JP2970575B2 - 導波路型半導体受光素子 - Google Patents

導波路型半導体受光素子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導波路型半導体受光
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信システムの受信モジュールに用い
る半導体受光素子として、従来は面入射型素子が用いら
れていたが、これは光吸収層に対して垂直な方向から信
号光を入射するので、高い光電変換効率を得るためには
光吸収層を厚く形成する必要があり、キャリア走行時間
が長くなり素子応答特性の高速化の妨げとなっていた。
【0003】そこで、光電変換効率の向上と素子応答特
性の高速化とを両立するものとして導波路型半導体受光
素子の研究開発が進められている。これは、光吸収層に
対して水平な方向から信号光を入射するので、光吸収層
が薄くても導波路長が十分長ければ高い光電変換効率が
得られる。したがって、素子応答特性の高速化(キャリ
ア走行時間短縮)と光電変換効率の向上との両立が可能
になる。
【0004】また、導波路型半導体受光素子は、モジュ
ール化の際の組立性に優れているという特徴も併せ持
つ。たとえば石英系導波路部品と単体の半導体レーザ
ー、受光素子等を組み合わせていわゆるハイブリッド型
光送受信モジュールを構成する場合、受光素子として面
入射型素子を用いると、光の入射方向が素子の表面に対
して垂直であるため、電気の配線、あるいは入射信号光
の光路のいずれかを90度折り曲げることが必要で、組
立性という観点からは問題があった。これに対し、導波
路型半導体受光素子を用いると、入射信号光を素子の端
面から、すなわち素子表面に対し平行な方向から入射で
きるため電気配線や光路の折り曲げが不要となる。通
常、半導体レーザーも素子の端面から光を出射する形態
であることから、半導体レーザーと導波路型半導体受光
素子とで組立工程を共通化できるということもあり、モ
ジュールの組立性の向上、コストの低減が期待できる。
【0005】このような導波路型半導体受光素子とし
て、1994年6月に発行された「第5回オプトエレク
トロニクス・コンファレンス テクニカルダイジェスト
(Fifth Optoelectronics Co
nference technical Diges
t)」の第66〜67頁に掲載されている論文「110
−GHz、50%−Efficiency Waveg
uide p−i−n Photodiode for
a 1.55−μm Wavelength」にその
一例が記載されている。この素子は、図13に示すよう
に、半絶縁性InP基板101上にn+−InPクラッ
ド層102、n+−InGaAsP中間屈折率層103
(コア層とクラッド層との中間の屈折率を有する層、層
厚:0.8μm)、n-−InGaAs光吸収層104
(コア層、層厚:0.2μm)、p+−InGaAsP
中間屈折率層105(層厚:0.8μm)、p+−In
Pクラッド層106からなる導波路メサを形成し、これ
をポリイミド107で埋め込み、さらにp電極108を
設けた構造となっている。結晶成長時の不純物ドーピン
グによりpn接合を形成しており、pn接合の形態とし
てはいわゆるグロウンジャンクション(Grown j
unction)型に属する。
【0006】また、1996年電子情報通信学会総合大
会において講演番号C−361として発表され、かつ1
996年3月発行のその論文集の361頁に掲載された
「光ハイブリッド実装用高効率プレーナ導波路型pin
フォトダイオード」に、導波路型半導体受光素子の他の
例が報告されている。この素子は、図14に示すよう
に、導波路の中央部に不純物の選択熱拡散によりp+
域113が形成されたプレーナ型の素子となっている。
また、導波構造としては、Si−InP基板109上に
n−InGaAsP下部中間屈折率層110(波長組
成:1.2μm)、n-−InGaAsP光吸収層11
1(波長組成:1.4μm)、n-InGaAsP上部
中間屈折率層112(波長組成:1.2μm)を順次積
層し、p電極114とn電極115を形成した構造を有
する。この素子は波長1.3μm帯の信号光の受信に用
いられる。
【0007】一般に導波路型半導体受光素子において
は、光吸収層を厚く形成すればそれだけ高い結合トレラ
ンスが得られる(入射光スポットの位置ずれを許容する
ことができる)ものの、光吸収層を空乏化させるために
必要な電圧、つまり素子の動作電圧が上昇するという問
題が生じる。そこで、上下の中間屈折率層110、11
2を設けることによって、光吸収層自体の厚みは薄く保
ったまま等価的な層厚を増大させている。これにより、
入射光スポットの位置ずれが生じても感度があまり落ち
ずに位置ずれに対して高い結合トレランスが得られ、し
かも、中間屈折率層は高不純物濃度であるので、その挿
入により動作電圧が上昇することはなく低く保つことが
できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の導波路型半導体
受光素子においては、低暗電流かつ高信頼性の素子を作
製することが困難である。図13の従来例のようなグロ
ウンジャンクション型素子は、メサ構造であり、光吸収
層104の側面が導波路の全長にわたって露出している
ため、プレーナ型と比較してリーク電流が生じ易いので
暗電流が大きく素子の信頼性という観点からも問題があ
る。一方、図14の従来例はプレーナ型素子であるが、
電圧が印加された状態の光吸収層が入射端部に露出して
おり、この入射端部においてリーク電流が流れ易く、こ
れが暗電流を増加させ、信頼性を低下させる要因となる
からである。
【0009】そこで本発明の目的は、暗電流が低く高信
頼な導波路型半導体受光素子を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の導波路型半導体
受光素子は、光吸収層が一部除去されており、この光吸
収層除去領域上に、前記光吸収層よりもバンドギャップ
波長が短い半導体からなるクラッド層が、空隙を介して
ひさし状に覆い被さった構造を有し、この、ひさし状に
覆い被さったクラッド層上に素子実装用位置合わせパタ
ーンが形成されていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。図1は、第1の参
考例の斜視図、図2は図1のA−A線断面図、図3は製
造工程を説明するための図で、劈開により入射端面を形
成する前の状態を示す平面図である。
【0012】(1 0 0)面を有するn+−InP基板
1上に、n+−InPバッファ層2(不純物濃度:1×
1018cm 3、層厚:0.2μm)、n+−InGaA
sP中間屈折率層3(不純物濃度:1×1018cm-3
波長組成:1.3μm、層厚:4μm)、n-−InG
aAs光吸収層4(不純物濃度:1×1015cm-3、層
厚:1.5μm)、n−InGaAsPバンド不連続緩
和層5(不純物濃度:1×1018cm-3、波長組成:
1.3μm、層厚:0.1μm)、n−InPクラッド
層6(不純物濃度:3×1017cm-3、層厚:1μm)
が順次積層形成されている。なお、この構成において、
コア層は光吸収層4であり、クラッド層6は光吸収層4
よりも屈折率の低い層であり、中間屈折率層3は両層
4、6の中間の屈折率を有する層である。また、バッフ
ァ層2は結晶成長時の緩衝材として形成された層であ
り、バンド不連続緩和層5は屈折率の異なるクラッド層
6と光吸収層4との間をキャリアが高速で通過し得るよ
うに設けられた層である。
【0013】さらに、不純物であるZnの選択熱拡散に
よりp+領域7が形成されている。このp+領域7は、幅
50μm、長さ100μmのストライプ形状(ハッチン
グ部)であり、そのストライプの方向は基板の[0 1
1]方向と一致させてある。このストライプの部分が実
質的な導波路になる。
【0014】また、素子の入射端部から長さ3μmにわ
たって拡散を施さない領域、すなわち非拡散領域8が残
されている。この非拡散領域8は、各層1〜6の本来の
性質通りn型の導電型である。
【0015】さらにSiNパッシベーション膜9、p電
極としてのAuZn膜10、TiPuAu膜11、n電
極としてのAuGeNi膜12(図1〜3には表れてい
ない)、TiPuAu膜13が設けられている。p電極
であるAuZn膜10、TiPuAu膜11は、p+
域7が形成されているストライプ部分上に設けられてお
り、本参考例の主電極である。また、光の入射端部に
は、劈開時のガイド用の溝14が形成されており、この
溝は、導波路と垂直方向すなわち[0 1 −1]方向に
沿って形成されている。さらに、この入射端部を覆うよ
うに、SiNからなる反射防止膜15が形成されてい
る。
【0016】本参考例において、光を入射した際に非拡
散領域8の光吸収層4で生成したキャリアは、キャリア
の濃度勾配に伴う拡散によりp+領域7の下部の空乏化
した光吸収層4へ流れ込み、光電流が生じて外部回路に
取り出される。仮に非拡散領域8の長さが長すぎると、
光吸収層4の非拡散領域8で生成したキャリアは、p+
領域7の下部の空乏化した光吸収層4へ流れ込む前に再
結合により失われてしまい、光電流に寄与しないため感
度が低下してしまう。一方、逆に非拡散領域8の長さが
短すぎると、バイアス印加時に空乏化領域が入射端部に
まで達してしまうため、リーク電流が生じ易くなり暗電
流が増加し信頼性が低下する。
【0017】このように、非拡散領域8の入射端部から
の長さは、ある最適範囲内に存在する必要がある。非拡
散領域8の長さは、ウェハを劈開して素子を形成する際
の劈開位置とp+領域7との間の距離によって決まるた
め、非拡散領域8の長さを正確に定めるためには劈開位
置を正確に制御する必要がある。そこで本参考例では
図3に示すように、予めウェハにガイド用の溝14を形
成して、この溝14に沿って劈開し、劈開面を素子の入
射端部としている。溝14は、結晶の(1 00)面上
にブロムメタノールなどのエッチング液を用いてエッチ
ング形成されており、結晶の[0 1 −1]方向に形成
されているので、エッチング速度の異方性の影響で溝の
断面形状が略V字状となっている。したがって劈開時に
力が集中しやすく、劈開作業を容易にする有効なガイド
として機能し、最適の長さを持つ非拡散領域8を精度よ
く簡単に形成できる。
【0018】本参考例は、図14に示す従来例と異な
り、入射端部に非拡散領域8が形成されているので、光
吸収層のうち空乏化するのはp+領域7の下部のみであ
り、n-−InGaAs光吸収層4の入射端部には電界
が印加されない。従って、従来例のように入射端部にリ
ーク電流が発生することがないため、暗電流が低減さ
れ、素子の信頼性が向上するという効果がある。また、
本参考例では、図13に示した従来例には存在しないI
nPクラッド層6を設けているため、光に対する損失が
小さく、高感度が得られるという効果がある。
【0019】このような素子の製造に際し、選択熱拡散
によりp+領域7を形成するときは、拡散の深さが光吸
収層4の直上に達するように拡散時の温度、時間を制御
する必要がある。このとき、図14に示す従来例のよう
に上部中間屈折率層が形成される構成であると、光吸収
層4の上部の層が厚くなり、その分だけ選択熱拡散の深
さを深くしなければならず、拡散時の温度や時間の制御
が難しくなる。ところが本参考例では、中間屈折率層を
光吸収層の下側すなわち基板に近い側にのみ形成して、
上側には形成していないので、拡散の深さが浅くてす
み、拡散時の温度や時間の制御が容易になる。
【0020】次に、第2の参考例について説明する。図
4は第2の参考例を示す斜視図、図5は断面図であり、
図6は第2の参考例の製造工程を説明する図で、劈開に
より入射端面を形成する前の状態を示す平面図である。
【0021】図6(a)に示すように、本参考例では
(1 0 0)面を有するp+−InP基板16上にp+
InPバッファ層17(不純物濃度:1×1018
-3、層厚:0.2μm)、p+−InGaAsP中間
屈折率層18(不純物濃度:1×1018cm-3、波長組
成:1.3μm、層厚:4μm)、n-−InGaAs
光吸収層4、n−InGaAsPバンド不連続緩和層
5、n−InPクラッド層6が順次積層されている。そ
してZnの選択熱拡散によりp+−InGaAsP中間
屈折率層18に達する深さまでp+領域7が形成されて
いる。図4に示すように、p+領域7の形成領域は第1
の参考例の場合とちょうど反対で、第1の参考例で拡散
を施した領域(導波路の中央に位置する主電極の下方に
あたる領域)には拡散を施さず、拡散を施さなかった領
域(ハッチング部:主電極の下方にあたる領域を除く全
域)に拡散を施している。それから、図6(b)に示す
ように、第1の参考例と同様な材質で、非拡散領域上に
主電極としてn電極12、13を形成し、それ以外の部
分にp電極10、11を形成する。さらに、第1の参考
例と同様に予め形成してあるガイド用の溝14に沿っ
て、図6(b)のA−A線の位置でウェハが劈開され、
入射端部に反射防止膜15が形成されて、図4、5に示
す素子が完成する。なお、劈開面が素子の入射端部とな
っている。
【0022】本参考例では、入射端部分に不純物拡散が
施されてp型の導電型となっている。この部分は不純物
濃度が高くなっており光吸収層が空乏化しにくい状態に
なっているので、この部分で生成した電子は濃度勾配に
伴う拡散によりn電極12、13の下方の空乏化した光
吸収層4へ流れ込む。この空乏化した部分には電界が加
わっているので、電子は電界に引っ張られてn電極から
外部に取り出される。これが光電流となる。一方、入射
端部で生成した正孔は、p型拡散領域7を通じてp電極
10、11に伝わる。
【0023】本参考例でも、第1の参考例と同様に、入
射端部には電界が印加されないので、この部分にリーク
電流が生じず、暗電流が低く抑えられ、信頼性が高い。
第1の参考例では、入射端部がn型、主電極がp型で、
入射端部から空乏化した光吸収層4へ流れ込むキャリア
種が正孔であったのに対し、第2の参考例では 入射端
部の導電型がp型、主電極がn型で、入射端部から光吸
収層4へ流れ込むキャリア種は電子である。
【0024】一般に、正孔の拡散による移動速度は電子
に比べて遅いため、入射端部から空乏化した光吸収層へ
正孔が流れ込む場合は、1GHz程度以上の高速信号が
入射すると応答劣化が起こったり、前述のように非拡散
領域8の長さが長すぎた場合の再結合による感度劣化が
起こりやすかった。これに対し、本参考例では移動速度
の速い電子を利用するので、高速信号入射時にも応答劣
化しにくく、再結合による応答劣化も起こりにくいとい
う利点がある。
【0025】次に、第3の参考例について説明する。図
7は、第3の参考例の斜視図、図8はA−A線断面図で
ある。本参考例では、半導体レーザー等の他部品と組み
合せたハイブリッド型の受光モジユールを組み立てる際
に、赤外線カメラにより素子の位置合わせを行うために
用いるアラインメントパターン19が設けられている。
具体的には、第1の参考例と同様に各層1〜6を積層構
成した後、部分的にエッチングして、光吸収層4、バン
ド不連続緩和層5、クラッド層6を除去した除去領域2
5が形成され、その除去領域25上に通常のフォトリソ
グラフィ工程、例えばリフトオフ工程によりTiPtA
u膜からなるアラインメントパターン19が形成されて
いる。
【0026】通常は赤外線によりアラインメントパター
ン19を透視して位置合わせするが、n-−InGaA
s光吸収層4は1.6μm程度以下の短い波長の光に対
しては吸収係数が大きく不透明であるのに対し、赤外線
カメラは通常1.6μm程度以上の長い波長を有する赤
外線には感度をもたないため、光吸収層4を透過した赤
外線を赤外線カメラで検出することはできない。そこで
本参考例では、アラインメントパターン19を形成する
除去領域25については、n-−InGaAs光吸収層
4をエッチングして除去している。このとき、光吸収層
4上のバンド不連続緩和層5、n−InPクラッド層6
も同時にエッチングにより除去している。こうして、
参考例によると、受光モジュールを組み立てる際に、ア
ラインメントパターン19を用いて素子の位置合わせを
行うことができる。
【0027】図14に示す従来例のように上部中間屈折
率層が形成される構成であると、その分だけエッチング
深さが深くなるとともに、素子の上端からアラインメン
トパターンまでの距離が長くなり、モジュール組立工程
において素子の位置合わせを行う際、素子を実装するサ
ブマウント側のアラインメントパターンと、素子側のア
ラインメントパターン19との距離が長く、赤外線カメ
ラの焦点が合わせにくくなる。これに対し第3の参考例
では、中間屈折率層3を光吸収層4の下側すなわち基板
に近い側にのみ形成して、光吸収層の上側には形成して
おらず、エッチングを浅くでき、かつ赤外線カメラの焦
点が合わせやすいという効果がある。
【0028】また、n−InPクラッド層6を形成して
いるので、光に対する損失が小さく感度劣化を防止でき
るという効果がある。
【0029】次に、本発明の一実施形態について説明す
る。図9(a)は本実施形態の断面図、図9(b)は
実施形態の製造工程の説明図である。
【0030】図9(a)に示すように、本実施形態は、
光吸収層4、中間屈折率層3、バンド不連続緩和層5の
みが選択的にエッチングにより除去され、n−InPク
ラッド層6はエッチングされずにひさし状に残されてお
り、そのひさし状部26上にアラインメントパターン1
9が形成されている。
【0031】本実施形態の製造方法について説明する
と、まず図9(b)に示すように、各層1〜6を積層形
成した後、ブロムメタノールなどの無選択エッチングに
より、アラインメントパターンを形成すべき部分のすぐ
横に、上面から少なくともn+−InPバッファ層2に
達する深さの溝21を形成する。次に、通常のフォトリ
ソグラフィ工程により、ひさし状部26を形成する部分
以外をレジスト膜22で覆う。その後、リン酸と過酸化
水素水と水などからなるエッチング液を用いた選択エッ
チングにより図9(a)に示すようなひさし状部26を
形成する。その後、アラインメントパターン19を形成
する。
【0032】本実施形態によると、第3の参考例の効果
に加えて、素子実装時のサブマウント側のアラインメン
トパターンと素子側のアラインメントパターン19との
距離が第3の参考例よりも短くなり、赤外線カメラの焦
点が合わせやすく、アラインメント精度が向上するとい
う効果がある。
【0033】次に、第4の参考例について説明する。図
10は、第4の参考例の斜視図、図11はA−A線断面
図である。
【0034】第4の参考例は、第1の参考例と同様な積
層構造において、p+領域7の部分が、それ以外の部分
に比べて上方に突出するように盛り上がったいわゆるリ
ッジ構造部23となっている。このリッジ構造部23
は、結晶成長後にブロムメタノールなどのエッチング液
を用いクラッド層6をエッチング加工することにより形
成される。それ以外の製造工程は第1の参考例と実質的
に同様である。
【0035】リッジ構造部23がなく、水平方向の幅が
充分に広いいわゆるスラブ構造の導波路である場合、こ
のスラブ構造の導波路には水平方向に光を閉じ込めるメ
カニズムが存在せず、入射した光は進行するに従って徐
々に水平方向に広がっていく。そして、p+領域7より
も外側、すなわち電界が印加されていない領域に広がっ
た光は、光電流として素子外部に取り出すことができ
ず、感度劣化の原因となるおそれがある。また、光電流
として素子外部に取り出すことができたとしても、高周
波信号に対する応答が遅いので、応答劣化の原因になる
などの問題が生じる。特に、素子容量低減などのために
+領域7の幅を狭くした場合などに、かかる問題が顕
著である。
【0036】これに対し第4の参考例では、+領域7
部にリッジ構造部23が形成されており、水平方向に関
してはこのリッジ構造部23内に光を閉じ込められる。
したがって入射光が水平方向に広がるのが抑制され、前
述の感度劣化、応答劣化の問題が生じにくいという効果
がある。
【0037】次に、第5の参考例について説明する。図
12は、第5の参考例の構成を示す断面図である。
【0038】本参考例は、リッジ構造部23にInGa
AsP導波層(波長組成:1.3μm)24が設けられ
ている。本参考例の製造手順は、まず、n−InPクラ
ッド層6aを形成し結晶成長させた後、続けて導波層2
4を形成し、さらにその上部にn−InPクラッド層6
bを再度形成する。その後、リッジ構造部23以外の領
域の導波層24およびその上部のクラッド層6bを、ブ
ロムメタノールなどのエッチング液を用いてエッチング
して除去することにより、リッジ構造部23を形成す
る。それ以外の製造工程は第1の参考例と実質的に同様
である。これによると、InGaAsP導波層24によ
りリッジ構造部23の等価屈折率が高まり、入射光が水
平方向に広がるのを抑制する効果がさらに高まり、より
高感度、高速応答の素子が得られるという効果がある。
【0039】以上、本発明の一実施形態および第3〜5
の参考例としては、第1の参考例と同様に導波路の中央
部にp電極10、11を主電極として形成し入射端部に
非拡散領域8を有する構成に、アラインメントパターン
19またはリッジ構造部23を付加した例を説明した
が、第2の参考例と同様にn電極12、13を主電極と
し入射端部にp型拡散領域7を形成した構成について、
本発明の一実施形態および第3〜5の参考例を採用する
ことも可能である。また、本発明の実施形態に第4,5
の参考例を組み合せて、アラインメントパターン19と
リッジ構造部23とを有する構成とすることも可能であ
る。
【0040】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によると、
導波路型半導体受光素子の入射端部に電界が印加されな
いので、暗電流が低減され、素子の信頼性が向上する。
特に、主電極がn型で入射端面部がp型である場合、高
速信号入射時にも応答劣化しにくく、再結合による応答
劣化も起こりにくい。また、本発明によると、赤外線カ
メラで位置合わせして素子実装を行うことができ、しか
も、アライメントパターンが素子の上面に位置するの
で、位置合わせ時にカメラの焦点を合わせやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の参考例の斜視図である。
【図2】第1の参考例の断面図である。
【図3】第1の参考例の製造工程を説明する平面図であ
る。
【図4】第2の参考例の斜視図である。
【図5】第2の参考例の断面図である。
【図6】第2の参考例の製造工程を説明する断面図であ
る。
【図7】第3の参考例の斜視図である。
【図8】第3の参考例の断面図である。
【図9】本発明の一実施形態の製造工程を説明する断面
図である。
【図10】第4の参考例の斜視図である。
【図11】第4の参考例の断面図である。
【図12】第5の参考例の断面図である。
【図13】従来の技術の一例を示す断面図である。
【図14】従来の技術の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1、16 基板 2、17 バッファ層 3、18 中間屈折率層 4 光吸収層 5 バンド不連続緩和層 6、6a、6b クラッド層 7 p+領域 8 非拡散領域 9 パッシベーション膜 10、11 p電極 12、13 n電極 14 ガイド用の溝 15 反射防止膜 19 アラインメントパターン 21 溝 22 レジスト膜 23 リッジ構造部 24 導波層 25 光吸収層除去領域 26 ひさし状部 101、109 基板 102、106 クラッド層 103、105、110、112 中間屈折率層 104、111 光吸収層 107 ポリイミド 108、114 p電極 113 p+領域 115 n電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−38269(JP,A) 特開 平7−43565(JP,A) 特開 平2−394(JP,A) 特開 昭56−71989(JP,A) 特開 昭63−283080(JP,A) 1995年電子情報通信学会エレクトロニ クスソサイエティ大会 C−283 p. 283 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 31/00 - 31/119 H01S 3/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導波路型半導体受光素子において、光吸
    収層が一部除去されており、この光吸収層除去領域上
    に、前記光吸収層よりもバンドギャップ波長が短い半導
    体からなるクラッド層が、空隙を介してひさし状に覆い
    被さった構造を有し、この、ひさし状に覆い被さったク
    ラッド層上に素子実装用位置合わせパターンが形成され
    ていることを特徴とする導波路型半導体受光素子。
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