JP2011525800A - 長時間にわたる循環半減期を有するn−グリコシル化ヒト成長ホルモン - Google Patents

長時間にわたる循環半減期を有するn−グリコシル化ヒト成長ホルモン Download PDF

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Abstract

本発明は、一又は複数のN-グリカンを有する新規のヒト成長ホルモン(hGH)変異体に関する。本発明のhGH変異体は、野生型hGHに存在しない一又は複数の変異から生じる、少なくとも一のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有するアミノ酸配列を含む。本発明のhGH変異体は長時間にわたる循環半減期を有し、よってhGHのレベルを高めることが有益でありうる疾患状態のタンパク質治療剤として効果的に使用することができる。またhGH変異体を得る方法も、本発明に含まれる。

Description

本発明は、少なくとも一のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有する、新規のヒト成長ホルモン(hGH)変異体で、N-グリコシル化モチーフが、野生型hGHに存在しないものに関する。本発明のhGH変異体は、hGHのレベルを高めることが有益であり得る疾患状態のタンパク質治療剤として使用される際に長時間にわたる循環半減期を有する。
ヒト成長ホルモン(hGH)は、2つのジスルフィド架橋と22kDaの分子量を有する、191アミノ酸長のタンパク質である。ジスルフィド結合は、53位と165位及び182位と189位を連結させる。hGHは、成長の促進、正常な体組成、同化作用及び脂質代謝の維持において、重要な役割を担っている(Barnels K, Keller U. Clin. Endocrinol. Metab.10, 337(1996))。また、中間代謝における直接的影響を有し、例えばグルコース取り込み度合いを低減させ、脂質分解を増加させ、アミノ酸取り込み度合いを増加、及びタンパク質合成を促進させる。さらにホルモンは、脂肪組織、肝臓、腸、腎臓、骨格、結合組織、及び筋肉を含む他の組織に影響を与える。組換えhGHが生産されており、例えば:GenotropinTM(Pharmacia Upjohn)、NutropinTM及びProtropinTM(Genentech)、HumatropeTM(Eli Lilly)、SerostimTM(Serono)及びNorditropinTM(Novo Nordisk)等、商業的に入手可能である。さらに、N末端に付加的なメチオニン残基を有するアナログ、例えば:SomatonormTM(Pharmacia Upjohn/Pfizer)も市販されている。
一般的に、hGHが正常値以下であると、成長関連欠陥に至る。例えば、窒素保持率の増加、骨格筋成長の刺激により、hGHは正常な体組成を維持している。子供において成長ホルモンが欠失すると小人症に至り、これはhGHの外的投与により効果的に処置することができる。また、hGHのレベルの低減は、除脂肪体重の低下、脂肪組織量の増加、皮膚の収縮を含む、加齢の兆候の原因となりうると考えられている。
現在のhGH治療レジメンでは、毎日の皮下注射が必要である。週当たりの注射が少ない投与レジメンが有益である。タンパク質の半減期を増加させるためのいくつかの原則は発見されているが、部分的には種々のタンパク質は異なる経路及びメカニズムにより排出されるため、それらの利用性は種々のタンパク質間で異なる。
いくつかのタンパク質は、野生型タンパク質においてグリコシル化していないアミノ酸位置に、N-グリカンを付加することにより、半減期の増加を達成することができる(Sinclair及びEllliott, J Pharm Sci. 94, 1626(2005))。N-グリカンは、タンパク質を生成する真核細胞により、タンパク質に結合している。真核細胞の細胞N-グリコシル化メカニズムは、N-X-S/Tモチーフを認識し、新生タンパク質がリボソームから小胞体へ転位置する場合に、このモチーフのN残基にグリカンを付与する(Kielyら J Biol Chem. 251 5490(1976); Glabeら J Biol Chem. 255, 9236(1980))。よって、糖鎖操作されたタンパク質は、タンパク質のアミノ酸配列にN-グリコシル化部位を付加する変異を導入することにより、生成することができる。この原則は長時間作用する第2世代のエリスロタンパク質を得るのに使用される(Aranesp(登録商標), Amgen), Elliottら Nature Biotechnology 21, 414(2003)。
本発明は、少なくとも一のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有するヒト成長ホルモン(hGH)変異体で、N-グリコシル化モチーフが、野生型hGHに存在しないものに関する。一実施態様において、前記変異体は、前記部位にN-グリコシル化が提供され、長時間にわたる循環半減期を有するhGH変異体の発現に至る、真核細胞において発現する。このようなhGH変異体は、hGHのレベルを増加させることが有益な疾患状態用のタンパク質治療剤として、特に一日の注射、例えば週当たりの注射を減らした処置に有用である。
図1Aは、実施例1に記載するような、哺乳動物細胞における発現のための、野生型ヒト成長ホルモンをコードするDNAのヌクレオチド配列及び推定アミノ酸配列である。図1Bは、成熟したhGHのタンパク質配列である(配列番号1)。 図2は、pGB039で一時的に形質移入したHEK293細胞の培地において、ELISAにより測定された組換え野生型ヒト成長ホルモンの収率を示す(実施例2)。 図3は、利用されるN-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモン変異体をコードするコンストラクトで一時的に形質移入したHEK293細胞からの培地を用いたBAF3-GHR細胞アッセイの結果を示す。細菌において生成された組換えヒト成長ホルモンが標準体として供給され、平行してテストした。テストされるヒト成長ホルモン変異体を、10nM、3nM、1nM、100ρM、300ρM、30ρM、10ρM、3ρM、1ρM、0.3ρM、及び0.1ρMまで希釈した。種々の勾配を使用する、成長反応に対するhGH濃度の対数を記載したトレンドラインを、GraphPadソフトウェア(Prism)(実施例5)を用いて算出した。 図4は、一以上のN-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモン変異体をコードするコンストラクトで一時的に形質移入したHEK293細胞からの培地を用いたBAF3-GHR細胞アッセイの結果を示す。細菌において生成された組換えヒト成長ホルモンが標準体として供給され、平行してテストした。テストされるヒト成長ホルモン変異体を、10nM、5nM、1nM、500ρM、100ρM、50ρM、10ρM、5ρM、1ρM、0.5ρM及び0.1ρMまで希釈した。種々の勾配を使用する、成長反応に対するhGH濃度の対数を記載したトレンドラインを、GraphPadソフトウェア(Prism)(実施例7)を用いて算出した。 図5は、N-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体L93N+A98N+L101T+G104N(TVL20)、又は野生型ヒト成長ホルモンが静脈注射されたオスのスプラーグドーリーラットの血漿における、時間に対するヒト成長ホルモン濃度の平均を示す(実施例10)。 図6は、利用されるN-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモン変異体をコードするコンストラクトで一時的に形質移入したHEK293細胞からの培地を用いたBAF3-GHR細胞アッセイの結果を示す。細菌において生成された組換えヒト成長ホルモンが標準体として供給され、平行してテストした。テストされるヒト成長ホルモン変異体を、10nM、5nM、1nM、500ρM、100ρM、50ρM、10ρM、5ρM、1ρM、0.5ρM、及び0.1ρMまで希釈した。種々の勾配を使用する、成長反応に対するhGH濃度の対数を記載したトレンドラインを、GraphPadソフトウェア(Prism)(実施例13)を用いて算出した。 図7は、利用されるN-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモン変異体をコードするコンストラクトで一時的に形質移入したHEK293細胞からの培地を用いたBAF3-GHR細胞アッセイの結果を示す。細菌において生成された組換えヒト成長ホルモンが標準体として供給され、平行してテストした。テストされるヒト成長ホルモン変異体を、10nM、5nM、1nM、500ρM、100ρM、50ρM、10ρM、5ρM、1ρM、0.5ρM、及び0.1ρMまで希釈した。種々の勾配を使用する、成長反応に対するhGH濃度の対数を記載したトレンドラインを、GraphPadソフトウェア(Prism)(実施例13)を用いて算出した。 図8は、一以上のN-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモン変異体をコードするコンストラクトで一時的に形質移入したHEK293細胞からの培地を用いたBAF3-GHR細胞アッセイの結果を示す。細菌において生成された組換えヒト成長ホルモンが標準体として供給され、平行してテストした。テストされるヒト成長ホルモン変異体を、10nM、5nM、1nM、500ρM、100ρM、50ρM、10ρM、5ρM、1ρM、0.5ρM、及び0.1ρMまで希釈した。種々の勾配を使用する、成長反応に対するhGH濃度の対数を記載したトレンドラインを、GraphPadソフトウェア(Prism)(実施例15)を用いて算出した。 図9は、N-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体Q49N+E65N+G104N+R127N+E129T(TVL64)、Q49N+E65N+S71N+L73T+G104N+R127N+E129T(TVL66)、又はQ49N+E65N+S71N+L73T+L93N+G104N+R127N+E129T(TVL67)、又は野生型ヒト成長ホルモンが静脈注射されたオスのスプラーグドーリーラットの血漿における、時間に対するヒト成長ホルモン濃度の平均を示す(実施例17)。 図10は、N-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体Q49N+E65N+G104N+R127N+E129T(TVL64)、Q49N+E65N+S71N+L73T+G104N+R127N+E129T(TVL66)、又はQ49N+E65N+S71N+L73T+L93N+G104N+R127N+E129T(TVL67)、又は野生型ヒト成長ホルモンが皮下注射されたオスのスプラーグドーリーラットの血漿における、時間に対するヒト成長ホルモン濃度の平均を示す(実施例17)。
(発明の記載)
本発明は、治療目的で使用可能な、長時間にわたる半減期を有するヒト成長ホルモン(hGH)変異体に関し、付加的なN-グリコシル化を担持し、組換え的に発現するヒト成長ホルモンが提供され、該変異体は、野生型ヒト成長ホルモンに存在しない一又は複数のN-グリコシル化モチーフ類(N-X-S/T)を有するアミノ酸配列を含む。核酸hGHは、特定のアミノ酸位置で変異しており、真核細胞における核酸の組換え発現により、野生型hGHと比較して、長時間にわたる循環半減期を有する、これらのhGH変異体のN-グリコシル化誘導体が生じるであろう。その改善された薬物動態性の故に、本発明のhGH変異体は、変化していないhGHと比較して投与頻度を低減した場合も、hGHのレベルを高めることが有益になるであろう疾患状態のタンパク質治療剤としてさらに有用なものとなる。
本文において、「変異体」なる用語は、付与されたポリペプチドの自然に生じた変異体、又は付与されたペプチド又はタンパク質、例えばヒト成長ホルモン(配列番号1に存在する配列)の組換え的に調製された又は他の方法で修飾された変異体を称することを意図しており、ここで、一又は複数のアミノ酸残基は、アミノ酸の置換、付加、欠失、挿入、又は反転(invertion)により修飾されている。精製について、hGH変異体は、誘導体化又はそうでなければ修飾、すなわち親ペプチドに任意の種類の分子が共有結合することにより修飾されてもよい。典型的な修飾は、ヒト成長ホルモン変異体配列を含むポリペプチドへの、アミド、炭水化物、アルキル基、アシル基、エステル、ペグ化等の結合であり得る。特に、hGH変異体は、N-グリコシル化を担持可能である。hGH変異体は、野生型ヒト成長ホルモンに存在しないN-グリコシル化部位の導入に関連しない、さらなる変異を付加的に含むことができる。このような付加的な変異は、多様な理由のため、例えば上述した任意の種類の分子の共有結合による修飾可能性を含む。
一実施態様において、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列と、少なくとも80%、例えば少なくとも85%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95%、例えば100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドであるhGH変異体を提供する。
当該技術で公知の「同一性」なる用語は、配列を比較することにより決定されるような、2又はそれ以上のペプチド配列の間の関係を称する。当該技術において、「同一性」とは、2又はそれ以上のアミノ酸残基のストリングの間の適合数により決定されるような、ペプチド間の配列関連性の度合いを意味する。「同一性」は、特定の数学的モデル又はコンピュータプログラム(すなわち「アルゴリズム」)により処理されるギャップアラインメント(もしあれば)を用いて、2又はそれ以上の配列の同一適合性のパーセントを測定する。関連ペプチドの同一性は、公知の方法により容易に算出することができる。このような方法は、限定されるものではないが、 Computational Molecular Biology, Lesk, A. M編, Oxford University Press, New York, 1988; Biocomputing: Informatics and Genome Projects, Smith, D. W編, Academic Press, New York, 1993; Computer Analysis of Sequence Data, Part 1, Griffin, A. M.,及びGriffin, H. G編, Humana Press, New Jersey, 1994; Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987; Sequence Analysis Primer, Gribskov, M. 及びDevereux, J編, M. Stockton Press, New York, 1991;及びCarilloら, SIAM J. Applied Math., 48:1073 (1988)に記載されているものを含む。
同一性を決定するための好ましい方法は、テストされる配列間に最も大きな適合性を付与するように設計される。同一性を決定するための方法は、公に入手可能なコンピュータプログラムに記載されている。2つの配列間の同一性を決定するための好ましいコンピュータプログラム方法は、GAP(Devereuxら, Nucl. Acid. Res., 12:387(1984)を含むGCGプログラムパッケージ;Genetics Computer Group, University of Wisconsin, Madison, Wis.)、BLASTP、BLASTN、及びFASTA(Altschulら, J. Mol. Biol., 215:403-410(1990))を含む。BLASTXプログラムは、全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)及び他の供給源(BLAST Manual, Altschulら, NCB/NLM/NIH Bethesda, Md. 20894;Altschulら, 上掲)から公に入手可能である。よく知られているスミス・ウォーターマン・アルゴリズム(Smith Waterman algorithm)も、同一性を決定するために使用され得る。
例えば、コンピュータアルゴリズムGAP(Genetics Computer Group, University of Wisconsin, Madison, Wis.)の使用では、パーセント配列同一性が測定される2つのペプチドは、それらそれぞれのアミノ酸が最適に適合するように整列させられる(アルゴリズムにより決定される「適合スパン」)。ギャップ開裂ペナルティ(平均ダイアゴナルの3倍と算出される;「平均ダイアゴナル」は使用される比較マトリックスのダイアゴナルの平均である;「ダイアゴナル」とは、特定の比較マトリックスにより適合する、それぞれ完全アミノ酸に割り当てられるスコア又は数である)及びギャップ伸長ペナルティ(通常、ギャップ開裂ペナルティの{分率(1/10)}倍である)、並びに比較マトリックス、例えばPAM250又はBLOSUM62が、アルゴリズムと併用して使用される。標準的な比較マトリックス(PAM250比較マトリックス用には、Dayhoffら, Atlas of Protein Sequence and Structure, vol.5, supp.3(1978);BLOSUM62比較マトリックス用には、Henikoffら, Proc. Natl. Acad. Sci USA, 89:10915-10919(1992))も、アルゴリズムにより使用される。
ペプチド配列比較のために好ましいパラメータは、次のものを含む:
アルゴリズム:Needlemanら, J. Mol. Biol, 48:443-453(1970);比較マトリックス:Henikoffら, PNAS. USA, 89:10915-10919(1992)のBLOSUM62;GAPペナルティ:12、GAP長ペナルティ:4、類似性閾値:0。
上述したパラメータを有するGAPプログラムが有用である。上述したパラメータは、GAPアルゴリズムを使用するペプチド比較(末端ギャップに対するペナルティを伴わない)のための初期設定パラメータである。
一実施態様において、hGH変異体は、S55N、Q69N、E74S、E74T、R77N、I83N、L93N、A98N、L101S、L101T、G104N、S106N、Y111S、Y111T、I121N、D130N、K140N、T142N、G161S、G161T及びE186Nからなる群から選択される一又は複数の変異から生じる少なくとも一のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有するアミノ酸配列を含む。
一実施態様において、hGH変異体は、Q69N、R77N、I83N、L93N、A98N、L101T、G104N、S106N、Y111T、I121N、D130N、K140N、G161T、及びE186Nからなる群から選択される一又は複数の変異から生じる少なくとも一のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有するアミノ酸配列を含む。
また本発明は、一又は複数の次の変異セット:
L93N、A98N、L101T及びG104N;
L93N、A98N、及びG104N;又は
L93N、L101T、及びG104N;
から生じる少なくとも一のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有するアミノ酸配列を含むhGH変異体を含む。
一実施態様において、本発明は、hGH変異体をコードする単離された核酸配列であって、該変異体が、野生型hGHには存在しない一又は複数の変異から生じる少なくとも一のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有するアミノ酸配列を含むものを提供する。
本発明は、S55N、Q69N、E74S、E74T、R77N、I83N、L93N、A98N、L101S、L101T、G104N、S106N、Y111S、Y111T、I121N、D130N、K140N、T142N、G161S、G161T及びE186Nからなる群から選択される一又は複数の変異から生じる少なくとも一のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有するhGHをコードする単離された核酸配列を提供する。
本発明は、Q69N、R77N、I83N、L93N、A98N、L101T、G104N、S106N、Y111T、I121N、D130N、K140N、G161T、及びE186Nからなる群から選択される一又は複数の変異から生じる少なくとも一のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有するhGHをコードする単離された核酸配列を提供する。
また本発明は、一又は複数の次の変異セット:
L93N、A98N、L101T及びG104N;
L93N、A98N、及びG104N;又は
L93N、L101T、及びG104N;
から生じるN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有するアミノ酸配列を含むhGH変異体をコードする単離された核酸配列を提供する。
さらに本発明は、野生型ヒト成長ホルモンに存在しない一又は複数の変異から生じる少なくとも一のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有するアミノ酸配列を含むヒト成長ホルモン変異体をコードする核酸を含有するベクターを含む真核宿主細胞を提供する。
またさらに本発明は、一又は複数の次の変異セット:
L93N、A98N、L101T及びG104N;
L93N、A98N、及びG104N;又は
L93N、L101T、及びG104N;
から生じるN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有するヒト成長ホルモン変異体をコードする核酸を含有するベクターを含む。
一実施態様において、本発明は、上述した一又は複数の変異から生じる一又は複数のN-グリコシル化モチーフにおいてグリコシル化された、N-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体を提供する。
さらに本発明は、野生型ヒト成長ホルモンに存在しない、一又は複数の変異から生じる少なくとも一のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有するアミノ酸配列を含むヒト成長ホルモン変異体と、製薬的に許容可能な担体を含有する、製薬用組成物を提供する。前述の製薬用組成物は、本開示に記載された種々の任意のhGH変異体を含む。
一実施態様において、本発明は、ヒト成長ホルモンを必要とする哺乳動物を処置する方法であって、本開示に記載された任意のヒト成長ホルモン変異体を治療的有効量、哺乳動物に投与することを含む方法を提供する。
野生型hGHに存在しない一又は複数の変異から生じる少なくとも一のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を含有するN-グリコシル化hGH変異体を得るための方法において、次の:(a)N-グリコシル化を実施可能で、変異したヒト成長ホルモンを発現可能な細胞を、該変異したヒト成長ホルモンをコードする核酸で形質移入し;(b)該変異したヒト成長ホルモンを発現させる工程を含む該方法が、本発明にさらに含まれる。
本発明は、特定のアミノ酸位置に、少なくとも一のN-グリコシル化部位を有するアミノ酸配列を含むヒト成長ホルモン(hGH)変異体を提供し;該本発明のhGH変異体は、治療的に活性であり、グリコシル化されていない野生型hGHタンパク質に対して改善された薬物動態パラメーター及び特性を有する。
一実施態様において、本発明のhGH変異体は、真核宿主細胞に形質移入された外因的DNA配列の発現の生成物である。例えば、本発明のhGHは、組換え的に生成される。組換えhGHの生成は当該技術でよく知られており、当業者にとって容易に認識可能である(例えば:US4670393)。
一実施態様において、本発明は、野生型hGHと比較して、改善された循環半減期を有する活性化N-グリコシル化タンパク質を得るために、ポリペプチドに適切な部位又は部位類を有する組換えhGHを提供する。ここに記載の発明は、組換えDNA技術を使用することにより、簡便に実施される。
一般的に、hGHをコードするDNA配列はクローンされ、簡便な宿主で発現可能なようにマニピュレートされる。図1Aに示されるヌクレオチド配列は、217のアミノ酸hGHタンパク質前駆体(配列番号65及び66)をコードする。N末端の26のアミノ酸は、hGHが真核細胞で生成される際に、細胞内で切断される、シグナルペプチドを構成する。よって、図1Aに示される配列によりコードされるヒト成長ホルモンを発現する哺乳動物細胞は、図1Bに提供される成熟した191のアミノ酸成長ホルモン(配列番号1)を分泌する。
hGHDNAは、宿主細胞の形質転換又は形質移入に使用される、適切なプラスミド又はベクターに挿入される。原核生物、真核生物の生物体、例えば酵母培養体又は多細胞生物体から誘導される細胞が、DNA配列のクローニング又は発現のために、当該技術で使用される。
本発明で使用される適切な宿主細胞は、N-グリコシル化が可能な細胞である。N-グリコシル化とは、N-X-S/Tモチーフにおける、アスパラギン残基への糖部分の付加である。アスパラギンの側鎖におけるアミド窒素に、真核細胞のN-グリコシル化機構により結合したこのような糖部分は、N-グリカンと呼ばれる。
真核細胞、例えば哺乳動物細胞は、一般的にこのようなN-グリコシル化を実施することが可能である。本発明での使用に適した株化細胞の具体例は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)(ATCC CCL 61)、ベビーハムスター腎臓(BHK)及び293(ATCC CRL 1573;Grahamら, J. Gen. Virol. 36:59-72, 1977)株化細胞である。さらに、Rat Hep I(ラット肝細胞腫;ATCC CRL 1600)、Rat Hep II(ラット肝細胞腫;ATCC CRL 1548)、TCMK(ATCC CCL 139)、ヒト肺(ATCC HB 8065)、NCTC 1469(ATCC CCL 9.1)、COS-1(ATCC CRL 1650)、DUKX細胞(Urlaub及びChasin, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:4216-4220, 1980)及びCHO-DG44細胞(Urlaubら Cell 33:405-412, 1983)を含む他の多くの株化細胞が、本発明で使用できる。一実施態様において、本発明のN-グリコシル化部位を有するhGH変異体の発現に使用される宿主細胞は哺乳動物細胞である。一実施態様において、本発明のN-グリコシル化部位を有するhGH変異体の発現に使用される宿主細胞はCHO細胞である。
また、哺乳動物細胞とは別に、操作された酵母細胞も、適切な系、例えばグリコFi()の使用により、グリコシル化タンパク質を発現させるのに使用可能である。
hGHの発現に使用される宿主細胞は、細胞増殖及びhGH変異体の発現に適した条件下で培養される。特に、培養培地は、前記目的のために選択された宿主細胞の増殖に適した成長因子、及び適切な栄養素を含有する。例えば、哺乳動物宿主細胞に適した培養条件は、例えばMammalian Cell Culture(Mather, J. P編, Plenum Press 1984)、及びBarnes及びSato, Cell, 22:649(1980)に記載されている。さらに近年、動物性成分フリーの方法が、ますます生物製剤製造の標準になりつつある(Butlerら Appl Microbiol Biotechnol 68:283, 2005)。さらに、選択された培養条件では、細胞内コンパートメント間の転写、翻訳及びタンパク質移動が可能である。これらの方法に影響を与える要因のいくつかには、限定されるものではないが、例えばDNA/RNAのコピー数;RNAを安定化させる因子;培養培地に存在する栄養素、サプリメント、及び転写誘導因子又は抑制因子;温度、pH及び培養体の浸透圧;及び細胞密度が含まれる。特定のベクター-宿主細胞系における適切な発現を促進させるための上述した因子のマピュレーションは、当業者には容易に認識可能である。
宿主細胞と適合する種から誘導されたコントロール配列及び複製を含有するプラスミドベクターが、一般的に発現に使用される。ベクターは複製部位、並びに形質転換細胞に表現型選択を提供可能な関心あるタンパク質をコードする配列を担持する。
hGH遺伝子のクローニング後、アミノ酸配列を修飾するために、コード化された変異DNAを生成する種々の技術を使用することができる。これらの技術には、部位特異性突然変異誘発(Carterら, Nucl Acids Res.13:4331, 1986;Zollerら Nucl Acids Res. 10:6487, 1987)、カセット突然変異誘発(Wellsら Gene, 34:315, 1985)、制限選択突然変異誘発(Wellsら Philos Trans R Soc. London SerA, 317:415, 1986)、又は当業者に認識されている他の公知の技術が含まれる。好ましい実施態様においては、部位特異性突然変異誘発を、グリコシル化部位を有するhGHを生成するために、本発明で使用した。グリコシル化部位が適切な発現ベクターに作用可能に結合している場合に、hGH変異体が得られる。また、ヒト成長因子(hGH)変異体は、hGHの親又は変異体をコードするDNA配列に作用可能に結合した適切なシグナル配列を使用することにより、発現宿主からこのような分子を発現させ、分泌させることで、得ることもできる。このような方法は当業者によく知られている。また本発明は、hGHポリペプチドを生成するために使用可能な他の方法、例えば所望のhGH変異体のインビトロ化学合成(Baranyら The Peptides編. E. Gross 及び J. Meienhofer, Academic Press: New York 1979, Vol. 2, pp. 3-254)を含む。
炭水化物は、アスパラギンへのN結合、及びセリン及びスレオニンへのO結合が、組換え糖タンパク質治療に最も関連しているいくつかの方法において、糖ペプチドに結合している。タンパク質のグリコシル化を開始させるための決定要因は、一次配列関係に存在しているが、タンパク質領域及び立体構造を含む他の要因も、それらの役割を有している。N結合グリコシル化はコンセンサス配列N-X-S/Tで生じ、ここでXはプロリン以外の任意のアミノ酸であってよい。好ましい実施態様において、システイン又はプロリン残基に係るアミノ酸置換により形成されたN-グリコシル化部位は無視される。
ここに記載のhGHアナログは、グリコシル化されていない野生型hGHと比較して、グリコシル化のための少なくとも一の付加的部位を含むアミノ酸配列を含む。ポリペプチドにN-グリコシル化を導入するための部位は、配列のどこにでも位置させることができる。タンパク質構造又は折り畳みとの干渉を防止するために、一実施態様では、一又は複数のN-グリコシル化部位は、タンパク質の表面上に存在するとうに選択される。さらに、成長ホルモンレセプターへの結合に干渉することも所望されておらず、よって、ヒト成長ホルモンの結合間期にN-グリコシル化部位が導入されることも所望されない。一実施態様において、一又は複数のN-グリコシル化モチーフは、成熟したヒト成長ホルモンタンパク質の一又は複数の領域に導入される。一実施態様において、少なくとも一のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)は、成熟したhGH(配列番号1)のアミノ酸残基49-75、93-104及び111-140における一又は複数の変異から生じる。本発明のさらなる実施態様において、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4又は全てのN-グリコシル化モチーフが、アミノ酸残基49-75、93-104及び111-140に導入される。一実施態様において、全てのN-グリコシル化モチーフがアミノ酸残基49-77、93-104及び127-133に導入される。
一実施態様において、本発明は、野生型hGHの一又は複数の変異から生じた少なくとも一のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有するアミノ酸配列を含むヒト成長ホルモン(hGH)に関する。Nは、野生型に存在するS又はTからの適切な距離において導入され、又はS又はT(以下S/Tと記す)は、野生型に存在するNからの適切な距離に導入されうる。または、N-グリコシル化モチーフは、N、及びS又はTの双方に導入されることによって生じせしめることもできる。
一実施態様において、本発明は:K41N、Q49N、S55N、E65T、E65S、E65N、Q69N、E74S、E74T、R77N、I83N、L93N、A98N、L101S、L101T、G104N、S106N、Y111S、Y111T、I121N、D130N、P133N、K140N、T142N、G161S、G161T、E186N、R19N+H21S/T、A34N+I36S/T、L45N+N47S/T、I58N+P59F、S62N+R64S/T、S71N+L73S/T、K115N+L117S/T、R127N+E129S/T、L128N+D130S/T及びT175N+L177S/Tからなる変異/変異対の群から選択される、一又は複数の単一変異又は二重変異から生じる一又は複数のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有するアミノ酸配列を含むhGH変異体を提供する。
一実施態様において、本発明は:K41N、Q49N、E65T、E65N、Q69N、E74T、R77N、I83N、L93N、A98N、L101T、G104N、S106N、Y111T、I121N、D130N、P133N、K140N、T142N、T148N、G161T、E186N、R19N+H21S、A34N+I36S、L45N+N47S、I58N+P59F、S62N+R64T、S71N+L73T、K115N+L117T、R127N+E129T、L128N+D130T及びT175N+L177Sからなる変異/変異対の群から選択される、一又は複数の単一変異又は二重変異から生じる一又は複数のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有するアミノ酸配列を含むhGH変異体を提供する。
一実施態様において、本発明は:K41N、Q49N、E65T、E65N、E74T、L93N、A98N、L101T、G104N、Y111T、P133N、K140N、T142N、G161T、E186N、R19N+H21S、I58N+P59F、S62N+R64T、S71N+L73T、R127N+E129T及びL128N+D130Tからなる変異/変異対の群から選択される、一又は複数の単一変異又は二重変異から生じる一又は複数のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有するアミノ酸配列を含むhGH変異体を提供する。表3、9及び10に示すように、これらの変異は、野生型のグリコシル化されていないhGHと比較して低減した移動度を有するバンドの検出により示される、HEK293細胞で発現した場合に、機能的N-グリコシル化モチーフを生じせしめる。
一実施態様において、本発明は、一又は複数の次の変異:
S55N、Q69N、E74S、E74T、R77N、I83N、L93N、A98N、L101S、L101T、G104N、S106N、Y111S、Y111T、I121N、D130N、K140N、T142N、G161S、G161T、及びE186Nから生じる一又は複数のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有するアミノ酸配列を含むhGH変異体を提供する。
一実施態様において、hGH変異体は、一又は複数の次の変異:
Q69N、R77N、I83N、L93N、A98N、L101T、G104N、S106N、Y111T、I121N、D130N、K140N、G161T、及びE186Nから生じる少なくとも一のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有するアミノ酸配列を含む。
一実施態様において、本発明は:Q49N、E65N、L93N、A98N、L101T、G104N、S71N+L73T及びR127N+E129Tからなる変異/変異対の群から選択される、一又は複数の変異を導入することにより生じる、野生型ヒト成長ホルモンに存在しない少なくとも一のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有する、ヒト成長ホルモン変異体を提供する。
一実施態様において、hGH変異体は、一又は複数の次の変異:
L93N、A98N、L101T及びG104N;
L93N、A98N及びG104N;又は
L93N、L101T及びG104N;
から生じる少なくとも一のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有するアミノ酸配列を含む。
一実施態様において、ヒト成長ホルモン変異体は:a)Q49N、E65N、L93N、A98N、G104Nの群から選択される一又は複数の変異、及び/又はb)S71N+L73T及びR127N+E129Tからなる群から選択される一又は複数の二重変異を導入することにより生じる、少なくとも一の前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を含有する。このような個々の実施態様は、次の変異セット:
a) Q49N及びR127N+E129T、
b) Q49N、E65N及びG104N、
c) Q49N、L93N及びR127N+E129T、
d) Q49N、E65N、L93N及びG104N、
e) Q49N、E65N、G104N及びR127N+E129T、
f) Q49N、E65N、S71N+L73T、G104N及びR127N+E129T、
g) Q49N、E65N、S71N+L73T、L93N、G104N及びR127N+E129T、
h) Q49N、E65N、S71N+L73T、L93N、A98N、G104N及びR127N+E129T、
i) S71N+L73T、L93N、A98N及びG104N、
j) L93N、G104N及びR127N+E129T、及び
k) S71N+L73T、L93N、G104N及びR127N+E129T
を含む、ヒト成長ホルモン変異体を含有する。
さらなる実施態様において、hGH変異体は、ここで上述した野生型ヒト成長ホルモンに存在しないN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を生じせしめる変異に加えて、修飾及び/又は二次的変異を含む。
本発明の一実施態様において、成長ホルモン化合物は、結合部分、例えば限定されるものではないが、PEG、炭水化物、アルブミンバインダー、脂肪酸、アルキル鎖、脂質親和性基、ビタミン類、胆汁酸、又は成長ホルモン化合物の側鎖又は主鎖へのスペーサーを介して、化学的に修飾される。このような修飾は、野生型ヒト成長ホルモン配列のアミノ酸残基に又は野生型配列のアミノ酸の置換により挿入されるアミノ酸残基に結合されうる。
また、アミノ酸置換を引き起こすhGH配列の付加的な変異により、hGH変異体の機能を直接変化させることができる。一実施態様において、hGH変異体は、欧州特許第534568号及び国際公開第2006048777号に記載されているような、タンパク質分解に対して耐性のある変異をさらに含む。宿主での発現中に生じる変異又は修飾は、インビトロでの後続する修飾工程にとっての必要性を無効にし、よって生成プロセスが短縮されるであろう。
hGH変異体は、宿主細胞又は培養培地の成分から変異体を分離可能な任意の方法により、培養培地から精製することができる。簡単には、hGH変異体は、例えば治療用hGHのペグ化、又はその診断使用において、変異体のさらなる使用と干渉するであろう宿主細胞を含有する培養培地から分離される。
このような分離の一般的な手順では、細胞残屑を除去するための、培養培地又は細胞可溶化物の遠心分離又は濾過が可能である。ついで典型的には、上清は、所望の容量になるまで濃縮又は希釈されるか、又はさらなる精製用の調製物を状態に適したバッファーにダイアフィルトレーションされる。hGH変異体のさらなる精製は、典型的には、無傷形態から、脱アミド化又は政断された形態のものを分離することを含む。
アフィニティクロマトグラフィー;アニオン-又はカチオン-交換クロマトグラフィー(例えば、DEAEセファロースを使用);シリカにおけるクロマトグラフィー;逆相HPLC;ゲル濾過(例えば、セファデックスG-75を使用);疎水性相互作用クロマトグラフィー;金属-キレートクロマトグラフィー;限外濾過/ダイアフィルトレーション;エタノール沈殿;硫酸アンモニウム沈殿;クロマトフォーカシング;及び置換クロマトグラフィーは、hGH変異体の精製に使用可能であり、当該技術で公知のいくつかの技術である。
一実施態様において、本発明は、ここで上述したような一又は複数の変異により生じた一又は複数のN-グリコシル化モチーフにおいてグリコシル化した、N-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体を提供する。
成長ホルモンの効力は、成長ホルモンレセプター(GHR)との相互作用に依存する。よって、生成されたhGH変異体はGHRと接触し、もしあるとすれば、レセプターと各変異体との間の相互作用は、さらなる分析により測定される。活性ドメインにおけるアミノ酸残基がレセプターとの相互作用に関与していることを測定するために、これらの活性を、同様のレセプターを有する野生型hGHの活性と比較する。
レセプター及び親及び変異体の相互作用を、当該技術でよく知られている、任意の簡便なインビトロ又はインビボアッセイにおいて測定する。インビトロアッセイは、GHRとhGHの間の任意の検出可能な相互作用を測定するために使用可能である。このような検出は、比色変化、放射活性の変化、溶解度の変化、増殖誘発力、ゲル電気泳動により測定されるような分子量の変化の測定、及び/又はゲル排除法等を含むことができる。hGHの生理学的影響を検出するためのインビボアッセイは、例えば、電解質バランスの変化、又は重量増加である。一般的に、関心あるhGHとレセプターとの相互作用における変化を検出するために、任意のインビトロ又はインビボアッセイは、可変パラメーターが存在する限り使用可能である。好ましい実施態様において、本発明のN-グリコシル化により生成されるhGH変異体は、例えば実施例5及び13に記載されるように、BAF3-GHR細胞におけるそれらの増殖誘発力について試験した。BAF3-GHR細胞は、以前、参照としてここに導入される、国際公開第2006134148号に記載されている。BAF3-GHR細胞はIL-3依存性マウスプロ-Bリンパ様BAF3株化細胞から誘導される。IL-3は、成長ホルモンレセプター結合の結合により活性化される、JAK-2及びSTATを活性化させる。BAF3-GHR細胞は、ヒト成長ホルモンレセプターを発現させ、成長ホルモンでの刺激に対して、用量依存性増殖応答に応答する。
また、本発明では、(a)N-グリコシル化を実施可能で、変異したヒト成長ホルモンを発現可能な細胞を、該変異したヒト成長ホルモンをコードする核酸で形質移入し;(b)該変異したhGHを発現させることを含む工程を有する、N-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモン変異体を発現させるための方法が提供される。
一実施態様において、細胞は真核細胞、例えばCHO細胞である。もちろん、本発明のベクターは原核細胞で複製することもできる。
野生型ヒト成長ホルモンに存在しないN-グリコシル化モチーフに、一又は複数のN-グリコシル化を含むhGH変異体は、いくつかの方法を使用することにより、野生型ヒト成長ホルモンから分化させることができる。N-グリコシル化は、野生型ヒト成長ホルモンと比較して、変異体の分子量が増加していると思われる。付加的又は代替的に、N-グリコシル化はタンパク質の等電点に影響を与える可能性がある。
ここで使用される場合「等電点」とは、タンパク質が正味荷電を担持しないpHを記載する。同様に、タンパク質における個々のアミノ酸の等電点は、アミノ酸が正味荷電を担持しないpHである。酸性アミノ酸は、その等電点以下のpHで中性の正味荷電、その等電点以上のpHで負の正味荷電を有する。塩性アミノ酸は、その等電点以上のpHで中性の正味荷電、その等電点以下のpHで正の正味荷電を有する。よって、付与された任意のpHで、グリカン等の他の部分の荷電と、タンパク質の個々のアミノ酸の組合せ荷電で、タンパク質の正味荷電が決定される。それらの等電点以下のpHでは、タンパク質は正の正味荷電を担持している。それらの等電点以上のpHでは、タンパク質は負の正味荷電を担持している。グリカン鎖のシアル酸は酸性の等電点を有する。よって、タンパク質にシアル化グリカン鎖を付加すると、さらに酸性の等電点へのシフトが誘発される。成熟した野生型hGHの等電点は5.27である。
タンパク質の等電点は、典型的には、等電点電気泳動により決定される。等電点電気泳動は、pH勾配のある培地における、関心あるタンパク質の電気泳動により実施される。タンパク質が、タンパク質等電点のpHを有する培地の領域に達したとき、タンパク質はもはや正味荷電を有さないために、タンパク質の移動が停止する。よって、タンパク質はその等電点のpHで、シャープなバンドに集中するようになる。方法の具体例は、Eap及びBaumann(Eap CB, Baumann P, Electrophoresis 9, 650(1988))により記載されている。
一実施態様において、上述した方法を使用して調製されたヒト成長ホルモン変異体の等電点は、野生型ヒト成長ホルモンよりも酸性である。一実施態様において、ヒト成長ホルモン変異体の等電点は5.27未満、例えば5.0未満、例えば4.5未満、又は4.0未満である。一実施態様において、前記ヒト成長ホルモン変異体の等電点は、0.2pH単位以上、又は0.4pH単位以上、例えば0.6pH単位以上、又は0.8pH単位以上、例えば1.0pH単位以上、成熟した野生型hGHの等電点未満である。
一実施態様において、上述した方法を使用して調製されたヒト成長ホルモン変異体は、野生型ヒト成長ホルモンと比較して、増加した分子量を有する。分子量における増加度は、当該技術でよく知られているいくつかの方法の一つ、例えばSDS-Page又は質量分析により測定することができる。
一実施態様において、このような重量増加は、N-グリコシル化部位の利用、例えばヒト成長ホルモン変異体に、N-グリカンが付加することによるものである。AA配列の変異により、野生型ヒト成長ホルモンと比較して、分子量の少しの変化が生じうる。
N-グリカンが、グリコシターゼ、例えばPNGアーゼF-酵素又はノイラミニダーゼ-酵素を使用し、酵素的に除去又は修飾されるため、重量増加に対するN-グリカンの寄与は、インビトロ分析により確認することができる。
一実施態様において、上述した方法を使用して調製されたヒト成長ホルモン変異体は、グリコシダーゼで処理された場合、SDS-PAGEにおける移動度が変化する。移動度のシフトの検出は、一般的に当該技術で公知である。SDS-PAGEは頻繁に使用され、移動度のシフトは、実施例5及び13に記載されるようにして、容易に検出される。一つのN-グリカンの除去で表される移動度のシフトは、一般的に2-5kDaのオーダーであり、一以上のN-グリカンが除去されるならば、それに応じて、移動度のシフトは増加するであろう。一実施態様において、前記グリコシダーゼはPNGアーゼF-酵素又はノイラミニダーゼ-酵素である。一実施態様において、シフトは、少なくとも1kDa、例えば少なくとも2kDa、例えば少なくとも3kDa、例えば少なくとも5kDa、又は例えば少なくとも10kDaである。一実施態様において、シフトは1-10kDa又は2-6kDaである。
一実施態様において、本発明は、N-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体を含有する調製物に関し、ここで、N-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体は、ここに記載したようなヒト成長ホルモン変異体であり、ヒト成長ホルモン変異体は一又は複数のN-グリカンでグリコシル化されており、該N-グリカンは、該ヒト成長ホルモン変異体において、一又は複数のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)に結合しており、N-グリコシル化モチーフは野生型ヒト成長ホルモンに存在しない。本発明の一実施態様において、このような調製物は、SDS-pageゲルにおいて推定される場合、少なくとも20%のヒト成長ホルモン変異体がN-グリコシル化されているものを含有する。さらなる実施態様において、前記調製物の少なくとも25、例えば40、50、60、80又は90%のヒト成長ホルモン変異体がN-グリコシル化されている。一実施態様において、ここに記載したようなヒト成長ホルモン変異体を含有する調製物では、該ヒト成長ホルモン変異体の60-100%、例えば70-100%、例えば80-100%、例えば90-100%、又は例えば95-100%がN-グリコシル化されている。N-グリコシル化の含有量の推定は、ここでは実施例5及び13に例証されており、当該技術で公知の適切なスキャニング装置を使用して実施することができる。一以上のグリコシル化モチーフを含有する成長ホルモン変異体にとって、このような調製物は、異なる数のN-グリカンを有するヒト成長ホルモン変異体を含有可能である。一実施態様においては、野生型ヒト成長ホルモンに存在しない全てのグリコシル化モチーフが使用される。一実施態様において、少なくとも20%のヒト成長ホルモン変異体が、野生型ヒト成長ホルモンに存在しない、全ての該グリコシル化モチーフに結合したN-グリカンを含む調製に含有される。一実施態様において、該調製物にて、少なくとも25、例えば少なくとも40、50、60、80又は90%のヒト成長ホルモン変異体が、野生型ヒト成長ホルモンに存在しない全てのグリコシル化モチーフにおいてN-グリコシル化している。本発明の一実施態様において、N-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体を含有する調製物では、60-100%、例えば70-100%、例えば80-100%、例えば90-100%、又は例えば95-100%の該このようなヒト成長ホルモン変異体が、野生型ヒト成長ホルモンに存在しない全ての該グリコシル化モチーフにおいてN-グリコシル化している。
本発明の化合物は、成長ホルモンの活性化に働きかけ、循環している成長ホルモンの量を増加させることが有益となるであろう病気又は状態の処置に使用される。このような病気又は状態には、成長ホルモン欠損症(GHD);ターナー症候群;プラダーウィリ症候群(PWS);ヌーナン症候群;ダウン症候群;慢性腎臓病、若年性関節リウマチ;嚢胞性線維症、子供が受けたHAART処置によるHIV感染(HIV/HALS小児);短い妊娠期間で出生した低身長小児(SGA);SGAではないがかなりの出生時低体重(VLBW)を有する小児出生における低身長症;骨格形成異常;軟骨低形成症;軟骨形成不全;特発性低身長(ISS);成人おけるGHD;脛骨、腓骨、大腿骨、上腕骨、橈骨、尺骨、鎖骨、中手、中足、及び指等、長骨又はその内部の骨折;頭蓋骨、手の基部、及び足の基部等、海綿様骨又はその内部の骨折;例えば手、膝又は肩等における、腱又は靱帯の手術後の患者;仮骨延長術を受ける又は受けた患者;腰又は円板置換、半月板修復、脊椎固定術、膝、臀部、肩、肘、手首又は顎のプロテーゼ固定術後の患者;骨接合術物質、例えば爪、ネジ及びプレートが固定されている患者;骨折の変形癒合又は偽関節を有する患者;例えば脛骨又は第一趾からの骨切り術後の患者;移移植片植え込み後の患者;外傷又は関節炎に起因する膝の関節軟骨変性;ターナー症候群を患っている患者の骨粗鬆症;男性における骨粗鬆症、慢性透析の成人患者(APCD);APCDにおける栄養不良関連循環器疾患;APCDにおける悪液質の逆流;APCDにおける癌;APCDにおける慢性的閉塞性肺疾患;APCDにおけるHIV;APCDの高齢者;APCDにおける慢性的な肝臓病、APCDにおける疲労症候群;クローン病;肝機能障害;HIV感染した男性;短腸症候群;中心性肥満;HIV関連リポジストロフィ症候群(HALS):男性不妊;主として待機手術、アルコール/薬物解毒又は神経的トラウマを受けた後の患者;加齢;虚弱な高齢者;骨関節炎;外傷性の損傷を受けた軟骨;勃起障害;線維筋痛;記憶障害;鬱病;外傷性脳損傷;くも膜下出血;極小未熟児;メタボリックシンドローム;グルココルチコイドミオパシー;又は小児のグルココルチコイド処置による低身長症が含まれる。また、成長ホルモンは、筋組織、神経組織又は傷の治癒を促進させ、ダメージを受けた組織に対する血流を促進又は改善し;又はダメージを受けた組織における感染率を低下させるために使用され、該方法は、式Iの化合物を治療的有効量、それを必要としている患者に投与することを含む。よって、本発明は、これらの病気又は状態を処置する方法を提供するものであり、該方法は、本発明の成長ホルモン又は成長ホルモン化合物コンジュゲートを治療的有効量、それを必要とする患者に投与することを含む。
典型的には、投与される変異した成長ホルモンの量は、10−7-10−3g/kg体重、例えば10−6-10−4g/kg体重、例えば10−5−10−4g/kg体重の範囲である。
一実施態様において、本発明は、上述した病気又は状態の処置に使用される、医薬の製造における、成長ホルモン又は成長ホルモン化合物コンジュゲートの使用を提供する。
ここに記載のhGH変異体は、治療用タンパク質として使用されることを意図している。また本発明は、ここに開示の任意の方法により修飾されたタンパク質を含有する製薬用組成物を指向している。一態様において、このような製薬用組成物は、10−15mg/ml〜200mg/ml、例えば10−10mg/ml〜5mg/mlの濃度で存在する、ヒト成長ホルモン(hGH)等の修飾タンパク質を含有し、該組成物は2.0〜10.0のpHを有する。組成物は、緩衝系、防腐剤、等張化剤、キレート剤、安定剤、及び界面活性剤をさらに含有可能である。本発明の一実施態様において、製薬用組成物は水性組成物、すなわち水を含有する組成物である。このような組成物は、典型的には水溶液又は懸濁液である。本発明のさらなる実施態様において、製薬用組成物は水溶液である。「水性組成物」なる用語は、少なくとも50%w/wの水を含有する組成物として定められる。同様に「水溶液」なる用語は、少なくとも50%w/wの水を含有する溶液として定められ、「水性懸濁液」なる用語は、少なくとも50%w/wの水を含有する懸濁液として定められる。
一実施態様において、製薬用組成物は凍結乾燥された組成物であり、医師又は患者は、使用前に溶媒及び/又は希釈液を添加する。
一実施態様において、製薬用組成物は、何ら事前に溶解することなく使用準備が整った乾燥した組成物(例えば凍結乾燥又は噴霧乾燥)である。
一実施態様において、本発明は、修飾タンパク質、例えばhGH変異体とバッファーの水溶液を含有する製薬用組成物に関し、ここで該hGH変異体は0.1-100mg/ml又はそれ以上の濃度で存在しており、該組成物は約2.0〜10.0のpHを有する。
一実施態様において、製薬用組成物のpHは、0.1の上方勾配を有する、例えば2.1、2.2、2.3等、2.0〜10.0からなる列挙から選択される。
一実施態様において、バッファーは、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、シタラート、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リジン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、及びトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、ビシン、トリシン、リンゴ酸、スクシナート、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、アスパラギン酸又はそれらの混合物からなる群から選択される。これらの特定のバッファー各自は、本発明の別の実施態様を構成する。
一実施態様において、組成物は、製薬的に許容可能な防腐剤をさらに含有する。一実施態様において、防腐剤は、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル、2-フェノキシエタノール、p-ヒドロキシ安息香酸ブチル、2-フェニルエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、及びチオメロサル(thiomerosal)、ブロノポール、安息香酸、イミド尿素、クロロヘキシジン、デヒドロ酢酸ナトリウム、クロロクレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸エチル、塩化ベンゼトニウム、クロルフェネシン(chlorphenesine)(3p-クロルフェノキシプロパン-1,2-ジオール)又はそれらの混合物からなる群から選択される。一実施態様において、防腐剤は、0.1mg/ml〜20mg/mlの濃度で存在している。本発明のさらなる実施態様において、防腐剤は、0.1mg/ml〜5mg/mlの濃度で存在している。一実施態様において、防腐剤は、5mg/ml〜10mg/mlの濃度で存在している。一実施態様において、防腐剤は、10mg/ml〜20mg/mlの濃度で存在している。これらの特定の防腐剤各自は、本発明の別の実施態様を構成する。製薬用組成物に防腐剤を使用することは、当業者によく知られている。便宜的な参照として、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 第20版, 2000が挙げられる。
一実施態様において、組成物は、等張剤をさらに含有する。本発明のさらなる実施態様において、等張剤は、塩(例えば塩化ナトリウム)、糖又は糖アルコール、アミノ酸(例えば、L-グリシン、L-ヒスチジン、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、スレオニン)、アルジトール(例えばグリセロール(グリセリン)、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール)ポリエチレングリコール(例えばPEG400)、又はそれらの混合物からなる群から選択される。任意の糖、例えば単糖類、二糖類又は多糖類、又は水溶性グルカン類、例えばフルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、可溶性デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、及びカルボキシメチルセルロース-Naを使用してもよい。一実施態様において、糖添加剤はスクロースである。糖アルコールは、少なくとも一の-OH基を有するC4-C8炭化水素と定められ、例えばマンニトール、ソルビトール、イノシトール、ガラクチトール(galactitol)、ズルシトール、キシリトール、及びアラビトールを含む。一実施態様において、糖アルコール添加剤はマンニトールである。上述した糖又は糖アルコールは、個々に又は組合せて使用されてよい。使用される量は、糖又は糖アルコールが液状調製物に溶解し、本発明の方法を使用して得られた安定化効果に悪影響を与えない限りは、限定されて固定されるものではない。一実施態様において、糖又は糖アルコールの濃度は、約1mg/ml〜約150mg/mlである。一実施態様において、等張剤は1mg/ml〜50mg/mlの濃度で存在する。一実施態様において、等張剤は1mg/ml〜7mg/mlの濃度で存在する。一実施態様において、等張剤は8mg/ml〜24mg/mlの濃度で存在する。一実施態様において、等張剤は25mg/ml〜50mg/mlの濃度で存在する。これらの特定の等張剤各自は、本発明の別の実施態様を構成する。製薬用組成物に等張剤を使用することは、当業者によく知られている。便宜的な参照として、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 第20版, 2000が挙げられる。
本開示で使用される場合「成長ホルモン」又は「GH」は、トリ、ウマ、ブタ、ウシ又はヒツジのものを含む、任意の種、好ましくは哺乳動物由来、さらに好ましくはヒトからの成長ホルモンを称する。成長ホルモン様活性を示す任意の他のポリペプチド、そのフラグメント及び誘導体も、この発明で称されるGHの意味の範囲に含まれる。
ヒト成長ホルモン(hGH)のアミノ酸配列と野生型DNAが報告されている。アミノ酸配列は配列番号1と示すことができる。本発明は、部位特異性突然変異誘発により導入されたN-グリコシル化部位を有する新規のhGH変異体を記載する。本発明のhGH変異体は、グリコシル化可能な任意の組換え発現系において発現可能である。
本発明のhGH変異体配列におけるアミノ酸置換は、hGH変異体を定める表記を有しており、例えばアミノ酸置換は1文字コードで野生型残基を表す文字により示され、数字は野生型配列におけるアミノ酸位置を示し、第2の文字は置換されたアミノ酸残基を示し、例えばL101Sは、101位のアミノ酸Lがアミノ酸Sで置換されている。多重変異は、「+」により離間している連続した単一変異により示され、例えばL93N+A98N+L101T+G104Nは、これら全ての変異を担持している変異体であることを示す。
「プラスミド」及び「ベクター」及び「プラスミドベクター」は、本明細書でのケースでは、最も一般的には交換可能に使用され得る。本用語は、宿主細胞に形質移入された後、宿主ゲノムとは独立して、又は宿主ゲノムに導入されることにより複製可能な、任意の核酸コンストラクトを含むことを意図している。
本開示で意味するところの「発現ベクター」はベクターの一実施態様であり、適切な宿主において、核酸の発現に影響を及ぼすことが可能な適切なコントロール配列に、作用可能に結合している核酸配列を含む核酸コンストラクトを称する。このようなコントロール配列には、転写をもたらすプロモーター、このような転写をコントロールする任意のオペレーター配列、適切なmRNAリボソーム結合部位をコードする配列、及び転写及び翻訳の終了をコントロールする配列が含まれる。一実施態様において、本発明の発現ベクターは、宿主細胞における組換え発現に適した真核発現ベクターであり、宿主細胞は、このようなモチーフを含有するポリペプチドにおいて、モチーフN-X-S/TでN-グリコシル化を導入可能である。一実施態様において、本発明の発現ベクターは、CHO細胞における発現に適した発現ベクターである。本開示で意味することろの「作用可能に結合」とは、DNA又はポリペプチドの内部において、互いに機能的に関連していることである。例えば、プレ配列は、それがシグナル配列として機能する場合は、成熟形態のタンパク質の分泌に関与する、おそらくはシグナル配列の切断に関与するペプチドに、作用可能に結合する。プロモーターは、それが配列の転写をコントロールするならば、コード化配列に作用可能に結合し;リボソーム結合部位は、それが翻訳可能なように位置しているならば、コード化配列に作用可能に結合している。
ここで使用される場合「オリゴ糖鎖」とは、単一のアミノ酸残基に共有結合した全オリゴ糖構造を称する。「N-グリカン」とは、単一のアスパラギン残基に共有結合した全オリゴ糖構造を称する。「アンテナ」とは、オリゴ糖鎖の分枝状部を称する。N-グリカンは、1-、2-、3-、4、5、6又は7-アンテナであってよい。各アンテナはシアル酸部分を含みうる。
本発明は、N-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体を含有する調製物に関し、N-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体は、ここに記載のヒト成長ホルモン変異体であり、ヒト成長ホルモン変異体は一又は複数のN-グリカンでグリコシルされており、該N-グリカンは、ヒト成長ホルモン変異体において、一又は複数のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)に結合しており、N-グリコシル化モチーフは野生型ヒト成長ホルモンには存在せず、少なくとも50%のN-グリカンが少なくとも一のシアル酸部分を有する。一実施態様において、少なくとも60%のN-グリカンが少なくとも一のシアル酸部分を有し、例えば少なくとも70、75、80、85、90又は95%のN-グリカンが少なくとも一のシアル酸部分を有する。分岐したオリゴ糖鎖のケースにおいて、各N-グリカンは多くのシアル酸部分、例えば5、8、10、12、14又は16のシアル酸部分を有する。
本発明の例証的実施例を以下に記載するが、本発明の範囲を限定すると解釈されるものではない。
実施態様
1.ヒト成長ホルモン変異体であって、該変異体が、野生型ヒト成長ホルモンに存在しない一又は複数のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有するアミノ酸配列を含むヒト成長ホルモン。
2.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない少なくとも一の前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、S55N、Q69N、E74S、E74T、R77N、I83N、L93N、A98N、L101S、L101T、G104N、S106N、Y111S、Y111T、I121N、D130N、K140N、T142N、G161S、G161T及びE186Nからなる群から選択される変異を導入することにより生じる、実施態様1のヒト成長ホルモン変異体。
3.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない少なくとも一の前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が:K41N、Q49N、S55N、E65T、E65T、E65N、Q69N、E74S、E74T、R77N、I83N、L93N、A98N、L101S、L101T、G104N、S106N、Y111S、Y111T、I121N、D130N、P133N、K140N、T142N、G161S、G161T、E186N、R19N+H21S/T、A34N+I36S/T、L45N+N47S/T、I58N+P59F、S62N+R64S/T、S71N+L73S/T、K115N+L117S/T、R127N+E129S/T、L128N+D130S/T及びT175N+L177S/Tからなる群から選択される一又は複数の変異/変異対を導入することにより生じる、実施態様1のヒト成長ホルモン変異体。
4.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない少なくとも一の前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が:K41N、Q49N、E65T、E65N、Q69N、E74T、R77N、I83N、L93N、A98N、L101T、G104N、S106N、Y111T、I121N、D130N、P133N、K140N、T142N、T148N、G161T、E186N、R19N+H21S、A34N+I36S、L45N+N47S、I58N+P59F、S62N+R64T、S71N+L73T、K115N+L117T、R127N+E129T、L128N+D130T及びT175N+L177Sからなる群から選択される一又は複数の変異/変異対を導入することにより生じる、実施態様1ないし3のいずれかのヒト成長ホルモン変異体。
5.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない全ての前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が:K41N、Q49N、E65T、E65N、E74T、L93N、A98N、L101T、G104N、Y111T、P133N、K140N、G161T、E186N、R19N+H21S、I58N+P59F、S62N+R64T、S71N+L73T、R127N+E129T及びL128N+D130Tからなる群から選択される一又は複数の変異/変異対を導入することにより生じる、実施態様1、3及び4のいずれかのヒト成長ホルモン変異体。
6.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない全ての前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、S55N、Q69N、E74S、E74T、R77N、I83N、L93N、A98N、L101S、L101T、G104N、S106N、Y111S、Y111T、I121N、D130N、K140N、T142N、G161S、G161T及びE186Nからなる群から独立して選択される変異を導入することにより生じる、実施態様1又は2のヒト成長ホルモン変異体。
7.少なくとも一の前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、Q69N、R77N、I83N、L93N、A98N、L101T、G104N、S106N、Y111T、I121N、D130N、K140N、G161T、及びE186Nからなる群から選択される変異を導入することにより生じる、実施態様1、2及び3のいずれかのヒト成長ホルモン変異体。
8.全ての前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、Q69N、R77N、I83N、L93N、A98N、L101T、G104N、S106N、Y111T、I121N、D130N、K140N、G161T、及びE186Nからなる群から独立して選択される変異を導入することにより生じる、実施態様7のヒト成長ホルモン変異体。
9.少なくとも一の前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が:Q49N、E65N、L93N、A98N、L101T、G104N、S71N+L73T及びR127N+E129Tからなる群から選択される一又は複数の変異/変異対を導入することにより生じる、実施態様5のヒト成長ホルモン変異体。
10.少なくとも一の前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、L93N、A98N、L101T及びG104Nからなる群から選択される変異を導入することにより生じる、実施態様1ないし9のいずれかのヒト成長ホルモン変異体。
11.全ての前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、L93N、A98N、L101T及びG104Nからなる群から独立して選択される変異を導入することにより生じる、実施態様10のヒト成長ホルモン変異体。
12.少なくとも一の前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、L93N、A98N及びG104Nからなる群から選択される変異を導入することにより生じる、実施態様1ないし10のいずれかのヒト成長ホルモン変異体。
13.全ての前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、L93N、A98N及びG104Nからなる群から独立して選択される変異を導入することにより生じる、実施態様12のヒト成長ホルモン変異体。
14.少なくとも一の前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、L93N、L101T及びG104Nからなる群から選択される変異を導入することにより生じる、実施態様1ないし10のいずれかのヒト成長ホルモン変異体。
15.全ての前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、L93N、L101T及びG104Nからなる群から選択される変異を導入することにより生じる、実施態様14のヒト成長ホルモン変異体。
16.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない、厳密に一つのN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有する、実施態様1ないし15のいずれかのヒト成長ホルモン変異体。
17.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない、少なくとも2のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有する、実施態様1ないし15のいずれかのヒト成長ホルモン変異体。
18.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない、厳密に2つのN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有する、実施態様17のヒト成長ホルモン変異体。
19.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない、少なくとも3のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有する、実施態様17のヒト成長ホルモン変異体。
20.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない、厳密に3つのN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有する、実施態様19のヒト成長ホルモン変異体。
21.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない3つのN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、変異L93N、A98N及びG104Nを導入することにより生じる、実施態様20のヒト成長ホルモン変異体。
22.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない3つのN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、変異L93N、L101T及びG104Nを導入することにより生じる、実施態様20のヒト成長ホルモン変異体。
23.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない、少なくとも4のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有する、実施態様19のヒト成長ホルモン変異体。
24.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない、厳密に4つのN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有する、実施態様23のヒト成長ホルモン変異体。
25.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない4つのN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、変異L93N、A98N、L101T及びG104Nを導入することにより生じる、実施態様24のヒト成長ホルモン変異体。
26.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない、少なくとも5のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有する、実施態様23のヒト成長ホルモン変異体。
27.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない、厳密に5つのN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有する、実施態様26のヒト成長ホルモン変異体。
28.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない、少なくとも6又は7のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有する、実施態様26のヒト成長ホルモン変異体。
29.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない、厳密に6つ又は厳密に7つのN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有する、実施態様28のヒト成長ホルモン変異体。
30.野生型ヒト成長ホルモンに存在しないN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が:
a) Q49N及びR127N+E129T、
b) Q49N、E65N及びG104N、
c) Q49N、L93N及びR127N+E129T、
d) Q49N、E65N、L93N及びG104N、
e) Q49N、E65N、G104N及びR127N+E129T、
f) Q49N、E65N、S71N+L73T、G104N及びR127N+E129T、
g) Q49N、E65N、S71N+L73T、L93N、G104N及びR127N+E129T、
h) Q49N、E65N、S71N+L73T、L93N、A98N、G104N及びR127N+E129T、
i) S71N+L73T、L93N、A98N及びG104N、
j) L93N、G104N及びR127N+E129T、及び
k) S71N+L73T、L93N、G104N及びR127N+E129T
からなる群から選択される変異セットを導入することによる、少なくとも2のN-グリコシル化モチーフを導入することにより生じる、実施態様17のヒト成長ホルモン変異体。
31.実施態様1ないし30のいずれかのヒト成長ホルモン変異体をコードする核酸。
32.DNAコンストラクトである、実施態様31の核酸。
33.実施態様31の核酸配列を含むベクター。
34.変異体が発現ベクターである、実施態様32のベクター。
35.ベクターが、宿主細胞における組換え発現に適した発現ベクターであり、該宿主細胞が、このようなモチーフを含有するポリペプチドにおいて、モチーフN-X-S/TにN-グリコシル化を導入可能である、実施態様33のベクター。
36.ベクターが真核発現ベクターである、実施態様35のベクター。
37.ベクターが哺乳動物細胞における組換え発現に適した真核発現ベクターである、実施態様36のベクター。
38.ベクターがCHO細胞における組換え発現に適した発現ベクターである、実施態様37のベクター。
39.実施態様31の前記核酸がDNAコンストラクトである、実施態様32ないし38のいずれかのベクター。
40.実施態様22ないし39のいずれかのベクターを含有する宿主細胞。
41.細胞が、このようなモチーフを含有するポリペプチドにおいて、モチーフN-X-S/TでN-グリコシル化を実施可能である、実施態様40の宿主細胞。
42.細胞が真核細胞である、実施態様41の宿主細胞。
43.細胞が哺乳動物細胞である、実施態様42の宿主細胞。
44.細胞がCHO細胞である、実施態様43の宿主細胞。
45.N-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体を調製する方法であって、該方法が、真核細胞において、実施態様31又は実施態様32の核酸を組換え発現させることを含む方法。
46.前記核酸が哺乳動物細胞で発現する、N-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体を調製するための実施態様45の方法。
47.前記核酸がCHO細胞で発現する、N-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体を調製するための実施態様46の方法。
48.前記核酸の組換え発現後に、N-グリカンのさらなるグリコシル化又は修飾を実施しない、実施態様45ないし47のいずれかの方法。
49.実施態様45ないし48のいずれかの方法を使用して調製されるヒト成長ホルモン変異体。
50.前記変異体の等電点が、野生型ヒト成長ホルモンよりも酸性である、実施態様45ないし48のいずれかの方法を使用して調製されるヒト成長ホルモン変異体。
51.前記変異体が、グリコシダーゼで処理された場合、SDS-PAGEにおける移動度が変化する、実施態様45ないし48のいずれかの方法を使用して調製されるヒト成長ホルモン変異体。
52.前記グリコシダーゼがPNGアーゼF-酵素又はノイラミニダーゼ-酵素である、実施態様51のヒト成長ホルモン変異体。
53.分子量が野生型ヒト成長ホルモンと比較して増加している、実施態様45ないし48のいずれかの方法を使用して調製されるヒト成長ホルモン変異体。
54.変異体の活性が、野生型ヒト成長ホルモンと比較して、せいぜい100倍、例えば50倍、例えば20倍、例えば10倍、例えば5倍、例えば2倍、例えば1倍未満低下している、実施態様49ないし53のいずれかのヒト成長ホルモン変異体。
55.変異体の活性が、野生型ヒト成長ホルモンと実質的に同様の活性である、実施態様54のヒト成長ホルモン変異体。
56.ヒト成長ホルモン変異体のインビボ循環半減期が、野生型ヒト成長ホルモンと比較して長時間である、実施態様49ないし55のいずれかのヒト成長ホルモン変異体。
57.少なくとも50%のグリカンがシアル化されている、実施態様49ないし56のいずれかのヒト成長ホルモン変異体。
58.変異体が少なくとも一のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)でN-グリコシル化され、該モチーフが野生型ヒト成長ホルモンに存在しない、N-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
59.N-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体が、実施態様1ないし30及び49ないし57のいずれかのヒト成長ホルモン変異体であり、ヒト成長ホルモン変異体が一又は複数のN-グリカンでグリコシル化され、該N-グリカンが、該ヒト成長ホルモン変異体において、一又は複数のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)に結合しており、N-グリコシル化モチーフが野生型ヒト成長ホルモンに存在しない、N-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
60.前記ヒト成長ホルモン変異体が一又は複数のN-グリカンでグリコシル化され、該N-グリカンが、該ヒト成長ホルモン変異体において、全てのN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)に結合しており、N-グリコシル化モチーフが野生型ヒト成長ホルモンに存在しない、N-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
61.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない少なくとも一の前記NN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、S55N、Q69N、E74S、E74T、R77N、I83N、L93N、A98N、L101S、L101T、G104N、S106N、Y111S、Y111T、I121N、D130N、K140N、T142N、G161S、G161T及びE186Nからなる群から選択される変異を導入することにより生じる、実施態様60のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
62.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない少なくとも一の前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が:K41N、Q49N、S55N、E65T、E65T、E65N、Q69N、E74S、E74T、R77N、I83N、L93N、A98N、L101S、L101T、G104N、S106N、Y111S、Y111T、I121N、D130N、P133N、K140N、T142N、G161S、G161T、E186N、R19N+H21S、A34N+I36S、L45N+N47S、I58N+P59F、S62N+R64T、S71N+L73T、K115N+L117T、R127N+E129T、L128N+D130T及びT175N+L177Sからなる群から選択される一又は複数の変異/変異対を導入することにより生じる、実施態様55のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
63.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない少なくとも一の前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が:K41N、Q49N、E65T、E65N、Q69N、E74T、R77N、I83N、L93N、A98N、L101T、G104N、S106N、Y111T、I121N、D130N、P133N、K140N、T142N、T148N、G161T、E186N、R19N+H21S、A34N+I36S、L45N+N47S、I58N+P59F、S62N+R64T、S71N+L73T、K115N+L117T、R127N+E129T、L128N+D130T及びT175N+L177Sからなる群から選択される一又は複数の変異/変異対を導入することにより生じる、実施態様55のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
64.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない少なくとも一の前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が:K41N、Q49N、E65T、E65N、E74T、L93N、A98N、L101T、G104N、Y111T、P133N、K140N、G161T、E186N、R19N+H21S、I58N+P59F、S62N+R64T、S71N+L73T、R127N+E129T及びL128N+D130Tからなる群から選択される一又は複数の変異/変異対を導入することにより生じる、実施態様55のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
65.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない全ての前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、S55N、Q69N、E74S、E74T、R77N、I83N、L93N、A98N、L101S、L101T、G104N、S106N、Y111S、Y111T、I121N、D130N、K140N、T142N、G161S、G161T及びE186Nからなる群から独立して選択される変異を導入することにより生じる、実施態様61のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
66.少なくとも一の前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、Q69N、R77N、I83N、L93N、A98N、L101T、G104N、S106N、Y111T、I121N、D130N、K140N、G161T、及びE186Nからなる群から選択される変異を導入することにより生じる、実施態様64のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
67.全ての前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、Q69N、R77N、I83N、L93N、A98N、L101T、G104N、S106N、Y111T、I121N、D130N、K140N、G161T、及びE186Nからなる群から独立して選択される変異を導入することにより生じる、実施態様64のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
68.少なくとも一の前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、L93N、A98N、L101T及びG104Nからなる群から選択される変異を導入することにより生じる、実施態様60ないし67のいずれかのN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
69.全ての前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、L93N、A98N、L101T及びG104Nからなる群から独立して選択される変異を導入することにより生じる、実施態様67のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
70.少なくとも一の前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、L93N、A98N及びG104Nからなる群から選択される変異を導入することにより生じる、実施態様63ないし69のいずれかのN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
71.全ての前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、L93N、A98N及びG104Nからなる群から独立して選択される変異を導入することにより生じる、実施態様70のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
72.少なくとも一の前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、L93N、L101T及びG104Nからなる群から選択される変異を導入することにより生じる、実施態様63のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
73.全ての前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、L93N、L101T及びG104Nからなる群から選択される変異を導入することにより生じる、実施態様72のヒト成長ホルモン変異体。
74.少なくとも一の前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が:Q49N、E65N、L93N、A98N、L101T、G104N、S71N+L73T、及びR127N+E129Tからなる群から選択される一又は複数の変異/変異対を導入することにより生じる、実施態様64のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
75.野生型ヒト成長ホルモンに存在しないN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が:
a) Q49N及びR127N+E129T、
b) Q49N、E65N及びG104N、
c) Q49N、L93N及びR127N+E129T、
d) Q49N、E65N、L93N及びG104N、
e) Q49N、E65N、G104N及びR127N+E129T、
f) Q49N、E65N、S71N+L73T、G104N及びR127N+E129T、
g) Q49N、E65N、S71N+L73T、L93N、G104N及びR127N+E129T、
h) Q49N、E65N、S71N+L73T、L93N、A98N、G104N及びR127N+E129T、
i) S71N+L73T、L93N、A98N及びG104N、
j) L93N、G104N及びR127N+E129T、及び
k) S71N+L73T、L93N、G104N及びR127N+E129T
からなる群から選択される変異セットを導入することによる、少なくとも2のN-グリコシル化モチーフを導入することにより生じる、実施態様74のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
76.厳密に一つのN-グリカンを含有する、実施態様49ないし75のいずれかのN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
77.少なくとも2のN-グリカンを含有する、実施態様49ないし75のいずれかのN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
78.厳密に2つのN-グリカンを含有する、実施態様77のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
79.少なくとも3のN-グリカンを含有する、実施態様77のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
80.厳密に3つのN-グリカンを含有する、実施態様79のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
81.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない3つのN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、変異L93N、A98N及びG104Nを導入することにより生じる、実施態様80のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
82.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない3つのN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、変異L93N、L101T及びG104Nを導入することにより生じる、実施態様80のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
83.少なくとも4のN-グリカンを含有する、実施態様79のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
84.厳密に4つのN-グリカンを含有する、実施態様83のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
85.野生型ヒト成長ホルモンに存在しない4つのN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、変異L93N、A98N、L101T及びG104Nを導入することにより生じる、実施態様84のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
86.少なくとも5のN-グリカンを含有する、実施態様83のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
87.厳密に5つのN-グリカンを含有する、実施態様86のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
88.少なくとも6のN-グリカンを含有する、実施態様86のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
89.厳密に6つのN-グリカンを含有する、実施態様88のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
90.N-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体を含有する調製物であって、変異体が少なくとも一のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)でN-グリコシル化されており、該モチーフが野生型ヒト成長ホルモンに存在しない調製物。
91.実施態様1ないし30のいずれかのヒト成長ホルモン変異体を含有する、実施態様90の調製物。
92.実施態様49-89のいずれかのN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体を含有し、少なくとも50%のN-グリカンが少なくとも一のシアル酸部分を有する、実施態様90の調製物。
93.少なくとも50%のN-グリカンが少なくとも一のシアル酸部分を有する、実施態様90ないし92のいずれかの調製物。
94.少なくとも75%のN-グリカンが少なくとも一のシアル酸部分を有する、実施態様93の調製物。
95.少なくとも90%のN-グリカンが少なくとも一のシアル酸部分を有する、実施態様94の調製物。
96.少なくとも95%のN-グリカンが少なくとも一のシアル酸部分を有する、実施態様95の調製物。
97.少なくとも20%の前記ヒト成長ホルモン変異体がN-グリコシル化されている、実施態様90-92のいずれかの調製物。
98.少なくとも50%の前記ヒト成長ホルモン変異体がN-グリコシル化されている、実施態様90-92のいずれかの調製物。
99.少なくとも50%の前記ヒト成長ホルモン変異体が、野生型ヒト成長ホルモンに存在しない全てのグリコシル化モチーフにおいてN-グリコシル化されている、実施態様97の調製物。
100.実施態様49ないし89のいずれかのN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体を含有する製薬用組成物を調製する方法であって、該方法が次の:
i)N-グリコシル化を実施可能な宿主細胞において、実施態様31又は実施態様32の核酸を組換え発現させ、
ii)N-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体を精製し、
iii)工程ii)で精製されたN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体を含有する製薬的に許容可能な製剤を調製する、
工程を含む方法。
101.前記宿主細胞が真核細胞である、実施態様100のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体を含有する製薬用組成物を調製する方法。
102.細胞が哺乳動物細胞である、実施態様101の方法。
103.細胞がCHO細胞である、実施態様102の方法。
104.実施態様49ないし89のいずれかのN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体と、製薬的に許容可能な担体を含有する製薬用組成物。
105.実施態様90ないし99のいずれかの調製物と、製薬的に許容可能な担体を含有する製薬用組成物。
106.実施態様49ないし89のいずれかのN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体を治療的有効量、哺乳動物に投与することを含む、ヒト成長ホルモンを必要とする哺乳動物を処置する方法。
107.実施態様90ないし99のいずれかの調製物を治療的有効量、哺乳動物に投与することを含む、ヒト成長ホルモンを必要とする哺乳動物を処置する方法。
本発明を以下の実施例においてさらに例証する。しかしながら、これらの実施例は例証目的のためだけであり、何らの方法においても、本発明の範囲を制限するために使用されるものではないと理解される。
実施例1
哺乳動物細胞における野生型ヒト成長ホルモンの発現のためのベクターの構築
図1Aに示すヌクレオチド配列を、配列に隣接するHind III及びEco RI部位により、プラスミドpEE14.4に挿入し、プラスミドpGB039を作製した。pGB039において、成長ホルモンコード化ヌクレオチド配列を、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターの転写コントロール下に配した。
pGB039において、成長ホルモンコード化ヌクレオチド配列を、pTT5のHind III及びNot I部位の間に挿入することによりサブクローンし、プラスミドpTVL01を作製した。
実施例2
哺乳動物HEK293細胞における野生型ヒト成長ホルモンの一時的発現
ヒト胎児性腎臓(HEK293F)細胞に適応した懸濁液(Freestyle, Invitrogen)を、製造者の使用説明書につき、野生型ヒト成長ホルモンをコードするpGB039発現プラスミドで形質移入した。簡単には、30μgのプラスミドを、40μlの293フェクチン(fectin)(Invitrogen)と共に20分インキュベートし、125mlのエルレンマイヤーフラスコに3x10細胞を添加した。形質移入された細胞を振とうインキュベーター(37℃、8%のCO、及び125rpm)において、7日間インキュベートした。培地サンプルを毎日収集し、ELISAキット(Roche)を用いて、ヒト成長ホルモンについて分析した。
ELISAの結果を図2に示し、一時的に形質移入された哺乳動物細胞が、ヒト成長ホルモンの効果的方法であったことが示された。形質移入の7日後、培地を収集し、細菌において生成された精製組換えヒト成長ホルモンの希釈液を、SDS-PAGEゲルに充填し、電気泳動させた。ゲルをSimpleBlue SafeStain(Invitrogen)で染色し、Odysseyリーダーでスキャンした。形質移入していない細胞からの培地ではなく、形質移入した細胞からの培地に、細菌において生成された組換えヒト成長ホルモンと共遊走した、約22kDaの分子量を有するタンパク質を含有せしめた。これにより、一時的に形質移入された哺乳動物細胞が、成熟した組換えヒト成長ホルモンを分泌することが示された。
実施例3
N-グリコシル化部位の導入に適したヒト成長ホルモンタンパク質における位置の同定
成長ホルモンレセプターとの結合間期に関与しない、ヒト成長ホルモンタンパク質の表面上のアミノ酸残基を、N-グリコシル化部位の導入に最も適した位置とみなした。これらの残基の中でも、単一のアミノ酸置換により潜在的N-グリコシル化部位(N-X-S/T)の形成を可能にする配列状況のアミノ酸を選択した。しかしながら、システイン又はプロリン残基に係るアミノ酸置換により形成されたN-グリコシル化部位は無視された。
上述した要求に従ったアミノ酸位置は、Molsoft Browser 3.4-9d(Molsoft)ソフトウェアを用いた、タンパク質データバンクからのファイル3hhrを分析することにより見出された。ファイル3hhrには、2つの成長ホルモンレセプター分子の細胞外ドメインに結合したヒト成長ホルモンの構造体が記載されており、Vosら(1992)の文献に基づくものである。この分析により、成熟したヒト成長ホルモンのアミノ酸配列において、次のアミノ酸置換が同定された:
S55N、Q69N、E74S、E74T、R77N、I83N、L93N、
A98N、L101S、L101T、G104N、S106N、Y111S、
Y111T、I121N、D130N、K140N、T142N、G161S、
G161T、及びE186N
これらの配列変化はそれぞれ、成長ホルモンレセプターとの結合間期に関与しないタンパク質の表面にあると考えられている位置に、潜在的N-グリコシル化部位を導入する。
実施例4
一つの潜在的N-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモンをコードする発現コンストラクトの生成
潜在的N-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモン変異体をコードするコンストラクトを、野生型ヒト成長ホルモンをコードする挿入物を有するpTT5からなるpTVL01の部位指向性突然変異誘発により生成させた。変異Q69N、R77N、I83N、L93N、A98N、L101T、G104N、S106N、Y111T、I121N、K140N、又はG161Tの一つを有する変異体をコードするコンストラクトを、表1(配列番号2-13)に示されるプライマーを使用し、製造者に推奨されるようなQuikChange Multi Site-Directed Mutagenesisキット(Stratagene)を用いて生成させた。変異D130N又はE186Nの一つを有する変異体をコードするコンストラクトを、表2(配列番号14-15)に示される順方向プライマー及び相補的な逆方向プライマーを使用し、製造者に推奨されるようなQuikChange Site-Directed Mutagenesisキット(Stratagene)を用いて生成させた。生成したコンストラクトにおける、全ヒト成長ホルモン変異体コード化ヌクレオチド配列の配列を、DNA配列決定により検証した。14変異体をコードするコンストラクトの名称を、表1及び2に示す。
Figure 2011525800
Figure 2011525800
実施例5
哺乳動物HEK293細胞における、一つの潜在的N-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモンの一時的発現
ヒト胎児性腎臓(HEK293F)細胞に適応した懸濁液(Freestyle, Invitrogen)を、製造者の使用説明書につき、潜在的N-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモンをコードするpTVL02-pTFVL16コンストラクト、又は野生型ヒト成長ホルモンをコードするpTVL01発現プラスミドで形質移入した。簡単には、30μgの各プラスミドを、40μlの293フェクチン(Invitrogen)と共に20分インキュベートし、125mlのエルレンマイヤーフラスコに3x10細胞を添加した。形質移入された細胞を振とうインキュベーター(37℃、8%のCO、及び125rpm)においてインキュベートした。形質移入の7日後に収集された培地を、ペプチドN-グリコシダーゼF(PNGアーゼF)と共に、又はなしに、37℃で1時間インキュベートし、SDS-PAGEゲルに充填し、電気泳動させた。ゲルをSimpleBlue SafeStain(Invitrogen)で染色し、Odysseyリーダーでスキャンした。pTVL01で形質移入された細胞からの培地における野生型成長ホルモンは、約22kDaの分子量を有するバンドとして遊走し、細菌において生成された組換えヒト成長ホルモンと共に共遊走した。潜在的N-グリコシル化部位を有する変異成長ホルモンは、野生型ヒト成長ホルモンと共に共遊走する単一バンドとして、又は2つのバンドとして遊走し、一方のバンドは野生型ヒト成長ホルモンと共に共遊走し、他方のバンドは野生型ヒト成長ホルモンと比較して、移動度が低減していた(表3)。N-グリカンを除去するPNGアーゼFと共にインキュベートすると、全ての変異体は、野生型ヒト成長ホルモンと共に共遊走する単一バンドとして遊走した。よって、成熟したヒト成長ホルモンのアミノ酸93、98、99、104、109、及び140でのN-グリコシル化部位のみが利用された。これら6つのN-グリコシル化部位は、それぞれ変異L93N、A98N、L101T、G104N、Y111T、及びK140Nにより生じた。
Figure 2011525800
少なくとも一のN-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモン変異体のインビトロ活性をテストするために、BAF3-GHR細胞におけるそれらの増殖誘発力を試験した。成長ホルモン活性アッセイについて、BAF3-GHR細胞を37℃、5%のCO、成長ホルモンを含有しない培養培地(飢餓培地)において、24時間インキュベートした。ついで、細胞を96ウェルマイクロタイタープレートに飢餓培地にて2.22x10細胞/mlの密度で播種した。各ウェルに、90μlの上述した細胞懸濁液、及び10μlの野生型又は変異成長ホルモンを、10nM〜0.1ρMの範囲の濃度で添加した。播種後、マイクロタイタープレートを37℃、5%のCOにおいて、68時間インキュベートした。次に、飢餓培地で希釈された30μlのアラマーブルー(Biosource)を各ウェルに添加し、マイクロタイタープレートを37℃、5%のCOにおいて、さらに4時間インキュベートした。最終的に、マイクロタイタープレートを、544nMの励起フィルター及び590nMの発光フィルターを使用し、蛍光プレートリーダーにおいて分析した。アラマーブルーは酸化還元指示薬であり、細胞代謝に固有の反応により還元され、よって生存細胞数の間接的測定が提供され、細胞の成長ホルモン依存性増殖を反映する。一つのN-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモン変異体の活性テストの結果を、図3に示す。
実施例6
一以上のN-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモンをコードする発現コンストラクトの生成
2又は3の潜在的N-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモン変異体をコードするコンストラクトを、表4に示すプライマーを使用し、製造者に推奨されるようなQuikChange Multi Site-Directed Mutagenesisキット(Stratagene)を用い、変異L93Nを有するヒト成長ホルモンをコードする挿入物を有するpTT5からなるpTVL05の部位指向性突然変異誘発により生成させた。この方法で、コンストラクトpTVL05CとpTVL22が生じた。これらの2つのコンストラクトは、変異L93N+G104N(pTVL05C)及びL93N+L101T+G104N(pTVL22)を有するヒト成長ホルモンをコードする挿入物を有するpTT5からなる。A98N変異を、表5に示される順方向プライマー及び相補的な逆方向プライマーを使用し、製造者に推奨されるようなQuikChange Site-Directed Mutagenesisキット(Stratagene)を用いて、これらのコンストラクトの双方に導入した。この方法で、コンストラクトpTVL20及びpTVL21が生じた。これらの2つのコンストラクトは、変異L93N+A98N+L101T+G104N(pTVL20)及びL93N+A98N+G104N(pTVL21)を有するヒト成長ホルモンをコードする挿入物を有するpTT5からなる。よって、3つのコンストラクトpTVL20、pTVL21、及びpTVL22は、アミノ酸93、98、99、及び104(pTVL20)、アミノ酸93、98、及び104(pTVL21)、及びアミノ酸93、99及び104(pTVL22)で、潜在的N-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモンをコードする。生成されたコンストラクトにおける、全ヒト成長ホルモン変異体コード化ヌクレオチド配列の配列を、DNA配列決定により検証した。
pTVL20、pTVL21、及びpTVL22における成長ホルモン変異体コード化挿入物を、pEE14.4のHind IIIとNot I部位の間に挿入することにより、pEE14.4にサブクローンした。これらのサブクローンにより、それぞれコンストラクトpTVL20-SV、pTVL21-SV及びpTVL21-SVが生じた。
Figure 2011525800
Figure 2011525800
実施例7
哺乳動物HEK293細胞における、一以上のN-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモンの一時的発現
ヒト胎児性腎臓(HEK293F)細胞に適応した懸濁液(Freestyle, Invitrogen)を、製造者の使用説明書につき、変異L93N +L101T+G104Nを有するヒト成長ホルモンをコードするpTVL22、変異L93N+−A98N+G104Nを有するヒト成長ホルモンをコードするpTVL21、変異L93N+A98N+L101T+G104Nを有するヒト成長ホルモンをコードするpTVL20、野生型ヒト成長ホルモンをコードするpTVL01発現プラスミドで形質移入した。簡単には、30μgの各プラスミドを、40μlの293フェクチン(Invitrogen)と共に20分インキュベートし、125mlのエルレンマイヤーフラスコに3x10細胞を添加した。形質移入された細胞を振とうインキュベーター(37℃、8%のCO、及び125rpm)においてインキュベートした。形質移入の7日後に収集された培地を、ペプチドN-グリコシダーゼF(PNGアーゼF)と共に、又はなしに、37℃で1時間インキュベートし、SDS-PAGEゲルに充填し、電気泳動させた。ゲルをSimpleBlue SafeStain(Invitrogen)で染色し、Odysseyリーダーでスキャンした。3又は4の潜在的N-グリコシル化部位を有する変異成長ホルモンは全て、それぞれ0、2又は3のN-グリカンを有する成長ホルモンを表す3つの主要なバンドとして遊走した。N-グリカンを除去するPNGアーゼFと共にインキュベートすると、3つ全ての変異体は、グリコシル化していない成長ホルモンと共に共遊走する単一バンドとして遊走した。よって、3つのN-グリコシル化部位は、3つ全ての変異体において利用されていた。
一以上のN-グリコシル化部位を有する、3つのヒト成長ホルモン変異体のインビトロ活性を、実施例5に記載したBAF3-GHR細胞アッセイで試験した。活性テストの結果を図4に示す。
実施例8
一以上の潜在的N-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモンを生成する、安定したCHO株化細胞の生成
プラスミドpTVL20-SVを、CHO-K1-SV細胞に電気穿孔した。pTVL20-SVは実施例6に記載されており、変異L93N+A98N+L101T+G104Nを有するヒト成長ホルモンをコードする挿入物を有するpEE14.4からなる。簡単には、1x10のCHO-K1-SV細胞を40μgのpTVL20-SV細胞と共に電気穿孔し、10%のウシ胎児血清を含有する培地と共に、40マイクロタイター組織培養プレートに播種した。形質移入の後日、最終濃度50μMまでのMSXを全てのウェルに添加した。細胞増殖を、形質移入の3-6週間後に検出し、増殖した細胞を24ウェル組織培養プレートに移した。24ウェルプレートの細胞が半密集度に到達したら、7日間増殖させ、収集した細胞培養上清における標準的なELISA手順を実施し、最も好ましい収率の株化細胞を選択した。これらの株化細胞を、振とうフラスコにおいて適合させて無血清細胞培養培地で増殖させ、最も好ましい産生細胞を、11日間補填なしで実施された無血清培養で、最も高い細胞密度を有するヒト成長ホルモンを高レベルで生成する能力に基づき同定した。最も好ましい産生株化細胞の選択は、細胞培養上清についてのELISA、HPLC、及びSDS-PAGEに基づいた。
実施例9
哺乳動物細胞培養上清からの、一以上のN-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモンの精製
CHO-K1-SV株化細胞を実施例8に記載したようにして生成させ、変異93N+A98N+L101T+G104Nを有するヒト成長ホルモンの生成に使用されるバイオリアクターに播種した。発酵槽から収集した培地は細胞欠失しており、その後、最終濃度20mMのトリエタノールアセタートを含有し、pH8.5のバッファーにおいて、室温にて10倍に希釈した。希釈した物質を、AKTA MiniPilot装置(GE Healthcare)により駆動するプロセスにおいて、170ml(φ=5.0cm、l=8.7cm)QセファロースHP(24-44μm)アニオン交換カラム(GE Healthcare)に充填した。20mMのトリエタノールアセタートと400mMのNaCl、pH8.5を用い、室温にて、14カラム容量(2390mL)にわたって0〜100%の濃度で増加させ、カラムから物質を溶出させた。254nmと280nmでのUV吸光度を使用し、スループットを登録し、フラクションに収集した。成長ホルモンを含有するフラクションをプールに収集した。
実施例10
一以上のN-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモンの薬物動態特性と、野生型ヒト成長ホルモンの薬物動態特性との比較
組換え野生型ヒト成長ホルモンと、変異L93N+A98N+L101T+G104N(TVL20)を有するヒト成長ホルモンを、20mg/mlのグリシン、2mg/mlのマンニトール、2.4mg/mlのNaHCOを含有し、pHが8.2に調節されたバッファーにおいて、最終濃度150nmol/mlまで希釈した。各バッチ及び各化合物の15nmolに相当する0.1mlを、9匹のオスのスプラーグドーリーラットの尾部静脈(IV)を介して静脈内投与した。スプラーグドーリーラットは、約200-250gと計量された。
全てのラットについて、投与の5分、さらに1、2、4、8、18、24、48及び72時間後に、血液サンプルを取り出した。23G針を使用し、尾部静脈穿刺として、0.2mlの血液サンプルを取り出した。8mMのEDTAを含有するテスト用チューブに、血液サンプルを収集した。遠心分離(1500xg、4℃、10分)前に、最大で20分、血液サンプルを氷上で保持した。各血液サンプルから120μlの血漿を収集し、テスト用チューブに移し、ドライアイス上に配した。化合物に特異的な標準曲線を使用し、ヒト成長ホルモン抗原の含有量を分析するまで、凍結血漿サンプルを−20℃で保管した。
ヒト成長ホルモンアナログ濃度を、均一なビーズベースアッセイである発光酸素チャンネリングイムノアッセイ(LOCI)により測定した。LOCI試薬には、2つのラテックスビーズ試薬と、サンドイッチの一部であるビオチニル-mAb20GS10が含まれる。ビーズ試薬の一方はジェネリック試薬(ドナービーズ)であり、ストレプトアビジンでコーティングされ、感光染料を含有する。第2のビーズ試薬(アクセプタービーズ)はサンドイッチを構成する抗体でコーティングされる。アッセイ中、3つの反応体は検体と組合せられ、ビーズ-凝集体-免疫複合体を形成する。複合体の照明で、アクセプタービーズに通じたドナービーズから一重項酸素が放出され、EnVisionプレートリーダーで測定される化学発光が誘発される。生じた光量はhGH誘導体の濃度に比例する。2μLの40xのLOCIバッファー希釈されたサンプル/キャリブレーター/対照体を、384-ウェルLOCIプレートに適用する。ビオチニル-mAb 20GS10とmAb10G05/M94169 抗-(hGH)コンジュゲートアクセプタービーズの混合物15μLを、各ウェルに添加した(21-22℃)。プレートを21-22℃で1時間インキュベートする。30μLのストレプトアビジンでコーティングされたドナー-ビーズ(67μg/mL)を各ウェルに添加し、全てを21-22℃で30分インキュベートする。680nmのレーザーで励起させた後、520-645nmのバンド幅を有するフィルターを用い、21-22℃で、Envisionプレートリーダーにおいて、プレートを読み取る。ウェル当たりの全測定時間は、70msの励起時間を含め、210msである。N-グリコシル化ヒト成長ホルモンアナログについての検出限界は、それぞれ199、80及び350pMであった。
血漿濃度-時間のデータを、WinNonlin Professional(Pharsight Corporation)を使用し、非コンパートメント薬物動態分析により分析した。各時点で、2匹の動物からの平均濃度-時間値を使用して算出した。
静脈投与後の、時間に対する平均成長ホルモン抗原濃度を、図5に示す。静脈投与後の推定薬物動態パラメータを、表6に列挙する。
スプラーグドーリーラットにおける野生型ヒト成長ホルモンと比較して、変異L93N+A98N+L101T+G104N(TVL20)を有するヒト成長ホルモンの薬物動態データには、血漿濃度-時間曲線(AUC)下の、用量修正領域に関しては増加した暴露、クリアランスの低減、及び血漿インビボ半減期の増加が示された。
Figure 2011525800
実施例11
N-グリコシル化部位の導入に適した、ヒト成長ホルモンタンパク質における位置の同定
アミノ酸変異の第2段階において、成長ホルモンレセプターとの結合間期に関与しない、ヒト成長ホルモンタンパク質の表面上の残基を、N-グリコシル化部位の導入にとって最も適切な位置とみなした。これらの残基の中でも、単一アミノ酸置換による潜在的N-グリコシル化部位(N-X-S/T)の形成を可能にする配列状況でのアミノ酸が好ましい。しかしながら、二重アミノ酸置換による潜在的N-グリコシル化部位(N-X-S/T)の形成を可能にする配列状況でのアミノ酸も含まれる。
上述した要求に従ったアミノ酸位置は、Molsoft Browser 3.4-9d(Molsoft)ソフトウェアを用いた、タンパク質データバンクからのファイル3hhr及び1hwgを分析することにより見出された。ファイル3hhrには、2つの成長ホルモンレセプター分子の細胞外ドメインに結合したヒト成長ホルモンの構造体が記載されており、Vosら(1992)の文献に基づくものであり、1hwgには、2つの成長ホルモンレセプター分子の細胞外ドメインに結合した、アンタゴニスト変異体、G120R、ヒト成長ホルモンの構造体が記載されており、Sundstromら(1996)の文献に基づくものである。この分析により、成熟したヒト成長ホルモンのアミノ酸配列における次の単一アミノ酸置換:
K41N、Q49N、E65S/T、E65N、E74T、P133N、
T142N、及びT148N
及び成熟したヒト成長ホルモンのアミノ酸配列における次の二重アミノ酸置換:
R19N+H21S/T、A34N+I36S、L45N+N47S/T、
I58N+P59F、S62N+R64S/T、S71N+L73S/T、
K115N+L117S/T、R127N+ E129S/T、
L128N+D130S/T、及びT175N+L177S/T
が同定された
これらの配列変化はそれぞれ、成長ホルモンレセプターとの結合間期に関与しないタンパク質の表面にあると考えられている位置に、潜在的N-グリコシル化部位を導入する。
実施例12
一つの潜在的N-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモンをコードする発現コンストラクトの生成
潜在的N-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモン変異体をコードするコンストラクトを、野生型ヒト成長ホルモンをコードする挿入物を有するpTT5からなるpTVL01の部位指向性突然変異誘発により生成させた。変異/変異対K41N、Q49N、E65T、E65N、E74T、P133N、T142N、T148N、R19N+H21S、A34N+I36S、L45N+N47S、I58N+P59F、S62N+R64T、S71N+L73T、K115N+L117T、R127N+E129T、L128N+D130T及びT175N+L177Sの一つを有する変異体をコードするコンストラクトを、表7(配列番号20-27)及び8(配列番号28-37)に示される順方向プライマーと相補的な逆方向プライマーを使用し、、製造者に推奨されるようなQuikChangeSite-Directed Mutagenesisキット(Stratagene)を用いて生成させた。生成したコンストラクトにおける、全ヒト成長ホルモン変異体コード化ヌクレオチド配列の配列を、DNA配列決定により検証した。単一導入変異を有する8つの新規の変異体をコードするコンストラクトの名称を表7に示し、二重変異が導入された10の新規の変異体をコードするコンストラクトの名称を表8に示す。
Figure 2011525800
Figure 2011525800
実施例13
哺乳動物HEK293細胞における、一つの潜在的N-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモンの一時的発現
ヒト胎児性腎臓(HEK293F)細胞に適応した懸濁液(Freestyle, Invitrogen)を、製造者の使用説明書につき、潜在的N-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモンをコードするpTVL40-pTVL59コンストラクト、又は野生型ヒト成長ホルモンをコードするpTVL01発現プラスミドで形質移入した。簡単には、30μgの各プラスミドを、40μlの293フェクチン(Invitrogen)と共に20分インキュベートし、125mlのエルレンマイヤーフラスコに3x10細胞を添加した。形質移入された細胞を振とうインキュベーター(37℃、8%のCO、及び125rpm)においてインキュベートした。形質移入の7日後に収集された培地を、ペプチドN-グリコシダーゼF(PNGアーゼF)と共に、又はなしに、37℃で1時間インキュベートし、SDS-PAGEゲルに充填し、電気泳動させた。ゲルをSimpleBlue SafeStain(Invitrogen)で染色し、Odysseyリーダーでスキャンした。pTVL01で形質移入された細胞からの培地における野生型成長ホルモンは、約22kDaの分子量を有するバンドとして遊走し、細菌において生成された組換えヒト成長ホルモンと共に共遊走した。潜在的N-グリコシル化部位を有する変異成長ホルモンは、野生型ヒト成長ホルモンと共に共遊走する単一バンド、又は2つのバンドとしてとして遊走し、その一方は野生型ヒト成長ホルモンと共に共遊走し、他方のバンドは野生型ヒト成長ホルモンと比較して、移動度が低減していた(表9及び10)。N-グリカンを除去するPNGアーゼFと共にインキュベートすると、全ての変異体は、野生型ヒト成長ホルモンと共に共遊走する単一バンドとして遊走した。低減した移動度を有するバンドはN-グリコシル化成長ホルモンを表す。よって、成熟したヒト成長ホルモンのアミノ酸41、49、63、65、72、133、19、58、62、71、127、及び128でのN-グリコシル化部位のみが利用された。これら12のN-グリコシル化部位は、それぞれ変異K41N、Q49N、E65T、E65N、E74T、P133N、R19N+H21S、I58N+P59F、S62N+R64T、S71N+L73T、R127N+E129T、及びL128N+D130Tにより生じた。
Figure 2011525800
Figure 2011525800
一のN-グリコシル化部位を有する12のヒト成長ホルモン変異体のインビトロ活性をテストするために、BAF3-GHR細胞におけるそれらの増殖誘発力を試験した。成長ホルモン活性アッセイについて、BAF3-GHR細胞を37℃、5%のCO、成長ホルモンを含有しない培養培地(飢餓培地)において、24時間インキュベートした。ついで、細胞を96ウェルマイクロタイタープレートに飢餓培地にて2.22x10細胞/mlの密度で播種した。各ウェルに、90μlの上述した細胞懸濁液、及び10μlの野生型又は変異成長ホルモンを、10nM〜0.1ρMの範囲の濃度で添加した。播種後、マイクロタイタープレートを37℃、5%のCOにおいて、68時間インキュベートした。次に、飢餓培地で希釈された30μlのアラマーブルー(Biosource)を各ウェルに添加し、マイクロタイタープレートを37℃、5%のCOにおいて、さらに4時間インキュベートした。最終的に、マイクロタイタープレートを、544nMの励起フィルター及び590nMの発光フィルターを使用し、蛍光プレートリーダーにおいて分析した。アラマーブルーは酸化還元指示薬であり、細胞代謝に固有の反応により還元され、よって生存細胞数の間接的測定が提供され、細胞の成長ホルモン依存性増殖を反映する。一又は複数のN-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモン変異体の活性テストの結果を、図6及び図7に示す。
実施例14
一以上のN-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモンをコードする発現コンストラクトの生成
2、3、4、5、6、又は7の潜在的N-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモン変異体をコードするコンストラクトを、全ヒト成長ホルモンコード化cDNAをカバーする20-merの順方向及び逆方向プライマー、及び40-merのオリゴヌクレオチドを用いた、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により生成させた。酵素Pme I及びEco RIの制限部位を、ヒト成長ホルモンコード化cDNAの前に導入し、酵素Hind III、Not I及びNae Iの制限部位を、ヒト成長ホルモンコード化cDNAの後に導入した。表11には、野生型ヒト成長ホルモンcDNAの順方向ストランドの組み立てに使用される、20-merのプライマー(配列番号38)及び40-merのオリゴヌクレオチド(配列番号39-56)を示す。
対応する順方向ストランドと、20bpの重複の形で(すなわち、順方向プライマーと、hGHオリゴヌクレオチド1の最初の20塩基、又はhGHオリゴヌクレオチド1の最後の20塩基と、hGHオリゴヌクレオチドの最初の20塩基の重複)、相補的ストランドを記述した20-merのプライマーと18の40-merのオリゴヌクレオチドもまたPCRに含めた。
野生型ヒト成長ホルモンcDNAに変異を導入するために、与えられたhGHの40-merのオリゴヌクレオチドを、選択される変異を有する40-merのオリゴヌクレオチドに置き換えた。相補的オリゴヌクレオチドを同様の方法で交換した。表12には、順方向ストランドに変異を導入するために使用される40-merのオリゴヌクレオチドが提供される。オリゴヌクレオチドは、関連変異を表すコンストラクトで命名される。
この方法で、変異したヒト成長ホルモンcDNAを有する11の種々のPCR生成物が生成された。制限酵素Hind III及びEco RI及び標準的なライゲーション手順を用いた、PCR生成物及びpTT5ベクターの消化により、PCR生成物をpTT5に挿入した。この方法で、コンストラクトpTVL60、pTVL61、pTVL62、pTVL63、pTVL64、pTVL66、pTVL67、pTVL68、pTVL70、pTVL71、及びpTVL72が生成された。これらの11のコンストラクトは、変異Q49N+R127N+E129T(pTVL60)、Q49N+E65N+G104N(pTVL61)、Q49N+L93N+R127N+E129T(pTVL62)、Q49N+E65N+L93N+G104N(pTVL63)、Q49N+E65N+G104N+R127N+E129T(pTVL64)、Q49N+E65N+S71N+L73T+G104N+R127N+E129T(pTVL66)、Q49N+E65N+S71N+L73T+L93N+G104N+R127N+E129T(pTVL67)、Q49N+E65N+S71N+L73T+L93N+A98N+G104N+R127N+E129T(pTVL68)、S71N+L73T+L93N+A98N+G104N(pTVL70)、L93N+A98N+G104N+R127N+E129T(pTVL71)、及びS71N+L73T+L93N+A98N+G104N+R127N+E129T(pTVL72)を有するヒト成長ホルモンをコードする挿入物を有するpTT5からなる。
よって、11のコンストラクトpTVL60、pTVL61、pTVL62、pTVL63、pTVL64、pTVL66、pTVL67、pTVL68、pTVL70、pTVL71、及びpTVL72は、アミノ酸49及び127(pTVL60)、アミノ酸49、65、及び104(pTVL61)、アミノ酸49、93、及び127(pTVL62)、アミノ酸49、65、93、及び104(pTVL63)、アミノ酸49、65、104、及び127(pTVL64)、アミノ酸49、65、71、104、及び127(pTVL66)、アミノ酸49、65、71、93、104、及び127(pTVL67)、アミノ酸49、65、71、93、98、104、及び127(pTVL68)、アミノ酸71、93、98、及び104(pTVL70)、アミノ酸93、98、104、及び127(pTVL71)、及びアミノ酸71、93、98、104、及び127(pTVL72)で、潜在的N-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモンをコードする。生成したコンストラクトにおける全ヒト成長ホルモン変異体コード化cDNAの配列を、DNA配列決定により検証した。
Figure 2011525800
Figure 2011525800
実施例15
哺乳動物HEK293細胞における、一以上のN-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモンの一時的発現
ヒト胎児性腎臓(HEK293F)細胞に適応した懸濁液(Freestyle, Invitrogen)を、製造者の使用説明書につき、野生型ヒト成長ホルモンをコードするpTVL01発現プラスミド、変異Q49N+R127N+E129Tを有するヒト成長ホルモンをコードするpTVL60、変異Q49N+E65N+G104Nを有するヒト成長ホルモンをコードするpTVL61、変異Q49N+L93N+R127N+E129Tを有するヒト成長ホルモンをコードするpTVL62、変異Q49N+E65N+L93N+G104Nを有するヒト成長ホルモンをコードするpTVL63、変異Q49N+E65N+G104N+R127N+E129Tを有するヒト成長ホルモンをコードするpTVL64、変異Q49N+E65N+S71N+L73T+G104N+R127N+E129Tを有するヒト成長ホルモンをコードするpTVL66、変異Q49N+E65N+S71N+L73T+L93N+G104N+R127N+E129Tを有するヒト成長ホルモンをコードするpTVL67、変異Q49N+E65N+S71N+L73T+L93N+A98N+G104N+R127N+E129Tを有するヒト成長ホルモンをコードするpTVL68、変異S71N+L73T+L93N+A98N+G104Nを有するヒト成長ホルモンをコードするpTVL70、変異L93N+A98N+G104N+R127N+E129Tを有するヒト成長ホルモンをコードするpTVL71、及び変異S71N+L73T+L93N+A98N+G104N+R127N+E129Tを有するヒト成長ホルモンをコードするpTVL72で形質移入した。簡単には、30μgの各プラスミドを、40μlの293フェクチン(Invitrogen)と共に20分インキュベートし、125mlのエルレンマイヤーフラスコに3x10細胞を添加した。形質移入された細胞を振とうインキュベーター(37℃、8%のCO、及び125rpm)においてインキュベートした。形質移入の7日後に収集された培地を、ペプチドN-グリコシダーゼF(PNGアーゼF)と共に、又はなしに、37℃で1時間インキュベートし、SDS-PAGEゲルに充填し、電気泳動させた。ゲルをSimpleBlue SafeStain(Invitrogen)で染色し、Odysseyリーダーでスキャンした。主要なバンドが最大数のグリカンを有する成長ホルモンを表し、僅かに0〜6(可能ならば)のグリカンを表すので、2-7の潜在的N-グリコシル化部位を有する変異成長ホルモンは全て遊走した。N-グリカンを除去するPNGアーゼFと共にインキュベートすると、全ての変異体は、グリコシル化していない成長ホルモンと共に共遊走する単一バンドとして遊走した。よって、最大数のN-グリコシル化部位は、11全ての変異体において利用されていた。
一以上のN-グリコシル化部位を有する、8つのヒト成長ホルモン変異体のインビトロ活性を、実施例6に記載したBAF3-GHR細胞アッセイで試験した。活性テストの結果を図8に示す。
実施例16
哺乳動物細胞培養上清からの、一以上のN-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモンの精製
変異Q49N+E65N+G104N+R127N+E129Tを有するヒト成長ホルモンをコードするpTVL64発現プラスミド、変異Q49N+E65N+S71N+L73T+G104N+R127N+E129Tを有するヒト成長ホルモンをコードするpTVL66、又は変異Q49N+E65N+S71N+L73T+L93N+G104N+R127N+E129Tを有するヒト成長ホルモンをコードするpTVL67で形質移入したヒト胎児性腎臓(HEK293F)細胞に適応した懸濁液(Freestyle, Invitrogen)からの培地を、45μmの酢酸セルロースフィルター、及び22μmのポリエーテルスルホンフィルター(Corning)に通し、その後、4℃、pH7.0で、最終濃度25mMのHEPESを有するバッファーにおいて、10倍に希釈した。希釈した物質を、AKTA Explorer装置(GE Healthcare)により駆動するプロセスにおいて、45mL(φ=1.8cm、l=17.5cm)ソース30Qアニオン交換カラム(GE Healthcare)に充填した。25mMのHEPESと1MのNaCl、pH7.0を用い、4℃にて、19のカラム容量(CV)(840mL)にわたって0〜20%の濃度で、10CV(200mL)にわたって20〜40%で、5CV(90mL)にわたって40〜100%の濃度で増加させ、カラムから物質を溶出させた。254nmと280nmでのUV吸光度を使用し、スループットを登録し、10mLのフラクションに収集した。
実施例17
一以上のN-グリコシル化部位を有するヒト成長ホルモンの薬物動態特性と、野生型ヒト成長ホルモンの薬物動態特性との比較
組換え野生型ヒト成長ホルモンと、変異Q49N+E65N+G104N+R127N+E129T(TVL64)、Q49N+E65N+S71N+L73T+G104N+R127N+E129T(TVL66)、又はQ49N+E65N+S71N+L73T+L93N+G104N+R127N+E129T(TVL67)を有するヒト成長ホルモンを、20mg/mlのグリシン、2mg/mlのマンニトール、2.4mg/mlのNaHCOからなり、pHが8.2に調節されたバッファーにおいて、最終濃度100nmol/mlまで希釈した。各化合物の10nmolに相当する0.1mlを、6匹のオスのスプラーグドーリーラットの尾部静脈(IV)介して静脈内又は頸部背面へ皮下的に投与した。各スプラーグドーリーラットは、約200-250gと計量された。
投与の5分、30分、さらに1、2、4、8、18、24、48、72及び96時間後に、血液サンプルを取り出した。23G針を使用し、尾部静脈穿刺として、0.3mlの血液サンプルを取り出した。8mMのEDTAを含有するテスト用チューブに、血液サンプルを収集した。遠心分離(1500xg、4℃、10分)前に、最大で20分、血液サンプルを氷上で保持した。各血液サンプルから150μlの血漿を収集し、テスト用チューブに移し、ドライアイス上に配した。化合物に特異的な標準曲線を使用し、ヒト成長ホルモン抗原の含有量を分析するまで、凍結血漿サンプルを−20℃で保管した。
ヒト成長ホルモンアナログ濃度を、均一なビーズベースアッセイである、発光酸素チャンネリングイムノアッセイ(LOCI)により測定した。LOCI試薬には、2つのラテックスビーズ試薬と、サンドイッチの一部であるビオチニル-mAb20GS10が含まれる。ビーズ試薬の一方はジェネリック試薬(ドナービーズ)であり、ストレプトアビジンでコーティングされ、感光染料を含有する。第2のビーズ試薬(アクセプタービーズ)はサンドイッチを構成する抗体でコーティングされる。アッセイ中、3つの反応体は検体と組合せられ、ビーズ-凝集体-免疫複合体を形成する。複合体の照明で、アクセプタービーズに通じたドナービーズから一重項酸素が放出され、EnVisionプレートリーダーで測定される化学発光が誘発される。生じた光量はhGH誘導体の濃度に比例する。LOCIにおいて、2μL 40xのバッファー希釈されたサンプル/キャリブレーター/対照体を、384-ウェルLOCIプレートに適用する。ビオチニル-mAb 20GS10とmAb10G05/M94169 抗-(hGH)コンジュゲートアクセプタービーズの混合物15μLを、各ウェルに添加した(21-22℃)。プレートを21-22℃で1時間インキュベートする。30μLのストレプトアビジンでコーティングされたドナー-ビーズ(67μg/mL)を各ウェルに添加し、全てを21-22℃で30分インキュベートする。680nmのレーザーで励起させた後、520-645nmのバンド幅を有するフィルターを用い、21-22℃で、Envisionプレートリーダーにおいて、プレートを読み取る。ウェル当たりの全測定時間は、70msの励起時間を含め、210msである。N-グリコシル化ヒト成長ホルモンアナログについての検出限界は、それぞれ199、80及び350pMであった。
静脈投与後の、時間に対する平均成長ホルモン抗原濃度を、図9に示す。皮下投与後の、時間に対する平均成長ホルモン抗原濃度を、図10に示す。静脈投与後の推定薬物動態パラメータを、表13に列挙する。皮下投与後の推定薬物動態パラメータを、表14に列挙する。
スプラーグドーリーラットにおける野生型ヒト成長ホルモンと比較して、変異Q49N+E65N+G104N+R127N+E129T(TVL64)又はQ49N+E65N+S71N+L73T+G104N+R127N+E129T(TVL66)を有するヒト成長ホルモンの薬物動態データには、血漿濃度-時間曲線(AUC)下の、用量修正領域に関しては増加した暴露、クリアランスの低減、及び血漿インビボ半減期の増加が示された。変異Q49N+E65N+S71N+L73T+L93N+G104N+R127N+E129T(TVL67)の結果には、他の変異と同様の傾向が示され;しかしながら、特に皮下投与後の希薄なデータのため、確固たる薬物動態的結論は阻まれた。
Figure 2011525800
Figure 2011525800

Claims (19)

  1. ヒト成長ホルモン変異体であって、該変異体が、野生型ヒト成長ホルモンに存在しない一又は複数のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)を有するアミノ酸配列を含むヒト成長ホルモン。
  2. 分子量が野生型ヒト成長ホルモンと比較して増加している、請求項1に記載のヒト成長ホルモン。
  3. 変異体の活性が、野生型ヒト成長ホルモンの活性と実質的に同じである、請求項1に記載のヒト成長ホルモン。
  4. ヒト成長ホルモン変異体のインビボ循環半減期が、野生型ヒト成長ホルモンと比較して延長されている、請求項1に記載のヒト成長ホルモン変異体。
  5. 野生型ヒト成長ホルモンに存在しない少なくとも一の前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、K41N、Q49N、S55N、E65T、E65N、E65S、Q69N、E74S、E74T、R77N、I83N、L93N、A98N、L101S、L101T、G104N、S106N、Y111S、Y111T、I121N、D130N、P133N、K140N、T142N、G161S、G161T、E186N、R19N+H21S/T、A34N+I36S/T、L45N+N47S/T、I58N+P59F、S62N+R64S/T、S71N+L73S/T、K115N+L117S/T、R127N+E129S/T、L128N+D130S/T及びT175N+L177S/Tからなる群から選択される一又は複数の変異/変異対を導入することにより生じている、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のヒト成長ホルモン変異体。
  6. 野生型ヒト成長ホルモンに存在しない少なくとも一の前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、K41N、Q49N、E65T、E65N、Q69N、E74T、R77N、I83N、L93N、A98N、L101T、G104N、S106N、Y111T、I121N、D130N、P133N、K140N、T142N、T148N、G161T、E186N、又はR19N+H21S、A34N+I36S、L45N+N47S、I58N+P59F、S62N+R64T、S71N+L73T、K115N+L117T、R127N+E129T、L128N+D130T及びT175N+L177Sからなる群から選択される一又は複数の変異/変異対を導入することにより生じている、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のヒト成長ホルモン変異体。
  7. 野生型ヒト成長ホルモンに存在しない少なくとも一の前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、K41N、Q49N、E65T、E65N、E74T、L93N、A98N、L101T、G104N、Y111T、P133N、K140N、G161T、E186N、R19N+H21S、I58N+P59F、S62N+R64T、S71N+L73T、R127N+E129T及びL128N+D130Tからなる群から選択される一又は複数の変異/変異対を導入することにより生じている、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のヒト成長ホルモン変異体。
  8. 野生型ヒト成長ホルモンに存在しない少なくとも一の前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、S55N、Q69N、E74S、E74T、R77N、I83N、L93N、A98N、L101S、L101T、G104N、S106N、Y111S、Y111T、I121N、D130N、K140N、T142N、G161S、G161T及びE186Nからなる群から選択される変異を導入することにより生じている、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のヒト成長ホルモン変異体。
  9. 野生型ヒト成長ホルモンに存在しない少なくとも一の前記N-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)が、Q49N、E65N、L93N、A98N、L101T、G104N、S71N+L73T及びR127N+E129Tからなる群から選択される一又は複数の変異/変異対を導入することにより生じている、請求項1ないし8のいずれか1項に記載のヒト成長ホルモン変異体。
  10. 変異/変異対の次のセット:
    a.Q49N及びR127N+E129T、
    b.Q49N、E65N及びG104N、
    c.Q49N、L93N及びR127N+E129T、
    d.Q49N、E65N、L93N及びG104N、
    e.Q49N、E65N、G104N及びR127N+E129T、
    f.Q49N、E65N、S71N+L73T、G104N及びR127N+E129T、
    g.Q49N、E65N、S71N+L73T、L93N、G104N及びR127N+E129T、
    h.Q49N、E65N、S71N+L73T、L93N、A98N、G104N及びR127N+E129T、
    i.S71N+L73T、L93N、A98N及びG104N、
    j.L93N、G104N及びR127N+E129T、及び
    k.S71N+L73T、L93N、G104N及びR127N+E129T
    l.L93N、A98N、L101T及びG104N、
    m.L93N、A98N及びG104N、及び
    n.L93N、L101T及びG104N、
    から選択される、一又は複数の変異を含む、請求項1ないし9のいずれか1項に記載のヒト成長ホルモン変異体。
  11. 一又は複数の化学的変異又は付加的変異を含む、請求項1ないし10のいずれか1項に記載のヒト成長ホルモン変異体。
  12. 請求項1ないし11のいずれか1項に記載のヒト成長ホルモン変異体をコードする核酸、DNAコンストラクト又はベクター。
  13. N-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体を調製する方法であって、該方法が、真核細胞中で請求項12に記載の核酸、DNAコンストラクト又はベクターを組換え発現させることを含む方法。
  14. N-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体が、一又は複数のN-グリカンでグリコシル化されている、請求項1ないし11のいずれか1項に記載のヒト成長ホルモン変異体であり、該N-グリカンが、該ヒト成長ホルモンが変異体において、一又は複数のN-グリコシル化モチーフ(N-X-S/T)に結合しており、N-グリコシル化モチーフが野生型ヒト成長ホルモンに存在しない、N-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体。
  15. 少なくとも50%の成長ホルモン変異体がN-グリコシル化されている、請求項14に記載のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体を含有する調製物。
  16. 少なくとも50%のN-グリカンが、少なくとも一のシアル酸部分を有する、請求項14に記載のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体を含有する調製物。
  17. 請求項14に記載のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体を含有する製薬用組成物を調製する方法であって、該方法が、
    a.N-グリコシル化を実施可能な宿主細胞において、請求項8に記載のベクターの核酸、DNAコンストラクトを組換え発現させ、
    b.N-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体を精製し、
    c.工程bで精製されたN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体を含有する製薬的に許容可能な製剤を調製する、
    工程を含む方法。
  18. 請求項14に記載のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体、又は請求項15又は16に記載の調製物と、製薬的に許容可能な担体を含有する製薬用組成物。
  19. 請求項14に記載のN-グリコシル化ヒト成長ホルモン変異体、請求項15又は16に記載の調製物、又は請求項15に記載の製薬用組成物を治療的有効量、哺乳動物に投与することを含む、ヒト成長ホルモンを必要とする哺乳動物を処置する方法。
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