JP2020104390A - 金属張積層板、その製造方法及び回路基板 - Google Patents
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Abstract
Description
第1の特性として、金属層に優れた平坦性が求められる。金属層の平坦性が悪い場合には、エッチング精度の確保が困難となるためである。
また、第2の特性として、絶縁樹脂層に高い寸法安定性が求められる。絶縁樹脂層の寸法安定性が低い場合には、回路基板における配線の寸法精度が損なわれるだけでなく、金属張積層板の段階で反りが発生することによって、微細配線の加工精度も低下させてしまうからである。
そのため、これまでは、金属層のエッチング精度の確保のために、例えば金属層の表面粗度を制御する試みがなされ、また、絶縁樹脂層の寸法安定性の改善については、例えば熱膨張係数(CTE)を制御することが行われてきた。しかしながら、ピッチ幅が20μm以下の微細配線加工においては、金属層、絶縁樹脂層のそれぞれに対する個別のアプローチではなく、金属層の特性と絶縁樹脂層の特性との相互の関連性を考慮しながら、絶縁樹脂層の熱膨張係数(CTE)以外の要素として面内複屈折率を制御することが有効であるとの知見を得、本発明を完成した。
(i)前記絶縁樹脂層の熱膨張係数が10〜30ppm/Kの範囲内であること。
(ii)前記絶縁樹脂層の面内複屈折率の値が2×10−3以下の範囲内であり、幅方向の面内複屈折率のばらつきが4×10−4以下であること。
(iii)前記絶縁樹脂層と接する面の前記金属層の最大高さ粗さ(Rz)が0.3μm以下であること。
(iv)前記金属層は、前記絶縁樹脂層に隣接する第1金属層と、前記第1金属層に隣接する第2金属層と、を含むものであり、
前記第1金属層は、Ni、Zn、Co、Mo及びCrからなる群より選ばれた少なくとも1種を含み、
前記第2金属層は、Cuを主成分として含むものであること。
(v)前記金属層の厚みが0.5μm以上2μm以下の範囲内であり、
前記金属層における前記絶縁樹脂層側の面の最大高低差(Mmax)と、前記金属層における前記絶縁樹脂層側の面と反対側の面の最大高低差(Smax)との和(Mmax+Smax)の平均値によって算出される母材平滑性の指標であるMS値が0.3以下であること。
a)支持基材を有し、厚みが0.5μm以上2μm以下の金属箔を有する支持基材付き金属箔を準備する工程。
b)前記支持基材付き金属箔上にポリアミド酸の樹脂溶液を塗布し熱処理することによって、単層又は複数層のポリイミド層からなり、少なくとも1層の非熱可塑性ポリイミド層を有する絶縁樹脂層を積層することにより、支持基材付き金属張積層板を得る工程。
c)前記支持基材付き金属張積層板における前記支持基材を剥離する工程。
そして、本発明の金属張積層板の製造方法は、前記金属箔が下記の条件a1〜a4を満たすことを特徴とする。
a1)前記ポリアミド酸の樹脂溶液が塗布される塗布面の最大高さ粗さ(Rz)が0.3μm以下であること。
a2)Ni、Zn、Co、Mo及びCrからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む防錆金属層を有すること。
a3)厚みが0.5μm以上2μm以下の範囲内であること。
a4)前記塗布面の最大高低差(Mmax)と、前記塗布面と反対側の面の最大高低差(Smax)との和(Mmax+Smax)の平均値によって算出される母材平滑性の指標であるMS値が0.3以下であること。
本実施の形態の金属張積層板は、非熱可塑性ポリイミド層を含む単層又は複数層の絶縁樹脂層の少なくとも一方の面に金属層を備えている。本実施の形態の金属張積層板は、下記の条件(i)〜(v)を満たすものである。ここで、条件(i)、(ii)は絶縁樹脂層に関する特性であり、条件(iii)〜(v)は金属層に関する特性である。本実施の形態の金属張積層板は、条件(iii)〜(v)を満たす金属層に対して、条件(i)、(ii)を共に満たす絶縁樹脂層を適用することによって、温度の変化に対する寸法変化やピール強度の低下を低減させるとともに、例えばピッチ幅20μm以下の微細配線加工を可能にしている。
本実施の形態の金属張積層板は、例えば回路基板材料として適用する場合において、反りの発生や寸法安定性の低下を防止するために、絶縁樹脂層の熱膨張係数(CTE)が10ppm/K以上30ppm/K以下の範囲内であることが重要であり、好ましくは10ppm/K以上25ppm/K以下の範囲内がよい。CTEが10ppm/K未満であるか、又は30ppm/Kを超えると、反りが発生したり、寸法安定性が低下したりする。
また、本実施の形態の金属張積層板において、例えば銅箔などからなる金属層のCTEに対して絶縁樹脂層のCTEが、±5ppm/K以下の範囲内がより好ましく、±2ppm/K以下の範囲内が最も好ましい。
絶縁樹脂層の面内複屈折率(Δn)の値が2×10−3を超えると、面内配向の異方性が大きくなり寸法安定性悪化の原因となる。Δnの値の下限値は特に限定されないが、面内配向が等方的で寸法安定性が向上する一方で熱膨張係数が過度に低下し、金属層の熱膨張係数との不整合による反りを抑制する観点から、2×10−4以上とすることが好ましい。以上の観点から、絶縁樹脂層の面内複屈折率(Δn)の値は、好ましくは2×10−4以上8×10−4以下の範囲内、より好ましくは2×10−4以上6×10−4以下の範囲内である。
Rzが0.3μmを超えると、エッチング残渣が生じやすく、例えば20μm以下のピッチ幅の微細配線の形成が困難となる。ここで、Rzは基準長さにおいて輪郭曲線の山の高さの最大値(Rp)と谷深さの最大値(Rv)の和を表す。接触式表面粗さ測定機による測定では、Rzが0.3μm以下であることは、微細凹凸がほとんど存在せず、スムーズな表面であることを意味している。
第1金属層は、第2金属層の表面の防錆層であり、絶縁樹脂層へのCuの拡散を抑制する。第1金属層は、例えばCr酸化物、Cr酸化物とZn若しくはZn酸化物との混合物により形成される皮膜であることが好ましい。また、Niは絶縁樹脂層との接着性及びその長期信頼性又は耐薬品性に有効な金属種であるが、Cuに対して拡散しやすく、また、エッチング残渣となりやすい。Niの付着量を制御するために、Co又はMoを存在させることもできる。Co又はMoが存在すると、配線加工時における配線間の絶縁樹脂部分のエッチング残渣を抑制し、エッチングによる薬液に対する耐性低下の抑制、及び金属層と絶縁樹脂層間の接着強度及びその長期信頼性の低下を抑制できる。
金属層の厚みが2μmを超えると、エッチング残渣が生じやすくなる。また、金属層における母材平滑性の指標であるMS値が0.3を超えると、例えば20μm以下のピッチ幅の微細配線における配線率の制御が困難となる。なお、「母材」とは、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察において、金属層から表面粗さ成分を除去した部分を意味する。母材平滑性の指標であるMS値は、後記実施例に示す方法で求めることができる。
絶縁樹脂層は、非熱可塑性ポリイミド層を含むものであり、ポリイミドからなる層であることが好ましい。また、金属層との接着性を向上させるために、金属層に接するポリイミド層は熱可塑性ポリイミド層とすることが好ましい。ここで、非熱可塑性ポリイミドとは、一般に加熱しても軟化、接着性を示さないポリイミドのことであるが、本発明では、動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて測定した、30℃における貯蔵弾性率が1.0×109Pa以上であり、360℃における貯蔵弾性率が1.0×108Pa以上であるポリイミドをいう。また、熱可塑性ポリイミドとは、一般にガラス転移温度(Tg)が明確に確認できるポリイミドのことであるが、本発明では、DMAを用いて測定した、30℃における貯蔵弾性率が1.0×109Pa以上であり、360℃における貯蔵弾性率が1.0×108Pa未満であるポリイミドをいう。
本実施の形態において、非熱可塑性ポリイミド層を構成する非熱可塑性ポリイミドは、テトラカルボン酸残基及びジアミン残基を含み、これらはいずれも芳香族基を含むことが好ましい。非熱可塑性ポリイミドに含まれるテトラカルボン酸残基及びジアミン残基が、いずれも芳香族基を含むことで、非熱可塑性ポリイミドの秩序構造を形成しやすくし、絶縁樹脂層の高温環境下での面内複屈折率(Δn)の変化量を抑制して加熱前後の面内複屈折率(Δn)の値の差(Δnh−Δn)を小さくするとともに、面内複屈折率(Δn)のばらつきを抑制することができる。さらに、厚さ方向の複屈折率変化を抑制することができる。
なお、「独立に」とは、上記式(2)、(3)の内の一つにおいて、または両方において、複数の連結基X、連結基X1とX2、複数の置換基R5、R6、R7、R8、さらに、整数m、n、o、pが、同一でもよいし、異なっていてもよいことを意味する。
本実施の形態において、熱可塑性ポリイミド層を構成する熱可塑性ポリイミドは、テトラカルボン酸残基及びジアミン残基を含み、これらがいずれも芳香族基を含むことが好ましい。熱可塑性ポリイミドに含まれるテトラカルボン酸残基及びジアミン残基が、いずれも芳香族基を含むことによって、絶縁樹脂層の高温環境下での面内複屈折率(Δn)の変化量を抑制することができる。
一般にポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン化合物を溶媒中で反応させ、ポリアミド酸を生成したのち加熱閉環させることにより製造できる。例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物をほぼ等モルで有機溶媒中に溶解させて、0〜100℃の範囲内の温度で30分〜24時間撹拌し重合反応させることでポリイミドの前駆体であるポリアミド酸が得られる。反応にあたっては、生成する前駆体が有機溶媒中に5〜30重量%の範囲内、好ましくは10〜20重量%の範囲内となるように反応成分を溶解する。重合反応に用いる有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、2−ブタノン、ジメチルスホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチルカプロラクタム、硫酸ジメチル、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム、クレゾール等が挙げられる。これらの溶媒を2種以上併用して使用することもでき、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の併用も可能である。また、このような有機溶媒の使用量としては特に制限されるものではないが、重合反応によって得られるポリアミド酸溶液の濃度が5〜30重量%程度になるような使用量に調整して用いることが好ましい。
本実施の形態の金属張積層板の製造方法は、絶縁樹脂層の寸法精度と配線形成後のピール強度を向上させる観点から、キャスト法によって絶縁樹脂層を形成することが好ましく、下記の工程a〜cを備えることが好ましい。
a)支持基材を有し、厚みが0.5μm以上2μm以下の金属箔を有する支持基材付き金属箔を準備する工程、
b)前記支持基材付き金属箔上にポリアミド酸の樹脂溶液を塗布し熱処理することによって、単層又は複数層のポリイミド層からなり、少なくとも1層の非熱可塑性ポリイミド層を有する絶縁樹脂層を積層することにより、支持基材付き金属張積層板を得る工程、及び、
c)前記支持基材付き金属張積層板における前記支持基材を剥離する工程。
a1)前記ポリアミド酸の樹脂溶液が塗布される塗布面の最大高さ粗さ(Rz)が0.3μm以下であること。
a2)Ni、Zn、Co、Mo及びCrからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む防錆金属層を有すること。
a3)厚みが0.5μm以上2μm以下の範囲内であること。
a4)前記塗布面の最大高低差(Mmax)と、前記塗布面と反対側の面の最大高低差(Smax)との和(Mmax+Smax)の平均値によって算出される母材平滑性の指標であるMS値が0.3以下であること。
本発明に係る回路基板の一実施の形態であるFPCにおける配線のピッチ幅は、好ましくは20μm以下がよく、配線率(配線幅/ピッチ幅)は0.35〜0.75の範囲内であることがよい。
粘度の測定は、E型粘度計(ブルックフィールド社製、商品名;DV−II+Pro)を用いて、25℃における粘度を測定した。トルクが10%〜90%になるよう回転数を設定し、測定を開始してから2分経過後、粘度が安定した時の値を読み取った。
ガラス転移温度は、5mm×20mmのサイズのポリイミドフィルムを、動的粘弾性測定装置(DMA:ユー・ビー・エム社製、商品名;E4000F)を用いて、30℃から400℃まで昇温速度4℃/分、周波数11Hzで測定を行い、弾性率変化(tanδ)が最大となる温度をガラス転移温度とした。なお、DMAを用いて測定された30℃における貯蔵弾性率が1.0×109Pa以上であり、360℃における貯蔵弾性率が1.0×108Pa未満を示すものを「熱可塑性」とし、30℃における貯蔵弾性率が1.0×109Pa以上であり、360℃における貯蔵弾性率が1.0×108Pa以上を示すものを「非熱可塑性」とした。
3mm×20mmのサイズのポリイミドフィルムを、サーモメカニカルアナライザー(Bruker社製、商品名;4000SA)を用い、5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度で30℃から265℃まで昇温させ、更にその温度で10分保持した後、5℃/分の速度で冷却し、250℃から100℃までの平均熱膨張係数(熱膨張係数)を求めた。
接触式表面粗さ測定機(株式会社小坂研究所製、商品名;SURFE CORDER ET3000)を用いて、極薄銅箔のポリイミド層との接触面側の表面粗さを測定した。
走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察(倍率;10,000倍)によって測定し、以下の手順によって母材平滑性の指標であるMS値を算出した。図1及び図2は、極薄銅箔における母材平滑性の指標であるMS値の算出方法の説明に用いる模式的断面図である。ここで、ポリイミド層が積層する面をM面とし、支持基材としてのキャリア銅箔側の面をS面とする。なお、説明の便宜上、図1及び図2では、極薄銅箔におけるM面及びS面の山と谷の起伏を誇張して表現している。
1)図1に示すように、極薄銅箔の表面粗さ成分を除去したプロファイルを母材の厚み(L)[単位;μm]とする。ここで、母材の厚み(L)は、重量厚み法によって得られる。
2)図2に示すように、M面の輪郭曲線mの谷深さの最大値となる点(pm地点)と、S面の輪郭曲線sの谷深さの最大値となる点(ps地点)をプロットする。
3)前記pm地点に接する直線(Pm線)及び前記ps地点に接する直線(Ps線)を、互いに平行となるように描く。
3)前記Pm線及びPs線からの距離が等しい中心線を描く。
4)前記中心線を基準に、M面側にL/2の距離で離れた直線(Lm線)及びS面側にL/2の距離で離れた直線(Ls線)を描く。このLm線とLs線の間の距離は、母材の厚みLに一致する。
5)M面の輪郭曲線mの山高さの最大値となる点pmmaxと前記Lm線との距離をM面側の最大高低差(Mmax)とし、S面の輪郭曲線sの山高さの最大値となる点psmaxと前記Ls線との距離をS面の最大高低差(Smax)とした。
6)前記Mmaxと前記Smaxとの和(Mmax+Smax)の平均値(つまり、1/2の値)を母材平滑性の指標となるMS値とした。
1)ポリイミド層を積層しない極薄銅箔とキャリア銅箔との剥離強度
キャリア銅箔付き極薄銅箔を幅;0.25cm×長さ;4cmに切断し、テンシロンテスター(東洋精機製作所製、商品名;ストログラフVE−1D)を用いて、極薄銅箔側を両面テープによりアルミ板に固定し、キャリア銅箔を90°方向に50mm/分の速度で、キャリア銅箔を極薄銅箔から10mm剥離したときの中央強度を求めた。
2)ポリイミド層を積層した後の極薄銅箔とキャリア銅箔と剥離強度
キャリア銅箔付き銅張積層板(キャリア箔/極薄銅箔/ポリイミド層)を幅;0.25cm×長さ;4cmに切断し、テンシロンテスター(東洋精機製作所製、商品名;ストログラフVE−1D)を用いて、ポリイミド層側を両面テープによりアルミ板に固定し、キャリア銅箔を90°方向に50mm/分の速度で、キャリア銅箔を極薄銅箔から10mm剥離したときの中央強度を求めた。
1)初期ピール強度の測定
キャリア銅箔を剥離した後の銅張積層板(極薄銅箔/ポリイミド層)について、極薄銅箔を含めた銅の総厚みが8μmになるように極薄銅箔上に電解銅めっきを行って調製した銅箔を幅0.1mmに回路加工した後、幅;8cm×長さ;4cmに切断し、評価用基板を得た。この評価用基板について、テンシロンテスター(東洋精機製作所製、商品名;ストログラフVE−1D)を用いて、ポリイミド層側を両面テープによりアルミ板に固定し、銅箔を90°方向に50mm/分の速度で、銅箔をポリイミド層から10mm剥離したときの中央強度を求めた。
2)熱処理後ピール強度の測定
キャリア銅箔を剥離した後の銅張積層板(極薄銅箔/ポリイミド層)について、極薄銅箔を含めた銅の総厚みが8μmになるように極薄銅箔上に電解銅めっきを行って調製した銅箔を幅0.1mmに回路加工した後、幅;8cm×長さ;4cmに切断した。それを150℃に熱したオーブンにて240時間、加熱した状態で放置し、評価用基板を得た。この評価用基板について、テンシロンテスター(東洋精機製作所製、商品名;ストログラフVE−1D)を用いて、ポリイミド層側を両面テープによりアルミ板に固定し、銅箔を90°方向に50mm/分の速度で、銅箔をポリイミド層から10mm剥離したときの中央強度を求めた。
サンプルの導体層上に、所定のピッチでの配線率(配線幅/ピッチ幅)がそれぞれ、0.58、0.60、0.65及び0.68のレジストパターンを形成した。レジストが形成されていない表面に電気銅めっきを8.0〜8.5μmの範囲内の厚さで形成し、レジストを除去し、エッチング液でフラッシュエッチングを行なうことによって、回路間に残存する極薄銅箔を除去した。このとき、配線率が0.35〜0.75の範囲内にある場合を「可」とし、それ以外を「不可」とした。
複屈折率計(フォトニックラティス社製、商品名;ワイドレンジ複屈折評価システムWPA−100、測定エリア;MD:140mm×TD:100mm)を用いて、所定のサンプルの面内方向のリタデーションを求めた。なお、入射角は、0°、測定波長は、543nmである。
長尺状の金属張積層板の金属層をエッチングして得られたポリイミドフィルムにおけるTD方向の左右2つの端部(Left及びRight)並びに中央部(Center)のそれぞれにおいて、A4サイズ(TD:210mm×MD:297mm)に切断し、サンプルL(Left)、サンプルR(Right)及びサンプルC(Center)を調製した。
サンプルL、サンプルR及びサンプルCのそれぞれについて面内リタデーション(RO)をそれぞれ測定した。各サンプルの測定値の最大値を評価用サンプルの厚さで除した値を「面内複屈折率(Δn)」とし、面内リタデーション(RO)の測定値における最大値と最小値の差を「幅方向(TD方向)の面内リタデーション(RO)のばらつき(ΔRO)」とし、このΔROを評価用サンプルの厚さで除した値を「幅方向(TD方向)の面内複屈折率(Δn)のばらつき[Δ(Δn)]」とした。
50mm×50mmのサイズのサンプルを、23℃、50%RH下で24時間調湿後、カールしている方向を上面とし、平滑な台上に設置した。その際のカール量についてノギスを用いて測定を行ない、サンプルの4角の測定値の平均をカール量とした。
触針式表面粗さ計(株式会社小坂研究所製、商品名;サーフコーダET−3000)を用い、Force;100μN、Speed;20μm、Range;800μmの測定条件によって求めた。なお、表面粗さの算出は、JIS−B0601:1994に準拠した方法により算出した。
PMDA:ピロメリット酸二無水物
BPDA:3,3',4,4'‐ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
m‐TB:2,2'‐ジメチル‐4,4'‐ジアミノビフェニル
TPE−R:1,3-ビス(4‐アミノフェノキシ)ベンゼン
DAPE:4,4'-ジアミノジフェニルエーテル
BAPP:2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
p‐PDA:p−フェニレンジアミン
DMAc:N,N‐ジメチルアセトアミド
1)銅箔A(キャリア銅箔付き極薄銅箔、長尺状、幅;1080mm):
キャリア銅箔の厚み;18μm、剥離層厚み;約100nm、極薄銅箔の厚み;1.5μm、
極薄銅箔のM面の粗化処理なし、極薄銅箔M面の防錆層;Ni、Zn及びCr含有、
極薄銅箔のM面のRz;0.24μm、
Mmax;0.24μm、Smax;0.34μm、母材平滑性(MS値);0.29、
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;15.3N/m
2)銅箔B(キャリア銅箔付き極薄銅箔、長尺状、幅;1080mm):
キャリア銅箔の厚み;18μm、剥離層厚み;約100nm、極薄銅箔の厚み;1.5μm、
極薄銅箔のM面の粗化処理あり、極薄銅箔M面の防錆層;Ni、Zn及びCr含有、
極薄銅箔のM面のRz;0.72μm、
Mmax;0.72μm、Smax;0.32μm、母材平滑性(MS値);0.52、
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;6.4N/m
窒素気流下で、反応槽に、23.0重量部のm−TB(0.108モル部)及び3.5重量部のTPE−R(0.012モル部)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、26.0重量部のPMDA(0.119モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液aを得た。ポリアミド酸溶液aの溶液粘度は41,100cpsであった。このポリアミド酸溶液aから得られたポリイミドのガラス転移温度は421℃で、非熱可塑性、熱膨張係数は10(ppm/K)であった。
窒素気流下で、反応槽に、17.3重量部のm−TB(0.081モル部)及び10.2重量部のTPE−R(0.035モル部)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、25.1重量部のPMDA(0.115モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液bを得た。ポリアミド酸溶液bの溶液粘度は38,200cpsであった。このポリアミド酸溶液bから得られたポリイミドのガラス転移温度は427℃で、非熱可塑性、熱膨張係数は22(ppm/K)であった。
窒素気流下で、反応槽に、16.4重量部のm−TB(0.077モル部)及び9.7重量部のTPE−R(0.033モル部)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、16.7重量部のPMDA(0.077モル部)及び9.7重量部のBPDA(0.033モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液cを得た。ポリアミド酸溶液cの溶液粘度は46,700cpsであった。このポリアミド酸溶液cから得られたポリイミドのガラス転移温度は366℃で、非熱可塑性、熱膨張係数は23(ppm/K)であった。
窒素気流下で、反応槽に、22.4重量部のm−TB(0.105モル部)及び4.8重量部のBAPP(0.012モル部)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、25.3重量部のPMDA(0.116モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液dを得た。ポリアミド酸溶液dの溶液粘度は36,800cpsであった。このポリアミド酸溶液dから得られたポリイミドのガラス転移温度は408℃で、非熱可塑性、熱膨張係数は9(ppm/K)であった。
窒素気流下で、反応槽に、12.3重量部のm−TB(0.058モル部)、10.1重量部のTPE−R(0.035モル部)及び2.5重量部のp−PDA(0.023モル部)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、17.5重量部のPMDA(0.080モル部)及び10.1重量部のBPDA(0.034モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液eを得た。ポリアミド酸溶液eの溶液粘度は42,700cpsであった。このポリアミド酸溶液eから得られたポリイミドのガラス転移温度は360℃で、非熱可塑性、熱膨張係数は18(ppm/K)であった。
窒素気流下で、反応槽に、2.2重量部のm−TB(0.010モル部)及び27.6重量部のTPE−R(0.094モル部)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、22.7重量部のPMDA(0.104モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液fを得た。ポリアミド酸溶液fの溶液粘度は33,900cpsであった。このポリアミド酸溶液fから得られたポリイミドのガラス転移温度は446℃で、熱可塑性、熱膨張係数は55(ppm/K)であった。
窒素気流下で、反応槽に、30.2重量部のBAPP(0.074モル部)及び重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、22.3重量部のBPDA(0.076モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液gを得た。ポリアミド酸溶液gの溶液粘度は9,800cpsであった。このポリアミド酸溶液gから得られたポリイミドのガラス転移温度は252℃で、熱可塑性、熱膨張係数は46(ppm/K)であった。
窒素気流下で、反応槽に、25.8重量部のTPE−R(0.088モル部)及び重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、26.7重量部のBPDA(0.091モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液hを得た。ポリアミド酸溶液hの溶液粘度は8,800cpsであった。このポリアミド酸溶液hから得られたポリイミドのガラス転移温度は243℃で、熱可塑性、熱膨張係数は65(ppm/K)であった。
窒素気流下で、反応槽に、17.6重量部のTPE−R(0.060モル部)及び1.6重量部のp−PDA(0.015モル部)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、22.8重量部のBPDA(0.077モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液iを得た。ポリアミド酸溶液iの溶液粘度は7,800cpsであった。このポリアミド酸溶液iから得られたポリイミドのガラス転移温度は239℃で、熱可塑性、熱膨張係数は65(ppm/K)であった。
窒素気流下で、反応槽に、11.7重量部のDAPE(0.058モル部)及び11.4重量部のTPE−R(0.039モル部)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、29.5重量部のBPDA(0.100モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液jを得た。ポリアミド酸溶液jの溶液粘度は11,200cpsであった。このポリアミド酸溶液jから得られたポリイミドのガラス転移温度は265℃で、熱可塑性、熱膨張係数は58(ppm/K)であった。
窒素気流下で、反応槽に、22.5重量部のDAPE(0.127モル部)及び153.33重量部のm−TB(0.721モル部)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、60.85重量部のBPDA(0.207モル部)及び135.32重量部のPMDA(0.620モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液kを得た。このポリアミド酸溶液kから得られたポリイミドは、非熱可塑性、熱膨張係数は7.6(ppm/K)であった。
窒素気流下で、反応槽に、11.9重量部のDAPE(0.059モル部)及び167.4重量部のm−TB(0.787モル部)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、60.71重量部のBPDA(0.206モル部)及び135.02重量部のPMDA(0.618モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液lを得た。このポリアミド酸溶液lから得られたポリイミドは、非熱可塑性、熱膨張係数は3.9(ppm/K)であった。
銅箔AのM面に合成例7で調製したポリアミド酸溶液gを硬化後の厚みが2.5μmとなるように均一にキャストした後、加熱乾燥した。その上に合成例1で調製したポリアミド酸溶液aを硬化後の厚みが20μmとなるように均一にキャストした後、加熱乾燥した。更に、その上に合成例7で調製したポリアミド酸溶液gを硬化後の厚みが2.5μmとなるように均一にキャストした後、加熱乾燥した。その後、段階的な熱処理によってイミド化を完結し、片面銅張積層板1aを調製した。このときの熱処理の最高温度は360℃であった。
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;11.8N/m(M面側)
ポリイミド層のCTE;17ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);0.44×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.04×10−3
反り量;0mm
初期ピール強度;1.5kN/m
熱処理後のピール強度;0.9kN/m(保持率;60%)
回路加工性(20μmピッチ);可
合成例1で調製したポリアミド酸溶液aの代わりに、合成例2で調製したポリアミド酸溶液bを使用したこと以外、実施例1と同様にして片面銅張積層板2a及び両面銅張積層板2b並びに銅張積層板2を調製した。
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;11.8N/m(M面側)
ポリイミド層のCTE;17ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);0.68×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.12×10−3
反り量;1.2mm
初期ピール強度;1.4kN/m
熱処理後のピール強度;0.9kN/m(保持率;64%)
回路加工性(20μmピッチ);可
合成例1で調製したポリアミド酸溶液aの代わりに、合成例3で調製したポリアミド酸溶液cを使用したこと以外、実施例1と同様にして、片面銅張積層板3a及び両面銅張積層板3b並びに銅張積層板3を調製した。
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;11.8N/m(M面側)
ポリイミド層のCTE;17ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);0.72×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.08×10−3
反り量;1.5mm
初期ピール強度;1.4kN/m
熱処理後のピール強度;0.9kN/m(保持率;64%)
回路加工性(20μmピッチ);可
合成例1で調製したポリアミド酸溶液aの代わりに、合成例4で調製したポリアミド酸溶液dを使用したこと以外、実施例1と同様にして、片面銅張積層板4a及び両面銅張積層板4b並びに銅張積層板4を調製した。
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;11.8N/m(M面側)
ポリイミド層のCTE;17ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);0.48×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.04×10−3
反り量;0.7mm
初期ピール強度;1.5kN/m
熱処理後のピール強度;0.9kN/m(保持率;60%)
回路加工性(20μmピッチ);可
合成例1で調製したポリアミド酸溶液aの代わりに、合成例5で調製したポリアミド酸溶液eを使用したこと以外、実施例1と同様にして、片面銅張積層板5a及び両面銅張積層板5b並びに銅張積層板5を調製した。
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;11.8N/m(M面側)
ポリイミド層のCTE;17ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);0.68×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.16×10−3
反り量;2.3mm
初期ピール強度;1.3kN/m
熱処理後のピール強度;0.8kN/m(保持率;62%)
回路加工性(20μmピッチ);可
合成例7で調製したポリアミド酸溶液gの代わりに、合成例8で調製したポリアミド酸溶液hを使用したこと以外、実施例1と同様にして、片面銅張積層板6a及び両面銅張積層板6b並びに銅張積層板6を調製した。
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;11.8N/m(M面側)
ポリイミド層のCTE;17ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);0.48×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.08×10−3
反り量;2.6mm
初期ピール強度;1.6kN/m
熱処理後のピール強度;0.9kN/m(保持率;56%)
回路加工性(20μmピッチ);可
合成例7で調製したポリアミド酸溶液gの代わりに、合成例9で調製したポリアミド酸溶液iを使用したこと以外、実施例1と同様にして、片面銅張積層板7a及び両面銅張積層板7b並びに銅張積層板7を調製した。
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;11.8N/m(M面側)
ポリイミド層のCTE;17ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);0.52×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.08×10−3
反り量;1.3mm
初期ピール強度;1.6kN/m
熱処理後のピール強度;0.9kN/m(保持率;56%)
回路加工性(20μmピッチ);可
合成例7で調製したポリアミド酸溶液gの代わりに、合成例6で調製したポリアミド酸溶液fを使用し硬化後の厚みを1μmにしたこと、及び合成例1で調製したポリアミド酸溶液aの硬化後の厚みを23μmにしたこと以外、実施例1と同様にして、片面銅張積層板8a及び両面銅張積層板8b並びに銅張積層板8を調製した。
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;11.8N/m(M面側)
ポリイミド層のCTE;17ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);0.4×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.04×10−3
反り量;0.5mm
初期ピール強度;1.7kN/m
熱処理後のピール強度;0.9kN/m(保持率;53%)
回路加工性(20μmピッチ);可
合成例11で得られたポリアミド酸溶液kを支持基材(ステンレス製、厚み;16μm)の離型処理した面に、硬化後の厚みが約16μmとなるように均一に塗布した後、130℃で加熱乾燥した。その上に、合成例12で得られたポリアミド酸溶液lを硬化後の厚みが約9μmとなるように均一に塗布し、130℃で加熱乾燥した後、130℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、常温まで冷却後、支持基材より剥離することで、ポリイミドフィルム9(長尺状、幅;1080mm、キャスト面のRa;0.8nm)を調製した。
ポリイミド層のCTE;14ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);0.78×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.04×10−3
金属層のM面のRz;0.1μm、Mmax;0.1μm、Smax;0.1μm、母材平滑性(MS値);0.1
反り量;13.0mm
初期ピール強度;0.7kN/m
熱処理後のピール強度;0.4kN/m(保持率;57%)
回路加工性(20μmピッチ);可
合成例1で調製したポリアミド酸溶液aの代わりに、合成例6で調製したポリアミド酸溶液fを使用したこと以外、実施例1と同様にして、片面銅張積層板10a及び両面銅張積層板10b並びに銅張積層板10を調製した。
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;11.8N/m(M面側)
ポリイミド層のCTE;17ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);2.4×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.24×10−3
反り量;4.6mm
初期ピール強度;1.4kN/m
熱処理後のピール強度;0.9kN/m(保持率;64%)
回路加工性(20μmピッチ);可
合成例7で調製したポリアミド酸溶液gの代わりに、合成例10で調製したポリアミド酸溶液jを使用したこと以外、実施例1と同様にして、片面銅張積層板11a及び両面銅張積層板11b並びに銅張積層板11を調製した。
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;11.8N/m(M面側)
ポリイミド層のCTE;17ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);1.6×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.2×10−3
反り量;5.5mm
初期ピール強度;1.4kN/m
熱処理後のピール強度;0.9kN/m(保持率;64%)
回路加工性(20μmピッチ);可
銅箔Aの代わりに、銅箔Bを使用したこと以外、実施例1と同様にして、片面銅張積層板12a及び両面銅張積層板12b並びに銅張積層板12を調製した。
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;7.5N/m(M面側)
ポリイミド層のCTE;17ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);0.44×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.04×10−3
反り量;0mm
初期ピール強度;1.8kN/m
熱処理後のピール強度;1.5kN/m(保持率;80%)
回路加工性(20μmピッチ);不可(但し、30μmピッチ評価では可)
Claims (12)
- 非熱可塑性ポリイミド層を含む単層又は複数層の絶縁樹脂層の少なくとも一方の面に金属層を備えた金属張積層板であって、
下記の条件(i)〜(v);
(i)前記絶縁樹脂層の熱膨張係数が10〜30ppm/Kの範囲内であること;
(ii)前記絶縁樹脂層の面内複屈折率の値が2×10−3以下の範囲内であり、幅方向の面内複屈折率のばらつきが4×10−4以下であること;
(iii)前記絶縁樹脂層と接する面の前記金属層の最大高さ粗さ(Rz)が0.3μm以下であること;
(iv)前記金属層は、前記絶縁樹脂層に隣接する第1金属層と、前記第1金属層に隣接する第2金属層と、を含むものであり、
前記第1金属層は、Ni、Zn、Co、Mo及びCrからなる群より選ばれた少なくとも1種を含み、
前記第2金属層は、Cuを主成分として含むものであること;
(v)前記金属層の厚みが0.5μm以上2μm以下の範囲内であり、
前記金属層における前記絶縁樹脂層側の面の最大高低差(Mmax)と、前記金属層における前記絶縁樹脂層側の面と反対側の面の最大高低差(Smax)との和(Mmax+Smax)の平均値によって算出される母材平滑性の指標であるMS値が0.3以下であること;
を満たすことを特徴とする金属張積層板。 - 前記絶縁樹脂層が複数層であって、前記金属層の表面に接する層が、熱可塑性ポリイミド層であることを特徴とする請求項1に記載の金属張積層板。
- 前記金属層のもう一方の面に剥離可能な支持基材層を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の金属張積層板。
- 前記支持基材層の前記金属層との剥離強度が50N/m以下であることを特徴とする請求項3に記載の金属張積層板。
- 請求項1又は2に記載の金属張積層板の前記金属層を配線加工してなる回路基板。
- 前記配線のピッチ幅が20μm以下であり、配線率(配線幅/ピッチ幅)が0.35〜0.75の範囲内であることを特徴とする請求項5に記載の回路基板。
- 前記配線のピール強度の初期値が1kN/m以上であり、150℃、240時間の熱処理後のピール強度が0.5kN/m以上であることを特徴とする請求項5又は6に記載の回路基板。
- 前記熱処理後のピール強度の保持率(初期値/熱処理後)が50%以上であることを特徴とする請求項7に記載の回路基板。
- 下記の工程a〜c:
a)支持基材を有し、厚みが0.5μm以上2μm以下の金属箔を有する支持基材付き金属箔を準備する工程;
b)前記支持基材付き金属箔上にポリアミド酸の樹脂溶液を塗布し熱処理することによって、単層又は複数層のポリイミド層からなり、少なくとも1層の非熱可塑性ポリイミド層を有する絶縁樹脂層を積層することにより、支持基材付き金属張積層板を得る工程;
c)前記支持基材付き金属張積層板における前記支持基材を剥離する工程;
を備え、
前記金属箔が下記の条件a1〜a4;
a1)前記ポリアミド酸の樹脂溶液が塗布される塗布面の最大高さ粗さ(Rz)が0.3μm以下であること;
a2)Ni、Zn、Co、Mo及びCrからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む防錆金属層を有すること;
a3)厚みが0.5μm以上2μm以下の範囲内であること;
a4)前記塗布面の最大高低差(Mmax)と、前記塗布面と反対側の面の最大高低差(Smax)との和(Mmax+Smax)の平均値によって算出される母材平滑性の指標であるMS値が0.3以下であること;
を満たすことを特徴とする金属張積層板の製造方法。 - 前記工程aで用いる前記支持基材付き金属箔は、前記支持基材と前記金属箔との剥離強度が2〜20N/mの範囲内であり、前記工程cにおける剥離強度が50N/m以下であることを特徴とする請求項9に記載の金属張積層板の製造方法。
- 前記絶縁樹脂層の面内複屈折率の値が2×10−3以下であり、幅方向の面内複屈折率のばらつきが4×10−4以下であることを特徴とする請求項9又は10に記載の金属張積層板の製造方法。
- 前記工程cにおける前記支持基材の剥離前後の面内複屈折率の変化量が8×10−4以下であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の金属張積層板の製造方法。
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