JP4777206B2 - フレキシブル銅張積層板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器に使用されるフレキシブル銅張積層板(以下、銅張積層板と略すこともある。)の製造方法に関し、詳しくは、屈曲特性に優れたフレキシブル銅張積層板の製造方法に関するものである。
フレキシブル銅張積層板は、ハードディスク内の可動部やヒンジ部等の屈曲性や、柔軟性、高密度実装が要求される電子機器に広く用いられている。近年、さらなる装置の小型化、高度化が進み、銅張積層板を狭い箇所に折り曲げて収納することが増えたこと、またそれ自身の折り曲げ角度も鋭くなってきたことから、より高い屈曲性を持つ銅張積層板の供給が必要不可欠となってきた。
このような背景のもと、銅箔の屈曲性を改善する手段として、銅箔の厚みを薄くすることが知られている。この場合、屈曲の際の曲げ部外周に生じる歪みが減少し、屈曲性が向上する、しかしながら、銅張積層板を薄くするだけでは、設計に制約を受けてしまうなどの理由により限界がある。
また、屈曲性に優れる銅箔として、圧延銅箔が知られている。圧延銅箔の製造方法としては、電気銅をインゴットに鋳造し、圧延と焼鈍を繰り返して箔状にする。この方法により製造された銅箔は伸び率も高く、表面が平滑であるため、クラックが入りにくく耐折性に優れている。しかしながら、圧延銅箔は高価で、製造時の機械的な制約により、銅箔の幅1m以上のものは製造することが困難であった。更に、厚みの薄い圧延銅箔を安定的に製造することも難しく、薄くして屈曲性を高めるためには、ハーフエッチング等の処理を行う必要があった。
一方、低価格で厚みの調整も比較的に容易に行うことができる銅箔として電解銅箔がある。この電解銅箔の製造方法は、まず硫酸銅を主成分とした電解液中ドラムと呼ばれる直径2〜3mの大きな筒状の陰極を半分沈め、それを囲むように陽極を設ける。そしてドラム上に銅を電析させながら、これを回転させて、析出した銅を順次引き剥がし巻き取って製造する。しかし通常、電解液中には添加剤などの不純物が存在するため、析出した銅の結晶粒径は細かいものである。結晶粒径が細かいと銅箔の伸びが低く、結晶の粒界を起点にしてクラックが入るため、圧延銅箔を使用したものに比べると著しく屈曲性が劣っていた。
銅箔を焼鈍あるいは再結晶化と呼ばれるプロセスで結晶構造を再生する技術が報告されている。例えば、特開平11−293367号公報(特許文献1)には、銅合金を圧延工程で再結晶する方法が開示されている。また、特開平8−296082号公報(特許文献2)には、再結晶性の良好な電解銅箔が示され、特開平8−283886号公報(特許文献3)には、屈曲特性が改良されたフレキシブル配線基板用電解銅箔が示されている。しかし、例えば、溶液状のポリイミド前駆体樹脂を塗工し、乾燥及び熱硬化(イミド化)のための熱処理を行うキャスト法による銅張積層板の製造方法においては、その熱処理工程で300℃以上の熱がかかる。このような高い温度で熱処理すると、銅箔は完全に焼鈍され、伸びがなくなり脆くなってしまう。また、銅箔の熱収縮によりシワが入るため搬送性が悪くなるという課題もあった。
特開平11−293367号公報 特開平8−296082号公報 特開平8−283886号公報 特開2003−338525号公報 特開2006−51800号公報 特開2006−190824号公報
フレキシブル積層板の中でも、金属箔とポリイミド樹脂層からなる2層フレキシブル積層板においては、ポリイミド樹脂層の高い耐熱性から、半導体素子実装の配線基板として広く利用されている。しかしながら、これまでに知られているフレキシブル積層板においては、高温・高圧条件による半導体素子実装に耐えうるような熱的特性に優れ、かつフレキシブル積層板としての諸特性を保持したものがないのが実情であった。
一方、電子機器の小型化への要求にともなって、フレキシブル積層板の金属箔(導体層)に回路を形成して得られるフレキシブル配線基板(配線基板ともいう)の上に半導体素子(ICチップともいう)を実装する技術が開発されている。例えば、特開2003−338525号公報(特許文献4)は半導体装置とその製造方法に関する技術が開示されているが、ここに記載された技術を含め、同方法に類似した技術では、半導体素子を配線基板に樹脂を介して実装する場合、介在する樹脂成分を硬化又は軟化させるため半導体素子は封止治具とともに高温に加熱される。この加熱温度は、通常250℃以上である。また、樹脂を介在させないで接する金属同士で共晶を形成させる方法もあるが、この場合には、更に高い温度に加熱されることになる。特許文献4にあるように、半導体素子の基板への実装は、加熱下、半導体素子のバンプを配線基板の導体層へ加圧して実装され、この場合、積層板の導体回路と接する半導体素子のバンプ等の突起部は、高温状態で基板に圧着され押し付けられるため、配線基板に接する樹脂層の耐熱性が低かったり、柔らかい材質のものであったりすると接続部分に温度とともに圧力が集中し、配線基板の樹脂層上の回路や半導体素子の一部分が基板の絶縁樹脂層に沈み込み安定した実装が行えないという不具合が生じていた。
上記問題を解決すべく、絶縁樹脂層の構成を特定のものとすることで耐熱特性を向上させたフレキシブル積層板が報告されている。例えば、特開2006−51800号公報(特許文献5)、特開2006−190824号公報(特許文献6)が挙げられる。しかしながら、これらのフレキシブル積層板は、導体部に注意が払われておらず、屈曲特性を十分に生かすことが困難であった。
本発明は、銅箔とポリイミド樹脂層よりなる銅張積層板の製造方法において、高い屈曲特性の銅張積層板を安定して製造する方法を提供することを目的とする。また、他の目的はCOF用の銅張積層板及びICチップを実装したフレキシブル配線板を提供することにある。
本発明者らは種々検討した結果、特定の特性を有する電解銅箔を用い、その銅箔にポリイミド樹脂層を積層する工程において、特定の条件下で熱処理することで上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、銅箔の一方の面にポリイミド樹脂層が形成された銅張積層板の製造方法において、銅箔が、二次イオン質量分析(SIMS)で成分測定した場合、銅ピーク強度50.0に対して炭素ピーク強度が4.0以下である電解銅箔を使用し、該銅箔の一方の面にポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布し、続く熱処理工程で乾燥及び硬化を行い、前記熱処理工程において、300〜390℃の温度範囲で3〜30分保持することで、結晶粒径の平均値を3〜7μmの範囲内にすることを特徴とするフレキシブル銅張積層板の製造方法である。
また、本発明は、銅箔の一方の面にポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布・乾燥して350℃における貯蔵弾性率が0.1GPa〜3GPa、ガラス転移温度が300〜400℃の高弾性樹脂層(A)となる層を形成し、該樹脂層(A)となる層面にポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布・乾燥して線熱膨張係数が10ppm/K〜20ppm/Kの低熱膨張性樹脂層(B)となる層を形成した後、硬化を行うことを特徴とする上記のフレキシブル銅張積層板の製造方法である。
更に、本発明は、銅箔の一方の面にポリイミド樹脂層が形成された銅張積層板の製造方法において、銅箔が、二次イオン質量分析(SIMS)で成分測定した場合、銅ピーク強度50.0に対して炭素ピーク強度が4.0以下である電解銅箔を使用し、該銅箔にポリイミド樹脂フィルムを重ね合わせ、加圧下で熱圧着する熱処理工程で圧着を行い、前記熱処理工程において、290〜360℃の温度範囲で3〜40分保持することで、結晶粒径の平均値を3〜7μmの範囲内にすることを特徴とするフレキシブル銅張積層板の製造方法である。
また、本発明は、線熱膨張係数が1ppm/K〜20ppm/Kの低熱膨張性樹脂層(B)となるポリイミド樹脂層面に、ポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布・乾燥後、加熱による硬化を行い、350℃における貯蔵弾性率が0.1GPa〜3GPa、ガラス転移温度が300〜400℃の高弾性樹脂層(A)となる層を形成し、銅箔に前記高弾性樹脂層(A)を重ね合わせ、加圧下で熱処理による圧着を行うことを特徴とする上記のフレキシブル銅張積層板の製造方法である。
更に、本発明は、上記のフレキシブル銅張積層板の製造方法で得られたことを特徴とするフレキシブル銅張積層板である。また、本発明は、このフレキシブル銅張積層板をCOF用フレキシブル配線板に加工し、それにICチップをCOF法によって実装したことを特徴とする配線板又は電子部品である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の銅張積層板は、銅箔とポリイミド樹脂層とから構成される。銅箔はポリイミド樹脂層の片面のみに設けられていても、両面に設けられてもよい。銅箔の上にポリイミド樹脂層を積層する方法は、特に限定されない。例えば、銅箔の上にポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布する方法(以下、キャスト法という)でポリイミド樹脂からなる絶縁層を形成してもよいし、銅箔とポリイミド樹脂フィルムを加圧下で熱圧着する方法(以下、ラミネート法という)でポリイミド樹脂からなる絶縁層を形成してもよい。なお、それぞれの方法については後述するが、共通する部分は同時に説明する。
銅箔としては、電解銅箔が使用される。電解銅箔は、公知の方法で製造することができ、硫酸銅を主成分とした電解液から電気分解により析出させて得ることができる。しかし、その特性としては、二次イオン質量分析(SIMS)で成分測定した場合、銅ピーク強度50.0に対して炭素ピーク強度が4.0以下であるものであること、更に、一定の熱処理条件で再結晶化し、平均結晶粒径が、該熱処理により3〜7μmの範囲内になるものを使用することが必要である。本発明において定義する銅箔の平均結晶粒径は、熱処理後の銅箔サンプルを用意し、これらの銅箔表面に物理研磨を施した後、さらに酸性の腐食液を用いてエッチングし、これを超深度形状測定顕微鏡により2000倍の倍率で観察し、切断法によるASTM粒度測定(ASTM E112)に準拠して測定される値をいう。本発明で使用される電解銅箔は、市販されている電解銅箔に上記の熱処理を行い、平均結晶粒径が3〜7μmの範囲となるものを選択することができる。このような電解銅箔としては、日本電解株式会社製HL箔や古川サーキットフォイル株式会社製WS箔がある。
電解銅箔の屈曲特性を制御する手段として、銅箔が含有する炭素成分と結晶粒径の2つの因子を制御することが重要となる。金属結晶の物理的性質が素材の純度に依存することは古くから知られており、特に銅結晶中に含有する炭素成分は、それ自身が格子欠陥としての作用が大きい。銅箔が塑性変形を繰り返すうちに、炭素成分の格子欠陥が徐々に増加し、格子欠陥の周りが完全結晶ではなくなる、いわゆる加工硬化と呼ばれる現象が生じ、この加工硬化が進んで、金属疲労による破断が生じる。銅箔の塑性変形に影響を与えるもう一つの因子としての平均結晶粒径は、結晶粒子の各々を格子欠陥の単位セル構造とみなした場合、単位セル構造は各々独立しているので、銅箔全体にわたる格子欠陥の伝播を抑制する効果がある。従って、単位面積あたりの単位セルは多い方が好ましく、言い換えれば平均結晶粒径が小さい方が好ましいが、一方、結晶粒径が大きな結晶組織を有する銅箔は屈曲性に優れているので、この2つの因子のバランスをとることが重要である。熱処理後の結晶粒径は3〜7μmの範囲内であり、好ましくは3〜5μmである。また、使用する銅箔の厚さの好ましい範囲は5〜18μmであり、更に好ましい範囲は8〜15μmである。銅箔厚みが8μmに満たないと、銅張積層板の製造時のテンション調整が困難となる。一方、18μmを越えると銅張積層板の屈曲特性を十分に生かすことが難しくなる。
ポリイミド樹脂及びその前駆体樹脂は、公知のジアミンと酸無水物とを溶媒の存在下で反応して製造することができる。用いられるジアミンとしては、例えば、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、2'-メトキシ-4,4'-ジアミノベンズアニリド、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2'-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジヒドロキシ-4,4'-ジアミノビフェニル、4,4'-ジアミノベンズアニリド等が挙げられる。また、酸無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、4,4'-オキシジフタル酸無水物が挙げられる。ジアミン、酸無水物はそれぞれ、その1種のみを使用してもよく2種以上を併用して使用することもできる。
また、この反応は有機溶媒中で行わせることが好ましく、このような有機溶媒としては特に限定されないが、具体的には、ジメチルスルフォキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホルムアミド、フェノール、クレゾール、γ−ブチロラクトン等が挙げられ、これらは単独で又は混合して用いることができる。また、このような有機溶媒の使用量としては特に制限されるものではないが、重合反応よって得られる前駆体樹脂(ポリアミック酸)溶液の濃度が重量部において5〜30重量%程度になるような使用量に調整して用いることが好ましい。
本発明において、キャスト法により銅張積層板を製造する場合は、ポリイミド樹脂層は、前駆体の溶液状態で銅箔上に直接塗布して形成されるが、その方法は特に制限されず、コンマ、ダイ、ナイフ、リップ等のコーターにて塗布することが可能である。この塗工工程では、重合された前駆体樹脂溶液の粘度を500〜35,000cpsの範囲とすることが好ましい。塗布されたポリイミド前駆体樹脂層は、続く熱処理工程で乾燥、硬化(イミド化)される。この場合の熱処理条件は100〜400℃の温度範囲で計10〜40分程度行うことができるが、本発明においては、160℃以下で溶媒を乾燥させた後に、銅箔の再結晶化をさせるために、少なくとも280℃〜400℃の温度範囲で1分以上保持することを必要とする。好ましい保持条件は、300〜390℃の温度範囲で3〜30分、更に好ましくは、310〜380℃の温度範囲で5〜20分の範囲である。熱処理における保持条件が上記に満たないと、銅箔の結晶粒径の制御が不適当となり、高屈曲性の銅張積層板を得ることが困難となる。
ここで、銅張積層板のポリイミド樹脂層は、単層のみから形成されるものでも、複数層からなるものでもよい。ポリイミド樹脂層を複数層とする場合、異なる構成成分からなるポリイミド前駆体樹脂層の上に他のポリイミド前駆体樹脂を順次塗布して形成することができる。ポリイミド樹脂層が3層以上からなる場合、同一の構成のポリイミド樹脂を2回以上使用してもよい。
上記ポリイミド樹脂層は、単層、複数層いずれの場合であっても、熱線膨張係数が30ppm/K未満、有利には5ppm/K〜25ppm/Kの範囲にある低熱膨張性ポリイミド樹脂層を有することが好ましい。そして、この低熱膨張性ポリイミド樹脂層のいずれか一方又は両面の面にガラス転移温度が400℃以下、好ましくは300〜380℃の範囲にある熱可塑性ポリイミド樹脂層を設けることが好ましい。
銅箔の一方の面にポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布・乾燥して350℃における貯蔵弾性率が0.1GPa〜3GPa、ガラス転移温度が300〜400℃の高弾性樹脂層(A)となる層を形成し、該樹脂層(A)となる層面に他のポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布・乾燥して線熱膨張係数が10ppm/K〜20ppm/Kの低熱膨張性樹脂層(B)となる層を形成した後、硬化を行うことがよい。この場合は、銅箔/高弾性樹脂層(A)/低熱膨張性樹脂層(B)からなる層構造の銅張積層板が得られるが、低熱膨張性樹脂層(B)の上にさらに1層以上のポリイミド樹脂層を設けてもよい。
本発明において、ラミネート法により銅張積層板を製造する場合は、銅箔とポリイミド樹脂フィルムを熱圧着するが、所定の温度条件を満足すれば、その方法は特に制限されず、適宜公知の方法を採用することができる。たとえば、通常のハイドロプレス、真空タイプのハイドロプレス、オートクレーブ加圧式真空プレス、連続式熱ラミネータ等を挙げることができる。このような方法の中でも、十分なプレス圧力が得られ、残存揮発分の除去も容易に行え、更に銅箔の酸化を防止することができるという観点から真空ハイドロプレス、連続式熱ラミネータを用いることが好ましい。また、このようにして銅箔とポリイミド樹脂フィルムを熱圧着して張り合わせる際には、200〜400℃の範囲で行うことができるが、少なくとも280℃〜400℃の温度範囲で1分以上保持することを必要とする。好ましい保持条件は、290〜360℃の温度範囲で3〜40分、更に好ましくは、300〜340℃の温度範囲で5〜30分の範囲である。かかる温度範囲で所定時間保持することにより、熱圧着と熱処理が行われ、銅箔の結晶粒径の調整が可能となる。また、プレス圧力については、使用するプレス機器の種類にもよるが、通常、100〜150kgf/cm2程度が適当である。なお、ポリイミド樹脂フィルムはフィルム単独であってもよく、基材上にポリイミド樹脂層として形成されたものであってあってもよい。後者の場合は、熱圧着後、必要により基材を剥離することができる。
ラミネート法においても銅張積層板のポリイミド樹脂層は、単層のみから形成されるものでも、複数層からなるものでもよい。ポリイミド樹脂層を複数層とする場合、第一のポリイミド前駆体樹脂層の上に他のポリイミド前駆体樹脂を順次塗布して形成することができる。ポリイミド樹脂層が3層以上からなる場合、同一の構成のポリイミド樹脂を2回以上使用してもよい。
有利には、銅箔に重ね合わせるポリイミド樹脂フィルム又はポリイミド樹脂層が、線熱膨張係数が10ppm/K〜20ppm/Kの低熱膨張性樹脂層(B)となるポリイミド前駆体樹脂層面に、他のポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布・乾燥後、加熱による硬化を行い、350℃における貯蔵弾性率が0.1GPa〜3GPa、ガラス転移温度が300〜400℃の高弾性樹脂層(A)となる層を形成してなるフィルム又はポリイミド樹脂層を用意し、銅箔と該高弾性樹脂層(A)面を重ね合わせ、圧着を行うことがよい。この場合は、銅箔/高弾性樹脂層(A)/低熱膨張性樹脂層(B)からなる層構造の銅張積層板が得られるが、低熱膨張性樹脂層(B)の上にさらに1層以上のポリイミド樹脂層を設けてもよい。
上記ポリイミド樹脂層は、単層、複数層いずれの場合であっても、熱線膨張係数が30ppm/K未満、有利には5ppm/K〜25ppm/Kの範囲にある低熱膨張性ポリイミド樹脂層を有することが好ましい。そして、この低熱膨張性ポリイミド樹脂層(B)のいずれか一方又は両面の面にガラス転移温度が400℃以下、好ましくは300〜380℃の範囲にある高弾性樹脂層(A)(熱可塑性ポリイミド樹脂層ともいう)を設けることが好ましい。
ここで、上記低熱膨張性ポリイミド樹脂としては、下記一般式(1)で表される構造単位を主たる構成単位とすることが好ましい。
Figure 0004777206
但し、Ar1は式(2)又は式(3)で表される4価の芳香族基を示し、Ar3は式(4)又は式(5)で表される2価の芳香族基を示し、qは構成単位の存在モル比を示し、0.1〜1.0の範囲である。
Figure 0004777206
但し、R1は独立に炭素数1〜6の1価の炭化水素基又はアルコキシ基を示し、X及びYは独立に、単結合又は炭素数1〜15の2価の炭化水素基、O、S、CO、SO、SO2若しくはCONHから選ばれる2価の基を示し、nは独立に0〜4の整数を示す。
熱可塑性ポリイミド樹脂も、公知のジアミンと公知の酸無水物をそれぞれ1種以上適宜組み合わせて使用することで得ることができる。熱可塑性ポリイミド樹脂層は、ガラス転位温度が、400℃以下であることが好ましく、300〜380℃の範囲にあると同時に熱膨張係数が30ppm/K以上であることが好ましい。なお、ガラス転移温度が400℃以下であり、熱膨張係数が30ppm/K未満であるポリイミド樹脂層が2層以上使用される場合は、銅箔層に接しないポリイミド樹脂層を低熱膨張性ポリイミド樹脂層として扱うことがよい。また、熱膨張係数は、サーモメカニカルアナライザーを用いて測定される100℃から250℃の平均線熱膨張係数の値を指し、また、ガラス転移温度は、動的粘弾性測定装置によって測定される損失弾性率のピーク値を指す。
ポリイミド樹脂層の総厚みは、15〜50μmの範囲にあることが好ましく、更に好ましくは20〜40μmの範囲にあることがよい。ポリイミド樹脂層を低熱膨張性ポリイミド樹脂層と熱可塑性ポリイミド樹脂層とで構成する場合、その合計厚みの1/2以上、有利には2/3〜9/10は低熱膨張性ポリイミド樹脂層で構成することがよい。また、耐熱性や寸法安定性の観点から、熱可塑性ポリイミド樹脂層の一層の厚みは、5μm以下、有利には1〜4μmの範囲にあることがよい。同じ厚さの熱可塑性ポリイミド樹脂層を低熱膨張性ポリイミド樹脂層の両側に設ける場合、熱可塑性ポリイミド樹脂層の合計厚みは前記値の2倍となる。
本発明のフレキシブル銅張積層板は、上記のフレキシブル銅張積層板の製造方法で得られる。また、本発明のICチップを実装した配線板は、上記のフレキシブル銅張積層板を、回路加工を含む加工処理をしてCOF用フレキシブル配線板としたのち、COF法によりICチップ又は半導体素子を実装することにより得られる。
本発明で製造できるフレキシブル銅張積層板を、フレキシブルプリント基板用のCOF(チップオンフィルム)用途として適用する場合、上記低熱膨張性ポリイミド樹脂層(B)が、線熱膨張係数が10ppm/K〜20ppm/Kの範囲内にある低熱膨張性樹脂層、及び上記熱可塑性ポリイミド樹脂層(A)が、350℃における貯蔵弾性率が0.1GPa〜3GPa、ガラス転移温度が300〜400℃、好ましくは310〜380℃である高弾性樹脂層とすることが好ましい。このような高弾性樹脂層(A)としては、例えば、特許文献4で開示されている高弾性樹脂層を適用することができるが、積層板の屈曲特性を低下させることなく、貯蔵弾性率を向上させることが可能となったため、高温下での半導体素子の実装した際の沈み込みを抑制できる。
COF用フレキシブル配線板にICチップを実装した配線板の一例を、図1により説明する。フレキシブル銅張積層板を回路加工して得られた銅配線3及びポリイミド樹脂層4を有するCOF用フレキシブル配線板Aに、ICチップ1がバンブ2を介して銅配線3に接続する。この場合、ポリイミド樹脂層4が適切な線熱膨張係数、貯蔵弾性率、ガラス転移温度等を有しないと、図面右側の銅配線3のように配線がポリイミド樹脂層4に沈み込んでしまう。しかし、本発明のように構成された銅張積層板から得られるCOF用フレキシブル配線板Aのポリイミド樹脂層4はこれらが適切であるため、図面左側の銅配線3のように配線がポリイミド樹脂層4に沈み込んでしまうことがない。
COF用フレキシブル配線板にICチップを実装した配線板とそれを液晶パネルに使用した一例を、図2により説明する。ICチップ1は、液晶パネル5の脇に実装される。実装時、COF用フレキシブル配線板AとICチップ1は、COF用フレキシブル配線板Aの銅配線3上には錫めっきを施し、ICチップ1のバンプ2には金めっきが施されているので、熱をかけることでAu-Sn共晶により合金化して接合する。プリント基板BとCOF用フレキシブル配線板Aとの接合は、プリント基板Bの導体層6とCOF用フレキシブル配線板Aの銅配線3とを異方導電性フィルム7を用いた接合により行われる。ソルダーレジスト8は、銅配線3のむき出しの部分に覆いをする。図2のように、COF用フレキシブル配線板Aは実装後、折りたたんでテレビやパソコン、携帯電話の液晶の裏側へ収納されるため、高い屈曲性が必要とされる。また省スペース化、小型化のニーズに応えるため、COF用フレキシブル配線板Aの屈曲半径が更に小さくなり、より高い屈曲性能が必要になってきており、本発明の銅張積層板又はこれから得られるフレキシブル配線板はこれらの要求を満足する。
本発明によれば、銅張積層板製造における銅箔の搬送性に優れた電解銅箔を使用した場合でも、その後の熱処理工程で銅箔の結晶粒径を制御することで、屈曲特性の良好なフレキシブル銅張積層板を製造することができる。これにより、本発明で製造できるフレキシブル銅張積層板はCOF用途としてICを実装したフレキシブル配線板に有効に利用できる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特にことわりのない限り各種評価は下記によるものである。
1)平均結晶粒径の測定方法
銅箔表面に物理研磨を施した後、さらに酸性の腐食液を用いてエッチングし、これを(株)キーエンス社製の超深度形状測定顕微鏡VK8500により2000倍の倍率で観察し、切断法によるASTM粒度測定(ASTM E112)に準拠した方法を用いて、平均の結晶粒径を求めた。
2)屈曲試験
以下に示したIPC試験法及びMIT試験法により評価を行った。屈曲試験サンプルは、銅張積層板を各屈曲試験用に回路加工して、回路が形成された面に12μm厚のポリイミドフィルムに15μmのエポキシ系接着剤層が設けられた市販のカバー材を回路形成面と接着剤層とが向かい合わさるようにし、40kgf/cm2の圧力、160℃、60分間の条件で高温真空プレス機を用いて熱圧着させて得た。以下、試験片と呼ぶ。
2-1)MIT屈曲試験方法
(株)東洋精機製作所製のMIT屈曲試験装置により、MIT屈曲試験を行った。下記条件下で屈曲を繰り返し、試験片が断線するまでの回数を屈曲回数として求めた。
試験片幅:9mm、試験片長さ:90mm、回路幅/絶縁幅=150μm/200μm、試験片採取方向:試験片の長さが機械方向と平行になるように採取、屈曲半径r2=0.8mm、振動ストローク=20mm、振動速度:1500回/分、おもりの重さ=250g、折り曲げ角度=90±2°の条件で試験を行った。
3)ガラス転移温度、貯蔵弾性率の測定
粘弾性アナライザー(レオメトリックサイエンスエフィー株式会社製RSA−II)にて、合成例から得られたポリイミドフィルムを10mm幅のサンプルとして用い、1Hzの振動を与えながら、室温から400℃まで10℃/分の速度で昇温した際の動的粘弾性を測定し、ガラス転移温度(損失正接(Tanδ)の極大値)及び350℃での貯蔵弾性率を求めた。
4)熱線膨張係数の測定
サーモメカニカルアナライザー(セイコーインスツルメンツ社製)にて、合成例で得られたポリイミドフィルムを250℃まで昇温し、更にその温度で10分保持した後、5℃/分の速度で冷却し、240℃から100℃までのポリイミドフィルムの寸法変化から平均の熱線膨張係数を求めた。
合成例1
反応容器に、N,N-ジメチルアセトアミドを入れる。この反応容器に4,4'-ジアミノ-2'-メトキシベンズアニリド(MABA)を容器中で撹拌しながら溶解させた。次に無水ピロメリット酸(PMDA) 及び4,4'-ジアミノジフェニルエーテル(DAPE)を加えた。モノマーの投入総量が15wt%で、各ジアミンのモル比率は、MABA:DAPE、60:40で、ジアミンと酸無水物のモル比は1.0となるよう投入した。その後、3時間撹拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体樹脂液aを得た。本合成例によって得られたポリイミド前駆体樹脂液aを、ポリイミド樹脂フィルムとし、その熱線膨張係数を測定したところ、15ppm/Kであった。
合成例2
反応容器に、N,N-ジメチルアセトアミドを入れる。この反応容器に2,2'ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)及び4,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)を容器中で撹拌しながら溶解させた。次にPMDAを加えた。モノマーの投入総量が15wt%で、各ジアミンのモル比率は、BAPP:BAPB、70:30で、ジアミンと酸無水物のモル比は1.0となるよう投入した。その後、3時間撹拌を続け続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体樹脂液bを得た。本合成例によって得られたポリイミド前駆体樹脂液bをイミド化してガラス転移温度及び貯蔵弾性率を測定したところ、それぞれ343℃、0.3GPaであった。
参考例
銅箔上に合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂液bを硬化後の厚みが約2μmとなるように均一に塗布したのち、130℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。次に、その上に積層するように合成例1で調整したポリイミド前駆体樹脂aを硬化後の厚みが約35μmとなるように均一に塗布し、135℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。さらにこのポリイミド前駆体樹脂層上にポリイミド前駆体樹脂液bを硬化後の厚みが約3μmとなるように均一に塗布し、130℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。引き続き、130℃から380℃まで10分かけて段階的に昇温された熱処理工程を経由させ、ポリイミド樹脂層の厚み40μmの銅張積層板を得た。
この銅張積層板を塩化第二鉄溶液にてエッチングして銅箔を除去し、ポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムの銅箔を除去した面に金属原料が成膜されるように、RFマグネトロンスパッタリング装置にセットし、金属薄膜を形成した。サンプルをセットした槽内は3×10-4Paまで減圧した後、アルゴンガスを導入し真空度を2×10-1Paとし、RF電源にてプラズマを発生した。このプラズマにてニッケル:クロムの合金層(比率8:2、99.9wt%)を、ニクロム層が膜厚30nmとなるようにポリイミドフィルムの銅箔除去面に成膜した。ニクロム層を成膜した後、同一雰囲気下にて、このニクロム層上に更にスパッタリングにより銅(99.99wt%)を200nm成膜した。次いで、上記銅スパッタ膜を電極として電解めっき浴にて8μm厚の銅めっき層を形成した。電解めっき浴としては、硫酸銅浴(浴組成として、硫酸銅100g/L、硫酸220g/L及び塩素40mg/L、並びにアノードとして、含燐銅)を使用し、電流密度2.0A/dm2にてめっき膜を形成した。めっき後には十分な蒸留水で洗浄し乾燥を行った。このようにして、ポリイミドフィルム/ニクロム層/銅スパッタ層/電解めっき銅層から構成される銅張積層板Sを得た。
実施例1
銅箔1(電解銅箔、厚み8μm、SIMSによる炭素ピーク0.29)を準備した。この銅箔上に合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂液bを硬化後の厚みが約2μmとなるように均一に塗布したのち、130℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。次に、その上に積層するように合成例1で調製したポリイミド前駆体樹脂aを硬化後の厚みが約35μmとなるように均一に塗布し、135℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。さらにこのポリイミド前駆体樹脂層上にポリイミド前駆体樹脂液bを硬化後の厚みが約3μmとなるように均一に塗布し、130℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。
得られた積層体1を、その後130℃から380℃まで10分かけて段階的に昇温された熱処理工程を経由させ、ポリイミド樹脂層の厚み40μmの銅張積層板Aを得た。この際、最高加熱温度は380℃であり、この温度で6分の熱処理を行った。300℃から380℃の温度範囲における合計の保持時間は、約10分である。なお、得られた銅張積層板Aの銅箔の平均結晶粒径は、4.0μmであった。
実施例2
銅箔2(電解銅箔、厚み8μm、SIMSによる炭素ピーク0.12)を準備した。この銅箔を用いて、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂層の厚み40μmの銅張積層板Bを得た。なお、得られた銅張積層板Bの銅箔の平均結晶粒径は、3.3μmであった。
比較例1
銅箔3(三井金属鉱山(株)製NA-VLP、厚み8μm、SIMSによる炭素ピーク8.25)を準備した。この銅箔を用いて、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂層の厚み40μmの銅張積層板Cを得た。なお、得られた銅張積層板Cの銅箔の平均結晶粒径は、1.3μmであった。
比較例2
銅箔1を準備し、この銅箔を用いて、実施例1と同様にして、積層体1を得た。この積層体1を、その後130℃から250℃まで10分かけて段階的に昇温された熱処理工程を経由させ、ポリイミド樹脂層の厚み40μmの銅張積層板Dを得た。この際、最高加熱温度は250℃であり、この温度で6分の熱処理を行った。なお、得られた銅張積層板Dの銅箔の平均結晶粒径は、2.2μmであった。
比較例3
銅箔4(電解銅箔、厚み8μm、SIMSによる炭素ピーク4.33)を準備した。この銅箔を用いて、実施例1と同様にして、ポリイミド樹脂層の厚み40μmの銅張積層板Eを得た。なお、得られた銅張積層板Eの銅箔の平均結晶粒径は、3.0μmであった。
以上の結果をまとめて表1に示す。なお、表1の屈曲回数比は、参考例で作製した銅張積層板Sの屈曲回数に対する比率を表し、総合判定はこの比率が1.0以下をNGとし、1.0を超えるものをOKとした。
Figure 0004777206
ICチップを実装した配線板の説明図 液晶装置の説明図
符号の説明
1:ICチップ、2:バンプ、3:銅配線、4:ポリイミド樹脂層、5:液晶パネル、6:導体層、7:異方導電性フィルム、8:ソルダーレジスト

Claims (6)

  1. 銅箔の一方の面にポリイミド樹脂層が形成された銅張積層板の製造方法において、銅箔として、二次イオン質量分析(SIMS)で成分測定した場合、銅ピーク強度50.0に対して炭素ピーク強度が4.0以下である電解銅箔を使用し、該銅箔の一方の面にポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布し、続く熱処理工程で乾燥及び硬化を行い、前記熱処理工程において、300〜390℃の温度範囲で3〜30分保持して結晶粒径の平均値を3〜7μmの範囲内にすることを特徴とするフレキシブル銅張積層板の製造方法。
  2. 銅箔の一方の面にポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布・乾燥して、350℃における貯蔵弾性率が0.1GPa〜3GPa、ガラス転移温度が300〜400℃の高弾性樹脂層(A)となる層を形成し、該樹脂層(A)となる層面に他のポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布・乾燥して線熱膨張係数が10ppm/K〜20ppm/Kの低熱膨張性樹脂層(B)となる層を形成した後、硬化を行うことを特徴とする請求項1記載のフレキシブル銅張積層板の製造方法。
  3. 銅箔の一方の面にポリイミド樹脂層が形成された銅張積層板の製造方法において、銅箔として、二次イオン質量分析(SIMS)で成分測定した場合、銅ピーク強度50.0に対して炭素ピーク強度が4.0以下である電解銅箔を使用し、該銅箔にポリイミド樹脂フィルム又はポリイミド樹脂層を重ね合わせ、加圧下で熱圧着する熱処理工程において圧着を行い、前記熱処理工程において、290〜360℃の温度範囲で3〜40分保持して結晶粒径の平均値を3〜7μmの範囲内にすることを特徴とするフレキシブル銅張積層板の製造方法。
  4. 銅箔に重ね合わせるポリイミド樹脂フィルム又はポリイミド樹脂層が、線熱膨張係数が10ppm/K〜20ppm/Kの低熱膨張性樹脂層(B)となるポリイミド前駆体樹脂層面に、ポリイミド前駆体樹脂溶液を塗布・乾燥後、加熱による硬化を行い、350℃における貯蔵弾性率が0.1GPa〜3GPa、ガラス転移温度が300〜400℃の高弾性樹脂層(A)となる層を形成してなるものであり、該高弾性樹脂層(A)面を重ね合わせ、加圧下で熱圧着する熱処理工程において圧着を行うことを特徴とする請求項3記載のフレキシブル銅張積層板の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のフレキシブル銅張積層板の製造方法で得られたことを特徴とするフレキシブル銅張積層板。
  6. 請求項5に記載のフレキシブル銅張積層板をCOF用フレキシブル配線板に加工し、それにICチップをCOF法によって実装したことを特徴とするICチップを実装してなるフレキシブル配線板。
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