JP2007529913A - クロック再生回路およびこれを用いた受信装置 - Google Patents
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Abstract
検波信号には、シンボル交番するプリアンブル部を先頭として、ユニークワード部とデータ部とが含まれている。ゼロクロス検出部は、検波信号の符号変化であるゼロクロスを検出し、ゼロクロス間隔検出部はゼロクロスが発生した時間間隔をカウントする。ゼロクロス1間隔判定部は、ゼロクロス間隔信号が所定範囲内であるかを判定し、ゼロクロス2間隔判定部は、隣接する2つのゼロクロス間隔信号を加算し、ゼロクロス2間隔信号が所定範囲内であるかを判定する。ゼロクロス制御部は、判定結果をもとにゼロクロス信号を制御して、有効ゼロクロス信号を出力する。ゼロクロス切替部はフレーム受信検出部が出力するフレーム受信信号をもとにゼロクロス信号と有効ゼロクロス信号とを切り替え、有効位相誤差情報を出力する。クロック生成部は有効位相誤差情報を入力として、シンボルクロックを生成する。
Description
Frequency Control)により行われる。
図37は、特許文献1に記載されたクロック再生回路におけるエラー選択回路の構成を示すブロック図である。図37に示すエラー選択回路は、ゼロポイント情報をTカウント回路3700でカウントし、エラー選択制御信号発生器3701で所定の範囲内にあるかを判定する。さらに、Dフリッププロップ回路で記憶されている1つ前のTcountも評価し、エラー選択制御信号3710とする。
Ma1: ma・exp(π/8)、 Mb1: mb・exp(3π/8)
Ma2: ma・exp(5π/8)、 Mb2: mb・exp(7π/8)
Ma3: ma・exp(9π/8)、 Mb3: mb・exp(11π/8)
Ma4: ma・exp(13π/8)、 Mb4: mb・exp(15π/8)
で表される。よって、隣接する中間点(Ma1とMb1、Mb1とMa2、Ma2とMb2、Mb2とMa3、Ma3とMb3、Mb3とMa4、Ma4とMb4、Mb4とMa1)における遅延検波出力は、どの組み合わせにおいても、
(数1)
mamb・exp(π/4)
となる。これは、遅延検波信号の遷移が2つの信号点の中間において、必ずπ/4の位相方向に成分をもつことを示す。すなわち、交番軸に対して同じ方向を遷移することを意味する。このため、π/4シフトDQPSK方式では、ビット系列が「10 01」の繰り返しパターンの場合、遅延検波の信号遷移が弓形になる。
図9は、位相ずれがない場合のゼロクロス信号のタイミングチャートである。図6の信号遷移からもわかるように、位相ずれがない場合、同相軸と直交軸のそれぞれで、シンボル周期でゼロクロスが発生するため、再生するシンボルクロックに対して、同相軸と直交軸の両軸のゼロクロス信号が、1シンボル間隔で発生し、連続して同じ位相誤差EI、EQになる。したがって、クロックの位相誤差情報として有効である。
図11は、図10に示す検波信号が、同相軸と直交軸を交差する様子を示した模式図である。遷移ABの殆どは、以下の4通りに分類される。
遷移AB123 :信号が第1象限→第2象限→第3象限に遷移する場合。
遷移AB412 :信号が第4象限→第1象限→第2象限に遷移する場合。
遷移AB4123:信号が第4象限→第1象限→第2象限→第3象限に遷移する場合。
図12は、遷移AB4123におけるゼロクロス信号と位相誤差を示す模式図である。
ここで、入力信号がPRに対応するもので、検波信号が交番する場合に、特許文献1に示されるエラー選択回路を用いて位相誤差情報の有効性を判断することを考える。例えば、1シンボル周期内で2回のゼロクロス信号が発生し、その周期が等間隔(=0.5T:Tはシンボル周期)である場合を考える。この場合、本来、捕捉すべきアイパターンの左右に、偽のアイが存在することになる。このような信号から真のアイを特定して位相誤差情報として抽出できることが必要になるが、特許文献1の従来のエラー選択回路において、Tcminを0.5Tより小さく設定すると、シンボル周期当たり2回のすべてのゼロクロス信号が有効となってしまうのでクロック再生が不安定になる。逆に、Tcminを0.5Tより大きく設定すると、全てのゼロクロス信号を無効にしてしまうので、位相誤差情報を検出することができず、クロック再生が不可能になる。このように、従来のエラー選択回路を周波数ずれによる検波軸の位相ずれのもとでPR交番パターン受信時に適用した場合、正常なクロックの引き込み動作が実現できない現象が生じる問題があった。
そのようにして作成したシンボルクロックを有効位相誤差情報とすることにより、プリアンブルに内在する周期性をより有効に抽出することができ、再生するシンボルクロックの位相の引き込みを速くすることができる。
前記各処理部は、ゼロクロス間隔N個分の間隔検出部とゼロクロス間隔M個分の間隔検出部とを備え(N、Mは正の整数で、N>Mである)、同相成分信号および直交成分信号から得たゼロクロス信号を対象として、それぞれゼロクロス間隔N個分の間隔が所定時間内か並びにゼロクロス間隔M個分の間隔が所定時間内かを判定し、いずれかが所定時間から外れている場合にそのゼロクロス間を無視し、
前記クロック生成部は、一方の処理部がゼロクロス間を無視し、他方の処理部がゼロクロス間を有効とする場合は、有効とした処理部が生成する位相誤差情報信号を基にシンボルクロックの位相を調整して出力することを特徴としている。
更に、本発明は、プリアンブルを含む入力信号からシンボルクロックを再生するクロック再生回路であって、前記入力信号からゼロクロスの時間位置を検出し、ゼロクロス信号を出力するゼロクロス検出部と、前記ゼロクロス信号から隣接するゼロクロス間の時間間隔を求め、ゼロクロス間隔信号を出力するゼロクロス間隔検出部と、前記ゼロクロス間隔信号が、所定間隔内であるか否かを判定するゼロクロス間隔1個分の間隔判定部と、隣接する2つのゼロクロス間隔信号を加算してゼロクロス間隔2個分の間隔信号を生成し、その信号が示すゼロクロス間隔2個分の間隔が所定間隔内であるかを判定するゼロクロス間隔2個分の間隔判定部と、前記ゼロクロス間隔1個分の間隔判定部の判定結果と前記ゼロクロス間隔2個分の間隔判定部の判定結果をもとに、該当するゼロクロス信号を有効または無効にし、位相誤差情報信号を出力するゼロクロス制御部と、前記位相誤差情報信号をもとにシンボルクロックを生成するクロック生成部とを備えることを特徴としている。
ゼロクロス間隔2個分の間隔判定部の所定間隔は、最小間隔が1シンボル長以上、2シンボル長以下の時間長で設定されていてもよい。また、最大間隔が2シンボル長以上、3シンボル長未満の時間長で設定されていてもよい。
更に本発明は、プリアンブルと特定パターンとデータとを含んだフレーム構造を持つ変調信号を受信する受信装置であって、受信信号を検波し、同相検波信号と直交検波信号を出力する検波部と、前記同相検波信号と前記直交検波信号からシンボルクロックを再生するクロック再生部とを含み、前記クロック再生部は、前記検波部の出力から特定パターンを検出し、前記データを受信中であることを示すフレーム受信信号を出力するフレーム受信検出部と、前記同相検波信号と前記直交検波信号から、それぞれのゼロクロスの時間位置を検出し、同相ゼロクロス信号と直交ゼロクロス信号を出力するゼロクロス検出部と、前記同相ゼロクロス信号と前記直交ゼロクロス信号から、それぞれの隣接するゼロクロスの時間間隔を求め、同相ゼロクロス間隔信号と直交ゼロクロス間隔信号とを出力するゼロクロス間隔検出部と、前記同相ゼロクロス間隔信号と前記直交ゼロクロス間隔信号から、それぞれの隣接する2つのゼロクロス信号の中央の時間位置を示す同相ゼロクロス中央信号と直交ゼロクロス中央信号を出力するゼロクロス中央検出部と、前記同相ゼロクロス間隔信号と前記直交ゼロクロス間隔信号とが所定間隔内であるかを判定するゼロクロス間隔1個分の間隔判定部と、同相成分、直交成分のそれぞれについて、隣接する2つのゼロクロス間隔信号を加算し、ゼロクロス間隔2個分の間隔信号を生成し、生成した同相ゼロクロス間隔2個分の間隔信号と直交ゼロクロス間隔2個分の間隔信号がそれぞれ所定間隔内であるかを判定するゼロクロス間隔2個分の間隔判定部と、ゼロクロス間隔1個分の間隔判定部の判定結果およびゼロクロス間隔2個分の間隔判定部をもとに、前記同相ゼロクロス中央信号と前記直交ゼロクロス中央信号を、それぞれ有効または無効にするゼロクロス中央制御部と、フレーム受信検出部の検出するフレーム受信信号に基づいて、前記ゼロクロス検出部から出力される同相ゼロクロス信号、前記直交ゼロクロス信号と、前記ゼロクロス中央制御部で有効とされた同相有効ゼロクロス中央信号および直交有効ゼロクロス中央信号を切り替えるゼロクロス切替部と、前記ゼロクロス切替部が出力する同相位相誤差情報信号と直交位相誤差情報信号をもとに、シンボルクロックを生成するクロック生成部とを備えることを特徴としている。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るクロック再生回路の構成を示すブロック図である。図1に示すクロック再生回路1は、ゼロクロス検出部101と、ゼロクロス間隔検出部102と、ゼロクロス1間隔検出部103と、ゼロクロス2間隔検出部104と、ゼロクロス制御部105とゼロクロス切替部106と、クロック生成部107と、フレーム受信検出部108とを備える。クロック再生回路1には、図2に示されるフレーム構造をした検波信号が入力される。
ゼロクロス検出部101は、図13に示すように、サンプル遅延器1300、1301と、排他的論理和回路1302、1302を含む。サンプル遅延器1300、1301は、同相検波信号の符号112と直交検波信号の符号113を、それぞれ1サンプル遅延させ、現在の信号と1サンプル遅延した信号とで排他的論理和を取ることで、検波信号の符号112、113の変化を検出する。すなわち、検波信号412の同相成分と直交成分に対し、それぞれのゼロクロスを検出し、同相ゼロクロス信号114と直交ゼロクロス信号115を出力する。以下の説明において、同相と直交を略して、単にゼロクロス信号と称した場合は、同相と直交の両方を含む。他の名称についても同様に扱う。
次に、図1のゼロクロス2間隔判定部104の詳細な構成を図16に示す。ゼロクロス2間隔判定部104は、ゼロクロス間隔記憶部1600、1601、加算器1602、1603、2間隔判定部1604、1605を含む。同相ゼロクロス間隔信号116は、ゼロクロス間隔記憶部1600で、同相間隔検出信号117が発生する度に順次記憶される。加算器1602で、現在の同相ゼロクロス間隔信号116と、一つ前の同相ゼロクロス間隔1610を加算し、同相ゼロクロス2間隔信号1612を算出する。そして、2間隔判定部1604で、最小2間隔長T2minと、最大2間隔長T2maxを閾値として、同相ゼロクロス2間隔長1612が所定の範囲内であるかを判定する。
なお、直交成分については図16にも図17にも、示していないが、同相成分と同様で、直交ゼロクロス間隔信号118を判定し、直交2間隔制御信号123が出力される。
図20(A)は、ゼロクロス切替部106の構成を示すブロック図である。ゼロクロス切替部は選択回路2000を備え、図20(B)に示す真理値表にしたがって動作する。制御信号Sが0の場合は、出力(C1、C2)に入力(B1、B2)を選択し、Sが1の場合は、入力(A1、A2)を選択する。この選択回路2000により、フレームの受信に際し、PRとUWを受信するまで、すなわち、フレーム受信信号129がLレベルの場合は、同相有効ゼロクロス信号124と直交有効ゼロクロス信号125を、それぞれ、同相位相誤差情報126と直交位相誤差情報127として出力し、UWを受信した後、すなわち、フレーム受信信号がHレベルの場合は同相ゼロクロス信号114および直交ゼロクロス信号115を位相誤差情報として出力する。
フレーム受信検出部108は、UW検出部2200とフレーム終端検出部2201とフレーム受信信号生成部2202を備える。UW検出部2202は、検波信号110、111とシンボルクロック128を基にUWを検出し、UW検出信号2210を出力する。フレーム終端検出部2201は、フレームの終端を検出し、フレーム終端検出信号2211を出力する。フレーム受信信号生成部2202は、UW検出信号2210とフレーム終端検出信号2211とを基に、フレーム受信信号129を出力する。このように、フレーム受信検出部108は、フレームの受信状態を制御する信号であるフレーム受信信号129を出力する。
PRの先頭を受信しているとき、すなわち、UWの受信が完了するまではLレベルで、UWを検出後、データ部を受信している間はHレベルを維持する。したがって、ゼロクロス切替部は、フレーム受信信号がLレベルであれば、有効ゼロクロス信号を出力し、Hレベルであればゼロクロス信号を出力する。
場合に、ゼロクロス信号を有効にする。すなわち、確からしいアイのみを位相誤差情報にするので、バースト先頭におけるクロック再生の位相引き込みを速くすることが特徴である。
図24は、位相ずれ+45度と雑音を含むπ/4シフトDQPSKの検波信号の交番パターン時の遷移を示す。検波部401に入力する信号は、サンプリングされたディジタル信号であって、1シンボルあたり12サンプルでサンプリングされているものとする。入力信号を
(数2)
S(n)=I(n)+j・Q(n) (n=0,1,2,3,・・・)
とし、同相成分をI(n)、直交成分をQ(n)とする。
(数3)
D(n)={I(n)+j・Q(n)}・{I(n−12)+j・Q(n−12)}*
(n=12,13,14,・・・)
と表される。なお、式の中で、*は複素共役を示す。
図25において、同相ゼロクロス信号がHレベルになった時間位置を、時間の古い順に、ZIa、ZIb、ZIc、ZId、ZIe、ZIf、ZIgとする。ゼロクロス間隔検出部116で、同相ゼロクロス信号116が発生したサンプル間隔をカウントする。図25おいて、ZIaとZIbのサンプル間隔が5サンプルであることを示す。同相ゼロクロス間隔信号116は、ゼロクロス1間隔判定部103で、最小間隔T1minと最大間隔T1maxの所定範囲内にあるかを判定する。
したがって、ゼロクロス1間隔判定部103では、同相ゼロクロス間隔信号116について、6サンプル以上、18サンプル以下の間隔、すなわち、ZIbとZIc間のL1Ibcと、ZIdとZIe間のL1Ideと、ZIeとZIf間のL1Iefで有効になり、同相1間隔長制御信号120がHレベルで出力される。一方、ZIaとZIb間のL1Iabと、ZIcとZId間のL1Icdで無効になるため、同相1間隔長制御信号120がLレベルで出力される。
このように、交番パターンにおいて、ゼロクロスの発生間隔が短くなる場合、ゼロクロスの発生間隔について1つの間隔だけで判定すると有効になる場合でも、2つの間隔も合わせて判定すると無効になる。したがって、より正確に有効なアイを選別し、有効な位相誤差情報を得ることができる。
図26は、位相ずれ+45度と雑音を含んだ検波信号の直交軸成分に関する信号のタイミングチャートの一部を示す。図26において、直交ゼロクロス信号115がHレベルになった時間位置を、ZQa、ZQb、ZQc、ZQdとして示す。ゼロクロス間隔検出部102 で、直交ゼロクロス信号115がHレベルになるサンプル間隔をカウントする。図26おいて、ZQaとZQbのサンプル間隔が12サンプル、ZQbとZQcのサンプル間隔が11サンプルであることを示す。直交ゼロクロス間隔信号118はゼロクロス1間隔判定部103で、直交ゼロクロス間隔信号118が最小間隔6サンプルと最大間隔18サンプルの範囲内にあるかを判定する。したがって、ゼロクロス1間隔判定部103において、直交ゼロクロス間隔信号118のすべてが有効になり、直交1間隔長制御信号121がすべてHレベル(有効)で出力される。
図27は、本発明の第2の実施形態に係るクロック再生回路27の構成を示すブロック図である。クロック再生回路27は、ゼロクロス検出部101、ゼロクロス間隔検出部102、ゼロクロス中央検出部2700、ゼロクロス1間隔判定部103、ゼロクロス2間隔判定部104、ゼロクロス中央制御部2701、ゼロクロス切替部106を備える。
図29は、ゼロクロス中央検出部2700の詳細な構成を示すブロック図である。
ゼロクロス中央検出部2700は、2分の1回路2900、2901と、カウンタ2902、2903と、パルス発生器2904、2905とからなる回路で構成される。同相ゼロクロス間隔信号116と直交ゼロクロス間隔信号118は、2分の1回路2900、2901に加えられ、その信号が示す時間間隔の2分の1の値を求め、カウンタ2902、2903にセット信号として入力される。カウンタ2902、2903にはリセット信号として同相間隔タイミング信号117と直交間隔タイミング信号119が加えられていて、前記2分の1回路2900、2901で求めた値にセットされた後、リセットされるまでの間、パルス発生器2904、2905が発生するパルスをカウントする。リセット直前にパルスを発生し、同相ゼロクロス中央信号2710と直交ゼロクロス中央信号2711として出力される。
同相ゼロクロス中央信号2710、ゼロクロス1回分の同相間隔長制御信号120およびゼロクロス2回分の同相間隔制御信号122のもとになった同相ゼロクロス信号114も合わせて示す(図32中、点線で囲んだ信号)。同相ゼロクロス中央信号2710に対し、ゼロクロス1回分の同相間隔長制御信号120またはゼロクロス2回分の同相間隔制御信号122がLレベル(無効)の場合、無効(Lレベル)にする。図32においては、同相ゼロクロス中央信号のCIbとCIeが無効になり、同相有効ゼロクロス中央信号2712が出力される。なお、同相ゼロクロス中央信号2710と、ゼロクロス1回分の同相間隔長制御信号120およびゼロクロス2回分の同相間隔制御信号122の処理遅延差を吸収するために、遅延調整部3100で、同相ゼロクロス中央信号2710を固定遅延T2setだけ遅延させておく。同相軸に関する信号について述べたが、直交軸に関しても同様な処理が行われる。
次に、本発明の第2の実施形態に係るクロック再生回路の具体的な動作例を示す。信号として、特許文献2に示されるPSK−VP方式で変調されたフレームを受信する場合を述べる。
遅延波の遅延量が、シンボル長Tに対してT/2を超える場合でも、マルチパスの位相関係によらずアイが開き、復調できることが特徴である。
ここでは、図5のπ/4シフト系の位相遷移に従うQPSK−VP方式(以下、π/4シフトDQPSK−VP方式)で検討する。π/4シフトDQPSK−VP方式は、第1の実施形態で示したπ/4シフトDQPSK方式の場合と同様に、検波信号の遷移が弓形になり、この現象は、特にマルチパス環境において顕著に表れる。以下において、マルチパス環境として2波モデルを想定する。
た場合である。位相ずれと雑音は付加していない。このように、シンボル間の遷移の途中が原点を通らず、さらに交番軸に対して同じ方向を遷移する弓形になり、大きく湾曲する。
位相ずれが±45度の場合、図33に示した信号遷移が、図6に示したπ/4シフトDQPSK方式の信号遷移と同様に弓形であることから、第1の実施形態で述べたようなゼロクロス1回分の間隔判定部103とゼロクロス2回分の間隔判定部104を用いて位相誤差情報を抽出する効果は、本実施形態に係るクロック再生回路27でも同様に有する。したがって、第2の実施形態においては、位相ずれが+20度の場合で説明する。
検波部401に入力する信号は、サンプリングされたディジタル信号であって、1シンボルあたり16サンプルでサンプリングされているものとする。
入力信号を
(数4)
S2(n)=I2(n)+j・Q2(n) (n:正の整数)
とし、同相成分をI2(n)、直交成分をQ2(n)とする。
(数5)
D2(n)={I2(n)+j・Q2(n)}・{I2(n-16)+j・Q2(n-16
)}*
(n=16,17,18,・・・)
と表される。
図35において、同相ゼロクロス信号114がHレベルになった時間位置を、時間の古い順に、ZIa、ZIb、ZIc、ZId、ZIe、ZIfとする。ゼロクロス間隔検出部102で、同相ゼロクロス信号114が発生したサンプル間隔をカウントする。図35おいて、ZIaとZIbのサンプル間隔L1Iabが7サンプルであることを示す。同相ゼロクロス間隔信号116は、ゼロクロス1間隔判定部101で、最小間隔T1minと最大間隔T1maxの所定範囲内にあるかを判定する。ここでは、第1の実施例と同様に、Tをシンボル周期として、T1min=0.5T=8サンプル、T1max=1.5T=24サンプルに設定する。したがって、ゼロクロス1間隔判定部101では、図35に示す同相ゼロクロス間隔信号116について、8サンプル以上、24サンプル以下の間隔、すなわち、ZIbとZIc間のL1Ibcと、ZIdとZIe間のL1Ideで有効になり、同相1間隔長制御信号120がHレベルで出力される。一方、ZIaとZIb間のL1Iabと、ZIcとZId間のL1Icdで無効になり、同相1間隔長制御信号がLレベルで出力される。
このように、ゼロクロスの発生間隔が短くなる部分で発生するゼロクロス中央信号を無効にし、長くなる部分を有効にする。また、入力信号が交番パターンであるので、ゼロクロス中央信号は、シンボル周期の整数倍で出力される。したがって、より正確に有効なアイを選別し、有効な位相誤差情報を得ることができる。
図36は、位相ずれ+20度と雑音を含んだ検波信号の直交軸成分に関するタイミングチャートを示す。
図36において、直交ゼロクロス信号115がHレベルになった時間位置を、ZQa、ZQb、ZQc、ZQd、ZQe、ZQfとして示す。ゼロクロス間隔検出部102で、直交ゼロクロス信号115がHレベルになるサンプル間隔をカウントする。図36おいて、ZQaとZQbのサンプル間隔が12サンプル、ZQbとZQcのサンプル間隔が22サンプルであることを示す。ゼロクロス1回分の間隔判定部101は、直交ゼロクロス間隔信号118が最小間隔8サンプルと最大間隔24サンプルの範囲内にあるかを判定する。したがって、ゼロクロス1回分の間隔判定部101において、直交ゼロクロス間隔信号118のすべてが有効になり、直交ゼロクロス1回分の間隔長制御信号121がHレベルで出力される。
以上に示すように、図34に示すようなマルチパス環境で弓形に変形した検波信号に対し、フレーム先頭のPR部の交番パターンで,シンボル周期から外れた同相成分のゼロクロス信号を無効にし、シンボル周期で発生する直交成分のゼロクロス信号を有効することができるので、バースト先頭におけるシンボルクロックの位相引き込みを速くすることができる。なお、以上の説明では、位相ずれに関して+20度の場合を示したが、−20度の場合は、同様に直交ゼロクロス中央信号2713を無効にし、シンボル周期で発生する同相ゼロクロス信号が有効にするので、同様の効果が得られる。
上記各実施の形態は、本発明の最良の実施形態を示したものであり、本発明が上記実施の形態に限定解釈されないことは勿論である。以下に、本発明が適用できる範囲を列挙しながら説明する
(A)実施の形態2では、変調方式としてπ/4シフトDQPSK−VP方式を用いているが、π/4シフトDQPSK方式においても、図11に示す遷移AB123と遷移AB412の場合で、同様の効果を期待できる。遷移AB12の場合は、片方軸(図11では、同相軸)で最大1間隔長T1maxを越えるので、その位相誤差情報のみを無効にする。
(B)本発明は、さらに、入力信号の中に、隣接するシンボルの位相が180度反転する交番パターンを含む場合に適応可能であるため、変調方式には依存せず、BPSK方式やQPSK方式とπ/4シフトQPSK、8相PSK方式とπ/8シフト8相PSK方式、さらに、8相PSK−VP方式とπ/8シフト8相PSK―VP方式などのPSKディジタル変調方式に対して効果を発揮する。
図38は、π/8シフト8相PSK方式における検波前信号の信号空間ダイアグラムである。
図39は、π/8シフト8相PSK方式の差動符号化規則の一例である。
図38において、送信データ3ビットを組に1シンボルに割り当てられ、図39に示す差動符号化規則に応じてシンボルが遷移する。例えば点Aから、送信データに応じてS1からS8の信号点に遷移する。
図41は、π/8シフト8相PSK方式による検波前信号の交番パターン時の信号遷移である。
例えば、図40に示すように、プリアンブルの交番パターンとして、ビット系列で[011 101]を繰り返した系列を用いてS3とS7を選択する。このとき、信号点の遷移は、図41のように―3π/8と5π/8とを繰り返す。
このとき、図42に示す信号の遷移の中間点(Man、Mbn⊆ n=1,2,3,4)に着目すると、
Ma1: ma・exp(π/16)、 Mb1: mb・exp(3π/16)
Ma2: ma・exp(5π/16)
Ma3: ma・exp(9π/16)、 Mb2: mb・exp(11π/16)
Ma4: ma・exp(13π/16)
と表される。よって、隣接する中間点(Ma1とMb1、Mb1とMa2、Ma3Mb2とMb2、Mb2とMa4)における遅延検波出力は、どの組み合わせにおいても、
[数2]
mamb・exp(π/8) (式2)
となる。これは、遅延検波信号の遷移が2つの信号点の中間において、必ずπ/8の位相方向に成分をもつことを示す。図42においては遷移の一部を示したが、他の遷移も同様である。
図43は、π/8シフト8相PSK方式における交番パターン時の信号遷移である。
図43に示すように、遷移の中間点において交番軸に対して垂直方向のπ/8の位相方向に成分をもち、交番軸に対して同じ方向を遷移することを意味する。このように、π/8シフト8相PSK方式では、ビット系列が信号空間で交番パターンである場合、遅延検波の信号遷移が弓形になる。したがって、図44に示すような位相ずれ+67.5度の場合に1シンボル周期にゼロクロス点が複数回発生する。そこで、本発明に係るクロック再生回路において、波信号をゼロクロス信号とすれば、このように1シンボル周期にゼロクロス点が複数回発生するゼロクロス信号に対して効果的にゼロクロス信号の有効無効を判定するので、バースト先頭におけるシンボルクロックの位相引き込みを速くすることができる。なお、π/8シフト8相PSK―VP方式の場合も、信号空間ダイアグラムは図38に示すπ/8シフト8相PSK方式と同じなので、同様の効果を発揮する。
(C)上記(B)で説明したように、本発明に係るクロック再生回路は、特に、隣接シンボルの信号点が所定位相シフトした2組の信号点を遷移するπ/4シフトQPSKやπ/8シフト8相PSK方式などにおいて、交番パターン時の信号遷移が弓形になるために効果を発揮するが、位相シフトしない、BPSK方式(Binary Phase Shift Keying方式)、QPSK方式(Binary Phase Shift Keying方式)、8相PSK方式などにも適用できる。
以下にこの点を説明する。
BPSK方式に適用できる理由
図45は、BPSK方式の検波信号の信号空間ダイアグラムである。
図45に示すように、BPSK方式の検波信号は、図46の符号化規則にしたがって2つの信号点を遷移する。
図47は、BPSK方式の検波信号が雑音を含む場合の模式図である。
図48は、BPSK方式の検波信号が雑音を含む場合の信号遷移の模式図である。
第4象限にある信号点Aから第2象限または第3象限にある信号点Bに遷移する際、図48に示すような遷移するが、遷移AB4123において、1シンボル周期にゼロクロス点が複数回発生する。そこで、本発明に係るクロック再生回路において、検波信号をゼロクロス信号とすれば、遷移AB4123のように1シンボル周期にゼロクロス点が複数回発生するゼロクロス信号に対して効果的に有効無効を判定するので、バースト先頭におけるシンボルクロックの位相引き込みを速くすることができる。
QPSK方式に適用できる理由
図49は、QPSK方式における検波信号の信号空間ダイアグラムである。
図49に示すように、送信データ2ビットを組に1シンボルに割り当てられ、図50に示す符号化規則に応じてシンボルが遷移する。例えば、図49でプリアンブルの交番パターンとして、ビット系列で[01 10]を繰り返した系列を用いてS2とS4を選択する。
図51は、交番パターンのQPSK信号が位相ずれ+45度を含む場合の検波信号の信号遷移である。
図51に示すように、+45度の位相ずれが生じるとI軸上を遷移する。したがって、図48で示した位相遷移と同様に、雑音を含むと1シンボル周期にゼロクロス点が複数回発生する。そこで、本発明に係るクロック再生回路において検波信号をゼロクロス信号とすれば、このように1シンボル周期にゼロクロス点が複数回発生するゼロクロス信号に対して効果的に有効無効を判定するので、バースト先頭におけるシンボルクロックの位相引き込みを速くすることができる。
8相PSK方式に適用できる理由
図52は、8相PSK方式における検波信号の信号空間ダイアグラムである。
図52に示すように、送信データ3ビットを組に1シンボルに割り当てられ、図53に示す符号化規則に応じてシンボルが遷移する。例えば、図52で、プリアンブルの交番パターンとして、ビット系列で[000 110]を繰り返した系列を用いてS1とS5を選択する。
このとき、図54に示すようにI軸上を遷移する。したがって、図48で示した位相遷移と同様に、雑音を含むと1シンボル周期にゼロクロス点が複数回発生する。そこで、本発明に係るクロック再生回路検波信号をゼロクロス信号とすれば、このように1シンボル周期にゼロクロス点が複数回発生するゼロクロス信号に対して効果的に有効無効を判定するので、バースト先頭におけるシンボルクロックの位相引き込みを速くすることができる。
(D)実施の形態においては、ゼロクロス1回分の時間間隔とゼロクロス2回分の時間間隔がそれぞれ所定間隔から外れていたらその時のシンボルクロックを無視する取り扱いをしているが、ゼロクロス2回分の時間間隔だけを対象とし、その間隔が所定間隔から外れていたら、シンボルクロックを無視する形態での実施も、本発明は含む。その場合も、1シンボル周期にゼロクロス点が2回発生するゼロクロス信号に対して効果があるからである。
(E)実施の形態では、ゼロクロス1回分と2回分の時間間隔を対象として所定の時間間隔に入るか否か判断しているが、ゼロクロス2回分と3回分を対象とし、更には、ゼロクロスM回分とN回分(ただし、N、Mは2以上の正の整数で、M<Nである。)を対象として、所定の時間間隔に入るか否かを判断しても良い。ゼロクロスの回数を多くすると、それだけ、無視されるゼロクロス数が増えることとなるが、反面、生成されるシンボルクロックの精度が高くなる。
(F)図1に示したクロック再生回路1の全体或いは主要部は、1つのLSIチップの中に組み込むことが出来る。あるいは、クロック再生回路1を含む受信装置の全体或いは主要部は、1つのLSIチップの中に組み込むことが出来る。
27...本発明の第2の実施形態に係るクロック再生回路
101...ゼロクロス検出部
102...ゼロクロス間隔検出部
103...ゼロクロス1間隔検出部
104...ゼロクロス2間隔検出部
105...ゼロクロス制御部
106...ゼロクロス切替部
107...クロック生成部
108...フレーム受信検出部
110...同相検波信号
111...直交検波信号
112...同相検波信号の符号
113...直交検波信号の符号
114...同相ゼロクロス信号
115...直交ゼロクロス信号
116...同相ゼロクロス間隔信号
117...同相間隔タイミング信号
118...直交ゼロクロス間隔信号
119...直交間隔タイミング信号
120...同相1間隔制御信号
121...直交1間隔制御信号
122...同相2間隔制御信号
123...直交2間隔制御信号
124...同相有効ゼロクロス信号
125...直交有効ゼロクロス信号
126...同相位相誤差情報
127...直交位相誤差情報
128...シンボルクロック
4...受信装置
401...検波部
402...位相誤差補正回路
403...データ判定部
410...受信信号
411...検波信号
412・・・検波信号(位相誤差補正回路通過後)
413...受信データ
2710...同相ゼロクロス中央信号
2711...直交ゼロクロス中央信号
2701...ゼロクロス中央制御部
2712...同相有効ゼロクロス中央信号
2713...直交有効ゼロクロス中央信号
Claims (23)
- 入力信号からシンボルクロックを再生するクロック再生回路であって、
入力信号を基礎としたゼロクロス信号を参照し、N+1回ゼロクロス(Nは2以上の整数)する時間長を検出する、ゼロクロス間隔N個分の間隔検出部と、
前記ゼロクロスN+1回分の時間長が所定間隔内であるかを判定する判定部と、
判定部の判定結果が真の場合と、偽の場合とのそれぞれの場合に対応してシンボルクロックを生成するクロック生成部と
を備えることを特徴とするクロック再生回路。 - 前記クロック生成部は、判定結果が真の場合、判定対象としたN+1回分のゼロクロスをもとにシンボルクロックを生成し、判定結果が偽の場合、判定対象としたN+1回分のゼロクロスの少なくとも一部を無視してシンボルクロックを生成することを特徴とする請求項1記載のクロック再生回路。
- 前記クロック生成部は、生成したシンボルクロックを有効なゼロクロス信号との位相差を基にタイミング調整をしてシンボルクロックとして出力する回路を含むことを特徴とする請求項2に記載のクロック再生回路。
- 前記クロック生成部は、生成したシンボルクロックを有効なゼロクロス信号を参照して、その隣接するゼロクロス点の中央でパルスを生じる処理をして、ゼロクロス中央信号を生成し、これと再生したシンボルクロックとの位相誤差を基にタイミング調整してシンボルクロックとして出力する回路を含むことを特徴とする請求項2に記載のクロック再生回路。
- Nが2であり、
前記判定部の判定基準である所定間隔として、最小間隔が1シンボル長以上、2シンボル長以下の時間長が設定されていることを特徴とする請求項2に記載のクロック再生回路。 - 前記判定部の判定基準である所定間隔として、最大間隔が2シンボル長以上、3シンボル長未満の時間長で設定されていることを特徴とする請求項5記載のクロック再生回路。
- 前記ゼロクロス間隔N個分の間隔検出部は、
入力信号を対象として各ゼロクロスのタイミングを検出するゼロクロス検出手段と
隣接するゼロクロスの時間間隔を測定する間隔検出手段と、
隣接ゼロクロス間隔をN個分加算し、検出信号として出力する加算手段と
を含むことを特徴とする請求項2記載のクロック再生回路。 - 入力信号が、変調信号を検波して得た検波信号の同相成分信号または直交成分信号であることを特徴とする請求項7記載のクロック再生回路。
- 前記クロック再生回路は、更に、
1個分のゼロクロス間隔を検出するゼロクロス間隔1個分の間隔検出部を含み、
前記判定部は、1個分のゼロクロス間隔が所定の間隔内であるかどうかも判定し、判定結果として、1個分のゼロクロス間隔と2個分のゼロクロス間隔のどちらも所定間隔内であるとき真、どちらかのゼロクロス間隔が所定範囲から外れているとき偽を出力することを特徴とする請求項3記載のクロック再生回路。 - 前記クロック生成部は、生成したシンボルクロックを有効なゼロクロス信号との位相差を基にタイミング調整をしてシンボルクロックとして出力する回路を含むことを特徴とする請求項9に記載のクロック再生回路。
- 前記クロック生成部は、生成したシンボルクロックを有効なゼロクロス信号を参照して、その隣接するゼロクロス点の中央でパルスを生じる処理をして、ゼロクロス中央信号を生成し、これと再生したシンボルクロックとの位相誤差を基にタイミング調整してシンボルクロックとして出力する回路を含むことを特徴とする請求項9に記載のクロック再生回路。
- ディジタル変調信号を検波して得た検波信号からシンボルクロックを再生するクロック再生回路であって、
検波信号から生成した同相成分信号を参照して位相誤差情報信号を生成する同相成分処理部と、
検波信号から生成した直交成分信号を参照して位相誤差情報信号を生成する直交成分処理部と、
クロック生成部とを備え、
前記各処理部は、ゼロクロス間隔N個分の間隔検出部とゼロクロス間隔M個分の間隔検出部とを備え(N、Mは正の整数で、N>Mである)、同相成分信号および直交成分信号から得たゼロクロス信号を対象として、それぞれゼロクロス間隔N個分の間隔が所定時間内か並びにゼロクロス間隔M個分の間隔が所定時間内かを判定し、いずれかが所定時間から外れている場合にそのゼロクロス間を無視し、
前記クロック生成部は、一方の処理部がゼロクロス間を無視し、他方の処理部がゼロクロス間を有効とする場合は、有効とした処理部が生成する位相誤差情報信号を基にシンボルクロックの位相を調整して出力することを特徴とするクロック再生回路。 - 前記ディジタル変調信号は、プリアンブル部、ユニークワード部、データ部からなるフレーム化された信号であり、
請求項12のクロック再生回路は、更に切替回路を有し、プリアンブル部、ユニークワード部に相当する検波信号が入力されているときは、前記同相処理部、直交処理部の有効ゼロクロス信号を位相誤差情報信号としてクロック生成部へ送り、
データ部に相当する検波信号が入力されているときは、それから得たゼロクロス信号に切り替えてクロック生成部へ送ることを特徴とするクロック再生回路。 - プリアンブル部と特定パターン部とデータ部とを含んだフレーム構造を持つ変調された信号を受信する受信装置であって、
前記受信信号を検波し、同相検波信号と直交検波信号を出力する検波部と、
検波信号の位相誤差を補正する位相誤差補正回路と、
請求項12に記載の構成を持ち、生成したシンボルクロックを位相誤差補正回路とデータ判定部とに供給するクロック再生回路と、
位相誤差補正後の検波信号をシンボルクロックに同期させてデータ判定を行うデータ判定部と
を備えることを特徴とする受信装置。 - プリアンブルを含む入力信号からシンボルクロックを再生するクロック再生回路であって、
前記入力信号からゼロクロスの時間位置を検出し、ゼロクロス信号を出力するゼロクロス検出部と、
前記ゼロクロス信号から隣接するゼロクロス間の時間間隔を求め、ゼロクロス間隔信号を出力するゼロクロス間隔検出部と、
前記ゼロクロス間隔信号が、所定間隔内であるか否かを判定するゼロクロス間隔1個分の間隔判定部と、
隣接する2つのゼロクロス間隔信号を加算してゼロクロス間隔2個分の間隔信号を生成し、その信号が示すゼロクロス間隔2個分の間隔が所定間隔内であるかを判定するゼロクロス間隔2個分の間隔判定部と、
前記ゼロクロス間隔1個分の間隔判定部の判定結果と前記ゼロクロス間隔2個分の間隔判定部の判定結果をもとに、該当するゼロクロス信号を有効または無効にし、位 相誤差情報信号を出力するゼロクロス制御部と、
前記位相誤差情報信号をもとにシンボルクロックを生成するクロック生成部と、
を備えることを特徴とするクロック再生回路。 - 前記ゼロクロス間隔1個分の間隔判定部は、所定間隔として、最小間隔が0以上、1シンボル長以下の時間長を保持しており、最大間隔が1シンボル長以上、2シンボル長以下の時間長を保持していることを特徴とする請求項15に記載のクロック再生回路。
- 前記ゼロクロス間隔2個分の間隔判定部は、所定間隔として、最小間隔が1シンボル長以上、2シンボル長以下の時間長を保持し、最大間隔が2シンボル長以上、3シンボル長未満の時間長を保持していることを特徴とする請求項15に記載のクロック再生回路。
- プリアンブルと特定パターンとデータとを含んだフレーム構造を持つ変調信号を受信する受信装置であって、
受信信号を検波し、同相検波信号と直交検波信号を出力する検波部と、
前記同相検波信号と前記直交検波信号からシンボルクロックを再生するクロック再生部とを含み、
前記クロック再生部は、
前記検波部の出力から特定パターンを検出し、前記データを受信中であることを示すフレーム受信信号を出力するフレーム受信検出部と、
前記同相検波信号と前記直交検波信号から、それぞれのゼロクロスの時間位置を検出し、同相ゼロクロス信号と直交ゼロクロス信号を出力するゼロクロス検出部と、
前記同相ゼロクロス信号と前記直交ゼロクロス信号から、それぞれの隣接するゼロクロスの時間間隔を求め、同相ゼロクロス間隔信号と直交ゼロクロス間隔信号とを出力するゼロクロス間隔検出部と、
前記同相ゼロクロス間隔信号と前記直交ゼロクロス間隔信号とを参照して、同相ゼロクロス間隔、直交ゼロクロス間隔が所定間隔内であるかを判定するゼロクロス間隔1個分の間隔判定部と、
同相成分、直交成分それぞれについて、隣接する2つのゼロクロス間隔信号を加算してゼロクロス間隔2個分の間隔信号を生成し、生成した同相ゼロクロス間隔2個分の間隔信号と前記直交ゼロクロス間隔2個分の間隔信号がそれぞれ所定間隔内であるかを判定するゼロクロス間隔2個分の間隔判定部と、
前記ゼロクロス間隔1個分の間隔判定部の判定結果とゼロクロス間隔2個分の間隔判定部の判定結果をもとに、前記同相ゼロクロス信号と前記直交ゼロクロス信号を、それぞれ有効または無効にするゼロクロス制御部と、
有効並びに無効とされたゼロクロス信号をもとにシンボルクロックを再生するクロック第1生成部と、
前記フレーム受信検出部の検出する信号に基づいて、前記ゼロクロス検出部から出力される同相ゼロクロス信号、直交ゼロクロス信号と、前記ゼロクロス制御部で有効とされた同相有効ゼロクロス信号、直交有効ゼロクロス信号とを切り替えるゼロクロス切替部と、
前記ゼロクロス切替部が出力する同相成分信号と直交成分信号をもとに、シンボルクロックを再生するクロック第2生成部とを備えることを特徴とする受信装置。 - 前記ゼロクロス間隔1個分の間隔判定部は、所定間隔として、最小間隔が0以上、1シンボル長以下の時間長を保持しており、最大間隔が1シンボル長以上、2シンボル長以下の時間長を保持していることを特徴とする請求項18に記載の受信装置。
- 前記ゼロクロス間隔2個分の間隔判定部は、所定間隔として、最小間隔が1シンボル長以上、2シンボル長以下の時間長を保持し、最大間隔が2シンボル長以上、3シンボル長未満の時間長を保持していることを特徴とする請求項19に記載の受信装置。
- プリアンブルと特定パターンとデータとを含んだフレーム構造を持つ変調信号を受信する受信装置であって、
受信信号を検波し、同相検波信号と直交検波信号を出力する検波部と、
前記同相検波信号と前記直交検波信号からシンボルクロックを再生するクロック再生部とを含み、
前記クロック再生部は、
前記検波部の出力から特定パターンを検出し、前記データを受信中であることを示すフレーム受信信号を出力するフレーム受信検出部と、
前記同相検波信号と前記直交検波信号から、それぞれのゼロクロスの時間位置を検出し、同相ゼロクロス信号と直交ゼロクロス信号を出力するゼロクロス検出部と、
前記同相ゼロクロス信号と前記直交ゼロクロス信号から、それぞれの隣接するゼロクロスの時間間隔を求め、同相ゼロクロス間隔信号と直交ゼロクロス間隔信号とを出力するゼロクロス間隔検出部と、
前記同相ゼロクロス間隔信号と前記直交ゼロクロス間隔信号から、それぞれの隣接する2つのゼロクロス信号の中央の時間位置を示す同相ゼロクロス中央信号と直交ゼロクロス中央信号を出力するゼロクロス中央検出部と、
前記同相ゼロクロス間隔信号と前記直交ゼロクロス間隔信号とが所定間隔内であるかを判定するゼロクロス間隔1個分の間隔判定部と、
同相成分、直交成分のそれぞれについて、隣接する2つのゼロクロス間隔信号を加算し、ゼロクロス間隔2個分の間隔信号を生成し、生成した同相ゼロクロス間隔2個分の間隔信号と直交ゼロクロス間隔2個分の間隔信号がそれぞれ所定間隔内であるかを判定するゼロクロス間隔2個分の間隔判定部と、
ゼロクロス間隔1個分の間隔判定部の判定結果およびゼロクロス間隔2個分の間隔判定部をもとに、前記同相ゼロクロス中央信号と前記直交ゼロクロス中央信号を、それぞれ有効または無効にするゼロクロス中央制御部と、
フレーム受信検出部の検出するフレーム受信信号に基づいて、前記ゼロクロス検出部から出力される同相ゼロクロス信号、前記直交ゼロクロス信号と、前記ゼロクロス中央制御部で有効とされた同相有効ゼロクロス中央信号および直交有効ゼロクロス中央信号を切り替えるゼロクロス切替部と、
前記ゼロクロス切替部が出力する同相位相誤差情報信号と直交位相誤差情報信号をもとに、シンボルクロックを生成するクロック生成部とを備えることを特徴とする受信装置。 - 前記ゼロクロス間隔判定部は、所定間隔として、最小間隔が0以上、1シンボル長以下の時間長を保持しており、最大間隔が1シンボル長以上、2シンボル長以下の時間長を保持していることを特徴とする請求項21に記載の受信装置。
- 前記ゼロクロス間隔2個分の間隔判定部は、所定間隔として、最小間隔が1シンボル長以上、2シンボル長未満の時間長を保持し、最大間隔が2シンボル長以上、3シンボル長未満の時間長を保持していることを特徴とする請求項21に記載の受信装置。
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