JP2007294873A - フレキシブルプリント配線板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】微細な回路を形成できるフレキシブルプリント配線板の製造方法を提供する。
【解決手段】金属張積層体の導体層をエッチング液によってエッチングして回路形成するフレキシブルプリント配線板の製造方法において、導体層の回路形成が、サイドエッチングによるアンダーカット量(S)と、プリント基板に垂直な方向のエッチング深さ(D)との比(D/S)である腐食係数(Ef)の1分間当りの変化量が2.0以上となる条件でなされることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器に使用されるフレキシブルプリント配線板の製造方法に関し、詳しくは、微細回路の配線パターンを精密に形成できるフレキシブルプリント配線板の製造方法に関するものである。
現在、電子機器のさらなる小型化、多機能化、高密度化などの発達に伴い、それに搭載されるプリント配線板において、回路の微細化が強く望まれている。
このような微細回路をエッチングによって形成する場合、プリント配線板の表面に対して垂直方向(厚み方向)にだけエッチングが進むことが理想である。しかしながら、実際には、エッチングが垂直方向に深く進むにつれて、プリント配線板の表面に平行な方向にもエッチングが進行する。これをアンダーカットと呼んでいるが、アンダーカットの程度を評価するのに、アンダーカットの幅(S)と垂直方向のエッチング深さ(D)の比(D/S)で表される腐食係数(Ef)が用いられている。
従来、腐食係数を用いた評価方法は、エッチングによって形成する回路の加工性を評価するための一つの指標となっており、腐食係数を高める(アンダーカット量を小さく抑える)ことで回路幅を狭くできるという報告がなされている。例えば、特開平9−195096号公報(特許文献1)では、バフ研磨を施した電解銅箔の粗面側に微細な粒子状の銅電着物を均一に密度高く設けた銅箔によるプリント配線板が開示されている。しかしながら、このプリント配線板はせいぜい50μmピッチ程度の回路幅しか回路形成できなかった。また、特開2002−105699号公報(特許文献2)、特開2005−15861号公報(特許文献3)では、銅箔表面を平滑化させることが開示され、更に特開平9−272994号公報(特許文献4)では、カーボン量を特定量以下にした電解銅箔が開示されているが、これらの記載例は、最近の40μmピッチ以下の微細回路化ニーズに十分に応えるものではなかった。一方、使用するエッチング液ついての報告がある。例えば、特開2004−256901号公報(特許文献5)では、サイドエッチを抑制するエッチング液が開示されている。しかしながら、このエッチング液は従来のプリント配線板の微細回路形成に適用できるものではなかった。
特開平9−195096号公報 特開2002−105699号公報 特開2005−15861号公報 特開平9−272994号公報 特開2004−256901号公報
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、微細な回路を形成できるフレキシブルプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、従来、回路加工性の評価として採用されてきた腐食係数の指標では、昨今の更なる微細回路化ニーズに対応できなくなってきたことに着目し、回路加工性の新たな評価方法を見出した。更に、本発明者らは、見出した知見をもとに本発明を完成した。
すなわち、本発明は、絶縁樹脂層及び導体層が積層する金属張積層体の導体層をエッチング液によってエッチングして回路形成するフレキシブルプリント配線板の製造方法において、導体層が、二次イオン質量分析(SIMS)で成分測定した場合、銅ピーク強度50.0に対して炭素ピーク強度が4.0以下で、結晶粒子径の平均値が2.0〜5.0μmの銅箔である金属張積層体を用意する第一の工程と、エッチング液によって導体層をエッチングして回路形成する第二の工程とを備え、且つ第二の工程はサイドエッチングによるアンダーカット量(S)と、プリント基板に垂直な方向のエッチング深さ(D)との比(D/S)である腐食係数(Ef)の1分間当りの変化量が2.0以上となる条件でなされることを特徴とするフレキシブルプリント配線板の製造方法である。
ここで、第二の工程は腐食係数(Ef)の1分間当りの変化量が2.0〜4.0となる条件でなされることが好ましい。また、第一の工程と第二の工程の間に、導体層を化学研摩して、導体層の厚み10〜90%を除去して薄肉化する工程を備えてもよい。更に、エッチング液によって導体層をエッチングして回路形成する第二の工程において、導体層が絶縁樹脂層と接する面に表面処理層を含有する場合は、導体層をエッチングする工程aの他に該表面処理層をエッチング除去する工程bを備えることがよい。第二の工程又は工程aにおけるエッチング液は、塩化第二鉄を15〜20wt%、塩化第二銅を5〜15wt%及び塩酸を0.1〜0.9wt%の濃度で含有する水溶液であることが好ましい。また、化学研摩は、過酸化水素を0.5〜10重量%及び硫酸を0.5〜15%重量の濃度で含有する化学研摩液でなされることが好ましい。更に、表面処理層を除去する工程bにおけるエッチング液は、過酸化水素を0.5〜10重量%及び硫酸を0.5〜15%重量の濃度で含有する水溶液であることが好ましい。
本発明のフレキシブルプリント配線板の製造方法は、回路幅が15〜40μmピッチのフレキシブルプリント配線板の回路形成に有利に適用される。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明は、金属張積層体の導体層をエッチング液によってエッチングして回路形成してフレキシブルプリント配線板を製造する方法に関する。エッチングには大別して、化学的に対象金属を溶解する化学的エッチングと対象金属を陽極として電気化学的に金属を溶解する電解腐食法の2つの方法があるが、本発明にかかるフレキシブルプリント配線板の回路形成は、前者の化学的エッチングにより行われる。
化学的エッチングにより回路形成するためには、通常予め金属張積層体の導体層に所望の回路パターンとされたエッチングレジストを設けてエッチングする。例えばサブトラクティブ法によってフレキシブルプリント配線板の製造を行う場合を例にとって説明すると、回路パターンの形成は次の工程で行うことができる。
1)金属張積層体の導体層上に、回路部のみがマスキングされ非回路部の導体層が露出するように所望の回路パターンを有するレジスト層を設ける。
2)露出している導体層を化学的エッチング処理により除去する。
3)最後にレジスト層を除去する。
本発明では、このエッチングを特定の指標によって評価し、制御する。すなわち、サイドエッチングによるアンダーカット量(S)と、プリント配線板に垂直な方向のエッチング深さ(D)との比(D/S)である腐食係数(Ef)の単位時間当りの変化量を指標とする。そして、本発明では、腐食係数(Ef)の1分間当りの変化量(ΔEf)が2.0以上、好ましくは2.0〜4.0となるように制御する。腐食係数(Ef)は、比D/Sであるので、D/Sで表すことがある。
腐食係数(Ef)及び腐食係数の1分間当りの変化量(ΔEf)について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明及び図面中、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
まず、腐食係数について図1を用いて説明する。図1はエッチング工程を模式的に示す断面図である。図1(a)に示すように金属張積層体は絶縁樹脂層1と導体層2が積層されて形成されている。これに回路加工してフレキシブルプリント配線板とするには、導体層2上にエッチングレジスト層3を設ける。エッチングレジスト層3は、光マスクを介して光を照射されることにより所定パターンに硬化される。硬化しない部分を除去して、開口部4を設け、非回路部の導体層を露出させる。次に、この積層体をエッチング処理に付す。エッチング処理では、レジストで保護されていない開口部4の導体層がエッチングされる。図1(b)に示すようにエッチングは、導体層の最下部に達した状態で終了するが、その際、深さ方向だけではなく、面方向へのエッチングも起こる。深さ方向へのエッチング長さD(mm)とアンダーカットの幅S(mm)の比、すなわちD/Sは、その値が大きいほど回路幅が一定な回路が得られるため好ましい。なお、導体層の最下部における面方向におけるエッチング幅L(mm)は、開口部4の幅とほぼ等しいことが望ましい。また、回路の微細化は、導体層の最上部における面方向におけるエッチング幅K(mm)を小さくすることがよい。
続いて、腐食係数の1分間当りの変化量(ΔEf)の算出方法について、図2を用いて説明する。図2はエッチング処理工程における経時変化に伴う断面図を模式的に示すものである。図2Aはエッチング開始時点Aを、図2Bは終了時点Bを、図2Cは終了時点より更にエッチングを進行させた時点Cにおける断面を示す。また、別の観点から、時点Cは導体層2の厚みがD'となった場合の仮想の終了時点C'と等しいと定義する。このとき、D/S2=D'/S3である。エッチング開始時点Aから終了時点Bまでに要した時間をT1(分)、エッチング開始時点Aから時点Cまでに要した時間をT2(分)とする。ここで、T2は任意でもよいが、T2とT1との差は1分以内とし、好ましくはT1<T2<2.0T1、より好ましくはT1<T2≦1.5T1となる条件であることがよい。このような条件で、後述する腐食係数の1分間当りの変化量を算出することが好ましい。また、時点Bにおけるアンダーカットの幅S1(mm)及び時点Cにおけるアンダーカットの幅S2(mm)はそれぞれ、S1=(K1−L1)/2、S2=(K2−L2)/2で表される。一方、導体層の厚みD(mm)とすると、各々の腐食係数(Ef)は、D/S1及びD/S2である。従って、1分間当りにおける腐食係数の変化量(ΔEf)は、下式(1)により、算出することができる。
ΔEf=(D/S2−D/S1)/(T2−T1) (1)
また、時点Cにおいては、時点Bに比べると(Ef)は大きくなるが、一方、導体層の最上部における面方向へのエッチング幅Kも大きくなる(K1<K2)。更に、Kが大きくなる程、導体層の上部が細くなるという状態、いわゆる『導体部の先細り』の状態になり、好ましくない。特に微細な回路形成においては、K1を所望の回路幅に合わせて制御することが重要になるので、仮にK1に制御する回路加工では、導体層の厚みの最大値はDが好ましい。
図2C'において、上式(1)及びD/S2=D'/S3の関係式から、
ΔEf=(D'/S3−D/S1)/(T2−T1) (2)
となるので、上式(1)で算出したΔEf値を上式(2)に代入してD'を算出する。このようにして算出したD'と等しい導体層2を有する金属張積層体を用意し、実際にエッチングした場合の終了時点を模式的に示す断面図を図3に示す。ここで、本発明の指標を用いて制御された導体層2の好ましい断面図の態様を示す状態を図3Xに示し、本発明の指標で
Δ(D/S)<2.0となる導体層の断面図の態様を示す状態を図3Yに示す。図3Xにおける
腐食係数(D'/S3)と、図3Yにおける腐食係数(D/S4)との関係は(D'/S3)>(D/S4)となるものの、K4>K3となり、導体層の上部が細くなるという状態になり、好ましくない。図2Bにおいて、厚みDが小さく、本発明の指標でΔEf<2.0となる導体層では、腐
食係数がほぼD/S1と等しい状態が存在し得るものとしても、厚みが十分に大きい状態、例えば厚みD'になると、(D'/S3)>(D'/S4)>(D/S1)という関係が成立し、導体層の最上部における面方向へのエッチング幅K4はK4>K3となるので、本発明の指標を満足しない導体層では、所望の回路幅に制御することが更に困難となる。
このように、本発明による指標(ΔEf)は、時間依存性の影響を考慮したものであるから、導体層の厚みが5μm以上である場合に効果的である。また一般的に、エッチング液によってエッチングされる導体層の厚みが小さくなる程、エッチングによるアンダーカット量を小さく抑えることが可能となることは公知であるので、導体層の厚みが5μm未満である場合においても、本発明の製造方法によると、更なる回路の微細化が可能となる。好ましい導体層の厚みの範囲は5〜15μmがよく、より好ましくは5〜12μmがよく、更に好ましくは5〜10μmがよい。
また、導体層の厚みとエッチング液によって回路形成される回路幅には相関性があるので、フレキシブルプリント配線板の回路幅が40μmピッチ以下である場合は、導体層の厚みの範囲は5〜15μmが好ましく、当該回路幅が30μmピッチ以下である場合は、導体層の厚みの範囲は5〜12μmが好ましく、当該回路幅が20μmピッチ以下である場合は、導体層の厚みの範囲は5〜10μmが好ましい。
金属張積層体の導体層の厚さが15μmを超える場合は、絶縁樹脂層と接していない導体面を、化学研摩液で研摩することによって、導体層の一部を除去して導体層の厚さを薄くして所望の厚みとすることもできる。この場合、研摩前の導体層の厚さは5〜35μmの範囲内、好ましくは9〜25μmの範囲内、更に好ましくは12〜18μmの範囲内である。導体層の厚みが35μmより大きくなると、化学研摩による薄肉化に時間がかかる。また化学研摩液としては、過酸化水素を0.5〜10重量%及び硫酸を0.5〜15%重量の濃度で含有する化学研摩液が好ましい。導体層の除去は、導体層の厚みの10〜90%、好ましくは20〜75%、更に好ましくは40〜70%を除去することがよい。このようにして、導体層の厚みを上記範囲とすることができる。化学研摩後おける化学研摩面の導体層の表面粗度(Rz)は十点平均粗さ1.5μm以下とすることがよい。導体層の表面粗度が1.5μmよりも大きくなると、微細な回路形成が困難となる。この薄肉化をしたのち、第二の工程に付すことがよい。
本発明の製造方法は、回路幅が15〜40μmピッチのフレキシブルプリント配線板の回路形成に適用されることが好ましい。好ましくは20〜40μmピッチ、更に好ましくは25〜40μmピッチの回路形成に適用されることがよい。また、フレキシブルプリント配線板の回路幅が40μmピッチ以下である場合は、回路の直線性が特に要求される。回路の直線性は、回路の上辺幅のばらつきを絶対偏差の平均値によって求められる。例えば、回路の上辺幅を30μmピッチごとに10点測定した点のばらつきを、絶対偏差の平均値で表した場合、0.3以下であることが良い。回路の直線性が悪い(この場合、0.3を超える)と、マイグレーション等の現象が起こり易い。
本発明の製造方法において上記指標を満足する手段としては、金属張積層体を選沢すること又はエッチング液を選沢したり、エッチング条件を制御することなどがある。有利には、金属張積層体を選沢すること及びエッチング液を選沢することである。
このために金属張積層体として、導体層が、二次イオン質量分析(SIMS)で成分測定した場合、銅ピーク強度50.0に対して、炭素ピーク強度が4.0以下であり、結晶粒子径の平均値が2.0〜5.0μmの銅箔であって、該銅箔を導体層とする金属張積層体を選択する。また、エッチング液として、塩化第二鉄を15〜20wt%、塩化第二銅を5〜15wt%及び塩酸を0.1〜0.9wt%の濃度で含有する水溶液を選択することが好ましい。そして、この金属張積層体とエッチング液を選沢し、このエッチング液によってこの金属張積層体の導体層をエッチングして回路形成することが好ましい。なお、本発明において定義する銅箔の平均結晶粒径は、銅箔表面に物理研磨を施した後、更に酸性の腐食液を用いてエッチングし、これを超深度形状測定顕微鏡により2,000倍の倍率で観察し、切断法によるASTM粒度測定(ASTM E112)に準拠して測定される値をいう。また、二次イオン質量分析(SIMS)による成分測定は後記する条件による。
上記金属張積層体を用意する工程を第一の工程、エッチング液を用意してエッチングする工程を第二の工程という。第一の工程を経た後に、第二の工程に移るが、この工程間にエッチングレジスト形成する工程等の1以上の他の工程が存在し得る。また、必要により第一の工程又は第二の工程の前後にも1以上の他の工程が存在し得る。
第一の工程で用意する金属張積層体は、その導体層が銅ピーク強度50.0に対して、炭素ピーク強度が4.0以下で、結晶粒子径の平均値が2.0〜5.0μmの銅箔である導体層を有する金属張積層体である。かかる金属張積層体であれば、上記指標を満足することが容易となり、微細回路を形成することが容易となる。銅箔のエッチング特性を制御する手段として、銅箔が含有する炭素成分と結晶粒径の2つの因子を制御することが挙げられる。銅箔の結晶粒径が2.0μm未満である場合、炭素成分の影響に比して銅箔の結晶粒径の影響が大きくなる。一方、結晶粒径が2.0μmを超える場合、炭素成分の影響を受け易くなり、炭素ピーク強度が4.0以下、好ましくは2.0以下、より好ましくは0.1〜1.0となる銅箔がよい。結晶粒径が5.0μmを超える場合は、形成した回路の直線性が悪くなるので、耐マイグレーション性が低下する。また、このような銅箔は、電解銅箔、圧延銅箔の制限は受けないが、結晶粒径を制御しやすい電解銅箔が好ましい。更に、銅箔の結晶粒径が所望の粒径とするには不十分である場合は、必要な熱処理を付加することができる。更に、このような銅箔は、市販品から選択することが可能であり、例えば、日本電解株式会社製HL箔や古河サーキットフォイル株式会社WS箔が挙げられる。
第二の工程で用意するエッチング液は、塩化第二鉄を15〜20wt%、塩化第二銅を5〜15wt%及び塩酸を0.1〜0.9wt%の濃度で含有する水溶液であることがよい。このエッチング液は、液寿命が長く品質も安定であり、エッチング速度の制御も容易で、エッチング後の水洗も簡便にできる。塩化第二鉄は、銅箔を厚み方向(垂直方向)へエッチングするために効果的な成分であり、15〜20wt%の範囲の濃度となることがよい。塩化第二鉄が15wt%未満であると、垂直方向における十分なエッチング速度を得ることができない。塩化第二鉄が20wt%を超えると、フレキシブルプリント配線板の横方向へのサイドエッチングの制御が困難となる。また、塩化第二銅は、フレキシブルプリント配線板の横方向へのエッチング抑制に効果的な成分であり、5〜15wt%の範囲の濃度となることがよい。塩化第二銅が5wt%未満であると、プリント配線板の横方向へのエッチング抑制が困難となる。塩化第二銅が15wt%を超えると、フレキシブルプリント配線板の垂直方向へのエッチング速度が低下する。また、塩酸は0.1〜0.9wt%の範囲の濃度となることがよい。
第二の工程でエッチングして回路形成する際には、常に新鮮なエッチング液の供給によって回路形成を行うことがよく、これによって前記指標(腐食係数の1分間当りの変化量2.0以上)を保持できる。エッチング液の供給方法は特に限定されないが、例えば、シャワー等によって連続的にかけ流しする方式が挙げられる。
本発明で使用される金属張積層体の導体層(前記銅箔)においては、回路上端の表面粗度(Rz)が1.5μmであることが好ましい。回路上端の表面粗度Rzが低い程、回路の微細化と直線性が良好になる。
第二の工程では、エッチング液によって非回路部の導体層をエッチングして回路形成するが、導体層が絶縁樹脂層と接する面に表面処理層を含有する場合には、エッチングを途中で停止し、非回路部の絶縁樹脂層に残る表面処理層を除去する工程を備えてもよい。この場合、表面処理層までの導体層をエッチングする工程を工程aといい、表面処理層をエッチング除去する工程を工程bという。この表面処理層を除去する工程bで用いられるエッチング液としては、上記化学研摩液が使用できる。例えば、過酸化水素を0.5〜10重量%及び硫酸を0.5〜15%重量の濃度で含有する化学研摩液が好ましい。
図面を参照しながら説明を加える。図4は、導体層2が絶縁樹脂層1と接する面に表面処理層5を含有する場合のエッチング処理工程の断面図を模式的に示すものである。図4A'はエッチング開始時点A'での断面を、図4B'はエッチング停止時点B'での断面を、図4Zは終了時点Zでの断面を示すとする。エッチングは、導体層の最下部に達した状態(K5=L5)で終了することが好ましいが、表面処理層5の存在によって、深さ方向へのエッチングが進行せず、非回路部の絶縁樹脂層に表面処理層5が残る場合がある。このような場合は、図4B'のような態様でエッチングを停止し、表面処理層5を除去する工程を加え、図4Zのような態様にすることが好ましい。
金属張積層体は、ポリイミド樹脂層を絶縁層とし、銅箔を導体層とする銅張積層体であることが好ましく、この導体層は、ポリイミド樹脂層の片面あるいは両面に設けられてもよい。
絶縁層がポリイミド樹脂層である場合、ポリイミド樹脂としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリイミドエステル、ポリエーテルイミド、ポリシロキサンイミド等の構造中にイミド基を有するポリマーからなる耐熱性樹脂がある。
ポリイミド樹脂は、公知のジアミンと酸無水物とを溶媒の存在下で反応して製造することができる。用いられるジアミンとしては、例えば、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、2'-メトキシ-4,4'-ジアミノベンズアニリド、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2'-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジヒドロキシ-4,4'-ジアミノビフェニル、4,4'-ジアミノベンズアニリド等が挙げられる。また、酸無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、4,4'-オキシジフタル酸無水物が挙げられる。ジアミン、酸無水物はそれぞれ、その1種のみを使用してもよく2種以上を併用して使用することもできる。
また、これらの反応は有機溶媒中で行わせることが好ましく、このような有機溶媒としては特に限定されないが、具体的には、ジメチルスルフォキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホルムアミド、フェノール、クレゾール、γ−ブチロラクトン等が挙げられ、これらは単独で、又は混合して用いることができる。また、このような有機溶剤の使用量としては特に制限されるものではないが、重合反応よって得られるポリアミック酸溶液の濃度が重量部において5〜30重量%程度になるような使用量に調整して用いることが好ましい。
また、このような溶媒を用いた反応において、用いるジアミノ化合物と酸二無水物との配合割合は、全ジアミノ化合物に対して酸二無水物のモル比が0.95から1.05の割合で使用することが好ましい。
ジアミノ化合物と酸二無水物との反応は、0℃から60℃の範囲の温度条件で1〜24時間反応させることが好ましい。このような温度条件が前記下限未満では、反応速度が遅くなって分子量の増加が進まない傾向にあり、他方、前記上限を超えるとイミド化が進行して反応溶液がゲル化し易くなる傾向にある。このような温度条件で反応させることで効率的にポリアミック酸の樹脂溶液を得ることができる。
銅張積層体を製造する方法は特に限定されないが、例えば、ポリアミック酸の樹脂溶液を銅箔上に塗布した後に熱処理(乾燥、硬化)を施して銅箔箔上にポリイミド樹脂層を形成せしめる方法がある。ポリアミック酸の樹脂溶液を銅箔上に塗布する方法としては特に制限されず、コンマ、ダイ、ナイフ、リップ等のコーターにて塗布することが可能である。
また、熱処理(乾燥、硬化)の方法も特に制限されず、例えば、80〜400℃の温度条件で1〜60分間加熱するといった熱処理が好適に採用される。このような熱処理を行うことで、ポリアミック酸の脱水閉環が進行するため、銅箔上にポリイミド樹脂層を形成させることができる。
ポリイミド樹脂層は、単層のみから形成されるものでも、複数層からなるものでもよい。ポリイミド樹脂層を複数層とする場合、異なる構成成分からなるポリイミド樹脂層の上に他のポリイミド樹脂を順次塗布して形成することができる。ポリイミド樹脂層が3層以上からなる場合、同一の構成のポリイミド樹脂を2回以上使用してもよい。
銅張積層体は、銅箔層を両面に有する両面銅張積層体とすることもできる。両面銅張積層体は、例えば2組の銅張積層板を準備し、樹脂側を向かい合わせ熱プレスにより圧着する方法によって製造することができる。この場合、その間にポリイミドフィルムを挟んで加熱圧着する方法が好ましい。
場合によっては、ポリイミド樹脂層の表面にさらに金属箔を張り合わせるが、その方法は特に制限されず、適宜公知の方法を採用することができる。このような金属箔を張り合わせる方法としては、通常のハイドロプレス、真空タイプのハイドロプレス、オートクレーブ加圧式真空プレス、連続式熱ラミネータ等を挙げることができる。このような導体層を張り合わせる方法の中でも、十分なプレス圧力が得られ、残存揮発分の除去も容易に行え、更に導体の酸化を防止することができるという観点から真空ハイドロプレス、連続式熱ラミネータを用いることが好ましい。また、このようにして導体層を張り合わせる際には、200〜400℃程度に加熱しながら金属箔をプレスすることが好ましい。また、プレス圧力については、使用するプレス機器の種類にもよるが、通常、100〜150kgf/cm2程度が適当である。
本発明によれば、微細回路幅の配線パターンを形成するのに優れると同時に耐マイグレーション性についても良好なフレキシブルプリント配線板の製造方法を提供できる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特に断りのない限り各種評価は下記によるものである。
<二次イオン質量分析(SIMS)による炭素成分の測定>
各実施例及び比較例で得られた銅張積層体を、CAMECA社製のIMS−4Fにより、銅箔の塗工面側に一次イオンとして、Cs+を14.5KeV、50nAの強さで、100μm2の領域に照射し、そこから放出される銅と炭素の二次イオン(負イオン)を60μmφの測定範囲内について、各1秒ずつ強度を計測した。
<銅箔の結晶粒径の測定>
各実施例及び比較例で得られた銅張積層体を、これらの銅箔表面に物理研磨を施した後、さらに酸性の腐食液を用いてエッチングし、これを(株)キーエンス社製の超深度形状測定顕微鏡VK8500により2000倍の倍率で観察し、切断法によるASTM粒度測定(ASTM E112)に準拠した方法を用いて、平均の結晶粒径を求めた。
<銅箔の表面粗度の測定>
超深度形状測定顕微鏡(KEYENCE製、VK−8500)を用いて、2000倍で銅箔面の長さ方向に140μm測定した。
<腐食係数の測定>
サンプルを冷間埋め込み樹脂に埋め込み、冷間埋め込み樹脂を完全に硬化させた後、サンプルを回路の横方向への断面を形成できるようにして、断面ピースを作製した。この断面の600倍の光学顕微鏡写真を撮影し、その写真から腐食係数を算出した。すなわち、図5はエッチングされたサンプルの導体層の断面を示す図であるが、導体層の配線パターンの上部をW1、下部をW2、導体層の高さをHとして腐食係数(Ef)を下記式(2)で求めた。
Ef=D/S=2H/(W2−W1) (2)
合成例1
反応容器に、N,N-ジメチルアセトアミドを入れる。この反応容器に4,4'-ジアミノ-2'-メトキシベンズアニリド(MABA)を容器中で撹拌しながら溶解させた。次に、無水ピロメリット酸(PMDA)及び4,4'-ジアミノジフェニルエーテル(DAPE)を加えた。モノマーの投入総量が15wt%で、各ジアミンのモル比率は、MABA:DAPE、60:40となるよう投入した。その後、3時間撹拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体樹脂液aを得た。
合成例2
反応容器に、N,N-ジメチルアセトアミドを入れる。この反応容器に2,2'ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)及び1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-Q)を容器中で撹拌しながら溶解させた。次に、BPDA及びPMDAを加えた。モノマーの投入総量が15wt%で、各ジアミンのモル比率は、BAPP:TPE-Q、80:20となるよう投入した。その後、3時間撹拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体樹脂液bを得た。
積層体の回路形成のためのエッチング液として、下記を用意した。
エッチング液A:塩化第二鉄20wt%、塩化第二銅0wt%、塩酸0.5wt%の水溶液
エッチング液B:塩化第二鉄20wt%、塩化第二銅10wt%、塩酸0.5wt%の水溶液
エッチング液C:塩化第二鉄0wt%、塩化第二銅20wt%、塩酸0.5wt%の水溶液
積層体の導体層の化学研摩に使用した化学研摩液は下記のものを用意した。
化学研摩液:過酸化水素/硫酸系化学研摩液(硫酸濃度20g/L、過酸化水素濃度80g/L)
実施例1
銅箔1(電解銅箔、厚み12μm)を準備した。この銅箔上に合成例1で調整したポリイミド前駆体樹脂溶液bを硬化後の厚みが約2μmとなるように均一に塗布したのち、130℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。次に、その上に積層するように合成例2で調整したポリイミド前駆体樹脂液aを硬化後の厚みが約20μmとなるように均一に塗布し、135℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。更にポリイミド前駆体層上に先ほどのポリイミド前駆体樹脂液bを硬化後の厚みが約3μmとなるように均一に塗布し、130℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。
この積層体を、その後130℃から380℃まで10分かけて段階的に昇温された熱処理工程を経由させ、ポリイミド樹脂層厚み25μmの銅張積層体aを得た。この際、最高加熱温度380℃において、6分間の加熱を行った。なお、この熱処理後の銅張積層体aの銅箔は、SIMSによる測定によって、銅のピーク強度50.0に対して、炭素のピーク強度は0.29であった。また熱処理後の銅箔の平均結晶粒径は、4.0μmであった。この銅張積層体aにおいて、ポリイミド樹脂層と接していない銅箔の表面粗度Rzは1.3μmであった。この銅張積層体aの導体層上にドライフィルムレジストをラミネートした後、フォトマスクを介して紫外線露光し、現像して50μmピッチ{配線幅/配線間隔(L/S)=20/30}のレジストパターンを形成した。
次に、液温40℃のエッチング液Bを用いて60秒間エッチングを行い、このときの断面ピースの腐食係数を測定した後、更に同条件にてエッチングを30秒間追加した後の断面ピースの腐食係数を測定した。測定値より算出した腐食係数の1分間当りの変化量は3.3であり、回路の直線性は0.27であった。
実施例2
銅箔1の代わりに銅箔2(電解銅箔、厚み12μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、銅張積層体bを得た。なお、熱処理後の銅張積層体bの銅箔は、銅のピーク強度50.0に対して、炭素のピーク強度は0.58であり、平均結晶粒径は、3.0μmであった。また、ポリイミド樹脂層と接していない銅箔の表面粗度Rzは1.3μmであった。この銅張積層体bを、実施例1と同様にして、50μmピッチ{配線幅/配線間隔(L/S)=20/30}のレジストパターンを形成した後、液温40℃のエッチング液Bを用いて60秒間エッチングを行い、このときの断面ピースの腐食係数を測定した後、更に同条件にてエッチングを30秒間追加した後の断面ピースの腐食係数を測定した。測定値より算出した腐食係数の1分間当りの変化量は2.6であり、回路の直線性は0.25であった。
実施例3
銅箔1(電解銅箔、厚み12μm)を準備した。実施例1と同様にして銅張積層体aを得た。この銅張積層体aの銅箔層を化学研摩液で化学研摩して、銅箔層の厚みが8.0μmになるようにして、銅張積層体a'を得た。このようにして得られた銅張積層体a'の化学研摩面側の表面粗度Rzは1.3μmであった。この銅張積層体a'を、実施例1と同様にして、50μmピッチ{配線幅/配線間隔(L/S)=20/30}のレジストパターンを形成した後、液温40℃のエッチング液Bを用いて40秒間エッチングを行い、このときの断面ピースの腐食係数を測定した後、更に同条件にてエッチングを20秒間追加した後の断面ピースの腐食係数を測定した。測定値より算出した腐食係数の1分間当りの変化量は3.3であり、回路の直線性は0.27であった。
実施例4
銅箔2(電解銅箔、厚み12μm)を準備した。実施例1と同様にして銅張積層体bを得た。この銅張積層体bの銅箔層を化学研摩液で化学研摩して、銅箔層の厚みが8.0μmになるようにして、銅張積層体b'を得た。このようにして得られた銅張積層体a'の化学研摩面側の表面粗度Rzは1.3μmであった。この銅張積層体a'を、実施例1と同様にして、50μmピッチ{配線幅/配線間隔(L/S)=20/30}のレジストパターンを形成した後、液温40℃のエッチング液Bを用いて40秒間エッチングを行い、このときの断面ピースの腐食係数を測定した後、更に同条件にてエッチングを20秒間追加した後の断面ピースの腐食係数を測定した。測定値より算出した腐食係数の1分間当りの変化量は2.6であり、回路の直線性は0.25であった。
実施例5
銅箔1(電解銅箔、厚み12μm)を準備した。実施例1と同様にして銅張積層体aを得た。この銅張積層体aを、実施例1と同様にして50μmピッチ{配線幅/配線間隔(L/S)=20/30}のレジストパターンを形成した後、液温40℃のエッチング液Bを用いて60秒間エッチングを行い、水洗した後、そのエッチング面を更に続く化学研摩液によるエッチング処理を10秒間行った。回路の直線性は0.27であった。
実施例6
銅箔1(電解銅箔、厚み12μm)を準備した。実施例3と同様にして銅張積層体a'を得た。この銅張積層体a'を、実施例1と同様にして50μmピッチ{配線幅/配線間隔(L/S)=20/30}のレジストパターンを形成した後、液温40℃のエッチング液Bを用いて60秒間エッチングを行い、水洗した後、そのエッチング面を更に続く化学研摩液によるエッチング処理を10秒間行った。回路の直線性は0.27であった。
比較例1
銅箔1の代わりに銅箔3(電解銅箔、厚み12μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、銅張積層体を得た。なお、熱処理後の銅張積層体の銅箔は、銅のピーク強度50.0に対して、炭素のピーク強度は8.3であり、平均結晶粒径は、1.3μmであった。また、ポリイミド樹脂層と接していない銅箔の表面粗度Rzは1.8μmであった。この銅張積層体を、実施例1と同様にして、50μmピッチ{配線幅/配線間隔(L/S)=20/30}のレジストパターンを形成した後、液温40℃のエッチング液Bを用いて60秒間エッチングを行い、このときの断面ピースの腐食係数を測定した後、更に同条件にてエッチングを30秒間追加した後の断面ピースの腐食係数を測定した。測定値より算出した腐食係数の1分間当りの変化量は1.5であり、回路の直線性は0.20であった。
比較例2
銅箔1の代わりに銅箔4(電解銅箔、厚み12μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、銅張積層体を得た。なお、熱処理後の銅張積層体の銅箔は、銅のピーク強度50.0に対して、炭素のピーク強度は4.3であり、平均結晶粒径は、3.0μmであった。また、ポリイミド樹脂層と接していない銅箔の表面粗度Rzは1.0μmであった。この銅張積層体を、実施例1と同様にして、50μmピッチ{配線幅/配線間隔(L/S)=20/30}のレジストパターンを形成した後、液温40℃のエッチング液Bを用いて60秒間エッチングを行い、このときの断面ピースの腐食係数を測定した後、更に同条件にてエッチングを30秒間追加した後の断面ピースの腐食係数を測定した。測定値より算出した腐食係数の1分間当りの変化量は1.8であり、回路の直線性は0.30であった。
比較例3
銅箔1の代わりに銅箔5(圧延銅箔、厚み12μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、銅張積層体を得た。なお、熱処理後の銅張積層体の銅箔は、銅のピーク強度50.0に対して、炭素のピーク強度は0.13であり、平均結晶粒径は、7.7μmであった。また、ポリイミド樹脂層と接していない銅箔の表面粗度Rzは1.2μmであった。この銅張積層体を、実施例1と同様にして、50μmピッチ{配線幅/配線間隔(L/S)=20/30}のレジストパターンを形成した後、液温40℃のエッチング液Bを用いて60秒間エッチングを行い、このときの断面ピースの腐食係数を測定した後、更に同条件にてエッチングを30秒間追加した後の断面ピースの腐食係数を測定した。測定値より算出した腐食係数の1分間当りの変化量は0.6であり、回路の直線性は0.61であった。
比較例4
銅箔1の代わりに銅箔6(圧延銅箔、厚み12μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、銅張積層体を得た。なお、熱処理後の銅張積層体の銅箔は、銅のピーク強度50.0に対して、炭素のピーク強度は0.25であり、平均結晶粒径は、12.0μmであった。また、ポリイミド樹脂層と接していない銅箔の表面粗度Rzは1.4μmであった。この銅張積層体を、実施例1と同様にして、50μmピッチ{配線幅/配線間隔(L/S)=20/30}のレジストパターンを形成した後、液温40℃のエッチング液Bを用いて60秒間エッチングを行い、このときの断面ピースの腐食係数を測定した後、更に同条件にてエッチングを30秒間追加した後の断面ピースの腐食係数を測定した。測定値より算出した腐食係数の1分間当りの変化量は−0.8であり、回路の直線性は0.45であった。
比較例5
エッチング液Bの代わりにエッチング液Aを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例1で得た銅張積層体をエッチングAにより回路加工を行ったが、横方法へのエッチング速度が速く、回路形成が困難であった。
比較例6
エッチング液Bの代わりにエッチング液Cを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例1で得た銅張積層体をエッチングCにより回路加工を行ったが、垂直方向への十分なエッチング速度が得られず、回路の直線性は0.41であった。
以上の結果をまとめて表1に示す。なお、表1の判定は、銅箔厚み12μmにおける回路加工性(回路幅が30μmピッチ)を判断基準とした。
Figure 2007294873
エッチング工程を模式的に示す断面図 エッチング工程の経時に伴う断面の変化を模式的に示す断面図 腐食係数の変化量を説明するための図 表面処理層を有する場合のエッチング工程を模式的に示す断面図 腐食係数を算出するための模式図
符号の説明
1 絶縁樹脂層
2 導体層
3 エッチングレジスト層
4 開口部
D 導体層の厚さ
S アンダーカットの幅

Claims (9)

  1. 絶縁樹脂層及び導体層が積層する金属張積層体の導体層をエッチング液によってエッチングして回路形成するフレキシブルプリント配線板の製造方法において、導体層が、二次イオン質量分析(SIMS)で成分測定した場合、銅ピーク強度50.0に対して炭素ピーク強度が4.0以下で、結晶粒子径の平均値が2.0〜5.0μmの銅箔である金属張積層体を用意する第一の工程と、エッチング液によって導体層をエッチングして回路形成する第二の工程とを備え、且つ第二の工程はサイドエッチングによるアンダーカット量(S)と、プリント基板に垂直な方向のエッチング深さ(D)との比(D/S)である腐食係数(Ef)の1分間当りの変化量が2.0以上となる条件でなされることを特徴とするフレキシブルプリント配線板の製造方法。
  2. 導体層の回路形成が、腐食係数(Ef)の1分間当りの変化量が2.0〜4.0となる条件でなされる請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。
  3. 第一の工程と第二の工程の間に、導体層を化学研摩して、導体層の厚み10〜90%を除去して薄肉化する工程を備えたことを特徴とする請求項1記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。
  4. 第二の工程におけるエッチング液は、塩化第二鉄を15〜20wt%、塩化第二銅を5〜15wt%及び塩酸を0.1〜0.9wt%の濃度で含有する水溶液であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。
  5. 化学研摩は、過酸化水素を0.5〜10重量%及び硫酸を0.5〜15%重量の濃度で含有する化学研摩液でなされることを特徴とする請求項3記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。
  6. 絶縁樹脂層と接する導体層表面に表面処理層を有する請求項1〜5のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。
  7. エッチング液によって導体層をエッチングして回路形成する第二の工程が、導体層厚みの大部分をエッチングする工程aと、表面処理層を有する導体層の表面処理層をエッチング除去する工程bを備えることを特徴とする請求項6記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。
  8. 工程aにおけるエッチング液は、塩化第二鉄を15〜20wt%、塩化第二銅を5〜15wt%及び塩酸を0.1〜0.9wt%の濃度で含有する水溶液であり、工程bにおけるエッチング液は、過酸化水素を0.5〜10重量%及び硫酸を0.5〜15%重量の濃度で含有する水溶液であることを特徴とする請求項7記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。
  9. 回路幅が15〜40μmピッチのフレキシブルプリント配線板の回路形成に適用されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。
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