JP4790582B2 - 高屈曲性フレキシブル銅張積層板の製造方法 - Google Patents
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本発明の銅張積層板は、銅箔とポリイミド樹脂層とから構成される。
なお、ポリイミド樹脂層が2層以上使用される場合は、銅箔層に接しないポリイミド樹脂層を低熱膨張性ポリイミド樹脂層とすることがよい。また、熱膨張係数は、サーモメカニカルアナライザーを用いて測定される100℃から250℃の平均線熱膨張係数の値を指し、また、ガラス転移温度は、動的粘弾性測定装置によって測定される損失弾性率のピーク値を指す。
銅張積層板に直径3mmの貫通孔を開け、銅箔に歪を導入しないように充分注意して、観察面でない銅箔表面を電解研磨法による研磨を施した後、ガタン社製のイオンミリング装置(PIPS)を用いてポリイミド樹脂層を除去して、転位密度測定用のサンプルを作製した。転位密度の観察は、試料の貫通孔の周囲を加速電圧200kVで電界放射型透過電子顕微鏡(HF−2000、日立製作所製)を使用して行った。なお、電解研磨法は、電解液;燐酸15:エタノール10:蒸留水100、電解温度;14℃、電解条件;30V rate 5の条件を採用し、晶帯軸<110>で観察した。
銅箔表面に物理研磨を施した後、さらに酸性の腐食液を用いてエッチングし、これを(株)キーエンス社製の超深度形状測定顕微鏡VK8500により2000倍の倍率で観察し、切断法によるASTM粒度測定(ASTM E112)に準拠した方法を用いて、平均の結晶粒径を求めた。
粘弾性アナライザー(レオメトリックサイエンスエフィー株式会社製RSA−II)を用いて、合成例から得られたポリイミドフィルムを10mm幅のサンプルを用いて、1Hzの振動を与えながら、室温から400℃まで10℃/分の速度で昇温した際の、損失正接(Tanδ)の極大から求めた。
サーモメカニカルアナライザー(セイコーインスツルメンツ社製)を用い、合成例で得られたポリイミドフィルムを250℃まで昇温し、更にその温度で10分保持した後、5℃/分の速度で冷却し、240℃から100℃までの平均の熱線膨張係数を求めた。
反応容器に、N,N-ジメチルアセトアミドを入れる。この反応容器に4,4'-ジアミノ-2'-メトキシベンズアニリド(MABA)を容器中で撹拌しながら溶解させた。次に、無水ピロメリット酸(PMDA)及び4,4'-ジアミノジフェニルエーテル(DAPE)を加えた。モノマーの投入総量が15wt%で、各ジアミンのモル比率は、MABA:DAPE、60:40となるよう投入した。その後、3時間撹拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体樹脂液aを得た。また、本合成例によって得られたポリイミド前駆体樹脂液aを、ポリイミド樹脂フィルムとし、その熱線膨張係数を測定したところ、15ppm/Kであった。
反応容器に、N,N-ジメチルアセトアミドを入れる。この反応容器に2,2'ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)及び1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-Q)を容器中で撹拌しながら溶解させた。次に、BPDA及びPMDAを加えた。モノマーの投入総量が15wt%で、各ジアミンのモル比率は、BAPP:TPE-Q、80:20となるよう投入した。その後、3時間撹拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体樹脂液bを得た。また、本合成例によって得られたポリイミド前駆体樹脂液bをイミド化してガラス転移温度を測定したところ、319℃であった。
銅箔1(電解銅箔、厚み12μm、熱処理前平均結晶粒径1.1μm)を準備した。この銅箔上に合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂液bを硬化後の厚みが約2μmとなるように均一に塗布したのち、130℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。次に、その上に積層するように合成例1で調整したポリイミド前駆体樹脂aを硬化後の厚みが約35μmとなるように均一に塗布し、135℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。さらにこのポリイミド前駆体樹脂層上にポリイミド前駆体樹脂液bを硬化後の厚みが約3μmとなるように均一に塗布し、130℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。これを、130℃から380℃まで10分かけて段階的に昇温された熱処理工程を経由させ、ポリイミド樹脂層の厚み40μmの銅張積層板Aを得た。この際、最高加熱温度は380℃であり、この温度で6分の熱処理を行った。300℃から380℃の温度範囲における合計の保持時間は、約10分である。なお、得られた銅張積層板Aの転位密度は、0.6×1010cm-2であり、平均結晶粒径は、3.0μmであった。
銅箔2(電解銅箔、厚み12μm、熱処理前平均結晶粒径1.0μm)を準備した。この銅箔を用いて、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂層の厚み40μmの銅張積層板Bを得た。なお、得られた銅張積層板Bの転位密度は、0.3×1010cm-2であり、平均結晶粒径は、4.0μmであった。
基板上に、合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂液bを硬化後の厚みが約2μmとなるように均一に塗布したのち、130℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。次に、その上に積層するように合成例1で調整したポリイミド前駆体樹脂aを硬化後の厚みが約35μmとなるように均一に塗布し、135℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、このポリイミド前駆体樹脂層上にポリイミド前駆体樹脂液bを硬化後の厚みが約3μmとなるように均一に塗布し、130℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。引き続き、130℃から380℃まで10分かけて段階的に昇温された熱処理工程を経由させ、基板上に厚み40μmのポリイミド樹脂フィルムを得た。
ポリイミド樹脂フィルムを基板上より剥離し、得られたポリイミド樹脂フィルムの剥離面と銅箔3(電解銅箔、厚み12μm、熱処理前平均結晶粒径1.0μm)を重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧150kg/cm2、温度360℃、プレス時間30分で加熱圧着して、銅張積層板Cを得た。なお、得られた銅張積層板Cの転位密度は、0.3×1010cm-2であり、平均結晶粒径は、4.0μmであった。
銅箔4(三井金属株式会社製VLP箔、厚み12μm、熱処理前平均結晶粒径1.2μm)を準備した。この銅箔を用いて、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂層の厚み40μmの銅張積層板を得た。なお、得られた銅張積層板の銅箔の転位密度は、9×1010cm-2であり、銅箔の平均結晶粒径は、1.3μmであった。
銅箔2(電解銅箔、厚み12μm、熱処理前平均結晶粒径1.0μm)を準備した。この銅箔を用いて、実施例1と同様にして、積層体を得た。この積層体を、その後130℃から250℃まで10分かけて段階的に昇温された熱処理工程を経由させ、ポリイミド樹脂層の厚み40μmの銅張積層板Dを得た。この際、最高加熱温度は250℃であり、この温度で6分の熱処理を行った。なお、得られた銅張積層板Dの銅箔の転位密度は、4×1010cm-2であり、銅箔の平均結晶粒径は、2.5μmであった。
Claims (4)
- 銅箔表面にポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布し、続く熱処理で乾燥及び硬化を行って銅箔とポリイミド樹脂層からなる銅張積層板の製造方法において、銅箔として、熱処理前での平均結晶粒径が2μm以下の電解銅箔を使用し、前記熱処理において、300〜450℃の温度範囲で3〜40分間保持することにより銅箔の転位密度を1×108cm-2〜1×1010cm-2の範囲内に制御すると共に、熱処理後における銅箔の平均結晶粒径を2μm〜7μmの範囲内にすることを特徴とする高屈曲性フレキシブル銅張積層板の製造方法。
- 使用する銅箔の厚さが9〜18μmであり、ポリイミド樹脂層の総厚みが20〜40μmの範囲にある請求項1記載の高屈曲性フレキシブル銅張積層板の製造方法。
- 銅箔表面にポリイミド前駆体樹脂又はポリイミド樹脂のフィルムを重ね合わせ、加圧下で熱圧着を行って銅箔とポリイミド樹脂層からなる銅張積層板の製造方法において、銅箔として、熱圧着前での平均結晶粒径が2μm以下の電解銅箔を使用し、前記熱圧着において、300〜450℃の温度範囲で3〜40分間保持するにより銅箔の転位密度を1×108cm-2〜1×1010cm-2の範囲内に制御すると共に、熱圧着後における銅箔の平均結晶粒径を2μm〜7μmの範囲内にすることを特徴とする高屈曲性フレキシブル銅張積層板の製造方法。
- 使用する銅箔の厚さが9〜18μmであり、ポリイミド樹脂層の総厚みが20〜40μmの範囲にある請求項3記載の高屈曲性フレキシブル銅張積層板の製造方法。
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