JP2020104390A - 金属張積層板、その製造方法及び回路基板 - Google Patents

金属張積層板、その製造方法及び回路基板 Download PDF

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Abstract

【課題】回路加工工程、基板積層工程及び部品実装工程などの工程中の温度の変化に対する寸法変化やピール強度の低下を低減させることが可能で、微細配線加工への対応が可能な金属張積層板の提供。【解決手段】非熱可塑性ポリイミド層を含む単層又は複数層の絶縁樹脂層の少なくとも一方の面に金属層を備え、(i)絶縁樹脂層の熱膨張係数が10〜30ppm/K;(ii)絶縁樹脂層の面内複屈折率の値が2×10−3以下かつ幅方向のばらつきが4×10−4以下;(iii)絶縁樹脂層と接する面の金属層のRzが0.3μm以下;(iv)金属層は、絶縁樹脂層に隣接する第1金属層と、第1金属層に隣接する第2金属層と、を含み、第1金属層は、Ni、Zn、Co、Mo及びCrの少なくとも1種を含み、第2金属層は、Cuを主成分として含む;(v)金属層の厚みが0.5μm以上2μm以下で母材平滑性指標MS値が0.3以下、を満たす金属張積層板。【選択図】図2

Description

本発明は、金属張積層板、その製造方法及び回路基板に関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化、省スペース化の進展に伴い、薄く軽量で、可撓性を有し、屈曲を繰り返しても優れた耐久性を持つフレキシブルプリント配線板(FPC;Flexible Printed Circuits)の需要が増大している。FPCは、限られたスペースでも立体的かつ高密度の実装が可能であるため、例えば、HDD、DVD、携帯電話等の電子機器の可動部分の配線や、ケーブル、コネクター等の部品にその用途が拡大しつつある。
FPCは、部品実装密度を向上させ狭小領域に配置されるため、配線の細密化が求められるようになった。FPCは、銅張積層板(CCL)の銅層をエッチングして配線加工することにより製造されるが、配線の細密化の要求に応えるために、銅箔の厚みを薄化することが求められている。しかし、銅箔の厚みを薄くすると、電気容量が小さくなる等の懸念がある。
このような問題を解決するため様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1では、キャリア付きの極薄銅箔を用いた銅張積層板が提案されている。しかしながら、今後の微細化の進展により、例えば配線のピッチ幅が20μm以下のような微細配線に加工する場合、配線率の制御が困難になることが懸念される。
特開2006−306086号公報
従って、本発明は、回路加工工程、基板積層工程及び部品実装工程などの工程中の温度の変化に対する寸法変化やピール強度の低下を低減させることが可能で、微細配線加工への対応が可能な金属張積層板を提供することを目的とする。
金属層と絶縁樹脂層とが積層された金属張積層板から、例えばピッチ幅が20μm以下の微細配線を有する回路基板を製造する場合、金属張積層板に求められる重要な特性として、主に二つの特性が考えられる。
第1の特性として、金属層に優れた平坦性が求められる。金属層の平坦性が悪い場合には、エッチング精度の確保が困難となるためである。
また、第2の特性として、絶縁樹脂層に高い寸法安定性が求められる。絶縁樹脂層の寸法安定性が低い場合には、回路基板における配線の寸法精度が損なわれるだけでなく、金属張積層板の段階で反りが発生することによって、微細配線の加工精度も低下させてしまうからである。
そのため、これまでは、金属層のエッチング精度の確保のために、例えば金属層の表面粗度を制御する試みがなされ、また、絶縁樹脂層の寸法安定性の改善については、例えば熱膨張係数(CTE)を制御することが行われてきた。しかしながら、ピッチ幅が20μm以下の微細配線加工においては、金属層、絶縁樹脂層のそれぞれに対する個別のアプローチではなく、金属層の特性と絶縁樹脂層の特性との相互の関連性を考慮しながら、絶縁樹脂層の熱膨張係数(CTE)以外の要素として面内複屈折率を制御することが有効であるとの知見を得、本発明を完成した。
すなわち、本発明の金属張積層板は、非熱可塑性ポリイミド層を含む単層又は複数層の絶縁樹脂層の少なくとも一方の面に金属層を備えたものであり、下記の条件(i)〜(v)を満たすことを特徴とする。
(i)前記絶縁樹脂層の熱膨張係数が10〜30ppm/Kの範囲内であること。
(ii)前記絶縁樹脂層の面内複屈折率の値が2×10−3以下の範囲内であり、幅方向の面内複屈折率のばらつきが4×10−4以下であること。
(iii)前記絶縁樹脂層と接する面の前記金属層の最大高さ粗さ(Rz)が0.3μm以下であること。
(iv)前記金属層は、前記絶縁樹脂層に隣接する第1金属層と、前記第1金属層に隣接する第2金属層と、を含むものであり、
前記第1金属層は、Ni、Zn、Co、Mo及びCrからなる群より選ばれた少なくとも1種を含み、
前記第2金属層は、Cuを主成分として含むものであること。
(v)前記金属層の厚みが0.5μm以上2μm以下の範囲内であり、
前記金属層における前記絶縁樹脂層側の面の最大高低差(Mmax)と、前記金属層における前記絶縁樹脂層側の面と反対側の面の最大高低差(Smax)との和(Mmax+Smax)の平均値によって算出される母材平滑性の指標であるMS値が0.3以下であること。
本発明の金属張積層板は、前記絶縁樹脂層が複数層であって、前記金属層の表面に接する層が、熱可塑性ポリイミド層であってもよい。
本発明の金属張積層板は、前記金属層のもう一方の面に剥離可能な支持基材層を有していてもよい。
本発明の金属張積層板は、前記支持基材層の前記金属層との剥離強度が50N/m以下であってもよい。
本発明の回路基板は、上記金属張積層板の前記金属層を配線加工してなるものである。
本発明の回路基板は、前記配線のピッチ幅が20μm以下であってもよく、配線率(配線幅/ピッチ幅)が0.35〜0.75の範囲内であってもよい。
本発明の回路基板は、前記配線のピール強度の初期値が1kN/m以上であってもよく、150℃、240時間の熱処理後のピール強度が0.5kN/m以上であってもよい。
本発明の回路基板は、前記熱処理後のピール強度の保持率(初期値/熱処理後)が50%以上であってもよい。
本発明の金属張積層板の製造方法は、下記の工程a〜cを備えている。
a)支持基材を有し、厚みが0.5μm以上2μm以下の金属箔を有する支持基材付き金属箔を準備する工程。
b)前記支持基材付き金属箔上にポリアミド酸の樹脂溶液を塗布し熱処理することによって、単層又は複数層のポリイミド層からなり、少なくとも1層の非熱可塑性ポリイミド層を有する絶縁樹脂層を積層することにより、支持基材付き金属張積層板を得る工程。
c)前記支持基材付き金属張積層板における前記支持基材を剥離する工程。
そして、本発明の金属張積層板の製造方法は、前記金属箔が下記の条件a1〜a4を満たすことを特徴とする。
a1)前記ポリアミド酸の樹脂溶液が塗布される塗布面の最大高さ粗さ(Rz)が0.3μm以下であること。
a2)Ni、Zn、Co、Mo及びCrからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む防錆金属層を有すること。
a3)厚みが0.5μm以上2μm以下の範囲内であること。
a4)前記塗布面の最大高低差(Mmax)と、前記塗布面と反対側の面の最大高低差(Smax)との和(Mmax+Smax)の平均値によって算出される母材平滑性の指標であるMS値が0.3以下であること。
本発明の金属張積層板の製造方法において、前記工程aで用いる前記支持基材付き金属箔は、前記支持基材と前記金属箔との剥離強度が2〜20N/mの範囲内であってもよく、前記工程cにおける剥離強度が50N/m以下であってもよい。
本発明の金属張積層板の製造方法は、前記絶縁樹脂層の面内複屈折率の値が2×10−3以下であってもよく、幅方向の面内複屈折率のばらつきが4×10−4以下であってもよい。
本発明の金属張積層板の製造方法は、前記工程cにおける前記支持基材の剥離前後の面内複屈折率の変化量が8×10−4以下であってもよい。
本発明の金属張積層板は、金属層を構成する銅箔母材の平滑性及び表面処理設計により、微細配線形成が可能であり、しかも、絶縁樹脂層の熱膨張係数(CTE)と面内複屈折率を制御することによって、高温環境下や湿度変化の環境下においても絶縁樹脂層の寸法安定性に優れているため、回路加工工程、基板積層工程、及び部品実装工程の際の環境変化(例えば、高温や高圧、湿度変化など)によって、反りなどの不具合が発生しにくい。特に、幅広の金属張積層板においても、絶縁樹脂層の全幅において寸法変化率が低く、寸法が安定しているので、該金属張積層板から得られるFPCを高密度実装が可能なものにすることができる。従って、本発明の金属張積層板をFPC材料として利用することによって、回路基板の信頼性と歩留まりの向上を図ることができる。
実施例で用いた銅箔の母材平滑性の指標であるMS値の算出方法の説明に用いる図面である。 実施例で用いた銅箔の母材平滑性の指標であるMS値の算出方法の説明に用いる別の図面である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。
<金属張積層板>
本実施の形態の金属張積層板は、非熱可塑性ポリイミド層を含む単層又は複数層の絶縁樹脂層の少なくとも一方の面に金属層を備えている。本実施の形態の金属張積層板は、下記の条件(i)〜(v)を満たすものである。ここで、条件(i)、(ii)は絶縁樹脂層に関する特性であり、条件(iii)〜(v)は金属層に関する特性である。本実施の形態の金属張積層板は、条件(iii)〜(v)を満たす金属層に対して、条件(i)、(ii)を共に満たす絶縁樹脂層を適用することによって、温度の変化に対する寸法変化やピール強度の低下を低減させるとともに、例えばピッチ幅20μm以下の微細配線加工を可能にしている。
(i)絶縁樹脂層の熱膨張係数が10〜30ppm/Kの範囲内であること。
本実施の形態の金属張積層板は、例えば回路基板材料として適用する場合において、反りの発生や寸法安定性の低下を防止するために、絶縁樹脂層の熱膨張係数(CTE)が10ppm/K以上30ppm/K以下の範囲内であることが重要であり、好ましくは10ppm/K以上25ppm/K以下の範囲内がよい。CTEが10ppm/K未満であるか、又は30ppm/Kを超えると、反りが発生したり、寸法安定性が低下したりする。
また、本実施の形態の金属張積層板において、例えば銅箔などからなる金属層のCTEに対して絶縁樹脂層のCTEが、±5ppm/K以下の範囲内がより好ましく、±2ppm/K以下の範囲内が最も好ましい。
(ii)絶縁樹脂層の面内複屈折率の値が2×10−3以下の範囲内であり、幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつきが4×10−4以下であること。
絶縁樹脂層の面内複屈折率(Δn)の値が2×10−3を超えると、面内配向の異方性が大きくなり寸法安定性悪化の原因となる。Δnの値の下限値は特に限定されないが、面内配向が等方的で寸法安定性が向上する一方で熱膨張係数が過度に低下し、金属層の熱膨張係数との不整合による反りを抑制する観点から、2×10−4以上とすることが好ましい。以上の観点から、絶縁樹脂層の面内複屈折率(Δn)の値は、好ましくは2×10−4以上8×10−4以下の範囲内、より好ましくは2×10−4以上6×10−4以下の範囲内である。
また、絶縁樹脂層のTD方向のΔnのばらつき[Δ(Δn)]が4×10−4を超えると、面内配向のばらつきが大きくなり寸法変化率の面内ばらつきの原因となる。TD方向のΔnのばらつき[Δ(Δn)]は、好ましくは2×10−4以下、より好ましくは1.2×10−4以下である。このような範囲内であれば、例えばスケールアップした場合であっても、高い寸法精度を維持できる。
このような条件を満たすことによって、絶縁樹脂層を構成するポリイミドの配向性が高まるとともに、加熱による寸法変化を抑制できるので、寸法安定性が向上する。
(iii)絶縁樹脂層と接する面の金属層の最大高さ粗さ(Rz)が0.3μm以下であること。
Rzが0.3μmを超えると、エッチング残渣が生じやすく、例えば20μm以下のピッチ幅の微細配線の形成が困難となる。ここで、Rzは基準長さにおいて輪郭曲線の山の高さの最大値(Rp)と谷深さの最大値(Rv)の和を表す。接触式表面粗さ測定機による測定では、Rzが0.3μm以下であることは、微細凹凸がほとんど存在せず、スムーズな表面であることを意味している。
(iv)金属層は、絶縁樹脂層に隣接する第1金属層と、当該金属層に隣接する第2金属層と、を含むものであり、第1金属層は、Ni、Zn、Co、Mo及びCrからなる群より選ばれた少なくとも1種を含み、第2金属層は、Cuを主成分として含むものであること。
第1金属層は、第2金属層の表面の防錆層であり、絶縁樹脂層へのCuの拡散を抑制する。第1金属層は、例えばCr酸化物、Cr酸化物とZn若しくはZn酸化物との混合物により形成される皮膜であることが好ましい。また、Niは絶縁樹脂層との接着性及びその長期信頼性又は耐薬品性に有効な金属種であるが、Cuに対して拡散しやすく、また、エッチング残渣となりやすい。Niの付着量を制御するために、Co又はMoを存在させることもできる。Co又はMoが存在すると、配線加工時における配線間の絶縁樹脂部分のエッチング残渣を抑制し、エッチングによる薬液に対する耐性低下の抑制、及び金属層と絶縁樹脂層間の接着強度及びその長期信頼性の低下を抑制できる。
第1金属層の厚みは、例えば10〜25nmの範囲内であることが好ましい。
また、絶縁樹脂層に隣接する第1の金属層の表面に、例えばサイディング処理、アルミニウムアルコラート処理、アルミニウムキレート処理、シランカップリング剤処理等の表面処理層を有してもよい。
第2金属層は、Cuを主成分として含み、導電率が大きい金属からなる層である。このような金属としては、10〜100%IACSの範囲の導電率を有するものが好ましい。なお、導電率(%IACS)は、万国標準軟銅(International Annnealed Copper Standard)を4探針法によって測定したときの導電率を100%としたときの各素材の導電率を%で表したものである。また、100%IACSは1.7241×10−8Ω・mに相当する。
(v)金属層の厚みが0.5μm以上2μm以下の範囲内であり、金属層における絶縁樹脂層側の面の最大高低差(Mmax)と、金属層における絶縁樹脂層側の面と反対側の面の最大高低差(Smax)との和(Mmax+Smax)の平均値によって算出される母材平滑性の指標であるMS値が0.3以下であること。
金属層の厚みが2μmを超えると、エッチング残渣が生じやすくなる。また、金属層における母材平滑性の指標であるMS値が0.3を超えると、例えば20μm以下のピッチ幅の微細配線における配線率の制御が困難となる。なお、「母材」とは、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察において、金属層から表面粗さ成分を除去した部分を意味する。母材平滑性の指標であるMS値は、後記実施例に示す方法で求めることができる。
上記条件(i)、(ii)以外の絶縁樹脂層に関する特性は、以下のとおりである。
絶縁樹脂層は、非熱可塑性ポリイミド層を含むものであり、ポリイミドからなる層であることが好ましい。また、金属層との接着性を向上させるために、金属層に接するポリイミド層は熱可塑性ポリイミド層とすることが好ましい。ここで、非熱可塑性ポリイミドとは、一般に加熱しても軟化、接着性を示さないポリイミドのことであるが、本発明では、動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて測定した、30℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、360℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であるポリイミドをいう。また、熱可塑性ポリイミドとは、一般にガラス転移温度(Tg)が明確に確認できるポリイミドのことであるが、本発明では、DMAを用いて測定した、30℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、360℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa未満であるポリイミドをいう。
絶縁樹脂層において、非熱可塑性ポリイミド層は低熱膨張性のポリイミド層を構成し、熱可塑性ポリイミド層は高熱膨張性のポリイミド層を構成する。ここで、低熱膨張性のポリイミド層は、熱膨張係数(CTE)が好ましくは1ppm/K以上25ppm/K以下の範囲内、より好ましくは3ppm/K以上25ppm/K以下の範囲内のポリイミド層をいう。また、高熱膨張性のポリイミド層は、CTEが好ましくは35ppm/K以上、より好ましくは35ppm/K以上80ppm/K以下の範囲内、更に好ましくは35ppm/K以上70ppm/K以下の範囲内のポリイミド層をいう。ポリイミド層は、使用する原料の組合せ、厚み、乾燥・硬化条件を適宜変更することで所望のCTEを有するポリイミド層とすることができる。
絶縁樹脂層の厚みは、使用する目的に応じて、所定の範囲内の厚みに設定することができるが、例えば4〜50μmの範囲内にあることが好ましく、11〜26μmの範囲内にあることがより好ましい。絶縁樹脂層の厚みが上記下限値に満たないと、電気絶縁性が担保出来ないことや、ハンドリング性の低下により製造工程にて取扱いが困難になるなどの問題が生じることがある。一方、絶縁樹脂層の厚みが上記上限値を超えると、面内複屈折率(Δn)を制御するために、製造条件を高精度に制御する必要があり、生産性低下などの不具合が生じる。
また、絶縁樹脂層において、非熱可塑性ポリイミド層の厚み(A)と熱可塑性ポリイミド層の厚み(B)との厚み比((A)/(B))が1〜20の範囲内であることが好ましく、2〜12の範囲内がより好ましい。なお、非熱可塑性ポリイミド層及び/又は熱可塑性ポリイミド層の層数が複数である場合は、厚み(A)や厚み(B)は、合計の厚みを意味する。この比の値が、1に満たないと絶縁樹脂層全体に対する非熱可塑性ポリイミド層が薄くなるため、面内複屈折率(Δn)のばらつきが大きくなりやすく、20を超えると熱可塑性ポリイミド層が薄くなるため、絶縁樹脂層と金属層との接着信頼性が低下しやすくなる。ここで、面内複屈折率(Δn)の制御は、絶縁樹脂層を構成する各ポリイミド層の樹脂構成とその厚みに相関がある。接着性すなわち高熱膨張性又は軟化を付与した樹脂構成である熱可塑性ポリイミド層は、その厚みが大きくなる程、絶縁樹脂層のΔnの値に大きく影響する。そこで、非熱可塑性ポリイミド層の厚みの比率を大きくし、熱可塑性ポリイミド層の厚みの比率を小さくして、絶縁樹脂層のΔnの値とそのばらつきを小さくすることが好ましい。後述するように、本実施の形態では、熱可塑性ポリイミド層の厚みの比率を小さくする場合でも、熱可塑性ポリイミド層が一般式(2)及び(3)から選ばれるジアミン残基を所定量含有するように設計することによって、金属層と絶縁樹脂層との接着性を確保できる。
また、絶縁樹脂層は、ポリイミドフィルムとしたときの引張弾性率が3.0〜10.0GPaの範囲内であることが好ましく、4.5〜8.0GPaの範囲内であるのがより好ましい。ポリイミドフィルムとしたときの引張弾性率が3.0GPaに満たないとポリイミド自体の強度が低下することによって、金属張積層板を回路基板へ加工する際に絶縁樹脂層の裂けなどのハンドリング上の問題が生じることがある。反対に、ポリイミドフィルムとしたときの引張弾性率が10.0GPaを超えると、金属張積層板の折り曲げに対する剛性が上昇する結果、金属張積層板を折り曲げた際に金属配線に加わる曲げ応力が上昇し、折り曲げ耐性が低下してしまう。ポリイミドフィルムとしたときの引張弾性率を上記範囲内とすることで、絶縁樹脂層の強度と柔軟性を担保することができる。
次に、絶縁樹脂層を構成するポリイミドについて、詳細に説明する。ポリイミドとは、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリイミドエステル、ポリエーテルイミド、ポリシロキサンイミド等の構造中にイミド基を有するポリマーからなる耐熱性樹脂をいう。
(非熱可塑性ポリイミド)
本実施の形態において、非熱可塑性ポリイミド層を構成する非熱可塑性ポリイミドは、テトラカルボン酸残基及びジアミン残基を含み、これらはいずれも芳香族基を含むことが好ましい。非熱可塑性ポリイミドに含まれるテトラカルボン酸残基及びジアミン残基が、いずれも芳香族基を含むことで、非熱可塑性ポリイミドの秩序構造を形成しやすくし、絶縁樹脂層の高温環境下での面内複屈折率(Δn)の変化量を抑制して加熱前後の面内複屈折率(Δn)の値の差(Δnh−Δn)を小さくするとともに、面内複屈折率(Δn)のばらつきを抑制することができる。さらに、厚さ方向の複屈折率変化を抑制することができる。
なお、本発明において、テトラカルボン酸残基とは、テトラカルボン酸二無水物から誘導された4価の基のことを表し、ジアミン残基とは、ジアミン化合物から誘導された2価の基のことを表す。また、「ジアミン化合物」は、末端の二つのアミノ基における水素原子が置換されていてもよく、例えば−NR(ここで、R,Rは、独立にアルキル基などの任意の置換基を意味する)であってもよい。
非熱可塑性ポリイミドに含まれるテトラカルボン酸残基としては、特に制限はないが、例えば、ピロメリット酸二無水物(PMDA)から誘導されるテトラカルボン酸残基(以下、PMDA残基ともいう。)、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)から誘導されるテトラカルボン酸残基(以下、BPDA残基ともいう。)が好ましく挙げられる。これらのテトラカルボン酸残基は、秩序構造を形成しやすく、高温環境下での面内複屈折率(Δn)の変化量を抑制して加熱前後の面内複屈折率(Δn)の値の差(Δnh−Δn)を小さくすることができる。さらに、厚さ方向の複屈折率変化を抑制することができる。また、PMDA残基は、熱膨張係数の制御とガラス転移温度の制御の役割を担う残基である。更に、BPDA残基は、テトラカルボン酸残基の中でも極性基がなく比較的分子量が大きいため、非熱可塑性ポリイミドのイミド基濃度を下げ、絶縁樹脂層の吸湿を抑制する効果も期待できる。このような観点から、PMDA残基及び/又はBPDA残基の合計量が、非熱可塑性ポリイミドに含まれる全テトラカルボン酸残基の100モル部に対して、好ましくは50モル部以上、より好ましくは50〜100モル部の範囲内、最も好ましくは70〜100モル部の範囲内であることがよい。
非熱可塑性ポリイミドに含まれる他のテトラカルボン酸残基としては、例えば、2,3',3,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸無水物、2,2',3,3'-、2,3,3',4'-又は3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4'-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、3,3'',4,4''-、2,3,3'',4''-又は2,2'',3,3''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、ビス(2,3-又は3.4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2,7,8-、1,2,6,7-又は1,2,9,10-フェナンスレン-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)テトラフルオロプロパン二無水物、2,3,5,6-シクロヘキサン二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、2,6-又は2,7-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-(又は1,4,5,8-)テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-(又は2,3,6,7-)テトラカルボン酸二無水物、2,3,8,9-、3,4,9,10-、4,5,10,11-又は5,6,11,12-ペリレン-テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、4,4’-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルメタン二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物から誘導されるテトラカルボン酸残基が挙げられる。
非熱可塑性ポリイミドに含まれるジアミン残基としては、一般式(1)で表されるジアミン化合物から誘導されるジアミン残基が好ましく挙げられる。
Figure 2020104390
一般式(1)において、連結基Zは単結合若しくは−COO−を示し、Yは独立にハロゲン若しくはフェニル基で置換されてもよい炭素数1〜3の1価の炭化水素又は炭素数1〜3のアルコキシ基、又は炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、又はアルケニル基を示し、nは0〜2の整数を示し、p及びqは独立に0〜4の整数を示す。ここで、「独立に」とは、上記式(1)において、複数の置換基Y、整数p、qが同一でもよいし、異なっていてもよいことを意味する。
一般式(1)で表されるジアミン化合物から誘導されるジアミン残基(以下、「ジアミン残基(1)」と記すことがある)は、秩序構造を形成しやすく、寸法安定性を高め、特に高温環境下での面内複屈折率(Δn)の変化量を効果的に抑制できるとともに、加熱前後の面内複屈折率(Δn)の値の差(Δnh−Δn)を小さく抑えることができる。さらに、厚さ方向の複屈折率変化を効果的に抑制することができる。このような観点から、ジアミン残基(1)は、非熱可塑性ポリイミドに含まれる全ジアミン残基の100モル部に対して、20モル部以上、好ましくは70〜95モル部の範囲内、より好ましくは80〜90モル部の範囲内で含有することがよい。
ジアミン残基(1)の好ましい具体例としては、p−フェニレンジアミン(p−PDA)、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(m−TB)、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル(m−EB)、2,2’−ジエトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル(m−EOB)、2,2’−ジプロポキシ−4,4’−ジアミノビフェニル(m−POB)、2,2’−n−プロピル−4,4’−ジアミノビフェニル(m−NPB)、2,2’−ジビニル−4,4’−ジアミノビフェニル(VAB)、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノ-2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル(TFMB)等のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基が挙げられる。これらの中でも特に、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(m−TB)は、秩序構造を形成しやすく、高温環境下での面内複屈折率(Δn)の変化量を抑制して加熱前後の面内複屈折率(Δn)の値の差(Δnh−Δn)を小さくすることができ、さらに、厚さ方向の複屈折率変化を抑制することができるので特に好ましい。
また、絶縁樹脂層の弾性率を下げ、伸度及び折り曲げ耐性等を向上させるため、非熱可塑性ポリイミドが、下記の一般式(2)及び(3)で表されるジアミン残基からなる群より選ばれる少なくとも1種のジアミン残基を含むことが好ましい。
Figure 2020104390
上記式(2)及び式(3)において、R、R、R及びRはそれぞれ独立にハロゲン原子、又は炭素数1〜4の、ハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基もしくはアルコキシ基、又はアルケニル基を示し、Xは独立に−O−、−S−、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH)−、−CO−、−COO−、−SO−、−NH−又は−NHCO−から選ばれる2価の基を示し、X及びXはそれぞれ独立に単結合、−O−、−S−、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH)−、−CO−、−COO−、−SO−、−NH−又は−NHCO−から選ばれる2価の基を示すが、X及びXの両方が単結合である場合を除くものとし、m、n、o及びpは独立に0〜4の整数を示す。
なお、「独立に」とは、上記式(2)、(3)の内の一つにおいて、または両方において、複数の連結基X、連結基XとX、複数の置換基R、R、R、R、さらに、整数m、n、o、pが、同一でもよいし、異なっていてもよいことを意味する。
一般式(2)及び(3)で表されるジアミン残基は、屈曲性の部位を有するので、絶縁樹脂層に柔軟性を付与することができる。ここで、一般式(3)で表されるジアミン残基は、ベンゼン環が4個であるので、熱膨張係数(CTE)の増加を抑制するために、ベンゼン環に結合する末端基はパラ位とすることが好ましい。また、絶縁樹脂層に柔軟性を付与しながら熱膨張係数(CTE)の増加を抑制する観点から、一般式(2)及び(3)で表されるジアミン残基は、非熱可塑性ポリイミドに含まれる全ジアミン残基の100モル部に対して、好ましくは5〜30モル部の範囲内、より好ましくは10〜20モル部の範囲内で含有することがよい。一般式(2)及び(3)で表されるジアミン残基が5モル部未満であると、絶縁樹脂層の弾性率が増加して伸度が低下し、折り曲げ耐性等の低下が生じることがあり、30モル部を超えると、分子の配向性が低下し、低CTE化が困難となることがある。
一般式(2)で表されるジアミン残基は、m、n及びoの一つ以上が0であるものが好ましく、また、基R、R及びRの好ましい例としては、炭素数1〜4のハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基、あるいは炭素数1〜3のアルコキシ基、又は炭素数2〜3のアルケニル基を挙げることができる。また、一般式(2)において、連結基Xの好ましい例としては、−O−、−S−、−CH−、−CH(CH)−、−SO−又は−CO−を挙げることができる。一般式(2)で表されるジアミン残基の好ましい具体例としては、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)、1,4−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−Q)、ビス(4‐アミノフェノキシ)−2,5−ジ−tert−ブチルベンゼン(DTBAB)、4,4−ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゾフェノン(BAPK)、1,3-ビス[2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、1,4-ビス[2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル]ベンゼン等のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基が挙げられる。
一般式(3)で表されるジアミン残基は、m、n、o及びpの一つ以上が0であるものが好ましく、また、基R、R、R及びRの好ましい例としては、炭素数1〜4のハロゲン原子で置換されてもよいアルキル基、あるいは炭素数1〜3のアルコキシ基、又は炭素数2〜3のアルケニル基を挙げることができる。また、一般式(3)において、連結基X及びXの好ましい例としては、単結合、−O−、−S−、−CH−、−CH(CH)−、−SO−又は−CO−を挙げることができる。但し、屈曲部位を付与する観点から、連結基X及びXの両方が単結合である場合を除くものとする。一般式(3)で表されるジアミン残基の好ましい具体例としては、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル(BAPE)、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン等のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基が挙げられる。
一般式(2)で表されるジアミン残基の中でも、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE−R)から誘導されるジアミン残基(「TPE−R残基」と記すことがある)が特に好ましく、一般式(3)で表されるジアミン残基の中でも、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)から誘導されるジアミン残基(「BAPP残基」と記すことがある)が特に好ましい。TPE−R残基及びBAPP残基は、屈曲性の部位を有するので、絶縁樹脂層の弾性率を低下させ、柔軟性を付与することができる。また、BAPP残基は分子量が大きいため、非熱可塑性ポリイミドのイミド基濃度を下げ、絶縁樹脂層の吸湿を抑制する効果も期待できる。
非熱可塑性ポリイミドに含まれる他のジアミン残基としては、例えば、m‐フェニレンジアミン(m−PDA)、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル(4,4'-DAPE)、3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、3,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、3,3'−ジアミノジフェニルプロパン、3,4'−ジアミノジフェニルプロパン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、3,4'−ジアミノベンゾフェノン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、2,2-ビス-[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[1-(3-アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、9,9-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、2,2−ビス-[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス-[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-メチレンジ-o-トルイジン、4,4’-メチレンジ-2,6-キシリジン、4,4’-メチレン-2,6-ジエチルアニリン、3,3’-ジアミノジフェニルエタン、3,3’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメトキシベンジジン、3,3''-ジアミノ-p-テルフェニル、4,4'-[1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4'-[1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン、ビス(p-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p-β-アミノ-t-ブチルフェニル)エーテル、ビス(p-β-メチル-δ-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(2-メチル-4-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(1,1-ジメチル-5-アミノペンチル)ベンゼン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタレン、2,4-ビス(β-アミノ-t-ブチル)トルエン、2,4-ジアミノトルエン、m-キシレン-2,5-ジアミン、p-キシレン-2,5-ジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、2,6-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノ-1,3,4-オキサジアゾール、ピペラジン等の芳香族ジアミン化合物から誘導されるジアミン残基が挙げられる。
非熱可塑性ポリイミドにおいて、上記テトラカルボン酸残基及びジアミン残基の種類や、2種以上のテトラカルボン酸残基又はジアミン残基を適用する場合のそれぞれのモル比を選定することにより、熱膨張係数、面内複屈折率(Δn)、貯蔵弾性率、引張弾性率等を制御することができる。また、非熱可塑性ポリイミドにおいて、ポリイミドの構造単位を複数有する場合は、ブロックとして存在しても、ランダムに存在していてもよいが、面内複屈折率(Δn)のばらつきを抑制する観点から、ランダムに存在することが好ましい。
非熱可塑性ポリイミドのイミド基濃度は、35重量%以下であることが好ましい。ここで、「イミド基濃度」は、ポリイミド中のイミド基部(−(CO)−N−)の分子量を、ポリイミドの構造全体の分子量で除した値を意味する。イミド基濃度が35重量%を超えると、樹脂自体の分子量が小さくなるとともに、極性基の増加によって吸湿性も増加する。上記酸無水物とジアミン化合物の組み合わせを選択することによって、非熱可塑性ポリイミド中の分子の配向性を制御することで、イミド基濃度低下に伴うCTEの増加を抑制し、低吸湿性を担保している。
非熱可塑性ポリイミドの重量平均分子量は、例えば10,000〜400,000の範囲内が好ましく、50,000〜350,000の範囲内がより好ましい。重量平均分子量が10,000未満であると、絶縁樹脂層の強度が低下して脆化しやすい傾向となる。一方、重量平均分子量が400,000を超えると、過度に粘度が増加して塗工作業の際に厚みムラ、スジ等の不良が発生しやすい傾向になる。
(熱可塑性ポリイミド)
本実施の形態において、熱可塑性ポリイミド層を構成する熱可塑性ポリイミドは、テトラカルボン酸残基及びジアミン残基を含み、これらがいずれも芳香族基を含むことが好ましい。熱可塑性ポリイミドに含まれるテトラカルボン酸残基及びジアミン残基が、いずれも芳香族基を含むことによって、絶縁樹脂層の高温環境下での面内複屈折率(Δn)の変化量を抑制することができる。
熱可塑性ポリイミドに含まれるテトラカルボン酸残基としては、特に制限はないが、例えば、ピロメリット酸二無水物(PMDA)から誘導されるテトラカルボン酸残基(以下、PMDA残基ともいう。)、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)から誘導されるテトラカルボン酸残基(以下、BPDA残基ともいう。)が好ましく挙げられる。これらのテトラカルボン酸残基は、秩序構造を形成しやすく、高温環境下での面内複屈折率(Δn)の変化量とすることができる。また、PMDA残基は、熱膨張係数の制御とガラス転移温度の制御の役割を担う残基である。更に、BPDA残基は、テトラカルボン酸残基の中でも極性基がなく比較的分子量が大きいため、熱可塑性ポリイミドのイミド基濃度を下げ、絶縁樹脂層の吸湿を抑制する効果も期待できる。このような観点から、PMDA残基及び/又はBPDA残基の合計量が、熱可塑性ポリイミドに含まれる全テトラカルボン酸残基の100モル部に対して、好ましくは50モル部以上、より好ましくは50〜100モル部の範囲内、最も好ましくは70〜100モル部の範囲内であることがよい。
熱可塑性ポリイミドに含まれる他のテトラカルボン酸残基としては、上記非熱可塑性ポリイミドで例示したものと同様の芳香族テトラカルボン酸二無水物から誘導されるテトラカルボン酸残基が挙げられる。
本実施の形態において、熱可塑性ポリイミドに含まれるジアミン残基としては、上記一般式(2)及び(3)から選ばれる少なくとも一種のジアミン残基が好ましい。一般式(2)及び(3)から選ばれるジアミン残基は、全ジアミン残基の100モル部に対して、合計で50モル部以上であることが好ましく、50〜100モル部であることがより好ましく、70〜100モル部の範囲内が最も好ましい。一般式(2)及び(3)から選ばれるジアミン残基を、全ジアミン残基の100モル部に対して合計で50モル部以上含むことによって、熱可塑性ポリイミド層に柔軟性と接着性を付与し、金属層に対する接着層として機能させることができる。また、一般式(2)で表されるジアミン残基の中でも、TPE−R残基が特に好ましく、一般式(3)で表されるジアミン残基の中でもBAPP残基が特に好ましい。TPE−R残基及びBAPP残基は、屈曲性の部位を有するので、絶縁樹脂層の弾性率を低下させ、柔軟性を付与することができる。また、BAPP残基は分子量が大きいため、熱可塑性ポリイミドのイミド基濃度を下げ、絶縁樹脂層の吸湿を抑制する効果も期待できる。
また、上述のように、非熱可塑性ポリイミド層を構成する非熱可塑性ポリイミドが、一般式(2)及び(3)から選ばれるジアミン残基を含有する場合には、熱可塑性ポリイミド層を構成する熱可塑性ポリイミドも、ジアミン残基として、類似した構造、好ましくは一般式(2)及び(3)から選ばれる同種のジアミン残基を含有することがよい。この場合、熱可塑性ポリイミドと非熱可塑性ポリイミドでは、ジアミン残基の含有比率は異なるものとなるが、類似若しくは同種のジアミン残基を含有することで、特にキャスト法によってポリイミドフィルムを形成する際に、熱可塑性ポリイミド層と非熱可塑性ポリイミド層の配向制御が容易になり、寸法精度を管理しやすくなる。このような観点から、本実施の形態では、非熱可塑性ポリイミド層を構成する非熱可塑性ポリイミドと、熱可塑性ポリイミド層を構成する熱可塑性ポリイミドがいずれも上記一般式(2)及び(3)から選ばれる少なくとも一種のジアミン残基を含有することが好ましく、該ジアミン残基が、TPE−R残基及び/又はBAPP残基を含有することが最も好ましい。
本実施の形態において、熱可塑性ポリイミドに含まれる、上記一般式(2)及び(3)以外のジアミン残基としては、例えば、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(m−TB)、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル(m−EB)、2,2’−ジエトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル(m−EOB)、2,2’−ジプロポキシ−4,4’−ジアミノビフェニル(m−POB)、2,2’−n−プロピル−4,4’−ジアミノビフェニル(m−NPB)、2,2’−ジビニル−4,4’−ジアミノビフェニル(VAB)、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノ-2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル(TFMB)、p‐フェニレンジアミン(p−PDA)、m‐フェニレンジアミン(m−PDA)、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルプロパン、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,4’-ジアミノジフェニルプロパン、3,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、(3,3’-ビスアミノ)ジフェニルアミン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、3-[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]ベンゼンアミン、3-[3-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]ベンゼンアミン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)、4,4'-[2-メチル-(1,3-フェニレン)ビスオキシ]ビスアニリン、4,4'-[4-メチル-(1,3-フェニレン)ビスオキシ]ビスアニリン、4,4'-[5-メチル-(1,3-フェニレン)ビスオキシ]ビスアニリン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4,4'-(3-アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、4-[3-[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ]フェノキシ]アニリン、4,4’-[オキシビス(3,1-フェニレンオキシ)]ビスアニリン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル(BAPE)、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ケトン(BAPK)、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)]ビフェニル等のジアミン化合物から誘導されるジアミン残基を挙げることができる。
熱可塑性ポリイミドにおいて、上記テトラカルボン酸残基及びジアミン残基の種類や、2種以上のテトラカルボン酸残基又はジアミン残基を適用する場合のそれぞれのモル比を選定することにより、熱膨張係数、面内複屈折率(Δn)、引張弾性率、ガラス転移温度等を制御することができる。また、熱可塑性ポリイミドにおいて、ポリイミドの構造単位を複数有する場合は、ブロックとして存在しても、ランダムに存在していてもよいが、ランダムに存在することが好ましい。
熱可塑性ポリイミド層を構成する熱可塑性ポリイミドは、金属層との密着性を向上させることができる。このような熱可塑性ポリイミドは、ガラス転移温度が200℃以上350℃以下の範囲内、好ましくは200℃以上320℃以下の範囲内である。
熱可塑性ポリイミドのイミド基濃度は、35重量%以下であることが好ましい。ここで、「イミド基濃度」は、ポリイミド中のイミド基部(−(CO)−N−)の分子量を、ポリイミドの構造全体の分子量で除した値を意味する。イミド基濃度が35重量%を超えると、樹脂自体の分子量が小さくなるとともに、極性基の増加によって低吸湿性も悪化する。上記酸無水物とジアミン化合物の組み合わせを選択することによって、熱可塑性ポリイミド中の分子の配向性を制御することで、イミド基濃度低下に伴うCTEの増加を抑制し、低吸湿性を担保している。
熱可塑性ポリイミドの重量平均分子量は、例えば10,000〜400,000の範囲内が好ましく、50,000〜350,000の範囲内がより好ましい。重量平均分子量が10,000未満であると、絶縁樹脂層の強度が低下して脆化しやすい傾向となる。一方、重量平均分子量が400,000を超えると、過度に粘度が増加して塗工作業の際に厚みムラ、スジ等の不良が発生しやすい傾向になる。
(ポリイミドの合成)
一般にポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン化合物を溶媒中で反応させ、ポリアミド酸を生成したのち加熱閉環させることにより製造できる。例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物をほぼ等モルで有機溶媒中に溶解させて、0〜100℃の範囲内の温度で30分〜24時間撹拌し重合反応させることでポリイミドの前駆体であるポリアミド酸が得られる。反応にあたっては、生成する前駆体が有機溶媒中に5〜30重量%の範囲内、好ましくは10〜20重量%の範囲内となるように反応成分を溶解する。重合反応に用いる有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、2−ブタノン、ジメチルスホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチルカプロラクタム、硫酸ジメチル、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム、クレゾール等が挙げられる。これらの溶媒を2種以上併用して使用することもでき、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の併用も可能である。また、このような有機溶媒の使用量としては特に制限されるものではないが、重合反応によって得られるポリアミド酸溶液の濃度が5〜30重量%程度になるような使用量に調整して用いることが好ましい。
合成されたポリアミド酸は、通常、反応溶媒溶液として使用することが有利であるが、必要により濃縮、希釈又は他の有機溶媒に置換することができる。また、ポリアミド酸は一般に溶媒可溶性に優れるので、有利に使用される。ポリアミド酸の溶液の粘度は、500cP〜100,000cPの範囲内であることが好ましい。この範囲を外れると、コーター等による塗工作業の際にフィルムに厚みムラ、スジ等の不良が発生し易くなる。ポリアミド酸をイミド化させる方法は、特に制限されず、例えば前記溶媒中で、80〜400℃の範囲内の温度条件で1〜24時間かけて加熱するといった熱処理が好適に採用される。
絶縁樹脂層の寸法精度の改善効果をより大きく発現させる観点から、本実施の形態の金属張積層板は、幅方向(TD方向)の長さ(フィルム幅)が好ましくは490mm以上1200mm以下の範囲内、より好ましくは520mm以上1100mm以下の範囲内がよく、長尺状の長さが20m以上のものが好ましい。本実施の形態の金属張積層板が連続的に製造される場合、幅方向(TD方向)が広いほど発明の効果が特に顕著となる。なお、本実施の形態の金属張積層板が連続的に製造された後、長尺な金属張積層板の長手方向(MD方向)及びTD方向にある一定の値でスリットされた金属張積層板も含まれる。
本実施の形態の金属張積層板は、例えばポリイミドフィルムを含んで構成される樹脂フィルムを用意し、これに金属をスパッタリングして第1の金属層を形成後、第1の金属層の上に第2の金属層を形成することによって調製してもよい。このような樹脂フィルムは、例えば厚みばらつきを±5%以内に抑えることが好ましく、樹脂フィルムの表面粗度(Ra)を1nm以下に抑えることが好ましい。
また、本実施の形態の金属張積層板は、樹脂フィルムを用意し、これに金属層となる金属箔を熱圧着などの方法でラミネートすることによって調製してもよい。
さらに、金属張積層板は、金属層となる金属箔の上にポリアミド酸を含有する塗布液をキャストし、乾燥して塗布膜とした後、熱処理してイミド化し、ポリイミド層を形成することによって調製してもよい。
ラミネート法やキャスト法によって金属張積層板を調製する場合、ハンドリング性の観点から、金属層は、剥離可能な支持基材層を有することが好ましい。
支持基材層となる材質は特に制限されないが、耐熱性及びコスト面を考慮して、銅又は銅合金を用いることが好ましい。また、このような支持基材層の厚みは、金属層の安定した搬送性を得るという観点から、5〜100μmの範囲内であることが好ましく、12〜50μmの範囲内であることがより好ましい。また、このような支持基材層の厚みは、金属層の厚みに応じて適切な厚みを選択することが好ましい。また、支持基材層付金属層とポリイミド層とを積層するときのハンドリング性を考慮すれば、金属層と支持基材層の厚みの総和が、12〜50μmの範囲内であることが更に好ましい。
金属層の一方の面に支持基材層を設ける場合、本実施の形態の金属張積層板を得るためには、前記支持基材層を剥離することが必要である。支持基材層の剥離強度を調整するために、金属層と支持基材層の間に剥離層を設けることが好ましい。このような剥離層は、加熱温度による剥離強度の変化が小さく、剥離強度が安定していることが好ましく、無機物又は有機物からなる層であってもよい。なお、このような剥離層は、支持基材層を剥離する際に支持基材層と共に剥離されることが望ましいが、洗浄又は得られる金属張積層板を加工してFPCを製造する工程等で除去可能なら金属張積層板側に残っていても差し支えない。また、このような剥離層の厚みは特に限定されないが、0.5μm以下であることが好ましく、50〜100nmの範囲内であることがより好ましい。
本実施の形態の金属張積層板は、以上説明したような絶縁樹脂層、金属層、剥離層及び支持基材層を備えた積層体(以下、「キャリア付き積層体」という。)であってもよい。そして、このようなキャリア付き積層体は、前記層構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、キャリア付き積層体の絶縁樹脂層側に、他の金属層を積層してもよい。
また、本実施の形態のキャリア付き積層体においては、支持基材層と金属層との剥離強度が、好ましくは50N/m以下、より好ましくは1〜15N/mの範囲内、さらに好ましくは3〜10N/mの範囲内がよい。剥離強度が50N/mを超えると、支持基材層の剥離後の金属張積層板に反りが生じ易くなる傾向にある。
<金属張積層板の製造方法>
本実施の形態の金属張積層板の製造方法は、絶縁樹脂層の寸法精度と配線形成後のピール強度を向上させる観点から、キャスト法によって絶縁樹脂層を形成することが好ましく、下記の工程a〜cを備えることが好ましい。
a)支持基材を有し、厚みが0.5μm以上2μm以下の金属箔を有する支持基材付き金属箔を準備する工程、
b)前記支持基材付き金属箔上にポリアミド酸の樹脂溶液を塗布し熱処理することによって、単層又は複数層のポリイミド層からなり、少なくとも1層の非熱可塑性ポリイミド層を有する絶縁樹脂層を積層することにより、支持基材付き金属張積層板を得る工程、及び、
c)前記支持基材付き金属張積層板における前記支持基材を剥離する工程。
本実施の形態の金属張積層板の製造方法は、金属箔が下記の条件a1〜a4を満たす銅箔であることが好ましい。
a1)前記ポリアミド酸の樹脂溶液が塗布される塗布面の最大高さ粗さ(Rz)が0.3μm以下であること。
a2)Ni、Zn、Co、Mo及びCrからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む防錆金属層を有すること。
a3)厚みが0.5μm以上2μm以下の範囲内であること。
a4)前記塗布面の最大高低差(Mmax)と、前記塗布面と反対側の面の最大高低差(Smax)との和(Mmax+Smax)の平均値によって算出される母材平滑性の指標であるMS値が0.3以下であること。
工程aで用いる支持基材付き金属箔は、前記支持基材と前記金属箔との剥離強度が、好ましくは2〜20N/mの範囲内、より好ましくは5〜20N/mの範囲内がよい。剥離強度が前記下限未満では、工程bにおいて、金属箔が支持基材から剥離する場合があり、安定操業に問題を生ずる傾向にある。他方、剥離強度が20N/mを超えると、支持基材の剥離後の金属張積層板に反りが生じる場合がある。
本実施の形態の金属張積層板は、主にFPC等の回路基板の材料として有用である。例えば、金属張積層板の金属層を配線層の全部又は一部としてモディファイド・セミ・アディティブ・プロセス(MSAP)法、サブトラクティブ法等の手法により、パターン状に加工して配線層を形成することによって、本発明の一実施の形態であるFPC等の回路基板を製造できる。
<回路基板>
本発明に係る回路基板の一実施の形態であるFPCにおける配線のピッチ幅は、好ましくは20μm以下がよく、配線率(配線幅/ピッチ幅)は0.35〜0.75の範囲内であることがよい。
また、本発明の一実施の形態であるFPCにおける配線のピール強度の初期値は、好ましくは1kN/m以上がよく、150℃、240時間の熱処理後のピール強度は0.5kN/m以上がよく、更に好ましくは前記熱処理後のピール強度の保持率(初期値/熱処理後)が50%以上であることがよい。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。なお、以下の実施例において、特にことわりのない限り各種測定、評価は下記によるものである。
[粘度の測定]
粘度の測定は、E型粘度計(ブルックフィールド社製、商品名;DV−II+Pro)を用いて、25℃における粘度を測定した。トルクが10%〜90%になるよう回転数を設定し、測定を開始してから2分経過後、粘度が安定した時の値を読み取った。
[ガラス転移温度(Tg)の測定]
ガラス転移温度は、5mm×20mmのサイズのポリイミドフィルムを、動的粘弾性測定装置(DMA:ユー・ビー・エム社製、商品名;E4000F)を用いて、30℃から400℃まで昇温速度4℃/分、周波数11Hzで測定を行い、弾性率変化(tanδ)が最大となる温度をガラス転移温度とした。なお、DMAを用いて測定された30℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、360℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa未満を示すものを「熱可塑性」とし、30℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、360℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上を示すものを「非熱可塑性」とした。
[熱膨張係数(CTE)の測定]
3mm×20mmのサイズのポリイミドフィルムを、サーモメカニカルアナライザー(Bruker社製、商品名;4000SA)を用い、5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度で30℃から265℃まで昇温させ、更にその温度で10分保持した後、5℃/分の速度で冷却し、250℃から100℃までの平均熱膨張係数(熱膨張係数)を求めた。
[極薄銅箔の表面粗度(Rz)の測定]
接触式表面粗さ測定機(株式会社小坂研究所製、商品名;SURFE CORDER ET3000)を用いて、極薄銅箔のポリイミド層との接触面側の表面粗さを測定した。
[極薄銅箔の最大高低差の測定]
走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察(倍率;10,000倍)によって測定し、以下の手順によって母材平滑性の指標であるMS値を算出した。図1及び図2は、極薄銅箔における母材平滑性の指標であるMS値の算出方法の説明に用いる模式的断面図である。ここで、ポリイミド層が積層する面をM面とし、支持基材としてのキャリア銅箔側の面をS面とする。なお、説明の便宜上、図1及び図2では、極薄銅箔におけるM面及びS面の山と谷の起伏を誇張して表現している。

1)図1に示すように、極薄銅箔の表面粗さ成分を除去したプロファイルを母材の厚み(L)[単位;μm]とする。ここで、母材の厚み(L)は、重量厚み法によって得られる。
2)図2に示すように、M面の輪郭曲線mの谷深さの最大値となる点(pm地点)と、S面の輪郭曲線sの谷深さの最大値となる点(ps地点)をプロットする。
3)前記pm地点に接する直線(Pm線)及び前記ps地点に接する直線(Ps線)を、互いに平行となるように描く。
3)前記Pm線及びPs線からの距離が等しい中心線を描く。
4)前記中心線を基準に、M面側にL/2の距離で離れた直線(Lm線)及びS面側にL/2の距離で離れた直線(Ls線)を描く。このLm線とLs線の間の距離は、母材の厚みLに一致する。
5)M面の輪郭曲線mの山高さの最大値となる点pmmaxと前記Lm線との距離をM面側の最大高低差(Mmax)とし、S面の輪郭曲線sの山高さの最大値となる点psmaxと前記Ls線との距離をS面の最大高低差(Smax)とした。
6)前記Mmaxと前記Smaxとの和(Mmax+Smax)の平均値(つまり、1/2の値)を母材平滑性の指標となるMS値とした。
[剥離強度の測定]
1)ポリイミド層を積層しない極薄銅箔とキャリア銅箔との剥離強度
キャリア銅箔付き極薄銅箔を幅;0.25cm×長さ;4cmに切断し、テンシロンテスター(東洋精機製作所製、商品名;ストログラフVE−1D)を用いて、極薄銅箔側を両面テープによりアルミ板に固定し、キャリア銅箔を90°方向に50mm/分の速度で、キャリア銅箔を極薄銅箔から10mm剥離したときの中央強度を求めた。
2)ポリイミド層を積層した後の極薄銅箔とキャリア銅箔と剥離強度
キャリア銅箔付き銅張積層板(キャリア箔/極薄銅箔/ポリイミド層)を幅;0.25cm×長さ;4cmに切断し、テンシロンテスター(東洋精機製作所製、商品名;ストログラフVE−1D)を用いて、ポリイミド層側を両面テープによりアルミ板に固定し、キャリア銅箔を90°方向に50mm/分の速度で、キャリア銅箔を極薄銅箔から10mm剥離したときの中央強度を求めた。
[ピール強度の測定]
1)初期ピール強度の測定
キャリア銅箔を剥離した後の銅張積層板(極薄銅箔/ポリイミド層)について、極薄銅箔を含めた銅の総厚みが8μmになるように極薄銅箔上に電解銅めっきを行って調製した銅箔を幅0.1mmに回路加工した後、幅;8cm×長さ;4cmに切断し、評価用基板を得た。この評価用基板について、テンシロンテスター(東洋精機製作所製、商品名;ストログラフVE−1D)を用いて、ポリイミド層側を両面テープによりアルミ板に固定し、銅箔を90°方向に50mm/分の速度で、銅箔をポリイミド層から10mm剥離したときの中央強度を求めた。
2)熱処理後ピール強度の測定
キャリア銅箔を剥離した後の銅張積層板(極薄銅箔/ポリイミド層)について、極薄銅箔を含めた銅の総厚みが8μmになるように極薄銅箔上に電解銅めっきを行って調製した銅箔を幅0.1mmに回路加工した後、幅;8cm×長さ;4cmに切断した。それを150℃に熱したオーブンにて240時間、加熱した状態で放置し、評価用基板を得た。この評価用基板について、テンシロンテスター(東洋精機製作所製、商品名;ストログラフVE−1D)を用いて、ポリイミド層側を両面テープによりアルミ板に固定し、銅箔を90°方向に50mm/分の速度で、銅箔をポリイミド層から10mm剥離したときの中央強度を求めた。
[回路加工性の評価]
サンプルの導体層上に、所定のピッチでの配線率(配線幅/ピッチ幅)がそれぞれ、0.58、0.60、0.65及び0.68のレジストパターンを形成した。レジストが形成されていない表面に電気銅めっきを8.0〜8.5μmの範囲内の厚さで形成し、レジストを除去し、エッチング液でフラッシュエッチングを行なうことによって、回路間に残存する極薄銅箔を除去した。このとき、配線率が0.35〜0.75の範囲内にある場合を「可」とし、それ以外を「不可」とした。
[面内リタデーション(RO)の測定]
複屈折率計(フォトニックラティス社製、商品名;ワイドレンジ複屈折評価システムWPA−100、測定エリア;MD:140mm×TD:100mm)を用いて、所定のサンプルの面内方向のリタデーションを求めた。なお、入射角は、0°、測定波長は、543nmである。
[面内リタデーション(RO)の評価用サンプルの調製]
長尺状の金属張積層板の金属層をエッチングして得られたポリイミドフィルムにおけるTD方向の左右2つの端部(Left及びRight)並びに中央部(Center)のそれぞれにおいて、A4サイズ(TD:210mm×MD:297mm)に切断し、サンプルL(Left)、サンプルR(Right)及びサンプルC(Center)を調製した。
[面内複屈折率(Δn)の評価]
サンプルL、サンプルR及びサンプルCのそれぞれについて面内リタデーション(RO)をそれぞれ測定した。各サンプルの測定値の最大値を評価用サンプルの厚さで除した値を「面内複屈折率(Δn)」とし、面内リタデーション(RO)の測定値における最大値と最小値の差を「幅方向(TD方向)の面内リタデーション(RO)のばらつき(ΔRO)」とし、このΔROを評価用サンプルの厚さで除した値を「幅方向(TD方向)の面内複屈折率(Δn)のばらつき[Δ(Δn)]」とした。
[反りの測定]
50mm×50mmのサイズのサンプルを、23℃、50%RH下で24時間調湿後、カールしている方向を上面とし、平滑な台上に設置した。その際のカール量についてノギスを用いて測定を行ない、サンプルの4角の測定値の平均をカール量とした。
[ポリイミド層の表面の算術平均粗さ(Ra)の測定]
触針式表面粗さ計(株式会社小坂研究所製、商品名;サーフコーダET−3000)を用い、Force;100μN、Speed;20μm、Range;800μmの測定条件によって求めた。なお、表面粗さの算出は、JIS−B0601:1994に準拠した方法により算出した。
実施例及び比較例に用いた略号は、以下の化合物を示す。
PMDA:ピロメリット酸二無水物
BPDA:3,3',4,4'‐ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
m‐TB:2,2'‐ジメチル‐4,4'‐ジアミノビフェニル
TPE−R:1,3-ビス(4‐アミノフェノキシ)ベンゼン
DAPE:4,4'-ジアミノジフェニルエーテル
BAPP:2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
p‐PDA:p−フェニレンジアミン
DMAc:N,N‐ジメチルアセトアミド
実施例及び比較例に用いた銅箔の略号は、以下のとおりである。
1)銅箔A(キャリア銅箔付き極薄銅箔、長尺状、幅;1080mm):
キャリア銅箔の厚み;18μm、剥離層厚み;約100nm、極薄銅箔の厚み;1.5μm、
極薄銅箔のM面の粗化処理なし、極薄銅箔M面の防錆層;Ni、Zn及びCr含有、
極薄銅箔のM面のRz;0.24μm、
Mmax;0.24μm、Smax;0.34μm、母材平滑性(MS値);0.29、
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;15.3N/m
2)銅箔B(キャリア銅箔付き極薄銅箔、長尺状、幅;1080mm):
キャリア銅箔の厚み;18μm、剥離層厚み;約100nm、極薄銅箔の厚み;1.5μm、
極薄銅箔のM面の粗化処理あり、極薄銅箔M面の防錆層;Ni、Zn及びCr含有、
極薄銅箔のM面のRz;0.72μm、
Mmax;0.72μm、Smax;0.32μm、母材平滑性(MS値);0.52、
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;6.4N/m
(合成例1)
窒素気流下で、反応槽に、23.0重量部のm−TB(0.108モル部)及び3.5重量部のTPE−R(0.012モル部)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、26.0重量部のPMDA(0.119モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液aを得た。ポリアミド酸溶液aの溶液粘度は41,100cpsであった。このポリアミド酸溶液aから得られたポリイミドのガラス転移温度は421℃で、非熱可塑性、熱膨張係数は10(ppm/K)であった。
(合成例2)
窒素気流下で、反応槽に、17.3重量部のm−TB(0.081モル部)及び10.2重量部のTPE−R(0.035モル部)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、25.1重量部のPMDA(0.115モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液bを得た。ポリアミド酸溶液bの溶液粘度は38,200cpsであった。このポリアミド酸溶液bから得られたポリイミドのガラス転移温度は427℃で、非熱可塑性、熱膨張係数は22(ppm/K)であった。
(合成例3)
窒素気流下で、反応槽に、16.4重量部のm−TB(0.077モル部)及び9.7重量部のTPE−R(0.033モル部)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、16.7重量部のPMDA(0.077モル部)及び9.7重量部のBPDA(0.033モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液cを得た。ポリアミド酸溶液cの溶液粘度は46,700cpsであった。このポリアミド酸溶液cから得られたポリイミドのガラス転移温度は366℃で、非熱可塑性、熱膨張係数は23(ppm/K)であった。
(合成例4)
窒素気流下で、反応槽に、22.4重量部のm−TB(0.105モル部)及び4.8重量部のBAPP(0.012モル部)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、25.3重量部のPMDA(0.116モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液dを得た。ポリアミド酸溶液dの溶液粘度は36,800cpsであった。このポリアミド酸溶液dから得られたポリイミドのガラス転移温度は408℃で、非熱可塑性、熱膨張係数は9(ppm/K)であった。
(合成例5)
窒素気流下で、反応槽に、12.3重量部のm−TB(0.058モル部)、10.1重量部のTPE−R(0.035モル部)及び2.5重量部のp−PDA(0.023モル部)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、17.5重量部のPMDA(0.080モル部)及び10.1重量部のBPDA(0.034モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液eを得た。ポリアミド酸溶液eの溶液粘度は42,700cpsであった。このポリアミド酸溶液eから得られたポリイミドのガラス転移温度は360℃で、非熱可塑性、熱膨張係数は18(ppm/K)であった。
(合成例6)
窒素気流下で、反応槽に、2.2重量部のm−TB(0.010モル部)及び27.6重量部のTPE−R(0.094モル部)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、22.7重量部のPMDA(0.104モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液fを得た。ポリアミド酸溶液fの溶液粘度は33,900cpsであった。このポリアミド酸溶液fから得られたポリイミドのガラス転移温度は446℃で、熱可塑性、熱膨張係数は55(ppm/K)であった。
(合成例7)
窒素気流下で、反応槽に、30.2重量部のBAPP(0.074モル部)及び重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、22.3重量部のBPDA(0.076モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液gを得た。ポリアミド酸溶液gの溶液粘度は9,800cpsであった。このポリアミド酸溶液gから得られたポリイミドのガラス転移温度は252℃で、熱可塑性、熱膨張係数は46(ppm/K)であった。
(合成例8)
窒素気流下で、反応槽に、25.8重量部のTPE−R(0.088モル部)及び重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、26.7重量部のBPDA(0.091モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液hを得た。ポリアミド酸溶液hの溶液粘度は8,800cpsであった。このポリアミド酸溶液hから得られたポリイミドのガラス転移温度は243℃で、熱可塑性、熱膨張係数は65(ppm/K)であった。
(合成例9)
窒素気流下で、反応槽に、17.6重量部のTPE−R(0.060モル部)及び1.6重量部のp−PDA(0.015モル部)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、22.8重量部のBPDA(0.077モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液iを得た。ポリアミド酸溶液iの溶液粘度は7,800cpsであった。このポリアミド酸溶液iから得られたポリイミドのガラス転移温度は239℃で、熱可塑性、熱膨張係数は65(ppm/K)であった。
(合成例10)
窒素気流下で、反応槽に、11.7重量部のDAPE(0.058モル部)及び11.4重量部のTPE−R(0.039モル部)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、29.5重量部のBPDA(0.100モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液jを得た。ポリアミド酸溶液jの溶液粘度は11,200cpsであった。このポリアミド酸溶液jから得られたポリイミドのガラス転移温度は265℃で、熱可塑性、熱膨張係数は58(ppm/K)であった。
(合成例11)
窒素気流下で、反応槽に、22.5重量部のDAPE(0.127モル部)及び153.33重量部のm−TB(0.721モル部)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、60.85重量部のBPDA(0.207モル部)及び135.32重量部のPMDA(0.620モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液kを得た。このポリアミド酸溶液kから得られたポリイミドは、非熱可塑性、熱膨張係数は7.6(ppm/K)であった。
(合成例12)
窒素気流下で、反応槽に、11.9重量部のDAPE(0.059モル部)及び167.4重量部のm−TB(0.787モル部)並びに重合後の固形分濃度が15重量%となる量のDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、60.71重量部のBPDA(0.206モル部)及び135.02重量部のPMDA(0.618モル部)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液lを得た。このポリアミド酸溶液lから得られたポリイミドは、非熱可塑性、熱膨張係数は3.9(ppm/K)であった。
[実施例1]
銅箔AのM面に合成例7で調製したポリアミド酸溶液gを硬化後の厚みが2.5μmとなるように均一にキャストした後、加熱乾燥した。その上に合成例1で調製したポリアミド酸溶液aを硬化後の厚みが20μmとなるように均一にキャストした後、加熱乾燥した。更に、その上に合成例7で調製したポリアミド酸溶液gを硬化後の厚みが2.5μmとなるように均一にキャストした後、加熱乾燥した。その後、段階的な熱処理によってイミド化を完結し、片面銅張積層板1aを調製した。このときの熱処理の最高温度は360℃であった。
片面銅張積層板1aのポリイミド層側と、別に準備した銅箔AのM面とが接するように配置し、熱ロールラミネート装置を用いて連続的に300〜400℃の範囲内の温度で熱圧着を行なって、両面銅張積層板1bを調製した。両面銅張積層板1bにおけるキャリア銅箔を剥離し、銅張積層板1を調製した。
銅張積層板1の評価結果は次のとおりである。
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;11.8N/m(M面側)
ポリイミド層のCTE;17ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);0.44×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.04×10−3
反り量;0mm
初期ピール強度;1.5kN/m
熱処理後のピール強度;0.9kN/m(保持率;60%)
回路加工性(20μmピッチ);可
[実施例2]
合成例1で調製したポリアミド酸溶液aの代わりに、合成例2で調製したポリアミド酸溶液bを使用したこと以外、実施例1と同様にして片面銅張積層板2a及び両面銅張積層板2b並びに銅張積層板2を調製した。
銅張積層板2の評価結果は次のとおりである。
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;11.8N/m(M面側)
ポリイミド層のCTE;17ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);0.68×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.12×10−3
反り量;1.2mm
初期ピール強度;1.4kN/m
熱処理後のピール強度;0.9kN/m(保持率;64%)
回路加工性(20μmピッチ);可
[実施例3]
合成例1で調製したポリアミド酸溶液aの代わりに、合成例3で調製したポリアミド酸溶液cを使用したこと以外、実施例1と同様にして、片面銅張積層板3a及び両面銅張積層板3b並びに銅張積層板3を調製した。
銅張積層板3の評価結果は次のとおりである。
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;11.8N/m(M面側)
ポリイミド層のCTE;17ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);0.72×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.08×10−3
反り量;1.5mm
初期ピール強度;1.4kN/m
熱処理後のピール強度;0.9kN/m(保持率;64%)
回路加工性(20μmピッチ);可
[実施例4]
合成例1で調製したポリアミド酸溶液aの代わりに、合成例4で調製したポリアミド酸溶液dを使用したこと以外、実施例1と同様にして、片面銅張積層板4a及び両面銅張積層板4b並びに銅張積層板4を調製した。
銅張積層板4の評価結果は次のとおりである。
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;11.8N/m(M面側)
ポリイミド層のCTE;17ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);0.48×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.04×10−3
反り量;0.7mm
初期ピール強度;1.5kN/m
熱処理後のピール強度;0.9kN/m(保持率;60%)
回路加工性(20μmピッチ);可
[実施例5]
合成例1で調製したポリアミド酸溶液aの代わりに、合成例5で調製したポリアミド酸溶液eを使用したこと以外、実施例1と同様にして、片面銅張積層板5a及び両面銅張積層板5b並びに銅張積層板5を調製した。
銅張積層板5の評価結果は次のとおりである。
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;11.8N/m(M面側)
ポリイミド層のCTE;17ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);0.68×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.16×10−3
反り量;2.3mm
初期ピール強度;1.3kN/m
熱処理後のピール強度;0.8kN/m(保持率;62%)
回路加工性(20μmピッチ);可
[実施例6]
合成例7で調製したポリアミド酸溶液gの代わりに、合成例8で調製したポリアミド酸溶液hを使用したこと以外、実施例1と同様にして、片面銅張積層板6a及び両面銅張積層板6b並びに銅張積層板6を調製した。
銅張積層板6の評価結果は次のとおりである。
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;11.8N/m(M面側)
ポリイミド層のCTE;17ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);0.48×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.08×10−3
反り量;2.6mm
初期ピール強度;1.6kN/m
熱処理後のピール強度;0.9kN/m(保持率;56%)
回路加工性(20μmピッチ);可
[実施例7]
合成例7で調製したポリアミド酸溶液gの代わりに、合成例9で調製したポリアミド酸溶液iを使用したこと以外、実施例1と同様にして、片面銅張積層板7a及び両面銅張積層板7b並びに銅張積層板7を調製した。
銅張積層板7の評価結果は次のとおりである。
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;11.8N/m(M面側)
ポリイミド層のCTE;17ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);0.52×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.08×10−3
反り量;1.3mm
初期ピール強度;1.6kN/m
熱処理後のピール強度;0.9kN/m(保持率;56%)
回路加工性(20μmピッチ);可
[実施例8]
合成例7で調製したポリアミド酸溶液gの代わりに、合成例6で調製したポリアミド酸溶液fを使用し硬化後の厚みを1μmにしたこと、及び合成例1で調製したポリアミド酸溶液aの硬化後の厚みを23μmにしたこと以外、実施例1と同様にして、片面銅張積層板8a及び両面銅張積層板8b並びに銅張積層板8を調製した。
銅張積層板8の評価結果は次のとおりである。
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;11.8N/m(M面側)
ポリイミド層のCTE;17ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);0.4×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.04×10−3
反り量;0.5mm
初期ピール強度;1.7kN/m
熱処理後のピール強度;0.9kN/m(保持率;53%)
回路加工性(20μmピッチ);可
[実施例9]
合成例11で得られたポリアミド酸溶液kを支持基材(ステンレス製、厚み;16μm)の離型処理した面に、硬化後の厚みが約16μmとなるように均一に塗布した後、130℃で加熱乾燥した。その上に、合成例12で得られたポリアミド酸溶液lを硬化後の厚みが約9μmとなるように均一に塗布し、130℃で加熱乾燥した後、130℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結し、常温まで冷却後、支持基材より剥離することで、ポリイミドフィルム9(長尺状、幅;1080mm、キャスト面のRa;0.8nm)を調製した。
ロール・ツー・ロールスパッタリング装置を用いて、ポリイミドフィルム9のキャスト面にCrを20重量%含有するNi−Cr合金からなる下地金属層(厚み;20nm)と、その下地金属層の表面に銅層(厚み;0.5μm)を形成し、銅張積層板9を調製した。
銅張積層板9の評価結果は次のとおりである。
ポリイミド層のCTE;14ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);0.78×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.04×10−3
金属層のM面のRz;0.1μm、Mmax;0.1μm、Smax;0.1μm、母材平滑性(MS値);0.1
反り量;13.0mm
初期ピール強度;0.7kN/m
熱処理後のピール強度;0.4kN/m(保持率;57%)
回路加工性(20μmピッチ);可
(参考例1)
合成例1で調製したポリアミド酸溶液aの代わりに、合成例6で調製したポリアミド酸溶液fを使用したこと以外、実施例1と同様にして、片面銅張積層板10a及び両面銅張積層板10b並びに銅張積層板10を調製した。
銅張積層板10の評価結果は次のとおりである。
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;11.8N/m(M面側)
ポリイミド層のCTE;17ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);2.4×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.24×10−3
反り量;4.6mm
初期ピール強度;1.4kN/m
熱処理後のピール強度;0.9kN/m(保持率;64%)
回路加工性(20μmピッチ);可
(参考例2)
合成例7で調製したポリアミド酸溶液gの代わりに、合成例10で調製したポリアミド酸溶液jを使用したこと以外、実施例1と同様にして、片面銅張積層板11a及び両面銅張積層板11b並びに銅張積層板11を調製した。
銅張積層板11の評価結果は次のとおりである。
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;11.8N/m(M面側)
ポリイミド層のCTE;17ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);1.6×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.2×10−3
反り量;5.5mm
初期ピール強度;1.4kN/m
熱処理後のピール強度;0.9kN/m(保持率;64%)
回路加工性(20μmピッチ);可
(参考例3)
銅箔Aの代わりに、銅箔Bを使用したこと以外、実施例1と同様にして、片面銅張積層板12a及び両面銅張積層板12b並びに銅張積層板12を調製した。
銅張積層板12の評価結果は次のとおりである。
キャリア銅箔と極薄銅箔の剥離強度;7.5N/m(M面側)
ポリイミド層のCTE;17ppm/K
ポリイミド層の面内複屈折率(△n);0.44×10−3
ポリイミド層の幅方向(TD方向)の面内複屈折率のばらつき[△(△n)];0.04×10−3
反り量;0mm
初期ピール強度;1.8kN/m
熱処理後のピール強度;1.5kN/m(保持率;80%)
回路加工性(20μmピッチ);不可(但し、30μmピッチ評価では可)
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。

Claims (12)

  1. 非熱可塑性ポリイミド層を含む単層又は複数層の絶縁樹脂層の少なくとも一方の面に金属層を備えた金属張積層板であって、
    下記の条件(i)〜(v);
    (i)前記絶縁樹脂層の熱膨張係数が10〜30ppm/Kの範囲内であること;
    (ii)前記絶縁樹脂層の面内複屈折率の値が2×10−3以下の範囲内であり、幅方向の面内複屈折率のばらつきが4×10−4以下であること;
    (iii)前記絶縁樹脂層と接する面の前記金属層の最大高さ粗さ(Rz)が0.3μm以下であること;
    (iv)前記金属層は、前記絶縁樹脂層に隣接する第1金属層と、前記第1金属層に隣接する第2金属層と、を含むものであり、
    前記第1金属層は、Ni、Zn、Co、Mo及びCrからなる群より選ばれた少なくとも1種を含み、
    前記第2金属層は、Cuを主成分として含むものであること;
    (v)前記金属層の厚みが0.5μm以上2μm以下の範囲内であり、
    前記金属層における前記絶縁樹脂層側の面の最大高低差(Mmax)と、前記金属層における前記絶縁樹脂層側の面と反対側の面の最大高低差(Smax)との和(Mmax+Smax)の平均値によって算出される母材平滑性の指標であるMS値が0.3以下であること;
    を満たすことを特徴とする金属張積層板。
  2. 前記絶縁樹脂層が複数層であって、前記金属層の表面に接する層が、熱可塑性ポリイミド層であることを特徴とする請求項1に記載の金属張積層板。
  3. 前記金属層のもう一方の面に剥離可能な支持基材層を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の金属張積層板。
  4. 前記支持基材層の前記金属層との剥離強度が50N/m以下であることを特徴とする請求項3に記載の金属張積層板。
  5. 請求項1又は2に記載の金属張積層板の前記金属層を配線加工してなる回路基板。
  6. 前記配線のピッチ幅が20μm以下であり、配線率(配線幅/ピッチ幅)が0.35〜0.75の範囲内であることを特徴とする請求項5に記載の回路基板。
  7. 前記配線のピール強度の初期値が1kN/m以上であり、150℃、240時間の熱処理後のピール強度が0.5kN/m以上であることを特徴とする請求項5又は6に記載の回路基板。
  8. 前記熱処理後のピール強度の保持率(初期値/熱処理後)が50%以上であることを特徴とする請求項7に記載の回路基板。
  9. 下記の工程a〜c:
    a)支持基材を有し、厚みが0.5μm以上2μm以下の金属箔を有する支持基材付き金属箔を準備する工程;
    b)前記支持基材付き金属箔上にポリアミド酸の樹脂溶液を塗布し熱処理することによって、単層又は複数層のポリイミド層からなり、少なくとも1層の非熱可塑性ポリイミド層を有する絶縁樹脂層を積層することにより、支持基材付き金属張積層板を得る工程;
    c)前記支持基材付き金属張積層板における前記支持基材を剥離する工程;
    を備え、
    前記金属箔が下記の条件a1〜a4;
    a1)前記ポリアミド酸の樹脂溶液が塗布される塗布面の最大高さ粗さ(Rz)が0.3μm以下であること;
    a2)Ni、Zn、Co、Mo及びCrからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む防錆金属層を有すること;
    a3)厚みが0.5μm以上2μm以下の範囲内であること;
    a4)前記塗布面の最大高低差(Mmax)と、前記塗布面と反対側の面の最大高低差(Smax)との和(Mmax+Smax)の平均値によって算出される母材平滑性の指標であるMS値が0.3以下であること;
    を満たすことを特徴とする金属張積層板の製造方法。
  10. 前記工程aで用いる前記支持基材付き金属箔は、前記支持基材と前記金属箔との剥離強度が2〜20N/mの範囲内であり、前記工程cにおける剥離強度が50N/m以下であることを特徴とする請求項9に記載の金属張積層板の製造方法。
  11. 前記絶縁樹脂層の面内複屈折率の値が2×10−3以下であり、幅方向の面内複屈折率のばらつきが4×10−4以下であることを特徴とする請求項9又は10に記載の金属張積層板の製造方法。
  12. 前記工程cにおける前記支持基材の剥離前後の面内複屈折率の変化量が8×10−4以下であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の金属張積層板の製造方法。

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