JP2007502282A - 自己エッチング性歯科用組成物および方法 - Google Patents

自己エッチング性歯科用組成物および方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、歯牙組織表面に対する歯科材料を接合させる接着剤として、および/または歯科用修復材料として使用することが可能な、歯科用組成物に関する。その歯科用組成物は、歯牙組織表面をエッチングさせるのに有効な条件下で、歯牙組織表面に塗布するのが好ましい。

Description

本出願は、米国特許仮出願第60/494,603号(2003年8月12日出願)の利益を主張するものであり、該出願のすべてを参考として引用し本明細書に組み入れるものとする。
歯牙組織(齲歯を含む)、齲蝕された象牙質または齲蝕されたエナメル質の修復は、多くの場合、順に、関連した歯牙組織に対して歯科用接着剤を塗布し、その後に歯科材料(たとえば、修復材料)を適用することにより実施される。同様にして、接着剤は、歯牙組織に対する歯科材料(たとえば、歯科矯正装置、一般には歯科矯正用接着剤を使用)の接合にも使用される。各種の前処理プロセスが、象牙質またはエナメル質への歯科用接着剤の接合を促進させるために、使用されている。典型的にはそのような前処理工程には、たとえば無機酸または有機酸を用いたエッチングと、それに続けて、歯牙組織とその上の接着剤との間の接合性を改良するためのプライマー処理が含まれる。
歯牙組織表面に対して適用するのが、歯科用修復材(たとえば、硬化または未硬化コンポジットたとえば、ガラスアイオノマーセメント、変性ガラスアイオノマーセメントなど;充填物;シーラント;インレー;アンレー;クラウン;ブリッジ;など)、または歯科矯正装置のいずれであったとしても、典型的には、エッチング剤、プライマー、および接着剤を、段階的に塗布する。それぞれの工程の間で、1回または数回の水洗いや乾燥工程が加わることも多い。その結果、歯科修復および歯科矯正装置の適用では、多段階の工程が含まれるのが普通である。
従来からの修復および/または歯科矯正方法を単純化させる目的で、たとえば、エッチングとプライマー処理の両方を実施することが可能な単一の組成物があれば、望ましい。したがって、接着剤(たとえば、歯科用接着剤)の基体表面(たとえば、歯牙組織、たとえば象牙質、エナメル質、骨、またはその他の硬組織)への接合性を改善し、従来行われていたエッチング後の水洗いと乾燥の工程を不要とする、自己エッチング性プライマー、特に自己エッチング性歯科用プライマーに対するニーズがある。さらに、自己エッチング性接着剤、すなわち、単一の前処理工程で、プライマー処理とエッチングが可能な、接着剤組成物として使用できるような、新しい組成物に対するニーズが依然として存在している。さらに他の歯科および歯科矯正手法においても、未処理の歯牙組織(すなわち、エッチング剤、プライマー、またはボンディング剤を用いた前処理をしていない組織)に接合することが可能な、自己接着性組成物(好ましくは、すなわち、一成分型、貯蔵安定性組成物)として使用可能な、修復材組成物(たとえば、充填材料および歯科矯正用接着剤)に対するニーズが存在している。本発明の好ましい実施態様は、そのようなニーズの幾つかを満たすものである。
現行の歯科用接着剤は典型的には、以下の工程で塗布されている:1)歯牙を酸によりエッチングする;2)その歯牙を、プライマー材料を用いてプライマー処理する;そして3)接着剤を塗布して硬化させる。最近になって、材料供給業者は、それらの工程の内の二つを単一の工程に組み入れるようにして材料を供給し始めた。何社かの材料供給業者では、それら三つの工程を一つに組み合わせた材料の提供も行っている。しかしながら、いくつかのケースでは、使用直前に歯科医が複数の成分を予備混合する必要がある。本発明の一実施態様においては、単一工程の接着方法が開示されていて、そこでは、三つの工程のすべてを、歯科医が接着剤の成分を予備混合する必要がない、単一の工程に組み込むことが可能となっている。
そのような一段工程接着剤(すなわち、エッチング、プライマー処理、および接着を一工程で可能とするもの)を得るための一つのアプローチは、1)酸性成分、2)歯牙組織を効果的に湿潤状態とすることが可能な配合、3)イオン化液体(すなわち、酸性成分のイオン化を促進する液体)、典型的には水、および4)歯の表面に接着することが可能な重合性化合物(典型的には(メタ)アクリレート)を含む接着剤を備える方法である。しかしながら、水、酸性材料、およびメタクリレート材料を組み合わせることが困難であることはよく知られていて、その理由は、メタクリレート材料の存在下での水/酸のイオン化は、典型的には、メタクリレートの加水分解的切断をもたらす可能性があるからである。酸性成分、水、およびメタクリレートの構成成分は、加水分解的切断を避けるために、従来から少なくとも二つの別々な容器に分離していた。別々にしてある成分を組み合わせようとすると、効果的に作用させるためには、特定の割合で強力な混合をすることが必要である。それらの材料を複数のパッケージ/ビンに分離しておかないと、それらの材料では一般に、その歯科用接着剤の予定される製品寿命全般にわたって、強力な接合強さを得るのに充分な貯蔵寿命安定性が得られない。
一態様においては、本発明は、歯牙組織に対して歯科材料を接合させるための方法を提供する。そのような歯牙組織の(たとえば、カットまたはアンカットの)表面には、たとえばエナメル質、象牙質、およびセメント質が含まれる。歯科材料の例を挙げれば、たとえば、歯科用修復材、歯科矯正用接着剤、および歯科矯正装置(たとえば、硬化ずみまたは未硬化の歯科矯正用接着剤を用いてプレコートした歯科矯正装置など)などがある。
一実施態様において、本発明の方法に含まれるのは:接着剤に歯牙組織表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、自己エッチング性の非水性接着剤を、湿潤状態で未エッチングの歯牙組織表面に塗布する工程;前記歯牙組織表面を乾燥させて、その上に第一の接着剤層を形成させる工程;場合によっては、前記第一の層の上に、前記非水性接着剤と同一であっても、異なっていてもよい第二の接着剤を塗布して、その上に第二の接着剤層を形成させる工程;前記第一の接着剤層、および場合によってはその上に前記第二の接着剤層を有する歯牙組織表面に、歯科材料を適用する工程;および前記歯科材料と前記歯牙組織との間に接合を形成させるために有効な条件下で、前記接着剤層の少なくとも一方を硬化させる工程、である。いくつかの実施態様においては、本発明の工程には、水性希釈剤を未エッチングの歯牙組織表面に塗布して、湿潤状態で未エッチングの歯牙組織表面を得る工程が含まれる。前記接着剤層の少なくとも一つを、前記歯科材料と前記歯牙組織との間に少なくとも7MPaの接合を形成させるのに有効な条件下に、前記歯科材料の適用前、適用中、または適用後に硬化させるのが好ましい。場合によっては、前記非水性接着剤には界面活性剤(たとえば、ノニオン性界面活性剤、重合性界面活性剤)が含まれる。
また別な実施態様において、本発明の方法に含まれるのは:接着剤に歯牙組織表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、自己エッチング性の非水性接着剤を、湿潤状態の歯牙組織表面に塗布する工程(ここで、前記非水性接着剤には有機溶媒を実質的に含まない);前記歯牙組織表面を乾燥させて、その上に第一の接着剤層を形成させる工程;場合によっては、前記第一の層の上に第二の接着剤を塗布して、その上に第二の接着剤層を形成させる工程;前記第一の接着剤層、および場合によってはその上に前記第二の接着剤層を有する歯牙組織表面に、歯科材料を適用する工程;および前記歯科材料と前記歯牙組織との間に接合を形成させるために有効な条件下で、前記接着剤層の少なくとも一方を硬化させる工程、である。
また別な実施態様において、本発明の方法に含まれるのは:接着剤に歯牙組織表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、自己エッチング性の非水性接着剤を、湿潤状態の歯牙組織表面に塗布する工程(ここで、前記非水性接着剤には界面活性剤を含む);前記歯牙組織表面を乾燥させて、その上に第一の接着剤層を形成させる工程;場合によっては、前記第一の層の上に第二の接着剤を塗布して、その上に第二の接着剤層を形成させる工程;前記第一の接着剤層、および場合によってはその上に前記第二の接着剤層を有する歯牙組織表面に、歯科材料を適用する工程;および前記歯科材料と前記歯牙組織との間に接合を形成させるために有効な条件下で、前記接着剤層の少なくとも一方を硬化させる工程、である。
また別な実施態様において、本発明の方法に含まれるのは:接着剤に歯牙組織表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、自己エッチング性の非水性接着剤を、湿潤状態の歯牙組織表面に塗布する工程;前記歯牙組織表面を乾燥させて、その上に第一の接着剤層を形成させる工程;前記第一の層の上に、同一の自己エッチング性の非水性接着剤の第二の層を塗布して、その上に第二の接着剤層を形成させる工程;前記第一の接着剤層、その上に前記第二の接着剤層を有する歯牙組織表面に、歯科材料を適用する工程;および前記歯科材料と前記歯牙組織との間に接合を形成させるために有効な条件下で、前記接着剤層の少なくとも一方を硬化させる工程、である。
また別な実施態様において、本発明の方法に含まれるのは:水性希釈剤を自己エッチング性の非水性接着剤と組み合わせて混合物を形成させる工程であって、ここで前記希釈剤が、実質的に水、または界面活性剤を組み合わせた水からなる、工程;前記混合物に歯牙組織表面(たとえば、湿潤状態または乾燥乾燥状態)をエッチングさせるのに有効な条件下で、前記歯牙組織表面に前記混合物を塗布する工程;前記歯牙組織表面を乾燥させて、その上に第一の接着剤層を形成させる工程;場合によっては、前記第一の層の上に第二の接着剤を塗布して、前記歯牙組織表面の上に第二の接着剤層を形成させる工程;前記第一の接着剤層、および場合によってはその上に前記第二の接着剤層を有する歯牙組織表面に、歯科材料を適用する工程;および前記歯科材料と前記歯牙組織との間に接合を形成させるために有効な条件下で、前記接着剤層の少なくとも一方を硬化させる工程、である。
また別な実施態様において、本発明の方法に含まれるのは:水性希釈剤を自己エッチング性の非水性接着剤と組み合わせて自己エッチング性混合物を形成させる工程であって、ここで前記希釈剤が水および界面活性剤を含む、工程;前記混合物に歯牙組織表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、前記歯牙組織表面に前記混合物を塗布する工程;前記歯牙組織表面を乾燥させて、その上に第一の接着剤層を形成させる工程;場合によっては、前記第一の層の上に第二の接着剤を塗布して、前記歯牙組織表面の上に第二の接着剤層を形成させる工程;前記第一の接着剤層、および場合によってはその上に前記第二の接着剤層を有する歯牙組織表面に、歯科材料を適用する工程;および前記歯科材料と前記歯牙組織との間に接合を形成させるために有効な条件下で、前記接着剤層の少なくとも一方を硬化させる工程、である。
また別な態様においては、本発明は、接着剤組成物、および接着剤組成物を使用する方法を提供する。前記接着剤組成物には、非水性歯科用接着剤とノニオン性界面活性剤が含まれ、ここで、前記接着剤組成物は自己エッチング性、かつ非水性である。場合によっては、その接着剤組成物には有機溶媒を実質的に含まない。典型的には、前記非水性歯科用接着剤には、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物、酸官能性を有しないエチレン性不飽和化合物、および開始剤系が含まれる。場合によっては、前記非水性歯科用接着剤には充填剤をさらに含む。
一態様においては、本発明は、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物;酸官能性を有しないエチレン性不飽和化合物;開始剤系;および水を含む接着剤組成物を提供するが、ここで、前記組成物は、自己エッチング性の、油中水型エマルション(たとえば、ミクロエマルション)である。場合によっては、前記接着剤組成物にはさらに、界面活性剤(たとえば、ノニオン性界面活性剤および/または重合性界面活性剤、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物であってもよい)および/または充填剤を含む。いくつかの実施態様においては、前記組成物には、逆ミセル(inverse micelle)を含む。いくつかの実施態様においては、前記組成物には、30重量%未満の水を含む。前記エマルションが、物理的および/または化学的に安定であるのが好ましい。
また別な態様においては、本発明は、歯科材料を歯牙組織に接合させる方法を提供する。そのような歯牙組織の(たとえば、カットまたはアンカットの、エッチングしたまたは未エッチングの)表面には、たとえばエナメル質、象牙質、およびセメント質が含まれる。歯科材料の例を挙げれば、たとえば、歯科用修復材、歯科矯正用接着剤、および歯科矯正装置(たとえば、硬化ずみまたは未硬化の歯科矯正用接着剤を用いてプレコートした歯科矯正装置など)などがある。
本発明の方法に含まれるのは:接着剤に歯牙組織表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、本明細書に記載の自己エッチング性接着剤を、歯牙組織表面に塗布する工程;前記歯牙組織表面を乾燥させて、その上に第一の接着剤層を形成させる工程;場合によっては、前記第一の層の上に、本明細書に記載の自己エッチング性接着剤と同一であっても、異なっていてもよい第二の接着剤を塗布して、その上に第二の接着剤層を形成させる工程;前記第一の接着剤層、および場合によってはその上に前記第二の接着剤層を有する歯牙組織表面に、歯科材料を適用する工程;および前記接着剤層の少なくとも一つを、前記歯科材料と前記歯牙組織との間の接合を形成させるのに有効な条件下に、前記歯科材料の適用前、適用中、または適用後に硬化させる工程、である。
また別な態様においては、本発明は、歯科矯正装置を歯牙に接着させるための方法を提供する。歯科矯正装置の例を挙げれば、たとえば、ブラケット、バッカルチューブ、バンド、クリート、ボタン、リンガルリテーナー、リンガルバー、バイトブロッカー、ヘルプスト(Herbst)装置に接続するために使用するクラウン、トゥースポジショナーと共に使用するためのアタッチメントデバイス、可撤式装置と共に使用するためのアタッチメントデバイス、およびそれらの組合せなどがある。
一実施態様において、本発明の方法に含まれるのは:本明細書に記載したような接着剤組成物を、湿潤状態の歯牙表面に、前記接着剤組成物に前記歯牙表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、塗布する工程;歯科矯正装置を、前記接着剤組成物を上に塗布した歯牙表面に、適用する工程;および歯科矯正装置と歯牙との間に接合を形成させるのに有効な条件下で、前記接着剤組成物を硬化させる工程、である。
また別な実施態様において、本発明の方法に含まれるのは:その上に本明細書に記載したような接着剤組成物を有する歯科矯正装置を、歯牙表面に、前記接着剤組成物に前記歯牙表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、適用する工程;および歯科矯正装置と歯牙との間に接合を形成させるのに有効な条件下で、前記接着剤組成物を硬化させる工程、である。いくつかの実施態様においては、本明細書に記載したような接着剤組成物を、歯科矯正装置に塗布して、その上に前記接着剤組成物を有する歯科矯正装置を得ることができる。別な方法として、その上に接着剤組成物を有する歯科矯正装置を、プレコートした歯科矯正装置として得ることも可能である。
一態様においては、本発明は、歯牙組織を修復する方法を提供する。そのような歯牙組織の(たとえば、カットまたはアンカットの)表面には、たとえばエナメル質、象牙質、およびセメント質が含まれる。歯科材料の例を挙げれば、たとえば、歯科用修復材、歯科矯正用接着剤、および歯科矯正装置(たとえば、硬化ずみまたは未硬化の歯科矯正用接着剤を用いてプレコートした歯科矯正装置など)などがある。
本発明の方法に含まれるのは:非水性の自己接着性組成物を、湿潤状態で未エッチングの歯牙組織表面に塗布する工程;および硬化させた組成物と歯牙組織との間に、好ましくは少なくとも7MPaの接合を形成させるのに有効な条件下で、前記非水性の自己接着性組成物を硬化させる工程である。いくつかの実施態様においては、本発明の工程には、水性希釈剤を未エッチングの歯牙組織表面に塗布して、湿潤状態で未エッチングの歯牙組織表面を得る工程が含まれる。典型的には、前記非水性自己接着性組成物には、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物、酸官能性を有しないエチレン性不飽和化合物、充填剤、および開始剤系が含まれる。場合によっては、その非水性自己接着性組成物には、少なくとも40重量%の充填剤が含まれる。
また別な態様においては、本発明は、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物;酸官能性を有しないエチレン性不飽和化合物;開始剤系;ノニオン性界面活性剤(たとえば、重合性界面活性剤);および充填剤;を含む歯科用組成物を提供するが、ここで前記歯科用組成物は、自己接着性かつ非水性である。いくつかの実施態様においては、前記組成物には少なくとも40重量%の充填剤を含む。いくつかの実施態様においては、前記組成物は、場合によってはプレコートした歯科矯正装置として提供することが可能な、歯科矯正用接着剤である。
また別な態様においては、本発明は、歯科矯正装置を歯牙に接着させるための方法を提供する。歯科矯正装置の例を挙げれば、ブラケット、バッカルチューブ、バンド、クリート、ボタン、リンガルリテーナー、リンガルバー、バイトブロッカー、ヘルプスト装置に接続するために使用するクラウン、トゥースポジショナーと共に使用するためのアタッチメントデバイス、可撤式装置と共に使用するためのアタッチメントデバイス、およびそれらの組合せなどがある。
一実施態様において、本発明の方法に含まれるのは:非水性の自己接着性組成物を、湿潤状態の歯牙表面に、前記自己接着性組成物に歯牙表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、塗布する工程;歯科矯正装置を、前記自己接着性組成物を上に塗布した歯牙表面に、適用する工程;および歯科矯正装置と歯牙との間に接合を形成させるのに有効な条件下で、前記自己接着性組成物を硬化させる工程、であって、ここで、前記非水性の自己接着性組成物には:酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物;酸官能性を有しないエチレン性不飽和化合物;開始剤系;および少なくとも40重量%の充填剤を含む、工程である。場合によっては、前記自己接着性組成物には界面活性剤をさらに含む。
また別な実施態様において、本発明の方法に含まれるのは:非水性の自己接着性組成物を上に有する歯科矯正装置を、湿潤状態の歯牙表面に、前記自己接着性組成物に歯牙表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、適用する工程;および歯科矯正装置と歯牙との間に接合を形成させるのに有効な条件下で、前記自己接着性組成物を硬化させる工程、であって、ここで、前記非水性の自己接着性組成物には:酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物;酸官能性を有しないエチレン性不飽和化合物;開始剤系;および少なくとも40重量%の充填剤を含む、工程である。場合によっては、前記自己接着性組成物には界面活性剤をさらに含む。いくつかの実施態様においては、本発明の工程には、非水性の自己接着性組成物を歯科矯正装置に塗布して、非水性の自己接着性組成物を上に有する歯科矯正装置を得る工程が含まれる。別な方法として、非水性の自己接着性組成物を上に有する歯科矯正装置を、プレコートした歯科矯正装置として得ることも可能である。
定義
本明細書で使用するとき、「接着剤」または「歯科用接着剤」という用語は、「歯科材料」(たとえば、「修復材」、歯科矯正装置(たとえば、ブラケット)、または「歯科矯正用接着剤」)を歯牙組織に接着させるための、歯牙組織(たとえば、歯牙)の上に前処理として使用する組成物を指す。「歯科矯正用接着剤」という用語は、歯科矯正装置を歯牙組織(たとえば、歯牙)の表面に接着させるのに使用される、高度に(一般に40重量%以上)充填された組成物を指す(「歯科用接着剤というよりは、「修復材料」に近い)。一般に、歯牙組織の表面は、たとえば、エッチング、プライマー処理、および/または接着剤を塗布することによって前処理して、「歯科矯正用接着剤」の歯牙組織の表面への接着性を向上させる。
本明細書で使用するとき、「非水性」組成物(たとえば、接着剤)という用語は、成分としてはその中に水を添加していない組成物を指す。しかしながら、組成物の他の成分中に偶発的な水分が存在している可能性もあるが、水の総量が、その非水性組成物の安定性(たとえば、貯蔵寿命)に悪影響を与えない。非水性組成物は、その非水性組成物の全重量を基準にして、好ましくは1重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満、最も好ましくは0.1重量%未満の水しか含まない。
本明細書で使用するとき、有機溶媒が「実質的に含まない」という用語は、その組成物には、重量で10%未満(好ましくは5%未満、より好ましくは1%未満)の有機溶媒を含むことを意味する。本明細書で使用するとき、有機溶媒とは、組成物中の他の成分を可溶化させる(溶解、混和など)ことが可能な有機化合物を指す。一般的に使用される有機溶媒は、典型的には、100グラム/分子より低い分子量を有している。
本明細書で使用するとき、「自己エッチング性」組成物という用語は、歯牙組織表面をエッチング剤を用いて予め処理しなくても、その歯牙組織表面に接合する組成物をさす。自己エッチング性組成物は、独立したエッチング剤またはプライマーを使用しない場合には、自己プライマーとして機能することも可能であるのが、好ましい。
本明細書で使用するとき、「自己接着性」組成物という用語は、プライマーまたはボンディング剤を用いて歯牙組織表面を予め処理しなくても、その歯牙組織表面に接合することが可能な組成物を指す。自己接着性組成物は、独立したエッチング剤を使用しなくても、自己エッチング性組成物でもあるのが好ましい。
本明細書で使用するとき、組成物を「硬化(hardening)」または「硬化(curing)」させるという用語は、相互に置きかえ可能に使用され、重合反応および/または架橋反応、たとえば、組成物に含まれる一種または複数の原料を含む光重合反応および化学重合技術(たとえば、エチレン性不飽和化合物を重合させるのに有効なラジカルを形成させるイオン反応または化学反応)などを指す。
本明細書で使用するとき、「歯牙組織表面」という用語は、歯牙組織(たとえば、エナメル質、象牙質、およびセメント質)および骨を指す。
本明細書で使用するとき、「アンカット(uncut)な」歯牙組織表面という用語は、切削、研削、穿孔などによって加工されていない歯牙組織表面を指す。
本明細書で使用するとき、「未処理の」歯牙組織表面という用語は、本発明の自己エッチング性接着剤または自己接着性組成物を塗布する前に、エッチング剤、プライマー、またはボンディング剤を用いた処理をしていない、歯牙または骨を指す。
本明細書で使用するとき、「未エッチングの」歯牙組織表面という用語は、本発明の自己エッチング性接着剤または自己接着性組成物を塗布する前に、エッチング剤を用いた処理をしていない、歯牙または骨を指す。
本明細書で使用するとき、「エッチング剤」という用語は、歯牙組織表面を全面的または部分的に可溶化させること(すなわち、エッチング)が可能な、酸性組成物を指す。そのエッチング効果は、ヒトの裸眼で観察できたりおよび/または機器(たとえば、光学顕微鏡により)で検出したりすることができる。典型的には、エッチング剤は、歯牙組織表面に約10〜30秒の間塗布する。
本明細書で使用するとき、「湿潤状態の(wet)」歯牙組織表面という用語は、その上に水性液体(たとえば、水または唾液)が存在し、ヒトの裸眼で見ることができるような歯牙組織の表面を指す。
本明細書で使用するとき、「乾燥状態の(dry)」歯牙組織表面という用語は、乾燥させた(たとえば、空気により乾燥させて)、目に見えるような水分が存在しないような、歯牙組織の表面を指す。
本明細書で使用するとき、「歯科材料」という用語は、歯牙組織表面に接合させることが可能な材料を指し、それにはたとえば、歯科用修復材、歯科矯正装置、および/または歯科矯正用接着剤などが含まれる。
本明細書で使用するとき、「水中油型」エマルションという用語は、水が連続相を形成し、油が不連続な液滴の中に存在しているような、水中油型混合物を指す。
本明細書で使用するとき、「油中水型」エマルションという用語は、油が連続相を形成し、水が不連続な液滴の中に存在しているような、油中水型混合物を指す。油中水型エマルションは、実施例のセクションで説明する方法に従って、電気式エマルション試験器を使用することによって水中油型エマルションとは区別することが可能である。水中油型エマルションは、水が外側相すなわち連続相を形成しているために、比較的低い抵抗値で電気を通すが、その一方で油中水型エマルションは、導電性がない、あるいは導電性が極めて低い。
本明細書で使用するとき、油中水型エマルションにおける「油相」とは、それぞれが、水相におけるその溶解限界を超える配合中のすべての成分を指し、それらは一般に、蒸留水中への溶解度が1%未満であるような物質であるが、水相の成分たとえば塩が、ある種の油の溶解性を低下させ、その結果それらを油相に分配させていることもあり得る。
本明細書で使用するとき、油中水型エマルションにおける「水相」とは、存在している水および水に可溶性、すなわち水中への溶解限界を超えていないすべての成分を指す。
本明細書で使用するとき、「物理的に安定な」エマルションという用語は、実施例のセクションに説明する「エマルション安定性試験」に従って、凍結/解凍/遠心のサイクルを1回(好ましくは2回、より好ましくは3回)した後でも、目に見えるような水の分離が認められないエマルションを指す。
本明細書で使用するとき、「化学的に安定な」組成物という用語は、室温で少なくとも1年、好ましくは少なくとも2年の貯蔵寿命を有する組成物を指す。自己接着性組成物の貯蔵寿命は典型的には、経時変化をさせた組成物を歯牙組織表面にさせたときに、その経時変化をさせた組成物が受容可能な接合強さを与えるかどうかを調べて測定する。
本明細書で使用するとき、「界面活性剤」という用語は、表面の性質を変化させる(たとえば、表面張力を低下させる)表面活性剤のことを指し、典型的には「濡れ剤(wetting agent)」と呼ばれている表面活性剤も含める。
本明細書で使用するとき、「(メタ)アクリル」というのは、「アクリル」および/または「メタクリル」の略称である。たとえば、「(メタ)アクリルオキシ」基は、アクリルオキシ基(すなわち、CH2=CHC(O)O−)および/またはメタクリルオキシ基(すなわち、CH2=C(CH3)C(O)O−)の両方を指す、略称である。
本明細書で使用するとき、不定冠詞の「a」および「an」は、特に断らない限り、「少なくとも一つ」または「一つまたは複数」を意味する。
本発明の組成物は、硬表面、好ましくは、象牙質、エナメル質、および骨のような硬組織を処理するのに有用である。本発明の組成物が、歯牙組織(たとえば、象牙質、エナメル質、または骨)の少なくとも一つのタイプをエッチングする、好ましくはエッチングおよびプライマー処理するのが、特に望ましい。本発明の組成物は、上塗り接着剤(たとえば、歯科用接着剤)と共に使用することができるが、それらを接着剤(すなわち、自己エッチング性接着剤)として使用することもできれば、より好ましい。いくつかの実施態様においては、本発明の組成物は、重なり接着剤(overlying adhesive)としても有用である。その他のいくつかの実施態様においては、本発明の組成物を、エッチング剤、プライマー、または接着剤を必要としない修復材料(たとえば、充填材料)として使用することも可能である。
一段の工程で表面をエッチングおよびプライマー処理できる組成物では、従来の、エッチング後の洗浄と乾燥の工程を省略することができる。次いで、接着剤を、そのエッチングとプライマー処理した表面に塗布することができる。ある種の好ましい実施態様においては、この組成物は自己エッチング性接着剤である。すなわち、それらは一段の工程で表面にエッチングと典型的にはプライマー処理をして、接着剤として機能する。
そのような自己エッチング性プライマーおよび自己エッチング性接着剤組成物は典型的には、重合性成分(たとえば、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物および酸官能性を有しないエチレン性不飽和化合物)および重合開始系を組み合わせることにより、調製される。たとえば、米国特許出願番号第 号(弁理士整理番号第58944US004、発明の名称「SELF−ETCHING DENTAL COMPOSITIONS AND METHODS」、本願と同日に出願);米国特許出願番号第 号(弁理士整理番号第58944US005、発明の名称「SELF−ETCHING EMULSION DENTAL COMPOSITIONS AND METHODS」、本願と同日に出願);および米国特許出願番号第 号(弁理士整理番号第58944US006、発明の名称「SELF−ADHESIVE DENTAL COMPOSITIONS AND METHODS」、本願と同日に出願)を参照されたい。典型的には、その組成物に、所望のエッチング、プライマー処理、接着性、および/または修復材としての性質を付与できるように、重合性成分を選択する。一般的に、硬表面処理組成物に、エッチング、プライマー処理、接着性、および/または修復材としての性質を付与するための、重合性成分やその他の任意の成分を選択する方法は、歯科材料の調合に慣れた者にとっては、公知である。そのような組成物、歯科用接着剤、および歯科用修復材に使用するために適した重合性成分について、本明細書において説明する。
本発明の組成物は、歯牙組織に対する歯科材料の接着を促進させることができる。歯科材料の例を挙げれば、歯科用修復材、歯科矯正装置、および歯科矯正用接着剤などがあるが、これらに限定される訳ではない。本発明の組成物は、歯科用修復材または歯科矯正用接着剤とすることができる。歯科用修復材としては、たとえば、コンポジット、充填物、シーラント、インレー、アンレー、クラウン、およびブリッジなどを挙げることができる。歯科矯正装置としては、たとえば、ブラケット;バッカルチューブ;バンド;クリート;ボタン;リンガルリテーナー;リンガルバー;バイトブロッカー;ヘルプスト装置に接続するために使用するクラウン;たとえば、米国特許第6,309,215号明細書(ミラー(miller)ら)、および係属中の米国特許出願第10/865,649号明細書(2004年6月10日出願、サイネーダー(Cinader)ら)に記載されているような、トゥースポジショナーおよび可撤式装置と共に使用するためのアタッチメントデバイス;および歯牙の位置を矯正または保持することが可能な装置、などが挙げられる。場合によっては、歯科矯正用接着剤を用いて歯科矯正装置をプレコートすることもできる。歯科矯正用接着剤は、未硬化であっても、(たとえば、間接接合方法の場合のように)硬化させてあってもよい。
いくつかの実施態様においては、歯科材料に適用する前に、組成物を硬化させる(たとえば、従来からの光重合および/または化学重合技術によって重合させる)。別な実施態様においては、歯科材料に適用した後に、組成物を硬化させる(たとえば、従来からの光重合および/または化学重合技術によって重合させる)。この組成物を、エナメル質と象牙質の両方に対する接着性を向上させるように処方することが可能であれば、意義深い。この組成物を、エナメル質と象牙質の両方に対する、エッチング剤、プライマー、そして接着剤として機能できるように処方することが可能であれば、特に意義深い。この組成物を、エナメル質と象牙質の両方に対する、エッチング剤、プライマー、接着剤、および修復材料(または歯科矯正用接着剤)として機能できるように処方することが可能であれば、それもまた特に意義深い。
本発明の方法において歯科材料および歯科用接着剤組成物として使用可能な、好適な光重合性組成物としては、(カチオン活性なエポキシ基を含む)エポキシ樹脂、(カチオン活性なビニルエーテル基を含む)ビニルエーテル樹脂、(フリーラジカル活性な不飽和基、たとえば、アクリレートおよびメタクリレートを含む)エチレン性不飽和化合物、およびそれらの組合せ、などが挙げられる。単一の化合物の中にカチオン活性な官能基とフリーラジカル活性な官能基との両方を含む重合性物質もまた適している。その例としては、エポキシ官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。
本発明の組成物には、場合によっては、充填剤、界面活性剤、溶媒、およびその他の添加剤が含まれていてもよい。本明細書に記載した成分を各種組み合わせて、本発明の組成物に使用することができる。
本発明の好適なある種の非水性組成物(好ましくは、接着剤)(すなわち、組成物中に1重量%未満の水を含むもの)は、優れた化学的安定性を有している。すなわち、それらはたとえば、室温で少なくとも1年、好ましくは少なくとも2年の貯蔵寿命安定性を有している。さらに、そのような非水性組成物(好ましくは、接着剤)は、湿潤状態の歯牙組織表面(好ましくは歯牙表面)に直接塗布することが可能である。別な方法では、好適な非水性組成物(好ましくは、接着剤)は、希釈剤(たとえば、水、または界面活性剤と組み合わせた水)と混合してから、湿潤状態または乾燥状態の歯牙組織表面(好ましくは歯牙表面)に塗布することができる。
本発明のある種の好適な水性組成物(好ましくは、接着剤)(すなわち組成物中に水を含むもの)は、油中水型エマルション、好ましくはミクロエマルションである。その油中水型エマルションは、好適な化学的(好ましくは、加水分解)安定性を有しているのが好ましい。すなわち、それらはたとえば、室温で少なくとも1年、好ましくは少なくとも2年の貯蔵寿命安定性を有している。それに加えて、好適な組成物は、歯牙組織の表面に塗布する前の予備混合工程を全く必要としない。
ある種の好適な油中水型エマルションは、物理的にも安定である。すなわち、実施例のセクションに説明する「エマルション安定性試験」に従って、凍結/解凍/遠心のサイクルを1回(好ましくは2回、より好ましくは3回)した後でも、そのエマルションの中に目に見えるような水の分離が認められない。
酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物
本明細書で使用するとき、「酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物」という用語は、エチレン性不飽和ならびに、酸および/または酸前駆体官能性を有するモノマー、オリゴマー、およびポリマーを意味する。酸前駆体官能性には、たとえば、酸無水物、酸ハライド、およびピロホスフェートなどが含まれる。
酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物としては、たとえば、α,β−不飽和酸性化合物、たとえばグリセロールホスフェートモノ(メタ)アクリレート、グリセロールホスフェートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(たとえば、HEMA)ホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシエチル)ホスフェート、((メタ)アクリルオキシプロピル)ホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシプロピル)ホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシ)プロピルオキシホスフェート、(メタ)アクリルオキシヘキシルホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシヘキシル)ホスフェート、(メタ)アクリルオキシオクチルホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシオクチル)ホスフェート、(メタ)アクリルオキシデシルホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシデシル)ホスフェート、カプロラクトンメタクリレートホスフェート、クエン酸ジ−またはトリ−メタクリレート、ポリ(メタ)アクリレート化オリゴマレイン酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリマレイン酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリカルボキシル−ポリホスホン酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリクロロリン酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリスルホネート、ポリ(メタ)アクリレート化ポリホウ酸、などが挙げられ、それらを、硬化可能な樹脂系の成分として使用することができる。不飽和炭素酸のモノマー、オリゴマー、およびポリマー、たとえば(メタ)アクリル酸、芳香族(メタ)アクリレート化酸(たとえば、メタクリレート化トリメリット酸)、およびそれらの無水物もまた、使用することができる。ある種の好適な本発明の組成物としては、少なくとも1個のP−OH残基を有する、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
これらの化合物の内のある種のものは、イソシアナトアルキル(メタ)アクリレートとカルボン酸との間の反応生成物として得られる。酸官能性とエチレン性不飽和成分の両方を有するこのタイプの化合物については、さらに、米国特許第4,872,936号明細書(エンゲルブレヘト(Engelbrecht))および米国特許第5,130,347号明細書(ミトラ(Mitra)ミトラ(Mitra))にも記載がある。エチレン性不飽和と酸残基の両方を含む、広い範囲のそのような化合物を使用することができる。所望により、そのような化合物の混合物を使用することもできる。
酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物の例をさらに挙げれば、たとえば、米国特許仮出願第60/437,106号(出願日2002年12月30日)に開示されているような重合性ビスホスホン酸;AA:ITA:IEM(ペンダントメタクリレートを有するアクリル酸:イタコン酸のコポリマーで、たとえば、米国特許第5,130,347(ミトラ(Mitra))の実施例11に記載されているようにして、AA:ITAコポリマーを充分な量の2−イソシアナトエチルメタクリレートと反応させて、そのコポリマーの酸基の一部をペンダントメタクリレートに転化させて製造したもの);および、米国特許第4,259,075号明細書(ヤマウチ(Yamauchi)ら)、米国特許第4,499,251号明細書(オムラ(Omura)ら)、米国特許第4,537,940号明細書(オムラ(Omura)ら)、米国特許第4,539,382号明細書(オムラ(Omura)ら)、米国特許第5,530,038号明細書(ヤマモト(Yamamoto)ら)、米国特許第6,458,868号明細書(オカダ(Okada)ら)、および欧州特許出願公開第712,622号明細書(株式会社トクヤマ(Tokuyama Corp.)および欧州特許出願公開第1,051,961号明細書(株式会社クラレ(Kuraray Co.,Ltd.)に記載されているものがある。
本発明の組成物には、たとえば、米国特許仮出願番号第 (弁理士整理番号第60035US002、発明の名称「SELF−ADHESIVE COMPOSITIONS INCLUDING A PLURALITY OF ACIDIC COMPOUNDS」、本願と同日に出願)に記載されているような、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物の組合せも含まれ得る。
本発明の組成物には、充填物無添加の組成物の全重量を基準にして、好ましくは少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも3重量%、最も好ましくは少なくとも5重量%の、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物を含む。本発明の組成物には、充填物無添加の組成物の全重量を基準にして、好ましくは最大で80重量%、より好ましくは最大で70重量%、最も好ましくは最大で60重量%の、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物を含む。
酸官能性を有しないエチレン性不飽和化合物
本発明の組成物にはさらに、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物に加えて、一種または複数の重合性成分も含み、それによって硬化可能な組成物を形成させる。それらの重合性成分は、モノマー、オリゴマー、またはポリマーのいずれであってもよい。
ある種の実施態様においては、その組成物が光重合性である、すなわち、その組成物に光重合性成分と光重合開始剤(すなわち、光重合開始系)を含み、化学線照射を行うことによって、組成物の重合(または硬化)を開始させる。そのような光重合性組成物は、フリーラジカル的に重合できるものでもよい。
ある種の実施態様においては、その組成物が化学重合性である、すなわち、その組成物に化学重合性成分と化学重合開始剤(すなわち、重合開始系)を含み、化学線照射の照射に依存することなく、その組成物を重合、架橋、硬化させることができる。そのような化学重合性組成物は、「自己硬化性」組成物と呼ばれることがあり、それには、ガラスアイオノマーセメント、樹脂変性ガラスアイオノマーセメント、レドックス硬化系、およびそれらの組合せが含まれる。
本発明の組成物には、充填物無添加の組成物の全重量を基準にして、好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、最も好ましくは少なくとも15重量%の、酸官能性を有しないエチレン性不飽和化合物を含む。本発明の組成物には、充填物無添加の組成物の全重量を基準にして、好ましくは最大で95重量%、より好ましくは最大で90重量%、最も好ましくは最大で80重量%の、酸官能性を有しないエチレン性不飽和化合物を含む。
光重合性組成物
好適な光重合性組成物には、エチレン性不飽和化合物(フリーラジカル活性を有する不飽和基を含む)を含む光重合性成分(たとえば、化合物)が含まれていてもよい。有用なエチレン性不飽和化合物の例としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ヒドロキシ官能性アクリル酸エステル、ヒドロキシ官能性メタクリル酸エステル、およびそれらの組合せが挙げられる。
光重合性組成物としては、フリーラジカル的に活性な官能基を有する化合物が挙げられ、それには、1個または複数のエチレン性不飽和基を有する、モノマー、オリゴマー、およびポリマーが含まれる。好適な化合物には少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を含み、付加重合することができる。そのようなフリーラジカル重合性化合物の例を挙げれば、モノ−、ジ−またはポリ−(メタ)アクリレート(すなわち、アクリレートおよびメタクリレート)たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、アリルアクリレート、グリセロールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ビス[1−(2−アクリルオキシ)]−p−エトキシフェニルジメチルメタン、ビス[1−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシ)]−p−プロポキシフェニルジメチルメタン、エトキシル化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、およびトリスヒドロキシエチル−イソシアヌレートトリメタクリレート;(メタ)アクリルアミド(すなわち、アクリルアミドおよびメタクリルアミド)たとえば、(メタ)アクリルアミド、メチレンビス−(メタ)アクリルアミド、およびジアセトン(メタ)アクリルアミド;ウレタン(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコール(好ましくは、分子量200〜500)のビス−(メタ)アクリレート、米国特許第4,652、274号明細書(ベッチャー(Boettcher)ら)に記載されているようなアクリレート化モノマーの共重合性混合物、米国特許第4,642,126号明細書(ゼーダー(Zador)ら)に記載されているようなアクリレート化オリゴマー、および米国特許第4,648,843(ミトラ(Mitra))に記載されているようなポリ(エチレン性不飽和)カルバモイルイソシアヌレート;ならびにビニル化合物たとえば、スチレン、ジアリルフタレート、ジビニルスクシネート、ジビニルアジペートおよびジビニルフタレートなどがある。その他の好適なフリーラジカル重合性化合物としては、たとえば国際公開第00/38619号パンフレット(グッゲンベルガー(Guggenberger)ら)、国際公開第01/92271号パンフレット(バインマン(Weinmann)ら)、国際公開第01/07444号パンフレット(グッゲンベルガー(Guggenberger)ら)、国際公開第00/42092号パンフレット(グッゲンベルガー(Guggenberger)ら)などに開示されている、シロキサン官能性(メタ)アクリレート、ならびに、たとえば米国特許第5,076,844号明細書(フォック(Fock)ら)、米国特許第4,356,296号明細書(グリフィス(Griffith)ら)、欧州特許第0373 384号明細書(ワーゲンクネヒト(Wagenknecht)ら)、欧州特許第0201 031号明細書(ライナース(Reiners)ら)、および欧州特許第0201 778号明細書(ライナース(Reiners)ら)などに開示されている、フルオロポリマー官能性(メタ)アクリレートなどが挙げられる。所望により、フリーラジカル重合が可能な2種以上の化合物を使用することもできる。
重合性成分には、単一の分子の中に、ヒドロキシル基とフリーラジカル的に活性な官能基とを含んでいてもよい。そのような物質の例としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、たとえば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよび2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;グリセロールモノ−またはジ−(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンモノ−またはジ−(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールモノ−、ジ−、およびトリ−(メタ)アクリレート;ソルビトールモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−、またはペンタ−(メタ)アクリレート;および2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(ビスGMA)などが挙げられる。好適なエチレン性不飽和化合物はさらに、広い範囲の商業的入手源、たとえばセントルイス(St.Louis)のシグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich)からも入手することができる。所望により、エチレン性不飽和化合物の混合物を使用することもできる。
好適な光重合性成分としては、PEGDMA(ポリエチレングリコールジメタクリレート、分子量約400)、ビスGMA、UDMA(ウレタンジメタクリレート)、GDMA(グリセロールジメタクリレート)、TEGDMA(トリエチレングリコールジメタクリレート)、米国特許第6,030,606号明細書(ホルメス(Holmes))に記載されているようなビスEMA6、およびNPGDMA(ネオペンチルグリコールジメタクリレート)などを挙げることができる。所望により、重合性成分を各種組み合わせて使用することができる。
フリーラジカル的に光重合性組成物を重合させるための、好適な光開始剤(すなわち、一種または複数の化合物を含む光開始剤系)としては、2成分系および3成分系が挙げられる。典型的な3成分系光開始剤には、米国特許第5,545,676号明細書(パラゾット(Palazzotto)ら)に記載されているような、ヨードニウム塩、光増感剤、および電子供与性化合物が含まれる。好適なヨードニウム塩は、ジアリールヨードニウム塩、たとえば、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、およびトリルクミルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。好適な光増感剤は、400nm〜520nm(好ましくは、450nm〜500nm)の範囲内で光を吸収する、モノケトンおよびジケトンである。より好ましい化合物は、400nm〜520nm(さらにより好ましくは、450〜500nm)の範囲で光を吸収する、アルファジケトンである。好適な化合物は、ショウノウキノン、ベンジル、フリル、3,3,6,6−テトラメチルシクロヘキサンジオン、フェナントラキノン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン、およびその他の1−アリール−2−アルキル−1,2−エタンジオン、および環状アルファジケトンである。最も好ましいのは、ショウノウキノンである。好適な電子供与性化合物としては、置換アミン、たとえば、ジメチルアミノ安息香酸エチルが挙げられる。カチオン重合性樹脂を光重合させるのに有用なその他の好適な三級光開始剤系が、たとえば、米国特許出願公開第2003/0166737号明細書(デデ(Dede)ら)に記載されている。
フリーラジカル的光重合性組成物を重合させるための、その他好適な光開始剤としては、典型的には380nm〜1200nmに官能波長を有するホスフィンオキシドのタイプが挙げられる。380nm〜450nmに官能性波長領域を有する、好適なホスフィンオキシドフリーラジカル重合開始剤は、アシルおよびビスアシルホスフィンオキシドであって、それらは、たとえば米国特許第4,298,738号明細書(レヒトケン(Lechtken)ら)、米国特許第4,324,744号明細書(レヒトケン(Lechtken)ら)、米国特許第4,385,109号明細書(レヒトケン(Lechtken)ら)、米国特許第4,710,523号明細書(レヒトケン(Lechtken)ら)、および米国特許第4,737,593号明細書(エルリッヒ(Ellrich)ら)、米国特許第6,251,963号明細書(コーラー(Kohler)ら);ならびに欧州特許出願公開第0 173 567A2号明細書(イン(Ying))などに記載されている。
380nm〜450nmよりも高い波長範囲の照射を受けて、フリーラジカル重合開始をさせることが可能なホスフィンオキシド光開始剤で、市販されているものとしては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(イルガキュア(IRGACURE)819、ニューヨーク州タリータウン(Tarrytown,NY)のチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals))、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド(CGI403、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals))、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンとの重量で25:75の混合物(イルガキュア(IRGACURE)1700、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals))、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンとの重量で1:1の混合物(ダロキュア(DAROCUR)4265、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals))、および、2,4,6−トリメチルベンジルフェニルホスフィン酸エチル(ルシリン(LUCIRIN)LR8893X、ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte,NC)のBASF・コーポレーション(BASF Corp.))などが挙げられる。
典型的には、ホスフィンオキシド開始剤は光重合性組成物中に、触媒量として有効な量、たとえば、組成物の全重量を基準にして0.1重量パーセント〜5.0重量パーセントの量で存在させる。
アシルホスフィンオキシドと組み合わせて、三級アミン還元剤を使用してもよい。本発明において有用な三級アミンの代表例としては、4−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸エチルおよびN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートが挙げられる。アミン還元剤を存在させる場合には、その量は、光重合性組成物の中に、組成物の全重量を基準にして0.1重量パーセント〜5.0重量パーセントの量である。その他の開始剤の有用な使用量は、当業者には周知である。
化学重合性組成物
化学重合性組成物としては、重合性成分(たとえば、エチレン性不飽和重合性成分)および、酸化剤と還元剤とを含むレドックス反応剤を含む、レドックス硬化系を挙げることができる。本発明において有用な、好適な重合性成分、レドックス剤、任意成分の酸官能性成分および任意成分の充填剤は、米国特許出願公開第2003/0166740号明細書(ミトラ(Mitra)ら)および米国特許出願公開第2003/0195273号明細書(ミトラ(Mitra)ら)に記載されている。
これらの還元剤および酸化剤は、互いに反応するか、そうでなければ相互に作用して、樹脂系(たとえば、エチレン性不飽和成分)の重合を開始させることが可能なフリーラジカルを発生するものでなければならない。このタイプの硬化反応は、暗反応であって、すなわち、光の存在には依存せず、光が無い状態でも進行する。この還元剤および酸化剤は、充分な貯蔵安定性を有していて、望ましくない着色が無く、典型的な歯科条件下で貯蔵・使用が可能であるのが好ましい。それらは、樹脂系との間に充分な混和性を有し(かつ、好ましくは水溶性であって)、重合性組成物の他の成分の中に容易に溶解するような(そして、それから分離しない)ものであるべきである。
有用な還元剤の例を挙げれば、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、および米国特許第5,501,727号明細書(ワン(Wang)ら)に記載がある金属錯体化アスコルビン酸化合物;アミン、特に三級アミン、たとえば4−tert−ブチルジメチルアニリン;芳香族スルフィン酸塩、たとえばp−トルエンスルフィン酸塩およびベンゼンスルフィン酸塩;チオ尿素、たとえば1−エチル−2−チオ尿素、テトラエチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、1,1−ジブチルチオ尿素、および1,3−ジブチルチオ尿素;ならびにそれらの混合物などがある。その他の二次的な還元剤としては、塩化コバルト(II)、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン(酸化剤の選択に依存)、亜ジチオン酸または亜硫酸アニオンの塩、およびそれらの混合物などが挙げられる。還元剤がアミンであるのが好ましい。
好適な酸化剤もまた当業者には馴染みのあるもので、過硫酸およびそれらの塩、たとえば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、セシウム、およびアルキルアンモニウム塩などが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。さらなる酸化剤を挙げれば、ペルオキシドたとえばベンゾイルペルオキシド、ヒドロペルオキシドたとえばクミルヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシドおよびアミルヒドロペルオキシド、さらには遷移金属の塩、たとえば塩化コバルト(III)および塩化第二鉄、硫酸セリウム(IV)、過ホウ酸およびそれらの塩、過マンガン酸およびそれらの塩、過リン酸およびそれらの塩、ならびにそれらの混合物などがある。
2種以上の酸化剤または2種以上の還元剤を使用するのが望ましい。少量の遷移金属化合物を添加して、レドックス硬化速度を加速させてやることも可能である。いくつかの実施態様においては、米国特許出願公開第2003/0195273(ミトラ(Mitra)ら)に記載があるように、重合性組成物の安定性を向上させる目的で、二級イオン性塩を含むのが好ましい。
還元剤および酸化剤は、充分なフリーラジカル反応速度を与えるような量で存在させる。このことは、任意成分の充填剤を除いて、重合性組成物の成分を全部組み合わせて、硬化物が得られるかどうかを観察することによって、評価することができる。
還元剤は、重合性組成物の成分の全重量(水を含む)を基準にして、好ましくは少なくとも0.01重量%、より好ましくは少なくとも0.1重量%の量で存在させる。還元剤は、重合性組成物の成分の全重量(水を含む)を基準にして、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下の量で存在させる。
酸化剤は、重合性組成物の成分の全重量(水を含む)を基準にして、好ましくは少なくとも0.01重量%、より好ましくは少なくとも0.10重量%の量で存在させる。酸化剤は、重合性組成物の成分の全重量(水を含む)を基準にして、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下の量で存在させる。
それらの還元剤または酸化剤は、米国特許第5,154,762号明細書(ミトラ(Mitra)ら)に記載されているように、マイクロカプセル化しておいてもよい。こうすると、一般的には重合性組成物の貯蔵安定性が向上し、必要に応じて、還元剤と酸化剤を一緒に包装することも可能となる。たとえば、カプセル化材料に適切なものを選択することによって、酸化剤と還元剤を、酸官能性成分と任意成分の充填剤と組み合わせることが可能となり、貯蔵するのに安定な状態で保存することができる。同様にして、水溶性のカプセル化材料を適切に選択することによって、還元剤と酸化剤をFASガラスおよび水と組み合わせることが可能となり、貯蔵安定性のある状態で保存することができる。
米国特許第5,154,762(ミトラ(Mitra)ら)に記載されているように、レドックス硬化系を、他の硬化系たとえば光重合性組成物と組み合わせることも可能である。
界面活性剤
本発明の組成物および方法において有用な界面活性剤としては、たとえば、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、およびそれらの組合せを挙げることができる。本発明の組成物および方法において有用な界面活性剤には、非重合性界面活性剤および重合性界面活性剤が含まれる。
非重合性ノニオン性界面活性剤は、当業者には周知である。非重合性ノニオン性界面活性剤の例を挙げれば、たとえば、ポリオキシエチレンアルコール(BRIJシリーズ)、ポリオキシエチレン酸(MYRJシリーズ)、ポリオキシエチレン脂肪酸(TWEENシリーズ)、ソルビタン脂肪酸エステル(SPANシリーズ)、アルコールエトキシレート(RHODASURFシリーズ)、ノニルフェノール芳香族エトキシレート(IGEPALシリーズ)などがある。
有用な重合性ノニオン性界面活性剤は典型的には、エチレン性不飽和基、たとえばスチリルおよびアリル基のような重合性基、さらには(メタ)アクリレート化合物、たとえばヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどを含み、それらが、(たとえば、ウレタン結合を介して)炭化水素基(たとえば、ヘキシル、シクロヘキシル、ペンチル、またはオクチル)またはポリエチレングリコール鎖に結合している。メタクリレートまたはアクリレート残基(以後、(メタ)アクリレートと言う)は、炭化水素基と共に非極性疎水性末端を形成し、一方でポリエチレングリコール鎖が極性親水性末端を形成する。(メタ)アクリレート基の数とポリエチレングリコールまたは鎖の長さまたは数とを変化させることによって、各種広い性質を有する界面活性剤を製造することができる。(メタ)アクリレート基に加えて、その他の非極性基たとえば脂肪酸をさらに組み込んで、望み通りの一層疎水性の強い末端を得ることも可能である。必要に応じて、ポリエチレングリコール鎖をいくつかの短い鎖に分断することも可能である。
有用な重合性ノニオン性界面活性剤は当業者には周知であって、たとえば、日本国(Japan)の第一工業製薬(株)(DAI−Ichi Kogyo Seiyaku Co.Ltd.,)(ウィリアム・H.・ミンケマ(William H.Minkema)、ミネソタ州プリマス(Plymouth,MN)のミンク・インコーポレーテッド(MINK Inc.))からの商品名ノイゲン(NOIGEN)RN−10、ノイゲン(NOIGEN)RN−20、およびノイゲン(NOIGEN)RN−50として入手可能な重合性ノニオン性界面活性剤が挙げられる。その他の好適な重合性ノニオン性界面活性剤としては、たとえば米国特許第6,387,982号明細書(ブラックウェル(Blackwell))に開示されているようなものが挙げられる。
重合性アニオン性界面活性剤は当業者に周知であって、たとえば、米国特許第4,814,514号明細書(ヨコタ(Yokota)ら)、米国特許第4,939,283号明細書(ヨコタ(Yokota)ら)、米国特許第5,324,862号明細書(ヨコタ(Yokota)ら)、および米国特許第5,332,854号明細書(ヨコタ(Yokota)ら)などに開示されているようなものが挙げられる。
組成物が界面活性剤を含んでいるような本発明の実施態様においては、その組成物には、充填物無添加の組成物の全重量を基準にして、好ましくは少なくとも0.1重量%、より好ましくは少なくとも0.3重量%、最も好ましくは少なくとも0.4重量%の界面活性剤を含む。そのような実施態様では、その組成物には、充填物無添加の組成物の全重量を基準にして、好ましくは最大で50重量%、より好ましくは最大で30重量%、最も好ましくは最大で15重量%の界面活性剤を含む。
希釈剤が界面活性剤を含んでいるような本発明の実施態様においては、その希釈剤には、希釈剤の全重量を基準にして、好ましくは少なくとも0.1重量%、より好ましくは少なくとも0.3重量%、最も好ましくは少なくとも0.4重量%の界面活性剤を含む。そのような実施態様では、その希釈剤には、希釈剤の全重量を基準にして、好ましくは最大で50重量%、より好ましくは最大で30重量%、最も好ましくは最大で15重量%の界面活性剤を含む。
充填剤
本発明の組成物には、充填剤を加えることも可能である。充填剤は、歯科的用途に使用される組成物の中に組み込むのに適した、広い範囲の各種の材料の一種または複数から選択することができ、たとえばそのような充填剤は、現在歯科用修復材組成物などに使用されているようなものである。
充填剤は、微細に粉砕されているのが好ましい。充填剤の粒径分布は、ユニモーダルであってもポリモーダル(たとえば、バイモーダル)であってもよい。充填剤の最大粒径(粒子の最大寸法、典型的には直径)は、好ましくは20マイクロメートル未満、より好ましくは10マイクロメートル未満、最も好ましくは5マイクロメートル未満である。充填剤の平均粒径は好ましくは0.1マイクロメートル未満、より好ましくは0.075マイクロメートル未満である。
充填剤は無機材料であってもよい。充填剤はまた、樹脂系に不溶の架橋させた有機材料であってもよく、場合によっては、無機充填剤と共に充填することができる。この充填剤は、いかなる点においても毒性があってはならず、口腔内で使用するのに適したものでなければならない。この充填剤はX線不透過性であっても、あるいはX線透過性であってもよい。充填剤は、典型的には、実質的に水に溶解しない。
好適な無機充填剤の例としては、天然由来または合成の物質で:石英;窒化物(たとえば、窒化ケイ素);たとえば、Zr、Sr、Ce、Sb、Sn、Ba、ZnおよびAlから誘導されるガラス;長石;ボロシリケートガラス;カオリン;タルク;チタニア;低モース硬度の充填剤でたとえば米国特許第4,695,251号明細書(ランドクレフ(Randklev))に記載されているようなもの;およりサブミクロンサイズのシリカ粒子(たとえば、熱分解法シリカ、たとえばオハイオ州アクロン(Akron,OH)のデグッサ・コーポレーション(Degussa Corp.)からの商品名アエロジル(AEROSIL)、たとえば「OX50」、「130」、「150」および「200」シリカ、ならびに、イリノイ州タスコーラ(Tuscola,IL))のキャボット・コーポレーション(Cabot Corp.)からのキャブ・オ・シル(CAB−O−SIL)M5シリカなど)が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。好適な有機充填剤粒子の例としては、フィラー入りまたはフィラー無しの、微粉砕したポリカーボネート、ポリエポキシドなどが挙げられる。
酸非反応性の充填剤粒子としては、石英、サブミクロンシリカ、および米国特許第4,503,169号明細書(ランドクレフ(Randklev))に記載されているような、非ガラス質のミクロ粒子が、適している。これらの酸非反応性の充填剤の混合物もまた考慮に入るし、さらには有機および無機材料から製造した組合せ充填剤もまた考えられる。ある種の実施態様においては、シラン処理したジルコニア−シリカ(Zr−Si)充填剤が特に好ましい。
この充填剤が、酸反応性充填剤であってもよい。好適な酸反応性充填剤としては、金属酸化物、ガラスおよび金属塩が挙げられる。典型的な金属酸化物としては、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウムおよび酸化亜鉛が挙げられる。典型的なガラスとしては、ホウ酸ガラス、リン酸ガラスおよびフルオロアルミノシリケート(「FAS」)ガラスが挙げられる。FASガラスであれば、特に好ましい。FASガラスには典型的には、溶出可能なカチオンを充分に含んでいて、それにより、そのガラスを硬化性の組成物の成分と混合したときに、硬化された歯科用組成物が形成されるようにする。さらにこのガラスには典型的には、溶出可能なフルオリドイオンを充分に含んでいて、それにより、その硬化させた組成物が抗齲蝕性を有するようにする。このガラスは、フルオリド、アルミナ、およびその他のガラス形成性成分を含む溶融物から、FASガラス製造に従事するものには公知の技術を使用して製造することが可能である。FASガラスは典型的には、充分に細かく粉砕して、それにより、他のセメント成分とうまく混合することができ、得られた混合物を口腔内で使用したときに性能を充分に発揮できるようにする。
一般的には、FASガラスの平均粒径(典型的には、直径)は、たとえば沈降法測定器を用いて測定して、約12マイクロメートル以下、典型的には10マイクロメートル以下、より典型的には5マイクロメートル以下である。好適なFASガラスは、当業者には周知であり、広い範囲の供給業者から入手することができるが、ガラスアイオノマーセメントとして現在入手可能なものが多く、たとえば、商品名ビトレマー(VITREMER)、ビトレボンド(VITREBOND)、リライ・X・ルーティング・セメント(RELY X LUTING CEMENT)、リライ・X・ルーティング・プラス・セメント(RELY X LUTING PLUS CEMENT)、フォタック−フィル・クイック(PHOTAC−FIL QUICK)、ケタック−モラー(KETAC−MOLAR)、およびケタック−フィル・プラス(KETAC−FIL PLUS)(ミネソタ州セントポール(St.Paul,MN)の3M・ESPE・デンタル・プロダクツ(3M ESPE Dental Products))、フジ・II・LC(FUJI II LC)およびフジIX(FUJI IX)(日本国東京の、G−C・デンタル・インダストリーズ・コーポレーション(G−C Dental Industrial Corp.))、およびケムフィル・スペリオル(CHEMFIL Superior)(ペンシルバニア州ヨーク(York,PA)のデンツプライ・インターナショナル(Dentsply International))などが商品として入手できる。所望により、充填剤の混合物を使用することもできる。
充填剤粒子の表面をカップリング剤を用いて処理して、充填剤と樹脂との間の接着性を高めることもできる。適切なカップリング剤の使用としては、ガンマ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ガンマ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
その他好適な充填剤が、米国特許第6,387,981号明細書(ジャーン(Zhang)ら)および米国特許第6,572,693号明細書(ウー(Wu)ら)、さらには国際公開第01/30305号パンフレット(ジャーン(Zhang)ら)、国際公開第01/30306号パンフレット(ウィンディッシュ(Windisch)ら)、国際公開第01/30307号パンフレット(ジャーン(Zhang)ら)、および国際公開第03/063804号パンフレット(ウー(Wu)ら)などに開示されている。それらの引用文献に記載されている充填剤成分には、ナノサイズのシリカ粒子、ナノサイズの金属酸化物粒子、およびそれらの組合せが含まれている。ナノ充填剤はまた、米国特許出願第10/847,781号明細書;米国特許出願第10/847,782号明細書;および米国特許出願第10/847,803号明細書にも記載されているが、この3件はすべて2004年5月17日に出願されたものである。
充填剤(たとえば、歯科用接着剤組成物)を含む本発明のいくつかの実施態様では、その組成物には、組成物の全重量を基準にして、好ましくは少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも2重量%、最も好ましくは少なくとも5重量%の充填剤が含まれる。そのような実施態様では、本発明の組成物には、組成物の全重量を基準にして、好ましくは最大で40重量%、より好ましくは最大で20重量%、最も好ましくは最大で15重量%の充填剤を含む。
(たとえば、その組成物が歯科用修復材または歯科矯正用接着剤であるような)その他の実施態様においては、本発明の組成物には、組成物の全重量を基準にして、好ましくは少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも45重量%、最も好ましくは少なくとも50重量%の充填剤を含む。そのような実施態様では、本発明の組成物には、組成物の全重量を基準にして、好ましくは最大で90重量%、より好ましくは最大で80重量%、さらにより好ましくは最大で70重量%充填剤、最も好ましくは最大で50重量%の充填剤を含む。
任意成分の光脱色性染料
いくつかの実施態様においては、本発明の組成物の最初の色が、歯牙組織とは著しく異なっているのが好ましい。その組成物に対して、光脱色性染料を使用して着色するのが好ましい。その組成物には、組成物の全重量を基準にして、好ましくは少なくとも0.001重量%の光脱色性染料、より好ましくは少なくとも0.002重量%の光脱色性染料を含む。その組成物には、組成物の全重量を基準にして、好ましくは最大で1重量%の光脱色性染料、より好ましくは最大で0.1重量%の光脱色性染料を含む。光脱色性染料の量は、吸光係数、最初の色を見分けることができるヒトの目の能力、および希望する色変化などによって、変えることができる。
光脱色性染料の色生成および脱色性は、各種の要因によって変化するが、そのような要因としてはたとえば、酸強度、誘電率、極性、酸素量、および雰囲気中の湿分量などが挙げられる。しかしながら、染料の脱色性は、組成物に光をあてて色の変化を評価することにより、容易に求めることができる。少なくとも1種の光脱色性染料が、硬化性樹脂の中に少なくとも部分的に溶解するのが好ましい。
代表的なタイプの光脱色性染料は、たとえば、米国特許第6,331,080号明細書(コール(Cole)ら)、米国特許第6,444,725号明細書(トロム(Trom)ら)、および米国特許第6,528,555号明細書(ニクトウスキイ(Nikutowski)ら)に開示されている。好適な染料の例を挙げれば、たとえば、ローズベンガル、メチレンバイオレット、メチレンブルー、フルオレセイン、エオシンイエロー、エオシンY、エチルエオシン、エオシンブルーイッシュ、エオシンB、エリスロジンB、エリスロジンイエローイッシュブレンド、トルイジンブルー、4',5'−ジブロモフルオレセイン、およびそれらの組合せなどがある。
本発明の組成物の色の変化は、光によって開始される。この組成物の色の変化は、化学線照射を用いて開始させるのが好ましいが、そのためには、たとえば、充分な時間にわたって可視光線または近赤外線(IR)を放射できる、歯科治療用光源を使用する。本発明の組成物において色変化を開始させるメカニズムは、樹脂を硬化させるメカニズムとは、別であるかもしれないし、あるいは、実質的に同時に起きるかもしれない。たとえば、重合を化学的(たとえば、レドックス開始)または熱的に開始させて、組成物を硬化させることができるが、最初の色から最後の色への色変化は、その硬化プロセスの後で、化学線照射に暴露させて起こさせることもできる。
最初の色から最後の色への組成物の色の変化は、比色試験によって定量化するのが好ましい。比色試験を用いて、ΔE*の値を求めると、それが三次元色空間の中における総合的な色の変化を表す。ヒトの目では、通常の照明条件下では、約3ΔE*単位の色の変化を見分けることができる。本発明の歯科用組成物は、色変化を、好ましくはΔE*が少なくとも20;より好ましくは、ΔE*が少なくとも30;最も好ましくはΔE*が少なくとも40とすることができる。
任意成分の添加剤
場合によっては、本発明の組成物には溶媒を含んでいてもよく、その溶媒としてはたとえば、アルコール(たとえば、プロパノール、エタノール)、ケトン(たとえば、アセトン、メチルエチルケトン)、エステル(たとえば、酢酸エチル)、およびその他の非水溶媒(たとえば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1−メチル−2−ピロリジノン))などが挙げられる。
所望により、本発明の組成物には、指示薬、染料、顔料、禁止剤、加硫促進剤、粘度変性剤、濡れ剤、酒石酸、キレート剤、緩衝液、安定剤、およびその他当業者には自明の同様の成分などの、添加剤を含んでいてもよい。それらに加えて、場合によっては医薬品または治療用薬剤をその歯科用組成物に加えることもできる。そのような例としては、歯科用組成物において頻用されるタイプの、フルオリド源、白化剤、齲蝕予防薬(たとえば、キシリトール)、再石灰化薬(たとえば、リン酸カルシウム化合物)、酵素、口臭防止薬(breath freshener)、麻酔薬、凝結薬、酸中和剤、化学療法薬、免疫応答変性薬、チキソ剤、ポリオール、抗炎症薬、抗菌薬、抗真菌薬、口内乾燥症治療薬、脱感作薬などが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。上記の添加剤はどのように組み合わせて使用してもよい。そのような添加剤のどれを選択して、どれだけの量で使用するかは、当業者ならば選択することが可能で、余分な実験をしなくても、目的の結果を達成することができる。
希釈剤
本発明のいくつかの特定の実施態様においては、水性希釈剤(すなわち、水を含む希釈剤)を歯牙組織表面に塗布して、その表面を濡らす。本発明のいくつかの特定の実施態様においては、非水性組成物(好ましくは、接着剤組成物)を希釈剤と共に混合して、歯牙組織表面(好ましくは歯牙表面)に塗布する。
いくつかの実施態様においては、水性希釈剤は、実質的に水、または界面活性剤と組み合わせた水からなる。その水は、蒸留水であっても、脱イオン水であっても、あるいは普通の水道水であってもよい。一般的には、脱イオン水が好ましい。好適な界面活性剤については、本明細書で先に説明した。
いくつかの実施態様においては、その水性希釈剤には、たとえば、酸の影響を受けやすい染料、抗菌薬、水溶性モノマー、pH調節剤、緩衝剤、安定剤、界面活性剤、フルオリドアニオン、フルオリド放出剤、またはそれらの組合せが含まれていてもよい。好適な、酸の影響を受けやすい染料としては、たとえば、米国特許仮出願番号第 (弁理士整理番号第59822US003、発明の名称「DENTAL METHODS,COMPOSITIONS,AND KITS INCLUDING ACID−SENSITIVE DYES」、本願と同日に出願)、および米国特許仮出願番号第 (弁理士整理番号第59822US002、発明の名称「DENTAL METHODS、COMPOSITIONS,AND KITS INCLUDING ACID−SENSITIVE DYES」、出願日:2004年7月8日に開示されているようなものが挙げられる。
その中で、水性希釈剤を非水性本発明の組成物と混合するような実施態様においては、希釈剤の量は、充分な取扱いと混合性能が得られ、特に充填剤−酸の反応において、イオンの輸送を可能とするのに充分なものとするべきである。水は、組成物を形成させるのに使用した成分の全重量の、好ましくは少なくとも2重量%、より好ましくは少なくとも5重量%とする。水は、組成物を形成させるのに使用した成分の全重量の、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下とする。
油中水型エマルション
本発明の、ある種の好ましい水系組成物は、油中水型エマルション、好ましくはミクロエマルションである。
エマルションには、エマルションの全重量を基準にして、好ましくは少なくとも1重量%の水、より好ましくは少なくとも3重量%の水を含み、そして最も好ましくは、ある種の実施態様では、エマルションには少なくとも5重量%の水を含む。エマルションには、エマルションの全重量を基準にして、好ましくは70重量%以下の水、より好ましくは50重量%以下の水を含む。
本発明のエマルションを調製する際には典型的には、乳化剤および/または界面活性剤を使用する。その水相に低レベルの安定化成分を添加することも、有利となりうる。硫酸マグネシウムのような塩が、有用なエマルション安定剤となるであろう。水溶性のゴムたとえばグアー誘導体、キサンタンガム、および増粘剤のたとえばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびカルボキシルビニルポリマーなどを添加することが、エマルションを安定化させるのに役立つ可能性がある。
油中水型マクロエマルションを調製するための典型的な方法には、油相(ポリマーおよび任意成分たとえば、界面活性剤を含む)と水相(任意成分、たとえば、界面活性剤および/または安定化成分を含む)とを独立に加熱する工程、および良好な撹拌下に前記水相を前記油相に徐々に添加する工程、が含まれる。均質化をするのが好ましいが、必須という訳ではない。冷却をしてから、他の任意成分たとえば、充填剤を添加することができる。他の油中水型マクロエマルションを調製する場合には、加熱は必要でないこともある。マクロエマルションの調製が成功するかどうかは、多くの場合、温度、混合速度および時間、剪断力などの因子に依存する。
また別な実施態様においては、油中水型エマルションを、組成物の内の比較的極性の強い成分(たとえば、リン酸エステルモノマー、極性溶媒、界面活性剤、および水)をまず混合してエマルションを形成させ、次いで組成物の内の比較的非極性の成分を添加することによって、調製することもできる。
自己エッチング性接着剤組成物として有用な油中水型エマルションを調製するのに使用可能なまた別な方法は、たとえば、本発明の実施例(たとえば、実施例46参照)に記載するように、適切な界面活性剤によって、カプセル化された、ミクロンサイズまたはサブミクロンサイズの水滴を含む逆ミセル系を調製するものである。有機化合物の逆ミセルおよび一般的な可溶化についての議論については、たとえば、シュウ(Xu)ら、J.Phys.Chem.、97:11350〜11353(1993);および、バネルジー(Banerjee)ら、Ind.Eng.Chem.Res.,35:3100〜3107(1996)を参照されたい。
ミクロエマルションは、水中油型(O/I)であっても油中水型(W/O)であってもよいが、本発明においては、後者の型が特に興味深い。油中水型ミクロエマルションは、最大サイズでも100ナノメートルの水滴を分散させる条件下で形成されるが、典型的には、水/油界面において、界面活性剤および共界面活性剤を吸着させて、界面張力を低下させることにより得られる。ミクロエマルションについての理論は、科学文献に見ることができるが、そのようなものとしてはたとえば、レオン(Leung)ら、「Surfactants in Chemical Process Engineering」(マーセル・デッカー(Marcel Dekker)、1988)の第9章、;オーバービーク(Overbeek)ら、「”Surfactants” in Microemulsions」(アカデミック・プレス(Academic Press)、1984);サフラン(Safran)ら、Phys.Rev.Lett.,50:1930(1983);リュッケンシュタイン(Ruckenstein)ら、J.Chem.Soc.Faraday Trans.,2、71:1690(1975);およびオストロフスキイ(Ostrovsky)ら、J.Colloid.Interface Sci.,102:206(1984);および「Surfactants and Polymers in Aqueous Solution」第2版、ジョン・ワイリー・アンド・ソンズ(John Wiley & Sons)(2003、改訂再版2004)の第6章「Microemulsions」p.138〜155(ホルムバーグ(Holmberg)ら)などがある。
油中水型ミクロエマルションを製造するための典型的な手順においては、最終工程として、撹拌しながら水を組成物の残りの成分に徐々に添加し、最初の濁りが出るまで続ける。この「漸増(titration)」手順の間に、最初の濁り点において自然にミクロエマルションが形成される。このことが起きるには、組成物の全重量を基準にして、8重量%〜12重量%の水が一般に必要である。典型的には、ミクロエマルションは単純に混合することにより形成され、組成物の油成分と水成分を別途に予備混合しておいたり、あるいは水を添加する前に加熱したりする必要はない。
使用方法
本発明の組成物を使用する方法の例は、実施例に示す。本発明の幾つかの実施態様においては、組成物(好ましくは、接着剤)に歯牙組織表面のエッチングを起こさせるのに効果のある条件は、ブラシを用いて接着剤および/または接着剤/希釈剤混合物をさっと塗って、歯牙組織表面に馴染ませ/塗り込むことであるが、その時間は、エッチングをさせるのに充分な時間(すなわち、少なくとも3秒、典型的には少なくとも5秒、多くの場合少なくとも10秒、時には少なくとも20秒)である。
歯牙組織表面に対して効果的なエッチング活性を達成するためには、その処理の時に水を存在させておくことが一般に重要である。このような水を存在させておくという目的は、実施例のセクションで例示するような各種の技術と方法により、達成することが可能である。簡単に、幾つかの典型的な方法を挙げておく。
第一の方法は、歯科医のためのもので、水洗いの後でその組織の表面を水で濡れた状態のままにしておく方法で、その結果、組織処置の前の典型的な乾燥工程を完全に省くか、または部分的に省くことになる。次いで、非水性自己エッチング性歯科用組成物(たとえば、自己エッチング性接着剤、自己接着性組成物、または歯科矯正用接着剤)をその組織の表面に塗布し、通常の方法を用いて硬化させることができる。
第二の方法(「ウェット・ブラシ」法)では、まずデンタルアプリケーターを水性希釈剤(たとえば、水か、または水に1種または複数の添加剤を加えたもの)の中に浸し、次いでその濡らしたブラシを非水性、自己エッチング性歯科用組成物(たとえば、自己エッチング性接着剤)と混ぜる。そうして得られた水性混合物は、次いで、組織の表面に塗布して、通常の方法を用いて硬化させることができる。
第三の方法では順に、水性希釈剤(たとえば水か、または水に1種または複数の添加剤を加えたもの)を用いて乾燥状態の歯牙組織表面を処理し、次いで、非水性の自己エッチング性歯科用組成物(たとえば、自己エッチング性接着剤、自己接着性組成物、または歯科矯正用接着剤)を塗布する。次いで、そうして得られた処理済み表面をさらに処理して、通常の方法を用いて硬化させることができる。
水性で自己エッチング性の組成物(たとえば、自己エッチング性、油中水型エマルション接着剤)の場合、その組成物は、通常の方法を用いて乾燥状態の歯牙組織表面に塗布することができる。典型的には、そのような自己エッチング性、油中水型エマルション接着剤は、アプリケーターブラシを用いて約20秒間組織表面に塗布し、穏やかな空気流で20〜25秒間通気乾燥させ、約10秒間かけて光硬化させる。最終的に、歯科材料(たとえば、歯科用修復材)を硬化させた接着剤層に適用して、約20秒かけて光硬化させることができる。
歯科材料を歯牙組織表面に接合させる方法で、エナメル質または象牙質(または好ましくは両方)に対して、好ましくは少なくとも7MPa、より好ましくは少なくとも15MPa、最も好ましくは少なくとも20MPaの接合力になるようにする。
以下の実施例を用いて本発明を説明する。特定の実施例、材料、それらの量および手順は、本明細書に記述する本発明の範囲と精神に従って、広く解釈されるべきである、ということは理解されたい。特に断らない限り、すべての部とパーセントは重量基準であり、水はすべて脱イオン水であり、分子量はすべて重量平均分子量である。
試験方法
エナメル質または象牙質に対する接着剪断接合強さの試験方法
与えられた試験サンプルについてのエナメル質または象牙質に対する接着剪断接合強さを、以下の手順により評価した。
歯牙の調製
軟組織を除いたウシの切歯を、円板状のアクリルディスクの上に包埋させた。その包埋させた歯牙は、使用直前まで、冷蔵庫の水の中に保管した。接着剤試験のための調製では、宝石細工用ホイールの上に取り付けた120グリットのサンドペーパーを用いて、その包埋させた歯牙を研削して、フラットなエナメル質または象牙質を露出させた。宝石細工用ホイールに取り付けた320グリットのサンドペーパーを用いて、さらに、歯牙の表面の研削と研磨を行った。その歯牙は、研削プロセスの間は連続的に水を流して洗浄した。そのようにして研磨した歯牙は脱イオン水の中に保存し、研磨してから2時間以内に試験のために用いた。それらの歯牙は使用する前には、36℃の炉の中で温めて、室温(23℃)〜36℃の間の温度とした。
歯牙の処理
接着剤試験サンプルを、デンタルアプリケーターブラシを用いて、調製したエナメル質または象牙質の全表面に塗布したが、その具体的な塗布方法については実施例で詳述する。塗布した後、その接着剤コーティングを、XL3000歯科用硬化光源(ミネソタ州セントポール(St.Paul,MN)の3M・カンパニー(3M Company)製)を用いて、10秒間かけて光硬化させた。直径約4.7mmの孔を有する、厚み2.5mmのテフロン(登録商標)型を、その包埋させた歯牙にクランプ止めして、型の孔に、接着剤で調製した歯牙の表面の部分が収まるようにした。コンポジット材料の、フィルテック・Z250・ユニバーサル・レストラティブ(FILTEK Z250 Universal Restorative)(3M・カンパニー(3M Company)製)のA2シェード(A2 shade)をその孔に充填して孔が完全に満たされるが、ただし、あふれさせることはないようにし、20秒間かけて光硬化させて、歯牙に接着剤によって接合させた「ボタン」を形成させた。
接着剤の接合強さ試験
硬化させた試験サンプルの接着強さは、インストロン(INS(登録商標)TRON)試験機(インストロン・4505(Instron 4505)、マサチューセッツ州カントン(Canton,Massachusetts)のインストロン・コーポレーション(Instron Corp.)製)の掴み具に取り付けた支持具に、組立て物(上述)を、研磨した歯牙表面が引張の方向と平行になるように向けて搭載させることにより、評価した。矯正用ワイヤ(直径0.44mm)のループを、研磨した歯牙表面に近接したZ250ボタンの周りに巻いた。矯正用ワイヤの末端をインストロン(INS(登録商標)TRON)装置の引張用の掴み具に取り付け、2mm/分のクロスヘッド速度で引張し、それによって接着剤の接合部に剪断応力をかけた。接合部が破壊されたときの力をキログラム(kg)の単位で記録し、その数字を、ボタン領域の既知表面積を用いて、単位面積当たりの力(単位:kg/cm2またはMPa)に換算した。エナメル質に対する接着または象牙質に対する接着についてのそれぞれの報告値は、4〜5回の繰り返しの平均値を表している。
エマルションの安定性
10ミリリットル(10mL)のエマルション配合のサンプルを、15mLの円錐型目盛付きのプラスチック遠心用チューブ(コーニング(Corning)製)に入れ、約2時間かけて約−20℃に凍結し、約2時間かけて解凍して室温とし、3,000回転/分(rpm)で10分間遠心分離させたが、それに使用したのは、ラボヒュージB(Labofuge B)2650型(西独国オステローデ(Osterode,West Germany)のヘラエウス・セパテック・GmbH(Heraeus Sepatech GmbH)製)であった。この凍結/解凍/遠心分離のサイクルを、合計で3回繰り返した。安定な配合であれば、そのチューブの底には、目に見えるような水の分離がないであろう。
エマルションの導電性試験
油中水型エマルションか、水中油型エマルションかの区別をするために、エマルションのサンプルを電気式エマルション試験器(EET)を用いて試験した(EETに関する情報は、ニュージャージー州ブリッジウォーター(Birdgewater,NJ)のICI・アメリカズ・インコーポレーテッド(ICI Americas,Inc.)から入手可能)。水中油型エマルションは、水が外側相すなわち連続相に含まれているために導電性であるが、それに対して油中水型エマルションは(油相において溶解性のある導電物質が存在しないために)電気を通さない。EETは、抵抗電気接点(30,000オーム、0.5ワット)、抵抗ネオンランプ(56,000オーム、タイプNE−51)、およびプッシュボタンスイッチからなっていて、それらが直列に接続されている。試験を実施する際には、その電気接点をエマルションのサンプルの中に入れ、プッシュボタンスイッチを回す。水中油型エマルションの場合であればランプが点灯し、油中水型エマルションの場合には(油相において溶解性のある導電物質が存在しないために)点灯しない。
硬化試験方法
樹脂、または樹脂プラス充填剤(すなわち、充填したペースト)の試験サンプル(0.1g)を注射器から、歯科用練り板の上にビーズの形状で小出しした。その試験サンプルを、XL3000ハロゲン歯科用光源(3M・カンパニー(3M Company)製)を用いて40秒間照射した。照射の後、ステンレス鋼製歯科用スパチュラの鋭いエッジを用いて、その硬化させたサンプルを約2Kgfの力で押し込んだ。硬化の判定は、押込みが無い場合には「OK」、サンプルが割れた場合には「ソフト(Soft)」、サンプルが液状またはペースト状に留まっているばあいには、「未硬化(No Setting)」とした。表1において「YES」とあるのは「OK」および「ソフト」が観察されたものであり、また「NO」とあるのは「未硬化」と同じ意味である。
貯蔵安定性試験方法
試験サンプルを45℃(相対湿度約30%)に貯蔵して、3日の間毎日評価をし、次いで毎週評価することで、そのサンプルの貯蔵安定性を求めた。所定の測定時に、試験サンプルが非硬化状態に留まっており、また、XL3000歯科用硬化光源(3M・カンパニー(3M Company))を用いて40秒間照射したときに、硬化した組成物が形成されるようならば、そのサンプルを「安定である」と評価した。試験サンプルが安定に留まっている日数は、2回の繰り返しの平均として報告した。
エナメル質または象牙質に対する接着性の試験方法
与えられた試験サンプルについてのエナメル質または象牙質に対する接着強さを、以下の手順により評価した。
歯牙の調製
それぞれの試験サンプルにおいて、同年齢で同じ外観を有する5本のウシの歯牙を、円板状のアクリルディスクの中に部分的に包埋させた。それぞれの歯牙の露出部分を、フラットでアクリル円板に平行になるように、宝石細工用ホイールに搭載したグレード120炭化ケイ素研磨紙を用いて研削して、象牙質またはエナメル質を露出させた。この工程およびその後に続く研削および研磨工程では、歯牙を連続的に水を用いて洗い流した。宝石細工用ホイールにグレード600炭化ケイ素用研磨紙を搭載することによって、歯牙のさらなる研削および研磨を実施した。そのようにして研磨した歯牙は脱イオン水の中に保存し、研磨してから2時間以内に試験のために用いた。研磨した歯牙を水から取り出し、拭取りによって乾燥させて、接着剤を塗布する際に、全表面の最高50%までの上に目に見えるような水分が、その歯牙表面に存在するようにした。
歯牙の処理
厚み2mmのテフロン(登録商標)(TEFLON(登録商標))シーティングで、そのシーティングに直径5mmの穴をあけた、予め作成しておいた型に、Z100コンポジットサンプル(3M・カンパニー(3M Company))を充填した。そのZ100コンポジットサンプルを、XL3000歯科用硬化光源からの照射に60秒間暴露させた。そうして得られた硬化させたZ100試験ボタンを、型から抜き出し、320グリットのサンドペーパーを用いて、それぞれのボタンの片側を粗面化した。温度24℃、相対湿度50%の調節した環境下、試験サンプルの調製は1分以内で、スパチュラを用いて試験サンプルの層をZ100ボタンの粗面に塗布した。歯牙に面するように試験サンプルを塗布したボタンを歯牙表面の上に押さえつけて、組立て物を作った。その組立て物をもう1分静置した。次いで、その試験サンプルの層を、XL3000歯科用硬化光源(3M・カンパニー(3M Company))に40秒間暴露させた。組立て物全体を、相対湿度97%、温度37℃に設定した加湿室に15分間入れた。次いで組立て物を37℃の脱イオン水24時間浸漬させた。
接着剤の接合強さ試験
硬化させた試験サンプルの接着強さは、インストロン(INS(登録商標)TRON)試験機(インストロン・4505(Instron 4505)、マサチューセッツ州カントン(Canton,Massachusetts)のインストロン・コーポレーション(Instron Corp.)製)の掴み具に取り付けた支持具に、組立て物(上述)を、研磨した歯牙表面が引張の方向と平行になるように向けて搭載させることにより、評価した。矯正用ワイヤ(直径0.44mm)のループを、研磨した歯牙表面に近接したZ100ボタンの周りに巻いた。矯正用ワイヤの末端をインストロン(INS(登録商標)TRON)装置の引張用の掴み具に取り付け、2mm/分のクロスヘッド速度で引張し、それによって接着剤の接合部に剪断応力をかけた。接着が破壊されたときの力をキログラム(kg)の単位で記録し、その数字を、ボタン領域の既知表面積を用いて、単位面積当たりの力(単位:kg/cm2またはMPa)に換算した。エナメル質に対する接着または象牙質に対する接着についてのそれぞれの報告値は、5回の繰り返しの平均値を表している。
圧縮強さ(CS)試験方法
圧縮強さを評価するために、まず、内径4mmのガラスチューブの中に、試験サンプルを注入した。ガラスチューブの両端をシリコーンの栓で封じた。その充填したチューブに0.275メガパスカル(MPa)の圧力を5分間かけ、XL1500硬化用光源(3M・カンパニー(3M Company))を用いて80秒間照射し、クルツァー・ユニXS(KULZER UniX(登録商標)S)(独国クルツァー・インコーポレーテッド(Kulzer Inc.))ライトボックスの中に180秒間入れた。そのようにして硬化させた5つのサンプルを、長さ8mmに切断し、37℃の水中に1日浸漬させた。ISO標準7489に従い圧縮強さを測定したが、それには、インストロン(INS(登録商標)TRON)万能試験機(マサチューセッツ州カントン(Canton,MA)のインストロン・コーポレーション(Instron Corp.)製)を使用し、そのクロスヘッド速度を1ミリメートル/分(mm/分)とした。5回の繰り返しの平均を報告した。
直径引張強さ(DTS)試験方法
直径引張強さは、上述のCS試験法を用いて測定したが、ただし、2mmの長さに切断したサンプルを使用した。5回の繰り返しの平均を報告した。
Figure 2007502282
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出発物質の調製
10−メタクリルオキシデシルホスフェート(MDP−A、POCl3から)
10−ヒドロキシデシルメタクリレートの合成:
1,10−デカンジオール(206.62g、1.19mol)、メタクリル酸(92.40g、1.06mol)、p−トルエンスルホン酸水和物(10.00g、53mmol)、および2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(0.50g)の混合物を、アスピレーター圧力下で4時間、85℃に加熱した。反応の際に放出された水は、蒸留ヘッドから抜き出した。室温に冷却してから、ヘキサン(500mL)を加え、その混合物を濾過した。次いで、その濾液を1MのNaOH水溶液(150mL)、次いで飽和食塩水(150mL)を用いて抽出した。その有機相をMgSO4上で乾燥させ、溶媒を減圧下に除去すると、黄色の油状物(204g)が得られた。NMR分析から、82mol%の10−ヒドロキシデシルメタクリレートと18mol%の1,10−デカンジメタクリレートの混合物であることが判った。
10−メタクリルオキシデシルホスフェート(MDP−A)の合成:
−40℃に冷却した乾燥テトラヒドロフラン(400mL)中のオキシ塩化リン(POCl3、69.09g、0.45mol)の混合物に、10−ヒドロキシデシルメタクリレート(140.00g、0.45molヒドロキシル基)およびトリエチルアミン(45.54g、0.45mol)の溶液を、1時間かけて滴下により添加した。全量を添加してから、その混合物を−40℃で3時間撹拌した。次いで水(16.20g、0.90mol)を滴下により加え、その混合物を15分間撹拌した。次いでトリエチルアミン(91.07g、0.90mol)を徐々に加え、その混合物を放置により室温にまで温めさせた。室温で17時間撹拌してから、混合物の濾過を行った。ヒドロキノン(0.30g)および2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(0.25g)をその濾液に添加した。次いで溶媒を減圧下に除去すると黄色の油状物が得られた(118.02g)。最終生成物(MDP−A)はNMR分析により同定した。
10−メタクリルオキシデシルホスフェート(MDP−B、P25から)
6−メタクリルオキシヘキシルホスフェート(MHP−B、P25から)のために以下の記述のようにして、10−メタクリルオキシデシルホスフェート(MDP−B)を調製したが、ただし、1,6−ヘキサンジオールに代えて、1,10−デカンジオールを用いた。化学的な同定はNMR分析により行った。
6−メタクリルオキシヘキシルホスフェート(MHP−A、POCl3から)
6−メタクリルオキシヘキシルホスフェート(MHP−A)を、上述の10−メタクリルオキシデシルホスフェート(MDP−A、POCl3から)と同様にして調製したが、ただし、1,10−デカンジオールに代えて1,6−ヘキサンジオールを用いた。化学的な同定はNMR分析により行った。
6−メタクリルオキシヘキシルホスフェート(MHP−B、P25から)
6−ヒドロキシヘキシルメタクリレートの合成:
1,6−ヘキサンジオール(1000.00g、8.46mol、シグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich))を、機械的撹拌器と、そのフラスコの乾燥空気を吹き込むための細いチューブを取り付けた1リットルの三口フラスコの中に入れた。固形のジオールを加熱して90℃とすると、その温度ではすべての固体が溶融した。撹拌を続けながら、p−トルエンスルホン酸結晶(18.95g、0.11mol)に続けて、BHT(2.42g、0.011mol)およびメタクリル酸(728.49.02g、8.46mol)を添加した。撹拌を続けながら90℃で5時間加熱したが、その間、反応時間が30分経過する毎に5〜10分ずつ、水道水のアスピレーターで減圧にした。加熱を止めて、反応混合物を冷却して室温とした。得られた粘稠な液体を、10%の炭酸ナトリウム水溶液を用いて2回(2×240mL)を用いて洗浄し、次いで水を用いて(2×240mL)洗浄し、最後に飽和NaCl水溶液100mLを用いて洗浄した。得られた油状物を、無水のNa2SO4を用いて乾燥させてから、真空濾過により単離すると1067g(67.70%)の6−ヒドロキシヘキシルメタクリレートが黄色油状物として得られた。この目的の反応生成物には、15〜18%の1,6−ビス(メタクリロイルオキシヘキサン)が同伴していた。化学的な同定はNMR分析により行った。
6−メタクリルオキシヘキシルホスフェートの合成:
機械的撹拌器を取り付けた1リットルのフラスコの中で、N2雰囲気下で、P25(178.66g、0.63mol)と塩化メチレン(500mL)を混合することにより、スラリーを形成させた。フラスコを氷浴(0〜5℃)中で15分間冷却させた。撹拌を続けながら、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート(962.82g(3.78molのモノ−メタクリレートと、上述のような副生物としてのそのジメタクリレートを含む)をフラスコの中に、2時間かけて徐々に添加した。添加が完了してから、その混合物を氷浴の中で1時間、次いで室温で2時間撹拌した。BHT(500mg)を加えてから、温度を上げて45分間還流(40〜41℃)させた。加熱を止めて、その混合物を放冷して室温とした。溶媒を真空下で除去すると、1085g(95.5%)の6−メタクリルオキシヘキシルホスフェート(MHP−B)が黄色の油状物として得られた。化学的な同定はNMR分析により行った。
表面処理したジルコニア(ZrO2)充填剤
ジルコニアゾル(217.323g;固形分23.5%;ナルコ(Nalco)、イリノイ州ネーパービル(Naperville,IL))をプラスチックフラスコの中に計り込み、次いで、プラスチックフラスコに入れておいた、モノ−2−(メタクリロイルオキシ)エチルスクシネート(28.796g;シグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich))の1−メトキシ−2−プロパノール(200.001g;シグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich))溶液に、激しく撹拌しながら徐々に添加した。そのようにして得られた混合物を次いで、対流炉の中において90℃で乾燥させて粉末の形態(乾燥状態)とし、次いで、後に行う再分散が容易になるように、乳棒と乳鉢を用いて磨砕して微粉とした。そのジルコニア充填剤の平均の一次粒径は約5nmで、50〜75nmのルーズなアグロメレートを形成していた。
カプロラクトンメタクリレートホスフェート(CMA−P)
カプロラクトンメタクリレートホスフェートは、カプロラクトン(シグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich))とHEMAとから誘導体から、本明細書において他のホスフェート化合物について述べているようにして、ヒドロキシル基をホスフェートに転化させることにより調製した。化学的な同定はNMR分析により行った。
HEMA−P(HEMAホスフェートとテトラHEMAピロホスフェートとの混合物)
ガス入口を有する還流冷却器、機械的撹拌器、およびガス出口を有する滴下ロートを取り付けた1リットルの三口丸底フラスコに、76.7gのPOCl3および500mLのTHFを仕込んだ。130.5gのHEMA、101.5gのトリエチルアミン(TMA)および87gのTHFからなる溶液を滴下ロートに入れた。そのフラスコを、氷水−塩浴により約−5℃に冷却した。撹拌しながら、その溶液を25分かけて滴下により添加したが、その間温度は0℃と−5℃ととの間に保った。その混合物を3時間撹拌したが、その間に温度が室温にまで上がった。そのフラスコに追加のTHFを200mL加え、撹拌を助けた。滴下ロートに、50mLのTHFに51gのTEAおよび6.8gの水を溶解させた溶液を添加した。氷水−塩浴を用いてフラスコを0〜5℃に冷却してから、その溶液を16分間かけて滴下により加えた。その混合物は放置して室温とし、18時間撹拌した。その混合物を濾過して沈殿した塩を除去し、真空下でTHFを除去した。反応生成物(168g)は、淡いオレンジ色の液状物で、1H、13Cおよび31PNMRを用いることにより、モノ−、ジ−、およびトリ−HEMAホスフェートと、テトラHEMAピロホスフェートの混合物であることが同定された。
実施例1〜8
自己エッチング性接着剤組成物
非水性の自己エッチング性接着剤組成物(実施例1〜8)は、表1に記載の成分を組み合わせることにより調製した。それぞれの組成物には、重合性酸ホスフェート、他の重合性成分、ジルコニア充填剤(ナノサイズの一次粒子)、光開始剤系、および任意成分の重合性界面活性剤が含まれていた。
Figure 2007502282
実施例9
非水性接着剤組成物+水/界面活性剤希釈剤の塗布(「ウェット・ブラシ法」)
接着剤試験サンプルを調製するには、ノイゲン(NOIGEN)RN−50界面活性剤の10重量%水溶液(以後、「10%水性RN−50」と呼ぶ)の中に歯科用塗布ブラシを浸漬させ、次いで、その湿潤状態のブラシチップを2滴(約60mg)の接着剤組成物(実施例1)と混合した。得られたサンプル(30〜60mg)を空気乾燥させたウシの歯牙表面に塗布し(本明細書記載の試験方法参照)、そのまま動かさずに20秒間放置した。次いで小〜中程度の空気流を約5〜10秒間あてて、その接着剤コーティングを乾燥させ薄くしてから、XL3000歯科用硬化光源を用いて10秒間で硬化させた。エナメル質および象牙質表面に対する剪断接合強さを、本明細書記載の試験方法に従って測定した。同様にして、接着剤組成物(実施例2〜5)を10%水性RN−50と混合し、歯牙表面に塗布し、エナメル質および象牙質の剪断接合強さを測定した。試験結果を表2に示す。
Figure 2007502282
実施例6の接着剤組成物を用いて、上述の塗布手順を3名の作業者で繰り返して、この手順についての作業者による変動を調べた。剪断接合強さ試験の結果を表3に示す。
Figure 2007502282
実施例6の接着剤組成物を用いた上述の塗布手順をもう一度3名の作業者で繰り返したが、ただし、10%水性RN−50を水だけに置きかえた。剪断接合強さ試験の結果を表4に示す。
Figure 2007502282
実施例10
非水性接着剤組成物+水/界面活性剤希釈剤の塗布
接着剤組成物(実施例7)を、量を変更(5〜8重量%)した10%水性RN−50界面活性剤と共に予備混合することにより、一連の接着剤試験サンプルを調製した。歯科用塗布ブラシを用いて、それぞれの試験サンプル(約30〜60mg)を空気乾燥させた歯牙表面に塗布し、本明細書記載の試験方法に従って、エナメル質および象牙質表面に対する剪断接合強さを測定した。試験結果を表5に示す。
Figure 2007502282
実施例11
非水性接着剤組成物(+界面活性剤)+水希釈剤の塗布(空気乾燥させた歯牙表面への塗布)
水で濡らした歯科用塗布ブラシ(約8〜9mgの水を含む)を、量を変化させた(1滴/約35mg;2滴/約70mg;または3滴/約105mg)、1.00%のRN−50界面活性剤を含む接着剤組成物(実施例8A)の中に、浸漬させることにより、一連の接着剤試験サンプを調製した。そのブラシを用いてそれぞれの試験サンプルを、空気乾燥させたウシの歯牙のエナメル質表面に塗布し、エナメル質表面全体に20秒間激しくかき混ぜて、こすりこんだ。次いで小〜中程度の空気流を約5〜10秒間あてて、その接着剤コーティングを乾燥させ薄くしてから、XL3000歯科用硬化光源を用いて10秒間で硬化させた。エナメル質に対する剪断接合強さを、本明細書記載の試験方法に従って測定した。試験結果を表6に示す。
Figure 2007502282
実施例12
非水性接着剤組成物(+界面活性剤)の塗布(「湿潤状態」の程度を各種変更した歯牙表面への塗布)
RN−50界面活性剤を含む非水性接着剤組成物(実施例8Aまたは実施例8B)を本明細書記載の試験方法に従って歯牙表面に塗布することにより、一連の剪断接合強さの評価を実施した。塗布する前に、歯牙表面は以下の4つの方法の内の1つを用いて「乾燥」させた:(1)空気乾燥させて、(裸眼では)見ることができない量の水しか存在しない「乾燥表面」とする;(2)拭い取りで乾燥させるもので、歯牙表面の50%まででまだ水が見える程度にキムワイプ(KIMWIPE)タオルを用いて拭い取って、「低湿潤表面」とする;(3)部分的に拭い取って乾燥させるもので、歯牙表面の大部分(50%を超えて)まだ水が見える程度にキムワイプ(KIMWIPE)タオルを用いて拭い取って、「湿潤表面」とする;(4)完全に水で覆われたまま(乾燥させずに「飽和」状態)とする。それぞれの評価では、約30〜60mgの接着剤組成物を、歯科用塗布ブラシを用いて歯牙表面に塗布し、歯牙表面全体に20秒間激しくかき混ぜて、こすりこんだ。次いで小〜中程度の空気流を約5〜10秒間あてて、その接着剤コーティングを乾燥させ薄くしてから、XL3000歯科用硬化光源を用いて10秒間で硬化させた。場合によっては、第一の乾燥させた接着剤コーティング(硬化前)に、接着剤組成物の二回目の塗布を、歯牙表面におけるかき混ぜはせずに実施した。その接着剤コーティングは直ちに、XL3000歯科用硬化光源を用いて10秒間かけて硬化させ、そのエナメル質および象牙質表面に対する剪断接合強さを本明細書記載の試験方法に従って測定した。試験結果を表7に示し、シングル・ボンド(SINGLE BOND)総合的エッチング接着システム(3M・カンパニー(3M Company))を、メーカーの指示に従って用いた評価結果と比較している。
Figure 2007502282
実施例13〜24
自己エッチング性接着剤組成物(油中水型エマルション)
自己エッチング性接着剤組成物(実施例13〜24)を、表8、9および10に記載の成分を組み合わせて調製した。それぞれの組成物において、水を最後の成分としてゆっくり加えると、透明な液状サンプルが得られたが、それらは、X線散乱評価法(本明細書に記載)によれば、油中水型ミクロエマルションであった。それぞれの組成物には、重合性酸ホスフェート、その他の重合性成分、水、光開始剤系、および重合性界面活性剤が含まれていた。
それぞれの接着剤組成物(実施例13〜24)を本明細書記載の試験方法に従って歯牙表面に塗布することにより、一連の剪断接合強さの評価を実施した。塗布の前に、歯牙表面を空気乾燥させて、微量の水しか存在しない「乾燥表面」とした。
それぞれの評価では、約30〜60mgの接着剤組成物を、歯科用塗布ブラシを用いて歯牙表面に塗布し、歯牙表面全体に20秒間激しくかき混ぜて、こすりこんだ。次いで小〜中程度の空気流を約5〜10秒間あてて、その接着剤コーティングを乾燥させ薄くしてから、XL3000歯科用硬化光源を用いて10秒間で硬化させた。本明細書記載の試験方法に従ってエナメル質および象牙質表面に対する剪断接合強さを測定し、試験結果を表8、9および10に示した。
Figure 2007502282
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X線散乱法を使用した接着剤組成物の評価
水分濃度の異なる接着剤組成物(実施例13〜16)を、以下の手順に従ってX線散乱法により評価した。
試験サンプルを薄壁の石英キャピラリーセルの中に入れた。小角X線散乱(SAXS)データを、クラツキー(Kratky)カメラ、銅Kα線、および散乱放射線の線形位置敏感検出器レジストリーを用いて、トランスミッションジオメトリーで集めた。データは、30ミクロンの入射束スリットを用いて、60分かけて蓄積した。X線発生には、50kV、50mAを用いた。
SAXSデータからは、水の存在レベルによって、ミセル構造の存在に見合った形で小角X線散乱における変化が起きているということが示される。ベシクル構造の存在を示す証拠は観察されなかった。濃度効果および正しいバックグラウンド散乱の割当における曖昧さが原因で、回転半径(RG)の計算の絶対値が、それらのために大きな誤差を有している可能性がある。RG値の間の相対的な関係の方が、より信頼が置けるであろうことが見出された。データのファイル名、サンプルの内容、および回転半径の計算値を表10Aに示す。RGの計算に使用した散乱データとRG対水含量のプロットも得られた。
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表10Aのデータから、水含量が約12〜約5重量%の範囲の接着剤組成物では、「新」のサンプル(製造後約1週間)では16.4nm〜12.0nm(10Å=1nm)の範囲、「古」のサンプル(製造後1月以上)では12.6nm〜14.6nmの範囲の平均半径を有することが判る。そのような液滴の大きさは、油中水型ミクロエマルション系では通常に受容される数値範囲内にある。したがって、実施例13〜16は油中水型ミクロエマルションであったと結論づけることができる。
実施例25〜45
自己エッチング性接着剤組成物(油中水型エマルション)
表11に記載した成分を組み合わせて、自己エッチング性接着剤組成物(実施例25〜45)を調製した。それぞれの組成物において、水を最後の成分としてゆっくり加えると、濁りのある液状サンプルが得られたが、それらは、外観、水濃度および分離挙動から、油中水型エマルションと考えられた。静置すると、その液状サンプルは分離して、透明な上側水層と、濁った下側油層に分離した。振盪させると、その液状サンプルは均一な濁りのある外観を再び呈した。それぞれの組成物には、重合性酸ホスフェート、その他の重合性成分、水、光開始剤系、および任意成分の重合性界面活性剤が含まれていた。
実施例13〜24にも記述した本明細書記載の試験方法に従い、それぞれの接着剤組成物(実施例25〜45)を歯牙表面に塗布し、一連の剪断接合強さの評価を実施した。塗布の前に、歯牙表面を空気乾燥させて、微量の水しか存在しない「乾燥表面」とした。
象牙質表面に対する剪断接合強さを本明細書記載の試験方法に従って測定したが、初期(エージングなし)のサンプル、室温(約23℃)で3週間エージングしたサンプル、および、45℃で3週間エージングしたサンプルについての試験結果を表12に示す。
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実施例46〜47
自己エッチング性接着剤組成物(油中水型エマルション)
表13に記載の成分を以下の順で組み合わせることにより、自己エッチング性接着剤組成物(実施例46および47)を調製した。
1.表に記載の成分を組み合わせることによって、溶液Aと溶液Bを調製した。
2.溶液AとBとを撹拌しながら共に混合した。
実施例46は透明な液状物で油中水型ミクロエマルションと考えられるのに対して、実施例47は外観がミルク状の液状物で、油中水型マクロエマルションと考えられた。溶液Bの中に界面活性剤AOT−100を使用して、実施例46を調製したことに注目されたい。この界面活性剤では逆ミセルが得られることが知られており、そのため実施例46を調製するために用いた溶液Bは、界面活性剤によってカプセル化されたミクロンまたはサブミクロンサイズの水滴を含む逆ミセル系になるであろうと考えられた。
実施例13〜24に記述した本明細書記載の試験方法に従い、それぞれの接着剤組成物(実施例46および47)をエナメル質および象牙質表面に塗布し、一連の剪断接合強さの評価を実施した。試験結果を表13に示す。
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実施例48〜55
自己エッチング性接着剤組成物(油中水型エマルション)
表14に記載の成分を以下の順で組み合わせることにより、自己エッチング性接着剤組成物(実施例48〜55)を調製した。
1.溶液Aを、有機成分の中に水を乳化させることにより調製。
2.溶液Bを、有機成分の中に水/溶媒を乳化させることにより調製。
3.溶液AとBとを撹拌しながら共に混合。
4.無希釈のRN−50を、組み合わせたエマルションの中に混合。
5.光重合開始剤(PI)を、組み合わせたエマルションの中に混合。
得られる接着剤組成物(実施例48〜55)の成分の組合せを表15に示す。
実施例13〜24に記述した本明細書記載の試験方法に従い、それぞれの接着剤組成物(実施例48〜55)をエナメル質および象牙質表面に塗布し、一連の剪断接合強さの評価を実施した。試験結果を表15に示す。
Figure 2007502282
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実施例56〜57
自己エッチング性接着剤組成物(油中水型エマルション)
表16に記載した成分を組み合わせて、自己エッチング性接着剤組成物(実施例56および57)を調製した。実施例56は、重合性酸ホスフェート、他の重合性成分、光開始剤系、および重合性界面活性剤を含む非水性組成物であった。実施例57は、実施例56と同様であるが、ただし、実施例13〜24に記載したように水(3.4%)を添加して、透明な液状ミクロエマルションを形成させた。
それぞれの接着剤組成物(実施例56および57)を本明細書記載の試験方法に従って歯牙表面に塗布することにより、剪断接合強さの評価を実施した。塗布する前に、歯牙表面をわずかに湿潤状態とした(歯牙表面の50%までで、目に見える水が存在)。
それぞれの評価では、約60mgの接着剤組成物を、歯科用塗布ブラシを用いて歯牙表面に塗布し、歯牙表面全体に20秒間激しくかき混ぜて、こすりこんだ。次いで、小〜中程度の空気流を約3〜5秒間あてて、その接着剤コーティングを乾燥させ薄くした。第一のコーティングに第二接着剤のコートを塗布し、そして(実施例57の場合だけ)第一の接着剤コーティングにしたようにして空気乾燥させた。次いでそのコーティングを、XL3000歯科用硬化光源を用いて10秒間かけて硬化させ、そのエナメル質および象牙質表面に対する剪断接合強さを本明細書記載の試験方法に従って測定した。試験結果を表16に示す。
実施例57の手順を繰り返したが、ただし、接着剤組成物を塗布する前に、歯科用塗布ブラシを用いて追加の水を歯牙表面に付けた。剪断接合強さは、エナメル質では15.4(1.9)MPa、象牙質では18.1(11.7)MPaという結果が得られた。
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実施例58
各種の光開始剤および電子供与性化合物の評価
樹脂A
樹脂Aは、TEGDMA(24.93部)、ビスEMA6(24.93部)、HEMA−P(49.85部)、およびBHT(0.30部)を組み合わせることで調製し、均質な組成物が得られた。
樹脂B
樹脂Bは、TEGDMA(24.85部)、ビスEMA6(24.85部)、HEMA−P(49.70部)、CPQ(0.30部)、およびBHT(0.30部)を組み合わせることで調製し、均質な組成物が得られた。
樹脂Aまたは樹脂Bのいずれかと各種の光開始剤および電子供与性化合物を組合せ、得られた組成物は、本明細書記載の硬化試験方法に従って、硬化についての評価をした。光開始剤および電子供与性化合物、樹脂中におけるそれらの濃度および溶解性の観察、および硬化結果を表17に示す。それらの組成物にDPIPF6(1部)を添加して、実験を繰り返したが、その硬化の結果は、DPIPF6を添加しない場合の結果と実質的に同等であった。
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実施例59〜66
自己接着性組成物
実施例59〜66は、表18の成分を組み合わせて、以下の一般的手順に従って調製した。硬化可能なエチレン性非置換の複数の化合物を混合して、均一相とした。次いで、開始剤系成分を混合しながら添加し、均一状態とした。最後に、充填剤およびその他の成分を加え、完全に分散させて、均一なペースト組成物を得た。
実施例59〜66について、本明細書記載の試験方法に従って貯蔵安定性を評価し、その結果を表18に示した。実施例59、および61〜65については、圧縮強さ、直径引張強さ、およびエナメル質および象牙質への接着性を、本明細書記載の試験方法に従って評価し、それらの結果を表18に示した。試験をしたすべての実施例では、「未処理のエナメル質」に対する接着強さが9MPaより大、「未処理の象牙質」に対する接着強さが3MPaより大であった。
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比較例1
比較例1(国際公開第02/092021(ヘクト(Hecht)ら)の実施例3に報告されているもの)を、実施例59〜66と類似の方法で、以下の成分を組み合わせることにより調製し、均一なペースト状組成物が得られた:TEGDMA(6部)、GDMA−P(13.5部)、EDMAB(0.4部)、CPQ(0.04部)、アエロジルR−812S(5部)、Ca(OH)2(1部)、フォタック・FAS(Photac FAS)(74部)、およびCu(OAc)2(1部)。比較例1について、本明細書記載の試験方法に従って貯蔵安定性の評価をしたところ、45℃、RH90%の場合で3日未満の貯蔵安定性であることが判った。
実施例67
自己接着性組成物−−矯正直接接合法
自己接着性組成物の実施例61を修正して、Zr−Si充填剤のレベルを74.9から83.0重量部に上げ(そして、その割合で他の成分のレベルを下げ)て、自己接着性実施例67を得たが、それについて、以下の矯正直接接合手順において、歯科矯正用接着剤としての評価をした。
ウシの歯牙をアクリル製の義歯床材料に取り付けて、その唇側面が露出されるようにした。取り付けた歯牙を、浮石末の水中スラリーで清浄化し、洗い流した。湿った歯牙(すなわち、歯牙の上に目で見える程度の水で濡らした歯牙)を、以下の対照プロトコールまたは本発明プロトコールのいずれかに従って処理した。
(1)対照プロトコール
トランスボンド・プラス・セルフ・エッチング・プライマー(TRANSBOND Plus Self Etching Primer、SEP、3M・ユニテック(3M Unitek)、カリフォルニア州モンロビア(Monrovia,CA))を歯牙に塗布し、3秒間円運動ですりこんでから、オイルレス圧縮空気でブローした。トランスボンド・XT(TRANSBOND XT)歯科矯正用接着剤(3M・ユニテック(3M Unitek)、カリフォルニア州モンロビア(Monrovia,CA))を、10個の別々なビクトリー・シリーズ(VICTORY SERIES)ブラケット(3M・ユニテック(3M Unitek)、p/n017−401)のボンディングベースに、注射器を用いて塗布した。それぞれのブラケットをその場で歯牙の上に押しつけ、余分なばりは、ボンディングベースの縁から取り除いた。
(2)本発明プロトコール
自己接着性組成物(歯科矯正用接着剤)実施例67を、10個の別々なビクトリー・シリーズ(VICTORY SERIES)ブラケットのボンディングベースに、注射器を用いて塗布した。それぞれのブラケットをその場で歯牙の上に押しつけ、余分なばりは、ボンディングベースの縁から取り除いた。
その状態で60秒間保持してから、それぞれのブラケットに、オルト・ライト(ORTHO Light)プラズマアーク硬化用ライト(3M・ユニテック(3M Unitek))を用いて、近心で3秒間、遠心で3秒間照射した。次いでその接合させたブラケットを37℃の水中で24時間保管した。接合させたブラケットを水から取り出し、インストロン(INS(登録商標)TRON)4204試験機に設置した試験装置の中に、歯肉タイウイングが垂直方向を向くように取り付けた。直径0.020インチの標準丸ワイヤ(3M・ユニテック(3M Unitek)、p/n211−200)を咬合面のタイウイングの下にかけ、試験機のクロスヘッドに結んだ。ワイヤがたるまないようにクロスヘッドを動かしてから、クロスヘッドの移動速度を0.2インチ/分にセットし、ブラケットが剥がれるまで続けた。ブラケットの剥離に必要な最大の力を記録し、ボンディングベースの面積で割って、接合強さとした。接合強さの結果は10回の測定の平均値として表すと、次のようになった:
(1)対照プロトコール:平均接合強さ=18.0MPa
(2)本発明プロトコール:平均接合強さ=10.6MPa
実施例68
自己接着性組成物−矯正間接接合法
自己接着性組成物の実施例61をDPIPF6成分(0.1重量部)を含まないように修正して、自己接着性の実施例68を得たが、それを、下記の矯正間接接合手順により歯科矯正用接着剤として評価した。(間接接合の場合、粘度がより低い接着剤(実施例68)を選択して、トレーシーティングの後でのばりの除去の必要性を減らした。)
ウシの歯牙をアクリル製の義歯床材料に取り付けて、その唇側面が露出されるようにした。それぞれの歯牙に、PA0810(ポリビニルアルコール溶液、PTM・アンド・W・インダストリーズ、インコーポレーテッド(PTM & W Industries,Inc.)、カリフォルニア州サンタ・フェ・スプリングズ(Santa Fe Springs,CA))を(「分離」層として)2層コーティグして乾燥させた。トランスボンド・XT(TRANSBOND XT)歯科矯正用接着剤をつけたブランケットを、それぞれの歯の上に押しつけ、ばりを取り、オルト・ライト(ORTHO Light)硬化用ライトを用いて、近心側および遠心側から3秒間照射して、接着剤を硬化させた。少量のメモシル2(MEMOSIL 2)咬合採得材料(ヘラエウス・クルツァー・GmBH・アンド・カンパニー(Heraeus Kulzer GmBH & Co.)、独国ハーナウ(Hanau,Germany))をそれぞれのブラケットの上に置き、練り板シートを用いて押し込んで、硬化させた。メモシル(MEMOSIL)で包埋された形となった、それぞれのブラケットを、対応する歯牙から取り外した。それぞれの歯牙を浮石末の水スラリーを用いて清浄化し、それぞれのブラケットベースは、流水下で歯ブラシを動かしながら洗浄した。接合させる前に、歯牙はすべて水で洗い流した。湿った歯牙(すなわち、歯牙の上に目で見える程度の水で濡らした歯牙)を、以下の対照プロトコールまたは本発明プロトコールのいずれかに従って処理した。
(1)対照プロトコール
トランスボンド・プラス・セルフ・エッチング・プライマー(TRANSBOND Plus Self Etching Primer)を歯牙に塗布し、3秒間円運動ですりこんでから、オイルレス圧縮空気でブローした。オルト・ソロ(ORTHO SOLO)歯科矯正用プライマー(オームコ(Ormco)、カリフォルニア州オレンジ(Orange,CA))を、上述の方法により調製した5つのブラケットのボンディングベースに塗布したが、それぞれの塗布の後はオイルレス圧縮空気で乾燥させた。メモシル(MEMOSIL)を位置決めに用いて、それぞれのブラケットを歯牙の上に押しつけた。
(2)本発明プロトコール
上述の工程で調製した5つのブラケットのボンディングベースに、注射器を用いて、自己接着性組成物(歯科矯正用接着剤)実施例68を塗布し、それぞれの塗布の後はオイルレス圧縮空気で乾燥させた。メモシル(MEMOSIL)を位置決めに用いて、それぞれのブラケットを歯牙の上に押しつけた。
いずれのプロトコールの場合でも、ブラケットを60秒間静置した後、オルト・ライト(ORTHO Lite)硬化用ライト用いて、ブラケットの近心側および遠心側それぞれから20秒間照射して、歯科矯正用接着剤を硬化させた。次いで、メモシル(MEMOSIL)をブラケットから取り外した。次いでその接合させたブラケットを37℃の水中で24時間保管した。接合させたブラケットを水から取り出し、実施例67の記載にならって接合強さを評価した。接合強さの結果は5回の測定の平均値として表すと、次のようになった:
(1)対照プロトコール:平均接合強さ=22.4MPa
(2)本発明プロトコール:平均接合強さ=9.5MPa
本明細書に引用した、すべての特許、特許出願、および公刊物、ならびに電子的に入手可能な情報は、参照により援用するものとする。前述の詳細な説明および実施例は、理解を深めるためだけに示したものである。それらから、無用の限定を受けるべきではないと、理解されたい。本発明は、示し記述してきた詳細にそのまま限定されるものではなく、当業者に自明な各種変更は、特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内に含まれるであろう。

Claims (150)

  1. 歯牙組織に歯科材料を接合させる方法であって、前記方法が:
    接着剤に歯牙組織表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、自己エッチング性の非水性接着剤を、湿潤状態で未エッチングの歯牙組織表面に塗布する工程;
    前記歯牙組織表面を乾燥させて、その上に第一の接着剤層を形成させる工程;
    場合によっては、前記第一の層の上に第二の接着剤を塗布して、その上に第二の接着剤層を形成させる工程;
    前記第一の接着剤層、および場合によってはその上に前記第二の接着剤層を有する歯牙組織表面に、歯科材料を適用する工程;および
    前記歯科材料と前記歯牙組織との間に接合を形成させるために有効な条件下で、前記接着剤層の少なくとも一方を硬化させる工程、
    を含む方法。
  2. 水性希釈剤を未エッチングの歯牙組織表面に塗布して、湿潤状態で未エッチングの歯牙組織表面を得る工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記水性希釈剤が、酸感受性染料、抗菌薬、水溶性モノマー、pH調節剤、緩衝剤、安定剤、界面活性剤、フルオリドアニオン、フルオリド解放剤、またはそれらの組合せをさらに含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記歯牙組織表面が、エナメル質、象牙質、またはセメント質を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記接着剤層の少なくとも一つが、少なくとも7MPaの前記歯科材料と前記歯牙組織との間の接合を形成するのに有効な条件下で硬化される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記接着剤層の少なくとも一つが、前記歯科材料を適用する前、適用中、または適用後に硬化される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記第二の接着剤が、前記非水性接着剤と同一である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記第二の接着剤が、前記非水性接着剤とは異なる、請求項1に記載の方法。
  9. 前記歯科材料が歯科用修復材である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記歯科材料が歯科矯正用接着剤を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記歯科材料が歯科矯正装置を含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記歯科矯正装置が、ブラケット、バッカルチューブ、バンド、クリート、ボタン、リンガルリテーナー、リンガルバー、バイトブロッカー、ヘルプスト装置に接続するために使用するクラウン、トゥースポジショナーと共に使用するためのアタッチメントデバイス、可撤式装置と共に使用するためのアタッチメントデバイス、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記歯科矯正装置が、歯科矯正用接着剤によってプレコートされている、請求項11に記載の方法。
  14. 前記歯牙組織表面がアンカットである、請求項1に記載の方法。
  15. 前記非水性接着剤にエッチングを起こさせるのに有効な前記条件が、アプリケーターを用いて、湿潤状態の歯牙組織表面に前記非水性接着剤を塗布すること、および前記歯牙組織表面の上で前記接着剤を少なくとも3秒間塗り込むことを含む、請求項1に記載の方法。
  16. 前記非水性接着剤が、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物、酸官能性を有しないエチレン性不飽和化合物、および開始剤系を含む、請求項1に記載の方法。
  17. 前記非水性接着剤が充填剤をさらに含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記酸官能性が、カルボン酸官能性、リン酸官能性、ホスホン酸官能性、スルホン酸官能性、またはそれらの組合せを含む、請求項16に記載の方法。
  19. 前記非水性接着剤が界面活性剤をさらに含む、請求項16に記載の方法。
  20. 前記界面活性剤がノニオン性界面活性剤である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記界面活性剤が重合性界面活性剤である、請求項19に記載の方法。
  22. 前記重合性界面活性剤がノニオン性重合性界面活性剤である、請求項21に記載の方法。
  23. 歯牙組織に歯科材料を接合させる方法であって、前記方法が:
    接着剤に歯牙組織表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、自己エッチング性の非水性接着剤を、湿潤状態の歯牙組織表面に塗布する工程であって、ここで前記非水性接着剤が有機溶媒を実質的に含まない、工程;
    前記歯牙組織表面を乾燥させて、その上に第一の接着剤層を形成させる工程;
    場合によっては、前記第一の層の上に第二の接着剤を塗布して、その上に第二の接着剤層を形成させる工程;
    前記第一の接着剤層、および場合によってはその上に前記第二の接着剤層を有する歯牙組織表面に、歯科材料を適用する工程;および
    前記歯科材料と前記歯牙組織との間に接合を形成させるために有効な条件下で、前記接着剤層の少なくとも一方を硬化させる工程、
    を含む方法。
  24. 前記湿潤状態の歯牙組織表面が、それに自己エッチング性の非水性接着剤を塗布する前には未エッチングの状態である、請求項23に記載の方法。
  25. 前記歯科材料が歯科用修復材である、請求項23に記載の方法。
  26. 前記歯科材料が歯科矯正用接着剤を含む、請求項23に記載の方法。
  27. 前記歯科材料が歯科矯正装置を含む、請求項23に記載の方法。
  28. 前記歯科矯正装置が、ブラケット、バッカルチューブ、バンド、クリート、ボタン、リンガルリテーナー、リンガルバー、バイトブロッカー、ヘルプスト装置に接続するために使用するクラウン、トゥースポジショナーと共に使用するためのアタッチメントデバイス、可撤式装置と共に使用するためのアタッチメントデバイス、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記歯科矯正装置が、歯科矯正用接着剤によってプレコートされている、請求項27に記載の方法。
  30. 歯牙組織に歯科材料を接合させる方法であって、前記方法が:
    接着剤に歯牙組織表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、自己エッチング性の非水性接着剤を、湿潤状態の歯牙組織表面に塗布する工程であって、ここで前記非水性接着剤が界面活性剤を含む、工程;
    前記歯牙組織表面を乾燥させて、その上に第一の接着剤層を形成させる工程;
    場合によっては、前記第一の層の上に第二の接着剤を塗布して、その上に第二の接着剤層を形成させる工程;
    前記第一の接着剤層、および場合によってはその上に前記第二の接着剤層を有する歯牙組織表面に、歯科材料を適用する工程;および
    前記歯科材料と前記歯牙組織との間に接合を形成させるために有効な条件下で、前記接着剤層の少なくとも一方を硬化させる工程、
    を含む方法。
  31. 前記湿潤状態の歯牙組織表面が、それに自己エッチング性の非水性接着剤を塗布する前には未エッチングの状態である、請求項30に記載の方法。
  32. 前記歯科材料が歯科用修復材である、請求項30に記載の方法。
  33. 前記歯科材料が歯科矯正用接着剤を含む、請求項30に記載の方法。
  34. 前記歯科材料が歯科矯正装置を含む、請求項30に記載の方法。
  35. 前記歯科矯正装置が、ブラケット、バッカルチューブ、バンド、クリート、ボタン、リンガルリテーナー、リンガルバー、バイトブロッカー、ヘルプスト装置に接続するために使用するクラウン、トゥースポジショナーと共に使用するためのアタッチメントデバイス、可撤式装置と共に使用するためのアタッチメントデバイス、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項34に記載の方法。
  36. 前記歯科矯正装置が、歯科矯正用接着剤によってプレコートされている、請求項34に記載の方法。
  37. 歯牙組織に歯科材料を接合させる方法であって、前記方法が:
    接着剤に歯牙組織表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、自己エッチング性の非水性接着剤を、湿潤状態の歯牙組織表面に塗布する工程;
    前記歯牙組織表面を乾燥させて、その上に第一の接着剤層を形成させる工程;
    前記第一の層の上に、同一の自己エッチング性の非水性接着剤の第二の層を塗布して、その上に第二の接着剤層を形成させる工程;
    前記第一の接着剤層、その上に前記第二の接着剤層を有する歯牙組織表面に、歯科材料を適用する工程;および
    前記歯科材料と前記歯牙組織との間に接合を形成させるために有効な条件下で、前記接着剤層の少なくとも一方を硬化させる工程、
    を含む方法。
  38. 前記湿潤状態の歯牙組織表面が、それに自己エッチング性の非水性接着剤を塗布する前には未エッチングの状態である、請求項37に記載の方法。
  39. 前記歯科材料が歯科用修復材である、請求項37に記載の方法。
  40. 前記歯科材料が歯科矯正用接着剤を含む、請求項37に記載の方法。
  41. 前記歯科材料が歯科矯正装置を含む、請求項37に記載の方法。
  42. 前記歯科矯正装置が、ブラケット、バッカルチューブ、バンド、クリート、ボタン、リンガルリテーナー、リンガルバー、バイトブロッカー、ヘルプスト装置に接続するために使用するクラウン、トゥースポジショナーと共に使用するためのアタッチメントデバイス、可撤式装置と共に使用するためのアタッチメントデバイス、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項41に記載の方法。
  43. 前記歯科矯正装置が、歯科矯正用接着剤によってプレコートされている、請求項41に記載の方法。
  44. 歯牙組織に歯科材料を接合させる方法であって、前記方法が:
    水性希釈剤と自己エッチング性の非水性接着剤とを組み合わせて混合物を形成する工程であって、ここで前記希釈剤が水、または界面活性剤と組み合わせた水から本質的になる、工程;
    前記混合物に歯牙組織表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、前記歯牙組織表面に前記混合物を塗布する工程;
    前記歯牙組織表面を乾燥させて、その上に第一の接着剤層を形成させる工程;
    場合によっては、前記第一の層の上に第二の接着剤を塗布して、前記歯牙組織表面の上に第二の接着剤層を形成させる工程;
    前記第一の接着剤層、および場合によってはその上に前記第二の接着剤層を有する歯牙組織表面に、歯科材料を適用する工程;および
    前記歯科材料と前記歯牙組織との間に接合を形成させるために有効な条件下で、前記接着剤層の少なくとも一方を固化させる工程、
    を含む方法。
  45. 前記歯牙組織表面が、エナメル質、象牙質、またはセメント質を含む、請求項44に記載の方法。
  46. 前記希釈剤が水から本質的になる、請求項44に記載の方法。
  47. 前記歯牙組織表面が湿潤状態である、請求項44に記載の方法。
  48. 前記歯牙組織表面が乾燥状態である、請求項44に記載の方法。
  49. 前記接着剤層の少なくとも一つが、少なくとも7MPaの前記歯科材料と前記歯牙組織との間の接合を形成するのに有効な条件下で硬化される、請求項44に記載の方法。
  50. 前記接着剤層の少なくとも一つが、前記歯科材料を適用する前、適用中、または適用後に硬化される、請求項44に記載の方法。
  51. 前記第二の接着剤が、前記非水性接着剤と同一である、請求項44に記載の方法。
  52. 前記第二の接着剤が、前記非水性接着剤とは異なる、請求項44に記載の方法。
  53. 前記歯科材料が歯科用修復材である、請求項44に記載の方法。
  54. 前記歯科材料が歯科矯正用接着剤を含む、請求項44に記載の方法。
  55. 前記歯科材料が歯科矯正装置を含む、請求項44に記載の方法。
  56. 前記歯科矯正装置が、ブラケット、バッカルチューブ、バンド、クリート、ボタン、リンガルリテーナー、リンガルバー、バイトブロッカー、ヘルプスト装置に接続するために使用するクラウン、トゥースポジショナーと共に使用するためのアタッチメントデバイス、可撤式装置と共に使用するためのアタッチメントデバイス、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項55に記載の方法。
  57. 前記歯科矯正装置が、歯科矯正用接着剤によってプレコートされている、請求項55に記載の方法。
  58. 前記歯牙組織表面がアンカットである、請求項44に記載の方法。
  59. 前記混合物にエッチングを起こさせるのに有効な前記条件が、アプリケーターを用いて、前記歯牙組織表面に前記混合物を塗布すること、および前記歯牙組織表面の上で前記接着剤を少なくとも3秒間塗り込むことを含む、請求項44に記載の方法。
  60. 前記非水性接着剤が、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物、酸官能性を有しないエチレン性不飽和化合物、および開始剤系を含む、請求項44に記載の方法。
  61. 前記非水性接着剤が充填剤をさらに含む、請求項60に記載の方法。
  62. 前記酸官能性が、カルボン酸官能性、リン酸官能性、ホスホン酸官能性、スルホン酸官能性、またはそれらの組合せを含む、請求項60に記載の方法。
  63. 前記非水性接着剤が界面活性剤をさらに含む、請求項60に記載の方法。
  64. 前記界面活性剤がノニオン性界面活性剤である、請求項63に記載の方法。
  65. 前記界面活性剤が重合性界面活性剤である、請求項63に記載の方法。
  66. 前記ノニオン性界面活性剤が、ノニオン性重合性界面活性剤である、請求項65に記載の方法。
  67. 歯牙組織に歯科材料を接合させる方法であって、前記方法が:
    水性希釈剤を自己エッチング性の非水性接着剤と組み合わせて自己エッチング性混合物を形成させる工程であって、ここで前記希釈剤が、水および界面活性剤を含む、工程;
    前記混合物に歯牙組織表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、前記歯牙組織表面に前記混合物を塗布する工程;
    前記歯牙組織表面を乾燥させて、その上に第一の接着剤層を形成させる工程;
    場合によっては、前記第一の層の上に第二の接着剤を塗布して、前記歯牙組織表面の上に第二の接着剤層を形成させる工程;
    前記第一の接着剤層、および場合によってはその上に前記第二の接着剤層を有する歯牙組織表面に、歯科材料を適用する工程;および
    前記歯科材料と前記歯牙組織との間に接合を形成させるために有効な条件下で、前記接着剤層の少なくとも一方を硬化させる工程、
    を含む方法。
  68. 前記歯科材料が歯科用修復材である、請求項67に記載の方法。
  69. 前記歯科材料が歯科矯正用接着剤を含む、請求項67に記載の方法。
  70. 前記歯科材料が歯科矯正装置を含む、請求項67に記載の方法。
  71. 前記歯科矯正装置が、ブラケット、バッカルチューブ、バンド、クリート、ボタン、リンガルリテーナー、リンガルバー、バイトブロッカー、ヘルプスト装置に接続するために使用するクラウン、トゥースポジショナーと共に使用するためのアタッチメントデバイス、可撤式装置と共に使用するためのアタッチメントデバイス、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項70に記載の方法。
  72. 前記歯科矯正装置が、歯科矯正用接着剤によってプレコートされている、請求項70に記載の方法。
  73. 前記接着剤層の少なくとも一つが、少なくとも7MPaの前記歯科材料と前記歯牙組織との間の接合を形成するのに有効な条件下で固化される、請求項67に記載の方法。
  74. 非水性歯科用接着剤およびノニオン性界面活性剤を含む、接着剤組成物であって、ここで、前記接着剤組成物が自己エッチング性かつ非水性である、接着剤組成物。
  75. 前記接着剤組成物が有機溶媒を実質的に含まない、請求項74に記載の接着剤組成物。
  76. 前記非水性歯科用接着剤が、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物、酸官能性を有しないエチレン性不飽和化合物、および開始剤系を含む、請求項74に記載の接着剤組成物。
  77. 前記非水性歯科用接着剤が充填剤をさらに含む、請求項76に記載の接着剤組成物。
  78. 前記酸官能性が、カルボン酸官能性、リン酸官能性、ホスホン酸官能性、スルホン酸官能性、またはそれらの組合せを含む、請求項76に記載の接着剤組成物。
  79. 前記ノニオン性界面活性剤が、重合性基を含むエトキシル化アルキルフェノールである、請求項74に記載の接着剤組成物。
  80. 前記エトキシル化アルキルフェノールが、20を超えるオキシエチレン基を有する、請求項79に記載の接着剤組成物。
  81. 前記ノニオン性界面活性剤が、重合性界面活性剤である、請求項74に記載の接着剤組成物。
  82. 歯牙組織に歯科材料を接合させる方法であって、前記方法が:
    接着剤に歯牙組織表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、請求項74に記載の自己エッチング性の非水性接着剤組成物を、湿潤状態の歯牙組織表面に塗布する工程;
    前記歯牙組織表面を乾燥させて、その上に第一の接着剤層を形成させる工程;
    場合によっては、前記第一の層の上に第二の接着剤を塗布して、その上に第二の接着剤層を形成させる工程;
    前記第一の接着剤層、および場合によってはその上に前記第二の接着剤層を有する歯牙組織表面に、歯科材料を適用する工程;および
    前記歯科材料と前記歯牙組織との間に接合を形成させるために有効な条件下で、前記接着剤層の少なくとも一方を硬化させる工程、
    を含む方法。
  83. 前記歯科材料が歯科用修復材である、請求項82に記載の方法。
  84. 前記歯科材料が歯科矯正用接着剤を含む、請求項82に記載の方法。
  85. 前記歯科材料が歯科矯正装置を含む、請求項82に記載の方法。
  86. 前記歯科矯正装置が、ブラケット、バッカルチューブ、バンド、クリート、ボタン、リンガルリテーナー、リンガルバー、バイトブロッカー、ヘルプスト装置に接続するために使用するクラウン、トゥースポジショナーと共に使用するためのアタッチメントデバイス、可撤式装置と共に使用するためのアタッチメントデバイス、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項85に記載の方法。
  87. 前記歯科矯正装置が、歯科矯正用接着剤によってプレコートされている、請求項85に記載の方法。
  88. 歯科矯正装置を歯牙に接着させる方法であって、前記方法が:
    前記自己エッチング性接着剤に歯牙表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、請求項74に記載の接着剤組成物を、湿潤状態の歯牙表面に塗布する工程;
    歯科矯正装置を、前記自己エッチング性接着剤を上に塗布した歯牙表面に、適用する工程;および
    前記歯科矯正装置と前記歯牙との間に接合を形成させるのに有効な条件下で、前記自己エッチング性接着剤を硬化させる工程、
    を含む方法。
  89. 前記歯科矯正装置が、ブラケット、バッカルチューブ、バンド、クリート、ボタン、リンガルリテーナー、リンガルバー、バイトブロッカー、ヘルプスト装置に接続するために使用するクラウン、トゥースポジショナーと共に使用するためのアタッチメントデバイス、可撤式装置と共に使用するためのアタッチメントデバイス、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項88に記載の方法。
  90. 歯科矯正装置を歯牙に接着させる方法であって、前記方法が:
    前記自己エッチング性接着剤に歯牙表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、請求項74に記載の接着剤組成物を上に有する歯科矯正装置を、湿潤状態の歯牙表面に適用する工程;
    前記歯科矯正装置と前記歯牙との間に接合を形成させるのに有効な条件下で、前記自己エッチング性接着剤を硬化させる工程、
    を含む方法。
  91. 歯科矯正装置に請求項74に記載の接着剤組成物を塗布して、前記非水性の自己エッチング性接着剤およびノニオン性界面活性剤を含む接着剤組成物を有する歯科矯正装置を得る工程をさらに含む、請求項90に記載の方法。
  92. 前記接着剤組成物を上に有する前記歯科矯正装置を、プレコートした歯科矯正装置として得る、請求項90に記載の方法。
  93. 前記歯科矯正装置が、ブラケット、バッカルチューブ、バンド、クリート、ボタン、リンガルリテーナー、リンガルバー、バイトブロッカー、ヘルプスト装置に接続するために使用するクラウン、トゥースポジショナーと共に使用するためのアタッチメントデバイス、可撤式装置と共に使用するためのアタッチメントデバイス、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項90に記載の方法。
  94. 接着剤組成物であって:
    酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物;
    酸官能性を有しないエチレン性不飽和化合物;
    開始剤系;および
    水を含み、
    ここで前記組成物が自己エッチング性の油中水型エマルションである、
    接着剤組成物。
  95. 前記酸官能性が、カルボン酸官能性、リン酸官能性、ホスホン酸官能性、スルホン酸官能性、またはそれらの組合せを含む、請求項94に記載の接着剤組成物。
  96. 界面活性剤をさらに含む、請求項94に記載の接着剤組成物。
  97. 前記組成物が逆ミセルを含む、請求項96に記載の接着剤組成物。
  98. 前記界面活性剤が、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物である、請求項96に記載の接着剤組成物。
  99. 前記界面活性剤がノニオン性界面活性剤である、請求項96に記載の接着剤組成物。
  100. 前記ノニオン性界面活性剤が、重合性界面活性剤である、請求項99に記載の接着剤組成物。
  101. 前記ノニオン性界面活性剤が、重合性基を含むエトキシル化アルキルフェノールである、請求項99に記載の接着剤組成物。
  102. 前記エマルションが物理的に安定である、請求項94に記載の接着剤組成物。
  103. 前記組成物が、30重量%未満の水を含む、請求項94に記載の接着剤組成物。
  104. 前記組成物が、油中水型ミクロエマルションである、請求項94に記載の接着剤組成物。
  105. 前記エマルションが化学的に安定である、請求項94に記載の接着剤組成物。
  106. 前記組成物が充填剤をさらに含む、請求項94に記載の接着剤組成物。
  107. 歯牙組織に歯科材料を接合させる方法であって、前記方法が:
    接着剤に歯牙組織表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、請求項94に記載の自己エッチング性接着剤を、前記歯牙組織表面に塗布する工程;
    前記歯牙組織表面を乾燥させて、その上に第一の接着剤層を形成させる工程;
    場合によっては、前記第一の層の上に第二の接着剤を塗布して、その上に第二の接着剤層を形成させる工程;
    前記第一の接着剤層、および場合によってはその上に前記第二の接着剤層を有する前記歯牙組織表面に、歯科材料を適用する工程;および
    前記歯科材料と前記歯牙組織との間に接合を形成させるために有効な条件下で、前記接着剤層の少なくとも一方を硬化させる工程、
    を含む方法。
  108. 前記歯牙組織表面が、エナメル質、象牙質、またはセメント質を含む、請求項107に記載の方法。
  109. 前記接着剤層の少なくとも一つが、前記歯科材料を適用する前、適用中、または適用後に硬化される、請求項107に記載の方法。
  110. 前記第二の接着剤が、請求項94に記載の自己エッチング性接着剤組成物と同一である、請求項107に記載の方法。
  111. 前記第二の接着剤が、請求項94に記載の自己エッチング性接着剤組成物とは異なっている、請求項107に記載の方法。
  112. 前記歯科材料が歯科用修復材である、請求項107に記載の方法。
  113. 前記歯牙組織表面がアンカットである、請求項107に記載の方法。
  114. 前記歯牙組織表面が、それに請求項94に記載の自己エッチング性接着剤組成物を塗布する前は、未エッチングである、請求項107に記載の方法。
  115. 前記歯科材料が歯科用修復材である、請求項107に記載の方法。
  116. 前記歯科材料が歯科矯正用接着剤を含む、請求項107に記載の方法。
  117. 前記歯科材料が歯科矯正装置を含む、請求項107に記載の方法。
  118. 前記歯科矯正装置が、ブラケット、バッカルチューブ、バンド、クリート、ボタン、リンガルリテーナー、リンガルバー、バイトブロッカー、ヘルプスト装置に接続するために使用するクラウン、トゥースポジショナーと共に使用するためのアタッチメントデバイス、可撤式装置と共に使用するためのアタッチメントデバイス、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項117に記載の方法。
  119. 前記歯科矯正装置が、歯科矯正用接着剤によってプレコートされている、請求項117に記載の方法。
  120. 歯科矯正装置を歯牙に接着させる方法であって、前記方法が:
    接着剤組成物に歯牙表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、請求項94に記載の接着剤組成物を、湿潤状態の歯牙表面に塗布する工程;
    歯科矯正装置を、前記接着剤組成物を塗布した歯牙表面に適用する工程;および
    歯科矯正装置と歯牙との間に接合を形成させるのに有効な条件下で、前記接着剤組成物を硬化させる工程、
    を含む方法。
  121. 前記接着剤組成物が界面活性剤をさらに含む、請求項120に記載の方法。
  122. 前記歯科矯正装置が、ブラケット、バッカルチューブ、バンド、クリート、ボタン、リンガルリテーナー、リンガルバー、バイトブロッカー、ヘルプスト装置に接続するために使用するクラウン、トゥースポジショナーと共に使用するためのアタッチメントデバイス、可撤式装置と共に使用するためのアタッチメントデバイス、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項120に記載の方法。
  123. 歯科矯正装置を歯牙に接着させる方法であって、前記方法が:
    接着剤組成物に歯牙表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、請求項94に記載の接着剤組成物を上に有する歯科矯正装置を、歯牙表面に適用する工程;および
    歯科矯正装置と歯牙との間に接合を形成させるのに有効な条件下で、前記接着剤組成物を硬化させる工程、
    を含む方法。
  124. 歯科矯正装置に請求項1に記載の接着剤組成物を塗布して、接着剤組成物を上に有する前記歯科矯正装置を得る工程をさらに含む、請求項123に記載の方法。
  125. 前記接着剤組成物を上に有する前記歯科矯正装置を、プレコートした歯科矯正装置として得る、請求項123に記載の方法。
  126. 前記歯科矯正装置が、ブラケット、バッカルチューブ、バンド、クリート、ボタン、リンガルリテーナー、リンガルバー、バイトブロッカー、ヘルプスト装置に接続するために使用するクラウン、トゥースポジショナーと共に使用するためのアタッチメントデバイス、可撤式装置と共に使用するためのアタッチメントデバイス、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項123に記載の方法。
  127. 歯牙組織を修復する方法であって、前記方法が:
    非水性の自己接着性組成物を、湿潤状態で未エッチングの歯牙組織表面に塗布する工程;および
    硬化させた組成物と前記歯牙組織との間に接合を形成させるのに有効な条件下で、前記非水性の自己接着性組成物を硬化させる工程、
    を含む方法。
  128. 水性希釈剤を、未エッチングの歯牙組織表面に塗布して、前記湿潤状態で未エッチングの歯牙組織表面を得る工程をさらに含む、請求項127に記載の方法。
  129. 前記水性希釈剤が、酸感受性染料、抗菌薬、水溶性モノマー、pH調節剤、緩衝剤、安定剤、界面活性剤、フルオリドアニオン、フルオリド解放剤、またはそれらの組合せをさらに含む、請求項128に記載の方法。
  130. 前記非水性の自己接着性組成物が、酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物、酸官能性を有しないエチレン性不飽和化合物、充填剤、および開始剤系を含む、請求項127に記載の方法。
  131. 前記非水性の自己接着性組成物が、少なくとも40重量%の充填剤を含む、請求項130に記載の方法。
  132. 前記酸官能性が、カルボン酸官能性、リン酸官能性、ホスホン酸官能性、スルホン酸官能性、またはそれらの組合せを含む、請求項130に記載の方法。
  133. 前記歯牙組織表面が、エナメル質、象牙質、またはセメント質を含む、請求項127に記載の方法。
  134. 接合強さが少なくとも7MPaである、請求項133に記載の方法。
  135. 歯科用組成物であって:
    酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物;
    酸官能性を有しないエチレン性不飽和化合物;
    開始剤系;
    ノニオン性界面活性剤;および
    充填剤;を含み、
    ここで、前記歯科用組成物が自己接着性かつ非水性である、
    歯科用組成物。
  136. 前記酸官能性が、カルボン酸官能性、リン酸官能性、ホスホン酸官能性、スルホン酸官能性、またはそれらの組合せを含む、請求項135に記載の歯科用組成物。
  137. 前記ノニオン性界面活性剤が、重合性界面活性剤である、請求項135に記載の歯科用組成物。
  138. 前記ノニオン性界面活性剤が、重合性基を含むエトキシル化アルキルフェノールである、請求項135に記載の歯科用組成物。
  139. 前記組成物が、少なくとも40重量%の充填剤を含む、請求項135に記載の歯科用組成物。
  140. 前記組成物が歯科矯正用接着剤である、請求項139に記載の歯科用組成物。
  141. 前記歯科矯正用接着剤が、プレコートされた歯科矯正装置として得られる、請求項140に記載の歯科用組成物。
  142. 前記歯科矯正装置が、ブラケット、バッカルチューブ、バンド、クリート、ボタン、リンガルリテーナー、リンガルバー、バイトブロッカー、ヘルプスト装置に接続するために使用するクラウン、トゥースポジショナーと共に使用するためのアタッチメントデバイス、可撤式装置と共に使用するためのアタッチメントデバイス、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項141に記載の歯科用組成物。
  143. 歯科矯正装置を歯牙に接着させる方法であって、前記方法が:
    非水性の自己接着性組成物に歯牙表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、前記非水性の自己接着性組成物を、湿潤状態の歯牙表面に塗布する工程;
    歯科矯正装置を、前記自己接着性組成物を塗布した前記歯牙表面に、適用する工程;および
    前記歯科矯正装置と前記歯牙との間に接合を形成させるのに有効な条件下で、前記自己接着性組成物を硬化させる工程、
    を含み、
    ここで前記非水性の自己接着性組成物が:
    酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物;
    酸官能性を有しないエチレン性不飽和化合物;
    開始剤系;および
    少なくとも40重量%の充填剤、を含む、
    方法。
  144. 前記自己接着性組成物が界面活性剤をさらに含む、請求項143に記載の方法。
  145. 前記歯科矯正装置が、ブラケット、バッカルチューブ、バンド、クリート、ボタン、リンガルリテーナー、リンガルバー、バイトブロッカー、ヘルプスト装置に接続するために使用するクラウン、トゥースポジショナーと共に使用するためのアタッチメントデバイス、可撤式装置と共に使用するためのアタッチメントデバイス、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項143に記載の方法。
  146. 歯科矯正装置を歯牙に接着させる方法であって、前記方法が:
    非水性の自己接着性組成物に歯牙表面のエッチングを起こさせるのに有効な条件下で、前記非水性の自己接着性組成物を上に有する歯科矯正装置を、湿潤状態の歯牙表面に、適用する工程;および
    前記歯科矯正装置と前記歯牙との間に接合を形成させるのに有効な条件下で、前記自己接着性組成物を硬化させる工程、を含み、
    ここで前記非水性の自己接着性組成物が:
    酸官能性を有するエチレン性不飽和化合物;
    酸官能性を有しないエチレン性不飽和化合物;
    開始剤系;および
    少なくとも40重量%の充填剤、を含む、
    方法。
  147. 前記自己接着性組成物が界面活性剤をさらに含む、請求項146に記載の方法。
  148. 非水性の自己接着性組成物を歯科矯正装置に塗布して、前記非水性の自己接着性組成物を上に有する歯科矯正装置を得る工程をさらに含む、請求項146に記載の方法。
  149. 前記非水性の自己接着性組成物を上に有する前記歯科矯正装置が、プレコートした歯科矯正装置として得られる、請求項146に記載の方法。
  150. 前記歯科矯正装置が、ブラケット、バッカルチューブ、バンド、クリート、ボタン、リンガルリテーナー、リンガルバー、バイトブロッカー、ヘルプスト装置に接続するために使用するクラウン、トゥースポジショナーと共に使用するためのアタッチメントデバイス、可撤式装置と共に使用するためのアタッチメントデバイス、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項146に記載の方法。
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