JP2008505184A - 完全にカルバミル化されたエリトロポイエチンを生成する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、得られたカルバミル化エリトロポイエチンが、リジンおよびN末端アミノ酸上に約10%未満の遊離第1級アミンを有し、Lys−Cタンパク質分解に暴露した場合に消化されず、TF−1またはUT−7/EPOR細胞生存性アッセイにおいて1μg/mlの濃度でエリトロポイエチン活性を呈さず、座骨神経アッセイで約0.65未満の静止座骨神経指標を示すようなカルバミル化エリトロポイエチンを生成するための方法に関する。さらに、本発明は、本発明のカルバミル化エリトロポイエチンを含む医薬組成物ならびにその医薬組成物の興奮性組織の症状および疾患を処置するための使用に関する。

Description

エリトロポイエチンが、以前から認識されている造血活性に加えて組織保護活性を有することが最近発見されている。PCT/US00/10019。エリトロポイエチンの組織保護態様に関する更なる研究により、2つの作用を分けることができ、そしてこれは、エリトロポイエチンのアミノ酸骨格に対する化学的および変異的修飾のような種々の修飾により達成され得るということが示されている。PCT/US01/49479およびPCT/US03/20964。特にリジンまたはN末端アミノ酸のうちでエリトロポイエチンの1個以上の第1級アミノ基のカルバミル化により組織保護性サイトカインを作製することができるということが注目されている。PCT/US01/49479。
タンパク質アミノ基のカルバミル化は、尿素の存在下で自然に発生する。これは、尿素と平衡状態にあるシアン酸アンモニウムの反応性形態であるイソシアン酸のためであり、N末端アミノ酸およびリジンの側鎖の第1級アミノ基と反応する。このカルバミル化は、エリトロポイエチン内で同様に観察されている。
タンパク質をカルバミル化する方法は、同様に開示されている。GR Stark、Methods in Enzymology 11: 590-594(1967)、GR Stark、W.H.SteinおよびS.Moore、J.Biol.Chem 235: 3177-3181(1960)。加えて、1つのアミノ基を他のものより優先して選択的にカルバミル化する、すなわちリジンの優先的カルバミル化のための方法が記載されている。Zeng,J.(1991)。カルバミル化およびグアニジン化によるメタロチオネインのリジン修飾、Methods in Enzymology 205: 433-437。エリトロポイエチンのカルバミル化は、そのエリトロポイエチン活性に及ぼすその有害な影響を決定するために評価されている。K.C.MunおよびT.A.Golper(2000)。シアン酸塩カルバミル化により損なわれたエリトロポイエチンの生物学的活性。Blood Purif.18: 13-17; R.Satake、H.Kozutsumi、M.Takeuchi、K.Asano(1990)。エリトロポイエチンの化学的修飾:グアニジン化によるインビトロ活性の増加。Biochim.Biophys Acta 1038: 125-129; およびL.O.Pedersenら、Eur J Immunol 25: 1609-1616(1995)。しかしながら、カルバミル化エリトロポイエチンが何らかの組織保護活性を有するかどうかの認識は全くなく、それがエリトロポイエチンの造血効果に関係するという理由だけで、これらの初期の研究は、単にエリトロポイエチンのリジンのカルバミル化の影響を評価するだけであった。加えて、これらの文献は、エリトロポイエチン内で生じるアミノ酸のカルバミル化の実際の程度とは対照的に、エリトロポイエチンに及ぼすその影響に関してカルバミル化を特徴付けした。
更に、カルバミル化エリトロポイエチンの治療用途が新たに発見されたので、特に規制基準に従ってそれを製造する目的のための放出アッセイとしてのカルバミル化エリトロポイエチンの治療活性を確認するためのアッセイに関して必要性が存在する。第PCT/US01/49479号、第PCT/US03/20964号、第PCT/US03/21350号、第PCT/US04/15733号、第PCT/US04/15863号および米国特許出願第10/185841号(参照として本明細書に組み入れられる)に開示されるように、化合物の組織保護効果、例えば外傷性脳損傷、外傷性脊髄損傷、脳卒中モデル、多発性硬化症のためのEAEモデルを評価するためのいくつかのアッセイが開示されている。しかしながら、これらのアッセイには、完了するために相当量の時間および熟練した人材が必要であり、そして化合物の組織保護効果の検証が、アッセイ開始後数週間または数ヶ月ではできないこともある。好ましくは、放出アッセイは、より短時間内に完了でき、そして再現性の高い結果を提供できるべきである。したがって、カルバミル化エリトロポイエチンの治療活性を検証するための迅速かつ再現性のあるアッセイに関する必要性が依然存在する。
望ましくないレベルの凝集物のような夾雑物を含まない一貫したレベルのカルバミル化を呈するカルバミル化エリトロポイエチンを生成するための方法に関する必要性が依然として存在している。生物学的化合物は、十分に特徴付けられ、そして一貫すべきという食品医薬品局の規制要件に鑑みて、カルバミル化エリトロポイエチンの特徴を確認する方法および生物学的化合物の活性を容易に検証するための生物学的放出アッセイに関する必要性が存在する。
本発明は、リジンおよびN末端アミノ酸上に約10%未満の遊離第1級アミンを有するカルバミル化エリトロポイエチンを生成するための方法に関する。該方法は、4mg/ml未満の濃度の量のエリトロポイエチンを約0.05〜2Mの濃度のシアン酸カリウムと、約0.05〜0.5Mの濃度のホウ酸ナトリウムバッファー(pH7〜10)と、約30〜38℃の温度で、約1〜24時間の期間接触させることを包含する。得られたカルバミル化エリトロポイエチンは、Lys−Cタンパク質分解に暴露した場合に消化されず、TF−1またはUT−7/EPOR細胞生存性アッセイにおいて1μg/mlの濃度でエリトロポイエチン活性を呈さず、座骨神経アッセイで約0.65未満の静止座骨神経指標を示す。最も好ましくは、リジンおよびN末端アミノの第1級アミノ基のみがカルバミル化される。
好ましい実施態様では、該方法のカルバミル化エリトロポイエチンは、リジンおよびN末端アミノ酸上に約7.5%未満の遊離第1級アミンを有し、最も好ましい実施態様ではカルバミル化エリトロポイエチンは、リジンおよびN末端アミノ酸上に約5%未満の遊離第1級アミンを有する。別の実施態様では、カルバミル化エリトロポイエチンは、10%未満の凝集物、好ましい実施態様では6%未満の凝集物、最も好ましい実施態様では2%未満の凝集物を有する。
本方法の実施態様では、エリトロポイエチンは、組換えエリトロポイエチン、長時間作用性エリトロポイエチン、エリトロポイエチン誘導体、エリトロポイエチン類似体、エリトロポイエチン抱合体、エリトロポイエチン融合タンパク質、化学的修飾エリトロポイエチン、エリトロポイエチン変異タンパク質、発現系が媒介するエリトロポイエチンのグリコシル化修飾体、合成エリトロポイエチン、または天然に存在するエリトロポイエチンである。好ましい実施態様では、エリトロポイエチンはヒトエリトロポイエチンである。別の好ましい実施態様では、エリトロポイエチンはアシアロエリトロポイエチンである。
また、該方法の好ましい実施態様では、反応物中のエリトロポイエチンの濃度は、約1.1〜約2.5mg/mlであり、更に好ましくは、約2.2mg/mlである。本方法のシアン酸カリウムは、反応中約0.5〜約1.5M、最も好ましくは、約1Mの濃度で存在する。また、該方法の好ましい実施態様では、ホウ酸ナトリウムバッファーは、反応中約0.1〜約0.5Mの濃度で、更に好ましくは、約0.5Mの濃度で存在する。加えて、バッファーのpHは、好ましくは、pH8.7〜9.2である。
好ましくは、反応を約36〜約38℃の温度で行う。該方法の最も好ましい実施態様では、温度は約37℃である。好ましい実施態様では、反応を14〜24時間、最も好ましい実施態様では約16時間行う。
該方法の好ましい実施態様では、カルバミル化エリトロポイエチンは、TF−1またはUT−7/EPORアッセイにおいて10μg/mlの濃度でエリトロポイエチン活性を呈さない。別の好ましい実施態様では、カルバミル化エリトロポイエチンの静止座骨神経指標は約0.62未満であり、最も好ましい実施態様ではカルバミル化エリトロポイエチンの静止座骨神経指標は、約0.60未満である。
本発明はまた、治療上有効量のカルバミル化エリトロポイエチンならびに医薬的に許容される担体を含む医薬組成物であって、カルバミル化エリトロポイエチンが、リジンおよびN末端アミノ酸上に約10%未満の遊離第1級アミンを有し、Lys−Cタンパク質分解に暴露した場合に消化されず、TF−1またはUT−7/EPOR細胞生存性アッセイにおいて1μg/mlの濃度でエリトロポイエチン活性を呈さず、座骨神経アッセイで約0.65未満の静止座骨神経指標を示す医薬組成物にも関する。
医薬組成物の好ましい実施態様では、カルバミル化エリトロポイエチンは、リジンおよびN末端アミノ酸上に約7.5%未満の遊離第1級アミンを有し、最も好ましい実施態様では、カルバミル化エリトロポイエチンは、リジンおよびN末端アミノ酸上に約5%未満の遊離第1級アミンを有する。
また、本発明の好ましい実施態様では、医薬組成物中のカルバミル化エリトロポイエチンは、TF−1またはUT−7/EPOR細胞生存性アッセイにおいて10μg/mlの濃度でエリトロポイエチン活性を呈さない。別の実施態様では、医薬組成物は、静止座骨神経指標が0.62未満、好ましくは、0.60未満であるカルバミル化エリトロポイエチンを有する。
本発明はまた、無毒性の量の医薬組成物を投与することを含む、興奮性組織の症状または疾患を治療するための方法にも関する。1つの実施態様では、処置され得る興奮性組織は、心臓、眼、または腎臓組織である。別の実施態様では、処置される症状または疾患は、視神経炎、眼への鈍的または穿通性損傷、眼の感染、サルコイド、鎌状赤血球症、網膜剥離、側頭動脈炎、網膜虚血、黄斑変性、網膜剥離、網膜色素変性、動脈硬化性網膜症、高血圧性網膜症、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉塞、低血圧症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、冠動脈疾患、心筋梗塞、ドレスラー症候群、狭心症、先天性心疾患、弁膜性心筋症、プリンツメタル型狭心症、心破裂、動脈瘤中隔穿孔、脈管炎、不整脈、うっ血性心不全、心筋症、心筋炎、肺性心、心臓への鈍的または穿通性外傷、毒性中毒、腎不全、血管/虚血、間質病、糖尿病性腎臓疾患、ネフローゼ症候群、腎臓感染、またはヘノッホ・シェーンライン紫斑病である。
本発明のカルバミル化の方法は、エリトロポイエチンの8個のリジンおよびN末端アミノ酸の第1級アミンの選択的カルバミル化を提供する。好ましい実施態様では、本方法は、リジンおよびN末端アミノ酸の第1級アミンの独占的なカルバミル化を招き、本明細書では、エリトロポイエチンの完全カルバミル化と称する。本質的には、方法は以下の工程から成る:
A)エリトロポイエチンの濃縮
B)エリトロポイエチンのカルバミル化
C)脱塩
D)完全カルバミル化エリトロポイエチンの精製
E)完全カルバミル化エリトロポイエチンの分析
F)インビトロおよびインビボアッセイを用いる非エリトロポイエチン活性および組織保護活性の検証。
A.エリトロポイエチンの濃縮
エリトロポイエチンは、ヒトでは約34kDaの分子量を有する糖タンパク質ホルモンである。成熟タンパク質は、約165個のアミノ酸を含み、そしてグリコシル化残基は、分子量の約40%を成す。成熟エリトロポイエチンタンパク質は、8個のリジン残基を有する。N末端アミノ酸(アラニン)に加えて、これらは、カルバミル化の可能性のある9個の第1級アミノ基を提供する。エリトロポイエチンは、市販により例えば商標PROCRITでオルト・バイオテック社(ラリタン、ニュージャージー州)から入手可能、EPOGENでアムゲン社(サウザンドオークス、カリフォルニア州)から入手可能、およびRECORMONでロシュ(バーゼル、スイス)から入手可能である。天然のエリトロポイエチンに加えて、本発明の実施に有用な他の形態のエリトロポイエチンは、ヒトおよび他の哺乳動物エリトロポイエチンの天然、合成、および組換え形態の化学的修飾体、変異タンパク質、および/または発現系が媒介するグリコシル化修飾体を包含する。米国特許第5457089号および米国特許第4835260号に記載されるカルボキシ末端でアミノ酸が変化したもの;米国特許第5856298号に記載されるような分子あたり様々な数のシアル酸残基を有するエリトロポイエチンアイソフォーム;米国特許第4703008号に記載されるポリペプチド;米国特許第5767078号に記載されるアゴニスト;米国特許第5773569号および第5830851号に記載されるようなエリトロポイエチン受容体に結合するペプチド;米国特許第5835382号に記載されるような小型分子擬似物質;ならびにPCT/US00/10019およびPCT/US03/20964に記載されるようなエリトロポイエチン活性を欠如する化学的修飾エリトロポイエチン(例えばアシアロエリトロポイエチン)または組換えエリトロポイエチン(例えばS100EまたはS100E/K97Aエリトロポイエチン変異タンパク質)などの、分子のエリトロポイエチン活性を改善するように志向された活性を有するエリトロポイエチンの種々の修飾形態が記載されている。加えて、シアル酸残基、グリコシル化部位、ポリエチレングリコール(PEG)、もしくはその他のタンパク質の一部(融合タンパク質)、または前記の任意の組み合わせの付加により天然に存在するまたは組換えヒトエリトロポイエチンのいずれかよりも大きなインビボ半減期を有するエリトロポイエチンの修飾形態が開発されている。かかる長時間作用性エリトロポイエチンの実例は、アムゲン社(サウザンドオークス、カリフォルニア州)から入手可能なARANESP、ロシュ(バーゼル、スイス)から入手可能なCERA、ならびに国際公開公報第03029291号で教示されるジグリコシル化およびペグ化エリトロポイエチンである。長時間作用性エリトロポイエチンには、限定するものではないが、米国特許第5856298号で教示されるようなシアル酸残基の増加、欧州特許第0640619号に教示されるような糖の付加、国際公開公報第0102017号および国際公開公報第0032772号に教示されるようなポリエチレングリコール(PEG)残基の付加、米国特許出願番号第20040009902号、第20030124115号および第20030113871号ならびに米国特許第6242570号に教示されるようなエリトロポイエチンとの融合によるタンパク質の付加、化学的修飾、PCT出願番号第US94/02957号および米国特許出願番号第20030077753号に教示されるような組換えもしくは天然に存在するいずれかのヒトエリトロポイエチンの天然に存在するグリコシル化パターンの修飾、ならびに/または米国特許出願番号第20020081734号に教示されるような変異体により、半減期が延長されたエリトロポイエチンが含まれる。更なる長時間作用性エリトロポイエチンには、以下の特許出願:国際公開公報第0102017号、欧州特許第1064951号、欧州特許第1345628号、国際公開公報第03029291号、欧州特許第0640619号、第US2003077753号、第US20030120045号、ならびに米国特許第6583272号および第6340742号に教示される、ジグリコシル化およびペグ化エリトロポイエチン抱合体が挙げられる。本発明の目的のために、エリトロポイエチンに対する言及には、エリトロポイエチン、長時間作用性エリトロポイエチン、エリトロポイエチン誘導体、エリトロポイエチン類似体、エリトロポイエチン抱合体、エリトロポイエチン融合タンパク質等が挙げられるべきである。
該方法を溶液中でエリトロポイエチンを用いて実施することができるが、溶液の処理容量が少ないことが、反応の速度および完全性に最良である。限定するものではないが、遠心ろ過および攪拌ろ過を含む限外ろ過方法を用いてエリトロポイエチンを濃縮することができる。約10kDa以下の分子量カットオフ(MWCO)膜を限外ろ過方法に用いる。濃縮手順の後、エリトロポイエチンは、約2mg/ml超約20mg/ml以下、好ましくは約2.2〜約10mg/ml、最も好ましくは、約4〜6mg/mlの濃度で存在すべきである。
B.エリトロポイエチンのカルバミル化
エリトロポイエチンを濃縮した後、エリトロポイエチンのカルバミル化を行う。反応のための試薬は、エリトロポイエチンに加えてシアン酸塩およびバッファーから成る。いくつかの因子が、限定するものではないが、(1)試薬の濃度(エリトロポイエチン、シアン酸塩);(2)反応のバッファーおよびpH;(3)反応の温度;および(4)反応時間の長さ;を含むカルバミル化手順に影響する。これらを以下で論じる。
(1)試薬の濃度
(a)エリトロポイエチン
カルバミル化反応溶液では、エリトロポイエチンの濃度は前記で記した濃度の約半分、すなわち約1mg/mlから約10mg/ml以下、好ましくは、約2〜4mg/ml、最も好ましくは、約2〜3mg/mlである。
(b)シアン酸塩
本方法に適切なシアン酸塩には、限定するものではないが、シアン酸カリウム、シアン酸ナトリウム、シアン酸アンモニウム、または任意のその他の許容される陽イオンが挙げられる。好ましくは、シアン酸塩はシアン酸カリウムである。またカルバミル化の前に、シアン酸塩をエタノール(50〜100%)から再結晶するのが好ましい。加えて、再結晶したシアン酸塩の効力を検証するために、小規模な試験的カルバミル化反応を行って、用いられる再結晶されたシアン酸塩でエリトロポイエチンが完全にカルバミル化されることを検証することができる。反応溶液中のシアン酸塩の濃度は、好ましくは、約0.05〜1.75M、更に好ましくは、約0.5〜1.5M、最も好ましくは、1Mである。
(2)反応のバッファーおよびpH
好ましくは、バッファーは、溶液のpHを約7〜10、最も好ましくは、約8.7〜9.2に維持することができるべきである。適当なバッファーには、限定するものではないが、リン酸塩バッファーおよびホウ酸塩バッファーなどの任意のアミン不含バッファーが含まれる。好ましくは、バッファーは、ホウ酸塩バッファー、更に好ましくは、それはホウ酸ナトリウムバッファーである。カルバミル化反応溶液中のバッファーの濃度は、好ましくは、約0.05〜0.5M、最も好ましくは、0.5Mである。
(3)反応の温度
反応溶液を適当な温度に維持する。特に溶液の温度を30〜38℃、好ましくは、約36〜38℃、最も好ましくは、約37℃に維持してもよい。
(4)反応の時間
エリトロポイエチンのすべてのリジンおよびN末端アミノ基のカルバミル化を招くのに十分な時間で反応を行うべきである。約1〜約24時間、好ましくは、約6〜約24時間、更に好ましくは、約14〜約17時間、そして最も好ましくは、約16時間反応を行うことができる。
C.脱塩
カルバミル化反応に続いて反応溶液を脱塩する。これは、限定するものではないが、透析、脱塩カラムまたは遠心ろ過装置などの種々の方法によりこれを達成できる。例えば、反応溶液を、約100〜1000倍容量の蒸留水、リン酸塩バッファー(pH〜7.2)、クエン酸塩バッファー(pH〜6.8)、または10mMトリス−HClバッファー(pH8.6)に対して、約2〜8℃で透析(複数回交換する)することができる。あるいはG−25セファデックスを含むPD−10カラム(双方共にアメルシャム・バイオサイエンシズ社(ピスカタウェイ、ニュージャージー州)から入手可能)を用いて脱塩を行うことができる。
D.精製
脱塩後、反応溶液を精製してカルバミル化エリトロポイエチンを単離し、そして凝集物を除去する。反応溶液の精製は、限定するものではないが、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ゲルろ過(サイズ排除)クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、および限外ろ過技術などの種々のクロマトグラフィー法を用いて達成することができる。上述の方法のいずれか1つまたはこれらの方法の組み合わせを用いて精製を達成することができ、例えばProtein Purification Handbook、18-1132-29,アメルシャム・ファルマシア・バイオテックを参照のこと。例えばセファクリルS−100のようなゲルろ過カラムを用いて0.15M NaClを含む50mM リン酸ナトリウムバッファー(pH約7.0〜7.2)でカルバミル化エリトロポイエチンの精製を達成することができる。
この最終手順の結果は、約10%未満の遊離第1級アミン(すなわち約90%超のリジンがホモシトルリンに修飾される)、好ましくは、約7.5%未満の遊離第1級アミン(すなわち約92.5%超のリジンがホモシトルリンに修飾される)、最も好ましくは、約5%未満の遊離第1級アミン(すなわち約95%超リジンがホモシトルリンに修飾される)を有するカルバミル化エリトロポイエチンである。加えて、カルバミル化エリトロポイエチンは、溶液中の凝集物が約10%未満、好ましくは、凝集物が約6%未満、最も好ましくは、凝集物が約2%未満であるべきである。
E.カルバミル化エリトロポイエチンの分析
カルバミル化手順の完了時に:(1)エリトロポイエチンが完全にカルバミル化されている;(2)カルバミル化エリトロポイエチンが純粋であり凝集物を含まない;および(3)カルバミル化エリトロポイエチンがエリトロポイエチン活性を欠如する;および(4)カルバミル化エリトロポイエチンは、組織保護性である;ことを確認することが必要である。
(1)カルバミル化の完全性
リジンおよびN末端アミノ基の完全なカルバミル化を、限定するものではないが、カルバミル化エリトロポイエチンのタンパク質分解(Lys C消化、トリプシン消化、酸またはアルカリ加水分解等を用いる)、続く質量分析(LC/MS/MS)、マトリクス支援レーザー脱離イオン化(MALDI−TOF)、MALDI TOF/TOF(登録商標)、エレクトロスプレーイオン化(ESI−TOF)、トリプル四重極TOF、およびESI−MS/MS、ゲル電気泳動もしくは等電点ゲル電気泳動(IEF)、またはアミノ酸分析(ヘモシトルリンに関して)を含むいくつかの技術を用いて検証することができる。
例えばIEFゲルを最初に用いてカルバミル化が成功したことを確認することができる。カルバミル化が成功した場合、カルバミル化エリトロポイエチンのIEFゲルは、約3.5〜5のPIを有するエリトロポイエチンと比較して3.5未満のPIを示す。
16%トリシンゲルまたは18%トリグリシンゲルのようなPAGEによるカルバミル化エリトロポイエチンのLys−C消化の分析を用いてエリトロポイエチンのカルバミル化の程度の更に正確な測定を行うことができる。Lys−Cは、(酸性アミノ酸がそれに続かない場合)未修飾リジン残基の後のタンパク質を切断するエンドペプチダーゼである。エリトロポイエチン分子には、8個のリジン残基が存在するが、そのうちの2個には、グルタミン酸が続く。したがってLys−Cは、エリトロポイエチンを6個の部位で7個の小型ペプチドに切断し、これらは未消化のカルバミル化エリトロポイエチンよりも速く移動する。6個すべてのリジン残基がカルバミル化された場合、得られたカルバミル化エリトロポイエチンは、Lys−Cにより消化されず、そしてLys−C処理カルバミル化エリトロポイエチンは、Lys−Cにより消化されていないカルバミル化エリトロポイエチンと同一のスポットに移動する。カルバミル化エリトロポイエチン生成物が完全にカルバミル化されていない場合、それは、Lys−Cにより部分的に消化される。したがって、カルバミル化エリトロポイエチン生成物のLys−C消化物のゲル分析によりカルバミル化のレベルが推測される。好ましくは、PNGaseを用いるカルバミル化エリトロポイエチンの脱グリコシル化の前にLys−C消化を行うことができる。
Lys−C消化のために試料(200μg)を真空下乾燥させ、そして6MグアニジンHCl、250mMトリス(pH9.5)に溶解する。0.1Mジチオエリスリトール(DTE)25μlを加え、そして暗中37℃でインキュベーションを続ける。30分後、ヨードアセタミド(IAA)(0.6M)25μlを加え、そして暗中室温で60分間インキュベーションを続ける。最後に試料を5mlハイトラップG25カラム(アメルシャム−バイオサイエンシズ、リトルチャルフォント、英国)で50mM NHHCO、0.4M尿素(pH8.3)に脱塩する。1/4容量(タンパク質50μgを超えない)をアクロモバクター・リティカス(ロシュ、マンハイム、ドイツ)のLys−Cプロテイナーゼ2μgと共に37℃で20時間インキュベートする。消化した試料をRP−HPLCまたはSDS−PAGE(MESバッファー系を用いるNuPAGE 4〜12%、インビトロゲン、カールスバッド、カリフォルニア州)のいずれかで分析する。
加えて、トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)アッセイを用いて完全にカルバミル化されたエリトロポイエチン中に残存する遊離アミノ基(リジンおよびN末端アミノ酸)を測定することができる。このアッセイでは、3つのアッセイを実行し、1つはエリトロポイエチン用であり、1つはバッファー(対照)用であり、そして1つはカルバミル化エリトロポイエチンを用いる。各試料を遮光チューブ内でホウ酸塩バッファー(0.3N、pH>9.5)中TNBSと混合して、タンパク質に関して0.5mg/ml、TNBSに関して0.3mMの最終濃度、および全反応容量0.5〜1.0mlを達成する。混合物を室温で1時間反応させ、そして次にマイクロキュベットに移す。次いでキュベットをスペクトロフォトメーターで200〜400nmでスキャンする。各試料に関するスキャニング結果を印刷し、そしてピークおよびピーク吸光度を各試料に関して同定する。次いでカルバミル化エリトロポイエチン内の遊離アミノ基のパーセンテージを以下のように計算する。(カルバミル化エリトロポイエチン試料に関するピーク吸光度−ブランクに関するピーク吸光度)/エリトロポイエチンに関するピーク吸光度。この評価の目的のために、エリトロポイエチンが100%遊離アミノ基を有していると仮定する。完全にカルバミル化されたエリトロポイエチン中の遊離アミノ基のパーセンテージは、約10%以下であり、好ましくは、完全にカルバミル化されたエリトロポイエチン中の遊離アミノ基のパーセンテージは、7.5%以下であり、最も好ましくは、完全にカルバミル化されたエリトロポイエチン中の遊離アミノ基のパーセンテージは、5%以下である。
加えて、アミノ酸マッピング(ホモシトルリンに関して)および質量分析(MALDI−TOFおよびLC/MSのような)を用いて8個すべてのリジンおよびN末端アミノ酸の第1級アミンがカルバミル化されたことを決定することができる。更に、これらの方法を用いてタンパク質を分析し、そして完全にカルバミル化されたエリトロポイエチンにおいてリジンおよびN末端アミノ酸の第1級アミンのみがカルバミル化されていることを確認することができる。
(2)純度および凝集物の除去
本発明の方法に従ってカルバミル化エリトロポイエチン生成物中の凝集物およびタンパク質含量の不在/低レベルを確認する。ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE、還元および非還元条件下)のような電気泳動およびSE−HPLC分析のような液体クロマトグラフィーを用いて凝集物の除去を確認することができる。加えてUVスキャニング(A280)または酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を用いてタンパク質含量を確認することができる。
(3)カルバミル化エリトロポイエチン活性の検証
(a)造血またはエリトロポイエチン活性の欠如
TF−1またはUT−7/EPORインビトロアッセイを用いて、修飾されたまたは本明細書に記載したような組換え組織保護サイトカインの非エリトロポイエチン活性を検証することができる。TF−1アッセイでは、TF−1細胞、ヒト赤白血病細胞系(ATCCから入手可能)を5ng/ml GM−CSFを補充したRPMI−1640完全培地(10%FCS)中COインキュベーター内で37℃で成長させる。第1日目に細胞を飢餓培地(GM−CSF不含5%FCS)で2回洗浄し、そして10セル/mlの密度で懸濁し、続いて16時間インキュベートする。第2日目に96ウェルプレートを準備する:(1)滅菌水100μlを外側のウェルに加えて湿度を維持する;(2)ブランクとして5個のウェルに飢餓培地(GM−CSF不含5%FCS)を単独で加える;(3)試薬を含まない細胞対照として5個のウェルに25000セル/ウェルを播種する;(4)漸増濃度のエリトロポイエチン(エリトロポイエチンの濃度あたり5ウェル)を伴って25000セル/ウェルを播種する;そして(5)残りのウェルに漸増濃度のカルバミル化エリトロポイエチン試料(カルバミル化エリトロポイエチンの濃度あたり5ウェル)を伴って25000セル/ウェルを播種する。攪拌プレートの上部に取り付けた軌道振動プラットフォームを用いて内容物を短時間で、そして注意深く混合する。アッセイで用いるエリトロポイエチンおよびカルバミル化エリトロポイエチンの種々の濃度は、0.1ng/ml〜10μg/mlである。次いで96ウェルプレートを加湿インキュベーター内で5%COを伴って37℃で48時間インキュベートする。アッセイの第4日目にWST−1細胞増殖試薬(ロシュ)の溶液15μlを各ウェルに加え、CO中37℃で1時間インキュベートする。1分間混合した後、プレートリーダーでプレートを読む(450nmでの吸収、650nmでのバックグラウンド吸収から引く)。この手順は、テトラゾリウム色素の細胞代謝の間に形成されるホルマザン生成物を測定し、これは、細胞生存性/細胞数と相関する。1μg/ml、好ましくは10μg/mlカルバミル化エリトロポイエチンの存在下に等しい濃度で細胞が増殖できない場合、カルバミル化エリトロポイエチンの非エリトロポイエチン活性が確認されている。
加えて、ヒトエリトロポイエチン依存性白血病細胞系、UT−7/EPORを用いてカルバミル化エリトロポイエチンの赤血球効果を決定する。UT−7/EPOR細胞(ドイツ微生物および培養細胞コレクション(DSMZ)、カタログ番号ACC 363)は、通常5ng/mlエリトロポイエチンを補充したRPMI−1640完全培地(10%FBS)中で成長する。エリトロポイエチンに暴露された細胞の増殖/生存(生存率増加)応答は、ホモ二量体古典的エリトロポイエチン受容体により媒介される。増殖応答は、エリトロポイエチン変種が古典的エリトロポイエチン受容体を刺激する能力の定量的測定値でありそれに相関する。前記で開示したTF−1アッセイと類似しているUT−7/EPORアッセイは、エリトロポイエチン(5ng/ml)を補充した新鮮RPMI−1640完全培地に細胞を移すことにより行われる。次いでフラスコあたり培養物20mlの入った75cmフラスコ中で細胞を成長させる。アッセイの第2日目に細胞を2回洗浄し、そして25cmフラスコ中飢餓培地(10%の代わりに3%血清を含有する)に4×10セル/mlの密度で再懸濁する。次いで細胞を加湿インキュベーター内で5%COを伴って37℃で4時間インキュベートする。4時間のインキュベーションの後、96ウェルプレートを準備し、そして残りの手順は、ウェルあたり20000セルを播種する以外は、前記で記したTF−1アッセイと同一である。好ましくは、双方のアッセイにおいてカルバミル化エリトロポイエチンは、1μg/mlよりも少ない用量で、更に好ましくは、10μg/mlよりも少ない用量でエリトロポイエチン活性を有さない。
(b)組織保護活性
加えて、本発明は、エリトロポイエチンの組織保護活性を確認するための確固とした効率的で、そして効果的な放出アッセイに関する。特に本発明は、放出として座骨神経アッセイを利用する。
スプラーグ・ドーリーラットを用いて座骨神経アッセイを実施する。イソフルラン麻酔下で防寒用毛布によりラット中核体温を37℃で制御し、そして実験室の温度は、23℃以上を維持し、そしてラットの左座骨神経を大腿中央で露出させる。2−0シルク(エチコン685G)の結紮を座骨神経周囲に置き、硬質のポリエチレンチューブおよびて滑車系を介して取り付けた100gの重りで安定化させて1分間牽引する。カルバミル化エリトロポイエチンまたは対照(生理食塩水または組織保護サイトカインと同一の濃度のウシ血清アルブミン溶液)の1回用量を静脈内投与した後、即座に結紮を緩め、そして完全に回復するまで動物を加熱毛布上で維持する。デジタルスキャナに立たせたラットの足跡を3回分析することにより神経学的機能を得点化する(S.Erbayraktarら、Proc Natl Acad Sci USA 100: 6741-6746(2003); G.Grassoら、Med Sci Monit 10(l): BR1-3(2004))。損傷(左)側対非損傷(右)側に関してパラメーターを比較して静止座骨神経指標(SSI;上記)を得た。手術後連続4日間毎日分析を実施し、そして曲線下の面積を計算して動物を得点化する。カルバミル化エリトロポイエチンが組織保護性であれば、カルバミル化エリトロポイエチンで処置したラットに関するSSIは、PBS処置したラットに関するSSIより小さくなる。好ましくは、カルバミル化エリトロポイエチンに関するSSIは、0.65以下であり、更に好ましくは、カルバミル化エリトロポイエチンに関するSSIは、0.62以下であり、最も好ましくは、0.60以下である。
先に記載した条件下で本発明の座骨神経アッセイは、再現性のある損傷のレベルおよび一貫した応答を実証しており、したがってこのアッセイは、アッセイ開始の5日以内にカルバミル化エリトロポイエチンの組織保護効果を立証するための確固とした方法を提供する。このアッセイの比較的迅速な読み出しおよびこのアッセイのそのロバスト性を考えると、化合物の用量範囲、投与方法およびその他の薬物動態特性を評価するための現実的でそして便利なメカニズムもまた提供される。
F.更なる修飾
一度、完全にカルバミル化されたエリトロポイエチンの特性((1)エリトロポイエチンが完全にカルバミル化されている;(2)カルバミル化エリトロポイエチンが純粋であり、そして凝集物を伴なわない;および(3)カルバミル化エリトロポイエチンは、エリトロポイエチン活性を欠如し、そして(4)カルバミル化エリトロポイエチンは、組織保護性である)が確認されると、完全にカルバミル化されたエリトロポイエチンを更なる修飾に供することができる。かかる修飾には、限定するものではないが、脱グリコシル化、ペグ化、その他のタンパク質との融合、および更なる化学修飾が挙げられる。
また、本発明の完全にカルバミル化されたエリトロポイエチンを哺乳動物の内皮細胞バリアを通る分子の輸送を促進する目的のために別の分子に会合させることにより更に修飾することができる。体内の特定の器官の内皮細胞間の緊密な接合は、特定の分子の侵入に対するバリアを創成する。バリアで囲まれた器官内の種々の症状の治療のために、医薬品の通過を促進するための手段が望ましい。本発明の完全にカルバミル化されたエリトロポイエチンなどのカルバミル化エリトロポイエチンは、他の分子を血液脳関門およびその他の類似のバリアを越えて分布させるためのキャリヤとして有用である。カルバミル化エリトロポイエチンと共にバリアを通過することが望まれる分子を含む組成物を調製し、そして該組成物の末梢投与がバリアを通る組成物のトランスサイトーシスを招く。バリアを通って輸送されることになっている分子とカルバミル化エリトロポイエチンとの間の会合は、不安定な共有結合でもよく、この場合、分子は、バリアを通過した後にカルバミル化エリトロポイエチンとの会合から放出される。カルバミル化エリトロポイエチンとの会合により分子の望ましい薬理学的活性が維持されるかまたは影響されない場合、かかる複合体を投与することができる。
共有結合、非共有結合およびその他の手段により分子を本発明の完全にカルバミル化されたエリトロポイエチンおよび前記のその他の薬剤と会合させるための種々の手段は、当業者には認識される。更に組成物の有効性の評価を実験系で容易に決定することができる。分子とカルバミル化エリトロポイエチンとの会合を、不安定な、共有結合、架橋等を含むいくつもの手段により達成することができる。ビオチン/アビジン相互作用を用いることができる。例えばカルバミル化エリトロポイエチンをビオチン化し、そして次にアビジンと所望の輸送される分子との不安定な抱合体と複合体形成させる。先に述べたように、組換えまたは合成手段によりハイブリッド分子、例えば望ましい薬理学的活性を有する分子のドメインおよび組織保護活性変調に寄与するドメインの双方を含む融合またはキメラポリペプチドを調製することができる。その分子にプロテアーゼ切断部位を含むことができる。
多官能性分子、すなわち多官能性架橋剤を介して本発明の完全にカルバミル化されたエリトロポイエチンに分子を抱合させることができる。本明細書で用いる「多官能性分子」なる用語は、ホルムアルデヒドのような1回以上連続して反応することができる1つの官能基を有する分子、ならびに1つ以上の反応基を有する分子を包含する。本明細書で用いる「反応基」なる用語は、架橋剤と分子(例えば内皮細胞バリアを通って分布するペプチド、タンパク質、炭水化物、核酸、特にホルモン、抗生物質または抗癌剤)との間で共有結合を形成するために、その分子の官能基と反応する架橋剤の官能基を意味する。「官能基」なる用語は、有機化学におけるその標準的な意味を有している。用いることができる多官能性分子は、好ましくは、生体適合性リンカーであり、すなわちそれはインビボで非発癌性、無毒性、および実質的に非免疫原性である。当技術分野において公知のおよび本明細書に記載したもののような多官能性架橋剤を動物モデルにおいて容易に試験してその生体適合性を決定することができる。多官能性分子は、好ましくは、二官能性である。本明細書で用いる「二官能性分子」なる用語は、2つの反応基を有する分子を意味する。二官能性分子は、ヘテロ二官能性またはホモ二官能性でもよい。ヘテロ二官能性架橋剤によりベクトル的抱合が可能になる。架橋反応がpH6〜8に緩衝された水溶液のような水溶液中で生じるために、そして得られた抱合体がより有効な生体分布のために水溶性のままであるために、多官能性分子が水中で十分に安定であることが特に好ましい。典型的には、多官能性分子は、アミノまたはスルフヒドリル官能基と共有結合する。しかしながら、カルボン酸またはヒドロキシル基のような他の官能基と反応する多官能性分子が本発明において企図される。
ホモ二官能性分子は、少なくとも2個の反応性官能基を有し、それは同一である。ホモ二官能性分子の反応性官能基には、例えばアルデヒド基および活性エステル基が挙げられる。アルデヒド基を有するホモ二官能性分子には、例えばグルタルアルデヒドおよびサブアルアルデヒドが挙げられる。架橋剤としてのグルタルアルデヒドの使用は、Poznanskyら、Science 223: 1304-1306(1984)に開示された。少なくとも2つの活性エステル単位を有するホモ二官能性分子には、ジカルボン酸およびN−ヒドロキシスクシンイミドのエステルが挙げられる。かかるN−スクシンイミジルエステルのいくつかの例には、スベリン酸ジスクシンイミジルおよびジチオ−ビス−(プロピオン酸スクシンイミジル)、およびその可溶性ビス−スルホン酸ならびにそのナトリウムおよびカリウム塩のようなビス−スルホン酸塩が挙げられる。これらのホモ二官能性試薬は、ピアース(ロックフォード、イリノイ州)から入手可能である。
ヘテロ二官能性分子は、少なくとも2つの異なる反応基を有する。反応基は、例えばカルバミル化エリトロポイエチンおよび分子に存在する異なる官能基と反応する。ヘテロ二官能性架橋剤の反応基と反応するこれらの2つの異なる官能基は、通常アミノ基、例えばスルフヒドリル基、例えばシステインのチオール基;カルボン酸、例えばアスパラギン酸のカルボキシラート;またはヒドロキシル基、例えばセリンのヒドロキシル基である。
無論、カルバミル化エリトロポイエチンは、特定の架橋剤との使用に利用可能な適当な反応基を有していない可能性があるが、当業者は、本発明の完全にカルバミル化されたエリトロポイエチンにおける架橋に利用可能な基に基づく架橋剤を選択について十分な認識がある。
ヘテロ二官能性分子の反応基がアミノ基と共有結合を形成する場合、共有結合は、通常アミドまたはイミド結合である。アミノ基と共有結合を形成する反応基は、例えば活性化されたカルボン酸基、ハロカルボニル基、またはエステル基でもよい。好ましいハロカルボニル基は、クロロカルボニル基である。エステル基は、好ましくは、例えばN−ヒドロキシ−スクシンイミドエステル基のような反応性エステル基である。
その他の官能基は、典型的には、チオール基、チオール基に変換され得る基、またはチオール基と共有結合を形成する基のいずれかである。共有結合は、通常チオエーテル基またはジスルフィドである。チオール基と共有結合を形成する反応基は、例えばチオール基または活性化ジスルフィドと反応する二重結合でもよい。チオール基と反応することができる二重結合を含有する反応基は、マレイミド基であるが、アクリロニトリルのようなその他のものもまた可能である。反応性ジスルフィド基は、例えば2−ピリジルジチオ基または5,5’−ジチオ−ビス−(2−ニトロ安息香酸)基でもよい。反応性ジスルフィド結合を含有するヘトロ二官能性試薬のいくつかの例には、3−(2−ピリジル−ジチオ)プロピオン酸N−スクシンイミジル(Carlssonら、Biochem J.173: 723-737(1978))、S−4−スクシンイミジルオキシカルボニル−アルファ−メチルベンジルチオ硫酸ナトリウムおよび4−スクシンイミジルオキシカルボニル−アルファ−メチル−(2−ピリジルジチオ)トルエンが挙げられる。3−(2−ピリジル−ジチオ)プロピオン酸N−スクシンイミジルが好ましい。チオール基と反応する二重結合を有する反応基を含むヘテロ二官能性試薬のいくつかの例には、4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボン酸スクシンイミジルおよびm−マレイミド安息香酸スクシンイミジルが挙げられる。
その他のヘテロ二官能性分子には、3−(マレイミド)プロピオン酸スクシンイミジル、4−(p−マレイミド−フェニル)酪酸スルホスクシンイミジル、4−(N−マレイミドメチル−シクロヘキサン)−1−カルボン酸スルホスクシンイミジル、マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシ−スクシンイミドエステルが挙げられる。m−マレイミド安息香酸スクシンイミジルのスルホン酸ナトリウム塩が好ましい。多くの先に述べたヘテロ二官能性試薬およびそのスルホン酸塩がピアースケミカル社(ロックフォード、イリノイ州、米国)から入手可能である。
先に記載した抱合体が可逆的または不安定であるための必要性は当業者により容易に決定され得る。組織保護活性および望ましい薬理学的活性の双方に関してインビトロで抱合体を試験することができる。抱合体が双方の特性を保持する場合、次いでその適合性をインビボで試験することができる。抱合体分子が活性に関してカルバミル化エリトロポイエチンから分離される必要がある場合、カルバミル化エリトロポイエチンとの不安定な結合または可逆的な会合が好ましい。また不安定性の特徴を標準的なインビトロ手順を用いてインビボ試験の前に試験することもできる。
これらおよびその他の多官能性試薬の作製および使用の仕方に関する更なる情報を以下の出版物または当技術分野において利用可能なその他のものから得ることができる。
Figure 2008505184
加えて、架橋の方法は、MeansおよびFeeney、Bioconjugate Chem.1: 2-12(1990)により概説されている。
先に記載した本発明の方法および組成物が越えるバリアは、限定するものではないが、血液脳関門、血液眼関門、血液精巣関門、血液卵巣関門、および血液子宮関門が挙げられる。
内皮細胞バリアを通る輸送のための候補分子には、例えば、ホルモン(例えば、成長ホルモン)、神経栄養因子、抗生物質、抗ウイルス剤、または抗菌剤、例えば、通常脳およびその他のバリアに囲まれた器官から排除されるもの、ペプチド放射性医薬品、アンチセンス薬物、生物学的に活性な薬剤に対する抗体および抗ウイルス剤、医薬品、ならびに抗癌剤が挙げられる。かかる分子の非限定例には、成長ホルモンのようなホルモン、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、塩基性繊維芽細胞成長因子(bFGF)、形質転換成長因子β1(TGFβ1)、形質転換成長因子β2(TGFβ2)、形質転換成長因子β3(TGFβ3)、インターロイキン1、インターロイキン2、インターロイキン3、およびインターロイキン6、AZT、腫瘍壊死因子に対する抗体、およびシクロスポリンのような免疫抑制剤が挙げられる。加えて、診断目的で脳およびその他のバリアに囲まれた器官内にある細胞、組織、または器官を可視化するために、色素またはマーカーを本発明のエリトロポイエチンまたは組織保護サイトカインの1つに結合させることができる。例としては、患者のアルツハイマー病の進行を決定するために、脳内のプラークを可視化するために用いられるマーカーをエリトロポイエチンまたは組織保護サイトカインに結合させることができる。
本発明はまた、トランスサイトーシスを介して内皮細胞の緊密な接合バリアを通って輸送される分子および前記したようなカルバミル化エリトロポイエチンを含む組成物にも関する。本発明は、更に先に記載したバリアを越えて分子を分布させるための医薬組成物の調製のための、先に記載したような分子とカルバミル化エリトロポイエチンとの間の抱合体の使用に関する。
医薬組成物
カルバミル化エリトロポイエチンの組織保護活性は、PCT出願第PCT/US01/49479号、第PCT/US03/20964号、第PCT/US03/21350号、第PCT/US04/15733号、および第PCT/US04/15863号、ならびに米国特許出願第10/185841号(これら全ては参照として本明細書に組み入れられる)に記されている。一般に、本方法から得られたカルバミル化エリトロポイエチンは、主に神経学的または精神医学的徴候を有する中枢神経系または末梢神経系のヒト疾患、眼科疾患、心血管疾患、心肺疾患、呼吸器疾患、腎臓、泌尿および生殖器疾患、骨疾患、皮膚疾患、消化管疾患、ならびに内分泌および代謝異常の治療的または予防的処置に有用である。特に、かかる症状および疾患には低酸素症が挙げられ、これは、興奮性組織、すなわち第PCT/US03/20984号および米国特許出願第10/185841号に開示するようなカルバミル化エリトロポイエチンの組織保護効果に応答する組織、例えば、限定するものではないが、中枢神経系組織、末梢神経系組織、または心臓組織もしくは網膜組織または腎臓組織、例えば、脳、心臓、網膜/眼、または腎臓のような興奮性組織に悪影響を及ぼす。
したがって、本発明の医薬組成物を用いて、限定するものではないが、網膜虚血、黄斑変性、網膜剥離、網膜色素変性、動脈硬化性網膜症、高血圧性網膜症、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉塞、低血圧、糖尿病性網膜症、神経毒中毒の処置(例えば甲殻類ドーモイ酸中毒、ニューロラチリズム、およびグアム病、筋萎縮性側索硬化症、およびパーキンソン病)、気分障害、不安障害、抑うつ、自閉症、注意欠陥多動障害、認知機能障害、睡眠障害(例えば睡眠時無呼吸および旅行に関連する傷害)、クモ膜下および動脈瘤出血、低血圧ショック、震盪性損傷、敗血症性ショック、アナフィラキシーショック、および種々の脳炎および髄膜炎の後遺症(例えば狼瘡のような結合組織関連の脳炎)、塞栓性または虚血性損傷のための術後処置;全脳照射、鎌状赤血球クライシス、子癇、吸入中毒の処置(例えば一酸化炭素および煙吸入)、重篤な喘息、成人呼吸窮迫症候群、窒息および溺水、インスリンの不適切な投与で生じ得るまたはインスリン生成新生物(インスリノーマ)を伴う低血糖症、ミトコンドリア機能障害、加齢性の認知機能の喪失および老人性認知症、慢性発作性障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、認知症、記憶喪失、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、結節性硬化症、ウィルソン病、脳および進行性核上性麻痺、グアム病、レビー小体型認知症、プリオン病(例えば海綿様脳症、例えばクロイツフェルト・ヤコブ病)、ハンチントン病、筋緊張性ジストロフィー、フリードリッヒ運動失調およびその他の運動失調、ジルドラトゥレット症候群、発作性障害(例えばてんかんおよび慢性発作性障害)、卒中、脳または脊髄外傷、AIDS認知症、アルコール中毒、自閉症、網膜虚血、緑内障、自律神経機能障害(例えば高血圧および睡眠障害)、精神神経障害(例えば統合失調症、統合失調感情障害、注意欠陥障害、気分変調性障害、大うつ病性障害、躁病、強迫性障害、精神活性物質使用障害、恐怖症、パニック障害ならびに単極性および双極性気分障害)、ニューロパチー(例えば糖尿病性ニューロパチーまたは化学療法誘起のニューロパチー)、敗血症、ならびに創傷治癒(褥瘡を含む)を含む種々の症状および状況における低酸素症状の結果である興奮性組織に対する傷害を治療または予防することができる。かかる症状および状況の非限定例を本明細書以下の表にて提供する。
Figure 2008505184

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本発明の医薬組成物を本発明のカルバミル化エリトロポイエチンと、限定するものではないがその他の組織保護サイトカインなどの他の治療薬との混合物から作ることができることは当業者には、理解されよう。
1つの実施態様では、カルバミル化エリトロポイエチンのかかる医薬組成物を全身投与して標的細胞、組織または器官を保護または強化することができる。かかる投与は、非経口的、吸入を介して、または経粘膜的、例えば経口、経鼻的、経直腸的、膣内、舌下、粘膜下、または経皮的でもよい。好ましくは、投与は、非経口的、例えば静脈内または腹腔内注射により、そしてまた限定するものではないが、動脈内、筋肉内、皮内、および皮下投与を含む。
潅流液の使用、器官への注射、またはその他の局部投与によるなどの他の投与経路用に、先に記載したような組織保護サイトカインの類似のレベルを招く医薬組成物が提供される。約15pM〜30nMのレベルが好ましい。
本発明の医薬組成物は、治療上有効量のカルバミル化エリトロポイエチンと、医薬的に許容される担体とを含み得る。好ましくは、治療上有効量のカルバミル化エリトロポイエチンは、無毒性である。具体的な実施態様では、「医薬的に許容される」なる用語は、連邦政府の監督官庁または州政府により承認されたこと、または動物、更には特にヒトにおける使用のための米国薬局方もしくはその他の一般的に認識されている外国の薬局方に列挙されていることを意味する。「担体」なる用語は、治療薬と共に投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルを意味する。かかる医薬担体は、落花生油、大豆油、鉱物油、ゴマ油等の石油、動物性、植物性または合成起源のものを含む水および油中の生理食塩溶液のような滅菌液体でもよい。医薬組成物を静脈内投与する場合、生理食塩溶液が好ましい担体である。生理食塩溶液ならびに水性デキストロースおよびグリセロール溶液を液体担体として、特に注射用溶液に用いることもできる。適切な医薬用賦形剤には、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、白亜、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノール等が挙げられる。所望により組成物はまた、微量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤を含有することもできる。これらの組成物は、液剤、懸濁剤、乳剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、粉末剤、徐放製剤等の形態をとることができる。組成物を従来の結合剤およびトリグリセリドのような担体と共に坐剤として処方することができる。本発明の組成物を中性または塩の形態として処方することができる。医薬的に許容される塩には、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸等から誘導されるものなどの遊離アミノ基で形成されたもの、およびナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミンノエタノール、ヒスチジン、プロカイン等から誘導されるものなどの遊離カルボキシル基で形成されたものを含む。適切な医薬担体の例は、E.W.Martinによる「Remington's Pharmaeutical Sciences」に記載されている。かかる組成物は、治療上有効な量の化合物を、好ましくは精製された形態で、患者への投与に適切な形態を提供するための適当な量の担体と一緒に含有する。処方は、投与様式に適合させるべきである。
経口投与に適合させた医薬組成物をカプセル剤もしくは錠剤として;粉末剤もしくは顆粒剤として;液剤、シロップ剤、もしくは懸濁剤として(水性または非水性液体中);食用泡状物もしくはホイップとして;または乳剤として提供することができる。錠剤または硬ゼラチンカプセル剤は、ラクトース、デンプンまたはその誘導体、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム、ステアリン酸またはその塩を含み得る。軟ゼラチンカプセル剤は、植物油、ワックス、脂肪、半固体、または液体ポリオール等を含み得る。液剤およびシロップ剤は、水、ポリオール、および糖を含み得る。
経口投与が意図される活性薬剤を、消化管における活性薬剤の崩壊および/または吸収を遅延させる材料でコーティングまたはそれらと混合することができる(例えばモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルを用いることができる)。したがって、何時間にもわたって活性薬剤の徐放を達成することができ、そして必要により活性薬剤を胃内での分解から保護することができる。具体的なpHまたは酵素条件により経口投与用の医薬組成物を、特定の消化管位置での活性薬剤の放出を促進するために、処方することができる。
経皮投与に適合させた医薬組成物を、受容者の表皮に長時間密接に接触したままであることが意図される個々のパッチ剤として提供することができる。局所投与に適合させた医薬組成物を軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾル、または油として提供することができる。皮膚、口、眼、またはその他の外部組織への局所投与のために、局所用軟膏剤またはクリーム剤を用いるのが好ましい。軟膏剤に処方する場合、活性成分をパラフィンまたは水混和性軟膏基剤のいずれかと共に用いることができる。あるいは、活性成分を水中油基剤または油中水基剤と共にクリーム剤に処方することができる。眼への局所投与に適合させた医薬組成物には、点眼薬が含まれる。これらの組成物では、活性成分を適当な担体、例えば水性溶媒に溶解または懸濁することができる。口の局所投与に適合させた医薬組成物には、トローチ剤、パステル剤、および洗口液が挙げられる。
鼻および肺投与に適合させた医薬組成物は、粉末(好ましくは、20〜500ミクロンの範囲の粒子径を有する)のような固体担体を含み得る。鼻に近づけた粉末の容器から鼻を介して急速に吸入することにより鼻から吸い込む様式で粉末を投与することができる。あるいは、鼻投与に適合させた組成物は、液体担体、例えば、鼻スプレーまたは点鼻薬を含み得る。あるいは、直接肺への化合物の吸入は、深い吸入またはマウスピースを介する中咽頭への誘導により達成することができる。これらの組成物は、活性成分の水性または油性溶液を含み得る。吸入による投与のための組成物を、限定するものではないが、所定の用量の活性成分を提供するように構成することができる加圧エアロゾル、ネブライザー、または吸入器などの特別に適合させた装置で供給することができる。好ましい実施態様では、本発明の医薬組成物を鼻腔に直接投与するかまたは鼻腔もしくは中咽頭を介して肺に投与する。
直腸投与に適合させた医薬組成物を坐剤または浣腸剤として提供することができる。膣投与に適合させた医薬組成物をペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡、またはスプレー製剤として提供することができる。
非経口投与に適合させた医薬組成物には、水性および非水性滅菌注射用液剤または懸濁剤が含まれ、それは抗酸化剤、バッファー、静菌剤、および組成物を意図される受容者の血液と実質的に等張にする溶質を含有すことができる。かかる組成物に存在し得るその他の構成要素には、例えば水、アルコール、ポリオール、グリセリン、および植物油が挙げられる。非経口投与に適合させた医薬組成物を単位投与または多回投与用容器、例えば密封アンプルおよびバイアルで提示でき、そして使用の直前に滅菌液体担体、例えば注射用の滅菌生理食塩溶液の添加のみを必要とする凍結乾燥した(凍結乾燥)状態で保存することができる。即時調製用注射液剤および懸濁剤を滅菌粉末、顆粒、および錠剤から調製することができる。1つの実施態様では、カルバミル化エリトロポイエチンの注射用液剤を含む自動注入装置を救急車、緊急治療室、および戦場による緊急使用に、更に、特に芝刈り機の不注意な使用によるような外傷性切断の可能性が生じ得る家庭環境における自己投与用に提供することができる。
好ましい実施態様では、組成物をヒトに静脈内投与するために適合させた医薬組成物として従来の手順に従って処方する。典型的には、静脈内投与用の組成物は滅菌等張水性バッファーの溶液である。必要な場合、組成物は、可溶化剤およびリドカインのような注射部位の痛みを和らげるための局所麻酔剤を含み得る。一般に成分は、別個に、または単位投与形態で一緒に混合してのいずれかで、例えば活性薬剤の量を示したアンプルまたは小袋のような密封した容器中、乾燥凍結乾燥粉末または水不含濃縮物として供給される。組成物を注入により投与すべき場合、それを滅菌医薬用等級の水または生理食塩水の入った注入用ビンで投薬することができる。組成物を注射により投与する場合、投与前に成分を混合できるように滅菌生理食塩水のアンプルを提供することができる。
坐剤は、一般に0.5〜10重量%の範囲の活性成分を含有し、経口製剤は、好ましくは、10〜95%の活性成分を含有する。
潅流液組成物を、移植器官浴で使用するために、イン・シトゥー潅流用に、または器官を採る前に器官の供与者の血管系に投与するために、提供することができる。かかる医薬組成物は、個体への急性もしくは慢性の局所または全身投与に適当でないレベルのカルバミル化エリトロポイエチンを含んでもよいが、死体、器官浴、器官潅流液、またはイン・シトゥー潅流において本明細書で意図される機能を提供し、その後、そこに含有されたカルバミル化エリトロポイエチンの濃度を除去するかまたは低下させてから、処置された器官または組織を通常の循環に暴露するかまたは戻す。
本発明は、低酸素症、虚血、外傷、および/または炎症に関連する1つ以上の病徴の治療、予防および改善のための医薬組成物を提供する。具体的な実施態様では、組成物は、カルバミル化エリトロポイエチン、またはカルバミル化エリトロポイエチンおよびその他の組織保護サイトカインを含む。別の実施態様では、組成物は、カルバミル化エリトロポイエチン、またはカルバミル化エリトロポイエチンおよび1種以上の組織保護サイトカイン、ならびに組織保護サイトカイン以外の1種以上の予防用または治療用薬剤を含み、この予防用または治療用薬剤は、炎症、低酸素症、虚血、または外傷に関連する1つ以上の病徴の予防、治療または改善に有用な、または用いられたことがあるか、または現在用いられていることが知られている。
好ましい実施態様では、本発明の組成物は、医薬組成物である。かかる組成物は、予防用または治療用に有効な量の1種以上の予防用または治療用薬剤(例えば組織保護サイトカインまたはその他の予防用もしくは治療用薬剤)および医薬的に許容される担体を含む。1つの実施態様では、「治療上有効量」なる用語は、薬剤を単独で投与する場合に必ずしも有効である必要はないが、その他の薬剤と一緒に同時投与した場合に有効である薬剤の量を含むことを意味する。本発明のカルバミル化エリトロポイエチンの治療上有効量は、組織保護サイトカイン1pg〜5mg、500pg〜5mg、1ng〜5mg、500ng〜5mg、1μg〜5mg、500μg〜5mg、または1mg〜5mgおよび医薬的に許容される担体を含む。好ましい実施態様では、組織保護サイトカインの量は、約1pg〜1mgの範囲内である。
本発明はまた、本発明の医薬組成物の1種以上の成分を充填した1つ以上の容器を含む医薬用パックまたはキットをも提供する。場合により医薬的または生物学的生成物の製造、使用、または販売を規制する行政機関により指示された形態の通知をかかる容器に随伴させることができ、その通知は、ヒト投与のための製造、使用、または販売の機関によるに承認を反映する。
特に、本発明は、1種以上の予防用もしくは治療用薬剤、または本発明の医薬組成物を薬剤の量を示したアンプルまたは小袋のような密封容器に詰めることを提供する。1つの実施態様では1種以上の予防用もしくは治療用薬剤、または本発明の医薬組成物を乾燥滅菌した凍結乾燥粉末または水不含濃縮物として密封容器中で供給し、そして対象に投与するために、例えば水または生理食塩水で適切な濃度に再構成することができる。好ましくは、1種以上の予防用もしくは治療用薬剤、または本発明の医薬組成物を密封容器中の乾燥滅菌した凍結乾燥粉末として、少なくとも5mg、更に好ましくは、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも25mg、少なくとも35mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも75mg、または少なくとも100mgの単位投与量で供給する。凍結乾燥した予防用もしくは治療用薬剤、または本発明の医薬組成物をその元の容器中2〜8℃の間で保存すべきであり、そして予防用もしくは治療用薬剤、または本発明の医薬組成物を再構成後、1週間以内、好ましくは、5日以内、72時間以内、48時間以内、24時間以内、12時間以内、6時間以内、5時間以内、3時間以内、または1時間以内に投与すべきである。代替の実施態様では、1種以上の予防用もしくは治療用薬剤、または本発明の医薬組成物を薬剤の量および濃度を示した密封容器中の液体形態で供給する。好ましくは、投与される組成物の液体形態を密封容器中少なくとも0.25mg/ml、更に好ましくは、少なくとも0.5mg/ml、少なくとも1mg/ml、少なくとも2.5mg/ml、少なくとも5mg/ml、少なくとも8mg/ml、少なくとも10mg/ml、少なくとも15mg/ml、少なくとも25mg/ml、少なくとも50mg/ml、少なくとも75mg/ml、または少なくとも100mg/mlで供給する。液体形態をその元の容器中2℃〜8℃の間で保存すべきである。
所望により、活性成分を含有する1つ以上の単位投与形態を含有し得るパックまたはディスペンサーで組成物は存在することができる。パックは、例えばブリスター包装のような金属またはプラスチックホイルを含み得る。パックまたはディスペンサー装置は、投与に関する指示書を伴うことができる。
一般に、本発明の組成物の成分は、種起源またはかかる組成物の受容者としての種反応性が同一である対象から誘導される。
別の実施態様では、例えばカルバミル化エリトロポイエチンを制御された放出系で分配することができる。例えば静脈内注入、移植可能な浸透圧ポンプ、経皮パッチ、リポソームまたはその他の投与様式を用いて、そのポリペプチドを投与することができる。1つの実施態様では、ポンプを用いることができる(Langer、上記;Sefton、CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14: 201(1987); Buchwaldら、Surgery 88: 507(1980); Saudekら、N.Engl.J.Med.321: 574(1989)参照)。別の実施態様では、化合物をベシクル、特にリポソームで分配することができる(Langer、Science 249: 1527-1533(1990); Treatら、Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer、Lopez-BeresteinおよびFidler(編)、リス、ニューヨーク、353〜365頁(1989);国際公開公報第91/04014号;米国特許第4704355号;Lopez-Berestein、同上317−327頁参照;一般的には、同上を参照のこと)。別の実施態様ではポリマー材料を用いることができる(Medical Applications of Controlled Release、LangerおよびWise(編)、CRCプレス:ボカラートン、フロリダ(1974); Controlled Drug Bioavailability,Drug Product Design and Performance、SmolenおよびBall(編)、ワイリー:ニューヨーク(1984);RangerおよびPeppas、J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.23: 61(1953)参照; Levyら、Science 228: 190(1985); Duringら、Ann.Neurol.25: 351(1989); Howardら、J.Neurosurg.71: 105(1989)もまた参照)。
更に別の実施態様では、制御された放出系を治療標的、すなわち標的細胞、組織または器官の近位に置くことができ、したがって全身用量のわずかしか必要としない(Goodson、Medical Applications of Controlled Release 2巻115〜138頁 上記(1984))。その他の制御された放出系は、Langer(Science 249: 1527〜1533(1990))により概説で論じられている。
別の実施態様では、適切に処方された場合、カルバミル化エリトロポイエチンを経鼻、経口、直腸、膣、または舌下投与により投与することができる。
具体的な実施態様では、本発明のカルバミル化エリトロポイエチンを、治療を必要とする部分に局部的に投与することが望ましく、これは、例えば、限定するものではないが、手術中の局部注入、例えば手術後の創傷被覆材と組み合わせた局所適用により、注射により、カテーテルを用いて、坐剤を用いて、またはインプラントを用いて達成することができ、前記インプラントは、シラスティック膜のような膜または繊維などの多孔性、無孔性、またはゼラチン様材料のものである。
好ましい有効量の選択は、当業者に公知であるいくつかの要因の考慮に基づいて当業者により容易に決定される。かかる因子には、エリトロポイエチンまたは組織保護サイトカインの特定の形態、およびバイオアベイラビリティー、代謝、半減期等のような薬物動態パラメーターが挙げられるが、それらは医薬化合物の規制認可を得るときに典型的に用いられる通常の開発手順の間に確立されている。用量を考えるときの更なる要因には、処置されるべき症状もしくは疾患、または正常な個体で達成されるべき利点、患者の体重、投与経路、投与が急性または慢性であるか、併用薬、および投与される医薬品の有効性に影響することが周知である他の因子が挙げられる。ゆえに正確な用量は、医師の判断および各患者の状況に従って、例えば個々の患者の症状および免疫状態に依存して、ならびに標準的な臨床技術に従って決定されるべきである。
本発明の別の態様では、潅流液または潅流溶液は潅流および移植用の器官の保存のために提供され、潅流溶液は応答細胞および関連する細胞、組織または器官を保護するのに有効な量のカルバミル化エリトロポイエチンを含む。移植には、限定するものではないが、異種移植〔この場合器官(細胞、組織またはその他の身体部分を含む)を一の供給者から採り、異なる受容者に移植する〕;およびベンチ手術手順(ここでは器官を取り出し、そしてエキソビボであるが、切除、修復またはそうでなければ腫瘍除去のためのような操作を行い、そして次に元の位置に戻すことができる)などの自己移植(この場合器官を身体の一の部分から取り出し、そして別の場所に置き換える)が挙げられる。1つの実施態様では、潅流溶液は、約1〜約25U/mlカルバミル化エリトロポイエチン、5%ヒドロキシエチルデンプン(約200,000〜約300,000の分子量を有し、そして実質的にエチレングリコール、エチレンクロロヒドリン、塩化ナトリウムおよびアセトンを含まない);25mM KHPO;3mMグルタチオン;5mMアデノシン;10mMグルコース; 10mM HEPESバッファー;5mMグルコン酸マグネシウム;1.5mM CaC1;105mMグルコン酸ナトリウム;200,000単位/mlペニシリン;40単位/mlインスリン;16mg デキサメタゾン;12mg/mlフェノールレッドを含有し;そしてpH7.4〜7.5および浸透圧約320mOsm/lであるウィスコンシン大学(UW)溶液(米国特許第4798824号)である。その溶液を用いて移植前の死体腎および膵臓を維持する。その溶液を用いて死体腎保存に推奨される30時間限界を超えて保存を延長させることができる。この特定の潅流液は、有効量のカルバミル化エリトロポイエチンを含めることにより本使用に適合させることができる多くのかかる溶液の単なる説明にすぎない。更なる実施態様では、潅流溶液は、約1〜約500ng/mlカルバミル化エリトロポイエチン、または約40〜約320ng/mlカルバミル化エリトロポイエチンを含有する。先に述べたように、いずれかの形態のエリトロポイエチンまたは組織保護サイトカインを本発明のこの態様に用いることができる。
本明細書全体にわたる目的のためのカルバミル化エリトロポイエチンの好ましい受容者はヒトであるが、本明細書の方法は他の哺乳動物、特に飼い慣らされた動物、家畜、コンパニオンアニマル、および動物園の動物に同等に適用される。しかしながら、本発明は、そのように限定されるものではなく、そして任意の哺乳動物に利益を適用することができる。
エキソビボの本発明の更なる態様では、カルバミル化エリトロポイエチンおよび限定するものではないが、先に記載したもののような任意の組織保護サイトカインを用いることができる。
本発明の別の態様では、内皮細胞バリアにより血管系から単離されていない細胞、組織、または器官の生存性を強化するための方法および組成物は、細胞、組織または器官をカルバミル化エリトロポイエチンを含む医薬組成物に直接暴露するか、またはカルバミル化エリトロポイエチンを含有する医薬組成物を組織もしくは器官の血管系に投与もしくは接触させることにより提供される。処置される組織または器官の応答細胞の活性の強化は陽性の効果を奏するのに寄与する。
本発明のカルバミル化エリトロポイエチンをエキソビボ適用のために、または神経組織、網膜組織、心臓、肺、肝臓、腎臓、小腸、副腎皮質、副腎髄質、毛細管内皮、精巣、卵巣、または子宮内膜細胞もしくは組織のような応答細胞を処置するために用いる先述の実例では、本発明は、血管系より遠位の応答細胞、組織または器官の保護または強化のために適合させた投与単位で医薬組成物を提供する。
本発明の例として提供する以下の非限定的な実施例を参照することにより、本発明をよりよく理解できる。本発明の好ましい実施態様を更に十分に説明するために以下の実施例を提示する。しかしながら、それを本発明の広い範囲を制限するものと決して解釈すべきでない。
以下の手順に従ってエリトロポイエチンをカルバミル化した。
最初にシアン酸カリウム(KOCN、分子量81.12)を水およびエタノールから再結晶した。次にpH8.7〜9.2のホウ酸ナトリウムバッファーの1M溶液をホウ酸(HBO、分子量61.84)およびテトラホウ酸ナトリウム十水和物(Na・10HO、分子量381.4)から調製した。限外ろ過膜フィルター(10000分子量、フィルターコード:PBCG、アミコン)を有する攪拌式限外ろ過セル(8200モデル、アミコン)エリトロポイエチンを6mg/mlの濃度まで濃縮した(この実施例では容量17.7ml)。
カルバミル化のためにエリトロポイエチンを最初に50mlプラグシールキャップチューブ中で等容量の1Mホウ酸塩バッファーで希釈した。次に十分量の再結晶シアン酸カリウムを加えてその濃度を1Mにした。次いでチューブを37.0〜38.0℃の間の温度に設定したインキュベーター内に置き、そして16時間インキュベートした。
カルバミル化に続いて直ぐにエリトロポイエチンを脱イオン水100容量に対する透析により水を複数回交換して脱塩した。透析したカルバミル化エリトロポイエチンを次いでAKTAprime系(アマーシャム・ファルマシア)に取り付けたセファクリルS−100カラム(HiPrep26/60アマーシャム・ファルマシア)を用いてリン酸ナトリウムバッファー(50mM、pH7.2±0.1、0.15M NaClを含む)で精製した。ろ過カラムからプールした分画を遠心ろ過装置、アミコンウルトラ遠心フィルター装置(10000MWCO)を用いてメガフュージ1.0R遠心機(ヘレウス・インストラメンツ)で濃縮した。
カルバミル化エリトロポイエチンに関するインビトロ放出試験の結果
次いで紫外可視分光光度計、島津UV−1601を用いてカルバミル化エリトロポイエチンをUVスキャンして、A280を用いてタンパク質含量を決定した。カルバミル化エリトロポイエチンは、278〜283nmで最大吸収、249〜254nmで最低吸収を有し、>320nmで吸収なしであった(図1)。2倍希釈したカルバミル化エリトロポイエチンに関してA280は0.853であった。希釈した生成物のA280の読みに基づいて、式:(mg/ml)=(A280×希釈倍数)/0.743を用いてタンパク質含量を計算した。計算結果によりタンパク質含量が2.3mg/mlであったことが示された。
カルバミル化エリトロポイエチンでIEFゲル分析を実施した。2×IEF試料バッファー(pH3〜7、ノーベックス試料バッファー、LC5371)およびIEFマーカー(サーバリキッドミックスIEFマーカー3−10、インビトロゲン39212−10)を含むカルバミル化エリトロポイエチンの試料をIEFゲル(ノーベックスIEFゲル、EC6655B、ノーベックスIEFカソードバッファー、LC5370、ノーベックスIEFアノードバッファー、LC5300)に充填した。次いでゲルを100Vで45分間、200Vで更に45分間、そして500Vで15分間泳動させた。泳動の完了時にゲルをロッキングシェーカー上で固定溶液(水中12(重量/容量)%トリクロロ酢酸および3.5% 5−スルホサリチル酸)中に室温で10〜15分間置いた。次いでゲルを脱イオン水100〜150mlで2〜3回濯いだ。次いでゲルを染色溶液(0.1%クーマシーブルーR−250、50%メタノールおよび10%酢酸)20〜30mlを用いて室温で5〜6分間染色し、そして次にメタノール−酢酸(50%および7%)溶液20〜30mlで2〜3回濯いだ。次いでゲルをメタノール−酢酸(10%〜7%)溶液50〜100ml中で2〜3回脱染し、そして次に脱イオン水100〜150mlで2〜3回濯いだ。次いでドライイレースゲル乾燥システム(インビトロゲン)を用いてゲルを乾燥させた。IEFゲル分析(図2)によれば、生成物に関するpIは3.5未満であり、そしてpIが3.5〜5の範囲であり、6−7アイソフォームバンドを示すEPOと重複しなかった。これはカルバミル化エリトロポイエチンが成功裏に実施されたことを示している。
次いでカルバミル化エリトロポイエチンをSDS−PAGEを用いて非還元および還元条件下で分析した。非還元SDS−PAGEでは、2×トリス−グリシンSDS試料バッファー(インビトロゲン、LC2676)10μlと混合し85〜95℃で3〜5分間加熱したカルバミル化エリトロポイエチンの試料をトリス−グリシンゲル(10%、インビトロゲン、EC6075)に充填した。ゲルを125Vで90分間泳動させ、その時点でゲルをメタノール−酢酸(50%および7%)溶液100〜200mlで15分間固定した。次いでゲルを100〜200mlで、各回で何分間もかけて4回洗浄した。次いでロッキングシェーカー上で穏やかに振盪しながらゲルコード青色染色試薬溶液(ピアース)20〜30mlを用いて少なくとも1時間ゲルを染色した。次いで、ゲルを、脱イオン水を用いてバックグラウンドが透明になるまで数回洗浄し、次にドライイレースゲル乾燥システムを用いて乾燥させた。還元条件では、試料を0.2M DTTを含有する2×トリス−グリシンSDS試料バッファー10μlと混合した。非還元および還元条件下のSDS−PAGE分析で認められるように(図3)、生成物に関して明白な凝集物は検出されなかった。カルバミル化エリトロポイエチンに関して見かけの分子量約36kDaに1本のバンドが移動し、その前駆体エリトロポイエチンと同一であった。
次にウォーターズ1525バイナリーHPLCポンプ、ウォーターズ2487デュアル吸光度検出器、ウォーターズ717自動サンプラーおよびショーデックスGFCカラム(プロテインKW−803、8.0mm×300mm)を用いてカルバミル化エリトロポイエチンに関してSE−HPLC分析を実行した。カルバミル化エリトロポイエチンの試料をTSKバッファー(8.11mM NaHPO、1.5mM KHPO、400mM NaCl、pH7.40±0.10)で0.2mg/mlまで希釈し、そしてHPLCで、60分間、流速0.5ml/分、100%TSKバッファーの溶媒で、圧力上限4000PSIおよび圧力下限0PSIで流した。UV検出器設定は1波長および2487チャンネル1吸光度を使用可能に設定した。SEC−HPLC分析(図4)により、検出可能な凝集物を含有せず、タンパク質純度がほぼ100%であることを確認した。
次いでカルバミル化エリトロポイエチンの試料をN−脱グリコシル化、続いてLys−C消化に供して、すべての切断可能なリジンがカルバミル化されたことを決定した。最初に試料(50μg)を1M NHHCO 5μl、0.1M DTT 1μlおよび脱イオン水1μlと混合した。次いで混合物を約50〜55℃で20分間加熱し、次いで更に15〜20分間周囲温度で維持し、その後更に0.5M IAA 0.5μlを混合物に加え、そして混合物を暗中周囲温度で更に20分間インキュベートした、PNGaseF(N−グリコシダーゼF、EC3.5.1.52、分子量36kDa、カルビオケム#362185)1μlを混合物に加え、そして次に水浴中37℃で18〜24時間インキュベートした。次いでカルバミル化エリトロポイエチンの脱グリコシル化を、16%トリシンゲルを用いて確認した(17−27kDaで1本の主要なバンド)。次に脱グリコシル化カルバミル化エリトロポイエチン25μlをLys−C(リシルエンドペプチダーゼ、EC3.4.21.50、分子量27−30kDa、和光125−02543)0.5μlと混合し、そして水浴中37±0.5℃で18〜24時間インキュベートすることにより、脱グリコシル化カルバミル化エリトロポイエチンをLys−C消化に供した。得られた生成物を次いで16%トリシンゲルで泳動した。脱グリコシル化された生成物のLys−C消化物のトリシンゲル分析を図5に示した。未修飾リジン残基の存在によりEPOは6.5kDaフラグメント未満に消化された。しかし本発明のカルバミル化エリトロポイエチンは、その切断可能なリジン残基が完全にカルバミル化され、したがってLys−Cによる酵素消化に抵抗したので消化されなかった。
カルバミル化エリトロポイエチン、エリトロポイエチンおよびブランクを前記で記したTNBSアッセイに供した。アッセイの結果を以下の表内に記す。
Figure 2008505184
先に列挙した手順に従ってUT−7/EPOR細胞生存性アッセイにより残留するエリトロポイエチン活性に関してカルバミル化エリトロポイエチンを試験した。図6で認められるように、カルバミル化エリトロポイエチンに関して10μg/mlの濃度でエリトロポイエチン活性は検出されなかった。
カルバミル化エリトロポイエチンに関するインビボ放出試験の結果
座骨神経アッセイを用いて任意の組織保護活性に関して生成物を更に試験した。10匹のスプラーグ・ドーリーラット(200〜300g)(1群あたり5匹−カルバミル化エリトロポイエチン処置群およびPBS処置群)をアッセイで用いた。最初にイソフルラン(バクスターNPC10019−773−60)およびテーブルトップ実験室麻酔システム(フローメーターを55psiで2〜3リットル/分に設定)を少なくとも3分間用いてラットを麻酔することによりアッセイを実施した。次いでラットを恒温毛布上に置き、そして直腸プローブを挿入してラットの中核体温をモニタリングして、手術中の中核体温が35〜37℃に維持されることを確実にした。これを補助するために、手術室の温度を少なくとも23℃に維持した。次に大腿中央で大腿四頭筋切開により右座骨神経を暴露させた:15ブレード外科用メスを用いて大腿四頭筋上で平行に皮膚を通って2cm切開し、1丁の切開用ハサミを用いて大腿四頭筋を切断して座骨神経を暴露させ、そして神経を周囲の膜から外した。A2−0シルク編み糸(エチコン、685−G)を神経の下に通し、そして縫合糸の末端を縛り、そして神経に対して垂直に維持したガイドに通した。次いで縫合糸の末端を非伸縮性のコードに縛り、次いでこれを滑車系(安定化装置を伴うMTD1/4”B(PO番号04174−01)を担持するNYL滑車)の周囲に垂らし、そして非伸縮性のコードに付けた100グラムの重りをゆっくりと放した。重りを1分間つるした後、シルクの縫合糸を切断して重りを放した。1/2ccのインスリンシリンジを用いて10μg/mlの用量のカルバミル化エリトロポイエチンまたはPBS尾静脈および筋肉に注射し、そして外科的切開を閉じ、そして乳酸加リンゲル液5mlをラットに皮下注射した。回復の間加熱毛布を用いてラットの中核体温を35〜37℃に維持した。
次の4日間にわたって、デジタルスキャナのスキャニング表面の直径30cmのアクリルチューブにラットを置くことによりラットの後足趾の広がりを決定した。ラットを順応させるために5分間待った後、5本の足趾すべてが明らかに表示されたラットの後肢のスキャンを取った。各ラットの利用可能なスキャンを3回取った。スキャンから足趾広がり(第1足趾の球と第5足趾の球の間の距離)および中間足趾広がり(第2足趾の球と第4足趾の球の間の距離)を測定した(図7)。次いで静止座骨神経指標をS.Erbayraktarら、Proc Natl Acad Sci USA 100: 6741-6746(2003)に従って計算し、そして結果に関して統計分析を完了した。図8で認められるように、カルバミル化エリトロポイエチンに関する静止座骨神経指標は0.65未満であり、そしてPBS処置ラットに関する静止座骨神経指標(0.68)よりも有意な改善が示された。
本発明は、本発明の個々の態様の単なる説明として意図される、記載した具体的な実施態様により範囲が限定されることはなく、そして機能的に均等な方法および組成物は本発明の範囲内である。実際に本明細書で示し、そして記載したものに加えて本発明の種々の修飾が前記の記載および添付の図面から当業者には、明白になる。かかる修飾は添付の請求の範囲の範囲内に入ることを意図する。
本明細書で引用したすべての参照文献は、すべての目的に関してその全体が参照として本明細書に組み入れられる。
実施例1に詳記するような本方法に従って製造されたカルバミル化エリトロポイエチンのUV吸収を示す。 実施例1の方法に従って製造されたカルバミル化エリトロポイエチンの等電点電気泳動(IEF)ゲルの結果を示す。 凝集物の不在を示す、実施例1の方法に従って製造されたカルバミル化エリトロポイエチンのSDS−PAGE分析を示す。 凝集物の不在を確認する、実施例1の方法に従って製造されたカルバミル化エリトロポイエチンのサイズ排除(SE)−HPLC分析を示す。 リジンのカルバミル化が完了したことを示す、実施例1による脱グリコシル化カルバミル化エリトロポイエチンの16%トリシンゲルの結果を示す。 化合物がエリトロポイエチン活性を欠如することを示す、実施例1のカルバミル化エリトロポイエチンのUT−7アッセイの結果を示す。 座骨神経アッセイにおいてカルバミル化エリトロポイエチンおよび生理食塩水で処置したラットの足趾広がりおよび中間足趾広がりを示す。 カルバミル化エリトロポイエチンが組織保護活性を有することを示す、実施例1のカルバミル化エリトロポイエチンの座骨神経アッセイの結果を示す。 TNBSアッセイにおけるエリトロポイエチンのUV吸収を示す。 TNBSアッセイにおけるブランクのUV吸収を示す。 TNBSアッセイで実施例1に詳記したような本方法に従って製造されたカルバミル化エリトロポイエチンのUV吸収を示す。

Claims (31)

  1. リジンおよびN末端アミノ酸上に約10%未満の遊離第1級アミンを有するカルバミル化エリトロポイエチンを生成するための方法であって、4mg/ml未満の濃度の量のエリトロポイエチンを、約0.05〜2Mの濃度のシアン酸カリウムと、約0.05〜0.5Mの濃度のホウ酸ナトリウムバッファー(pH7〜10)と、約30〜38℃の温度で約1〜24時間の期間接触させることを含み、ここで、カルバミル化エリトロポイエチンが、Lys−Cタンパク質分解に暴露した場合に消化されず、TF−1またはUT−7/EPOR細胞生存性アッセイにおいて1μg/mlの濃度でエリトロポイエチン活性を呈さず、座骨神経アッセイで約0.65未満の静止座骨神経指標を示す、方法。
  2. カルバミル化エリトロポイエチンが、リジンおよびN末端アミノ酸上に約7.5%未満の遊離第1級アミンを有する、請求項1記載の方法。
  3. カルバミル化エリトロポイエチンが、リジンおよびN末端アミノ酸上に約5%未満の遊離第1級アミンを有する、請求項2記載の方法。
  4. エリトロポイエチンの濃度が、約1.1〜約2.5mg/mlに濃縮される、請求項1記載の方法。
  5. エリトロポイエチンの濃度が、約2.2mg/mlである、請求項5記載の方法。
  6. シアン酸カリウムの濃度が、約0.5〜約1.5Mである、請求項1記載の方法。
  7. シアン酸カリウムの濃度が、約1Mである、請求項7記載の方法。
  8. ホウ酸ナトリウムバッファーの濃度が、約0.1〜約0.5Mである、請求項1記載の方法。
  9. ホウ酸ナトリウムバッファーの濃度が、約0.5Mである、請求項9記載の方法。
  10. 温度が、約36〜約38℃である、請求項1記載の方法。
  11. 温度が、約37℃である、請求項11記載の方法。
  12. 期間が、約14〜24時間である、請求項1記載の方法。
  13. 期間が、約16時間である、請求項13記載の方法。
  14. カルバミル化エリトロポイエチンが、TF−1またはUT−7/EPORアッセイにおいて10μg/mlの濃度でエリトロポイエチン活性を呈さない、請求項1記載の方法。
  15. エリトロポイエチンが、組換えエリトロポイエチン、長時間作用性エリトロポイエチン、エリトロポイエチン誘導体、エリトロポイエチン類似体、エリトロポイエチン抱合体、エリトロポイエチン融合タンパク質、化学的修飾エリトロポイエチン、エリトロポイエチン変異タンパク質、発現系が媒介するエリトロポイエチンのグリコシル化修飾体、合成エリトロポイエチン、または天然に存在するエリトロポイエチンである、請求項1記載の方法。
  16. エリトロポイエチンが、ヒトエリトロポイエチンである、請求項16記載の方法。
  17. エリトロポイエチンが、アシアロエリトロポイエチンである、請求項18記載の方法。
  18. 静止座骨神経指標が、約0.62未満である、請求項1記載の方法。
  19. 静止座骨神経指標が、約0.60未満である、請求項19記載の方法。
  20. 無毒性の治療上有効量のカルバミル化エリトロポイエチンならびに医薬的に許容される担体を含む医薬組成物であって、カルバミル化エリトロポイエチンが、リジンおよびN末端アミノ酸上に約10%未満の遊離第1級アミンを有し、Lys−Cタンパク質分解に暴露した場合に消化されず、TF−1またはUT−7/EPOR細胞生存性アッセイにおいて1μg/mlの濃度でエリトロポイエチン活性を呈さず、座骨神経アッセイで約0.65未満の静止座骨神経指標を示す、医薬組成物。
  21. カルバミル化エリトロポイエチンが、リジンおよびN末端アミノ酸に約7.5%未満の遊離第1級アミンを有する、請求項21記載の医薬組成物。
  22. カルバミル化エリトロポイエチンが、リジンおよびN末端アミノ酸に約5%未満の遊離第1級アミンを有する、請求項22記載の医薬組成物。
  23. カルバミル化エリトロポイエチンが、TF−1またはUT−7/EPOR細胞生存性アッセイにおいて10μg/mlの濃度でエリトロポイエチン活性を呈さない、請求項21記載の医薬組成物。
  24. 静止座骨神経指標が、約0.62未満である、請求項21記載の医薬組成物。
  25. 静止座骨神経指標が、約0.60未満である、請求項25記載の医薬組成物。
  26. 無毒性量の請求項22記載の医薬組成物を投与することを含む、興奮性組織の症状または疾患の処置方法。
  27. 興奮性組織が、心臓、眼、または腎臓組織である、請求項27記載の方法。
  28. 症状または疾患が、視神経炎、眼への鈍的もしくは穿通性損傷、眼の感染、サルコイド、鎌状赤血球症、網膜剥離、側頭動脈炎、網膜虚血、黄斑変性、網膜剥離、網膜色素変性、動脈硬化性網膜症、高血圧性網膜症、網膜動脈閉塞、網膜静脈閉塞、低血圧症、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、冠動脈疾患、心筋梗塞、ドレスラー症候群、狭心症、先天性心疾患、弁膜性心筋症、プリンツメタル型狭心症、心破裂、動脈瘤中隔穿孔、脈管炎、不整脈、うっ血性心不全、心筋症、心筋炎、肺性心、心臓への鈍的もしくは穿通性外傷、毒性中毒、腎不全、血管/虚血、間質病、糖尿病性腎臓疾患、ネフローゼ症候群、腎臓感染、またはヘノッホ・シェーンライン紫斑病である、請求項27記載の方法。
  29. カルバミル化エリトロポイエチンが、10%未満の凝集物を有する、請求項1記載の方法。
  30. カルバミル化エリトロポイエチンが、6%未満の凝集物を有する、請求項30記載の方法。
  31. カルバミル化エリトロポイエチンが、2%未満の凝集物を有する、請求項31記載の方法。
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