JP2003041334A - 積層板用銅合金箔 - Google Patents

積層板用銅合金箔

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JP2003041334A
JP2003041334A JP2001233974A JP2001233974A JP2003041334A JP 2003041334 A JP2003041334 A JP 2003041334A JP 2001233974 A JP2001233974 A JP 2001233974A JP 2001233974 A JP2001233974 A JP 2001233974A JP 2003041334 A JP2003041334 A JP 2003041334A
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copper foil
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Toubun Nagai
燈文 永井
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Nippon Mining and Metals Co Ltd
Nippon Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリイミドを樹脂基板とするプリント配線板
において、粗化めっき処理を施さずにポリイミドフィル
ムとの直接接合が可能な表面粗さの小さい積層板用の銅
合金箔を提供すること。 【解決手段】 特定の元素を含有した銅合金において、
表面粗さが十点平均表面粗さ(Rz)で2μm以下とす
ることにより、ハンドリング性と導電性に優れ,かつ粗
化めっき処理を施さずにポリイミドフィルムと直接に接
合したときの180゜ピール強度が8.0N/cm以上
である、積層板用の銅合金箔を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプリント配線板用の積層
板に用いる銅合金箔に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の電子回路にはプリント配線板
が多く用いられる。 プリント配線板は基材となる樹脂
の種類によって、ガラスエポキシ基板および紙フェノー
ル基板を構成材料とする硬質積層板(リジット基板)
と、ポリイミド基板およびポリエステル基板を構成材料
とする可撓性積層板(フレキシブル基板)とに大別され
る。
【0003】上記プリント配線板のうち、フレキシブル
基板は可撓性を持つことを特徴とし、可動部の配線に用
いられる他に、電子機器内で折り曲げた状態で収納する
ことも可能であるために、省スペース配線材料としても
用いられている。 また、基板自体が薄いことから、半
導体パッケージのインターポーザー用途あるいは液晶デ
ィスプレイのICテープキャリアとしても用いられてい
る。 フレキシブル基板は樹脂基板と銅箔とを接着剤を
用いて積層し、その後に接着剤を加熱加圧により硬化し
て形成される三層フレキシブル基板と、接着剤を用いず
に樹脂基板と銅箔とを加熱加圧により直接に積層する二
層フレキシブル基板がある。 三層フレキシブル基板
は、樹脂基板にはポリイミド樹脂フィルムやポリエステ
ル樹脂フィルムが用いられ、接着剤にはエポキシ樹脂や
アクリル樹脂などが広く用いられている。 一方、二層
フレキシブル基板は樹脂基板にポリイミド樹脂が一般に
用いられている。 近年、環境への影響から鉛フリーは
んだの使用が広まっているが、従来の鉛はんだと比較し
て融点が高くなるために、フレキシブル基板への耐熱性
の要求が厳しくなっている。
【0004】プリント配線板は銅張積層板の銅箔をエッ
チングして種々の配線パターンを形成し、電子部品をハ
ンダで接続して実装していく。 プリント配線板用の材
料にはこのような高温下に繰り返して晒されるため、耐
熱性が要求される。 近年は環境への配慮から鉛フリー
ハンダが用いられるようになったが、そのために従来の
鉛ハンダと比較して融点が高くなり、プリント配線板に
は高い耐熱性が求められるようになった。 このため、
二層フレキシブル基板は有機材料に耐熱性に優れたポリ
イミド樹脂だけを使用しているので、三層フレキシブル
基板よりも耐熱性の改善が容易であり、その使用量が増
加している。
【0005】プリント配線板の導電材としては主として
銅箔が使用されているが、銅箔はその製造方法の違いに
より電解銅箔と圧延銅箔に分類される。 電解銅箔は硫
酸銅めっき浴からチタンやステンレスのドラム上に銅を
電解析出して製造される。圧延銅箔は圧延ロールにより
塑性加工して製造されるので、圧延ロールの表面形態が
箔の表面に転写し、平滑な表面が得られることが特徴で
ある。 フレキシブル基板の導電材に用いられる銅箔と
しては、可撓性が良好であることから、主に圧延銅箔が
用いられている。 プリント配線板に使われる銅箔は樹
脂との接着性を改善するために、銅箔に表面に銅の粒子
を電気めっきで形成する粗化めっき処理が施されてい
る。 これは、銅箔の表面に凹凸を形成して、樹脂に銅
箔を食い込ませて機械的な接着強度を得る、いわゆるア
ンカー効果で接着性を改善するものである。 また三層
フレキシブル基板では金属である銅箔と有機物である接
着剤の接着強度を改善するためにシランカップリング剤
等を銅箔に塗布する試みがなされている。 しかし、二
層フレキシブル基板の圧着温度は300℃〜400℃と
三層フレキシブル基板の100〜200℃と比較して高
温であることから、カップリング剤の熱分解が起こりや
すく、接着性が改善されていない。 なお、箔とは一般
に100μm以下の厚さの薄板をいう。
【0006】近年の電子機器の小型化、軽量化、高機能
化に伴ってプリント配線板に対して高密度実装の要求が
高まっている。 フレキシブル基板は省スペース配線材
料、半導体パッケージのインターポーザー用途あるいは
液晶ディスプレイのICテープキャリアとしても用いら
れているが、特にこれらの用途では高密度実装の要求か
ら電子回路の配線幅と配線間隔を小さくしたファインピ
ッチ化が進んでいる。表面粗さが大きい銅箔や粗化めっ
き処理で凹凸を形成した銅箔は、エッチングで回路を形
成する際に、樹脂に銅が残るエッチング残が生じたり、
エッチング直線性が低下して回路幅が不均一になりやす
い。 このため、電子回路をファインピッチ化するため
には、銅箔の表面粗さの小さいことが好ましく、粗化め
っき処理を施さない表面粗さの小さい銅箔を樹脂フィル
ムと貼り合わせることが望ましい。
【0007】また、パソコンや移動体通信等の電子機器
では電気信号が高周波化しているが、電気信号の周波数
が1GHz以上になると、電流が導体の表面にだけ流れ
る表皮効果の影響が顕著になる。 銅箔に粗化めっき処
理を施して表面に凹凸を形成して表面を粗くしている
が、1GHz以上の高周波になるとこの表面の凹凸で伝
送経路が変化する影響が無視できなくなる。 これに対
応するために粗化めっき処理を施さずに接着強度を確保
することが必要である。 この場合も粗化めっき処理を
施さない表面粗さの小さい銅箔を樹脂フィルムと貼り合
わせることが望ましい。
【0008】エッチングで微細な回路が形成するために
は、銅箔の表面粗さが小さいこと以外に銅箔の厚さを薄
くすることが必要である。 銅箔が薄くなるほど、厚み
方向への回路幅の差異が小さくなるので、微細な回路を
形成できるようになる。 銅張積層板に用いる銅箔の厚
さを薄くすることによって、あるいは銅張積層板の銅箔
をエッチングによって減肉化することによって、微細な
回路を形成できるようにしている。 銅は導電性に優れ
た材料であり、導電性が重視される上記の分野では純度
99.9%以上の純銅が用いられるのが一般的である。
しかし、銅は純度を上げると強度が低下するので、銅
箔が薄くなるとハンドリング性が悪くなる。 また、銅
箔の厚みをエッチングによって減肉化することは製造工
程が増加する問題がある。 したがって、回路材料に適
した導電性を有すると同時に、強度が大きい銅箔を積層
板に用いることが好ましい。また、二層フレキシブル基
板は積層する際に300℃〜400℃と高温で10分か
ら1時間程度の加熱処理が必要であることから、銅箔が
軟化してハンドリング性が悪くなるため、300℃で1
時間程度の加熱処理で軟化しないことが好ましい。
【0009】このような状況の中で、導電材に適した純
度の高い無酸素銅を圧延した銅箔を、粗化めっき処理を
施していない表面が平滑な状態で、樹脂基板となるポリ
イミドフィルムを接着剤を用いずに接着させて二層フレ
キシブル基板を作製することを試みた。 この結果、ポ
リイミドフィルムと純銅の圧延銅箔との接着性が悪く、
剥離しやすいことが判明した。 このため粗化めっき処
理を施さない表面粗さの小さい銅箔を、二層フレキシブ
ル基板の導電材に用いることは、銅箔の剥離が生じやす
く、断線などの欠陥となる問題が生じるやすいことが判
明した。 このため、高い導電性と高い強度を有し、か
つ粗化めっき処理を施さなくともポリイミド樹脂との接
着性に優れた表面粗さの小さい銅箔が求められている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】プリント配線板で必要
な接着強度は電子機器の製造条件や使用環境によっても
異なるが、一般に180゜ピール強度が8.0N/cm
以上であれば実用上の支障がないとされている。 本発
明では、表面粗さがRzで2μm以下の銅箔で、粗化め
っき処理のような特別な処理を施さずに、接着強度が1
80゜ピール強度で8.0N/cm以上とすることを目
標とした。 本発明の目的は、ハンドリング性および導
電性が良好で、表面粗さが小さく高周波特性に優れ、か
つポリイミドとの接着性に優れた積層板用の銅箔を提供
することである。
【0011】
【課題を改善するための手段】本発明者らは、ポリイミ
ドとの接着性が、導電性の優れる純銅をベースにして、
少量の添加元素を加えた銅合金によって改善されること
を見いだした。 具体的には、ポリイミドとの接着性、
強度および導電性に対する各種の添加元素の影響につい
て研究を重ねた結果、本発明は、 (1) 添加元素の成分を重量割合にてSnが0.01
5質量%〜0.5質量%を含み、残部を銅及び不可避不
純物とすることにより、導電率が70%IACS以上で
あり、表面粗さが十点平均表面粗さ(Rz)で2μm以
下であって、粗化めっき処理を施さずにポリイミドフィ
ルムと直接に接合したときの180゜ピール強度が8.
0N/cm以上であることを特徴とする、積層板用銅合
金箔。 (2) 添加元素の成分を重量割合にてSnが0.01
5質量%〜0.5質量%を含み、更にAl、Be、C
o、Fe、Mg、Mn、Ni、P、Pb、Si、Tiお
よびZnの各成分の内一種以上を総量で0.005〜
2.5質量%を含有し、残部を銅及び不可避不純物とす
ることにより、引張強さが500N/mm以上、導電
率が60%IACS以上であり、表面粗さが十点平均表
面粗さ(Rz)で2μm以下であって、粗化めっき処理
を施さずにポリイミドフィルムと直接に接合したときの
180゜ピール強度が8.0N/cm以上であることを
特徴とする、積層板用銅合金箔。 (3) 1時間の加熱を行ったときの引張強さが、加熱
前の引張強さと軟化したときの引張強さの中間となる温
度が300℃以上であることを特徴とする(1)および
(2)に記載の積層板用銅合金箔。
【0012】
【発明実施の形態】本発明において合金組成等を上記に
限定した理由を述べる。 (1)Sn:Snは樹脂を製造する際に、重合を促進す
る触媒としての作用が働くことが知られている。 この
ため、Snを銅に添加して合金箔とすることにより、ポ
リイミドとの接着性を向上することが判明した。 その
理由は、Snが金属と樹脂の結合を促進して、界面の結
合が強化されたためと考えられる。 これらの含有量が
少なすぎると触媒として十分な作用をしないため、金属
と樹脂の結合が十分に行われず、接着性の改善効果が小
さい。 プリント配線板として実用上で支障のない18
0゜ピール強度である8.0N/cm以上を付与するこ
とが必要である。 この特性を得るためには、Snの添
加量が重量比で0.015質量%以上であることが判明
した。一方、銅中に添加するSnの量が多くなると、導
電率を低下して回路用の導電材料として適さなくなる。
このため、プリント配線板の積層板用銅合金箔として
適切な組成を検討した結果、重量比でSnが0.015
〜0.5質量%、より好ましくは0.04〜0.2質量
%であることが判明した。
【0013】(2)引張強さ、耐熱性、導電性:銅箔は
ハンドリング等の取り扱いでしわを発生しやすく、強度
が大きいことが好ましい。 二層フレキシブル基板の圧
着温度は300℃〜400℃と三層フレキシブル基板の
100〜200℃と比較して高温であることから、銅箔
が軟化してハンドリング性が低下しやすい。 このた
め、1時間の加熱を行ったときの引張強さが、加熱前の
引張強さと軟化したときの引張強さの中間となる温度が
300℃以上であることが好ましい。 また、高強度で
ハンドリング性に優れた積層板用の銅合金箔に適する特
性を得るために、Al、Be、Co、Fe、Mg、M
n、Ni、P、Pb、Si、TiおよびZnが銅合金の
強度を高める効果を有しており、必要に応じて1種以上
の添加がなされる。ところが、一般に強度と導電性は相
反する関係にあり、高強度の材料ほど導電性が低下する
傾向がある。 導電率が60%IACS以下では、積層
板用の導電材料として好ましくない。 その含有量が総
量で0.005質量%未満であると所望の効果が得られ
ず、一方で総量で2.5質量%を越える場合には導電
性、ハンダ付け性、加工性を著しく劣化させる。 従っ
て、Al、Be、Co、Fe、Mg、Mn、Ni、P、
Pb、Si、TiおよびZnの含有量の範囲は総量で
0.005〜2.5質量%と定めた。
【0014】(3) 180゜ピール強度:180゜ピ
ール強度が小さい場合、積層板から剥離が生じる恐れが
あるので、8.0N/cm以上の接着強度が必要であ
る。
【0015】(4) 表面粗さ:銅箔の表面粗さが大き
くなると、電気信号の周波数が1GHz以上で電流が導
体の表面にだけ流れる表皮効果により、インピーダンス
が増大して高周波信号の伝送に影響する。 したがっ
て、高周波回路用途の導電材の用途では表面粗さが小さ
くなることが必要であり、表面粗さと高周波特性の関連
を検討した結果、プリント配線板の積層板用銅合金箔と
して、表面粗さが十点平均表面粗さ(Rz)で2μm以
下とすればよいことがわかった。 表面粗さを小さくす
る方法は、圧延銅箔、電解銅箔の製造条件を適正化する
こと、銅箔の表面を化学研磨あるいは電解研磨するとい
った手法がある。 一般には、圧延銅箔は容易に表面粗
さを小さくすることが可能であり、圧延機のワークロー
ルの表面粗さを小さくして、銅箔に転写されるワークロ
ールのプロファイルを小さくすることができる。
【0016】本発明の銅合金箔は製造方法に限定される
ものではなく、例えば合金めっき法による電解銅箔ある
いは合金を溶解鋳造して圧延する圧延銅箔のような方法
で製造できる。以下に例として圧延による方法を述べ
る。 溶融した純銅に所定量の合金元素を添加して、鋳
型内に鋳造してインゴットとする。 インゴットは、熱
間圧延である程度の厚さまで薄くした後、皮削りを行
い、その後冷間圧延と焼鈍を繰返し行い、最後に冷間圧
延を行って箔に仕上げる。 圧延上がりの材料は圧延油
が付着しているので、アセトンや石油系溶剤等で脱脂処
理をする。
【0017】焼鈍で酸化層が生じると後工程で支障が生
じるので、焼鈍は真空中あるいは不活性ガス雰囲気中で
行うか、焼鈍後に酸化層を除去することが必要である。
例えば、酸洗で酸化層を除去するには硫酸+過酸化水
素、硝酸+過酸化水素、または硫酸+過酸化水素+弗化
物を用いることが好ましい。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。銅合金の
作製は、高周波真空誘導溶解炉を用いてAr雰囲気中に
て高純度黒鉛製るつぼ内で主原料の無酸素銅を溶解した
ところへ、副原料としてスズ、アルミニウム、銅ベリリ
ウム母合金、コバルト、銅鉄母合金、マグネシウム、マ
ンガン、ニッケル、銅リン母合金、鉛、銅シリコン母合
金、チタンおよび亜鉛から選ばれた添加元素を添加した
後、鋳鉄製の鋳型内に鋳造した。この方法で厚さ30m
m、幅50mm、長さ150mm、重さ約2kgの銅合
金のインゴットを得た。このインゴットを900℃に加
熱して、熱間圧延により厚さ8mmまで圧延して酸化ス
ケールを除去した後、冷間圧延と熱処理とを繰り返して
厚さ35μmの圧延上がりの銅合金箔を得た。
【0019】上記の方法で得られた厚さ35μmの銅合
金箔は圧延油が付着しているのでアセトン中に浸漬して
油分を除去した。 これを硫酸10重量%および過酸化
水素1重量%を含む水溶液に浸漬して表面の酸化層およ
び防錆皮膜を除去した。 これ以外に粗化めっき処理や
シランカップリング処理等の接着性を改善する特別な表
面処理を実施していない。 このようにして作製した銅
合金箔は平面加熱プレス機を用いてポリイミドフィルム
とを接着した。 接着条件は銅合金箔とポリイミドフィ
ルムとを重ねて、温度330℃に保持した平面加熱プレ
ス機上で5分間予熱した後、圧力490N/cmに加
圧して5分間保持後除荷して、冷却した。 ポリイミド
フィルムはピロメリット酸系、ビフェニルテトラカルボ
ン酸系、ベンゾフェノンテトラカルボン酸系等の種類が
あり、フレキシブル基板には厚みが10〜60μmのも
のが使われることが多い。 本発明の実施例は厚さ25
μmの図1に構造式を示すビフェニルテトラカルボン酸
系のものを使用したが、これに限定されるものではな
い。
【0020】このように得られた銅合金箔の「引張強
さ」、「導電率」、「耐熱性」、「表面粗さ」、「高周
波特性」、および銅合金箔をポリイミドと接着後の「接
着強度」を以下の方法で評価した。 (1) 引張強さ:引張強さは引張試験で室温における
引張強さを測定した。測定試料は厚さ35μmに加工し
た銅箔をプレシジョンカッターを用いて幅12.7m
m、長さ150mmの短冊状に切断した。 これを評点
間距離50mmで、引張速度50mm/分で測定した。 (2) 導電率:導電率は20℃における電気抵抗をダ
ブルブリッジを用いた直流四端子法で求めた。測定試料
は厚さ35μmの箔に加工した銅箔を幅12.7mmに
切断した。 これを測定間長さ50mmの電気抵抗を測
定して導電率を求めた。 (3) 耐熱性:耐熱性は1時間の加熱を行ったときの
室温で引張強さを測定し、加熱前の引張強さと軟化した
ときの引張強さの中間となるような加熱温度を軟化温度
として評価した。 (4) 表面粗さ:表面粗さは触針式表面粗さ計を用い
て圧延方向に対して直角方向に測定した。測定条件はJ
IS B 0601に記載された方法に準拠して、十点
平均表面粗さ(Rz)で評価した。 (5) 高周波特性:高周波特性は高周波電流を通電し
たときのインピーダンスで評価した。インピーダンスは
厚さ35μmの箔に加工した銅箔を幅1mmに加工し、
10MHz、20mAの高周波電流を通電したときの電
圧降下を長さ100mmについて測定して求めた。 (6) 接着強度:接着強度は180゜ピール強度をJ
IS C 5016に記載された方法に準拠して実施し
た。 銅合金箔の成分によって強度が異なるので、測定
は銅合金箔を両面テープを用いて引張試験機側に固定し
て、ポリイミドを180゜方向に曲げて引き剥がした。
引き剥がし幅を5.0mmとして、引張速度50mm
/分で測定した。
【0021】本発明の請求項1および請求項3に関する
実施例を示す。 表1は銅合金箔の組成および表2はそ
の特性評価結果である。 実施例のNo.1〜No.4
は本発明の請求項1および請求項3に関する銅合金箔の
実施例である。 表2に示すように、本発明の銅合金箔
は導電率が70%IACS以上であり、耐熱性を示す加
熱前の引張強さと軟化したときの引張強さの中間となる
ような加熱温度が300℃以上であり、ポリイミドフィ
ルムを接着したときの180゜ピール強度が8.0N/
cm以上であった。 優れた導電性と耐熱性を有し、か
つ高い接着強度を有していることがわかる。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】次に本発明の請求項2および請求項3に関
する実施例を示す。 表3は銅合金箔の組成および表4
はその特性評価結果である。実施例のNo.5〜No.
9は本発明の請求項2および請求項3に関する銅合金箔
の実施例である。 表4に示すように、本発明の銅合金
箔は導電率が60%IACS以上であり、引張強さが5
00N/mm以上、耐熱性を示す加熱前の引張強さと
軟化したときの引張強さの中間となるような加熱温度が
300℃以上であり、ポリイミドフィルムを接着したと
きの180゜ピール強度が8.0N/cm以上であっ
た。 優れた強度、導電性と耐熱性を有し、かつ高い接
着強度を有していることがわかる。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】表5は比較例の銅合金箔の組成および表6
はその特性評価結果である。 No.10〜12が、本
発明の請求項1および請求項3に関する比較例である。
No.10は本発明の合金成分を加えていない圧延銅
箔である。 無酸素銅をAr雰囲気中にて溶解鋳造した
インゴットを箔に加工して、ポリイミドと接着した。素
材が純銅であるので導電性が大きいが、180゜ピール
強度は7.0N/cmと充分な接着強度が得られていな
いので、プリント配線板としたときに剥離が生じる恐れ
がある。また引張強さが400N/mmと小さく、耐
熱性をを示す加熱前の引張強さと軟化したときの引張強
さの中間となるような加熱温度が140℃と低く、ハン
ドリング性に劣る。
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】比較例のNo.11およびNo.12は、
Snを添加して実施例と同様の方法で箔に加工した。
No.11はSnの濃度が少ないために、導電率が大き
いが耐熱性および接着性を改善する効果が十分でない。
180゜ピール強度が小さく、積層板に加工したとき
の剥離する恐れがある。 一方、No.12はSnの濃
度が重量比で0.5質量%を超えて添加したために、耐
熱性と180゜ピール強度が高いが、導電率が70%I
ACS未満と低くなり、高い導電率を要するプリント配
線板の導電材としては適さない。
【0031】No.13およびNo.14は、本発明の
請求項2および請求項3に関する比較例である。 N
o.13はSnに加えて、それぞれFeを、またNo.
14はTiを添加して実施例と同様の方法で箔に加工し
た。 FeあるいはTiの添加量が重量比で2.5質量
%を超えて添加したために、強度、耐熱性、接着性は高
いが、導電率が60%IACS未満と低くなり、プリン
ト配線板の導電材としては適さない。
【0032】比較例のNo.15は、実施例のNo.2
の合金箔を用いて、その表面をエメリー紙で軽く削り取
って表面を粗す処理を行った。その結果、表面粗さが大
きくなると高周波で通電した場合に表皮効果によってイ
ンピーダンスが増加するため、高周波回路の導電材用途
としては適さない。
【0033】
【発明の効果】本発明のポリイミドを基材とするプリン
ト配線板の積層板用に用いる銅合金箔は、基材樹脂と優
れた接着性を有し、かつ高い導電性と強度を有する。ま
た強度が大きく耐熱性が良好であることから、箔のハン
ドリング性に優れている。これによって、微細配線を必
要とする電子回路の導電材としての用途に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例で使用したポリイミドの構
造式の説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 9/04 C22C 9/04 9/05 9/05 9/06 9/06 9/08 9/08 9/10 9/10 H05K 1/09 H05K 1/09 A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 添加元素の成分を重量割合にてSnが
    0.015質量%〜0.5質量%を含み、残部を銅及び
    不可避不純物とすることにより、導電率が70%IAC
    S以上であり、表面粗さが十点平均表面粗さ(Rz)で
    2μm以下であって、粗化めっき処理を施さずにポリイ
    ミドフィルムと直接に接合したときの180゜ピール強
    度が8.0N/cm以上であることを特徴とする、積層
    板用銅合金箔。
  2. 【請求項2】 添加元素の成分を重量割合にてSnが
    0.015質量%〜0.5質量%を含み、更にAl、B
    e、Co、Fe、Mg、Mn、Ni、P、Pb、Si、
    TiおよびZnの各成分の内一種以上を総量で0.00
    5〜2.5質量%を含有し、残部を銅及び不可避不純物
    とすることにより、引張強さが500N/mm以上、
    導電率が60%IACS以上であり、表面粗さが十点平
    均表面粗さ(Rz)で2μm以下であって、粗化めっき
    処理を施さずにポリイミドフィルムと直接に接合したと
    きの180゜ピール強度が8.0N/cm以上であるこ
    とを特徴とする、積層板用銅合金箔。
  3. 【請求項3】 1時間の加熱を行ったときの引張強さ
    が、加熱前の引張強さと軟化したときの引張強さの中間
    となる温度が300℃以上であることを特徴とする請求
    項1および請求項2に記載の積層板用銅合金箔。
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