JP2007534540A - ローラブラインド装置を備えた車両ルーフ - Google Patents

Abstract

本発明は、少なくとも一部が透明なルーフ区間（１０）と、この透明なルーフ区間の下方に配置されたローラブラインド装置（１２）とを備えた車両ルーフに関する。このローラブラインド装置はルーフ縦方向において前後に配置された２本の巻取り軸（１６，１８）と、その間に延設されたブラインド（１４）とを備えている。ブラインドの前端は前側の巻取り軸に、そして後端は後側の巻取り軸に巻取り可能である。両巻取り軸はそれぞれ巻取り方向に付勢されている。両巻取り軸はそれぞれ側方に配置されたガイドに沿ってルーフ縦方向に摺動可能である。巻取り軸（１６，１８）を互いに反対向きにルーフ縦方向に摺動させるために、共通の１個の駆動装置（７０，７２，７４，７６）が設けられている。

Description

本発明は、少なくとも一部が透明なルーフ区間の下方に配置されたローラブラインド装置を備えた車両ルーフに関する。

透明なルーフ区間を有する車両ルーフ用のローラブラインド装置は一般的に、車体に固定された巻取り軸を備えている。この巻取り軸はブラインドを巻取るために巻取り方向に付勢されている。ブラインドの前端には、ブラインドを引き出すための引張り枠が設けられている。

特許文献１には、巻取り軸が車両ルーフの側方ガイドに摺動可能に案内されている車両ルーフ用ローラブラインド装置が記載されている。この巻取り軸は下降した後側の格納位置と透明なルーフ範囲の下方の作用位置との間でその位置を調節可能である。ブラインドを繰り出すために、駆動装置によって駆動される引張り枠がブラインドの前端に設けられている。巻取り軸と引張り枠の側方案内のために、共通の側方案内レールが設けられている。巻取り軸と引張り枠の駆動は押しても曲がりにくい駆動ケーブルを介して２個の別個のモータによって行われる。

更に、分離された２個のローラブラインド装置が透明なルーフ区間の下方においてルーフ縦方向に前後して配置されている車両ルーフが公知である。各ローラブラインド装置はブラインドを巻取り可能な１本の巻取り軸を備えている（例えば特許文献２、特許文献３、特許文献４および特許文献５参照）。この場合、両巻取り軸が連結機構によって互いに連結可能である（特許文献４参照）かあるいは両ブラインドの引張り枠が互いに連結可能である（特許文献３参照）。

２個のローラブラインド装置を前後に配置したこのような構造の場合、ルーフ縦方向において広い範囲を有する透明なルーフ部分を遮光することができるが、構造的なコストが高くつくという欠点がある。

特許文献６によって、２枚のガラスの間にローラブラインド装置を配置した車両ルーフ用日除け装置が知られている。このローラブラインド装置はルーフ縦方向において固定された２本の巻取り軸を備えている。この巻取り軸の間にはブラインドが延設され、このブラインドの各々端部は各巻取り軸に巻取り可能である。ブラインドはルーフ縦方向において、透明度の異なる２つの範囲を有する。巻取り軸は１個のモータまたは２個の別個のモータによって駆動可能である。
独国特許出願公開第１０１４０２３９号明細書 独国特許出願公開第１００１９６６４号明細書 独国特許第１０１２４１００号明細書 独国特許出願公開第１０２０６１６１号明細書 独国特許出願公開第１０２３０４４３号明細書 独国特許出願公開第１９７２２７２２号明細書

本発明の課題は、高さができるだけ低くかつフレキシブルな遮光機能が達成され、ローラブラインド装置が特に、ルーフ縦方向において広い範囲を有する透明なルーフ区間を遮光するために適している、ローラブラインド装置を備えた車両ルーフを提供することである。

この課題は本発明に従い、請求項１記載の車両ルーフによって解決される。その際、共通の１枚のブラインドのために、ルーフ縦方向において前後に配置した２本の巻取り軸が設けられ、この巻取り軸の一方がルーフ縦方向に摺動可能であることにより、一方では所望な遮光状態のフレキシブルで無段の細かな調節が達成され、他方では比較的に低い高さが達成可能であるという利点がある。低い高さが達成可能である理由は、巻取りの際にブラインドの容積が２本の巻取り軸に分配され、従って巻取り状態で比較的に小径の巻取り軸が実現可能であることにある。それによって、このローラブラインド装置は特に、ルーフ縦方向において比較的に広い範囲を有する透明なルーフ区間に適している。

上記課題の本発明による代替的な解決策は、請求項４記載の車両ルーフによって実現される。その際、両巻取り軸は共通の１個の駆動装置によってルーフ縦方向に逆向きに摺動可能である。それによって、所望な遮光状態のフレキシブルで無段の細かな調節が低い高さで達成可能である。更に、共通の１個の駆動装置を使用したことにより、構造的なコストおよび必要スペースが小さくて済む。

更に、本発明の課題は、できるだけ簡単に構成され、それにもかかわらず容易に操作可能であるローラブラインド装置を提供することである。

この課題は、請求項８記載の車両ルーフによって解決される。その際、摺動可能な巻取り軸と引張り枠のために共通の１個の駆動装置を設けることにより、容易な操作と共に簡単な構造が達成可能である。

本発明の有利な実施形は従属請求項から明らかである。

次に、添付の図に基づいて本発明を例示的に詳しく説明する。

図１には、少なくとも一部が透明なルーフ区間１０を有する車両ルーフが概略的に示してある。この車両ルーフはいわゆるパノラマルーフである。透明なルーフ区間１０は例えば固定されたガラス板または合成樹脂板によって形成可能である。その代わりに、透明なルーフ区間は少なくとも一部を、外側ガイド式スライドルーフの透明なリッドによって形成可能である（図１に図示せず）。

透明なルーフ区間１０の下方には、ローラブラインド装置１２が設けられている。このローラブラインド装置はブラインド１４と、ルーフ縦方向において前後に配置された２本の巻取り軸１６，１８を備えている。この場合、ブラインド１４の前端は前側の巻取り軸１６に、そしてブラインドの後端は後側の巻取り軸１８に巻取り可能である。両巻取り軸１６，１８はそれぞれ、例えば適当なばねによって、巻取り方向に付勢されている。それによって、ブラインド１４はすべての位置でぴんと張られ、しわの形成が回避される。

ブラインド１４はそれ自体公知のごとく、例えば繊維材料、特に車両ルーフのルーフ内張りの色をした繊維材料、網目の布またはフィルム、穴あきブラインド生地あるいはＰＶＣ生地から製作可能である。

両巻取り軸１６，１８はそれぞれ側方に配置された車体固定のガイドに沿ってルーフ縦方向に摺動可能である。これは両巻取り軸１６，１８にとって共通の１個の駆動装置によって行われる。それによって、所望な遮光状態の無段階の細かな調節が簡単に達成可能である。図１に示した位置からの両巻取り軸１６，１８の摺動方法が、図１に矢印によって概略的に示されている。

図２は、ローラブラインド装置の実施の形態を下から見た概略図である。この実施の形態の場合、ブラインド１４を備えたルーフ縦方向に摺動可能な２本の巻取り軸１６，１８のための共通の１個の駆動装置が設けられている。

駆動装置はピニオン７２を駆動して回転運動させる（図２の矢印参照）モータ７０を備えている。駆動ケーブルを駆動して摺動させるために（図１３の矢印参照）、ピニオン７２の外周は向き合った側で、ほぼ平行に延びる、押しても曲がりにくい２本の駆動ケーブル７４，７６にかみ合っている。ピニオン７２は両駆動ケーブル７４，７６の間に配置されている。

駆動ケーブル７４の押し側の端部７４Ａと駆動ケーブル７６の押し側の端部７６Ａはそれぞれ、巻取り軸１６の側方端部に作用している。一方、駆動ケーブル７４の引張り側の端部７４Ｂと駆動ケーブル７６の引張り側の端部７６Ｂはそれぞれ、巻取り軸１８の側方端部に作用している（この用語“押し側”または“引張り側”は図１３に例示的に示したピニオン７２の回転方向に関連している）。図２に示したピニオン７２の回転方向の場合、両巻取り軸１６，１８は互いに逆向きに移動する。それによって、ブラインド１４によって遮光される範囲が中心に関して鏡像対称的に小さくなる。ピニオン７２を反対方向に回転させることにより、両巻取り軸１６，１８は互いに離れるように摺動し、ブラインド１４によって遮光される範囲が再び大きくなる。図示した構造により、巻取り軸１６，１８を鏡像対称的に相対摺動させることだけが可能であり、ルーフ縦方向に両巻取り軸１６，１８を一緒に摺動させることはできない。

図３には、図２の変形実施の形態が示してある。この場合、前側の巻取り軸１６はブラインド１４の自由端に固定連結された引張り枠７８によって置き換えられている。この引張り枠７８は巻取り軸１６と同様に、側方においてルーフ縦方向に摺動可能に支承されている。

図４には、図２の変形実施の形態が示してある。この場合、前側の巻取り軸１６はルーフ縦方向に動かぬように形成され、駆動ケーブル７４，７６に連結されていない。

本発明による車両ルーフの一例を概略的に示す側面図である。 本発明によるローラブラインド装置を下側から見た概略図であり、摺動可能な２本の巻取り軸のために共通の１個の駆動装置が設けられている。 両巻取り軸の一方が引張り枠によって置き換えられている、図２と同様な図である。 両巻取り軸の一方が摺動のために駆動され、他方が摺動不能である、図２と同様な図である。

符号の説明

１０…透明なルーフ区間、１２…ローラブラインド装置、１４…ブラインド、１５…中間枠、１６…前側巻取り軸、１８…後側巻取り軸、７０…モータ、７２…ピニオン、７４…駆動ケーブル、７６…駆動ケーブル、７４Ａ…駆動ケーブル７４の押し側の端部、７４Ｂ…駆動ケーブル７４の引張り側の端部、７６Ａ…駆動ケーブル７６の押し側の端部、７６Ｂ…駆動ケーブル７６の引張り側の端部、７８…引張り枠

Claims (9)

1. 少なくとも一部が透明なルーフ区間（１０）と、この透明なルーフ区間の下方に配置されたローラブラインド装置（１２）とが備えられ、該ローラブラインド装置がルーフ縦方向において前後に配置された２本の巻取り軸（１６，１８）と、該巻取り軸の間に延設されたブラインド（１４）とを備え、該ブラインドの前端が前側の巻取り軸に、そして後端が後側の巻取り軸に巻取り可能であり、前記両巻取り軸がそれぞれ巻取り方向に付勢され、前記両巻取り軸の一方の巻取り軸（１８）が側方に配置されたガイドに沿ってルーフ縦方向に摺動可能であり、他方の巻取り軸（１６）がルーフ縦方向において固定されている、車両ルーフ。
2. 摺動可能な前記巻取り軸（１８）をルーフ縦方向に摺動させるために、１個の駆動装置（７０，７２，７４，７６）が設けられていることを特徴とする、請求項１に記載の車両ルーフ。
3. 前記駆動装置が１個のモータ（７０）と、該モータによって逆向きに駆動される、押しても曲がりにくい２本の駆動ケーブル（７４，７６）とを備え、該駆動ケーブル（７４，７６）が摺動可能な前記巻取り軸（１６，１８）に側方から作用していることを特徴とする、請求項２に記載の車両ルーフ。
4. 少なくとも一部が透明なルーフ区間（１０）と、この透明なルーフ区間の下方に配置されたローラブラインド装置（１２）とが備えられ、該ローラブラインド装置がルーフ縦方向において前後に配置された２本の巻取り軸（１６，１８）と、該巻取り軸の間に延設されたブラインド（１４）とを備え、該ブラインドの前端が前側の巻取り軸に、そして後端が後側の巻取り軸に巻取り可能であり、前記両巻取り軸がそれぞれ巻取り方向に付勢され、前記両巻取り軸が側方に配置されたガイドに沿ってルーフ縦方向に摺動可能であり、前記巻取り軸（１６，１８）をルーフ縦方向に互いに逆向きに摺動させるために、共通の１個の駆動装置（７０，７２，７４，７６）が設けられている、車両ルーフ。
5. 前記駆動装置が１個のモータ（７０）と、該モータによって逆向きに駆動される、押しても曲がりにくい２本の駆動ケーブル（７４，７６）とを備え、該駆動ケーブルがそれぞれ２つの端範囲（７４Ａ，７４Ｂ，７６Ａ，７６Ｂ）を有し、前記モータが前記両端範囲の間に作用し、前記端範囲の各々が前記各巻取り軸（１６，１８）に側方から作用していることを特徴とする、請求項４に記載の車両ルーフ。
6. 前記モータ（７０）に関して同じ方向に移動する前記各駆動ケーブル（７４，７６）の前記端範囲（７４Ａ，７６Ａ；７４Ｂ，７６Ｂ）がそれぞれ、同じ巻取り軸（１６，１８）に作用していることを特徴とする、請求項５に記載の車両ルーフ。
7. 前記モータ（７０）が共通の１個のピニオン（７２）によって前記駆動ケーブル（７４，７６）を駆動し、前記両駆動ケーブルが前記ピニオンの範囲においてほぼ平行に延び、前記ピニオンが前記両駆動ケーブルの間に配置され、かつその外周が向き合った側で各駆動ケーブルにかみ合っていることを特徴とする、請求項４〜６のいずれか一つに記載の車両ルーフ。
8. 少なくとも一部が透明なルーフ区間（１０）と、この透明なルーフ区間の下方に配置されたローラブラインド装置（１２）とが備えられ、該ローラブラインド装置が巻取り方向に付勢された１本の巻取り軸（１８）と、該巻取り軸に巻取り可能なブラインド（１４）とを備え、該ブラインドの自由端が引張り枠（７８）を備え、前記巻取り軸と前記引張り枠が側方に配置されたガイドに沿ってルーフ縦方向に摺動可能である、車両ルーフにおいて、前記巻取り軸（１８）と前記引張り枠（７８）をルーフ縦方向に互いに逆向きに摺動させるために、共通の１個の駆動装置（７０，７２，７４，７６）が設けられていることを特徴とする車両ルーフ。
9. 前記駆動装置が１個のモータ（７０）と、該モータによって逆向きに駆動される、押しても曲がりにくい２本の駆動ケーブル（７４，７６）とを備え、該駆動ケーブルがそれぞれ２つの端範囲（７４Ａ，７４Ｂ，７６Ａ，７６Ｂ）を有し、前記モータが前記両端範囲の間に作用し、前記モータに関して同じ方向に移動する前記各駆動ケーブル（７４，７６）の前記端範囲（７４Ａ，７６Ａ；７４Ｂ，７６Ｂ）が前記巻取り軸（１８）または引張り枠（７８）に作用していることを特徴とする、請求項８に記載の車両ルーフ。

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