で判別された車両の状況に対する、同一階層の条件項目の頻度を取得し、各条件項目に対する頻度が所定のしきい値条件を満たしているか否かを判断し、前記しきい値条件を満たす、階層の条件項目のうち最下層を選択し、その条件項目を指向順に画面表示する、ことを特徴とする目的地設定装置を提供する。
請求項2記載の発明では、前記しきい値条件は、(1)頻度の最大値がm以上であること、(2)頻度の最大値がn以上で、二番目の頻度がnより小さいs以上であること、又は(3)頻度の最大値がm以上で二番目の頻度との差がt以下であること、のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の目的地設定装置を提供する。
【0006】
ここで状況判断手段が判断する車両の状況は、車両制御と関連性のある状況であって、その車両状況に応じて車両制御のために選択し得る条件項目(処理、操作、制御、選択項目等)が複数存在するものをいう。また、この条件項目を決定したり、条件項目に対する指向を決定するために必要とされる他の状況(時刻やも車両の現在位置等)も車両の状況に含まれる。
例えば、車両状況には車両自体の状況と、車両内部の状況と、車両外部の状況と含まれる。車両自体の状況としては、イグニッションのON/OFF、走行速度、シフトレバー位置、入力装置から入力された制御のための条件項目、燃料の残量等が該当する。車両内部の状況としては、運転者等のユーザ、ユーザの応答や反応、同乗者の有無、室内温度等が該当する。車両外部の状況としては、前方車間距離、対向車との距離、明るさ、気温、天候(雪、雨、晴れ、曇り)、風力等が該当する。
また、車両状況としては、道路の状況(道路幅、車両前方のカーブ、渋滞の程度等)、走行状態に関する状況(車両の現在位置、やアクセル開度等)、非走行状態における状況(燃料残量等)、車両走行とは直接関係ない状況(現在時刻及び曜日、運転者の趣味や好み等)も含まれる。
【0007】
表示手段は、車両を制御するための条件項目を複数表示し、運転者が選択手段により選択して入力するための手段である。この条件項目としては、目的地(到達地点)等のナビゲーション処理のための条件(経路探索条件)、情報提供局へ渋滞情報等の情報の請求を発信したい車両の所定の走行環境(発信条件)、走行速度等の車両の走行機能に関する制御を行うための条件(走行条件)、エアコンの温度設定やラジオの受信周波数等の車両に搭載される機器についての制御の条件(搭載機器制御条件)、等の各項目が挙げられる。
選択手段は、音声認識装置、タッチパネル、CRT等の画面と該画面上のカーソルを移動させるキーボードやマウス、ライトペン、ジョイスティック、赤外線等によるリモコン等各種の装置とすることができる。
【0008】
前記記憶手段には、どのような車両状況において、どのような条件項目が選択される傾向にあるのかを示す指向(傾向)を取得するための基礎データ(データベース)として蓄積される。例えば、天気が雨の水曜日の午前中に経路探索の目的地を設定する状況においては、最終条件項目として、会社が34回選択され、病院が7回選択された等の指向を判断するための基礎データが蓄積される。
この基礎データは、1年、3年等の所定期間が経過した時点で削除するようにしてもよい。また、ある概念に含まれる条件項目をグルーピングした場合に、そのグループ内の全データ数が所定値以上になった以後は、最も古いデータを削除して最新のデータに書き換えるようにしてもよい。
記憶手段に記憶された基礎データは、独立して交換可能な記憶媒体に記憶するものとしたり、ケーブルを介して直接またはインターネット等のように電話回線を介して、あるいは、赤外線通信や携帯電話の無線回線を介して、読み出し及び書き換え可能とすることができる。これにより、異なる車両においても、記憶媒体を取り替えたり、データを書き換えることにより、常に運転者に適切な条件項目を表示し、条件項目の容易な選択を可能とすることができる。
【0009】
指向取得手段は、記憶手段の記憶内容(基礎データ)に基づいて、どんな車両の状況下にはどんな条件項目が入力される可能性が高いかの傾向(指向)を取得する。条件項目の指向は大小で表すことができ、所定の車両状況下でユーザによって選択される可能性の高い条件項目を検出するための指標となるものであればよく、車両状況とその車両の状況下において選択された条件項目の選択頻度とすることができる。この選択頻度は、初期設定時からの条件項目の入力回数や、所定期間内に選択された回数とすることができる。更に、この選択回数について経時的に重みをつけた重み付き頻度を車両の状況と対応させて指向とすることもできる。例えば、同一の条件項目が一回選択された場合でも、6ヶ月経過した選択に対して係数0.6を乗じ、以後更に1ヶ月経過する毎に0.1引いた係数を乗じ、12ヶ月経過すると0を乗じ(すなわちデータを削除する)ることで、現在に近い時期における条件項目の入力選択ほど(この場合には一ヶ月たっていない条件項目の入力選択が)大きな重みとなるようにする等である。
【0010】
また、条件項目を最上位の条件項目から最終の条件項目まで階層化し、選択された最終条件項目を含めて、その最終条件項目を含む上位の条件項目(1又は複数)を含めて記憶するようにしてもよい。そして、各階層における指向は、その階層の各条件項目に含まれる最終条件項目の頻度合計から取得する。
例えば、最終選択項目としてレストランAが選択された場合、記憶手段には、その車両状況とレストランAが記憶される他に、そのレストランAを含む上位階層の条件項目として、レストランの範疇(中華料理、和食、すし、フランス料理等の料理種別)や、値段ランク(高級、大衆、激安等)や、存在地域(新宿区、大田区等)等も併せて記憶される。また、最終条件項目としてガソリンスタンドBが選択された場合、記憶手段にはその車両状況とガソリンスタンドBが記憶される他に、その上位階層の条件項目としてガソリンスタンドの系列(日本石油、JOMO等)や、存在地域等も記憶される。
【0011】
このように、選択された最終の条件項目とともに、より大きな区分からなる上位階層の条件項目も記憶することにより、新しいお店等の最終条件項目ができた場合に、その最終条件項目の入力回数は0でも、地域や料理種別等の指向から、新たな最終条件項目についても選択される可能性が類推され、条件項目として表示手段に表示することができる(優先順位に従って表示する場合には、優先順位も取得でき、この順位にしたがった表示ができる)等、車両環境の変化に対応してより適切な条件項目の表示が可能となる。
【0012】
表示順序制御手段は、条件項目の指向から条件項目の順位を決定して表示手段に表示される方法としては、選択入力可能な条件項目全てをその候補順位を把握可能に表示する手法、候補順位の高いものから数個ずつの条件項目を表示し、次候補を表示する旨の入力に従って次の候補順位の数個を表示する手法が挙げられる。後者の場合、表示される数個についてはすべて同じように表示するが、その数個のなかでの候補順位、又は全体の中での候補順位を把握可能に表示してもよい。候補順位を認識させるために、順位の高い条件項目ほど、上側に表示したり、色を濃く表示したり、大きな面積で表示したり、大きな文字で表示した利することができる。
【0013】
このように、本発明では、選択手段によって選択された条件項目に基づいて条件を選択する指向を車両の状況に対応させて取得し、この指向に基づいて条件項目を表示手段に表示することを繰り返し、運転者とのインタラクティブな情報交換を行い、より運転者に沿った指向を取得し条件項目を表示する。そして、指向に沿った条件項目を表示しそのまま入力可能とすることによって、少ない手間で容易に車両の状況に即して条件を入力して車両制御を行うことが可能となる。
また表示手段に、指向の高い条件項目が複数表示されるので、1つの項目が入力したいものと異なっている場合でも、容易に他の項目を選択し入力することが可能である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の目的地設定装置における好適な実施の形態について、図1から図14を参照して詳細に説明する。
(1)第1の実施形態の概要
本実施形態の目的地設定装置は、擬人化されたエージェントを画像(平面的画像、ホログラフィ等の立体的画像等)により車両内に出現させ(エージェント出現手段)、車両自体、運転者、同乗者、対向車等を含む車両の状況(運転者の応答や反応等も含む)の判断を行い、各時点での車両状況に基づいて運転者に様々なバリエーションをもった対応(行為=行動と音声)をしたり車両を制御するエージェント装置としても機能するものである。
運転者は、自分固有のエージェントを車両内でつき合う(コミュニケーションする)ことが可能になり、車両内での環境を快適にすることができる。
ここで、車両内に出現させるエージェントは、人間と同様に判断する疑似人格化(仮想人格化)された主体である。ときには、車両の走行には関係ない範囲での判断ミスも有り、この判断ミスによる不要な(ドジな)応答をすることもある。
実施形態中において、車両自体や運転者を含む車両の状況を判断して経路案内や機器の作動等種々の動作を運転者に代わり行ったりその手助けを行うメインのエージェントは、更に車両の状況や運転者の応答等を学習し、この学習結果を含めた判断により各種行為を行うものとなっている。従って、同一の車両状況であっても過去の学習内容等に応じてエージェントのコミュニケーションの内容は異なる。
実施形態においては、このエージェント装置が、ナビゲーション装置に入力する目的地を取得する目的地設定装置として機能する。エージェント装置のエージェント処理部は、過去の車両の状況と当該車両の状況において設定された目的地(最終条件項目)との関連を学習し、設定され得る目的地候補についてその可能性の高さ(指向)を取得し、指向の高い順に複数の目的地候補を表示装置に表示させる。運転者はこの表示された目的地から設定したい目的地を選択して設定する。従って、車両の状況に基づいて、入力される可能性の高い目的地候補を表示することができる。更に、複数の目的地候補を入力される可能性の高い順に表示するため、表示される目的地を取り消して再び他の目的地を設定する可能性が少なく、少ない操作で、運転者が設定したい目的地を表示させ設定させることができる。
本実施形態では、運転者により入力された条件項目について車両の状況との対応を学習し、この学習結果から、現在の状況において選択される可能性の高い条件項目を複数表示する。そして表示された条件項目から運転者が意図する項目を選択し、その結果により再び学習結果が更新される。このように、本実施形態によると、運転者とのインタラクティブなやりとりによって、学習データを更新し、選択の可能性が高い条件項目が表示される。
【0015】
(2)実施形態の詳細
図1は、本実施形態の目的地設定装置(エージェント装置)の構成を示すブロック図である。
本実施形態のエージェント装置は、コミュニケーション機能全体を制御する全体処理部1を備えている。この全体処理部1は、設定した目的地までの経路を探索して音声や画像表示により案内するナビゲーション処理部10、車両の状況や運転者による過去の応対等を学習して適切な会話や制御を行うエージェント処理部11、ナビゲーション処理部10とエージェント処理部11に対するI/F部12、エージェント画像や地図画像等の画像出力や入力画像を処理する画像処理部13、エージェント音声や経路案内音声等の音声出力や入力される音声を制御する音声制御部14、及び車両や運転者に関する各種状況の検出データを処理する状況情報処理部15を有している。
【0016】
ナビゲーション処理部10とエージェント処理部11は、データ処理及び各部の動作の制御を行うCPU(中央処理装置)と、このCPUにデータバスや制御バス等のバスラインで接続されたROM、RAM、タイマ等を備えている。両処理部10、11はネットワーク接続されており、互いの処理データを取得することができるようになっている。
ROMはCPUで制御を行うための各種データやプログラムが予め格納されたリードオンリーメモリであり、RAMはCPUがワーキングメモリとして使用するランダムアクセスメモリである。
本実施形態において、タイマは、条件項目が選択された日時を取得する手段として機能し、取得された日時は車両状況として条件項目とともに後述の目的地設定データ295に格納される。
【0017】
本実施形態のナビゲーション処理部10とエージェント処理部11は、CPUがROMに格納された各種プログラムを読み込んで各種処理を実行するようになっている。なお、CPUは、記録媒体駆動装置23にセットされた外部の記録媒体からコンピュータプログラムを読み込んで、エージェント記憶装置29やナビゲーションデータ記憶装置30、図示しないハードディスク等のその他の記憶装置に格納(インストール)し、この記憶装置から必要なプログラム等をRAMに読み込んで(ロードして)実行するようにしてもよい。また、必要なプログラム等を記録媒体駆動装置23からRAMに直接読み込んで実行するようにしてもよい。
【0018】
ナビゲーション処理部10には、現在位置検出装置21とナビゲーションデータ記憶装置30が接続され、エージェント処理部11にはエージェントデータ記憶装置29が接続され、I/F部12には入力装置22と記憶媒体駆動装置23と通信制御装置24が接続され、画像処理部13には表示装置27と撮像装置28が接続され、音声制御部14には音声出力装置25とマイク26が接続され、状況情報処理部15には状況センサ部40が接続されている。
【0019】
現在位置検出装置21は、車両の絶対位置(緯度、経度による)を検出するためのものであり、人工衛星を利用して車両の位置を測定するGPS(Global Positioning System)受信装置211と、方位センサ212と、舵角センサ213と、距離センサ214と、路上に配置されたビーコンからの位置情報を受信するビーコン受信装置215等が使用される。
GPS受信装置211とビーコン受信装置215は単独で位置測定が可能であるが、GPS受信装置211やビーコン受信装置215による受信が不可能な場所では、方位センサ212と距離センサ214の双方を用いた推測航法によって現在位置を検出するようになっている。
方位センサ212は、例えば、地磁気を検出して車両の方位を求める地磁気センサ、車両の回転角速度を検出しその角速度を積分して車両の方位を求めるガスレートジャイロや光ファイバジャイロ等のジャイロ、左右の車輪センサを配置しその出力パルス差(移動距離の差)により車両の旋回を検出することで方位の変位量を算出するようにした車輪センサ、等が使用される。
舵角センサ213は、ステアリングの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転抵抗ボリューム等を用いてステアリングの角度αを検出する。
距離センサ214は、例えば、車輪の回転数を検出して計数し、または加速度を検出して2回積分するもの等の各種の方法が使用される。
【0020】
入力装置22は、ナビゲーション処理における走行開始時の現在地(出発地点)や目的地(到達地点)、情報提供局へ渋滞情報等の情報の請求を発信したい車両の所定の走行環境(発信条件)、携帯電話6のタイプ(型式)などを入力し、また、本実施形態において条件項目を選択する(選択手段として機能)するためのものである。また、入力装置22は、本実施形態によるエージェントの問い合わせ等に対して運転者が応答するための1つの手段でもある。
入力装置22には、タッチパネル(スイッチとして機能)、キーボード、マウス、ライトペン、ジョイスティック、赤外線等によるリモコン、音声認識装置などの各種の装置が使用可能である。また、赤外線等を利用したリモコンと、リモコンから送信される各種信号を受信する受信部を備えてもよい。リモコンには、画面上に表示されたカーソルの移動操作等を行うジョイスティックの他、メニュー指定キー(ボタン)、テンキー等の各種キーが配置される。
また、入力装置22は、運転者がエージェントの問い合わせに応答することにより車両の状況としての運転者の趣味や好みを入力する状況入力手段としても機能する。
【0021】
記録媒体駆動装置23は、ナビゲーション処理部10やエージェント処理部11が各種処理を行うためのコンピュータプログラムを外部の記録媒体から読み込むのに使用される駆動装置である。記録媒体に記録されているコンピュータプログラムには、各種のプログラムやデータ等が含まれる。
ここで、記録媒体とは、コンピュータプログラムが記録される記録媒体をいい、具体的には、フロッピーディスク、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、メモリチップやICカード等の半導体記録媒体、CD−ROMやMO、PD(相変化書換型光ディスク)等の光学的に情報が読み取られる記録媒体、紙カードや紙テープ、文字認識装置を使用してプログラムを読み込むための印刷物等の用紙(および、紙に相当する機能を持った媒体)を用いた記録媒体、その他各種方法でコンピュータプログラムが記録される記録媒体が含まれる。
【0022】
記録媒体駆動装置23は、これらの各種記録媒体からコンピュータプログラムを読み込む他に、記録媒体がフロッピーディスクやICカード等のように書き込み可能な記録媒体である場合には、ナビゲーション処理部10やエージェント処理部11のRAMや記憶装置29、30のデータ等をその記録媒体に書き込むことが可能である。
例えば、ICカードにエージェント機能に関する学習内容(学習項目データ、応答データ、目的地設定データ、指向データ)やユーザ情報等を記憶させ、他の車両を運転する場合でもこの記憶させたICカードを使用することで、自分の好みに合わせて(過去の応対の状況に応じて)学習されたエージェントとコミュニケーションし、車両を制御させることが可能になる。これにより、車両毎のエージェントではなく、運転者に固有な学習内容のエージェントを車両内に出現させることが可能になる。
【0023】
通信制御装置24は、各種無線通信機器からなる携帯電話が接続されるようになっている。通信制御部24は、電話回線による通話の他、道路の混雑状況や交通規制等の交通情報に関するデータなどを提供する情報提供局との通信や、車内での通信カラオケのために使用するカラオケデータを提供する情報提供局との通信を行うことができるようになっている。
また、通信制御装置24を介して、各エージェントの機能に関する学習データ等を送受信することも可能である。
【0024】
音声出力装置25は、車内に配置された複数のスピーカで構成され、エージェント処理部10やナビゲーション処理部11の制御の下で音声制御部14で制御された音声、例えば、エージェントの行動に合わせた音声や音、ナビゲーション装置を利用する場合の目的地等の設定等の各種操作時の操作説明やコメント、音声入力された場合のアンサーバック、経路案内を行う場合の案内音声が出力されるようになっている。
この音声出力装置25からの音声による案内情報等の出力には、予めテープに録音された音声や、音声合成装置による合成音、または、これら両者が使用される。ナビゲーション装置を利用する場合の操作説明やコメント、アンサーバック、および経路案内は、エージェント装置を利用している場合には運転者の選択しているエージェントの音声で行われ、エージェント装置を利用していない場合には、ナビゲーション装置独自の音声で行われるようになっている。
この音声出力装置25は、オーディオ用のスピーカと兼用するようにしてもよい。なお、音声制御部14は、運転者のチューニング指示の入力に応じて、音声出力装置25から出力する音声の音色やアクセント等を制御することが可能である。
【0025】
マイク26は、音声制御部14における音声認識の対象となる音声、例えば、ナビゲーション処理における目的地等の入力音声や、エージェントとの運転者の会話(応答等)等を入出力する音声入力手段として機能する。このマイク26は、通信カラオケ等のカラオケを行う際のマイクと兼用するようにしてもよく、また、運転者の音声を的確に収集するために指向性のある専用のマイクを使用するようにしてもよい。
尚、音声出力装置25とマイク26とでハンズフリーユニットを形成させること等によって、携帯電話を介さずに、電話通信における通話を行えるようにしてもよい。
マイク26から音声認識の対象となる音声が入力されると、音声制御部14は、マイク26から入力される音声信号をディジタル信号に変換し、このディジタル信号から特徴パラメータを抽出し、この特徴パラメータを音声認識辞書の標準パターンと比較して、入力された音声を認識し、認識した音声の内容に従って、ナビゲーション処理部11に対する入力信号を生成する。音声制御部14では、入力装置22で入力可能なキーに対応する音声の特徴パラメータを音声認識用の辞書として最低限有している。従って、本実施形態における目的地設定において、表示装置27に表示されてタッチパネルから入力可能な各種キーにも対応しており、目的地設定時の地名やジャンル等も認識対象となっている。
マイク26と音声制御部14の音声認識部も本実施形態において、条件項目を選択するための選択手段として機能する。
【0026】
表示装置27には、ナビゲーション処理部10の処理による経路案内用の目的地設定の際の目的地候補や道路地図、各種画像情報が表示されたり、エージェント処理部11によるエージェントの各種行動(動画)が表示されたりするようになっている。また、撮像装置28で撮像された車両内外の画像も画像処理部13で処理された後に表示されるようになっている。
この表示装置27は、表示手段として機能するようになっており、目的地設定の際の目的地候補等の車両の制御に関する条件項目がこの表示装置27に表示される。この表示されている条件項目から所望の条件項目を入力装置22から選択、音声による選択することにより最終的に目的地が設定される等、選択された条件項目に従った車両の制御が行われるようになっている。
表示装置27は、液晶表示装置、CRT等の各種表示装置が使用される。
なお、この表示装置5は、例えばタッチパネル等の、前記入力装置22としての機能を兼ね備えたものとすることができる。
【0027】
撮像装置28は、画像を撮像するためのCCD(電荷結合素子)を備えたカメラで構成されており、運転者を撮像する車内カメラの他、車両前方、後方、右側方、左側方を撮像する各車外カメラが配置されている。撮像装置28の各カメラにより撮像された画像は、画像処理部13に供給され、画像認識等の処理が行われ、各認識結果をエージェント処理部11によるプログラム番号の決定に使用するようになっている。
本実施形態において撮像装置28は撮像画像の処理を含めて状況判断手段としても機能する。
【0028】
エージェントデータ記憶装置29は、本実施形態によるメインのエージェントの機能を実現するために必要な各種データ(プログラムを含む)が格納される記憶装置である。このエージェントデータ記憶装置29には、例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、CD−ROM、光ディスク、磁気テープ、ICカード、光カード等の各種記録媒体と、その駆動装置が使用される。
この場合、例えば、学習項目データ292と応答データ294、目的地設定データ295、指向データ296を持ち運びが容易なICカードやフロッピーディスクで構成し、その他のデータをハードディスクで構成するというように、複数種類の異なる記録媒体と駆動装置で構成し、駆動装置としてそれらの駆動装置を用いるようにしてもよい。
【0029】
エージェントデータ記憶装置29には、エージェントプログラム290、プログラム選択テーブル291、学習項目データ292、応答データ293、図4及び図13に例示したエージェント及びヘルプエージェントの容姿や行動を画像表示するための画像データ294、目的地設定データ295、指向データ296、その他のデータが格納されている。
学習項目データ292、応答データ293、目的地設定データ295、及び指向データ296は、運転者の運転操作や応答によってエージェントが学習した結果を格納するデータである。従って、学習項目データ292、応答データ293、目的地設定データ295、及び指向データ296は、各運転者毎にそのデータが格納・更新(学習)されるようになっている。
画像データ294に格納される容姿としては、人間(男性、女性)的な容姿である必要はなく、例えば、ひよこや犬、猫、カエル、ネズミ等の動物自体の容姿や人間的に図案化(イラスト化)した動物の容姿であってもよく、更にロボット的な容姿や、特定のキャラクタの容姿等であってもよい。またエージェントの年齢としても一定である必要がなく、エージェントの学習機能として、最初は子供の容姿とし、時間の経過と共に成長していき容姿が変化していく(大人の容姿に変化し、更に老人の容姿に変化していく)ようにしてもよい。画像データ294には、これらの各種エージェントの容姿の画像が格納されており、運転者の好みによって入力装置22等から選択できるようになっている。選択されたエージェントの容姿は、運転者に対応して記憶され、起動時に読み出されるようになっている。また、エージェントの容姿は、入力装置22等から適宜変更可能となっている。
【0030】
エージェントプログラム290には、エージェントの機能を実現するためのエージェント処理プログラムや、エージェントと運転者とがコミュニケーションする場合の細かな行動を表示装置27に画像表示すると共にその行動に対応した会話を音声出力装置25から出力するためのコミュニケーションプログラムがプログラム番号順に格納されている。
このエージェントプログラム290には、各プログラム番号の音声に対して複数種類の音声データが格納されており、運転者はエージェントの容姿の選択と併せて音声を入力装置22等から選択することができるようになっている。エージェントの音声としては、男性の音声、女性の音声、子供の音声、機械的な音声、動物的な音声、特定の声優や俳優の音声、特定のキャラクタの音声等があり、これらの中から適宜運転者が選択するようになっている。なお、この音声と前記容姿の選択は、適時変更することが可能である。
【0031】
プログラム選択テーブル291は、エージェントプログラム290に格納されているコミュニケーションプログラムを選択するためのテーブルである。
図2はプログラム選択テーブル291を表したものであり、図3はプログラム選択テーブル291で選択される各プログラム番号に対応した、エージェントの行為(行動と発声)内容を表したものである。
この図2、図3で示されているプログラム番号は、エージェントプログラム290に格納されている各コミュニケーションプログラムの番号と一致している。
【0032】
図4は、図2、図3のプログラム番号00001〜00002により表示装置27に表示されるメインのエージェントの「かしこまってお辞儀」行動についての数画面を表したものである。
この図4に示すように、メインのエージェントEは、口元を引き締めると共に手を膝に当てながら、お辞儀をすることでかしこまったお辞儀であることが表現されている。この行動と共にメインのエージェントEが話す言葉(発声)は、車両状況や学習状況等によって変えられる。
【0033】
エンジンの冷却水温度が低い場合には、エンジンの調子に合わせて行動「眠そうに…」が選択される。眠そうな表現として、瞼が下がった表情にしたり、あくびや伸びをした後に所定の行動(お辞儀等)をしたり、最初に目をこすったり、動きや発声を通常よりもゆっくりさせたりすることで表すことができる。これらの眠そうな表現は、常に同一にするのではなく、行動回数等を学習することで適宜表現を変更する。
例えば、3回に1回は目をこすり(A行動)、10回に1回はあくびをするようにし(B行動)、それ以外では瞼を下がった表情(C行動)にする。これらの変化は、行動Bや行動Cの付加プログラムを行動Aの基本プログラムに組み合わせることで実現される。そして、どの行動を組み合わせるかについては、基本となる行動Aのプログラム実行回数を学習項目として計数しておき、回数に応じて付加プログラムを組み合わせるようにする。
また、行動「元気よく」を表現する場合には、音声の抑揚を大きくしたり、メインのエージェントEを走りながら画面に登場させたりすることで表現する。
【0034】
図2に表示された各項目は、各プログラム番号を選択するための選択条件を表したもので、状態センサ40により検出される車両や運転者の各種状況から決定される項目(時間、起動場所、冷却水温等)と、学習項目データ292や応答データ293に格納されている学習内容から決定される項目(今日のIG ON回数、前回終了時からの経過時間、通算起動回数等)がある。
プログラム選択テーブル291中で、これら全項目を満足するプログラムは必ず一義的に決定するようになっている。なお、テーブル中で「○」印は、そのプログラム番号が選択されるために満たす必要がある項目を示し、「−」印はそのプログラムの選択には考慮されない項目を示している。
【0035】
図2、図3では、イグニッションをONにした場合のコミュニケーション(挨拶)に関連する行為と選択条件について記載しているが、その他各種行為(行動と発声)を規定するプログラムを選択するためのプログラム番号と選択条件も種々規定されている。
例えば、急ブレーキが踏まれたことを条件として、メインのエージェントが「しりもち」をついたり、「たたら」を踏んだりする行動をとったり、驚き声をだすようなプログラムも規定されている。メインのエージェントによる各行動の選択は急ブレーキに対する学習によって変化するようにし、例えば、最初の急ブレーキから3回目までは「しりもち」をつき、4回目から10回目までは「たたら」を踏み、10回目以降は「片足を一歩前にだすだけで踏ん張る」行動を取るようにし、メインのエージェントが急ブレーキに対して段階的に慣れるようにする。そして、最後の急ブレーキから1週間の間隔があいた場合には、1段階後退するようにする。
【0036】
図1における、学習項目データ292、応答データ293は共にエージェントの学習により格納、更新されるデータであり、その内容がそれぞれ図5、図6に概念的に示されている。
学習項目データ292には、図5に示すように、プログラム選択テーブル291(図2)の選択条件を決定する通算起動回数、前回終了日時、今日のイグニッションON回数、前5回の給油時残量等が格納され、選択条件により選択されたプログラムを起動するか否か(お休みするか否か)を決定するためのお休み回数/日時、デフォルト値、その他のデータが格納される。
【0037】
通算起動回数には、イグニッションを起動した通算回数が格納され、イグニッションがONされる毎にカウントアップされる。
前回終了日時には、イグニッションをOFFにする毎にその日時が格納される。
今日のイグニッションON回数には、その日におけるイグニッションONの回数と、1日の終了時間が格納される。イグニッションがONされる毎にカウントアップされるが、1日が終了するとデータが”0”に初期化される。1日の終了時間はデフォルト値として24:00が格納されている。この時間はユーザ(運転者)の生活パターンによって変更することが可能である。時間が変更された場合には、変更後の時間が格納される。
【0038】
前5回の給油残量には、燃料(ガソリン)を給油する直前に検出された燃料の残量が格納され、新たに給油される毎に各データが左側にシフトされ(最も古い最左のデータが削除される)今回給油直前の残量が一番右側に格納される。
このデータは、後述する燃料検出センサ415の検出値G1が、全5回分の給油残量の平均値G2以下(G1≦G2)になった場合に、エージェントEが表示装置27に現れて給油を促す行動が表示装置27に表示され、「おなかが減ったなあ!ガソリンがほしいな!」等の音声が音声出力装置25から出力される。
【0039】
お休み回数/日時には、該当するコミュニケーションプログラムが選択されたとしても実行せずにお休みした回数等が各プログラム番号毎に格納される。このお休み回数/日時は、例えば後述するエアコンの停止を提案するエージェントの行為(プログラム番号00123)のように、学習項目としてお休み項目が設定されているエージェント行為について格納される。
エージェントの提案や会話に対する運転者の応答が、拒否(拒絶)であった場合や無視(又は無応答)であった場合、コミュニケーションプログラムに応じて選択的に「お休み」が設定される。
【0040】
デフォルト値には、時間、回数、温度、車速、日時等の各項目に対する初期設定値が格納されており、前記した1日の終了時間のように学習項目の中で変更された値を初期値に戻す場合に使用される。
学習項目データ292に格納されるその他のデータとしては、例えば、運転者やその関係者の誕生日(これはユーザ入力項目である)、祭日とその言われ、クリスマスイブ(12月24日)、バレンタインデー(2月14日)、ホワイトデー(3月14日)等のイベント日などが格納される。各イベント日に応じた特別メニューのコミュニケーションプログラムも用意されており、例えば、クリスマスイブにはサンタクロースに変装したエージェントが現れる。
【0041】
図6の応答データ293には、エージェントの行為に対するユーザの応答の履歴が、ユーザ応答を学習項目とする各コミュニケーションプログラム番号毎に格納される。ユーザ応答データ293は、図6(A)のコミュニケーションプログラム番号00123、00125のように最新の応答日時と応答内容が所定回分(プログラム番号00123は2回分)格納されるものと、プログラム番号00124のように最新の応答内容のみが1回分格納される(従って応答がある毎に更新される。)ものと、最新の応答内容のみが所定回分格納されるものと、最新の日時と応答内容が一回分格納されるものと、最新の日時だけが1回分または所定回分格納されるもの等がある。
図6(A)中に表示された記号A、B、Cは応答内容を表すもので、同図(B)に示すように、記号Aが無視された場合、記号Bが拒絶された場合、記号Cが受容された場合を表す。運転者の応答内容については、マイク26から入力される運転者の音声に対する音声認識の結果や、入力装置による入力結果から判断される。
なお、本実施形態では運転者の応答を無視、拒絶、受容の3パターンに分類しているが、「強く拒絶」、「怒られた」、「喜ばれた」を新たに加えるようにしてもよい。この場合、新たに加えた応答により、学習項目データ292(例えば、お休み回数等)や応答データ293を追加変更する。
【0042】
目的地設定データ295は、プログラム選択テーブル291(図2)の選択条件を決定するデータのうち特に経路探索や探索された経路に基づいて行われる経路案内及び車両制御に関するデータである。
この目的地設定データ296は記憶手段として機能し、エージェント処理部11が取得した車両の状況対応させて、入力装置22や音声により選択された目的地(最終条件項目)が格納される。車両状況と、目的地との対応は、学習手段としてのエージェント処理部11が取得し、目的地設定データ295としてエージェントデータ記憶装置29に格納される。
また、目的地設定データ295には、車両の状況としての出発地と出発時刻、出発年月日と、目的地からなるデータで、各走行毎にデータベースとして格納される。目的地は、その目的地を表す名称と座標データ(緯度と経度)とで構成されている。
なお、ここで目的地設定データ295における「時刻」は、1日の時間(24時間)だけでなく曜日、年月日も含む概念である。従って、同一の時間であっても曜日が異なれば異なる時刻であり、例えば、月曜日の3時と火曜日の3時とは異なる時刻となる。また、目的地設定データ295には、そのデータが格納された日時も記録される。
【0043】
更に、目的地設定データ295には、最終条件項目としての目的地が選択されると、その目的地を最終的に選択するために実際に選択された各階層の条件項目の他に、選択された目的地を含む他の上位階層がある場合、その階層の条件項目自体は実際に選択されていなくても併せて記憶されるようになっている。
例えば、目的地設定→地名索引→食事→中華→中華一番(目的地;最終条件項目)の順に各階層の条件項目が選択された場合、各条件項目だけでなく、実際には選択されていない条件項目ではあるが中華一番(目的地)を下位階層に含む上位の条件項目(存在地域)である大田区も記憶される。
【0044】
図7は、目的地設定データ295を概念的に表したもので、図7(a)には、運転者Aが月曜日に自宅から出発した場合の目的地毎の頻度が表されている。
例えば、月曜日午前11時から正午(12時)の間に自宅を出発した場合には、辻一が19回、はな善が17回、カミュが4回、夢屋が2回、世田谷区役所が1回、郵便局が1回、経路探索及び経路案内の目的地として設定された頻度が格納されている。
また、図7(b)には、運転者Aが自宅から出発した場合の目的地としてレストランが設定された場合の、レストラン種別(ジャンル)頻度が表されている。このデータは、目的地案内において目的地となるレストランを階層構造の選択肢から絞り込んでいく場合に途中でレストラン種別を入力した場合以外でも、住所や電話番号等からレストランを直接設定した場合にも、ナビゲーションデータ記憶装置30に記憶される地図データ等からレストラン種別を検出し、カウントする。このように、本実施形態では、直接入力された条件項目の他、入力された条件項目から関連して導き出される他の条件項目についても、データが更新されるようになっている。このような場合、車両の状況として、入力設定された条件項目が含まれる場合もある。
なお、目的地設定データは、実際にこのような形式で運転者、曜日及び出発地毎にまとめられ、出発時刻毎にデータが格納されている必要はなく、図7は目的地設定データの内容を概念的に示すために便宜的にこの形式で示したにすぎない。従って、例えば、(はな善;運転者−A、曜日−月曜日、出発地−自宅、時刻6:27)のように、条件項目が選択されるとその条件項目毎に、選択時の車両の条件が格納される形式その他の形式としてもよい。
【0045】
エージェントデータ記憶装置29の指向データ296(図1)も、目的地設定データ295と同様に、プログラム選択テーブル291(図2)の選択条件を決定するデータのうち特に経路探索や探索された経路に基づいて行われる経路案内及び車両制御に関するデータである。この指向データ296は、エージェント処理部11が指向取得手段として機能し、現在の状況におけるユーザの条件項目に対する指向を取得する際に、学習結果としての目的地設定データ295からRAMに作成される。そして、RAMに作成された指向データは、その後に再使用する場合のために指向データ296に格納され、それ以後は、目的地設定データ295を更新する際に併せて更新されるようになっている。従って、この指向データ296も、選択された条件項目を車両の状況と対応させて記憶する記憶手段として機能する。
指向データ296は所定期間内に一度も再使用されない場合には、一端削除されるようになっており、その指向データが新たに必要になった場合には、再度RAMに作成され、指向データ296に格納される。
【0046】
図8は、指向データ296を概念的に表したもので、図7に示す目的地設定データ295から取得された指向データの内容を表すものである。
この図に示されるように、指向データ296には、車両の状況と、その車両の状況において設定される可能性の高い条件項目の傾向である指向との対応が格納される。
図8(a)は、図7(a)に示す目的地設定データ295から取得された指向であり、運転者Aが月曜日に自宅から出発した場合の、最終目的地の指向が選択順位として格納されている。
例えば、「運転者A」が「月曜日」の「午前11時から12時の間」に「自宅」を出発した場合(「」内が車両状況に該当する)には、目的地として辻一を設定する指向が最も強く(頻度が最も多く)、ついで、はな善、カミュ、・・・となっている。なお、このデータ中「=」は、その「=」で結ばれる2つの目的地が、その車両状況における指向の程度において同等である(同一状況における頻度が同じである)ことを示している。
【0047】
図8(b)は、図7(a)に示す目的地設定データ295から取得された指向であり、運転者Aが月曜日に自宅から出発した場合に、所定階層の条件項目として地域が選択された場合に、エージェント処理部11が取得する条件項目の指向を表したものである。すなわち、最終目的地の1つ上位の階層の条件項目である存在地域(市、区、町、村)に対する指向が選択順にまとめられて格納されたものである。
例えば、「運転者A」が「月曜日」の「午前11時から12時の間」に「自宅」を出発した場合、最終目的地の1つ上位の階層;「存在地域」において、「渋谷区」を選択することが最も多く、ついで、世田谷区、新宿区、・・・となっている。
【0048】
図8(c)は、図7(b)に示す目的地設定データ295から取得された指向であり、運転者Aが月曜日に自宅から出発した場合に、所定階層の条件項目として「食事」が選択された場合に、エージェント処理部11が取得する条件項目の指向を表したものである。
例えば、「運転者A」が「月曜日」の「午前11時から12時の間」に「自宅」を出発した場合、最終目的地の1つ上位の階層;「レストランの範疇」において、「和食」を選択することが最も多く、ついで、麺類、喫茶・・・と選択される。
【0049】
このように、指向取得手段として機能する場合のエージェント処理部11は、最終目的地(最終条件項目)に対してのみ指向を取得するのではなく、最終目的地を下位の階層に含んでいる上位階層の条件項目に対する指向も取得し、指向データ296に格納するようになっている。なお、指向は、階層化された条件項目の各階層毎に取得するだけでなく、各条件項目を他の観点から区分したより大きな範疇でまとめ、その範疇に対する指向を取得することも可能である。この場合の他の観点からの区分は、ユーザ自身が直接設定することも可能であり、また、条件項目の選択に関連するエージェントとユーザとのコミュニケーションのなかからエージェントが抽出するようにしてもよい。但し、エージェントが自動抽出する場合の区分範疇は、予め各種の状況やユーザの回答に対応して決められている区分範疇(その他のデータとしてエージェントデータ記憶部29に格納されている)の中から抽出することになる。
このような指向データは、新しい店ができた場合等のように、新たな条件項目が更新されて増えた場合に、その条件項目について候補順位を決定する場合に用いることができる。例えば、新しい店ができている場合には、図8(a)に示す指向データではなく、図8(c)に示す、より大きな範疇から指向を取得する場合、最も指向の高い範疇に入る店から順番に表示させる。このとき、新しい店がどの範疇であるかをナビゲーションデータ記憶装置30に記憶される地図データ等から取得し、この範疇の表示に新たに追加された店を含めて表示させることができる。
【0050】
図9は、ナビゲーションデータ記憶装置30(図1)に格納されるデータファイルの内容を表したものである。
図9に示すように、ナビゲーションデータ記憶装置30には経路案内等で使用される各種データファイルとして、通信地域データファイル301、描画地図データファイル302、交差点データファイル303、ノードデータファイル304、道路データファイル305、探索データファイル306、写真データファイル307、ナビゲーションプログラム308が格納されるようになっている。
このナビゲーションデータ記憶装置30は、例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、CD−ROM、光ディスク、磁気テープ、ICカード、光カード等の各種記録媒体と、その駆動装置が使用される。
なお、ナビゲーションデータ記憶装置30は、複数種類の異なる記録媒体と駆動装置で構成するようにしてもよい。例えば、検索データファイル46を読み書き可能な記録媒体(例えば、フラッシュメモリ等)で、その他のファイルをCD−ROMで構成し、駆動装置としてそれらの駆動装置を用いるようにする。
また、記憶媒体として読み書き可能な記録媒体を用いた場合には、記憶媒体駆動装置23を介して地図データを更新するようにしてもよい。
【0051】
ナビゲーションプログラム308には、ナビゲーション処理部10において実行される、目的地設定処理、経路探索処理、経路案内処理等の各種ナビゲーション処理のためのプログラムが格納されている。このナビゲーションプログラムに従って処理された各処理結果のデータや処理途中のデータについては、エージェント処理部11で取得可能になっており、エージェントがナビゲーションの一部をアシストする場合、エージェント処理部11は取得した処理結果等のデータに基づいてユーザとのコミュニケーションプログラムを実行するようになっている。
【0052】
通信地域データファイル301には、通信制御装置24に接続され又は無接続で車内において使用される携帯電話が、車内から通信できる地域を表示装置5に表示したり、その通信できる地域を経路探索の際に使用するための通信地域データが、携帯電話のタイプ別に格納されている。この携帯電話のタイプ別の各通信地域データには、検索しやすいように番号が付されて管理され、その通信可能な地域は、閉曲線で囲まれる内側により表現できるので、その閉曲線を短い線分に分割してその屈曲点の位置データによって特定する。なお、通信地域データは、通信可能地を大小各種の四角形エリアに分割し、対角関係にある2点の座標データによりデータ化するようにしてもよい。
通信地域データファイル301に格納される内容は、携帯電話の使用可能な地域の拡大や縮小に伴って、更新できるのが望ましく、このために、携帯電話と通信制御装置24を使用することにより、情報提供局との間で通信を行なって、通信地域データファイル301の内容を最新のデータと更新できるように構成されている。なお、通信地域データファイル301をフロッピーディスク、ICカード等で構成し、最新のデータと書換えを行うようにしても良い。
描画地図データファイル302には、表示装置27に描画される描画地図データが格納されている。この描画地図データは、階層化された地図、例えば最上位層から日本、関東地方、東京、神田といった階層ごとの地図データが格納されている。各階層の地図データは、それぞれ地図コードが付されている。
【0053】
交差点データファイル303には、各交差点を特定する交差点番号、交差点名、交差点の座標(緯度と経度)、その交差点が始点や終点になっている道路の番号、および信号の有無などが交差点データとして格納されている。
ノードデータファイル304には、各道路における各地点の座標を指定する緯度、経度などの情報からなるノードデータが格納されている。すなわち、このノードデータは、道路上の一地点に関するデータであり、ノード間を接続するものをアークと呼ぶと、複数のノード列のそれぞれの間をアークで接続することによって表現される。
道路データファイル305には、各道路を特定する道路番号、始点や終点となる交差点番号、同じ始点や終点を持つ道路の番号、道路の太さ、進入禁止等の禁止情報、後述の写真データの写真番号などが格納されている。
交差点データファイル303、ノードデータファイル304、道路データファイル305にそれぞれ格納された交差点データ、ノードデータ、道路データからなる道路網データは、経路探索に使用される。
【0054】
探索データファイル306には、経路探索により生成された経路を構成する交差点列データ、ノード列データなどが格納されている。交差点列データは、交差点名、交差点番号、その交差点の特徴的風景を写した写真番号、曲がり角、距離等の情報からなる。また、ノード列データは、そのノードの位置を表す東経、北緯などの情報からなる。
写真データファイル307には、各交差点や直進中に見える特徴的な風景等を撮影した写真が、その写真番号と対応してディジタル、アナログ、またはネガフィルムの形式で格納されている。
【0055】
図10は、状況センサ部40を構成する各種センサを表したものである。
図10に示すように状況センサ部40は、イグニッションセンサ401、車速センサ402、アクセルセンサ403、ブレーキセンサ404、サイドブレーキ検出センサ405、シフト位置検出センサ406、ウィンカー検出センサ407、ワイパー検出センサ408、ライト検出センサ409、シートベルト検出センサ410、ドア開閉検出センサ411、同乗者検出センサ412、室内温度検出センサ413、室外温度検出センサ414、燃料検出センサ415、水温検出センサ416、ABS検出センサ417、エアコンセンサ418、体重センサ419、前車間距離センサ420、後車間距離センサ421、体温センサ422、心拍数センサ423、発汗センサ424、脳波センサ425、アイトレーサー426、赤外線センサ427、その他のセンサ(タイヤの空気圧低下検出センサ、ベルト類のゆるみ検出センサ、窓の開閉状態センサ、クラクションセンサ、室内湿度センサ、室外湿度センサ、油温検出センサ、油圧検出センサ等)428等の車両状況や運転者状況、車内状況等を検出する各種センサを備えている。
これら各種センサは、それぞれのセンシング目的に応じた所定の位置に配置されている。
なお、これらの各センサは独立したセンサとして存在しない場合には、他のセンサ検出信号から間接的にセンシングする場合を含む。例えば、タイヤの空気圧低下検出センサは、車輪速センサの信号の変動により間接的に空気圧の低下を検出する。
そして、エージェント処理部11は、この状況センサ部40の各センサからの出力や入力装置22からの運転者による入力データをもとに車両の状況を判断することにより状況判別手段として機能する。
【0056】
イグニッションセンサ401は、イグニッションのONとOFFを検出する。
車速センサ402は、例えば、スピードメータケーブルの回転角速度又は回転数を検出して車速を算出するもの等、従来より公知の車速センサを特に制限なく用いることができる。
アクセルセンサ403は、アクセルペダルの踏み込み量を検出する。
ブレーキセンサ404は、ブレーキの踏み込み量を検出したり、踏み込み力や踏む込む速度等から急ブレーキがかけられたか否かを検出する。
サイドブレーキ検出センサ405は、サイドブレーキがかけられているか否かを検出する。
シフト位置検出センサ406は、シフトレバー位置を検出する。
ウィンカー検出センサ407は、ウィンカの点滅させている方向を検出する。
ワイパー検出センサ408は、ワイパーの駆動状態(速度等)を検出する。
ライト検出センサ409は、ヘッドランプ、テールランプ、フォグランプ、ルームランプ等の各ランプの点灯状態を検出する。
シートベルト検出センサ410は、運転者、及び同乗者(補助席、後部座席)がシートベルトを着用しているか否かを検出する。着用していない場合には適宜(嫌われない程度に)エージェントが現れ、警告、注意、コメント等(学習により程度を変更する)を行う。
【0057】
ドア開閉検出センサ411は、ドアの開閉状態を検出し、いわゆる半ドアの場合には、エージェントがその旨を知らせる。ドア開閉検出センサ411は、運転席ドア、助手席ドア、後部運転席側ドア、後部助手席側ドア等の、車種に応じた各ドア毎の開閉を検出できるようになっている。
同乗者検出センサ412は、助手席や後部座席に同乗者が乗っているか否かを検出するセンサで、撮像装置28で撮像された車内の画像から検出し、または、補助席等に配置された圧力センサや、体重計により検出する。
室内温度検出センサ413は室内の気温を検出し、室外温度検出センサ414は車両外の気温を検出する。
燃料検出センサ415は、ガソリン、軽油等の燃料の残量を検出する。給油時直前における過去5回分の検出値が学習項目データ292に格納され、その平均値になった場合にエージェントが給油時期であることを知らせる。
【0058】
水温検出センサ416は、冷却水の温度を検出する。イグニッションON直後において、この検出温度が低い場合には、エージェントが眠そうな行為をする場合が多い。逆に水温が高すぎる場合にはオーバーヒートする前に、エージェントが「だるそう」な行動と共にその旨を知らせる。
ABS検出センサ417は、急ブレーキによるタイヤのロックを防止し操縦性と車両安定性を確保するABSが作動したか否かを検出する。
エアコンセンサ418は、エアコンの操作状態を検出する。例えば、エアコンのON・OFF、設定温度、風量等が検出される。
体重センサ419は、運転者の体重を検出するセンサである。この体重から、または、体重と撮像装置28の画像から運転者を特定し、その運転者との関係で学習したエージェントを出現させるようにする。すなわち、特定した運転者に対してエージェントが学習した学習データ(学習項目データ292、応答データ293、目的地設定データ295、指向データ296)を使用することで、その運転者専用のエージェントを出現させるようにする。尚、運転者の特定は、IDコードの取得や指紋、声紋等からするようにしてもよい。
前車間距離センサ420は車両前方の他車両や障害物との距離を検出し、後車間距離センサ421は後方の他車両や障害物との距離を検出する。
【0059】
体温センサ422、心拍数センサ423、発汗センサ424は、それぞれ運転者の体温、心拍数、発汗状態を検出するセンサで、例えば、ハンドル表面に各センサを配置し運転者の手の状態から検出する。または、体温センサ422として、赤外線検出素子を使用したサーモグラフィーにより運転者の各部の温度分布を検出するようにしても良い。
脳波センサ425は、運転者の脳波を検出するセンサで、例えばα波やβ波等を検出して運転者の覚醒状態等を調べる。
アイトレーサー426は、ユーザの視線の動きを検出し、通常運転中、車外の目的物を捜している、車内目的物をさがしている、覚醒状態等を判断する。
赤外線センサ427は、ユーザの手の動きや顔の動きを検出する。
【0060】
次に、以上のように構成された本実施形態の動作について説明する。
図11は本実施形態のエージェントによる処理のメイン動作を表したフローチャートである。
エージェント処理部11は、イグニッションがONされたことがイグニッションセンサ401で検出されると、まず最初に初期設定を行う(ステップ11)。初期設定としては、RAMのクリア、各処理用のワークエリアをRAMに設定、プログラム選択テーブル291(図2)のRAMへのロード等の処理が行われる。なお、本実施形態のエージェント処理では、その処理の開始をイグニッションONとしたが、例えばドア開閉検出センサ411によりいずれかのドアの開閉が検出された場合に処理を開始するようにしてもよい。
【0061】
次に、エージェント処理部11は、運転者の特定を行う(ステップ12)。すなわち、エージェント処理部11は、運転者から先に挨拶がかけられたときにはその声を分析して運転者を特定したり、撮像した画像を分析することで運転者を特定したり、体重センサ419で検出した体重から運転者を特定したり、設定されたシート位置やルームミラーの角度から運転者を特定したりする。なお、特定した運転者については、後述のエージェントの処理とは別個に、「○○さんですか?」等の問い合わせをする特別のコミュニケーションプログラムが起動され、運転者の確認が行われる。
【0062】
運転者が特定されると、次にエージェント処理部11は、現在の状況を把握する(ステップ13)。
すなわち、エージェント処理部11は、状況情報処理部15に状況センサ部40の各センサから供給される検出値や、撮像装置28で撮像した画像の処理結果や、現在位置検出装置21で検出した車両の現在位置等のデータを取得して、RAMの所定エリアに格納し、格納したデータから現在状況の把握を行う。
例えば、水温検出センサ416で検出された冷却水の温度がt1である場合、エージェント処理部11は、この温度t1をRAMに格納すると共に、t1が所定の閾値t2以下であれば、車両の現在の状態として冷却水温(図2参照)は低い状態であると把握する。
現在の状況としては、他にマイク26からの入力に基づいて音声認識した運転者の要求、例えば、「○○○番に電話をしてくれ。」や「この辺のレストランを表示してくれ。」や「CDをかけてくれ。」等の要求も現在の状況として把握される。この場合、認識した音声に含まれるワード「CD」「かけて」等がプログラム選択テーブル291(図2)の選択条件(横軸項目)になる。また他に、入力装置22から、目的地設定モードが選択された場合等も含まれる。
さらにエージェント処理部11は、現在状況として、エージェントデータ記憶装置29の学習項目データ292と応答データ293をチェックすることで、エージェントがこれまでに学習してきた状態(学習データ)を把握する。
【0063】
エージェント処理部11は、現在の状況を把握すると、図13により後で詳述するように、把握した状況に応じたエージェントの処理を行う(ステップ14)。
ここでのエージェントの処理としては、エージェントによる判断、行為(行動+発声)、制御、学習、検査等の各種処理が含まれるが、把握した現在の状況によっては何も動作しない場合も含まれる。
【0064】
次に、エージェント処理部11は、メイン動作の処理を終了するか否かを判断し(ステップ15)、終了でない場合には(ステップ15;N)、ステップ13に戻って処理を繰り返す。
一方を終了する場合、すなわち、イグニッションがOFFされたことがイグニッションセンサ401で検出され(ステップ13)、室内灯の消灯等の終了処理(ステップ14)が完了した後(ステップ15;Y)、メイン処理の動作を終了する。
【0065】
図13は、把握した状況に応じたエージェントの処理動作を表したフローチャートである。
エージェント処理部11は、把握済みの現在の状況(起動回数、現在の天気、時刻、車両の現在位置等)から、図2に示したプログラム選択テーブル291に基づいて、現在の状態で起動可能なコミュニケーションプログラム(の番号)があるか否かを判断する(ステップ21)。そして、該当プログラムが無ければ(ステップ21;N)、メインルーチンにリターンする。
一方、起動可能なコミュニケーションプログラムがある場合(ステップ21;Y)、そのプログラム番号を決定する。そして、決定したプログラム番号に対する運転者の応答履歴を応答データ293から確認し、当該プログラム番号のコミュニケーションプログラムの起動を、お休みすべき状態か否かを確認する(ステップ22)。
【0066】
お休み状態ではない場合(ステップ22;N)、エージェント処理部11は、決定したプログラム番号に対応するコミュニケーションプログラムを起動することで、図4に示された各エージェントの行為(行動と音声)に従った画像を表示装置27に表示すると共に、音声出力装置25から音声出力する(ステップ23)。
これによって、現在の車両や運転者等の状況からだけでなく、過去の状況や応答に対する学習結果を反映させたコミュニケーションをエージェントとの間で行うことが可能になる。
【0067】
そしてエージェント処理部11は、コミュニケーションプログラムの起動によるエージェント行為に対する運転者の応答を、マイク26からの入力に基づく音声認識結果や、入力装置22からの入力結果から取得する(ステップ24)。
次にエージェント処理部11は、ステップ16で起動したコミュニケーションプログラムが制御対象プログラムか否かを判断する(ステップ25)。ここで制御対象プログラムか否かは各プログラム毎に規定されており、例として、「ラジオの電源を入れましょうか?」や、お昼時にお腹が鳴る音を検出した場合に「食堂の案内をしましょうか?」といったように、エージェントが処理可能な行為(電源ON、飲食店案内等)の提案をする場合のコミュニケーションプログラム等が制御対象プログラムとして規定されている。
【0068】
制御対象プログラムでない場合(ステップ25;N)にはステップ27に移行し、制御対象プログラムである場合(ステップ25;Y)、ステップ24で取得した運転者の応答に応じた制御を行う(ステップ26)。例えば、上記ラジオの電源を入れる提案コミュニケーションに対して、「入れて」「OK」「はい」等の提案を受容する応答が認識された場合であれば、エージェント処理部11は応答に応じた制御として、エージェントに返事をする行為(行動と音声)をさせると共にラジオの電源をONにする。
【0069】
そして、エージェント処理部11は、今回のコミュニケーションプログラムに関するデータを蓄積することで、エージェントに学習をさせ(ステップ27)、メインルーチンにリターンする。
データの蓄積としては、例えば、コミュニケーションプログラムの起動がお休みである場合には(ステップ22;Y)、学習項目データ292の該当プログラム番号の回数欄をカウントアップさせる。ただし、学習項目データ292のお休み回数/日時欄に格納されている回数をKa回とし、当該プログラム番号に対する前回までの応答データ293の履歴から決まるお休み回数をKb回とした場合、Ka=Kb−1であれば、今回のお休みで規定回数休んだことになる。そこで、学習項目データ292及び応答データ293の当該プログラム番号欄の(該当する位置に格納されている)データをクリアする。
その他の場合(ステップ25;Nの場合、ステップ26の後)には、把握済みの現在状況(ステップ13)の中に学習項目があれば学習項目データ292の値を更新し、応答内容を履歴として格納すべきプログラム番号であればステップ17で取得した応答内容を応答データ293(図6)に格納する。この応答の履歴も各プログラム番号毎に規定された所定回数分のデータが既に格納されている場合には、最も古いデータを廃棄して新しいデータを格納する。
【0070】
次に、以上説明したエージェント処理によるエージェントの具体的な行為について説明する。
図13は、イグニッションON後における具体的なエージェント処理の内容を表したものである。
この図13(a)に示すように、エージェント処理部11は、現在の状況として、イグニッションセンサ401で検出された状態が「ON」、時刻が午前8時21分、等の状況がステップ13において把握済みであるものとする。また、学習項目データ292と応答データ293についてチェックした学習データとしては、今日のイグニッションON回数が「1回目」、通算起動回数が「30回」であるとチェック済みであるものとする。
【0071】
以上の把握状態においてエージェント処理部11は、プログラム選択テーブル291から対応するコミュニケーションプログラムを選択する。すなわち、プログラム番号00100のコミュニケーションプログラムが選択される(ステップ21;Y)。
お休み対象で無いことを確認(ステップ22;N)したうえで、当該番号のコミュニケーションプログラムを起動し(ステップ23)、図3に対応するエージェント行為(行動と発声)が、図13(b)に示すように、行われる。
すなわち、表示装置27にはエージェントが登場し、音声出力装置25からは「おはよう。」といった音声が出力される。
【0072】
そして運転者から「おはよう」等の応答があった場合にはこれを取得し認識する(ステップ24)。
プログラム番号00100は制御対象プログラムではないので(ステップ25;N)、ステップ26をとばし、エージェントの学習として図13(c)に示すように、学習項目データ292の今日のイグニッションON回数を1回から2回に変更すると共に、通算起動回数を30回から31回に変更する。
その後メインルーチンにリターンする。
【0073】
次に、本実施形態の車両走行中におけるエージェント処理の一例としての目的地の設定処理について説明する。
図14は、本実施形態による目的地設定処理の動作の流れを示すフローチャートである。
エージェント処理部11は、現在状況として操作者からのキーボードやタッチパネル、マイクその他の入力装置からの入力により、経路探索開始の命令があったと判断すると、目的地設定処理を行う。
【0074】
この目的地設定処理においてエージェント処理部11は、図14に示すように、まず、現在位置検出装置21からのデータに基づく車両の現在位置(出発地)をナビゲーション処理部12から取得する(ステップ31)。ここでは自宅であることを検出したとする。また、状況センサ部40からの出力に基づいてその他の現在の車両状況を取得する(ステップ32)。
例えば、車両の状況として、運転者がAであり、時刻は月曜日の11時20分であること、目的地の設定方法として、直接目的地を入力する方法が選択されていることを等が取得される。
【0075】
以上のように車両の状況を取得すると、エージェント処理部11は、現在の車両状況(現在選択されている階層の条件項目を含む)における指向を取得する(ステップ33)。すなわち、エージェント処理部11は、現在の車両状況と同一の車両状況に対する指向が指向データ296に既に格納されている場合には、その指向データを読み出すことにより取得し、格納されていない場合には、目的地設定データ295に格納されている内容(基礎データ)から当該車両状況に対応する指向データをRAM作成することで指向を新たに取得する。新たに取得した指向データは、再使用のために指向データ296に格納される。
【0076】
続いて、エージェント処理部11は、表示順序制御手段として機能し、条件項目が目的地であることから、現在選択中の階層に対する条件項目(目的地)の候補順位を取得する(ステップ34)。例えば、図8(b)の時間帯11時〜12時が指向データとして取得された場合、エージェント処理部11は、指向順位の高い順に「渋谷区」「世田谷区」「新宿区」・・・を取得する。また、図8(c)の時間帯11時〜12時が指向データとして取得された場合、指向順位の高い順に「和食」「麺類」「喫茶」・・・を取得する。
【0077】
そして、エージェント処理部11は、候補順位が1位〜5位までの目的地を目的地候補(入力可能な条件項目)として表示装置27に表示させる(ステップ35)。この時、6位以下を表示するための次候補ボタンも選択可能な条件項目として表示する。そして、運転者から、音声入力部18、表示部17の画面に対応したタッチパネルやリモコン等の入力部16からの選択項目を確認する。
条件項目が選択されずに次候補が選択された場合には、候補順位6位〜10位までと、(存在する場合には)次候補ボタンを表示装置27に表示させ、条件項目が選択されるまで、同様の動作を繰り返す。
【0078】
エージェント処理部11は、選択された条件項目が最終条件項目である目的地であるか否かを確認し(ステップ36)、目的地でない場合(すなわち、目的地よりも上位階層の条件項目が選択された場合)には(ステップ36;Y)、ステップ32に戻り車両の状況を取得する。なお、ステップ36から戻った場合のステップ32におけいて取得する車両状況としては、主として、現在選択済みである条件項目の階層が該当する。
一方、最終的に目的地が選択されると(ステップ36;Y)、エージェント処理部11はこの目的地をナビゲーション処理部12に出力する(ステップ37)。ナビゲーション処理部12はこの目的地を目的地として設定し、設定した目的地までの走行経路を探索する。
【0079】
目的地をナビゲーション処理部12に出力すると、続いてエージェント処理部11は、選択された目的地に基づいて、目的地設定データ295及び指向データ296を更新する(ステップ38)。
目的地設定データ295及び指向データの更新に際して、エージェント処理部11は、目的地設定に際して取得した車両の状況(運転者、時刻、出発地、及び目的地の設定方法)のうちいずれか1つまたはそれらの組み合わせを車両状況としている(同一車両状況の)目的地設定データ295、指向データ296データを検出する。
そして、それらのデータの総数が所定値P以下である場合、エージェント処理部11は、最終選択された目的地、この目的地を選択するまでの各階層において選択された上位階層の条件項目、および、目的地を下位階層に含む他の上位階層の条件項目を最新のデータとしてそのまま登録する。一方、データ数がP以上である場合には、エージェント処理部11は、そのデータのうち最も古いデータ(年月日と時刻から検索)を削除して、最終選択された目的地、この目的地を選択するまでの各階層において選択された上位階層の条件項目、および、目的地を下位階層に含む他の上位階層の条件項目を最新のデータとして登録する。
【0080】
図15は、以上図14に従って説明した目的地設定処理において表示装置27に表示される画面内容の変化状態を表したものである。
この図15では、「運転者A」が「月曜日」の「午前11時から12時の間」に「自宅」を出発する場合の目的設定処理を表し、目的地設定データ295には、図7に示される状態の基礎データが格納されているものとする。
まずメニュー画面(A)で条件項目「目的地」が選択され、さらに目的地設定画面で条件項目「地名索引」が選択されると、エージェント処理部11は、図7(a)に示した最終目的地の基礎データから、地名索引のレベルに該当する階層の条件項目の指向データとして、「食事(辻一、はな善、カミュ、夢庵)」と「公共施設(世田谷区役所、郵便局)」をRAM上で作成し取得する。なお、同一状況に置ける指向が既に作成済みである場合には、指向データ296から取得する。
そして、エージェント処理部11は、図15(C)に示されるように、通常は後ろの優先順位で表示される条件項目であっても、選択された指向に従って、「食事」「公共施設」の順に表示する。指向データが存在する条件項目が表示可能数以下である場合には、(C)に示される「温泉」「スキー」・・・のように、指向が考慮されない場合に情報される条件項目がその優先順位順に続けて表示される。
このように、該当階層に対する条件項目を表示装置27に表示する場合、指向を考慮しない場合には、通常次候補ボタンを複数回選択する必要があるのに対して、本実施形態のように指向を考慮して条件項目を表示するので、選択操作を迅速に行うことができるようになる。
【0081】
以下同様にして、エージェント処理部11は、(C)の地名索引画面におい条件項目「食事」が選択されると、作成済みの指向データ296から図8(c)に示すの指向を取得し、図15(D)に「和食」「麺類」「喫茶」・・・と示されるように指向の大きい順に条件項目を画面表示する。この場合にも、通常50音順に優先順位が決められているに条件項目からすると、最終ページ(画面)に表示される和食が、指向を考慮することで最優先表示され、次画面ボタンの操作をすることなく直ちに条件項目「和食」を選択することができる。
さらに同様に、「和食」の選択により、最終条件項目(最下位階層)の和食に対する指向から、図15(E)に示されるように、「辻一」「はな善」・・・の順に表示される。
【0082】
次に第2の目的地設定処理動作に付いて説明する。
図16は、第2の目的地設定処理動作において表示装置27に表示される画面内容の変化状態を表したものである。
なお、図15に示した第1の目的設定処理動作と対比するために、この図16においても「運転者A」が「月曜日」の「午前11時から12時の間」に「自宅」を出発する場合の目的設定処理を表し、目的地設定データ295には、図7に示される状態の基礎データが格納されているものとする。
【0083】
まずメニュー画面(A)で条件項目「目的地」が選択されると、エージェント処理部11は、上記車両状態に対する目的地設定データ295(図7(a))から、各最終条件項目(最下位の条件項目)の頻度を取得し、各条件項目に対する頻度が所定のしきい値条件を満たしているか否かを判断する。
ここで、本実施形態における所定のしきい値条件としては、(1)頻度の最大値がm(例えば、20)以上であること、(2)最大値がm以上でない場合、最大値がmより小さいn(例えば15)以上で、二番目の頻度がnより小さいs(例えば10)以上であることが要求される。なお、しきい値条件は他にも任意に設定可能であり、例えば、(1)のみを設定したり、最大値がn以上で二番目の頻度がnより小さいs(例えば10)以上であることを設定したり、最大値がm以上で二番目の頻度との差がt(例えば5)以下であることを設定したりすることができる。
【0084】
図7(a)の目的地設定データ295の場合、頻度の最大値が19<mであり(1)の条件を満たしていないが、最大値19>nで、かつ、二番目の頻度が17>sであり条件(2)を満たしている。従ってエージェント処理部11は、メニュー画面(図16(A))から目的地設定が選択されると、途中の階層における選択画面を表示することなく、直ちに図16(B)に示される最終条件項目の階層における条件項目を指向の順に表示する。
なお、ユーザは表示された最終階層の条件項目とは異なる範疇の条件項目(例えば、和食ではなく麺類)を希望する場合には、画面右上の「上位階層」ボタンを選択することで上位階層の選択項目を表示させることができる。
【0085】
図7(a)の目的地設定データ295の場合、しきい値条件(2)を満たしていたが、(1)(2)のいずれのしきい値条件も満たしていない場合、エージェント処理部11は、最終条件項目よりも範疇が広い1つ上位の条件項目を選択してしきい値条件(1)(2)を満たすか否かを判断する。
例えば、図7(a)の目的地設定データ295において、「はな善」の頻度が14出会った場合、両しきい値条件を満たしていないことになる。この場合、エージェント処理部11は、1つ上の条件項目として、条件項目「食事」が選択された場合の各条件項目「和食」「麺類」・・・の頻度を求める。すると、和食の頻度が21(辻一;19+夢庵;2)、麺類の頻度が17(はな善;17)となり、両条件(1)(2)を満たすことになる。従って、エージェント処理部11は、条件項目「食事」が選択された場合の階層に含まれる条件項目を図16(B′)に示すように表示装置27に表示する。
【0086】
このように、本目的地設定処理動作においてエージェント処理部11は、しきい値条件を満たす、階層の条件項目のうち最下層を選択し、その条件項目を指向順に画面表示する。
これにより、第1の目的地設定処理動作よりも、一層適切な条件項目を運転者に提示することができ、条件項目の選択操作をさらに簡易化することができる。
【0087】
なお、最終条件項目がしきい値条件(1)(2)を満たしていない場合、その上位階層の条件項目として「和食」「麺類」の頻度がしきい値条件を満たしているか否かを判断したが、他の上位階層、例えば、条件項目として存在地域が選択された場合の新宿区、大田区等の条件項目についての頻度をもとめてしきい値条件を満たしているか否かを判断するようにしてもよい。
但し、どの範疇に属する上位階層を優先するかについては、予め定めた順位に従って上位階層を選択することになる。例えば、条件項目として存在地域が選択された場合の上位階層の優先順位は最後とする。また、その順位はユーザがよく使用する範疇の上位階層に関する頻度もデータとして蓄積しておき、その頻度により優先順位を決定してもよい。
さらに、1つ上位階層の全てがしきい値条件を満たしていない場合、エージェント処理部11は、車両状況としての時間帯を拡張するようにしてもよい。例えば、11時〜12時の時間帯での最終条件項目及びその1つ上位階層の条件項目のいずれもしきい値条件を満たしていない場合、時間帯を11時30分〜12時20分に拡張した場合の各最終条件項目の頻度を求めてしきい値条件を満たすか否かを判断するようにしてもよい。
【0088】
この様に、本実施形態では、過去の車両の状況と当該車両の状況において設定された目的地との関連が学習され、設定され得る目的地候補についてその可能性の高さ(指向)を取得し、指向の高い順に複数の目的地候補を表示する。
従って、車両の状況に沿って目的地候補が選択され、選択される可能性の高い目的地候補を表示することができる。更に、複数の目的地候補を入力される可能性の高い順に表示するため、表示される目的地を取り消して再び他の目的地を設定する可能性が少なく、少ない操作で、運転者が設定したい目的地を表示させ設定させることができる。
本実施形態では、運転者により選択された条件項目について車両の状況との対応を記憶しておき、この記憶結果に基づいて選択される可能性の高い条件項目を複数表示する。そして表示された条件項目から運転者が意図する項目を選択して入力し、その入力結果により再び記憶内容が更新されることでエージェントによる学習が行われる。このように、本実施形態によると、運転者とのインタラクティブなやりとりによって、選択項目に関連する基礎データを更新し、それ以後において選択される可能性の高い条件項目が表示される。
【0089】
また、本実施形態では、指向データ296は、入力された条件項目をより大きな範囲区分の範疇でまとめてその範疇についての指向を取得したデータも含まれるため、この範疇についての指向から、新しい店ができた場合等、条件項目が更新されて増えた場合に、その条件項目も含めて、上述の範疇についての指向から候補順位を決定することが可能である。例えば、和食レストランの指向が高ければ、新しい和食レストランができた場合にも、入力候補になっているレストランを和食レストランから順に表示することにより、この新しい和食レストランも候補の上位に表示される。
更に、本実施形態では、条件項目として実際に選択された項目がデータとして蓄積されるだけでなく、例えばレストラン名が入力された場合にそのレストランのジャンルも取得され、ジャンルについてのデータも蓄積される等、入力された条件項目から関連して導き出される他の条件項目についても、データが更新されるようになっている。従って、住所や電話番号、名前等を直接入力した場合でも、関連するデータが更新され、各データが有機的なつながりをもって更新学習され、条件項目の指向が総合的に正確に取得される。
なお、実際に選択された条件項目と、実際には選択されない条件項目とで、頻度に差を設けるようにしてもよい。例えば、実際に選択された場合の頻度を1とし、実際には選択されないが選択項目として蓄積される場合には頻度を0.25とするようにしてもよい。
【0090】
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更可能である。
例えば、上述の実施形態においては、経路検索及び経路案内における目的地を取得する場合に、直接目的地の候補が表示され、選択されるようになっているが、これに限られるものではなく、本発明は、目的地の選択をジャンルから選択するジャンル選択モードを選択し、ジャンル別リストから飲食店を選択し、目的地となる飲食店を指定する等、階層構造で選択肢を表示し目的地を絞り込んでいく目的地設定方法を採用している場合にも、採用できる。すなわち、各階層における選択肢を選択する頻度を目的地設定データとして取得し、このデータに基づいて、各階層での選択肢の指向を検出し、選択肢を指向の高い順位から表示するようにする。これにより、各階層から次の階層を選択する場合の選択肢を正確に予測して選択の手間を減少させることが可能である。
【0091】
また、上述の目的地設定データ295及び指向データ296では、時刻=曜日+時間と定義したが、本発明ではより長い単位で時刻を定義してもよい。例えば、時刻=(平日、休日)+時間、(月〜金、土、休日)+時間としてもよい。逆に、曜日や平日、休日による時刻の区別をすることなく、時刻=時間と定義するようにしてもよい。更に、これら時刻の定義をユーザが選択できるようにしてもよい。
【0092】
上述の目的地設定データ295及び指向データ296では、各出発時刻について1時間単位で目的地データを格納しているが、他の時間単位、例えば、30分単位、20分単位、10分単位等としてもよい。また、目的地設定データ295及び指向データ296では出発時刻の時間範囲については、午前6時から午後12時の範囲としたが、他の時間範囲、例えば、6:00AMから10:00PM等の通常走行する時間範囲や、24時間を選択するようにしてもい。
これら、走行パターンデータを格納する時間単位、および時間範囲については、ユーザが設定できるようにしてもよい。
【0093】
上述の実施形態においては、候補順位の高いものから5ずつ全ての条件項目を表示するようにしたが、順位の高いものから所定数だけ、または順位の最も高い条件項目の最多頻度に対して所定割合の範囲内、例えば最多頻度を100%とした場合、頻度が90%、80%等の範囲内である目的地だけを表示し、その他については住所や電話番号、名称等を入力することによって設定するようにしてもよい。
【0094】
更に、上記した目的地設定処理では、イグニッションキーON時の時刻を出発時刻としたが、エンジンの始動時を出発時刻としてもよい。また、ナビゲーション処理部11の主電源がONされた時を出発時刻としてもよい。更に、運転者の乗車、運転席側ドアの開動作、走行開始時に車速が0より大きい場合、シフトレバーの”D”位置への移動等の動作が行われた時を出発時刻としてもよい。
【0095】
上述の実施形態では、目的地の他、経由地についても同様に指向を取得し、候補項目を提案するようにしてもよい。また、車両の状況として天気、外気温と湿度、車内温度と湿度、及び運転者を取得し、これとエアコンの設定温度との対応を取得してエアコンのON時に設定温度を選択可能に表示する等、経由地以外についても、同様に条件項目を入力可能に表示することもできる。
【0096】
前記車両の状況として時刻を検出し、前記表示手段に表示させる複数の前記条件項目について、前記学習手段で学習されている前記対応に基づいて表示時刻を決定し、この決定し表示時刻に、複数の前記条件項目を表示するようにしてもよい。
上述の実施形態においては、車両が、運転者とコミュニケーションをするエージェントを出現させるエージェント装置を備えており、このエージェント装置が本発明の目的地設定装置として機能しているが、エージェント装置を搭載しない車両に適用することもできる。この場合、本発明の目的地設定装置は、独自に本発明の作用効果を果たすものであっても、他の機能を有する目的地設定装置であってもよい。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る目的地設定装置によれば、少ない手間で容易に車両の状況に即した目的地の設定が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のエージェント装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の実施形態におるプログラム選択テーブルの内容を概念的にあらわした説明図である。
【図3】図1の実施形態において、各プログラム番号に対応するエージェントの行為(行動と音声)を表した説明図である。
【図4】図1の実施形態におけるプログラム番号00001〜00002の起動により表示装置に表示されるエージェントの「かしこまってお辞儀」行動についての数画面を表した説明図である。
【図5】図1の実施形態における学習項目データの内容を概念的に表した説明図である。
【図6】図1の実施形態における応答データの内容を概念的に表した説明図である。
【図7】図1の実施形態における目的地設定データ295を概念的に表したものである。
【図8】図1の実施形態における指向データ296を概念的に表したものである。
【図9】図1の実施形態におけるナビゲーションデータ記憶装置に格納されるデータファイルの内容を概念的に表した説明図である。
【図10】図1の実施形態における状況センサ部を構成する各種センサを表した説明図である。
【図11】図1の実施形態によるエージェント処理のメイン動作を表したフローチャートである。
【図12】把握した状況に応じたエージェントの処理動作を表したフローチャートである。
【図13】イグニッションON後における具体的なエージェント処理の内容を表したものである。
【図14】図1本実施形態による目的地設定処理の動作の流れを示すフローチャートである。
【図15】第1の目的地設定処理において表示装置に表示される画面内容の変化状態を表した説明図である。
【図16】第2の目的地設定処理において表示装置に表示される画面内容の変化状態を表した説明図である。
【符号の説明】
1 全体処理部
10 ナビゲーション処理部
11 エージェント処理部
12 I/F部
13 画像処理部
14 音声制御部
15 状況情報処理部
21 現在位置検出装置
22 入力装置
23 記憶媒体駆動装置
24 通信制御装置
25 音声出力装置
26 マイク
27 表示装置
28 撮像装置
29 エージェントデータ記憶装置
30 ナビゲーションデータ記憶装置
40 状況センサ部

Claims (2)

  1. 条件項目によって階層化された目的地データを記憶する目的地記憶手段と、
    車両の状況を判別する状況判別手段と、
    前記目的地記憶手段の各階層に対応した条件項目が複数表示される表示手段と、
    この表示手段の表示から条件項目を選択する選択手段と、
    前記選択手段において選択された目的地と、前記選択された目的地の上位の各階層の条件項目で当該目的地を最終的に選択するために実際に選択された条件項目の頻度を、前記状況判別手段により判別された車両の状況と対応させて記憶する目的地設定データ記憶手段と、
    前記状況判別手段で判別された車両の状況に対して、前記選択手段から選択される条件項目の指向を、前記目的地設定データ記憶手段の記憶内容から取得する指向取得手段と、
    この指向取得手段により取得された条件項目の指向から条件項目の順位を決定し、決定した順に条件項目を前記表示手段に表示させる表示順序制御手段と、を備え、
    前記表示順序制御手段は、前記状況判別手段で判別された車両の状況に対する、同一階層の条件項目の頻度を取得し、各条件項目に対する頻度が所定のしきい値条件を満たしているか否かを判断し、前記しきい値条件を満たす、階層の条件項目のうち最下層を選択し、その条件項目を指向順に画面表示する、
    ことを特徴とする目的地設定装置。
  2. 前記しきい値条件は、(1)頻度の最大値がm以上であること、(2)頻度の最大値がn以上で、二番目の頻度がnより小さいs以上であること、又は(3)頻度の最大値がm以上で二番目の頻度との差がt以下であること、
    のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の目的地設定装置。
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