JP2014145126A - 高強度、高耐熱電解銅箔及びその製造方法 - Google Patents

高強度、高耐熱電解銅箔及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】常態における機械的強度が大きく、約300℃に加熱しても熱劣化がしにくい電解銅箔を提供すること。
【解決手段】pH4以下の酸性条件において酸化物として存在する金属またはその酸化物と、銅と共析する金属とを含む電解銅箔、及びその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、電解銅箔、例えばタングステン(W)等を含有した電解銅箔と、その製造方法に関するものである。
従来から電解銅箔は、リジッドプリント配線板、フレキシブルプリント配線板、電磁波シールド材料を初めとする種々の分野で使用されてきた。
これらの用途の内、ポリイミドフィルムと張り合わせたフレキシブルプリント配線板(以下「FPC」と称する)に関する用途では、ハードディスクドライブ(以下「HDD」と称する)サスペンション材料、或いはテープオートメーティド・ボンディング(以下「TAB」と称する)材料として銅箔の強度向上が要求されてきている。
HDDに搭載されているサスペンションは、高容量化が進むに従い従来使用されてきたワイヤタイプのサスペンションから、記憶媒体であるディスクに対し浮力と位置精度が安定した配線一体型のサスペンションへ大半が置き換わってきている。
この配線一体型サスペンションには、(1)FSA(フレックス・サスペンション・アッセンブリ)法と呼ばれるフレキシブルプリント基板を加工し接着剤を用いて張り合わせたタイプ、(2)CIS(サーキット・インテグレーティッド・サスペンション)法と呼ばれるポリイミド樹脂の前駆体であるアミック酸を形状加工した後、ポリイミド化し更に得られたポリイミド上にメッキ加工を施すことにより配線を形成するタイプ、(3)TSA(トレース・サスペンション・アッセンブリ)法と呼ばれるステンレス箔−ポリイミド樹脂−銅箔からなる3層構造の積層体をエッチング加工により所定の形状に加工するタイプ、の三種類のタイプがある。
この内、TSA法サスペンションは高強度を有するステンレス箔を銅箔と積層することによって、容易にフライングリードを形成させることが可能であり、形状加工での自由度が高いことや比較的安価で寸法精度が良いことから幅広く使用されている。
TSA法により形成されるサスペンションでは、ステンレス箔の厚さは12〜30μm程度、ポリイミド層の厚さは5〜20μm程度、銅箔の厚さは7〜14μm程度の材料を用いて積層体が製造されている。
積層体の製造は、まず基体となるステンレス箔上にポリイミド樹脂前駆体含有液を塗布する。塗布後、予備加熱により溶媒を除去した後、さらに加熱処理してポリイミド化を行い、続いてポリイミド化したポリイミド樹脂層の上に銅箔を重ね合わせ、300℃程度の温度で加熱圧着してラミネートし、ステンレス層/ポリイミド層/銅層からなる積層体を製造する。
この300℃程度の加熱で、ステンレス箔には寸法変化はほとんど見られない。しかし、従来の電解銅箔を使用すると、電解銅箔は300℃程度の温度で焼鈍され、再結晶が進み軟化して寸法変化が生ずる。このため、ラミネート後に積層体に反りが生じ、製品の寸法精度に支障をきたしていた。
ラミネート後に積層体に反りを生じさせないためには、銅箔には加熱時の寸法変化ができるだけ小さいことが求められ、通常、面積変化量0.1%以下が要求されている。
この要求を満たす銅箔として従来は圧延銅合金箔が使用されている。圧延銅合金箔は300℃程度の温度では焼鈍されにくく、加熱時の寸法変化が小さく、機械的強度変化も少ない。
圧延銅合金箔とは、銅を主成分として、錫、亜鉛、鉄、ニッケル、クロム、リン、ジルコニウム、マグネシウム、シリコン等の銅以外の少なくとも一種以上の元素を含有する銅合金を圧延加工によって箔化した箔である。これらの圧延銅合金箔は元素の種類、組み合わせによって300℃程度の加熱では焼鈍されにくく、引張強さ、0.2%耐力、伸び等がそれほど変化しないものがある。
例えば、Cu−0.2mass%Cr−0.1mass%Zr−0.2mass%Zn(Cu−2000ppmCr−1000ppmZr−2000ppmZn)のような圧延銅合金箔は、TSA法サスペンションの他、HDDサスペンション材としても好適に使用されている。
また、TAB材料においてもTSA法サスペンションやHDDサスペンション材料と同様、銅箔の高強度化が要求されている。
TAB製品においては、製品のほぼ中央部に位置するデバイスホールに配されるインナーリード(フライングリード)に対し、ICチップの複数の端子を直接ボンディングする。
このときのボンディングは、ボンディング装置(ボンダー)を用いて、瞬間的に通電加熱して、一定のボンディング圧を付加して行う。このとき、電解銅箔をエッチング形成して得られたインナーリードは、ボンディング圧で引っ張られて伸びすぎるという問題がある。
電解銅箔を高強度することによりインナーリードのたるみ、破断がしにくくなる。そこで、電解銅箔の強度が小さすぎると塑性変形によってインナーリードにたるみが発生し、著しい場合には破断するという問題がある。
TAB用途の場合には、銅箔とポリイミド層が張り合わされた2層のFPC、または銅箔とポリイミド層と接着剤層とが張り合わされた3層のFPCが、使用される。3層のFPCでは銅箔にポリイミドを張り合わせる時、エポキシ系の接着剤を使用し、180℃前後の温度で張り合わせる。またポリイミド系の接着剤を使用した2層のFPCでは、300℃前後の温度で張り合わせを行う。
仮に常態で機械的強度が大きい銅箔であっても、ポリイミドに接着した時に軟化しては意味がない。従来の高強度の電解銅箔は、常態での機械的強度が大きく、180℃前後で加熱してもほとんど機械的強度は変化しないが、300℃程度で加熱した場合は、焼鈍され再結晶が進むため、急速に軟化して機械的強度が著しく低下してしまう。
機械的強度に優れた電解銅箔として、以下に示すように種々の研究が行われてきた。
例えば、特許文献1には、プリント配線板用途やリチウム二次電池用負極集電体用途に好適な銅箔として、180℃における伸び率が10.0%以上である低粗面電解銅箔が記載されている。
そして、硫酸−硫酸銅水溶液を電解液とし、ポリエチレンイミン又はその誘導体、活性有機イオウ化合物のスルホン酸塩、濃度20〜120mg/Lの塩素イオン(塩化物イオン)及び所定濃度のオキシエチレン系界面活性剤を存在させることによって、上記の電解銅箔が得られるとしている。
また、特許文献2には、電着完了時点から20分以内に測定した25℃における引張強さが820MPa以上であり、電着完了時点から20分以内に測定した25℃における引張強さに対する電着完了時点から300分経過時に測定した25℃における引張強さの低下率が10%以下である電解銅箔が記載されている。
そして硫酸−硫酸銅水溶液を電解液として、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンイミン、活性有機イオウ化合物のスルホン酸塩、アセチレングリコール、及び濃度20〜120mg/Lの塩化物イオンを存在させて上記の電解銅箔が得られるとしている。
更に、特許文献3には、本質的に円柱状粒子および双晶境界がなく、10μmまでの平均粒子サイズを有する粒子構造を持つ電着銅箔であって、該粒子構造が実質的に一様でランダムに配向する粒子構造である、制御された低プロファイルの電着銅箔が記載されている。
この電着銅箔は、23℃における最大引張強さが87,000〜120,000psi(600MPa〜827MPa)の範囲にあり、180℃における最大引張強さが25,000〜35,000psi(172MPa〜241MPa)である、としている。
特許文献4には、硫酸酸性硫酸銅電解液中に、タングステン若しくはタングステン化合物と、さらにニカワと20〜120mg/Lの塩化物イオンとを加えた電解液で電解銅箔を製造する方法が記載されている。その効果として180℃における熱間伸び率が3%以上であり、粗面の粗さが大きく、ピンホール発生の少ない銅箔が製造可能であると記載されている。
そこで本発明者等は、硫酸−硫酸銅電解液中にタングステン若しくはタングステン化合物を加え、さらにニカワと20〜120mg/Lの塩化物イオンを加えた電解液で電析させる実験を繰り返し行って、特許文献4が、目的とする180℃における熱間伸び率が3%以上であり、粗面の粗さが大きく、ピンホール発生の少ない銅箔を製造することができることを追試した。しかし、この銅箔を分析した結果、この電解銅箔中には、タングステンが共析していないことが判明した。即ち、電解銅合金箔(銅−タングステン系銅合金箔)を得ることができなかった(後述する比較例4参照)。
従って、特許文献4に記載の方法では、常態で大きな機械的強度を備え、高温で加熱しても機械的強度が低下しにくい電解銅合金箔を製箔することができない。
この原因等についての見解は後述する。
また、特許文献6には、銅が微細結晶粒として存在しており、SnOが超微粒子として分散している分散強化型電解銅箔が記載されている。
特許文献6には、硫酸酸性硫酸銅電解液中に、銅イオン、硫酸イオン及び錫イオンと、ポリエチレングリコールなどの有機添加剤とを含有させ、酸素含有ガスでバブリング処理して電解液中にSnO超微粒子を生成させ、この電解液を用いて前記分散強化型電解銅箔を得ることが記載されている。
さらに、特許文献7には、銀(Ag)を含む電解銅箔が記載されている。
特許文献7には、この電解銅箔を、所定濃度の銀イオンを与える銀塩を添加した硫酸酸性硫酸銅電解液を用いて電解銅箔を得ることが記載されている。銀はこの電解銅箔中に共析して存在しているとされている。
特許第4120806号公報 特許第4273309号公報 特許第3270637号公報 特許第3238278号公報 特開2009−221592号公報 特開2000−17476号公報 特許第3943214号公報
しかし、上記特許文献1〜4、6及び7に記載された電解銅箔の場合、いずれも常態での機械的強度は大きいものの、約300℃といった高温で加熱した場合には著しく機械的強度が低下する。前記「常態」とは、25℃、1気圧の常温、常圧環境下を意味する。
上記特許文献1〜4及び6に記載されている電解銅箔の場合、いずれも硫酸−硫酸銅系電解液を用い、添加剤の種類は特許文献1〜4及び6で異なるが、いずれも有機化合物を添加剤として使用している(本書においては、有機添加剤と記す)。
有機添加剤は通常は結晶の成長を抑制する効果のあるものが多く、結晶粒界に取り込まれると考えられている。この場合、結晶粒界に取り込まれる有機添加剤の量が多いほど機械的強度が向上する傾向にある(特許文献5参照)。
有機添加剤が結晶粒界に取り込まれた特許文献1〜4及び6に記載された電解銅箔の場合、いずれも常態での機械的強度が大きいものの、約300℃といった高温で加熱した場合には著しく機械的強度が低下する。これは、結晶粒界に取り込まれた有機添加剤が約300℃といった高温で加熱した場合には分解してしまい、その結果として機械的強度が低下するものと考えられる。
一方、有機添加剤を用いない特許文献7に記載の電解銅箔においても、前記有機添加剤を用いた電解銅箔と同様に、約300℃という高温で加熱した場合には著しく機械的強度が低下することが分かった。
そこで本発明は、常態の機械的強度が大きく、かつ、例えば前記約300℃の高温で加熱しても機械的特性が熱劣化しにくい電解銅箔を提供することを課題とする。
さらに本発明は、従来は冶金的には銅との合金形成が不可能であった金属を電解銅箔中に取り込ませることによって、高導電率、高抗張力かつ耐熱性に優れた電解銅箔を提供することを別の課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、前記有機添加剤を用いないで、かつ、塩化物イオン濃度を所定の低濃度に調整した電解液から電解析出(電析あるいは電着ともいう)させることによって、常態の機械的強度が大きく、かつ、約300℃で加熱しても機械的強度の熱劣化が小さい電解銅箔が得られることを見い出した。
また、本発明者らは、pH4以下の液中では酸化物として存在する金属の金属塩及び電解銅箔中に銅と共析する金属の金属塩を溶解した水溶液と、硫酸銅水溶液とを混合して得た電解液であって、塩化物イオン濃度を所定の低濃度に調整した電解液を使用して製箔を行なうことで、該金属の酸化物の超微粒子及びその一部が還元された金属の超微粒子、及び銅と共析する金属を電解銅箔に取り込ませて、高導電率、高抗張力かつ耐熱性に優れた電解銅箔が得られることを見出した。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
すなわち、本発明によれば、以下の手段が提供される。
(1)pH4以下の酸性条件において酸化物として存在する金属またはその酸化物と、銅と共析する金属とを含む電解銅箔。
(2)pH4以下の酸性条件において酸化物として存在する金属またはその酸化物を金属として10ppm以上含む請求項1に記載の電解銅箔。
(3)銅と共析する金属を100ppm以上含む請求項1または2に記載の電解銅箔。
(4)pH4以下の酸性条件において酸化物として存在する金属は、W、Mo、Ti、Teのいずれかである請求項1〜4のいずれかに記載の電解銅箔
(5)銅と共析する金属はAg、Biのいずれかである請求項1〜4のいずれかに記載の電解銅箔
(6)300℃加熱処理後の抗張力が900MPa以上である請求項1〜5のいずれかに記載の電解銅箔。
(7)導電率が70%IACS以上である請求項1〜6のいずれかに記載の電解銅箔。
(8)硫酸銅水溶液と、上記金属の金属塩の水溶液と、3mg/L以下の塩化物イオンとを含有してなる電解液を用いて製造された請求項1〜7のいずれか1項に記載の電解銅箔。
(9)硫酸銅水溶液と上記金属の金属塩の水溶液との混合液に、3mg/L以下の塩化物イオン濃度となるように塩酸若しくは水溶性塩素含有化合物を添加して電解液を準備し、前記電解液を用いて電解析出により電解銅箔を製造する請求項1〜8のいずれか1項に記載の電解銅箔の製造方法。
本発明において「pH4以下の酸性条件」とは好ましくは、水溶液中における条件である。また、「pH4以下の酸性溶液中で酸化物として存在する金属」とは、例えば、M.PourbaixのAtlas of electrochemical equilibria in aqueous solutions. Pergamon Press(1966)に示される電位−pH図において、4以下のpHで酸化物として存在する金属成分から選択し、これらの金属成分を添加した電解液についてDLS(動的光散乱法:Dynamic Light Scattering)による粒度分布測定を実施した結果、添加金属成分が固体粒子として検出されたものをいう。
本発明の電解銅箔は、母材となる銅に対して、2つの異なる取り込み機構により金属を取り込んだものであるため、両者の相乗効果により、常態での機械的強度が大きく、かつ、約300℃の高温で加熱しても機械的強度の熱劣化が小さい。前記取り込み機構の1つは、従来冶金的には銅との合金化が困難であったW、Mo、Ti、Teなどの金属を電解析出により超微粒子として取り込むものである。pH4以下の水溶液などの酸性条件では酸化物として存在する金属の酸化物の超微粒子またはその一部が還元された金属の超微粒子を電解銅箔中に取り込むものである。もうひとつは、電解銅箔中に金属を銅と共析させて金属格子中に取り込む機構(すなわち合金化する機構)である。
本明細書において、pH4以下の液中では酸化物として存在する金属またはその酸化物を「分散析出金属」ともいい、電解銅箔中に銅と共析する金属を「共析金属」ともいう。また、前記分散析出金属及び共析金属を合わせて、電解銅箔中に取り込まれた金属という。なお、ここで機械的強度とは引張強さ、0.2%耐力等を指す。
この本発明の電解銅箔は、フレキシブルプリント配線板(FPC)やリチウムイオン二次電池用負極集電体などの各種用途に好適に用いることができる。
また、本発明の電解銅箔の製造方法は、簡便な手法で前記電解銅箔を製造する方法として好適なものである。
SAXS(USAXS)の装置概略図。
(電解銅箔の組成)
本発明の電解銅箔は、pH4以下の水溶液などの酸性条件では酸化物として存在する金属(分散析出金属)をその酸化物の超微粒子としてまたは還元された金属の超微粒子として含む。同時に、本発明の電解銅箔は、銅と共析する金属(共析金属)を金属格子中に含む。本発明の電解銅箔は、塩素を10ppm未満(塩素フリー、つまり塩素含有量0ppmの場合も含む)の量で含有することが好ましく、塩素を1ppm未満の量で含有することがさらに好ましい。
まず、前記のpH4以下の酸性条件中、好ましくは硫酸酸性の液中では酸化物として存在する金属(分散析出金属)としては、W、Mo、TiまたはTeの少なくとも1種であることが好ましい。さらに好ましくは、これらの金属種の内のいずれか1種を含む。
電解銅箔中でのこれらの金属の含有量(取り込み量)は、該金属として換算して80〜2610ppmが好ましく、100〜2500ppmがより好ましく、110〜2460ppmがさらに好ましく、210〜2460ppmが特に好ましい。この含有量が少なすぎると、耐熱効果が著しく減少し、例えば300℃で加熱した後の抗張力が常態の抗張力に対する比として80%以下と低くなってしまう。一方、この含有量が多すぎると、前記抗張力の向上効果にそれ以上の改善が見られず、また、導電率が低下する。
そして、銅と共析する金属(共析金属)としては、Ag及びBiの少なくとも1種であることが好ましい。さらに好ましくは、これらの金属種の内のいずれか1種を含む。
電解銅箔中でのこれらの金属の含有量(取り込み量)は、該金属として換算して100ppm以上であることが好ましい。この含有量が少なすぎると、耐熱効果が著しく減少し、例えば300℃で加熱した後の抗張力が常態の抗張力に対する比として80%以下と低くなってしまう。
(製箔された電解銅箔中の分散析出金属及び共析金属の含有量の測定方法)
一定重量の電解銅箔を酸で溶解した後、ICP発光分光分析法により溶液中の析出金属及び共析金属の含有量を求めた。
以上のとおり、本発明の電解銅箔は、2つの異なる取り込み機構により金属を取り込んでいるため、単一の取り込み機構で2種類の金属を取り込んだ場合の金属量の限界を越えた含有量とすることができる。これにより、本発明の電解銅箔は、分散析出金属と共析金属との相乗効果で、単一の取り込み機構では達成し得ない高強度性かつ高耐熱性を有するものとなる。
すなわち、単一の取り込み機構で2種類の金属を取り込ませようとした場合、取り込み機構に由来する上限までしか取り込むことができないため耐熱性が頭打ちになる。
しかし、本発明の電解銅箔では、2種類の取り込み機構で取り込ませることでそれぞれの取り込み機構の上限いっぱいまで取り込ませることができるため、単一の取り込み機構よりも取り込み量を増やす(耐熱性を向上させる)ことができる。
また、本発明の電解銅箔では、電解析出により超微粒子として金属を取り込み、その超微粒子が周囲の結晶組織に影響して再結晶化の阻害作用を奏する。これにより、分散析出金属は、母材に取り込まれることなく超微粒子のまま結晶粒界にとどまり、常態、加熱後の強度を飛躍的に向上させる。また、本発明の電解銅箔では、共析により母相の格子自体が純銅とは異なるため再結晶に必要なエネルギーを異ならせる作用を奏する。これにより、加熱による熱軟化が生じにくいために、加熱後の強度低下を抑制若しくは強度を向上させる。
上記の作用の相乗効果によって、本発明の電解銅箔は、単一の取り込み機構ではなし得なかった高強度性かつ高耐熱性を有する。
次に、電解銅箔中での塩素の含有量(取り込み量)は、10ppm未満である。電解銅箔の塩素含有量が10ppm以上の場合、分散析出金属及び共析金属の取り込み量が極端に減少し、抗張力、耐熱性の向上効果が著しく低下する。
(電解銅箔の結晶粒と分散粒子)
本発明の電解銅箔中では、銅が共析金属とともに合金をなして微細結晶粒として母材をなしており、前記分散析出金属の金属酸化物及びその一部が還元された金属が超微粒子として母材に分散している。
母材である、銅と共析金属とがなす微細結晶粒の粒子サイズ(GS)は、好ましくは5〜500nmであり、さらに好ましくは5〜50nmである。
一方、前記分散析出金属の金属酸化物の超微粒子の粒子径は、好ましくは0.5〜100nmであり、さらに好ましくは0.5〜2nmである。また、前記分散析出金属の金属酸化物の一部が還元された金属が超微粒子として存在する場合、その粒子径は好ましくは0.5〜20nmであり、さらに好ましくは0.5〜2nmである。
(銅と共析金属とがなす合金の微細結晶粒の粒子径の測定方法、並びに分散析出金属の金属酸化物及びその一部が還元された金属の超微粒子の粒子径の測定方法)
銅と共析金属とがなす合金の微細結晶粒の粒子径は、銅箔の研磨した表面をSIM(走査イオン顕微鏡法)により、観察した画像を画像処理して測定して平均粒径を求めることができる。
一方、分散析出金属の粒子径は、小角X線散乱法を用いて測定することができる。小角X線散乱は、バルク試料における1nm〜1μmの物体のサイズや形状、ナノスケールの原子・分子の分布・揺らぎを直接測定する方法である。
例えば、タングステンを添加した金属箔を試料とした場合、SAXS(small angle X−ray scattering、小角X線散乱)とUSAXS(ultra small angle X−ray scattering、極小角X線散乱)測定を行とき、SAXS(USAXS)測定においてはSpring−8(super photon ring 8GeV、高輝度放射光施設)の産業利用ビームラインBL19B2で行う。
図1(a)にSAXS(USAXS)測定の簡単な光軸図を示す。シャッター15を備えるX線源13から生じる入射X線14は、モノクロメーター17、第1ピンホール19、第2ピンホール21、第3ピンホール25を通って、試料27に照射される。試料27に照射された入射X線14から、試料27を透過する透過X線29と、試料27により散乱された散乱X線31を生じる。検出器35は、光軸の最後に設けられ、透過X線29または散乱X線31を検出する。
検出器35で散乱X線31を測定する場合は、図1(b)に示す通り、減衰器23を通さずに入射X線14を試料27に照射し、透過X線29をビームストッパー33で遮蔽し、検出器35で散乱X線31を測定する。
検出器35で透過X線29を測定する場合は、図1(c)に示す通り、減衰器23で入射X線14の強度を弱めた上で、入射X線14を試料27に照射し、透過X線29をビームストッパー33で遮蔽せずに検出器35で透過X線35を測定する。
試料27から検出器35までの距離をLとする。試料27を透過した透過X線29が検出器35に到達する場所をOとして、同じく試料27から角度θで散乱された散乱X線31が検出器35に到達する場所をAとする。AO=rとすればtanθ=r/Lとなりθがもとまる。以後、SAXS及びUSAXSのデータの横軸を式(1)で表すq(nm−1)で記述する。
q=4πsinθ/λ・・・(1)
λは入射X線の波長である。測定ではλ=0.068nm、試料から検出器までの距離をL=4.2m(SAXS)、L=42m(USAXS)とする。測定の範囲はq=0.05〜4(nm−1)である。検出器は半導体二次元検出器ピラタスを使用する。SAXS測定をした後、2次元のX線の強度のマッピングを見て異方性が無いのを確認して、一次元化を行う。
タングステン入りの銅箔のSAXSデータから純銅のSAXS強度を差し引くことで、WOからのX線の散乱を抽出し、この抽出データを用いて、WOの数密度を算出するために散乱X線から散乱断面積を求め、Fittingを行う。測定されたX線散乱強度I(q)と散乱断面積dΣ/dΩ(q)は式(2)関係にある。
Figure 2014145126
Φ0はダイレクトビームの強度、ηは検出器による補正項、Sは照射面積、Tは透過率、Dは厚さである。基本的にはΦ0、η、Sは一定なので、A=Φ0・η・Sとすると、A=constとなり、Aを装置固有の値とする。
Aに関しては予めΦ0、η、Sを決定している装置で測定したグラッシーカーボンをSPring−8, BL19B2でも測定を行い、Aを算出する。式(2)のS、C、Nの記号はそれぞれSample、Cell、Noiseの略記号であり、本発明中ではSampleが銅箔、Cellが純銅となる。式(2)から散乱断面積を求めると式(3)となる。
Figure 2014145126
一方で散乱断面積は式(4)で表される。
Figure 2014145126
dΣ/dΩ(q)は散乱断面積、Δρ2は原子散乱因子、dNは粒子数密度、Vは粒子体積、Fは粒子の形状因子、N(r)は粒径分布関数である。TEM観察の結果から、量子の形状因子は球体とした(式(5))。
Figure 2014145126
散乱X線強度から求めた散乱断面積:dΣ/dΩ(q)を変数qで式(3)を用いてFittingを行った。
以上の測定解析を行い、分散析出金属の粒子径を求めることができる。
(電解銅箔の製造方法)
本発明の電解銅箔は、次の製造方法によって製造することができる。
まず、硫酸銅水溶液と前記分散析出金属及び共析金属の金属塩の水溶液との混合液に、3mg/L以下の塩化物イオン濃度となるように塩酸若しくは水溶性塩素含有化合物を添加して電解液を準備し、前記電解液を用いて電解析出により電解銅箔を製造する。
1.電解液組成
電解液として、銅イオン濃度50〜120g/L、遊離の硫酸イオン濃度30〜150g/L、塩化物イオン濃度3mg/L以下に調製した硫酸銅含有水溶液を基本の電解液組成とする。ここで、本発明において、塩化物イオンを含まないとは、塩化物イオン濃度が3mg/L以下であることをいう。
銅イオンと遊離の硫酸イオンは、硫酸銅水溶液を前記各イオン濃度を与えるように調整すれば得られる。あるいは、所定の銅イオン濃度を与える硫酸銅水溶液に、追加で硫酸を加えてこれらのイオン濃度を調整してもよい。
塩化物イオンは、塩酸若しくは水溶性塩素含有化合物によって与えればよい。水溶性塩素含有化合物としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウムなどを用いることができる。
2.金属ないし金属塩の添加
前記金属の塩を溶解させた金属塩水溶液をpH4以下の電解液、好ましくは硫酸酸性の電解液に添加することで、金属酸化物の超微粒子を電解液中に分散させ、これを電解析出時に銅箔中に取り込む。
まず、分散析出金属の金属塩としては、水(pHがpH4より高くpH9未満)、アルカリ(pH9以上)、熱濃硫酸などの溶媒中でイオン化し、pH4以下では酸化物となるものであればよく、その種類に特に制限はない。これらの金属塩の例としては、金属がWやMoであれば各々その酸素酸塩を、金属がTiであればその硫酸塩を挙げることができる。例えば、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウム、タングステン酸アンモニウムなどのタングステン酸塩、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸アンモニウムなどのモリブデン酸塩、硫酸チタンなどのチタン塩を用いることができる。
また、厳密には金属塩に該当しないが、溶媒中でイオン化し、pH4以下では酸化物となるものであればよい。例えば酸化テルルは、熱濃硫酸中でイオン化するため、本発明に用いることができる。
次に、共析させる金属としては、銅と共に電析により共析する金属であれば、その種類に特に制限はない。これらの金属の例としては、金属がAgであれば硝酸銀、塩化銀、酸化銀、Biであれば、その酸化物などを用いることができる。
前記水溶液の濃度は、1mg/L〜500mg/L(当該金属として)が好ましく、10mg/L〜250mg/L(当該金属として)がさらに好ましい。この濃度が低すぎると目的の金属が十分に銅箔中に取り込まれにくくなる。一方、この濃度が高すぎると目的の金属が銅箔中に過剰に取り込まて、導電率が低下したり、耐熱性の向上効果が飽和して逆に耐熱性が低下してしまい加熱後の抗張力が低下したりしてしまう場合がある。
本発明においては、前記所定の塩化物濃度に調整するために、電解液や金属塩水溶液を調製する為に用いる水が塩化物イオンを極力含まないことが好ましい。この点では、金属塩水溶液の調製を、金属塩を純水中に溶解させて行うことが好ましい。ここで、純水とは、金属イオンおよび塩化物イオンをなるべく含まない水が好ましい。具体的には、塩化物イオン濃度が3mg/L以下の水が好ましく、塩化物イオン濃度が1mg/L未満の水がさらに好ましい。
3.製造条件
電解析出時の条件は以下の通りである。
電流密度30〜100A/dm
温度30〜70℃
以上の条件で、箔厚が例えば12μmの電解銅箔を製造することができる。
電解液に金属塩水溶液を添加するのは、銅箔中に取り込む金属をそのイオンとして水溶液中に存在させておいて、これを電解液に投入するためである。このような投入形態とすることによって、分散析出金属の金属イオンがpH4以下の電解液中で酸化物に変換される際に金属酸化物の超微粒子を形成する。同時に、共析金属の金属イオンが銅と共析して母材としての微細結晶粒を形成する。これに対して、金属塩を直接電解液に投入しても分散析出金属の金属酸化物の超微粒子は形成されず、よって抗張力、耐熱性の向上効果は得られない。また、電解析出又は共析のいずれか一方の取り込み機構を用いて金属を2種類取り込もうとしてもその取り込み量に限界があり、2種類の金属とした相乗効果は得られない。
電解液中の塩化物イオンを3mg/L以下の低濃度に抑えるのは、分散析出金属の金属酸化物超微粒子の析出時に塩素が銅表面に特異吸着することによって、金属酸化物超微粒子の吸着を阻害することを防ぐためである。塩化物イオンの濃度が3mg/Lよりも高いと、電解銅箔中への金属の取り込みが減少し、抗張力、耐熱性の向上効果が急激に低下する。
(転位の阻害効果)
銅箔を含めて金属材料は、再結晶温度以上に加熱することによって再結晶して結晶粒が粗大化し、その結果、強度が低下する。ここで、再結晶過程の起点となるのは転位(格子欠損等の不安定な状態)の移動である。本発明の電解銅箔においては、金属酸化物超微粒子が母相内に分散することによって、該微粒子周囲の転位の移動を阻害する。従って、より高温で加熱しなければ軟化しないので、高い耐熱性が得られる。
本書においては、このことを「転位の阻害効果が高い」という。
(電解銅箔の箔厚)
本発明の電解銅箔の箔厚には特に制限はなく、使用用途での要求箔厚に応じて調整すればよい。例えば、フレキシブルプリント配線板(FPC)用には3〜20μmとすればよい。一方、リチウムイオン二次電池用負極集電体用には5〜30μmとすればよい。
(電解銅箔の物性)
本発明の電解銅箔は、導電率が55%IACS以上であることが好ましく、65%IACS以上であることがさらに好ましく、70%IACS以上であることが特に好ましい。導電率の上限には特に制限はなく、100%IACSを超える場合もある。
本発明の電解銅箔は、常態における抗張力の値が500MPa以上であることが好ましく、 600 MPa以上であることがさらに好ましい。常態における抗張力の上限には特に制限はなく、通常1100MPa以下である。
本発明の電解銅箔は、300℃加熱処理後の抗張力の値の常態での抗張力の値に対する比が50%以上であることが好ましく、80%以上であることがさらに好ましく、この比が90%以上であることが特に好ましい。この比の上限には特に制限はなく、100%を超える(つまり、加熱後に抗張力が増加する)場合もある。
本発明の電解銅箔の好ましい一実施形態は、分散析出金属としてタングステンを含有し、共析金属として銀を含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる電解銅箔である。
ここで、分散析出金属としてタングステンを含有するとは、タングステン酸化物の超微粒子として母材中に分散されて存在することをいう。ただし、タングステンの母材への取り込み過程でタングステン酸化物のごく一部が金属タングステンに還元されて取り込まれている場合もある。本発明において電界銅合金箔がタングステンを含むとは、タングステン酸化物の超微粒子が母材中に分散して存在している場合の他に、このような金属タングステンの超微粒子として母材中に分散して存在している場合も含める意味である。
本書においては、このようなタングステン酸化物の超微粒子と金属タングステンの超微粒子を合わせて、電解銅箔中に含まれるタングステンと称する。
また、共析金属として銀を含有するとは、銀を銅と共析させて金属格子に取り込み(合金化して)存在することをいう。
電解銅箔に含まれるタングステンの量は10〜2000ppmの範囲が好ましく、280〜2000ppmの範囲がさらに好ましい。ここで、電解銅箔に含まれるタングステンの量とは、タングステン酸化物もしくは金属タングステンの各々の超微粒子として含有されているタングステン成分を金属タングステンに換算した含有量である。タングステンの含有量が少なすぎるとその添加効果が殆ど現れない。一方、タングステンの添加量が多すぎるとその添加効果が飽和してしまい、コスト高になるにも拘らず、物性改善の効果が見られない。
即ち、タングステンを10ppm未満の量で含有する電解銅箔では、300℃で1時間(以下、「300℃×1H」と略記する)加熱後の機械的強度が、タングステンを含有しない場合とほぼ同様に著しく低下する。
タングステンの添加量を増加するに従って300℃×1H加熱後の強度の低下は小さくなるが、含有量がある程度多くなるとその効果は飽和してくる。その有効な添加量の上限は2000ppm程度である。
なお、成分の含有量表示に使用した単位「ppm」は、「mg/kg」を意味する。また、0.0001mass%=1ppmである。
また、電解銅箔に含まれる銀の含有量は、300〜10000ppmの範囲が好ましく、1000〜10000ppmの範囲がさらに好ましい。上限値は必ずしも10000ppm以下である必要はないが、10000ppmを超えても効果の向上が見られないため、10000ppm以下とすることが実際的である。
本実施形態の電解銅箔は、銅イオンと、タングステン塩からpH4以下で生成したタングステン酸化物及び銀イオンとを含有するpH4以下の硫酸銅系電解液を電解することにより得られる。
電解液に含有されるタングステン塩としては、硫酸−硫酸銅溶液中で溶解するものであればよく、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸アンモニウム、タングステン酸カリウム等を挙げることができる。また電解液に含有される銀としては、硝酸銀、塩化銀、酸化銀等を挙げることができる。
本実施形態の電解銅箔は、低塩化物イオン濃度の電解液中において、タングステン塩から生じたタングステン酸イオンがpH4以下の電解液中で変じたタングステン酸化物が、この電解液を用いた電解析出によって、タングステン酸化物(WO、W、WO等)のままで或いは還元された金属タングステンとして電解銅箔中に取り込まれたものと考えられる。ここで、これらのタングステン酸化物(WO、W、WO等)または金属タングステンは、前記超微粒子として母材中に分散されて存在している。
また、低塩化物イオン濃度の電解液中の銀イオンが、電析により銅と共析し、銅と銀で母材を形成する。
即ち、本発明の電解銅箔は、低塩化物イオン濃度の硫酸−硫酸銅電解液であってタングステン酸化物及び銀イオンを含む電解液から電解析出により形成する。このタングステン酸化物を含む硫酸−硫酸銅電解液中では、タングステン塩からタングステン酸イオン(WO 2−或いはWO 2−等)を経てタングステン酸化物が超微粒子状に形成されていると考えられる。
低塩化物イオン濃度のタングステン酸化物及び銀イオンを含む硫酸−硫酸銅電解液により銅電析を行い、電解銅箔を形成するとタングステン酸化物(WO、W、WO等)或いは金属タングステンの各々の超微粒子が結晶粒界に吸着され、結晶核の成長が抑制され、結晶粒が微細化(低プロファイル化)され、常態で大きな機械的強度を備えた電解銅箔が形成される。
この電解銅箔の結晶粒界に存在するタングステン酸化物(WO、W、WO等)或いは金属タングステンの各々の超微粒子は、バルクの銅結晶と結合若しくは吸収されることなく、タングステン酸化物(WO、W、WO等)或いは金属タングステン各々の超微粒子のまま結晶粒界にとどまると考えられる。
タングステン酸化物若しくはタングステンを含有する電解銅箔は300℃程度の高温で加熱しても、タングステン酸化物(WO、W、WO等)或いは金属タングステン各々の超微粒子は結晶粒界にとどまることによって、銅の微細結晶が熱により再結晶して結晶粒が粗大化するのを防ぐ働きをする。
従って、本発明の電解銅箔は、常態での機械強度が大きく、300℃位の高温で加熱した後でも機械的強度の低下が小さいという、これまでの有機添加剤を含有する硫酸−硫酸銅系の電解液により製造された電解銅箔には見られない優れた特徴を有する。
前述したように、従来の、硫酸−硫酸銅系の電解液に添加される有機添加剤は、電解液中で金属元素、塩素とともに化合物を形成すると考えられる。この場合金属元素は銅である。従って、硫酸−硫酸銅電解液中で銅−有機添加剤−塩素の化合物が形成される。この電解液による銅電析により電解銅箔を形成すると、銅−有機添加剤−塩素の化合物が結晶粒界に吸着され、結晶核の成長が抑制され、結晶粒が微細化され、常態で大きな機械的強度を備えた電解銅箔が形成される。
しかし、この銅箔は結晶粒界に存在する物質が、銅−有機添加剤−塩素化合物であるため銅はバルクの銅結晶と結合あるいは吸収され、結晶粒界に存在する物質が、有機添加剤と塩素のみとなってしまうため、これらの有機添加剤と塩素は300℃程度の高温にさらされると分解し、その結果として機械的強度が低下すると考えられる。
300℃程度の高温で加熱した場合に引張強さが著しく低下する理由は、上記のように結晶粒界に存在する化合物が有機化合物(有機添加剤)であり、該有機化合物は300℃程度の加熱により分解しやすいため、機械的強度が低下すると考えられる。
特許文献1〜4及び6に記載された技術では各々異なる有機化合物を使用して電解銅箔を製造しているが、いずれも有機添加剤と塩素を含む硫酸−硫酸銅電解液から製造されたものであり、電解銅箔の結晶粒界に吸着しているのは有機化合物成分であるため、かかる電解銅箔が約300℃の高温に曝された場合、著しく機械的強度が低下するのは、結晶粒界に吸着している化合物がいずれも約300℃の高温加熱で分解しやすい有機化合物であるからと考えられる。
これに対して本実施形態の電解銅箔は、低塩化物イオン濃度の硫酸−硫酸銅電解液にタングステン酸化物及び銀イオンを含有させた電解液から電解析出により形成された電解銅箔である。
上述したように、タングステン成分としては、硫酸−硫酸銅電解液中でタングステン酸イオン(WO 2−或いはWO 2−等)を経てタングステン酸化物(WO、W、WO等)または金属タングステンの各々の超微粒子が形成されると考えられる。この電解液により銅電析を行い銅合金箔を形成すると、タングステン酸化物(WO、W、WO等)または金属タングステンの各々の超微粒子がその超微粒子状のまま結晶粒界に吸着される。その結果、結晶核の成長が抑制され、結晶粒が微細化され、常態で大きな機械的強度を備えた電解銅箔が形成される。
このような本実施形態の電解銅箔では、2種類の取り込み機構で取り込ませることでそれぞれの取り込み機構の上限いっぱいまで取り込ませることができるため、単一の取り込み機構よりも取り込み量を増やす(耐熱性を向上させる)ことができる。
また、本実施形態の電解銅箔は、電解析出により、タングステン酸化物(WO、W、WO等)または金属タングステンの各々の超微粒子が結晶粒界に取り込まれている。この超微粒子が周囲の結晶組織に影響して再結晶化の阻害作用を奏する。これにより、銅−有機化合物−塩素化合物の場合とは異なり、分散析出金属であるタングステンは、母材に取り込まれることなく、タングステン酸化物(WO、W、WO等)または金属タングステンの各々の超微粒子のまま結晶粒界にとどまり、常態、加熱後の強度を飛躍的に向上させる。
加えて、本実施形態の電解銅箔においては、母材として、銀イオンが銅と共析して金属格子に取り込まれている。その共析により母相の格子自体が純銅とは異なるため再結晶に必要なエネルギーを異ならせる作用を奏する。これにより、加熱による熱軟化が生じにくいために、加熱後の強度低下を抑制若しくは強度を向上させる。
上記の作用の相乗効果によって、本発明の電解銅箔は、単一の取り込み機構ではなし得なかった高強度性かつ高耐熱性を有する。
このため、300℃程度の高温に曝されても、タングステン酸化物(WO、W、WO等)または金属タングステンの各々の超微粒子は結晶粒界にとどまり、銅の微細結晶が熱により再結晶し、結晶が粗大化するのを防ぐ働きをする。
従って、常態の機械的強度が大きく、300℃程度の高温で加熱した後でも機械的強度の低下が小さく、これまでの有機添加剤を用いた硫酸−硫酸銅系の電解液により製造された電解銅箔には見られない優れた特徴を有する。
上記の実施形態はタングステンと銀とを用いた例であるが、本発明においては、他の分散析出金属と共析金属とを用いた場合も同様である。
本発明の電解銅箔は、フレキシブルプリント配線板(FPC)やリチウムイオン二次電池用負極集電体などに好適に用いることができる。
前述のようにFPCの場合は、ポリイミドをキャスト或いは加熱ラミネートした後に一定以上の強度が必要である。
また、リチウムイオン二次電池用負極集電体では、バインダーにポリイミドを使用した場合、ポリイミドを硬化させるため負極に加熱処理を行う。この加熱後に銅箔が軟化して、その強度が小さくなりすぎると、充電放電時に活物質の膨張収縮の応力が銅箔に加わり、銅箔に変形が起こる場合がある。さらに著しい場合には銅箔が破断が発生する場合がある。従って負極集電体用銅箔は、加熱後に一定以上の強度が必要である。
このように、フレキシブルプリント配線板(FPC)とリチウムイオン二次電池用負極集電体のいずれの場合でも、ポリイミドの加熱硬化には300℃位の温度で加熱が行われる。従って、銅箔は300℃×1H程度の温度で加熱されても、その後に一定以上の強度が必要である。
本発明の電解銅箔においては、これらの機械的機特性の合格レベルの目安は、各項目について以下の通りである。180℃加熱後の引張強さがTS≧310MPa、0.2%耐力がYS≧200MPa、伸びがEl≧1.5%である。300℃×1H加熱後の引張強さがTS≧280MPa、0.2%耐力がYS≧150MPa、伸びがEl≧2.5%である。また、300℃×1H加熱後の抗張力の常態での抗張力に対する比(%)は、60%以上である。
以下に、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[電解液の調製]
銅濃度50〜120g/L、フリーの硫酸濃度30〜150g/L、塩化物イオン濃度3mg/L以下に調製した硫酸銅溶液を基本溶液とした。
この基本溶液を基に、下記のとおり実施例1〜10及び比較例1〜8の試料を作成するための電解液を調製した。
(実施例1)
タングステン(IV)酸二ナトリウムを純水に溶解し、タングステンとして150mg/Lとなるように基本浴に添加した。硝酸銀を銀として10mg/Lとなるように基本浴に添加し、実施例1の電解液とした。
(実施例2)
タングステン(IV)酸二ナトリウムを純水に溶解し、タングステンとして30mg/Lとなるように基本浴に添加した。硝酸銀を銀として10mg/Lとなるように基本浴に添加し、実施例2の電解液とした。
(実施例3)
タングステン(IV)酸二ナトリウムを純水に溶解し、タングステンとして200mg/Lとなるように基本浴に添加した。硝酸銀を銀として10mg/Lとなるように基本浴に添加し、実施例3の電解液とした。
(実施例4)
タングステン(IV)酸二ナトリウムを純水に溶解し、タングステンとして150mg/Lとなるように基本浴に添加した。硝酸銀を銀として1mg/Lとなるように基本浴に添加し、実施例4の電解液とした。
(実施例5)
タングステン(IV)酸二ナトリウムを純水に溶解し、タングステンとして150mg/Lとなるように基本浴に添加した。硝酸銀を銀として200mg/Lとなるように基本浴に添加し、実施例5の電解液とした。
(実施例6)
タングステン(IV)酸二ナトリウムを純水に溶解し、タングステンとして150mg/Lとなるように基本浴に添加した。酸化ビスマスをビスマスとして500mg/Lとなるように基本浴に添加し、実施例6の電解液とした。
(実施例7)
タングステン(IV)酸二ナトリウムを純水に溶解し、タングステンとして150mg/Lとなるように基本浴に添加した。酸化ビスマスをビスマスとして50mg/Lとなるように基本浴に添加し、実施例7の電解液とした。
(実施例8)
モリブデン(IV)酸二ナトリウムを純水に溶解し、モリブデンとして20mg/Lとなるように基本浴に添加した。硝酸銀を銀として50mg/Lとなるように基本浴に添加し、実施例8の電解液とした。
(実施例9)
硫酸チタンを純水に溶解し、チタンとして5g/Lとなるように基本浴に添加した。硝酸銀を銀として30mg/Lとなるように基本浴に添加し、実施例9の電解液とした。
(実施例10)
酸化テルルを熱濃硫酸中で溶解し、テルルとして10g/Lとなるように基本浴に添加した。硝酸銀を銀として30mg/Lとなるように基本浴に添加し、実施例9の電解液とした。
(比較例1)
タングステン(IV)酸二ナトリウムを純水に溶解し、タングステンとして150mg/Lとなるように基本浴に添加し、比較例1の電解液とした。
(比較例2)
モリブデン(IV)酸二ナトリウムを純水に溶解し、モリブデンとして20mg/Lとなるように基本浴に添加し、比較例2の電解液とした。
(比較例3)
硫酸チタンを純水に溶解し、チタンとして5g/Lとなるように基本浴に添加し、比較例3の電解液とした。
(比較例4)
酸化テルルを熱濃硫酸中で溶解し、テルルとして10g/Lとなるように基本浴に添加し、比較例4の電解液とした。
(比較例5)
特許文献6の実施例に基づいて比較例5の電解液を作成した
(比較例6)
硝酸銀を銀として200mg/Lとなるように基本浴に添加し、比較例6の電解液とした。
(比較例7)
特許文献7の実施例に基づいて比較例7の電解液を作成した。
(比較例8)
酸化ビスマスをビスマスとして500mg/Lとなるように基本浴に添加し、比較例8の電解液とした。
上記の各電解液を用いて以下の条件で電析を行い、各々12μm厚さの電解銅箔を製造した。
電流密度=30〜100A/dm
温度=30〜70℃
得られた各電解銅箔の常態での引張強さ(TS)、300℃×1H加熱後の引張強さび導電率を測定した。併せて、各電解銅箔中の分散析出金属の含有量及び共析金属の含有量を測定した。これらの結果を表1に示す。
ここで、製箔した電解銅箔の常態での引張強さ(抗張率)及び300℃×1H加熱後の引張強さ(抗張力)は、JISZ2241−1880に基づき測定を行った。導電率は、JIS−K6271に基づき、4端子法(電流電圧法)で測定した。その結果を表1に示した。
銅箔中の金属含有量については、一定質量の電解銅箔を酸で溶解した後、溶液中のWをICP発光分光分析法により分析して求めた。その結果を含有W量(ppm)として表1に示した。
本実施例における銅合金箔の機械的機特性の合格レベルの目安は、各測定項目について以下の通りである。常態での引張強さ(抗張力)がTS≧500MPaである。300℃×1H加熱後の引張強さ(抗張力)がTS≧280MPaである。また、300℃×1H加熱後の抗張力の常態での抗張力に対する比(%)は、60%以上である。導電率は、50%IACS以上である。
Figure 2014145126
実施例1〜7の電解銅箔は、比較例1〜3の電解銅箔と比較して、共析金属の固溶により加熱後の強度低下の抑制ないし強度向上があった。また共析金属は、電解銅箔の導電性の向上に寄与し、特にAg(実施例1〜5)は導電率維持(合金化による導電率の低下の抑制)の効果があった。
また、実施例8の電解銅箔は、比較例2の電解銅箔と比較して、同じMoを金属酸化物としてほぼ同程度に取り込んでいても、上記と同様に加熱後の強度及び導電率がともに優れていた。実施例9の電解銅箔と比較例3の電解銅箔との比較、実施例10の電解銅箔と比較例4の電解銅箔との比較においても同様であった。
実施例1の電解銅箔と比較例7の電解銅箔(特許文献7の実施例の電解銅箔)との比較では、実施例1に見られる分散析出金属による常態の強度向上が比較例7では得られなかった。また、単純に比較例7のAg量を増やしたような場合の比較例6においても、強度向上は得られていなかった。このことは、Biを共析させた、実施例6の電解銅箔と比較例8の電解銅箔との比較においても同様であった。
実施例3の電解銅箔と比較例5の電解銅箔(特許文献6実施例の電解銅箔)との比較では、金属酸化物として取り込まれた金属は異なるが、比較例5のものは酸化物単独(二成分系)なので三成分系である実施例3のものの方が常態強度及び加熱後の強度が高く、高い導電率を維持していた。
13 X線源
14 入射X線
15 シャッター
17 モノクロメーター
19 第1ピンホール
21 第2ピンホール
23 減衰器
25 第3ピンホール
27 試料
29 透過X線
31 散乱X線
33 ビームストッパー
35 検出器

Claims (9)

  1. pH4以下の酸性条件において酸化物として存在する金属またはその酸化物と、銅と共析する金属とを含む電解銅箔。
  2. pH4以下の酸性条件において酸化物として存在する金属またはその酸化物を金属として10ppm以上含む請求項1に記載の電解銅箔。
  3. 銅と共析する金属を100ppm以上含む請求項1または2に記載の電解銅箔。
  4. pH4以下の酸性条件において酸化物として存在する金属は、W、Mo、Ti、Teのいずれかである請求項1〜4のいずれかに記載の電解銅箔
  5. 銅と共析する金属はAg、Biのいずれかである請求項1〜4のいずれかに記載の電解銅箔
  6. 300℃加熱処理後の抗張力が900MPa以上である請求項1〜5のいずれかに記載の電解銅箔。
  7. 導電率が70%IACS以上である請求項1〜6のいずれかに記載の電解銅箔。
  8. 硫酸銅水溶液と、上記金属の金属塩の水溶液と、3mg/L以下の塩化物イオンとを含有してなる電解液を用いて製造された請求項1〜7のいずれか1項に記載の電解銅箔。
  9. 硫酸銅水溶液と上記金属の金属塩の水溶液との混合液に、3mg/L以下の塩化物イオン濃度となるように塩酸若しくは水溶性塩素含有化合物を添加して電解液を準備し、前記電解液を用いて電解析出により電解銅箔を製造する請求項1〜8のいずれか1項に記載の電解銅箔の製造方法。
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