JP2007523630A - ヒト成長ホルモングリコシル化突然変異体の組成と調合法 - Google Patents

ヒト成長ホルモングリコシル化突然変異体の組成と調合法 Download PDF

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Abstract

本発明は組み換え産生ポリペプチドが天然に存在のヒト成長ホルモンとは明確に異なる一つ又は複数の新規導入N−連結又はO−連結グリコシル化部位を含有するヒト成長ホルモンの突然変異体に関する。突然変異体用配列コード化ポリペプチド、コード化配列含有発現カセット、突然変異体発現細胞及び突然変異体生成法も又開示する。更に突然変異体含有薬剤組成とこの突然変異体の使用法も開示されている。

Description

ヒト成長ホルモン(hGH)とそのアゴニスト変形体は米国特許4,658,021及び米国特許5,633,352に記載の組み換えタンパク質類の一員である。この組み換え産生と使用法は米国特許4,342,832、4,601,980、米国特許4,898,830、米国特許5,424,199及び米国特許5,795,745に詳述されている。ヒト成長ホルモンは正常なヒト生育制御の色々な状況で関与する。受容体との相互作用によりこの22キロダルトンの下垂体ホルモンは線形成長(体節形成)、授乳、マクロファージの活性化及びインシュリン類似と糖尿病誘発作用のような多くの生物学的作用を調節する。チャウラ(Chawla)、アニュアルレビューオブメディスン(Annu. Rev. Med.)、34巻、519頁、1983年; エドワード等(Edwards et al.)、サイエンス(Science)、239巻、769頁、1988年;イサクソン等(Isaksson et al.)、アニュアルレビューオブフィジオロジー(Annu. Rev. Physiol)、47巻、483頁、1985年;ソナー及びバンス(Thorner and Vance)、ジャーナルオブクリニカルインベスティゲーション(J. Clin. Invest.)、82巻、745頁、1988年; ヒューズ及びフリッセン(Hughes and Friesen)、アニュアルレビューオブフィジオロジー(Annu. Rev. Physiol.)、47巻、469頁、1985年。
特定の生理反応を生むためにグルコシル化及び非グルコシル化ペプチドを投与する事は医薬技術で良く知られている。精製hGH及び組み換えhGHの両者がhGH欠損による症状と病気、例えば幼児の小人症治療に使われてきた。治療用ペプチド使用を制限する主因は多くのペプチドの免疫原性である。患者の投与ペプチドに対する免疫原反応によりペプチドを無力化し且つ/又は患者にアレルギー反応の発現えおもたらす。治療用糖ペプチドの他の欠陥として最適以下の効能と迅速なクリアランス速度がある。ペプチド治療薬固有の問題は技術的に認識されており、この問題排除に種々な方法が研究されてきた。例えば可溶性ペプチド治療薬を提供するため合成ポリマーをペプチドバックボーンと結合した。
ポリエチレングリコール(“PEG”)はポリペブチドと複合化したた典型的ポリマーである。PEGを用いてペプチド治療薬を誘導体化することによりペプチドの免疫原生が低下する事が示された。例えば米国特許4,179,337(デービス等(Davis et al.)はポリエチレングリコール(PEG)又はポリプロピレングリコールに結合した酵素及びペプチドホルモンのような非免疫原生ポリペプチドに関する。ポリペプチド1モル当たり10乃至100モルのポリマーが用いられ、生理活性の少なくとも15%が維持された。更に循環中のクリアランス時間は問題のポリペプチドPEG複合体の大きさ増加により延長する。デービス等(Davis et al.)が開示した方法は化学的PEG化法である。
ペプチドの化学修飾によりしばしばペプチド活性は好ましくなく失われるが、これはペプチド修飾に用いた化学の非選択性に起因する。例えば修飾基が水溶性ペプチド、例えばPEGの場合、ペプチドとPEG及びその誘導体との結合の主形式はペプチドアミノ酸残基による非特異的結合である。水溶性ポリマーとインターロイキン−2(フィッシャー等(Fischer et al.)、ブリティッシュジャーナルオブヘマトロジー(Br. J. Haematol.)、82巻、654頁、1992年)、顆粒球コロニー刺激因子(佐竹―石川等(Satake-Ishikawa et al. )、セルストラクチャーアンドファンクション(Cell Struct. Funct.)、17巻、157頁、1992年)、腫瘍壊死因子(堤等(Tsusumi et al.)、ブリティッシュジャーナルオブキャンサー(Br. J. Cancer )、71巻、963頁、1996年)及びヒト成長ホルモン(クラーク等(Clark et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、271巻、21969頁、1996年)との複合体の研究でこれらタンパク質の化学的PEG化によりペプチドの体内受容体との結合活性が低下することが明になった。
多くの化学的PEG化法でポリエチレングリコールをペプチドバックボーンの反応性残基に実質的に無作為に、非特異的な方法で付加する。治療用ペプチドの生成には特異的に標識され、容易に特性づけられ、実質的に均一な生産物を形成する誘導体化戦略を利用するのが明らかに望ましい。特異的に標識されたペプチドを生成するのに有望な路は修飾糖成分をペプチドに付加する糖転移酵素のような酵素使用による。
酵素ベース合成法は位置選択性と立体選択性という利点がある。更に酵素合成は非保護基質を用いて行う。炭水化物合成には主に三種の酵素が用いられ、糖転移酵素(例えばシアル酸転移酵素、オリゴ糖転移酵素、N−アセチルグルコサミン転移酵素)及びグリコシダーゼがある。グリコシダーゼは更にエキソグルコシダーゼ(例えばβ―マンノシダーゼ、β―グリコシダーゼ)及びエンドグリコシダーゼ(エンドーA、エンドーB)に分類される。この種酵素はそれぞれ炭水化物作成で合成的に用いられ成功した。一般的総説についてはクラウウト等(Crout et al.)カレントオピニオンインケミカルバイオロジー(Curr. Opin. Chem. Biol.)、2巻、98−111頁、1998年参照。
糖転移酵素は糖ペプチド上のオリゴ糖構造を修飾し、立体化学的且つ位置選択的に良く制御された特定生産物を生成する。糖転移酵素はオリゴ糖の生成及び特に哺乳類細胞で生成する糖ペプチド末端N−及びO−連結炭水化物構造の修飾に用いる。例えば糖ペプチドの末端オリゴ糖は完全にシアル酸付加され且つ/及びフコシル化され、より一貫性のある糖構造を提供し、糖ペプチドの薬力学及び種々の生物学的特性を改善する。例えばβ―1,4−ガラクトシル基転移酵素がラクトサミン合成に用いられ、炭水化物合成での糖転移酵素の有用性の実例である。(ウオン等(Wong et al.)、ジャーナルオブオルガニックケミストリー(J. Org. Chem.)、47巻、5416−5418頁、1982年参照)。更に多くの合成法がα―シアル酸転移酵素を用いてシアル酸をシチジンー5‘−モノホスホーN−アセチルノイラミン酸からガラクトースの3−水酸基か6−水酸基位に転移した。(例えばケブン等(Kevin et al.)、ケミカルヨーロピアンジャーナル(Chem. Euro. J.)、2巻、1359−1362頁、1996年を参照)。フコシル基転移酵素がフコース単位をグアノシンー5’−ジホスホフコースから糖受容体の特定水酸基に転移する合成過程で用いられた。例えば石川(Ishikawa)はクローン化フコシル基転移酵素によるシアリル酸付加ラクトサミンのフコシル化を伴う方法でシアリルルイスーXを作成した。(イチカワ等(Ichikawa et al.)、ジャーナルオブアメリカンケミカルソサイエティ(J. Am. Chem. Soc.)、114巻、9283−9298頁、1992年)。治療用複合糖質に関する最近の進歩についての論議に関しては、ケラー等(Koeller et al.)、ネーチャーバイオテクノロジー(Nature Biotechnology)、18巻、835−841頁、2000年参照。又米国特許5,876,980、6,030,815、5,728、554、5,922,577及びWO/9831826参照。
グリコシダーゼも又糖類の合成に用いられる。グリコシダーゼは通常グリコシド結合の加水分解を触媒する。しかし適当な条件下ではグリコシダーゼをこの結合形成に利用できる。炭水化物合成に用いる大部分のグリコシダーゼはエキソグリコシダーゼである。グリコシル転移が基質の非還元性末端で起こる。グリコシダーゼは水で遮られて加水分解生成物を生ずるか、又は受容体により新規配糖体かオリゴ糖を生ずるグリコシル酵素中間体のグリコシル供与体を利用する。エキソグリコシダーゼを用いる典型的経路はβ―マンノシダーゼ作用により形成する困難なβ―マンノシド結合を伴う全N―結合糖コペプチドの母核三糖合成である。(シン等(Singh et al.)、ケミカルコミュニケーション(Chem. Commun.)、993−994頁、1996年)。
グリコシダーゼを用いてグりコシド結合を形成するその他の典型的応用では、突然変異グリコシダーゼが作成活性部位内の正常求核的アミノ酸を非求核的アミノ酸に変える。この突然変異酵素はグリコシド結合を加水分解しなくこの結合を形成する。突然変異グリコシダーゼをα―フッ化グリコシル供与体とグリコシド受容体分子を用いてオリゴ糖作成に利用した。(ウイザース等(Withers et al)、米国特許5,716,812)。突然変異グリコシダーゼはフリーのオリゴ糖形成に役立つが、この酵素がグリコシル供与体をグリコシル化又は非グルコシル化ペプチドに付加できるか、或いはこの酵素が非活性化グリコシル供与体と一緒に使用できないかを示す必要がある。
エンドグリコシダーゼの使用はエキソグリコシダーゼに比し一般性は低いが、なお炭水化物生成に利用される。エンドグリコシダーゼ使用に基づく方法は単糖よりむしろオリゴ糖が転移するという利点がある。オリゴ糖断片をエンド-F、エンド-Mのようなエンド-β―N−アセチルグルコサミンを用いて基質に付加した。(ウオン等(Wang et al.)、テトラヘドロンレターズ(Tetrahedron Lett)、37巻1975−1978頁及び羽田等(Haneda et al.)、カーボハイドレイトリサーチ(Carbohydr. Res.)、292巻、61−70頁、1996年)。
炭水化物作成での使用に加えて、上に検討の酵素は糖ペプチド合成にも同様に適用される。均一グライコフォームのリボヌクレアーゼB合成が発表された。(ウイトケ、ケイ等(Witte K. et al.)、ジャーナルオブアメリカンケミカルソサエティ(J. Am. Chem. Soc.)、119巻、2114―2118頁、1997年)。リボヌクレアーゼBの高マンノース母核を糖ペプチドのエンドグリコシダーゼH処理で開裂した。開裂が二つの母核GlcNAc残基間で特異的に起こった。ついで四糖シアリルルイスXをβ―1,4−ガラクトキシル基転移酵素、α―2,3シアル酸転移酵素及びα―1,3−フコシル基転移酵素を順次用いて均一タンパク質上の残りのGlcNAcアンカー部位に酵素的に再構築した。酵素触媒による各段階が高収率で進んだ。
化学的及び酵素的合成因子の両者を一緒にする方法も知られている。例えば山本(Yamamoto)と共同研究者(カーボハイドレイトリサーチ(Carbohydr. Res.)、305巻、415−422頁、1998年)はエンドグリコシダーゼを用いて糖ペプチド、グリコシル化ペプチドTの化学酵素的合成を報告した。N−アセチルグルコサミンペプチドを純化学的手段で合成した。このペプチドを次いでヒトトランスフェリン糖ペプチドのオリゴ糖で酵素的に同化した。糖部分をエンドーβ―N−アセチルグルコサミニダーゼで処理してこのペプチドに付加した。生成グリコシル化ペプチドはペプチドTとN−アセチルグルコサミンペプチドTに比べて非常に安定且つタンパク質分解に堪える。
ペプチド構造をレポーターグループで修飾するために糖転移酵素の使用が検討された。例えばブロッスマー等(Brossmer et al.)(米国特許5,405,753)はシアル酸転移酵素活性と細胞表面、糖タンパクとガングリオシドの蛍光標識化分析でのシアル酸の蛍光標識化シチジン一リン酸(“CMP”)誘導体形成と蛍光性配糖体の使用を開示した。グロス等(Gross et al)、アナリティカルバイオケミストリー(Analyt. Biochem.)、186巻、127頁、1990年)も同様の分析を述べている。ビーン等(Bean et al.)(米国特許5,432,059)は欠陥的グリコシル化したタンパク質の再グリコシル化を用いてグリコシル化欠損障害の分析を開示している。欠損タンパク質を蛍光標識化CMP配糖体で再グリコシル化する。各蛍光性シアル酸誘導体を位かシアリル酸で通常アセチル化したアミン位のいずれかで蛍光成分で置換する。蛍光性シアル酸誘導体使用法は糖転移酵素又は非グリコシル化か不当グリコシル化糖タンパクの存在に関する分析である。分析を生物起源試料中の少量の酵素又は糖タンパクについて行う。修飾シアル酸を用いた実験的又は工業的規模でのグリコシル化又は非グリコシル化ペプチドの酵素的誘導体化は今まで開示も示唆もされていない。
酵素法は又それに続く化学合成のために糖ペプチド上のグリコシル残基活性化に用いられた。グリコシル残基は典型的にはガラクトース酸化酵素を用いて活性化し、末端ガラクトース残基を対応アルデヒドに変換する。このアルデヒドを次いでアミン含有修飾基と結合する。例えばカサレス等(Casares et al.)、ネーチャーバイオテクノロジー(Nature Biotech.)、19巻、142頁、2001年)はドキソルビシンを組み換えMHCIIペプチドキメラの酸化ガラクトース残基に結合した。
グリコシル残基は又ケトン基を有するように修飾された。 例えばマハル(Mahal)と共同研究者(サイエンス(Science)、276巻、1125頁、1997年)は天然基質では通常アセチル基で占拠されている位置でケトン官能性を有するN−レブリノイルマンノサミン(“ManLev”)を合成した。細胞をこのManLevで処理し、ケトン基を細胞表面に導入する。又サキソン等 (Saxon et al.)、サイエンス(Science)、287巻、2007頁、2000年;ハング等(Hang et al.)、ジャーナルオブアメリカンケミカルソサイエティ(J. Am. Chem. Soc.)、123巻、1242頁、2001年;ヤレマ等(Yarema et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、273巻、31168頁、1998年及びチャーター等(Charter et al.)グリコバイオロジー(Glycobiology)、10巻、1049頁、2000年を参照。
炭水化物は幾つかの方法でアスパラギンとのN−結合やセリン及びスレオニンへのムチン型O−結合が組み換え糖タンパク治療薬に最も関連する糖ペプチドと結合する。タンパク質のグリコシル化開始での決定的因子は、明らかにタンパク質領域と構造を含む他因子も役割を果たすが、一次配列状態である。N−結合グリコシル化は共通配列NXS/Tで起こり、Xはプロリン以外のいずれかのアミノ酸である。
上に検討した方法では非修飾類似体の薬理活性を十分に保持した工業的に十分量の修飾ペプチドにアクセスできない。更にこの方法ではペプチド又は糖ペプチドとの修飾糖の位置特異的複合化は許されない。またこの方法では非天然部位でグリコシル化又は糖質複合化した修飾ペプチド生成手段も得られない。
本発明はこの組み換えhGH突然変異体のグリコシル化及び/又は糖PEG化に適応性を持たすことで、新規導入のN−結合又はO―結合グリコシル化部位含有hGH突然変異体を提供することでこれらの必要性に答える。更に本発明はN−又はO−結合突然変異hGHペプチドを水溶性ポリマー、治療成分、生体分子及び同類にような修飾基で修飾する工業的な実用法を提供する。特に興味ある方法は修飾突然変異hGHが治療薬や診断薬としての使用が増す改善特性を有する事である。
一様態では本発明は突然変異ヒト成長ホルモンコード化ポリヌクレオチド配列からなる単離核酸を提供する。その突然変異ヒト成長ホルモンは野生型ヒト成長ホルモンには存在しないN−結合又はO−結合グリコシル化部位を含む。ある実施形態では野生型ヒト成長ホルモンはSEQ ID NO:1又はSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有する。ある好ましい実施形態では突然変異ヒト成長ホルモンはSEQ ID NO:3,4,5,6,7,8又は9のアミノ酸配列を含む。
他様態では本発明は発現カセット又は核酸、例えば突然変異ヒト成長ホルモンコードポリヌクレオチドを含む単離核酸からなる細胞を提供する。突然変異成長ホルモンは野生型ヒト成長ホルモンに存在しないN−連結又はO−連結グリコシル化部位を含む。
他様態では本発明は野生型ヒト成長ホルモンには存在しないN−連結又はO−連結グリコシル化部位含有突然変異ヒト成長ホルモンを提供する。ある実施形態では野生型ヒト成長ホルモンはSEQ ID NO:1又はSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有する。ある好ましい実施形態では突然変異ヒト成長ホルモンはSEQ ID NO:3,4,5,6,7,8又は9のアミノ酸配列を含む。
他様態では本発明は野生型ヒト成長ホルモンには存在しないN−連結又はO−連結グリコシル化部位含有突然変異ヒト成長ホルモンの作成法を提供する。この方法は突然変異ヒト成長ホルモンを組み換え産生し新規グリコシル化部位突然変異ヒト成長ホルモンをグリコシル化する段階からなる。ある実施形態では野生型ヒト成長ホルモンはSEQ ID NO:1又はSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有する。ある好ましい実施形態では突然変異ヒト成長ホルモンはSEQ ID NO:3,4,5,6,7,8又は9のアミノ酸配列を含む。
更なる様態では本発明は野生型ヒト成長ホルモンには存在しないN−結合又はO−結合グリコシル化部位含有突然変異ヒト成長ホルモンを治療的に有効量有する薬剤組成を提供する。ある実施形態では野生型ヒト成長ホルモンはSEQ ID NO:1又はSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有する。ある好ましい実施形態では突然変異ヒト成長ホルモンはSEQ ID NO:3,4,5,6,7,8又は9のアミノ酸配列を含む。
他様態では本発明は被検者のヒト成長ホルモン欠損症の治療法を提供する。この方法はヒト成長ホルモン欠損症の治療や改善に突然変異ヒト成長ホルモンを有効量被験者に投与する事からなる。この方法で用いる突然変異ヒト成長ホルモンは対応の野生型ヒト成長ホルモンには存在しないN−結合又はO−結合グリコシル化部位を含む。ある実施形態では野生型ヒト成長ホルモンはSEQ ID NO:1又はSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有する。ある好ましい実施形態では突然変異ヒト成長ホルモンはSEQ ID NO:3,4,5,6,7,8又は9のアミノ酸配列を含む。
上に記載の各様態では突然変異ヒト成長ホルモンは任意に一つ又はそれ以上の基と、好ましくは糖質複合化によりグリコシル部位と修飾基との間でグリコシル結合基を生じる複合体である。代表的修飾基はポリエチレングリコールである。
発明の詳細な説明
定義
“核酸”又は“ポリヌクレオチド”という用語は一本鎖か二本鎖形のいずれかのデオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)及びそのポリマーを意味する。明確に限定しない限り、この用語は参照核酸として同様の結合特性を有シ、且つ天然にあるヌクレオチドと同様な形で代謝する天然ヌクレオチドの既知類似体含有の核酸を含む。別に示さない限り、特定の核酸配列はその保守的修飾変形体(例えば縮重コドン置換)、対立遺伝子、相同分子種、SNP及び相補配列更には明白に示した配列を自動的に含む。特に縮重コドン置換は一つ又はそれ以上の選択(又は全)コドンの第三位を混合塩基及び/又はデオキシイノシン残基で置換した配列の生成により得られる。(バッツァー等(Batzer et al.)、ニュウクレイックアシッドリサーチ(Nucleic Acid Res.)、19巻、5081頁、1991年;大塚等(Ohtsuka et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、260巻、2605−2608頁、1985年;ロッソリーニ等(Rossolini et al.)、モレキュラーセルラープローブ(Mol. Cell. Probes)、8巻、91−98頁、1994年)。核酸という用語は遺伝子、相補DNA及び遺伝子コード化伝令RNAと互換性があるように用いる。
“遺伝子”という用語はポリペプチド鎖生成を伴うDNA断片を意味する。この用語はコード化領域(リーダーとトレイラー)の先行及び後続領域と同様に各コード化断片(エクソン)間の介在配列(イントロン)を含む。
“単離された”という用語は、核酸やタンパク質に適応する場合、核酸やタンパク質が自然状態で関連する他細胞成分を全く含んでいないことを意味する。これは乾燥か水溶液のいずれかであり得るが、好ましくは均一状態である。純度と均一性は通常ポリアクリルアミドゲル電気泳動や高性能液体クロマトグラフィーのような分析化学法を用いて決定する。調合剤に存在の主要種であるタンパク質は十分に精製する。特に遺伝子と隣接し興味の遺伝子以外のタンパク質をコード化する読み取り枠から単離遺伝子を分離する。“精製した”という用語は核酸かタンパク質が電気泳動ゲルで実質的に単一バンドを生じることを意味する。特に核酸又はタンパク質が少なくとも純度85%、より好ましくは少なくとも純度95%、且つ一番好ましくは少なくとも純度99%である。
“アミノ酸”という用語は天然にあるか又は合成のアミノ酸、更にはアミノ酸類似体や天然にあるアミノ酸と同様な形で働くアミノ酸模倣物である。天然にあるアミノ酸は遺伝子コードによるコード化したものと同様に後に修飾するアミノ酸、例えばヒドロキシプロリン、γ―カルボキシグルタミン酸塩及びO−ホスホセリンである。アミノ酸類似体は天然にあるアミノ酸と同じ基本化学構造を有する化合物、即ち水素原子と結合したα炭素原子、カルボキシル基、アミノ基及びR基に関し、例えばホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムである。この類似体は修飾R基(例えばノルロイシン)や修飾ペプチドバックボーンを有するが、天然にあるアミノ酸と同じ基本化学構造を保持する。“アミノ酸模倣物”はアミノ酸の一般化学構造とは異なるが、その機能は天然にあるアミノ酸と類似である構造を持つ化合物を意味する。
技術的に非天然アミノ酸誘導体や類似体をポリペプチド鎖に位置特異的な方法で組み込める種々の既知の方法がある。例えばWO02/086075参照。
アミノ酸はここでは通常知られている三字記号か又は国際純正応用化学連合国際西武筒連合生化学命名法委員会推薦の一字記号で述べる。ヌクレオチドは同様に通常容認の一字記号で述べる。
“保守的修飾変形体”はアミノ酸と核酸配列の両者に適応する。特定の核酸配列に関しては“保守的修飾変形体”は同一か実質的に同一アミノ酸をコード化する核酸、あるいは核酸がアミノ酸配列をコード化しない場合は実質的に同一配列に関する。遺伝子コードの縮重により多くの機能的に同一の核酸が所定タンパク質のいずれかをコード化する。例えばコドンGCA、GCG、GCG及びGCUは全てアミノ酸のアラニンをコード化する。従ってアラニンがコドンにより特定化されると、コドンはコード化ポリペブチドを換えることなしに記載の対応コドンのいずれかに変化できる。この核酸変化は“サイレント変化”であり、保守的修飾変形の一種である。ポリペプチドをコード化する核酸配列の全てにより核酸全ての可能なサイレント変化を記述できる。熟練者には核酸の各コドン(通常メチオニンの唯一のコドンであるAUGと通常トリプトファンの唯一のコドンであるTCG以外)が機能的に修飾同一分子を生成することが分かる。従ってポリペプチドをコード化する核酸の各サイレント変化はそれぞれの記載配に潜在する。
アミノ酸配列に関しては熟練者にはコード化配列で単一アミノ酸か数パーセントのアミノ酸を変形、付加或いは削除する核酸、ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質配列への各置換、削除又は付加は“保守的修飾変形体”であり、変形によりアミノ酸が化学的に類似のアミノ酸で置換されることが分かる。機能的に類似アミノ酸を提供する保守的置換の表は技術的に良く知られている。この保守的修飾変形体は本発明の多形変形体、種間類似体及び対立遺伝子に加えられ、これらを排除しない。
以下の8グループはそれぞれ互いに保守的置換であるアミノ酸を含有する。
アラニン(A)、グリシン(G);
アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);
アスパラギン(N)、グルタミン(Q);
アルギニン(R)、リジン(K);
イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M),バリン(V);
フェニルアラニン(F),チロシン(Y)、トリプトファン(W);
セリン(S)、スレオニン(T);及び
システイン(C),メチオニン(M)。
(例えばクレイトン(Creighton)、タンパク質(Proteins)、1984年参照)。
アミノ酸はここでは通常知られている三文字記号か国際純正応用化学連合―国際生化学連合生化学命名委員会推薦の一字記号のいずれかで述べる。ヌクレオチドは同様に通常容認の一字記号で述べる。
本出願では非修飾野生型ポリペプチド配列で番号1であるアミノ酸残基の一番左の残基からの相対位置により番号を付ける
ここで用いた“プロリン残基に近接”はプロリン残基から除去するアミノ酸が約10個以下、好ましくはプロリン残基から除去するアミノ酸が約9,8,7,6か5、より好ましくはプロリン残基から除去するアミノ酸が約4,3,2か1以下であるアミノ酸に関する。 “プロリン残基に近接” アミノ酸はプロリン残基のC−かN−末端側でも良い。
“ポリペプチド”、“ペプチド”及び“タンパク質”はここでは同義的にアミノ酸残基のポリマーを意味する。三用語全ては一つ又はそれ以上のアミノ酸残基が対応天然にあるアミノ酸の人工的化学模倣物であるアミノ酸ポリマーと同様に天然にあるアミノ酸ポリマーと天然にないアミノ酸ポリマーに適応する。ここで用いたようにこの用語はアミノ酸残基が共有ペプチド結合で結合した完全長タンパク質を含むいかなる長さのアミノ酸鎖を含む。
一つ又は複数の追加N−又はO−連結グリコシル化部位野生ヒト型成長ホルモンへの導入に関する文章で用いたように、“突然変異を起こす”又は“突然変異”という用語は生成ヒト成長ホルモンのアミノ酸配列が対応野生型ヒト成長ホルモンには存在しないN−又はO−連結グリコシル化部位を少なくとも一つ含むように、化学的、酵素的又はいずれかの他手段で、野生型ヒト成長ホルモンコード化ポリヌクレオチド配列か又は野生型ヒト成長ホルモンのアミノ酸残基のいかなるヌクレオチドかアミノ酸残基を削除、挿入又は置換することを意味する。アミノ酸置換の場合保守的と非保守的置換の両者が新規N−又はO−連結グリコシル部位含有hGH変異体を創生するのに用いられる。
新規N−又はO−連結グリコシル化位を導入する突然変異用部位はポリペプチド中のどこであっても良い。ヒト成長ホルモン突然変異体用の典型的アミノ酸残基をSEQ ID NO:3−9に示す。本発明の“突然変異ヒト成長ホルモン”は従って少なくとも一つの突然変異アミノ酸残基を含む。一方コード配列が突然変異ヒト成長ホルモンを生成するように修飾された野生型ヒト成長ホルモンは本出願では“対応野生型ヒト成長ホルモン”と云われる。例えばSEQ ID NO:1はSEQ ID NO3−9のアミノ酸配列を有する突然変異ヒト成長ホルモン用の対応野生型ヒト成長ホルモンのアミノ酸配列である。
ここで用いた“有効量”という用語は物質投与による治療効果を生む量を意味する。その効果は疾患/症状の兆候及び関連合併症の進行を検出可能程度に予防、矯正又は阻害することを含む。正確な量は治療目的に依存し、技術の熟知者により既知法を用いて確かめられる。(例えばリーバーマン(Lieberman)、薬剤投薬形態(Pharmaceutical Dosage Forms)、1−3卷、1992年;ルロイド(Lloyd)、薬剤調合の方法、科学及び技術 (The Art, Science and Technology of Pharmaceutical Compounding)、1999年;ピッカー(Pickar)、投薬量計算(Dosage Calculations)、1999年参照)。
ここで用いた“修飾糖”という用語は本発明の過程でペプチドアミノ酸又はグリコシル残基に酵素的に付加した天然にあるか又は天然にない炭水化物を意味する。修飾糖は制限はされないが、糖ヌクレオチド(一、二及び三リン酸塩)、活性化糖(例えばハロゲン化グリコシル、グリコシルメシラート)及び活性化もされず又ヌクレオチドでもない糖を含む多数の酵素基質から選ぶ。“修飾糖”は“修飾基”と共有結合的に官能化される。有効な修飾基としては限定はされないが、水溶性ポリマー、治療成分、診断成分、生体分子及び同類がある。修飾基は好ましくは天然にある炭水化物や非修飾炭水化物ではない。修飾基による官能化場所を“修飾糖”がペプチドに酵素的に付加するのを妨げないように選ぶ。
“水溶性”という用語は検出可能程度の水への溶解度を持つ成分を意味する。水への溶解度の検出及び/又は定量法は技術的によく知られている。典型的水溶性ポリマーとしてはペプチド、糖類、ポリエーテル、ポリアミン、ポリカルボン酸及び同類がある。ペプチドは単一アミノ酸からなる混合配列、例えばポリリシンである。典型的多糖類はポリシアル酸である。典型的ポリエーテルはポリエチレングリコール、例えばm−PEGである。ポリエチレンイミンは典型的ポリアミンであり、且つポリアクリル酸は典型的ポリカルボン酸である。
水溶性ポリマーのポリマーバックボーンとしてはポリエチレングリコール(即ちPEG)がある。しかし他の関連ポリマーが本発明実施での使用に適し、且つPEG或いはポリエチレングリコールという用語の使用はこの点で包含的であり排他的な意図はないと理解すべきである。PEGという用語はアルコキシPEG、二官能性PEG、多分岐PEG、フォーク型PEG、分岐PEG、垂れ下がりPEG(即ちポリマーバックボーンから垂れ下がった一つ又はそれ以上の官能基を有するPEG又は関連ポリマー)又は分解可能結合を有するPEGを含むいずれかの形のポリエチレングリコールを含む。
ポリマーバックボーンは直線状か分岐状である。分岐ポリマーのバックボーンは通常技術的に知られている。おおむね分岐ポリマーは中心分岐核成分とこの中心分岐核に連結した複数の直線状ポリマーを有する。PEGは通常酸化エチレンをグリセロール、ペンタエリスリトール及びソルビトールのような種々のポリオールに付加して合成できる分岐形で用いられる。中心分岐成分は又リシンような幾つかのアミノ酸から誘導できる。分岐ポリエチレングリコールは一般式R(−PEG−OH)sub.mで表され、ここでRはグリセロールやペンタエリスリトールのような核成分を、mは分岐数を表す。ここに全体を文献として取り入れた米国特許5,932,462に記載のもののような多分岐PEG分子がポリマーバックボーンとして用いられる。
多くの他ポリマーが本発明に又適する。非ペプチド性且つ水溶性で2乃至300個の末端を持つポリマーバックボーンが本発明で特に有効である。適切ポリマー例としては限定はされないが、ここに全体を文献として取り入れた米国特許5,629,384に記載のようなポリプロピレングリコール(“PPG”)、エチレングリコールとプロピレングリコールとの共重合体及び同類のようなポリアルキレングリコール、ポリオキシエチル化ポリオール、ポリオレフィンアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリヒドロキシプロピルメタアクリルアミド、ポリ(α―ヒドロキシ酸)、ポリビニルアルコール、ポリホスファゼン、ポリオキサゾリン、ポリN−アクリロイルモルホリン、その共重合体、三元重合体及び混合物がある。ポリマーバックボーンの各鎖の分子量は変化できるが、通常約100ダルトンから約100,000ダルトン、しばしば約6,000ダルトンから約80,000ダルトンの範囲である。
ここにペプチド薬剤を患者に投与する意味で用いた“濃度曲線下面積”或いは“AUC”は時間ゼロから無限の関数に対する患者の全身循環剤濃度を表す曲線下の全面積と定義する。
ここにペプチド薬剤を患者に投与する意味で用いた“半減期”又は“t1/2”という用語は患者の薬剤血漿濃度が半分になるのに要する時間と定義する。複数のクラランス機構、再分布及び技術的によく知られた他機構に依存してするがペプチド薬剤関連の半減期が一つ以上ある。通常アルファとベータ半減期はアルファ相は再分布に関連し、ベータ相はクリアランスに関連すると定義する。しかし大部分で血流に限られるタンパク質薬剤では、少なくとも二つのクリアランス半減期がある。幾つかのグリコシル化ペプチドでは迅速なベータ相クリアランスはマクロファージ上の受容体或いは末端ガラクトースのN−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン、マンノース又はフコースを認識する内皮細胞により仲介される。遅いベータ相クリアランスは有効半径2nm(約69キロダルトン)以下の分子の腎糸球体濾過及び又は組織での特異的又は非特異的摂取と代謝により起こる。糖PEG化により末端糖(例えばガラクトース又はN―アセチルガラクトサミン)を封じ、それによりこれら糖を認識する受容体により迅速なアルファ相クリアランスを遮る。これにより又より大きな有効半径が与えられ、それにより分布体積と組織摂取が減少し、後期ベータ相を延長する。その結果糖PEG化のアルファ相とベータ相半減期に対する正確の効果は技術的によく知られているように、大きさ、グリコシル化状態及び他パラメーターにより変化する。“半減期”の更なる説明は薬剤バイオテクノロジー(Pharmaceutical Biotechnology)(1997年、デイエフエイ、クロンメリン及びアールディ、シンデラー(DFA Crommelin and RD Sindelar)編、ハードウッド出版社(Harwood Publishers)、アムステルダム、101―120頁に見られる。
ここで用いた“糖質複合化”という用語は修飾糖種をポリペプチドのアミノ酸又はグリコシル残基、例えば本発明の突然変異ヒト成長ホルモンとの酵素仲介による複合化を意味する。“糖質複合化”の亜族は“グリコールPEG化”であり、修飾糖の修飾基がポリエチレングルコールであり且つそのアルキル誘導体(例えばm−PEG)か反応性誘導体(例えばHNPEG、HOOC−PEG)である。
“大規模”及び“工業的規模”という用語は同義に用い、且つ単一反応サイクルで少なくとも約250mg、好ましくは少なくとも約500mg、より好ましくは少なくとも約1gを生成する反応サイクルに関する。
ここで用いた“グリコシル連結基”という用語は修飾基(例えばPEG成分、治療成分、生体分子)が共有結合するグリコシル残基を意味する。グリコシル連結基は修飾基を複合体残部と結合する。本発明法では“グリコシル連結基”はグリコシル化か非グリコシル化ペプチドに共有結合し、その結果この試薬をペプチドのアミノ酸及び/又はグリコシル残基に連結する。“グリコシル連結基”は通常“修飾糖”をペプチドのアミノ酸及び/又はグリコシル残基と酵素結合した“修飾糖”から誘導される。グリコシル連結基は修飾基―修飾糖カセット形成(例えば酸化→シッフ塩基形成→還元)中に分解する糖由来構造であるか、又はグリコシル連結基は原型を保つ。“無傷グリコシル連結基”は修飾基と複合体残部と連結する糖モノマーが、例えば過ヨウ素酸ナトリウムで、例えば酸化されないグルコシル成分由来の連結基を意味する。本発明の“無傷グリコシル連結基”は天然にあるオリゴ糖から一つ又は複数のグリコシル単位の付加又は親糖構造から一つ又はそれ以上のグリコシル基の除去で誘導できる。
ここで用いた“標的成分”という用語は体の特定組織か領域に選択的に局在化する種を意味する。この局在化は分子決定基の特異的認識、標的試薬又は複合体の分子サイズ、イオン相互作用、疎水性相互作用及び同類により仲介される。試薬を特定組織や領域に標的化する方法は技術の熟知者には既知である。典型的標的成分としては抗体、抗体断片、トランスフェリン、HS―糖タンパク、凝固因子、血清タンパク質、β―糖タンパク、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージ刺激因子(GM−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−SCF)、エリスロポリエチン及び同類がある。
ここで用いた“治療成分”は限定はされないが、抗生物質、抗炎症剤、抗腫瘍剤、細胞毒素及び放射性試薬を含む治療に有用ないずれかの試薬を意味する。“治療成分”は生物活性剤のプロドラッグ、一つ以上の治療成分を担体と結合した構成物、例えば多価試薬を含む。治療成分は又タンパク質とタンパク質含有構成物を含む。典型的タンパク質としては限定はされないが、エリスロポエチン(EPO)、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、顆粒球マクロファージ刺激因子(GMCSF)、インターフェロン(例えばインターフェロン−α、―β、―γ)、インターロイキン(例えばインターロイキンII)、血清タンパク質(例えば因子VII、VIIa、VIII、IX及びX)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、卵胞刺激ホルモン(FSH)及び黄体形成ホルモン(LH)及び抗体融合タンパク質(例えば腫瘍壊死因子受容体((TNFR)/Fcドメイン融合タンパク質))がある。
ここで用いた“抗腫瘍薬”は限定はしないが、細胞毒素及び抗代謝物、アルキル化剤、アントラサイクリン、抗生物質、有糸分裂阻害剤、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、アスパラギナーゼ、コルチコステロイド、インターフェロン及び放射性試薬のような試薬を含む抗ガンに有効ないずれかの試薬を意味する。“抗腫瘍薬”という用語の範囲内に入るのは抗腫瘍活性を有するペプチド複合体、例えば腫瘍壊死因子(TNF)―αがある。複合体は限定はされないが、治療タンパク質と本発明の糖タンパク間で形成する複合体である。典型的複合体はPSGL−1とTNF―α間で形成したものである。
ここで用いた“細胞毒素又は細胞毒性薬”は細胞に有害ないずれかの試薬を意味する。例としてはタクソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1−デヒドロテストステロン、糖質コルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロパノロール及びピューロマイシン及びその類似体か同族体がある。他の毒素としては例えば、リシン、CC−1065及び類似体、デュオカルミシンがある。更に他毒素としてはジフテリア毒素やヘビ毒(例えばコブラ毒)がある。
ここで用いた“放射性試薬”は腫瘍の診断又は破壊に有効ないずれかの放射性同位元素を含む。例としては限定はされないが、インジウムー111やコバルトー60がある。更には通常放射同位元素混合物を表すウラン、ラジウム及びトリウムのような天然にある放射性元素も放射性試薬の適切例である。金属イオンは有機キレート化成分と通常錯体化する。
多くの有用なキレート化基であるクラウンエーテル、クリプタンド及び同類が技術的に知られており、本発明化合物(例えばEDTA、DTPA、DOTA、NTA、HDTA等及びDTPP、EDTP、HDTP、NTP等のようなそのリン酸塩類似体)に入る。例えばインオルガニックケミストリーインバイオロジーアンドメディシン(Inorganic Chemistry in Biology and Medicine)、マーテル編(Martell)中のピット等(Pitt et al.)、“鉄過剰負荷処理用キレート化剤のデザイン”(Design of Chelating Agents for the Treatment of Iron Overload)、アメリカ化学会(American Chemical Society)、ワシントン(Washington)、ディスクリクトオブコロンビア(D.C.)、1980年、279−312頁;リンドイ(Lindoy)、大環状配位子錯体の化学(The Chemistry of Macrocyclic Ligand Complexes)、ケンブリッジ大学出版社(Cambridge University Press)、ケンブリッジ(Cambridge)、1989年;デュガス(Dugas)、生物有機化学(Bioorganic Chemistry)、スプリンガー出版社(Springer Verlag)、ニューヨーク、1989年及びそこに含む文献を参照。
更にキレート化剤、クラウンエーテル及びシクロデキストリンを他分子に結合できる種々の手段を技術の熟知者に利用できる。例えばフィーニイ等(Feeney et al.)編、タンパク質修飾:食品的、栄養的及び薬理的様態(Modification of Proteins: Food, Nutritional, And Pharmacological Aspects)中のメアーズ等(Mears et al.)、“体内キレート剤付きタンパク質とポリペプチドの特性”(Properties of In Vivo Chelate-Tagged Proteins and Polypeptides)、アメリカ化学会(American Chemical Society)、ワシントン(Washington)、ディスクリクトオブコロンビア(D.C.)、1982年、370−387頁;カシナ等(Kasina et al.)、バイオコンジュゲートケミストリー(Bioconjugate Chem.)、9巻、108―117頁、1998年;ソング等(Song et al.)、バイオコンジュゲートケミストリー(Bioconjugate Chem)、8巻、249−255頁、1997年を参照。
ここで用いた“薬剤的容認の担体”は複合体と一緒にした場合、複合体活性を保持し且つ被験者の免疫系と反応しないいずれかの材料を含む。例としては限定はされないが、リン酸塩緩衝食塩水、水、油/水エマルジョンのようなエマルジョン及び種々のタイプの湿潤剤のような標準的薬剤担体がある。他の担体としては又減菌溶液、コート錠剤を含む錠剤及びカプセルがある。典型的なこの担体としては澱粉、牛乳、砂糖、あるタイプの粘土、ゼラチン、ステアリン酸とその塩、ステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸カルシウム、タルク、植物脂肪又は植物油、ガム、グリコールやその他の既知賦形剤のような賦形剤がある。この担体は又香味や着色剤又は他材料を含有できる。この担体含有組成は既知の在来法で処方する。
ここで用いた“投与する”は被験者に経口投与、吸入、座薬投与、局所接触投与、静脈投与、腹腔投与、筋肉投与、病巣内投与、鼻腔投与か皮下投与、遅延放除器具、例えばミニ浸透圧ポンプの埋め込み意味する。投与は非経口及び径粘膜(例えば経口、経鼻、膣、直腸又は経皮的)を含むいずれかの手段による。非経口投与としては例えば、静脈、筋肉、細動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内及び頭蓋内を含む。さらに注射が腫瘍治療、例えばアポトーシスを誘導する場合、腫瘍に及び/又は腫瘍周囲組織に直接投与できる。他のやり方のデリバリーとしては限定はしないが、リポソーム処方、静脈内輸液、経皮貼布等の使用がある。
“単離した”という用語は材料生成に用いる成分が実質的か本質的に含まれていない材料を意味する。本発明のペプチド複合体に関しては、“単離した”という用語はペプチド複合体の合成に用いた混合物中材料に通常伴う成分を実質的に或いは本質的に含まない材料を意味する。“単離した”と“純粋な”は同義的に用いる。大体は本発明の単離ペプチド複合体は好ましくは幅で表した純度水準を有する。ペプチド複合体の純度幅の下端は約60%、約70%又は約80%で且つ純度幅の上端は約70%、約80%、約90%或いは約90%以上である。
ペプチド複合体が純度約90%以上であれば、その純度は又好ましくは幅で表す。純度幅の下端は約90%、約92%、約94%、約96%又は約98%である。純度幅の上端は約92%、約94%、約96%、約98%又は約100%である。
純度はいずれかの技術的に認知の分析法(例えば銀着色ゲルの帯強度、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、高速液体クロマトグラフィーや類似法)で決定する。
ここで用いた“本質的な個体群の各員”はペプチドに付加した選択パーセントの修飾糖をペプチド上の複数の同一受容体部に付加した本発明のペプチド複合体個体群の特性を表す。“本質的な個体群の各員”は修飾糖に対するペプチド複合体部位の“均一性”を物語り、本発明の複合体が少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約95%均一であることを意味する。
“均一性”は修飾糖の複合化した受容体成分の個体群全体での構造的均一性を意味する。従って各修飾糖成分が全ての他修飾糖の複合化した受容体成分と同じ構造を持つ受容体部位と複合化した本発明のペプチド複合体では、ペプチド複合体は約100%均一と云われる。均一性はおおむね幅で表す。ペプチド複合体の均一性幅の下端は約60%、約70%又は約80%であり、純度幅の上端は約70%、約80%、約90%又は約90%以上である。
ペプチド複合体の均一性が約90%かそれ以上であれば、その均一性は好ましくは幅として表す。均一性幅の下端は約90%、約92%、約94%、約96%又は約98%である。純度幅の上端は約92%、約94%、約96%、約98%又は約100%均一である。ペプチド複合体純度は技術の熟知者に既知の一つ又はそれ以上の方法、例えば液体クロマトグラフィー−質量分析法(LC−MS)、マトリックス支援レーザー脱離飛行時間質量分析法(MALDITOF)、キャピラリー電気泳動法及び同類で通常決定される。
“実質的に均一なグライコフォーム”又は“実質的に均一なグリコシル化型”とは、糖ペプチド種に関する場合興味の糖転移酵素(例えばフコシル基転移酵素)によりグリコシル化した受容体成分のパーセントを意味する。例えばα1,2フコシル基転移酵素の場合、もし実質的に全て(以下に定義するように)のGalβ1,4−GlcNAc−R及びそのシアル酸付加類似体が本発明のペプチド複合体でフコシル化されているならば、実質的に均一なフコシル化型として存在する。原料がグリコシル化受容体成分(例えばフコシル化Galβ1,3−GlcNAc−R成分)を含有できることは技術の熟知者には理解できる。従って計算パーセントのグリコシル化は本発明法でグリコシル化した受容体成分と同様に原料で既にグリコシル化された受容体成分も含む。
上で定義の“実質的に均一な”での“実質質的に”という用語は通常特定糖転移酵素の受容体成分の少なくとも約40%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%且つ更により好ましくは少なくとも約95%がグリコシル化されていることを意味する。
本発明の他目的、様態及び利点は以下の詳細な説明から明らかになる。
略語
PEG;ポリエチレングリコール;m−PEG、メトキシポリエチレングリコール;PPG、ポリプロピレングリコール;m−PPG、メトキシポリプロピレングリコール;Fuc,フコシル;Gal、ガラクトシル;GalNAc、N−アセチルガラクトサミニル;Glc,グルコシル;GlcNAc、N−アセチルグルコサミニル;Man,マンノシル;ManAc、マンノサミン酢酸塩;Sia、シアル酸;及びNeuAc、N−アセチルノイラミニル。
序文
治療目的に用いる組み換えヒト成長ホルモンの効力を改良するため、本発明は天然にあるヒト成長ホルモンには存在しないN−連結又はO−連結グリコシル成分を含有するヒト成長ホルモンの遺伝子組み換え突然変異体を提供する。このhGH突然変異体は実質的に野生型ホルモンの生物活性を保持するが、新規導入のグリコシル化部位で組み替え生成hGH突然変異体を種々の形でグリコシル化できる。更に非天然のグリコシル部位は修飾基をペプチド複合化、例えば糖質複合化する場を提供する。典型的修飾基はポリエチレングリコール、例えばメトキシポリエチレングリコールのような水溶性ポリマーである。hGH突然変異体修飾により患者の循環での組み換えhGHの安定性と滞留時間を改良し、抗原生を減少し且つ治療に必要な特定組織への標的能力を増す。
突然変異体
本発明は野生型ペプチドには見られない一つ又はそれ以上のO−又はN−連結グリコシル化成分を含むhGH突然変異体を提供する。この突然変異体は野生型ペプチドでは通常グリコシル化されないか又は不十分にしかグリコシル化されない一つ又はそれ以上の部位で酵素性グリコシル化される基質である。従って突然変異体はグリコシル残基又はグリコシル連結基位置を操作して選択した所望の特性を持つペプチドを得ることができる。グルコシル残基やグリコシル連結基の位置及び数に加えて、本発明の突然変異体と方法を用いて変えられる他特性としては、薬物動態学、薬力学、タンパク質分解に対する抵抗、免疫原生、細網内皮系による認識、組織分布及び同類がある。
従って一形態では本発明は突然変異ヒト成長ホルモンコード化ポリヌクレオチド配列からなる単離核酸を提供する。突然変異ヒト成長ホルモンは対応野生型ヒト成長ホルモンには存在しないN−連結又はO−連結グリコシル化部位からなる。幾つかの実施形態では対応の野生型ヒト成長ホルモンはSEQ ID NO:1又はSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有する。ある好ましい実施形態では突然変異ヒト成長ホルモンはSEQ ID NO:3、4,5、6,7、8又は9のアミノ酸配列からなる。
他様態では本発明は発現カセット又は核酸、例えば突然変異ヒト成長ホルモンコード化ポリヌクレオチドを含む単離核酸からなる細胞を提供する。突然変異成長ホルモンは対応野生型ヒト成長ホルモンでは存在しないN−連結又はO−連結グリコシル化部位を含む。
他様態では本発明は対応野生型ヒト成長ホルモンには存在しないN−連結又はO−連結グリコシル化部位含有突然変異ヒト成長ホルモンを提供する。ある実施形態では対応野生型ヒト成長ホルモンはSEQ ID NO:1又はSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有する。ある好ましい実施形態では突然変異ヒト成長ホルモンはSEQ ID NO:3,4,5,6,7,8又は9のアミノ酸配列を含む。
他様態では本発明は対応野生型ヒト成長ホルモンには存在しないN−連結又はO−連結グリコシル化部位含有突然変異ヒト成長ホルモンの作成法を提供する。この方法は突然変異ヒト成長ホルモンを組み換え産生し且つ新規グリコシル化部位で突然変異ヒト成長ホルモンをグリコシル化するステップからなる。ある実施形態では対応野生型ヒト成長ホルモンはSEQ ID NO:1又はSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を有する。ある好ましい実施形態では突然変異ヒト成長ホルモンはSEQ ID NO:3,4,5,6,7,8又は9のアミノ酸配列を含む。
hGHコード配列の取得
一般的組み換え技術
本発明は組み換え遺伝学分野でのルーチンな技法による。本発明で用いた一般的方法を開示した基本書として、サムブルック及びラッセル(Sambrook and Russell)、分子クローニング、実験室マニュアル(Molecular Cloning, A Laboratory Manual )第三版、2001年;クリーグラー(Kriegler)、遺伝子導入と発現、実験室マニュアル(Gene Transfer and Expression: A Laboratory Manual)、1990年及びアウスベル等(Ausubel et al.)編、分子生物学での現行プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)、1994年がある。
核酸に関するサイズはキロベース(kb)か塩基対(bp)のいずれかで表す。これらはアガロース又はアクリルアミドゲル電気泳動、配列化核酸又は公表のDNA配列由来の推定値である。タンパク質のサイズはキロダルトン(kDa)かアミノ酸残基数で表す。タンパク質のサイズはゲル電気泳動、配列化タンパク質、誘導化アミノ酸配列又は公表のタンパク質配列から推定する。
市販されていないオリゴヌクレオチドは、例えばビューケージ及びアルーザース(Beaucage & Caruthers)、テトラヘドロンレターズ(Tetrahedron Lett.)、22巻、1859−1862頁、1981年に最初に記載された固相ホスホラミダイトトリエステル法により、バンデバンター等(Van Devanter et al.)、ニュウクレイックアシッドリサーチ(Nucleic Acids Res.)、12巻、6159−6168頁、1984年に記載の自動シンセサイザーを用いて化学的に合成できる。オリゴヌクレオチドの精製はいずれかの技術的認知の方策、例えばピアーソン及びレニアー(Pearson & Reanier)、ジャーナルオブクロマトグラフィー(J. Chrom.)、255巻、137−149頁、1983年に記載のように未変性アクリルアミドゲル電気泳動又は陰イオン交換高速液体クロマトグラフィーを用いて行う。
クローン化野生型ヒト成長ホルモン遺伝子、突然変異ヒト成長ホルモンコード化ポリヌクレオチド及び合成オリゴヌクレオチドの配列はクローン後、例えばウオレス等(Wallace et al )、ジーン(Gene)、16巻、21−26頁、1981年の二本鎖テンプレートを配列する鎖停止法をもちいて確認する。
野生型hGHコード化配列のクローニングとサブクローニング
多数の野生型ヒト成長ホルモンコード化ポリヌクレオチオ配列、例えば遺伝子バンクアクセス番号NM000515、NM002059、NM022556、NM022557、NM022558、NM022559、NM022560、NM022561及びNM
022562が決定され、民間供給業者から取得できる。
ヒトゲノム研究の急速な進歩により、以前に同定されたヒト成長ホルモンをコード化したもののように、ヒトDNA配列データベースを既知ヌクレオチド配列に対して明確なパーセントの配列相同性を持ついずれかの遺伝子断片に関して調べることができる場合、クローニング法が可能になった。同定したいずれかのDNA配列は次いで化学合成及び/又は重複拡張法のようなポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により得られる。短い配列では新規合成で十分である。一方大きな遺伝子を得るには、合成プローブを用いてヒト相補DNA又はゲノムライブラリーから完全長コード配列を更に単離する必要がある。
代わりに、相同ベースのプライマーが既知のヒト成長ホルモンコード化アミノ酸配列にしばしば由来する場合、ヒト成長ホルモンコード化核酸配列をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような標準クローン化技法を用いてヒト相補DNAやゲノムDNAライブラリーから単離できる。この目的のために通常良く使われる技法は標準テキスト、例えば上記のサムブルック及びラッセルの本に記載されている。
野生型ヒト成長ホルモン用のコード配列を得るのに適した相補DNAライブラリーは市販であり又構築できる。伝令RNAを単離し、逆転写により相補DNAを作成し、相補DNAを組み換えベクターに連結し、増殖用の組み換え宿主に形質移入し、選別し且つクローニングする一般法は良く知られている。(例えばグブラー及びホフマン(Gubler and Hoffman)、ジーン(Gene)、25巻、263−269頁、1983年;アウスベル等(Ausubel et al.)、上記を参照)。PCRによりヌクレオチド配列の増幅断片が得られると、この断片を更にプローブとして用いて、相補DNAライブラリーから野生型ヒト成長ホルモンコード化完全長ポリヌクレオチド配列を単離する。適切な方法に関する一般的記述は上記のサムブルック及びラッセル(Sambrook and Russell)の本に見いだせる。
同様な方法を用いてヒトゲノムライブラリーから、野生型ヒト成長ホルモンコード化完全長配列、例えば上述の遺伝子バンクアクセス番号のいずれか一つを得る。ヒトゲノムライブラリーは市販であり又種々の技術的認知の方法で構築できる。一般にゲノムライブラリーの構築には最初にDNAをヒト成長ホルモンが見いだされそうな組織から抽出する。このDNAを次いで機械的に剪断をかけるか酵素的に消化して長さ約12−20kbの断片を得る。この断片を次いで勾配遠心分離により好ましくないサイズのポリヌクレオチド断片を分離しバクテリオファージγベクターに挿入する。このベクターとファージを体外でパッケージする。組み換えファージはベントン及びデービス(Benton and Davis)、サイエンス(Science)、196巻、180−182頁、1977年に記載されているようにプラクハイブリダイゼーションにより分析する。コロニーハイブリダイゼーションはグランスタイン等(Grunstein et al.)、プロシーディングオブナショナルアカデミーオブサイエンスユウエスエイ(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、72巻、3961−3965頁、1975年に記載のように行う。
配列相同性に基づいて縮重オリゴヌクレオチドをプライマーセットとして設計し、且つ適切な条件下でPCRを実施して(例えばホワイト等(White et al.)、 PCRプロトコール:現行方法と応用(PCR Protocols: Current Methods and Application)、1993年;グリフィン及びグリフィン(Griffin and Griffin)、PCR技術(PCR Technology)、シイアールシイ出版社(CRC Press Inc.)、1994年を参照)相補DNAかゲノムライブラリーのヌクレオチド配列断片を増幅する。プローブとしてこの増幅断片を用いて野生型ヒト成長ホルモンコード化完全長核酸を得る。
野生型ヒト成長ホルモンコード化核酸配列を得ると、そのコード配列をベクター、例えば発現ベクターにサブクローンでき、その結果組み換え野生型ヒト成長ホルモンが生成構生物から得ることができる。野生型ヒト成長ホルモンコード配列への更なる修飾、例えばヌクレオチド置換により次いで分子特性を変えられる。
hGH配列への突然変異の導入
コード化ポリヌクレオチド配列から野生ヒト成長ホルモン、例えばSEQ ID NO:1又はSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を決定できる。次いでこのアミノ酸配列を一つ又は複数の追加グリコシル化部位をアミノ酸配列の種々の場所に導入して、タンパク質のグリコシル化型を変えて修飾する。
幾つかのタイプのタンパク質グリコシル化部位が技術的に知られている。例えば真核生物ではN−連結グリコシル化が共通配列Asn−Xaa―Ser/Thrのアスパラギンで起こり、ここでXaaはプロリン以外のいずれかのアミノ酸である。(コーフェルド(Kornfeld et al.)、アニュウアルレビューオブバイオケミストリー(Ann. Rev. Biochem. )、54巻、631−664頁、1985年;ククラジンスカ等(Kukuruzinska et al.)、プロシーディングオブナショナルアカデミーオブサイエンスユウエスエイ(Proc. Natl. Acad. Sci. USA )、84巻、2145−2149頁、1987年;ハルスコビックス等(Herscovics et al.)、エフエイエスイービージャーナル(FASEB J.)、7巻、540−550頁、1993年及びオルリーン(Orlean)、サッカロマイス(Saccahromyces)、3巻、1996年)。O−連結グリコシル化はセリン又はスレオニン残基で起こる。(タンナー等(Tanner et al. )、バイオキミカバイオフィジカアクタ(Biochim. Biophys. Acta)、906巻、81−91頁、1987年;ハウンゼル等(Hounsell et al.)、グリココンジュゲートジャーナル(Glycoconju. J.)、13巻、19−26頁、1996年)。他のグリコシル化型はグリコシルホスファチジルイノシトールをタンパク質のカルボキシル末端カルボキシル基に連結して形成する。(武田等(Takeda et al.)、トレンドインバイオケミカルサイエンス(Trends Biochem. Sci.)、20巻、367−371頁、1995年;及びウデンフレンド等(Udenfriend et al.)、アニュアルレビューオブバイオケミストリー(Ann. Rev. Biochem.)、64巻、593−591頁、1995年)。この知識を基に適切な突然変異を野生型ヒト成長ホルモン配列に導入して新規グリコシル化部位が形成できる。
ヒト成長ホルモンペプチド配列内でのアミノ酸残基の直接的修飾は新規N−連結又はO−連結グリコシル化部位導入に適しているが、より高い頻度で新規グリコシル化部位の導入がヒト成長ホルモンコード化ポリヌクレオチド配列を突然変異することにより達成される。これは既知の突然変異誘発法のいずれか用いて達成でき、その幾つかは以下に検討する。ヒト成長ホルモンの典型的修飾としてはSEQ ID NO:3又はSEQ ID NO:4に示したものがある。
種々の突然変異生成プロトコールが技術的に確立され且つ記載されている。例えばザング等(Zhang et al.)、プロシーディングオブナショナルアカデミーオブサイエンスユウエスエイ(Proc. Natl. Acad. Sci. USA )、94巻、4504−4509頁、1997年;ステマー(Stemmer)、ネーチャー(Nature)、370巻、389−391頁、1994年参照。その方法は別々に或いは組み合わで用いて一組の核酸変形体を、従って且つコード化ポリペプチド変形体生成できる。突然変異誘発、ライブラリー構築やその他の多様性生成法用キットが市販されている。
多様性生成の突然変異法としては、例えば部位指定突然変異誘発(ボトステイン及びショートル(Botstein and Shortle)、サイエンス(Science)、229巻、1193―1201頁、1985年)、ウラシル含有テンプレート使用の突然変異誘発(クンケル(Kunkel)、プロシーディングオブナショナルアカデミーオブサイエンスユウエスエイ(Proc. Natl. Acad. Sci. USA )、82巻、488−492頁、1985年)、オリゴヌクレオチド指定突然変異誘発(ゾラー及びスミス(Zoller and Smith)、ヌクレイックアシッドリサーチ(Nucl. Acids Res.)、10巻、6487−6500頁、1982年)、ホスホロチオエート修飾DNA突然変異誘発(テイラー等(Taylor et al.)、ヌクレイックアシッドリサーチ(Nucl. Acids Res.)、13巻、8749−8764頁、及び8765−8787頁、1985年)及びギャップ二本鎖DNA使用の突然変異誘発(クレーマー等(Kramer et al.)、 ヌクレイックアシッドリサーチ(Nucl. Acids. Res.)、12巻、9441−9456頁、1984年)がある。
突然変異を起こす他の可能な方法としては、点ミスマッチ修復(クレーマー等(Kramer et al. )、セル(Cell)、38巻、879−887頁、1984年)、修復欠損宿主株使用の突然変異誘発(カーター等(Carter et al.)、ヌクレイックアシッドリサーチ(Nucl. Acids Res. 、13巻、4431−4443頁、1985年)、欠失突然変異誘発(エグテダルザデー及びヘニコフ(Eghtedarzadeh and Henikoff )、ヌクレイックアシッドリサーチ(Nucl. Acids Res.)、14巻、5115頁、1986年)、制限―選択及び制限―精製(ウエルズ等(Wells et al.)、フィロソフィーオブトランザクションオブロイヤルソサエティオブロンドン(Phil. Trans. R. Soc. Lond.)、A317,415−423頁、1986年、遺伝子全合成による突然変異誘発(ナンビアー等(Nambiar et al.)、サイエンス(Science)、223巻、1299−1301頁、1984年)、二本鎖切断修復(マンデッキ(Mandecki)、プロシーディングオブナショナルアカデミーオブサイエンスユウエスエイ(Proc. Natl. Acad. Sci. USA )、83巻、7177−7181頁、1986年)、ポリヌクレオチド鎖停止法による突然変異誘発(米国特許5,965,408)及び誤りがちなPCR(ロング等(Leung et al.)、バイオテクニック(Biotechniques)、1巻、11−15頁、1989年)がある。
宿主生物体での好ましいコドン使用用核酸の修飾
突然変異ヒト成長ホルモンコード化ポリヌクレオチド配列はさらに特定宿主での好ましいコドン使用と一致する様に変えられる。例えば一株の細菌性細胞の好ましいコドン使用を本発明の突然変異ヒト成長ホルモンをコード化し且つこの株が好むコドンを含むポリヌクレオチドの誘導化に利用できる。宿主細胞が示す好ましいコドン使用頻度は宿主細胞が発現する多数の遺伝子での好ましいコドン使用頻度を平均化して計算できる。(例えば計算サービスが日本のカズサDNA研究所(Kazusa DNA Research Institute)のウエブサイトで利用できる)。この分析は好ましくは宿主細胞により高度に発現される遺伝子に限る。米国特許5,824,864には例えば双子葉植物や単子葉植物が示す高度の発現遺伝子によるコドン使用頻度が提供されている。
修飾が完了すると突然変異ヒト成長ホルモンコード化配列を配列化により実証し、次いで野生型ヒト成長ホルモンと同じ方法で組み換え産生用の適切な発現ベクターにサブクローンする。
突然変異hGHの発現と精製
配列確認に続いて本発明の突然変異ヒト成長ホルモンをここに開示のポリペプチドコード化ポリヌクレオチド配列により、組み換え遺伝学分野の決まり切った技法を用いて生成する。
発現系
本発明の突然変異ヒト成長ホルモンコード化核酸が高レベルで発現されるように、通常突然変異ヒト成長ホルモンをコード化ポリヌクレオチドを直接転写への強力なプロモーター、転写/翻訳ターミネーター及び翻訳開始用リボソーム結合部位を含有する発現ベクターへサブクローンする。適切な細菌性プロモーターは技術的によく知られ、例えば上記のサムブルック及びラッセル(Sambrook and Rusell)の本及び上記のアウスベル等(Ausubel el al.)の本に記載されている。野生型か突然変異ヒト成長ホルモン発現用の細菌性発現系は、例えば大腸菌、グラム陽性桿菌、サルモネラ菌及びカウロバクター菌で入手できる。この発現系用キットが市販されている。哺乳類細胞、酵母及び昆虫細胞用の真核生物発現系は技術的によく知られており又市販されている。一実施形態では真核生物発現ベクターはアデノウイルスベクター、アデノ関連ベクター或いはレトロウイルスベクターである。
異種核酸の直接発現に用いるプロモーターは個々の応用に依存する。プロモーターは任意に異種転写開始点からの距離が天然設定での転写開始点からと同じに位置する。しかし技術的に知られているように、いくらかの距離変化はプロモーター機能を失うこと無しに順応できる。
プロモーターに加えて発現ベクターは通常宿主細胞の突然変異ヒト成長ホルモンの発現に必要な追加因子を全て含む転写ユニットか発現カセットを含む。典型的発現カセットは従って、突然変異ヒト成長ホルモンコード化核酸配列と働けるよう連結したプロモーターと転写物、リボソーム結合部位及び翻訳終結の効果的ポリアデニル化に必要な信号を含む。ヒト成長ホルモンコード化核酸配列は通常開裂可能な信号ペプチド配列と連結し、変換細胞によりヒト成長ホルモンの分泌を促進する。この信号ペプチドとしてはとりわけ、組織プラズミノゲン活性化因子、インスリン、ニューロン成長因子及びタバコガの幼若ホルモンエステラーゼからの信号ペプチドがある。カセットの追加因子としてはエンハンサーも含まれ、ゲノムDNAが構造遺伝子として用いられる場合は機能性スプライス供与体と受容体部位のイントロンも含む。
プロモーター配列の他に発現カセットは効果的に終結する構造遺伝子下流の転写終結領域を含む。終結領域はプロモーター配列と同じ遺伝子から得られ又異なる遺伝子からも得られる。
遺伝情報の細胞への輸送に用いる特定発現ベクターは特に重要ではない。真核生物細胞や原核生物細胞の発現に用いる在来ベクターのいずれかが使用できる。標準的細菌性発現ベクターとしてはpBR322ベースプラスミド、pSKF、pET23Dのようなプラスミド及びGSTやLacZのような融合発現系がある。エピトープ標識も又在来単離法による組み換えタンパク質、例えばc−mycに付加する。
真核生物ウイルスからの制御因子含有発現ベクターは通常真核生物発現ベクター、例えばSV40ベクター、乳頭腫ウイルスベクター及びEBウイルス由来ベクターで用いる。他の典型的真核生物ベクターとしてはpMSG、pAV009/A,pMTO10/A、pMAMneo―5、バキュロウイルスpDSVE及びSV40初期プロモーター、SV40後期プロモーター、メタロチオネインプロモーター、マウス乳腺腫ウイルスプロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、ポリヘドリンプロモーター或いは真核生物細胞の発現に有効性を示す他プロモーターの指図でタンパク質を発現できるいずれかの他ベクターがある。
ある発現系はチミジンキナーゼ、ハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ及びジヒドロ葉酸還元酵素のような遺伝子増幅を与えるマーカーを有する。代わりに遺伝子増幅を伴わない高収率発現系も昆虫細胞のバキュロウイルスのようにポリヘドリンプロモーター又は他の強力なバキュロウイルスプロモーターの指図での突然変異ヒト成長ホルモンコード化ポリヌクオチド配列に適切である。
発現ベクターに通常含まれる因子も又組み換えプラスミドを内部に持つ細菌とプラスミドの非本質的領域で真核生物配列を挿入できる唯一の制限部位の選択が可能な抗生物質耐性コード化遺伝子、大腸菌で機能するレプリコンを含む。選択の特定の抗生物質耐性遺伝子は重要ではなく、技術的に既知の多くの耐性遺伝子のいずれかが適切である。原核生物配列はもし必要なら真核生物細胞のDNA複製を妨害しないように任意に選ぶ。抗生物質耐性選択マーカーと同様に、既知代謝経路に基づく代謝選択マーカーも又転換宿主細胞の選択手段として用いられる。
組み換えタンパク質(例えば本発明のhGF突然変異体)のペリプラズム発現が望ましい場合、発現ベクターは更に発現されるタンパク質のコード配列の5‘位に直接結合した大腸菌OppA(ペリプラズムオリゴペプチド結合タンパク質)分泌信号又はその修飾物のような分泌信号コード化配列を含む。この信号配列により細胞質で産生の組み換えタンパク質を細胞膜を通じてペリプラズム空間に導く。発現ベクターは更に組み換えタンパク質がペリプラズム空間に入ったとき、信号配列を酵素開裂できるペプチダーゼ1信号用コード配列を含む。組み換えタンパク質のペリプラズム生成にかんするより詳細な記述は例えば、グレイ等(Gray et al.)、ジーン(Gene)、39巻、247−254頁、1985年、米国特許6,160,089及び6,436,674に見いだせる。
上で検討したように技術の熟知者にはいずれかの野生型又は突然変異ヒト成長ホルモン又はそのコード配列で、ヒト成長ホルモンの生物活性を保持しながら、種々の保守的置換ができることが分かる。さらにポリペプチドコード配列の修飾により生成アミノ酸配列を変えること無しに特定発現宿主での好ましいコドン使用が伴う。
形質移入法
標準的形質移入法が大量の突然変異ヒト成長ホルモンを発現する細菌性細胞株、哺乳類細胞株、酵母細胞株、昆虫細胞株又は植物細胞株生成に使用でき、次いで標準法を用いて精製する。(例えばコーリー等(Colley et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー( J. Biol. Chem.)、264巻、17619−17622頁、1989年;ドイチャー(Deutscher)編、メソッドインエンザイモロジー(Methods in Enzymology)、182巻、1990年中の タンパク質精製ガイド(Guide to Protein Purification)を参照)。真核生物細胞と原核生物細胞の形質移入は標準法で実施する。(例えばモリソン(Morrison)、ジャーナルオブバクテリオロジー(J. Bact.)、132巻、349−351頁、1977年;クラークーカーチス及びカーチス(Clark-Curtiss & Curtiss)、メソッドインエンザイモロジー(Methods in Enzymyology)、101巻、347−362頁(ウー等(Wu et al)編、1983年を参照)。
異質ヌクレオチド配列の宿主細胞への導入に既知方法のいずれかが用いられる。これらとしてはリン酸カルシウム形質移入、ポリブレン、原形質融合、電気穿孔法、リポソーム、微量注入、血漿ベクター、ウイルスベクター及びクローン化ゲノムDNA、相補DNA、合成DNA或いは家主細胞への他異質遺伝物質の使用がある。(例えば上記のサムブルック及びラッセルSambrook and Russel)の本参照)。用いる特定の遺伝子工学法は少なくとも一つの遺伝子を突然変異ヒト成長ホルモンを発現できる宿主細胞にうまく導入できることが必要なだけである。
宿主細胞での突然変異hGH発現の検出
発現ベクターを適切な宿主細胞に導入後、形質移入細胞を突然変異ヒト成長ホルモン発現に好ましい条件で培養する。この細胞を組み換えポリペプチド発現のため選別し、次いで標準法を用いて培養物から回収する。(例えばスコープズ(Scopes)、タンパク質精製:原理と実行(Protein Purification: Principles and Practice)、1982年;米国特許4,673,641;上記のアウスベル(Ausubel)の本及び上記のサムブルック及びラッセル(Sambrook and Russell)の本を参照)。
技術の熟知者にとっては遺伝子発現の選別に関する幾つかの一般法はよく知られている。第一に遺伝子発現は核酸レベルで検出できる。核酸ハイブリッド形成法を用いた特定DNA及びRNA測定に種々の方法が一般に用いられる。(例えば上記のサンブルック及びラッセル(Sambrook and Russell)の本)。幾つかの方法としては電気泳動分離(例えばDNA検出にサザンブロットをRNA検出にノーザンブロット)があるが、DNA又はRNA検出は同様に(ドットブロットのように)電気泳動無しで行える。形質移入細胞の突然変異ヒト成長ホルモンコード化核酸の存在が又配列特異的プライマーを用いてPCR又はRT−PCRにより検出できる。
第二に遺伝子発現はポリヌクオチドレベルで検出できる。技術の熟知者は遺伝子産物レベルの測定に、特にアミノ酸配列SEQ ID NO:3,4又は5を持つポリペプチドのような本発明の突然変異ヒト成長ホルモンと特異的に反応するポリクロナール抗体かモノクロナール抗体を用いて、種々の免疫学的分析をごく普通に用いる。(例えばハーロウ及びレーン(Harlow and Lane)、抗体、実験室マニュアル(Antibodies, A Laboratory Manual)、14章、コールドスプリングハーバー(Cold Spring Harbor)、1988年:コーラー及びミルシュテイン(Kohler and Milstein)、ネーチャー(Nature)、256巻、495−497頁、1975年)。このような技法は突然変異ヒト成長ホルモンに対して高度に特異的な抗体か又はその抗原性部分を選択して抗体を作成する必要がある。ポリクロナール抗体及びモノクロナール抗体の産生法はよく確立されておりその説明は文献に見られる。例えばハーロウ及びレーン(Harlow and Lane)、上記文献;コーラー及びミルシュテイン(Kohler and Milstein)、ヨーロピアンジャーナルオブインミュノロジー(Eur. J. Immunol.)、6巻、511−519頁、1976年を参照。本発明の突然変異ヒト成長ホルモンに対する抗体の作成及び突然変異ヒト成長ホルモン検出する免疫学的分析の実施については、より詳細な説明を後節で提供する。
組み換え産生突然変異hGHの精製
形質移入宿主細胞の組み換え突然変異ヒト成長ホルモンの発現が一旦確認されると、その宿主細胞を組み換えポリペプチド精製目的で適切規模で培養する。
細菌からの組み換え産生突然変異hGHの精製
本発明の突然変異ヒト成長ホルモンが通常はプロモーター誘導後、大量の形質転換細菌により、組み換え的に産生する場合、発現は恒常的であるがそのタンパク質は不溶性会合体を形成できる。タンパク質封入体の精製に適する幾つかのプロトコールがある。例えば会合タンパク質(以後封入体と云う)の精製は通常細菌性細胞の破壊、例えば約100−150μg/mlのリゾチームと非イオン洗剤の0.1%ノニデットP−40の緩衝液中で温置して封入体の抽出、分離及び/又は精製を伴う。細胞懸濁物はポリトロングラインダー(ブリンクマンインストルメント社(Brinkman Instruments)、ウエストバリー(Westbury)、ニューヨーク州(NY)を用いて粉砕できる。代わりに細胞を氷上で超音波分解できる。細菌溶解の別法は上記のアウスベル等(Ausubel et al)の本とサムブルック及びラッセル(Sambrook and Russell)の本に記載されており、技術の熟練者には明白である。
細胞懸濁物は通常遠心分離し封入体含有ペレットを封入体を溶解しないが洗浄する緩衝液、例えば20ミリモルのトリス塩酸(pH7.2)、1ミリモルのEDTA、150ミリモル食塩及び2%トリトンーX100非イオン洗浄剤に再懸濁する。細胞残屑をできるだけ除去するために洗浄段階を繰り返す必要性がある。封入体の残留ペレットを適切な緩衝液(例えば20ミリモルのリン酸ナトリウム、pH6.8、150ミリモルの食塩)に再懸濁できる。他の適切緩衝液は技術の熟知者には明白である。
洗浄段階に続いてこの封入体を強い水素受容体で且つ強い水素供与体の両者(又はこれら特性の一つを持つ各溶剤の組み合わせ)である溶剤を加えて可溶化する。封入体形成のタンパク質を次いで適合性のある緩衝液で希釈又は透析により変性する。適切な溶剤としては限定されないが、尿素(約4モルから約8モル)、ホルムアミド(体積/体積基準で少なくとも約80%)及びグアニジン塩酸塩(約4モルから約8モル)がある。SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)と70%ギ酸のような会合体形成タンパク質を可溶化できる幾つかの溶剤は、タンパク質の不可逆変性の可能性のため、免疫原生及び/又は活性の欠如を伴い本方法での使用には適さない。グアニジン塩酸塩と類似試薬は変性剤であるが、この変性は不可逆ではなく、変性剤を除去(例えば透析で)又は希釈すると変性が起こり、興味の免疫的及び/又は生物的活性タンパク質を再形成できる。可溶化後このタンパク質を他細菌性タンパク質から標準的分離法で分離する。細菌性封入体からの
組み換えヒト成長ホルモンの精製についての更なる説明は、例えばパトラ等(Patra et al. )プロテインエクスプレッションアンドピュウリフィケーション(Protein Expression and Purification)、18巻、182−190頁、2000年参照。
代わりに組み換えポリペプチド、例えば突然変異ヒト成長ホルモンを細菌性ペリプラズムから精製することもできる。組み換えタンパク質が細菌のペリプラズムに輸送される場合、技術の熟知者に知られた他方法の他に、細菌のペリプラズム画分は冷浸透圧衝撃により単離できる。(例えば上記アウスベル等(Ausubel et al.)の本を参照)。ペリプラズムから組み換えタンパク質を単離するには、細菌性細胞を遠心分離してペレットを形成する。このペレットを20%蔗糖含有緩衝液に再懸濁する。細胞を溶解するためその細菌を遠心分離し、ペレットを氷冷の5ミリモルの硫酸マグネシウムに再懸濁し、約10分間氷浴に保持する。細胞懸濁物を遠心分離し上澄み液を容器を傾けて移し保存する。上澄み液に存在の組み換えタンパク質は技術の熟知者にはよく知られた標準的分離法で宿主タンパク質から分離できる。
精製のための標準的タンパク質分離法
組み換えポリペプチド、例えば本発明の突然変異ヒト成長ホルモンが溶解した形で宿主細胞で発現されると、その精製は以下に述べる標準的タンパク質精製法へと進む。
溶解度分別
しばしば最初の段階でもしタンパク質混合物が複雑な場合、最初の塩分別により望まない宿主細胞タンパク質(又は細胞培地由来のタンパク質)の多くを興味の組み換えタンパク質、例えば本発明の突然変異ヒト成長ホルモンから分離できる。好ましい塩は硫酸アンモニウムである。硫酸アンモニウムは効果的にタンパク質混合物中の水量を減少してタンパク質を沈降する。ついでタンパク質はその溶解度に基づいて沈降する。タンパク質がより疎水性であればあるほど、低硫酸アンモニウム濃度で沈降しやすい。代表的プロトコールは生成硫酸アンモニウム濃度が20―30%の間であるように飽和硫酸アンモニウムをタンパク質溶液に加える。これにより大部分の疎水性タンパク質は沈降する。沈殿を廃棄し(興味のタンパク質が疎水性でなければ)、硫酸アンモニウムを興味のタンパク質が沈降する既知濃度まで上澄み液に加える。沈殿を次いで緩衝液に可溶化し、もし必要なら過剰塩を透析かダイアフィルトレーションのいずれかで除去する。冷エタノール沈降のようなタンパク質溶解度に依存する他法は技術の熟知者にはよく知られており、複雑なタンパク質混合物の分別に使用できる。
サイズ差別濾過
計算分子量を基により大で且つより小さいサイズのタンパク質は限外濾過を用いて異なる細孔サイズ膜(例えばアミコン又はミリポアー膜)により単離できる。第一段でタンパク質混合物を興味のタンパク質、例えば突然変異ヒト成長ホルモンの分子量より低い分子量カットオフを有する細孔サイズの膜で限外濾過する。限外濾過残留物を次いで興味のタンパク質分子量より大な分子カットオフを持つ膜で再度限外濾過する。組み換えタンパク質はこの膜を通過し濾液に入る。濾液を次いで以下に記載のようにクロマトグラフにかける。
カラムクロマトグラフィー
興味のタンパク質(本発明の突然変異ヒト成長ホルモンのような)は又そのサイズ、正味の表面電荷、疎水性或いは配位子への親和性を基に他のタンパク質から分離できる。更にヒト成長ホルモンに対して産生した抗体はカラム充填剤に複合化でき且つヒト成長ホルモンを免疫精製できる。これらの方法の全ては技術的に知られている。
クロマトグラフ法はどのような規模でも且つ多数の異なるメーカー(例えばファルマシアバイオテック社(Pharmacia Biotech))の装置を用いて実施できることは技術の熟知者には明らかである。
突然変異hGH発現検出用免疫測定法
組み換え突然変異ヒト成長ホルモンの生成を確認するため、免疫学的測定法は試料中のポリペプチド発現を検出するのに有用である。免疫学的測定法は又組み換えホルモンの発現レベルを定量するのにも有用である。突然変異ヒト成長ホルモンに対する抗体がこの免疫学的測定法を行うのに必要である。
突然変異hGHに対する抗体の産生
興味の免疫原と特異的に反応するポリクロナール抗体とモノクロナール抗体の産生法は技術の熟知者にはよく知られている。(例えばコリガン(Coligan)、免疫学での現行プロトコール(Current Protocols in Immunology)、ワイリー/グリーン社(Wiley/Greene)、ニューヨーク州(NY)、1991年;ハーロウ及びレーン(Harlow and Lane)、抗体:実験室マニュアル(Antibodies: A Laboratory Manual)、コールドスプリングハーバー出版社(Cold Spring Harbor Press)、ニューヨーク州(NY)、1989年;スティテス等編(Stites et al)、基礎と臨床免疫学(Basics and Clinical Immunology)、第四版、ラングメディカル出版社(Lange Medical Publications)、ロスアルトス(Los Altos)、カルフォルニア州(CA)及びそこに記載の文献;ゴッディング(Goding)、モノクロナール抗体:原理と実行(Monoclonal Antibodies: Principles and Practice )、第二版、アカデミックプレス社(Academic Press)、ニューヨーク(New York)、ニューヨーク州(NY)及びコーラー及びミルシュタイン(Kohler and Milstein)、ネーチャー(Nature)、256巻、495−497頁、1975年参照)。この技法としてはファージや類似ベクターの組み換え抗体ライブラリーから抗体を選択する抗体の産生がある。(ヒューズ等(Huse et al.)、サイエンス(Science)、246巻、1275−1281頁、1989年及びワード等(Ward et al.)、ネーチャー(Nature)、341巻、544−546頁、1989年参照)。
所望の特異性を持つ抗体含有抗血清を生成するため、興味のポリペプチド(例えば本発明の突然変異ヒト成長ホルモン)又はその抗原性断片を用いて適切な動物、例えばマウス、ウサギ又は霊長類を予防接種する。フロイント補助剤のような標準的補助剤を標準予防接種に従って使用できる。代わりにその特定ポリペプチド由来の合成抗体性ペプチドを担体タンパク質と複合化でき次いで免疫原として使用できる。
免疫原生成に対する動物の免疫反応はテスト血液を採取し興味の抗原に対する反応力価を決定して監視する。抗原にたいして適切に高い抗体力価が得られた場合、血液を動物から採取し抗血清を作成する。上記のハーロー及びレーン(Harlow and Lane)の本参照して抗原に特異的に反応する抗体を濃縮する抗血清の更なる分別と抗体精製を次いで実施し、タンパク質精製の一般的説明は上に提供した。
モノクロナール抗体は技術の熟練者にはなじみの種々の技法を用いて得られる。典型的には所望の抗原で予防注射した動物の脾臓細胞を通常骨髄腫細胞で融合して不死化する。(コーラー及びミルシュタイン(Kohler and Milstein)、ヨーロピアンジャーナルオブインミュノロジー(Eur. J. Immunol.)、6巻、511−519頁、1976年参照)。不死化の別法としては、例えばEBウイルスによる形質転換、腫瘍遺伝子、レトロウイルス或いは技術的に知られた他の方法がある。単一不死化細胞から産生のコロニーが抗原に対して所望の特異性と親和性を持つ抗体を生成するよう選別し、この細胞により生成したモノクロナール抗体の収率が脊椎動物宿主の腹腔への注入を含めて種々の方法で高められる。
更にモノクロナール抗体は上記のヒューズ等(Huse et al.)の本に概略されている一般的プロトコールにより所望の特異性を持つ抗体コード化核酸配列又はヒトB細胞相補DNAライブラリーの選別によるこの抗体の結合断片を同定して組み換え産成する。上に議論した組み換えポリペプチド産成の一般的原理と方法が組み換え法による抗体産成に適応できる。
必要なときには本発明の突然変異ヒト成長ホルモンを特異的に認識できる抗体を野生型ヒト成長ホルモンに対する交差反応を試験し、次いで野生型タンパク質に対する抗体と区別する。例えば突然変異ヒト成長ホルモンで予防注射した動物から得た抗血清を野生型ヒト成長ホルモンを固定したカラムを流すことができる。カラムを通った抗血清部分は野生型ヒト成長ホルモンでなく突然変異ヒト成長ホルモンのみを認識する。同様に突然変異ヒト成長ホルモンに対するモノクロナール抗体も又野生型ヒト成長ホルモンはでなく突然変異体のみを認識する排他性により選別できる。
野生型ヒト成長ホルモンでなく本発明の突然変異ヒト成長ホルモンのみを特異的に認識するポリクロナール抗体又はモノクロナール抗体は、例えば固体サポートに固定した突然変異ヒト成長ホルモン特異的ポリクロナール抗体又はモノクロナール抗体試料を温置して、突然変異タンパク質を野生型タンパク質から単離するのに有用である。
突然変異hGH発現検出のための免疫測定法
一旦本発明の突然変異ヒト成長ホルモンに特異的な抗体が入手できれば、試料中のポリペプチド、例えば細胞可溶化物の量を種々の免疫測定法で測定し技術熟練者に定性的且つ定量的結果を提供する。一般的な免疫学的、免疫測定的手法の総説に関しては、例えば上記のスチテス等の本、米国特許4,366,241、4,376,110、4,517,288及び4,837,168を参照。
免疫測定法での標識化
免疫測定法ではしばしば標識化剤を用いて抗体と標的タンパク質により形成した結合複合物と特異的に結合し標識化する。標識化剤自身は抗体/標的タンパク質複合物からなる成分の一つでもよく、又他抗体のような抗体/標的タンパク質複合物と特異的に結合する第三成分でも良い。標識は分光的、光化学的、生化学、免疫化学的、電気的、光学的又は化学的手段で検出できる。例としては限定はされないが、電磁ビーズ(例えばダイナビーズ)、蛍光染料(例えばフルオレセインイソチオシアネート、テキサスレッド、ローダミン及び同類)、放射能標識(例えばH、125I、35S,14C又は32P)、酵素(例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスフォターゼ及び酵素結合免疫測定法でよく用いるその他のもの)及びコロイド金や着色ガラス又はプラスチック(例えばポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックス等)ビーズのような比色標識がある。
ある場合には標識化剤は検出可能標識を持つ第二抗体である。代わりに第二抗体は標識に欠けるが、その代わりに第二抗体が誘導された種の抗体に特異的な第三標識化抗体により結合しても良い。第二抗体はビオチンのような検出可能成分で修飾し、酵素標識化ストレプトアビジンのように第三標識化分子と特異的に結合できる。
タンパク質A又はタンパク質Gのように免疫グロブリン定常部と特異的に結合できる他タンパク質も又標識化剤として使用できる。これらタンパク質は連鎖球菌性細菌の細胞膜の正常成分である。これらは種々の種の免疫グロブリン定常部と強い非免疫性反応を示す。(一般的にはクロンバル等(Kronval et al.)、ジャーナルオブインミュノロジー(J. Immunol.)、111巻、1401−1406頁、1973年及びエイカーストロム等(Akerstrom et al.)、 ジャーナルオブインミュノロジー(J. Immunol.)、135巻、2589−2542頁、1985年参照)。
免疫測定法の構成
試料の興味の標的タンパク質(例えば突然変異ヒト成長ホルモン)検出用の免疫測定法は競合的か非競合的かのいずれかである。非競合的免疫測定法は捕獲標的タンパク質の量を直接測定する測定法である。一つの好ましい“サンドイッチ”測定法では、例えば標的タンパク質に特異な抗体をこの抗体を固定化した固体基質に直接結合できる。次いでテスト試料中の標的タンパク質を捕獲する。固定化抗体/標的タンパク質複合物は上述のように標識を持つ第二又は第三抗体のような標識化剤と結合する。
競合的測定法では試料中の標的タンパク質量を標的タンパク質に特異的な抗体を試料中に存在する標的タンパク質で置換(競合的な置き換え)した添加(外来の)標的タンパク質量を測定して間接的に測定する。この測定法の典型例では抗体を固定化し外来標的タンパク質を標識化する。抗体に結合した外来標的タンパク質量は試料中に存在の標的タンパク質濃度に逆比例するから、試料中の標的タンパク質レベルを抗体に結合し固定化した外来標的タンパク質量に基づいて決定できる。
ある場合にはウェスタンブロット(免疫ブロット)分析を試料中の突然変異ヒト成長ホルモンの存在を検出し定量するのに用いる。その技法は通常試料タンパク質を分子量に基づいてゲル電気泳動で分離し、分離タンパク質を適切な固体担体(ニトロセルロースフィルター、ナイロンフィルター又は誘導体化ナイロンフィルターのような)に移し、標的タンパク質に特異的に結合する抗体とこの試料を温置することからなる。これら抗体を直接標識化するか代わりに続いて突然変異ヒト成長ホルモンに対する抗体に特異的に結合した標識化抗体(例えば標識化ヒツジ抗マウス抗体)を用いて検出できる。
他の測定法の構成としては特定分子(例えば抗体)に特異的に結合するようにデザインしたリポソームを用い、カプセル化試薬又はマーカーを放出するリポソーム免疫測定法(LIA)がある。放出化学物質を標準法により検出する。(モンロー等(Monroe et al.)、アメリカンクリニカルプロダクトレビュウ(Amer. Clin. Prod. Rev.)、5巻、34−41頁、1986年参照)。
突然変異hGHのグリコシル化と糖質複合化
酵素法によるグリコシル化と糖質複合化
ペプチドの体外後発現修飾はエンジニアリング発現系によるグリコシル化制御に依存する方法の欠陥を修正するのに魅力的な方法であり、グルカン構造修飾と新規部位へのグルカンの導入の両者を含む。糖類供与体成分を転移する酵素の総合的宝庫が入手でき、特注設計のグリコシル化形態とグリコシル化構造を持つ糖質複合体の体外酵素合成が可能となる。例えば米国特許5,876,980、6,030,815、5,728,554、5,922,577及び公表特許出願WO98/31826、WO01/88117、WO03/031464、WO03/046150,WO03/045980、WO03/093448、WO04/009838、米国2002/142370、米国2003/040037、米国2003/180835、米国2004/063911,米国2003/207406及び米国2003/124645を参照。
本発明は対応野生型hGHには存在しない新規グリコシル化部位を持つグルコシル化及び非グリコシル化突然変異ヒト成長ホルモン複合体の生成法を提供する。この複合化はグリコシル化突然変異hGHの適切糖単位上に直接起こるか、又は望ましくないいずれかの糖単位の除去(即ち“縮小する”)が続いて起こる。この複合体はペプチドと水溶性ポリマー、治療成分、診断成分、標的成分及び同類のような様々な種の間で形成する。又二つ又はそれ以上のペプチドをリンカー腕により一緒に連結する複合体、即ち多官能性複合体も提供する。本発明の多官能性複合体は同じペプチドの二つ又はそれ以上のコピーや異なる構造及び/又は特性を持つ種々のペプチドの集まりを含む。
本発明の複合体は修飾糖のグリコシル化又は非グリコシル化ペプチドへの酵素結合により形成する。修飾糖はペプチドと糖上の修飾基の間に割り込むと、ここで“無傷グリコシル連結基”と云われるものになる。糖転移酵素のような酵素の精緻な選択性を用いて、本法は一つ又はそれ以上の特定個所に所望の基を有するペプチドを提供する。かくして本発明により修飾糖をペプチド鎖の選択部位に直接結合するか、又は代わりに修飾糖を糖ペプチドの炭水化物成分に付加する。修飾糖が糖ペプチド炭水化物とペプチドバックボーンのアミノ酸残基に直接に結合したペプチドは又本発明の範囲内である。
既知の化学的酵素的ペプチド生成戦略とは対照的に、本発明の方法により実質的に均一
な誘導体化形態をもつペプチドと糖ペプチドを構築できる。本発明で用いる酵素は通常特定アミノ酸残基かペプチドのアミノ酸残基の組み合わせに対し選択的である。本法は又修飾ペプチド及び糖ペプチドの大量生産に実用的である。従って本発明の方法は前もって選んだ均一誘導体化形態を持つ糖ペプチドの大量生産の実際的手段を提供する。この方法は限定はされないが、細胞(例えば哺乳類細胞、昆虫細胞、植物細胞、真菌細胞、酵母細胞又は原核生物細胞)の細胞培養又は遺伝子組み換え植物や動物生成時に不完全にグリコシル化した糖ペプチドを含む治療ペプチドの修飾に特に適する。
本発明の方法は又グリコシル化及び非グリコシル化ペプチド複合体に、例えばクリアランス速度の減少或いは免疫又は網膜内皮性系(RES)による摂取速度の減少による治療半減期の増加をもたらす。更に本発明の方法はペプチド上の抗原決定基を隠す手段を提供し、ペプチドに対する宿主免疫反応を減少するか除去する。標的化剤の選択的結合を用いてペプチドを特定標的化剤に特異的な特定組織又は細胞表面受容体を標的化できる。
複合体
第一様態で本発明は選択修飾基と野生型ペプチドには存在しないグリコシル化部位を持つhGH突然変異ペプチドとの間の複合体を提供する。修飾基は突然変異グルコシル化部位か野生型ペプチドに存在する部位と結合できる。
ペプチドと修飾部間の連結はペプチドと選択成分間に割り込んだグリコシル連結基を含む。ここで検討したように選択成分は本質的に糖類単位と結合したいずれかの種であり、修飾糖をペプチド上に付加した適切転移酵素が認識する“修飾糖”を生成する。修飾糖の糖成分はペプチドと選択成分の間に割り込む場合には、“グリコシル連結基”、例えば“無傷グリコシル連結基”となる。グルコシル連結基は修飾基で修飾後、修飾糖をペプチドのアミノ酸かグリコシル残基に付加する酵素用基質である単糖又はオリゴ糖から形成される。
グリコシル連結基は修飾基付加時に分解的に修飾する糖成分であるかそれを含む。例えばグリコシル連結基は無傷糖の、例えば過ヨウ素酸塩による対応アルデヒドへの酸化分解、次いで適切なアミンとのシッフ塩基への変換、次いで対応アミンへ還元により生成する糖残基から誘導できる。
本発明の複合体は通常以下の一般構造に対応し、

Figure 2007523630
ここで記号a、b、c、d及びsは正のゼロでない整数を表し、tはゼロか正の整数のいずれかである。“試薬”は治療薬、生物活性試薬、検出可能標識、水溶性成分(例えばPEG、m−PEG、PPG及びm−PPG)又は同類である。“試薬”はペプチド、例えば酵素、抗体、抗原等である。リンカーは下の広範囲の連結基のいずれかである。代わりにリンカーは単結合か又は“ゼロ次リンカー”である。
典型的実施形態では選択修飾基は水溶性ポリマー、例えばm−PEGである。水溶性ポリマーはグリコシル連結基によりペプチドと共有結合する。グルコシル連結基はペプチドのアミノ酸残基又はグリコシル残基に共有結合する。本発明は又アミノ酸残基とグリコシル残基がグリコシル連結基で修飾した複合体を提供する。
典型的水溶性ポリマーはポリエチレングリコール、例えばメトキシポリエチレングリコールである。本発明で用いるポリエチレングリコールは特定の形や分子量幅に制限はない。ポリエチレングリコールの分子量は好ましくは500と100,000の間である。500−60,000の分子量を好ましく用い、1,000―40,000が好ましい。更に好ましくは分子量は約5,000と約40,000の間である。
他実施形態ではポリエチレングリコールは一個以上の結合PEG成分持つ分岐PEGである。分岐PEGの例は米国特許5,932,462、米国特許5,342,940,米国特許5,643,575、米国特許5,919,455、米国特許6,113,906,米国特許5,183,660、WO02/09766;小寺(Kodera Y)、バイオコンジュゲートケミストリー(Bioconjugate Chemistry)、5巻、283−288頁、1994年;山崎等(Yamasaki et al.)、アグリカルチャルバイオロジカルケミストリー(Agric. Biol. Chem.)、52巻、2125−2127頁、1998年に記載されている。好ましい実施形態では分岐PEGの各ポリエチレングリコールの分子量は5,000−20,000である。
酵素的に付加したグリコシル基により形成の複合体を提供する以外に、本発明はその置換形態の非常に均一な複合体を提供する。本発明の方法を用いて、本質的に修飾糖成分全てが本発明の複合体個体群全部で構造的に同一のアミノ酸又はグリコシル残基の複数コピーと結合したペプチド複合体を形成できる。それ故第二様態では、本発明は無傷グリコシル連結基によりペプチドと共有結合した水溶性ポリマー成分の個体群を持つペプチド複合体を提供する。本発明の好ましい複合体では、本質的に個体群の各員がグリコシル連結基によりペプチドのグリコシル残基を結合し、グルコシル連結基が結合したペプチドの各グリコシル残基は同一構造を持つ。
グリコシル連結基によりそれと共有結合した水溶性ポリマー成分の個体群を持つペプチド複合体も又提供する。好ましい実施形態では本質的に水溶性ポリマー成分の個体群の各員はグリコシル連結基によりペプチドのアミノ酸残基と結合し、それと結合したグルコシル連結基を持つ各アミノ酸残基は同一構造を持つ。
本発明は又ペプチドが無傷グリコシル連結基により治療成分、診断成分、標的成分、毒素成分又は同類と複合化した上述のものと類似の複合体を提供する。上に列挙した各成分は小分子、天然ポリマー(例えばポリペプチド)又は合成ポリマーである。
典型的実施形態では突然変異ヒト成長ホルモンはPEG成分の各末端に無傷グリコシル連結基を持つ二官能性リンカーによりトランスフェリンと複合化する。例えばPEGリンカーの一端はトランスフェリンと結合した無傷シアル酸で機能化され、他端は突然変異hGHと結合した無傷GalNAcリンカーで機能化かされる。
本発明の複合体は一価又は多価(例えばアンテナ構造)の無傷グリコシル連結基を含む。従って本発明の複合体は選択成分が一価グリコシル連結基によりペプチドと結合した両種を含む。又一つ以上の選択成分が多価連結基によりペプチドと結合した複合体も本発明内に含まれる。
更なる実施形態では本発明は複合体の一成分として標的化剤を存在下させて、選択的に特定組織に局在化した複合体を提供する。典型的実施形態では標的化剤はタンパク質である。典型的タンパク質としてはトランスフェリン(脳、血液プール)、HS−糖タンパク(骨、脳、血液プール)、抗体(脳、抗体―特異的抗原付き組織、血液プール)、凝固因子V−XII(損傷組織、血餅、癌、血液プール)、血清タンパク、例えばα―酸糖タンパク、フェチュイン、α―胎児性タンパク(脳、血液プール)、β2−糖タンパク(肝臓、アテローム性動脈硬化プラーク、脳、血液プール)、G−GSF、GM−CSF,M−CSF及びEPO(免疫刺激、癌、血液プール、赤血球過剰生成、神経保護)、アルブミン(半減期増加)及びリポタンパクEがある。
方法
上に検討の複合体に加えて本発明はこれらと他複合体の作成法を提供する。それ故更なる様態では本発明は選択成分とペプチド間で共有結合複合体の形成法を提供する。更には本発明は本発明の複合体を体の特定組織か領域に標的化する方法を提供する。更に本発明は本発明の複合体を病気患う危険のある被験者や病気を持つ被験者に投与して、病状を防ぐか治すか又は回復する方法を提供する。
典型的実施形態ではこの複合体は水溶性ポリマー、治療成分、標的成分又は生体分子とグルコシル化又は非グリコシル化ペプチドの間で形成する。ポリマー、治療成分又は生体分子はペプチドと修飾基(例えば水溶性ポリマー)間に割り込み両者と共有結合した無傷グリコシル連結基によりペプチドと複合化する。その方法としてはペプチドを修飾糖と修飾糖が基質である糖転移酵素含有混合物と接触する事である。その反応は修飾糖とペプチド間で共有結合が形成されるに十分な条件下で行う。修飾糖の糖成分は好ましくはヌクレオチド糖、活性化糖及びヌクレオチドでもなく活性化もされていない糖から選ぶ。
受容体ペプチド(グリコシル化又は非グリコシル化)は通常新規に合成するか、又は原核生物細胞(例えば大腸菌のような細菌性細胞)又は哺乳類細胞、酵母細胞、昆虫細胞、真菌細胞又は植物細胞のような真核生物細胞で組み換え発現する。ペプチドは完全長タンパク質か断片のいずれかである。更にペプチドは野生型か突然変異ペプチドであり得る。典型的実施形態ではペプチドは一つ又はそれ以上のコンセンサスグリコシル化部位をペプチド配列に付加する突然変異を含む。
本発明の方法は又組み換え産生の不完全グリコシル化ペプチドの修飾についても提供する。多くの組み換え産生糖タンパクは不完全にグリコシル化され、望ましくない特性、例えば、RESによる認識である免疫原生を持つ炭水化物残基を露出する。本発明法での修飾糖を用いて、ペプチドは例えば水溶性ポリマー、治療薬又は同類で更に同時にグルコシル化と誘導体化される。修飾糖の糖成分は完全グリコシル化ペプチドの受容体と正しく複合化した残基であるか、又は所望の特性を持つ他糖成分である。
本発明法による修飾ペプチドは合成又は野生型ペプチドであるか、又は部位指定変異導入のような技術的に既知の方法で生成した突然変異ペプチドでも良い。ペプチドのグリコシル化はN−連結かO−連結のいずれかである。典型的N−連結は修飾糖のアスパラギン残基の側鎖への結合である。Xがプロリン以外のアミノ酸であるトリペプチド配列のアスパラギンーX―セリン及びアスパラギンーX―スレオニンはアスパラギン側鎖との炭水化物成分の酵素結合用の認知配列である。従ってこのトリペプチド配列のいずれかの存在により見込みあるグリコシル化部位が作り出される。O−連結グリコシル化は5−ヒドロキシプロリン又は5−ヒドロキシリシンも用いるが、一つの糖(例えばアセチルガラクトサミン、ガラクトース、マンノース、GlcNAc、ブドウ糖、フコース又はキシロース)のヒドロキシアミノ酸、好ましくはセリンかスレオニンの側鎖水酸基への結合に関する。
ペプチドや他構造にグリコシル化部位付加を好都合に行うには、一つ又はそれ以上のグリコシル化部位を含有するようにアミノ酸配列を変える。この付加は又ペプチド配列(O−連結グリコシル化部位用)内に水酸基を持つ一つ又はそれ以上の種、好ましくはセリンかスレオニン残基を導入できる。付加はペプチドの突然変異又は全化学合成により行う。ペプチドアミノ酸配列は、特にコドンが所望のアミノ酸へ翻訳される様に生成した前もって選んだ塩基でペプチドコード化DNAを突然変異する事により、好ましくはDNAレベルでの変化により変える。単一又は複数のDNA突然変異を好ましくは技術的に既知の方法を用いて行う。
典型的実施形態でグリコシル化部位はポリヌクレオチドの混合により付加する。候補ペプチドコード化ポリヌクレオチドはDNA混合プロトコールで調節できる。DNA混合は関連遺伝子プールの無作為断片化により実施し、次いでポリメラーゼ連鎖反応類似プロセスで断片を再構築する繰り返し組み換えと突然変異プロセスである。例えばステマー(Stemmer)、プロシーディングオブナショナルアカデミーオブサイエンスユウエスエイ(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、91巻、10747−10751頁、1994年;ステマー(Stemmer)、ネーチャー(Nature)、370巻、389―391頁、1994年及び米国特許5,605,793、5,837,458、5,830、721及び5,811,238を参照。
本発明は又一つ又はそれ以上の選択グリコシル残基をペプチドに添加(又は除去)し、修飾糖をペプチドの選択グリコシル残基の少なくとも一つと複合化する方法を提供する。この実施形態は、例えば修飾糖をペプチド上に存在しないか所望量存在しない選択グリコシル残基に接合したい場合に有用である。従って修飾糖をペプチドに結合する前に、選択グリコシル残基は酵素結合又は化学結合によりペプチドと複合化する。他の実施形態では糖ペプチドのグリコシル化形態を修飾糖の複合化前に、糖ペプチドから炭水化物残基を除去して変える。例えばWO98/31826参照。
糖ペプチド上にあるいずれかの炭水化物成分の付加或いは除去は化学的又は酵素的のいずれかで行う。化学的脱グリコシル化は好ましくはポリペプチド変形体を化合物トリフルオロメタンスルホン酸又は同等化合物に暴露して引き起こす。この処理によりペプチドは無傷で残るが、連結糖(N−アセチルグルコサミン又はN−アセチルガラクトサミン)以外の大部分か全ての糖を開裂する。化学的脱グリコシル化はハキムジン等(Hakimuddin et al. )アーカイブバイオケミストリーアンドバイオフィジック(Arch. Biochem. Biophys.)、259巻、52頁、1987年;エッジ等(Edge et al.)、アナリティカルバイオケミストリー(Anal. Biochem.)、118巻、131頁、1981年により記載されている。ペプチド変形体の炭水化物成分の酵素的開裂はソータクラ等(Thotakura et al.)、メソッドインエンザイモロジー(Meth. Enzymol.)、138巻、350頁、1987年に記載の種々のエンドグリコシダーゼ及びエキソグリコシダーゼを用いて達成する。
グリコシル成分の化学的付加は技術的に認知された方法で行う。糖成分の酵素的付加は好ましくはここに示した方法の修正を用いて行い本発明で用いた修飾糖を天然グリコシル単位で置換する。糖成分付加の他法は米国特許5,876,980、6,030,815、5,728,554及び5,922,577に開示されている。
選択グリコシル残基の典型的結合点としては限定はされないが、(a)N−連結グルコシル化及びO−連結グルコシル化用コンセンサス部位(b)糖転移酵素用受容体の末端グリコシル成分、(c)アルギニン、アスパラギン及びヒスチジン、(d)フリーのカルボキシル基、(e)システインスルフヒドリル基のようなフリーのスルフヒドリル基、(f)セリン、スレオニン又はヒドロキシプロリンの水酸基のようなフリーの水酸基、(g)フェニルアラニン、チロシン又はトリプトファンの芳香基残基のような芳香基残基又は(h)グルタミンのアミド基がある。本発明で用いる典型的方法は1987年9月11日発行のWO87/05330及びアプリン及びウリストン(Aplin and Wriston)、シーアールシークリティカルレビュウオブバイオケミストリー(CRC Crit. Rev. Biochem.)、259−306頁、1981年に記載されている。
一実施形態では本発明はhGHと一つ又はそれ以上のペプチドの連結基による連結法を提供する。連結基は有用な構造のいずれかで直鎖及び分岐鎖構造から選ぶ。好ましくはペプチドと結合するリンカーの各末端は修飾糖(即ち新生無傷グリコシル連結基)を持つ。
本発明の典型的方法では二つのペプチドはPEGリンカーを持つリンカー成分により一緒に連結する。構成物は上の略画に示した一般的構造に一致する。ここに記載のように本発明の構成物は二つの無傷グリコシル連結基(即ちs+t=1)を持つ。二つのグリコシル基を持つPEGリンカーでの関心事は明快を目的とし、本発明のこの実施形態で用いるリンカー腕のアイデンティティを制限すると解釈すべきではない。
従ってPEG成分は第一グリコシル単位の第一末端と第二グリコシル単位の第二末端で機能化する。第一と第二グリコシル単位は好ましくは異なる転移酵素用基質で、第一と第二ペプチドを第一と第二グリコシル単位にそれぞれ直交結合できる。実際には(グリコシル)−PEG−(グリコシル)リンカーを第一ペプチドと第一グリコシル単位が基質である第一転移酵素と接触し、その結果(ペプチド)−(グリコシル)―PEG―(グルコシル)を形成する。糖転移酵素及び/又は未反応ペプチドを任意に反応混合物から除去する。第二ペプチドと第二グリコシル単位が基質である第二転移酵素を(ペプチド)−(グリコシル)1―PEG−(グリコシル)複合体に加え、(ペプチド)−(グリコシル)―PEG―(グルコシル)2―(ペプチド)を形成する。技術の熟知者には上に概略した方法が二つ以上のペプチド間の複合体を、例えば分岐PEG、デンドリマー、ポリアミノ酸、多糖類又は同類を用いて形成するのに適用できることが分かる。
典型的実施形態ではヒト成長ホルモンをPEG成分の各末端で無傷グリコシル連詰基を持つ二官能性リンカーによりトランスフェリンと複合化する。(図式1)hGH複合体は複合体のより大きな分子サイズのためhGH単独の場合より長い体内半減期を持つ。更にhGHのトランスフェリンとの複合化により複合体の脳への選択的に標的化に役立つ。例えばPEGリンカーの一端はCMPシアル酸で機能化し、他端はUDPGalNAcで機能化する。リンカーはGalNAc転移酵素存在下でhGHと結合し、リンカー腕のGalNAcがhGH上のセリン及び/又はスレオニン残基と結合する。
図式1
Figure 2007523630
上記のプロセスは所望だけ何回も繰り返され二つのペプチド間複合体を単一リンカーで形成するとは限らない。更に技術の熟知者にはPEG(又は他)リンカーの末端で無傷グリコシル連結基をペプチドで機能化する反応は同一反応容器中で同時に起こるか、又は段階型で行えることが分かる。反応を段階型に行う場合、各段階で生成した複合体は任意に一つ又はそれ以上の反応成分(例えば酵素、ペプチド)を精製しても良い。
更なる典型的実施形態を図式2に示す。図式2に選択タンパク質、例えばヒト成長ホルモンが脳を標的とし且つ選択タンパク質の循環半減期を増加する複合体作成法を示す。


図式2
Figure 2007523630

ここでGは複合体の無傷グリコシルリンカー基に変換する活性糖成分(例えば糖ヌクレオチド)上のグリコシル残基である。sがゼロ以上であれば、LはGalNAc又はGalNAc−Galのような糖連結基である。
PEG(又は他リンカー)の反応性リンカーを用いてリンカーに一つ又はそれ以上のペプチド成分を結合するのは本発明の範囲内である。本発明は反応性PEG類似体のアイデンティティにより制限されない。ポリエチレングリコールの多くの誘導体が市販されており文献に記載されている。適切な活性化PEG誘導体を選び、もし必要ならば合成し、本発明に有用な基質を生成することは技術の熟知者の能力内である。アブチョウスキー等(Abuchowski et al.)、キャンサーバイオケミストリーアンドバイオフィジック(Cancer Biochem. Biophys.)、7巻、175−186頁、1984年、アブチョウスキー等(Abuchowski et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、252巻、3582−3586頁、1977年、ジャクソン等(Jackson et al.)、アナリティカルバイオケミストリー(Anal. Biochem.)、165巻、114−127頁、1987年、小出等(Koide et al.)、バイオケミストリーバイオフィジックリサーチコミュニケイション(Biochem. Biophys. Res. Commun.)、111巻、659−667頁、1983年)、トリフルオロエタンスルホネート (ニルソン等(Nilsson et al )、メソッドインエンザイモロジー(Methods Enzymol)、104巻、56−69頁、1984年、デルガード等(Delgado et al.)、バイオテクノロジーアンドアプライドバイオケミストリー(Biotechnol. Appl. Biochem.)、12巻、119−128頁、1990年)、N−ヒドロキシスクシニミド誘導化活性エステル(バックマン等(Buckmann et al.)、マクロモレキュールケミストリー(Makromol. Chem.)、182巻、1379−1384頁、1981年、ジョピッチ等(Joppich et al.)、マクロモレキュールケミストリー(Makromol. Chem.)、180巻、1381−1384頁、1979年、アブチョウスキー等(Abuchowski et al.)、キャンサーバイオケミストリーアンドバイオフィジック(Cancer Biochem. Biophys.)、7巻、175−186頁、1984年、カトレ等(Katre et al.)、プロシーディングオブナショナルアカデミーオブサイエンスユーエスエイ(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.)、84巻、1487−1491頁、1987年、北村等(Kitamura et al )、キャンサーリサーチ(Cancer Res.)、51巻、4310―4315頁、1991年、ボック等(Boccu et al.)ツアイトシュリフトナツルフォルシュング(Z. Naturforsch.)、38C卷、94−99頁、1983年)、炭酸塩(ザルピスキー等(Zalipsky et al.)、ハリス編(Harris)、 ポリエチレングルコールの化学:バイオ技術的生物医学的応用(Poly(ethylene glycol) Chemistry: Biotechnical and Biomedical Applications)、プレナムプレス社(Plenum Press)、ニュウヨーク、1992年、347−370頁、ザリピンスキー等(Zalipsky et al.)、バイオテクノジーアンドアプライドバイオケミストリー(Biotechnol. Appl. Biochem.)、15巻、100−114頁、1992年、ベロネッセ等(Veronese et al.)、アプライドバイオケミストリーアンドバイオテクノロジー(Appl. Biochem. Biotech.)、11巻、141−152頁、1985年)、イミダゾリルギ酸エステル(ビーカンプ等(Beauchamp et al.)、アナリティカルバイオケミストリー(Anal. Biochem.)、131巻、25−33頁、1983年、バーガー等(Berger et al.)、ブラッド(Blood)、71巻、1641−1647頁、1988年)、4−ジチオピリジン(ボーギレン等(Woghiren et al.)、バイオコンジュゲートケミストリー(Bioconjugate Chem.)、4巻、314−318頁、1993年)、イソシアネート(ビュン等(Byun et al.)エイエスエイアイオージャーナル(ASAIO Journal)、M649−M653頁、1992年)及びエポキシド(ノイシキー等(Noishiki et al.)に交付の米国特許4,806,595、1989年)を参照。他の連結基としてはアミノ基と活性化PEG間のウレタン結合がある。ベロネッセ等(Veronese et al.)、アプライドバイオケミストリーアンドバイオテクノロジー(Appl. Biochem. Biotechnol.)、11巻、141−152頁、1985年参照。
他の典型的実施形態では本発明はペプチドを糸球体(例えばアルブミン)によりタンパク質の濾過を遅延するに十分な大きさの合成又は天然ポリマーと複合化して、選択ペプチドの血液循環半減期を延長し、本質的に血液プールへこのペプチドを標的可可する方法を提供する。図示3参照。本発明のこの実施形態を図式3に示すが、hGHは化学的修飾と酵素的修飾の組み合わせを用いてPEGリンカーによりアルブミンと複合化合する。
図式3



Figure 2007523630
図式3に示すようにアルブミン残基(例えばアミノ酸側鎖)をXが活性化基(例えば活性エステル、イソチオシアネートなど)であるX−PEG−(CMP−シアル酸)のような反応性PEG誘導体で修飾する。PEG誘導体とhGHが結合し、CMP−シアル酸が基質である転移酵素と接触する。更なる具体例ではリシンのε―アミンをPEGリンカーのN−ヒドロキシスクシミニドエステルと反応しアルブミン複合体を形成する。リンカーのCMP−シアル酸をhGH上の適切残基、例えばGal又はGalNAcと酵素的に複合化し複合体を形成する。技術の熟知者には上記法が示した反応相手に限らないことが分かる。更にこの方法は二つ以上のタンパク質成分含有複合体を例えば二つ以上の末端を持つ分岐リンカーを用いて形成できる。
修飾糖
修飾グリコシル供与体種(“修飾糖”)は好ましくは修飾糖ヌクレオチド、活性化修飾糖及びヌクレオチドでもなく活性化もしてない単純糖類である修飾糖から選ぶ。本発明の方法を用いて所望の炭水化物構造をペプチドに付加できる。通常その構造は単糖であるが、本発明は修飾単糖類使用には限らない。オリゴ糖類と多糖類も同様に有用である。
修飾基は酵素的手段、化学的手段又はその組み合わせで糖成分に結合し、その結果修飾糖を生成する。糖が修飾糖とペプチドとの連結に用いた酵素用基質として働く修飾成分を結合できるいずれかの位置でこの糖を置換できる。好ましい実施形態でシアル酸が糖である場合、シアル酸はピルビル側鎖の9位かシアル酸で通常アセチル化されたアミン基上の5位のいずれかで修飾基で置換される。
本発明のある実施形態では修飾糖ヌクレオチドを用いて修飾糖をペプチドに付加する。この修飾型として本発明で用いる典型的糖ヌクレオチドとしてはヌクレオチド一リン酸、二リン酸又は三リン酸或いはその類似体がある。好ましい実施形態では修飾糖ヌクレオチドはUDP−グリコシド、CMP―グリコシド又はGDP―グリコシドから選ぶ。更に好ましくは修飾糖ヌクレオチドはUDP―ガラクトース、UDP―ガラクトサミン、UDP―グルコース、UDP−グルコサミン、GDP―マンノース、GDP―フコース、CMP−シアル酸又はCMP−NeuAcから選ぶ。糖ヌクレオチドのN−アセチルアミン誘導体も又本発明法で有用である。
本発明は又修飾糖、例えば修飾ガラクトース、修飾フコース、修飾GalNAc及び修飾シアル酸を用いる修飾糖の合成法を提供する。修飾シアル酸を用いた場合、シアル酸転移酵素かトランスシアリダーゼ(α2,3−連結シアル酸のみに)のいずれかをこの方法で使用できる。
他の実施形態では修飾糖は活性化糖である。本発明で有用な活性化修飾糖は通常合成的に活性化脱離基を持つように変えたグリコシドである。ここで用いた“活性化脱離基”という用語は酵素制御求核置換反応で容易に置換される基を意味する。多くの活性化糖が技術的に知られている。例えばボッカディオ等(Vocadilo et al.)、炭水化物化学と生物(In Carbohydrate Chemistry and Biology)、エルンスト等編(Ernst et al.)、ワイリーーブイシーエッチ出版社(Wiley-VCH Verlag)、ヴァインハイム(Weinheim)、ドイツ(Germany)、2000年;児玉等(Kodama et al.)、テトラヘドロンレター(Tetrahedron Lett.)、34巻、6419頁、1993年;ローヒード等(Lougheed et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、274巻、37717頁、1999年参照。
活性基(脱離基)の例としてはフッ素、塩素、臭素基、トシル酸エステル、メシラートエステル、トリフラートエステル及び同類がある。本発明に用いる好ましい活性脱離基は配糖体の受容体への酵素転移を立体的に大きく妨げないものである。従って活性化配糖体誘導体としてはフッ化グルコシル及びグリコシルメシラートがあり、フッ化グリコシルが特に好ましい。フッ化グリコシルの中でα―フッ化ガラクトシル、α―フッ化マンノシル、α―フッ化グルコシル、α―フッ化フコシル、α―フッ化キシロシル、α―フッ化シアル酸、α―フッ化N−アセチルグルコサミニル、α―フッ化N−アセチルガラクトサミニル、β―フッ化ガラクトシル、β―フッ化マンノシル、β―フッ化グルコシル、β―フッ化フコシル、β―フッ化キシロシル、β―フッ化シアル酸、β―フッ化N−アセチルグルコサミニル及びβ―フッ化N−アセチルガラクトサミニルが最も好ましい。
実例として、フッ化グリコシルは、先ず糖をアセチル化し、次いでフッ化水素酸/ピリジンで処理してフリーの糖から合成できる。これにより保護(アセチル化)フッ化グリコシルの熱力学的に最も安定なアノマー(即ちα―フッ化グリコシル)を生成できる。もし安定性がより低いアノマー(即ちβ―フッ化グリコシル)を望む場合には、過アセチル化糖を臭化水素酸/酢酸か塩酸で変換してアノマー臭化物又は塩化物を生成して合成できる。この中間体をフッ化銀のようなフッ化塩と反応してフッ化グリコシルを生成する。アセチル化フッ化グリコシルをメタノール中の温和(触媒的)塩基(例えばナトリウムメチラート・メタノール)と反応して保護基を脱離できる。更に多くのフッ化グリコシルが市販されている。
他の活性化グリコシル誘導体が技術の熟知者には知られた在来法を用いて合成できる。例えばグルコシルメチラートは全ベンジル化ヘミアセタール形の糖を塩化メシルで処理し、次いで触媒的水素化によるベンジル基脱離で合成できる。
更なる典型的実施形態では修飾糖はアンテナ構造を持つオリゴ糖である。好ましい実施形態では一つ又はそれ以上のアンテナ末端に修飾成分がある。一つ又はそれ以上の修飾基をアンテナ構造を持つオリゴ糖と結合すると、このオリゴ糖は修飾糖を“増幅する”のに有用である。ペプチドに複合化した各オリゴ糖単位により修飾基の複数コーピーがペプチドと結合する。上で図示したような本発明の典型的キレートの一般構造はアンテナ構造を用いて本発明の複合体を生成して得られる多価種を含む。多くのアンテナ構造が技術的に知られ、本法はこれらを用いて制限無しで実施できる。
典型的修飾基を以下に検討する。修飾基はポリペプチドに一つ又はそれ以上の所望の特性を付与する能力で選択する。典型的特性としては限定はされないが、薬物動態学の増強、薬力学の増強、体内分布の改良、多価種の供与、水への溶解度改善、親油性の増加又は減少及び組織への標的化がある。
水溶性ポリマー
選択ペプチドの親水性はアミン、エステル、水酸基及びポリ水酸基含有分子のような極性分子との複合化により増強する。代表例としては限定はされないが、ポリリジン、ポリエチレンイミン及びポリエーテル、例えばポリエチレングリコール、m−ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、m−ポリプロピレングリコール及び他おO−アルキルポリアルキレングリコール成分がある。好ましい水溶性ポリマーは本質的に非蛍光性であるか分析で蛍光マーカーとして用いるには不適当な最低量の蛍光を発光する。更に天然にない糖であるポリマーを使用するのが通常好ましい。この優先性の例外は他構成要素(例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、生体分子、治療成分、診断成分など)を共有結合により修飾した他の天然にある糖の使用である。他の実施形態では治療糖成分をリンカー腕と複合化し、且つ糖リンカー腕カセットを次いで本発明の方法でペプチドと複合化する。
水溶性ポリマー及び糖類の活性化法とその化学と同様に糖類及びポリマーを種々の種と複合化する方法は文献に記載されている。ポリマー活性化に用いる通常法としては臭化シアン、過ヨウ素酸塩、グルタアルデヒド、ジエポキシド、エピクロロヒドリン、ジビニルスルホン、カルボジイミド、ハロゲン化スルホニル、トリクロロトリアジンなどの官能基活性化がある。((アール.エフ.テイラー(R. F. Taylor)、タンパク質固定化、基礎と応用(Protein Immobilisation. Fundamentals and Applications)、マーセルデッカー社(Marcel Dekker)、1991年、エス.エス.ウオン(S. S. Wong)、タンパク質複合化と架橋の化学(Chemistry of Protein Conjugation and Crosslinking)、シーアールシープレス社(CRC Press)、ボカラトン、1992年、ジー.ティー.ハーマンソン等(G. T Hermonson et al.)、固定化アフィニティ配位子法(Immobilized Affinity Ligand Techniquies)、アカデミックプレス社(Academic Press)、ニュウヨーク、1993年、ダン、アール.エル.等編(Dunn, R. L. et al.)ポリマードラッグ及びドラッグデリバリーシステム(Polymeric Drugs and Drug Delivery Systems)、アメリカ化学会シンポジュウムシリーズ(ACS Symposium Series)、469巻、アメリカ化学会、ワシントンディー.シー.(Washington D.C.)、1991年を参照)。
多くの水溶性ポリマーが技術の熟知者に知られており本発明の実施に利用できる。水溶性ポリマーという用語は糖類(例えばデキストラン、アミロース、ヒアルロン酸、ポリシアル酸、ヘパラン、ヘパリンなど)、ポリアミノ酸、核酸、合成ポリマー(例えばポリアクリル酸、ポリエーテル、例えばポリエチレングリコール、ペプチド、タンパク質及び同類の様な種を含む。本発明はポリマーが複合体残基との連結点がなければならないという唯一の制限だけでいかなる水溶性ポリマーも使用できる。
ポリマー活性化法は又WO94/17039、米国特許5,324,844、WO94/18247、WO94/04193、米国特許5,219,564、米国特許5,122,614、WO90/13540、米国特許5,281,698及び更にはWO93/15189に見られ、活性化ポリマーとペプチド間の複合化に関しては、例えば凝固因子VIII(WO94/15625)、ヘモグロビン(WO94/09027)、酸素運搬分子(米国特許4,412,989)、RNA分解酵素及びスーパーオキシドジスムターゼ(ベロネッセ等(Veronesse et al.)、アプライドバイオケミストリーアンドバイオテクノロジー(App. Biochem. Biotech.)、11巻、141−45頁、1985年)に見られる。
好ましい水溶性ポリマーはポリマー試料の大部分のポリマー分子がほぼ同一分子量の物である。このようなポリマーは“ホモ分散”又は“単分散“と呼ばれる。
本発明は更にポリエチレングリコール又はモノメトキシポリエチレングルコール(m−PEG)複合体を例に説明する。PEGの機能化と複合化に関する幾つかの総説とモノグラフが利用できる。例えばハリス(Harris)、マクロモレキュールケミストリーアンドフィジクス(Macronol. Chem. Phys.)、C25卷、325−373頁、1985年、スコーテン(Scouten)、酵素学の方法(Methods in Enzymology)、135巻、30−65頁、1987年、ウオン等(Wong et al.)、エンザイムミクロバイオロジーアンドテクノロジー(Enzyme Microb. Technol.)、14巻、866−874頁、1992年、デルガード等(Delgado et al.)、クリティカルレビューインセラピウティックドラッグキャリヤーシステム(Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems)、9巻、249―304頁、1992年、ザリピスキー(Zalipsky)、バイオコンジュゲートケミストリー(Bioconjugate Chem.)、6巻、150−165頁、1995年及びバルダ等(Bhardra et al.)、ファルマジー(Pharmzie)、57巻、5−29頁、2002年を参照。
本発明の複合物形成に有用なポリエチレングルコールは直鎖状か分岐状かのいずれかである。
治療用糖ペプチドの体内半減期は又濃度曲線下面積(AUG)はPEG、m−PEG、PPG及びm−PPGのような水溶性ポリマーにより増強される。例えばタンパク質のPEG(PEG化)又はm−PEG(m−PEG化)による化学修飾によりタンパク質と結合PEGのサイズに依存する分子サイズが増加し、表面及び官能基への到達性が減少する。これにより血清半減期かAUC及びタンパク分解安定性が改良し、免疫原生や肝摂取が減少する。(チャフィー等(Chaffee et al.)、ジャーナルオブクリニカルインベスティゲイション(J. Clin. Invest.)、89巻、1643−1651頁、1992年、ピアタック等(Pyatak et al.)リサーチコミュニケーションオブパソロジーアンドファーマコロジー(Res. Commun. Chem. Pathol. Pharmacol.)、29巻、113−127頁、1980年)。インターロイキンー2のPEG化により体内での抗ガン効力の増加が報告されており(カトレ等(Katre et al.)、プロシーディングオブナショナルアカデミーオブサイエンスユウエスエイ(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、84巻、1487−1491頁、1987年)且つモノクロナール抗体A7由来F(ab')2のPEG化により腫瘍局所化が改良した。(北村等(Kitamura et al.)、バイオケミストリーバイオフィジックオブリサーチコミュニケイション(Biochem. Biophsy. Res. Commun.)、28巻。1387−1394頁、1990年)。従って他の好ましい実施形態では本発明法による水溶性ポリマーによる誘導体化ペプチドの体内半減期は非誘導体化ペプチドの体内半減期又はAUCに比べ増加する。
ペプチド体内半減期又はAUCの増加はその量をパーセント増加幅で一番良く表される。パーセント増加幅の下端は約40%、約60%、約80%、約100%、約150%又は約200%である。この幅の上端は約60%、約80%、約100%、約150%又は約250%以上である。
いずれかの分子量、例えば5キロダルトン、10キロダルトン、20キロダルトン及び30キロダルトンのPEG成分が本発明で有用できる。
生体分子
他の好ましい実施形態では修飾糖は生体分子を持つ。更に好ましい実施形態では生体分子は官能性タンパク質、酵素、抗原、抗体、ペプチド、核酸(例えば単一ヌクレオチド又はヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド及び単鎖及び高次鎖核酸)、レクチン、受容体又はそれらの組み合わせである。
好ましい生体分子は本質的に非蛍光性であるか、分析で蛍光マーカーとして用いるには不適当な最低量の蛍光しか発光しない。更に糖でない生体分子を使用するのが通常好ましい。この優先性を除外するためには、他の構成要素(例えばPEG、生体分子、治療成分、診断成分など)を共有結合により修飾した他の天然にある糖の使用することである。典型的実施形態では生体分子である糖成分をリンカー腕と複合化し且つ糖リンカー腕カセットを次いで本発明の方法でペプチドと複合化する。
本発明実施ので有用な生体分子はいかなる資源からも誘導できる。生体分子は天然資源から単離するか合成法で生成できる。ペプチドは天然ペプチドか突然変異ペプチドである。突然変異は化学的突然変異誘発、部位指定突然変異誘発又は技術の熟知者に知られた他の突然変異誘発法で生じる。本発明実施に有用なペプチドとしては例えば酵素、抗原、抗体及び受容体がある。抗体はポリクロナールかモノクロナールのいずれかであり、無傷か断片のいずれかである。ペプチドは任意に指定進化プログラムの産生物である。
天然由来と合成ペプチドと核酸が本発明の複合化に利用できる。これら分子をいずれかの利用できる反応性基により糖残基成分又は架橋剤と結合する。例えばペプチドを反応性アミン、カルボキシル、スルフヒドリル又は水酸基と結合できる。反応基はペプチド末端かペプチド鎖の内部位にある。核酸は塩基上の反応性基(例えば環外アミン)又は糖成分の利用可能な水酸基(例えば3‘又は5’水酸基)により結合できる。ペプチド及び核酸鎖は更に一つ又はそれ以上の部位で誘導体化してその鎖上に適切な反応性基と結合できる。クリシー等(Chrisey et al. )、ヌクレイックアシッドリサーチ(Nucleic Acid Res.)、24卷、3031−3039頁、1996年参照。
更に好ましい実施形態では生体分子を本発明法により修飾したペプチドを特定組織に導くように選択し、その結果組織に移行する非誘導体化ペプチド量に比しその組織へのペプチド移送を増強する。更に別の好ましい実施形態では選択時間内での特定組織への誘導体化ペプチド移送量は誘導体化により、少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約40%、更により好ましくは少なくとも約100%増加する。現在応用目的のための好ましい生体分子としては抗体、ホルモン及び細胞表面受容体用配位子がある。
更なる典型的実施形態ではビオチンとの複合体がある。例えば選択的ビオチン化ペプチドを一つ又はそれ以上の修飾基を持つアビジン又はストレプトアビジン成分との結合により変える。
治療成分
他の好ましい実施形態では修飾糖として治療成分がある。技術の熟知者には治療成分と生体分子の部類間で重複していることが分かる。多くの生体分子は治療特性又はその可能性を持つ。
治療成分は臨床用としてすでに容認の試薬であるか又はその使用が実験的であるか、その作用活性か機構が研究中である薬剤である。治療成分は所定の病状で実績のある作用を有するか又は所定の病状で所望の作用を示すと仮定される。好ましい実施形態では治療成分として選択組織と相互作用する能力が選別される化合物である。本発明の実施に有用な治療成分は種々の薬剤活性を持つ広範囲の薬剤種からの薬剤がある。好ましい治療成分は本質的に非蛍光性であるか、分析で蛍光マーカーとして用いるには不適当な最低量の蛍光を発光する。更に糖でない治療成分を使用するのが通常好ましい。この優先性の例外はPEG、生体分子、治療成分、診断成分及び同類のような他構成要素を共有結合により修飾した糖の使用である。他の典型的実施形態では治療糖成分をリンカー腕と複合化し、且つ糖リンカー腕カセットを次いで本発明法でペプチドと複合化する。
治療薬及び診断試薬と種々の他種との複合化法は技術の熟知者にはよく知られている。例えばハーマンソン(Hermanson)、生体複合化法(Bioconjugate Techniques )、アカデミックプレス社(Academic Press)、サンジエゴ(San Diego)、1996年;ダン等編(Dunn et al.)、 ポリマー薬剤と薬剤デリバーリーシステム(Polymeric Drugs and Drug Delivery Systems)、アメリカ化学会シンポジウムシリーズ(ACS Symposium Series)、469巻、アメリカ化学会(American Chemical Society)、ワシントン(Wshington)、ディスクリクトオブコロンビア(D.C.)、1991年参照。
典型的実施形態では治療成分を選択条件下で切断する結合により修飾糖と結合する。典型的条件としては限定はされないが、選択したpH(例えば胃、腸、エンドサイトーシス液胞)、活性酵素の存在(例えばエステラーゼ、還元酵素、酸化酵素)、光、熱及び同類がある。多くの開裂基が技術的に知られている。例えばユング等(Jung et al.)、バイオケミストリーバイオフィジックアクタ(Biochem. Biophys. Acta)、761巻、152−162頁、1983年;ジョッシ等(Joshi et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、265巻、14518−14525頁、1990年;ザーリング等(Zarling et al.)、ジャーナルオブインミュノロジー(J. Immunol.)、124巻、913−920頁、1980年;ブーザール等(Bouirzar et al.)、ヨーロピアンジャーナルオブバイオケミストリー(Eur. J. Biochem.)、155巻、141−147頁、1986年;パーク等(Park et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、261巻、205−210頁、1986年;ブラウニング等(Browning et al. )ジャーナルオブインミュノロジー(J Immunol.)、143巻、1859−1867頁、1989年参照。
有用治療成分の種類としては例えば、非ステロイド系抗炎症剤(NASID)がある。NSAIDとしては例えば以下の部類から選ぶ。(例えばプロピオン酸誘導体、酢酸誘導体、N−フェニルアントラニル酸誘導体、ビフェニルカルボン酸誘導体及びオキシカム)、ヒドロコーチゾン及び同類を含むステロイド系抗炎症剤、抗ヒスタミン剤(例えばクロルフェニラミン、トリプロリジン)、鎮咳薬(例えばデキストロメトルファン、コデイン、カラミフェン及びカルベタペンタン)、かゆみ止め(例えばメトジラジン及びトリメプラジン)、抗コリン薬(例えばスコポラミン、アトロピン、ホマトロピン、レボドパ)、制吐剤及抗嘔吐剤(例えばシクリジン、メクリジン、クロルプロマジン、ブクリジン)、食欲減退薬(例えばベンズフェタミン、フェンテルミン、クロルフェンテルミン、フェンフルラミン)、中枢刺激薬(例えばアンフェタミン、メタンフェタミン、デキストロアンフェタミン及びメチルフェニデート)、抗不整脈薬(例えばプロパノロール、プロカインアミド、ジソピラミド、キニジン、エンカイニド)、β―アドレナリン遮断薬(例えばメトプロロール、アセブトロール、ベタキソロール、ラベタロール及びチモロール)、強心剤(例えばミルリノン、アムリノン及びドブタミン)、降圧薬(例えばエナラプリル、クロニジン、ヒドララジン、ミノキシジル、グアナドレル、グアネチジン)、利尿剤(例えばアミロリド及びヒドロクロロチアジド)、血管拡張薬(例えばジルチアゼム、アミオダロン、イソクスプリン、ナイリドリン、トラゾリン及びベラパミル)、血管収縮薬(例えばジヒドロエルゴタミン、エルゴタミン及びメチセルギド)、抗潰瘍薬(例えばラニチジン及びシメチジン)、麻酔薬(例えばリドカイン、ブビバカイン、クロロプロカイン、ジブカイン)、抗うつ剤(例えばイミプラミン、デシプラミン、アミトリプチリン、ノルトリプチリン)、精神安定剤と鎮静剤(例えばクロルアゼポキサイド、ベナクチジン、ベンズキナミド、フルラゼパム、ヒドロキシジン、ロキサピン及びプロマジン)、抗精神病薬(例えばクロルプロチキセン、フルフェナジン、ハロペリドール、モリンドン、チオリダジン及びトリフルオペラジン)、抗菌薬(例えば抗細菌薬、抗真菌薬、抗原虫薬及び抗ウイルス薬)がある。
本組成への導入が好ましい抗菌薬は例えば、β―ラクタム薬、キノロン薬、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、テトラサイクリン、エリスロマイシン、アミカシン、トリクロサン、ドキシサイクリン、カプレオマイシン、クロルヘキサジン、クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、クリンダマイシン、エタンブトール、イソチアン酸ヘキサミジン、メトロニダゾール、ペンタミジン、ゲンタマイシン、カナマイシン、リネオマイシン、メタサイクリン、メテナミン、ミノサイクリン、ネオマイシン、ネチルマイシン、パロモマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、ミコナゾール及びアマンタジンがある。
本発明実施で用いる他薬剤成分としては抗ガン剤(例えば抗男性ホルモン物質(例えばロイプロリド又はフルタミド)、細胞破壊剤(例えばアドリアマイシン、ドキソルビシン、タクソール、シクロホスファミド、ブスルファン、シスプラチン、β―2―インターフェロン)、抗エステロゲン(例えばタモキシフェン)、代謝拮抗剤(例えばフルオロウラシル、メトトレキサート、メルカプトプリン、チオグアニン)がある。この部類に入るものとして診断と治療用放射性同位元素ベースの試薬及びリシン、ゲルダナマイシン、マイタンシン、CC−1065、デュオカルマイシン、クリチェアマイシン及び関連構造物とその類似体のようなと複合化毒素を含む。
治療成分は又ホルモン(例えばメドロキシプロゲステロン、エストラジオール、ロイプロリド、メゲストロール、オクトレオチド又はソマトスタチン)、筋肉弛緩薬(例えばシナメドリン、シクロベンザプリン、フラボキセイト、オルフェナドリン、パパベリン、メベベリン、イダベリン、リトドリン、ジフェノキシレート、ダントロレン及びアズモレン))、鎮痙薬、骨活性化薬(例えばジホスホン酸塩及びホスホノアルキルホスフィン酸塩薬化合物)、エンドクリン調節剤(例えば避妊薬(例えばエチノジオール、エチニルエストラジオール、ノルエチンドロン、メストラノール、デソゲストレル、メドロキシゲステロン)、糖尿病調節剤(例えばグリブリド又はクロルプロマミド)、テストラクトン又はスタノゾロールのようなタンパク同化剤、アンドロゲン(例えばメチルテストステロン、テストステロン又はフルオキシメステロン)、抗利尿薬(例えばデスモプレシン)及びカルシトニンがある。
本発明で又用いられるものはエステトロゲン(例えばジエチルスチルベステロール)、糖質コルチコイド(例えばトリアムシノロン、ベータメタゾン等)、ノルエチンドロン、エチノジオール、ノルエチンドロン、レボノルゲストレルのようなプロゲストゲン、甲状腺薬(例えばリオチロニン又はレボチロキシン)又は抗甲状腺薬(例えばメチマゾール)、抗高プロラクチン血症薬(例えばカベルゴリン)、ホルモン抑制剤(例えばダナゾール又はゴセレリン)、分めん促進薬(メチルエルゴノビン又はオキシトシン)及びミソプロストール、アルプロスタジル又はジノプロストンのようなプロスタグランジンである。
他の有用な修飾基としては免疫調節薬(例えば抗ヒスタミン、ロドキサミド及び/又はクロモリンのような肥満細胞安定剤、ステロイド(例えばトリアムシノロン、ベクロメタゾン又はクロベタゾール)、コルチゾン、デキサメタゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、又はクロベタゾール)、ヒスタミンH2拮抗薬(例えばファモチジン、シメチジン、ラニチジン)、免疫抑制剤(例えばアザチオプリン、サイクロスポリン)等がある。スリンダク、エトドラク、ケトプロフェン及びケトロラクのような抗炎症活性をもつ種も又有用である。本発明に関して用いる他薬剤は技術の熟知者には明白である。
修飾糖の作成
通常糖成分と修飾基は生理関連条件下で反応しない新規の有機官能基又は種に連結プロセスで通常変換される反応性基を用いて一緒に連結する。一つ又は複数の糖反応性官能基は糖成分上のいずれかの位置にある。本発明実施に有用な反応基と反応種は通常生物複合体の化学技術でよく知られた物である。反応性糖成分で利用できる現在の好ましい反応種は比較的温和な条件で行えるものである。これらとしては制限されないが、求核置換(例えばアミン及びアルコールとハロゲン化アシル、活性化エステルとの反応)、求電子置換(例えばエナミン反応)及び炭素―炭素及び炭素―ヘテロ原子多重結合への付加(例えばマイケル反応、ディールス−アルダー付加)がある。これらやその他の有用な反応は、例えばマーチ(March)、上級有機化学(Advanced Organic Chemistry)第三版、ジョンワイリーアンドサンズ社(John Wiley & Sons)、ニューヨーク、1985年、ハーマンソン(Hermonson)、生物複合化法(Bioconjugate Techniquies)、アカデミックプレス社(Academic Press)、サンジエゴ、1996年及びフィーニイ等(Feeney et al.)、タンパク質の修飾(Modification of Proteins)、化学の進歩シリーズ(Advances in Chemistry Series)、198巻、アメリカ化学会、ワシントン(Washington)ディスクリクトオブコロンビア(D.C.)、1982年に検討されている。
糖核又は修飾基からぶら下がった有用な反応性官能基は限定されないが以下の物を含む。
カルボキシル基及びそれ等の種々誘導体で限定されないが、N−ヒドロキシスクシニミドエステル、N−ヒドロキシベンゾトリアゾールエステル、酸ハロゲン化物、アシルイミダゾール、チオエステル、p−ニトロフェニルエステル、アルキルエステル、アルケニルエステル、アルキニルエステル及びアリールエステル、
例えばエステル、エーテル、アルデヒドなどに変換できる水酸基、
ハロゲン化物が後に例えばアミン、カルボン酸アニオン、チオールアニオン、カルバニオン又はアルコキシドイオンの様な求核基で置換でき、その結果新規な基がハロゲン原子官能基で共有結合するハロアルキル基、
例えばマレイミド基のようにディールス‐アルダー反応に加わる事ができるジエノフィル基、
例えばイミン、ヒドラゾン、セミカルバゾン又はオキシムの様なカルボニル誘導体形成によるか又はグリニャール付加又はアルキルリチウム付加の様な機構による逐次誘導体化が可能なアルデヒド又はケトン基、
アミンと逐次反応して例えばスルホンアミドを形成するハロゲン化スルホニル基、
例えばジスルフィドに変換するか酸ハロゲン化物と反応できるチオール基、
例えばアシル化、アルキル化又は酸化できるアミン基かスルホヒドリル基、
例えば付加環化、アシル化、マイケル付加などが起こるアルケン及び
例えばアミン及びヒドロキシル化合物と反応できるエポキシドがある。
反応性官能基は反応性糖核又は修飾基を組み立てるに必要な反応に加わらないか又は妨げない様に選ぶ。代わりに反応性官能基は保護基の存在により反応への参加を防ぐ事もできる。技術の熟練者には選択組の反応条件を妨げない様にいかに特定官能基を保護するかは分かる。有効な保護基の例は例えばグリーン等(Green et al.)、有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)、ジョンワイリーアンドサンズ社(John Wiley & Sons)、ニューヨーク、1991年を参照。
以下の検討で本発明実施に有効な修飾糖の多数の特定例を示す。典型的実施形態でシアル酸誘導体を修飾基を結合する糖核として用いる。シアル酸誘導体を議論の中心にするのは説明を明確にするためだけで本発明の範囲を限定すると考えるべきではない。技術の熟知者には種々の他糖成分が例としてシアル酸を用いて示したのと同様の方法で活性化と誘導体化できることが分かる。例えば多くの方法が技術的に認知の方法で容易に修飾できる幾つかの糖基質として挙げられるガラクトース、グルコース、N−アセチルガラクトサミン及びフコースを修飾するのに利用できる。例えばエルハラビ等(Elhalabi et al.)、カレントメディシナルケミストリー(Curr. Med. Chem. )、6巻、93頁、1999年及びシェーファー等(Schafer et al.)、ジャーナルオブオルガニックケミストリー(J. Org. Chem.)、65巻、24頁、2000年参照。
典型的実施形態では本発明法で修飾するペプチドは原核生物細胞(例えば大腸菌)、酵母及び哺乳類細胞(例えばCHO細胞)を含む真核生物細胞又は遺伝子組み換え動物で生成する糖ペプチドであり、不完全にシアル酸付加したN−及び/又はO−連結オリゴ糖鎖を含む。シアル酸を欠き且つ末端ガラクトース残基を含む糖ペプチドのオリゴ糖鎖はPEG化、PPG化又は修飾シアル酸で別に修飾できる。
典型的PEG―シアル酸誘導体としては以下のものがあり、
Figure 2007523630

ここでLはシアル酸成分とPEG成分を連結する置換又は非置換アルキル又は置換又は非置換ヘテロアルキルリンカー成分であり、“n”は1かそれより大である。インデックス“s”はゼロから20の整数を表し、“n”は1かそれより大である。
Figure 2007523630
図式4ではアミノ配糖体1を保護アミノ酸(例えばグリシン)誘導体の活性化エステルで処理し、糖アミノ残基を対応保護アミノ酸アミド付加物に変換する。この付加物をアルドラーゼで処理しα―ヒドロキシカルボン酸塩2に変換する。化合物2をCMP―SA合成酵素の作用で対応CMP誘導体に変換し、ついでこのCMPを接触水添して化合物3を生成する。グリシン付加物形成により導入したアミンはPEG結合場所として利用し、化合物3を活性化PEG又はPPG誘導体(例えばPEG-C(O)NHS, PEG-OC(O)NH―p−ニトロフェニル)と反応して、それぞれ4又は5を生成する。
図式4
Figure 2007523630
表1にPEG又はPPG成分で誘導体化した糖一リン酸塩の典型例を示す。ヒト成長ホルモン突然変異体は図式1の方法で修飾化できる。他の誘導体は技術的に認知の方法で合成する。例えばケップラー等(Keppler et al.)グリコバイオロジー(Glycobiology)、11巻、11R頁、2001年及びチャーター等(Charter et al.)、グリコバイオロジー(Glycobiology)、10巻、1049頁、2000年を参照。他のアミン反応性PEG及びPPG類似体は市販されており、又技術の熟知者が容易に利用できる方法で合成できる。
表1

Figure 2007523630
Figure 2007523630
本発明実施で用いる修飾糖リン酸塩は他の位置と同様に上に示したように置換できる。現在のシアル酸の好ましい置換を式1に示す。


Figure 2007523630
(I)

ここでXは好ましくは-O-, -N(H)-, -S, CH2- 及びN(R)2 から選んだ連結基であり、RはR1-R5から独立に選んだ一員である。記号Y,Z、A及びBはXのアイデンティティとして上に示した基から選んだ基を表す。X,Y、Z、A及びBはそれぞれ独立に選べ、それ故同一でも異なっても良い。記号R1, R2, R3, R4 及びR5は水素原子、水溶性ポリマー、治療成分、生体分子又は他成分を表す。代わりにこれら記号は水溶性ポリマー、治療成分、生体分子又は他成分と結合するリンカーを表す。
ここに開示の複合体と結合する典型的成分としては限定はされないが、PEG誘導体(例えばアルキルPEG、アシルPEG、アシルアルキルPEG、アルキルアシルPEG、カルバモイルPEG、アリールPEG)、PPG誘導体(例えばアルキルPPG、アシルPPG、アシルアルキルPPG、アルキルアシルPPG、カルバモイルPPG、アリールPPG)、治療成分、診断成分、マンノースー6−リン酸、ヘパリン、ヘパラン、Slex、マンノース、マンノースー6−リン酸、シアルルイスX、FGF,VFGF、タンパク質、コンドロイチン、ケラタン、デルマタン、アルブミン、インテグリン、アンテナ型オリゴ糖、ペプチド及び同類がある。種々の修飾基を糖類成分に複合化する方法に技術の熟知者は容易に利用できる。(ジェイミルトンハリス編(J. Milton Harris)、ポリエチレングリコールの化学:生物工学及び生物医学への応用(Poly(ethylene glycol) Chemistry: Biotechnical and Biomedical Applications)、プレナム出版社 (Plenum Pub. Corp.)、1992年;ジェイミルトンハリス編(J. Milton Harris) ポリエチレングリコール 化学及び生物への応用(Poly(ethylene glycol) Chemical and Biological Applications)、アメリカ学会シンポジウムシリーズ(ACS Symposium Series)680号、アメリカ化学会(American Chemical Society)、1997年、 ハーマンソン(Hermanson)、生物複合体技法(Bioconjugate Techniques)、アカデミックプレス社(Academic Press)、サンジエゴ(San Diego)、1996年、ダン等編(Dunn et al.)、ポリマー薬剤と薬剤デリバリーシステム(Polymeric Drugs and Drug Delivery Systems)、アメリカ学会シンポジウムシリーズ(ACS Symposium Series)469巻、アメリカ化学会(American Chemical Society)、ワシントン(Washington)、ディスクリクトオブコロンピア(D.C.)、1991年。
架橋基
本発明法で用いる修飾糖の作成は修飾基を糖残基と結合して糖転移酵素用基質となる安定付加物を形成することを含む。糖と修飾基はゼロ次又は高次架橋剤で結合できる。修飾基を炭水化物成分と結合するのに用いる典型的二官能性化合物としては限定はされないが、二官能性ポリエチレングリコール、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエステル及び同類がある。炭水化物を他分子に連結する一般的方法は文献に知られている。例えばリー等(Lee et al.)、バイオケミストリー(Biochemistry)、28巻、1856頁、1989年;バチア等(Bhatia et al.)、アナリティカルバイオケミストリー(Anal. Biochem.)、178巻、408頁、1989年;ジェンダ等(Janda et al.)、ジャーナルオブアメリカンケミカルソサエティ(J. Am. Chem. Soc.)、112巻、8886頁。1990年及びベッドナルスキ等(Bendarski et al.)、WO92/18135参照。以下の議論で反応性基は新生修飾糖の糖成分に対し害がないものとして処理する。議論の中心は説明を明確にするためである。技術の熟知者にはこの議論が修飾基での反応性基と同様に関連することが分かる。
典型的戦略は保護スルホヒドリル基をヘテロ二官能性架橋剤SPDP(N−
スクシニミジル−3―(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸エステルを用いて糖に導入し、次いで修飾基上で他のスルホヒドリル基とジスルフィド結合を生成するようスルフヒドリル基の保護基を脱離する事を含む。
もしSPDPが修飾糖の糖転移酵素基質として働く能力に有害亜に影響するならば、2−イミノチオランやN−スクシニミジルーS−アセチルチオ酢酸エステル(SATA)の様な多くの他架橋剤の一つを用いてジスルフィド結合を形成する。2−イミノチオランは第一級アミンと反応して直ちに非保護スルフヒドリル基をアミン含有分子に組み込む。SATAは又第一級アミンと反応するが、保護スルフヒドリル基を組み込み、後にヒドロキシルアミンを用いて脱アセチル化してフリーのスルフヒドリル基を生成する。それぞれの場合組み込んだスルフヒドリル基は他のスルフヒドリル基又はSPDPの様な保護スルフヒドリル基と自由に反応して、必要なジスルフィド結合を形成する。
上記の戦略は本発明で用いるリンカーの代表例であり、限定はされない。他架橋剤を利用して修飾基をペプチドと架橋するのに異なる戦略を用いる事ができる。例えばTPCH(S−(2−チオピリジル)―L−システインヒドラジド)及びTPMPH(S−(2−チオピリジル)メルカプトプロピオノヒドラジド)を前もって温和な過ヨウ素酸塩処理で酸化した炭水化物成分と反応して、架橋剤のヒドラジド部分と過ヨウ素酸塩により生じたアルデヒド基間でヒドラゾン結合を形成する。TPCH及びTPMPHは2−ピリジルチオン基保護のスルフヒドリル基を糖に導入し、DTTで保護基を脱離し次いで成分間でのジスルフィド結合形成の様な複合化に用いる。
ジスルフィド結合生成が安定修飾糖生成に不適当だと分かると、成分間でより安定な結合が組み込まれる様な他架橋剤を使用できる。ヘテロ二官能性架橋剤のGMBS(N−(γ―マレイミドブチリルオキシ)スクシニミド)及びSMCC(スクシニミジルー4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン)は第一級アミンと反応してマレイミド基をその成分に導入する。ついでマレイミド基は前述の架橋剤により導入できる他成分のスルフヒドリル基と反応して、成分間で安定なチオエーテル結合を形成する。もし成分間の立体障害により成分活性か糖転移酵素基質として働く修飾糖能力のいずれかが妨害されるならば、成分間に長いスペーサー腕を導入でき且つ前述の架橋剤(即ちSPDP)の幾つかの誘導体を含む架橋剤を用いる事ができる。従って多くの有用な架橋剤があり、それぞれを最適ペプチド複合体及び修飾糖生成への効果により選ぶ。
種々の試薬を分子内化学的架橋による修飾糖成分の修飾に利用する。(架橋剤及び架橋法に関する総説は、ウオルド、エフ(Wold F.)、メソッドオブエンザイモロジー(Meth. Enzymol.)、25巻、623−651頁、1972年;ウイトール、エッチエッチ及びクーニー、ディエイ(Weetall, H. H. and Cooney, D. A.)、薬物としての酵素(Enzymes as Drugs)(ホルセンベルグ及びロバート編) (Holcenberg and Roberts,)、395−442頁、ワイリー(Wiley)、ニューヨーク、1981年;ジ、ティエッチ(Ji, T. H.)、メソッドインエンザイモロジー(Meth. Enzymol.)、91巻、580−609頁、1983年;マットソン等(Mattson et al.)、モレキュラーバイオロジーレポート(Mol. Bio. Rep.)、17巻、167−183頁、1993年を参照し、これら全てはここに文献として含まれる。)好ましい架橋剤は種々のゼロ長さのホモ二官能性及びヘテロ二官能性架橋剤に基づく。ゼロ長さ架橋剤としては外因性材の導入無しで二つの内在的化学基の直接複合化がある。ジスルフィド結合形成を触媒する試薬はこの部類に属する。他例としてはカルボキシル基とアミノ基の縮合を誘導してアミド結合を形成するカルボジイミド、クロロエチルギ酸エステル、ウッドワード試薬K(N−エチル−5−フェニルイソオキサゾリウム−3‘―スルホナート)及びカルボニルジイミダゾールの様な試薬がある。これら化学試薬に加えて酵素のグルタミン転移酵素(グルタミルペプチドーγ―グルタミン転移酵素、EC2.3.2.13)もゼロ長さ架橋剤として使用できる。この酵素は通常基質としての第一級アミノ基のタンパク質結合グルタミン残基のカルボキサミド基でのアシル転移反応を触媒する。好ましいホモ及びヘテロ二官能性試薬はアミノ基、スルフヒドリル基、グアジニノ基、インドール基又は非特異基と反応できる二つの同一又は二つの異なる部位をそれぞれ有する。
アミノとの反応性基
一つ好ましい実施形態では架橋剤部位はアミノ反応基である。アミノとの反応基の有用な無制限な例としてはN−ヒドロキシスクシニミド(NHS)エステル、イミドエステル、イソシアネート、酸ハロゲン化物、アリールアジド、p−ニトロフェニルエステル、アルデヒド及び塩化スルホニルがある。
NHSエステルは優先的に修飾糖成分の第一級(芳香族を含む)アミノ基と反応する。ヒスチジンのイミダゾール基が第一級アミンと競争的に反応する事は知られているが、反応生成物は不安定で容易に加水分解する。この反応はアミンがNHSエステルの酸カルボキシ基を求核攻撃してアミドを形成し、N−ヒドロキシスクシニミド基を放出する事を含む。従ってアミノ基の元の陽電荷が失われる。
イミドエステルは修飾糖成分のアミン基と反応する最も特異的アシル化剤である。pH7と10の間でイミドエステルは第一級アミンとのみ反応する。第一級アミンはイミダートを求核的に攻撃し、高pHではアミジンに低pHでは新イミダートに分解する中間体を生成する。新規イミダートは他の第一級アミンと反応でき、二個のアミノ基を架橋し推定的一官能性イミダートの場合二官能的に反応する。第一級アミンとの反応の主生成物は最初のアミンより強塩基のアミジンである。アミノ基の元の陽電荷はそれ故保持される。
イソシアネート(及びイソチオシアネート)は修飾糖成分の第一級アミンと反応して安定な結合を形成する。そのスルフヒドリル基、イミダゾール基及びチロシン基との反応では比較的不安定な生成物を与える。
アシルアジドは又アミノ基への特異的試薬として用いられ、親和成分の求核的アミンは弱いアルカリ条件下で、例えばpH8.5で酸性カルボキシ基を攻撃する。
1、5−ジフルオロ-2,4−ジニトロベンゼンの様な芳香族ハロゲン化物は修飾糖成分のアミノ基及びチロシンフェノール基と優先的に反応するが、又スルフヒドリル基及びイミダゾール基とも反応する。
モノ及びジカルボン酸のp−ニトロフェニルエステルは又有用なアミノ反応性基である。その試薬特異性は特別高くはないが、α―及びε―アミノ基は最も速く反応するようである。
グルタルアルデヒドの様なアルデヒドは修飾糖第一級アミノ基と反応する。アミノ基はアルデヒド化合物のアルデヒドとの反応で不安定なシッフ塩基を形成するが、グルタルアルデヒドは安定な架橋で修飾糖を修飾できる。通常の架橋条件pHであるpH6−8で、環状ポリマーは脱水しα、β―不飽和アルデヒドポリマーを形成する。しかしシッフ塩基は他の二重結合と共役していると安定である。両二重結合の共鳴相互作用によりシッフ結合の加水分解を防ぐ。更に局所的濃度の高いアミンはエチレン二重結合を攻撃して安定なマイケル付加物を形成できる。
芳香族塩化スルホニルは修飾糖成分の種々の部位で反応するが、アミノ基との反応が最も重要で安定なスルホンアミド結合を生じる。
スルフヒドリルとの反応性基
他の好ましい実施形態ではその部位はスルフヒドリルとの反応性基である。スルフヒドリルとの有効な、制限のない反応基例としてはマレイミド、ハロゲン化アルキル、ピリジルジスルフィド及びチオフタルイミドがある。
マレイミドは修飾糖成分のスルフヒドリル基と優先的に反応し安定なチオエーテル結合を形成する。マレイミドは又第一級アミノ基及びヒスチジンのイミダゾール基と遙かに遅い速度で反応する。しかしpH7では単純チオールの反応速度は対応アミンのそれに比し1000倍も大であるため、マレイミド基はスルフヒドリルとの特異基と考えられる。
ハロゲン化アルキルはスルフヒドリル基、硫化物、イミダゾール及びアミノ基と反応する。しかし中性から弱アルカリpHでハロゲン化アルキルはスルフヒドリル基と主として反応し安定なチオエーテル結合を形成する。高pHではアミノ基との反応を好む。
ピリジルジスルフィドはジスルフィド交換によりフリーのスルフヒドリルと反応し混合ジスルフィドを生じる。その結果ピリジルジスルフィドは最も特異的なスルフヒドリルとの反応基である。
チオフタルイミドはフリーのスルフヒドリル基と反応してジスルフィドを形成する。
カルボキシルとの反応性残基
他の実施形態では水及び有機溶剤の両者に可溶なカルボジイミドをカルボキシルとの反応試薬として用いる。これら化合物はフリーのカルボキシ基と反応してプソイド尿素を形成し、利用できるアミンと結合してアミド結合を生じ、カルボキシ基をカルボジイミドで如何に修飾するかを教示する。(山田等(Yamada et al.)、バイオケミストリー(Biochemistry)、20巻、4836−4842頁、1981年)。
部位特異的反応性成分の使用に加え、本発明は糖を修飾基と連結する非特異的反応基の使用を意図する。典型的非特異的架橋剤としては暗所では完全に不活性であるが、適切なエネルギーのフォトン吸収で反応種に変換する光活性化可能基がある。一つの好ましい実施形態では光活性化可能基としてアジドの熱又は光分解で発生するニトレン前駆体から選ぶ。電子不足ニトレンは非常に反応性に富み、N-H、O-H、C-H及びC=Cを含む種々の化学結合と反応できる。三つのタイプのアジド(アリール、アルキル及びアシル誘導体)が使用できるが、アリールアジドが現在好ましい。光分解によるアリールアジドの反応性はC−H結合よりN−H及びO−H結合とでより優れている。電子不足アリールニトレンはC−H挿入物を形成するよりはむしろ急速に環拡張してジヒドロアゼピンを形成し、求核試薬と反応しやすい。アリールアジドの反応性は環にニトロ基やヒドロキシル基のような電子求引置換基の存在で増加できる。このような置換基はアリールアジドの吸収極大を長波長側に移す。非置換アリールアジドは260―280nm領域に吸収極大を持つ一方、ヒドロキシ及びニトロアリールアジドは305nm以上に主な光吸収を有する。それ故ヒドロキシ及びニトロアリールアジドは非置換アリールアジドに比べ親和成分により害の少ない光分解条件を使用できるので最も好ましい。
他の好ましい実施形態では光活性化可能基をフッ素化アリールアジドから選ぶ。フッ素化アリールアジドの光分解生成物はアリールニトレンで、その全てはC−H結合への挿入を含むこの基の特徴的反応を高効率で起こす。(キーナ等(Keana et al.)、ジャーナルオブオーガニックケミストリー(J. Org. Chem.)、55巻、3640−3647頁、1990年)。
他の実施形態では光活性化可能基をベンゾフェノン残基から選ぶ。ベンゾフェノン試薬は通常アリールアジド試薬より高い架橋収率を与える。
他の実施形態では光活性化可能基を光分解で電子不足カルベンを生成するヂアゾ化合物から選ぶ。これらカルベンはC−H結合への挿入、二重結合への付加(芳香族系を含む)、水素引き抜き及び求核中心への配位による炭素イオン生成を含む種々の反応を起こす。
更に他の実施形態では光活性化可能基をヂアゾピルビン酸塩から選ぶ。例えばp−ニトロフェニルピルビン酸エステルのp−ニトロフェニルエステル基は脂肪族アミンと反応してヂアゾピルビン酸アミドを生じ、紫外光分解によりアルデヒドを生成する。光分解ヂアゾピルビン酸塩修飾の親和性成分はフォルムアルデヒドやグルタルアルデヒドの様に反応して架橋する。
第一級アミンと反応するホモ二官能性架橋剤
アミンと反応する架橋剤の合成、物性及び応用は商業的に文献に記載されている。(架橋法及び試薬の総説に関しては上を参照)。多くの試薬が利用できる。(例えばピーアースケミカルカンパニー(Pierce Chemical Company)、ロックフォード(Rochford)、イリノイ州(Ill.)、シグマケミカルカンパニー(Sigma Chemical Company)、セントルイス(St. Louis)、ミズーリ州(Mo.)、モレキュラープローブ社(Molecular Probes, Inc.)、ユージン(Eugene)、オレゴン州(OR))。
ホモ二官能性NHSエステルの好ましい制限のない例としては、グルタール酸ジスクシニミドエステル(DSG)、スべリン酸ジスクシニミドエステル(DSS)、スべリン酸ビス(スルホスクシニミド)エステル(BS)、酒石酸ジスクシニミドエステル(DST)、酒石酸ジスルホスクシニミドエステル(sulfo-DST)、ビス-2−(スクシニミドオキシカルボニルオキシ)エチルスルホン(BSOCOES)、ビス-2−(スルホスクシニミドオキシカルボニルオキシ)エチルスルホン(sulfo-BSOCOES)、エチレングリコールビス(スクシニミドコハク酸エステル)(EGS)、エチレングリコールビス(スルホスクシニミドコハク酸エステル)(sulfo-EGS)、ジチオビス(スクシニミドプロピオン酸エステル)(DSP)及びジチオビス(スルホスクシニミドプロピオン酸エステル)(sulfo-DSP)がある。ホモ二官能性イミドエステルの好ましい制限のない例としては、ジメチルマロン酸イミダート(DMM)、ヂメチルコハク酸イミダート(DMSC)、ヂメチルアジピン酸イミダート(DMA)、ヂメチルピメリン酸イミダート(DMP)、ジメチルスべリン酸イミダート(DMS)、ジメチル-3,3‘−オキシジプロピオン酸イミダート(DODP)、ジメチル-3,3’−(メチレンジオキシ)ジプロピオン酸イミダート(DMDP)、ジメチル-3,3‘−(ジメチレンジオキシ)ジプロピオン酸イミダート(DDDP)、ジメチル-3,3’−(テトラメチレンジオキシ)ジプロピオン酸イミダート(DTDP)及びジメチル-3,3‘−ジチオビスプロピオン酸イミダート(DTBP)がある。
ホモ二官能性イソチオシアネートの好ましい制限のない例としてはp−フェニレンジイソチオシアネート(DITC)及び4,4‘−ジイソチオシアノスチルベン−2,2’―スルホン酸(DIDS)がある。
ホモ二官能性イソシアネートの好ましい制限のない例としては、キシレンジイソシアネート、トルエン-2,4−ジイソシアネート、トルエン-2−イソシアネート-4−イソチアネート、3−メトキシジフェニルメタンー4,4‘−ジイソシアネート、2,2’−ジカルボキシ−4,4‘−アゾフェニルジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートがある。
ホモ二官能性ハロゲン化アリールの好ましい制限のない例としては、1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン(DFDNB)及び4,4‘−ジフルオロ-3,3’−ジニトロフェニルスルホンがある。
ホモ二官能性脂肪族アルデヒド試薬の好ましい制限のない例としてはグリオキサール、マロンジアルデヒド及びグルタルアルデヒドがある。
ホモ二官能性アシル化剤の好ましい制限のない例としてはジカルボン酸のニトロフェニルエステルがある。
ホモ二官能性芳香族塩化スルホニルの好ましい制限のない例としては、2,4−ジ塩化スルホニルフェノール及び2,4−ジ塩化スルホニル−α―ナフトールがある。
追加のアミノ基との反応性ホモ二官能性試薬の好ましい制限のない例としてはアミンと反応してビスカルバメートを生じるエリトリトールビス炭酸エステルがある。
フリーのスルフヒドリル基と反応するホモ二官能性架橋剤
この試薬の合成、物性及び応用は文献に記載されている。(架橋法と試薬に関する総説は上を参照)。多くの試薬が商業的に利用できる。(例えばピーアースケミカルカンパニー(Pierce Chemical Company)、ロックフォード(Rockford)、イリノイ州(Ill.)、シグマケミカルカンパニー(Sigma Chemical Company)、セントルイス(St. Louis)、ミズーリ州(Mo.)、モレキュラープローブ社(Molecular Probes, Inc.)、ユージン(Eugene)、オレゴン州(OR))。
ホモ二官能性マレイミドの好ましい制限の無い例としては、ビスマレイミドヘキサン(BMH)、N,N‘−(1,3−フェニレン)ビスマレイミド、N,N‘−(1,2−フェニレン)ビスマレイミド、アゾフェニルジマレイミド及びビス(N−マレイミドメチル)エーテルがある。
ホモ二官能性ピリジルジスルフィドの好ましい制限の無い例としては1,4−ジー3‘―(2’−ピリジルジチオ)プロピオンアミドブタン(DPDPB)がある。
ホモ二官能性ハロゲン化アルキルの好ましい制限の無い例としては、2,2‘―ジカルボキシ−4,4’−ジヨードアセトアミドアゾベンゼン、α、α‘―ジヨード−p−キシレンスルホン酸、α、α’―ジブロモ−p−キシレンスルホン酸、N,N‘−ビス(β―ブロモエチル)ベンジルアミン、N,N’−ジ(ブロモアセチル)フェニルヒドラジン及び1,2−ジ(ブロモアセチル)アミノ−3−フェニルプロパンがある。
ホモ二官能性光活性化可能架橋剤
この試薬の合成、物性及び応用は文献に記載されている。(架橋法と試薬に関する総説は上を参照)。多くの試薬が商業的に利用できる。(例えばピーアースケミカルカンパニー(Pierce Chemical Company)、ロックフォード(Rochford)、イリノイ州(Ill.)、シグマケミカルカンパニー(Sigma Chemical Company)、セントルイス(St. Louis)、ミズーリ州(Mo.)、モレキュラープローブ社(Molecular Probes, Inc.)、ユージン(Eugene)、オレゴン州(OR))。
ホモ二官能性光活性化可能架橋剤の好ましい制限のない例としては、ビス−β―(4−アジドサリシルアミド)エチルジスルフィド(BASED)、ジ−N−(2−ニトロ−4−アジドフェニル)シスタミン−S,S−ジオキサイド(DNCO)及び4,4‘−ジチオビフェニルアジドがある。
ピリジルジスルフィド成分を有するアミノ基との反応性ヘテロ二官能性試薬
この試薬の合成、物性及び応用は文献に記載されている。(架橋法と試薬に関する総説は上を参照)。多くの試薬が商業的に利用できる。(例えばピーアースケミカルカンパニー(Pierce Chemical Company)、ロックフォード(Rochford)、イリノイ州(Ill.)、シグマケミカルカンパニー(Sigma Chemical Company)、セントルイス(St. Louis)、ミズーリ州(Mo.)、モレキュラープローブ社(Molecular Probes, Inc.)、ユージン(Eugene)、オレゴン州(OR))。
ピリジルジスルフィド成分とアミノ基との反応性NHSエステルを持つヘテロ二官能性試薬の好ましい制限のない例としては、N−スクシニミド−3―(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸エステル(SPDP)、スクシニミド−6,3−(2−ピリジルジチオ)プロピオンアミドヘキサン酸エステル(LC−SPDP)、スルホスクシニミド−6,3−(2−ピリジルジチオ)プロピオンアミドヘキサン酸エステル(sulfo-LCSPDP)、4−スクシニミドオキシカルボニル−α―メチル-α―(2−ピリジルジチオ)トルエン(SMPT)及びスルホスクシニミド−6−α―メチル-α―(2−ピリジルジチオ)トルアミドヘキサン酸エステル(sulfo―LC−SMPT)がある。
マレイミド成分を有するアミノ基との反応性ヘテロ二官能性試薬
この試薬の合成、物性及び応用は文献に記載されている。マレイミド成分とアミノ基との反応性NHSエステルを持つヘテロ二官能性試薬の好ましい制限のない例としては、スクシニミドマレイミド酢酸エステル(AMAS)、スクシニミド−3−マレイミドプロピオン酸エステル(BMPS)、N−γ―マレイミドブチルオキシスクシニミドエステル(GMBS)、N−γ―マレイミドブチルオキシスルホスクシニミドエステル(sulfo―GMBS)、スクシニミド−6−マレイミドヘキサン酸エステル(EMCS)、スクシニミド−3−マレイミド安息香酸エステル(SMB)、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシニミドエステル(MBS)、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスルホスクシニミドエステル(sulfo―MBS)、スクシニミド−4(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボン酸エステル(SMCC)、スルホスクシニミド−4(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボン酸エステル(sulfo―SMCC)、スクシニミド−4―(p−マレイミドフェニル)酪酸エステル(SMPB)及びスルホスクシニミド−4―(p−マレイミドフェニル)酪酸エステル(sulfo―SMPB)がある。
ハロゲン化アルキル成分を有するアミノ基との反応性ヘテロ二官能性試薬
この試薬の合成、物性及び応用は文献に記載されている。ハロゲン化アルキル成分とアミノ基との反応性NHSエステルを持つヘテロ二官能性試薬の好ましい制限のない例としては、N−スクシニミド−(4−ヨードアセチル)アミノ安息香酸エステル(SIAB)、スルホスクシニミド−(4−ヨードアセチル)アミノ安息香酸エステル(sulfo―SIAB)、スクシニミド−6−(ヨードアセチル)アミノヘキサン酸エステル(SIAX)、スクシニミド−6−(6−((ヨードアセチル)アミノ)ヘキサノイルアミノ)ヘキサン酸エステル(SIAXX)、スクシニミド−6−(4−(((ヨードアセチル)アミノ)メチルシクロヘキサン−1−カルボニル)アミノヘキサン酸エステル(SIACX)、及びスクシニミド−6−(4−((ヨードアセチル)アミノ)メチルシクロヘキサン−1−カルボン酸エステル(SIAC)がある。
アミノ基との反応性NHSエステルとハロゲン化アルキル成分を持つヘテロ二官能性試薬の好ましい例はN−ヒドロキシスクシニミド−2,3−ジブロモプロピオン酸エステル(SDBP)がある。SDBPはそのアミノ基を複合化して親和性化合物に分子内架橋を導入する。ジブロモプロピオンニル基の第一級アミンに対する反応性を反応温度で制御する。(マッケンジー等(McKenzie et al.)、プロテインケミストリー(Protein Chem.)、7巻、581−592頁、1988年)。
ハロゲン化アルキル成分とアミノ基との反応性p−ニトロフェニルエステル成分を有するヘテロ二官能性試薬との好ましい制限のない例としてはp−ニトロフェニルヨード酢酸エステル(NPIA)がある。
他の架橋剤は技術の熟知者には知られている。例えばポマト等(Pomato et al.)、米国特許5,965,106を参照。特定の応用に適する架橋剤の選択は技術の熟知者にはその能力範囲内である。
開裂可能リンカー基
更なる実施形態ではリンカー基は切断により糖残基から修飾基を放出できる官能基を備えている。多くの開裂可能基が技術的に知られている。例えばユング等(Jung et al.)バイオケイミストリアンドバイオフィジックアクタ(Biochm. Biophys. Acta,)、761巻、152−162頁、1983年、ジョッシ等(Joshi et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、265巻、14518−14525頁、1990年、 ザーリング等(Zarling et al.)、ジャーナルオブインミュノロジー(J. Immunol.)、124巻、913−920頁、1980年、ブーザー等(Bouizar et al.)、ヨーロピアンジャーナルオブバイオケミストリー(Eur. J. Biochem.)、155巻、141−147頁、1986年、パーク等(Park et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、261巻、205−210頁、1986年、ブラウニング等(Browning et al.)、ジャーナルオブインミュノロジー(J. Immunol.)、143巻、1859−1867頁、1989年を参照。更に広範囲の開裂可能な二官能性(ホモ及びヘテロ二官能性の両者)リンカー基がピアースの様な供給者から市販されている。
典型的開裂可能成分は光、熱或いはチオール、ヒドロキシルアミン、塩基、過ヨウ素酸塩及び同類を用いて切断できる。更にある好ましい基では生体内でエンドサイトーシスに反応して切断する。(例えばシスーアコニチル、シェン等(Shen et al.)、バイオケイミストリアンドバイオフィジックリサーチコミュニケーション(Biochem. Biophys. Res. Commun.)、102巻、1048頁、1991年参照)。好ましい開裂可能基はジスルフィド、エステル、イミド、炭酸塩、ニトロベンジル、フェナシル及びベンゾイン基からなる基から選んだ一員の開裂可能成分からなる。
修飾糖のペプチドとの複合化
修飾糖を複合化仲介に適した酵素を用いてグリコシル化又は非グリコシル化ペプチドと複合化する。好ましくは一つ又は複数の修飾供与体糖、一つ又は複数の酵素及び一つ又は複数の受容体ペプチドの濃度を受容体が消費されるまでグルコシル化が進むように選ぶ。シアル酸転移酵素について本文中に示したが、以下に検討の考察は一般に他の糖転移酵素反応に適応する。
糖転移酵素を用いて所望のオリゴ糖構造を合成する多くの方法が知られおり、通常本発明に応用できる。典型的方法は例えばWO96/32491、伊藤等(It et al.)ピュアーアプライドケミストリー(Pure Appl. Chem.)、65巻、753頁、1993年及び米国特許5,352,670、5,374,541及び5,545,553に記載されている。
本発明は単一糖転移酵素又は組み合わせの糖転移酵素を用いて実施する。例えばシアル酸転移酵素とガラクトシル基転移酵素の組み合わせを使用できる。一個以上の酵素を用いる実施形態では、酵素と基質を好ましくは最初の反応混合物で一緒にするか、又は第二酵素反応用の酵素と試薬を第一酵素反応が完了するかほぼ完了するときに反応媒体に加える。二つの酵素反応を単一容器で連続的に行う事で全収率が中間体種を単離する方法に比べて改善される。更に余分の溶剤及び副生物のクリーンアップと廃棄を減らせる。
好ましい実施形態では第一及び第二酵素のそれぞれは糖転移酵素である。他の好ましい実施形態では一つの酵素はエンドグリコシダーゼである。追加の好ましい実施形態では二個以上の酵素を用いて本発明の修飾糖タンパクを組み立てる。酵素を用いて修飾糖のペプチドへの添加前又は後のいずれかの時点でペプチドの糖構造を変える。
他の実施形態ではこの方法は一つ又はそれ以上のエキソ又はエンドグリコシダーゼを用いる。グリコシダーゼは通常突然変異体であり、グリコシル結合を切断するよりむしろ形成する様に操作する。突然変異グルカナーゼにより通常活性部位酸性アミノ酸残基用のアミノ酸残基を置換する。例えばエンドグルカナーゼがエンド水素原子の時には、置換活性部位残基は通常130位のAsp、132位のGlu又はそれらの組み合わせである。アミノ酸は通常セリン、アラニン、アスパラギン又はグルタミンで置換される。
突然変異酵素は通常エンドグリカナーゼ加水分解ステップの逆反応と類似の合成ステップでその反応を触媒する。これらの実施形態ではグリコシル供与体分子(例えば所望のオリゴ糖又は単糖構造)は脱離基を持ち、且つ反応は供与体分子のタンパク質のGlcNA残基への付加により進む。例えば脱離基はフッ化物の様なハロゲンである。他の実施形態では脱離基はAsn又はAsn―ペプチド成分である。更なる実施形態ではグリコシル供与体分子のGlcNAc残基が修飾される。例えばGlcNAc残基は1,2−オキサゾリン成分からなる。
好ましい実施形態では本発明の複合体生成に用いる各酵素は触媒量である。特定酵素の触媒量は酵素基質の濃度と同様に温度、時間及びpH値の様な反応条件により変わる。前もって選んだ基質濃度と反応条件下での所定酵素用触媒量の決定手段はこの技術の熟知者にはよく知られている。
上記プロセスで用いる温度は丁度凍結温度以上から最も鋭敏な酵素の変性温度までの範囲である。好ましい温度範囲は約0℃から約55℃、より好ましくは約20℃から約30℃である。他の典型的実施形態では本方法の一つ又はそれ以上の成分を好熱性酵素使用の高温で実施する。
反応混合物を受容体がグリコシル化されるに十分な時間維持し、その結果所望の複合体を形成する。幾つかの複合体がしばしば数時間後に検出でき、通常回収可能量が24時間かそれ以下で得られる。この技術の熟知者には反応速度が多くの変動要因(例えば酵素濃度、供与体濃度、受容体濃度、温度、溶媒量)に依存し、それらを選択系に最適化する。
本発明は又修飾ペプチドの工業的規模での生産を提供する。ここで用いた工業的規模では通常好ましくは一回の反応サイクル後の最終精製複合体、即ち複合体が同一、連続反復合成サイクルの組み合わせ反応生成物ではないものを、少なくとも約250mg、好ましくは少なくとも500mg、より好ましくは少なくとも1グラム生成する事である。
以下の議論では本発明は修飾シアル酸成分のグルコシル化ペプチドへの複合化を用いて説明する。典型的修飾シアル酸をm−PEGで標識化する。以下の議論の中心としてPEG修飾シアル酸とグルコシル化ペプチドを用いるのは説明を明快にするためであり、本発明がこれら二個のパートナーの複合化に限定されるのを意図するものではない。熟練者にはこの議論がシアル酸以外の修飾グリコシル成分の付加に通常適用できる事が分かる。更にこの議論を他の水溶性ポリマー、治療成分及び生体分子を含むm−PEG以外の試薬によるグリコシル単位の修飾に同様に適用できる。
酵素的手段はm−PEG化又はm−PPG化炭水化物のペプチド又は糖ペプチドへの選択的導入に使用できる。その方法はPEG,PPG又はマスクした反応性官能基含有修飾糖を用い、適切な糖転移酵素又は糖合成酵素と組み合わす。所望の炭水化物結合を形成する糖転移酵素を選び、修飾糖を供与体基質として用いて、PEGかPPGを直接ペプチドバックボーン、糖ペプチドの既存糖残基又はペプチドに前もって付加した糖残基に導入できる。
シアル酸転移酵素用受容体はペプチド上に存在し、本発明の方法で自然発生構造又は組み替え的、酵素的或いは化学的配置構造に修飾する。適切な受容体としては例えば、Galβ1,4GlcNAc、Galβ1,4GalNAc、Galβ1,3GalNAc、ラクト−N−テトラオーズ、Galβ1,3GlcNAc、GalNAc、Galβ1,3GalNAc、Galβ1,6GlcNAc、Galβ1,4Glc(乳糖)及びこの技術の熟知者には既知の他受容体がある。(例えばポールソン等(Paulson et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、253巻、5617−5624頁、1978年を参照)。
一実施形態ではシアル酸転移酵素用受容体は糖ペプチド上に存在し、糖ペプチドの体内合成で修飾される。この糖ペプチドは請求の方法を用いて糖ペプチドのグリコシル化形態を前もって修正する事無しにシアル酸付加できる。代わりに本発明の方法を用いて適切な受容体を含有しないペプチドをシアル酸付加できる。先ずペプチドをこの技術の熟知者には既知の方法で受容体を含有するように修飾する。典型的実施形態ではGalNAc残基をGalNAc転移酵素の作用により付加する。
典型的実施形態ではガラクトシル受容体はガラクトース残基をペプチド、例えばGalNAcと連結した適切な受容体と結合して組み立てる。その方法は修飾用ペプチドを適当量のガラクトシル基転移酵素(例えばGalβ1,3又はGalβ1,4)と適当なグリコシル供与体(例えばUDP―ガラクトース)を含む反応混合物と温置する事である。反応が実質的に完了するまで進行するよう放置するか、代わりに前もって選んだ量のガラクトース残基を加えて反応を停止する。選択糖受容体の他の組み立て法はこの技術の熟知者には明白である。
更に他の実施形態では糖ペプチド連結オリゴ糖を先ず全体か一部を“トリム化”して、シアル酸転移酵素用受容体か一つ又はそれ以上の適切残基を付加して適切な受容体を得る成分のいずれかを露出する。糖転移酵素及びエンドグリコシダーゼ(例えば米国特許5,716,812参照)の様な酵素は結合反応及びトリミング反応に有用である。
以下の議論では本発明法をそれと結合した水溶性ポリマーを持つ修飾糖を用いて説明する。議論の中心は説明を明確にするためである。熟知者にはこの議論が修飾糖が治療成分、生体分子又は同類をもつ実施形態でも同様に適切であることが分かる。
典型的実施形態ではO−連結炭水化物残基を修飾糖付加前に“トリム化”する。例えばGalNAc−Gal残基をトリムしてGalNAcに戻す。水溶性ポリマーを有する修飾糖を“トリミング”により露出した一つ又はそれ以上の糖残基と複合化する。一例では糖ペプチドを“トリム化”し、水溶性ポリマーを糖成分、例えば水溶性ポリマーと複合化したSia、Gal又はGalNAc成分により、生成O−側鎖アミノ酸又は糖ペプチドグリカンに付加する。修飾糖成分は“トリム化”糖ペプチド上の受容体部位と結合する。代わりに非修飾糖成分、例えばGalをO−連結グリカンの末端に付加できる。
他の典型的実施形態では水溶性ポリマーをガラクトース残基含有修飾糖によりGalNAc残基に付加する。代わりに非修飾GalをGalNAc残基末端に付加できる。
更なる例では水溶性ポリマーを修飾シアル酸を用いてGal残基に付加する。
他の典型的実施形態ではO−連結グリコシル残基を“トリム”してアミノ酸に結合したGalNAcに戻す。一例では水溶性ポリマーをポリマー修飾Galにより付加する。代わりに非修飾GalをGalNAcに、次いで結合水溶性ポリマー付きGalにより付加する。更なる他実施形態では一つ又はそれ以上の非修飾Gal残基をGalNacに、次いで水溶性ポリマーで修飾のシアル酸成分で付加する。
本発明の方法を用いて実質的にいかなる所望構造の炭水化物残基を“縮小したり”且つ積み上げたりできる。修飾糖を上に示したように炭水化物末端に付加したり、或いはペプチドコアと炭水化物末端間の中間となり得る。
典型的実施形態で水溶性ポリマーをポリマー修飾シアル酸を用いて末端Gal残基に付加する。適切なシアル酸転移酵素を用いて修飾シアル酸を付加する。この手段を図式5に要約する。
図式5
Figure 2007523630

更なる方法では図式6に要約する様に、遮蔽反応的官能性がシアル酸上の存在する。遮蔽反応基は好ましくは修飾シアル酸のペプチドに連結に用いる条件下で影響されない。修飾シアル酸をペプチドと共有結合後に、遮蔽基を除きペプチドをPEG、PPG、治療成分、生体分子又は他試薬の様な試薬と複合化する。この試薬は修飾糖残基の非遮蔽反応基と反応してペプチドと特異的な形で複合化する。
図式6
Figure 2007523630
いかなる修飾糖も糖ペプチドのオリゴ糖側鎖末端糖に依存するが、適当な糖転移酵素と使用でる(表2)。上で検討した様にPEG化又はPPG化構造導入に必要な糖ペプチド末端糖は発現時に自然に導入できるし、又適切な一つ又は複数のグリコシダーゼ、一つ又は複数の糖転移酵素又は一つ又は複数のグリコシダーゼと一つ又は複数の糖転移酵素混合物を用いてポスト発現で生成できる。
表2
Figure 2007523630
X = O, NH, S, CH2, N-(R1-5)2
Y = X; Z=X; A=X; B=X
Q = H2, O, S, NH, N-R
R, R1-4 = H, リンカー-M, M
M = 興味の配位子
興味の配位子=アシルPEG、アシルPPG、アルキルPEG、アシルアルキルPEG、アシルアルキルPPG、カルバモイルPEG、カルバモイルPPG、PEG、PPG、アシル‐アリールPEG、アシルアリールPPG、アリールPEG、アリールPPG、マンノース六リン酸、ヘパリン、ヘパラン、SLex、マンノース、FCF、VFGF、タンパク質、コンドロイチン、ケラタン、デルマタン、アルブミン、インテグリン、ペプチド等。
他の典型的実施形態ではUDP―ガラクトース-PEGをウシミルクβ1,4−ガラクトシル基転移酵素と反応して、その結果修飾ガラクトースを適切な末端N−アセチルグルコサミン構造に転移する。哺乳類、昆虫、植物又は真菌のような発現系でおこるように、糖ペプチド上の末端GlcNAc残基は発現時に生成され、又必要に応じて糖ペプチドをシアリダーゼ及び/又はグリコシダーゼ及び/又は糖転移酵素で処理して生成できる。
他の典型的実施形態ではGNT1−5のようなGlcNAc転移酵素を用いてPEG化GlcNを糖ペプチド上の末端マンノース残基に転移する。更なる他の典型的実施形態でN―及び/又はO−連結グルカン構造を糖ペプチドから酵素的に除きアミノ酸又は末端グルコシル残基を暴露し、次いで修飾糖と複合化する。例えばエンドグリカナーゼを用いて糖ペプチドのN−連結構造を除き、糖ペプチド上のGlcNAc連結Asnとして末端GlCNAcを暴露する。UDP―Gal―PEGと適切なガラクトシル基転移酵素を用いて暴露GlcNAc上にPEG又はPPGガラクトース機能性を導入する。
代わりの実施形態ではペプチドバックボーンへの糖残基転移で知られる糖転移酵素を用いて修飾糖を直接ペプチドバックボーンに付加する。この典型的実施形態を図式7に示す。本発明実施に有効な典型的糖転移酵素としては限定されないが、GalNAc転移酵素(GalNAcT1−20)、GlcNAc転移酵素、フコシル基転移酵素、グルコシル基転移酵素、キシロース基転移酵素、マンノシル基転移酵素及び同類がある。この方法を用いていずれかの炭水化物欠如のペプチドに、又は代わりに既存糖ペプチドに修飾糖を直接付加できる。両者の場合修飾糖の付加は化学的方法を用いたタンパク質のペプチドバックボーン修飾で任意な形で起こるのではなく、糖転移酵素の基質特異性により決るペプチドバックボーンの特異的位置で起こる。多くの試薬が適切なアミノ酸配列をポリペプチド鎖に操作して、糖転移酵素基質ペプチド配列欠如のタンパク質又は糖ペプチドに導入できる。
図式7
Figure 2007523630
上に示した各典型的実施形態では一つ又はそれ以上の追加の化学的又は酵素的修飾手段をペプチドへの修飾糖複合化後利用できる。典型的実施形態では酵素(例えばフコシル基転移酵素)を用いてペプチドと結合の末端修飾糖にグリコシル単位(例えばフコース)を付加する。他例では酵素反応を用いて修飾糖が複合化に失敗した部位を“キャップ”(例えばシアル酸付加)するのに用いる。代わりに化学反応を用いて複合化修飾糖の構造を変える。例えば複合化修飾糖をこの修飾糖が結合したペプチド成分との結合を安定化又は不安定化する試薬と反応する。他例では修飾糖をペプチドと複合化後脱保護する。熟練者には修飾糖をペプチドと複合化後の段階で、本発明法に有用な多数の酵素的及び化学的方法が有ることが分かる。修飾糖―ペプチド複合体の更なる推敲は本発明範囲内である。
酵素
糖転移酵素
糖転移酵素はタンパク質、糖ペプチド、脂質或いは糖脂質又は成長オリゴ糖の非還元性末端への活性化糖(供与体NDP―糖)付加を段階的に触媒する。N―連結糖ペプチドは転移酵素と脂質結合オリゴ糖供与体Dol−PP−NAGGlcManの一括転移後、コアー削除により合成される。この場合“コア”糖の性質は続く連結物とはやや異なる。非常に多数の糖転移酵素が技術的に知られている。
本発明に用いる糖転移酵素は修飾糖を糖供与体として利用できる限りいかなる物でも良い。このような酵素例としてはガラクトシル基転移酵素、N―アセチルグルコサミニル基転移酵素、N−アセチルガラクトサミン基転移酵素、フコシル基転移酵素、シアル酸転移酵素、マンノシル基転移酵素、キシロシル基転移酵素、グルクロノニル基転移酵素及び同類の様なルロアール経路糖転移酵素がある。
糖転移酵素反応を含む酵素的糖合成に関する糖転移酵素はクローン化でき、又いかなる原料から単離できる。多くのクローン化糖転移酵素はそのポリヌクレオチド配列のように知られている。例えば“ワールドワイドウェブクローン化糖転移酵素案内”(The WWW Guide to Cloned Glycosyltransferases), (http:/www.vei.co.uk/TGN/gt_guide.htm)を参照。糖転移酵素アミノ酸配列及びアミノ酸配列を推論できる糖転位酵素コード化ヌクレオチド配列も又ジェンバンク、スイスプロット、ヨーロッパ分子生物学研究所(EMBL)及びその他を含む種々の公有データベースに見いだされる。
本発明法で用いる糖転移酵素としては限定されないが、ガラクトシル基転移酵素、フコシル基転移酵素、グルコシル基転移酵素、N−アセチルガラクトサミン基転移酵素、N―アセチルグルコサミン基転移酵素、グルクロノニル基転移酵素、シアル酸転移酵素、マンノシル基転移酵素、グルクロン酸基転移酵素、ガラクツロン酸基転移酵素及びオリゴ糖転移酵素がある。適切な糖転移酵素は真核生物と同様に原核生物から得られるものを含む。
糖転移酵素コード化DNAは化学合成、適当な細胞又は細胞株培養物の伝令RNA逆転写物の選別、適当な細胞のゲノムライブラリーの選別、又はこれらの方法を組み合わして得られる。伝令RNA又はゲノムDNAの選別は糖転移酵素遺伝子配列から生じたオリゴヌクオチドプローブを用いて行う。プローブは既知の方法に従い従来のハイブリッド形成分析に用いる蛍光性基、放射性原子又は化学発光基の様な検出可能基で標識化できる。代わりに糖転移酵素遺伝子配列は糖転移酵素遺伝子配列で産生のPCRオリゴヌクレオチドプライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を用いて得られる。マリス等(Mullis et al.)に対する米国特許4,683,195及びマリス(Mullis)に対する米国特許4,683,202参照。
糖転移酵素は糖転移酵素コード化DNA含有ベクターで形質変換した宿主細胞で合成できる。ベクターは複製可能なDNA構成物である。ベクターを用いて糖転移酵素コード化DNAの増幅及び/又は糖転移酵素コード化DNAの発現のいずれかを行う。発現ベクターは糖転位酵素コード化DNA配列を適切な宿主中で糖転移酵素発現に影響できる適切な制御配列と実施可能な様に連結した複写可能なDNA構成物である。この制御配列の必要性は選択宿主及び選択形質変換法により変わる。通常制御配列としては転写プロノーター、転写制御用の任意のオペレーター配列、適切な伝令RNAリボソーム結合部位のコード化配列及び転写及び翻訳終結の制御配列がある。増幅ベクターは発現制御ドメインを必要としない。必要なものの全ては宿主中での通常複製起源により与えられる複製能力であり、且つ形質転換体認識を促進する選択遺伝子である。
フコシル基転移酵素
ある実施形態では本発明法で用いる糖転移酵素はフコシル基転移酵素である。フコシル基転移酵素は技術の熟練者には既知である。典型的フコシル基転移酵素はL−フコースをGDP―フコースから受容体糖の水酸基位に転移する酵素である。非ヌクレオチド糖を受容体に転移するフコシル基転移酵素も又本発明に利用できる。
ある実施形態では受容体糖は例えばオリゴ糖配糖体のGalβ(1→3,4)GlcNACβ基のGlcNAcである。この反応に適切なフコシル基転移酵素としては最初ヒト乳で特定されたGalβ(1→3,4)GlcNAcβ1―α(1→3,4)フコシル基転移酵素(FTIIIE.C.No.2.4.1.65)(パルシック等(Palcic et al.)、カーボハイドレイトリサーチ(Carbohydrate Res.)、190巻、1−11頁、1989年;プリールス等(Prieels et al.)、ジャーナルオブバイオケミストリー(J. Biol. Chem.)、256巻、10456−10463頁、1981年及びヌーネズ等(Nunez et al.)、カナディアンジャーナルオブケミストリー(Can. J. Chem.)、59巻、2086―2095頁、1981年)及びヒト血清で発見されたGalβ(1→4)GlcNAcβ―αフコシル基転移酵素(FTIV、FTV、FTVI)がある。FTVII(E.C.No.2.4.1.65)のシアル酸α(2→3)Galβ(1→3)GlcNAcβフコシル基転移酵素も又特定された。Galβ(1→3,4)GlcNAcβ―α(1→3,4)フコシル基転移酵素の組み替え形も又特定された。(デュマス等(Dumas et al.)、バイオオーガニックメディシナルレターズ(Bioorg. Med. Letters)、1巻、425−428頁、1991年及びクコワスカーラターヨ等(Kukowska-Latallo et al.)、ジーンアンドデベロプメント(Genes and Development)、4巻、1288―1303頁、1990年参照)。他の典型的フコシル基転移酵素としては、例えばα1,2フコシル基転移酵素(E.C.No.2.4.1.69)がある。酵素的フコシル化はモリコン等(Mollicone et al.)、ヨーロピアンジャーナルオブバイオケミストリー(Eur. J. Biochem.)、191巻、169−176頁、1990年又は米国特許5,374,655に記載の方法で実施できる。フコシル基転移酵素生成に用いる細胞は又GDP―フコース合成用酵素系を含む。
ガラクトシル基転移酵素
他のグループの実施形態での糖転移酵素はガラクトシル基転移酵素がある。典型的ガラクトシル基転移酵素としてはα(1,3)ガラクトシル基転移酵素(E.C.No.2.4.1.151、例えばダブコブスキー等(Dabkowski et al.)、トランスプラントプロシーディング(Transplant Proc.)、25巻、2921頁、1993年及び山本等(Yamamoto et al.)、ネーチャー(Nature)、345巻、229−233頁、1990年)参照、ウシ(ジェンバンクj04989、ジョジアッセ等(Joziasse et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、264巻、14290−14297頁、1989年)、ネズミ(ジェンバンクm26925、ラーセン等(Larsen et al.) 、プロシーディングオブナショナルアカデミーオブサイエンスユウエスエイ(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、86巻、8227−8231頁、1989年)、ブタ(ジェンバンクL36152、ストラーハン等(Strahan et al.)、インミュノジェネティックス(Immunogenetics)、41巻、101−105頁、1995年)がある。他の適切なα1,3ガラクトシル基転移酵素としては血液型B抗原合成に関与する物がある。(EC2.4.1.37、山本等(Yamamoto et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、265巻、1146−1151頁、1990年(ヒト))。
β(1,4)ガラクトシル基転移酵素は本発明法での使用に適し、例えばEC2.4.1.90(LacNAc合成酵素)及びEC2.4.1.22(乳糖合成酵素)(ウシ(ダゴスターロ(D'Agostaro et al.) 、ヨーロピアンジャーナルオブバイオケミストリー(Eur. J. Biochem.)、183巻、211−217頁、1989年)、ヒト(マスリ等(Masri et al.)、バイオケミストリーアンドバイオフィジックリサーチコミュニケーション(Biochem. Biophys. Res. Commun.)、157巻、657−663頁、1988年)、ネズミ(中沢等(Nakazawa et al.)、ジャーナルオブバイオケミストリー(J. Biochem.)、104巻、165−168頁、1988年)、更にはE.C.2.4.1.38及びセラミドガラクトシル基転移酵素(EC2.4.1.45、スタール等(Stahle et al.)、ジャーナルオブニューロサイエンスリサーチ(J. Neurosci. Res.)、38巻、234−242頁、1994年)がある。他の適切なガラクトシル基転移酵素は例えばα1,2ガラクトシル基転移酵素(例えば分裂酵母から、チャペル等(Chapell et al. )、モレキュラーバイオロジーアンドセル(Mol. Biol. Cell)、5巻、519−528頁、1994年)がある。
クローン化遺伝子から遺伝子工学による酵素GalNAcTI−XIVのようなタンパク質産生はよく知られている。例えば米国特許4,761,371参照。一方法では十分な試料を収集し、次いで酵素のアミノ酸配列をN−末端配列決定法で決定する。この情報を用いて昆虫細胞株Sf9での発現により完全活性酵素を合成する完全長(膜結合)転移酵素コード化相補CDNクローンを単離する。酵素の受容体特異性を16個の異なるタンパク質中の既知グリコシル化部位周囲のアミノ酸を半定量的分析により決定し、次いで合成ペプチドの体内グリコシル化を研究する。この研究により特定のアミノ酸残基はグリコシル化ペプチド断片で大きな比率を占め、且つグリコシル化セリンとスレオニン残基周囲の特定位の残基が他アミノ酸成分に比し受容体効率により著しく影響することが分かった。
シアル酸転移酵素
シアル酸転移酵素は本発明の組み替え細胞及び反応混合物に利用できる他のタイプの糖転移酵素である。組み替えシアル酸転移酵素生成細胞は又シアル酸転移酵素用シアル酸供与体であるCMP―シアル酸を生成する。本発明使用に適したシアル酸転移酵素の例としては、ST3GalIII(例えばネズミ又はヒトST3GalIII)、ST3GalIV、ST3GalI,ST6GalI,ST3GalV、ST6GalII、ST6GalNAcI、ST6Ga1NAcII及びST6GalNAcIIIがある。(ここで用いたシアル酸転移酵素命名法は辻等(Tsuji et al.)、グリコバイオロジー(Glyobiology)、6巻、v−xiv、1996年に記載されている)。α(2,3)シアル酸転移酵素(EC.2.4.99.6)と云われる典型的α(2,3)シアル酸転移酵素はシアル酸をGalβ1→3Glc二糖体又は配糖体の非還元性末端Galに転移する。バンデンアインデン等(Van den Eijnden et al. )、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem)、256巻、3159頁、1981年、ウィンスタイン等(Weinstein et al.)ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、257巻、13845頁、1982年及びウエン等(Wen et al.)、 ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、267巻、21011頁、1992年を参照。他の典型的α2,3−シアル酸転移酵素(EC2.4.99.4)はシアル酸を二糖体又は配糖体の非還元性末端Galに転移する。レアリック等(Rearick et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、254巻、4444頁、1979年及びガレスピー等(Gillespie et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、267巻、21004頁、1992年を参照。更なる典型的酵素としてはGal−β―1,4−GlcNAcα―2,6シアル酸転移酵素がある。(黒沢等(Kurosawa et al.)、ヨーロピアンジャーナルオブバイオケミストリー(Eur. J. Biochem.)、219巻、375−381頁、1994年を参照)
好ましくは糖ペプチド炭水化物のグリコシル化ではシアル酸転移酵素は、完全にシアル酸付加した炭水化物構造の末端シアル酸の下にある最も共通の最後から2番目の配列、Galβ1,4GlcNac配列にシアル酸を転移できる。(表3参照)。
表3 受容体基質としてGalβ1,4GlcNAc配列使用のシアル酸転移酵素
Figure 2007523630
グーチー等(Goochee et al.)、バイオ/テクノロジー (Bio/Technology)、9巻、1347−1355頁、1991年。
山本等(Yamamoto et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biochem.)、120巻、104−110頁、1996年。
ギルバート等(Gilbert et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、271巻、28271−28276頁、1996年。
請求の方法で有用なシアル酸転移酵素の例はST3GalIIIで、α(2,3)シアル酸移転酵素(EC2.4.99.6)とも云われる。この酵素はシアル酸をGalβ1,3GlcNAc又はGalβ1,4GlcNAc配糖体のGalへの転移を触媒し(例えばウエン等(Wen et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem,)、267巻、21011頁、1992年;バンデンアインデン等(Van den Eijnden et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、256巻、3159頁、1991年参照)且つ糖ペプチドのアスパラギン連結オリゴ糖のシアル酸付加に関与する。シアル酸はGalと連結して二つの糖間でα―結合を形成する。この糖間結合(連結)はNeuAcの2位とGalの3位間である。この特定酵素はネズミの肝臓(ウインスタイン等(Weinstein et al. )、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、257巻、13845頁、1982年)、ヒト相補DNA(佐々木等(Sasaki et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、268巻、22782−22787頁、1993年、北川及びポールソン(Kitagawa & Paulsaon)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、269巻、1394−1401頁、1994年)から単離され、ゲノム(北川等(Kitagawa et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、271巻、931−938頁、1996年)DNA配列が知られ、組み替え発現による酵素産生を促進する。好ましい実施形態では請求のシアル酸付加法はネズミST3GalIIIを用いる。
本発明で用いる他の典型的シアル酸転移酵素としてはそのα(2,3)体を含むカンピロバクタージェジュニから単離したものがある。例えばWO99/49051参照。
表3に載せたもの以外のシアル酸転移酵素も又商業的に重要な糖ペプチドのシアル酸付加の経済的効率的大量生産に利用できる。これら他酵素の有用性を見いだす簡単な試験として、種々な量の各酵素(1−100mU/mgタンパク質)をアシアロ-αAGP(1−10mg/mlで)と反応し、興味のシアル酸転移酵素のウシST6GalI、ST3GalIII又は両シアル酸転移酵素のいずれかに対する糖ペプチドシアル酸付加能力を比較する。代わりに他の糖ペプチド、糖ペプチド又はペプチドバックボーンから酵素的に放出されたN−連結オリゴ糖をアシアロαAGPの代わりにこの評価に使用できる。糖ペプチドのN連結オリゴ糖をST6GalIよりより効果的にシアル酸付加できるシアル酸転移酵素はペプチドシアル酸付加の実際的大量プロセス(本開示のST3GalIIIに示されている)に使用できる。
他の糖転移酵素
技術の熟知者には他の糖転移酵素がシアル酸転移酵素で詳細に述べたように類似転移酵素で置換できることが分かる。特に糖転移酵素は例えばグルコシル基転移酵素、例えばAlg8(スタグリヨブ等、プロシーディングオブナショナルアカデミーオブサイエンスユウエスエイ(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、91巻、5977頁、1994年)又はAlg5(ヒーセン等(Heesen et al.)、ヨーロピアンジャーナルオブバイオケミトリー(Eur. J. Biochem.)、224巻、71頁、1994年)でも良い。
N−アセチルガラクトサミニル基転移酵素は又本発明の実施に利用できる。適切なN−アセチルガラクトサミニル基転移酵素としては限定はされないが、α(1,3)N−アセチルガラクトサミニル基転移酵素、β(1,4)N−アセチルガラクトサミニル基転移酵素(長田等(Nagata et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、267巻、12082−12089頁、1992年及びスミス等(Smith et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、269巻、15162頁、1994年)及びポリペプチドN−アセチルガラクトサミニル基転移酵素(ホーマ等(Homa et al.)、 ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー (J. Biol. Chem.)、268巻、12609頁、1993年)がある。適切なN−アセチルグルコサミン転移酵素としてはGnTI(2.4.1.101、ハル等(Hull et al.)、ビービーアールシー(BBRC)、176巻、608頁、1991年)、GnTII,GnTIII(井原等(Ihara et al.)、ジャーナルオブバイオケミストリー(J. Biochem.)、113巻、692頁、1993年)、GnTIV及びGnTV(ショライバン等(Shoreiban et al.)、ジャーナルオブバイオケミストリー(J. Biol. Chem.)、268巻、15381頁、1993年)、O−連結N−アセチルグルコサミン転移酵素(ビールヒューゼン等(Bierhuizen et al.)、プロシーディングオブナショナルアカデミーオブサイエンスユウエスエイ(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、89巻、9326頁、1992年)、N−アセチルグルコサミン-1-リン酸転移酵素(ラジュプット等(Rajput et al. )、バイオケミカルジャーナル(Biochem. J.)、285巻、985頁、1992年)及びヒアルロナン合成酵素がある。
マンノース基転移酵素は修飾マンノース成分転移に利用できる。適切なマンノース基転移酵素としてはα(1,2)マンノース基転移酵素、α(1,3)マンノース基転移酵素、α(1,6)マンノース基転移酵素、β(1,4)マンノース基転移酵素、ドリコール一リン酸マンノース合成酵素、OCh1及びPmt1(コーンフェルト等(Kornfeld et al.)、アニュアルレビュウインバイオケイミストリー(Annu. Rev. Biochem.)、54巻、631―664頁、1985年参照)がある。
キシロール基転移酵素は又本発明に有用である。例えばロジャース等(Rodgers et al. )、バイオケミカルジャーナル(Biochem. J.)、288巻、817−822頁、1992年及びエリベイン等(Elbain et al.)、米国特許6,168,937を参照。他の適切な糖転移酵素サイクルは市川等(Ichikawa et al.)、ジャーナルオブアメリカンケミカルソサエティ(JACS)、114巻、9283頁;ウオン等(Wong et al.)、ジャーナルオブオルガニックケミストリー(J. Org. Chem.)、57巻、4343頁、1992年及び市川等(Ichikawa et al )、炭水化物と炭水化物ポリマー(Carbohydrates and Carbohydrate Polymers)、ヤルタミ編(Yaltami)、ATLプレス社(ATL Press)、1993年に記載されている。
原核生物糖転移酵素は又本発明の実施で有用である。この糖転移酵素としては多くのグラム陰性菌により生成するリポオリゴ糖(LOS)合成に関わる酵素がある。LOSは通常ヒト上皮細胞表面か宿主分泌で見られる糖質複合体を模倣する末端グリカン配列を有する。(プレストン等(Preston et al.)、クリティカルレビュウインマイクロバイオロジー(Critical Reviews in Microbiology)、23巻(3号)、139−180頁、1996年)。このような酵素は限定はされないが、β1,6ガラクトシル基転移酵素及びβ1,3ガラクトシル基転移酵素を含む大腸菌及びネズミチフス菌のような種のrfaオペロンタンパク質(EMBLアクセス番号 M80599及びM86935(大腸菌)、EMBLアクセス番号S56361(ネズミチフス菌)、グルコシル基転移酵素(スイスプロットアクセス番号P25740(大腸菌)、β1,2―グルコシル基転移酵素(rfaJ)(スイスプロットアクセス番号P27129(大腸菌)及びスイスプロットアクセス番号P19817(ネズミチフス菌)及びβ1,2―N―アセチルグルコサミン転移酵素(rfaK)(EMBLアクセス番号U00039(大腸菌)がある)。アミノ酸配列が分かっている他の糖転移酵素としては肺炎桿菌、大腸菌、ネズミチフス菌、腸炎菌、腸炎エルシニア、ライ菌及び緑膿菌のrh1オペロンのような生物体で明らかにされたrfaBのようなオペロンでコード化したものがある。
本発明使用に適する糖転移酵素は又ラクト-N-テトラオース、D−ガラクトシル-β-1,4−N−アセチル-D-グルコサミン-β-1,3-D-ガラクトシル-β-1,4-D-グルコース及び粘膜病原体淋菌及び髄膜炎菌のLOSで同定されたP血液型三糖体のD−ガラトクトシル-α―1,4―D−ガラクトシル-β-1,4-D-グルコース含有構造を生産するものである。(ショルテン等(Scholten et al.)、ジャーナルオブメディシナルマイクロバイオロジー(J. Med. Microbiol.)、41巻、236−243頁、1994年)。その構造の生合成に関与する糖転移酵素コード化髄膜炎菌及び淋菌の遺伝子は髄膜炎菌免疫型L3とL1で(ジェニングス等(Jennings et al.)、モレキュラーマイクロバイオロジー(Mol. Microbiol.)、18巻、729−740頁、1995年)且つ淋菌突然変異体F62(ゴツリッチ(Gotshlich)、ジャーナルオブエクスペリメンタルメディスン(J. Exp. Med.)、180巻、2181−2190頁、1994年)で同定された。髄膜炎菌では三つの遺伝子lgtA、lgtB及びlgEからなる遺伝子座位がラクト-N−ネオテトラオース鎖の最後の三つの糖付加に必要な酵素をコード化する。(ワカルチャック等(Wakarchuk et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、271巻、19166−73頁、1996年)。最近lgtBとlgtA遺伝子産物の酵素活性が示され、この提案糖転移酵素に関する最初の直接的証拠が示された。(ワカルチャック等(Wakarchuk et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、271巻(45号)28271−276頁、1996年)。淋菌ではβ―D−GalNAcをラクト-N−ネオテトラオース構造の末端ガラクトースの3位に付加するlgtDと、末端α―D−Galを切断LOSの乳糖要素の付加するltgCがあり、P血液型抗原構造を創造する。(ゴツリッチ(Gotshlich)、1994年、上の文献)。髄膜炎菌では別の免疫型L1が又P血液型抗原を発現しlgtc遺伝子を輸送することが示された。(ジェニングス等(Jennings et al.)、1995年、上の文献)。ナイセリア類糖転移酵素及び関連遺伝子については又米国特許5,545、553(ゴツリッチ(Gotshlich))に記載されている。ピロリ菌由来のα1,2−フコシル基転移酵素及びα1,3―フコシル基転移酵素用遺伝子も又特定されている。(マーティン等(Martin et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、272巻、21349−21356頁、1997年)。カンビロバクタージェジュニの糖転移酵素も本発明に利用できる。(例えば http://afmb.cnrs-mrs.fr/〜pedro/CAZY/gtf_42.html参照)。
スルホ基転移酵素
本発明は例えばヘパリン、ヘパラン硫酸塩、カラギーナン及び関連化合物のような硫酸化多糖類を含む硫酸化分子含有ペプチドの生成法を提供する。適切なスルホ基転移酵素としては例えばコンドロイチン-6−スルホトランスフェラーゼ(福田等(Fukuda et al.) 、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、270巻、18575−18580頁、1995年に記載のトリ相補DNA,ジェンバンクアクセス番号D49915)、グリコサアミノグリカンN―アセチルグルコサミンN−デアセチラーゼ/N−スルホトランスフェラーゼ1(ディクソン等(Dixon et al.)、ジェノミックス(Genomics)、26巻、239−241頁、1995年、UL18918)及びグリコサアミノグリカンN―アセチルグルコサミンN−デアセチラーゼ/N−スルホトランスフェラーゼ2(オレヤーナ等(Orellana et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、269巻、2270−2276頁、1994年及びエリックソン等(Eriksson et al.)、ジャーナルオブバイオロジカルケミストリー(J. Biol. Chem.)、269巻、10438−10443頁、1994年記載のネズミ相補DNA、ジェンバンクアクセス番号U2304記載のヒト相補DNA)がある。
細胞結合糖転移酵素
他の実施形態では本発明法で用いる酵素として細胞結合糖転移酵素がある。多くの可溶性糖転移酵素が知られているが(例えば米国特許5,032,519参照)、糖転移酵素は細胞に付随しているときには通常膜結合形である。これまで研究された多くの膜結合酵素は固有タンパク質と考えられる。即ちこれらは超音波処理により膜から遊離せず可溶化には洗浄剤が必要である。表面糖転移酵素が脊椎動物及び無脊椎動物細胞表面で同定され、これら表面転移酵素は生理条件下での触媒活性を維持する事が確認された。しかし細胞表面糖転移酵素のより認知された機能は細胞間認識である。(ロース(Roth)、細胞レベル以上現象への分子的手段(Molecular Approaches to Supracellular Phenomena)、1990年)。
細胞発現の糖転移酵素変化法が開発された。例えばラーセン等(Larsen et al.)、はプロシーディングオブナショナルアカデミーオブサイエンスユウエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、86巻、8227−8231頁、1989年)に細胞表面オリゴ糖構造の発現とその同族糖転移酵素を決定するクローン化相補DNA配列を単離する遺伝子的手段を報告している。UDP―ガラクトース発現で知られるネズミ細胞株から単離の伝令RNAから生成した相補DNAライブラリー、β―D−ガラクトシル−1,4−N−アセチルーD−グルコサミニドα―1,3−ガラクトシルトランスフェラーゼをCOS−1細胞へ形質移入した。形質移入細胞を次いで培養し、α1,3糖転移酵素活性度を測定した。
フランシスコ等(Francisco et al.)はプロシーディングオブナショナルアカデミーオブサイエンスユウエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、89巻、2713−2717頁、1992年に、β―ラクタム分解酵素の大腸菌外面への固定法を開示した。(i)外膜タンパク質のシグナル配列、(ii)外膜タンパク質の膜スパン部 及び(iii)完全成熟β―ラクタム分解酵素配列からなる三者間融合が起こり、活性表面結合β―ラクタム分解酵素分子を生ずる。しかしフランシコの方法は原核生物細胞系にのみ限られ、著者も認めているように適切な機能化には完全な三者間融合を必要とする。
融合タンパク質
他の実施形態では本発明法は所望の糖ペプチド複合体合成に関与する一つ以上の酵素活性を持つ融合タンパク質を用いる。融合ポリペプチドは例えば補助酵素の触媒活性領域と連結した糖転移酵素の触媒活性領域からなる。補助酵素の触媒領域は例えば糖転移酵素用供与体である糖ヌクレオチド形成段階を触媒するか、又は糖転移酵素サイクル関与の反応を触媒する。例えば糖転移酵素のコード化ポリヌクレチドを糖ヌクレオチド合成関与酵素のコード化ポリヌクレチドとインフレームに連結できる。生成融合タンパク質はついで糖ヌクレオチド合成だけでなく糖成分の受容体分子への転移を触媒する。この融合タンパク質は二個又はそれ以上のサイクル酵素を連結した一つの発現可能ヌクレチド配列であり得る。他の実施形態では融合タンパク質としては二つ又はそれ以上の糖転移酵素の触媒活性領域がある。例えば米国特許5、641,668参照。本発明の修飾糖ペプチドは種々の適切な融合タンパク質を用いて容易に設計し製造できる、(例えば1999年6月24日のWO99/31224として公告のPCT特許申請PCT/CA98/01180参照)。
固定化酵素
細胞結合酵素に加えて本発明は又固体及び/又は可溶性サポートに固定した酵素の使用も提供する。典型的実施形態では本発明法の無傷グリコシルリンカーによるPEGとの複合化糖転移酵素を供与する。PEG―リンカー−酵素複合体は任意に固体サポートと連結する。本発明法での固体サポート酵素の使用により反応混合物の仕上げ及び反応生成物の精製を簡単にし、又酵素が容易に回収できる。本発明法で糖転移酵素複合体を利用する。酵素とサポートとの他の組み合わせは技術の熟知者には明白である。
組み換え法によるグリコシル化
突然変異ヒト成長ホルモンのグリコシル化は又組み換え法で細胞内で行える。少なくとも一つの新規導入N−又はO−連結グリコシル化部位からなる突然変異ヒト成長ホルモンコード化ポリヌクレオチド配列を適切な宿主細胞株、例えば酵母、昆虫又は哺乳類起源由来の真核生物細胞株に形質移入できる。この細胞から組み換え的産生した突然変異ヒト成長ホルモンを宿主細胞グリコシル化機械でグリコシル化する。
グリコシル化突然変異hGHの精製
上記プロセスで産生のグリコシル化ヒト成長ホルモンは好ましくは使用前に精製する。薄層又は厚層クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー又は膜濾過法の様な標準の既知回収法が使用できる。回収には以下に議論し且つここに文献として引用するように膜濾過法の使用、より好ましくは逆浸透膜又は一つ又はそれ以上のカラムクロマトグラフィー法を用いるのが好ましい。
もしグリコシル化突然変異ヒト成長ホルモンが細胞内で生成する場合、第一段階として宿主細胞か溶解断片のいずれかの微粒子残骸を、例えば遠心分離又は限外濾過により除去する。随意にタンパク質を市販のタンパク質濃縮フィルターで濃縮し、ついで免疫アフィニティクロマトグラフィー、イオン交換カラム分別法(例えばジメチルアミノエチル(DEAE)上か又はカルボキシメチル基又はスルホプロピル基含有マトリックス上で)、ブルーセファローズ、CM―ブルーセファローズ、MONO―Q,MONO−S、レンティルレクチン−セファローズ、WGA―セファローズ、ConAセファローズ、エーテルトーヨーパール、ブチルトーヨーパール、フェニルトーヨーパール、SP―セファローズ又はタンパク質Aセファローズ上でのクロトグラフィー、SDSポリアクリルアミド電気泳動クロマトグラフィー、シリカクロマトグラフィー、等電点電気泳動逆相高速液体クロマトグラフィー(例えば添加脂肪族基付きシリカゲル)、例えばセファデックス分子篩い又はサイズ排除クロマトグラフィーを用いたゲル濾過、ポリペプチドと選択的に結合したカラムでのクロマトグラフィー及びエタノール又は硫酸アンモニウム沈殿法から選んだ一つ又はそれ以上の方法で他不純物をポリペプチド変性物から分離する。
培養物で産生のグリコシル化突然変異ヒト成長ホルモンは通常細胞、細胞可溶化物、培地などから最初の抽出、ついで一回又はそれ以上の濃縮、塩析、水溶性イオン交換又はサイズ排除クロマトグラフィー法で単離する。更には糖タンパクをアフィニティクロマトグラフィーで精製する。最後に高速液体クロマトグラフィーを最終精製段階に使用できる。
プロテアーゼ阻害剤、例えばフッ化メチルスルホニル(PMSF)をタンパク質分解阻害のための前述段階のいずれかに含めてもよく、抗生物質を付随的混入物質の成長を防ぐのに含んでも良い。
ある場合には本発明のグリコシル化ヒト成長ホルモン生成系の上澄みを先ず市販のタンパク質濃縮フィルター、例えばアミクロンやミリポアペリコン限外濾過装置を用いて濃縮する。濃縮段階に続いて濃縮物を適切な精製充填材に加える。例えば適切な親和性充填材は適切なサポートと結合したペプチド用配位子、レクチン又は抗体分子からなる。代わりに陰イオン交換樹脂、例えばペンダントDEAE基を持つ充填材又は基質が使用できる。適切な充填材としてはアクリルアミド、アガロース、デキストラン、セルロース又はタンパク質精製に通常使用の他タイプがある。陽イオン交換法も又使用できる。適切な陽イオン交換剤としてはスルホプロピル基又はカルボキシメチル基を持つ種々の不溶性充填材がある。スルホプロピル基は特に好ましい。
最後に疎水性逆相高速液体クロマトグラフィー媒体、例えばメチル又は他の脂肪族基ペンダントを持つシリカゲルを用いた一つ又はそれ以上の逆相高速液体クロマトグラフィー法をグリコシル化突然変異ヒト成長ホルモンの更なる精製に使用できる。前記の精製法の幾つか或いは全てを種々組み合わして糖タンパクを得るのに用いる事ができる。
大規模発酵で生成の本発明のグリコシル化突然変異ヒト成長ホルモンはウルダール等(Urdal et al.)、ジャーナルオブクロマトグラフィー(J. Chromatog.)、296巻、171頁、1984年に開示のものの類似法で精製できる。この文献では分取高速液体クロマトグラフィーによる組み替えヒトIL−2精製で二回連続の逆相高速液体クロマトグラフィー法を記載している。代わりにアフィニティクロマトグラフィーのような技法も糖タンパク精製に利用できる。
突然変異hGHの機能分析
グリコシル化突然変異ヒト成長ホルモンの産生及び好ましくは精製に続いて、糖タンパクの生物機能を技術的に既知の方法を用いて試験する。その機能分析はヒト成長ホルモン受容体への特異的結合、hGH受容体の活性化及び細胞成長促進での活性のような種々のヒト成長ホルモン特性に基づく。各分析で野生型ヒト成長ホルモンを正の対照として含む。
放射性標識hGH受容体と本発明の突然変異ヒト成長ホルモン間の結合を測定するため放射性受容体結合分析を実施する。この分析の詳細記述は文献、例えば津島等(Tsushima et al.)、ジャーナルオブクリニカルエンドクノロジー アンドメタボリズム(J. Clin. Endocrinol. Metab.)、37巻、334−337頁、1973年; チン等(Chin et al.)、エンドクノロジーアンドメタボリズム(Endocr. Meta.)、37卷、334頁、1973年及び米国特許4,871,835、5,079,230に見いだせる。
突然変異ヒト成長ホルモンの細胞成長促進能を頸骨試験のような方法で評価する。(パーロウ等(Parlow et al.)、エンドクノロジー (Endocrinology)、77巻、1126頁、1965年;米国特許4,871,835)。つまりラットを年齢28−30日で下垂体切除し、10−14日間処置なしで保つ。次いで組み換え源由来のヒト成長ホルモン突然変異体をラットに毎日皮下注射する。その動物を6日目に犠牲にし、その前肢骨を取り出し骨端板幅を測定する。実験開始と犠牲前のラット体重を監視し、突然変異ヒト成長ホルモンを異なる濃度で毎日注射した異なるグループと比較する。
更に突然変異ヒト成長ホルモンの生物活性はヒトリンパ芽球腫のクローン由来で且つ細胞表面でヒト成長ホルモン受容体を発現するIM−9細胞のhGH依存チロシンリン酸化を起こす能力で示すことができる。MB−2細胞のような他細胞型も又hGH機能分析に適する。突然変異ヒト成長ホルモンへの暴露時の細胞タンパク質のチロシンリン酸化レベルがシルバ等(Silva et al.)によりエンドクリノロジー(Endocrinology)、132巻、101頁、1993年及び米国特許6,238,915に記載のごとくリン酸化チロシンに対するモノクロナール抗体により示される。
薬剤組成と投与
上述の所望オリゴ糖決定基を持つグルコシル化突然変異ヒト成長ホルモンは成長ホルモン欠損関連の種々の病気と症状の治療薬として使用できる。本発明の突然変異ヒト成長ホルモンで治療できる成長関連症状としては、小人症、子供及び大人の低身長、悪液質/筋肉疲労、全身筋萎縮症及び性染色体異常症(例えばターナー症候群)がある。他症状も本発明の突然変異hGHを用いて治療でき、短腸症候群、リポジストロフィ、骨粗鬆症、尿毒症、やけど、女性不妊、骨再生、全身糖尿病、II型糖尿病、骨関節炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)及び不眠症がある。本発明の突然変異hGHは又種々な治療プロセス、例えば全身組織再生、骨再生及び傷治癒の促進のためや又はワクチン補助剤として使用できる。従って本発明は上述法にほり生成する有効量のグルコシル化突然変異ヒト成長ホルモンからなる薬剤組成を提供する。
本発明の薬剤成分は種々のドラッグデリバリーシステムでの使用に適する。本発明の使用に適した配合はレミントンの薬剤科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)、マック出版社(Make Publishing Company)、フィラデルフィア、ペンシルバニア州(PA)、17版、1985年に見られる。ドラッグデリバリー法の簡単な総説はランガー(Langer)、サイエンス(Science)、249巻1527−1533頁、1990年参照。
薬剤成分は予防及び/又は治療処置のための皮下注射、エアロゾル吸入又は経皮吸収のような非経口、鼻腔内、局所、経口又は局所投与を意図する。通常薬剤組成は非経口的に、例えば皮下又は静脈投与する。従って本発明は容認担体、好ましくは水担体、例えば水、緩衝水、生理食塩水、リン酸緩衝食塩水及び同類に溶解又は懸濁したグリコシル化突然変異ヒト成長ホルモンを含む非経口投与用組成を提供する。この成分は又トゥイーン20及びトゥイーン80の様な洗浄剤、マニトール、ソルビトール、サッカロース及びトレハロースの様な安定剤及びEDTA及びm−クレゾールの様な防腐剤を含有できる。この成分はpH調整及び緩衝剤、張度調整剤、湿潤剤、洗浄剤及び同類の様な適切生理条件に必要な薬剤的容認補助剤を含有できる。
これら組成は在来の減菌法で減菌しても良く又減菌濾過しても良い。生成水溶液をそのまま使用用に包装するか、又は凍結乾燥しこの凍結乾燥調合剤を投与前に減菌水溶性担体と一緒にする。調合剤のpHは通常3と11の間、より好ましくは5から9、もっと好ましくは7から8の間である。
グリコシル化突然変異ヒト成長ホルモン含有組成を予防及び/治療処置で投与できる。治療への応用では組成を既に成長ホルモン欠損関連疾患や症状を患う患者に、この疾患及び合併症の兆候を治すか少なくとも一部阻むに十分な量を投与する。これが達成できる有効量を“治療的有効用量”と定義する。この使用有効量は疾患や症状の重症度及び患者の体重及び一般症状に依存するが、通常70kgの患者に一日当たりグリコシル化突然変異ヒト成長ホルモン約0.1mgから約2,000mgの範囲であり、この化合物を一日当たり約5mgから約200mg用量がより普通用いられる。
予防への応用では本発明のグリコシル化突然変異ヒト成長ホルモン含有組成を特定病に罹りやすいか又は別に特定病の危険のある患者に投与する。その量を“予防的有効用量”と定義する。その使用で正確な量は再度患者の健康状態と体重に依存するが、通常70kgの患者当たり約0.1mgから約1000mgの範囲であり、より通常は体重70kg当たり約5mgから約200mgである。
この組成の単回投与か複数回投与は治療を行う医師が選択した用量レベルと様態で行うことができる。いずれにせよ薬剤処方は患者を有効に治療するに十分な量の本発明のグリコシル化突然変異ヒト成長ホルモンを提供すべきである。
以下の実施例は説明の目的のみで制限の目的で提供するものではない。技術の熟練者には種々の重要でないパラメータを変えたり修正して実質的に同様の結果が得られることが分かる。
ヒト成長ホルモンは種々の異なるイソ型と異なるアミノ酸配列に現れる。二つの最もよく特性化された形としてはGH−V(PDBP−01242)として又知られる胎盤由来hGHとソマトトロピン又はGH―N(P01241)として知られる下垂体由来hGHがある。図1参照。下垂体由来hGHはグルコシル化されてなく、治療薬として大腸菌中で産生する。胎盤由来hGH(GH−V)はアミノ酸140位で一個のN−グリコシル化部位を有する。(表4と図4参照。矢印参照)。
表4 ヒト成長ホルモン(GH−V)、胎盤由来:P01242(SEQ ID NO:2)
fptiplsrlfdnamlrarrlyqlaydtyqefeeayilkeqkysflqnpqtslcfsesiptpsnrvktqqksnle
llrisllliqswlepvqllrsvfanslvygasdsnvyrhlkdleegiqtlmwrledgsprtgqifnqsyskfdt
kshnddallknygllycfrkdmdkvetflrivqcrsvegscgf ↑
下垂体由来hGH(GH−N)はアミノ酸位140で修飾してこのポリペプチドコード化ヌクレオチド配列を突然変異してN−連結グリコシル化部位を導入し、その結果野生型リシン(表5及び図1のGH−Nポリペプチド配列のアミノ酸140位の“k”と略称,
矢印参照)をコード化する代わりに、ヌクレオチド配列によりGH−Nのアミノ酸位140のアスパラギン(“n”と略称)コード化する。(又図2参照)。
表5 ヒト成長ホルモン(GH−N)、下垂体由来:P01241(SEQ ID NO:1)
fptiplsrlfdnamlrahrlhqlafdtyqefeeayipkeqkysflqnpqtslcfsesiptpsnreetqqksnle
llrisllliqswlepvqflrsvfanslvygasdsnvydllkdleegiqtlmgrledgsprtgqifkqtyskfdt
nshnddallknygllycfrkdmdkvetflrivqcrsvegscgf ↑
この突然変異下垂体由来hGHはこのポリペプチド産生に用いた発現系にかかわらずグリコシル化されるか又は糖質複合化される。(ここに文献として入っているWO03/31464参照)。好ましくは突然変異下垂体由来hGHは糖PEG化され、ポリエチレングリコール(PEG)成分がグリコシル結合により突然変異下垂体由来hGHポリペプチドと複合化する。(ここに文献として入っているWO03/31464参照)。図3にSf9昆虫細胞か哺乳類細胞のいずれかで産生のhGHN―連結グリカン突然変異体の糖PEG化を記載する。突然変異下垂体由来hGHの糖PEG化により限定はされないが、半減期の改善、濃度曲線下面積(AUC)値の改善、クリアランスの減少及び免疫原生の減少を含む生物物理的特性の改良が期待される。
代わりの手段としてはO−連結グリコシル化部位を下垂体由来hGHポリペプチドに創生する事である。このO−連結グルコシル化部位を突然変異hGHポリペプチドがGalNAcT酵素又は同類を用いて糖PEG化できる部位として用いることができる。一つ又はそれ以上の追加転移酵素を用いてグリカンか又は糖質複合体をこの部位に付加できる。好ましくは突然変異下垂体由来hGHポリペプチドを糖PEG化する。図4に大腸菌で産生のhGHO−連結グリカン突然変異体の糖PEG化を記載する。
hGHとその受容体の結晶構造から同定したように、下垂体由来hGH上のタンパク質ループ領域はグリコシル化部位導入に突然変異するのに最も適している。具体的には野生型下垂体由来hGHアミノ酸配列のアミノ酸1−6(FPTIPL;SEQ ID NO:10)、アミノ酸48−52(PQSTL;SEQ ID NO:11)、アミノ酸59−64(PTPSNR;SEQ ID NO:12)、アミノ酸133−139(PRTGQIF;SEQ ID NO:13)、アミノ酸133―145(PRTGQIFKQTYSK;SEQ ID NO:14)又はアミノ酸139−142(FKQT;SEQ ID NO:15)をコード化するヌクレオチド配列を突然変異して、N−連結又はO−連結グリコシル化部位を生成突然変異型下垂体由来hGHポリペプチドに導入する。
図6に六つのこの導入O−連結グリコシル化部位を示す。図6のO−連結グリコシル化がそれぞれの矢印はGH−NのO−連結グリカンhGH突然変異体で起こるスレオニン残基を表す。
図7と図8に二つの追加GH−HのO−連結グリカンhGH突然変異体を示す。
この実施例では好ましくは野生型ヒト成長ホルモン配列か又はそのいずれかの修飾変形体のプロリン含有部位にO−連結グリコシル化部位を導入するアミノ酸残基、即ちセリンか又はスレオニン残基を記述する。
N−末端突然変異
N−末端突然変異体では野生型hGH、FPTIPLSのN―末端;SEQ ID NO:16をMXnTPTIPLS又はMAPTSSXnPTIPLSで置換する。好ましい例は以下を含む。
MVTPTIPLS;SEQ ID NO:17
MQTPTIPLS;SEQ ID NO:18
MAPTSSPTIPLS;SEQ ID NO:19
MAPTSSSPTIPLS(IL−2N−末端);SEQ ID NO:20
MPTTFPTIPLS;SEQ ID NO:21
MPTSSPTIPLS;SEQ ID NO:22
MPTSSSPTIPLS;SEQ ID NO:23
内部突然変異部位1
このタイプの突然変異体では野生型hGH、FPTIPLSのN―末端;SEQ ID NO:24をZmPTXnBoPLSで置換する。好ましい突然変異は以下を含む。
MFPTQIPLS;SEQ ID NO:25
MFPTSIPLS;SEQ ID NO:26
MFPTSSPLS;SEQ ID NO:27
MTPTQIPLS;SEQ ID NO:28
MFPTTTPLS;SEQ ID NO:29
内部突然変異部位2
このタイプの突然変異体ではP37周りのアミノ酸配列、AYIP37KEQKY;SEQ ID NO:30をAZmJqP37OrXnBoΔpYで置換し、ここでZ,J、O、X及びBの少なくとも一つは独立にスレオニンかセリンのいずれかから選び、Δはリシン(K)でXはアスパラギン(D)である。好ましい例は以下を含む。
AYIP37TQGAY;SEQ ID NO:31
AYIP37TSSSY;SEQ ID NO:32
AQITP37TEQKY;SEQ ID NO:33
AYIP37TEQSY;SEQ ID NO:34
内部突然変異部位3
このタイプの突然変異体ではP48周りのアミノ酸配列、LQNP48QTSLC;SEQ ID NO:35をLZmJqP48OrXnBoLCで置換し、ここでZ,J、O及びXの少なくとも一つは独立にスレオニンかセリンのいずれかから選ぶ。好ましい例は以下を含む。
LQTP48QTSLC;SEQ ID NO:36
LQNP48TTSLC;SEQ ID NO:37
内部突然変異部位4
このタイプの突然変異体ではP59周りのアミノ酸配列、SESIP59TPNREET;SEQ ID NO:38をSZmUsJqP59TPOrXnBoΔrTで置換し、ここでZ,J、O、B、Δ、U及びXの少なくとも一つは独立にスレオニンかセリンのいずれかから選び、B、Δ及びZは荷電アミノ酸を含んでも良い。好ましい例は以下を含む。
SESTP59TPNREET;SEQ ID NO:39
SSSTP59TPNREET;SEQ ID NO:40
SESIP59TPNTEET;SEQ ID NO:41
SESIP59TPNTQET;SEQ ID NO:42
SESIP59TPTQGAT;SEQ ID NO:43
SESIP59TPTESST;SEQ ID NO:44
SQSTP59TPNREET;SEQ ID NO:45
SQSTP59TPNQEET;SEQ ID NO:46
SESTP59TPTSSST;SEQ ID NO:47
内部突然変異部位5
このタイプの突然変異体ではP89周りのアミノ酸配列、SWLEP89VQFLRS;SEQ ID NO:48をSZmUsJqP89OrXnBoΔrλtSで置換し、ここでZ,U、J、O、B、及びXの少なくとも一つは独立にスレオニンかセリンのいずれかから選び、Jとλは荷電アミノ酸を含んでも良い。好ましい例は以下を含む。
SWLEP89TQGLRS;SEQ ID NO:49
SWLEP89TQGATS;SEQ ID NO:50
SSQTP89VQFLRS;SEQ ID NO:51
SWLEP89TSSLSS;SEQ ID NO:52
SMVTP89VQFLRS;SEQ ID NO:53
内部突然変異部位6
このタイプの突然変異体ではP133周りのアミノ酸配列、EDGP133RTGQIF;SEQ ID NO:54をEZmUsJqP133OrXnBoΔrλtFで置換し、ここでZ,U、J、O、B、及びXの少なくとも一つは独立にスレオニンかセリンのいずれかから選ぶ。好ましい例は以下を含む。
EDGSP133TTGQIF;SEQ ID NO:55
EDGSP133NTGQIF;SEQ ID NO:56
EDGSP133TQGQIF;SEQ ID NO:57
EDGSP133TVGQIF;SEQ ID NO:58
EDGSP133TTTQIF;SEQ ID NO:59
EDGSP133TSSQIF;SEQ ID NO:60
EDGSP133TTQGIF;SEQ ID NO:61
EDGSP133QTGQIF;SEQ ID NO:62
EDGTP133NTGQIF;SEQ ID NO:63
EDQTP133NTGQIF;SEQ ID NO:64
内部突然変異部位7
このタイプの突然変異体ではP140周りのアミノ酸配列、GQIFK140QTYS;SEQ ID NO:65をGZmUsJqΔr140OrXnBoSで置換し、ここでZ,U、J、O、B、及びXの少なくとも一つは独立にスレオニンかセリンのいずれかから選ぶ。好ましい例は以下を含む。
GQIFN140QTYS;SEQ ID NO:66
GQIFN140ITYS;SEQ ID NO:67
GQIFP140QTSS;SEQ ID NO:68
GQIFP140TTTS;SEQ ID NO:69
GQITP140QTYS;SEQ ID NO:70
GQIFT140QTYS;SEQ ID NO:71
GQIST140QTYS;SEQ ID NO:72
GQIPT140TTYS;SEQ ID NO:73
C−末端突然変異体
このタイプの突然変異体では野生型hGHのC−末端でのアミノ酸配列、VEGSCG190F;SEQ ID NO:74をVEGSCG190PXnBoZmUsPで置換し、ここでZ,U、B及びXの少なくとも一つは独立にスレオニンかセリンのいずれかから選ぶ。好ましい例は以下を含む。
VEGSCGPTTTP;SEQ ID NO:75
VEGSCGPTSSP;SEQ ID NO:76
VEGSCGPTQGAMP;SEQ ID NO:77
VEGSCGPTTIP;SEQ ID NO:78
VEGSCGPMVTP;SEQ ID NO:79
上記の全てでX、Z,B、Δ、J、U、O及びλはE(グルタミン酸塩)、M,F,MF及び同類を含む非荷電アミノ酸かジペプチドの組み合わせのいずれかから独立に選択する。m、n、o、p、q、r、s及びtは整数ゼロから3で独立に選ぶ。全ての場合N−末端メチオニンがいずれかのhGH突然変異体上にあってもなくても良い。アミノ酸残基の番号付けは最初の非修飾配列に基づき一番左の残基を1とする。非修飾アミノ酸の番号付けは修飾後変わらないままである。一つ以上の上述の配列修飾が本発明のhGH突然変異体にあり得る。
本発明は特定実施形態に関して開示したが、本発明の他実施形態と変形は本発明の真の精神と範囲を逸脱することなく技術の熟知者により工夫できることは明白である。
本出願で述べた全特許、特許出願及び他の出版物は全て文献として含まれている。
GH−N(下垂体由来hGH)とGH−V(胎盤由来hGH)のアミノ酸配列である。矢印は(GH−N)への突然変異導入のためのアミノ酸位又は天然にある(GH−V)N−連結グリコシル化部位を示す。 グリコシル化GH−N突然変異hGH(Lys140からAsn140)とその受容体ポリペプチドの結晶構造図である。 昆虫細胞と哺乳類細胞産生のhGHのN−連結グリカン突然変異体の糖PEG化図式である。 大腸菌産生のhGHのN−連結グリカン突然変異体の糖PEG化を示す。 グリコシル化部位導入でのGH−Nの代替え突然変異体を示す。矢印はグリコシル化部位を導入できるGH−Nのタンパク質ループ領域を示す。 下垂体由来hGH(GH−N)へ導入できる六つの異なるO−連結グリコシル化部位のアミノ酸配列である。GH−Nの野生型アミノ酸配列も比較のために示す。矢印はO−連結グリコシル化が起こるGH−Nグリカン突然変異体のスレオニン残基を示す。 アミノ酸―3から−1(ptt)迄をアミノ基末端に挿入したhGHのO−連結GH−N変異体134(rtg)→ttt及びhGHのO−連結5‘GH−N突然変異体のアミノ酸配列であり、194のアミノ酸hGHポリペプチドを生ずる。 アミノ酸―3から−1(mvt)迄をアミノ基末端に挿入したhGHのO−連結GH−N突然変異体134(rtg)→ttg及びhGHのO−連結5‘GH−N突然変異体のアミノ酸配列であり、194のアミノ酸hGHポリペプチドを生ずる。 成熟ヒト成長ホルモン(GH−N)のアミノ酸配列(SEQ ID NO:1)を示す。 成熟ヒト成長ホルモン(GH−V)のアミノ酸配列(SEQ ID NO:2)を示す。 ヒト成長ホルモン突然変異体1のアミノ酸配列(SEQ ID NO:3)を示す。 ヒト成長ホルモン突然変異体2のアミノ酸配列(SEQ ID NO:4)を示す。 ヒト成長ホルモン突然変異体3のアミノ酸配列(SEQ ID NO:5)を示す。 ヒト成長ホルモン突然変異体4のアミノ酸配列(SEQ ID NO:6)を示す。 ヒト成長ホルモン突然変異体5のアミノ酸配列(SEQ ID NO:7)を示す。 ヒト成長ホルモン突然変異体6のアミノ酸配列(SEQ ID NO:8)を示す。 ヒト成長ホルモン突然変異体7のアミノ酸配列(SEQ ID NO:9)を示す。

Claims (42)

  1. 突然変異ヒト成長ホルモンコード化ポリヌクレオチド配列からなる単離核酸で、その突然変異ヒト成長ホルモンが対応野生型ヒト成長ホルモンには存在しない新規導入N−連結又はO−連結グリコシル化部位からなる核酸。
  2. 対応野生型ヒト成長ホルモンがSEQ ID NO:1かSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を持つ請求項1の核酸。
  3. 新規導入グリコシル化部位がプロリン残基近辺である請求項1の核酸。
  4. プロリン残基がSEQ ID NO:1又はSEQ ID NO:2の2、5、37、48、59、89、113、140又は190位にある請求項3の核酸。
  5. 突然変異ヒト成長ホルモンがSEQ ID NO:3、4,5,6、7,8又は9のアミノ酸配列からなる請求項1の核酸。
  6. 突然変異ヒト成長ホルモンが一つ以上の新規導入グリコシル部位からなる請求項1の核酸。
  7. 請求項1の核酸からなる発現カセット。
  8. 請求項1の核酸からなる細胞。
  9. 対応野生型ヒト成長ホルモンには存在しない新規導入N−連結又はO−連結グリコシル化部位からなる突然変異ヒト成長ホルモン。
  10. 対応野生型ヒト成長ホルモンがSEQ ID NO:1かSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を持つ請求項9の突然変異ヒト成長ホルモン。
  11. 新規導入グリコシル化部位がプロリン残基近辺である請求項9の突然変異ヒト成長ホルモン。
  12. プロリン残基がSEQ ID NO:1又はSEQ ID NO:2の2、5、37、48、59、89、113、140又は190位にある請求項11の突然変異ヒト成長ホルモン。
  13. SEQ ID NO:3、4,5,6、7,8又は9のアミノ酸配列からなる請求項9の突然変異ヒト成長ホルモン。
  14. 突然変異ヒト成長ホルモンが一つ以上の新規導入グリコシル部位からなる請求項9の突然変異ヒト成長ホルモン。
  15. グリコシルリンカーによりグリコシル化部位に結合する水溶性ポリマーからなる請求項9の突然変異ヒト成長ホルモン。
  16. このグリコシルリンカーが無傷グリコシルリンカーである請求項15の突然変異ヒト成長ホルモン。
  17. グリコシル化部位が突然変異グリコシル部位である請求項15の突然変異ヒト成長ホルモン。
  18. 突然変異ヒト成長ホルモンの製造法で、対応野生型ヒト成長ホルモンに存在しない新規導入N−連結又はO−連結グリコシル化からなり、その段階が
    (a)突然変異ヒト成長ホルモンの組み換え産成と
    (b)新規導入グリコシル化部位での突然変異ヒト成長ホルモンのグリコシル化
    からなる方法。
  19. 対応野生型ヒト成長ホルモンがSEQ ID NO:1かSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を持つ請求項18の方法。
  20. 新規導入グリコシル化部位がプロリン残基近辺である請求項18の方法。
  21. プロリン残基がSEQ ID NO:1又はSEQ ID NO:2の2、5、37、48、59、89、113、140又は190位にある請求項20の方法。
  22. 突然変異ヒト成長ホルモンがSEQ ID NO:3、4,5,6、7,8又は9のアミノ酸配列からなる請求項18の方法。
  23. 突然変異ヒト成長ホルモンが一つ以上の新規導入グリコシル部位からなる請求項18の方法。
  24. 有効量の突然変異ヒト成長ホルモン含有薬剤組成で、そのホルモンが対応野生型ヒト成長ホルモンには存在しない新規導入N−連結又はO−連結グリコシル化を含む組成。
  25. 対応野生型ヒト成長ホルモンがSEQ ID NO:1かSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を持つ請求項24の組成。
  26. 新規導入グリコシル化部位がプロリン残基近辺である請求項24の組成。
  27. プロリン残基がSEQ ID NO:1又はSEQ ID NO:2の2、5、37、48、59、89、113、140又は190位にある請求項26の組成。
  28. 突然変異ヒト成長ホルモンがSEQ ID NO:3、4,5,6、7,8又は9のアミノ酸配列からなる請求項24の組成。
  29. 突然変異ヒト成長ホルモンが一つ以上の新規導入グリコシル部位からなる請求項24の組成。
  30. ヒト成長ホルモン欠損患者の治療法で、有効量の突然変異ヒト成長ホルモンを患者に投与する段階からなり、その突然変異ヒト成長ホルモンが対応野生型ヒト成長ホルモンには存在しない新規導入N−連結又はO−連結グリコシル化を含む方法。
  31. 対応野生型ヒト成長ホルモンがSEQ ID NO:1かSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を持つ請求項30の方法。
  32. 新規導入グリコシル化部位がプロリン残基近辺である請求項30の方法。
  33. プロリン残基がSEQ ID NO:1又はSEQ ID NO:2の2、5、37、48、59、89、113、140又は190位にある請求項32の方法。
  34. 突然変異ヒト成長ホルモンがSEQ ID NO:3、4,5,6、7,8又は9のアミノ酸配列からなる請求項30の方法。
  35. 突然変異ヒト成長ホルモンが一つ以上の新規導入グリコシル部位からなる請求項30の方法。
  36. 突然変異ヒト成長ホルモンの糖質複合体製造法で、そのホルモンが対応野生型ヒト成長ホルモンに存在しない新規導入N−連結又はO−連結グリコシル化からなり、その段階が
    (a)突然変異ヒト成長ホルモンの組み換え産成と
    (b)新規導入グリコシル化部位での突然変異ヒト成長ホルモンの修飾糖との酵素的グリコシル化からなる方法。
  37. 修飾糖がポリエチレングルコール及びm−ポリエチレングリコールから選んだ一員で修飾する請求項36の方法。
  38. 対応野生型ヒト成長ホルモンがSEQ ID NO:1かSEQ ID NO:2のアミノ酸配列を持つ請求項36の方法。
  39. 新規導入グリコシル化部位がプロリン残基近辺である請求項36の方法。
  40. プロリン残基がSEQ ID NO:1又はSEQ ID NO:2の2、5、37、48、59、89、113、140又は190位にある請求項36の方法。
  41. 突然変異ヒト成長ホルモンがSEQ ID NO:3、4,5,6、7,8又は9のアミノ酸配列からなる請求項36の方法。
  42. 突然変異ヒト成長ホルモンが一つ以上の新規導入グリコシル部位からなる請求項36の方法。


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