JP2005294669A - 表面入射型受光素子 - Google Patents

表面入射型受光素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2005294669A
JP2005294669A JP2004109744A JP2004109744A JP2005294669A JP 2005294669 A JP2005294669 A JP 2005294669A JP 2004109744 A JP2004109744 A JP 2004109744A JP 2004109744 A JP2004109744 A JP 2004109744A JP 2005294669 A JP2005294669 A JP 2005294669A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
layer
incident
receiving element
absorption layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004109744A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Oda
康裕 小田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2004109744A priority Critical patent/JP2005294669A/ja
Publication of JP2005294669A publication Critical patent/JP2005294669A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Light Receiving Elements (AREA)

Abstract

【課題】モジュール化の容易性、応答速度の高速化、受光効率の高効率化の全てを同時に満たす受光素子を提供する。
【解決手段】基板11上に形成された光吸収層15を有する表面入射型受光素子であって、当該表面入射型受光素子の表面から光吸収層15まで達した窪みが設けられ、該窪みの一部を構成する光吸収層15の複数の順メサ状の斜面で構成される光反射屈折部16を備え、表面から入射した光が光反射屈折部16を通過する際に、該光反射屈折部16における反射および屈折により進行方向を変えて光吸収層15に入射するようになっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体受光素子の表面に入射する光信号を電気信号に変換する表面入射型受光素子に関する。
光信号を電気信号に変換する受光素子は、現在、そのほとんどが半導体で作製されている。その代表的なものはフォトダイオード(Photodiode:PD)である。また、さらに高性能化を図った素子構造としたものに超格子ヘテロ接合アバランシェフォトダイオード(Superlattice Heterojunction Avalanche Photodiode)(例えば下記非特許文献1参照)や、単一走行キャリアフォトダイオード(Uni-Transit Carrier Photodiode)(下記特許文献1参照)などがある。
図6(a)〜(d)はそれぞれ受光素子の構造を示す断面図である。(a)は表面入射型受光素子、(b)は導波路型受光素子、(c)は裏面入射型受光素子、(d)は斜影投射構造を付加した裏面入射型受光素子の例を示す。
図6(a)〜(d)において、61はGaAs、InPなどからなる基板、62はn形半導体層からなる下部電極層、63は光吸収層、64はp形半導体層からなる上部電極層、65は入射光(光信号)、66は透過光、図6(d)において、67は光反射屈折部(反射鏡)、68は反射光である。なお、下部電極層62と上部電極層64に設けられる電極は図示省略している。
これらの受光素子は、光信号の入射方法により大きく3つのタイプに分けられる。(1)素子表面から光信号を入射する「表面入射型」(図6(a))、(2)素子の端面から光信号を入射する「導波路型」(図6(b))、(3)素子の裏面から直接もしくは光反射屈折部67を介して光信号を入射する「裏面入射型」(図6(c)、(d))の3つである。
「Impact ionization in multilayered heterojunction structure」R. Chinら3名、The Institution of Electrical Engineers(IEE) 、Electron Letters、1980年発行、vol.16、No.12、p.467 特開平9−275224号公報 特開2000−150923号公報
(1)の表面入射型受光素子は、光ファイバーや光電気集積回路(Optical-Electrical Integrated Circuit:OEIC)の光導波路からの光信号の受光を容易に行うことができ、また、他の回路素子作製プロセスとの整合性にも優れているため、モジュール化しやすいという利点を持つ。また、受光効率を上げるためには光吸収層63の厚みを増すことで対応可能である。しかしながら、一方で光信号に対する応答性の向上のためには、光励起によって発生したキャリアの走行距離を短縮化するために光吸収層63の薄層化が求められる。このため、応答速度の高速化と受光効率の高効率化とが両立しにくいという問題がある。
(2)の導波路型受光素子は、光信号の光路と、光によって光吸収層63から発生するキャリアの走行経路とが直交しており、光吸収層63を薄層化しても受光効率が低下しにくいという利点を持つ。しかしながら、素子側面から光信号を入射する構造は光ファイバーの配置が難しく、また、素子の動作試験を行う際に特殊な光導波路プローブが必要になり、さらに、素子側面を劈開やエッチングなどで鏡面に仕上げなければならないなどのなどの難点を持つ。
(3)の裏面入射型受光素子は、基板61の材料として、光信号の波長に対して透明な材料(例えば、光通信で用いられる波長帯の一つである1.55μmではInPなど)を使用し、裏面から光信号を入れることで光路の設計の自由度を上げている。例えば、図6(d)に示したように、素子の近くに表面からエッチグでV溝を作製し、裏面からの光信号を該V溝で構成される光反射屈折部67で一度反射させることで光吸収層63に光信号を斜影入射させ、上部電極層64にて再度反射させる。こうして光吸収層63中での光路長を増加させることで光吸収層63を実質的に厚膜化したのと同じ効果を得ることができる(上記特許文献2参照)。しかしながら、この方法では、基板61と光吸収層63に挟まれている層には、基板61と同じく光信号の波長に対して透明な材料で屈折率差の小さい材料しか用いることができず、また、光導波路のように光吸収層63内で何度も光信号を反射させて高効率化する構造にすることが困難となる。さらに、裏面入射のため、受光素子もしくは基板61上に作製された光反射屈折部67と光ファイバーとの位置合わせも困難である。
以上のように、上記従来の技術では、モジュール化の容易性、応答速度の高速化、受光効率の高効率化の全てを同時に満たすことが困難であった。本発明の目的は、これら3つの要件を全て満たすことが可能な受光素子を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の表面入射型受光素子は、基板上に形成された光吸収層を有する表面入射型受光素子であって、当該表面入射型受光素子の表面から前記光吸収層まで達した窪みが設けられ、該窪みの一部を構成する前記光吸収層の複数の順メサ状の斜面で構成される光反射屈折部を備え、前記表面から入射した光が前記光反射屈折部を通過する際に、該光反射屈折部における反射および屈折により進行方向を変えて前記光吸収層に入射するようになっている。
また、前記光吸収層の前記基板側、もしくは前記基板側および前記表面側に、該光吸収層に入射した光を反射する反射層を有する。
また、前記光吸収層の上下に電極層(伝導層)を有し、前記基板側に近い前記電極層がp形半導体層、逆側の電極層がn形半導体層で構成されている。
また、前記光反射屈折部が、(111)A面ならびに(111)B面、もしくは(111)A面ならびに(111)B面と結晶学的に等価な面で構成されている。
また、前記光反射屈折部の開口部の寸法が、受光する信号光の波長と同程度かそれ以上である。
本発明では、モジュール化の容易な表面入射型受光素子に、応答速度の高速化および受光効率の高効率化を両立する構造を導入することで、モジュール化の容易性、応答速度の高速化、受光効率の高効率化を全て満たすことを可能とし、受光感度を飛躍的に増大させることが可能となる。具体的には、光吸収層に光信号を屈折、反射させる構造、すなわち、光反射屈折部を付与する。また、この構造により斜影入射化された光信号の受光効率をさらに上げるため、例えば光吸収層の両側にある電極層に光吸収層の屈折率よりも小さな材料、もしくは光信号の波長および反射角に合わせて設計された分布ブラッグ反射鏡(Distributed Bragg Reflector:DBR)構造を付与し、光吸収層を光導波路として働くようにすることで光信号を光吸収層内で多重反射させることも可能である。
本発明によれば、モジュール化の容易性、応答速度の高速化、受光効率の高効率化の全てを同時に満たす受光素子を提供することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下で説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図3は本発明の表面入射型受光素子の実施の形態の主要部位を示す断面図、図4は該主要部位を含む表面入射型受光素子の全体斜視図である。
図3において、2はp形半導体層(下部反射層および下部電極層)、3は光吸収層(キャリア走行層を含む場合もある)、4はn形半導体層(上部反射層および上部電極層)、5は複数の順メサ状の凹形斜面で構成される窪み状の光反射屈折部、6は開口部、7は入射光、図4において、1はGaAs、InPなどからなる基板である。
有機金属気相成長(MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition))装置や、分子線エピタキシー(MBE(Molecular Beam Epitaxy))装置等を用いて半導体からなる層構造を形成した後、リソグラフィを用いて素子表面に例えばグリッド(格子)状のパターン(図4参照)を作製し、レジストの開口部をウェットケミカルエッチングなどにより異方性エッチングを行う。この際、エッチング条件としては、(111)A面ならびに(111)B面、もしくは(111)A面ならびに(111)B面と結晶学的に等価な面が現れるものを使用し、例えばエッチング部位の光反射屈折部5の開口部6が正四角錐状になるようにする。エッチングによって新たに形成された面は、基板1の(001)面、もしくは(001)面と結晶学的に等価な面に対して54.7°になる。なお、例えば基板1の面方位に(111)B面を用いた場合は、(001)面と結晶学的に等価な面で囲まれた正三角錐のエッチング部位を作製することも可能である。また、その他、使用する基板1とエッチング条件により(311)B面などが斜面となる構造、順メサによる櫛形構造も作製可能である。しかしながら、基板1として用いる面方位およびその表面に作製される光反射屈折部5の開口部6のエッチング部位の形状差は、以下に述べる実施の形態に本質的な差異を生じさせない。また、この光反射屈折部5の開口部6の広さは、入射光7、すなわち、信号光を光反射屈折部5に効率よく導くために、開口部6に内接する真円の直径が信号光の波長と同程度かそれ以上になるようにする。以下の説明では、便宜上、基板1の面方位に、(001)面に結晶学的に等価な面、エッチングにより作製した開口部6が(111)A面ならびに(111)B面と結晶学的に等価な面で構成された正四角錐を用いている。
ここで、図3において、基板1の面とエッチングによって新たに形成された面とがなす角度をα、入力する光信号Aの波長での四角錐状の開口部6内部に位置する物質(空気や、開口部6の光反射屈折部5の表面に設けたシリカなどの表面保護膜)の屈折率をn、入力する光信号Aの波長での光吸収層3の屈折率をnとし、四角錐状の開口部6内部に位置する物質と光吸収層3の界面で生じる屈折により斜影投影される信号光Bが下部反射層に当るときの角度をβ(ただし、βは下部反射層の垂線からの角)、四角錐状の開口部6内部に位置する物質と光吸収層3の界面で一度反射してから対面の界面で屈折により斜影投影される信号光Cが下部反射層に当るときの角度をγ(ただし、γは下部反射層の垂線からの角)とすると、βおよびγはスネルの法則から以下のように求められる。
Figure 2005294669
Figure 2005294669
このβとγは、α=54.7°のときに一般な条件ではβ<γとなる。また、信号光Bと信号光Cが上部反射層となす角は、一般的な結晶成長を用いている場合においては、上部反射層と下部反射層とが平行になっていることから、下部反射層での反射角と等しくなる。さらに、下部反射層および上部反射層での信号光Bおよび信号光Cの全反射条件は、反射層の屈折率をnとすると、
Figure 2005294669
となる。ここで、光吸収層にInGaAsを用い(n=3.59)、開口部6に特に保護膜を設けない場合(n=1.00)、βおよびγは、式1および式2からβ=41.6°、γ=59.1°となる。このとき、光吸収層3内で信号光を多重反射させて光路長を増加させるために用いられる反射層に求められる屈折率nは、2.38以下となる。一般に用いられている化合物半導体で2.38以下の物質は無いため、信号損失のない理想的な全反射条件にこだわらずに可能な限り部分反射させることを目的として、屈折率nよりも極力小さな屈折率nを持つ物質を反射層に採用するか、もしくは光信号の波長および反射角に合わせて設計された上記DBR構造を採用することで全反射させることになる。この場合、DBR構造を構成する材料としては、GaAs基板上であればGaAs/AlAsなどを、InP基板上であればGaAsSb/AlAsSbなどの屈折率差の大きな材料系が有力な候補となる。いずれを採用するかは、素子構造の複雑化と受光効率とのトレードオフの関係を考えた上で、求められる性能の他、他の集積素子との整合性などを考慮に入れて決定することができる。
反射層および電極層(伝導層)は、高速動作のためには低抵抗であることが望ましい。しかしながら、反射層については既に述べた屈折率の条件を満たすことが最優先されるため、必ずしも低抵抗化に向いた材料を採用できるとは限らない。その際には、電極層に信号光の波長に対して透明な物質、もしくは素子動作に影響を及ぼさない物質(例えば光吸収層3と同じ物質など)を用い、積層構造を、反射層/電極層/光吸収層/電極層/反射層の構造にすることにより、光吸収層3で発生したキャリアはそのまま直近の電極層へ、光信号自体は電極層を通過して反射層で反射されて再び電極層から光吸収層3へ戻るようにする方法を採ることにより、低抵抗化の要件に対する反射層の影響を可能な限り除去することが可能である。
また、上部反射層および上部電極層は格子状になるために、抵抗が加工前よりも高くなる。抵抗の上昇率は開口部6の大きさや繰り返し周期などによって異なるが、抵抗が著しく高くなる場合は、上部電極層に移動度が高く抵抗値を低くしやすいn形半導体を、下部電極層にp形半導体を採用することで素子全体の抵抗値を下げることが可能である。さらには、下部反射層で信号光を1回反射させるだけでも光路長は本発明を適用しない表面入射型受光素子よりも増加させることが可能なため、特性向上もしくは作製上の難易度によっては上部反射層についてはあえて設けない構造も可能である。この場合、格子状のパターン部分も信号光が透過して下部反射層で反射することで光路長が光吸収層3の厚みの2倍となる上、周囲の四角錐状の開口部6からも信号光が格子状のパターン部分の下側の光吸収層3に入射されてくるため、上部電極層の単位面積当たりの受光効率は大幅に増加する。しかも、上部電極層の総面積が格子状のパターンにより減少しているため、下部電極層と上部電極層とによる素子の寄生容量成分は減少することとなり、素子動作の高速化に貢献することとなる。
以上の構造により、光吸収層3内での信号光BおよびCの光路長d、dは、上部及び下部反射層が設けられている場合において、光吸収層3の厚さをt、信号光Aが入射する光反射屈折部5の面上の点における光吸収層3の厚さをt’、反射回数をi(i>0の正の整数)とすると、
Figure 2005294669
Figure 2005294669
ただし、四角錐の深さをl(通常はt=l)とした場合に
Figure 2005294669
となる。受光効率は、おおまかには光吸収層3内での入射光の光路長で決まるため、基板面に(100)面を用いた場合のαと、光吸収層3に対して入射光が垂直入射して透過した場合の受光効率を1とした場合の相対値との関係は式1〜6から図5のように見積もられる。なお、図5は、本発明の表面入射型受光素子の光反射屈折部5をなす面と受光効率の相対値との関係を示す図である。この結果は、素子動作の高速化のために光吸収層3を薄層化した場合においても、光吸収層3内での信号光の光路長を十分確保することが可能であることを示しており、光吸収層3の薄層化に伴う受光効率の減少を最小限にとどめることが可能となる。
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1の表面入射型受光素子の構造を示す断面図である。11は基板、12は下部反射層、13は下部電極層、14は金属からなる下部電極、15は光吸収層、16は四角錐状の凹形斜面で構成される光反射屈折部、17は四角錐状の開口部、18は上部電極層、19は金属からなる上部電極、20はグリッドパターン部、31は信号光である。
本実施の形態1においては、基本となる素子構造として、超格子ヘテロ接合アバランシェフォトダイオードを用いているが、本発明は該超格子ヘテロ接合アバランシェフォトダイオードへの適用に限定されることはなく、フォトダイオード全般に適用可能である。本実施の形態1では、光吸収層15の基板11側に反射鏡、すなわち、下部反射層12を備えた場合の例を示す。本実施の形態1では、基板11としてFeをドープしたInP(001)基板、下部反射層12としてInP基板に格子整合したGaAsSb/AlAsSb DBR(分布ブラッグ反射鏡)、下部電極層13としてCをドープしたp形GaAsSb層、光吸収層15としてInP/InGaAs超格子、上部電極層18としてSiをドープしたn形InGaAs層を用いている。
このときの信号光の波長は1.55μmであり、下部反射層12および下部電極層13に用いているGaAsSbは、GaAsSbの吸収端波長を信号光の波長近傍から遠ざけるために実際には少量のAlを添加している。なお、本実施の形態1の詳細な構造については、説明に支障のない範囲で省略している。また、ドーパントおよび各層の構成材料については本記述に限定されることなく、所定の素子動作を実現できるものであれば他材料でもかまわない。
MBE、MOCVDなどの結晶成長装置により所定の層構造を基板11上に形成した後、リソグラフィとエッチングにより下部電極層13および上部電極層18が露出するメサ構造を形成する(図4参照)。次に、図4に示したようなグリッド状の開口部17を作製するために、メサ構造の上にリソグラフィによりグリッドパターンを形成し、上部電極層18を選択エッチングして光吸収層15を露出させる。さらに光吸収層15に対して異方性エッチングを行い、正四角錐状の開口部17を有する複数の順メサ状の斜面で構成される窪み状の光反射屈折部16を形成する。
本実施の形態1の表面入射型受光素子では、基板11上に形成された光吸収層15を有する表面入射型受光素子であって、当該表面入射型受光素子の表面から光吸収層15まで達した窪みが設けられ、該窪みの一部を構成する光吸収層15の複数の順メサ状の斜面で構成される光反射屈折部16を備え、表面から入射した光が光反射屈折部16を通過する際に、該光反射屈折部16における反射および屈折により進行方向を変えて光吸収層15に入射するようになっている。このようにグリッド状に残された光吸収層15には、通常通りの垂直方向からの信号光31のみならず、光反射屈折部16により集光される信号光も入射するため、素子の実効的な単位面積当たりの受光効率は垂直方向からの信号光のみの場合と比較して大幅に増加させることが可能である。
実施の形態2
図2は、本発明の実施の形態2の表面入射型受光素子の構造を示す断面図である。21は基板、22は下部反射層、23は下部電極層、24は金属からなる下部電極、25は光吸収層、26は四角錐状の凹形斜面で構成される光反射屈折部、27は四角錐状の開口部、32はキャリア走行層、28は上部電極層、33は上部反射層、29は金属からなる上部電極、30はグリッドパターン部、31は信号光である。
本実施の形態2においては、基本となる素子構造として単一走行キャリアフォトダイオードを用いているが、本発明は該単一走行キャリアフォトダイオードへの適用に限定されることはなく、フォトダイオード全般に適用可能である。本実施の形態2では、光吸収層25の基板21側および表面側に反射鏡、すなわち、下部反射層22および上部反射層33を備えた場合の例を示す。本実施の形態1では、基板21としてはFeをドープしたInP(001)基板、下部反射層22としてInP基板に格子整合したGaAsSb/AlAsSb DBR、下部電極層23としてCをドープしたp形GaAsSb層、光吸収層25としてZnをドープしたInGaAs層、キャリア走行層32としてアンドープのInP層、上部電極層28としてSiをドープしたn形InP層、上部反射層33としてInP層に格子整合したGaAsSb/AlAsSb DBRを用いている。なお、本実施の形態2の詳細な構造については、説明に支障のない範囲で省略している。また、ドーパントおよび各層の構成材料については本記述に限定されることなく、所定の素子動作を実現できるものであれば他材料でもかまわない。
MBE、MOCVDなどの結晶成長装置により所定の層構造を基板21上に形成した後、リソグラフィとエッチングにより下部電極層23および上部電極層28が露出するメサ構造を形成する。次に、櫛形(あるいはグリッド状でも可能)の開口部27を作製するために、メサ構造の上にリソグラフィによりライン アンド スペースパターンを形成し、上部電極層28およびキャリア走行層32を選択エッチングして光吸収層25を露出させる。さらに光吸収層25に対して異方性エッチングを行い、櫛形に周期的に並んだ光反射屈折部26を形成する。なお、櫛形パターン(あるいはグリッドパターン)の形状、各層の厚さ等によっては、キャリア走行層32までを選択エッチングした後、キャリア走行層32も含めて異方性エッチングを行い、キャリア走行層32の一部も光反射屈折部として使用することも可能である。
本実施の形態2の表面入射型受光素子においても、櫛形に残された光吸収層25には、通常通りの垂直方向からの信号光31のみならず、光反射屈折部26により集光される信号光も入射するため、素子の実効的な単位面積当たりの受光効率は垂直方向からの信号光のみの場合と比較して大幅に増加させることが可能である。
以上のように上記実施の形態1、2では、表面入射型受光素子に受光効率を向上させる構造を導入することにより、モジュール化の容易性、応答速度の高速化、受光効率の高効率化の全てを同時に満たす受光素子を実現することが可能となる。
なお、以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。例えば、開口部27は図1の実施の形態1、図2の実施の形態2では、光吸収層15、25を貫通しているが、必ずしも貫通していなくても本発明による効果が得られる。
本発明の実施の形態1の表面入射型受光素子の構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態2の表面入射型受光素子の構造を示す断面図である。 本発明の表面入射型受光素子の主要部位を示す断面図である。 本発明の表面入射型受光素子の全体斜視図である。 本発明の表面入射型受光素子の光反射屈折部をなす面と受光効率の相対値との関係を示す図である。 (a)は表面入射型受光素子、(b)は導波路型受光素子、(c)は裏面入射型受光素子、(d)は斜影投射構造を付加した裏面入射型受光素子の構造を示す断面図である。
符号の説明
1…基板 2…p形半導体層
3…光吸収層 4…n形半導体層
5…光反射屈折部 6…開口部
7…入射光
11…基板 12…下部反射層
13…下部電極層 14…下部電極
15…光吸収層 16…光反射屈折部
17…開口部 18…上部電極層
19…上部電極 20…グリッドパターン部
21…基板 22…下部反射層
23…下部電極層 24…下部電極
25…光吸収層 26…光反射屈折部
27…開口部 28…上部電極層
29…上部電極 30…グリッドパターン部
31…信号光 32…キャリア走行層
33…上部反射層
61…基板 62…下部電極層
63…光吸収層 64…上部電極層
65…入射光 66…透過光
67…光反射屈折部 68…反射光

Claims (5)

  1. 基板上に形成された光吸収層を有する表面入射型受光素子であって、当該表面入射型受光素子の表面から前記光吸収層まで達した窪みが設けられ、該窪みの一部を構成する前記光吸収層の複数の順メサ状の斜面で構成される光反射屈折部を備え、
    前記表面から入射した光が前記光反射屈折部を通過する際に、該光反射屈折部における反射および屈折により進行方向を変えて前記光吸収層に入射するようになっていることを特徴とする表面入射型受光素子。
  2. 前記光吸収層の前記基板側、もしくは前記基板側および前記表面側に、該光吸収層に入射した光を反射する反射層を有することを特徴とする請求項1記載の表面入射型受光素子。
  3. 前記光吸収層の上下に電極層を有し、前記基板側に近い前記電極層がp形半導体層、逆側の電極層がn形半導体層で構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の表面入射型受光素子。
  4. 前記光反射屈折部が、(111)A面ならびに(111)B面、もしくは(111)A面ならびに(111)B面と結晶学的に等価な面で構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の表面入射型受光素子。
  5. 前記光反射屈折部の開口部の寸法が、受光する信号光の波長と同程度かそれ以上であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の表面入射型受光素子。
JP2004109744A 2004-04-02 2004-04-02 表面入射型受光素子 Pending JP2005294669A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004109744A JP2005294669A (ja) 2004-04-02 2004-04-02 表面入射型受光素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004109744A JP2005294669A (ja) 2004-04-02 2004-04-02 表面入射型受光素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005294669A true JP2005294669A (ja) 2005-10-20

Family

ID=35327239

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004109744A Pending JP2005294669A (ja) 2004-04-02 2004-04-02 表面入射型受光素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005294669A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015170645A (ja) * 2014-03-05 2015-09-28 富士通株式会社 量子井戸型赤外線検知素子及びその製造方法
JP2017163023A (ja) * 2016-03-10 2017-09-14 株式会社東芝 光検出器およびこれを用いた被写体検知システム
JP2017204561A (ja) * 2016-05-11 2017-11-16 株式会社東芝 光検出器、光検出装置、およびライダー装置
KR102176477B1 (ko) 2019-11-08 2020-11-09 이상환 후면 입사형 광 검출기
JP6795870B1 (ja) * 2020-07-06 2020-12-02 株式会社京都セミコンダクター 光給電コンバータ
JPWO2021074967A1 (ja) * 2019-10-15 2021-04-22

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015170645A (ja) * 2014-03-05 2015-09-28 富士通株式会社 量子井戸型赤外線検知素子及びその製造方法
JP2017163023A (ja) * 2016-03-10 2017-09-14 株式会社東芝 光検出器およびこれを用いた被写体検知システム
JP2017204561A (ja) * 2016-05-11 2017-11-16 株式会社東芝 光検出器、光検出装置、およびライダー装置
JPWO2021074967A1 (ja) * 2019-10-15 2021-04-22
JP7280532B2 (ja) 2019-10-15 2023-05-24 日本電信電話株式会社 受光素子
KR102176477B1 (ko) 2019-11-08 2020-11-09 이상환 후면 입사형 광 검출기
JP6795870B1 (ja) * 2020-07-06 2020-12-02 株式会社京都セミコンダクター 光給電コンバータ
WO2022009265A1 (ja) * 2020-07-06 2022-01-13 株式会社京都セミコンダクター 光給電コンバータ
US11356054B2 (en) 2020-07-06 2022-06-07 Kyoto Semiconductor Co., Ltd. Optical power supply converter

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10468543B2 (en) Microstructure enhanced absorption photosensitive devices
US10446700B2 (en) Microstructure enhanced absorption photosensitive devices
US8106379B2 (en) Hybrid silicon evanescent photodetectors
KR100853067B1 (ko) 포토 다이오드와 그 제조 방법
US8637951B2 (en) Semiconductor light receiving element and optical communication device
US10305248B2 (en) High contrast grating optoelectronics
JP5250165B2 (ja) 端面視光検出器
EP1995793A1 (en) Photodiode, method for manufacturing such photodiode, optical communication device and optical interconnection module
KR20020031002A (ko) 마이크로 렌즈 일체형 표면광 레이저
WO2019089437A1 (en) Microstructure enhanced absorption photosensitive devices
JP2007013065A (ja) 近赤外光検出素子
JP2011124450A (ja) 半導体受光素子
JP2002185032A (ja) 受光アレイ素子、受光モジュール及び受光モジュールと光コネクタとの接続構造
JP4168437B2 (ja) 半導体受光素子
JP2005294669A (ja) 表面入射型受光素子
JP2004304187A (ja) 受光素子及びその製造方法
JP2002203982A (ja) 半導体受光装置およびその製造方法
KR102307789B1 (ko) 후면 입사형 애벌런치 포토다이오드 및 그 제조 방법
JP2001168371A (ja) 装荷型半導体受光素子及びその製造方法
JP7409489B2 (ja) 受光装置
US6064782A (en) Edge receptive photodetector devices
JP3589831B2 (ja) フォトトランジスタ
CN219286423U (zh) 一种半导体光电探测器
JPH0272679A (ja) 光導波路付き半導体受光素子
KR102015408B1 (ko) 수직 입사형 포토다이오드