JP2007326266A - 印刷物の製造方法及び印刷物 - Google Patents
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Abstract
【課題】紙等のシート材に印刷が施されているとともに転写材が形成された印刷物を効率よく製造することができる印刷物の製造方法を提供する。
【解決手段】シート材に対して、UVインクにより転写領域以外の領域を印刷し(S11)、紫外線を照射してUVインクを硬化させる(S12)。その後、転写材層を形成する領域に接着用インクを印刷して接着用インク層を形成し、その後、転写材層が設けられた転写用フィルムをシート材に対して熱加圧して、転写を行う。なお、シート材に対して、接着用インク層を形成した後に転写を行い、その後、UVインクにより印刷を行って紫外線を照射するようにしてもよい。
【選択図】図6
【解決手段】シート材に対して、UVインクにより転写領域以外の領域を印刷し(S11)、紫外線を照射してUVインクを硬化させる(S12)。その後、転写材層を形成する領域に接着用インクを印刷して接着用インク層を形成し、その後、転写材層が設けられた転写用フィルムをシート材に対して熱加圧して、転写を行う。なお、シート材に対して、接着用インク層を形成した後に転写を行い、その後、UVインクにより印刷を行って紫外線を照射するようにしてもよい。
【選択図】図6
Description
本発明は、印刷物とその製造方法に関するものであり、特に、転写材による印刷領域を有する印刷物とその製造方法に関するものである。
従来より、印刷物に対して転写材領域を形成して視覚上の装飾効果を果たす方法が取られている。
すなわち、カタログ、ポスター、ラベル等の印刷物に、ポリエステルフィルム等に塗布又は蒸着された金属材料(転写材)を、金属の素材に腐蝕又は彫刻によって絵・文字等を表した刻印によって転写することにより、該絵・文字等を転写する方法である。
しかし、この方法によれば、刻印を使用することにより、印刷物に段傷を発生させるという工程上の問題があり、また、熱転写時に刻印が熱膨張するため位置合わせが正確とはならないという問題がある。
この問題を解決するために、出願人は、特許文献1において、平版印刷を介した熱転写方法を提示している。
特開昭63−139785号公報
しかし、上記特許文献1の方法においても、紙等のシート材に印刷を施した直後の印刷物には転写を行うことが困難であるという問題があった。つまり、印刷物の印刷に用いる印刷インクとして油性インクを使用すると、印刷インクを十分乾燥させたものでないと、転写時に、転写材が転写材を接着するためのインク層のみならず、印刷インクにも接着してしまい、転写を良好に行うことができないという問題がある。この点について、特許文献1には、実施例における記載において、「まず、被印刷素材1が印刷物である場合、この印刷に使用する印刷インキはロジンが少なく、熱可塑性の軟化点が高いものであり、十分に乾燥させることが望ましい。」と記載されており、この点をすでに指摘している。これにより、シート材に印刷を施した後に乾燥時間を設けなければならず、転写材を形成した印刷物を形成するのに時間を要し、該転写材を形成した印刷物を効率的に製造できないという問題があった。
そこで、本発明は、紙材等のシート材に印刷を施したものに転写材を形成した印刷物等の紙等のシート材に印刷が施されているとともに転写材が形成された印刷物を効率よく製造することができる印刷物の製造方法とこれにより製造した印刷物を提供することを目的とするものである。
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、印刷物の製造方法(印刷方法としてもよい。他においても同じ)であって、シート材にUVインクにより印刷を行ってUVインク層を形成するUVインク層形成工程(UVインク層印刷工程としてもよい)と、UVインク層が形成されたシート材に紫外線を照射してUVインク層を硬化させる紫外線照射工程と、シート材の上面及び/又はUVインク層の上面に熱可塑性インクにより印刷することにより、転写材を接着するための接着用インク層を形成する接着用インク層形成工程と、転写材により形成された転写材層が設けられた転写用フィルム(転写用部材としてもよい。以下においても同じ)を、シート材における接着用インク層が形成された面に対して熱加圧することにより、転写用フィルムの転写材をシート材に転写して転写材層を形成する転写材層形成工程と、を有することを特徴とする。
この第1の構成の印刷物の製造方法においては、UVインクを印刷した後にすぐに紫外線を照射することにより硬化されるので、その後シート材に対してすぐに転写を行うことができ、シート材に印刷を施したものに転写材を形成した印刷物、すなわち、シート材に印刷が施されているとともに転写材が形成された印刷物を効率よく製造することができる。
また、第2には、上記第1の構成において、上記UVインク層形成工程においては、転写材層を形成する領域を少なくとも除いてUVインク層を形成し、上記接着用インク層形成工程においては、UVインク層に積層させずにシート材の上面に接着用インク層を形成することを特徴とする。
また、第3には、上記第1の構成において、上記UVインク層形成工程においては、転写材層を形成する領域の外側にUVインク層を形成するとともに、転写材層を形成する領域における外周領域以外の内側の領域にもUVインク層を形成し、上記接着用インク層形成工程においては、転写材層を形成する領域の内側の領域に形成されたUVインク層に積層するように、接着用インク層を形成することを特徴とする。
この第3の構成によれば、接着用インク層がUVインク層の上面よりも盛り上がった状態に形成できる(特に、接着用インク層の内側領域が盛り上がった状態となる)ので、転写材層も盛り上がった状態に形成でき、できあがった印刷物を視認した場合に、転写材層をより強調して見せることが可能となる。
また、第4には、上記第1の構成において、上記UVインク層形成工程においては、転写材層を形成する領域の外側に形成されるUVインク層を転写材層を形成する領域の輪郭の内側にまで伸びた状態でUVインク層を形成し、上記接着用インク層形成工程においては、転写材層を形成する領域内のUVインク層に積層するように、接着用インク層を形成することを特徴とする。
この第4の構成によれば、接着用インク層がUVインク層の上面よりも盛り上がった状態に形成できる(特に、接着用インク層の外周領域が盛り上がった状態となる)ので、転写材層も盛り上がった状態に形成でき、できあがった印刷物を視認した場合に、転写材層20をより強調して見せることが可能となる。
また、第5には、上記第1の構成において、上記UVインク層形成工程においては、転写材層を形成する領域の外側の領域のみならず、転写材層を形成する領域の内側の領域の全てにもUVインク層を形成し、上記接着用インク層形成工程においては、UVインク層の上面に積層するように接着用インク層を形成することを特徴とする。
この第5の構成によれば、接着用インク層がUVインク層の上面よりも盛り上がった状態に形成できるので、転写材層も盛り上がった状態に形成でき、できあがった印刷物を視認した場合に、転写材層をより強調して見せることが可能となる。
また、第6には、上記第1から第5までのいずれかの構成において、上記UVインク層形成工程におけるシート材が、油性インクその他のUVインク以外のインクにより印刷を行ったシート材であり、上記UVインク層形成工程においては、少なくともUVインク以外のインクにより印刷した領域で、転写材層を形成する領域以外の領域には、UVインク層を形成することを特徴とする。
この第6の構成によれば、少なくとも転写材を形成する領域以外の領域がUVインクにより被覆されているので、油性インク層が乾燥する前に転写を行った場合でも、油性インク層に誤って転写されてしまうことがない。
また、第7には、上記第1から第5までのいずれかの構成において、上記UVインク層形成工程においては、UVインク層を形成する領域に、UVインクを印刷する印刷領域とUVインクを印刷しない非印刷領域とを設け、複数の印刷領域の間に非印刷領域が設けられた状態、又は、複数の非印刷領域の間に印刷領域が設けられた状態とすることにより、UVインク層を形成する領域内に、部分的にシート材の上面が露出するように形成することを特徴とする。
よって、接着用インク層は、部分的にシート材の上面に接した状態となり、接着用インク層の接着力を確保することができる。
また、第8には、印刷物の製造方法であって、シート材の上面に熱可塑性インクにより印刷することにより、転写材を接着するための接着用インク層を形成する接着用インク層形成工程と、転写材により形成された転写材層が設けられた転写用フィルムを、シート材における接着用インク層が形成された面に対して熱加圧することにより、転写用フィルムの転写材をシート材に転写して転写材層を形成する転写材層形成工程と、転写材層の上面及び転写材層が設けられている領域以外のシート材の上面にUVインクにより印刷を行ってUVインク層を形成するUVインク層形成工程と、UVインク層が形成されたシート材に紫外線を照射してUVインク層を硬化させる紫外線照射工程と、を有することを特徴とする。
この第8の構成の印刷物の製造方法においては、転写材層を形成した後にUVインクを印刷するので、UVインクを転写材層の上にも良好に印刷することができ、その後、紫外線を照射してUVインクを即座に硬化させることにより、シート材に印刷が施されているとともに転写材が形成された印刷物を効率よく製造することができる。
また、第9には、上記第1から第8までのいずれかの構成において、上記転写材層が、金属層、又は、グラビア印刷その他の印刷により形成されたインク層であることを特徴とする。
また、第10には、印刷物であって、シート材と、該シート材の上面に形成されたUVインク層と、該シート材の上面及び/又はUVインク層の上面に形成された接着用インク層で、熱可塑性インクにより形成された接着用インク層と、該接着用インク層の上面に形成された転写材層と、を有することを特徴とする。
この第10の構成においては、UVインク層が設けられているので、印刷物の製造時には、UVインクを印刷した後にすぐに紫外線を照射して硬化することにより、その後シート材に対してすぐに転写を行うことができ、シート材に印刷を施したものに転写材を形成した印刷物、すなわち、シート材に印刷が施されているとともに転写材が形成された印刷物を効率よく製造することができる。
また、第11には、上記第10の構成において、上記UVインク層は、転写材層が形成された領域を少なくとも除いて形成され、上記接着用インク層は、UVインク層に積層されずに形成されていることを特徴とする。
また、第12には、上記第10の構成において、上記UVインク層は、転写材層を形成する領域の外側に形成されているとともに、転写材層を形成する領域における外周領域以外の内側の領域にも形成されていて、上記接着用インク層は、転写材層を形成する領域の内側の領域に形成されたUVインク層に積層して形成されていることを特徴とする。
この第12の構成によれば、接着用インク層がUVインク層の上面よりも盛り上がった状態に形成される(特に、接着用インク層の内側領域が盛り上がった状態となっている)ので、転写材層も盛り上がった状態に形成され、できあがった印刷物を視認した場合に、転写材層をより強調して見せることが可能となる。
また、第13には、上記第10の構成において、上記UVインク層は、転写材層を形成する領域の外側に形成されるUVインク層を転写材層を形成する領域の輪郭の内側にまで伸びた状態で形成され、上記接着用インク層は、転写材層を形成する領域内のUVインク層に積層して形成されていることを特徴とする。
この第13の構成によれば、接着用インク層がUVインク層の上面よりも盛り上がった状態に形成される(特に、接着用インク層の外周領域が盛り上がった状態となっている)ので、転写材層も盛り上がった状態に形成され、できあがった印刷物を視認した場合に、転写材層をより強調して見せることが可能となる。
また、第14には、上記第10の構成において、上記UVインク層は、転写材層を形成する領域の外側の領域のみならず、転写材層を形成する領域の内側の領域の全てにも形成され、上記接着用インク層は、上記UVインク層に積層して形成されていることを特徴とする。
この第14の構成によれば、接着用インク層がUVインク層の上面よりも盛り上がった状態に形成されるので、転写材層も盛り上がった状態に形成され、できあがった印刷物を視認した場合に、転写材層をより強調して見せることが可能となる。
また、第15には、上記第10から第14までのいずれかの構成において、上記シート材が、油性インクその他のUVインク以外のインクにより印刷を行ったシート材であり、少なくともUVインク以外のインクにより印刷した領域で、転写材層が形成された領域以外の領域には、UVインク以外のインクにより印刷したインク層の上面にUVインク層が形成されていることを特徴とする。
この第15の構成によれば、少なくともUVインク以外のインクにより印刷した領域で、転写材層が形成された領域以外の領域には、UVインク層が形成されているので、印刷物の製造時に、油性インク層が乾燥する前に転写を行った場合でも、油性インク層に誤って転写されてしまうことがない。
また、第16には、上記第10から第14までのいずれかの構成において、UVインク層が形成された領域には、UVインクを印刷する印刷領域とUVインクを印刷しない非印刷領域とが設けられ、複数の印刷領域の間に非印刷領域が設けられた状態、又は、複数の非印刷領域の間に印刷領域が設けられた状態とすることにより、UVインク層を形成する領域内に、部分的にシート材の上面が露出するように形成されていることを特徴とする。
よって、接着用インク層は、部分的にシート材の上面に接した状態となり、接着用インク層の接着力を確保することができる。
また、第17には、印刷物であって、シート材と、該シート材の上面に形成された接着用インク層で、熱可塑性インクにより形成された接着用インク層と、該接着用インク層の上面に形成された転写材層と、転写材層の上面及び転写材層が設けられている領域以外のシート材の上面に形成されたUVインク層と、を有することを特徴とする。
この第17の構成の印刷物においては、転写材層の上にUVインク層があるので、印刷物の製造時に転写材層を形成した後にUVインクを印刷することになり、UVインクを転写材層の上にも良好に印刷することができ、その後、紫外線を照射してUVインクを即座に硬化させることにより、シート材に印刷が施されているとともに転写材が形成された印刷物を効率よく製造することができる。
また、第18には、上記第10から第17までのいずれかの構成において、上記転写材層が、金属層、又は、グラビア印刷その他の印刷により形成されたインク層であることを特徴とする。
本発明に基づく印刷物の製造方法及び印刷物によれば、UVインクを印刷した後にすぐに紫外線を照射することにより硬化されるので、その後シート材に対してすぐに転写を行うことができ、シート材に印刷を施したものに転写材を形成した印刷物、すなわち、シート材に印刷が施されているとともに転写材が形成された印刷物を効率よく製造することができる。また、本発明に基づく印刷物の製造方法及び印刷物によれば、転写材層を形成した後にUVインクを印刷するので、UVインクを転写材層の上にも良好に印刷することができ、その後、紫外線を照射することにより、UVインクを即座に硬化させることにより、シート材に印刷が施されているとともに転写材が形成されている印刷物を効率よく製造することができる。
本発明においては、紙等のシート材に印刷を施したものに転写材を形成した印刷物を効率よく印刷することができる印刷物の製造方法とこれにより製造した印刷物を提供するという目的を以下のようにして実現した。
本発明に基づく印刷物1の構成と製造方法を図面を利用して説明する。なお、図2は、図1における「オ」の部分の要部を示すものであり、図2における断面図は、図2におけるA−A線の断面を示すものである。また、図7の断面図も、図2におけるA−A線の断面を製造過程ごとに示すものである。また、図8も、図1における「オ」の部分の要部(つまり、平面視における要部)について製造過程ごとに示すものであり、図8における断面図は、図8におけるB−B線の断面を示すものである。
印刷物1は、図1、図2に示すように形成され、シート材5と、UVインク層10と、転写材層20と、接着用インク層30とを有している。
ここで、シート材5は、印刷を施すための被印刷部材であり、例えば、紙材が用いられる。
また、UVインク層10は、シート材5の上面にUVインクにより印刷されていて、このUVインク層10により印刷領域を形成している。このUVインク層10は、UVインクにより所定の印刷内容に印刷し、その後、紫外線を照射して形成されたものである。ここで、該所定の印刷内容としては、図1に示す例では、「オープンセール/ラーメン○○」以外の部分に示す内容となっている。ここで、UVインクとは、UV印刷用のインクであり、紫外線硬化型インクである。
また、転写材層20は、接着用インク層30の上面に形成されていて、転写材により形成されている。転写材としては、例えば、金属製の転写材が挙げられ、金属の種類としては、特に、金、銀、アルミニウムにおけるいずれかが挙げられる。金属製の転写材である場合に、この転写材層20は、いわば、金属箔であるといえる。
また、接着用インク層30は、シート材5の上面に形成されていて、接着用インクにより形成されている。つまり、この接着用インク層30は、シート材5の上面におけるUVインク層10が設けられていない領域に形成されている。接着用インクとしては、例えば、熱可塑性インクであり、特に、ロジンを含有する熱可塑性インクである。この熱可塑性インクの軟化温度は低いものであるのが好ましい。
以上のように、図1に示す例では、「オープンセール/ラーメン○○」の領域に接着用インク層30が設けられ、接着用インク層30の上面に転写材層20が設けられている。これにより、印刷物1を視認した場合には、「オープンセール/ラーメン○○」の内容が転写材層20により形成されているといえる。
この転写材層20は、金、銀、アルミニウム等金属製であるので、視覚上の装飾効果を得ることができる。
次に、上記構成の印刷物1の製造方法、つまり、印刷方法について説明する。まず、印刷物1を製造するための製造装置について説明する。印刷物の製造装置としての印刷システムTは、図3に示すように、第1印刷部110と、紫外線照射部120と、第2印刷部130と、転写部140とを有している。
ここで、第1印刷部110は、UVインクにより印刷を行う印刷装置であり、例えば、4色刷りの印刷を行う。また、紫外線照射部120は、第1印刷部110で印刷されたUVインクに対して紫外線を照射する装置である。この第1印刷部110や紫外線照射部120は、UVインクを用いた印刷装置で公知のものと同様の構成であり、第1印刷部110は、例えば、平版印刷(オフセット印刷)によるものが挙げられる。
また、第2印刷部130は、転写材を接着するための接着用インクにより印刷を行う印刷装置である。この第2印刷部130は、平版印刷による印刷装置で公知のものと同様の構成である。
また、転写部140は、転写材を接着用インクが印刷されたシート材に転写するための装置であり、図4に示すように、熱加圧ローラ142と、送りローラ144と、フィルム送出部146と、フィルム巻取部148とを有している。熱加圧ローラ142は、転写用フィルムPを加熱しながら加圧するためのローラであり、金属製のローラにより構成されている。なお、金属製のローラの表面にシリコンラバーを貼ったものでもよい。また、送りローラ144は、熱加圧ローラ142と所定の間隔を介して設けられ、シート材5を所定の方向に送るためのものである。また、フィルム送出部146は未使用の転写用フィルムPを送出し、フィルム巻取部148は使用済みの転写用フィルムPを巻き取って回収するものである。
ここで、転写用フィルム(転写用部材としてもよい)Pは、図5に示すように構成され、フィルム本体(転写用部材本体としてもよい)24と、剥離材層22と、転写材層20とを有している。このフィルム本体24は、樹脂によりシート状に形成されたものであり、剥離材層22は、転写材層20の剥離を容易とするためのものであり、フィルム本体24の一方の面に層状に形成されている。つまり、フィルム本体24の一方の面に剥離材がコーティングされている。また、転写材層20は、剥離材層22のフィルム本体24側とは反対側の面に設けられ、転写材(例えば、金、銀、アルミニウム等の金属)により層状に形成されている。つまり、転写材を剥離材層22に蒸着又は塗布することにより付着させて、転写材層20が形成されている。この転写材層20が金属製の場合には、転写材層20は金属箔層であるといえる。
次に、印刷物1の具体的な製造方法について、図6〜図8等を使用して説明する。まず、紙材等のシート材5に対して、UVインクにより転写領域以外の領域を印刷する(図6のS11、図7のW10、W11参照、UVインク層形成工程)。すなわち、シート材5に対して、第1印刷部110によりUVインクにより印刷を行う。すなわち、図1、図2の例では、「オープンセール/ラーメン○○」の文字部分以外の領域をUVインクにより印刷する。これにより、シート材5の上面に、硬化前のUVインク層10’が形成される(図7のW11参照)。
次に、印刷されたUVインクに対して紫外線を照射して、UVインクを硬化させる(図6のS12、図7のW12、図8のW22参照、紫外線照射工程)。つまり、紫外線照射部120により紫外線を照射してUVインクを硬化させる。すなわち、UVインクにより印刷されているので、紫外線を照射することによりUVインクを硬化させることができる。これにより、UVインク層10、すなわち、硬化後のUVインク層が形成される。
次に、転写領域(つまり、転写材層を形成する領域)に接着用インクを印刷して接着用インク層30を形成する(図6のS13、図7のW13、図8のW23参照、接着用インク層形成工程)。つまり、第2印刷部130により接着用インクを印刷する。図1の例では、「オープンセール/ラーメン○○」の領域に接着用インクを印刷して接着用インク層30を形成する。
次に、転写材を転写して転写材層20を形成する(図6のS14、図7のW14、図8のW24参照、転写材層形成工程)。つまり、転写部140により、転写用フィルムPの転写材層20側をシート材5のUVインク層10の形成側の面に熱加圧(加熱温度は、170〜190℃)することにより、転写材を接着用インク層30に転写して転写材層20を形成する。つまり、接着用インク層30を構成する接着用インクは、熱可塑性を有し、加熱により軟化し冷却すると硬化するので、熱加圧することにより接着用インク層30が軟化し、転写材層20に接着して転写材層20が転写用フィルムPから剥離する。その後、接着用インク層30の温度がもとに戻ることにより、転写材層20が接着用インク層30に接着した状態で固定される。なお、UVインク層10は紫外線により硬化されている
ので、加熱しても軟化することがない。
ので、加熱しても軟化することがない。
以上のようにして、熱転写を行うことにより、接着用インク層30に対応した部分のみについて、転写用フィルムPから転写材が転写して接着用インク層30と等しい象形部が形成される。なお、UVインク層10の領域については、紫外線を照射することによりすでに硬化されているので、転写用フィルムPにより熱加圧してもUVインク層10の領域には転写はされない。つまり、図1の例では、「オープンセール/ラーメン○○」の部分が転写材により形成されることになる。以上のようにして、印刷物1が製造される。
以上のように、本実施例の印刷物の製造方法においては、UVインクを印刷した後にすぐに紫外線を照射することにより硬化されるので、その後シート材に対してすぐに転写を行うことができ、シート材に印刷を施したものに転写材を形成した印刷物、すなわち、シート材に印刷が施されているとともに転写材が形成された印刷物を効率よく製造することができる。つまり、例えば、印刷に通常用いられる油性インクを用いると、油性インクにより印刷した後にこの油性インクが乾燥するまで時間を要し、効率よく印刷物を製造することができないが、本実施例では、上記のように効率よく印刷物の製造を行うことができる。なお、油性インクが乾燥する前に接着用インクにより印刷を行って転写を行うと、接着用インク以外の領域、つまり、油性インクの領域にも転写が行われてしまい、不良となってしまう。また、転写材層20は金属製であるので、視覚上の装飾効果を果たすことができる。
なお、上記の説明においては、転写材層を形成する領域には、UVインク層を形成しないものとして説明したが、これには限られず、図9に示すように、転写材層を形成する領域の周囲にUVインク層10aを形成するとともに、転写材層を形成する領域の内側の領域にもUVインク層10bを形成して、いわば、転写材層を形成する領域の外周部分以外をUVインクで印刷するようにしてもよい。
つまり、図9に示す実施例2では、印刷物の構成及び製造方法は、上記実施例1と略同様であるが、転写材層を形成する領域の外周部分を残してUVインクで印刷し(UVインク層形成工程)紫外線を照射して(紫外線照射工程)、UVインク層10a、10bを形成する(図9のW32参照)。つまり、転写材層を形成する領域の外側にUVインク層10aを形成するとともに、転写材層を形成する領域における外周領域以外の内側の領域にもUVインク層10bを形成する。
その後、転写材を形成する領域に接着用インクを印刷して接着用インク層30を形成する(図9のW33参照、接着用インク層形成工程)。この場合、転写材を形成する領域の内側に形成されたUVインク層10bの上面にも接着用インク層30が形成されることになる。なお、接着用インク層30との接着力は、UVインク層に接着している部分よりもシート材5に直接接着している部分の方が強いといえる。なお、接着用インク層30は、UVインク層との間でもある程度の接着力は存在する。つまり、接着用インクとUVインクそれ自体との接着力もある程度あるが、UVインクを印刷してもUVインクがシート材(特に、紙材)に浸透することにより、シート材の表面に形成された凹凸の凸部がUVインクよりも突出しており、接着用インクがシート材のこの凸部に接着することによる接着力もあるのである。
接着用インク層30を形成したら、その後、転写材を転写して、接着用インク層30の上面に転写材を転写させる(図9のW34参照、転写材層形成工程)。なお、図9は、図1における「オ」の部分の要部(つまり、平面視における要部)について製造過程ごとに示すものであり、図9における断面図は、図9におけるC−C線の断面を示すものである。
この実施例2の場合には、接着用インク層30がUVインク層の上面よりも盛り上がった状態に形成できる(特に、接着用インク層30の内側領域が盛り上がった状態となる)ので、転写材層20も盛り上がった状態に形成でき、できあがった印刷物1Aを視認した場合に、転写材層20をより強調して見せることが可能となる。
また、図9とは逆に、転写材層を形成する領域の外周部分においてUVインク層10と接着用インク層30とが重なるようにしてもよい。
つまり、図10に示す実施例3の印刷物の構成及び製造方法は、上記実施例1と略同様であるが、転写材層を形成する領域の輪郭Rよりも内側にまでUVインクを印刷し(UVインク層形成工程)紫外線を照射して(紫外線照射工程)、UVインク層10を形成する(図10のW42参照)。つまり、該輪郭Rよりも所定の幅分だけ内側にまでUVインクを印刷してUVインク層10を形成して、転写材層を形成する領域外に形成されるUVインク層を転写材層を形成する領域の輪郭の内側にまで伸びた状態でUVインク層を形成する。
その後、転写材層を形成する領域に接着用インクを印刷して接着用インク層30を形成する(図10のW43参照、接着用インク層形成工程)。よって、接着用インク層30の外周領域は、UVインク層10の上面に積層していることになる。その後、接着インク層30に転写材を転写して転写材層20を形成する(図10のW44参照、転写材層形成工程)。なお、図10は、図1における「オ」の部分の要部(つまり、平面視における要部)について製造過程ごとに示すものであり、図10における断面図は、図9におけるD−D線の断面を示すものである。
この図10に示す場合には、接着用インク層30がUVインク層10の上面よりも盛り上がった状態に形成できる(特に、接着用インク層30の外周領域が盛り上がった状態となる)ので、転写材層20も盛り上がった状態に形成でき、できあがった印刷物1Bを視認した場合に、転写材層20をより強調して見せることが可能となる。
また、図11に示すように、転写材層を形成する領域の全てについてもUVインク層10を形成してもよい。
つまり、図11に示す実施例4の印刷物の構成及び製造方法は、上記実施例1と略同様であるが、UVインクを印刷して、転写材層を形成する領域以外の領域のみならず、転写材層を形成する領域の輪郭Rの内側の全ての領域についてもUVインクを印刷し(UVインク層形成工程)紫外線を照射して(紫外線照射工程)、UVインク層10を形成する(図11のW52参照)。つまり、転写材層を形成する領域の外側の領域のみならず、転写材層を形成する領域の内側の領域の全てにもUVインク層10を形成する。
その後、転写材層を形成する領域に接着用インクを印刷して接着用インク層30を形成する(図11のW53参照、接着用インク層形成工程)。よって、接着用インク層30の全ての領域は、UVインク層10の上面に積層していることになる。なお、接着用インクをUVインク層の上面に印刷しても、上記のように、接着用インク層30はUVインク層10に接着した状態となる。その後、接着インク層30に転写材を転写して転写材層20を形成する(図11のW54参照、転写材層形成工程)。なお、図11は、図1における「オ」の部分の要部(つまり、平面視における要部)について製造過程ごとに示すものであり、図11における断面図は、図11におけるE−E線の断面を示すものである。
この図11に示す場合には、接着用インク層30がUVインク層10の上面よりも盛り上がった状態に形成できるので、転写材層20も盛り上がった状態に形成でき、できあがった印刷物1Cを視認した場合に、転写材層20をより強調して見せることが可能となる。
なお、実施例2から実施例4におけるように、UVインク層10と接着用インク層30とが積層した状態とする場合には、図12に示すように、UVインクをドット状(網状としてもよい)に印刷することにより、接着用インク層の接着力を確保するようにすることが好ましい。つまり、UVインクを印刷する領域(図12の場合は、円形の領域)を所定間隔ごとに形成することにより、UVインクをドット状に印刷し紫外線を照射して、UVインク層10をドット状に形成する(図12のW62参照)。その後、接着用インクを印刷して接着用インク層30を形成する(図12のW63参照)。なお、図12は、印刷物の要部(つまり、平面視における要部)について製造過程ごとに示すものであり、図12における断面図は、図12におけるF−F線の断面を示すものである。
すると、UVインク層を形成する領域内において、部分的にシート5材の上面が露出するように形成されるため、接着用インク層30は、部分的にシート材5の上面に接した状態となり、接着用インク層30の接着力を確保することができる。その後、接着インク層30に転写材を転写して転写材層20を形成する(図12のW64参照)。なお、図12に示す例では、円形の印刷領域をドット状に形成するものとしたが、これには限られず、印刷領域の形状は任意である。なお、図12の例に限らず、隣接する印刷領域の間に非印刷領域がある状態、つまり、複数の印刷領域の間に非印刷領域が設けられた状態であれば、他の態様であってもよい。
また、UVインクを格子状に印刷する等して、隣接する非印刷領域の間に印刷領域がある状態、つまり、複数の非印刷領域の間に印刷領域が設けられた状態として、UVインク層を形成する領域内に、部分的にシート材の上面が露出するように形成するようにしてもよい。
また、上記の各実施例の説明においては、シート材5にUVインクにより印刷を行うものとして説明したが、シート材5に油性インク等のUVインク以外のインクにより印刷を行い、その後、透明のUVインクを塗布して紫外線を照射することによりUVインク層を形成し、その後、接着用インク層を形成し、転写を行うようにしてもよい。つまり、図6においては、ステップS11の前に、シート材に油性インク等のUVインク以外のインクにより印刷を行う工程があることになる。
この場合、少なくとも油性インクで印刷をした領域で、転写材を形成する領域以外の領域はUVインクを塗布して油性インクにより形成された油性インク層が露出しないようにする。つまり、図12に示すような非印刷領域を設ける方法ではなく、いわばベタ塗りの状態に塗布して、油性インク層が露出しないようにする。
この場合のUVインク層を形成する領域は、上記実施例1〜4のいずれの態様でもよく、断面においては、シート材5とUVインク層10(10a、10b)の間に油性インク層が形成されることになる。また、転写材を形成する領域には、(油性インク等の)UVインク以外のインクの層は存在してもよいし、存在しなくてもよい。つまり、UVインク以外のインクの層の上に接着用インクを印刷できるものであれば、転写材を形成する領域にもUVインク以外のインクの層が存在してもよい。
このようにすることにより、少なくとも転写材を形成する領域以外の領域がUVインクにより被覆されているので、油性インク層が乾燥する前に転写を行った場合でも、油性インク層に誤って転写されてしまうことがない。
なお、上記の各実施例の説明においては、転写材層20は、金、銀、アルミニウム等の金属製であるとして説明したが、グラビア印刷により印刷したインク層により形成したものでもよい。つまり、転写用フィルムPにおいては、転写材層20は、グラビア印刷により印刷されたインク層により形成される。つまり、この場合、転写材層20は、グラビア印刷用インクにより形成される。そして、転写を行うことにより、転写材層20としてのインク層がシート材5に転写されるので、転写材層20によりグラビア印刷による絵柄を表現することができる。なお、転写用フィルムPにおいては、剥離材層22の表面に転写材層20としてのインク層がグラビア印刷により印刷されているが、シート材5への転写により表裏逆となるので、転写用フィルムPにおいて、剥離材層22にグラビア印刷する際には、表裏逆に印刷することになる。また、転写材層20としてのインク層において透明な領域がある場合も考えられることから、接着用インク層30は、透明又は透明性のある熱可塑性インクにより形成することが好ましい。つまり、接着用インク層30が非透明の熱可塑性インクにより形成した場合には、グラビア印刷用インクにより形成された転写材層20に透明な領域がある場合には、その透明な領域を通して接着用インク層30が見えてしまうことから、接着用インク層30は、透明又は透明性のある(好ましくは、透明性の高い)熱可塑性インクにより形成することが好ましい。なお、上記の説明では、転写材層20をグラビア印刷により印刷したインク層である場合について説明したが、絵柄を表現できるインクであれば、他の種類の印刷に用いるインクにより形成したインク層により転写材層20を形成してもよい。このようにすることにより、その印刷による絵柄をシート材5に表現することができる。
また、転写材層20としては、金属層や、グラビア印刷その他の印刷により形成されたインク層に限らず、他の部材により形成された転写材層であってもよい。
また、上記の各実施例においては、UVインクにより印刷を行なった後に紫外線を照射してUVインクを硬化させた後に、接着用インクを印刷して転写材を転写するものとして説明したが、これには限られず、シート材5に転写材を転写し、その後、UVインクを印刷し、紫外線を照射するものとしてもよい。
すなわち、本実施例の印刷物101は、図13に示すように、シート材5と、接着用インク層30と、転写材層20と、UVインク層10とを有しているが、シート材5の上面に接着用インク層30が設けられ、接着用インク層30の上面に転写材層20が設けられ、さらに、シート材5と転写材20の上面にUVインク層10が設けられている。
ここで、シート材5や、接着用インク層30や、転写材層20や、UVインク層10の各構成は、上記実施例1と同様である。なお、接着用インク層30は、シート材5の上面に接着用インクにより形成され、転写材層20は、接着用インク層30の上面に形成されていて、さらに、UVインク層10は、転写材層20の上面及びシート材5の上面に形成されている。つまり、UVインク層10は、転写材層20が設けられている領域については、転写材層20の上面に形成され、転写材層20が設けられていない領域については、シート材5の上面に形成されている。なお、本実施例における印刷物の平面図は図1と同様である。なお、図13における断面図は、図13におけるG−G線の断面を示すものである。
本実施例の印刷物101を製造するための製造装置としての印刷システムTは、図14に示すように、第2印刷部130と、転写部140と、第1印刷部110と、紫外線照射部120とを有している。ここで、第2印刷部130と、転写部140と、第1印刷部110と、紫外線照射部120の構成は、上記実施例1の各構成と同様の構成である。つまり、転写材を転写するための構成(第2印刷部130と、転写部140)が、UVインク層を形成するための構成(第1印刷部110と、紫外線照射部120)よりも前段に設けられている。
次に、本実施例の印刷物101の具体的な製造方法について、図15〜図17等を使用して説明すると、まず、転写領域(つまり、転写材層を形成する領域)に接着用インクを印刷して接着用インク層30を形成する(図15のS21、図16のW100、W101、図17のW111参照、接着用インク層形成工程)。つまり、第2印刷部130により接着用インクを印刷する。図1の例では、「オープンセール/ラーメン○○」の領域に接着用インクを印刷して接着用インク層30を形成する。
次に、転写材を転写して転写材層20を形成する(図15のS22、図16のW102、図17のW112参照、転写材層形成工程)。つまり、転写部140により、転写用フィルムPの転写材層20側をシート材5の接着用インク層30の形成側の面に熱加圧(加熱温度は、170〜190℃)することにより、転写材を接着用インク層30に転写して転写材層20を形成する。つまり、接着用インク層30を構成する接着用インクは、熱可塑性を有し、加熱により軟化し冷却すると硬化するので、熱加圧することにより接着用インク層30が軟化し、転写材層20に接着して転写材層20が転写用フィルムPから剥離する。その後、接着用インク層30の温度がもとに戻ることにより、転写材層20が接着用インク層30に接着した状態で固定される。
このように、熱転写を行うことにより、接着用インク層30に対応した部分のみについて、転写用フィルムPから転写材が転写して接着用インク層30と等しい象形部が形成される。つまり、図1の例では、「オープンセール/ラーメン○○」の部分が転写材により形成されることになる。
次に、紙材等のシート材5に対して、UVインクにより印刷する(図15のS23、図16のW103、図17のW113参照、UVインク層形成工程)。すなわち、シート材5に対して、第1印刷部110によりUVインクにより印刷を行う。ここでは、転写材層20の上面の領域を含めてシート材5の上面の領域に印刷を行う。すなわち、図1の例では、「オープンセール/ラーメン○○」の文字部分を含めてUVインクにより印刷する。これにより、シート材5の上面に、硬化前のUVインク層10’が形成される。なお、UVインクで印刷を行う際に、転写材層20が形成されている領域においては、UVインク層10が形成されても転写材層20を視認することができる色に印刷する必要がある。例えば、転写材層20が形成されている領域の上面には、透明(半透明でもよい)なインクにより印刷することが好ましい。
次に、印刷されたUVインクに対して紫外線を照射して、UVインクを硬化させる(図15のS24、図16のW104参照、紫外線照射工程)。つまり、紫外線照射部120により紫外線を照射してUVインクを硬化させる。すなわち、UVインクにより印刷されているので、紫外線を照射することによりUVインクを硬化させることができる。これにより、UVインク層10、すなわち、硬化後のUVインク層が形成される。
なお、図16の断面図は、図13におけるG−G線の断面を製造過程ごとに示すものであり、図17は、図1における「オ」の部分の要部(つまり、平面視における要部)について製造過程ごとに示すものであり、図17における断面図は、図17におけるH−H線の断面を示すものである。
以上のように、本実施例の印刷物の製造方法においては、転写材層20を形成した後にUVインクを印刷するので、UVインクを転写材層20の上にも良好に印刷することができ、その後、紫外線を照射してUVインクを即座に硬化させることにより、シート材に印刷が施されているとともに転写材が形成された印刷物を効率よく製造することができる。つまり、例えば、UVインクの代わりに油性インクを用いると、金属製の転写材層20の上面に油性インクがのりにくく、また、油性インクが乾燥するまでの時間を要し、効率よく印刷物の製造を行うことができないが、本実施例では、UVインクを用いるため、金属製の転写材層20の上面でもUVインクがのりやすく、また、紫外線照射によりUVインクを即座に硬化させることができるので、印刷物を効率よく製造することができるのである。
なお、本実施例においても、上記各実施例と同様に、転写材層20は、金、銀、アルミニウム等の金属製であるとして説明したが、グラビア印刷により印刷したインク層により形成したものでもよい。また、転写材層20としては、金属層や、グラビア印刷その他の印刷により形成されたインク層に限らず、他の部材により形成された転写材層であってもよい。
1、1A、1B、1C、101 印刷物
5 シート材
10、10a、10b UVインク層
20 転写材層
22 剥離材層
24 フィルム本体
30 接着用インク層
110 第1印刷部
120 紫外線照射部
130 第2印刷部
140 転写部
P 転写用フィルム
5 シート材
10、10a、10b UVインク層
20 転写材層
22 剥離材層
24 フィルム本体
30 接着用インク層
110 第1印刷部
120 紫外線照射部
130 第2印刷部
140 転写部
P 転写用フィルム
Claims (18)
- 印刷物の製造方法であって、
シート材にUVインクにより印刷を行ってUVインク層を形成するUVインク層形成工程と、
UVインク層が形成されたシート材に紫外線を照射してUVインク層を硬化させる紫外線照射工程と、
シート材の上面及び/又はUVインク層の上面に熱可塑性インクにより印刷することにより、転写材を接着するための接着用インク層を形成する接着用インク層形成工程と、
転写材により形成された転写材層が設けられた転写用フィルムを、シート材における接着用インク層が形成された面に対して熱加圧することにより、転写用フィルムの転写材をシート材に転写して転写材層を形成する転写材層形成工程と、
を有することを特徴とする印刷物の製造方法。 - 上記UVインク層形成工程においては、転写材層を形成する領域を少なくとも除いてUVインク層を形成し、上記接着用インク層形成工程においては、UVインク層に積層させずにシート材の上面に接着用インク層を形成することを特徴とする請求項1に記載の印刷物の製造方法。
- 上記UVインク層形成工程においては、転写材層を形成する領域の外側にUVインク層を形成するとともに、転写材層を形成する領域における外周領域以外の内側の領域にもUVインク層を形成し、上記接着用インク層形成工程においては、転写材層を形成する領域の内側の領域に形成されたUVインク層に積層するように、接着用インク層を形成することを特徴とする請求項1に記載の印刷物の製造方法。
- 上記UVインク層形成工程においては、転写材層を形成する領域の外側に形成されるUVインク層を転写材層を形成する領域の輪郭の内側にまで伸びた状態でUVインク層を形成し、上記接着用インク層形成工程においては、転写材層を形成する領域内のUVインク層に積層するように、接着用インク層を形成することを特徴とする請求項1に記載の印刷物の製造方法。
- 上記UVインク層形成工程においては、転写材層を形成する領域の外側の領域のみならず、転写材層を形成する領域の内側の領域の全てにもUVインク層を形成し、上記接着用インク層形成工程においては、UVインク層の上面に積層するように接着用インク層を形成することを特徴とする請求項1に記載の印刷物の製造方法。
- 上記UVインク層形成工程におけるシート材が、油性インクその他のUVインク以外のインクにより印刷を行ったシート材であり、上記UVインク層形成工程においては、少なくともUVインク以外のインクにより印刷した領域で、転写材層を形成する領域以外の領域には、UVインク層を形成することを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5に記載の印刷物の製造方法。
- 上記UVインク層形成工程においては、UVインク層を形成する領域に、UVインクを印刷する印刷領域とUVインクを印刷しない非印刷領域とを設け、複数の印刷領域の間に非印刷領域が設けられた状態、又は、複数の非印刷領域の間に印刷領域が設けられた状態とすることにより、UVインク層を形成する領域内に、部分的にシート材の上面が露出するように形成することを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5に記載の印刷物の製造方法。
- 印刷物の製造方法であって、
シート材の上面に熱可塑性インクにより印刷することにより、転写材を接着するための接着用インク層を形成する接着用インク層形成工程と、
転写材により形成された転写材層が設けられた転写用フィルムを、シート材における接着用インク層が形成された面に対して熱加圧することにより、転写用フィルムの転写材をシート材に転写して転写材層を形成する転写材層形成工程と、
転写材層の上面及び転写材層が設けられている領域以外のシート材の上面にUVインクにより印刷を行ってUVインク層を形成するUVインク層形成工程と、
UVインク層が形成されたシート材に紫外線を照射してUVインク層を硬化させる紫外線照射工程と、
を有することを特徴とする印刷物の製造方法。 - 上記転写材層が、金属層、又は、グラビア印刷その他の印刷により形成されたインク層であることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8に記載の印刷物の製造方法。
- 印刷物であって、
シート材と、
該シート材の上面に形成されたUVインク層と、
該シート材の上面及び/又はUVインク層の上面に形成された接着用インク層で、熱可塑性インクにより形成された接着用インク層と、
該接着用インク層の上面に形成された転写材層と、
を有することを特徴とする印刷物。 - 上記UVインク層は、転写材層が形成された領域を少なくとも除いて形成され、上記接着用インク層は、UVインク層に積層されずに形成されていることを特徴とする請求項10に記載の印刷物。
- 上記UVインク層は、転写材層を形成する領域の外側に形成されているとともに、転写材層を形成する領域における外周領域以外の内側の領域にも形成されていて、上記接着用インク層は、転写材層を形成する領域の内側の領域に形成されたUVインク層に積層して形成されていることを特徴とする請求項10に記載の印刷物。
- 上記UVインク層は、転写材層を形成する領域の外側に形成されるUVインク層を転写材層を形成する領域の輪郭の内側にまで伸びた状態で形成され、上記接着用インク層は、転写材層を形成する領域内のUVインク層に積層して形成されていることを特徴とする請求項10に記載の印刷物。
- 上記UVインク層は、転写材層を形成する領域の外側の領域のみならず、転写材層を形成する領域の内側の領域の全てにも形成され、上記接着用インク層は、上記UVインク層に積層して形成されていることを特徴とする請求項10に記載の印刷物。
- 上記シート材が、油性インクその他のUVインク以外のインクにより印刷を行ったシート材であり、少なくともUVインク以外のインクにより印刷した領域で、転写材層が形成された領域以外の領域には、UVインク以外のインクにより印刷したインク層の上面にUVインク層が形成されていることを特徴とする請求項10又は11又は12又は13又は14に記載の印刷物。
- UVインク層が形成された領域には、UVインクを印刷する印刷領域とUVインクを印刷しない非印刷領域とが設けられ、複数の印刷領域の間に非印刷領域が設けられた状態、又は、複数の非印刷領域の間に印刷領域が設けられた状態とすることにより、UVインク層を形成する領域内に、部分的にシート材の上面が露出するように形成されていることを特徴とする請求項10又は11又は12又は13又は14に記載の印刷物。
- 印刷物であって、
シート材と、
該シート材の上面に形成された接着用インク層で、熱可塑性インクにより形成された接着用インク層と、
該接着用インク層の上面に形成された転写材層と、
転写材層の上面及び転写材層が設けられている領域以外のシート材の上面に形成されたUVインク層と、
を有することを特徴とする印刷物。 - 上記転写材層が、金属層、又は、グラビア印刷その他の印刷により形成されたインク層であることを特徴とする請求項10又は11又は12又は13又は14又は15又は16又は17に記載の印刷物の製造方法。
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