JP2007318180A - 半導体受光素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 半導体基板1上に、この半導体基板よりも屈折率が大きいガイド層3が形成され、このガイド層上の一部領域に光吸収層4が形成された装荷型半導体受光素子において、前記光吸収層が形成された領域である光電変換部のメサ幅が、素子動作時の光電流密度が高い部分ほど広く、低い部分ほど狭く設計する。
【効果】 光電変換部において局所的な温度上昇を抑えることができるため高光入力時にも劣化、破壊しにくく、かつ、素子容量増大も防ぐため高速応答特性も保たれる。
【選択図】 図1
Description
1999年秋季、第60回応用物理学会学術講演会講演予稿集第3分冊、985頁、講演番号1p−ZC−8
本発明の目的は、耐高光入力性をさらに高めた半導体受光素子を提供することである。
[第一の実施例]
図1(a)は、本発明の第一の実施例を示す平面図であり、図1(b)、(c)は、図1(a)のA-A'、B-B'線での断面図である。また、図2は第一の実施例の動作を説明するためのグラフである。本実施例の結晶層構造は、半絶縁性InP基板1上に、n+-InPクラッド層2(層厚0.5μm)、n+-InAlGaAsガイド層3(波長組成1.3μm、層厚0.7μm)、i-InGaAs光吸収層4(層厚0.5μm)、p+-InPクラッド層5(層厚1μm)、p+-InGaAsコンタクト層6が順次積層されたものである。そして、図1(b)、(c)に示すように、深さの異なる複数回のエッチング工程により、半絶縁性InP基板1が露出するまでエッチングした領域、n+-InPクラッド層2が露出するまでエッチングした領域、n+-InAlGaAsガイド層3が露出するまでエッチングした領域、および、エッチングを施さず、p+-InGaAsコンタクト層6が残った領域が形成されている。このp+-InGaAsコンタクト層6が残った領域が、入射光を光電変換する光電変換部7である。そして、n+-InAlGaAsガイド層3が露出するまでエッチングした領域は、入射光を光電変換部7に導波させるための受動導波路部8である。ここで、光電変換部7の導波路メサの幅は、光入射側から光導波方向に向かって、直線的に広がった後、一定の幅を維持し、その後に漸減するようになされている(2段階で直線的に逓減している)。そして、光電変換部7および受動導波路部8の長さ(図1(b)で示した方向の寸法)は、それぞれ40μm、20μmである。さらに、図1(b)、(c)に示すように、これらのエッチング工程後の素子上面に窒化シリコン膜9が形成されている。そして、p+-InGaAsコンタクト層6が残った領域上とn+-InPクラッド層2の露出した領域の窒化シリコン膜9の一部が除去され、その除去された領域にはp側電極としてのAuZnアロイ電極10と、n側電極としてのAuGeNiアロイ電極11が形成されている。そして、図1(a)〜(c)に示すように、AuZnアロイ電極10、AuGeNiアロイ電極11を拡大、延長するTiPtAu電極12a、12b、12cが形成され、さらに、これらのTiPtAu電極上に、これを補強するAuメッキ電極13a、13b、13cが形成されている。そして、素子の入射端面に反射防止膜として窒化シリコン膜14が形成されている。
図3は、本発明の第二の実施例を示す平面図であって、第一の実施例における図1(a)に対応する図である。第二の実施例が第一の実施例と異なる点は、図3に示されるように、光電変換部7のメサ形状が、より単純に入射側が広く、後端側が狭い形状となっている点である。その他、素子の基本的な構造は第一の実施例と同様である。
次に、第二の実施例の動作、効果について説明する。第二の実施例では第一の実施例と比較してメサ形状がより単純であることから素子作製が容易で、作製歩留まりが向上するという効果が得られる。このとき、高光入力時にも素子が破壊されにくいという効果、およびメサ面積増大による素子容量増大を防ぐことができるという効果についても、第一の実施例とほぼ同等の効果が得られる。また、第二の実施例では光電変換部7の入射側のメサ幅が広くなっており、したがって受動導波路部8のメサ幅も、それにあわせて広く設計することが可能で、入射光との水平方向の結合効率が向上し、高い量子効率が得られる。
図4は、本発明の第三の実施例を示す平面図であって、第二の実施例における図3に対応する図である。第三の実施例では、まず、光電変換部7のメサ形状が第二の実施例と同様に、入射側が広く後端側が狭い形状となっているが、さらにここで第三の実施例では、受動導波路部8のメサ幅も入射側が広くなっている点が異なる。この他、素子の基本的な構造は第一あるいは第二の実施例と同様である。
第三の実施例では、受動導波路部8の入射側のメサ幅が広くなっているので、水平方向の結合効率が第二の実施例と比較してさらに高まり、高い量子効率が得られる。
なお、第三の実施例では、第二の実施例において受動導波路部8の入射側のメサ幅を広くした例を示したが、第一の実施例において受動導波路部8の入射側のメサ幅を広くした場合にも水平方向の結合効率が高まり、高い量子効率が得られるという効果は同様である。
図5は、本発明の第四の実施例を示す平面図であって、第三の実施例における図3に対応する図である。第四の実施例では、受動導波路部8のメサ幅が、第三の実施例と同様に、入射側が広くなっている。第四の実施例の第三の実施例と相違する点は、光電変換部7のメサ幅が、光入射側から光電流密度が最大となる手前まで一定であり、その後導波方向に向かって直線的に減少している点である。それ以外の、素子の基本的な構成は第三の実施例と同様である。
この第四の実施例によれば、第三の実施例の効果を全て得ることができる外、光電変換部7の面積が第三の実施例の場合よりも狭くすることができ、応答速度のより速い受光素子を実現することができる。
なお、第四の実施例では、第三の実施例において光電変換部7のメサ幅を入射側から一定幅とした後に漸減する例を示したが、第二の実施例において光電変換部の形状を第四の実施例のようにしても、より応答速度の速い受光素子を実現できるという第四の実施例と同様の効果が得られる。
2 n+-InPクラッド層
3 n+-InAlGaAsガイド層
4 i-InGaAs光吸収層
5 p+-InPクラッド層
6 p+-InGaAs コンタクト層
7 光電変換部
8 受動導波路部
9 窒化シリコン膜
10 AuZnアロイ電極
11 AuGeNiアロイ電極
12 TiPtAu電極
13 Auメッキ電極
14 窒化シリコン膜
101 半絶縁性InP基板
102 n+-InPクラッド層
103 n+-InAlGaAsガイド層
104 i-InGaAs光吸収層
105 p+-InPクラッド層
106 p+-InGaAsコンタクト層
107 光電変換部
108 受動導波路部
109 窒化シリコン膜
110 AuZnアロイ電極
111 TiPtAu電極
112 Auメッキ電極
113 窒化シリコン膜
Claims (11)
- 光吸収層を有し、前記光吸収層の光入射側の端部に前端部を、その光導波方向の終端に後端部を有する光電変換部を備えた半導体受光素子において、
前記後端部のメサ幅は、前記前端部のメサ幅よりも狭いことを特徴とする半導体受光素子。 - 前記光電変換部は、更にガイド層を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体受光素子。
- 前記光電変換部に隣接して、前記ガイド層と連続したガイド層を有する受動導波路部を有することを特徴とする請求項2に記載の半導体受光素子。
- 前記受動導波路部のメサ幅は、前記受動導波路部の光の入射側から導波路方向に距離が離れるにつれて減少することを特徴とする請求項3に記載の半導体受光素子。
- 前記光電変換部のメサ幅は、前記前端部から前記後端部に向かって直線的に減少することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体受光素子。
- 前記光電変換部のメサ幅は、前記前端部から前記後端部に向かって、一部区間で一定の大きさを保った後、減少することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体受光素子。
- 前記光電変換部は、前記前端部と前記後端部とのそれぞれのメサ幅よりも大きいメサ幅を有する、メサ幅拡張領域を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体受光素子。
- 前記メサ幅拡張領域は、前記光電変換部の前記前端部と前記後端部との中央よりも前記前端部側に形成されることを特徴とする請求項7に記載の半導体受光素子。
- 前記光吸収層はInGaAsにより形成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の半導体受光素子。
- 前記ガイド層はInAlGaAsにより形成されることを特徴とする請求項2乃至9のいずれかに記載の半導体受光素子。
- 前記ガイド層はInGaAsPにより形成されることを特徴とする請求項2乃至9のいずれかに記載の半導体受光素子。
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