JP3381661B2 - 導波路型半導体受光素子及びその製造方法 - Google Patents

導波路型半導体受光素子及びその製造方法

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JP3381661B2 JP09952899A JP9952899A JP3381661B2 JP 3381661 B2 JP3381661 B2 JP 3381661B2 JP 09952899 A JP09952899 A JP 09952899A JP 9952899 A JP9952899 A JP 9952899A JP 3381661 B2 JP3381661 B2 JP 3381661B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導波路型半導体受光
素子に関し、特に光通信システムの受信モジュールある
いは送受信モジュールに用いられる導波路型半導体受光
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信システムの受信モジュールあるい
は送受信モジュールに用いられる半導体受光素子とし
て、導波路型半導体受光素子の研究開発が進められてい
る。従来の面入射型素子では光吸収層に対して垂直な方
向から信号光を入射するのに対し、導波路型半導体受光
素子では水平な方向から入射する。従って光吸収層を薄
く設計した場合でも導波路長を十分長くとれば高い光電
変換効率が得られる。すなわち、従来の面入射型では素
子応答特性の高速化(キャリア走行時間短縮)と光電変
換効率がトレードオフの関係であったのに対し、導波路
型半導体受光素子では両者の両立が可能となる。
【0003】このような高速性と高い光電変換効率の両
立という特徴に着目して作製された導波路型半導体受光
素子としては、例えば「1998年7月、第3回オプト
エレクトロニクス・アンド・コミュニケーションズ・コ
ンファレンス、テクニカルダイジェスト、354〜35
5頁(Third Optoelectronics and Communications Con
ference (OECC ‘98) technical Digest, July 1998)」
にその一例が報告されている。
【0004】この素子は、図13に示されているよう
に、半絶縁性InP基板101上にn+ InPクラッド
層102、n+ InAlGaAsガイド層(コア層とク
ラッド層の中間の屈折率を有する層であり、層厚0.8
μm)103、n- InGaAs光吸収層104(層厚
0.5μm)、p+ InAlGaAs層105(層厚
0.1μm)、p+ InPクラッド層106からなる導
波路メサを形成し、その表面に窒化シリコン膜107を
形成した構造となっている。光吸収層104の層厚を
0.5μmと薄く設計することで、3dBダウン遮断周
波数40GHz以上の高速応答が得られ、同時に、導波
路型素子構造を採用していることにより77%という高
い光電変換効率(外部量子効率)が得られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の導波路型半導体
受光素子の問題点は、強い光を入射したときに応答速度
が低下してしまうことである。その理由は、素子の光吸
収層に光が入射するとそこで電子正孔対を生成するが、
このとき生成した電子、正孔により遮蔽電界が形成さ
れ、それが電子及び正孔の高速移動を妨げるという、い
わゆる空間電荷効果が、光の強度が強い場合に特に顕著
となるからである。
【0006】本発明は上述した従来技術の欠点を解決す
るためになされたものであり、その目的は強い光を入射
したときにも応答速度が低下せず、高速応答が可能な導
波路型半導体受光素子を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による導波路型半
導体受光素子は、半導体基板上に形成され、光電変換を
行う光電変換領域を有し、前記半導体基板と平行な方向
から所定一波長の光を入射する導波路型半導体受光素子
であって、入射光波長よりも短いバンドギャップ波長を
有する半導体からなるガイド層を有し、前記光電変換領
域が、このガイド層の一部を含んで構成され、前記光電
変換領域における前記ガイド層の水平方向の幅が、入射
端側から光の進行方向に沿って斬減しているか、あるい
は入射光を導波する光導波路を更に有し、前記導波路部
から前記光電変換部まで連続して形成され光を導波する
ためのコア層を有することを特徴とする。
【0008】
【0009】また、本発明による他の導波路型半導体受
光素子は、入射光波長よりも長いバンドギャップ波長を
有する半導体層を有する光吸収領域を更に含む導波路型
半導体受光素子であって、前記光電変換領域と前記光吸
収領域とが電気的に分離されており、かつ、これらが光
導波路により接続されてなることを特徴とする。
【0010】本発明による導波路型半導体受光素子の製
造方法は、基板上にバッファ層、ガイド層、光吸収層、
バンド不連続緩和層、クラッド層、コンタクト層の各層
を順に積層するステップと、この積層された各層に対し
て所定のエッチングを施し前記ガイド層の水平方向の幅
が、光電変換領域において入射端側から光の進行方向に
沿って漸減するように各層を形成するステップと、この
エッチング後に前記コンタクト層以外の表面に絶縁膜を
形成するステップと、この絶縁膜形成後に前記コンタク
ト層に電気的に接続される電極を形成するステップとを
含むことを特徴とする。
【0011】本発明による他の導波路型半導体受光素子
の製造方法は、基板上にバッファ層を設けるステップ
と、その設けられたバッファ層の上に選択成長マスクを
用い、バンドギャップ波長が互いに異なる2種類のコア
層及び光吸収層並びにそれらに挟まれ一方のバンドギャ
ップ波長から他方のバンドギャップ波長まで徐々に変化
するバンドギャップ波長を有する遷移領域からなる層、
クラッド層、コンタクト層の各層を順に積層するステッ
プと、この後に前記マスクを除去するステップと、この
後に前記各層に対して所定のエッチングを施すステップ
と、このエッチング後に前記コンタクト層以外の表面に
絶縁膜を形成するステップと、この絶縁膜形成後に前記
コンタクト層に電気的に接続される電極を形成するステ
ップとを含むことを特徴とする。
【0012】要するに本受光素子は、ガイド層の水平方
向の幅が、光電変換領域の入射側で広く、そこから徐々
に狭くなる構成であるため、光電変換領域における光電
流密度の分布が平均化され、空間電荷効果による応答速
度低下が起こりにくいのである。
【0013】また、光導波のコア層において、バンドギ
ャップ波長が徐々に変化する遷移領域を形成することに
より、コア層の光吸収係数が小さくなり、光電流が集中
せず、空間電荷効果が起こりにくく、より強い入射光に
対しても高速な応答が可能になるのである。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の一形態につ
いて図面を参照して説明する。なお、以下の説明におい
て参照する各図においては、他の図と同等部分には同一
符号が付されている。
【0015】図1〜図3は、本発明による導波路型半導
体受光素子の第1の実施例を説明するための図である。
図1は受光素子の平面図、図2は図1中の破線A−A’
における断面図、図3は図1中の破線B−B’における
断面図である。また、図4は第1の実施例の製造工程を
説明するための図である。
【0016】ここで、本実施例の受光素子を製造する方
法について説明する。まず、半絶縁性InP基板1上に
n+ InPバッファ層2(不純物濃度1×1018cm-
3、層厚1.5μm)、nInGaAsPガイド層3
(不純物濃度1×1017cm-3、波長組成1.3μm、
層厚1μm)、n- InGaAs光吸収層4(不純物濃
度1×1015cm-3、波長組成1.67μm、層厚0.
5μm)、p+ InGaAsPバンド不連続緩和層5
(不純物濃度1×1018cm-3、波長組成1.3μm、
層厚0.1μm)、p+ InPクラッド層6(不純物濃
度1×1018cm-3、層厚1μm)、p+ InGaAs
コンタクト層7(不純物濃度1×1019cm-3、波長組
成1.67μm、層厚0.2μm)を順次積層する。
【0017】そして、図2、図3、図4に示されている
ように、深さの異なる複数回のエッチング工程を行う。
これにより、半絶縁性InP基板1が露出した領域、n
+ InPバッファ層2が露出した領域、nInGaAs
Pガイド層3が露出した領域、及び、エッチングを施さ
ず、p+ InGaAsコンタクト層7が残った領域を形
成する。このとき、nInGaAsPガイド層3の水平
方向の幅は、図4に示されているように光電変換領域1
4及び15において、その入射側で広く、そこから徐々
に狭くなるようにする。つまりガイド層は、その水平方
向の幅が、入射端側から光の進行方向に沿って漸減する
ように形成する。
【0018】さらに、図2及び図3に示されているよう
に、これらのエッチング工程後の素子上面に、絶縁膜で
ある窒化シリコン膜8を形成する。その後、p+ InG
aAsコンタクト層7が残った領域上にはp電極として
のAuZnアロイ電極9を、n+ InPバッファ層2が
露出した領域上にはn電極としてのAuGeNiアロイ
電極11を形成する。ただし、p+ InGaAsコンタ
クト層7が残った領域の内、光吸収領域16上にはAu
Znアロイ電極9を形成しない。
【0019】そして、図1、図2、図3に示されている
ようにAuZnアロイ電極9、AuGeNiアロイ電極
11を接続、あるいは拡大、延長する形でTiPtAu
電極10A、10B、12を形成する。この時、TiP
tAu電極10Aは特性インピーダンス100Ωのマイ
クロストリップ線路として設計されており、また、Ti
PtAu電極10Bは、10Aとの接続部から次第にそ
の線路幅を増す形となっており、最終的には特性インピ
ーダンス50Ωのマイクロストリップ線路となってい
る。最後に素子の入射端面に反射防止膜として窒化シリ
コン膜13を形成する。なお図1において、電極9、1
0A、10B及び12並びに窒化シリコン膜13以外の
部分はすべて窒化シリコン膜8で覆われているものとす
る。
【0020】以上の製造工程をフローチャートで示すと
図5のようになる。同図を参照すると、まず最初に、基
板上にバッファ層、ガイド層、光吸収層、バンド不連続
緩和層、クラッド層、コンタクト層の各層を順に積層す
る(ステップS11)。次に、この積層された各層に対
して所定のエッチングを施しガイド層の水平方向の幅
が、光電変換領域において入射端側から光の進行方向に
沿って漸減するように各層を形成する(ステップS1
2)。このエッチング後にコンタクト層以外の表面に絶
縁膜を形成する(ステップS13)。最後に、コンタク
ト層に電気的に接続される電極を形成する(ステップS
14)。
【0021】次に第1の実施例による受光素子の動作、
効果について説明する。本素子では図1、図3に矢印で
示されている位置から信号光を入射する。この入射光の
波長は1.55μmを想定している。つまりガイド層3
は入射光波長よりも短いバンドギャップ波長を有するこ
とになる。入射された光はnInGaAsPガイド層3
を光導波のためのコア層として伝播し、光電変換領域1
4で、そのパワーの一部が光電変換される。そして、こ
こで光電変換されなかった光はさらに光電変換領域15
まで伝播してパワーの一部が光電変換される。このと
き、入射した光は光電変換領域14、15で分担して光
電変換されるので、1つの光電変換領域で光電変換する
光パワーは小さくなる。したがって、従来の導波路型半
導体受光素子と比べて空間電荷効果による応答速度低下
が起こりにくく、より強い光に対しても高速な応答が得
られる。
【0022】また、従来の導波路型半導体受光素子で
は、入射端面近傍に集中して大きな光電流が流れるた
め、特に入射端面近傍における空間電荷効果が素子全体
の応答速度を律速していた。これに対し本実施例では、
図1に示されているように、nInGaAsPガイド層
3の水平方向の幅が、光電変換領域14、15の入射側
で広く、そこから徐々に狭くなるように設計されている
ため、光電変換領域における光電流密度の分布が平坦化
される構造となっている。したがって従来の導波路型半
導体受光素子と比べて空間電荷効果による応答速度低下
が起こりにくく、より強い光に対しても高速な応答が得
られる。
【0023】また本実施例では、光電変換領域14、1
5において、n電極を形成するためにn+ InPバッフ
ァ層2が横に引き出された形となっているが、n+ In
Pバッファ層2の入射光に対する屈折率はnInGaA
sPガイド層3と比べて小さいため、n+ InPバッフ
ァ層2中に光が大きくしみだすことはなく、伝播光は擾
乱をあまり受けずに伝播して行く。したがって、光の損
失が小さく、高感度な素子を実現できる。
【0024】さらに本実施例では、光電変換領域15で
も光電変換されなかった光は、さらに伝播し、光吸収領
域16においてほぼ全て吸収される。したがって、素子
の後端面で反射された光が再び光電変換領域14又は1
5において光電変換されることはない。すなわち、最初
に入射してきた光よりも、ある時間おくれて再び光が光
電変換領域14又は15に入射し光電変換されることが
無くなるため、素子としてより高速な応答が可能とな
る。さらに、素子の後端面で反射された光が素子の入射
端面から逆に出射され、素子の入射側のシステムに悪影
響を与えることも防げる。
【0025】また、本実施例では素子の後段に設けられ
る図示せぬアンプ等の入力インピーダンスは、標準的な
値である50Ωを想定しており、TiPtAu電極10
Bはその最終端において特性インピーダンスが50Ωと
なるよう設計されている。一方TiPtAu電極10A
の特性インピーダンスは100Ωであり、これと異な
る。
【0026】通常は、素子内部の線路インピーダンスの
設計値は、後段の入力インピーダンスと整合をとり、電
気信号の反射を防ぐために等しい値とする。しかしなが
ら、本実施例のように異なる値をあえて用い、例えば素
子内部の線路のインダクタンス成分を積極的に利用する
ことにより、光電変換領域14、15におけるpn接合
容量等も考慮した上での最適設計が可能となり、より高
速に応答する素子が実現できる。
【0027】なお、この第1の実施例では光電変換領域
が2つ形成されている例を説明したが、3つ以上形成さ
れている場合でも同様の効果が得られる。また、ガイド
層、バンド不連続緩和層としてInAlGaAsを用い
た場合にも同様の効果が得られる。さらにまた、マイク
ロストリップ線路の代わりにコプレーナ線路を用いた場
合にも同様の効果が得られる。
【0028】図6〜図11は第2の実施例及びその製造
工程を説明するための図である。図6は本実施例におけ
る導波路型半導体受光素子を製造するためのマスクパタ
ーンを示す図、図7は図6中の破線A−A’における断
面図、図8は図6中の破線B−B’における断面図であ
る。また、図9は本実施例における導波路型半導体受光
素子の構成を示す平面図、図10は図9中の破線A−
A’における断面図、図11は図9中の破線B−B’に
おける断面図である。
【0029】この第2の実施例では、(001)面を有
する半絶縁性InP基板1上にn+InPバッファ層2
(1×1018cm-3、層厚1.5μm)を結晶成長した
後、その表面に熱CVD法等によりSiO2 膜17を形
成し、通常のフォトリソグラフィー工程、エッチング工
程により図6に示されているようなマスクパターン17
A及び17Bを形成する。これらパターン17A及び1
7Bは、互いに線対称の位置関係でならんだ2本のスト
ライプ状のパターンからなる。この2本のストライプに
挟まれた領域170の幅は3μm、方向は[110]で
ある。また、このストライプ状のパターン17A及び1
7Bは領域ごとに幅が異なっており、光電変換領域1
4、光電変換領域15及び光吸収領域16における幅は
30μm、その他の領域では5μmである。
【0030】次に図7、図8に示されているように、こ
の基板上にSiO2 膜17を選択成長マスクとして有機
金属気相成長法によりn- InGaAsPコア層18
(不純物濃度1×1015cm-3)、p+ InPクラッド
層19(不純物濃度1×1017cm-3)、p+ InGa
Asコンタクト層20(不純物濃度1×1019cm-3)
を成長する。
【0031】この時、光電変換領域14、15及び光吸
収領域16におけるn- InGaAsPコア層18Aの
バンドギャップ波長は、それ以外の領域のn- InGa
AsPコア層18Bとは異なるものが得られる。コア層
18A、18Bのバンドギャップ波長はそれぞれ1.5
5μm、1.35μmとなる。すなわち本実施例では、
入射光波長として1.55μmを想定しているが、一括
してかつ連続して形成されたコア層18が、光電変換領
域14、15及び光吸収領域16においては光吸収層と
なるコア層18Aとして、それ以外の領域では光を導波
するためのコア層18Bとして機能する。なお、コア層
18A、18Bの境界部分には、バンドギャップ波長が
1.55μmから1.35μmまで徐々に変化する遷移
領域18Cがわずかに形成される。
【0032】次に、SiO2 膜17を除去した後、図
9、図10に示されているように光電変換領域14、1
5の横に張り出した部分、及び光が導波する領域(図6
において2本のストライプ状のパターンに挟まれた領域
170)を除いてn+ InPバッファ層2をエッチング
除去する。さらに光電変換領域14、15、光吸収領域
16以外の部分のp+ InGaAsコンタクト層20を
エッチング除去し、それぞれの領域を電気的に分離す
る。その後、第1の実施例と同様の構造、工程で素子を
完成する。なお図9において、電極9、10A、10B
及び12並びに窒化シリコン膜13以外の部分はすべて
窒化シリコン膜8で覆われているものとする。
【0033】以上の製造工程をフローチャートで示すと
図12のようになる。同図を参照すると、まず最初に、
基板上にバッファ層を設ける(ステップS21)。次
に、そのバッファ層の上に選択成長マスクを用い、バン
ドギャップ波長が互いに異なる2種類のコア層及び光吸
収層並びにそれらに挟まれ一方のバンドギャップ波長か
ら他方のバンドギャップ波長まで徐々に変化するバンド
ギャップ波長を有する遷移領域からなる層、クラッド
層、コンタクト層の各層を順に積層する(ステップS2
2)。
【0034】この後にマスクを除去し、各層に対して所
定のエッチングを施す(ステップS23)。このエッチ
ング後にコンタクト層以外の表面に絶縁膜を形成する
(ステップS24)。この絶縁膜形成後にコンタクト層
に電気的に接続される電極を形成する(ステップS2
5)。
【0035】次に、第2の実施例による受光素子の動
作、効果について説明する。上述したように本実施例で
は、光電変換領域14、15及び光吸収領域16におけ
る光吸収層と、それ以外の領域での光導波のためのコア
層とが一括してかつ連続して形成されている。このた
め、導波する光が擾乱を受けることが少なく、低損失で
高感度な素子が得られる。
【0036】また、光電変換領域14、15のn- In
GaAsPコア層18Aのバンドギャップ波長は大部分
は1.55μmである。ただし、光電変換領域14、1
5の前端部(光入射端に近い側)及び後端部には、わず
かにバンドギャップ波長が短い遷移領域18Cが形成さ
れる。特に、前端部にこの遷移領域18Cが形成されて
いることにより、そこでのコア層の光吸収係数が小さく
なり、光電流が前端部に集中することがなくなる。この
ため、空間電荷効果が起こりにくくなり、より強い入射
光に対しても高速な応答が可能となる。
【0037】なお、この第2の実施例では光電変換領域
が2つ形成されている例を説明したが、3つ以上形成さ
れている場合でも同様の効果が得られる。また、コア層
としてInAlGaAsを用いた場合にも同様の効果が
得られる。さらにまた、マイクロストリップ線路の代わ
りにコプレーナ線路を用いた場合にも同様の効果が得ら
れる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、ガイド層
の幅が、光電変換領域の入射側で広く、そこから徐々に
狭くなるように設計されており、光電変換領域全体に平
均して光電流が流れる構造となっているので、従来の導
波路型半導体受光素子と比べて空間電荷効果による応答
速度低下が起こりにくく、より強い光に対しても高速な
応答が得られるという効果がある。
【0039】また、光電変換領域において、n電極を形
成するためにn+ InPバッファ層を横に引出された形
とし、n+ InPバッファ層の入射光に対する屈折率が
nInGaAsPガイド層と比べて小さいため、n+ I
nPバッファ層中に光が大きくしみだすことはなく、伝
播光は擾乱をあまり受けずに伝播して行くので、光の損
失が小さく、高感度な素子を実現できるという効果があ
る。
【0040】さらにまた、光電変換領域の後方に光吸収
領域を備えているので、素子の後端面で反射された光が
再び光電変換領域において光電変換されることはなく、
最初に入射してきた光よりも、ある時間おくれて再び光
が光電変換領域で光電変換されることが無くなるため、
素子としてより高速な応答が可能になるという効果があ
る。さらに、素子の後端面で反射された光が素子の入射
端面から逆に出射され、素子の入射側のシステムに悪影
響を与えることも防げるという効果がある。
【0041】また、複数の光電変換領域を備えた実施例
においては、これらの光電変換領域を接続する線路イン
ピーダンスの設計値として、後段の入力インピーダンス
と異なる値をもあえて許容して設計しているので、設計
の自由度が広がり、例えば光電変換領域におけるpn接
合容量等も考慮した上での最適設計が可能となり、より
高速で応答する素子が実現できるという効果がある。
【0042】さらにまた、光電変換領域及び光吸収領域
における光吸収層と、それ以外の領域での光導波のため
のコア層とが一括してかつ連続して形成された実施例に
おいては、導波する光が擾乱を受けることが少ないの
で、低損失で高感度な素子が得られるという効果があ
る。さらに、同実施例においては、光電変換領域の前端
部にわずかにバンドギャップ波長が短い遷移領域が形成
されていることにより、そこでのコア層の光吸収係数が
小さくなり、光電流が前端部に集中することがなくなる
ため、空間電荷効果が起こりにくくなり、より強い入射
光に対しても高速な応答が可能となるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による導波路型半導体受
光素子の構成を示す平面図である。
【図2】図1中の破線A−A’における断面図である。
【図3】図1中の破線B−B’における断面図である。
【図4】図1の導波路型半導体受光素子の製造工程を説
明するための図である。
【図5】図1〜図4による導波路型半導体受光素子の製
造方法を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施例による導波路型半導体受
光素子を製造するためのマスクパターンを示す図であ
る。
【図7】図6中の破線A−A’における断面図である。
【図8】図6中の破線B−B’における断面図である。
【図9】本発明の第2の実施例による導波路型半導体受
光素子の構成を示す平面図である。
【図10】図9中の破線A−A’における断面図であ
る。
【図11】図9中の破線B−B’における断面図であ
る。
【図12】図6〜図11による導波路型半導体受光素子
の製造方法を示すフローチャートである。
【図13】従来の導波路型半導体受光素子の一例の構成
を示す断面図である。
【符号の説明】
1,101 半絶縁性InP基板 2 n+ InPバッファ層 3 nInGaAsPガイド層 4,104 n- InGaAs光吸収層 5 p+ InGaAsPバンド不連続緩和層 6,106 p+ InPクラッド層 7,20,108 p+ InGaAsコンタクト層 8,13,107 窒化シリコン膜 9 AuZnアロイ電極 10 TiPtAu電極 11 AuGeNiアロイ電極 12 TiPtAu電極 14,15 光電変換領域 16 光吸収領域 17 SiO2 膜 17A,17B マスクパターン 18 n- InGaAsPコア層 19 p+ InPクラッド層 102 n+ InPクラッド層 103 n+ InAlGaAsガイド層 105 p+ InAlGaAs層 109 p電極 110 n電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/00 - 31/119 G02B 6/12 - 6/138

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に形成され、光電変換を行
    う光電変換領域を有し、前記半導体基板と平行な方向か
    ら所定一波長の光を入射する導波路型半導体受光素子で
    あって、入射光波長よりも短いバンドギャップ波長を有
    する半導体からなるガイド層を有し、前記光電変換領域
    が、このガイド層の一部を含んで構成され、前記光電変
    換領域における前記ガイド層の水平方向の幅が、入射端
    側から光の進行方向に沿って漸減していることを特徴と
    する導波路型半導体受光素子。
  2. 【請求項2】 前記ガイド層よりも下層に形成され、コ
    ンタクト電極を接続するためのバッファ層を更に含み、
    前記バッファ層の屈折率は前記ガイド層屈折率よりも
    小さく、かつ、前記光電変換領域において前記バッファ
    層の水平方向の幅が前記ガイド層幅より広くなってい
    ることを特徴とする請求項1記載の導波路型半導体受光
    素子。
  3. 【請求項3】 前記光電変換領域を複数含み、かつ、そ
    れら光電変換領域が光導波路で接続されてなることを特
    徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の導波路型半導
    体受光素子。
  4. 【請求項4】 前記複数の光電変換領域がストリップ線
    路により電気的に相互接続され、かつ、そのストリップ
    線路の特性インピーダンスが、自素子の後段に接続され
    る回路の入力インピーダンスと異なることを特徴とする
    請求項3記載の導波路型半導体受光素子。
  5. 【請求項5】 基板上にバッファ層、ガイド層、光吸収
    層、バンド不連続緩和層、クラッド層、コンタクト層の
    各層を順に積層するステップと、この積層された各層に
    対して所定のエッチングを施し前記ガイド層の水平方向
    の幅が、光電変換領域において入射端側から光の進行方
    向に沿って漸減するように各層を形成するステップと、
    このエッチング後に前記コンタクト層以外の表面に絶縁
    膜を形成するステップと、この絶縁膜形成後に前記コン
    タクト層に電気的に接続される電極を形成するステップ
    とを含むことを特徴とする導波路型半導体受光素子の製
    造方法。
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