JP4534925B2 - 車両用情報提供装置 - Google Patents
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Description
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、運転者が有している嗜好性により適合するように、様々な情報を適切な態様で提供可能とすることにある。
そして、情報提供制御手段は、提供した情報に対する運転者の反応が、肯定的,否定的の何れであるかを反応検知手段によって検知し、その検知結果に応じて情報提供の制御状態を変化させる。例えば、特許文献1のように、ステアリングセンサの検出結果に基づいて運転の「ふらつき」、即ち居眠り運転のような状態を判断して警告した場合でも、運転者が実際に居眠りしているとは限らない。すると、運転者にとってはシステムが誤動作したようにみなされるため、そのような状態が何回か発生すればシステムの信頼性が低下して、利用されなくなってしまうことが想定される。
そこで、提供した情報に対する運転者の反応を検知し、肯定的な反応を示した場合は提供した情報が好ましい、適切な情報であると判断されたものと推定して当該情報の提供割合を上昇させ、逆に、運転者が否定的な反応を示した場合は、提供した情報が不要,不適切であると判断されたものと推定して当該情報の提供割合を低下させるようにする。従って、運転者が示した反応に応じて情報提供の態様を最適化することができる。
また、嗜好性情報取得手段に、前記各手段を介して取得された情報を記録して分析し、個人情報に対応する嗜好性情報を学習する機能を備える。即ち、車両の走行中に得られる様々な情報を蓄積し、情報提供制御手段が提供した情報に対して、各手段によって取得された情報の種類や傾向を分析すれば、運転者がどの様な嗜好性を有しているのかを学習することができる。従って、運転者の嗜好性に一層適合するように情報を提供することが可能となる。
請求項2記載の車両用情報提供装置によれば、情報提供制御手段は、運転者が否定的な反応を示す蓋然性が高いと想定される情報を所定のタイミングで提供すると、その情報提供に対して運転者が反応を返すか否かで当該運転者の注意力の状態を判定し、注意力が低下していると判定すると警告情報を提供するので、その警告により運転者の注意力を喚起することができる。
請求項8記載の車両用情報提供装置によれば、情報提供制御手段は、危険度が前記注意レベルよりも高い警告レベルであると判定すると、運転者に対して車両の走行に関する警告情報を提供するので、運転者に危険レベルが上昇したことを警告することができる。
以下、本発明の第1実施例について図1及び図2を参照して説明する。図1は、車両用情報提供装置のシステム構成を示す機能ブロック図であり、その機能の一部は、車両用ナビゲーション装置と同様のものである。車両用情報提供装置1は、運転者を特定するための個人情報を、携帯電話機2又はICカード3より、運転者識別機能部4を介して取得するようになっている。尚、以上の構成2〜4は、個人情報取得手段及び嗜好性取得手段を構成している。
また、エージェント機能部5は、運転者の画像を撮像する運転者カメラ(反応検知手段)14、運転者に取付けた生体センサ(例えば、心拍数、血圧、発汗などを検出)15、車室内部の気温を測定する内気温センサ16より出力される画像信号やセンサ信号などを、運転者状況監視機能部17を介して取得する。尚、以上の構成14〜17は、運転者に関する情報を取得するための運転者情報取得手段を構成する。
加えて、エージェント機能部5は、走行中の車両に各種の情報(コンテンツ)を提供するために用意されているセンターサーバ24とセルラー通信機(自動車電話機)25とが通信を行うことで、ダウンロードしたコンテンツを外部通信機能部26を介して取得する。また、運転者自身の家庭に設置されているホームサーバ27と無線LANインターフェイス(I/F)28とが、図示しないアクセスポイントを介して通信を行い、ダウンロードしたコンテンツを外部通信機能部26を介して取得する。
ナビ機能部30は、GPS(Global Positioning System)受信機31がGPS衛星より送信されているGPS信号を受信して車両の現在位置を取得すると、その位置情報と図示しない地図データとに基づいてナビゲーション機能を実行する。そして、エージェント機能部5は、そのナビゲーションに関する情報も取得可能となっている。
尚、以上の構成において、二重線で表されている機能ブロックは、車載コンピュータとその周辺のハードウエアとのインターフェイスとして位置づけられる機能であり、その機能は、インターフェイス用のハードウエア及び車載コンピュータのソフトウエアによって実現される。
また、「警告レベル」は(ステップS7,「YES」)危険度が「注意レベル」よりも高く設定されており、この場合エージェント機能部5は、警告情報の提供をユーザ対話機能部36に指示する(ステップS11)。警告情報は、例えば、車両の走行速度を安全と判断される速度まで減速させることを促すメッセージなどである。
更に、エージェント機能部5は、危険度が低レベルであると判定すると、運転者に対して「気晴らし系」の情報を提供する割合を上昇させることで、運転者に快適な運転環境を提供することができ、危険度が低レベルよりも高い注意レベルであると判定すると、運転者に対して車両の走行に関連した道路情報等を提供する割合を上昇させて、運転者に注意を促すことができる。
加えて、エージェント機能部5は、提供した情報に対する運転者の反応が、肯定的,否定的の何れであるかをユーザ対話機能部36により検知し、その検知結果に応じて情報提供の制御状態を変化させるので、運転者が示した反応に応じて情報提供の態様を最適化することができる。
図3は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。第1実施例では、提供した情報に対する運転者の反応を検出するのに、ユーザ対話機能部36を介して運転者が発した音声を認識することで行なった。これに対して、第2実施例では、運転者の反応をより直接的に検出するため、図3に示すように「おせっかいボタン」(反応検出手段)41を、車室内のセンターコンソール付近に設けている。
一方、おせっかいボタン41がオン操作された場合はその時点で情報提供を中止し、ステップS17において当該情報を以降に提供する確率を低下させる。例えば、運転者が良く知っている近隣の店舗の広告情報が提供されたような場合、運転者は、おせっかいボタン41をオン操作して不要な情報の提供を中止させれば良い。
図4は本発明の第3実施例を示すものである。第3実施例において、エージェント機能部5は、第2実施例のおせっかいボタン41を利用して運転者の注意力をチェックする処理を行なう。図4に示すフローチャートは、例えば図2のフローチャートと並行して、所定時間毎に割り込み処理的に実行される。
先ず、エージェント機能部5は、図2におけるステップS1で直接取得した嗜好性情報、或いは図2のフローチャートに従う処理をある程度の期間に亘って実行した結果として把握される運転者の嗜好性に基づき、運転者にとって不要であろうと思われる蓋然性が高い情報を敢えて提供してみる(ステップS21)。そして、その情報提供に対し、運転者がおせっかいボタン41をオン操作したか否かを判断する(ステップS22)。
一方、不要な情報を提供しても、運転者が所定時間内におせっかいボタン41をオン操作しなければ(ステップS22,「NO」)、運転者は不要な情報の提供を知覚しておらず、注意力が低下していると判定される。従って、この場合は、運転者の注意力を喚起するため音声で警告メッセージを出力させたり(例えば、「注意力が低下しているようです。気をつけて下さい」など)、休憩を取ることを勧めるメッセージを出力する(例えば、「注意力が低下しているようです。休憩をとられては如何でしょうか?」など)(ステップS24)。
運転者識別機能部4は、携帯電話機2,ICカード3の何れか一方から個人情報及び嗜好性情報を取得すれば良い。また、個人情報と嗜好性情報とを必ずしも同じ対象から取得する必要は無く、例えば、前者を携帯電話機2より取得して、後者をICカード3から取得しても良い。
個人情報取得手段は、その他、メモリーカードや車両のキーレスエントリシステムに使用されるリモコンであっても良い。
運転情報取得手段や道路情報取得手段は、上記実施例に開示されているものを全て備える必要は無く、個別の設計に応じて必要となるものを適宜選択すれば良い。
危険レベルは、4段階に判定するものに限らず、2段階,3段階,若しくは5段階以上に判定しても良い。
最初にステップS1において、運転者の嗜好性情報をその個人情報と共に取得することは必ずしも必要ではなく、最初は、運転者を特定する個人情報だけを取得しても良い。そして、最初に提供する情報の種類や割合はデフォルトで設定しておき、そこから、図2のフローチャートを繰り返し実行した結果を分析し、各情報が運転者の嗜好に適合するものかどうかを嗜好性情報取得手段としてのエージェント機能部5が学習して、嗜好性情報を蓄積するようにしても良い。
第2実施例において、プッシュ式のおせっかいボタン41に代えてレバースイッチ(反応検知手段)を設けても良い。
第2実施例において、おせっかいボタン41を、オン操作時における操作速度、若しくは操作強度が測定可能となるように構成する。例えば、操作子の変位量が異なる位置で閉状態となるスイッチを2点設け、それら2点のスイッチが閉じる時間間隔により操作速度等を測定できる。そして、運転者が、提供された情報に対して、原則としておせっかいボタン41をオン操作して反応を返すように設定し、その操作速度の高低,若しくは操作強度の強弱に応じて運転者の反応が肯定的,否定的の何れであるかを検知しても良い。一般に、反応が肯定的である場合は、運転者はスイッチ41を軽く操作し、反応が否定的である場合は逆に強く操作すると推定されるので、操作速度の高低,若しくは操作強度の強弱によってどのような反応を示したのかを妥当に推定することができる。
また、第1実施例では、運転者が発した音声の言語そのものを認識して反応を判断した。その言語自体によって運転者が示した感情を分析することも可能であるが、それに限ることなく、例えばユーザ対話機能部36が、音声認識処理により声の大小(音量)や発声の抑揚などに基づいて運転者が示した感情を分析し、上記と同様に分析結果が「不快」や「怒り」であったと判断した場合、「喜び」や「感謝」であったと判断した場合に応じて情報の提供率を変化させても良い。
第3実施例の注意力チェック処理を行なう場合、第1実施例のように、運転者の反応を音声認識により行っても良い。
Claims (13)
- 車両の走行中に、運転者に対して各種の情報を提供する車両用情報提供装置において、
運転者を特定するための個人情報を取得する個人情報取得手段と、
前記個人情報に対応する嗜好性情報を取得する嗜好性情報取得手段と、
前記嗜好性情報に適合するように、前記運転者に提供する情報の種類、及び/又は前記運転者に情報を提供する頻度若しくは割合を変化させるように制御する情報提供制御手段とを備え、
前記情報提供制御手段は、提供した情報に対して運転者が反応した場合に、その反応が肯定的,否定的の何れであるかを検知する反応検知手段を備え、前記検知結果に応じて前記運転者が否定的な反応を返した嗜好性情報の提供割合を低下させるように変化させ、
前記嗜好性情報取得手段は、前記各手段を介して取得された情報を記録して分析することで、前記個人情報に対応する嗜好性情報を学習する機能を備えることを特徴とする車両用情報提供装置。 - 前記情報提供制御手段は、運転者が否定的な反応を示す蓋然性が高いと想定される情報を所定のタイミングで提供し、その情報提供に対して前記運転者が反応を返すか否かにより当該運転者の注意力の状態を判定し、注意力が低下していると判定すると、警告情報を提供することを特徴とする請求項1記載の車両用情報提供装置。
- 前記車両が走行している道路の状況に関する情報を取得する道路情報取得手段を備え、
前記情報提供制御手段は、前記道路情報を加味して前記車両の走行状態について危険度を判定し、その危険度のレベルに応じて前記情報提供制御の状態を変化させることを特徴とする請求項1又は2記載の車両用情報提供装置。 - 前記車両の運転状況に関する情報を取得する運転情報取得手段を備え、
前記情報提供制御手段は、前記運転情報を加味して前記車両の走行状態について危険度を判定し、その危険度のレベルに応じて前記情報提供制御の状態を変化させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の車両用情報提供装置。 - 前記情報提供制御手段は、前記取得した情報に基づいて運転者の運転技量を判断し、その運転技量のレベルを考慮して、前記危険度を判定することを特徴とする請求項4記載の車両用情報提供装置。
- 前記情報提供制御手段は、前記危険度が低レベルであると判定すると、運転者に対して「気晴らし系」の情報を提供する割合を上昇させることを特徴とする請求項3乃至5の何れかに記載の車両用情報提供装置。
- 前記情報提供制御手段は、前記危険度が、前記低レベルよりも高い注意レベルであると判定すると、運転者に対して車両の走行に関連した道路情報等を提供する割合を上昇させることを特徴とする請求項6記載の車両用情報提供装置。
- 前記情報提供制御手段は、前記危険度が、前記注意レベルよりも高い警告レベルであると判定すると、運転者に対して車両の走行に関する警告情報を提供することを特徴とする請求項7記載の車両用情報提供装置。
- 前記情報提供制御手段は、前記危険度が、前記警告レベルよりも高い緊急レベルであると判定すると、車両側に配置されている走行制御手段に対して、当該車両の走行を安全な状態にするための制御信号を出力することを特徴とする請求項8記載の車両用情報提供装置。
- 前記反応検知手段は、スイッチで構成され、
前記情報提供制御手段は、前記運転者が、前記提供された情報に対して前記スイッチをオン操作した場合、前記運転者の反応が否定的であると検知することを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の車両用情報提供装置。 - 前記反応検知手段は、オン操作速度若しくはオン操作強度が検出可能であるプッシュスイッチとして構成され、
前記運転者が、前記提供された情報に対して前記プッシュスイッチをオン操作することで反応を返すように設定されている場合、
前記情報提供制御手段は、前記プッシュスイッチのオン操作速度の高低,若しくはオン操作強度の強弱に応じて、前記運転者の反応が肯定的,否定的の何れであるかを検知することを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の車両用情報提供装置。 - 前記反応検知手段は、運転者が発した音声を取得し、その音声を認識することで前記運転者の感情を分析し、その感情に基づいて運転者の反応を検知する音声認識手段とで構成されることを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の車両用情報提供装置。
- 前記反応検知手段は、運転者の顔の画像を撮像し、その画像を認識することで前記運転者の感情を分析し、その感情に基づいて運転者の反応を検知する画像認識手段で構成されることを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の車両用情報提供装置。
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