JP2965139B2 - 導波路型半導体受光素子 - Google Patents
導波路型半導体受光素子Info
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Description
信モジュールあるいは送受信モジュールに用いられる導
波路型半導体受光素子に関するものである。
は送受信モジュールに用いられる半導体受光素子とし
て、導波路型半導体受光素子の研究開発が進められてい
る。従来の面入射型受光素子では光吸収層に対して垂直
な方向から信号光が入射されるのに対し、導波路型半導
体受光素子では水平な方向から入射される。従って、光
吸収層を薄く設計した場合でも導波路長を十分長くとれ
ば高い光電変換効率が得られる。すなわち、従来の面入
射型では素子応答特性の高速化(キャリア走行時間短
縮)と光電変換効率がトレードオフの関係であったのに
対し、導波路型半導体受光素子では両者の両立が可能と
なる。
立という特徴に着目して作製された導波路型半導体受光
素子としては、例えば「1994年6月、第5回オプト
エレクトロニクス・コンファレンス、テクニカル・ダイ
ジェスト、66〜67頁(Fifth optoele
ctronics Conference(OEC’9
4)Technical Digest,July 1
994)」にその一例が報告されている。この素子は、
図10に示すように、半絶縁性InP基板26上にn+
−InPクラッド層27、n+ −InGaAsP中間屈
折率層(コア層とクラッド層の中間の屈折率を有する
層)28、n- −InGaAs光吸収層29a、p+ −
InGaAsP中間屈折率層30、p+ −InPクラッ
ド層31からなる導波路メサを形成し、これをポリイミ
ド膜32で埋め込んだ構造となっている。p+ −クラッ
ド層31に接してp側電極33が形成されており、また
n側電極はn+ −クラッド層27に接して紙面の垂直方
向に引き出されている。この従来例では、結晶成長時の
不純物ドーピングによりpn接合を形成しており、pn
接合の形態としてはいわゆるグロウンジャンクション
(grown junction)型に属する。
ール化の際の組立性に優れるという特徴も併せ持つ。た
とえば石英系導波路部品と単体の半導体レーザー、受光
素子等を組み合わせていわゆるハイブリッド型光送受信
モジュールを構成する場合、受光素子として面入射型素
子を用いると、光の入射方向が素子の表面に対して垂直
であるため、電気の配線、あるいは入射信号光の光路の
いずれかを90度折り曲げることが必要となり、組立性
という観点からは問題があった。これに対し、導波路型
半導体受光素子を用いれば入射信号光を素子の端面か
ら、すなわち素子表面に対し平行な方向から入射できる
ためこの折り曲げが不要となる。通常、半導体レーザー
も素子の端面から光を出射する形態であることから、半
導体レーザーと導波路型半導体受光素子とで組立工程を
共通化できるという利点もあり、モジュールの組立性の
向上、コストの低減が期待できる。
う特徴に着目して作製された導波路型半導体受光素子と
しては、例えば「1995年3月、電子情報通信学会総
合大会論文集、講演番号C−387」にその一例が報告
されている。この素子は図11に示すように、InGa
AsP光吸収層29b上にn- −InPクラッド層34
を設け、その内部の導波路メサの中央部に不純物の選択
熱拡散によりp+ 領域35を形成した、いわゆるメサプ
レーナ型の素子となっている。また、導波構造として
は、1.4μm組成のInGaAsP光吸収層(コア
層)29bとその片側に配置されたn+ −InGaAs
P中間屈折率層28(文献中では「第2コア層」と記さ
れている)からなる構造を有する。光吸収層29bの層
厚は3μm、中間屈折率層28の層厚は1.5μmであ
る。p+ 領域35上にはp側電極33が形成され、この
p側電極の形成されていないメサ表面はSiN膜36に
より被覆されている。また、半絶縁性InP基板26上
のn+ −InPクラッド層27上にはn側電極37が形
成されている。この素子は波長1.3μm帯の信号光の
受信に用いる。
8を挿入したことにより、入射光スポットの位置ずれに
対して高い結合トレランスを得ることができるとともに
素子の動作電圧は低く保つことができる。すなわち導波
路型半導体受光素子においては、光吸収層厚を厚く設計
すればそれだけ高い結合トレランスが得られるものの、
この時光吸収層を空乏化させるための電圧、つまり素子
の動作電圧が上昇するという問題が生じる。そこで、中
間屈折率層の挿入により、光吸収層厚は薄く保ったまま
等価的なコア層厚を増大させることでこのトレードオフ
の問題を回避している。なお、このとき中間屈折率層は
高不純物濃度層としているので、その挿入により動作電
圧が上昇することはない。
受光素子の第一の問題点は、図10、図11の例のよう
な高い結合トレランスを得ることを主眼において設計さ
れた素子の場合、たとえ中間屈折率層を挿入しても動作
電圧を十分低減する事が困難なことである。その理由
は、例えば光吸収層を図11の例よりもさらに薄膜化
し、その分中間屈折率層を厚膜化して結合トレランスは
高く保とうとすると、素子内部での光電変換効率(すな
わち内部量子効率)の低下という新たな問題が生じてく
るからである。これは光吸収層への光閉じ込めが低下す
ることによる現象である。
題点は、低暗電流特性を有し、信頼性の高い素子を歩留
まりよく作製することが困難な点である。その理由は、
従来の受光素子では、導波路メサの側面や端面が直接絶
縁膜に接しており、そしてここが空乏化されていること
による。この問題については、メサの側面や端面に高不
純物濃度領域を形成して無電界化することにより改善を
図ることができるが、この手段を講じた場合には、無電
界化された光吸収層に信号光が入射するとここでキャリ
アが生成され、応答性が劣化するという新たな問題が生
じる。第3の問題点は、図11のメサプレーナ型受光素
子のように、pn接合を不純物の熱拡散により形成した
場合には、拡散深さの制御が難しくこのため歩留まり高
く製造することが困難になるという点である。
に、動作電圧を低く維持しつつ、内部量子効率を低下さ
せることなく、入射スポットの位置ずれに対する結合ト
レランスが高い導波路型半導体受光素子を提供できるよ
うにすることにある。第2に、暗電流を低減し信頼性を
高めた導波路型半導体受光素子において、応答特性の劣
化を招くことのないようにすることである。
めに、本発明によれば、半導体基板または第1のクラッ
ド層上に光吸収層と第2のクラッド層とが形成され、少
なくとも前記光吸収層と前記第2のクラッド層とがメサ
状に加工されている導波路型受光素子において、前記半
導体基板または第1のクラッド層と光吸収層との間また
は前記光吸収層と前記第2のクラッド層との間の少なく
とも一方には、屈折率が光吸収層の屈折率よりも小さく
半導体基板または第1、第2のクラッド層の屈折率より
大きい中間屈折率層が配置され、導波路メサの側壁部お
よび後端面部が不純物拡散により無電界化され、かつ、
導波路に沿って導波路上部中央部にリッジが形成されて
いることを特徴とする導波路型半導体受光素子、が提供
される。
第1のクラッド層上に光吸収層と第2のクラッド層とが
形成され、光吸収層と第2のクラッド層とがメサ状に加
工されている導波路型受光素子において、導波路メサの
側壁部および後端面部が不純物拡散により無電界化さ
れ、かつ、導波路に沿って導波路上部中央部にリッジが
形成されていることを特徴とする導波路型半導体受光素
子、が提供される。
導体受光素子の実施の形態を説明するための断面図であ
る。同図に示されるように、InP等により構成される
半導体基板101上には、第1クラッド層102、中間
屈折率層103、光吸収層104、伝導帯(または価電
子帯)不連続緩和層105、第2クラッド層106が順
に積層される。ここで、中間屈折率層103の屈折率
は、光吸収層104のそれより小さく、かつ、クラッド
層102、106の屈折率よりも大きく設定されてい
る。光吸収層104、伝導帯不連続緩和層105および
第2クラッド層106は、導波路メサとしてメサ状に加
工されている。
が後端面には不純物拡散により高不純物濃度領域107
が形成されている。そして第2クラッド層106は上部
の中央部にリッジ部106aを有する。第2のクラッド
層106の上には第1電極108が、また基板裏面には
第2電極109が形成されており、エピタキシャル層表
面の第1電極により覆われていない部分はパッシベーシ
ョン膜110により被覆されている。そして、素子内を
導波する光の一つの導波モードの等価屈折率が前記中間
屈折率層の屈折率と等しくなされる。
できる。その場合には、第1クラッド層上または中間屈
折率層103上に電極を形成することができる。半導体
基板としてInPを用いる場合には、基板にクラッド層
の機能を持たせて第1クラッド層を省略することができ
る。中間屈折率層103をもメサ状に加工して導波路全
体をメサ部としてもよい。また、中間屈折率層は光吸収
層104の上面側に配置することができ(その場合には
不連続緩和層は光吸収層の下面側に移される)、あるい
は光吸収層103の上下面に配置することができる。図
は、光入射面に平行な面を示しており、信号光は、中間
屈折率層103と光吸収層104とにかかるように入射
される。しかし、中間屈折率層103を光導入導波路と
して光吸収層から紙面の手前側に引き延ばし、光吸収層
への光の入射は下面からエバネッセント(evanes
cent)波結合により行うようにすることができる。
その場合には、導波路メサの前方側端面にも高不純物濃
度領域を形成することができる。
る光の一つの導波モードの等価屈折率が前記中間屈折率
層の屈折率と等しくなされている。これにより光吸収層
の層厚を薄くしても、導波光の光吸収層への充分な閉じ
込めを確保することができ、内部量子効率の低下を防い
で高い結合トレランスを維持することができる。また、
本発明の受光素子においては、導波路メサにリッジ構造
が作り込まれる。これにより、導波路内での導波光の水
平方向の広がりを抑制することができ、導波路側壁部に
形成された無電界領域に光が入射しここでキャリアが生
成されることを防いでいる。このため、この無電界領域
からの拡散電流成分による素子の応答劣化を防ぐことが
できる。入射光を光吸収層の端面からではなく下面から
エバネッセント波結合により入射させるようにし、導波
路前面部をも無電界化することにより、暗電流をさらに
低減し信頼性も向上させることができる。
て詳細に説明する。 [第1の参考例] 図2は、本発明の第1の参考例を示す断面図である。n
+ −InP基板1上にn+ −InGaAsP中間屈折率
層2(1×1018cm-3、波長組成1.3μm、層厚
4.15μm)、n- −InGaAs光吸収層3(2×
1015cm-3、波長組成1.67μm、層厚1.45μ
m)、p+ −InGaAsP価電子帯不連続緩和層4
(1×1018cm-3、波長組成1.3μm、層厚0.1
μm)、p+−InPクラッド層5a(1×1018cm
-3、層厚1μm)が順次積層され、通常のエッチング工
程により幅10μmの導波路メサが形成されている。さ
らにプラズマCVD法によるSiNパッシベーション膜
6、p側電極としてのAuZn膜7、TiPtAu膜
8、n側電極としてのAuGeNi/AuNi膜9が形
成されている。この参考例は、光吸収層3と中間屈折率
層2の層厚および組成の設計法に特徴がある。
詳しく説明する。図2に示した本参考例が図11の従来
例と異なる点は、光吸収層厚がより薄く、中間屈折率層
厚がより厚く設計されており、しかもこのときそれぞれ
の層厚、組成は、高い内部量子効率が得られるように最
適設計されている点である。高い内部量子効率を得るた
めには、素子内を導波する各導波モードの光吸収層への
閉じ込め係数を高く保てばよい。図3は、図2の素子の
導波路構造において、光吸収層厚を変化させたときの各
導波モードの光吸収層への閉じ込め係数の計算結果であ
る。この時、光吸収層厚と中間屈折率層厚の合計は5.
6μmで一定とし、また、それぞれの導波モードについ
て、閉じ込め係数が最低となる領域およびその前後の領
域のみについて示し、閉じ込め係数が十分高くなる他の
領域での表示は省略されている。図3の結果に示されて
いるように、図中に破線(イ)、(ロ)、(ハ)で示し
た層厚において、それぞれ2次、3次、4次モードの閉
じ込め係数が急激に上昇し、同時にそれぞれ3次、4
次、5次モードの閉じ込め係数が急激に減少する。
(ロ)、(ハ)の層厚からずれている場合、それが厚い
方向であれ薄い方向であれ、いずれかの導波モードの閉
じ込め係数が低下するため内部量子効率の低下がおこ
る。逆に言えば光吸収層厚を(イ)、(ロ)、(ハ)の
層厚に設計すれば内部量子効率の低下を招かず、高感度
な素子を実現できる。(イ)、(ロ)、(ハ)の設計点
は、2次、3次、4次モードの等価屈折率が中間屈折率
層の屈折率と等しくなる点であり、第1の参考例は
(イ)の設計点に相当する。本発明は、図3に示した計
算範囲に限らず、一般に光吸収層と中間屈折率層からな
る導波構造を有する導波路型半導体受光素子において、
複数の導波モードが存在するときに、いずれかの導波モ
ードの等価屈折率が中間屈折率層の屈折率と等しくなる
ように層構造を設計した場合に有効である。
とも、その設計点の近傍であれば効果がある。例えば図
3の(イ)の設計点の場合、光吸収層厚は1.45±
0.15μmの範囲内で2.5%以上の閉じ込め係数が
得られる。これは素子長150μmに対して概ね90%
以上の内部量子効率を与える。図2の参考例および図3
の計算例では中間屈折率層が光吸収層の片側に挿入され
た場合を示したが、両側に挿入されている場合でも同様
の原理による設計が可能である。また、光吸収層の材料
としてもInGaAsに限らず、InGaAsP等を用
いた場合も同様である。また、中間屈折率層の材料とし
てもInGaAsPに限らずInAlGaAs等を用い
た場合も同様である。
て、図面を参照してさらに説明する。図4(a)は第1
の参考例の素子に、スポットサイズ0.75μmのガウ
シアンビームが入射したときの結合トレランスの計算結
果である。導波路長が50μmの時でも、導波路長が無
限に長いとしたときの計算結果と比べてほとんど劣化が
ないことが分かる。これに対し同図(b)は、光吸収層
厚が本発明の設計点からずれた場合の例で、図3の破線
(ニ)の位置に相当する。導波路長50μmでは、内部
量子効率の低下により、結合効率と内部量子効率の積で
あるところの外部量子効率が大きく劣化している。素子
長200μmとすれば幾分回復するものの、まだ劣化が
目立ち、また、素子長を長くしたことにより、素子容
量、暗電流の増大、歩留まりの低下などの他の特性劣化
原因を招くことになる。このように本参考例の設計点か
らずれた場合、たとえそれが光吸収層厚が厚くなる方向
にずれた場合でも特性の劣化が起こる。これに対し本参
考例によれば、光吸収層を薄くして動作電圧を低減した
場合でも、内量子効率を低下させることなく、かつ高い
結合トレランスを持った導波路型半導体受光素子が実現
できる。
る。第1の参考例と異なる点は、基板として半絶縁性I
nP基板10を用いている点、中間屈折率層としてn+
−InAlGaAs中間屈折率層11を用いている点、
p+ −InPクラッド層5aの代わりに不純物濃度を下
げたp−InPクラッド層5b(3×1017cm-3)を
用いている点、p−InPクラッド層の上層にp+ −I
nGaAsコンタクト層12を形成している点、導波路
メサをエッチングで形成する際にn+ −InAlGaA
s中間屈折率層11をエッチングせずに残している点、
およびこのn+ −InAlGaAs中間屈折率層11を
n側のコンタクト層として用い、素子表面側にn側電極
としてのAuGeNi膜13、TiPtAu膜14を形
成している点である。
いて説明する。まず、中間屈折率層の材料としてInA
lGaAsを用いているため結晶成長時にV族元素の組
成ずれが起こらず、InGaAsPと比較して良好な結
晶性が得られる。この効果は中間屈折率層の層厚が厚い
場合に特に顕著である。また、不純物濃度の低いp−I
nPクラッド層5bを用いているため、価電子帯間吸収
による損失が低減される。この効果は導波路長が長くな
った場合に特に顕著である。なお、このときp−InP
クラッド層5bの上層にp+ −InGaAsコンタクト
層12が形成されているのでp側のコンタクト抵抗が上
昇することはない。
際にn+ −InAlGaAs中間屈折率層11をエッチ
ングせずに残しているため、入射光スポット位置が導波
路位置から水平方向に少しずれた場合でも、入射光はn
+ −InAlGaAs中間屈折率層11を介してn- −
InGaAs光吸収層3へ一部入射する。従って、水平
方向の結合トレランスが上昇する。また、素子全体の構
造は、n側電極、p側電極がともに素子表面側に形成さ
れたフリップチップ実装型であり、また半絶縁性InP
基板10を用いることで素子容量の低減を図っている。
り、図7(a)、(b)は、それぞれ図6のA−A線、
B−B線での断面図である。この実施例では、基板とし
てp+ −InP基板15を用い、その上にp- InPバ
ッファ層16(3×1017cm-3、層厚1μm)、p−
InAlGaAs中間屈折率層17(3×1017c
m-3、層厚4.05μm)、p+ −InAlGaAs空
乏化ストップ層18(1×1018cm-3、層厚0.1μ
m)、n- −InGaAs光吸収層3、n−InGaA
sP伝導帯不連続緩和層19(5×1016cm-3、層厚
0.1μm)、n−InPクラッド層20(1×1017
cm-3、層厚2μm)が順次積層された層構造を持つ。
導波路メサの側壁部および後端面部に不純物の熱拡散に
よりp+ 領域21が形成されている。また、導波路メサ
の幅は10μmであり、その中央部に幅5μm、高さ1
μmのリッジ構造22が形成されている。n−InPク
ラッド層20上にはn側電極としてのAuGeNi膜1
3、TiPtAu膜14が、また基板裏面にはp側電極
としてのAuZn/TiPtAu膜23が形成されてお
り、さらに入射端面にARコートとしてのSiN膜24
が形成されている。
説明する。第1の実施例では導波路メサの側壁部および
後端部にp+ 領域21が形成されており、n- −InG
aAs光吸収層3の側壁部、後端部を無電界化すること
で暗電流の低減、信頼性の向上を図っている。このとき
無電界化された光吸収層に信号光が入射すると、そこで
発生したキャリアがp+ 領域21内を拡散した後空乏層
内に流れ込むことにより、応答性劣化を招くことにな
る。そこで本実施例ではn−InPクラッド層20をエ
ッチング加工することによりリッジ構造22を形成し、
導波光を導波路中央付近に閉じ込めることによりこの応
答劣化を防いでいる。またp−InAlGaAs中間屈
折率層17の濃度を3×1017cm-3まで下げ、さらに
p−InPバッファ層16を挿入することで価電子帯間
吸収による損失の低減を図っている。このとき、p−I
nAlGaAs中間屈折率層17とn- −InGaAs
光吸収層3との間にp+ −InAlGaAs空乏化スト
ップ層18が挿入されているので、素子動作時に空乏層
がp−InAlGaAs中間屈折率層17中にまで延び
て、空乏層中に伝導帯不連続領域が形成されることによ
る応答劣化を防ぐことができる。
り、図9(a)、(b)は、それぞれ図8のA−A線、
B−B線での断面図である。第2の実施例の第1の実施
例と異なる点は、p+ 領域21が導波路メサの前端面に
も形成されている点および導波路メサの前方部に、p−
InAlGaAs中間屈折率層17をリッジ状に加工し
て形成した導入導波路25が配置されている点である。
説明する。第1の実施例では図7(b)に示したよう
に、p+ 領域21は導波路メサの前面部には形成されて
いない。それは、メサ前面部に形成した場合には、入射
端面にp+ −InGaAs層が形成されることとなり、
感度劣化、応答劣化を招くからである。そのため、第1
の実施例ではn- −InGaAs光吸収層3の入射端面
部は無電界化されておらず、暗電流、素子の信頼性とい
う観点からは問題があった。これに対しこの第2の実施
例では、入射光は導入導波路25に入射されエバネッセ
ント波結合によりn- −InGaAs光吸収層3へ導か
れるので、入射端面の無電界化が可能であり感度劣化、
応答劣化を低減しつつ暗電流をより低減することができ
る。
路型半導体受光素子は、光吸収層、中間屈折率層の層
厚、組成が導波光の光吸収層への充分な閉じ込めを保つ
ように設定されているので、光吸収層の層厚を薄くして
も、内部量子効率を低下させることなく、入射スポット
の位置ずれに対する結合トレランスを高く維持すること
ができる。したがって、本発明によれば、高速で動作電
圧が低くかつ外部量子効率の高い受光素子を提供するこ
とが可能になる。
GaAsを用いた実施例によれば、結晶成長時にV族元
素の組成制御を行わなくても良好な品質の結晶層を得る
ことが可能になり、中間屈折率層を厚く形成する場合に
も結晶品質を落とさないようにすることができる。ま
た、p型の導電型を持つクラッド層、中間屈折率層の不
純物濃度を下げた実施例によれば、価電子帯間吸収を低
減することができ導波路長が長い場合でも内部損失を増
加させないようにすることができる。また、導波路メサ
をエッチングにより形成する際に中間屈折率層をエッチ
ングせずに残しておく実施例によれば、入射スポットが
導波路メサから横方向に多少ずれても感度を落とさない
ようにすることができ水平方向の結合トレランスを拡大
することができる。
界領域を形成するとともに導波路上部のクラッド層をリ
ッジ状に加工した実施例によれば、暗電流を低減し信頼
性を向上させることができるとともに、導波光を導波路
中央部に閉じ込めることにより、導波路側壁部の無電界
領域に光が入射することを防ぎ、感度低下や応答速度の
低下を防止することができる。さらに、中間屈折率層を
光導入導波路として引き出し、無電界領域を導波路メサ
の側壁部および後端面部に加え前方端面部にも形成する
実施例によれば、メサ前方端面部での暗電流の発生をも
抑制することが可能になり、さらにここでのノイズの低
減と信頼性の一層の向上を図ることができる。
めの特性図。
グラフ。
Claims (8)
- 【請求項1】 半導体基板またはその上に形成された第
1のクラッド層上に光吸収層と第2のクラッド層とが形
成され、少なくとも前記光吸収層と前記第2のクラッド
層とがメサ状に加工されている導波路型受光素子におい
て、前記半導体基板若しくは第1のクラッド層と前記光
吸収層との間または前記光吸収層と前記第2のクラッド
層との間の少なくとも一方には、屈折率が光吸収層の屈
折率よりも小さく半導体基板または第1、第2のクラッ
ド層の屈折率より大きい中間屈折率層が配置され、導波
路メサの側壁部および後端面部が不純物拡散により無電
界化され、かつ、導波路に沿って導波路上部中央部にリ
ッジが形成されていることを特徴とする導波路型半導体
受光素子。 - 【請求項2】 前記半導体基板側に形成された前記中間
屈折率層がメサ状に加工されていることを特徴とする請
求項1に記載の導波路型半導体受光素子。 - 【請求項3】 前記中間屈折率層がInAlGaAsに
より形成されていることを特徴とする請求項1に記載の
導波路型半導体受光素子。 - 【請求項4】 前記半導体基板上に形成された前記中間
屈折率層が導波路前方に導入導波路として引き出されて
おり、かつ、前記導波路メサの前端面部が不純物拡散に
より無電界化されていることを特徴とする請求項1記載
の導波路型半導体受光素子。 - 【請求項5】 半導体基板またはその上に形成された第
1のクラッド層上に光吸収層と第2のクラッド層とが形
成され、少なくとも光吸収層と第2のクラッド層とがメ
サ状に加工されている導波路型受光素子において、導波
路メサの側壁部および後端面部が不純物拡散により無電
界化され、かつ、導波路に沿って導波路上部中央部にリ
ッジが形成されていることを特徴とする導波路型半導体
受光素子。 - 【請求項6】 前記半導体基板若しくは第1のクラッド
層と前記光吸収層との間または前記光吸収層と前記第2
のクラッド層との間の少なくとも一方には、屈折率が光
吸収層の屈折率よりも小さく半導体基板または第1、第
2のクラッド層の屈折率より大きい中間屈折率層が配置
されていることを特徴とする請求項5記載の導波路型半
導体受光素子。 - 【請求項7】 導波路を形成する結晶層の内p型の導電
型を持つ半導体層およびこれと隣接するp型半導体層の
不純物濃度が1×1018cm-3より低いことを特徴とす
る請求項1または6記載の導波路型半導体受光素子。 - 【請求項8】 光吸収層と、中間屈折率層の形成されて
いない側のクラッド層または半導体基板との間に伝導帯
不連続緩和層が挿入されていることを特徴とする請求項
1または6記載の導波路型半導体受光素子。
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JP8159461A JP2965139B2 (ja) | 1996-06-20 | 1996-06-20 | 導波路型半導体受光素子 |
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JP8159461A JP2965139B2 (ja) | 1996-06-20 | 1996-06-20 | 導波路型半導体受光素子 |
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JP4165244B2 (ja) | 2003-02-06 | 2008-10-15 | セイコーエプソン株式会社 | 受光素子の製造方法 |
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JP6296602B2 (ja) * | 2014-02-28 | 2018-03-20 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 | 光検出器、電気光学装置および光検出器の製造方法 |
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1991年(平成3年)秋季52回応物学会予稿集 10P−ZK−8 p.990 |
1995年電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会 C−283 p.283 |
1995年電子情報通信学会総合大会 C−386 p.386 |
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1996年電子情報通信学会総合大会 C−361 p.361 |
IEEE J.Quantum Electron.28[12](1992)p.2728−2735 |
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JPH1012912A (ja) | 1998-01-16 |
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